(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-02-09
(45)【発行日】2023-02-17
(54)【発明の名称】通気素子
(51)【国際特許分類】
B01F 23/231 20220101AFI20230210BHJP
C02F 3/20 20230101ALI20230210BHJP
B01F 25/40 20220101ALI20230210BHJP
【FI】
B01F23/231
C02F3/20
B01F25/40
(21)【出願番号】P 2019534317
(86)(22)【出願日】2018-01-04
(86)【国際出願番号】 EP2018050170
(87)【国際公開番号】W WO2018134052
(87)【国際公開日】2018-07-26
【審査請求日】2020-12-21
(31)【優先権主張番号】102017100938.8
(32)【優先日】2017-01-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】523022088
【氏名又は名称】パッサファント-ガイガー ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】チャン,ジェンサン
【審査官】塩谷 領大
(56)【参考文献】
【文献】特開2007-190462(JP,A)
【文献】西独国特許出願公開第02261994(DE,A)
【文献】実開昭63-152632(JP,U)
【文献】特開2016-198700(JP,A)
【文献】国際公開第2016/041488(WO,A1)
【文献】特表2009-511292(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B01F 21/00-25/90
C02F 3/20
C02F 3/12
A01K 63/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つの気体ポート(12)と、少なくとも1つのキャリア板(13)と、前記少なくとも1つの気体ポート(12)及び/又は前記少なくとも1つのキャリア板(13)に接続されている少なくとも1つの弾性的に変形可能な膜(14)とを有する、気体を液体に導入するエアレーション素子であって、前記少なくとも1つの膜(14)と前記少なくとも1つのキャリア板(13)との間に形成可能な空間は、前記気体ポート(12)と流れ接続しており、前記少なくとも1つのキャリア板(13)は、多数の気体出口開口部(15)を有し、
前記少なくとも1つの膜(14)は、水よりも低い密度を有する材料の特定の部分に含まれる、及び/又は、前記少なくとも1つの膜(14)に、水よりも低い密度を有する少なくとも1つのフロート(18)が設けられており、
前記少なくとも1つの膜(14)は、水よりも低い密度を有するフロート(18)が、前記少なくとも1つの膜(14)の2つの層の間に密閉されている、多層構造を特定の部分に少なくとも有することを特徴と
し、
空気泡は、前記少なくとも1つの膜(14)の2つの層の間に密閉されていることを特徴とする、エアレーション素子。
【請求項2】
前記少なくとも1つのキャリア板(13)及び前記少なくとも1つの膜(14)は、無負荷状態で順に重ねて特定の領域に少なくとも位置し、それらの外周で互いに密閉接続されているディスクとして形成されていることを特徴とする、請求項1に記載のエアレーション素子。
【請求項3】
前記少なくとも1つのキャリア板(13)及び前記少なくとも1つの膜(14)は、締め付け素子(16)によってそれらの外周で互いに接続されていることを特徴とする、請求項2に記載のエアレーション素子。
【請求項4】
前記少なくとも1つのキャリア板(13)及び前記少なくとも1つの膜(14)は、接着剤(20)及び/又は溶接継手によってそれらの外周で互いに接続されていることを特徴とする、請求項2に記載のエアレーション素子。
【請求項5】
前記少なくとも1つのキャリア板(13)は、前記少なくとも1つの膜(14)よりも硬質の材料からなることを特徴とする、請求項1~4のいずれか一項に記載のエアレーション素子。
【請求項6】
前記少なくとも1つのキャリア板(13)に、液滴を形成する気体泡に導電性のある塗膜及び/又は上塗り層が設けられていることを特徴とする、請求項1~5のいずれか一項に記載のエアレーション素子。
【請求項7】
前記少なくとも1つのキャリア板(13)に、細菌付着物、汚染物及び/又は堆積物の影響を打ち消す塗膜及び/又は上塗り層が設けられていることを特徴とする、請求項1~6のいずれか一項に記載のエアレーション素子。
【請求項8】
前記少なくとも1つの膜(14)は、水不透過性材料及び空気不透過性材料からなる軟質可撓性プラスチック膜であることを特徴とする、請求項1~7のいずれか一項に記載のエアレーション素子。
【請求項9】
前記少なくとも1つの膜(14)は、前記少なくとも1つのキャリア板(13)から離れて面する側で、水よりも低い密度を有する少なくとも1つのフロート(18)に接続されており、及び/又は、前記少なくとも1つの膜(14)は開又は閉気体クッション(21)を含むことを特徴とする、請求項1~
8のいずれか一項に記載のエアレーション素子。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、気体を液体に導入するエアレーション素子に関する。このために、好ましくは、エアレーション素子は、少なくとも1つの気体ポートと、少なくとも1つのキャリア板と、少なくとも1つの気体ポート及び/又は少なくとも1つのキャリア板に接続されている少なくとも1つの弾性的に変形可能な膜とを有する。特に、例えば圧力をかけた場合、少なくとも1つの膜と少なくとも1つのキャリア板との間に形成可能な空間は、気体ポートと流れ接続していることができる。
【背景技術】
【0002】
廃水中の有機及び無機成分を分解又は酸化させる目的で、汚泥及び水の混合物の細菌に溶存酸素を供給するために、エアレーション素子は、生物学的廃水処理で主に使用されている。
【0003】
酸素入力のタイプによって、機械的エアレーション(表面エアレーションとも呼ばれる)と圧縮空気エアレーションとの間に違いがある。Aqseptence Group GmbHは、例えば、MAMMUTROTOR(登録商標)という商品名で、機械的エアレーションシステムを提供しており、空気からの酸素を、水平回転ローラによって水と集中的に接触させ、このようにして、酸素を水に導入する。
【0004】
Aqseptence Group GmbHは、ROEFLEX(登録商標)及びBIOFLEX(登録商標)という商品名で、圧縮空気エアレーション素子も提供しており、圧縮空気を、送風機又は圧縮機によって生成し、分配管のシステムによって、生物反応槽の底に設置された個々のエアレーション素子に圧縮空気を導く。そこで、圧縮空気は、汚泥及び水の混合物を通って水の表面まで上昇する個々の泡としてエアレーション素子における特殊な開口部から出てきて、空気泡が上昇するにつれて、空気泡と水との間の集中物質移動が行われ、これによって、酸素を水に溶かす。
【0005】
硬質金属又はプラスチックのエアレーション管は、混合物を生成し、例えば通気砂トラップで、大きい空気泡によって水流を循環させるために、ほぼ独占的に使用され、このエアレーション管は、優れた酸素入力に適さない傾向がある。更に、このようなエアレーション管で、堆積物が急速に発生し、エアレーション管が、空気の供給を停止するとすぐに、この管の内部で沈殿する固体粒子によって詰まる。
【0006】
硬質金属又はプラスチックの大泡及び中泡エアレーション管、セラミック気体放出部を有する微泡エアレーター、並びに硬質支持体の上に引かれて締結されたEPDM、シリコーン又はTPUの穿孔弾性膜を有する中泡及び微泡エアレーターがある。同時に、円形又は卵形管、円形板、比較的小さい長い板、又は大きい長方形板の形で、エアレーターを設計してもよい。膜の穿孔は、形状、サイズ及び密度が異なってもよいけれども、膜の厚さは通常、設計及び機械的荷重に適している。
【0007】
更に、セラミックエアレーターは、優れた酸素入力特性にもかかわらず、次第に使用されなくなっている。なぜなら、円形板又は長方形板、又は管としてのセラミック気体放出部は、空気の供給を停止するとすぐに、固体汚泥粒子によって簡単に詰まることがあるからであり、又は、微セラミック毛細管は、生物付着物によって詰まる傾向があるからである。これにより、セラミック気体放出部及び微セラミック毛細管を、頻繁に化学的に洗浄する必要がある。このために、セラミック部は、泡が出てくるにつれてより大きい圧力損失を受け入れるけれども、十分な圧縮強度(内側及び外側での圧力差)及び耐破損性を与えるために、特定の最小厚さを有する必要がある。
【0008】
微泡エアレーターに含まれている、微細スリット形成部を有する硬質材料からなるエアレーターを提供する場合もある。
【0009】
圧縮空気エアレーションシステムの費用効果は、具体的に言うと、生成泡のサイズ、空気がエアレーターから出る場合の圧力損失、表面積分布及び泡のサイズの均一性を含む様々な要因に左右される。
【0010】
現代の廃水処理において、微泡膜エアレーターは、比較的優れた酸素入力特性は別として、非常に詰まりにくいため、主に使用されている。更に、運転中に中断がある場合、開口部は、再度閉塞し、その結果、このようなエアレーターは、柔軟な運転にも適している。
【0011】
図1は、ROEFLEX(登録商標)という商品名で、Aqseptence Group GmbHによって販売されるような、このような膜エアレーターを断面図で概略的に示す。このエアレーター1は、中央気体供給部2と、硬質キャリア板3と、キャリア板3に密閉接続されている可撓性膜4とを実質的に含む。膜4に、正圧下の気体を気体供給部2からエアレーター1に導入した場合に気体が逃げることができる穿孔5が設けられている。これが発生した時に、膜4は、キャリア板3の支持構造体から離昇し、その結果、気体が充填される空間が、キャリア板3と膜4との間に生成される。ここで、
図1の左側は、気体を供給しない場合のエアレーター1の状態を示す一方、
図1の右側は、気体をエアレーター1に導入した場合の状態を示す。
【0012】
膜エアレーターの欠点は、例えば、圧縮空気が、泡として出てくるために、穿孔(例えば、狭いスリット)をまず開状態に広げる必要があることである。これは、圧力損失の形でエネルギー損失を伴う。より小さい泡を生成し、これによって、改善された酸素移動を達成するために、より小さいスリッティング又はピン孔を選択した場合、圧力損失は、より大きくなる。一方、平坦又はシートの形である膜の場合における膜の内側と外側との間の圧力差のために、膜の膨出が発生し、この膨出は、より大きくなるにつれて、膜が締結又は装着される場所から膨出の位置が更に離れる。この膨出は、より大きい膨出がある場所で、ある程度までより多くの泡が出てくるため、泡の不均等分布を引き起こす。更に、泡が上昇するにつれて、より大きい合体を引き起こす一種の泡収縮がある場合があり、その結果、より大きい泡及びより悪い酸素移動を引き起こす。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
本発明の目的は、上述の欠点を回避して優れた酸素移動を達成する改良圧縮空気エアレーターを形成することにある。
【課題を解決するための手段】
【0014】
この目的は、多数の気体出口開口部を有する少なくとも1つのキャリア板と、水よりも低い密度を有する材料の特定の部分に少なくとも含まれる少なくとも1つの膜、及び/又は、水よりも低い密度を有する少なくとも1つのフロートが設けられている少なくとも1つの膜と、によって実質的に最初に記載のタイプのエアレーション素子のための本発明によって達成される。特に、本発明によるエアレーション素子は、気体供給部と、キャリア板と、膜とからなる。
【0015】
本発明の主要な概念は、例えば金属又はプラスチックからなってもよい微細穿孔硬質板(キャリア板)を平坦気体放出面として使用することである。設置位置で、即ち、気体を液体に導入するために、本発明によるエアレーション素子を使用している場合、キャリア板は、上方に面し、膜は、キャリア板の下に配置される。
【0016】
膜は、水よりも低い密度を有する、及び/又は、フロートによって浮き上がりを経験するため、気体供給部によって気体をエアレーション素子に導入しない場合、膜を、下からキャリア板と接触させる。停止状態で、即ち、供給される圧縮空気無しで、膜は、下から穿孔板に対して密に位置し、その結果、下から気体放出板(キャリア板)における開口部を塞ぐ。これは、水及び/又は泥粒子が、膜とキャリア板との間の空間に浸透することができるのを防止する。膜の浮力、及び硬質板の上側からの水圧と比較して非常に小さい程度に僅かに高い下からの水圧の両方は、この防止に寄与する。圧縮空気を供給した場合、可撓性膜を、その膜の浮力に対して下方に押し、これによって、拡張空間が生成され、圧縮空気は、硬質気体放出板における穿孔開口部の全てに到達し、穿孔開口部を通過して水に入ることができる。
【0017】
このように設計されたエアレーション素子への空気供給は、停止状態で膜によって更に塞がれ、その結果、エアレーション素子に漏れがある場合でも、水及び泥粒子が、空気分配システムに入ることができるのを防止するように形成されてもよい。
【0018】
好ましくは、少なくとも1つのキャリア板及び少なくとも1つの膜は、無負荷状態で順に重ねて特定の領域に少なくとも位置し、外周で互いに密閉接続されているディスク、例えば円形ディスクとして形成されている。この接続は、気体出口開口部に均等に供給される効果を達成するために、気体を供給した場合に膨らむ気密空間をキャリア板と膜との間に形成することができ、気体の供給無しで、最小体積を想定する。この最小体積は、非常に小さいため、膜とキャリア板との間に存在するかなりの気体含有物無しで、膜は、キャリア板上に平坦に位置する。
【0019】
少なくとも1つのキャリア板及び少なくとも1つの膜は、例えば、締め付け素子及び/又はねじ込み接続部によって外周で互いに接続されている。このような締め付け素子は、カラー、例えば、互いに押された膜及びキャリア板を維持する周囲カラーであってもよい。このために、膜及び/又はキャリア板に、例えば、締め付け素子における対応する窪みに係合するビードを設けてもよい。逆に、締め付け素子のビードが、膜又はキャリア板における窪みに係合してもよい。これの代替案として、又はこれに加えて、少なくとも1つのキャリア板及び少なくとも1つの膜は、接着剤及び/又は溶接継手によって外周で互いに接続されてもよい。
【0020】
好ましくは、少なくとも1つのキャリア板は、膜よりも硬質の材料、特に金属又はプラスチックからなる。特に、例えば高品質鋼などの金属材料、及び高強度プラスチックは、非常に小さい肉厚でも、素子として十分な機械的安定性の利点を有し、及び気体処理板(キャリア板)の上下間の圧力差に対する十分な耐性の利点を有する。その結果、空気泡が出てくる場合の圧力損失を、より薄い肉厚を選択することによって更に最小化することができる。
【0021】
現在頻繁に使用される膜エアレーション素子と比較して、この発明によって形成されたエアレーション素子は、硬質気体放出面(キャリア板)の材料表面に、特殊処理(例えば、塗装)する、又は空気泡が液滴を形成しやすいような方法で処理する、又は、この材料表面が、細菌付着物、汚染物及び堆積物に対するより優れた耐性を有することができるという利点も有する。一方、このような対策を軟質可撓性膜で達成するのが困難である。上述の望ましい特性を考慮するような方法で、中身を選択するのに材料の混合物を選択する場合、プラスチックの気体放出面を用いて、既に可能である。このようにして、酸素入力を更に改善することができ、耐久性が向上される。特に、少なくとも1つのキャリア板に、液滴を形成する気体泡に導電性のある塗膜及び/又は上塗り層、及び/又は、細菌付着物、汚染物及び/又は堆積物の影響を打ち消す塗膜及び/又は上塗り層が設けられてもよい。
【0022】
好ましくは、少なくとも1つの膜は、水不透過性及び空気不透過性材料からなる軟質可撓性プラスチック膜である。本発明の一実施形態によれば、少なくとも1つの膜に、気体出口開口部を設けない。
【0023】
少なくとも1つの膜の特に適切な構造では、少なくとも1つの膜は、空気泡、及び/又は水よりも低い密度を有するフロートが、少なくとも1つの膜の2つの層の間に密閉されている、多層構造を特定の部分に少なくとも有する。代替案として、又は更に加えて、少なくとも1つの膜は、少なくとも1つのキャリア板から離れて面する側で、水よりも低い密度を有する少なくとも1つのフロートに接続されてもよく、及び/又は、少なくとも1つの膜は開又は閉気体クッションを含む。これらの対策は、例えば、水よりも非常に軽い膜が水中で浮く効果を有する。好ましくは、十分な浮力を形成するような厚さを膜に与える。従って、水不透過性膜は、例えば、空気泡又は軽量泡粒子を密閉してもよく、これによって、十分な浮力を生成する。浮力膜を、硬質気体放出板の下に締結し、密封方法で気体放出板と一緒に外周で接続して締結する。換言すれば、フロート部又は空気クッション材を、下から膜に接着して取り付ける、又は膜に密閉してもよく、又は、膜を、このような軽量及び浮力材料から少なくとも一部完全に製造してもよい。フロートを有する膜の場合、ユニットを形成するようにフロートの上に設置された膜に接続されることなく、下から配置された個別フロートによって浮力を与えることもできる。
【0024】
この発明によって設計されたエアレーション素子は、様々な幾何学的形状、例えば、円形板、1つ又は複数の空気供給ポートを有する長方形の大きい板、狭い又は長い板を想定してもよい。硬質穿孔板と空気不透過性可撓性膜との間に圧縮空気を供給するために、適切な位置に、例えば、円形気体放出板の中央に、開口部を、設けて、圧縮空気分配システムに接続する。
【0025】
上述の設計は、空気の発生及び泡の形成用の開口部が、開状態で既に存在し、エネルギーを与えることによってもはや開放される必要がないという利点を有する。同時に、空気を適切に加えた場合に空気が出てくる場合の圧力損失が過度に増加することを恐れる必要無しに、より小さい開口部サイズ又は開口部寸法でも選択することができる。これにより、より小さい開口部サイズ及びより高い開口部密度でより小さい均一泡を生成し、その結果、酸素収率の向上を達成する可能性も広がる。
【0026】
この発明によって設計されたエアレーション素子を用いて、例えば、より優れた酸素入力効率のために高い密度を有するより小さい穿孔、又はより優れた混合性能のためにより低い密度を有するより大きい穿孔など、プロセス工学の観点から必要に応じて穿孔の密度を選択することもできる。
【0027】
本発明の進展、利点及び応用可能性も、例示的な実施形態及び図面の下記の説明から出てくる。記載及び/又は図示の全特徴は、特徴が特許請求の範囲又はそれらの後方参照に一緒に含まれる方法とは無関係に、独自で又は任意の組み合わせで、本発明の主題を形成する。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【
図1】先行技術によるエアレーション素子を通る断面を模式的に示す。
【
図2】無負荷状態における本発明によるエアレーション素子を通る断面を模式的に示す。
【
図3】圧力をかけた状態における
図2に示すようなエアレーション素子を通る断面を模式的に示す。
【
図4】
図2及び
図3に示すようなエアレーション素子の部分断面平面図を模式的に示す。
【
図5】
図2及び
図3に示すようなエアレーション素子の詳細断面図を模式的に示す。
【
図6】代替のエアレーション素子の詳細断面図を模式的に示す。
【
図7】更なる実施形態が提供するような本発明によるエアレーション素子を通る断面を模式的に示す。
【発明を実施するための形態】
【0029】
図2~
図5の例示的な実施形態に示すエアレーション素子11は、加圧空気をエアレーション素子11に導入することができる中央気体ポート12を有する。エアレーション素子11は、キャリア板13とキャリア板13に締結された膜14とによって実質的に形成されている。図示の実施形態において、キャリア板13は、硬質材料、例えば、高品質鋼又はプラスチックの平坦円形ディスクである。キャリア板13に、空気がエアレーション素子11から出てくることができる多数の気体出口開口部15を設ける。
【0030】
図示の実施形態において、膜14も同様に、締め付け素子16によってキャリア板13に外周で締結された円形ディスクとして設計されている。
図5の詳細図から分かるように、このために、膜14に、締め付け素子16における対応する隙間に係合するビードを膜14の外周に設けてもよい。膜14は、密封方法で気体ポート12に対して位置する、又はねじ込み接続部を介して接続できる中央開口部を有する。
【0031】
図示の実施形態において、気体ポート12に、例えば、密封方法でキャリア板13に接続されたキャップ状中央空気分配器17を設ける。空気は、キャリア板13における貫通開口部19を介してキャリア板13と膜14との間の空間に気体ポート12から通過することができる。その結果、膜14は、キャリア板13に横になる
図2に示す状態から、膜14がキャリア板13から離れる
図3に示す状態に変わる。
図2の状態で、キャリア板13における気体出口開口部15を膜14が塞ぐのに対して、
図3で、気体出口開口部15が膜14で覆われないことがここで分かる。
【0032】
図2及び
図3における膜14の下側に配置されているのは、フロート18であり、このフロート18は、例えば、膜14に接続されている。これの代替案として、フロート18は、膜14に対して単に位置するだけでもよく、又は膜14に統合されてもよい。特に、膜14自体は、水よりも低い密度を有する材料からなってもよい。その結果、エアレーション素子11を液体又は汚泥に浸した場合、膜14をキャリア板13に押す。その結果、キャリア板13の気体出口開口部15は、膜14によって特に効果的に塞がれる。
【0033】
図4の平面図では、中央空気分配器17を断面で示し、その結果、気体ポート12は中央開口部として見える。圧縮空気が、キャリア板13と膜14との間の空間に中央空気分配器17を介して気体ポート12から通過することができる、4つの貫通開口部19を、図示の例で更に示す。
【0034】
図6は、
図5に示すようなキャリア板13への膜14の締結の代替案を示す。
図6に示すような例示的な実施形態において、接着層20によって膜14をキャリア板13に接着接合する又は溶接する場合、別個の締め付け素子を省いてもよい。このために、
図6に示すように、設置位置で上側であり、キャリア板にそこで接続される、キャリア板13の側に、膜14を持って来てもよい。
【0035】
図7は、エアレーション素子の更なる実施形態を示す。ここで、全周密閉され、膜14の下面(図示の設置位置)に設けられた気体又は空気クッション21として、フロートを形成する。この気体クッション21は、更なる膜(図示せず)で下方に閉じてもよく、又は
図7に示すように、下方に開放してもよい。気体の側方漏れを回避するために、例えば、周囲に伸び、図示の例で締め付け素子16から下方に延在する境界壁22を設ける。しかし、このような境界壁22を、膜14又はキャリア板13に直接取り付けてもよい。
【0036】
閉気体クッション21の上述の第1の代替案において、例えば、弁を設け、設置中に空気を充填してもよい第2の膜(図示せず)を下部に取り付けるように、例えば単に要求する。代わりに、例えば、弁を通して、又は下方の膜14における小さいスリッティング又は同様の開口部23を介して、動作中に空気を徐々に充填する、境界壁22によって、単純な周囲壁を設ける。開口部23の機能を例示するために、開口部23を
図7に拡大して示す。実際には、開口部23はかなり小さい。動作を停止した場合、この気体クッション21は、膜14によってキャリア板13の開口部15の閉塞及び必要な浮き上がりを与える。
【符号の説明】
【0037】
1 エアレーション素子
2 気体ポート
3 キャリア板
4 膜
5 気体出口開口部
11 エアレーション素子
12 気体ポート
13 キャリア板
14 膜
15 気体出口開口部
16 締め付け素子
17 中央空気分配器
18 フロート
19 貫通開口部
20 接着剤
21 気体クッション
22 境界壁
23 開口部