(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-02-09
(45)【発行日】2023-02-17
(54)【発明の名称】ワークピースの歯車製造機械加工方法
(51)【国際特許分類】
B23F 19/00 20060101AFI20230210BHJP
B23F 5/16 20060101ALI20230210BHJP
B23F 5/22 20060101ALI20230210BHJP
B23F 23/12 20060101ALI20230210BHJP
【FI】
B23F19/00
B23F5/16
B23F5/22
B23F23/12
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2018057697
(22)【出願日】2018-03-26
【審査請求日】2020-08-20
(31)【優先権主張番号】10 2017 003 648.9
(32)【優先日】2017-04-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】594012634
【氏名又は名称】リープヘル-フェアツァーンテヒニク ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング
(74)【代理人】
【識別番号】110001427
【氏名又は名称】弁理士法人前田特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ワイクスラー ヨハン
(72)【発明者】
【氏名】ブライト トーマス
【審査官】亀田 貴志
(56)【参考文献】
【文献】特表2013-518737(JP,A)
【文献】特公昭48-014915(JP,B1)
【文献】特表2016-516602(JP,A)
【文献】西独国特許第01139349(DE,B)
【文献】特開平10-286720(JP,A)
【文献】特開昭63-139613(JP,A)
【文献】特表2015-520036(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2009/0041555(US,A1)
【文献】特開昭60-044220(JP,A)
【文献】特開昭60-044243(JP,A)
【文献】特開2015-202553(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B23F 1/00 - 23/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ワークピースのホブ切り機械加工がワークピースの歯車形状を生成するために行われるワークピースの歯車製造機械加工方法において、
上記ワークピースが、上記ホブ切り機械加工に加えてギヤスカイビング
機械加工によって歯車製造機械加工され、
上記ホブ切り機械加工のために使用されるホブ切り工具及びギヤスカイビング機械加工のために使用されるギヤスカイビング工具が、歯切り盤の同じ工具ホルダに保持され、
上記ホブ切り機械加工は、上記ホブ切り工具とワークピースとの間の第1の軸交差角度で行われ、上記ギヤスカイビング機械加工は、上記ギヤスカイビング工具とワークピースとの間の第2の軸交差角度で行われ、
上記ギヤスカイビング機械加工が、上記ギヤスカイビング工具とワークピースとの間の第2の軸交差角度で行われた場合に、第1及び第2の軸交差角度の違いは、45°以上135°未満である
ことを特徴とするワークピースの歯車製造機械加工方法。
【請求項2】
請求項1に記載のワークピースの歯車製造機械加工方法において、
上記ホブ切り機械加工のために使用されるホブ切り工具及びギヤスカイビング
機械加工のために使用されるギヤスカイビング工具が
、
それぞれの機械加工工程を少なくとも実行するときに上記歯切り盤の同じ機械加工ヘッドの
旋回軸(A)又は直線軸(X1,Z1,V1)に沿って移動す
る
ことを特徴とするワークピースの歯車製造機械加工方法。
【請求項3】
請求項1又は2に記載のワークピースの歯車製造機械加工方法において、
ホブ切り工具及びギヤスカイビング工具は、同じ工具軸に固定されることと、
上記歯切り盤が、ギヤスカイビング工具及びホブ切り工具のそれぞれが1つの工具ホルダに取り付けられるように、合計2つの工具ホルダを有することと、
上記ホブ切り工具と上記ギヤスカイビング工具とを交換する自動工具交換装置を備えることとの少なくとも1つである
ことを特徴とするワークピースの歯車製造機械加工方法。
【請求項4】
請求項1から3のいずれか1つに記載のワークピースの歯車製造機械加工方法において、
上記ホブ切り機械加工及び上記ギヤスカイビング
機械加工の少なくとも一方において、それぞれの工具の移動が、
ワークピースホルダの軸と平行に行われるか、又は
上記ワークピースホルダの軸と平行に移動可能な、歯切り盤の機械加工ヘッドのスライドを介し、工具ホルダの送り移動及び回転移動の少なくとも一方に関連付けられる上記ワークピースホルダの回転移動を伴って行われる
ことを特徴とするワークピースの歯車製造機械加工方法。
【請求項5】
請求項1から4のいずれか1つに記載のワークピースの歯車製造機械加工方法において、
歯切り盤の機械加工ヘッド並びに特に上記ホブ切り機械加工のための工具及び上記ギヤスカイビング
機械加工のための工具が保持される工具ホルダが、2つの機械加工工程の間にワークピースホルダの軸に相対的に、ワークピースホルダ及び工具ホルダの少なくとも一方の軸に垂直に延びる機械加工ヘッドの旋回軸を中心に旋回
し、
上記ホブ切り機械加工のための工具及び上記ギヤスカイビング
機械加工のための工具が保持される工具ホルダは、
ワークピースと相対的に2つの機械加工工程の間に移動し、
工具ホルダの回転軸と平行に移動可能な
工具ホルダを支持している機械加工ヘッドのスライド
(5)を介し、
又は、旋回軸と直角をなす平面を固定する
工具ホルダを支持している機械加工ヘッドの2本の
直線軸(Z1,Y1)を介して移動する
ことを特徴とするワークピースの歯車製造機械加工方法。
【請求項6】
請求項1から5のいずれか1つに記載のワークピースの歯車製造機械加工方法において、
上記ホブ切り機械加工は、硬化されていないワークピースに対し、少なくともワークピース素材から歯車を荒加工するために用いられることと、
ギヤスカイビング機械加工は、硬化されていないワークピースに対し、少なくとも歯車を仕上げるために行われることとの少なくとも1つである
ことを特徴とするワークピースの歯車製造機械加工方法。
【請求項7】
請求項1から6のいずれか1つに記載のワークピースの歯車製造機械加工方法において、
上記ホブ切り機械加工及びギヤスカイビング機械加工は、同じ歯車を製造するために用いられ、
最初に歯車の荒加工が行われ、これに続いて、歯車を仕上げるためのギヤスカイビング機械加工が歯付のワークピースに対して行われる
ことを特徴とするワークピースの歯車製造機械加工方法。
【請求項8】
請求項7に記載のワークピースの歯車製造機械加工方法において、
上記歯車は、ウォームギヤである
ことを特徴とするワークピースの歯車製造機械加工方法。
【請求項9】
請求項8に記載のワークピースの歯車製造機械加工方法において、
上記ホブ切り機械加工は、ワークピースホルダの回転移動と独立して回転するディスク形の歯切り刃によって行われ、
上記歯切り刃は、上記ホブ切り機械加工の間、上記ワークピースホルダの軸と平行に移動し、上記歯切り刃がウォームスレッドを生成するように、ワークピースがその軸中心に回転すると共に進行することと、
上記ホブ切り機械加工は、ウォームギヤのリード角度に依存する軸交差角度で、行われることと、
上記ギヤスカイビング
機械加工は、ギヤスカイビング工具と上記ワークピースの噛み合わせによって行われ、ギヤスカイビング
機械加工の間、上記ギヤスカイビング工具は、上記ワークピースホルダの軸と平行に移動すること、
上記ギヤスカイビング工具は、
上記リード角度に対応する角度のステップカットを有することと、
上記ギヤスカイビング
機械加工は、
90°と異なる軸交差角度で行われることと、
上記ホブ切り機械加工が、上記ワークピースとホブ切り工具との間の軸交差角度が、±5°以上±40°以下の範囲で実施されることと、
ギヤスカイビング機械加工が、上記ワークピースと上記ホブ切り工具との間の軸交差角度が90°±40°の範囲で実施されることとの少なくとも1つである
ことを特徴とするワークピースの歯車製造機械加工方法。
【請求項10】
請求項1から9のいずれか1つに記載のワークピースの歯車製造機械加工方法において、
上記ホブ切り機械加工及びギヤスカイビング機械加工は、上記ワークピースの2つの異なる歯車列を製造するために用いられ、
第1の歯車を製造するために行われているホブ切り機械加工と、第2の歯車を製造するために実施されるギヤスカイビング機械加工とを伴い、
第2の歯車がホブ切り加工されないように、第1の歯車は、第2の歯車よりも大きな直径を有することと、直径差のある部分が上記第2の歯車のための
上記ワークピースにおける干渉輪郭であることとの少なくとも1つである
ことを特徴とするワークピースの歯車製造機械加工方法。
【請求項11】
請求項10に記載の方法において、
歯車又は歯車列は、スプールギヤであり、
複数の歯車を有するワークピース、特に互いに並んで配列される少なくとも2つのスプールギヤを有する軸、異なる直径を有する軸、及び歯車列のうちの一端側の近傍に干渉輪郭を有する軸の少なくとも1つを製造する
ことを特徴とするワークピースの歯車製造機械加工方法。
【請求項12】
請求項11に記載の方法において、
上記ホブ切り機械加工は、回転運動がワークピースホルダの回転移動に結び付けられる歯切り工具によって行われ、
上記歯切り工具は、ホブ切り機械加工の間、上記ワークピースホルダの軸と平行に移動することと、
ギヤスカイビング
機械加工は、ギヤスカイビング工具とワークピースとの間の噛み合わせによって行われ、上記ギヤスカイビング工具は、ギヤスカイビング
機械加工の間、上記ワークピースホルダの軸と平行に移動することと、
ホブ切り機械加工は、ホブ切り工具と上記ワークピースとの間が、90°±45°の範囲の軸交差角度で行われることと、
上記ギヤスカイビング機械加工は、上記ホブ切り工具と上記ワークピースとの間の軸交差角度が、±45°の範囲で行われることとの少なくとも1つである
ことを特徴とするワークピースの歯車製造機械加工方法。
【請求項13】
請求項1から12のいずれか1つに記載の方法を実施するための歯切り盤において、
ワークピースホルダ及び該ワークピースホルダに対して歯切り盤の運動軸を介して移動可能である工具ホルダを有し、
上記工具ホルダが上記歯切り盤の運動軸に沿って移動可能である機械加工ヘッドに配置され、
上記請求項1から12のいずれか1つの方法を実施するための機能を有する歯切り盤の運動軸を制御するための制御部を有する歯切り盤を備え、
複数の歯付ワークピースを製造するために上記請求項1~12のいずれか1つの方法を自動で行う機能を有する
ことを特徴とする歯切り盤。
【請求項14】
請求項13に記載の歯切り盤において、
ワークピースホルダと、ワークピースホルダに対して歯切り盤の運動軸を介して移動可
能である工具ホルダとを有し、
上記工具ホルダが上記歯切り盤の運動軸に沿って移動可能である機械加工ヘッドに配置された歯切り盤であって、
上記工具ホルダを有する上記歯切り盤の機械加工ヘッドが、上記ワークピースホルダの軸に垂直な旋回軸を有し、
旋回軸は、90°以上の旋回角度を有し、
上記旋回角度の範囲は、上記ワークピースホルダの軸に対して-20°以上+90°以下の範囲である
ことを特徴とする歯切り盤。
【請求項15】
請求項13又は14のいずれか1つに記載の歯切り盤を制御するためのソフトウェアであって、
複数の歯付ワークピースを製造する請求項1から12のいずれか1つに記載の方法を自動実行する機能を有する
ことを特徴とするソフトウェア。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ワークピースの歯車製造機械加工方法に関し、特にワークピースの歯車をホブ切り機械加工によって形成する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ホブ切り機械加工は、定められたブレードを使用して歯車を切削する方法である。ホブ切り工具は、概して、その円周方向に配置される複数の切削歯を有する。機械加工材料除去がワークピースで発生する切削動作は、ホブ切り工具を回転させることによって行われる。
【0003】
従って、ワークピースにおける歯車加工された又はされていない素材に歯車を製造する場合、ホブ切り機械加工は、効率のよい材料除去を行え、一般的に用いられる。ホブ切りされたワークピースの表面形状は、歯車を製造するための工具の刃形状及び送り移動によって形成され、特に比較的高い公差が要求される粗加工となる。特定の自由空間が、第1の切削経路及び工具のオーバーランに利用できなければならないため、ホブ切り機械加工は、更に、歯車に対する良好なアクセスしやすさを必要とする。
【0004】
表面形状の高い許容誤差のため、ホブ切りが歯車を製造するための、軟質機械加工として一般的に用いられ、研削又はホーニングのような精密な硬質機械加工の後で併せて行われ、それによって所望の表面品質が保証される。もし、小さなオーバーランしか所望の歯車加工で利用できなければ、ホブ切りプロセスの代わりとしてホブ切りプロセスよりもオーバーランに対する異なる要求をする形成方法が一般的に用いられる。
【0005】
歯車製造機械加工のための更なる方法が、ホブ切り機械加工に加えて知られている。これらの方法のうちの1つは、ギヤスカイビングである。この方法において、定められたブレードを持つ工具が、磨く動きでワークピースに対しホブ切りを行い、幅方向にワークピースに沿って導かれる。ギヤスカイビングは、方法として長く公知だったが、高い工具摩耗のため、あまり重要視されていない。歯車を再処理する方法と組み合わせて処理するギヤスカイビングが公知である(特許文献1~3)。ギヤスカイビングは、歯車成形と同様に、ホブ切りのために必要な量よりもかなり少ない量の第1の切削経路及びオーバーランによっても行われる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】独国特許出願公開第10305752号公報
【文献】独国特許出願公開第102015120556号公報
【文献】独国特許出願公開第102015104242号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の目的は、ホブ切りプロセスを使用する、歯車製造機械加工のための改良された方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この目的は、請求項1に係る方法によって達成される。本発明の好ましい実施形態は、従属クレームの主題を形成する。
【0009】
本発明は、ワークピースのホブ切り機械加工が、ワークピースの歯車形状を生成するために行われる、ワークピースの歯車製造機械加工方法に関する。本発明に係る方法は、ワークピースが、付加的に、ホブ切り機械加工に加えてギヤスカイビングによって機械加工される歯車製造方法であるという点を特徴とする。歯付ワークピースは、従って、本願の方法によって製造され得る。ホブ切り機械加工及びギヤスカイビングを有する少なくとも2つの機械加工工程が、ワークピースの所望の歯車形状を製造するために用いられる。
【0010】
ホブ切り機械加工とギヤスカイビング機械加工とを合わせて使用することにより、これらの方法のそれぞれの効果を奏することができ、及び/又は、ホブ切り機械加工によって少なくとも部分的に製造することのできるワークピースの形状を拡大することができる。
【0011】
ホブ切り機械加工及びギヤスカイビングは、同じ歯切り盤によって行われるのが好ましい。これにより、歯付ワークピース製造の経費及び時間が節約され得る。
【0012】
更に好ましくは、ホブ切り機械加工及びギヤスカイビングは、歯切り盤のワークピースホルダに取り付けた、同じワークピースに対して行われる。ワークピースは、両方の機械加工工程において、ワークピースホルダに取り付けられたままであるので、製造のために必要なサイクル時間は減少する。
【0013】
あるいは、又は、それに加えて、それぞれの機械加工工程を実行すると共に、ホブ切り機械加工のために使用するホブ切り工具及びギヤスカイビングのために使用するギヤスカイビング工具は、歯切り盤の同じ工具ホルダにおいて保持され得、及び/又は、少なくとも歯切り盤の同じ機械加工ヘッドの軸を通って送られ移動され得る。これにより、構造が簡易となり、歯切り盤のための経費が減少する。
【0014】
第1の好適な変形例では、ホブ切り工具及びギヤスカイビング工具は、同じ工具軸に取り付けられる。このため、両方の機械加工工程が、工具を変更することなく1つの工具ホルダだけを用いて実行されることができるので、構造が最小化され、サイクル時間も最小化される。
【0015】
第2の変形例において、ギヤスカイビング工具及びホブ切り工具のそれぞれが1つの工具ホルダに取り付けられるように、歯切り盤は2つの工具ホルダを備えている。工具変更の必然性が省かれるので、短いサイクル時間も実現可能になる。2つの工具ホルダは、機械加工ヘッドに好ましくは配置され、従って、歯切り盤の同じ送り軸上を移動され得る。
【0016】
第3の変形例において、歯切り盤は、ホブ切り工具とギヤスカイビング工具の間で交換するための自動工具交換装置を備えている。この場合、1つの工具ホルダだけが必要である。増加したサイクル時間のため、この種の手順は、むしろ、より長い機械加工時間及びより少ないバッチサイズの歯車列の製作のために用いられる。
【0017】
本発明の好ましい実施態様において、ワークピースホルダの軸と平行のそれぞれの工具の送り移動は、ホブ切り機械加工において、及び/又は、ギヤスカイビングにおいて行われる。
【0018】
これは、特に、ワークピースホルダの軸と平行に移動可能にした歯切り盤の機械加工ヘッドのスライドを介して発生し得る。
【0019】
ワークピースホルダの回転移動は、工具ホルダの送り移動に及び/又は回転移動に好ましくは結び付けられる。
【0020】
本発明の好ましい実施態様において、歯切り盤の機械加工ヘッドと、特にホブ切り機械加工のための工具及びギヤスカイビングのための工具が保持される工具ホルダとは、2つの機械加工工程の間に、ワークピースホルダの軸と関連して旋回する。このため、2つの機械加工工程のためにそれぞれ必要な、異なる軸交差角度が設定され得る。
【0021】
好ましくは、上記旋回は、ワークピースホルダ及び/又は工具ホルダの軸に垂直に延びる機械加工ヘッドの旋回軸を中心に行われる。
【0022】
ホブ切り機械加工は、工具とワークピースの間の第1の軸交差角度で行われ、ギヤスカイビング機械加工は、好ましくは工具とワークピースの間の第2の軸交差角度において行われる。第1と第2の間の軸交差角度の違いは、45°以上に達する。ここで、非常に異なる軸交差角度は、ホブ切り機械加工の、そして、ギヤスカイビング機械加工のために設定される。特に、この差は、70°以上に達してもよい。従って、好ましくは機械加工ヘッドは、2つの機械加工工程の間の対応する旋回角度で旋回する。
【0023】
あるいは、又は、加えて、第1と第2の間の軸交差角度の差は、135°未満、好ましくは110°未満、更に好ましくは100°未満とすることができる。
【0024】
この種の旋回角度は周知のホブ切り機械において利用可能でないので、対応して大きな旋回領域を有し、ホブ切り機械加工及びギヤスカイビング加工の両方を実行できる歯切り盤が好ましくは用いられる。
【0025】
ホブ切り機械加工のための工具及びギヤスカイビングのための工具が保持される工具ホルダは、好ましくは2つの機械加工工程間において、ワークピースに対応して移動される。両方の工具が同じ軸に取り付けられる場合は、このため、他の工具は機械加工されるワークピースの領域で噛み合うように移動できる。
【0026】
好ましくは、移動は、工具ホルダの回転軸と平行に移動可能なワークピースホルダを支持する機械加工ヘッドのスライドを介して、及び/又は、旋回軸と直角をなす平面を固定するワークピースホルダを支持する機械加工ヘッドの2本の動作軸を介して生じる。
【0027】
本発明の好ましい実施態様において、ホブ切り機械加工は、硬化されていないワークピースで行われる。あるいは、又は、加えて、ホブ切り機械加工が、ワークピースの歯車の粗加工のために、少なくとも行われ、特にワークピース素材に対する粗加工のために行われる。ワークピース素材は、回転対称の形状又は歯車加工する前の形状を有することができる。
【0028】
本発明の好ましい実施態様において、ギヤスカイビング機械加工は、硬化されていないワークピースに対して行われる。あるいは、又は、加えて、ギヤスカイビング機械加工は、少なくとも歯車を仕上げるために用いられる。変形例に応じ、ギヤスカイビング機械加工が、例えばワークピース素材上の歯車を製造するために用いられることができ、又は、ホブ切り機械加工によって形成された歯車を仕上げるために用いられることができる。
【0029】
本発明の第1変形例では、ホブ切り機械加工及びギヤスカイビング機械加工が、同じ歯車を製造するために用いられる。ホブ切り機械加工は、特に歯車の粗加工のために行われることができ、その後、ギヤスカイビング機械加工が歯車を仕上げるために歯付ワークピースに対して行われ得る。
【0030】
歯車の「粗加工と仕上げ加工」という言葉は、いかなる絶対の歯車特性を示すものではなく、むしろホブ切り機械加工及びギヤスカイビングによって形成される歯車形状の相対的な歯車品質を意味し、ホブ切り機械加工によって形成される歯車形状の品質が、ギヤスカイビングによって形成される歯車品質よりも粗いか、又は低いということを意味する。
【0031】
第1の変形例は、従って、ホブ切り機械加工及びギヤスカイビング機械加工のそれぞれの効果を得られながら、それぞれの不利な点を回避する。ホブ切り機械加工は、効率のよい材料除去を可能にし、それは送り模様による理想的な歯すじからかけ離れた歯すじを結果として発生させる。ギヤスカイビングは、噛み合わせの異なる動き及び小さな移動のため、少ない偏差だけを有する歯すじを生成し、傷形成は、特に高い材料除去を伴う粗加工によって、噛み合わせの異なる動きを原因とする高い工具摩耗と関係する。本発明によれば、ホブ切り機械加工後の残った部分だけがギヤスカイビングによって取り除かれればよいので、すなわち、主要な切削作業がホブ切りによって行われ、ギヤスカイビングが実質的に取り除く材料が減少する上に、ギヤスカイビングによって歯車品質が達成されるので、上述の課題が回避される。
【0032】
本発明の第2の変形例において、本発明によって製造される歯車は、ウォームギヤである。この種のウォームギヤ列は、従来は、複雑で及び/又は高価な特別な機械を使用してしか製造できなかった。本発明は、現在、実質的により簡易な製造を可能とし、加えて、非常に高い歯車品質を提供する。
【0033】
第2の変形例に係るウォームギヤの製造では、好ましくは第1の変形例に係る方法で行われるホブ切り機械加工とギヤスカイビング機械加工とが、ウォームギヤを製造するために交互に行われる。
【0034】
第2の変形例に係る本発明に係る方法が、特に車両のステアリング駆動部のウォームギヤを有する駆動要素を製造するために用いられ得る。
【0035】
本発明の好ましい実施態様において、特に第1の及び/又は第2の変形例の好ましい実施形態において、ホブ切り機械加工は、好ましくは、ワークピースホルダの回転移動と独立して回転するディスク形のプロフィールカッターによって行われる。
【0036】
プロフィールカッターは、好ましくは、ウォームスレッドを生成するようにワークピースがその軸を中心に回転する間、ホブ切り機械加工のときにワークピースホルダの軸と好ましくは平行に移動し、ホブ切り機械加工がウォームギヤのリード角度に依存する軸交差角度で行われ、その軸交差角度は、好ましくは、ピッチ角にほぼ一致する。
【0037】
本発明の好ましい実施態様において、特に、第1の及び/又は第2の変形例の好ましい実施形態において、ギヤスカイビングは、ギヤスカイビング工具とワークピースとの間での噛み合わせによって行われ、ギヤスカイビング工具が、ギヤスカイビングの間、好ましくは、ワークピースホルダの軸と平行に移動する。
【0038】
本発明によれば、ホブ切り機械加工は、ホブ切り工具とワークピースとの間の軸交差角度が、±5°~±40°の範囲で、特に±10°~±20°の範囲で行われ得る。
【0039】
例えば、ホブ切り工具とワークピースとの間の軸交差角度が90°±40°の範囲で、特にホブ切り工具とワークピースとの間の軸交差角度が90°±20°の範囲で、ギヤスカイビング機械加工が実施され得る。
【0040】
本発明の第3の変形例において、ホブ切り機械加工とギヤスカイビング機械加工とが、ワークピースの2つの異なる歯車列の製造のために用いられる。
【0041】
ホブ切り機械加工は、特に、第1の歯車を製造するために行われ、ギヤスカイビング機械加工は、第2の歯車の製造のために行われる。第1の歯車は、好ましくは第2の歯車よりも大きな直径を有し、及び/又は、第2の歯車のための干渉輪郭を形成する。あるいは、又は、加えて、機械加工される歯車列の1つの近傍のワークピース輪郭は、干渉輪郭になり得、このように、ホブ切り方法による歯車機械加工能力を制限し得る。
【0042】
本発明の第3の変形例では、1つの歯車が、ホブ切りによって他の歯車を製造する際の干渉輪郭として作用したときから、もはやホブ切り機械加工によって製造することが可能でなくなるので、複数の歯車列がギヤスカイビングによって製造され得るという事実を利用している。特に、第2の歯車は、第1の歯車から小さな軸方向距離だけを有する場合であっても、ギヤスカイビングによってワークピースに製造され得る。従って、第1の歯車をホブ切り機械加工することで高い切削効率が得られる。特に機械を変更しない場合、この種のワークピースを製造できるようにするためには、ギヤスカイビングの比較的高い摩耗は受け入れられる。
【0043】
本発明の第4の変形例において、ワークピースの歯車又は歯車列は、1つ以上のスプールギヤ列である。
【0044】
本発明に係る方法が、複数の歯車を有するワークピース、特に互い並んで配置される少なくとも2つの、特に異なる直径を有するスプールギヤを備えた軸を製造するために用いられることができる。あるいは、又は、加えて、歯車列の1つの近傍のワークピース輪郭は、干渉輪郭となり得る。
【0045】
ホブ切り機械加工とギヤスカイビング機械加工がワークピースの2つの異なる歯車列の製造のために用いられる第3の変形例による方法は、第4の変形例において、複数のスプールギヤを有するワークピースを製造するために好ましくは使用される。
【0046】
本発明の好ましい実施態様において、特に第3及び/又は第4の変形例の好ましい実施形態において、ホブ切り機械加工は、回転運動がワークピースホルダの回転移動に結び付けられる歯切り工具によって行われ、その歯切り工具は、好ましくは、ホブ切り機械加工の間、ワークピースホルダの軸と平行に移動する。しかしながら、歯切り工具は、第1の及び/又は第2の変形例においても用いられ得る。
【0047】
本発明の好ましい実施態様において、特に第3及び/又は第4の変形例の好ましい実施形態において、ギヤスカイビングが、ギヤスカイビング工具とワークピースとの間の噛み合わせによって行われ、ギヤスカイビング工具は、ギヤスカイビングの間、ワークピースホルダの軸と平行に移動する。
【0048】
ホブ切り機械加工は、ホブ切り工具とワークピースとの間の軸交差角度が、例えば、90°±45°の範囲で、特に90°±35°の範囲で行われ得る。
【0049】
ギヤスカイビング機械加工は、ホブ切り工具とワークピースとの間の軸交差角度が、例えば±45°の範囲で、特に±35°の範囲で行われ得る。
【0050】
本発明の独立態様によれば、ギヤスカイビングによって、上記の方法の観点から、ワークピースのホブ切り機械加工だけ又はギヤスカイビング機械加工だけが行われるようなワークピースの製造方法であり、特に、上記の変形例のうちの少なくとも1つによるワークピースのホブ切り機械加工だけ、又は、ギヤスカイビングによる機械加工だけが行われるようなワークピースの歯車製造機械加工方法である。
【0051】
本発明は、ウォーム形状を有するワークピースの製造方法であり、ウォーム形状は、ワークピースのホブ切り機械加工によって行われる。本発明の好ましい実施態様において、ホブ切り機械加工は、ワークピースホルダの回転移動とは独立して回転するプロフィールカッターによって行われるのが好ましい。プロフィールカッターがウォームスレッドを生成するように、ワークピースがその軸を中心に回転すると共に、好ましくはプロフィールカッターはホブ切り機械加工の間、ワークピースホルダの軸と平行に移動する。
【0052】
ホブ切り機械加工は、ウォームギヤのリード角度に依存する軸交差角度で行われ得、軸交差角度は、好ましくは、ほぼリード角度に一致する。
【0053】
あるいは、又は、加えて、ホブ切り機械加工は、ホブ切り工具とワークピースとの間の軸交差角度が、例えば±5°~±40°の範囲で、特に±10°~±20°の範囲で行われ得る。
【0054】
軸交差角度は、好ましくは、歯切り盤、特に以下において更に詳細に記載されている歯切り盤の機械加工ヘッドの旋回によって設定される。
【0055】
更に、本発明は、上述したような少なくとも1つの方法を実施するための第1の態様に係る歯切り盤からなる。好ましくは、歯切り盤は、運動学的な及び/又は技術的な制御方法で、本発明に係る方法を実施することに適している。
【0056】
歯切り盤は、ワークピースホルダ及び工具ホルダを備え、好ましくは、工具ホルダは、ワークピースホルダに対し、歯切り盤の移動軸上を移動可能である。
【0057】
好ましくは、工具ホルダは、歯切り盤の移動軸上を移動可能である機械加工ヘッドに配置される。
【0058】
歯切り盤の制御は、好ましくは、本発明に係る少なくとも1つの方法が実施され得るように、特に、自動化した方法で実行され得るように、設計される。
【0059】
歯切り盤は、特に本発明に係る少なくとも1つの方法を実施するための機能、特に本発明に係る少なくとも1つの方法を自動で実行する、特に複数の同形状の歯付ワークピースを製造するための機能を有する歯切り盤の移動軸を制御するための制御部を有することができる。
【0060】
制御部は、更に好ましくは、上述した複数の代替方法を実行するための機能を有し得る。
【0061】
制御機能は、歯切り盤において、本発明に係る方法が実施されるように、特に好ましくは自動化した方法で実施されるように、制御部のマイクロコントローラ及び/又はプロセッサで作動する移動軸を制御するコードとして設けられる。自動化した運転は、好ましくは制御中、ユーザによるいかなる介入も必要としない。コードは、制御の記憶に格納され得る。
【0062】
第2の独立態様において、本発明は、ワークピースホルダと、歯切り盤の移動軸を通じて移動可能である機械加工ヘッドに配置された工具ホルダとを備えている歯切り盤からなり、工具ホルダは、歯切り盤の移動軸を通じて移動可能である機械加工ヘッドに設けられ、歯切り盤の機械加工ヘッドは、好ましくはワークピースホルダの軸に垂直である旋回軸を有する。歯切り盤は、旋回軸が90°以上の旋回角度範囲及び/又はワークピースホルダの回転軸に対して工具ホルダの回転軸の平行して垂直な配列ができるようにする旋回角度範囲を備えているという点を特徴とする。
【0063】
第2の態様に係る歯切り盤は、大きな旋回角度範囲を有する本発明に係る方法を実施するのに特に適切で、好ましくは運動的に適切である。制御部は、本発明に係る方法を実施するための機能を必ずしも有する必要があるというわけではない。しかしながら、運動学的な設計によって、好ましくは制御部が改造され、新規なソフトウェアによって対応する機能が備えられると、本発明に係る方法を実施するために歯切り盤を使用することができるようになる。
【0064】
あるいは、又は、加えて、第2の態様に係る歯切り盤は、本発明に係る方法に係るホブ切り機械加工、特に上述された第2の変形例の、すなわちウォームギヤ又はウォーム形状を製造するための、ホブ切り機械加工の観点の範囲内で用いられ得る。特に、第2の態様に係る歯切り盤は、特に自動化した実行のために、この種の方法を実施するための機能を有することができる。
【0065】
旋回軸は、110°以上、好ましくは130°以上の旋回角度範囲を備えるのが好ましい。あるいは、又は、加えて、旋回軸は、ワークピースホルダの軸に対して-20°~+90°の旋回角度範囲、特に、ワークピースホルダの軸に対して-30°~+100°の旋回角度範囲を有する。
【0066】
好ましくは第2の態様に係る歯切り盤は、第1の態様に従って設計され、好ましくは、そこで記載されている制御及び/又は機能を有する。
【0067】
本発明は更に、歯切り盤を制御するための、特に、本発明に係る少なくとも1つの方法を実施するための機能を有する上記第1又は第2の態様に係る歯切り盤を制御するためのソフトウェアからなる。
【0068】
ソフトウェアは、特に複数の歯付ワークピースを製造するために、特に本発明の方法を自動で実行する機能を有することができる。
【0069】
ソフトウェアは、歯切り盤の制御部のマイクロコントローラ及び/又はプロセッサで動作し得る、歯切り盤の移動軸を制御するコードを備え、本発明に係る方法が歯切り盤で実施され、好ましくは自動化した方法で動作するように、運動軸を制御するのが好ましい。自動化運転は、好ましくは、制御中にユーザのいかなる介入も必要としない。コードは、制御部のメモリに格納され得る。
【0070】
ソフトウェアは、好ましくは、メモリにおいて及び/又はメモリ媒体上に格納される。
【0071】
歯切り盤は、それぞれの駆動部、特に、ワークピースホルダ及び工具ホルダのそれぞれの回転軸を中心に回転させる動作を生成するNC駆動部を備えるのが好ましい。
【0072】
歯切り盤は、1つ以上の直線軸、特に工具ホルダに保持される工具とワークピースホルダに保持されるワークピースとの間で相対的な運動を生成するNC直線軸を備えるのが好ましい。
【0073】
直線軸は、好ましくは、ワークピースホルダの回転の、そして、工具ホルダの軸との間に軸間隔を変えるための直線軸X1を有する。直線軸X1は、好ましくはワークピースホルダの及び/又は工具ホルダの回転軸に垂直である。
【0074】
直線軸は、好ましくは、ワークピースホルダの回転軸と平行に工具ホルダを進行させるための直線軸Z1を有する。直線軸Z1は、好ましくは直線軸X1に垂直である。
【0075】
直線軸は、好ましくは、工具ホルダの回転軸と平行に工具ホルダを進行させるための直線軸V1を備える。あるいは、又は、加えて、直線軸Y1は、直線軸X1及びZ1に対して垂直に移動するために提供され得る。
【0076】
旋回軸A1は、好ましくは直線軸X1及びZ1に垂直で、好ましくは軸V1の旋回を許容する。
【図面の簡単な説明】
【0077】
【
図1】関連した機械軸を有する、本発明の実施形態に係る歯切り盤を示す概略図である。
【
図2】本発明の方法の第1実施形態に係るホブ切り機械加工を示す側面図である。
【
図3】本発明の第1実施形態に係るギヤスカイビング機械加工を示す斜視図である。
【
図4】
図3で図示した第1の実施形態のギヤスカイビング機械加工を示す正面図である。
【
図5】
図3及び
図4で図示した第1実施形態のギヤスカイビング機械加工を示す平面図である。
【
図6】本発明の方法の第2実施形態に係るギヤホブ切り機械加工を示す斜視図である。
【
図7】
図6に図示した本発明の方法の第2実施形態に係るギヤホブ切り機械加工を示す正面図である。
【
図8】
図6及び
図7に図示した第2実施形態に係るギヤホブ切り機械加工を示す側面図である。
【
図9】本発明の方法の第2実施形態に係るギヤスカイビング機械加工を示す斜視図である。
【
図10】
図9に図示した第2実施形態に係るギヤスカイビング機械加工を示す正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0078】
ここで、本発明は、実施形態に関し、図面を用いて更に詳細に説明される。
【0079】
図1は、本発明に係る歯切り盤の実施形態を示す。歯切り盤1は、歯切り盤の機械加工ヘッド4に配置され、歯切り盤の機械軸を介してワークピースホルダ3と関連して移動可能な工具ホルダ2を備えている。
【0080】
工具ホルダ2は、工具軸に配置される、1つ以上の工具が固定可能な工具スピンドルを備えている。工具ホルダ2は、歯切り盤の対応する駆動部によって回転可能な回転軸B1を有する。工具は、第1実施形態の工具ホルダにおいて、一端側がサポートされ得る。しかしながら、工具ホルダ2は、そのように工具をサポートしている工具軸が両側で支持される工具ホルダ2において配置されるスラストベアリングを備えるのが好ましい。
【0081】
ワークピースホルダ3は、工具ホルダ2に支持される工具によってワークピースを機械加工するためにワークピースを保持することができる。ワークピースホルダ3は、ワークピースホルダ3が歯切り盤の駆動部を介して回転可能に取り付けられ得る回転軸B2を有する。ワークピースホルダ3は、回転軸B2上の機械テーブル9に配置される。ワークピースホルダ3は、第1実施形態のワークピースの一端側の支持ができるようにする。しかしながら、ワークピースがワークピースホルダ3の両側で支持されるように、ワークピースホルダ3は、スラストベアリングも備えているのが好ましい。
【0082】
図2~
図10において、工具ホルダ2及びワークピースホルダ3のそれぞれのスラストベアリング2',3'(心押し台、
図1には図示せず)が、
図1に記載した構成要素に加えて示されている。ワークピースホルダ3の心押し台3'は、
図1に示されない歯切り盤の心押し台アーム12に配置される。心押し台アームは、異なる幅のワークピースを機械加工し、急速にワークピースを交換可能とし得るように回転軸B2と平行に、ワークピースホルダ3の心押し台3'を移動可能にする。工具ホルダ2のスラストベアリング2'は、機械加工ヘッド4に配置され、工具軸線方向と平行に進行することによって、異なる幅の工具に適合し得る。
【0083】
機械加工ヘッド4を有する機械スタンド7が機械台20に設けられている。機械スタンド7は、工具ホルダの回転軸B1とワークピースホルダ3の回転軸B2との間の軸間隔によって可変的である直線軸X1を介して移動可能である。この目的のための直線軸X1は、好ましくは、回転軸B1及びB2の方向によって定義される平面と直角をなすように延びる。
【0084】
ガイド8は機械スタンド7に設けられ、機械加工ヘッド4のスライド6は、ガイド8に沿って移動可能である。ここで、機械加工ヘッドは、ワークピースホルダ3の回転軸B2と平行に延びる直線軸Z1に沿って進み得る。
【0085】
工具ホルダ2を有する機械加工ヘッド4は、旋回軸A1を介してスライド6に配置される。旋回軸A1は、好ましくは直線軸X1と平行に延び、及び/又は、回転軸B1及びB2の方向によって規定される平面に垂直に設けられる。旋回軸A1は、特に好ましくは工具ホルダ2又はワークピースホルダ3の回転軸B1,B2と交差する。
【0086】
実施形態に係る機械加工ヘッド4は、更に、工具ホルダ2が、その回転軸B1の方向に、それを介して移動し得る直線軸V1を提供するスライド5を有する。本実施形態において、旋回軸A1は、2本の直線軸Z1と直線軸V1との間に配置される。
【0087】
あるいは、シフト軸V1を有する図示した実施形態に、機械スタンド7及び/又はスライド6が直線軸X1及びZ1に対して垂直な方向において移動可能である軸Y1を提供することが考えられる。工具ホルダ2の回転軸B1方向の移動は、それから軸Z1及びY1の直線移動の重ね合せによって発生することができる。
【0088】
心押し台を保つための背もたれは、例えば、テーブルフレーム10上に取付可能であるが、他のワークピースの自動交換装置や自動システムへの接続部を配置してもよい。
【0089】
上述の回転軸、直線軸及び旋回軸を提供する歯切り盤の他の機械構成も同様に考えられる。
【0090】
一般的なホブ切りプロセスにおいて、螺旋形の歯車列の製造のために必要な軸交差角度は、旋回軸A1を中心に回転させることによって、回転軸B1と回転軸B2との間で設けられる。従来技術から公知のホブ切り機械で、旋回軸A1は、従って一般的に、工具ホルダ2の回転軸B1がワークピースホルダ3の回転軸B2に垂直となる旋回位置を中心に±45°の旋回角度範囲を有する。
【0091】
本発明の第1の態様に従って、本発明に係る歯切り盤の旋回軸A1は、対照的に、ワークピースホルダ3の回転軸B2と平行位置にワークピースホルダ3の回転軸B2に対して垂直な位置から工具ホルダ2の回転軸B1が旋回することができるようにする旋回角度範囲を有する。あるいは、又は、加えて、旋回角度範囲は90°よりも大きい。例えば、旋回角度範囲は、回転軸B2に垂直な回転軸B1の位置に対して-20°~+100°の範囲よりなる。本実施形態において、旋回角度範囲は、例えば、回転軸B2に垂直な回転軸B1の位置に対して-45°~+110°に相当する。
【0092】
A1軸のより大きな旋回角度範囲は、ワークピースホルダ3に保持されたワークピースに対し、同じ機械加工ヘッドによるホブ切り方法及びギヤスカイビング方法の両方を行うために用いることができる。この目的のために使用されるホブ切り工具又はギヤスカイビング工具は、この目的のために工具ホルダ2において保持され得る。ホブ切り工具及びギヤスカイビング工具は、1つの軸上に好ましくは固定され、そして、工具ホルダ2によって一緒に保持される。ホブ切り機械加工及びギヤスカイビング機械加工の両方のために要求される、非常に異なる軸交差角度は、旋回軸A1の大きな旋回角度範囲によって設けられ得る。
【0093】
本発明の第2態様によれば、歯切り盤の制御は、以下に記載されている歯切り方法のうちの1つが歯切り盤で実施され得るように設計される。制御は、この目的のために、以下に記載されている歯切り方法のうちの1つを自動で行うための機能を備えるのが好ましい。好ましくは、複数の同形状のワークピースは、この機能によって歯切り盤上で自動化した方法で製造され得る。
【0094】
第2の態様に係る歯切り盤は、第1の態様に係る旋回角度範囲を備えるのが好ましい。しかしながら、第2の態様に係る、本発明に係る歯切り盤の代わりの構造が同様に考えられる。
【0095】
以下において、本発明に係る方法の第1実施形態及び第2実施形態が更に詳細に示される。本発明に係る方法の両実施形態を、
図1に示される本発明に係る歯切り盤の実施形態を参照して詳細に説明する。本発明に係る方法は、しかしながら、歯切り盤の代替機械の設計構造によっても実施され得る。
【0096】
本発明に係る方法の両方の実施形態において、ワークピースのホブ切り機械加工及びギヤスカイビング機械加工が行われる歯切り盤は、共通である。本実施形態において、ホブ切り機械加工及びギヤスカイビングは、ワークピースホルダ3のワークピースの同じ取付具を使用して行われる。更にまた、本実施形態では、歯切り盤の工具ホルダ2に保持され、機械加工ヘッド4の動作軸を介して移動するホブ切り工具及びギヤスカイビング工具が用いられる。以下の好適な図示した実施形態において、ホブ切り工具及びギヤスカイビング工具は、同じ工具軸に取り付けられ、結果として、工具ホルダ2において一緒に保持される。あるいは、2つの機械加工工程の間に工具を交換するために自動工具交換装置を使用したり又は機械加工ヘッド4に2つの工具ホルダを使用したりすることが考えられる。
【0097】
図2~
図5に示される本発明に係る方法の第1実施形態において、ホブ切り機械加工及びギヤスカイビングが、ワークピース15の同じ歯付領域を機械加工するための第1の態様において用いられる。歯車は、前加工としてホブ切り工具13によって粗加工された後、ギヤスカイビング工具14によって、表面形状の許容誤差を減少させる仕上げ加工が実施される。
【0098】
このように、本発明の第1実施形態は、ホブ切り機械加工及びギヤスカイビングの強みを組み合わせ、これらの方法のそれぞれの弱点のバランスをとる。ホブ切り機械加工は、比較的低い工具摩耗を有する高い切削パフォーマンスを可能にするが、大きな工具送りを有し、表面形状の品質が低いという不利な点を有する。表面形状の高品質は、ギヤスカイビングによって達成され得る。そして、ギヤスカイビングにおける工具の高い摩耗を生じさせる、ホブ切り機械加工の一部としてまだ残ったストック又はギヤスカイビングによって取り除かれなければならない粗加工が相殺されるので、要求される切削パフォーマンス及びギヤスカイビング工具の摩耗もまた対応して減少する。
【0099】
第1実施形態によれば、ホブ切り工具は、第1の機械加工工程の歯車を生成するために用いる。この歯車は、ホブ切り機械加工によって硬化されていないワークピース素材から形成され得る。第2段階において、この歯車は、その後、ギヤスカイビングによって更に機械加工され、表面形状の高品質が達成される。また好ましくは、ギヤスカイビングは、硬化されていないワークピースで行われる。
【0100】
機械加工ヘッド4は、ホブ切り機械加工及びギヤスカイビング機械加工のために必要な、工具ホルダ2の回転軸B1とワークピースホルダ3の回転軸B2との間に軸交差角度を提供するために、ホブ切り機械加工工程とギヤスカイビング工程との間に、工具ホルダ2においてA1軸を中心に旋回する。
【0101】
図2~
図5に示される本発明に係る方法の第1実施形態において、ウォームギヤが第2の態様のワークピース15で生成される。例えば、ワークピース15は、車両のステアリング駆動部の駆動要素であり得る。この種の駆動要素は、特に、ステアリングホイールのステアリング移動がセンサを介して検出され、ステアリング駆動部の電子制御部のために使われる、ワイヤで操作されるステアリングで用いられる。
【0102】
本発明に係る方法の第1実施形態におけるホブ切り機械加工工程は、
図2に示される。それぞれ同一の軸で放射位置を有し、周辺の方向に配置される、複数の切断歯を外周に備えたプロフィールカッターが、実施形態のホブ切り工具13として用いられ得る。
【0103】
ホブ切り工具13が固定される工具ホルダ2は、ワークピースホルダ3の回転軸B2に対し、ワークピース15のウォーム形状の所望のリード角度に依存するA1軸を介して旋回する。プロフィールカッターによって定義される平面がホブ切り工具13によって形成されるウォーム形状のスレッドのピッチにほぼ一致するように、この目的のための回転軸B1と回転軸B2との間の軸交差角度は、特に所望のリード角度にほぼ一致する。
【0104】
ホブ切り工具13は、ウォーム形状を生成するために、軸B1を中心に回転する。ここでの回転軸B1を中心とするホブ切り工具13の回転移動は、材料除去の役に立つので、軸B2を中心とするワークピース15の回転移動に結び付けられる必要があるだけということではない。
【0105】
X1軸を介してワークピース15に向かってホブ切り工具13が対応して移動された後、特にZ1軸を介し、機械加工ヘッドの移動がワークピースホルダ3の回転軸B2と平行に行われる。この点に関し、ウォームスレッドが、B2軸中心の回転運動及びB2軸と平行の移動の重ね合せによって形成されるように、ワークピースホルダ3のB2軸を中心とするワークピース15の回転移動が結び付けられる。回転軸B2に対する平行移動長は、従って、形成されるウォーム形状の幅に一致する。ウォーム形状が複数のスレッドを有する場合、Z1方向において又は回転方向に、位置がずれる出発点を有する複数の機械加工工程が必要である。
【0106】
ホブ切り機械加工によるウォーム形状のスレッドの製造は、1つ以上のワークストロークにおいて行われ得る。複数のワークストロークが用いられる場合、このように全体として必要な材料除去を複数のワークストロークに分配するために、特にX1軸を介する工具の更なる移動によって、軸間隔は個々のワークストローク間で減少され得る。
【0107】
本発明の態様によれば、ワークピースのウォーム形状は、ホブ切り機械加工によって製造される。この場合、A1軸の旋回角度範囲は、ホブ切り機械加工のために必要な大きな軸交差角度(例えば少なくとも90°の軸交差角度を中心に±15°の範囲を有するA1軸の旋回角度範囲)を提供可能でありさえすればよい。
【0108】
第1実施形態によれば、しかしながら、特にウォーム形状のホブ切り工具によって形成される歯車は、第2の機械加工工程において、ギヤスカイビング工具14によって好ましくは再処理される。この第2の機械加工工程は、
図3~
図5に示される。
【0109】
機械加工ヘッドの旋回が、ギヤスカイビングに必要な回転軸B1及びB2との間の軸交差角度を提供するために、ギヤスカイビングを行うためにA1軸を中心に行われる。加えて、ホブ切り工具13から軸方向にオフセットされる、工具ホルダ2において保持されるギヤスカイビング工具14を持ってきてウォーム形状に係合させるために、特にV1軸を介する、工具ホルダ2のシフト移動が行われる。
【0110】
ギヤスカイビング機械加工が、回転軸B1を中心とするギヤスカイビング工具による、回転軸B2を中心とするワークピース15の回転に結び付いた回転によって行われる。機械加工ヘッドは、ワークピースホルダ3のB2軸と平行に、Z1軸を介してウォーム形状の幅に沿って、更に移動する。
【0111】
ウォーム形状のリード角度の変化は、好ましくは5°~40°、更に好ましくは10°~20°に達する。軸B1及びB2間の軸交差角度の変化及びホブ切り機械加工工程とギヤスカイビングの間の旋回軸A1の旋回変化は、50°以上、例えば、50°~130°の範囲に、特に60°~120°の範囲に達し得る。
【0112】
ウォーム形状が形成されるので、ギヤスカイビングの軸交差角度は、スプールギヤ列のホブ切りのために必要な軸交差角度にほぼ一致する。ホブ切り機械加工に適応する歯切り盤が、従って、ウォーム形状のギヤスカイビングのために用いられ得る。上述したように、本発明の態様で与えられるより大きな旋回角度のために、ウォームギヤのボブ切りを行うに際し、歯切り工具が用いられ得る。
【0113】
ホブ切り機械加工が歯車を生成するために用いられ、その後、ギヤスカイビングを介して仕上げられる、本発明に係る方法の第1実施形態は、しかしながら、スプールギヤ列を形成するためにも用いられ得る。その方法の工程は、すでに記載されている実施形態で示されたものと同じである。軸交差角度だけは、上述された実施形態と異なり、上述された実施形態に対し、ほぼ90°位置がずれる。
【0114】
可能な別の実施形態で、第1実施形態に係る本発明に係る方法は、プロフィールカッターの代わりに、ホブ切り工具を用いて実施される。この場合、工具軸B1の回転動作が、このホブ切り工具のワークピースB2の回転動作にも結び付けられる程度のことが上述した方法と異なるだけである。ホブ切り工具の使用は、平歯車列の製造において特に推奨される。
【0115】
以下、
図6~
図10を参照し、本発明の第2実施形態について、より詳細に説明する。
【0116】
第1の態様に係る本実施形態において、ホブ切り機械加工及びギヤスカイビング機械加工が、同じワークピース16の異なる歯車列17及び18を製造するために用いられる。本発明の第2実施形態の態様は、干渉輪郭のためホブ切りにフレームワークの範囲内で製造され得ない歯車列でも、ギヤスカイビングによって形成され得るという事実を利用している。
【0117】
第2実施形態では、特に、ホブ切り機械加工によってより大きな直径の第1の歯車17が製造され、より小直径の又はギヤ機械加工の干渉輪郭を有する第2の歯車18がギヤスカイビング機械加工によって製造され得る。この場合、ギヤスカイビング工具のより高い摩耗は、1台の機械上の全てでワークピースの製造能力を達成するために受け入れられる。従来技術であれば、対照的に、より大きな歯車17が歯車ホブ切りによって製造されることになっている場合、より小さな歯車18を製造するために、ワークピースは形成工程において、異なる機械に取り付けられなければならない。
【0118】
本発明は、対照的に、ホブ切り機械加工及びギヤスカイビング機械加工の組み合わせによって、1台の機械において、好ましくは1つの取付具で、この種のワークピースの製造を可能にする。
【0119】
ワークピース16上の2つの歯車列17及び18は、実施形態のワークピース16において軸方向にオフセットして配置される。それらは、歯車18を製造するために使用する歯切り工具が、より大きな直径を有する歯車17に損害を与えるので、より小さな直径を有する歯車18の製造がホブ切り機械加工によってもはや可能でない程度まで互いに近接して配置され得る。
【0120】
対照的に一方側又は両側の軸方向干渉輪郭は、ホブ切りされた歯車と同様に、ギヤスカイビング用の歯車に対してかなりより近くに配列され得る。その理由は、ギヤスカイビング方法が、歯車を製造するための、かなりより小さいオーバーランしか必要とせず、歯車18を製造するために使用され得るためである。
【0121】
第2の態様において、本発明に係る方法の第2実施態様が、スプールギヤ列17及び18の製造のために用いられる。スプールギヤ列は、まっすぐ又は螺旋形の歯車列であり得る。
【0122】
本発明に係る方法の第2実施形態のホブ切り機械加工工程が
図6~
図8に示される。
【0123】
歯切り工具13'は、実施形態のホブ切り機械加工によって、より大きな直径を有する第1の歯車17を製造するために用いられる。歯切り工具13'は、ワークピースホルダ3の回転軸B2を中心に回転するワークピース16との噛み合わせを行う際に、工具ホルダ2の回転軸B1を中心に回転する。特に、機械加工ヘッド4は、更に、幅方向のワークピースの回転軸B2と平行に、直線軸Z1を介してワークピース16に沿って歯切り工具13と共に案内される。
【0124】
ホブ切り機械加工は、第1実施形態にて説明したように、1つ以上のワークストロークにおいて行われ得る。機械加工は、好ましくは、複数のワークストローク、特に粗加工及び仕上げ加工によって、行われる。
【0125】
歯切り工具を使用する代わりに、プロフィールカッターが用いられ得る。しかしながら、この場合、あらゆる歯間スペースは、少なくとも1つのワークストロークによって製造されなければならない。
【0126】
ギヤホブ切り機械加工において、回転軸B1と回転軸B2との間の軸交差角度は、実質的に第1の歯車17のリード角度に、又は、90°から第1の歯車17のねじれ角を引いた値に一致し、その工具のリード角度についても、加えて考慮されていなければならない。
【0127】
本発明の第2の実施形態に係るギヤスカイビング機械加工が
図9及び10に示される。ギヤスカイビングにおいて、すでに第1実施形態に関して記載したように、工具ホルダ2のB1軸を中心とするギヤスカイビング工具14'は、ワークピースホルダ3の回転軸B2を中心とするワークピース16の回転と噛み合わされる。加えて、機械加工ヘッドの送りは、第2の歯車18の幅に沿って、工具ホルダの回転軸B2と平行に、直線軸Z1を介して行われる。
【0128】
本実施形態の第2の歯車18は、まっすぐな歯車であるにもかかわらず、ギヤスカイビング工具14'は、軸B1と軸B2との間に平行な配列と異なる軸交差角度によって用いられ、本実施形態においては螺旋形の歯車を有する。ギヤスカイビングのために必要な運動は、ここで発生する。軸交差角度は、好ましくは、歯車のねじれ角と等しくなく、及び/又は、ギヤスカイビング工具14'は好ましくは、螺旋形の歯車列の製造におけるギヤスカイビングのための対応する相対的な運動を生成し及び/又は増加させるために、製造される歯車とは異なる螺旋角度を有する。
【0129】
そこで、本発明の方法の第2実施形態において、2つの機械加工工程の、すなわち、ホブ切り機械加工及びギヤスカイビング機械加工が異なる歯車列のために用いられるので、両者の好適な順番は、ない。
【0130】
しかしながら、1つの機械加工工程からその他の工程に移行し得るために、機械加工ヘッドも、ここでの旋回軸A1を中心に旋回しなければならない。必要な旋回運動の正確な大きさは、特に歯車列17及び18の、それぞれの螺旋形の角度と工具構成とに依存する。
【0131】
必要な旋回角度範囲は、50°よりも一般的に大きくて、例えば、50°~130°の範囲で、より好ましくは60°~120°の範囲となり得る。
【0132】
移動動作は、機械加工されるそれぞれの歯車に係合するようにそれぞれ他の工具を持ってくるために、2つの機械加工工程間の切換において、本発明に係る方法の第2実施形態のA1軸を中心とする旋回運動に加えて行われる。
【0133】
それぞれの方法に関する図に示すように、ワークピースホルダ及び工具ホルダは、好ましくは、ワークピース及び工具が両側に固定されるように、それぞれスラストベアリングを備えている。これは、ホブ切りのフレームワークの範囲内で発生する高い切断力のために重要である。
【0134】
スラストベアリングは、ギヤスカイビングの軸方向に自由に動けるよう対応してできるだけ狭くなるように設計されるのが好ましい。