(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-02-09
(45)【発行日】2023-02-17
(54)【発明の名称】サービスツール機能可用性調整システム及びサービスツール機能可用性調整方法
(51)【国際特許分類】
B66B 5/00 20060101AFI20230210BHJP
B66B 1/14 20060101ALI20230210BHJP
B66B 3/00 20060101ALI20230210BHJP
【FI】
B66B5/00 D
B66B1/14 L
B66B3/00 K
(21)【出願番号】P 2018133982
(22)【出願日】2018-07-17
【審査請求日】2021-07-07
(32)【優先日】2017-07-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】591020353
【氏名又は名称】オーチス エレベータ カンパニー
【氏名又は名称原語表記】Otis Elevator Company
【住所又は居所原語表記】One Carrier Place,Farmington,Connecticut,U.S.A.
(74)【代理人】
【識別番号】100086232
【氏名又は名称】小林 博通
(74)【代理人】
【識別番号】100092613
【氏名又は名称】富岡 潔
(72)【発明者】
【氏名】デーヴィッド ギンズバーグ
(72)【発明者】
【氏名】マーク オルスイス
(72)【発明者】
【氏名】フレッド ジー.ウィリアムス
(72)【発明者】
【氏名】ジョディ フォウサヴォング
【審査官】太田 義典
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-141527(JP,A)
【文献】特開2014-192599(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B66B 5/00- 5/28
B66B 1/00- 1/52
B66B 3/00- 3/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
位置ベース機能可用性マップを記憶するよう動作可能である記憶媒体と、
少なくとも1つの処理装置であって、
機器サービスシステムの1つまたは複数の機器部品に対するサービスツールの位置を判定し、
前記位置ベース機能可用性マップ及び前記サービスツールの前記位置に基づいて、前記機器サービスシステムの前記1つまたは複数の機器部品と相互作用するための、前記サービスツールの1つまたは複数の機能の可用性を構成する、
よう構成される、前記少なくとも1つの処理装置と、
を備え
、
前記サービスツールの前記1つまたは複数の機能が、前記機器サービスシステムの機器制御装置の1つまたは複数の機能へのアクセスを提供し、
前記サービスツールが前記1つまたは複数の機器部品に対するオフサイト位置にあると判定される場合に、前記サービスツールが前記1つまたは複数の機器部品の1つまたは複数の制御機能へのアクセスをブロックする、サービスツール機能可用性調整システム。
【請求項2】
前記1つまたは複数の機能が、前記1つまたは複数の機器部品の少なくとも1つの制御機能及び、前記1つまたは複数の機器部品の少なくとも1つの監視機能を備える、請求項1に記載のサービスツール機能可用性調整システム。
【請求項3】
前記位置ベース機能可用性マップが、複数の所定のサービス位置のための前記サービスツールの前記1つまたは複数の機能の前記可用性を定義する、請求項1に記載のサービスツール機能可用性調整システム。
【請求項4】
前記機器制御装置がエレベータ制御装置であり、前記1つまたは複数の機器部品が1つまたは複数のエレベータ部品を備える、請求項
1に記載のサービスツール機能可用性調整システム。
【請求項5】
前記サービスツール及び前記機器制御装置が、無線リンクを利用して通信を確立する、請求項
1に記載のサービスツール機能可用性調整システム。
【請求項6】
前記機器制御装置が、前記サービスツールの前記位置を検証する、請求項
1に記載のサービスツール機能可用性調整システム。
【請求項7】
前記位置が、ユーザインターフェースを介して入力されるシーケンス、画像データとして取り込まれるコード、前記サービスツールを介して入力されるコード、音声データとして取り込まれる音声コード、予期された応答を引き出す音声プロンプト、ローカルオンリー無線リンクを利用した通信、及び交換された位置情報の1つまたは複数を介して検証される、請求項
6に記載のサービスツール機能可用性調整システム。
【請求項8】
リモートサーバが前記サービスツールの前記位置を検証する、請求項1に記載のサービスツール機能可用性調整システム。
【請求項9】
機器サービスシステムの1つまたは複数の機器部品に対するサービスツールの位置を判定することと、
前記サービスツールの前記位置に基づいて、前記機器サービスシステムの前記1つまたは複数の機器部品と相互作用するための、前記サービスツールの1つまたは複数の機能の可用性を構成することと、
を含
み、
前記サービスツールの前記1つまたは複数の機能が、前記機器サービスシステムの機器制御装置の1つまたは複数の機能へのアクセスを提供し、
前記サービスツールが前記1つまたは複数の機器部品に対するオフサイト位置にあると判定される場合に、前記サービスツールが前記1つまたは複数の機器部品の1つまたは複数の制御機能へのアクセスをブロックする、サービスツール機能可用性調整方法。
【請求項10】
前記1つまたは複数の機能が、前記1つまたは複数の機器部品の少なくとも1つの制御機能及び、前記1つまたは複数の機器部品の少なくとも1つの監視機能を備える、請求項
9に記載の方法。
【請求項11】
位置ベース機能可用性マップが、複数の所定のサービス位置のための前記サービスツールの前記1つまたは複数の機能の前記可用性を定義する、請求項
9に記載の方法。
【請求項12】
前記機器制御装置がエレベータ制御装置であり、前記1つまたは複数の機器部品が1つまたは複数のエレベータ部品を備える、請求項
9に記載の方法。
【請求項13】
前記サービスツール及び前記機器制御装置が、無線リンクを利用して通信を確立する、請求項
9に記載の方法。
【請求項14】
前記機器制御装置が前記サービスツールの前記位置を検証する、請求項
9に記載の方法。
【請求項15】
前記位置が、ユーザインターフェースを介して入力されるシーケンス、画像データとして取り込まれるコード、前記サービスツールを介して入力されるコード、音声データとして取り込まれる音声コード、予期された応答を引き出す音声プロンプト、ローカルオンリー無線リンクを利用した通信、及び交換された位置情報の1つまたは複数を介して検証される、請求項
14に記載の方法。
【請求項16】
リモートサーバが前記サービスツールの前記位置を検証する、請求項
9に記載の方法。
【請求項17】
位置ベース機能可用性マップを記憶するよう動作可能である記憶媒体と、
少なくとも1つの処理装置であって、
機器サービスシステムの1つまたは複数の機器部品に対するサービスツールの位置を判定し、
前記位置ベース機能可用性マップ及び前記サービスツールの前記位置に基づいて、前記機器サービスシステムの前記1つまたは複数の機器部品と相互作用するための、前記サービスツールの1つまたは複数の機能の可用性を構成する、
よう構成される、前記少なくとも1つの処理装置と、
を備え、
リモートサーバが前記サービスツールの前記位置を検証する、サービスツール機能可用性調整システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、機器サービスシステムに関し、より詳細には、サービスツール機器サービスシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
機器制御装置(例えば、エレベータ制御装置)にアクセスするために利用される現在のサービスツールは通常、機器制御システムに物理的に接続する別体のハードウェアツールの利用に依拠する。物理接続により、サービスツールを利用する際に特定の位置において物理的に存在する個人によってサービスツールが利用される。物理的に存在することにより、サービスツールのユーザは、他の人々の存在等の環境条件を観測することができる。物理的に接続されたサービスツールの代わりにネットワーク化/無線サービスツールが利用される際には、サービスツール機器の位置に物理的に存在する必要がない場合がある。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
いくつかの実施形態によると、サービスツール機能可用性調整システムが提供される。サービスツール機能可用性調整システムは、位置ベース機能可用性マップを記憶するよう動作可能である記憶媒体及び、機器サービスシステムの1つまたは複数の機器部品に対するサービスツールの位置を判定するよう構成された、少なくとも1つの処理装置を含む。少なくとも1つの処理装置は、位置ベース機能可用性マップ及びサービスツールの位置に基づいて、機器サービスシステムの1つまたは複数の機器部品と相互作用するための、サービスツールの1つまたは複数の機能の可用性を構成する。
【0004】
上述の、もしくは以下に説明する1つもしくは複数の特徴に加えて、またはその代わりとして、さらなる実施形態は、1つまたは複数の機能が、1つまたは複数の機器部品の少なくとも1つの制御機能及び、1つまたは複数の機器部品の少なくとも1つの監視機能を含む場合を含んでもよい。
【0005】
上述の、もしくは以下に説明する1つもしくは複数の特徴に加えて、またはその代わりとして、さらなる実施形態は、位置ベース機能可用性マップが、複数の所定のサービス位置のためのサービスツールの1つまたは複数の機能の可用性を定義する場合を含んでもよい。
【0006】
上述の、もしくは以下に説明する1つもしくは複数の特徴に加えて、またはその代わりとして、さらなる実施形態は、サービスツールの1つまたは複数の機能が、機器サービスシステムの機器制御装置の1つまたは複数の機能へのアクセスを提供する場合を含んでもよい。
【0007】
上述の、もしくは以下に説明する1つもしくは複数の特徴に加えて、またはその代わりとして、さらなる実施形態は、機器制御装置がエレベータ制御装置であり、1つまたは複数の機器部品が1つまたは複数のエレベータ部品を備える場合を含んでもよい。
【0008】
上述の、もしくは以下に説明する1つもしくは複数の特徴に加えて、またはその代わりとして、さらなる実施形態は、サービスツール及び機器制御装置が無線リンクを利用して通信を確立する場合を含んでもよい。
【0009】
上述の、もしくは以下に説明する1つもしくは複数の特徴に加えて、またはその代わりとして、さらなる実施形態は、サービスツールが1つまたは複数の機器部品に対するオフサイト位置にあるように判定される際に、サービスツールが、1つまたは複数の機器部品の1つまたは複数の制御機能へのアクセスをブロックする場合を含んでもよい。
【0010】
上述の、もしくは以下に説明する1つもしくは複数の特徴に加えて、またはその代わりとして、さらなる実施形態は、機器制御装置がサービスツールの位置を検証する場合を含んでもよい。
【0011】
上述の、もしくは以下に説明する1つもしくは複数の特徴に加えて、またはその代わりとして、さらなる実施形態は、ユーザインターフェースを介して入力されるシーケンス、画像データとして取り込まれるコード、サービスツールを介して入力されるコード、音声データとして取り込まれる音声コード、予期された応答を引き出す音声プロンプト、ローカルオンリー無線リンクを利用した通信、及び交換された位置情報の1つまたは複数を介して位置が検証される場合を含んでもよい。
【0012】
上述の、もしくは以下に説明する1つもしくは複数の特徴に加えて、またはその代わりとして、さらなる実施形態は、リモートサーバがサービスツールの位置を検証する場合を含んでもよい。
【0013】
いくつかの実施形態によると、サービスツール機能可用性調整方法が提供される。本方法は、機器サービスシステムの1つまたは複数の機器部品に対するサービスツールの位置を判定すること、及び、サービスツールの位置に基づいて、機器サービスシステムの1つまたは複数の機器部品と相互作用するための、サービスツールの1つまたは複数の機能の可用性を構成することを含む。
【0014】
本開示の実施形態の技術的効果は、機器サービスシステムの1つまたは複数の所定のサービス位置に対するサービスツール位置に対応する、サービスツールの機能可用性を調整することを含む。
【0015】
上述の特徴及び要素は、特に明示しない限り、非排他的に様々な組み合わせで組み合わされてもよい。これらの特徴及び要素ならびにその動作は、以下の説明及び添付図面に照らして、いっそう明らかになる。しかし、以下の説明及び図面は本質的に例示を意図するものであり、非限定的であることが理解される。
【0016】
開示された非限定的実施形態の以下の詳細な説明から、様々な特徴が当業者には明らかになる。詳細な説明を伴う図面は、以下の通り、手短に説明することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】本開示の1つの、非限定的、例示的実施形態としての、機器サービスシステムの概略図である。
【
図2】本開示の様々な実施形態を利用してもよい、エレベータシステムの概略図である。
【
図3】本開示の実施形態による、機器制御装置のユーザインターフェースの概略図である。
【
図4】本開示の実施形態による、位置ベース機能可用性マップの概略図である。
【
図5】本開示の実施形態による、サービスツール機能可用性調整方法を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0018】
開示された装置及び方法の1つまたは複数の実施形態の詳細な説明は、本明細書において図面を参照しながら、例示として提示されるものであって、限定としてではない。
【0019】
図1を参照すると、機器サービスシステム20の例示的な実施形態は、サービスツール22、リモートサーバ24、及び、少なくとも1つの機器制御装置26を含んでもよいか、または、その一部を利用してもよい。サービスツール22は、それぞれの通信経路28、30を通じて、リモートサーバ24及び/または機器制御装置26と通信してもよい。通信経路28、30は、Bluetooth(登録商標)、Wi-Fi、近距離無線通信(NFC)、赤外線、モバイルブロードバンド(例えば、3G、4G等)、衛星等といった通信プロトコルと関連付けられてもよい。リモートサーバ24は、機器制御装置26とサービスツール22との間の通信を容易にすることができる。リモートサーバ24と機器制御装置26との間の1つまたは複数の通信経路31は、例えば、サービスツール22が通信経路30を確立することができない場合に、リモートアクセスを可能にすることができる。このように、情報を通信経路28及び31を通じて流すことができるか、または、機器制御装置26とサービスツール22との間で、通信経路30を利用して、直接リンクを確立することができる。通信経路31は例えば、より長い距離のセキュア通信のために、通信経路28及び30によって利用されるプロトコルとは異なるプロトコルを利用することができる。
【0020】
サービスツール22は、ユーザ(例えば、機器修理人/サービス技師)とのシステム相互作用を容易にする、ユーザインターフェース32を含んでもよい。サービスツール22の非限定的例は、スマートフォン、タブレットコンピュータ、ラップトップコンピュータ、及び他の電子機器を含んでもよい。リモートサーバ24は、クラウドに基づいても(すなわち、クラウドネットワーク環境にあっても)もよい。機器サービスシステム20は、サービスツール22、リモートサーバ24及び/または機器制御装置26間の情報の流れを統括制御する。いくつかの実施形態において、サービスツール22は、ローカルコードの実行を減らして1つまたは複数のリモートで実行されるアプリケーションへのインターフェースを提供してもよい。1つの実施形態において、リモートサーバ24及び機器制御装置26は、共通の会社によって、所有及び/または制御されてもよい。
【0021】
機器サービスシステム20は、少なくとも1つのサイト(すなわち、
図1において34、36として示される2つ)をさらに含んでもよい。各サイト34、36は、1つまたは複数の機器部品25を制御するよう動作可能である、少なくとも1つの機器制御装置26(すなわち、各サイト34、36のために示される3つ)を含んでもよい。サイト34、36の非限定的例は、建物、建物内の1組の階、建物内の階の一部、建物の集合等であってもよい。機器制御装置26の非限定的例は、エレベータの製造業者によるサービスを受けることができるエレベータ制御装置であってもよく、1つまたは複数の機器部品25は、1つまたは複数のエレベータ部品とすることができる。サービスツール22、リモートサーバ24、及び機器制御装置26はそれぞれ、それぞれの処理装置38、40、42(例えば、マイクロプロセッサ)、及び、コンピュータ書き込み可能かつ読み取り可能であってもよい記憶媒体44、46、48を含んでもよい。
【0022】
図1の例では、サービスツール機能可用性調整システム10は、サービスツール22及び機器制御装置26を含むことができ、サービスツール22及び機器制御装置26のいずれかまたは両方の間で様々な位置に基づく動作を分散することができる。例えば、サービスツール22の少なくとも1つの処理装置38が、サービスツール22が機器サービスシステム20の所定のサービス位置に位置するか否かを判定することができ、かつ/または、機器制御装置26の少なくとも1つの処理装置42が、サービスツール22の位置を判定/確認することができる。さらに、リモートサーバ24もまた、サービスツール22の位置を判定するか、または検証してもよい。全地球測位システム(GPS)データ、ネットワークアドレス情報、及び近接検知の利用等の、1つまたは複数の位置判定技術を利用することができる。例えば、位置近接インジケータを生成し、位置近接インジケータへの応答が予期された応答に一致することの検証に基づいて、サービスツール22が所定のサービス位置に対してローカルに位置するか否かを判定するために、文字、数字、記号、光パターン、画像、音声等の異なる形式に符号化することができる。所定のサービス位置は、「local(ローカル)」または「remote(リモート)」にあるとの用語によって、例えば、サイト34、36の1つにある、または、サイト34、36の1つにないと定義することができる。例えば、サービスツール22がサイト34にローカルに存在する場合には、サービスツール22はサイト36からリモートにあると見なされてもよい。「local(ローカル)」は、利用される技術に応じて、オンサイト(例えば、建物内)に、または、位置近接インジケータを見る、聞く、またはその他に観測することができる位置等の、所定の位置に近接していると定義することができる。例えば、近接検知に物理的相互作用または直接の音声/視覚確認が必要とされる場合には、「local(ローカル)」は、このような相互作用が検知可能である位置にあるとして定義される。近接検知のために、Wi-Fi接続等のより広範なカバーエリアが提供される場合には、「local(ローカル)」は、直接無線通信のための信号通信範囲内にあるとして定義することができる。「remote(リモート)」は、直接の物理的相互作用、音声/視覚検知の範囲外、及び/または送信範囲外等の、オフサイト位置または近接の検証範囲外として定義することができる。サービスツール22はまた、位置をさらにリファインしてもよい、「local(ローカル)」カテゴリ内の様々な位置を有することができる。例えば、サービスツール22は、建物内の部屋のローカルにありながら、同じ建物内の機器制御装置26からリモートにあってもよい。いくつかの例において、サービスツール22は、サイト34、36の両方からリモートにあってもよい。サイト34、36へのリモートアクセスを確立し、かつ/または、認証サービスを提供するために、リモートサーバ24を利用することができる。例えば、本明細書にてさらに説明する位置ベース機能可用性マップを利用して、きめ細やかな機能可用性調整を提供するために、より正確な位置マッピングを利用することができる。
【0023】
図2は、エレベータかご103、つり合い重り105、1つまたは複数の荷重支持部材107、ガイドレール109、機械111、位置エンコーダ113、及びエレベータ制御装置115を含む、エレベータシステム101の斜視図である。エレベータシステム101は、
図1の様々な機器部品25の例及び、(例えば、通常のオンサイト位置134、様々な乗り場125における、エレベータかご103内の位置136における、機械111に近接する位置140における、ピット位置138における、制御室121内にある、といった)所定のサービス位置を含み、エレベータ制御装置115は
図1の機器制御装置26の例である。オンサイト位置134の外部にあると判定または確認することができない位置は概して、オフサイト位置142として指定されてもよい。例えば、オンサイト位置134は、エレベータシステム101を含む建物/構造物内とすることができるが、一方で、オフサイト位置142は、エレベータシステム101を含む建物/構造物の外部にある。
【0024】
図2の例において、エレベータかご103及びつり合い重り105は、荷重支持部材107によって互いに接続される。荷重支持部材107は例えば、ロープ、鋼製ケーブル、及び/または塗装鋼製ベルトであってもよい。つり合い重り105は、エレベータかご103の荷重のバランスを保つよう構成され、また、エレベータシャフト117内で、かつガイドレール109に沿って、つり合い重り105に対する同時の、また反対方向のエレベータかご103の移動を容易にするよう構成される。荷重支持部材107は、エレベータシステム101の頭上構造物の一部である機械111に係合する。機械111は、エレベータかご103とつり合い重り105との間の移動を制御するよう構成される。位置エンコーダ113は、調速システム119の上シーブ上に取り付けられてもよく、エレベータシャフト117内のエレベータかご103の位置に関する位置信号を提供するよう構成されてもよい。他の実施形態において、位置エンコーダ113は機械111の移動部品に直接取り付けられてもよいか、または、当技術分野において既知の位置及び/または構成に位置してもよい。
【0025】
エレベータ制御装置115は示されるように、エレベータシャフト117の制御室121内に位置し、エレベータシステム101、特にエレベータかご103の動作を制御するよう構成される。例えば、エレベータ制御装置115は、エレベータかご103の加速、減速、床合せ、停止等を制御する駆動信号を、機械111に提供してもよい。エレベータ制御装置115はまた、位置エンコーダ113から位置信号を受信するよう構成されてもよい。エレベータシャフト117内でガイドレール109に沿って上昇または加工する際に、エレベータかご103は、エレベータ制御装置115によって制御されるように、1つまたは複数の乗り場125において停止してもよい。しかし、制御室121に示されるように、エレベータ制御装置115をエレベータシステム101内の他の単数または複数の位置に位置させ、かつ/または構成することができることが当業者には理解される。いくつかの実施形態においては、エレベータ制御装置115を、照明、表示画面、音楽、発話音声語等を含むがそれに限定されない、エレベータかご103内の特徴を制御するよう構成することができる。
【0026】
機械111は、モータまたは類似の駆動機構及び任意の制動システムを含んでもよい。本開示の実施形態によると、機械111は、電動モータを含むよう構成される。モータ用電力供給は、他の部品と組み合わされてモータに供給される、配電網を含む任意の電源であってもよい。ロープに基づく荷重支持システムとともに示され、説明されているが、油圧、ロープレス、または任意の他の方法等の、エレベータシャフト内でのエレベータかごの移動の他の方法及び機構を利用するエレベータシステムは、本開示の実施形態を利用してもよい。
図2は、例示及び説明を目的に提示される非限定的例にすぎない。
【0027】
図3は、位置近接インジケータを生成し、かつ/または、位置近接インジケータへの応答を処理するために利用することができるユーザインターフェース200を示す。ユーザインターフェース200の1つまたは複数の例は、正常動作中に様々な目的を果たし、近接検知及び保守運転を支持するために、各サイト34、36に設置することができる。例えば、ユーザインターフェース200は、エレベータ制御インターフェースの一部として、
図2のエレベータかご103内に全体として、また部分的に位置することができる。さらに、ユーザインターフェース200は、
図2の乗り場125における、
図2の制御室121内の、かつ/または他の位置における、1つまたは複数に位置することができる。
図1のサービスツール22のユーザインターフェース32は、異なる種類の音声/視覚入力を集め、異なる種類の音声/視覚出力するための、ユーザインターフェース200と類似の要素を含むことができる。ユーザインターフェース200は、様々な入力及び/または出力を
図1の機器制御装置26に提供することができる。例えば、ユーザインターフェース200は、表示画面202、複数のボタン206を含む入力インターフェース204、カメラ208、スピーカ210、及び/またはマイクロフォン212を含むことができる。
図1の通信経路30等の様々な種類の無線通信を確立するために、アンテナ214または他の通信インターフェースを利用することができる。いくつかの実施形態において、アンテナ214は、
図1のサービスツール22を用いた1つまたは複数のローカルオンリー無線リンクの確立を可能にする。例えば、Bluetooth(登録商標)、Wi-Fi、またはNFC等のローカルオンリー無線リンクプロトコルは、このような通信チャネルを確立することにより、サービスツール22及びユーザインターフェース200の位置が互いに物理的に近接することを確かなこととするように、制限された通信範囲を有してもよい。
【0028】
様々な種類の符号化情報を位置近接インジケータとして出力するか、または受信するために、ユーザインターフェース200を利用することができる。ボタン、タッチスクリーン相互作用、音声、及び/または視覚相互作用の任意の組み合わせを介して近接を検証することができる、エレベータかご103のユーザインターフェース200、乗り場125、
図2の制御室121、及び/または他の既知の位置の隣といった所定の位置に、サービスツール22のユーザが物理的に存在することを確認するために、
図1のサービスツール22のユーザに提示される、単一のコードまたは複数のコードのシーケンスとして、位置近接インジケータを確立することができる。例えば、位置近接インジケータは、ボタン206を介して入力されるパスワード等の、ユーザインターフェース32及び/またはユーザインターフェース200を介して入力されるシーケンスとすることができる。例えば、毎日または毎週シーケンスを新しくする等、シーケンスを一定時間固定し、定期的に変更してもよい。例えば、「1234」から「5624」へ、「963」へ等と変更される。
図1のリモートサーバ24から等、リモートソースから受信された情報に基づいて、シーケンスを判定してもよい。他の実施形態において、リモートサーバ24へのアクセスが利用不可能である際に、時刻、年間通算日、または他の値を擬似ランダムシーケンス生成のためのシードとして利用して、擬似ランダムにシーケンスを判定することができる。例えば、
図1の機器制御装置26及び
図1のサービスツール22は、同じシーケンス生成/認証機能を利用し、また、同じシード値を応用することによって、一致すると予期された記号のシーケンスの生成及び、物理的近接の確認の両方を行うことができる。
【0029】
視覚または音声インジケータを利用可能にし、インジケータへの予期された応答が受信されることを確認することによって、
図1のサービスツール22のユーザがユーザインターフェース200の所定の位置(例えば、
図2のエレベータかご103内)に存在することを確認するために、様々な方法及びデータ入力の組み合わせを利用することができる。例えば、数字のシーケンス(例えば、階数インジケータ)は、個別に、または、ボタン206のグループ/パターンで点灯することができ、サービスツール22のユーザは、サービスツール22を介して、または、
図1の機器制御装置26とインターフェースする1つもしくは複数のボタン206を押す(例えば、シーケンスを遵守し、入力する)ことによって、シーケンスを入力するように促されてもよい。代替的に、ボタン206及び/または、
図1の機器制御装置26によって読み取り可能な他の入力インターフェース204を介して順に入力するために、数字シーケンスをユーザインターフェース32上に表示することができる。いくつかの実施形態において、表示画面202はタッチ感知式であり、タッチ式ユーザ入力を受信するよう構成される。さらに、ユーザインターフェース32上の部分入力及びユーザインターフェース200上の部分入力のためにシーケンスを分割することができる。表示画面202上に画像を表示する、また、1つまたは複数の識別画像特徴(例えば、どのような形状及び色が現れるか)のためにサービスツール22のユーザを促す等の近接検証のために、様々な画像もまた利用することができる。さらに、カメラ208及び/またはサービスツール22のカメラを介して、画像データとして取り込まれるコードとして提供された位置近接インジケータとして、バーコードまたはクイックレスポンス(QR)コードを生成することができる。サイト34、36のユーザインターフェース200上に、または、サービスツール22のユーザインターフェース32上のいずれかに表示された、人間による読み取りが可能な、または、機械による読み取りが可能な視覚インジケータを用いて促すことにより、サービスツール22のユーザは、予期された応答または相互作用を通して、近接を検証することができる。
【0030】
別の例として、位置近接インジケータは、音声データとして取り込まれる音声コードまたは、ユーザインターフェース32、200を介して予期された応答を引き出す音声プロンプトとすることができる。例えば、スピーカ210によって音のシーケンスを出力し、サービスツール22のマイクロフォンを利用して取り込み/記録することができる。サービスツール22は、音をマイクロフォン212に再生するか、または、例えば、アンテナ214を介する符号化送信によって、音のコピーまたはサマリを機器制御装置26に送信することができる。さらに、音声データは、ユーザにユーザインターフェース32、200を介する応答の入力を求める質問形式とすることができる。
図2のエレベータかご103の例では、エレベータかご103内の表示画面202またはスピーカ210を介して、ボタン206のいくつが点灯しているか、または、ボタン206のどれが点灯しているかを識別して、マイクロフォン212に発話する(または入力する)ようにユーザを促して、階を選択するために通常利用されるボタン206をインジケータとして利用することができる。代替的に、いくつの、またはどのボタン206が点灯しているかを示すユーザ応答を取り込むために、サービスツール22のユーザインターフェース32の音声またはタッチ式入力を利用することができる。
【0031】
位置近接インジケータ及び対応する応答を確立するために交換された情報の他の例は、例えば、インターネットプロトコル(IP)アドレス、全地球測位システム(GPS)座標等に基づいて判定された位置情報を含むことができる。さらに、セキュリティ強化のため、2つ以上の形式の位置近接インジケータ応答が必要とされてもよい。例えば、予期された応答の一致が存在すると肯定的に判定するために、音声及び視覚相互作用の組み合わせが必要とされてもよい。さらに、タイムアウト時間内に応答が受信されない場合には、損傷または他の条件が1つまたは複数の近接検知技術が有効となることを妨げる場合に備えて、位置近接インジケータを伝達するための複数回の試みが行われてもよい。例えば、スピーカ210が故障している場合、バックアップ近接検知技術として、画像データ及び/またはボタン206のシーケンスを利用することができる。いくつかの実施形態において、所定のタイムアウト時間内の位置近接インジケータへの応答の欠如に基づいて、サービスツール22は所定のサービス位置のリモートに位置すると判定される。サービスツール22の現在の位置を確認するために、位置情報を定期的に判定することができる。例えば、近接が「local(ローカル)」であるとして判定されると、サービスツール22が「remote(リモート)」であると判定されるまで、1時間おきに、または異なる間隔でサービスツール22はその位置を確認するよう求められてもよい。
【0032】
図4は、一実施形態による、位置ベース機能可用性マップ300の例を示す。位置ベース機能可用性マップ300の複数のコピーは、
図1の機器サービスシステム20内に存在することができる。例えば、リモートサーバ24は、サービスツール22の実際または予定位置に基づいて、サービスツール22に位置ベース機能可用性マップ300のコピーを提供してもよい。いくつかの実施形態において、サービスツール22は、認証プロセスの一環として機器制御装置26から位置ベース機能可用性マップ300のコピーを受信することができる。
図1の各サイト34、36のために、位置ベース機能可用性マップ300をカスタマイズすることができる。
図4の例において、位置ベース機能可用性マップ300は、利用可能な機能312、314、316、318、320の対応するセットを有する、5つの所定のサービス位置302、304、306、308、310のリストを含む。所定のサービス位置302~310に応じて、利用可能な機能312~320を拡張するか、または縮小することができる。例えば、機能F1及びF2は所定のサービス位置302~310の全てから利用可能な監視機能であってもよいが、機能F3、F4、F5、F6、F7、F8、F9、及びF10は、所定のサービス位置302においてすべてブロックされ、所定のサービス位置304~308において選択的にブロックされる制御機能である。いくつかの位置は、利用可能な機能316、318の一致する組を有する所定のサービス位置306及び308等の利用可能な機能の共通の組を有することができる。
【0033】
図1及び2に関する一例として、所定のサービス位置302をオフサイト位置142とすることができ、利用可能な機能312(F1、F2)の組は、エレベータシステム101の状態の監視を含むことができる。所定のサービス位置304はサイト34または36におけるオンサイト位置134とすることができ、利用可能な機能314の組は、エレベータシステム101の監視機能(F1、F2)及び制限変更制御アクセス(F3、F4)を含むことができる。所定のサービス位置306はエレベータかご103内の位置136内のとすることができ、利用可能な機能316の組は利用可能な機能314及び付加的な変更制御アクセス(F5、F6)の組を含むことができる。所定のサービス位置308はピット位置138とすることができ、利用可能な機能318組は、利用可能な機能316の組と同じとすることができる。所定のサービス位置310は機械111の近位の位置140とすることができ、利用可能な機能320は利用可能な機能318及びさらなる変更制御アクセスする(F7、F8、F9、F10)の組を含むことができる。
図4の位置ベース機能可用性マップ300は一例であり、異なる位置及び機能の多くの変形例が企図されることが理解される。機能及び位置間の割当は、安全の態様及び他の考慮に基づいて行うことができる。例えば、監視機能へのアクセスは、エレベータかご103が空であるか否か、エレベータかご103の位置、エレベータかご103の運動状態、エレベータかご103のドア開閉、及び他のこのような状態情報の判定を含むことができる。機械111の制御面へのアクセスは、例えば、機械111の近位の位置140において、または制御室121において提供されてもよいが、エレベータかご103内に、またはエレベータかご103の下にいる間の保守員のけがのリスクを低減するために、エレベータかご103内の位置136において、または、ピット位置138においてブロックされてもよい。ピット位置138においては、サービスツール22のユーザがエレベータシステム101の態様を制御しながらあらゆる潜在的な安全問題を十分に認識するように、他の制御機能へのインターロックとしてサービスバイパス機能が追加されてもよい。エレベータかご103内の特定の機能の制御は、照明制御及び/または音声制御等の、エレベータかご103内の位置136に限定されてもよい。
【0034】
エレベータシステム101のための位置に基づく機能のさらなる例として、階の全ての組を通してエレベータかご103を動作させ、階位置を学習する学習動作機能は、サービスツール22が、機械111の近位の位置140における、または制御室121における等のシステム制御装置付近にある場合に限定させることができる。エレベータシステム101内の構成設定を修正するためのパラメータ変更機能は、様々な乗り場125における、エレベータかご103内の位置136における、機械111の近位の位置140における、ピット位置138における、制御室121内における等の通常のオンサイト位置134として識別される任意のローカル位置から許可されてもよい。しかし、エレベータかご103内において、エレベータかご103の上部において、または制御装置位置においてのみ可能となってもよいドアパラメータ修正等のいくつかのパラメータ変更機能をさらに制約することができる。さらなる例として、エレベータ制御装置115等の対応する制御装置付近にある場合にのみ、駆動パラメータを修正してもよい。かごドアが開放されている間のエレベータかご103の動作に関連して安全機能を訓練するためのいくつかの安全信号をバイパスする非制御動作試験には、サービスツール22が通常のオンサイト位置134にあるが、エレベータかご103内にない、エレベータかご103の上部にない、またはピット位置138内にないことが求められてもよい。速度確認に関連する安全機能を発揮するべくいくつかの安全マージンを変更するための速度試験機能には、サービスツール22が通常のオンサイト位置134にあるが、エレベータかご103内にない、エレベータかご103の上部にない、またはピット位置138内にないことが求められてもよい。エレベータかご103を開閉し、必要な力等の公称性能を学習するドア学習機能は、ドアが妨害されないことを確実にするように、エレベータかご103内の位置136において、または、対応する乗り場125において、エレベータかご103が存在する際の、エレベータかご103のドアへの近接を必要としてもよい。他のこのような位置に基づく機能の制約は、当業者には明らかである。
【0035】
図5は、本明細書において、かつ/または、本明細書上の変形例において示し、説明するように、
図1のサービスツール機能可用性調整システム10によって実行することができるフロープロセス400を示す。1つまたは複数のセンサ、1つまたは複数の処理装置、ならびに/または1つまたは複数の機械及び/もしくは制御装置を利用して、フロープロセス400の様々な態様を実行することができる。例えば、フロープロセスのいくつかの態様は、上述のように、処理装置または他の制御装置と通信し、それに検知情報を送信するセンサ(例えば、GPS、カメラ、マイクロフォン等)を含む。フロープロセス400について、
図1~5を参照して説明する。
【0036】
ブロック402において、(例えば、サービスツール22内の)サービスツール機能可用性調整システム10の少なくとも1つの処理装置38、40、42は、機器サービスシステム20の1つまたは複数の機器部品25に対するサービスツール22の位置を判定する。サービスツール22が、所定のサービス位置302~310の1つの所定の半径内に、または、所定のサービス位置302~310の1つとして定義される範囲内に存在する場合に、サービスツール22は、所定のサービス位置302~310の1つに存在すると判定することができる。例えば、サービスツール22のGPS座標がサイト36の既知の座標と一致する場合、サービスツール22は、サイト36においてオンサイトである(例えば、オンサイト位置134にある)と判定することができる。サービスツール22が通信経路30上で機器制御装置26と通信することができないが、通信経路28及び31を介して通信することができる場合、サービスツール22は、位置近接インジケータへの予期された応答に基づいて第2の近接確認が検知されない場合、オフサイト(例えば、オフサイト位置142)であると判定することができる。判定された位置は、ユーザインターフェースを介して入力されるシーケンス、画像データとして取り込まれるコード、サービスツールを介して入力されるコード、音声データとして取り込まれる音声コード、予期された応答を引き出す音声プロンプト、ローカルオンリー無線リンクを利用した通信、及び交換された位置情報の1つまたは複数を通して検証することができる。
【0037】
ブロック404において、サービスツール機能可用性調整システム10の少なくとも1つの処理装置38、40、42は、サービスツール22の位置に基づいて機器サービスシステム20の1つまたは複数の機器部品25と相互作用するためのサービスツール22の1つまたは複数の機能の可用性を構成する。例えば、サービスツール22の1つまたは複数の機能の可用性は、サービスツール22が位置ベース機能可用性マップ300内に定義される所定のサービス位置302~310の1つにあることの判定に基づいて、有効にするか、または無効にすることができる。1つまたは複数の機能は、1つまたは複数の機器部品25の少なくとも1つの制御機能(例えば、利用可能な機能314~320の組におけるF3~F10)及び、1つまたは複数の機器部品25の少なくとも1つの監視機能(例えば、利用可能な機能312~320の組におけるF1、F2)を含むことができる。
【0038】
サービスツール機能可用性調整システム10の少なくとも1つの処理装置38、40、42は、サービスツール22が所定のサービス位置にないことの判定に基づいて、サービスツール22の1つまたは複数の機能の可用性を修正することができる。例えば、サービスツール22が所定のサービス位置302に移行する際に、機能F3及びF4の可用性はブロックされるか、または削除される。位置ベース機能可用性マップ300は、複数の所定のサービス位置302~310のための(例えば、利用可能な機能312~322の組における)サービスツール22の1つまたは複数の機能の可用性を定義することができ、サービスツール22の1つまたは複数の機能の可用性は、位置ベース機能可用性マップ300及びサービスツール22の現在の位置に基づいて修正することができる。サービスツール22の1つまたは複数の機能は、機器サービスシステム20の機器制御装置26の1つまたは複数の機能へのアクセスを提供することができる。サービスツール22の位置の変更により機能可用性の変更が必要とされるか否かを確認するために、プロセス400を定期的に繰り返すことができる。例えば、N分おきに、1時間おきに、または、任意の他の適切な時間に、プロセス400を繰り返すことができる。いくつかの実施形態において、サービスツール22がオフサイト位置142からオンサイト位置134に移行する際に、プロセス400はより速い速度で繰り返される。
【0039】
上述の様々な機能は、コンピュータ読み取り可能プログラムコードから形成され、コンピュータ読み取り可能媒体において具現化されるコンピュータプログラムによって、実装されるか、またはサポートされる。コンピュータ読み取り可能コードは、ソースコード、オブジェクトコード、実行可能コード等を含んでもよい。コンピュータ読み取り可能媒体は、コンピュータによるアクセスが可能である任意の種類の媒体であってもよく、読み取り専用メモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、ハードディスクドライブ、コンパクトディスク(CD)、デジタルビデオディスク(DVD)、または他の形式を含んでもよい。
【0040】
部品、モジュール、システム等の本明細書において使用される用語は、ハードウェア、ハードウェア及びソフトウェアの組み合わせ、またはソフトウェア実行のいずれかのコンピュータ関連エンティティを指すことが意図される。例として、部品は、処理装置上で実行される処理、処理装置、オブジェクト、実行可能ファイル、実行のスレッド、プログラム、及び/またはコンピュータであってもよいが、それに限定されない。サーバ上で実行されるアプリケーション及びサーバは部品であってもよいことが理解される。1つまたは複数の部品は処理及び/または実行のスレッド内に存在してもよく、部品は1つのコンピュータ上でローカライズされ、かつ/または2つ以上のコンピュータ間で分散されてもよい。
【0041】
例示的な実施形態を参照して本開示が説明されるが、本開示の趣旨及び範囲を逸脱することなく、様々な変更が行われてもよく、均等物が代用されてもよいことが当業者には理解される。加えて、その本質的な範囲から逸脱することなく、本開示の教示を特定の状況、アプリケーション、及び/または材料に適合させるために、様々な修正が適用されてもよい。したがって、本開示は、本明細書において開示される特定の例に限定されず、添付の特許請求の範囲内に該当する全ての実施形態を含む。