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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-02-09
(45)【発行日】2023-02-17
(54)【発明の名称】エレベーター乗場釦装置
(51)【国際特許分類】
   B66B 3/00 20060101AFI20230210BHJP
   B66B 1/16 20060101ALI20230210BHJP
【FI】
B66B3/00 K
B66B1/16 L
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2019080967
(22)【出願日】2019-04-22
(65)【公開番号】P2020176006
(43)【公開日】2020-10-29
【審査請求日】2022-03-04
(73)【特許権者】
【識別番号】000236056
【氏名又は名称】三菱電機ビルソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100110423
【弁理士】
【氏名又は名称】曾我 道治
(74)【代理人】
【識別番号】100111648
【弁理士】
【氏名又は名称】梶並 順
(74)【代理人】
【識別番号】100147566
【弁理士】
【氏名又は名称】上田 俊一
(74)【代理人】
【識別番号】100161171
【弁理士】
【氏名又は名称】吉田 潤一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100188514
【弁理士】
【氏名又は名称】松岡 隆裕
(74)【代理人】
【識別番号】100194939
【氏名又は名称】別所 公博
(72)【発明者】
【氏名】鎌田 晋治
【審査官】吉川 直也
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-101555(JP,A)
【文献】特開2016-016925(JP,A)
【文献】特開平09-240951(JP,A)
【文献】特開2009-001383(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B66B 1/00-20/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
操作されることによって乗場呼びが登録される乗場釦と、
前記乗場釦が連続して操作されている時間を測定する押時間測定部と、
前記押時間測定部の測定結果に基づいて、前記乗場釦が連続して操作されていることを検出する異常押検出部と
前記乗場釦を支持する乗場釦支持部と、
通常位置と前記通常位置よりも前記乗場釦支持部に対して奥行方向について手前側にある押出位置との間で、前記乗場釦を移動させる乗場釦移動部と
を備え
前記乗場釦移動部は、前記異常押検出部の検出結果に基づいて、前記乗場釦を前記通常位置と前記押出位置との間で移動させるエレベーター乗場釦装置。
【請求項2】
操作されることによって乗場呼びが登録される乗場釦と、
前記乗場釦が連続して操作されている時間を測定する押時間測定部と、
前記押時間測定部の測定結果に基づいて、前記乗場釦が連続して操作されていることを検出する異常押検出部と
前記乗場釦を支持する乗場釦支持部と、
通常位置と前記通常位置よりも前記乗場釦支持部に対して奥行方向について奥側にある退避位置との間で、前記乗場釦を移動させる乗場釦移動部と
を備え
前記乗場釦移動部は、前記異常押検出部の検出結果に基づいて、前記乗場釦を前記通常位置から前記退避位置に移動させるエレベーター乗場釦装置。
【請求項3】
前記乗場釦が操作されていない場合に前記乗場釦が設置される領域である設置領域から異物が除去されたことを検出する異物除去検出部をさらに備え、
前記乗場釦移動部は、前記異物除去検出部の検出結果に基づいて、前記乗場釦を前記退避位置から前記通常位置に移動させる請求項に記載のエレベーター乗場釦装置。
【請求項4】
前記異常押検出部の検出結果に基づいて、前記乗場釦に異常が発生したことを報知する報知部をさらに備えた請求項1から請求項3までの何れか一項に記載のエレベーター乗場釦装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、乗場釦が操作されることによって乗場呼びが登録されるエレベーター乗場釦装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、各階の乗場に設けられた複数の乗場釦を備え、乗場釦が操作されることによって、操作された乗場釦が設けられた乗場に対応する乗場呼びがエレベーター制御盤に登録されエレベーター乗場釦装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2015-202934号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、例えば、商業施設において、カートなどの異物が乗場釦に当たり、乗場釦が連続して操作されたままとなる場合がある。この場合に、乗場呼びが登録され、かごが対応する乗場に到着しても、乗場釦が操作されたままとなる。これにより、乗場呼びが登録されたままとなり、かごが移動できなくなるという問題点があった。
【0005】
この発明は、上述のような課題を解決するためになされたものであり、その目的は、乗場釦が連続して操作されていることを検出することができるエレベーター乗場釦装置を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明に係るエレベーター乗場釦装置は、操作されることによって乗場呼びが登録される乗場釦と、乗場釦が連続して操作されている時間を測定する押時間測定部と、押時間測定部の測定結果に基づいて、乗場釦が連続して操作されていることを検出する異常押検出部と、乗場釦を支持する乗場釦支持部と、通常位置と通常位置よりも乗場釦支持部に対して奥行方向について手前側にある押出位置との間で、乗場釦を移動させる乗場釦移動部とを備え、乗場釦移動部は、異常押検出部の検出結果に基づいて、乗場釦を通常位置と押出位置との間で移動させる
この発明に係るエレベーター乗場釦装置は、操作されることによって乗場呼びが登録される乗場釦と、乗場釦が連続して操作されている時間を測定する押時間測定部と、押時間測定部の測定結果に基づいて、乗場釦が連続して操作されていることを検出する異常押検出部と、乗場釦を支持する乗場釦支持部と、通常位置と通常位置よりも乗場釦支持部に対して奥行方向について奥側にある退避位置との間で、乗場釦を移動させる乗場釦移動部とを備え、乗場釦移動部は、異常押検出部の検出結果に基づいて、乗場釦を通常位置から退避位置に移動させる。
【発明の効果】
【0007】
この発明に係るエレベーター乗場釦装置によれば、乗場釦が連続して操作されていることを検出することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】この発明の実施の形態1にエレベーター乗場釦装置を示す正面図である。
図2図1のエレベーター乗場釦装置を示す断面図である。
図3図1のエレベーター乗場釦装置を示すブロック図である。
図4】この発明の実施の形態2に係るエレベーター乗場釦装置を示す断面図である。
図5図4のエレベーター乗場釦装置を示すブロック図である。
図6図4の乗場釦が移動した場合のエレベーター乗場釦装置を示す断面図である。
図7】この発明の実施の形態3に係るエレベーター乗場釦装置を示す断面図である。
図8図7のエレベーター乗場釦装置を示すブロック図である。
図9図7の乗場釦が移動した場合のエレベーター乗場釦装置を示す断面図である。
図10】この発明の実施の形態4に係るエレベーター乗場釦装置を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
実施の形態1.
図1は、この発明の実施の形態1にエレベーター乗場釦装置を示す正面図である。図2は、図1のエレベーター乗場釦装置を示す断面図である。図3は、図1のエレベーター乗場釦装置を示すブロック図である。エレベーター乗場釦装置1Aは、乗場壁2に設けられた乗場釦支持部101と、乗場釦支持部101に支持された乗場釦102とを備えている。乗場釦102は、利用者に操作される。
【0010】
また、エレベーター乗場釦装置1Aは、乗場釦102が連続して操作されている時間を測定する押時間測定部103と、押時間測定部103の測定結果に基づいて、乗場釦102が連続して操作されていることを検出する異常押検出部104と、異常押検出部104の検出結果に基づいて、乗場釦102に異常が発生したことを報知する報知部105と備えている。
【0011】
乗場釦102は、図示しないエレベーター制御盤に電気的に接続されている。エレベーター制御盤は、図示しないかごの昇降を制御する。乗場釦102が利用者に操作されることによって、エレベーター制御盤には、操作された乗場釦102が配置された乗場に対応する乗場呼びが登録される。乗場呼びがエレベーター制御盤に登録されることによって、操作された乗場釦102が配置された乗場に、かごが移動する。
【0012】
押時間測定部103は、乗場釦102に電気的に接続されている。乗場釦102が連続して操作されている間は、乗場釦102が操作されていることを示す操作時間信号が連続して乗場釦102から押時間測定部103に入力される。押時間測定部103は、図示しないタイマーを有している。押時間測定部103は、操作時間信号が連続して入力されている時間を測定する。押時間測定部103によって測定された時間を連続操作時間とする。
【0013】
異常押検出部104は、押時間測定部103に電気的に接続されている。押時間測定部103の測定結果は、異常押検出部104に入力される。異常押検出部104には、異常時間が設定されている。異常押検出部104は、連続操作時間が異常時間に達したか否かに基づいて、乗場釦102が連続して操作されていることを検出する。具体的には、異常押検出部104は、連続操作時間が異常時間に達していない場合に、乗場釦102が連続して操作されていないと判定する。一方、異常押検出部104は、連続操作時間が異常時間に達した場合に、乗場釦102が連続して操作されたと判定する。異常押検出部104に設定される異常時間は、任意の時間に変更可能となっている。
【0014】
押時間測定部103および異常押検出部104は、乗場に配置されている。なお、押時間測定部103および異常押検出部104は、エレベーター制御盤によって構成されてもよい。
【0015】
報知部105は、異常押検出部104に電気的に接続されている。異常押検出部104の検出結果は、報知部105に入力される。報知部105は、乗場釦102が連続して操作されたことを異常押検出部104が検出した場合に、乗場釦102に異常が発生したことを報知する。報知部105としては、スピーカー、表示装置などが挙げられる。
【0016】
報知部105は、乗場に配置されている。乗場釦102に異常が発生したことを報知部105が報知することによって、報知部105の周囲にいる人に対して、乗場釦102に異常が発生したことを知らせることができる。
【0017】
乗場釦102に異常が発生したことを知った人は、乗場釦102を操作している異物を除去する。これにより、乗場釦102が異物によって操作された状態が維持されることが抑制される。
【0018】
以上説明したように、この発明の実施の形態1に係るエレベーター乗場釦装置1Aによれば、乗場釦102が連続して操作されている時間を測定する押時間測定部103と、押時間測定部103の測定結果に基づいて、乗場釦102が連続して操作されていることを検出する異常押検出部104とを備えている。これにより、異物が乗場釦102に当たり、乗場釦102が操作されたままである場合に、乗場釦102が連続して操作されていることを検出することができる。
【0019】
また、このエレベーター乗場釦装置1Aは、異常押検出部104の検出結果に基づいて、乗場釦102に異常が発生したことを報知する報知部105をさらに備えている。これにより、異物が乗場釦102に当たり、乗場釦102が操作されたままである場合に、報知部105の周囲の人に対して、乗場釦102に異常が発生したことを知らせることができる。その結果、かごが移動できなくなることが抑制される。
【0020】
実施の形態2.
図4は、この発明の実施の形態2に係るエレベーター乗場釦装置を示す断面図である。図5は、図4のエレベーター乗場釦装置を示すブロック図である。エレベーター乗場釦装置1Bは、異常押検出部104の検出結果に基づいて、乗場釦102を乗場釦支持部101に対して移動させる乗場釦移動部106をさらに備えている。乗場釦移動部106は、複数の乗場釦102のそれぞれに対応して設けられている。
【0021】
乗場釦支持部101は、乗場釦102が奥行方向Aについて乗場釦支持部101に対して移動可能となるように、乗場釦102を支持している。図6は、図4の乗場釦102が移動した場合のエレベーター乗場釦装置を示す断面図である。乗場釦102は、通常位置と、通常位置よりも乗場釦支持部101に対して奥行方向Aについて手前側にある押出位置との間で移動する。図4では、乗場釦102の位置が通常位置である場合のエレベーター乗場釦装置を示し、図6では、乗場釦102の位置が押出位置である場合のエレベーター乗場釦装置を示している。奥行方向Aについて手前側とは、利用者が乗場釦102を操作する時に利用者が乗場釦102を押す方向に対する反対方向側である。乗場釦102の位置が通常位置である場合に、乗場釦102の表面は、乗場釦支持部101の表面よりも奥行方向Aについて手前側に配置される。
【0022】
図5に示すように、乗場釦移動部106は、異常押検出部104に電気的に接続されている。異常押検出部104の検出結果は、乗場釦移動部106に入力される。乗場釦移動部106は、乗場釦102が連続して操作されたことを異常押検出部104が検出した場合に、乗場釦102を通常位置から押出位置に移動させ、その後、乗場釦102を押出位置から通常位置に移動させる。なお、乗場釦102における通常位置と押出位置との間の移動は、複数回繰り返されてもよい。
【0023】
乗場釦102が通常位置から押出位置に移動し、その後、乗場釦102が押出位置から通常位置に移動することによって、乗場釦102を操作する異物が、乗場釦102から離れる。これにより、乗場釦102が操作された状態が維持されることが抑制される。その他の構成は、実施の形態1と同様である。
【0024】
以上説明したように、この発明の実施の形態2に係るエレベーター乗場釦装置1Bによれば、通常位置と押出位置との間で、乗場釦102を移動させる乗場釦移動部106をさらに備えている。乗場釦移動部106は、異常押検出部104の検出結果に基づいて、乗場釦102を通常位置と押出位置との間で移動させる。これにより、異物が乗場釦102に当たり、乗場釦102が操作されたままである場合に、乗場釦102が操作された状態が維持されることが抑制される。その結果、かごが移動できなくなることを抑制することができる。
【0025】
なお、実施の形態2では、異常押検出部104の検出結果に基づいて、乗場釦移動部106が乗場釦102を移動させる構成について説明した。これに限らず、異常押検出部104の検出結果に基づいて、乗場釦移動部106が乗場釦102を移動させるとともに、実施の形態1と同様に、乗場釦102に異常が発生したことを報知部105が報知する構成であってもよい。
【0026】
また、実施の形態2では、乗場釦102が通常位置から押出位置に移動することによって、乗場釦102を操作する異物が乗場釦102から離れる構成について説明した。しかしながら、これに限らず、例えば、乗場の床に傾斜面を設けることによって、乗場釦102を操作する異物が乗場釦102から離れる構成であってもよい。この傾斜面は、乗場釦102に近づくにつれて高さ方向の位置が高くなるように、水平面に対して傾斜して配置される。この場合に、エレベーター乗場釦装置1Bは乗場釦移動部106を備えなくてもよく、また、乗場釦102は乗場釦支持部101に対して移動しなくてもよい。
【0027】
実施の形態3.
図7は、この発明の実施の形態3に係るエレベーター乗場釦装置を示す断面図である。図8は、図7のエレベーター乗場釦装置を示すブロック図である。エレベーター乗場釦装置1Cは、異常押検出部104の検出結果に基づいて、乗場釦102を乗場釦支持部101に対して移動させる乗場釦移動部106と、設置領域から異物が除去されたことを検出する異物除去検出部107とをさらに備えている。設置領域とは、乗場釦102が操作されていない場合に乗場釦102が設置される領域である。
【0028】
乗場釦支持部101は、乗場釦102が奥行方向Aについて乗場釦支持部101に対して移動可能となるように、乗場釦102を支持している。図9は、図7の乗場釦102が移動した場合のエレベーター乗場釦装置を示す断面図である。乗場釦102は、通常位置と、通常位置よりも乗場釦支持部101に対して奥行方向Aについて奥側にある退避位置との間で移動する。図7では、乗場釦102の位置が通常位置である場合のエレベーター乗場釦装置を示し、図9では、乗場釦102の位置が退避位置である場合のエレベーター乗場釦装置を示している。奥行方向Aについて奥側とは、利用者が乗場釦102を操作する時に利用者が乗場釦102を押す方向側である。言い換えれば、奥行方向Aについて奥側とは、奥行方向Aについて手前側に対して反対側である。
【0029】
乗場釦102の位置が通常位置である場合に、乗場釦102の表面は、乗場釦支持部101の表面よりも奥行方向Aについて手前側に配置される。一方、乗場釦102の位置が退避位置である場合に、乗場釦102の表面は、乗場釦支持部101の表面よりも、奥行方向Aについて奥側に配置される。
【0030】
図8に示すように、乗場釦移動部106は、異常押検出部104に電気的に接続されている。異常押検出部104の検出結果は、乗場釦移動部106に入力される。乗場釦移動部106は、乗場釦102が連続して操作されたことを異常押検出部104が検出した場合に、乗場釦102を通常位置から退避位置に移動させる。
【0031】
乗場釦102が通常位置から退避位置に移動することによって、乗場釦102を操作する異物が、乗場釦102から離れる。これにより、乗場釦102が操作された状態が維持されることが抑制される。
【0032】
異物除去検出部107は、図示しないカメラを有している。異物除去検出部107のカメラは、設置領域が含まれる領域を撮影する。異物除去検出部107は、カメラの画像を用いて、設置領域から異物が除去されたことを検出する。なお、異物除去検出部107は、カメラを用いずに、その他の方法で、設置領域から異物が除去されたことを検出してもよい。
【0033】
乗場釦移動部106は、異物除去検出部107に電気的に接続されている。異物除去検出部107の検出結果は、乗場釦移動部106に入力される。乗場釦移動部106は、異物除去検出部107の検出結果に基づいて、乗場釦102を退避位置から通常位置に移動させる。具体的には、乗場釦移動部106は、設置領域から異物が除去されたことを異物除去検出部107が検出した場合に、乗場釦102を退避位置から通常位置に移動させる。その他の構成は、実施の形態1と同様である。
【0034】
以上説明したように、この発明の実施の形態3に係るエレベーター乗場釦装置1Cによれば、通常位置と退避位置との間で、乗場釦102を移動させる乗場釦移動部106をさらに備えている。乗場釦移動部106は、異常押検出部104の検出結果に基づいて、乗場釦102を通常位置から退避位置に移動させる。これにより、異物が乗場釦102に当たり、乗場釦102が操作されたままである場合に、乗場釦102が操作された状態が維持されることが抑制される。その結果、かごが移動できなくなることを抑制することができる。
【0035】
また、このエレベーター乗場釦装置1Cは、設置領域から異物が除去されたことを検出する異物除去検出部107をさらに備えている。乗場釦移動部106は、異物除去検出部107の検出結果に基づいて、乗場釦102を退避位置から通常位置に移動させる。これにより、乗場釦102を操作する異物が除去された場合に、乗場釦102の位置を通常位置に戻すことができる。
【0036】
なお、実施の形態3では、異常押検出部104の検出結果に基づいて、乗場釦移動部106が乗場釦102を移動させる構成について説明した。これに限らず、異常押検出部104の検出結果に基づいて、乗場釦移動部106が乗場釦102を移動させるとともに、実施の形態1と同様に、乗場釦102に異常が発生したことを報知部105が報知する構成であってもよい。
【0037】
実施の形態4.
図10は、この発明の実施の形態4に係るエレベーター乗場釦装置を示すブロック図である。エレベーター乗場釦装置1Dは、設置領域から異物が除去されたことを検出する異物除去検出部107と、異常押検出部104の検出結果に基づいて、乗場呼びの登録を停止する登録停止部108とをさらに備えている。
【0038】
異物除去検出部107は、図示しないカメラを有している。異物除去検出部107のカメラは、設置領域が含まれる領域を撮影する。異物除去検出部107は、カメラの画像を用いて、設置領域から異物が除去されたことを検出する。なお、異物除去検出部107は、カメラを用いずに、その他の方法で、設置領域から異物が除去されたことを検出してもよい。
【0039】
登録停止部108は、異常押検出部104に電気的に接続されている。異常押検出部104の検出結果は、登録停止部108に入力される。また、登録停止部108は、エレベーター制御盤に電気的に接続されている。登録停止部108は、乗場釦102が連続して操作されたことを異常押検出部104が検出した場合に、対応する乗場釦102について、エレベーター制御盤に乗場呼びが登録されることを停止する。
【0040】
登録停止部108は、異物除去検出部107に電気的に接続されている。異物除去検出部107の検出結果は、登録停止部108に入力される。登録停止部108は、異物除去検出部107の検出結果に基づいて、乗場呼びの登録の停止を解除する。具体的には、登録停止部108は、設置領域から異物が除去されたことを異物除去検出部107が検出した場合に、対応する乗場釦102について、エレベーター制御盤への乗場呼びの登録の停止を解除する。その他の構成は、実施の形態1と同様である。
【0041】
以上説明したように、この発明の実施の形態4に係るエレベーター乗場釦装置1Dによれば、異常押検出部104の検出結果に基づいて、乗場呼びの登録を停止する登録停止部108をさらに備えている。これにより、異物が乗場釦102に当たり、乗場釦102が操作されたままである場合に、かごが移動できなくなることを抑制することができる。
【0042】
また、エレベーター乗場釦装置1Dによれば、登録停止部108は、異物除去検出部107の検出結果に基づいて、乗場呼びの登録の停止を解除する。これにより、乗場釦102を操作する異物が除去された場合に、乗場呼びの登録を可能にすることができる。
【0043】
なお、実施の形態4では、乗場釦102に異常が発生したことを知った人が、乗場釦102を操作している異物を除去し、その後、異物除去検出部107の検出結果に基づいて、乗場呼びの登録の停止を解除する構成について説明した。しかしながら、実施の形態2と同様に、乗場釦102が通常位置と押出位置との間で移動して、その後、異物除去検出部107の検出結果に基づいて、乗場呼びの登録の停止を解除する構成であってもよい。
【0044】
また、実施の形態4では、異常押検出部104の検出結果に基づいて、登録停止部108が乗場呼びの登録を停止する構成について説明した。これに限らず、異常押検出部104の検出結果に基づいて、登録停止部108が乗場呼びの登録を停止するとともに、実施の形態1と同様に、乗場釦102に異常が発生したことを報知部105が報知する構成であってもよい。
【符号の説明】
【0045】
1A、1B、1C、1D エレベーター乗場釦装置、2 乗場壁、101 乗場釦支持部、102 乗場釦、103 押時間測定部、104 異常押検出部、105 報知部、106 乗場釦移動部、107 異物除去検出部、108 登録停止部。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10