(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-02-09
(45)【発行日】2023-02-17
(54)【発明の名称】ブームスプレーヤ
(51)【国際特許分類】
A01M 11/00 20060101AFI20230210BHJP
【FI】
A01M11/00
(21)【出願番号】P 2019126176
(22)【出願日】2019-07-05
【審査請求日】2022-05-09
(73)【特許権者】
【識別番号】000141174
【氏名又は名称】株式会社丸山製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100113435
【氏名又は名称】黒木 義樹
(74)【代理人】
【識別番号】100176245
【氏名又は名称】安田 亮輔
(72)【発明者】
【氏名】江澤 佑允
【審査官】竹中 靖典
(56)【参考文献】
【文献】特開2004-097139(JP,A)
【文献】特開2004-313976(JP,A)
【文献】特開平09-262012(JP,A)
【文献】特開2004-074096(JP,A)
【文献】実開平02-070757(JP,U)
【文献】特開2001-204357(JP,A)
【文献】実公昭36-022868(JP,Y1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A01M 1/00 - 99/00
B05B 17/00 - 17/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車体フレーム(50)上に配置された運転席(4)を有し自走可能な車両(1)と、前記運転席(4)の前方且つ下方に配置され車両左右方向に延びるセンターブーム(19)と、前記車体フレーム(50)の前部に支持されると共に前記センターブーム(19)を支持し車両左右方向に一対が設けられたブームリフト(15,15)及び当該一対のブームリフト(15,15)を動作させ前記センターブーム(19)を昇降させるアクチュエータ(16)を有するセンターブーム昇降装置と、前記センターブーム(19)に設けられ液剤を散布する液剤散布装置(22,23)と、粒剤を散布する粒剤散布装置(7)と、を備えたブームスプレーヤ(100)であって、
前記粒剤散布装置(7)は、前記運転席(4)の前方に配置されると共に前記一対のブームリフト(15,15)間に配置され、前記車体フレーム(50)の前部に固定されていることを特徴とするブームスプレーヤ(100)。
【請求項2】
前記液剤散布装置(22,23)は、前記センターブーム(19)の長手方向に沿って、前記液剤を散布する液剤ノズル(23)を複数備え、
前記粒剤散布装置(7)は、前記粒剤を散布する噴口(9)を備え、
前記液剤ノズル(23)の散布方向を下向きとし、
前記噴口(9)の散布方向を前向きとしたことを特徴とする請求項1記載のブームスプレーヤ(100)。
【請求項3】
前記粒剤散布装置(7)は、前記粒剤を搬送する送風機(51)を備えることを特徴とする請求項2記載のブームスプレーヤ(100)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ブームスプレーヤに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、液剤を散布する液剤散布装置、及び、粒剤を散布する粒剤散布装置を備えたブームスプレーヤとして、以下の特許文献1に記載のものが知られている。この特許文献1に記載のブームスプレーヤでは、車両を構成する車体フレーム(機体フレーム)の前部にセンターブーム昇降装置が設けられている。このセンターブーム昇降装置は、車両前方へ延びるように左右一対のブームリフトとしての4節リンク機構を備えており、4節リンク機構の前側リンクに、連結ブラケットを介して、車両左右方向に延びるセンターブームが固着されている。また、センターブーム昇降装置は、アクチュエータとしての油圧シリンダを備えており、この油圧シリンダは、その固定子が車体フレームの前部の下面に枢支され、その移動子が4節リンク機構を構成する上側の揺動リンク同士を連結する連結バーに、レバーを介して接続されている。そして、油圧シリンダの移動子を伸縮させることにより、4節リンク機構を介してセンターブームが昇降するようになっている。このセンターブームには、その前面に沿って、液剤散布装置を構成する複数の液剤散布ノズルが離間配置されている。
【0003】
一方、粒剤散布装置は、粒剤を収容する粒剤タンクと、粒剤タンクの下部に接続され、ロータの回転により粒剤タンク内の粒剤を下方へ掻き下ろす繰り出し部と、センターブームの背面に沿って配置され、繰り出し部からの粒剤を散布するための散布管と、を備え、この散布管に沿って、粒剤を下方へ散布する複数の粒剤散布ノズルが離間配置されている。この粒剤散布装置を構成する粒剤タンクは、4節リンク機構の前側リンクとセンターブームとの間の上記連結ブラケット上に搭載されている。なお、このブームスプレーヤにあっては、粒剤散布中に液剤散布を行うと、粒剤が液剤により固まったり、変質したりするため、液剤散布と粒剤散布とは同時に行わないようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ここで、引用文献1のブームスプレーヤにあっては、粒剤散布装置の粒剤タンクが、4節リンク機構の前側リンクとセンターブームとの間の連結ブラケット上に搭載されているため、センターブームを昇降させるための油圧シリンダの耐荷重を、粒剤散布装置を備えていないブームスプレーヤより上げる必要があり、高コスト化してしまう。
【0006】
本発明は、このような課題を解決するために成されたものであり、液剤散布装置及び粒剤散布装置を備えたブームスプレーヤにおいて、センターブームを昇降させるためのアクチュエータの耐荷重を下げ、低コスト化を図ることができるブームスプレーヤを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、車体フレーム(50)上に配置された運転席(4)を有し自走可能な車両(1)と、運転席(4)の前方且つ下方に配置され車両左右方向に延びるセンターブーム(19)と、車体フレーム(50)の前部に支持されると共にセンターブーム(19)を支持し車両左右方向に一対が設けられたブームリフト(15,15)及び当該一対のブームリフト(15,15)を動作させセンターブーム(19)を昇降させるアクチュエータ(16)を有するセンターブーム昇降装置と、センターブーム(19)に設けられ液剤を散布する液剤散布装置(22,23)と、粒剤を散布する粒剤散布装置(7)と、を備えたブームスプレーヤ(100)であって、粒剤散布装置(7)は、運転席(4)の前方に配置されると共に一対のブームリフト(15,15)間に配置され、車体フレーム(50)の前部に固定されていることを特徴としている。
【0008】
このようなブームスプレーヤ(100)によれば、粒剤を散布する粒剤散布装置(7)は、車体フレーム(50)の前部に固定され、ブームリフト(15,15)側に固定されていないため、ブームリフト(15,15)を介してセンターブーム(19)を昇降させるアクチュエータ(16)の耐荷重を、従来技術に比して下げることができ、低コスト化を図ることができる。また、このように粒剤散布装置(7)は車体フレーム(50)の前部に固定されており、運転席(4)の前方に配置されると共に一対のブームリフト(15,15)間に配置されているため、粒剤散布装置7による粒剤と液剤散布装置による液剤の散布状態の視認性が良好であると共に、空きスペースを有効利用できる。
【0009】
ここで、液剤散布装置(22,23)は、センターブーム(19)の長手方向に沿って、液剤を散布する液剤ノズル(23)を複数備え、粒剤散布装置(7)は、粒剤を散布する噴口(9)を備え、液剤ノズル(23)の散布方向を下向きとし、噴口(9)の散布方向を前向きとするのが好ましい。液剤を例えば農薬とし、粒剤を例えば肥料として、農薬と肥料を同時散布すると、肥料が農薬に溶け込み、農薬の無効化や薬害の発生の虞があるが、上述のように、運転席(4)の前方且つ下方のセンターブーム(19)に沿って設けられた液剤ノズル(23)の散布方向を下向きとし、運転席(4)の前方に設けられた粒剤散布装置(7)の噴口(9)の散布方向を前向きとしているため、農薬の散布箇所より前方へ肥料を散布できる。このため、肥料の農薬への溶け込みを防ぐことができ、農薬の無効化や薬害の発生を防止できる。
【0010】
また、粒剤散布装置(7)は、粒剤を搬送する送風機(51)を備えていると、粒剤は、送風機(51)によって、より前方へ搬送されて散布されるため、肥料の農薬への溶け込みを一層防ぐことができ、農薬の無効化や薬害の発生を一層防止できる。
【発明の効果】
【0011】
このように本発明によれば、液剤散布装置及び粒剤散布装置を備えたブームスプレーヤにおいて、センターブームを昇降させるためのアクチュエータの耐荷重を下げ、低コスト化を図ることができると共に、粒剤散布装置による粒剤と液剤散布装置による液剤の散布状態の視認性が良好であり、且つ、空きスペースを有効利用できる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】本発明の実施形態に係るブームスプレーヤを前方斜め上方から見た斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明に係るブームスプレーヤの好適な実施形態について、添付図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明の実施形態に係るブームスプレーヤを前方斜め上方から見た斜視図、
図2は、ブームスプレーヤの側面図、
図3は、粒剤散布装置を示す斜視図である。本実施形態のブームスプレーヤは、例えば圃場において走行しながら例えば作物に粒剤を散布すると共に、液剤を散布するものである。ここでは、粒剤を肥料とし、液剤を農薬として説明する。なお、以下の説明において、「前」、「後」、「左」、「右」は、ブームスプレーヤを基準とした方向とする。
【0014】
図1及び
図2に示すように、ブームスプレーヤ100は自走式であり、走行可能で肥料を散布する車両1と、車両1から農薬を散布するためのブーム装置2と、を備えている。
【0015】
車両1は、前後方向に長い略矩形状の車体フレーム50を備えている。車体フレーム50の前部上には、作業者が着座する空間を形成しハンドル3による運転操作や、肥料散布操作、農薬散布操作、レバー操作等を行うための運転席4が設けられている。運転席4は屋根5により上方から覆われている。屋根5は、車体フレーム50の車両左右方向両側で運転席4の側方からそれぞれ立設された屋根柱6により支持されている。運転席4の前方には、肥料を散布する粒剤散布装置7が設けられている(詳しくは後述)。
【0016】
車体フレーム50の後部上には、エンジンを収容するエンジンルーム10が設けられている。車体フレーム50上で運転席4とエンジンルーム10との間には、ブーム装置2から散布される農薬を収容する液剤タンク11が搭載されている。液剤タンク11の上部には、車両左右方向に延びるブーム受け12が固定されている。車体フレーム50の車両左右方向両側下方で前後には、一対の前輪13及び一対の後輪14がそれぞれ設けられている。前輪13、後輪14は、エンジンの駆動により回転する。本実施形態では4輪駆動のため、前輪13及び後輪14が回転するが、前輪駆動、後輪駆動であっても良い。なお、符号52は、車体フレーム50に固定された荷台であり、符号57は、車体フレーム50上に対して上り下りするためのステップである。
【0017】
車体フレーム50において運転席4より前方には、車両左右方向に対をなすブームリフトとしての4節リンク機構15が前方に延びるようにそれぞれ配設されている。上記ブーム装置2は、4節リンク機構15を介して車体フレーム50に支持されている。4節リンク機構15は、上下方向に延びる後側リンク53が車体フレーム50側に固定され、車両前後方向に延びる下側リンク54,54同士間にステー55が掛け渡されている。アクチュエータとしての電動油圧シリンダ16は、その固定子の後端がステー55に枢着されると共に、移動子の先端が後述の水平制御フレーム18(
図1参照)に枢着されており、電動油圧シリンダ16の伸縮動作により4節リンク機構15が作動することによって、上下方向に延びる前側リンク17が昇降(上下動)し、水平方向に延びる後述のセンターブーム19(
図1参照)が昇降する。よって、4節リンク機構15,15及び電動油圧シリンダ16によりセンターブーム昇降装置が構成されている。
【0018】
ブーム装置2は、
図1に示すように、車両左右方向及び水平方向に延び上記前側リンク17に固定された水平制御フレーム18と、水平制御フレーム18の下方に平行に配設され水平制御フレーム18より車両左右方向に長いセンターブーム19と、水平制御フレーム18とセンターブーム19とを連結する左右一対のリンクロッド20と、センターブーム19の両端に一軸としての軸部40を支点として回動可能に連結された一対のサイドブーム21と、を備えている。一対のリンクロッド20は、車両前後方向視においてハの字を呈し、その上端部が、水平制御フレーム18の前側及び後側に回動可能に連結され、その下端部が、センターブーム19の前側及び後側に回動可能に連結されている。
【0019】
すなわち、水平制御フレーム18を上辺とし、センターブーム19を下辺とし、一対のリンクロッド20を斜辺とした4節リンク機構の一種である台形リンクが構成されている。このように水平制御フレーム18にリンクロッド20を介して支持されたセンターブーム19は、車両左右方向に振り子状に揺動可能とされ、重力による水平制御により水平となる。ここで、水平とは、地球の重力の方向と直角に交わる方向のことである。
【0020】
図1及び
図2に示すように、センターブーム19及びサイドブーム21には、それぞれノズルパイプ22が取り付けられており、各ノズルパイプ22には、農薬散布用の液剤ノズル23が長手方向に沿って複数設けられている。これらのノズルパイプ22及び液剤ノズル23により液剤散布装置が構成されている。サイドブーム21は、農薬散布を行うときには、軸部40を支点として
図1及び
図2に示す閉位置の状態からセンターブーム19に対して一直線状となる開位置に広げられる。
【0021】
センターブーム19の液剤ノズル23は、その散布方向が下向きとなるように配置され、サイドブーム21の液剤ノズル23は、当該サイドブーム21が開位置に位置したときに、その散布方向が下向きとなるように配置されている。また、エンジンの近傍には、液剤タンク11の農薬を、センターブーム19及びサイドブーム21のノズルパイプ22へ送るための液剤圧送ポンプが配設されている。
【0022】
そして、サイドブーム21は、農薬散布を行わないときには、軸部40を支点として
図1及び
図2に示すように閉位置に折り畳まれ、車両1の側方位置において斜め後ろ上がりの状態で格納される。サイドブーム21は、格納された状態では、ブーム受け12の両端に納められている。このサイドブーム21の開閉は、運転席4の前横に配置された操作部48の開閉レバーを操作することにより行われる。
【0023】
肥料を散布する粒剤散布装置7は、
図1~
図3に示すように、肥料を収容する粒剤タンク8を上部に備えると共に、粒剤タンク8内の肥料を送り出すための送風機51を下部に備え、
図3に示すように、送風機51の送風により粒剤タンク8内から下方に送り出された肥料を、曲り管60により送り方向を上方に変え、さらに連結管61を介して、前方斜め上方を向く噴管62に送り、噴管62の先端の噴口9から前方斜め上方へ散布するように構成されている。連結管61の上部と下部とは、上部と下部とを連結する連結部64において気密に軸線回りに回転自在に連結されている。
【0024】
この粒剤散布装置7は、噴口9を車両左右方向に移動させるための噴口移動装置65を備えている。この噴口移動装置65は、粒剤タンク8の下部の前方近傍に配置され、車両左右方向に延び粒剤タンク8に固定された略矩形状の支持部66と、支持部66の左端部に固定されたボックス67と、ボックス67内に収容された電動モータ68と、上下方向に延びてボックス67外に突出し、電動モータ68の回転駆動力が伝達される軸部69と、軸部69に固定されたプレート70と、一端71がプレート70の軸部69より後側に枢着されたロッド72と、折曲部を有して前方へ延び、後端部が、支持部66の軸線方向中央の上面から突出するピン73に枢着されると共に、ピン73より前側の位置にロッド72の他端74が枢着された折曲プレート75と、を備え、折曲プレート75の前端部が噴管62の上部に例えばボルト等により固定されている。
【0025】
このような構成を有する粒剤散布装置7は、
図1及び
図2に示すように、運転席4の前方に配置されると共に一対の4節リンク機構15,15間に配置され、送風機51の背面が車体フレーム50の前部に固定されている。
【0026】
このように構成されたブームスプレーヤ100が、例えば圃場等を走行・作業する場合には、サイドブーム21を開にした状態で、エンジンの駆動により走行しながら液剤圧送ポンプが駆動され、液剤タンク11の農薬は、センターブーム19及びサイドブーム21のノズルパイプ22を介して液剤ノズル23から下向きに散布される(
図2参照)。
【0027】
同時に、粒剤散布装置7の送風機51が駆動され、粒剤タンク8内の肥料は、噴口9から矢印で示すように前向き(前方)に散布される。
【0028】
ここで、粒剤散布装置7の散布方向を車両左右方向に移動させたい場合には、
図3を参照して説明すれば、電動モータ68を駆動し、軸部69を介して、プレート70を回動させる。ここでは、プレート70を軸部69を支点として運転手から見て時計回りに回動させることにする。すると、ロッド72が左側に引っ張られる。ここで、連結管61の上部と下部とは、連結部64において回転自在に連結されているため、折曲プレート75は、ピン73を支点として反時計回りに回動する。従って、噴口9は左側へ移動し、肥料を左前方へ散布できる。また、電動モータ68により軸部69を逆方向に回動すると、噴口9は右側へ移動し、肥料を右前方へ散布できる。
【0029】
このような構成を有するブームスプレーヤ100によれば、肥料を散布する粒剤散布装置7は、車体フレーム50の前部に固定され、4節リンク機構15,15側に固定されていないため、4節リンク機構15,15を介してセンターブーム19を昇降させる電動油圧シリンダ16の耐荷重を、従来技術に比して下げることができ、低コスト化を図ることができる。また、このように粒剤散布装置7は車体フレーム50の前部に固定されており、運転席4の前方に配置されると共に一対の4節リンク機構15,15間に配置されているため、粒剤散布装置7による肥料と液剤散布装置による農薬の散布状態の視認性が良好であると共に、空きスペースを有効利用できる。
【0030】
また、液剤散布装置は、センターブーム19の長手方向に沿って、農薬を散布する液剤ノズル23を複数備え、粒剤散布装置7は、肥料を散布する噴口9を備え、液剤ノズル23の散布方向を下向きとし、噴口9の散布方向を前向きとしているため、農薬の散布箇所より前方へ肥料を散布できる。このため、肥料の農薬への溶け込みを防ぐことができ、農薬の無効化や薬害の発生を防止できる。
【0031】
また、粒剤散布装置7は、肥料を搬送する送風機51を備えているため、肥料は、送風機51によって、より前方へ搬送されて散布され、肥料の農薬への溶け込みを一層防ぐことができ、農薬の無効化や薬害の発生を一層防止できる。
【0032】
以上、本発明をその実施形態に基づき具体的に説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、例えば、上記実施形態においては、特に好適であるとして、液剤を農薬、粒剤を肥料としているが、農薬を他の液剤、肥料を他の粒剤としても良い。
【0033】
また、上記実施形態においては、電動油圧シリンダ16により、4節リンク機構15を介してセンターブーム19を昇降させているが、モータ等の他のアクチュエータによりセンターブーム19を昇降させても良い。また、4節リンク機構15以外の他のブームリフトを用いても良い。
【0034】
また、上記実施形態においては、サイドブーム21がセンターブーム19の両端部に連結されているが、センターブーム19の一方の端部のみに連結されているブームスプレーヤにも適用でき、さらには、センターブームのみのブームスプレーヤに対しても適用できる。
【符号の説明】
【0035】
1…車両、4…運転席、7…粒剤散布装置、9…噴口、15…4節リンク機構(ブームリフト;センターブーム昇降装置)、16…電動油圧シリンダ(アクチュエータ;センターブーム昇降装置)、19…センターブーム、22…ノズルパイプ(液剤散布装置)、23…液剤ノズル(液剤散布装置)、50…車体フレーム、51…送風機、100…ブームスプレーヤ。