(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-02-09
(45)【発行日】2023-02-17
(54)【発明の名称】LEDキャリアアセンブリを製造する方法
(51)【国際特許分類】
H01L 33/62 20100101AFI20230210BHJP
H01L 21/60 20060101ALI20230210BHJP
H01L 23/00 20060101ALI20230210BHJP
H01L 23/29 20060101ALI20230210BHJP
H01L 23/31 20060101ALI20230210BHJP
【FI】
H01L33/62
H01L21/60 311Q
H01L23/00 C
H01L23/30 D
H01L23/30 F
(21)【出願番号】P 2019530133
(86)(22)【出願日】2017-11-30
(86)【国際出願番号】 EP2017080925
(87)【国際公開番号】W WO2018104138
(87)【国際公開日】2018-06-14
【審査請求日】2020-11-25
(32)【優先日】2016-12-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】517152128
【氏名又は名称】ルミレッズ ホールディング ベーフェー
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100091214
【氏名又は名称】大貫 進介
(72)【発明者】
【氏名】イスラエル,ケイシー
(72)【発明者】
【氏名】モネスティエ,フロラン
(72)【発明者】
【氏名】スピンガー,ベンノ
【審査官】淺見 一喜
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-090052(JP,A)
【文献】特開2005-174979(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2006/0197213(US,A1)
【文献】特開2015-153931(JP,A)
【文献】特開2003-142731(JP,A)
【文献】韓国公開特許第10-2016-0053481(KR,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 33/00-33/64
H01L 21/60
H01L 23/00
H01L 23/29
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
LEDキャリアアセンブリを製造する方法であって、
マウント面を有するキャリアに、多数のLEDダイを受け容れるように配置されたマウントパッドを備えるステップと、
アライメント磁石を備えるステップと、
多数のLEDダイを提供するステップであり、LEDダイは、多数の磁気
LEDダイパッドを有する、ステップと、
前記アライメント磁石の磁気範囲内で前記キャリアのマウント面の上に前記LEDダイを配置することによって、前記磁気
LEDダイパッドを前記マウントパッドに対して整列させるステップと、
前記キャリアに、前記アライメント磁石を埋め込むステップと、
を含み、
前記アライメント磁石は、永久磁石であり、
前記アライメント磁石は、前記キャリアの前記マウント面の上には延在せず、かつ、
前記磁気
LEDダイパッドと前記マウントパッドとの間の電気的接続および熱的接続は、半田なしで、磁力によって
接触させることにより確立されて
おり、
前記方法は、さらに、
外部アライメント磁石を使用して、前記磁力を一時的に増幅するステップ、
を含む、
方法。
【請求項2】
前記アライメント磁石は、前記キャリアの前記マウント面の下方に最大で2.0mmの深さまで埋め込まれている、
請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記アライメント磁石の上面は、前記キャリアの前記マウント面と本質的に同一平面である、
請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記方法は、
前記整列させるステップの以前に、前記マウントパッドに導電性グリースを適用するステップ、及び/又は、
前記磁気LEDダイパッドに保護コーティングを適用するステップ、を含む、
請求項1乃至3いずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記キャリアの前記マウント面を液体の中に沈めるステップと、
前記整列させるステップに備えて、前記液体の上に前記LEDダイを浮かせるステップと、
含む、請求項1乃至4いずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記キャリアに関して前記整列されたLEDの位置を固定するために、前記整列されたLEDダイの上にカバー層を適用するステップ、を含む、
請求項1乃至5いずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記カバー層は、硬化の際に収縮を受ける材料を含む、
請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記アライメント磁石の厚さは、少なくとも0.1mmであり、かつ/あるいは、
前記アライメント磁石の側面長さは、最大で2.0mmである、
請求項
1に記載の
方法。
【請求項9】
前記LEDキャリアアセンブリは、
前記キャリアの前記マウントパッドに関して整列された複数のLEDダイと、
対応する複数の
前記アライメント磁石と、を含む、
請求項
1に記載の
方法。
【請求項10】
前記アライメント磁石および
前記磁気LEDダイパッドの寸法、及び/又は、材料特性、及び/又は、相対位置は、前記アライメント磁石と前記磁気LEDダイパッドとの間で、少なくとも0.4m
Nの吸引力を達成するように選択されている、
請求項
1乃至9いずれか一項に記載の
方法。
【請求項11】
前記アライメント磁石および対応する
前記磁気
LEDダイパッドそれぞれは、前記キャリアの前記マウント面に対して平行な磁化方向を有する、
請求項
1乃至10いずれか一項に記載の
方法。
【請求項12】
前記LEDダイは、磁気アノードダイパッド及び/又は磁気カソードダイパッドを備える、
請求項
1乃至11いずれか一項に記載の
方法。
【請求項13】
前記磁気
LEDダイパッドの相対透磁率は、少なくとも5000を含む、
請求項
1乃至12いずれか一項に記載の
方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、LEDキャリアアセンブリを製造する方法に関する。本発明は、さらに、LEDキャリアアセンブリおよびLEDについて記述する。
【背景技術】
【0002】
複数の電子コンポーネントを含む電子デバイスをアセンブリまたは製造するために、表面実装技術(surface-mount technology、SMT)が、プリント回路基板(PCB)上で電子コンポーネントをそれらの指定された位置にマウントする確立された方法として広く使用されている。ピックアンドプレース(pick-and-place)マシンといった、SMTコンポーネント配置システムは、事前にデポジットされた半田パッドの上に電子コンポーネントを正確かつ迅速に配置することができ、次いで、例えば、リフロー半田オーブンの中で所定の位置に半田付けされる。PCBといった、キャリアの上へマウントするための発光ダイオードダイ(LED die)は、ダイ自体およびキャリア上のトラックに対して接続するためのダイパッドを含み得る。SMTマウント、ハンドリング、および電気的接続の形成を促進するために、環境保護、等を提供するように、LEDダイは、また、いくつかの適切なパッケージを含んでよい。以降では、用語「LEDダイ」と「LED」は、互換的に使用され得る。用語「LEDパッド」と「ダイパッド」も、また、互換的に使用され得る。
【0003】
SMT LEDの電極接点(electrode contacts)も、また、たいてい、PCB上の所定の位置に半田付けされ得る。LEDダイパッドとPCBパッドとの間の半田接続は、好ましくは低い電気低抗および熱抵抗を有している。しかしながら、LEDダイを所定の位置に半田付けすることは、多くの問題と関連している。第1に、全ての半田は十分に高い温度で溶融し、そして、LEDダイとPCBとの間の半田接合が、従って、LEDダイの許容される接合温度(junction temperature)を制限している。過度に高い接合温度は、半田を軟化し、または、融解さえし、そして、LEDダイはPCBから分離し得る。第2に、凝固した半田(solidified solder)の材料特性は、繰り返される温度サイクルの際にボイド(voids)またはクラックが形成されるようなものであり、それによって、最終製品の温度衝撃(thermal shock、TMSK)の信頼性を低下させている。第2に、半田の量、および、半田付け手段の最中の溶融と凝固プロセスにおける不確実性とランダム性は、半田接合によってマウントされたLEDが、3次元(X、Y、およびZ)のいずれにおいてもミスアライメント(misalignment)に悩まされ、そして、所望の取り付け面から外れて回転または傾き得ることを意味する。Z方向におけるミスアライメントは、たいてい、最も問題である。特には、精密に特定された光出力特性を有する照明アプリケーションの場合である。さらに、LEDおよびPCBついて使用される異なる材料は、LEDの熱膨張係数(CTE)がPCBのCTEと著しく異なることを意味する。このCTEの不一致(mismatch)は、本質的に避けることができず、そして、LEDダイパッドに対して接合された硬い半田は、オペレーションの最中、そして、特には低温における、保管の最中にLEDに物理的にストレスをかける。CTEの不一致は、最終的にLEDの寿命を短縮し、そして、従って、製品の寿命も短縮する。
【0004】
半導体パッケージとPCBの整列(alignment)を支援するために磁場を使用することが提案されてきた。例えば、米国特許第5915749号は、集積回路の上面の上に磁性材料の層を追加すること、および、PCBに磁性材料を埋め込むことを提案している。一旦、PCB上の導電性トレースに対して所望の方向に集積回路が整列されると、集積回路の脚(legs)がPCB上の導電性トレースの端部における結合部位に対して半田付けされる。米国特許出願公開第2008/0265367号は、異なるアプローチを検討しており、そこでは、誘導リングまたはコイルが、半導体パッケージ内に、そして、また、PCB内の対応する位置にも埋め込まれる。2つのソレノイドコイルを使用して、誘導リングに磁場を誘起し、そうして、半導体パッケージは、キャリアと整列され、そして、次いで、所定の位置に半田付けされ得る。しかしながら、そうした方法は、半導体パッケージが比較的大きい場合、例えば、多くの脚またはリード(leads)を有する集積回路であるとき、だけに適している。これらの方法は、LEDパッケージといった、非常に小さいパッケージのアライメントには適していない。代替的なアプローチにおいて、特開2014-90052号は、磁気ダイパッドをLEDパッケージに備えること、および、PCBまたはキャリア上に対応する磁気接点パッドを配置することを考慮する。しかしながら、磁気接点パッドを備えるキャリアを準備することはコストがかかり得るものである。
【0005】
上記で概説した問題を克服するようにキャリアの上にLEDをマウントする方法を提供することが、本発明の目的である。
【発明の概要】
【0006】
本発明の目的は、LEDキャリアアセンブリの製造に係る請求項1の方法により、および、請求項8に係るLEDキャリアアセンブリによって達成される。
【0007】
本発明に従って、LEDキャリアアセンブリを製造する方法は、マウント面を有するキャリアに多数のLEDダイを受け容れるように配置されたマウントパッドを備えるステップと、キャリアのマウント面の下に磁石を埋め込むステップと、多数のLEDダイを提供するステップであり、LEDダイは多数の磁気ダイパッドを有するステップと、磁石の磁気範囲内でキャリアのマウント面の上にLEDダイを配置することによって、LEDダイの磁気ダイパッドをマウントパッドに対して整列させるステップと、を含む。LEDダイパッドとマウントパッドとの間の電気的および熱的接続は、半田無し(solderless)であって、かつ、これらの対向する表面間における物理的なコンタクトによって成されている。
【0008】
本発明のLEDキャリアアセンブリは、多数のLEDダイを受け容れるように配置されたマウントパッドを備えたマウント面を有するキャリアを含む。LEDキャリアアセンブリは、さらに、多数のLEDダイを含み、ここで、LEDダイは、磁気ダイパッドとキャリアのマウント面の下に埋め込まれた磁石との間の磁力によってマウントパッドに対して整列される多数の磁気ダイパッドを有する。キャリアのマウント面の下に磁石を埋め込むステップは、磁石の本体がキャリアのマウント面の上方に延びないことを意味すると理解されるべきである。
【0009】
本発明のコンテクストにおいて、用語「キャリア(”carrier”)」は、電子コンポーネントを受け容れるように準備され得るあらゆる適切な材料を含むものと理解されてよい。一般的に、キャリアは、非導電性基板上に形成された、導電性トラック、パッド、等を有するプリント回路基板であると理解されてよい。以降では、用語「キャリア」および「PCB」は、互換的に使用され得る。キャリアは、FR-4、アルミニウム金属コアボード、セラミック等、といったあらゆる適切な材料で作ることができ、そして、導電性トラックおよびパッドは、当業者に知られているように、エッチングといったあらゆる適切なプロシージャを使用して形成することができる。
【0010】
本発明の方法およびLEDキャリアアセンブリの利点は、半田の代わりに、LEDとキャリアとの間の電気的接続を確立するために磁力が使用されることである。LEDとPCBとの間の接続は、従って、半田無し(solderless)接続であり、そして、序文で述べた欠点を克服する。LED接合の温度は、もはや半田によって制約され、または制限されることはない。繰り返される温度サイクルの後でさえも、LEDダイパッドとPCBパッドとの間にボイド(voids)およびクラックが進展するあらゆるリスクがもはや存在しない。そして、LEDは、LED自体とPCBとの間のCTEの不一致から生じるストレスをもはや受けることはない。
【0011】
本発明の方法から生じるさらなる利点が存在する。例えば、LEDは、もはや半田付けの最中に高温にさらされる必要がない。このことは、より低い熱的仕様を有するより安価なLEDが使用され得ることを意味しており、それによって、LEDの材料費を削減している。本発明の方法は、また、後述するように、キャリアに対するLEDの「セルフアライメント(”self-alignment”)」を可能にすることができ、そうして、LEDは、ピックアンドプレースマシンによって連続的に処理される必要がなく、結果として、特にPCB毎のLED数量が増加するにつれて、好ましく高速かつ低コストなアセンブリプロセスを生じている。別の利点は、LEDダイとPCBパッドとの間にあらゆる半田接合が無いことが、より正確にLEDが配置され得ることを意味しており、そして、本発明の方法により、非常に正確なアライメント-特にZ方向におけるもの-が達成されることになる。本発明の方法においては、LEDが、配置される場所、すなわち、所望のマウント面において正確に留まるので、LED配置の精度が著しく改善される。さらに、半田が無いことは、LEDの向きが、変動する厚さ及び不均一な表面の半田層によってではなく、PCBの平坦度によって決定されることを意味する。本発明の方法の別の利点は、リワーク(rework)が必要とされる場合(例えば、PCB上の機能しないLEDを交換するために)、LEDを、ピンセット、ピックアンドプレースマシン、真空ピンセット、等といった適切なツールを使用して、簡単にPCBから取り出すことができることである。
【0012】
本発明のLEDキャリアアセンブリにおいて使用されるダイは、アノードパッドおよびカソードパッドを伴う発光ダイオードを含み得る。これらの電極パッドのうち少なくとも1つ(好ましくは両方)は、多数の磁性材料層を含んでいる。磁性電極接点(magnetic electrode contact)は、そうでなければ非磁性ダイパッドを形成するために使用されるであろう任意の確立された技術を使用して、比較的に単純な方法で具現化され得る。例えば、磁性金属層は、適切なスパッタリング(sputtering)または電着(electrodeposition)プロセスの適用の下でデポジットされ得る。好ましくは、LEDダイパッドは、ニッケル-鉄合金またはパーマロイといった、軟磁性材料(soft magnetic material)の1つまたはそれ以上をデポジットすることによって形成される。
【0013】
従属請求項および以下の説明は、本発明の有利な実施形態及び特徴を特定的に開示している。実施形態の特徴は、適宜組み合わされてよい。一つの請求項のカテゴリーのコンテクストにおいて説明される特徴は、別の請求項のカテゴリーに対して同様に適用できる。
【0014】
以降では、表面実装製造方法に適した形状および物理的寸法をLEDダイが有していることが仮定されてよい。そうしたLEDダイは、非常に小さいサイズを有することができ、そして、一般的に、コンパクトな長方形または正方形のコンポーネントである。例えば、LEDダイは、1mm未満の辺、および、その幅のほんの少しである高さを有する、正方形のフットプリントを有してよい。LEDダイパッドまたは電極パッドは、それに応じてより小さいものである。2つのダイパッド(アノードおよびカソード)が、LEDダイの下側においてが形成されなければならないからである。ダイパッドは、LEDダイの下側の幅の大部分にわたり延在することができ、そして、適切なギャップによって分離することができる。LEDダイパッドの材料は、経時的に腐食する傾向があり得る。従って、本発明の特に好ましい実施形態において、本方法は、LEDパッドに対して保護コーティング(protective coating)を適用するステップを含んでいる。例えば、LEDダイパッドを形成するために適用されるスパッタリングまたはデポジットプロシージャは、LEDパッドの外表面に対して貴金属の薄い層をスパッタリングまたはデポジットすることによって完結し得る。
【0015】
LEDダイは、非常に小さく、かつ、軽いので、対応する小さな磁力によってキャリアまたはPCB上の所定の位置に保持され得る。本発明の特に好ましい実施形態において、磁石および磁気ダイパッドに係る寸法、及び/又は、材料特性、及び/又は、相対位置は、磁石と磁気LEDダイパッドとの間に、少なくとも0.4ミリニュートン(mN)、より好ましくは少なくとも0.6mN、最も好ましくは少なくとも0.8mNの吸引力を達成するように選択される。例えば、およそ1mgの質量を有するLEDについては、そのLED上に作用するであろう重力よりもおよそ100倍大きい力を達成するために、1mNの吸引力が十分であり得る。好ましくは、LEDダイパッドは、少なくとも5000の非透磁率(relative permeability)μr(自由空間の透磁率μ0に対するパッド材料の透磁率の比)を有する。
【0016】
本発明に従って、アライメント磁石(alignment magnet)は、PCBの本体の中に埋め込まれている。好ましくは、アライメント磁石は、キャリアのマウント面の下方2.0mmの深さまで埋め込まれている。別の言葉で言えば、キャリアのマウント面とアライメント磁石の上面との間の距離は、最大で2.0ミリメートルである。本発明のさらなる好ましい実施態様において、アライメント磁石の上面は、キャリアのマウント面と本質的に同一平面である。
【0017】
そうした埋め込まれた磁石、または、「磁気インレー(”magnetic inlay”)」の1つは、PCBのマウント面の上に配置される各LEDダイのために、PCBに埋め込むことができる。好ましくは、磁気インレーは、後にLEDダイパッドに対して接続されるPCBパッドの位置によって決定される位置において、キャリアの本体に埋め込まれている。磁気インレーは、導電性トラックおよび接点パッドを準備するためのエッチングステップの以前に、または、適宜その逆で、PCBに埋め込むことができる。
【0018】
本発明の好ましい実施形態において、アライメント磁石の厚さは、少なくとも0.1ミリメートル、かつ、最大で2.0ミリメートルを有する。好ましくは、アライメント磁石の横方向寸法(lateral dimension)または側方長さ(side length)は、少なくとも0.1ミリメートルである。好ましくは、アライメント磁石の横方向寸法または側方長さは、最大で2.0ミリメートルである。アライメント磁石の寸法は、好ましくは、所望の強度を有する吸引力を達成するように選択され、そして、また、マウントパッド間の距離にある程度依存してもよい。
【0019】
上述のように、LEDダイパッドとPCBパッドとの間の電気的接続は、もはや半田によって行われず、そして、代わりに、これらの対向する表面間の物理的コンタクトによって行われる。従って、本発明の好ましい実施形態において、これらの表面は、十分な程度の導電率を確保するように準備されている。追加的または代替的に、本発明の方法は、アライメントステップの以前に、マウントパッドに対して、グリースといった、導電性および熱伝導性の材料の薄い層を適用するステップを含み得る。そうした導電層は、LEDダイパッドとその対応するPCBパッドとの間の電気的接続を著しく改善することができ、そして、例えば、単純な分配(dispensing)、スクリーン印刷、または、インクジェットプロセスに適用することができる。そうした層を使用する利点は、LEDダイパッドおよびそれらの対応するPCBパッドの表面が、通常の方法で、すなわち、より高い程度の平滑性(smoothness)を確保するための追加の努力を必要としないで、準備され得ることである。材料は、LEDダイパッドおよびPCBパッドに係るそうでなければ平坦な表面における不完全性から生じるあらゆるボイドを埋める。導電性および熱伝導性の材料層は、また、LEDダイパッドからPCBパッドへの熱伝達を促進することによって、アセンブリの全体的な熱性能を改善することもできる。
【0020】
PCBは、典型的には、0.7mm-3.0mmの厚さを有することができ、そして、任意の埋め込まれた磁気インレーは、好ましくは、中間誘電体層(intermediate dielectric layers)およびPCBパッドといった、他のエレメントのためのスペースを許容しながら、そうしたPCBの内部にフィットするように寸法決めすることができる。本発明の特に好ましい実施形態において、磁気インレーは、「硬い(”hard”)」材料から作ることができる永久磁石である。例えば、ネオジム(Nd2Fe14B)、サマリウム-コバルト(SmCo5、Sm(Co、Fe、Cu、Zr)7)といった希土類合金から、または、アルニコ合金からである。好ましくは、アライメント磁石は、少なくとも750kAm-1の磁化を有する。磁石の材料特性および寸法は、好ましくは、150℃の領域の温度においてさえも、磁石の連続的な信頼性ある挙動-すなわち、吸引の磁力において著しい減少が無いこと-ができるように選択される。
【0021】
本発明の特に好ましい実施形態において、磁気LEDダイパッドおよびアライメント磁石は、PCBマウント面に対して平行に作用する磁化方向の特定的なコンフィグレーションを達成するように具現化することができる。磁化方向は、磁石の「南極(”south pole”)」から磁石の「北極(”north pole”)」までを指す矢印として可視化されてよい。そうした一つの実施形態において、アライメント磁石の磁化方向は、PCBアノードパッドをPCBカソードパッドに対して接続している仮想直線(imaginary straight line)に対して平行であり、そして、各LEDダイパッドの磁化方向は、アライメント磁石の磁化方向に対してアンチパラレル(antiparallel)である。このようにして磁石を準備することによって、アライメント磁石に近づくLEDダイは、そのダイパッドの磁化方向をアライメント磁石の磁化方向に対してアンチパラレルに整列させるように、自動的に回転する。この特性は、そうしたLEDダイがPCB上の液体の薄い層の上で浮くように分散され、かつ、ゆり動かされる(agitated)、本発明の方法の「セルフアライメント」の実施形態において有効に使用される。LEDダイは、アライメント磁石に対する「正しい(”correct”)」位置を自動的に仮定し、そして、PCBマウント面に対して直角に作用する磁気吸引力のため、その位置で留まる。液体層は、蒸発する溶媒を含んでよい。代替的に、PCBは、バス(bath)の中に置かれ、そして、アライメントプロセスの最中に、ゆっくりと持ち上げられてよく、過剰な液体が表面から排出されるのを可能にする。そうしたセルフアライメント方法は、特に基板毎のLEDの数量が増加するにつれて、ピックアンドプレースプロセスよりも迅速であり得る。
【0022】
PCBに対する半田無し接続にもかかわらず、LEDダイが所定の位置に留まることを確実にするために、本発明の方法は、好ましくは、キャリア上で整列されたLEDダイの位置を固定するために、整列されたLEDダイおよびキャリアの上、または、それらがキャリアに接触するLEDのエッジ、のいずれかに、接着剤コーティングを適用するステップを含む。そうしたコーティングは、接着剤の層、ラミネート層、または、あらゆる他の適切な層を含むことができる。本発明の好ましい実施態様において、コーティングは、硬化(curing)の際に収縮を経験する材料を含んでいる。このことは、LEDダイパッドとマウントパッドとの間の物理的、そして、従って、電気的および熱的な接続を維持または改善するために、PCBマウント面に向かってLEDダイを引っ張るように作用する力を結果として生じる。
【0023】
本発明の別の実施形態においては、1つまたはそれ以上の外部アライメント磁石の配置が、装置のアセンブリの最中に使用され得る。この実施形態では、1つまたはそれ以上の外部アライメント磁石が、コンポーネント配置システムによって使用され、そして、その埋め込まれたアライメント磁石と共にPCBの下方に位置するように配置されている。アライメントステップの最中に、外部アライメント磁石は、埋め込まれたアライメント磁石の磁化を増加させ、かつ、LEDダイパッドとその対応するPCBマウントパッドとの間の吸引力を増加させる強力な磁場を生成し、それによって、LEDダイパッドとその対応するPCBマウントパッドの正しいアライメントを支援している。
【0024】
例えば、さらなるアライメント磁石は、全ての埋め込まれたアライメント磁石を磁化する単一の大きな電磁石であり得る。LEDダイは、例えば、上述のようなピックアンドプレースツールを使用して、PCBパッドの上に置かれ、そして、所定の位置に落とすことができる。吸引の磁力は、一旦ピックアンドプレースツールによって落とされたら、PCB上の所定の位置にLEDが保持されることを確保している。
【0025】
1つまたはそれ以上の外部アライメント磁石を使用することによって、ダイパッドおよび埋め込まれたアライメント磁石は、「軟(”soft”)」磁性材料から作ることができる。例えば、ダイパッド、及び/又は、埋め込まれたアライメント磁石は、ニッケル-鉄合金またはパーマロイといった、材料で作ることができる。そうした材料は、上述の「硬(”hard”)」磁性材料よりも、著しく供給する(source)のが容易であり、かつ、より経済的である。好ましくは、ダイをそれぞれのマウントパッドに対して整列させるステップの後で、ダイをPCB上の所定の位置に保持するために、上述のようなコーティングを適用するステップが続く。
【0026】
アライメントステップを補助するために外部アライメント磁石を使用する技術は、非常に薄い埋め込まれたアライメント磁石を有する非常に薄いPCBの使用を可能にする。例えば、PCBは、ミリメートルのほんの少しの厚さを有する薄いフレキシブルなフォイルとして形成され得る。この場合に、埋め込まれたアライメント磁石は、PCBフォイルの厚さに匹敵する厚さを有し得る。
【0027】
本発明の他の目的および特徴は、添付の図面と併せて考察される以降の詳細な説明から明らかになるだろう。しかしながら、図面は、例示の目的のためだけにデザインされたものであり、そして、本発明の限界を定義するものとしてデザインされていないことが理解されるべきである。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【
図1】
図1は、本発明のLEDアセンブリの一つの実施形態の断面図を示している。
【
図2】
図2は、本発明のLEDダイ一つの実施形態の下方からの平面図を示している。
【
図3】
図3は、本発明のLEDアセンブリのさらなる実施形態の断面図を示している。
【
図4】
図4は、本発明のLEDダイの一つの実施形態とアライメント磁石との間のセルフアライメントの原理を示している。
【
図5】
図5は、本発明の方法の一つの実施形態におけるセルフアライメント段階を示している。
【
図6】
図6は、本発明のLEDアセンブリのさらなる実施形態の断面図を示している。
【
図7】
図7は、第1製造段階における本発明のLEDアセンブリのさらなる実施形態の断面図を示している。
【
図9】
図9は、後の製造段階における
図7の実施形態の断面図を示している。
【0029】
図面において、同様な数字は、全体を通して同様なオブジェクトを参照するものである。図中のオブジェクトは、必ずしも縮尺どおりに描かれているものではない。
【発明を実施するための形態】
【0030】
図1は、本発明のLEDアセンブリの一つの実施形態の断面図であり、そして、PCB 10の上の所定の位置にLEDダイ11を示している。アライメント磁石M
alignは、PCB 10に埋め込まれており、そのLEDダイ11のPCB接点101、102のスパンの距離にわたって延在するように示されている。アライメント磁石M
alignは、最大2.0mmの深さまで埋め込むことができ、すなわち、その上面は、PCB 10のマウント面100の下方2.0mmまでである。LEDダイ11は、磁気ダイパッドM
pad_1、M
pad_2を有している。アライメント磁石M
alignと磁気ダイパッドM
pad_1、M
pad_2との間の磁気吸引力Fの力は、LEDダイ11をPCB 10上の所定の位置に保持するのに十分である。LEDダイ11とPCB 10との間の電気的接続は、従って、全く半田無し(solderless)である。
図2は、LEDダイ11の一つの実施形態の下方からの平面図を示しており、それらの間に適切なギャップを有するダイパッドM
pad_1、M
pad_2を示している。ダイパッドの一方がLEDのアノードであり、そして、他方のダイパッドがカソードであるからである。ここで、ダイ11は、幅W
11を有する本質的に正方形の形状を有している。幅は、自動車(フロント、リヤ、他のシグナル、または、インテリア)、一般照明、ディスプレイ(直接発光またはバックライト)、アウトドア(街路照明)、または、カメラフラッシュのアプリケーションについて、1.0mmのオーダーであり得る。アライメント磁石の寸法、厚さh
m10、幅w
m10、および、深さd
m10(ここではLEDの深さと同じように示されている)といったもの、磁気ダイパッドM
pad_1、M
pad_2の寸法、厚さh
m11、深さd
m11、および、幅w
m11といったもの、そして、アライメント磁石M
alignおよび磁気ダイパッドM
pad_1、M
pad_2の材料特性は、意図された製品アプリケーションにおいてLEDダイ11を所定の位置に確実に保持する、適切に強力なFを達成するように選択される。
【0031】
図3は、本発明のLEDアセンブリのさらなる実施形態の断面図を示している。ここでは、LEDダイパッドM
pad_1、M
pad_2とPCB接点パッド101、102との間に好ましい電気的(および熱的)接続が形成されるように、導電性グリース(electrically conductive grease)の層14がPCB接点パッド101、102に適用されている。この例示的な実施形態は、また、貴金属(noble metal)といった、材料の保護層15も示している。各LEDダイパッドM
pad_1、M
pad_2の外面に対して適用され、これらを腐食に対して保護するものである。図は、また、例えば、PCB接点を別のコンポーネントまたは電力パッドに対して電気的に接続するための導電性トラック(conductive track)103(たいていはエッチングされた銅トラック)も示している。
【0032】
図1および
図3の実施形態において、アライメント磁石M
alignは、キャリア10に埋め込まれている。LEDダイ11は、ピックアンドプレースマシンといった、従来の装置を使用してPCB 10の上に配置され得る。代替的に、磁石のセルフアライメント特性が、本発明の方法における代替的なアライメントステップの最中に使用されてよい。
図4は、一つの実施形態を示しており、そこでは、アライメント磁石M
alignおよびLEDダイパッドM
pad_1、M
pad_2それぞれが、PCB 10の表面に対して平行な磁化方向D
10、D
11を示すように用意されている。具体的に、アライメント磁石M
alignは、その磁化方向D
10が、LED 11のための接点パッド101、102間の方向に対応するように、用意され、そして、埋め込まれている。代替的に、アライメント磁石M
alignおよびダイパッドM
pad_1、M
pad_2は、磁化方向がダイパッド間におけるギャップに対して平行になるように、用意され得る。-この実施形態は、所望のアンチパラレル(anti-parallel)コンフィグレーションを達成するように、
図4のアライメント磁石の磁化方向D
10を時計回り方向に90°回転することによって、そして、または、ダイパッドの磁化方向D
11を90°回転することによっても、可視化され得る。
【0033】
図5は、本発明の方法の代替的な実施形態におけるセルフアライメント段階を示している。上述のように、磁化方向D
10を有するアライメント磁石M
alignは、PCB 10に埋め込まれている。この実施形態においては、しかしながら、1つまたはそれ以上の外部アライメント磁石M
extが、製造装置2の一部として、PCB 10の下に位置するように配置されている。PCBは、自由(loose)なLEDダイ11が、PCB 10の上部の液体層Lの表面上に浮かぶことができるように、バス(bath)の中に置かれている。各LEDダイ11のダイパッドM
pad_1、M
pad_2は、上述のように、磁化方向D
11を有するように準備されている。アライメント磁石M
alignの磁場は、近傍におけるLEDダイ11に、それ自身をアライメント磁石M
alignの真上で中心に置かせ、そして、液体Lの表面上で回転させ、そうして、ダイパッドM
pad_1、M
pad_2の磁化方向D
11は、アライメント磁石M
alignの磁化方向D
10に対してアンチパラレルに整列する。この例示的な実施形態において、埋め込まれたアライメント磁石M
align及び/又はダイパッドM
pad_1、M
pad_2は、「軟質(”soft”)」磁性材料で作ることができる。外部アライメント磁石M
extは、磁気的に「軟質」な埋め込まれたアライメント磁石M
alignとダイパッドM
pad_1、M
pad_2との間の磁気吸引力を、それらを磁化することによって一時的に増加または増幅する働きをする。図において、左側のLEDダイ11は、すでに、その下にあるアライメント磁石M
alignとそれ自身が整列されている。右側のLEDダイ11は、その下にあるアライメント磁石M
alignとそれ自身が整列するように、回転する。液体Lは、LEDダイ11が一旦それぞれの接点パッドの上に位置決めされると、蒸発するか、または排出され得る。LED11が液体Lの上を自由に移動するので、このアライメントプロセスは非常に短い時間内で完了され得る。一旦、その配置されたダイを有するPCBが外部アライメント磁石M
extの影響から取り外されると、埋め込まれたアライメント磁石M
alignとダイパッドM
pad_1、M
pad_2との間の残留磁場(residual magnetic field)は、比較的に弱くあり得る。従って、ダイをその接点パッド101、102上の所定の位置に保持するのを支援するために、接着剤コーティングまたは収縮コーティングが適用され得る。
【0034】
図6は、本発明のLEDアセンブリのさらなる実施形態の断面図を示している。ここで、キャリア10は、対応するように薄い埋め込まれたアライメント磁石M
alignを伴う非常に薄いPCBフォイル(foil)10である。LEDダイ11は、例えば、
図5において説明された方法で、または、ピックアンドプレースマシンを使用して整列されており、LEDダイ11を(それらの磁気ダイパッドM
pad_1、M
pad_2を用いて)、アセンブリの最中にPCBフォイル10の下に配置されているアライメント磁石M
alignおよび外部アライメント磁石M
ext(図示なし)の上に位置決めする。いずれにしても、LEDダイ11の上にコーティングまたはカバー16が適用され、PCB 10に対してこれらを固定する。カバー16は、LEDダイパッドM
pad_1、M
pad_2とPCB接点パッド101、102との間に半田がない場合でさえも、LED11がPCB 10上の所定の位置に確実に保持されるように、硬化の最中に収縮し、または、締め付ける収縮コーティングであり得る。カバー16は、半透明であってよく、そして、LEDダイ11の外面をカバーしてもよい。もしくは、LEDダイ11の外縁(並びに、PCB 10の外表面)に沿ってだけ存在するように適用されてよい。
【0035】
図7-
図9は、さらなる可能な実施形態を示している。
図7において、PCB 10は、LED 11を収容するように成形されたカットアウト(cut-out)110または凹部(recess)110を有するように示されている。アライメント磁石M
alignは、PCB 10に埋め込まれているが、
図8の左側に与えられた平面図において示されるように、カットアウト110から斜めにオフセットしている。図は、そのLEDダイ11のためのPCB接点を示していないが、これらはカットアウト110のベースに存在するものと仮定することができ、そして、また、通常の方法でエッチングされた銅トラックに電気的に接続されているものと仮定することができる。LED 11がPCB 10の上に置かれるか、または、磁気的セルフアライメントを介してカットアウト110の中へたどり着く場合には、
図8の右側に示されるように、磁気吸引力Fが、LED 11を凹部110のコーナーの方に向かって引っ張っている。この実施形態は、X方向およびY方向における好ましい正確なアライメントを保証することができる。磁気インレー(magnetic inlay)M
alignがカットアウト110のコーナーの方向においてオフセットしているので、磁場は、LED 11をカットアウト110のコーナーへ移動させ、そして、そのコーナーにおいて2つの側壁が、LED 11のX及びY位置を正確に画定する。この実施形態のさらなる展開において、カットアウト110は、LED 11からPCB 10への熱的コンタクトを改善するために、熱伝導性の液体接着剤14を用いて部分的に満たされてよい。導電性液体接着剤の使用が望ましい場合には、「仕切壁(”partition wall”)」109がカットアウト110の中に置かれるか、または、PCB 10の一部として製造され、LED 11からPCB 10への電気的および熱的コンタクトを改善する導電性および熱伝導性の液体接着剤14の2つのウェル(well)を電気的に分離することができる。
【0036】
本発明は、好ましい実施形態およびその変形の形態において開示されてきたが、本発明の範囲から逸脱することなく、多数の追加的な変更および変形がそれに対して成し得ることが理解されよう。明確にするために、この出願全体を通じて「一つの(”a”又は”an”)」の使用は、複数を排除するものではなく、そして、「有する(”comprising”)」は、他のステップまたはエレメントを排除するものではないことが理解されるべきである。「ユニット(”unit”)」又は「モジュール(”module”)」の言及は、1つ以上のユニット又はモジュールの使用を排除するものではない。
【符号の説明】
【0037】
1 LEDキャリアアセンブリ
2 製造装置
10 キャリア
11 LEDダイ
14 導電性グリース
15 防護コーティング
16 カバー層
100 マウント面
100M マグネット上面
101、102 マウントパッド
103 導電性トラック
109 パーティション
110 凹部
Mpad_1、Mpad_2 磁気ダイパッド
hm11 高さ
wm11 幅
dm11 深さ
Malign アライメント磁石
Mext 外部磁石
wm10 幅
hm10 高さ
dm10 深さ
L 液体
F 磁力
D 磁化方向