(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-02-09
(45)【発行日】2023-02-17
(54)【発明の名称】エアロゾル生成装置用のタバコ含有消耗品
(51)【国際特許分類】
A24D 3/02 20060101AFI20230210BHJP
A24D 1/20 20200101ALI20230210BHJP
A24F 40/20 20200101ALI20230210BHJP
【FI】
A24D3/02
A24D1/20
A24F40/20
(21)【出願番号】P 2020515297
(86)(22)【出願日】2018-05-24
(86)【国際出願番号】 GB2018051416
(87)【国際公開番号】W WO2018215781
(87)【国際公開日】2018-11-29
【審査請求日】2021-02-24
(32)【優先日】2017-05-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(73)【特許権者】
【識別番号】519420193
【氏名又は名称】イルーシッド8 ホールディングズ リミテッド
【氏名又は名称原語表記】ELUCID8 HOLDINGS LTD.
【住所又は居所原語表記】62 Fenaghy Road,Ballymena,Co.Antrim BT42 1FL(GB)
(74)【代理人】
【識別番号】110003281
【氏名又は名称】弁理士法人大塚国際特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100076428
【氏名又は名称】大塚 康徳
(74)【代理人】
【識別番号】100115071
【氏名又は名称】大塚 康弘
(74)【代理人】
【識別番号】100134175
【氏名又は名称】永川 行光
(74)【代理人】
【識別番号】100188857
【氏名又は名称】木下 智文
(74)【代理人】
【識別番号】100169100
【氏名又は名称】辰川 肇
(72)【発明者】
【氏名】マクラフリン,デイビッド
(72)【発明者】
【氏名】ホップス,ジェイソン
【審査官】杉浦 貴之
(56)【参考文献】
【文献】英国特許出願公開第02534211(GB,A)
【文献】国際公開第2014/016961(WO,A1)
【文献】特表2013-532953(JP,A)
【文献】国際公開第2017/040608(WO,A2)
【文献】国際公開第2015/177265(WO,A1)
【文献】特表2015-536154(JP,A)
【文献】特表2010-508864(JP,A)
【文献】特開昭59-002678(JP,A)
【文献】特表2002-537863(JP,A)
【文献】米国特許第06537186(US,B1)
【文献】特表2015-503337(JP,A)
【文献】米国特許第06053176(US,A)
【文献】特表2015-517817(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A24D 3/02
A24D 1/20
A24F 40/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
吸入可能なエアロゾルを生じるように
エアロゾル生成装置と併せて使用するための不燃性のタバコ物品であって
、前記タバコ物品は、前記エアロゾル生成装置へ前記タバコ物品の縦軸の方向に除去可能に挿入されて使用され、包装材に一緒に保持される少なくとも1つのタバコ由来部分、少なくとも1つの遠位フィルタ部分、及び
使用時に前記エアロゾル生成装置から露出する少なくとも1つの吸い口端フィルタ部分を含み;前記少なくとも1つのタバコ由来部分は、前記少なくとも1つの遠位フィルタ部分と前記少なくとも1つの吸い口端フィルタ部分との間のキャビティに
、タバコ由来材料の複数のシート状の断片を、当該複数のシート状の断片の主軸が前記タバコ物品の前記縦軸に対して平行に延びるように充填することにより形成され、
前記タバコ物品は、完成物品の圧縮率
が前記縦軸において<10%
となるように前記少なくとも1つのタバコ由来部分、前記少なくとも1つの遠位フィルタ部分及び前記少なくとも1つの吸い口端フィルタ部分を前記包装材で包装することにより形成され、前記圧縮率は、軸方向に10ニュートンの固定力を加えた場合の前記タバコ物品の全長に対するたわみ距離の百分率として測定される、タバコ物品。
【請求項2】
使用中、前記
エアロゾル生成装置による加熱によって生じる第1のエアロゾルを修正し、前記吸入可能なエアロゾルを生じるように、前記タバコ由来部分は、フレーバー促進成分、保湿剤、及びpH調整剤からなる群から選択される少なくとも1つをさらに含む、請求項
1に記載のタバコ物品。
【請求項3】
使用中、前記
エアロゾル生成装置により加熱されると、前記吸入可能なエアロゾルに揮発性成分が提供されるように、前記タバコ由来部分は前記揮発性成分を含む、請求項
1又は2に記載のタバコ物品。
【請求項4】
さらに、前記タバコ由来部分内に分散された誘導要素を含み、使用中、電磁エネルギーが前記誘導要素に加えられて熱を生成するようにする、請求項1~
3のいずれか1項に記載のタバコ物品。
【請求項5】
前記タバコ由来部分が、フレーバー促進成分、保湿剤、及びpH調整剤を含む、請求項1~
4のいずれか1項に記載のタバコ物品。
【請求項6】
前記包装材が少なくとも1つの透明領域を含む、請求項1~
5のいずれか1項に記載のタバコ物品。
【請求項7】
前記包装材は、前記タバコ由来部分内の揮発性及びエアロゾル成分の吸収に対する耐性を有し、使用後の前記吸収による総重量増加が元の包装材重量の<10%である、請求項1~
6のいずれか1項に記載のタバコ物品。
【請求項8】
前記包装材は、前記タバコ物品の前記縦軸に対してらせん方向に巻かれている、請求項1~
7のいずれか1項に記載のタバコ物品。
【請求項9】
前記吸い口端フィルタ部分は、当接された少なくとも2つの異なる領域を含む、請求項1~
8のいずれか1項に記載のタバコ物品。
【請求項10】
前記吸い口端フィルタ部分及び遠位端フィルタ部分は、フレーバー促進成分、及び希釈剤からなる群から選択される少なくとも1つを、別々に又は組み合わせて含む、請求項1~
9のいずれか1項に記載のタバコ物品。
【請求項11】
前記吸い口端フィルタ部分及び遠位端フィルタ部分は、フレーバー促進成分を含む、請求項1~
10のいずれか1項に記載のタバコ物品。
【請求項12】
前記吸い口端フィルタ部分及び遠位端フィルタ部分は、希釈剤を含む、請求項1~
11のいずれか1項に記載のタバコ物品。
【請求項13】
前記フィルタ部分の少なくとも一方は、前記縦軸に少なくとも1つの空気流チャンネルを含む、請求項1~
12のいずれか1項に記載のタバコ物品。
【請求項14】
前記フィルタ部分の前記少なくとも一方に含まれる前記少なくとも1つの空気流チャンネルの長さは、当該フィルタ部分の前記軸方向の全長よりも短い、請求項
13に記載のタバコ物品。
【請求項15】
最初に前記フィルタ部分を形成し、前記フィルタ部分を
前記包装材内に配置して、前記フィルタ部分間に前記キャビティを形成するようにするステップ;前記キャビティに
前記タバコ由
来材料
の前記複数のシート状の断片を充填し、且つ前記包装材を閉鎖して、一体ユニットを形成するステップを含む、請求項1~
14のいずれか1項に記載のタバコ物品を製造するプロセス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
従来の可燃性タバコ製品に対する多くの代替品が、近年、発売されている。
【背景技術】
【0002】
電子たばこは、バッテリー電源を使用して、ニコチン含有エアロゾルを生成する液体を加熱して、吸入可能なニコチン含有エアロゾルを形成する。そのような製品は、タバコを含有しない傾向がある。
【0003】
加熱式タバコ製品は、様々なエネルギー源及びタバコ含有消耗品を加熱する手段を使用して、フレーバー及びニコチンを含め、タバコに由来するいくつかの構成成分を含有する吸入可能なエアロゾルを生成する。
【0004】
吸入可能なニコチン含有エアロゾルを生成するために、電子たばこ及び加熱式タバコ製品の双方の技術を組み合わせ得る、様々な「ハイブリッド型」製品もあり、ここでは、フレーバー及びニコチンは、エアロゾルを生成する液体、又はタバコ部分のいずれかから生じ得る。
【0005】
既存の技術の具体例は以下のものを含む:
国際公開第9639880号パンフレット及び国際公開第2013190036号パンフレットには、タバコ由来の材料、一般にひだ付き再成タバコシート(crimped reconstituted tobacco sheet)を含む遠位端、一般に、複数のセグメントを含む吸い口端フィルタ、及び紙製の包装材を備える、たばこのようなシリンダー状消耗物品が説明されている。前記物品は、吸入可能なニコチン含有エアロゾルを生じるために、電気的に加熱されることが意図されている。
【0006】
国際公開第2016207407号パンフレットにはまた、加熱によって消費するためのタバコ消耗品、すなわち、遠位タバコ由来部分、吸い口端フィルタ、及び紙包装材が説明されている。
【0007】
米国特許出願公開第2009151717号明細書には、使用前に穴があけられる箔蓋を備える小さな金属カプセル(「ポッド」)が説明されている。ポッド内では、タバコ由来の材料は、一般に、微粉のタバコ粒子、保湿剤及び香料を含む。
【0008】
国際公開第2016159013号パンフレットには、液体を加熱することによってエアロゾルが生成され、その後、それが別個のタバコ部分を通過する装置が説明されている;タバコ部分は、最終的なエアロゾルにフレーバー及び/又はニコチンを与える。タバコ部分は、遠位端にメッシュ及び吸い口端に小型フィルタがある、成形プラスチックカプセル内に保持され得る。
【0009】
国際公開第2016135342号パンフレットには、国際公開第2016159013号パンフレットで説明されているものと同様の方法で動作するが、タバコ部分及び液体加熱ユニットが1つのユニットとして含まれている製品が説明されている。タバコ部分は、吸い口端にフィルタがある状態で、成形プラスチック構造内に保持されている。
【0010】
これらの製品の消耗ユニットに関し、いくつかの制限があることが認識されている。
【0011】
例えば、たばこロッド作製技術を使用して製造された消耗品では、ユーザは、間違って消耗品に点火して、意図していない及び又は望ましくない燃焼生成物を吸入してしまう可能性がある。また、プラスチックカプセル又は金属カプセルを利用する消耗品は、特注の製造機械を必要とし、環境リサイクル性が限定されており、並びに材料及び製品コストが高い。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明は、連続的な包装材に一緒に保持される、少なくともタバコ由来部分、遠位フィルタ部分、及び吸い口端フィルタ部分を含み、圧縮率因子が10%未満である、エアロゾル生成装置において使用するためのタバコ含有消耗物品を説明する。
【0013】
物品の全圧力降下は、その縦軸に沿って、<120mm水柱とし得る。圧力降下は、好ましくは5~40mm水柱の範囲内、及び一層好ましくは10~30mm水柱の範囲内である。
【0014】
そのような消耗品は、タバコ産業内でよく知られており、且つ例えば米国特許第6537186号明細書に示されている、従来のキャビティフィルタ作製技術を使用して製造され得る。そのような従来技術の配置構成では、フィルタが、遠位フィルタ部分と、一般に固体顆粒状材料、例えば活性炭素を受け入れるためのキャビティと、吸い口端フィルタ部分とを備え、それら全てが紙包装材によって一緒に保持されて、製造される。前記キャビティ内にタバコ由来の材料を用いて、フィルタを通過するときに、煙にフレーバーを与える又は煙へのフレーバーを減衰させる製品も存在している。
【0015】
それゆえ、本発明は、実績のある製造技術を使用して、すぐに利用可能な高速の生産機械を介し、材料及び生産コストが低く、材料及び設計の柔軟性がある、消耗品の生産を可能にし、及び様々なエアロゾル生成システムと互換性があるとし得る。
【0016】
いくつかの例では、物品は、エアロゾルの1つ以上の他の官能特性を修正し得る(例えば、ユーザに対するエアロゾルの感触又は匂い又は見た目を修正する)。
【0017】
いくつかの例では、物品は、PHを下げる又は上げるのいずれか(例えばエアロゾルの酸性又は塩基性を修正する)によって、エアロゾルのPHを修正する物質を含み得る。
【0018】
いくつかの例では、物品は、エアロゾル中のアルデヒドの量を修正し得る(例えば減少させる)。
【0019】
本明細書で説明するように、不燃性タバコ物品は、使用中、全体として又は一部が燃焼されることを意図していないタバコ由来部分を含む物品を意味し、及び前記物品のどの部分も、使用中に火をつけられることを意図していない。さらに、前記物品の構造は、遠位端及び吸い口端の双方に酢酸セルロースなどのフィルタ材を使用することによって、点火に耐える。
【0020】
用語エアロゾルは、気体、蒸気、液滴、凝縮体、微粒子及びこれらの組み合わせを含むと解釈される。吸入可能なエアロゾルは、レーザ散乱によって測定されるような平均粒径が0.1~10μm、一層好ましくは0.1~1.5μmの範囲のエアロゾルを意味する。
【0021】
本発明の例を、ここで、添付図面を参照して説明する。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図2】縦軸を表示している、本発明による物品の概略的な側面図である。
【
図3】包装材に複数の層を用いている、本発明において使用するための例示的なフィルタ部分及び包装材の側面の斜視図である。
【
図4】異なる包装材の構成を備える、本発明による例示的な物品の概略的な側面図である。
【
図5】異なる包装材の構成を備える、本発明による例示的な物品の概略的な側面図である。
【
図6】異なる包装材の構成を備える、本発明による例示的な物品の概略的な側面図である。
【
図7】本発明の物品と組み合わせて用いられる装置の概略図である。
【
図8】本発明の物品と組み合わせて用いられる装置の概略図である。
【
図9】本発明の物品において用いられ得る例示的なフィルタ部分を示す。
【
図10】蒸気を生成するために、本発明の物品を用いる代替的な方法の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
図1は、本発明の物品の基本的な構造を示す。吸い口端3は、ユーザの方へ向かうエアロゾルの出口となることを目的とする物品の端部である。遠位端1は、一般に物品内への空気及び他の物質の入口となることを目的とする、物品の反対側の端部である。タバコ部分は、それらの間に位置する。例として、タバコ部分2の長さは、7mm~17mmの範囲内、及び好ましくは10mm~13mmの範囲内にあり、フィルタ部分1、3のそれぞれの長さは、3mm~15mmの範囲内、及び好ましくは4mm~6mmの範囲内にあり、及びフレーバー容器の直径は、5mm~8.5mmの範囲内にある。寸法は、タバコ部分2内に十分な物質を提供して所望のフレーバー効果をもたらす一方で、3つのセクション全体のバランスを保証して、全体的な製品の強度及び圧縮率を保持しながら適切な圧力降下をもたらすことのニーズの組み合わせに依存する。
【0024】
図1の例では、部分2はタバコ由来部分であり、これは、シングルグレードのタバコ、複数のタバコグレードのブレンド、葉、葉柄(stem)、粉塵(dust)、再成タバコ、ウォッシュド(washed)タバコ、抽出されたタバコ、処理されたタバコ、タバコ抽出物、及びそれらの混合物を含み得る。タバコ由来部分2は、収穫、乾燥、切断、破砕、粉砕、抽出、再生、押し出し、及びこれらの組み合わせを含む方法によって、タバコ植物から生産され得る。タバコ由来部分2は、葉、葉柄、粉塵、再成シート、ひだ付き、折り畳まれた、成形された、ビード付き、顆粒状の物理的形状、及びそれらの混合物に存在し得る。ほとんどの例では、タバコ部分2はタバコを含むが、他の植物成分又は香料も使用され得る。図示の例の変形例では、タバコ部分2は、切断したたばこロッドによって、又は全体的に若しくは部分的に粉砕されたタバコによって、占められ得る。タバコ部分2の材料を選択することは、所望レベルのフレーバー送達及び適切な圧力降下に適合する条件など、いくつもの要因に依存する。
【0025】
本発明の好ましい実施形態では、タバコ由来部分2は、所望の風味特性及び低レベルの望ましくない化学物質に基づいて、複数の乾燥タバコグレードの混合物を注意深く選択すること;植物材料の粒径を、切断又は粉砕によって、さらなる加工に好適なサイズまで減少させること;液体抽出、熱処理、圧力処理、及び化学処理を含むプロセスの好適な組み合わせによって、望ましくない構成成分をさらに減少させるようにタバコ材料を処理すること;エアロゾル及びフレーバー促進成分(flavourants)を生じるために、保湿剤を含む成分を添加すること;タバコをシートフォーマットに再生すること;ひだ付きシートとして無傷の、又は切断若しくは破砕されたシートの断片としてのいずれかの、タバコ物品に添加される、安定した材料を生じるように乾燥することによって、得られる。上記のステップは入れ替えられ得るが、サイズ減少は、プロセスの早い段階で最良に形成され、及び抽出は、添加したフレーバーの損失を最小限にするために、フレーバーの添加前が好ましい。乾燥は、通常、最終段階であるが、フレーバー/保湿剤は最後に添加され得る。
【0026】
いくつかの例では、タバコ部分2にタバコ刻みくずが使用され、その場合、タバコ刻みくずの密度は、cm3当たり150~500mgの範囲内、好ましくはcm3当たり180~280mgの範囲内、及び最も好ましくはcm3当たり200~250mgの範囲内とし得る。このサイズの制御によって、エアロゾル内へ最大限移動されるように、タバコ部分2の体積内に可能な限り最大のタバコ量を提供することを保証する。
【0027】
いくつかの例では、タバコ部分2は、粒子、例えば、粉、顆粒、粗粒、繊維、ビーズ、ペレットなどの形態となるように粉砕又は他の方法で処理若しくは形成されたフレーバー材料を含んで、例えば、フレーバー材料の活性表面積又は量を増加して、物品を通って流れる蒸気及び/又はエアロゾルストリームに与えられるフレーバーの量を最大にする。
【0028】
本明細書では、用語「フレーバー」及び「フレーバー促進成分」は、現地規制によって許可される場合、成人消費者用の製品に所望の風味又は芳香を生じるために使用され得る材料を指し得る。それらは、抽出物(例えば、甘草、アジサイ、朴葉、カモミール、フェヌグリーク、丁子、メントール、ハッカ(Japanese mint)、アニシード、桂皮、ハーブ、ヒメコウジ(wintergreen)、サクランボ、ベリー、モモ、リンゴ、ドランブイ(Drambuie)、バーボン、スコッチ、ウィスキー、スペアミント、ペパーミント、ラベンダー、カルダモン、セロリ、カスカリラ(cascarilla)、ナツメグ、白檀、ベルガモット、ゼラニウム、蜂蜜エッセンス、ローズ油、バニラ、レモン油、オレンジ油、カッシア(cassia)、キャラウェイ、コニャック、ジャスミン、イランイラン、セージ、フェンネル、ピーマン(piment)、ショウガ、アニス、コリアンダー、コーヒー、又はハッカ植物(genus Mentha)のいずれかの種からのハッカ油)、フレーバー増強剤、苦味受容体部位阻害剤、感覚受容体部位活性化剤又は刺激剤、糖及び/又は糖代替物(例えば、スクラロース、アセスルファムカリウム、アスパルテーム、サッカリン、シクラメート、ラクトース、スクロース、グルコース、フルクトース、ソルビトール、又はマンニトール)、及び他の添加剤、例えば木炭、クロロフィル、ミネラル、植物成分、又は呼気清涼化剤を含み得る。これらは、模造、合成若しくは天然成分であっても、又はそれらのブレンドであってもよい。これらは、任意の好適な形態にある、例えば、油、液体、固体、又は粉末とし得る。例えば、液体、油、又は他のそのような流体フレーバー促進成分は、多孔質固体材料に含浸して、その多孔質固体材料にフレーバー及び/又は他の特性を与え得る。そのようなものとして、液体又は油は、含浸される材料の構成要素である。
【0029】
過度の圧力降下を防止するために、本発明の物品の縦軸6に対して平行に延びるタバコ由来のシートの主軸すなわち長軸を有して、空気が通過するための経路を形成することが好ましい(
図2、部分2参照)。本発明の代替的な好ましい実施形態では、タバコ由来の材料は、タバコ由来の材料が顆粒状又は粒状フォーマットに再成され、その後、それが本発明に添加されることを除いて、上述の通り準備される。好ましくは、顆粒状又は粒状のタバコ由来の材料は、押し出しによって生産される。なぜなら、これにより、粒径及び形状の一貫性を保証し、並びにいずれの添加されたフレーバー促進成分又は保湿剤の均一な分布も保証するためのである。
【0030】
連続繊維粉砕タバコを含むタバコ部分2の材料の特別な場合には、タバコ重量は、好ましくは、タバコ部分1mm当たり2mg~6mgの範囲内にある。
【0031】
短く切断された繊維粉砕タバコを含むタバコ部分2の材料の特別な場合には、タバコ重量は、好ましくは、タバコ部分2の1mm当たり6mg~15mgの範囲内である。
【0032】
図2は、物品の主軸とみなされ且つ吸い口端3から遠位端1まで延びる、本発明の物品の縦軸6を示す。他の軸は、この縦軸に対して垂直に取られる。そのような軸の定義は、保管及び使用中の製品の、及びユーザが受ける感覚的経験の、完全性を制御する主要な物理パラメータの測定に重要である。
【0033】
「圧力降下」又は「ドロー抵抗(draw resistance)」は、Coresta推奨方法41(https://www.coresta.org/sites/default/files/technical_documents/main/CRM_41-update2_0.pdf)を使用して測定され、且つ数ミリメートルの水柱等価物と表される。この設計特徴は、ユーザが、相応の努力で、消耗品/装置から、ある量のエアロゾルを抽出し得る方法を決定する。
【0034】
「圧縮率」は、点5(
図2参照)に10ニュートンの固定力を加えることによって、縦軸6において測定され、及び製品の全長の百分率として、たわみ距離を測定する。そのような測定は、Instronの電気機械リグ3300などの機器を使用して実施され得る。
【0035】
図1では、部分4は「包装材」を示す:物品の外表面を提供する1つ以上の材料シートが、別個の要素(遠位端フィルタ1、タバコ由来部分2、及び吸い口端フィルタ3)を互いに順に保持する働きをし、且つ物品に、特に関連の装置への挿入及びそこからの取り出しの最中のユーザによる必要な操作に十分な構造強度をもたらす。包装材4は、一般に、紙、プラスチック、箔、ラミネート、又はこれらの組み合わせを含む。包装材4は、物品の全体にわたって単一層を含むことも、又は
図3に部分8及び9で示すように、物品の下部構造に依存して必要とされ得るように、異なる点に複数の層を有することもでき、例えばマルチセグメントフィルタ部分は、一般に、外側ラッパーと一緒に保持されて、製造プロセスを支援する。本発明に特に関連する包装材は、好ましくは、平方メートル当たり20~100グラム(gsm)の範囲内の坪量を有する。好ましい実施形態は、金属インクでオーバープリントされたチョークのない、透明なセルロースベースの紙で構成された、40~200g/m2の範囲内の硬質の非多孔質包装材を利用する。坪量の下限は、通常、最終消耗品に必要とされる不透明度及び物理的強度によって決定される。坪量範囲の上限は、包装材料が厚すぎる場合に行い得る機械の操作性によって、設定される。好ましい実施形態に関しては、チョークのない硬質の非多孔質包装材の使用は、特定の領域に印刷を行い、成形された窓、ロゴなどを提供することができる点で、利点がある。
【0036】
いくつかの例では、包装材4は、液耐性バリアの機能を果たすように構成され、液体、例えば、使用されているときに物品周辺に形成する結露が、物品の内部に入り込み、且つタバコ部分2を水浸しにするのを防止する。一例では、液耐性ラッパー層が包装材4に使用され、これは、バリア材若しくはNatureflexが含浸された紙、又は他の好適なポリマー薄膜を含む。
【0037】
本発明の好ましい実施形態では、包装材4は、連続的な材料ロールとして供給され、材料ロールは、横方向に曲げられ、連続的なシリンダーに成形され、及び接着剤を使用してそれ自体に付着されている。この連続的な包装材シリンダーの形成と同時に、内部要素、すなわちフィルタ部分1、3及びタバコ由来部分2は、適切に、包装材4に供給され且つそれに付着される。その後、この連続的なシリンダーは、個別のタバコ物品に切断される。このプロセスは、当業界で公知のような、キャビティフィルタを生産するための機械を使用して、連続的に行われ得る。代替的な好ましい実施形態では、包装材の連続ロールは、らせんに形成され、及びそれ自体に付着されて、結果として生じるスパイラルシーム(
図4に示すような)のある連続的なシリンダー形状を形成する。らせん配置構成は、シームが、横方向の圧縮を防止することによって完成物品にさらなる構造剛性を提供し得るという、さらなる利点を有する。
【0038】
図4、
図5及び
図6は、領域11が透明であり、及び領域12が不透明である例示的な実施形態を示す。透明な包装材は、ユーザが物品内の内容物を視覚的に認知できる能力によって定義される。好適な特性は、透明、部分的に不透明(semi-opaque)、及び半透明の材料で見出され得る。従って、透明性のある領域は、印刷量の削減、不透明層の量の削減、箔層の除去、又はこれらの組み合わせを含むことによって、その領域において包装材4の組成を変更することにより、包装材4内に生み出され得る。好ましい実施形態は、全体的に箔のような外観を与える金属インクによって不透明にした、透明なセルロースベースの紙を利用し、及び物品内の内容物を見るために、透明な窓11の機能を果たす、金属インクのない領域を有する。最も好ましくは、これらの透明な窓11は、タバコ由来部分2と位置合わせされている。
【0039】
保管及び使用中、包装材4の物理的特性は、揮発性の液体及びエアロゾルの構成成分の吸収による影響を受け得る。例えば、紙ベースの包装材は、水分及び他の液体を吸収し、それにより、包装材を柔らかくして、その構造的完全性を減少させ得る;これは、関連の装置から物品を取り出すユーザの能力に影響を及ぼし得るため、望ましくないとし得る。これはまた、包装材の見た目の美しさに対する有害効果を有し得る、例えば汚れの原因となる。従って、吸収に抵抗し、それゆえ所望の構造特性及び外観を保持する包装材を提供することが望ましい。耐吸収性にするために、包装材は、プラスチック及び箔で構成され得る;プラスチック又は箔内側層を有し得る;ワニス又はラッカーでコーティングされた内表面を有し得る;液体を吸収する傾向が低い紙で構成され得る、及びこれらの組み合わせとし得る。これらは、PE:Al:PETタイプの構造のトリラミネート箔を含み得る。好ましい実施形態では、包装材は、吸収傾向の低いチョークのない、透明なセルロースベースの紙である。代替的な好ましい実施形態では、包装材4は、プラスチックの透明フィルムである。代替的な好ましい実施形態では、包装材4は、内表面がアルキルケテンダイマー(AKD)の層でコーティングされた紙ベースの材料である。
【0040】
フィルタ部分(
図1、部分1及び3)は、タバコ由来部分2を含み且つ所望の空気及びエアロゾルが通過できるようにしながら、主に短軸方向でのタバコ物品の全体的な構造的完全性を維持するための、物理的なバリアの機能を果たす。いくつかの例では、フィルタの材料は防湿であるため、フィルタ部分1、3は、使用中、それらの形状を維持する。さらに、吸い口端フィルタ部分3は、タバコ由来部分2からの望ましくない細塵粒子がユーザに到達するのを防止し、且つ吸入可能なエアロゾルのものよりも大きなエアロゾル粒子を除去するように働き得る。
【0041】
フィルタ部分1、3は、それぞれ、フィルタ部分21によって提供され得る。本発明を通る空気流を増強するために、フィルタ部分21(
図9に示す)の圧力降下が、縦軸にある1つ以上の空気流チャンネル22の導入によって、減少され得る。空気流チャンネル22は、フィルタ部分の全長を通過し得る。好ましくは、空気流チャンネル22は、フィルタ部分の長さの95%まで通過し得、フィルタ部分の少なくとも5%は、タバコ粒子を保持するために無傷のままにする。空気流チャンネル22は、一度でも、フィルタ材を燃やすレーザを使用することによって、又はチャンネル22を穿孔する機械的なピンを使用することによって、フィルタ部分21を形成すれば、導入され得る。好ましくは、空気流チャンネル22は、チャンネルを成形するための成形プロセスの最中に、フィルタ材にマンドレル又はピンを導入することによって、形成される。
【0042】
いくつかの例では、部分1、3のいずれかの前後の圧力差は、そのセクションの1mmの長さ当たり0.1mm~2mm水柱の範囲内にある。
【0043】
フィルタ部分21は、一般に、酢酸セルロース、紙、プラスチック、ポリマー、例えばポリエチレン、ポリプロピレン、又はポリ乳酸、及びこれらの組み合わせで構成される。本発明の好ましい実施形態では、フィルタ部分21は、15%までのトリアセチンで可塑化された酢酸セルロース繊維で構成される。フィルタ部分21は、均質化されていても、又は複数の連続的なセグメントで構成されていてもよい。フィルタ部分21、及び一層好ましくは、吸い口端フィルタ部分3は、希釈剤、フレーバー促進成分、及び美的要素を含み得る。
【0044】
異なる追加的なフレーバー構成成分が、端フィルタ部分1、3のそれぞれに配置され得る(例えば、遠位部分1にフレーバーカプセル、及び吸い口部分1にフレーバー付きの細糸状すなわち線状のもの)。
【0045】
いくつかの例では、フィルタ部分1、3は、繊維状材料を含み、及び例えば、一般に伝統的なたばこではフィルタ材として使用される繊維状材料とし得、この例は、酢酸セルロース繊維、ポリプロピレン繊維、ポリエステル繊維、及びひだ付き紙を含む紙を含む。他の材料、例えば、ナイロンなどが使用されてもよい。
【0046】
別の例では、タバコ部分2の材料、及び2つのフィルタ部分1、3の材料は、ランダムな向きにされた、非常に多数の短く切断されたCA繊維(例えば、いわゆるTurmalin装置を使用して切断された繊維)を含む。短く切断されたCA繊維が、タバコ部分2に、例えば粉砕されたタバコと一緒であると、粉砕されたタバコをロッド形態に保持するのにちょうど足りるだけの繊維を使用し得る。この配置構成の利益は、蒸気及び/又はエアロゾルの流れのより低い圧力降下を可能にし、及びさらに、連続繊維のCAに必要とされるような、ロッド形態を保持するために、可塑剤、例えば、トリアセチンの必要性を低下させるか又は必要性がなくなることである。さらに、短く切断されたCA繊維の使用によって、連続的な長いCA繊維を使用する場合よりも、CAの使用を少なく、及びタバコの使用を多くすることができる。
【0047】
いくつかの例では、タバコ部分2の材料の重量に対する、フィルタ部分1、3の第1のフレーバー構成成分(及び任意の他の構成成分、例えば木炭、可塑剤)の重量の百分率は、10%~90%の範囲内、及び好ましくは70%~90%の範囲内である。
【0048】
連続繊維と、粉砕されたタバコを含むタバコ部分2とを含む物品の特別な場合では、繊維重量に対するタバコ重量は、好ましくは40%~60%の範囲内、及び最も好ましくは45%~55%の範囲内である。繊維重量は、好ましくは75%~95%の範囲内、及び最も好ましくは80%~90%の範囲内である。
【0049】
希釈剤は、エアロゾルから望ましくない化学物質を除去し、並びに、炭素、活性炭、熱分解によって生じた炭素樹脂、シリカ、炭素やシリカの化学的に活性化された誘導体、金属ベースの触媒、及びこれらの混合物の固体粒子を含む。
【0050】
フレーバー促進成分は、エアロゾルに望ましい感覚特性を加え、及びタバコ由来部分、フィルタ部分、及びこれらの組み合わせに存在し得る。一般的なフレーバー促進成分は、メントール、ミント、ペパーミント、バニラ、リコリス、果実抽出物、エステル、アセタール、フルクタル(fructals)、及びこれらの組み合わせを含む。フレーバー促進成分は、フィルタマトリックス内、タバコ由来の材料内、フレーバースレッド内、ビーズ内、壊れやすいカプセル内、壊れにくいカプセル内、保護マトリックスに被包されて、シクロデキストリンを含む分子に被包されて、及びこれらの組み合わせに存在し得る。
【0051】
美的要素は、フィルタマトリックス内に分散された、若しくは異なるパターン、ロゴを形成するように成形された特定の領域及びフィルタ内に局在化された着色剤を含むか、又は凹まされる若しくは溝をつけられるか、又はそれらの組み合わせである。これは、
図3に示されており、これは、凹状部分10のある吸い口端を提供する、例示的なフィルタ構成要素を示す。構成要素7と併せて、物品において使用するための凹み10を備える吸い口フィルタ部分3を提供し得る。この構造は、層状の包装材4を用いることによって製品の強度に寄与し得る、見て美しい構造を提供する。また、全圧力降下を減少し得る、より短いフィルタ構成要素7の提供を可能にする。そのような例では、フィルタ部分7は、一般的に、長さ6mm以上であり、タバコ部分2に材料を確実に保持するようにし、依然として、適切な構造的完全性を提供する一方で、物品全体の圧力降下及び圧縮率を制御する。
【0052】
図7及び
図8は、エアロゾル生成装置として、電子たばこと一緒に、本発明の使用法を示す。装置は、バッテリー電源14を用いて抵抗素子17を加熱し、リザーバ16から電子たばこ用液体(e-liquid)を揮発させ、この液体は一般にニコチンを含有しない。本発明の物品19は、電子たばこ装置に点18で挿入される。抵抗素子17によって生じる第1のエアロゾルが、物品19を通過し、及び吸入可能なエアロゾル20を生じるように修正される。第1のエアロゾルに対する修正は、ニコチン、及び本発明からの他のフレーバー促進成分の添加を含む。修正はまた、希釈剤を介した望ましくない化学成分の除去、及び望ましくないエアロゾル、及びエアロゾルからの他の粒子の除去を含み得る。
【0053】
代替的な実施形態では、第1のエアロゾルは、さらに、化学物質を含有して、タバコ由来部分2から望ましい化学物質をエアロゾルに組み込むのを支援する。好ましくは、第1のエアロゾルは揮発性の酸を含有し、これは、タバコ由来部分2からの遊離塩基ニコチンを組み込み、それにより、吸入されたエアロゾル中のニコチン量を増加させる働きをする。好適な揮発性の酸は、アスコルビン酸、ピルビン酸、及びレブリン酸を含む。
【0054】
図10は、本発明の代替的な使用例を示し、ここでは、本発明は、タバコ部分2を直接加熱するために熱源23を使用する電源14を備える装置に挿入される。関連の装置からの熱の作用によって、本発明から揮発性成分を放出させ、それが、吸入可能なエアロゾルを形成する。熱源23は、電動又は化学反応で駆動される加熱手段のうちの一方を含む。電動の選択肢は、金属加熱素子、抵抗素子、薄膜ヒータ、セラミックヒータ、及びこれらの組み合わせを、バッテリー又は電池と併せて含む。或いは、電動熱源23は、誘導に依存し得、ここでは、交番電磁場が生じ、それが、同様に、好適に配置されたサセプタ素子24内で熱を生成する。誘導の効率は、サセプタ素子24が、加熱される材料にごく近くにあるときには、改善されるため、サセプタ素子24は、タバコ由来の材料内に、又はタバコ由来部分と接触する包装材の一部として、最良に配置される。誘導加熱の場合、電源及び回路部品は、高周波数で動作するように構成され得る。好ましくは、電源及び回路部品は、約80kHz~500kHz、好ましくは約150kHz~250kHz、一層好ましくは約200kHzの周波数で動作するように構成され得、及びアセンブリは、使用中、約0.5テスラ(T)~最高密度の点での約2.0Tの磁束密度を有する、変動する電磁場で動作するように配置され得る。誘導コイルは任意の好適な材料を含み得るが、一般に、誘導コイルは、Litzワイヤ又はLitzケーブルを含み得る。サセプタは、限定されるものではないが、アルミニウム、鉄、ニッケル、ステンレス鋼、及びそれらの合金、例えばニッケルクロムの1種以上を含み得る。電磁場をその近傍に印加する場合、サセプタは、渦電流及び磁気ヒステリシス損失に起因する熱を生成し、電磁から熱へのエネルギーの変換を生じ得る。
【0055】
化学反応で駆動される熱源は、燃焼、酸化、酸化還元、及び他の発熱反応を含む。
【0056】
保湿剤は、マトリックス内に水を保持するように作用し、且つポリオール、例えばプロピレングリコール、グリセロール、様々な分子量のPEG、糖アルコール、例えばソルビトール、及びこれらの組み合わせを含む添加剤である。本発明内では、揮発された保湿剤はまた、エアロゾル液滴を生じるように働く。好ましくは、保湿剤は、プロピレングリコールとグリセロールの混合物である。
【0057】
pH調整剤は、タバコ由来部分内の化学物質のイオン化状態を変え、それにより、それらの揮発性を修正するために使用され得る、酸、塩基、及び緩衝剤を含む。特に、アルカリ性のpHで優勢である遊離塩基ニコチンは、酸性のpHで優勢であるニコチン塩よりも著しく揮発性が高い。好ましい実施形態では、十分な塩基性薬剤がタバコ由来部分に添加されて、全体的なpH>7を達成し、より多くのニコチンを吸入可能なエアロゾル内への揮発に利用できるようにする。一層好ましくは、全体的なpHは>8である。好適な塩基性薬剤は、金属炭酸塩、金属炭酸水素塩、金属水酸化物、及びアンモニウム塩を含む。
【0058】
本発明の一実施形態では、タバコ由来部分2は、Gothiatek(登録商標)の規格に従う化学組成、すなわちタバコ特有のニトロソアミン(NNN+NNK)含量<1mg/kg及びベンゾ[a]ピレン含量<1.25ug/kgで、鉄管乾燥タバコ及び空気乾燥タバコを含む複数のタバコグレードのブレンドを提供することによって、生成される。ひとたびブレンドされたら、タバコは、最初に破砕し、その後粉砕されて、No.18 Meshを通過して、粒径≦1mmを与えることによって、サイズが減少される。粉砕されたタバコに、50%等価質量の脱イオン水;2%等価質量のフレーバー促進成分-メントールとハッカ油の50:50混合物;0.375%等価質量のpH調整剤-水酸化ナトリウムが添加される。結果として生じるタバコペーストは、バレル温度250℃及び圧力4atmで、ペレット製造機に連結されたCoperion押出機を通過して、粒径約1.5mm直径の成形された材料を生じる。その後、タバコ由来の粒子は、真空下で<10%水分まで乾燥される。その後、乾燥されたタバコ粒子はふるいにかけられ、0.2mm~1.25mmの範囲内の断片を生じる。吸い口端及び遠位端フィルタ部分1、3は、Hauniフィルタロッド製造機を使用して製造される。フィルタ部分1、3は、フィルタ長さ1mm当たり10.1mgのトウを使用して、酢酸セルロースのトウ6Y17から作製される;12重量/重量%のトリアセチンで可塑化される;26gsm、2000CUのプラグラップがPVA接着剤で付着される。最終的なフィルタ部分の寸法は、直径8mm及び長さ6mmである。不燃性タバコ物品の組み立ては、内表面にAKDの0.1%のコーティングのあるSWMによって、紙包装材PPW35を使用して、Molinsキャビティフィルタ機で実施される。物品の構造は、6mmのフィルタ部分、250mgのタバコ由来の材料を備える17mmのキャビティであり、6mmのフィルタ部分はPVA接着剤で付着されている。これは、全圧力降下が40~65mm水柱及び縦軸における圧縮率因子約3%の、最終的な物品を生成する。
【0059】
本発明では、物品の圧縮率を制御することによって、ユーザにとって、取り扱いやすく、及び使用中の蒸気の生成が物品の機械的特性を低下させる可能性があっても、変形又は損傷なく蒸気生成装置から除去しやすい装置を提供することが可能である。ドロー圧力を任意選択的に制御することによって、蒸気を受けるときにユーザが快適にドロー圧力を生じるような圧力降下を保証することが可能である。さらに、本発明は、適切な蒸気生成材料を保持する物品が、見て美しく且つ製造が単純で容易な物品に提供され得ることを保証する。