(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-02-09
(45)【発行日】2023-02-17
(54)【発明の名称】複合構造、成形機器ならびに関連したシステムおよび方法
(51)【国際特許分類】
B29C 70/32 20060101AFI20230210BHJP
B29C 70/16 20060101ALI20230210BHJP
B29K 105/08 20060101ALN20230210BHJP
B29L 22/00 20060101ALN20230210BHJP
【FI】
B29C70/32
B29C70/16
B29K105:08
B29L22:00
(21)【出願番号】P 2020524015
(86)(22)【出願日】2018-11-07
(86)【国際出願番号】 US2018059611
(87)【国際公開番号】W WO2019094459
(87)【国際公開日】2019-05-16
【審査請求日】2021-05-13
(32)【優先日】2017-11-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】520128820
【氏名又は名称】ノースロップ グラマン システムズ コーポレーション
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100101373
【氏名又は名称】竹内 茂雄
(72)【発明者】
【氏名】マドセン,クリストファー・ジェイ
(72)【発明者】
【氏名】ヒーリー,ジョン・ビー
(72)【発明者】
【氏名】オルセン,トラビス・エス
(72)【発明者】
【氏名】ホフマン,イーサン・ジェイ
(72)【発明者】
【氏名】スタルプ,ジェイソン・エイチ
(72)【発明者】
【氏名】テュエラー,マイケル・ティー
(72)【発明者】
【氏名】ローバー,ウェイン・エム
(72)【発明者】
【氏名】ベンソン,バーノン・エム
【審査官】田代 吉成
(56)【参考文献】
【文献】特開2011-98524(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B29C 70/32
B29C 70/16
B29K 105/08
B29L 22/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも部分的に自動化されたプロセス中に少なくとも部分的に環状の形状を有する複合構造を成形する方法であって、
材料供給組立体からツールへ少なくとも1プライの材料を供給するステップであって、前記少なくとも1プライの材料が、少なくとも幾つかの基材料内にファイバを含む材料の平坦なシートを有し、
前記ツールの縦軸に対してある傾斜角で前記材料供給組立体の縦軸を配向して、前記少なくとも1プライの材料の横方向に沿った前記少なくとも1プライの材料で異なる張力を生じさせ、前記少なくとも1プライの材料は、前記ツールに亘って引っ張られ、前記ツールは、該ツールの縦軸の周囲で少なくとも部分的に環状の形状を画定する、前記配向するステップと、
前記少なくとも部分的に環状の形状を有する前記複合構造を成形するように構成されたツールの成形面上に前記少なくとも1プライの材料を送るステップであって、少なくとも1プライの材料の繊維が前記少なくとも1プライの材料の側部に対してずれている、送るステップと、
前記少なくとも1プライの材料を前記ツールの前記成形面に適合させるステップであって、
第1の曲率半径に至る前記少なくとも1プライの材料の第1の部分を前記ツールの前記成形面に適合させること、
前記少なくとも1プライの材料の前記第1の部分と第2の部分との間に延びる前記少なくとも1プライの材料の中央部分を前記ツールの前記成形面に適合させること、および
第2の曲率半径に至る前記少なくとも1プライの材料の前記第2の部分を前記ツールの前記成形面に適合させることであって、前記第2の曲率半径は前記第1の曲率半径よりも大きいまたは小さい、適合させること
を含む適合させるステップと、
前記少なくとも1プライの材料を硬化して前記複合構造を成形するステップと
を含む方法。
【請求項2】
前記少なくとも1プライの材料の前記中央部分を適合させるステップは、前記第1の曲率半径から前記第2の曲率半径まで徐々に変化する前記ツールの前記成形面の一部に沿って前記中央部分を延ばすことを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
環状の形状であって、前記環状の形状の第1の開口端および前記環状の形状の第2の開口端を備えた環状の形状を有するように前記複合構造を成形するステップをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記第1の曲率半径を含む第1の直径を有するように前記第1の開口端を定めるステップと、
前記第2の曲率半径を含む第2の直径を有するように前記第2の開口端を定めるステップと
をさらに含む、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記第1の直径から前記第2の直径まで徐々に変わるように前記中央部分を成形するステップをさらに含む、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記ツールの前記縦軸に対して前記傾斜角で前記材料供給組立体の前記横軸を向けるステップは、前記ツールの中心線に対して前記傾斜角で前記材料供給組立体上の材料のスプールの縦軸を向けることを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記材料供給組立体上の前記少なくとも1プライの材料の供給部の別の対向した側部と比較して、前記ツールに比較的近い前記材料供給組立体の一方の側部上の前記材料供給組立体上に前記少なくとも1プライの材料の前記供給部を配置するステップをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
少なくとも部分的に自動化されたプロセス中に少なくとも部分的に環状の形状を有する複合構造を成形する方法であって、
材料供給組立体からツールへ少なくとも1プライの材料を供給するステップと、
前記材料供給組立体から前記ツールへ少なくとも1プライの材料を供給するときに、
少なくとも1プライの材料の少なくとも一部に力を加えるステップであって、該力を加えるステップが、
前記ツールの縦軸に対してある傾斜角で前記材料供給組立体の縦軸を配向して、前記少なくとも1プライの材料の少なくとも一部内で異なる張力を生じさせ、前記異なる張力は前記材料供給組立体から前記ツールへわたる、前記配向するステップと、
第1の直径に至る少なくとも1プライの材料の第1の部分をツールの成形面に適合させるステップと、
第2の直径に至る前記少なくとも1プライの材料の第2の部分を前記ツールの前記成形面に適合させるステップであって、前記第2の直径は前記第1の直径よりも大きいまたは小さい、適合させるステップと、
前記第1の直径から前記第2の直径まで徐々に変化する前記成形面の一部に沿って、前記少なくとも1プライの材料の前記第1の部分と前記第2の部分との間に延びる前記少なくとも1プライの材料の中央部分を延ばすステップと
を含む方法。
【請求項9】
複合構造を成形するための機器であって、
前記複合構造を成形するために少なくとも1プライの材料を受け入れるように構成された成形面を有する成形ツールと、
前記少なくとも1プライの材料の少なくとも一部を前記成形ツールの前記成形面に適合させるように、前記少なくとも1プライの材料の前記少なくとも一部に力を加えるように構成された成形機構と、
前記少なくとも1プライの材料の供給部を保持するとともに、前記成形ツール上へ前記少なくとも1プライの材料を与えるように構成された材料供給組立体であって、前記成形ツールに対して前記少なくとも1プライの材料の前記供給部を枢動させるように構成された材料供給組立体であって、前記材料供給組立体は前記ツールの縦軸に対してある傾斜角で配向され、前記少なくとも1プライの材料の少なくとも一部内で異なる張力を生じさせる、前記材料供給組立体と、を備える機器。
【請求項10】
前記材料供給組立体は、前記成形ツールの縦軸に対してある傾斜角で前記少なくとも1プライの材料の前記供給部の横軸を配置するように前記成形ツールに対して枢動するように構成されている、請求項9に記載の機器。
【請求項11】
前記材料供給組立体は、材料のスプールを保持するように構成されており、前記材料供給組立体は、前記成形ツールの中心線に対して前記傾斜角で前記材料供給組立体上の材料の前記スプールの中心線を配置するように前記成形ツールに対して枢動するように構成されている、請求項10に記載の機器。
【請求項12】
前記材料供給組立体は、前記成形ツールの比較的近くに前記少なくとも1プライの材料の前記供給部の一方の側部を配置するように、かつ前記成形ツールから比較的さらに離れるように前記少なくとも1プライの材料の前記供給部の配置された別の対向した側部に対して、前記成形ツールに対して枢動するように構成されている、請求項9から11のいずれか一項に記載の機器。
【請求項13】
前記材料供給組立体は、隣接した構造に係合するように構成された枢動組立体を備え、前記枢動組立体は、前記隣接した構造に固定される前記枢動組立体の固定部分に対して枢動点を中心にして前記材料供給組立体のフレームを移動させることによって前記枢動組立体の前記枢動点を中心にして前記材料供給組立体を枢動させるように構成される、請求項9から11のいずれか一項に記載の機器。
【請求項14】
前記枢動組立体は、固定点を有するプレートを備え、前記固定点は、前記材料供給組立体と前記成形ツールとの間の距離を変化させるように構成される、請求項13に記載の機器。
【請求項15】
前記枢動組立体は、単一の枢動点だけを備える、請求項13に記載の機器。
【請求項16】
前記材料供給組立体は、前記成形ツール上で前記複合構造の成形中に、前記成形ツールに対して自動的に枢動するように構成される、請求項9から11のいずれか一項に記載の機器。
【請求項17】
前記成形ツールは、少なくとも部分的に環状の形状を示す、請求項9から11のいずれか一項に記載の機器。
【請求項18】
前記材料供給組立体は、前記材料供給組立体と前記成形ツールとの間の間隔を横切る方向に前記成形ツールに対して横に移動するように構成される、請求項9から11のいずれか一項に記載の機器。
【請求項19】
複合構造を成形するための機器であって、
前記複合構造を成形するために少なくとも1プライの材料を受け入れるように構成された成形面を有する成形ツールであって、
第1の曲率半径を示す断面を有する第1の部分、
第2の曲率半径を示す断面を有する第2の部分であって、前記第2の曲率半径は前記第1の曲率半径よりも大きいまたは小さい第2の部分、および
前記第1の部分と前記第2の部分との間に延びる中央部分であって、前記中央部分の断面は前記第1の曲率半径から前記第2の曲率半径まで徐々に変化する中央部分
を備える成形ツールと、
前記少なくとも1プライの材料の少なくとも一部を前記成形ツールの前記成形面に適合させるように、前記少なくとも1プライの材料の前記少なくとも一部に力を加えるように構成された成形機構と、
前記少なくとも1プライの材料の供給部を保持するとともに、前記成形ツール上へ前記少なくとも1プライの材料を与えるように構成された材料供給組立体と
を備え
、
前記材料供給組立体は、前記成形ツールの縦軸に対してある傾斜角で配向され、前記少なくとも1プライの材料の少なくとも一部内で異なる張力を生じさせる、
機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
優先権の主張
本出願は、「COMPOSITE STRUCTURES,FORMING APPARATUSES AND RELATED SYSTEMS AND METHODS」について、2017年11月8日に出願した米国特許出願第15/807,453号の出願日の利益を主張するものである。
【0002】
本開示の実施形態は、構造の少なくとも1つの寸法に沿って変化する幾何学的形状を有する複合構造、ならびに関連した装置、機器、システム、および方法に関する。本開示の実施形態は、成形ツールと、この成形ツールに対して移動可能(例えば、枢動可能)である少なくとも1つの材料供給組立体とを備えるそのような複合構造のための成形機器および装置、ならびに関連した機器および方法にも関する。
【背景技術】
【0003】
繊維強化複合材料は、航空宇宙用途を含む様々な産業で実施される比較的軽い重量および高い強度の構造を与える。しかしながら、繊維強化複合材料から作製され、ある種の形状を有する複合構造は、所望の強度特性で製造するのが難しい。例えば、環状形状の複合構造は、従来から、中間デバルキング(intermediate debulking)を用いてハンドレイアップによって作製されている。さらに、変化に富む表面特徴を有する複雑な曲線の構造は、同様の難しさをもたらす。結果として、そのような構造の製造は、完成するのにかなり多くの時間がかかるとともにしばしば所望の結果をさほど伴わない費用のかかるプロセスを必要とする。
【0004】
そのような部品の成形中、材料のプライをレイアップすることは、部品を弱めるしわまたは波などの欠陥の形成をもたらし得る。さらに、ある種の形状は、繊維強化材料のプライの操作および/または伸張に関する制限により、所望の強度および重量特性で実現することができない。プライのダーティング(darting)または他の切断などの回避策を使用して、しわの形成を少なくし、プライが部品の所望の形状に適合することを可能にできるが、このタイプのダーティングおよび/または切断は、一般に、部品の性能を劣化させ、または部品の構造的特性に悪影響を与える。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
この概要は、単純化された形態で例示実施形態の選択を導入するために与えられる。これらの例示実施形態は、以下の詳細な説明により詳細に記載される。この概要は、特許請求される主題の重要な特徴または本質的な特徴を特定することは意図されておらず、特許請求される主題の範囲を限定するように使用することも意図されていない。
【0006】
本開示のいくつかの実施形態は、少なくとも部分的に自動化されたプロセス中に少なくとも部分的に環状の形状を有する複合構造を成形する方法を含む。この方法は、少なくとも部分的に環状の形状を有する複合構造を成形するように構成されたツールの成形面上に少なくとも1プライの材料を送るステップであって、少なくとも1プライの材料の繊維が少なくとも1プライの材料の側部に対してずれている、送るステップと、少なくとも1プライの材料をツールの成形面に適合させるステップとを含む。この適合させるステップは、第1の曲率半径に至る少なくとも1プライの材料の第1の部分をツールの成形面に適合させること、少なくとも1プライの材料の第1の部分と第2の部分との間に延びる少なくとも1プライの材料の中央部分をツールの成形面に適合させること、および第2の曲率半径に至る少なくとも1プライの材料の第2の部分をツールの成形面に適合させることであって、第2の曲率半径は第1の曲率半径よりも大きいまたは小さい、適合させることを含む。この方法は、少なくとも1プライの材料を硬化して複合構造を成形するステップをさらに含む。
【0007】
本開示のいくつかの実施形態は、少なくとも部分的に自動化されたプロセス中に少なくとも部分的に環状の形状を有する複合構造を成形する方法を含む。この方法は、第1の直径に至る少なくとも1プライの材料の第1の部分をツールの成形面に適合させるステップと、第2の直径に至る少なくとも1プライの材料の第2の部分をツールの成形面に適合させるステップであって、第2の直径は第1の直径よりも大きいまたは小さい、適合させるステップと、第1の直径から第2の直径まで徐々に変化する成形面の一部に沿って、少なくとも1プライの材料の第1の部分と第2の部分との間に延びる少なくとも1プライの材料の中央部分を延ばすステップとを含む。
【0008】
本開示のいくつかの実施形態は、複合構造を成形するための機器であって、複合構造を成形するために少なくとも1プライの材料を受け入れるように構成された成形面を有する成形ツールと、少なくとも1プライの材料の少なくとも一部を成形ツールの成形面に適合させるように、少なくとも1プライの材料の少なくとも一部に力を加えるように構成された成形機構と、少なくとも1プライの材料の供給部を保持するとともに、成形ツール上へ少なくとも1プライの材料を与えるように構成された材料供給組立体とを備える機器を含む。材料供給組立体は、成形ツールに対して少なくとも1プライの材料の供給部を枢動させるように構成される。
【0009】
本開示のいくつかの実施形態は、複合構造を成形するための機器であって、複合構造を成形するために少なくとも1プライの材料を受け入れるように構成された成形面を有する成形ツールを備える機器を含む。成形ツールは、第1の曲率半径を示す断面を有する第1の部分と、第2の曲率半径を示す断面を有する第2の部分であって、第2の曲率半径は第1の曲率半径よりも大きいまたは小さい第2の部分と、第1の部分と第2の部分との間に延びる中央部分であって、中央部分の断面は第1の曲率半径から第2の曲率半径まで徐々に変化する中央部分とを備える。機器は、少なくとも1プライの材料の少なくとも一部を成形ツールの成形面に適合させるように、少なくとも1プライの材料の少なくとも一部に力を加えるように構成された成形機構と、少なくとも1プライの材料の供給部を保持するとともに、成形ツール上へ少なくとも1プライの材料を与えるように構成された材料供給組立体とをさらに備える。
【0010】
本開示のいくつかの実施形態は、複合構造を成形するための機器であって、複合構造を成形するために少なくとも1プライの材料を受け入れるように構成された曲がった成形面を有する環状の成形ツールと、少なくとも1プライの材料の供給部を保持するとともに、成形ツール上へ少なくとも1プライの材料を与えるように構成された材料供給組立体とを備える機器を含む。材料供給組立体は、少なくとも1プライの材料が成形ツールへ分配されるときに、少なくとも1プライの材料に力(例えば、張力)を加えるように構成される。
【0011】
本開示のいくつかの実施形態は、少なくとも部分的に環状の形状を有する複合構造を含む。構造は、少なくとも部分的に環状の形状を示すプライ層を備え、プライ層の少なくとも1プライの材料中の繊維は、少なくとも1プライの材料の側部に対してずれている。変化する断面を有する少なくとも1プライの材料は、第1の曲率半径を示す断面を有する第1の部分と、第2の曲率半径を示す断面を有する第2の部分であって、第2の曲率半径は、第1の曲率半径よりも大きいまたは小さい第2の部分と、第1の部分と第2の部分との間に延びる中央部分とを備える。中央部分の断面は、第1の曲率半径から第2の曲率半径まで徐々に変化し、少なくとも1プライの材料中の隣接した繊維間の間隔は少なくとも1プライの材料の変化する断面に沿って変化する。変化する間隔で隣接した繊維間に延びる少なくとも1プライの材料の一部は、連続している。
【0012】
本開示は、以下の例示実施形態の詳細な説明を参照することでより十分に理解することができ、この例示実施形態は、添付図面に示されている。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】本開示の一実施形態による複合部品成形システムの斜視図である。
【
図2】本開示の一実施形態による材料供給組立体の平面図である。
【
図4】本開示の一実施形態による成形機構の等角図である。
【
図5】本開示の一実施形態による構造の等角図である。
【
図6】本開示の一実施形態による複合構造の一部を定めることができる材料シートの簡略図である。
【
図7】本開示の一実施形態による複合部品成形システムの簡略図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
いくつかの例では、本明細書中に示された図は、任意の特定の装置、機器、システム、組立体、方法、またはその構成要素の実際の図であることを意味しておらず、本開示の例示的な実施形態を説明するために用いられる単に単純化された概略図である。図面は、必ずしも一定の縮尺ではない。
【0015】
本明細書中で使用されるとき、「第1の」、「第2の」、「上に」、「下に」、「上」、「下」、「下に横たわる」、「上に」、「下に」等などの任意の関係を示す用語は、文脈上別段明確に示す場合を除いて、本開示および添付図面を理解する際に明確および便利であるように用いられ、任意の特定の優先度、向き、または順序を意味せず、またはこれに依存しない。いくつかの例では、これらの用語は、図に示されるような要素の向きを指し得る。
【0016】
本明細書中で使用されるとき、用語「垂直」および「水平」は、重力を考慮して特徴の特定の向きが動作に必要または望ましいことが明らかである場合を除いて、図面シート上で向けられるように描かれている姿を指し得、特徴または任意の一部の向きを限定するようなものではない。
【0017】
本明細書中で使用されるとき、所与のパラメータの参照における用語「実質的に」は、所与のパラメータ、特性、または状態が許容可能な製造公差内などのわずかな変動で適合されることを、当業者が理解する程度まで、意味するまたは含む。例えば、実質的に満たされているパラメータは、少なくとも約90%適合され得る、少なくとも約95%適合され得る、またはさらには少なくとも約99%適合され得る。
【0018】
本開示の実施形態は、例えば、構造の少なくとも1つの寸法に沿って変化する幾何学的形状(例えば、少なくとも部分的に環状の形状)を有する構造、ならびに関連した装置、機器、システム、および方法を提供することができる。例えば、そのような構造は、例えば、断面の特徴(例えば、半径、直径、湾曲、曲率半径、弧の長さなど)が構造の寸法(例えば、幅および/または長さ)に沿って変化する弧、曲線、完全な楕円形、回転楕円体(例えば、長楕円体)、完全な円、それらの組合せを示す断面を有する部分などの少なくとも部分的に環状の形状を含むことができる。いくつかの実施形態では、構造は、構造の直径が長さに沿って(例えば、構造の第1の開口端から第2の開口端まで)変化する実質的に環状の形状(例えば、円筒形、不規則な円筒形)を有することができる。他の実施形態では、構造は、他の断面形状と、1つまたは複数の開口端および/または閉口端とを有することができる。
【0019】
いくつかの実施形態では、構造のほんの一部は、そのような変化を含むことができる。いくつかの実施形態では、構造は、全長に沿って変化し得る。いくつかの実施形態では、構造の変化は、先細り部分および/またはオジーブ部分を定めるために、寸法の徐々の増加または減少を示し得る。
【0020】
いくつかの実施形態では、そのような構造は、例えば、航空機エンジン、ファン・コンタミナント・ケース(fan containment case)、アフトファンケース、バイパスダクト、ナセルドア、および/または他の構造(例えば、バンプアウト、バンプイン、ロフテッド部分(lofted portion)、凹部等などの不連続部分を有する細長い構造)などの航空宇宙用途のための構造を含み得る。
【0021】
いくつかの実施形態では、第1の寸法(例えば、直径)から第2の寸法(例えば、直径)までの構造の変化は、所与の寸法の値の少なくとも1つの変化率(例えば、少なくとも5%、6%、8%、10%、15%、20%、25%、30%以上)を含み得る。
【0022】
本開示の実施形態は、例えば、少なくとも部分的に環状の形状、およびその結果生じた構造を有する複合構造の成形に関連した方法、システム、組立体、および機器を提供することができる。そのような機器、システム、および方法は、複合構造を成形するための少なくとも部分的に環状のツールに対する選択された角度(例えば、傾斜角)で材料供給組立体を配置することを含むことができる。材料供給組立体および環状のツールの少なくとも一部のそのような機器および/またはシステムでは、それぞれの軸(例えば、縦軸、中心線)は、互いに対して移動可能(例えば、回転可能、および任意選択で平行移動可能)であり得る。例えば、ツールの上へ供給される材料の横方向に沿って延びる軸(例えば、ツールに施されるスプールの中心線および/または材料シートの横軸)とツールの軸(例えば、ツールの中心線または中心軸)との間の角度を定めるために、材料供給組立体は、環状のツールに対して枢動することができる。
【0023】
いくつかの実施形態では、材料供給組立体は、組立体の両配置がツールに対する枢動を可能にする複数の側部(例えば、ツールの第1の側部、および第2の対向した側部)に配置可能であり得る。いくつかの実施形態では、材料供給組立体は、ツールの周りに(例えば、ツールの対向した側部に)配置される複数の(例えば、2つ以上の)材料供給ユニットを含むことができる。
【0024】
本明細書中で詳細に説明される本開示の実施形態は、少なくとも部分的に環状の構造の成形に関係し得るが、本明細書中に説明される機器および方法は、他の幾何学的形状を有する構造を成形するために利用され得ることに留意されたい。例えば、本明細書中で説明される機器および方法は、変化する横形状および/または断面などの変化する寸法を有する細長い構造を成形するために利用され得る。
【0025】
複合構造を成形するために使用される材料は、材料のプライまたはプライ層として概して説明され、これは一度に1つずつツール上でレイアップされてもよくおよび/または同時に複数層レイアップされてもよい。プライまたは層は、限定するものではないがプリプレグ材料および/またはドライファイバ材料(dry fiber material)を含む所望の特性を示す繊維(またはプライ)を有する任意の材料で作製することができる。プリプレグ材料およびドライファイバ材料は、限定するものではないが単方向テープ、バイアステープ、織物、不織布、およびノンクリンプファブリックを含み得る。繊維(またはプライ)の向きは、構造全体にわたって変化することもできる。
【0026】
いくつかの実施形態では、複合構造を成形するために使用される材料は、高分子またはエラストマー基複合材料、金属基複合材料、セラミック基複合材料、それらの組合せ、または任意の他の適切な材料で構成され得る。いくつかの実施形態では、材料中の補強材料または繊維は、ガラス、炭素、アラミド、セラミックス、窒化物(例えば、窒化ホウ素)、炭化物(例えば、炭化ケイ素)、それらの組合せ、または任意の他の適切な材料を含み得る。
【0027】
いくつかの実施形態では、材料は、例えば、2016年2月23日に発行された米国特許第9,266,279号(その開示は、この参照により全体として本明細書中に組み込まれる)に開示された方法および装置に従って、ツールにかけられる前に、前もって伸張および/または前もって成形され得る。
【0028】
図1は、フレームまたはガントリ(例えば、フレーム101)と、このフレーム101に結合された(例えば、少なくとも部分的に環状の形状を示す)成形ツール102と、材料供給組立体104とを備える複合部品成形システム100の斜視図である。
図1に示されるように、成形ツール102は、フレーム101に移動可能に結合され(例えば、回転可能に結合され、平行移動可能に結合され、またはその組合せで結合され)得る。フレーム101は、フレーム101に対して成形ツール102を移動させるための1つまたは複数の制御機構(control feature)(例えば、モータ103)を備えることができる。いくつかの実施形態では、フレーム101は、システム100の使用者のためのプラットフォーム105および/または複合部品成形システム100の1つまたは複数の部分を操作および/または監視するための制御システム107などの他の特徴を備えることができる。
【0029】
複合構造もしくは部品106、またはその一部は、成形ツール102上で成形することができ、例えば、環状の構造(例えば、構造106の両端に1つまたは複数の半径方向に延びるまたは上に向いたフランジを有する完全な環状の構造)の少なくとも一部などの少なくとも部分的に環状の形状を示すことができる。
【0030】
上述したように、成形ツール102および/またはツール102の幾何学的形状の上に成形された結果として生じる構造106は、ツール102および構造106の少なくとも1つの寸法に沿って変化する少なくとも部分的に環状の形状を有することができる。例えば、そのようなツール102および構造106は、例えば、断面の特徴(例えば、半径、直径、湾曲、曲率半径、弧の長さなど)が構造106(例えば、幅および/または長さ)の寸法に沿って変化する弧、曲線、完全な楕円形、完全な円、またはその組合せを示す断面を有する部分などの少なくとも部分的に環状の形状を備えることができる。いくつかの実施形態では、構造106は、構造106の直径および曲率半径が長さに沿って(例えば、構造106の第1の開口端から第2の開口端まで)変化する実質的に環状の形状(例えば、円筒形)を有することができる。いくつかの実施形態では、構造106のほんの一部は、そのような変化を含むことができる。いくつかの実施形態では、構造106は、全長に沿って変化することができる。いくつかの実施形態では、構造106の変化は、先細り部分を定めるために、寸法の徐々の増加または減少を示し得る。いくつかの実施形態では、構造106の第1の部分またはセクションは、そのような変化を含むことができ、1つまたは複数の部分は、同様におよび/または異種の変化を示し得る。
【0031】
いくつかの実施形態では、成形ツール102は、1つまたは複数の半径方向に延びるフランジ部108を備えることができる。例えば、成形ツール102は、成形ツール102の対向した側部(例えば、端部)に配置された2つの半径方向に延びるフランジ部108を備えることができる。構造106は、例えば、構造106の中央部の少なくとも部分的に環状の形状からフランジ部110の上へ(例えば、その半径方向の広がりへ)延びる1つまたは複数の連続的なプライを含む対応するフランジ部110を備えることができる。1つまたは複数のフランジ部108は、成形ツール102の中心軸を横切る方向に(例えば、実質的に直交方向に、または実質的に直交方向からずれて)延びることができる。
【0032】
材料供給組立体104は、材料供給組立体104に移動可能(例えば、回転可能および/または平行移動可能)に結合された材料112の供給部(例えば、材料のロール)を備えることができる。材料供給組立体104および/または成形ツール102は、1つまたは複数のプライが材料112の供給部から成形ツール102へ通過するときに(例えば、1つまたは複数のプライが材料112の供給部から成形ツール102へ移動するときに)、1つまたは複数の材料のプライに力(例えば、張力)を加えるために利用することができる。例えば、張力は、材料供給組立体104と成形ツール102との中間で1つまたは複数のプライに加えることができる。
【0033】
複合部品成形システム100は、複合構造106を成形するために、材料供給組立体104が成形ツール102に対して選択された角度(例えば、オフセット角および/または傾斜角)で向けられることを可能にし得る。例えば、材料供給組立体104および/または材料112の供給部、ならびに成形ツール102のそれぞれの軸(例えば、縦軸、中心線)は、互いに対して移動可能(例えば、回転可能、および任意選択で平行移動可能)であり得る。いくつかの実施形態では、材料供給組立体104は、ツールの上へ供給される材料112の横方向に沿って(例えば、ツール102に送られる材料112のスプールの中心線および/または材料112のシートの横軸に沿って)延びる軸とツール102の軸(例えば、ツール102の中心線または中心軸)との間の角度を定めるために、(例えば、枢動機構114を用いて)成形ツール102に対して枢動することができる。
【0034】
いくつかの実施形態では、材料供給組立体104の枢動機構114は、成形ツール102に対して材料供給組立体104を可能にする。例えば、枢動機構114は、以下により詳細に説明されるように、1つまたは複数の固定点116と結合することができる枢動機構114の一部を中心として材料供給組立体104を回転させることを可能にしつつ、材料供給組立体104を隣り合った構造(例えば、床)に固定することができる。
【0035】
いくつかの実施形態では、材料供給組立体104は、組立体104の両配置がツール102に対する枢動を可能にする複数の側部(例えば、成形ツール102の第1の側部および第2の対向した側部)に対して配置可能であり得る。例えば、システム100は、(例えば、成形ツール102の両側部で床に結合された)2つ以上の固定点116を備えることができる。枢動機構114および材料供給組立体104は、材料をツール102の様々な側部(例えば、対向した側部)に送るために、成形ツール102を中心にして移動させられるとともに、固定点116に選択的に結合され得る(例えば、ツール102に対して材料供給組立体104の距離を変えるための複数の点のトラックを備えることができる)。そのような材料供給組立体104の配置は、材料112(例えば、材料112の繊維)が成形ツール102の変化する特徴に対して所望の向きでツール102に送られることを可能にし得る。
【0036】
いくつかの実施形態では、システム100は、材料供給組立体104と成形ツール102との間に配置された、材料の供給を助ける1つまたは複数の特徴(例えば、中間リダイレクトスプール(redirect spool)、スプレッドローラ(spread roller)など)を備えることができる。
【0037】
いくつかの実施形態では、材料供給組立体104は、ツール102の周りに(例えば、ツール102の対向した側部に)配置された複数の(例えば、2つ以上の)材料供給組立体104を備えることができる。
【0038】
システム100は、成形機構118を備えることができる。以下により詳細に説明されるように、成形機構118は、成形ツール102に隣接して(例えば、真下に)配置することができ、材料112が成形ツール102の上に置かれる前、最中、および/または後に材料112を操作する(例えば、押し付ける)ように働くことができる。いくつかの実施形態では、成形機構118は、材料112の1枚または複数枚のシート(例えば、成形ツール102の寸法、例えば、成形ツール102の軸に沿って延びる寸法よりも小さい横幅を有する材料シート112)に適用および/または成形するように使用できる1つまたは複数の回転部材120を備えることができる。例えば、回転部材120は、フランジ部108の近くで(例えば、フランジ部108の上でまたはフランジ部108に隣接して)材料112のストリップを成形ツール102の部分へ適用するために利用することができる。
【0039】
図2は、材料供給組立体(例えば、
図1に示されたシステム100の材料供給組立体104)の平面図である。
図2に示されるように、材料供給組立体104は、材料112の供給部を備える。材料供給組立体104は、ツールの上へ供給される材料112の横方向に沿って延びる軸(例えば、材料112のスプールの中心線および/またはツール102(
図1)に送られる材料112のシートの横軸)とツール102の軸(例えば、ツール102の中心線または中心軸)との間の角度を定めるために、枢動機構114を用いて成形ツール102(
図1)に対して枢動することができる。
【0040】
材料供給組立体104の枢動機構114は、材料供給組立体104が隣り合った構造(例えば、成形ツール102(
図1))を移動させる(例えば、平行移動および/または回転させる)ことを可能にし得る。例えば、枢動機構114は、(例えば、床に固定される)1つまたは複数の固定点116と結合することができる枢動機構114の一部を中心として材料供給組立体104を回転させることを可能にしつつ、材料供給組立体104を隣り合った構造(例えば、床)に固定することができる。例えば、枢動機構114は、枢動機構114の一部(例えば、枢動プレート115)を固定点116に選択的に固定するために、固定点116と係合する1つまたは複数のピン122を備えることができる。図示のように、固定点116は、別の構造に対する材料供給組立体104の距離を変化させるために複数の点のトラックを備えることができる。
【0041】
材料供給組立体104は、固定点116に対して材料供給組立体104のフレーム126を移動させるためのアクチュエータ124(例えば、直線アクチュエータ)または他の機構を備えることができる。例えば、アクチュエータ124は、ピン122を介して固定点116に固定される枢動プレート115に対してフレーム126を移動させることができる。
【0042】
図3は、材料供給組立体104の正面等角図を示す。
図2および
図3を参照すると、材料供給組立体104のフレーム126の一部(例えば、例えば材料112の長さに沿って、材料112から外側に突出するプレート128)は、フレーム126を枢動プレート115に取り付ける単一の枢動点130を備えることができる。いくつかの実施形態では、そのような個々の枢動点130は、材料112を保持および配置するフレーム126と枢動プレート115との間で回転運動だけを与えるように枢動プレート115に結合することができる。
【0043】
いくつかの実施形態では、そのような個々の枢動点130は、材料供給組立体104の中心部の近く(例えば、そこに)配置することができる。例えば、枢動点130は、材料供給組立体104および/または材料112の実質的に横方向中心点および/または縦方向中心点に配置され得る。
【0044】
いくつかの実施形態では、材料供給組立体104は、材料112の少なくとも一部を監視するセンサまたはマーカ132(例えば、光学センサ、レーザインジケータ(laser indicator))を備えることができる。例えば、センサ132は、材料112の適切な位置合わせを確実にするおよび/または材料112の直径を監視するために、それが供給部から移動させられる(例えば、スプールに巻かれる)ときに、材料112の側面を監視することができる。
【0045】
いくつかの実施形態では、材料供給組立体104のフレーム126は、材料供給組立体104の回転および再配置を容易にするために、移動可能であり得る。例えば、材料供給組立体104は、フレーム126に結合された1つまたは複数のローラ134を備えることができる。ローラ134、または他の移動可能な特徴は、成形ツール102(
図1)の複数の側部に材料供給組立体104を配置するのを助けることができ、組立体104の両配置がツール102に対する枢動を可能にする。ローラ134または他の移動可能な特徴は、材料供給組立体104が枢動機構114を介して成形ツール102に対して回転することを可能にすることができる。
【0046】
図2を再び参照すると、材料112は、材料112が、例えば横方向に(例えば、材料が材料供給組立体104からツール102位上へ移動させられる方向を横切る方向に)、ツール102(
図1)に対して配置されることを可能にするようにフレーム126に移動可能に取り付けることができる。例えば、材料112は、(例えば、摺動可能なアーム138を介して)レールシステム136に取り付けることができる。アーム138は、1つまたは複数のアクチュエータ140に結合され得る。例えば、各アーム138は、1つのそれぞれのアクチュエータ140(例えば、直線アクチュエータ)に結合され得る。アクチュエータ140は、フレーム126(例えば、および枢動機構114)に対して材料112を移動させるように使用され得る。アクチュエータ140は、変化する横寸法を有する材料112に対応するようにアーム138の1つまたは複数を移動させるように使用され得る。いくつかの実施形態では、アーム138の1つまたは複数は、材料112の分配を制御する機構(例えば、材料112をスプールに巻くおよび材料112をスプールから解くための回転モータ)を含むことができる。
【0047】
いくつかの実施形態では、成形ツールは、材料供給組立体104が材料に張力を加えるようにより小さい速度で材料を回転(例えば、または静止保持)させつつ、選択された速度で回転する。
【0048】
図4は、成形機構(例えば、
図1に示されたシステム100の成形機構118)の等角図である。いくつかの実施形態では、成形機構118は、成形機構118の特徴のうちの1つまたは複数と通信し、これを制御することができる制御システム、プロセッサ、モータなどのうちの1つまたは複数を含むことができる搭載型および/または一体型の制御組立体144を備えることができる。
【0049】
図1および
図4を参照すると、成形機構118は、成形ツール102の真下に配置することができ、材料112が成形ツール102の上に置かれる前、最中、および/または後に材料112を操作する(例えば、押し付ける)ように働くことができる。成形機構118は、1つまたは複数の成形用特徴または部材146(例えば、整列ローラ(aligned roller)148、連続ローラ150、スクイジ、シュー、適合要素(conformable element)、回転部材120、それらの組合せ等)を備えることができ、それらのうちの1つまたは複数は、制御組立体144で制御することができおよび/または制御組立体144と通信することができる。例えば、成形機構118は、実質的に共通の平面または弧内の配置である整列ローラ148を備えることができる。そのような整列ローラ148は、ツール102の実質的に均一な表面および/または比較的最小の表面変化を有する表面に係合するように構成され得る。成形機構118は、材料112の連続的な押し付けを行うようにそれぞれ個々に配置される連続ローラ150を備えることができる。例えば、材料112をツール102の不均一な表面(例えば、フランジ部108)上へ押し付けるために、連続ローラ150は、配置角度が徐々に変化し得る。
【0050】
成形用部材146の各々は、成形機構118に移動可能に取り付けることができる。例えば、成形用部材146は、レール152上で横に移動可能である、および/または1つまたは複数のアクチュエータ154に移動可能に取り付けることができる(例えば、アクチュエータ154は、ツール102の方へ、ツール102から離れるように、および/またはツール102に沿って成形用部材146を半径方向、横方向、および/またはそれらの組合せで移動させることができる)。
【0051】
いくつかの実施形態では、成形機構118は、側部部分(例えば、ツール102の側面部分)上で材料112の1枚または複数枚のシートを適用および/または成形するように使用できる回転部材120を備えることができる。いくつかの実施形態では、回転部材120は、ツール102に対して回転部材120を配置するために、成形機構118上に(例えば、レール156上に)移動可能に取り付けることができ、(例えば、アクチュエータによって)移動させることができる。
【0052】
図5は、いくつかの実施形態では
図1を参照して図示および説明された複合構造106にいくらか類似し得る複合構造または部品200の等角図である。
図5に示されるように、複合構造または部品200、またはその一部は、例えば、環状の構造(例えば、構造200の中央部または本体部202の両端に1つまたは複数の半径方向に延びるまたは上に向いたフランジを備える完全な環状の構造)の少なくとも一部のように、少なくとも部分的に環状の形状を示し得る。例えば、構造200は、1つまたは複数の半径方向に延びるフランジ部(例えば、本体部202の対向した端部に配置された第1のフランジ部204および第2のフランジ部206)を備えることができる。いくつかの実施形態では、構造200は、例えば、フランジ部204、206の近くに配置されたおよび/またはフランジ部204、206の上へ延びる1つまたは複数の補強材料208を備えることができる。
【0053】
上述したように、構造200は、構造200に沿って変化する少なくとも部分的に環状の形状を示し得る。例えば、構造200は、構造200の寸法(例えば、対向したフランジ部204、206間の構造200の長さ)に沿って変化する少なくとも部分的に環状の形状を備えることができる。構造200の寸法変化は、対向したフランジ部204、206(例えば、実質的に円錐台状の形状)間の先細り部分を定めるように本体部202の直径および/または曲率半径の増加(例えば、徐々の増加)を示し得る。いくつかの実施形態では、本体部202の一部(例えば、ほんの一部、全体)は、連続したおよび/または不連続なやり方で構造200の長さに沿って延びることができる先細り部分を備えることができる。
【0054】
図6は、複合構造(例えば、
図1および
図5を参照して図示および説明された複合構造106、200)の一部を定めることができる材料シート300の簡略図である。
図5および
図6を参照すると、材料シート300は、材料シート300に沿って延びる補強繊維を含むことができる。本開示のいくつかの実施形態による材料300のツール102(
図1)への送りは、(例えば、材料300の切断を必要とすることなく、または材料中の他の不連続を形成することなく)材料300をツール102に適合するために繊維302の変位を引き起こし得る。例えば、構造200の形状の変化および/または不連続を補償するために、材料300の隣接した繊維302間の間隔は、増加する(例えば、間隔304と間隔306との間で徐々に増加する)ことができ、および/または減少する(例えば、間隔306と間隔304との間で徐々に減少する)ことができる。そのような構成は、繊維302の方向を横切って材料300を伸張することを伴うことができる。間隔304、306で隣接した繊維302間に延びる材料300は、連続し得る(例えば、何ら実質的に不連続および/または切断なしで繊維302間に延びる材料300)とともに、均一であり得る(例えば、重なり合うことなく厚さなどの実質的に共通の寸法を示す)。
【0055】
いくつかの実施形態では、構造200は、構造200の中央部の少なくとも部分的に先細りの環状の形状からフランジ部204、206(例えば、その半径方向の広がり)の上へ延びる1つまたは複数の連続した材料のプライ300を備えることができる。そのような実施形態では、繊維302間の間隔は、材料300が増加したまたは増加する寸法(例えば、先細り)を有する構造200の一部にわたって広がるにつれて増加することができる。繊維302間の間隔は、材料300が本体部202からフランジ部204、206上へ、および任意選択でフランジ部204、206の半径方向最大の広がりまで延びるにつれて増加し得る。
【0056】
図7は、(例えば、
図1を参照して上述された成形ツール102に類似し得る)成形ツール402と、(例えば、
図1から
図3を参照して上述された材料供給組立体104に類似し得る)1つまたは複数の材料供給組立体404とを含む複合部品成形システム400の簡略図である。
図7に示されるように、材料供給組立体404は、成形ツール402の一側部に配置され得る。材料供給組立体404は、材料供給組立体404の縦軸L
404が(例えば、成形ツール402の縦軸L
402を非平行で横断してオフセットされるように成形ツール402に対して枢動することができる。例えば、材料供給組立体404の縦軸L
404は、(例えば、縦軸L
402、L
404が成形ツール402と材料供給組立体404の両方と交差する横方向の2次元平面内に見られるときに、成形ツール402の縦軸L
402との鋭角(例えば、±5、10、15、20、25、30、35、40、45度以上、またはそれらの間の変化量)を定めることができる。
【0057】
いくつかの実施形態では、材料供給組立体404は、成形ツール402の別のもの(例えば、対向した側部)に配置されてもよい。いくつかの実施形態では、2つ以上の材料供給組立体404が、成形ツール402の複数の側部に配置されてもよい。
【0058】
いくつかの実施形態では、成形ツール402は、1つまたは複数の他の不連続な特徴(例えば、バンプアウト406、バンプイン408、突起、凹所など)を含むことができる。
【0059】
例示実施形態では、材料供給組立体404から成形ツール402へ材料シートを送ることによって、先細り構造(例えば、構造106、200)は形成され得る。材料シート(例えば、材料114、300)は、シート材料を通じて延びる(例えば、連続して延びる)繊維を含むことができる。繊維は、材料シートの側面に対してオフセット角の向きを有することができる。例えば、繊維は、例えば、15、30、±45、60、75、90度、それ以上またはそれ以下、あるいはそれらの間の変化量で設定され得る。0度で設定された繊維を有するさらなる材料は、異なる配向角で繊維を有する材料のシートが挟み込まれることも可能である。いくつかの実施形態では、繊維は、0度を含む任意の角度で、不連続な繊維(例えば、破断繊維)を含むことができる。
【0060】
材料シートの端部分は、材料供給組立体404から供給され、成形ツール402上に置かれ得る(例えば、成形ツール402に接着され得る)。(例えば、比較的より大きい曲率半径を有する)成形ツール402の比較的より大きい直径の側部部分410にわたって伸張される材料の側部部分に比較的より多くの張力をかけるために、材料が材料供給組立体404から成形ツール402へ送られている間、材料供給組立体404の縦軸L404は、成形ツール402の縦軸L402に鋭角(例えば、約±15度)で配置することができる。例えば、材料供給組立体404の縦軸L404は、成形ツール402の縦軸L402に鋭角(例えば、約±15度)で配置することができ、材料供給組立体404の側部部分412は、成形ツール402の比較的より大きい直径の側部部分410の近くに(例えば、同じ側面上で隣接して)配置される。別のやり方で述べると、材料供給組立体404は、成形ツール402の比較的より大きい直径の側部部分410に向かう方向に角度付けられてもよい。
【0061】
上述したように、(例えば、ツール402に対してある角度でおよび/またはツール402の複数の側部上に)材料供給組立体404を配置することは、ツール402の変化する特徴に対応するために、材料(例えば、材料中の繊維)がツール402に対して所望の角度に向けられることを可能にし得る。例えば、以下に説明されるように、レイアップ中に繊維間の所望の伸張を実現するために、ツール402の比較的より小さい直径に向かう方向に繊維を向けることが望ましいものであり得る。材料供給組立体404を配置する機能は、(例えば、ツール402の比較的より小さい直径に向かう方向に)選択された向きに繊維が延びることをなお可能にしつつ、異なる角度で所望の繊維の積層を実現するために、変化する角度における繊維の使用がツール402の両側部に適用されることを可能にすることができる。
【0062】
いくつかの実施形態では、成形プロセスの開始時に、材料供給組立体404の縦軸L
404は、最初に、成形ツール402の縦軸L
402に実質的に平行に配置することができる。いくつかの実施形態では、成形プロセスの開始時に、材料供給組立体404の縦軸L
404は、最初に、成形ツール402の縦軸L
402に対して鋭角(例えば、約±15度)に配置することができ、材料供給組立体404の別の側部部分414は、成形ツール402の(例えば、比較的より小さい曲率半径を有する)比較的より小さい直径の側部部分416の近くに(例えば、同じ側面上で隣接して)配置される(例えば、材料供給組立体404は、成形ツール402の比較的より小さい直径の側部部分416に向かう方向に角度付けられ得る)。そのような実施形態のどちらでも、材料供給組立体404は、材料が成形ツール402上へスプール巻きされるときに移動させる(例えば、徐々に枢動させる)ことができ、(例えば、材料の約半分から4分の1が成形ツール402上へスプール巻きされた後に)
図7に示される位置へ最終的に移動することができ、材料供給組立体404は、成形ツール402の比較的より大きい直径の側部部分410に向かう方向に角度付けることができる。
【0063】
いくつかの実施形態では、上述されたような材料供給組立体404の中央に取り付けられた枢動特徴は、成形ツール402の別の側部から比較的さらに離れるように材料供給組立体404の別の側部部分414を移動させつつ、成形ツール402の側部の比較的より近くに材料供給組立体404の側部部分412を移動させるために(逆も同じ)、材料供給組立体404が徐々に枢動することを可能にすることができる。
【0064】
いくつかの実施形態では、材料中の繊維の角度(例えば、
図6の繊維305を参照)は、繊維が成形ツール402の比較的より小さい直径の側部部分416に向かう方向に(例えば、材料の長さに沿って)延びるように向けられる。言い換えれば、繊維は、材料の幅にわたっておよび成形ツール402の比較的より小さい直径の側部部分416へもしくはそれに向かって材料供給組立体404の側部部分412から延びることができる。
【0065】
いくつかの実施形態では、成形ツール402に対して材料供給組立体404を配置することにより、材料のネッキングする量を減少させ、および/または成形ツール402の比較的より小さい直径の側部部分416で受ける材料のたるみの量を減少させることができる。例えば、成形ツール402から材料供給組立体404の距離の減少により、材料は成形ツール402の比較的より大きい直径の側部部分410にロックされた繊維になり、成形ツール402の比較的より小さい直径の側部部分416で自由になることが観察されている。成形ツール402と材料供給組立体404との間の距離を増加させることによって、たるみの量および/または繊維のロックを減少させるが、材料幅のネッキングまたは狭窄を増加させることがさらに観察されている。材料供給組立体404から成形ツール402へ延びる繊維の張力によって支持されない材料の接触幅が約0%から50%(例えば、材料の繊維の角度に応じて10%から30%、20%)になることで小さい直径の側部部分でたるみが予期されるネッキングが比較的減少するように、成形ツール402に対して材料供給組立体404を配置する。
【0066】
いくつかの実施形態では、成形ツール402にある角度で材料供給組立体404を向けることにより、材料のネッキングの量をさらに減少させ、および/または成形ツール402の比較的より小さい直径の側部部分416で発生する材料のたるみの量を減少させることができる。次いで、例えば、材料のプライの開始時の成形ツール402の比較的より小さい直径の側部部分416に残っているたるみの少なくとも一部は、材料供給組立体404を枢動させることによって減少または除去することができる。いくつかの実施形態では、材料が最初に成形ツール402の上へ供給されるときに材料供給組立体404を徐々に枢動させることによって、材料のたるみを減少または除去することができる。選択量の材料が巻き戻された後。材料供給組立体404は、成形ツール402のフル回転が行われるまで一定の角度でほぼ静的なままとなり得る。上述されたように、枢動点は、材料供給組立体404の下方に中央が置かれ得る。いくつかの実施形態では、中央に置かれた枢動点により、材料の中央に置かれたスプールで引っ張るときに、材料供給組立体404が実質的に「自己調整(self-governing)」することを可能になり得る。やはり上述したように、材料供給組立体404の自動化および制御は、(例えば、プログラムされた制御システムの制御によって)材料供給組立体404を少なくとも部分的に枢動させるように働くことができる。例えば、材料供給組立体104の枢動は、アクチュエータによって調整され得る。
【0067】
実施された場合、徐々の枢動は、成形ツール402の比較的より大きい直径の側部部分410が、成形ツール402の比較的より大きい直径の側部部分410に不必要なたるみを生じさせることなく、材料を巻き取ることを可能にすることができる。
【0068】
いくつかの実施形態では、材料は、所望の長さを有する所望の繊維の角度向きを実現するために、一緒に切断およびスライスされる供給原材料で構成され得る。典型的には、繊維の原料供給ロールが、0度の向きで供給されることにより与えられる。しかしながら、0度のプライ材料、またはさらには90度のプライ材料を幾何学的形状の変化を有する構造へ適用することは、難しい場合があり、または不可能でさえある場合があり、プライのダーティングまたは他の切断をしばしば必要とする。いくつかの実施形態では、材料のプライロールは、ダーティングを必要としない所望の向きに原料ロールから作製される。例えば、材料のフラグ(flag)は、所望の繊維向きを有するように供給部ロールからパターン切断することができる。次いで、所望の繊維向きを有するパターン切断されたフラグは、裏張り材料に一緒に接合される。そのようなフラグは、端部が重なり合った状態、バットスプライス式、または離間状態で並べられ得る。
【0069】
いくつかの実施形態では、材料は、成形ツール402の寸法(例えば、例えばフランジ部を含む、成形ツール402の縦軸L402に沿った成形ツール402の寸法全体)に実質的に適合するように選択することができる。そのような実施形態では、材料は、成形ツール402のフランジ縁からフランジ縁まで連続し得る。
【0070】
所望の量の材料がツール402に送られた後、結果として生じる構造が、従来の処理技法(例えば、バギング(bagging)および硬化プロセス)によってさらに処理され得る。例えば、構造は、選択の熱および/または圧力の下で、加熱プロセス(例えば、オートクレーププロセス、キルンプロセス、浸透プロセスなど)中に硬化することができる。部品が硬化されると、成形された複合構造は、ツール402からから除去され得る。
【0071】
いくつかの実施形態では、複合構造は、一度に1プライずつツール上で成形されるプライ層によって作り出される。いくつかの実施形態では、交互の繊維向きを有する材料のプライ層が、複合構造を成形するように使用される。
【0072】
本開示の実施形態は、繊維強化複合材料から少なくとも1つの変化する寸法を有する構造(例えば、少なくとも部分的に環状の構造)を製造するための方法およびシステムを提供することができる。少なくとも部分的に自動化されたプロセスおよび関連した機器は、局所位置に部分的なプライを含むそのような堅くされた少なくとも部分的に環状の構造に連続したまたは不連続な材料を成形することを可能にし得る。いくつかの実施形態では、本開示は、材料の連続した包装プロセスがプライごとのローラ圧縮および成形または複数のプライプロセスを用いて全周プライをレイアップすることが可能になり得、複数のプライの個数は、結果として生じる構造におけるプライの合計個数よりも小さい。
【0073】
本開示の実施形態は、典型的にはハンドレイアップで作製された部品の自動製造を可能にする。それは、(例えば、構造の軸長以上の幅を有する)比較的広いフォーマットプリプレグテープ(format pre-preg tape)でそのような構造の製造をやはり可能にする。ハンドレイアップを利用して、これらの構造は、機械的性能が低くかつ費用がよりかかる織物材料で製造されなければならない。本開示の実施形態は、構造の中間デバルキングを必要とせずに、ハンドレイアップよりも比較的少ない費用で、特定の強度特性が強化された部品に関する少なくとも部分的に自動化された製造および生産を可能にする。
【0074】
本開示の実施形態は、少なくとも部分的に自動化されたプロセス中に複合構造を成形する機能を提供するものであり、そのような構造は、変化する断面を有する回転体または部分的な回転体である。そのような構造の例は、フランジまたはフランジを有する幾何学的なバレルを備えた円錐面または円錐台を有する構造を含む。構造は、フランジを有するまたは局所パッド付けされたもしくは傾斜した切頭台など他の幾何学的な不連続および/または歪みを有することができる。そのようなプロセスおよび機器は、部品の幾何学的形状に伸張および変形される複合材料の連続したシートで部品のレイアップを可能にする。これは、ハンドレイアップまたはいくつかの場合では繊維配置によって事前にのみ製造することができる部品の製造を可能にする。プロセスが自動化されるので、プロセスは、ハンドレイアップよりも費用対効果が大きくなり得る。繊維配置の代わりにこのプロセスが使用されるとき、このプロセスはより高速であり、より高価なスリットテープよりもむしろ低コストのプリプレグテープまたは生地が利用される。
【0075】
本開示のいくつかの例示の実施形態が、以下に挙げられる。
実施形態1:少なくとも部分的に自動化されたプロセス中に少なくとも部分的に環状の形状を有する複合構造を成形する方法であって、この方法は、第1の直径に至る少なくとも1プライの材料の第1の部分をツールの成形面に適合させるステップと、第2の直径に至る少なくとも1プライの材料の第2の部分をツールの成形面に適合させるステップであって、第2の直径は第1の直径よりも大きいまたは小さい、適合させるステップと、第1の直径から第2の直径まで徐々に変化する成形面の一部に沿って、少なくとも1プライの材料の第1の部分と第2の部分との間に延びる少なくとも1プライの材料の中央部分を延ばすステップとを含む。
【0076】
実施形態2:環状の形状であって、環状の形状の第1の開口端および環状の形状の第2の開口端を備えた環状の形状を有するように複合構造を成形するステップ;第1の曲率半径を含む第1の直径を有するように第1の開口端を定めるステップ、および第2の曲率半径を含む第2の直径を有するように第2の開口端を定めるステップ;第1の直径から第2の直径まで徐々に変わる(variate)ように中央部分を成形するステップ;材料供給組立体から少なくとも1プライの材料を供給するステップ;またはツールの縦軸に対してある傾斜角で材料供給組立体の横軸を向けるステップのうちの1つまたは複数を含む、実施形態1に記載の方法。
【0077】
実施形態3:複合構造を成形するための機器であって、複合構造を成形するために少なくとも1プライの材料を受け入れるように構成された成形面を有する成形ツールであって、第1の曲率半径を示す断面を有する第1の部分、第2の曲率半径を示す断面を有する第2の部分であって、第2の曲率半径は第1の曲率半径よりも大きいまたは小さい第2の部分、および第1の部分と第2の部分との間に延びる中央部分であって、中央部分の断面は第1の曲率半径から第2の曲率半径まで徐々に変化する中央部分を備える成形ツールと、少なくとも1プライの材料の少なくとも一部を成形ツールの成形面に適合させるように、少なくとも1プライの材料の少なくとも一部に力を加えるように構成された成形機構と、少なくとも1プライの材料の供給部を保持するとともに、成形ツール上へ少なくとも1プライの材料を与えるように構成された材料供給組立体とを備える機器。
【0078】
実施形態4:材料供給組立体は、成形ツールの縦軸に対してある傾斜角で少なくとも1プライの材料の供給部の横軸を配置するように成形ツールに対して枢動するように構成されている;材料供給組立体は、材料のスプールを保持するように構成されており、材料供給組立体は、成形ツールの中心線に対して傾斜角で材料供給組立体上の材料のスプールの中心線を配置するように成形ツールに対して枢動するように構成されている;材料供給組立体は、成形ツールの比較的近くに少なくとも1プライの材料の供給部の一方の側部を配置するように、かつ成形ツールから比較的さらに離れるように少なくとも1プライの材料の供給部の配置された別の対向した側部に対して、成形ツールに対して枢動するように構成されている;材料供給組立体は、隣接した構造に係合するように構成された枢動組立体を備え、枢動組立体は、隣接した構造に固定される枢動組立体の固定部分に対して枢動点を中心にして材料供給組立体のフレームを移動させることによって枢動組立体の枢動点を中心にして材料供給組立体を枢動させるように構成される;枢動組立体は、固定点を有するプレートを備え、固定点は、材料供給組立体と成形ツールとの間の距離を変化させるように構成される;枢動組立体は、単一の枢動点だけを備える;材料供給組立体は、成形ツール上で複合構造の成形中に、成形ツールに対して自動的に枢動するように構成される;成形ツールは、少なくとも部分的に環状の形状を示す;または材料供給組立体は、材料供給組立体と成形ツールとの間隔を横切る方向に成形ツールに対して横に移動するように構成される、以上のうちの1つまたは複数を含む、実施形態3に記載の機器。
【0079】
実施形態5:少なくとも部分的に環状の形状を有する複合構造であって、少なくとも部分的に環状の形状を示すプライ層を備え、プライ層の少なくとも1プライの材料中の繊維が少なくとも1プライの材料の側部に対してずれており、変化する断面を有する少なくとも1プライの材料は、第1の曲率半径を示す断面を有する第1の部分、第2の曲率半径を示す断面を有する第2の部分であって、第2の曲率半径は第1の曲率半径よりも大きいまたは小さい第2の部分、および第1の部分と第2の部分との間に延びる中央部分であって、中央部分の断面は第1の曲率半径から第2の曲率半径まで徐々に変化する中央部分を備えており、少なくとも1プライの材料中の隣接した繊維間の間隔は少なくとも1プライの材料の変化する断面に沿って変化し、変化する間隔で隣接した繊維間に延びる少なくとも1プライの材料の一部は連続的かつ均一である、複合構造。
【0080】
実施形態6:第2の曲率半径は第1の曲率半径よりも大きいまたは小さい;プライ層は、環状の形状を示す;複合構造は、第1の開口端を備える;複合構造は、第2の開口端をさらに備える;複合構造は、環状の形状であって、環状の形状の第1の開口端および環状の形状の第2の開口端を備えた環状の形状を示す;環状の形状の第1の開口端および環状の形状の第2の開口端の1つまたは複数は、フランジを備える;複合構造は、1つまたは複数の補強材料を含む;および少なくとも1プライの材料中の繊維間の間隔は、複合構造の寸法に沿って徐々に増加する、以上のうちの1つまたは複数を含む、実施形態5に記載の複合構造。
【0081】
上述されたおよび添付図面に示された本開示の実施形態は、添付の特許請求の範囲およびその法的な均等物の範囲によって包含される本開示の範囲を限定しない。任意の均等な実施形態は、本開示の範囲内にある。実際には、本開示の様々な変更は、記載された要素の代替の役立つ組合せとしてなど本明細書中で図示および説明されたものに加えて、本明細書から当業者に明らかになろう。そのような変更形態および実施形態も、添付の特許請求の範囲および均等物の範囲内に入る。