(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-02-09
(45)【発行日】2023-02-17
(54)【発明の名称】ローター、モーター、及び圧縮機
(51)【国際特許分類】
H02K 1/276 20220101AFI20230210BHJP
F04B 39/00 20060101ALI20230210BHJP
【FI】
H02K1/276
F04B39/00 106D
(21)【出願番号】P 2020565457
(86)(22)【出願日】2018-11-15
(86)【国際出願番号】 CN2018115714
(87)【国際公開番号】W WO2019242218
(87)【国際公開日】2019-12-26
【審査請求日】2020-11-20
(31)【優先権主張番号】201810637504.2
(32)【優先日】2018-06-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】201810636348.8
(32)【優先日】2018-06-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】516265089
【氏名又は名称】広東美芝制冷設備有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100112656
【氏名又は名称】宮田 英毅
(74)【代理人】
【識別番号】100089118
【氏名又は名称】酒井 宏明
(72)【発明者】
【氏名】徐飛
(72)【発明者】
【氏名】邱小華
(72)【発明者】
【氏名】鄭立宇
【審査官】谿花 正由輝
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2018/062489(WO,A1)
【文献】特開2012-050274(JP,A)
【文献】特開2008-092715(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02K 1/276
F04B 39/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
モーターに用いられるローターであって、
積み重ねられてローターコアを構成する複数の第1パンチングシート及び複数の第2パンチングシートと、
前記複数の第1パンチングシートと前記複数の第2パンチングシートの各々に円周方向に沿って設けられ、前記複数の第1パンチングシートと前記複数の第2パンチングシートをローターヨークと前記ローターヨークの外周を囲むように設けられる複数の極性キャップに区画し、前記ローターコアの軸方向に沿って貫通して複数のスロットを形成する複数の開口部と、
1対1で対応して前記複数のスロットに設けられる複数の磁石と、を含み、
前記複数の第1パンチングシートの各々は、少なくとも1つの接続リブを含み、前記少なくとも1つの接続リブのいずれか1つは、前記複数の極性キャップのうちの隣接する2つの間に設けられ、前記第1パンチングシートの前記複数の開口部は、互いに連通しておらず、前記複数の第2パンチングシートの各々の前記複数の開口部のうちの少なくとも2つは、互いに連通し、
前記複数の第1パンチングシートは、
複数の第1サブパンチングシート及び複数の第2サブパンチングシートを含み、
前記複数の第1サブパンチングシートの各々の前記複数の極性キャップのうちの隣接する2つの間に前記接続リブが設けられ、
前記複数の第2サブパンチングシートの各々の前記複数の極性キャップの各々は、第1極性キャップであり、前記第1極性キャップの一端は、前記接続リブによって隣接する極性キャップに接続され、前記第1極性キャップの他端は、隣接する極性キャップに接続されておらず、
前記第2パンチングシートは、前記第1サブパンチングシートの間に挟まれ、及び/又は
前記第2サブパンチングシートは、前記第1サブパンチングシートの間に挟まれ、及び/又は
前記第2パンチングシートは、前記第2サブパンチングシートの間に挟まれ、
前記第1パンチングシートの前記接続リブの最小径方向厚さはW1であり、
前記複数の第2パンチングシートの各々は、少なくとも1つの接続リブを含み、前記少なくとも1つの接続リブのいずれか1つは、前記複数の極性キャップのうちの隣接する2つの間に設けられ、前記第2パンチングシートの前記接続リブの最小径方向厚さはW2であり、且つ0.2≦W2/W1≦2を満たす、
ローター。
【請求項2】
前記第2パンチングシートの複数の極性キャップのうちの隣接する2つは、互いに接続されていない、請求項1に記載のローター。
【請求項3】
前記ローターコアの軸方向に垂直な平面における前記複数の第2サブパンチングシートの前記接続リブの投影と前記複数の第1サブパンチングシートの前記接続リブの投影は、完全に重なっている、請求項
2に記載のローター。
【請求項4】
前記複数の第1サブパンチングシートの積み重ね厚さは、L1であり、前記複数の第2パンチングシートと前記複数の第2サブパンチングシートの積み重ね厚さとの和は、Lであり、且つ0.0105(L1+L)≦L1≦0.1(L1+L)を満たす、請求項
2に記載のローター。
【請求項5】
前記磁石が径方向に磁化されており、前記複数の第1パンチングシートと前記複数の第2パンチングシートを接続させるように、リベット穴又はかしめ突起は、前記第1パンチングシートと前記第2パンチングシートの前記複数の極性キャップの各々に設けられる、請求項1から請求項
4のいずれか一項に記載のローター。
【請求項6】
前記磁石が接線方向に磁化されており、リベット穴又はかしめ突起は、前記第1パンチングシートと前記第2パンチングシートの前記複数の極性キャップの各々に設けられ、前記リベット穴又は前記かしめ突起は、前記複数の磁石における同じ極性の2つの磁石間に位置する、請求項1から請求項
4のいずれか一項に記載のローター。
【請求項7】
前記磁石は、前記ローターコアの軸方向に沿って延在され、底面が略矩形状の磁石、又は底面がV字型の磁石である、及び/又は
前記磁石は、希土類磁石、フェライト磁石又は希土類とフェライトの混合磁石である、請求項1に記載のローター。
【請求項8】
請求項1から請求項
7のいずれか一項に記載のローターを含む、モーター。
【請求項9】
前記ローターの外側を囲むように設けられるステーター本体をさらに含み、
前記モーターの定格トルクはTであり、前記ステーター本体の内径はDiであり、前記ローターの単位体積あたりのトルクはTPVであり、且つ
5.18×10
-7≦T×Di
-3×TPV
-1≦1.17×10
-6、
5kN・m・m
-3≦TPV≦45kN・m・m
-3を満たし、
定格トルクTの単位はN・mであり、内径Diの単位はmmであり、単位体積あたりのトルクTPVの単位はkN・m・m
-3である、請求項
8に記載のモーター。
【請求項10】
前記ステーター本体は、複数のステーターティースと複数のステータースロットをさらに含み、前記複数のステーターティースは、前記ローターに向かって前記ステーター本体の内側壁に設けられ、前記複数のステータースロットの各々は、前記複数のステーターティースのうちの隣接する2つの間に設けられ、
コイルは、1つの前記ステーターティースを跨いで前記ステータースロットに位置し、
前記ステータースロットの数は、Zであり、前記ローターの極対の数は、Pであり、且つZ/2P=3/2又は6/5又は6/7又は9/8又は9/10を満たす、請求項
9に記載のモーター。
【請求項11】
請求項1から
7のいずれか一項に記載のローター、又は
請求項
8から
10のいずれか一項に記載のモーターを含む、圧縮機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、2018年06月20日に中国特許庁に提出された、出願番号が201810636348.8であり、発明の名称が「ローター、モーター、及び圧縮機」である中国特許出願の優先権、及び2018年06月20日に中国特許庁に提出された、出願番号が201810637504.2であり、発明の名称が「ローター、モーター、及び圧縮機」である中国特許出願の優先権を主張し、その内容の全てを援用することにより本願に取り入れる。
【0002】
本発明は、圧縮機分野に関し、具体的には、ローター、モーター、及び圧縮機に関する。
【背景技術】
【0003】
モーターを使用する既存の回転式DCインバーター圧縮機では、通常、モーターは永久磁石内蔵型モーターを使用する。ローターコアに磁気ブリッジが存在するため、このようなローター構造は、大きな磁気漏れを有する。磁気絶縁ブリッジの幅を狭くすることにより、磁気漏れを低減し、モーター性能を向上させることができるが、磁気絶縁ブリッジの幅が小さすぎる場合、ローターの機械的強度が弱くなり、ローターコアが高速で変形して性能が悪くなる。さらに深刻な状況は、ボアホールスイープが発生し、ステーターとローターが衝突し、圧縮機ポンプ本体がスタックし、モーターがブロックされ、巻線が損傷することになる。したがって、このタイプのモーターは、稼働性能の向上と機械的強度の保証との間に設計上の矛盾がある。
【0004】
従来の永久磁石内蔵モーターの磁石がローターコアの内部に設けられるので、負荷状態では、アーマチュアが強く反応し、特にモーターが弱め界磁状態、さらには短絡状態にあるとき、モーターを消磁させやすくする。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、先行技術又は関連技術における技術的問題の少なくとも1つを解決することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
そのため、本発明の第1態様は、ローターを提供する。
【0007】
本発明の第2態様は、ローターを提供する。
【0008】
本発明の第3態様は、ローターを提供する。
【0009】
本発明の第4態様は、モーターを提供する。
【0010】
本発明の第5態様は、圧縮機を提供する。
【0011】
これに鑑みて、本発明の第1態様によれば、モーターに用いられるローターを提供し、前記ローターは、積み重ねられてローターコアを構成する複数の第1パンチングシート及び複数の第2パンチングシートと、複数の第1パンチングシートと複数の第2パンチングシートの各々に円周方向に沿って設けられ、複数の第1パンチングシートと複数の第2パンチングシートをローターヨークとローターヨークの外周を囲むように設けられる複数の極性キャップに区画し、ローターコアの軸方向に沿って貫通して複数のスロットを形成する複数の開口部と、1対1で対応して複数のスロットに設けられる複数の磁石と、を含み、複数の第1パンチングシートの各々は、少なくとも1つの接続リブを含み、少なくとも1つの接続リブのいずれか1つは、複数の極性キャップのうちの隣接する2つの間に設けられ、複数の第2パンチングシートの各々の複数の開口部のうちの少なくとも2つは、互いに連通している。
【0012】
本発明の第2態様によれば、モーターに用いられるローターを提供し、前記ローターは、積み重ねられてローターコアを構成する複数の第1パンチングシート及び複数の第2パンチングシートと、複数の第1パンチングシートと複数の第2パンチングシートの各々に円周方向に沿って設けられ、複数の第1パンチングシートと複数の第2パンチングシートをローターヨークとローターヨークの外周を囲むように設けられる複数の極性キャップに区画し、ローターコアの軸方向に沿って貫通して複数のスロットを形成する複数の開口部と、1対1で対応して複数のスロットに設けられる複数の磁石と、を含み、複数の第1パンチングシートの各々は、少なくとも1つの接続リブを含み、少なくとも1つの接続リブのいずれか1つは、複数の極性キャップのうちの隣接する2つの間に設けられ、第1パンチングシートの複数の開口部は、互いに連通しておらず、複数の第2パンチングシートの各々の複数の開口部のうちの少なくとも2つは、互いに連通している。
【0013】
本発明にて提供されるローターは、複数の第1パンチングシート、複数の第2パンチングシート、複数の開口部、及び複数の磁石を含み、複数の第1パンチングシートと複数の第2パンチングシートが積み重ねられてローターコアを構成し、複数の開口部は、複数の第1パンチングシートと複数の第2パンチングシートの各々に円周方向に沿って設けられ、第1パンチングシートと第2パンチングシートをローターヨークとローターヨークの外周を囲むように設けられる複数の極性キャップに区画し、ローターコアの軸方向に沿って貫通して複数のスロットを形成し、複数の磁石は、1対1で対応して複数のスロットに設けられる。好ましくは、磁石はシート状又は円弧形状であり、磁石はスロットに嵌合され、複数の第1パンチングシートの各々は、少なくとも1つの接続リブを含み、少なくとも1つの接続リブのいずれか1つは、複数の極性キャップのうちの隣接する2つの間に設けられる。好ましくは、接続リブは、ローターヨークに接続され、且つ第1パンチングシートの複数の開口部は、互いに連通されておらず、複数の第2パンチングシートの各々の複数の開口部のうちの少なくとも2つは、互いに連通している。また、複数の磁石における異なる極性の磁石は、交互に開口部に設けられる。本発明にて提供される接続リブを有する第1パンチングシートの機械的強度は高く、さらにローターコアが高速回転過程で変形してモーター性能に影響を与えることが回避され、各第2パンチングシートの複数の開口部のうちの少なくとも2つを連通させることにより、さらに異なる極性の磁石が互いに連通する開口部により連通され、ローターの磁気漏れを効果的に低減し、エアギャップ磁気密度の振幅を向上させ、銅損を低減し、モーターの性能を向上させる。
【0014】
また、本発明に係る上記技術的手段のローターは、さらに以下のような付加的な技術的特徴を有してもよい。
【0015】
上記技術的手段において、好ましくは、第1パンチングシートの接続リブの最小径方向厚さはW1であり、複数の第2パンチングシートの各々は、少なくとも1つの接続リブを含み、少なくとも1つの接続リブのいずれか1つは、複数の極性キャップのうちの隣接する2つの間に設けられ、第2パンチングシートの接続リブの最小径方向厚さはW2であり、且つ0.2≦W2/W1≦2を満たす。
【0016】
当該技術的手段において、第1パンチングシートの接続リブの最小径方向厚さはW1であり、第2パンチングシートの各々は、少なくとも1つの接続リブを含み、少なくとも1つの接続リブのいずれか1つは、複数の極性キャップのうちの隣接する2つの間に設けられ、第2パンチングシートの接続リブの最小径方向厚さはW2であり、0.2≦W2/W1≦2を限定することにより、良好なモーター稼働性能を前提としてローターコアの機械的強度を保証し、ローターコアが高速回転過程で変形することを防止する。好ましくは、W2/W1=0.6であり、この時、逆起電力が高く、モーターの効率の向上効果がよく、コストがある程度削減され、機械的強度がよい。W2/W1<0.2の場合、ローターコアの機械的強度が低く、変形しやすく、モーターの信頼性が悪くなる。W2/W1>2の場合、逆起電力の効果が明らかではなく、モーターの効率の向上が明らかではない。
【0017】
上記何れかの技術的手段において、好ましくは、第2パンチングシートの複数の極性キャップのうちの隣接する2つは、互いに接続されていない。
【0018】
当該技術的手段において、第2パンチングシートの複数の極性キャップのうちの隣接する2つは、互いに接続されておらず、即ち、第2パンチングシートは、接続リブを有さず、ローターコアの軸方向の磁気ブリッジの一部を効果的に除去し、アーマチュア反応の作用強度を低下させ、モーターの消磁防止能力を効果的に向上し、異なる構造の第1パンチングシートと第2パンチングシートを使用することにより、ローターの磁気漏れを効果的に低減し、エアギャップ磁気密度の振幅を向上させ、銅損を低減し、モーターの性能を向上させることができる。
【0019】
本発明の第3態様によれば、モーターに用いられるローターを提供し、前記モーターは、積み重ねられてローターコアを構成する複数の第1パンチングシート及び複数の第2パンチングシートと、複数の第1パンチングシートと複数の第2パンチングシートの各々に円周方向に沿って設けられ、第1パンチングシートと第2パンチングシートをローターヨークとローターヨークの外周を囲むように設けられる複数の極性キャップに区画し、ローターコアの軸方向に沿って貫通して複数のスロットを形成する複数の開口部と、1対1で対応して複数のスロットに設けられる複数の磁石とを含み、複数の第1パンチングシートの各々は、少なくとも1つの接続リブを含み、少なくとも1つの接続リブのいずれか1つは、複数の極性キャップのうちの隣接する2つの間に設けられ、第2パンチングシートの複数の極性キャップのうちの隣接する2つは、互いに接続されていない。
【0020】
本発明にて提供されるローターは、複数の第1パンチングシート、複数の第2パンチングシート、複数の開口部、及び複数の磁石を含み、複数の第1パンチングシートと複数の第2パンチングシートが積み重ねられてローターコアを構成し、複数の開口部は、複数の第1パンチングシートと複数の第2パンチングシートの各々に円周方向に沿って設けられ、第1パンチングシートと第2パンチングシートをローターヨークとローターヨークの外周を囲むように設けられる複数の極性キャップに区画し、ローターコアの軸方向に沿って貫通して複数のスロットを形成し、複数の磁石は、1対1で対応して複数のスロットに設けられる。好ましくは、磁石はシート状又は円弧形状であり、磁石はスロットに嵌合され、複数の第1パンチングシートの各々は、少なくとも1つの接続リブを含み、少なくとも1つの接続リブのいずれか1つは、複数の極性キャップのうちの隣接する2つの間に設けられる。好ましくは、接続リブは、ローターヨークに接続され、第2パンチングシートの複数の極性キャップのうちの隣接する2つは、互いに接続されていない。本発明のローターコアは、少なくとも1つの接続リブを含む第1パンチングシートと接続リブを有さない第2パンチングシートが積み重ねられて形成され、接続リブは第1パンチングシートの機械的強度を保証することができ、ローターコアが高速回転過程で変形してモーター性能に影響を与えることが回避され、第2パンチングシートの複数の極性キャップのうちの隣接する2つは、互いに接続されていないので、即ち、第2パンチングシートは接続リブを有さないことにより、ローターコアの軸方向の磁気ブリッジの一部を効果的に除去し、アーマチュア反応の作用強度を低下させ、モーターの消磁防止能力を効果的に向上させることができる。本発明は、異なる構造の第1パンチングシートと第2パンチングシートを使用することにより、ローターの磁気漏れを効果的に低減し、エアギャップ磁気密度の振幅を向上させ、銅損を低減し、モーターの性能を向上させる。
【0021】
上記何れかの技術的手段において、好ましくは、複数の第1パンチングシートは、複数の第1サブパンチングシート及び複数の第2サブパンチングシートを含み、複数の第1サブパンチングシートの各々の複数の極性キャップのうちの隣接する2つの間に接続リブが設けられ、複数の第2サブパンチングシートの各々の複数の極性キャップの各々は、第1極性キャップであり、第1極性キャップの一端は、接続リブによって隣接する極性キャップに接続され、第1極性キャップの他端は、隣接する極性キャップに接続されておらず、第2パンチングシートは、第1サブパンチングシートの間に挟まれる、及び/又は第2サブパンチングシートは、第1サブパンチングシートの間に挟まれる、及び/又は第2パンチングシートは、第2サブパンチングシートの間に挟まれる。
【0022】
当該技術的手段において、複数の第1パンチングシートは、複数の第1サブパンチングシート及び複数の第2サブパンチングシートを含み、複数の第1サブパンチングシートの各々の複数の極性キャップのうちの隣接する2つの間に接続リブが設けられ、即ち、第1サブパンチングシートの2つの極性キャップ間は、いずれも接続リブによって接続され、第1パンチングシートの機械的強度をさらに保証し、ローターコアが高速回転過程で変形してモーター性能に影響を与えることが回避される。また、複数の第2サブパンチングシートの各々の複数の極性キャップの各々は、第1極性キャップであり、第1極性キャップの一端は、接続リブにより隣接する極性キャップに接続され、第1極性キャップの他端は、隣接する極性キャップに接続されておらず、即ち、第2サブパンチングシートには、間隔を置いて接続リブが設けられ、極性キャップの一部は、接続リブにより接続され、極性キャップの他の部分は、互いに接続されていない。従って、第2サブパンチングシートは、接続リブの作用により自体の機械的強度を保証し、ローターコアが高速回転過程で変形してモーター性能に影響を与えることが回避される一方、第2サブパンチングシートの極性キャップの一部が互いに接続されていないので、ローターコアの軸方向の磁気ブリッジの一部を効果的に除去し、アーマチュア反応の作用強度を低下させ、モーターの消磁防止能力を効果的に向上する。また、第2パンチングシートは、第1サブパンチングシートの間に挟まれる、及び/又は第2サブパンチングシートは、第1サブパンチングシートの間に挟まれる、及び/又は第2パンチングシートは、第2サブパンチングシートの間に挟まれる。即ち、ローターコアは、異なる構造の第1サブパンチングシート、第2サブパンチングシート、第2パンチングシートが積み重ねられて形成され、且つ第1サブパンチングシート、第2サブパンチングシート、第2パンチングシートの積み重ね方式は、様々であり、さらにローターの磁気漏れを効果的に低減し、エアギャップ磁気密度の振幅を向上させ、銅損を低減し、モーターの性能を向上させる。
【0023】
上記何れかの技術的手段において、好ましくは、ローターコアの軸方向に垂直な平面における複数の第2サブパンチングシートの接続リブの投影と複数の第1サブパンチングシートの接続リブの投影は、完全に重なっている。
【0024】
当該技術的手段において、ローターコアの軸方向に垂直な平面における複数の第2サブパンチングシートの接続リブの投影と複数の第1サブパンチングシートの接続リブの投影は、完全に重なっている。複数の第2サブパンチングシートは、第1類の第2サブパンチングシートと第2類の第2サブパンチングシートを含み、ローターコアの軸方向に垂直な平面における第1類の第2サブパンチングシートの接続リブの投影と第2類の第2サブパンチングシートの接続リブの投影との和と、ローターコアの軸方向に垂直な平面における第1サブパンチングシートの接続リブの投影とは、完全に重なっている。即ち、第1類の第2サブパンチングシートと第2類の第2サブパンチングシートが互い違いに積み重ねられ、第1類の第2サブパンチングシートの接続リブは、第2類の第2サブパンチングシートにおける接続リブを有さない領域に対応して積み重ねられる。また、第2パンチングシートは、第1サブパンチングシートの間に挟まれる、及び/又は第1類の第2サブパンチングシートは、第1サブパンチングシートの間に挟まれる、及び/又は第2類の第2サブパンチングシートは、第1サブパンチングシートの間に挟まれる、及び/又は第2パンチングシートは、第1類の第2サブパンチングシートの間に挟まれる、及び/又は第2パンチングシートは、第2類の第2サブパンチングシートの間に挟まれる。ローターコアは、異なる構造の第1サブパンチングシート、第1類の第2サブパンチングシート、第2類の第2サブパンチングシート、第2パンチングシートが積み重ねられて形成され、且つ第1サブパンチングシート、第1類の第2サブパンチングシート、第2類の第2サブパンチングシート、第2パンチングシートの積み重ね方式は、様々であり、さらにローターの磁気漏れを効果的に低減し、エアギャップ磁気密度の振幅を向上させ、銅損を低減し、モーターの性能を向上させる。
【0025】
上記何れかの技術的手段において、好ましくは、複数の第1サブパンチングシートの積み重ね厚さは、L1であり、複数の第2パンチングシートと複数の第2サブパンチングシートの積み重ね厚さとの和は、Lであり、且つ0.0105(L1+L)≦L1≦0.1(L1+L)を満たす。
【0026】
当該技術的手段において、複数の第1サブパンチングシートの積み重ね厚さは、L1であり、複数の第2パンチングシートと複数の第2サブパンチングシートの積み重ね厚さとの和は、Lであり、且つ0.0105(L1+L)≦L1≦0.1(L1+L)を満たす。複数の第1サブパンチングシートの積み重ね厚さと、第2パンチングシート、第2サブパンチングシートの積み重ね厚さとの和を限定することにより、ローターの磁気漏れをさらに低下させ、エアギャップ磁気密度の振幅を向上させ、銅損を低減し、モーターの性能を向上させる。また、第2パンチングシートの複数の極性キャップのうちの隣接する2つは、互いに接続されていないので、第2パンチングシートは、アーマチュア反応の作用強度を効果的に低減させ、モーターの消磁防止能力をさらに向上させる。
【0027】
上記何れかの技術的手段において、好ましくは、磁石が径方向に磁化された磁石である場合、複数の第1パンチングシートと複数の第2パンチングシートを接続させるように、リベット穴又はかしめ突起は、第1パンチングシートと第2パンチングシートの複数の極性キャップの各々に設けられる。
【0028】
当該技術的手段において、磁石が径方向の磁化方式を使用する時、リベット穴又はかしめ突起は、第1パンチングシートと第2パンチングシートの複数の極性キャップの各々に設けられ、複数の第1パンチングシートと複数の第2パンチングシートは、各極性キャップに設けられるかしめ突起により接続することもでき、又は複数の第1パンチングシートと複数の第2パンチングシートの1つの極性キャップのリベット穴ごとにリベットを打ち込んで、複数の第1パンチングシートと複数の第2パンチングシートを接続させる。勿論、複数の第1パンチングシートと複数の第2パンチングシートは、他の固定構造を用いて接続することもでき、本発明の設計概念から逸脱しない限り、すべてが本発明の保護範囲に属する。
【0029】
上記何れかの技術的手段において、好ましくは、磁石が接線方向に磁化された磁石である場合、リベット穴又はかしめ突起は、第1パンチングシートと第2パンチングシートの複数の極性キャップの各々に設けられ、リベット穴又はかしめ突起が、複数の磁石における同じ極性の2つの磁石間に位置する。
【0030】
当該技術的手段において、磁石が接線方向の磁化方式を使用する時、リベット穴又はかしめ突起は、第1パンチングシートと第2パンチングシートの複数の極性キャップの各々に設けられ、且つリベット穴又はかしめ突起は、複数の磁石における同じ極性の2つの磁石間に位置し、複数の第1パンチングシートと複数の第2パンチングシートは、各極性キャップに設けられるかしめ突起により接続することもでき、又は複数の第1パンチングシートと複数の第2パンチングシートの1つの極性キャップのリベット穴ごとにリベットを打ち込んで、複数の第1パンチングシートと複数の第2パンチングシートを接続させる。勿論、複数の第1パンチングシートと複数の第2パンチングシートは、他の固定構造を用いて接続することもでき、本発明の設計概念から逸脱しない限り、すべてが本発明の保護範囲に属する。
【0031】
上記何れかの技術的手段において、好ましくは、リベット穴は、円形、三角形、六角形である、及び/又はかしめ突起の形状は、長方形又は円形である。
【0032】
当該技術的手段において、リベット穴は、円形、三角形、六角形又は他の形状である、及び/又はかしめ突起の形状は、長方形、円形又は他の形状であり、実際のニーズに応じて極性キャップに設置することもでき、第1パンチングシートと第2パンチングシート間の取り付けと接続の柔軟性を効果的に向上する。
【0033】
上記何れかの技術的手段において、好ましくは、磁石は、直線型の磁石、又はV字型の磁石である、及び/又は磁石は、希土類磁石、フェライト磁石又は希土類とフェライトの混合磁石である。
【0034】
当該技術的手段において、磁石は、直線型の磁石、V字型の磁石又は他の形状の磁石であり、具体的には、磁石は、径方向と接線方向の方式の混合構造であってもよく、スロットが磁石と嵌合される、及び/又は磁石は、希土類磁石、フェライト磁石又は希土類とフェライトの混合磁石であり、磁石は、他の形状であってもよく、磁石は、他の材料により調製されてもよく、本発明の設計概念を満たす限り、本発明の保護範囲に含まれる。
【0035】
本発明の第4態様によれば、上記何れかの技術的手段に記載のローターを含むモーターを提供するため、上記ローターの全ての有益な技術的効果を有し、ここでは説明を繰り返さない。
【0036】
上記何れかの技術的手段において、好ましくは、モーターは、ローターの外側を囲むように設けられるステーター本体をさらに含み、モーターの定格トルクはTであり、ステーター本体の内径はDiであり、ローターの単位体積あたりのトルクはTPVであり、且つ5.18×10-7≦T×Di-3×TPV-1≦1.17×10-6、5kN・m・m-3≦TPV≦45kN・m・m-3を満たし、定格トルクTの単位はN・mであり、内径Diの単位はmmであり、単位体積あたりのトルクTPVの単位はkN・m・m-3である。
【0037】
当該技術的手段において、モーターは、ステーター本体をさらに含み、ステーター本体は、ローターの外側を囲むように設けられ、モーターの定格トルクはTであり、ステーター本体の内径はDiであり、ローターの単位体積あたりのトルクはTPVであり、且つ5.18×10-7≦T×Di-3×TPV-1≦1.17×10-6を満たし、単位体積あたりのトルクTPVの値の範囲は、5kN・m・m-3≦TPV≦45kN・m・m-3である。モーターの定格トルクT、ステーター本体の内径Di、ローターの単位体積あたりのトルクTPVの組み合わせ変数の値の範囲を限定することにより、該モーターが圧縮機の動力需要を満たすことができるようになり、また、該ローターを使用するモーターや圧縮機においても、ローターの磁気漏れを効果的に低減し、永久磁石の利用率を増加させ、モーターの効率を向上させる。
【0038】
上記技術的手段において、好ましくは、ステーター本体は、複数のステーターティースと複数のステータースロットをさらに含み、複数のステーターティースは、ローターに向かってステーター本体の内側壁に設けられ、複数のステータースロットの各々は、複数のステーターティースのうちの隣接する2つの間に設けられ、コイルは、1つのステーターティースを跨いでステータースロットに位置し、ステータースロットの数は、Zであり、ローターの極対の数は、Pであり、且つZ/2P=3/2又は6/5又は6/7又は9/8又は9/10を満たす。
【0039】
当該技術的手段において、ステーター本体は、複数のステーターティースと複数のステータースロットをさらに含み、複数のステーターティースは、ローターに向かってステーター本体の内側壁に設けられ、且つ複数のステータースロットの各々は、複数のステーターティースのうちの隣接する2つの間に設けられ、1つのコイルがステーターティースを跨ぐ数は1つである時、即ち、コイルが1つのステーターティースを跨いでステータースロットに位置し、ステータースロットの数Zとローターの極対の数Pの比例関係を限定し、さらにモーターの極溝嵌合を限定し、ここで、ローターの極対の数がPである時、ローターの極数は2Pであり、即ち、モーターは、6極9溝モーター、4極6溝モーター、8極12溝モーター、10極9溝モーター、10極12溝モーター、8極9溝モーターであってもよく、上記のタイプのモーターは、ローターの磁気漏れを効果的に低減することができ、磁束を向上させ、モーターの効率を向上することに寄与する。
【0040】
本発明の第5態様によれば、上記何れかの技術的手段に記載のローター又はモーターを含む圧縮機を提供するため、上記ローター又は上記モーターの全ての有益な技術的効果を有し、ここでは説明を繰り返さない。
【0041】
本発明のほかの態様及び利点は、以下の説明によって明確になり、又は本発明を実施することで理解できる。
【0042】
本願の上記及び/又はほかの態様及び利点は、以下の図面を参照した実施例の説明から明確になり、容易に理解することができる。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【
図1】
図1は、本発明の一実施例に係るローターのローターコアの構造概念図を示す。
【
図2】
図2は、本発明の一実施例に係るローターの第1パンチングシートの構造概念図を示す。
【
図3】
図3は、
図2に示す本発明の一実施例に係る第1パンチングシートのAでの部分拡大図を示す。
【
図4】
図4は、本発明のほかの実施例に係るローターの第1パンチングシートの構造概念図を示す。
【
図5】
図5は、本発明のさらなるほかの実施例に係るローターの第1パンチングシートの構造概念図を示す。
【
図6】
図6は、本発明の一実施例に係るローターの第2パンチングシートの構造概念図を示す。
【
図7】
図7は、
図6に示す本発明の一実施例に係る第2パンチングシートのBでの部分拡大図を示す。
【
図8】
図8は、本発明のほかの実施例に係るローターの第2パンチングシートの構造概念図を示す。
【
図9】
図9は、本発明のさらなるほかの実施例に係るローターの第2パンチングシートの構造概念図を示す。
【
図10】
図10は、本発明のさらなるほかの実施例に係るローターの第2パンチングシートの構造概念図を示す。
【
図11】
図11は、本発明のさらなるほかの実施例に係るローターの第2パンチングシートの構造概念図を示す。
【
図12】
図12は、本発明のさらなるほかの実施例に係るローターの第2パンチングシートの構造概念図を示す。
【
図13】
図13は、本発明のさらなるほかの実施例に係るローターの第2パンチングシートの構造概念図を示す。
【
図14】
図14は、本発明のさらなるほかの実施例に係るローターの第2パンチングシートの構造概念図を示す。
【
図15】
図15は、本発明のほかの実施例に係るローターのローターコアの構造概念図を示す。
【
図16】
図16は、本発明の一実施例に係るローターの第1サブパンチングシートの構造概念図を示す。
【
図17】
図17は、本発明のほかの実施例に係るローターの第1サブパンチングシートの構造概念図を示す。
【
図18】
図18は、本発明のさらなるほかの実施例に係るローターの第1サブパンチングシートの構造概念図を示す。
【
図19】
図19は、本発明のさらなるほかの実施例に係るローターの第1サブパンチングシートの構造概念図を示す。
【
図20】
図20は、本発明のさらなるほかの実施例に係るローターの第1サブパンチングシートの構造概念図を示す。
【
図21】
図21は、本発明の一実施例に係るローターの第2パンチングシートの構造概念図を示す。
【
図22】
図22は、本発明のほかの実施例に係るローターの第2パンチングシートの構造概念図を示す。
【
図23】
図23は、本発明のさらなるほかの実施例に係るローターの第2パンチングシートの構造概念図を示す。
【
図24】
図24は、本発明の一実施例に係るローターの第2サブパンチングシートの構造概念図を示す。
【
図25】
図25は、本発明のほかの実施例に係るローターの第2サブパンチングシートの構造概念図を示す。
【
図26】
図26は、本発明の一実施例に係る圧縮機の構造概念図を示す。
【
図27】
図27は、本発明の一実施例と関連技術における実施例との間の逆起電力の比較図を示す。
【
図28】
図28は、本発明の一実施例と関連技術における実施例との間のコストの比較図を示す。
【
図29】
図29は、本発明の一実施例と関連技術における一実施例との間のモーターの低周波効率の比較図を示す。
【
図30】
図30は、本発明のほかの実施例と関連技術における一実施例との間のモーターの低周波効率との比較図を示す。
【
図31】
図31は、本発明のさらなるほかの実施例と関連技術における一実施例との間のモーターの低周波効率の比較図を示す。
【
図32】
図32は、本発明のさらなるほかの実施例と関連技術における一実施例のモーターの低周波効率の比較図を示す。
【
図33】
図33は、本発明の一実施例と関連技術における実施例との間のコストの比較図を示す。
【
図34】
図34は、本発明の一実施例と関連技術における実施例との間の効果及びコストの比較図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0044】
本発明の上記目的、特徴及び利点をより明確に理解するために、以下では、添付図面及び具体的な実施形態を参照しながら本発明に対してさらに詳細に説明する。
【0045】
以下、
図1から
図26を参照しながら、本発明のいくつかの実施例に係るローター、モーター及び圧縮機を説明する。
【0046】
本発明の第1態様は、モーター2に用いられるローターを提供し、前記ローターは、積み重ねられてローターコア1を構成する複数の第1パンチングシート12及び複数の第2パンチングシート13と、複数の第1パンチングシート12と複数の第2パンチングシート13の各々に円周方向に沿って設けられ、複数の第1パンチングシート12と複数の第2パンチングシート13をローターヨーク15とローターヨーク15の外周を囲むように設けられる複数の極性キャップ16に区画し、ローターコア1の軸方向に沿って貫通して複数のスロット19を形成する複数の開口部14と、1対1で対応して複数のスロット19に設けられる複数の磁石11とを含み、複数の第1パンチングシート12の各々は、少なくとも1つの接続リブ17を含み、少なくとも1つの接続リブ17のいずれか1つが複数の極性キャップ16のうちの隣接する2つの間に設けられ、複数の第2パンチングシート13の各々の複数の開口部14のうちの少なくとも2つは、互いに連通している。
【0047】
図1から
図14に示すように、本発明にて提供されるローターは、複数の第1パンチングシート12、複数の第2パンチングシート13、複数の開口部14、複数の磁石11を含み、複数の第1パンチングシート12と複数の第2パンチングシート13が積み重ねられてローターコア1を構成し、複数の開口部14は、複数の第1パンチングシート12と複数の第2パンチングシート13の各々に円周方向に沿って設けられ、複数の第1パンチングシート12と複数の第2パンチングシート13をローターヨーク15とローターヨーク15の外周を囲むように設けられる複数の極性キャップ16に区画し、ローターコア1の軸方向に沿って貫通して複数のスロット19を形成し、複数の磁石11は、1対1で対応して複数のスロット19に設けられる。好ましくは、磁石11は、シート状又は円弧形状であり、磁石11は、スロット19に嵌合され、複数の第1パンチングシート12の各々は、少なくとも1つの接続リブ17を含み、少なくとも1つの接続リブ17のいずれか1つは、複数の極性キャップ16のうちの隣接する2つの間に設けられる。好ましくは、接続リブ17は、ローターヨーク15に接続され、且つ複数の第2パンチングシート13の各々の複数の開口部14のうちの少なくとも2つは、互いに連通する。また、複数の磁石11における異なる極性の磁石11は、開口部14に交互に設けられる。本発明にて提供される接続リブ17を有する第1パンチングシート12の機械的強度は高く、さらにローターコア1が高速回転過程で変形してモーター2性能に影響を与えることが回避され、各第2パンチングシート13の複数の開口部14のうちの少なくとも2つを連通させることにより、さらに異なる極性の磁石11が互いに連通する開口部14により連通され、ローターの磁気漏れを効果的に低減し、エアギャップ磁気密度の振幅を向上させ、銅損を低減し、モーター2の性能を向上させる。
【0048】
本発明の第2態様は、モーター2に用いられるローターを提供し、前記ローターは、積み重ねられてローターコア1を構成する、複数の第1パンチングシート12及び複数の第2パンチングシート13と、複数の第1パンチングシート12と複数の第2パンチングシート13の各々に円周方向に沿って設けられ、複数の第1パンチングシート12と複数の第2パンチングシート13をローターヨーク15とローターヨーク15の外周を囲むように設けられる複数の極性キャップ16に区画し、ローターコア1の軸方向に沿って貫通して複数のスロット19を形成する複数の開口部14と、1対1で対応して複数のスロット19に設けられる複数の磁石11とを含み、複数の第1パンチングシート12の各々は、少なくとも1つの接続リブ17を含み、少なくとも1つの接続リブ17のいずれか1つは、複数の極性キャップ16のうちの隣接する2つの間に設けられ、第1パンチングシート12の複数の開口部14の間は、互いに連通しておらず、複数の第2パンチングシート13の各々の複数の開口部14のうちの少なくとも2つは、互いに連通している。
【0049】
図1から
図14に示すように、本発明にて提供されるローターは、複数の第1パンチングシート12、複数の第2パンチングシート13、複数の開口部14、複数の磁石11を含み、複数の第1パンチングシート12と複数の第2パンチングシート13が積み重ねられてローターコア1を構成し、複数の開口部14は、複数の第1パンチングシート12と複数の第2パンチングシート13の各々に円周方向に沿って設けられ、複数の第1パンチングシート12と複数の第2パンチングシート13をローターヨーク15とローターヨーク15の外周を囲むように設けられる複数の極性キャップ16に区画し、ローターコア1の軸方向に沿って貫通して複数のスロット19を形成し、複数の磁石11は、1対1で対応して複数のスロット19に設けられる。好ましくは、磁石11は、シート状又は円弧形状であり、磁石11は、スロット19に嵌合され、複数の第1パンチングシート12の各々は、少なくとも1つの接続リブ17を含み、少なくとも1つの接続リブ17の何れか1つが複数の極性キャップ16のうちの隣接する2つの間に設けられる。好ましくは、接続リブ17は、ローターヨーク15に接続され、且つ第1パンチングシート12の複数の開口部14間は、互いに連通されておらず、複数の第2パンチングシート13の各々の複数の開口部14のうちの少なくとも2つは、互いに連通する。また、複数の磁石11における異なる極性の磁石11は、交互に開口部14に設けられる。
本発明にて提供される接続リブ17を有する第1パンチングシート12の機械的強度は高く、さらにローターコア1が高速回転過程で変形してモーター2性能に影響を与えることが回避され、各第2パンチングシート13の複数の開口部14のうちの少なくとも2つを連通させることにより、さらに異なる極性の磁石11が互いに連通する開口部14により連通され、ローターの磁気漏れを効果的に低減し、エアギャップ磁気密度の振幅を向上させ、銅損を低減し、モーター2の性能を向上させる。
【0050】
本発明の一実施例において、好ましくは、第1パンチングシート12の接続リブ17の最小径方向厚さはW1であり、複数の第2パンチングシート13の各々は、少なくとも1つの接続リブ17を含み、少なくとも1つの接続リブ17のいずれか1つは、複数の極性キャップ16のうちの隣接する2つの間に設けられ、第2パンチングシート13の接続リブ17の最小径方向厚さはW2であり、且つ0.2≦W2/W1≦2を満たす。
【0051】
図2及び
図7に示すように、当該実施例において、第1パンチングシート12の接続リブ17の最小径方向厚さはW1であり、複数の第2パンチングシート13の各々は、少なくとも1つの接続リブ17を含み、少なくとも1つの接続リブ17のいずれか1つは、複数の極性キャップ16のうちの隣接する2つの間に設けられ、第2パンチングシート13の接続リブ17の最小径方向厚さはW2であり、0.2≦W2/W1≦2を限定することにより、良好なモーター2稼働性能を前提としてローターコア1の機械的強度を保証し、ローターコア1が高速回転過程で変形することを防止する。好ましくは、W2/W1=0.6であり、この時、逆起電力が高く、モーター2の効率の向上効果がよく、コストがある程度削減され、機械的強度がよい。W2/W1<0.2の場合、ローターコア1の機械的強度が低く、変形しやすく、モーター2の信頼性が悪くなる。W2/W1>2の場合、逆起電力の効果が明らかではなく、モーター2の効率の向上が明らかではない。
【0052】
図29には、すべてが第2パンチングシート13を使用し、且つW2/W1=0.6の場合、本実施例1のモーターの低周波効率は、従来例と比較して0.27増加することを示した。
図30には、すべてが第2パンチングシート13を使用し、磁石11の幅を小さくし、且つW2/W1=0.6の場合、本実施例2のモーターの低周波効率は、従来例と比較して0.3増加することを示した。
図33には、すべてが第2パンチングシート13を使用し、磁石11の幅を小さくし、且つW2/W1=0.6の場合、本実施例2は、モーター2の生産コストを効果的に低減することができることを示した。
図31には、すべてが第2パンチングシート13を使用し、且つW2/W1=1の場合、本実施例3のモーターの低周波効率は、従来例と比較して0.29増加することを示した。
図32には、本実施例4において軸方向の長さの2/3が第2パンチングシート13を使用し、軸方向の長さの1/3が第1パンチングシート12を使用し、且つW2/W1=0.6の場合、本実施例4のモーターの低周波効率は、従来例と比較して0.25増加することを示した。
図34には、本発明の実施例と関連技術の実施例の効率の差及びコストの差の比較図を示した。モーターの効率に大きな影響を与えない条件下で、本発明の実施例の磁石用量は、関連技術の実施例と比較して3.7%から15.9%減少させることができる。本発明の実施例の磁石用量は、関連技術と比較して3.7%減少した時、モーターの効率の差は0.31%であり、コストは1.7元削減することができる。本発明の実施例の磁石用量は、関連技術と比較して4.7%減少した時、モーターの効率の差は0.27%であり、コストは2.1元削減することができる。本発明の実施例の磁石用量は、関連技術と比較して6.5%減少した時、モーターの効率の差は0.24%であり、コストは2.9元削減することができる。本発明の実施例の磁石用量は、関連技術と比較して9.4%減少した時、モーターの効率の差は0.18%であり、コストは4.2元削減することができる。本発明の実施例の磁石用量は、関連技術と比較して15.9%減少した時、モーターの効率には差がなく、コストが7.2元削減することができる。
【0053】
本発明の一実施例において、好ましくは、第2パンチングシート13の複数の極性キャップ16のうちの隣接する2つは、互いに接続されていない。
【0054】
図13及び
図14に示すように、当該実施例において、第2パンチングシート13の複数の極性キャップ16のうちの隣接する2つは、互いに接続されておらず、即ち、第2パンチングシート13は、接続リブ17を有さず、ローターコア1の軸方向の磁気ブリッジの一部を効果的に除去し、アーマチュア反応の作用強度を低下させ、モーター2の消磁防止能力を効果的に向上し、異なる構造の第1パンチングシート12と第2パンチングシート13を使用することにより、ローターの磁気漏れを効果的に低減し、エアギャップ磁気密度の振幅を向上させ、銅損を低減し、モーター2の性能を向上させる。
【0055】
図15から
図23に示すように、本発明の第3態様は、モーター2に用いられるローターを提供し、前記ローターは、積み重ねられてローターコア1を構成する複数の第1パンチングシート12及び複数の第2パンチングシート13と、複数の第1パンチングシート12と複数の第2パンチングシート13の各々に円周方向に沿って設けられ、複数の第1パンチングシート12と複数の第2パンチングシート13をローターヨーク15とローターヨーク15の外周を囲むように設けられる複数の極性キャップ16に区画し、ローターコア1の軸方向に沿って貫通して複数のスロット19を形成する複数の開口部14と、1対1で対応して複数のスロット19に設けられる複数の磁石11とを含み、複数の第1パンチングシート12の各々は、少なくとも1つの接続リブ17を含み、少なくとも1つの接続リブ17のいずれか1つは、複数の極性キャップ16のうちの隣接する2つの間に設けられ、第2パンチングシート13の複数の極性キャップ16のうちの隣接する2つは、互いに接続されていない。
【0056】
本発明にて提供されるローターは、複数の第1パンチングシート12、複数の第2パンチングシート13、複数の開口部14、複数の磁石11を含み、複数の第1パンチングシート12と複数の第2パンチングシート13が積み重ねられてローターコア1を構成し、複数の開口部14は、複数の第1パンチングシート12と複数の第2パンチングシート13の各々に円周方向に沿って設けられ、複数の第1パンチングシート12と複数の第2パンチングシート13をローターヨーク15とローターヨーク15の外周を囲むように設けられる複数の極性キャップ16に区画し、ローターコア1の軸方向に沿って貫通して複数のスロット19を形成し、複数の磁石11は、1対1で対応して複数のスロット19に設けられる。好ましくは、磁石11は、シート状又は円弧形状であり、磁石11は、スロット19に嵌合され、複数の第1パンチングシート12の各々は、少なくとも1つの接続リブ17を含み、少なくとも1つの接続リブ17のいずれか1つは、複数の極性キャップ16のうちの隣接する2つの間に設けられる。好ましくは、接続リブ17は、ローターヨーク15に接続され、第2パンチングシート13の複数の極性キャップ16のうちの隣接する2つは、互いに接続されていない。本発明のローターコア1は、少なくとも1つの接続リブ17を含む第1パンチングシート12と接続リブ17を有さない第2パンチングシート13が積み重ねられて形成され、接続リブ17は第1パンチングシート12の機械的強度を保証することができ、ローターコア1が高速回転過程で変形してモーター2性能に影響を与えることが回避され、第2パンチングシート13の複数の極性キャップ16のうちの隣接する2つは、互いに接続されていないので、即ち、第2パンチングシート13は接続リブ17を有さないので、ローターコア1の軸方向の磁気ブリッジの一部を効果的に除去し、アーマチュア反応の作用強度を低下させ、モーター2の消磁防止能力を効果的に向上し、本発明は、異なる構造の第1パンチングシート12と第2パンチングシート13を使用することにより、ローターの磁気漏れを効果的に低減し、エアギャップ磁気密度の振幅を向上させ、銅損を低減し、モーター2の性能を向上させる。
図27及び
図28に示すように、本発明は、ローターの逆起電力を向上させるとともに、モーター2の生産コストを削減することができる。本発明の一実施例において、好ましくは、複数の第1パンチングシート12は、複数の第1サブパンチングシート122と複数の第2サブパンチングシート124を含み、複数の第1サブパンチングシート122の各々の複数の極性キャップ16のうちの隣接する2つの間には接続リブ17が設けられ、複数の第2サブパンチングシート124の各々の複数の極性キャップ16の各々は、第1極性キャップであり、第1極性キャップの一端は、接続リブ17により隣接する極性キャップ16に接続され、第1極性キャップの他端は、隣接する極性キャップ16に接続されておらず、第2パンチングシート13は、第1サブパンチングシート122の間に挟まれる、及び/又は第2サブパンチングシート124は、第1サブパンチングシート122の間に挟まれる、及び/又は第2パンチングシート13は、第2サブパンチングシート124の間に挟まれる。
【0057】
図2及び
図4、
図16から
図25に示すように、当該実施例において、複数の第1パンチングシート12は、複数の第1サブパンチングシート122と複数の第2サブパンチングシート124を含み、複数の第1サブパンチングシート122の各々の複数の極性キャップ16のうちの隣接する2つの間には接続リブ17が設けられ、即ち、第1サブパンチングシート122の2つの極性キャップ16間は、いずれも接続リブ17によって接続され、さらに第1パンチングシート12の機械的強度を保証し、ローターコア1が高速回転過程で変形してモーター2性能に影響を与えることが回避される。また、複数の第2サブパンチングシート124の各々の複数の極性キャップ16の各々は、第1極性キャップであり、第1極性キャップの一端は、接続リブ17により隣接する極性キャップ16に接続され、第1極性キャップの他端は、隣接する極性キャップ16に接続されておらず、即ち、第2サブパンチングシート124には、間隔を置いて接続リブ17が設けられ、極性キャップ16の一部は、接続リブ17により接続され、極性キャップ16の他の部分は、互いに接続されていない。従って、第2サブパンチングシート124は、接続リブ17の作用により自体の機械的強度を保証し、ローターコア1が高速回転過程で変形してモーター2性能に影響を与えることが回避される一方、第2サブパンチングシート124の極性キャップ16の一部が互いに接続されていないので、ローターコア1の軸方向の磁気ブリッジの一部を効果的に除去し、アーマチュア反応の作用強度を低下させ、モーター2の消磁防止能力を効果的に向上する。また、第2パンチングシート13は、第1サブパンチングシート122の間に挟まれる、及び/又は第2サブパンチングシート124は、第1サブパンチングシート122の間に挟まれる、及び/又は第2パンチングシート13は、第2サブパンチングシート124の間に挟まれる。即ち、ローターコア1は、異なる構造の第1サブパンチングシート122、第2サブパンチングシート124、第2パンチングシート13が積み重ねられて形成され、且つ第1サブパンチングシート122、第2サブパンチングシート124、第2パンチングシート13の積み重ね方式は、様々であり、さらにローターの磁気漏れを効果的に低減し、エアギャップ磁気密度の振幅を向上させ、銅損を低減し、モーター2の性能を向上させる。
【0058】
本発明の一実施例において、好ましくは、ローターコア1の軸方向に垂直な平面における複数の第2サブパンチングシート124の接続リブ17の投影と複数の第1サブパンチングシート122の接続リブ17の投影は、完全に重なっている。
【0059】
当該実施例において、ローターコア1の軸方向に垂直な平面における複数の第2サブパンチングシート124の接続リブ17の投影と複数の第1サブパンチングシート122の接続リブ17の投影は、完全に重なっている。複数の第2サブパンチングシート124は、第1類の第2サブパンチングシートと第2類の第2サブパンチングシートを含み、ローターコア1の軸方向に垂直な平面における第1類の第2サブパンチングシートの接続リブ17の投影と第2類の第2サブパンチングシートの接続リブ17の投影との和と、ローターコア1の軸方向に垂直な平面における第1サブパンチングシート122の接続リブ17の投影とは、完全に重なっている。即ち、第1類の第2サブパンチングシートと第2類の第2サブパンチングシートが互い違いに積み重ねられ、第1類の第2サブパンチングシートの接続リブ17は、第2類の第2サブパンチングシートにおける接続リブ17を有さない領域に対応して積み重ねられる。また、第2パンチングシート13は、第1サブパンチングシート122の間に挟まれる、及び/又は第1類の第2サブパンチングシートは、第1サブパンチングシート122の間に挟まれる、及び/又は第2類の第2サブパンチングシートは、第1サブパンチングシート122の間に挟まれる、及び/又は第2パンチングシート13は、第1類の第2サブパンチングシートの間に挟まれる、及び/又は第2パンチングシート13は、第2類の第2サブパンチングシートの間に挟まれる。ローターコア1は、異なる構造の第1サブパンチングシート122、第1類の第2サブパンチングシート、第2類の第2サブパンチングシート、第2パンチングシート13が積み重ねられて形成され、且つ第1サブパンチングシート122、第1類の第2サブパンチングシート、第2類の第2サブパンチングシート、第2パンチングシート13の積み重ね方式は、様々であり、さらにローターの磁気漏れを効果的に低減し、エアギャップ磁気密度の振幅を向上させ、銅損を低減し、モーター2の性能を向上させる。
【0060】
本発明の一実施例において、好ましくは、複数の第1サブパンチングシート122の積み重ね厚さは、L1であり、複数の第2パンチングシート13と複数の第2サブパンチングシート124の積み重ね厚さとの和は、Lであり、且つ0.0105(L1+L)≦L1≦0.1(L1+L)を満たす。
【0061】
当該実施例において、複数の第1サブパンチングシート122の積み重ね厚さは、L1であり、複数の第2パンチングシート13と複数の第2サブパンチングシート124の積み重ね厚さとの和は、Lであり、且つ0.0105(L1+L)≦L1≦0.1(L1+L)を満たす。複数の第1サブパンチングシート122の積み重ね厚さと、第2パンチングシート13、第2サブパンチングシート124の積み重ね厚さとの和を限定することにより、さらにローターの磁気漏れを低下させ、エアギャップ磁気密度の振幅を向上させ、銅損を低減し、モーター2の性能を向上させる。また、第2パンチングシート13の複数の極性キャップ16のうちの隣接する2つは、互いに接続されていないので、第2パンチングシート13は、アーマチュア反応の作用強度を効果的に低減させ、モーター2の消磁防止能力をさらに向上させる。
【0062】
本発明の一実施例において、好ましくは、磁石11が径方向に磁化された磁石である場合、複数の第1パンチングシート12と複数の第2パンチングシート13を接続させるように、リベット穴184又はかしめ突起182は、第1パンチングシート12と第2パンチングシート13の複数の極性キャップ16の各々に設けられる。
【0063】
図16から
図25に示すように、当該実施例において、磁石11が径方向の磁化方式を使用する場合、リベット穴184又はかしめ突起182は、第1パンチングシート12と第2パンチングシート13の複数の極性キャップ16の各々に設けられ、複数の第1パンチングシート12と複数の第2パンチングシート13は、各極性キャップ16に設けられるかしめ突起182により接続することもでき、又は複数の第1パンチングシート12と複数の第2パンチングシート13の1つの極性キャップ16のリベット穴184ごとにリベットを打ち込んで、複数の第1パンチングシート12と複数の第2パンチングシート13を接続させる。勿論、複数の第1パンチングシート12と複数の第2パンチングシート13は、他の固定構造を用いて接続することもでき、本発明の設計概念から逸脱しない限り、すべてが本発明の保護範囲に属する。
【0064】
本発明の一実施例において、好ましくは、磁石11が接線方向に磁化された磁石である場合、リベット穴184又はかしめ突起182は、第1パンチングシート12と第2パンチングシート13の複数の極性キャップ16の各々に設けられ、リベット穴184又はかしめ突起182が、複数の磁石11における同じ極性の2つの磁石11間に位置する。
【0065】
図2から
図25に示すように、当該実施例において、磁石11が接線方向の磁化方式を使用する場合、リベット穴184又はかしめ突起182は、第1パンチングシート12と第2パンチングシート13の複数の極性キャップ16の各々に設けられ、且つリベット穴184又はかしめ突起182は、複数の磁石11における同じ極性の2つの磁石11間に位置し、複数の第1パンチングシート12と複数の第2パンチングシート13は、各極性キャップ16に設けられるかしめ突起182により接続することもでき、又は複数の第1パンチングシート12と複数の第2パンチングシート13の1つの極性キャップ16のリベット穴184ごとにリベットを打ち込んで、複数の第1パンチングシート12と複数の第2パンチングシート13を接続させる。勿論、複数の第1パンチングシート12と複数の第2パンチングシート13は、他の固定構造を用いて接続することもでき、本発明の設計概念から逸脱しない限り、すべてが本発明の保護範囲に属する。
【0066】
本発明の一実施例において、好ましくは、リベット穴184は、円形、三角形、六角形である、及び/又はかしめ突起182の形状は、長方形又は円形である。
【0067】
当該実施例において、リベット穴184は、円形、三角形、六角形又は他の形状である、及び/又はかしめ突起182の形状は、長方形、円形又は他の形状であり、実際のニーズに応じて極性キャップ16を設置することもでき、第1パンチングシート12と第2パンチングシート13間の取り付けと接続の柔軟性を効果的に向上する。
【0068】
本発明の一実施例において、好ましくは、磁石11は、直線型の磁石、又はV字型の磁石である、及び/又は磁石11は、希土類磁石、フェライト磁石又は希土類とフェライトの混合磁石である。
【0069】
図1から
図25に示すように、当該実施例において、磁石11は、直線型の磁石、V字型の磁石又は他の形状の磁石であり、具体的には、磁石11は、径方向と接線方向の方式の混合構造であってもよく、スロット19が磁石11と嵌合される、及び/又は磁石11は、希土類磁石、フェライト磁石又は希土類とフェライトの混合磁石である。なお、磁石11は、他の形状であってもよく、磁石11は、他の材料により調製されてもよく、本発明の設計概念を満たす限り、本発明の保護範囲に含まれる。
【0070】
本発明の第4態様は、上記何れかの技術的手段に記載のローターを含むモーター2を提供するため、上記ローターの全ての有益な技術的効果を有し、ここでは説明を繰り返さない。
【0071】
本発明の一実施例において、モーター2は、ローターの外側を囲むように設けられるステーター本体とをさらに含み、そのうち、モーター2の定格トルクはTであり、ステーター本体の内径はDiであり、ローターの単位体積あたりのトルクはTPVであり、且つ5.18×10-7≦T×Di-3×TPV-1≦1.17×10-6、5kN・m・m-3≦TPV≦45kN・m・m-3を満たし、定格トルクTの単位はN・mであり、内径Diの単位はmmであり、単位体積あたりのトルクTPVの単位はkN・m・m-3である。
【0072】
当該実施例において、モーター2は、ステーター本体をさらに含み、ステーター本体は、ローターの外側を囲むように設けられ、そのうち、モーター2の定格トルクはTであり、ステーター本体の内径はDiであり、ローターの単位体積あたりのトルクはTPVであり、且つ5.18×10-7≦T×Di-3×TPV-1≦1.17×10-6を満たし、単位体積あたりのトルクTPVの値の範囲は、5kN・m・m-3≦TPV≦45kN・m・m-3である。モーター2の定格トルクT、ステーター本体の内径Di、ローターの単位体積あたりのトルクTPVの組み合わせ変数の値の範囲を限定することにより、該モーター2が圧縮機3の動力需要を満たすことができるようになり、また、該ローターを使用するモーター2や圧縮機3においても、ローターの磁気漏れを効果的に低減し、磁石11の利用率を増加させ、モーター2の効率を向上させることができる。
【0073】
本発明の一実施例において、好ましくは、ステーター本体は、複数のステーターティースと複数のステータースロットをさらに含み、複数のステーターティースは、ローターに向かってステーター本体の内側壁に設けられ、複数のステータースロットの各々は、複数のステーターティースのうちの隣接する2つの間に設けられ、コイルは、1つのステーターティースを跨いでステータースロットに位置し、ステータースロットの数は、Zであり、ローターの極対の数は、Pであり、且つZ/2P=3/2又は6/5又は6/7又は9/8又は9/10を満たす。
【0074】
当該実施例において、ステーター本体は、複数のステーターティースと複数のステータースロットをさらに含み、複数のステーターティースは、ローターに向かってステーター本体の内側壁に設けられ、且つ複数のステータースロットの各々は、複数のステーターティースのうちの隣接する2つの間に設けられ、1つのコイルがステーターティースを跨ぐ数は1つである時、即ち、コイルが1つのステーターティースを跨いでステータースロットに位置し、ステータースロットの数Zとローターの極対の数Pの比例関係を限定し、さらにモーター2の極溝嵌合を限定し、そのうち、ローターの極対の数はPである時、ローターの極数は2Pであり、即ち、モーター2は、6極9溝モーター2、4極6溝モーター2、8極12溝モーター2、10極9溝モーター2、10極12溝モーター2、8極9溝モーター2であってもよく、上記のタイプのモーター2は、ローターの磁気漏れを効果的に低減することができ、磁束を向上させ、モーター2の効率を向上することに寄与する。
【0075】
図26に示すように、本発明の第5態様は、上記何れかの技術的手段に記載のローター又はモーター2を含む圧縮機3を提供するため、上記ローター又は上記モーター2の全ての有益な技術的効果を有し、ここでは説明を繰り返さない。
【0076】
以上は、本発明の好適な実施例に過ぎず、本発明を限定するものではない。当業者であれば、本発明に様々な修正や変更が可能である。本発明の精神や原則内での全ての修正、置換、改善などは、本発明の保護範囲内に含まれる。
【符号の説明】
【0077】
図1~
図26における符号と部材名称との対応関係は次のとおりである。
1…ローターコア、11…磁石、12…第1パンチングシート、122…第1サブパンチングシート、124…第2サブパンチングシート、13…第2パンチングシート、14…開口部、15…ローターヨーク、16…極性キャップ、17…接続リブ、182…かしめ突起、184…リベット穴、19…スロット、2…モーター、3…圧縮機。