(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-02-09
(45)【発行日】2023-02-17
(54)【発明の名称】認知能力を向上させかつ太陽光特性を備えたLED光源
(51)【国際特許分類】
F21V 9/02 20180101AFI20230210BHJP
F21S 2/00 20160101ALI20230210BHJP
H01L 33/50 20100101ALI20230210BHJP
F21Y 115/10 20160101ALN20230210BHJP
【FI】
F21V9/02
F21S2/00 311
H01L33/50
F21Y115:10
(21)【出願番号】P 2020570044
(86)(22)【出願日】2019-07-03
(86)【国際出願番号】 IB2019055694
(87)【国際公開番号】W WO2020008397
(87)【国際公開日】2020-01-09
【審査請求日】2021-07-05
(32)【優先日】2018-07-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CZ
(73)【特許権者】
【識別番号】519295292
【氏名又は名称】ハイネック メドリッキー
【氏名又は名称原語表記】Hynek Medricky
(73)【特許権者】
【識別番号】520487761
【氏名又は名称】ダニエル ステファン
【氏名又は名称原語表記】Daniel Stepan
(73)【特許権者】
【識別番号】520487772
【氏名又は名称】ダニエル イェセンスキー
【氏名又は名称原語表記】Daniel Jesensky
(74)【代理人】
【識別番号】100139723
【氏名又は名称】樋口 洋
(72)【発明者】
【氏名】ハイネック メドリッキー
【審査官】下原 浩嗣
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2008/069101(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2017/0086274(US,A1)
【文献】特表2017-519333(JP,A)
【文献】特表2018-503216(JP,A)
【文献】特表2017-502493(JP,A)
【文献】特開2017-212428(JP,A)
【文献】特表2018-505534(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F21V 9/02
F21S 2/00
H01L 33/50
F21Y 115/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
認知能力を向上させかつ460~660nmの範囲内の光エネルギーの分布における最大値および最小値の90%バランスを備えた太陽光特性を有するLED光源であって、380nm~700nmの波長を有する光を発する少なくとも1つの白色LEDチップ(1)、470nm~480nmの波長を有する光を発する少なくとも1つの単色青色LEDチップ(2)を含み、前記LEDチップは電流源に接続され、
490nm~500nmの波長を有する光を発する少なくとも1つの単色青緑色LEDチップ(3)も含み、前記白色LEDチップが、相関色温度3800~4200KおよびCRI
(演色評価数)90~98を有し、前記青色LEDチップ(2)および青緑色LEDチップ(3)がそれぞれ前記LED光源の全放出パワーの3~7%を生じる、または、前記青色LEDチップ(2)からの光束が前記LED光源の全光束の1~4%になりかつ前記青緑色LEDチップ(3)の光束が前記LED光源の全光束の4~7%になり、前記白色LEDチップが主要放出パワーおよび主要光束を提供する、
ことを特徴とするLED光源。
【請求項2】
緑色-黄色波長500~650nmの範囲内の放射を有する少なくとも1つの
ライム
色LEDチップ(11)を含み、全照射パワーにおけるシェア6~9%または前記光源の全光出力の10~15%を有する、ことを特徴とする、請求項1に記載のLED光源。
【請求項3】
前記
ライム
色L
EDチップ(11)が、
蛍光体で覆われ420±5nmの範囲で励起された青色LEDチップ(2)を含むことを特徴とする、請求項2に記載のLED光源。
【請求項4】
前記白色LEDチップ(1)が、
蛍光体で覆われた青色LEDチップ(2)からなることを特徴とする、請求項1に記載のLED光源。
【請求項5】
青色LEDチップ(2)と青緑色LEDチップ(3)との出力の比率が1:1であることを特徴とする、請求項1に記載のLED光源。
【請求項6】
青色LEDチップ(2)と青緑色LEDチップ(3)とライム色LEDチップ(11)との光出力の比率が1:2:3であることを特徴とする、請求項2に記載のLED光源。
【請求項7】
前記LED光源の放射の総強度が、青色LEDチップ(2)からの4.5~7%、青緑色LEDチップ(3)からの4.5~8%、ライム色LEDチップ(11)からの6~10%、および白色LEDチップ(1)からの78~88%から提供されることを特徴とする、請求項2に記載のLED光源。
【請求項8】
青色LEDチップ(2)の総出力および青緑色LEDチップ(3)の総出力が、それぞれ白色LEDチップ(1)の総出力の5%を生じることを特徴とする、請求項1に記載のLED光源。
【請求項9】
4つの白色LEDチップ(1)、1つの青色LEDチップ(2)、および1つの青緑色LEDチップ(3)が、プリント回路(4、7)の1.25cmに配置されることを特徴とする、請求項1に記載のLED光源。
【請求項10】
4つの白色LEDチップ(1)、2つの青色LEDチップ(2)、および1つの青緑色LEDチップ(3)が、プリント回路(4、7)の1.25cmに配置され、青色LEDチップ(2)が、青緑色LEDチップ(3)の半分の出力を有することを特徴とする、請求項1に記載のLED光源。
【請求項11】
4つの白色LEDチップ(1)、1つの青色LEDチップ(2)、および2つの青緑色LEDチップ(3)が、プリント回路(4、7)の1.25cmに配置され、青緑色LEDチップ(3)が、青色LEDチップ(2)の半分の出力を有することを特徴とする、請求項1に記載のLED光源。
【請求項12】
青色LEDチップ(2)の光出力が27~32lm/Wの量であり、青緑色LEDチップ(3)の光出力が63~66lm/Wの量であり、ライム色LEDチップ(11)の光出力が85~100lm/Wの量であり、白色LEDチップ(1)の光出力が70~90lm/Wの量であることを特徴とする、請求項2に記載のLED光源。
【請求項13】
2つのチャネル中に接続されたLEDチップを含み、Iチャネルが20~80の白色LEDチップ(1)を含み、IIチャネルが1~8グループの青色-青緑色-緑色LEDチップを含み、LEDチップの1グループが1つの青色LEDチップ(2)、1つの青緑色LEDチップ(3)および1つのライム色LEDチップ(11)を含むことを特徴とする、請求項2に記載のLED光源。
【請求項14】
前記Iチャネルが40~60の白色LEDチップを含み、前記IIチャネルが4つのグループの青色-青緑色-緑色のLEDチップを含むことを特徴とする、請求項13に記載のLED光源。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
人間の認知能力を高め、太陽光を模倣する光源である。
【背景技術】
【0002】
光は、人間の概日システムに影響を与える最も重要な要因の1つであると考えられる。産業および技術の発展に際し、人類は、特に冬の数ヶ月に一日を人為的に拡大してきた。人々は、夜遅くに眠りにつく、あるいは、十分に用心しなければならない冶金で働く。しかしながら、我々のほとんどは、家庭またはオフィスにおいて、必要な時に目覚めさせない不適切な照明を使用する。
【0003】
体内時計、または、視交叉上核(SCN)に位置する概日リズムを制御する中枢時計(central oscillator)は、眼の網膜を介して間接的に光の影響を受ける。したがって、眼は、視覚のほかに、光に関する情報を処理する。松果体は、神経ホルモンのメラトニンを合成し、これは、概日リズムの同期と安定化、および人間の睡眠と覚醒の周期的な変化の時間マーカーとして機能する。メラトニン受容体を用いて、SCNは生体内を循環しているメラトニンの量に関するフィードバック情報を取得する。光のさまざまな成分が人間にさまざまな影響を与えることが示されてきた。波長460~480nmを有する青色光は、人間に刺激的な効果をもたらす一方で、波長610~700nmを有する赤色光は、人間に落ち着きと鎮静効果をもたらし、これは、我々が眠りにつき効率的であることがあまり所望でない夜にのみ現れるべきである。青色光は間違いなく重要であるが、概日リズムを乱し、神経内分泌系に影響を及ぼし、文明病の拡大に関与する可能性がある。一般に、相関色温度(CCT)が高いほど、含まれる青色成分が多くなると言える。青色光を使用すると、白色光よりもはるかに低い光強度で必要な効果を刺激できるということは事実である。透明な白色光で20分間刺激すると、強度が100倍低い青色光で同じ刺激を行うのと脳の同じ部分が活性化される。
【0004】
青色光は、注意力、興奮、反応時間、仕事のパフォーマンスおよび気分を含む、多くの作用のモジュレータとして機能する。光の認知促進効果は、視床皮質投射、脳幹、および網様体賦活系の上行性ニューロンを通過する。夕方に青色光を当てた後の注意力の向上は翌日まで続くことが示された。注意力のほかに、青色光はまた、より複雑な認知活動に影響を及ぼす。物体を3Dで回転させる視空間能力における青色LEDダイオードの重要な効果が示された。
【0005】
認知機能における青色光の効果を、カフェインの効果と比較した。青色光およびカフェインが、夜間の高速道路での運転における実際の状況下でもテストおよび比較された。ボランティアは、200mgのカフェインを摂取したか、または、400kmのルートにおいてダッシュボードでスイッチが入れられた468nmの波長を有する青色光を受けた。チェックはコーヒーのカフェインを含まないオプションであった。両方のテストされたグループは、カフェインを含まないコーヒーを飲んだグループよりも効率的であった。(非特許文献1)。
【0006】
特許文献1には、青色光を発するLEDチップおよび白色光を発するLEDチップを含むうつ病治療用のLED照明が記載され、白色LEDチップの数に対するLED青色チップの数は0.03:0.25である。LED照明を製造している多くの製造メーカーがある。Seoul Semiconductorは、日光と同様の光スペクトルを発する光SunLikeを備える。紫色のLEDチップを追加することにより、青色の波長が除去された。この光で照射された物体は、日中の太陽によって照射されているのと同様に見える。青色、黄色および赤色のチップが追加された発光団を備えた古典的なLEDは、青緑色範囲および赤色範囲で顕著な低下を有する。したがって、この光は、認知能力には適さず、さらに演色評価数の値が非常に悪い。フィリップス社によるHUEとラベル付けされた光は、高い相関色温度(最大6000K)を有するが、上記の光と同様の光スペクトルを有し、したがって、青緑色範囲で顕著な低下を有し、したがって認知能力の刺激には適していない。さらに、赤色、緑色および青色のチップで構成されるLED、いわゆるRGB LEDは、非常に頻繁に組み合わされる。白色光は、可視スペクトルのすべての部分、すなわち赤色、青色および緑色の重なりによって生成される。これらの組み合わされたダイオードを使用して、幅広い色スペクトルを実現できる。しかしながら、色混合によって生成された光スペクトルは、青緑色から緑色までの範囲およびオレンジ色の範囲でも低下しているため、認知能力の刺激は生じない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【文献】中国特許出願公開第106994209号明細書
【非特許文献】
【0008】
【文献】SMOTEK, Michael et al. Effect of blue light on circadian system, sleep and cognitive performance. Narodni ustav dusevniho health - National Institute of Mental Health
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
認知能力を高める独自のLED光源が製造され、これは、生物学的に有益な放射範囲で特性を持つ太陽光と90%同等である。人間の認知能力は、労働時間内および注意が必要なあらゆる活動において必要な特性であり、あるいは、例えば、研究、困難な作業の解決、集中力の延長などにおいて、最大の集中力および最大の精神能力が必要である。
【課題を解決するための手段】
【0010】
認知能力を向上させかつ太陽光の特性を備えるLED光源は、少なくとも3種類のLEDチップからなる:発光団で覆われた青色チップである白色チップ、単色青色LEDチップおよび青緑色単色LEDチップ。このように構成されたスペクトルは、特定のスペクトル組成を有し、460~660nmの生物学的に有益な範囲における太陽放射の最良の部分を表す。紫外線の波長が短くなると、イメージング機能に影響がなくなり視認性が良好になるが、ユーザーを眩惑させ光が不快になるため、夏には屋外でサングラスが頻繁に使用され、さらに、380~450nmの範囲における電磁放射はブルーライトハザードと称され、人間の眼はそれに対する受容体を有しない。光スペクトルの反対側では、赤外線範囲における波長740nm以上でも視覚的忠実度は向上せず、内部のみが加熱され、これは不要であり多くの場合は望ましくない。
【0011】
このLED光源は、460nm~660nmの範囲において光パワーの強度の分布でマークされており、この範囲の光スペクトルの最大値と最小値との差は最大25%である。したがって、スペクトル波長での光強度の低下を最小化される。
【0012】
そのようなスペクトルは、少なくとも最大値の75%まで連続しており、スペクトルの最小値によって特定される最小パワーを有する光源のスペクトル色は放射強度の75%以上に達する。
【0013】
LED光源のスペクトルは、太陽から放射されるスペクトルに最大で91%近い、すなわち、生物学的に有益な460nm~660nmの範囲の波長に応じた光パワーの分布における最大値および最小値のバランスに関する。
【0014】
太陽スペクトルの最大近似のために、少なくとも500~580nmの緑色-黄色の範囲の放射を持つLEDチップを追加して、放射スペクトルにおいて黄色-緑色の範囲の強度を完成させると有利である。黄色-緑色の範囲において強度が追加されたLED光源の光スペクトルは、460nm~660nmの範囲における光パワーの分布によって特徴付けられ、この範囲における光スペクトルの最大値と最小値との差は最大15%である。したがって、放射波長に亘って分布する光パワーの差が15%以下の場合、スペクトル波長における光強度の低下が最小化される。
【0015】
したがって、そのようなスペクトルは、少なくともその最大値の85%まで連続しており、スペクトルの最小値によって決定される最小パワーの光源のスペクトル色は、放射強度の85%以上に達する。
【0016】
LED光源のスペクトルは、太陽から放射されるスペクトルに最大で98%近い、すなわち、生物学的に有益な460nm~660nmの範囲の波長に応じた光パワーの分布における最大値および最小値のバランスに関する。
【0017】
太陽光放射の特性を備えた新しいLED光源が、個々のチップの出力および光出力によって与えられる光パワーの画定された相互分布を持つ4つの光源で構成されると有利である。LED光源のみはユニットとして動作する。シングルチップタイプを別のものに交換すると、LED光源がずれ、必要なコンパクトパラメータが示されなくなる。相関色温度3800~4200KおよびCRI90~98の白色LEDチップに対する光LED光源の光出力の基本的な比率を維持することが常に必要である。
【0018】
LED光源は、相関色温度3800~4200Kの白色光LED光源に設定されており、4000Kの場合に有利である。夕焼けの光を模倣した温かみのある白色光源として使用される、より低い相関色温度、例えば2700Kの白色光源が用いられる場合、システムは、青色範囲の光パワーを欠き、色組成に関して、LED光源は正しい中性を失い、照射光の緑色の色合いにシフトする。一方、フラッシュ装置において写真を撮る際に使用される、より高い相関色温度、例えば5500Kの白色光源が用いられる場合、システムは、赤色範囲の光パワーを欠き、色組成に関して、LED光源は再び正しい中性を失い、青みがかった照射光にシフトする。
【0019】
LEDチップはいずれも半導体合金で構成されている。青色LEDに利用できる典型的な半導体が多重量子井戸タイプの半導体、すなわち窒化インジウムガリウム(InGaN)、セレン化亜鉛(ZnSe)、または炭化ケイ素(SiC)である場合は有利であり、光スペクトルが青緑色範囲にシフトする際に、青緑色LEDのための半導体が多重量子井戸タイプの半導体、すなわちInでよりドープされたInGaNである場合も有利である。使用された白色LEDチップは、420~780nmの波長範囲でバンドスペクトルを放出する発光団で覆われた青色LEDチップで構成された。
【0020】
青色および青緑色のLEDチップに加えてPCライムLEDチップを用いて緑色-黄色スペクトル成分を提供するLED光源は、人間の認知能力を促進するだけでなく、必要な範囲でさらにバランスを取られた色スペクトル成分を用いて太陽から放出される光スペクトルをシミュレートし、したがって、460nm~660nmは、良好な視覚に適した太陽スペクトルにおける効率的なスロットである。
【0021】
太陽光放射の特性を備えたLED光源のモデルは、以下を含む:
白色チップ-相関色温度3800~4200K、CRI90~98、波長420~780nmの放射スペクトル、全放射パワーの78~85%または全光束の82~87%のシェア、
475±5nmで最大放射強度を持ち、全放射パワーの3~7%または光源の全光束の4~7%を占める青緑色の単色LEDチップ、
495±5nmで最大放射強度を持ち、全放射パワーの3~7%および光源の全光束の1~4%を占める青色の単色LEDチップ、人間は可視範囲の限界に達するので、可視光は全電磁放射の一部にすぎない。
【0022】
以下が含まれていると有利である:
緑色-黄色-総放射パワーの6~9%または光源の全光束の10~15%を占めるPCライムLEDチップ。
【0023】
光源-LEDチップのlmでの光出力の理想的な比率
白色LED:緑色-黄色PCライムLED:青緑色LED:青色LEDは、100:9:6:3になる。
【0024】
以下を組み合わせてそのような照明が達成されると有利である:
白色LEDチップ、3800~4200K、CRI90~98であって、460~530nmの範囲で特徴的な低下がある連続スペクトルを有し、これは、450nm付近の青色LEDチップの励起および発光団を通過する際の青色光の波長520~740nmの緑色-黄色-赤色の範囲へのシフトによって引き起こされる、
475±5nmで最大放射を有する単色の青色LEDチップ、
495±5nmで最大放射を示す単色の青緑色LEDチップ、
かつ、420nm付近の青色LEDチップの励起および発光団を通過する際の青色光の波長500~650nmの緑色-黄色の範囲へのシフトによって引き起こされる、連続スペクトルを有する、緑色-黄色PCライムLEDチップであれば有利である。
【0025】
そして、本質的な特性は、光出力の相互比率またはLEDチップの光効率、および、460~660nmの範囲でバランスの取れた光スペクトルを得るための単一ランプでのそれらのシェアである。これは、光源LEDチップのすべてのスペクトル最大値を同じ強度にする最大バランスを意味する。
【0026】
以下のパラメータを持つLEDチップが提示用に選択された:
1.相関色温度4000K、演色忠実度98、光出力70lm/Wおよびパワー1.395Wを備え、総放射線出力の51.2%を示す、従来の最高の白色LEDチップ、
2.475nmにおける最大放射、光出力29.45lm/Wおよびパワー1.46Wを備え、全放射出力の20%を示す青色の単色LEDチップ、
3.495nmにおける最大放射、光出力64.10lm/Wおよびパワー1.56Wを備え、全放射出力の20%を示す青緑色の単色LEDチップ、
4.500~600nmの範囲において連続スペクトルを照射し、光出力96lm/Wおよびパワー1.395Wを備え、全放射出力の8.8%を示す緑色-黄色のPC-ライムLEDチップ。
【0027】
認知型LED光源には、少なくとも1つの白色LEDチップ、少なくとも1つの青色LEDチップ、および少なくとも1つの青緑色LEDチップが含まれる。LED光源のサイズおよび必要な出力に応じて、より多くのチップを使用すると有利である。チップがセクションを形成するプリント回路に取り付けられると有利であり、プリント回路セクションの構築長さが5~8cmであると有利である。プリント回路セクションは、エッジが重なった後、はんだ付けによって結合される。結合されたプリント回路は、可変長の光ストリップを形成する。各セクションには、直列に配置された複数のLEDチップが含まれ、セクションはストリップに並列に配置される。
【0028】
認知型光源には、白色LEDチップと青色および青緑色LEDチップの出力の比率が正確にバランスされたLEDチップが含まれ、白色LEDチップ:青色LEDチップ:青緑色LEDチップの比率が1:0.03~0.05:0.03~0.05の場合に有利である。認知型LED光源は、LEDチップの出力の選択可能な比率を有し、出力のより低いLEDチップがより高いシェアで取り付けられ、より低い放射強度のバランスを取り、それらのLEDチップの必要な出力を提供する。
【0029】
認知型出力用のLED光源についてのこの独自の確立された比率は、青色から緑色への遷移の範囲、したがって青色および青緑色の範囲の波長において白色LEDチップの両方の光最大値のレベルまで認知型LED光源の完全な照射スペクトルを提供することは驚くべきことである。このようにして、発光スペクトルは、少なくとも光強度の75%まで連続的になる。青色および青緑色の単色LEDチップのこの特定の追加によって、青色から緑色への遷移の範囲および460~660nmの光スペクトル範囲における光放射の強度が、
図1に示されるように太陽により照射される光照射の強度の80%とほぼ平衡する、太陽放射への照射光の大きな近似が引き起こされる/提供される。
【0030】
認知型LED光源のシステム全体は、白色LEDチップからの光放射に青色および青緑色の光放射の4.5~6%が追加されるように設定され、放射強度が等しい場合に有利である。これにより、赤色範囲に対する青色から緑色への遷移範囲の放射強度をほぼ日光レベルまでバランスをとることができる。認知型LED光源の生成された複合光放射は、CRI98および相関色温度4000~4700Kを持ち、太陽放射は相関色温度4982KおよびCRI99.5を有する。
【0031】
認知能力のための光源が少なくとも2つの光ストリップを使用する場合に有利である。白色ストリップは、白色LEDチップのみが取り付けられる。青色ストリップは、等しい出力の単色青緑色LEDチップを備えた単色青色LEDチップを含み、1つの白色LEDチップの出力が0.17Wの場合に有利である。単色青色LEDチップが、他の光ストリップにおいて等しい出力の単色青緑色LEDチップと交互になる場合に有利であり、青色および青緑色のLEDチップがシェア1:1である場合に有利である。1つの青色または青緑色の光出力が0.09Wである場合に有利である。
【0032】
光ストリップの長さおよびLEDチップの数はさまざまでありうるが、白色LEDチップ:(青色+青緑色)の光出力の比率1:0.03~0.05に従う必要がある。青色および青緑色のLEDチップの光出力が、白色LEDチップの光出力の4.5~6%となり、青色および青緑色のLEDチップの入力が白色LEDチップの入力の13~15%となる場合に有利である。白色LEDチップ自体が総入力の85~87%入力を有し、青色-青緑色ストリップのスイッチをオンにした後、入力が13~15%増加したことが定められた。
【0033】
認知型LED光源が、白色、青色および青緑色のチップが取り付けられたプリント回路で構成され、電流源に接続された電圧マルチプライヤに接続された、少なくとも2つの光ストリップを含む場合に有利である。調光器を電圧マルチプライヤの後ろに接続して、光ストリップの放射強度を低減するために使用される入力電流を調整すると有利である。
【0034】
緑色-黄色のPCライムLEDチップをも含むLED光源が2つのチャネル中に接続されたLEDチップを含み、Iチャネルが20~80の白色LEDチップを含みIIチャネルが1~8グループの青色-青緑色-緑色-黄色LEDチップを含み、LEDチップの1グループが1つの青色LEDチップ、1つの青緑色LEDチップおよび1つの緑色-黄色PCライムLEDチップを含む場合に有利である。青色-青緑色-緑色-黄色LEDチップのグループがまた、1~4の白色LEDチップを含む場合に有利である。
【0035】
Iチャネルが40~60の白色LEDチップを含み、IIチャネルが4つのグループの青色-青緑色-緑色のLEDチップを含む場合に有利である。
【0036】
Iチャネルが48の白色LEDチップを含み、IIチャネルが4つのグループの青色-青緑色-緑色-黄色のLEDチップおよび4つの白色LEDチップを含む場合に有利である。
【0037】
緑色-黄色のPCライムLEDチップも含むLED光源が、3列のチップで構成されている場合に有利であり、第1および第3列がIチャネルからの白色LEDチップのみを含み、第2列がIIチャネルからのチップを含む場合に有利であり、したがって、青色-青緑色-緑色-黄色のLEDチップのグループは白色LEDチップと交互になる。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【
図2】相関色温度4000KかつCRI80の従来のLEDの光スペクトル
【
図3】相関色温度3957KかつCRI98の白色LEDチップの光スペクトル
【
図4】白色LEDチップおよび相関色温度3806KかつCRI97.8のストリップの光スペクトル
【
図5】認知能力を向上させるための光源の電気接続の図
【
図6】実施例1に従ったLEDチップを備えたプリント回路の図
【
図7】単色の青色および青緑色のLEDチップを備えた光ストリップの光スペクトル
【
図8】実施例4に従った認知型LED光源により放出される分光光度スペクトル
【
図9】実施例2に従った認知型LED光源により放出される分光光度スペクトル
【
図11】実施例1に従った認知型LED光源により放出される分光光度スペクトル
【
図13】実施例5に従った2つのチャネル中にLEDチップを備えた光ストリップ
【
図14A】IIチャネルのみがオンであり電流が350mAの場合の実施例5に従ったストリップにより放出される光スペクトル
【
図14B】IIチャネルのみがオンであり電流が500mAの場合の実施例5に従ったストリップにより放出される光スペクトル
【
図14C】IIチャネルのみがオンであり電流が600mAの場合の実施例5に従ったストリップにより放出される光スペクトル
【
図14D】IIチャネルのみがオンであり電流が700mAの場合の実施例5に従ったストリップにより放出される光スペクトル
【
図15】実施例5に従ったLED光源により放出されるスペクトル
【
図17】16A:相関色温度4000KおよびCRI90の白色LEDチップのスペクトル
【
図18】16B:実施例1の認知型光源に従ったLED光源により放出されるスペクトル
【
図19】16C:太陽放射の特性を有する、実施例5に従ったLED光源により放出されるスペクトル
【
図20】使用済みLEDチップ:A-白色LEDチップ4000K、B-青色LEDチップ、C-青緑色LEDチップ、D-PCライムLEDチップ、E-実施例5に従った太陽放射の特性を備えたLED光源、のすべての光源のスペクトルのグラフ
【
図21】過渡電流に依存するLEDチップの電圧応答
【
図22】星印が実施例7に従った統計的有意差をマークする、認知能力のテストの結果-グループ平均+平均偏差
【
図23】
図7に従った、テスト済み(GNP、n=51)および対照(GULZ、n=53)グループの主観的評価の平均
【
図24】LEDチップを装着した実施例5に従って製造されたLED光源のプリント回路の図
【
図25】LEDチップを装着した実施例5に従って製造されたLED光源のプリント回路の図
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図26】実施例5に従って製造されたLED光源の接続の図
【
図27】使用済みLEDチップ:A-白色LEDチップ2700、B-青色LEDチップ、C-青緑色LEDチップ、D-PCライムLEDチップ、E-実施例6に従ったLED光源、のすべての光源のスペクトルのグラフ
【発明を実施するための形態】
【0039】
実施例1-光出力が等しい青色および青緑色のLEDチップの2つの光ストリップ
白色LEDチップは、発光団で覆われた半導体InGaNを備えた青色LEDチップで構成された。使用された発光団が、628nmの波長で最大である光を発する商品名ZYP630G3、および、555nmの波長で最大である光を発するZYP555G3である場合に有利であり、これらは、青色LEDダイオード上に適用されたシリコンケース中に分散された。LEDダイオードのケースは、様々な形状を有してもよく、LEDダイオードのケースの壁の傾斜が水平に対して20°傾斜していると有利である。
【0040】
認知型LED照明は、LEDチップが取り付けられたプリント回路で構成される2つの長さ1mの光ストリップ5および6で作製され、ストリップは、電流源10に接続された電圧マルチプライヤ9に接続された。白色光ストリップ5は、2列に配置された240の白色LEDチップ1が取り付けられ、5cmの長さの1つのプリント回路4は、12の白色LEDチップ1が取り付けられた。白色LEDチップ1は、比率1:2でZYP555G3およびZYP63063のマークが付いた発光団で覆われたInGaN半導体の青色LEDチップで構成された。白色LEDチップ1から放出された光は、波長380~700nmで、相関色温度3957KおよびCRI98を有する連続バンドスペクトルを形成した。白色LEDチップ1を備えた白色光ストリップ5は、41W/mの光出力を有した。1mの長さを有する青色および青緑色チップ6についての光ストリップは、475nmで最大放射を示すInGaN半導体の55の単色青色LEDチップ2、および、495nmで最大放射を示すInGaN半導体の55の単色青緑色LEDチップ3が取り付けられた。7.2cmの長さを有する1つのプリント回路4は、4つの青色LEDチップ2および4つの青緑色LEDチップ3が交互に取り付けられた。青色および青緑色のチップ6についての光ストリップは、3W/mの出力を有した。LEDチップ白色:青色:青緑色の光度比率は、1:0.3:0.3であった。チップのシェアは4:1:1であった。
【0041】
図10に示されるように、特性パラメータは、この光源について手動分光計UPRtekを用いて測定され、放出された光は、相関色温度4603でCRI89を有し、照射光のスペクトルは、420~760nmの範囲内であり、460~650nmの範囲からの定格放射線場は、太陽放射の光強度の80%を生成した。
【0042】
認知型LED照明の受信も測定され、80.2Wであった。
【0043】
実施例2-光出力が異なる青色および青緑色のLEDチップ2つの光ストリップ
認知型LED照明は、LEDチップが取り付けられたプリント回路で構成される2つの長さ1mの光ストリップ、白色チップの光ストリップ5および青色および青緑色チップの光ストリップ6で作製され、ストリップは、電流源10に接続された電圧マルチプライヤ9に接続された。白色チップの光ストリップ5は、2列に配置された240の白色LEDチップ1が取り付けられ、5cmの長さの1つのプリント回路4は、12の白色LEDチップ1が取り付けられた。白色LEDチップ1は、比率1:2でZYP555G3およびZYP63063のマークが付いた発光団で覆われたZnS半導体の青色LEDチップで構成された。白色LEDチップ1から放出された生じた光は、波長380~700nmで、相関色温度4000Kを有する連続バンドスペクトルを形成した。1つの白色チップ1は、出力0.17Wを有し、これは、全体の1m長の白色ストリップが出力41W/mを有したことを意味する。
【0044】
長さ1mの青色および青緑色のチップを備えた光ストリップ6は、光出力4mWで475nmにおいて最大放射を有するInGaN半導体の110の単色青色LEDチップ2、および、光出力7mWで495nmにおいて最大放射を有する半導体の55の単色青緑色LEDチップ3が取り付けられ、これは、青色および青緑色チップの全体で1m長の光ストリップ6が825mW/mの出力を有したことを意味する。長さ7.2cmの1つのプリント回路4は、6つの青色LEDチップ2および2つの青緑色LEDチップ3が取り付けられた。色付きのLEDチップは、常に2つの青色および1つの青緑色チップが交互であった。
図10に示されるように、特性パラメータは、この光源について手動分光計UPRtekを用いて測定され、放出された光は、相関色温度4397でCRI91.3を有し、照射光のスペクトルは、420~760nmの範囲内であり、460~650nmの範囲からの定格放射線場は、太陽放射の光強度の78%を生成した。
【0045】
認知型LED照明の受信も測定され、77.2Wであった。
【0046】
実施例3-光出力が異なる青色および青緑色のLEDチップの3つの光ストリップ
白色チップを有する光ストリップ5、青色チップのための光ストリップおよび青緑色チップのための光ストリップである、長さ1メートルの光ストリップが3つ作製され、LEDチップはそれらの内部に取り付けられた。白色チップの光ストリップ5には、240個の白色LEDチップ1が取り付けられ、長さ5cmのプリント回路4には、12個の白色LEDチップ1が取り付けられ、続けて配置された。白色LEDチップ1は、比率1:2でZYP555G3およびZYP63063のマークが付いた発光団で覆われたZnS半導体の青色LEDチップで構成された。白色LEDチップ1から放出された生じた光は、相関色温度4000Kを有し、光波長は380から700nmであった。1つの白色LEDチップは、出力0.17Wを有し、これは、全体の1m長の白色ストリップが出力41W/mを有したことを意味する。
【0047】
長さ1mの青色チップ用の光ストリップには、総光出力が1.5W/mであり475nmにおいて最大放射を有するInGaN半導体の219個の単色青色LEDチップ2が取り付けられ、1つのチップの出力は7mWであった。長さ1mの青緑色LEDチップ用の光ストリップには、総光出力が1.4W/mであり495nmにおいて最大放射を有するInGaN半導体の110個の単色青緑色LEDチップ3が取り付けられ、1つのチップの出力は12mWであった。特性パラメータは、この光源について手動分光計UPRtekを用いて測定され、放出された光は、相関色温度4650でCRI90を有し、照射光のスペクトルは、420~760nmの範囲内であり、460~650nmの範囲からの定格放射線場は、太陽放射の光強度の80%を生成した。
【0048】
認知型LED照明の受信も測定され、80Wであった。
【0049】
実施例4-3つのチップ
円形光源には、3つのLEDチップが取り付けられ、1つは波長440nm~700nmにおいて可視光の連続バンドスペクトルの相関色温度3957KおよびCRI98の出力2Wの白色LEDチップであり、1つは60mWの出力の青色LEDチップであり、1つは出力60mWの青緑色LEDチップである。白色LEDチップは、波長440nm~700nmにおいて可視光の連続バンドスペクトルを放出し、相関色温度CCT3800~4200KおよびCRI98であった。青色LEDチップは、475nmで最大放射を伴うInGaNのものであり、青緑色LEDチップは、495nmで最大放射を伴うInGaNのものであった。
図8に示されるように、特性パラメータは、この光源について手動分光計UPRtekを用いて測定され、放出された光は、相関色温度4810でCRI89.5を有し、照射光のスペクトルは、420~760nmの範囲内であり、460~650nmの範囲からの定格放射線場は、太陽放射の光強度の81%を生成した。
【0050】
実施例5
3列を有する1つの光ストリップを含むLED光源が作製され、第1および第3列に24個の白色LEDチップ、つまり合計48個の白色LEDチップが取り付けられ、連続して接続された12個のチップと並列にIチャネルに接続され、相関色温度4000KおよびCRI98を有し、中央の列には、最大放射が473~475nmの4個の青色単色LEDチップ、最大放射が495nmの4個の青緑色単色LEDチップ、420nmで放出される最大放射が520nmの4個のPCライムLED、および12個の白色LEDチップが取り付けられ、連続して接続された12個のチップと並列にIIチャネルに接続され、中央の列は、青色、青緑色およびPCライムLEDチップと交互の白色LEDチップからなるが、これは、白色、青色、白色、青緑色、白色、PCライム、白色、青色などを意味する。
【0051】
チップの特性は以下のようであった:
白色LEDチップ
出力:48チップユニットを含むIチャネルの1チップあたり0.31W、合計15.1W、および、12チップを含むIIチャネルの1チップあたり0.93W、合計11.1W、および白色チップの合計出力:26.2W
光効率:70lm/W
総光パワーのシェア:51.2%。
【0052】
475nmで最大放射を有する青色単色LEDチップ
出力:4チップユニットを含むIIチャネルの1チップあたり0.35W、合計1.4W
光効率:29.45lm/W
総光パワーのシェア:20%。
【0053】
495nmで最大放射を有する青緑色単色LEDチップ
出力:4チップユニットを含むIIチャネルの1チップあたり0.38W、合計1.5W
光効率:64.1lm/W
総光パワーのシェア:20%。
【0054】
520nmで最大放射を有するPCライムLEDチップ
出力:4チップユニットを含むIIチャネルの1チップあたり0.78W、合計3.1W
光効率:96lm/W
総光パワーのシェア:8.8%。
【0055】
光源の総出力は32.2W、72ユニットのLEDチップになった。
【0056】
実施例6
3列を有する1つの光ストリップを含むLED光源が作製され、第1および第3列に24個の白色LEDチップ、つまり合計48個の白色LEDチップが取り付けられ、連続して接続された12個のチップと並列にIチャネルに接続され、相関色温度2700KおよびCRI98を有し、中央の列には、最大放射が473~475nmの4個の青色単色LEDチップ、最大放射が495nmの4個の青緑色単色LEDチップ、420nmで放出される最大放射が520nmの4個のPCライムLED、および相関色温度2700KおよびCRI98を有する12個の白色LEDチップが取り付けられ、連続して接続された12個のチップと並列にIIチャネルに接続され、中央の列は、青色、青緑色およびPCライムLEDチップと交互の白色LEDチップからなるが、これは、白色、青色、白色、青緑色、白色、PCライム、白色、青色などを意味する。この光源のスペクトルが測定され、青色範囲の放射強度が低く、必要な生物学的に有益な範囲460~660nmのスペクトルが不均衡であるため、太陽光放射の特性を備えたLED光源としての使用には不適切であることが見出された。
【0057】
実施例7
プラハ学派のGymnazium Na Prazacce(GNP)では、実施例1に従った認知能力を向上させるLED照明の設備が、建物の一部に設置された。光の青色スペクトル成分のために、特に学生の認知能力が授業室で促進された。他の監視されたパラメータは、例えば、集中力、注意力、反応時間、在籍および思考率、記憶からの想起、身体的パフォーマンス、視覚的快適性、および学生と教師の主観的内容であった-すべての主観的パラメータの概要が
図20に示される。実験は、LED照明の設置前と設置後の、2つの代表的な時間帯で行われ、別の学校-Gymnazium u Libenskeho zamku(GULZ)が対照グループとして選択された。実験は両方の対象(GNPおよびGULZ)で並行して行われた。実験は、2セットの特別に設計された心理テストを用いて評価され、テストの1セットは生徒の学習能力に関連する客観的パラメータに集中し、他のセットは生徒と教師によるLED照明の主観的な受信に集中した。結果は、実施例1に従ったLED照明にさらされた学生が、学生の対照グループと比較してより良好な研究結果、より良好な健康-評価パラメータには病気や寝坊による欠席の監視も含まれた、および、より良好な満足度を示すことを示す。実験は以下の実施例に示される。すべての測定は分光光度計を使用して行われた。
【0058】
実施例7A 照度の測定
作業エリアの照度の測定は、授業中の授業室の実際の光の状態を記録した。確立された照明の強度は、テストが実施された両方の学校のすべての授業室で同等であった。発明されたおよび標準的な照明の下での書類および机の水平照度は約800lxになり、学生の目に入る光(つまり生物学的に有益な光)は、授業室における位置および視線方向に応じて約300~330lxになった。
【0059】
表面の適度の照明は、同じサイズの授業室で同等であった黒板上のテキストの読みやすさを評価する際に非常に良好な効果があった。授業室における表面の照度は同等であったが、対照の授業室の25%の学生は空間が明るすぎると評価し、新しい照明においてこの意見を持った学生はわずか6%であった。評価の違いは統計的に重要である(T検定、n=104、p=0.01)。この効果の説明は、新しい光のより良い分布およびよりバランスの取れたスペクトル組成をもたらしうる。
【0060】
実施例7B 生物学的効率の測定
スペクトル曲線の測定は、同等レベルの照度にもかかわらず、Brainardによる生物学的効率の評価において新しい照明が0.47~0.36W/m2を達成したのに対し、対照授業室の照明は約0.25~0.20W/m2しか達成しなかったことを示した。これはおそらく、認知能力と持久力に必要なプラスの効果を達成し、生物の体内時計を適切に同期させるための重要な要素である青色スペクトル成分の高いシェアを有する光のバランスの取れたスペクトル構成によるものである。
【0061】
実施例7C 客観的評価-認知能力のテスト
光の効果の客観的評価を、認知能力のテストを用いて行った。テストにより、集中力および短期記憶を監視した。テストの最初の段階、すなわち照明が設置されてから3か月後、新しい認知型照明を備えた授業室で早朝に学習する学生が著しく良好な結果を示した。これらの学生は、テストでの間違いが少なく(T検定、n=104、p<0.05)、最近の記憶は、一般的な授業室の学生と比較して著しく良好であった(T検定、n=104、p<0.02)。テスト結果が
図19に示される。
【0062】
実施例7D 演色評価数Raの測定
新しい照明はまた、より高い演色評価数Raを達成した。もともと、Ra60の照明は、GNPにおけるすべての授業室、および、GULZで監視されている対照授業室に設置された。これは、人の長期滞在のための空間の照明に関する標準の要求を満たしておらず、要求はRa80以上である。新しい照明システムは、学校が美術教育に焦点を合わせているからだけでなく重要なRa91を達成する。これは、学生の主観的な評価にありがちであり、新しい照明の色の自然さをよりよく評価する傾向があった。新しい照明では、85%の人が肌の色を自然または比較的自然であると評価するが、元の照明では69%の人にすぎなかった。テストされたグループ(GNP、n=51)および対照グループ(GULZ、n=53)の主観的評価の平均については、
図20を参照。
【0063】
実施例7E エネルギー節約
新しい照明は、授業室の約半分に設置され、元の蛍光灯および一般的な節約型LED照明と交換された。測定はすべての対象に対して行った。照度が大幅に向上し、とりわけスペースの約半分で照明品質が向上したにもかかわらず、消費電力は前年比で増加しなかった。それどころか、今年の最後の四半期に消費量は5%だけ小さく減少した。
【0064】
実施例7F 心理的効果
新しく設置された教室の照明は、一般的な照明と比較した場合、主観的により快適であると評価された(t検定、n=104、p<0.01)。対照教室の照明は、生徒の32%だけが快適または基本的に快適であると評価したのに対し、新しく設置された照明では53%であった。
【符号の説明】
【0065】
1 白色LEDチップ
2 青色LEDチップ
3 青緑色LEDチップ
4 白色ストリップのプリント回路
5 白色チップの光ストリップ
6 青色および青緑色チップの光ストリップ
7 青色および青緑色青チップの光ストリップのプリント回路
8 二量体
9 電圧マルチプライヤ
10 電源
11 黄色-緑色PCライムLEDチップ
【産業上の利用可能性】
【0066】
したがって、人の認知能力を刺激する光源は、多大な集中力および注意力が必要な場合に適している。