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特許7224461車両の側方領域を照明するためのシステム及び方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-02-09
(45)【発行日】2023-02-17
(54)【発明の名称】車両の側方領域を照明するためのシステム及び方法
(51)【国際特許分類】
   B60Q 1/24 20060101AFI20230210BHJP
   G08G 1/16 20060101ALI20230210BHJP
【FI】
B60Q1/24 Z
G08G1/16 C
【請求項の数】 13
(21)【出願番号】P 2021522340
(86)(22)【出願日】2019-10-11
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-01-14
(86)【国際出願番号】 EP2019077583
(87)【国際公開番号】W WO2020083665
(87)【国際公開日】2020-04-30
【審査請求日】2021-06-16
(31)【優先権主張番号】1859837
(32)【優先日】2018-10-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(73)【特許権者】
【識別番号】391011607
【氏名又は名称】ヴァレオ ビジョン
【氏名又は名称原語表記】VALEO VISION
(74)【代理人】
【識別番号】100107582
【弁理士】
【氏名又は名称】関根 毅
(74)【代理人】
【識別番号】100106655
【弁理士】
【氏名又は名称】森 秀行
(72)【発明者】
【氏名】コスタダン、ビーブ
(72)【発明者】
【氏名】ピエール、アルボー
(72)【発明者】
【氏名】ユイ、ジン
(72)【発明者】
【氏名】グレゴリー、ブランシェ
(72)【発明者】
【氏名】クリストフ、デュバル
(72)【発明者】
【氏名】クリストフ、デュボス
【審査官】安食 泰秀
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2008/0122597(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60Q 1/24
G08G 1/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両(2)の側方領域(5)を照明するシステム(1)であって、第1光ビーム(7)を発することができる後方第1発光モジュール(3)と、第2光ビーム(9)を発することができる前方第2発光モジュール(4)と、を備え、前記第1発光モジュール及び前記第2発光モジュール(3,4)は、それらのそれぞれの光ビーム(7,9)が互いに向けて方向付けられるように、配置され
前記2つの発光モジュール(3,4)は、オーバーラップ領域(12)でそれらの光ビーム(7,9)が交差することができるように配置され、当該オーバーラップ領域(12)は、50cm~5mに含まれる前記車両(2)からの距離(d)に位置する交差点(11)によって境界が示され、
前記後方第1発光モジュール(3)の前記第1光ビーム(7)は前方に向けられつつ、前記前方第2発光モジュール(4)の前記第2光ビーム(9)は後方に向けられることを特徴とするシステム。
【請求項2】
車両(2)の側方領域(5)を照明するシステム(1)であって、第1光ビーム(7)を発することができる後方第1発光モジュール(3)と、第2光ビーム(9)を発することができる前方第2発光モジュール(4)と、を備え、前記第1発光モジュール及び前記第2発光モジュール(3,4)は、それらのそれぞれの光ビーム(7,9)が互いに向けて方向付けられるように、配置され、
前記2つの発光モジュール(3,4)は、オーバーラップ領域(12)でそれらの光ビーム(7,9)が交差することができるように配置され、当該オーバーラップ領域(12)は、50cm~5mに含まれる前記車両(2)からの距離(d)に位置する交差点(11)によって境界が示され、
前記オーバーラップ領域(12)は三角形の形状を有することを特徴とするシステム。
【請求項3】
前記第1光ビーム(7)は第1主放射軸(8)に沿って方向付けられ、前記第2光ビーム(9)は第2主放射軸(10)に沿って方向付けられ、前記第1主放射軸(8)の及び前記第2主放射軸(10)の水平面上における投影が交差することを特徴とする請求項1又は2に記載の照明システム(1)。
【請求項4】
前記第1発光モジュール(3)及び前記第2発光モジュール(4)は、互いから15cmよりも大きな距離に配置されることを特徴とする請求項1~3のいずれか一項に記載の照明システム(1)。
【請求項5】
前記第1発光モジュール(3)及び/又は前記第2発光モジュール(4)は、赤外光の、好ましくは近赤外光の、少なくとも1つの源を備えることを特徴とする請求項1~4のいずれか一項に記載の照明システム(1)。
【請求項6】
請求項1~5のいずれか一項に記載の照明システム(1)と、スチルカメラやビデオカメラなどの少なくとも1つの画像取得装置(6)と、を備えることを特徴とする車両の運転を支援するシステム。
【請求項7】
請求項1~5のいずれか一項に記載の照明システム(1)又は請求項6に記載の車両の運転を支援するシステムを備えることを特徴とする、車両(2)、特に動力車両。
【請求項8】
前記第1発光モジュール(3)は前記車両(2)の後方部分に配置され、前記第2発光モジュール(4)は前記車両(2)の前方部分に配置され、前記第1主放射軸(8)は前記車両(2)の前方部分に向けて方向付けられ、前記第2主放射軸(10)は前記車両(2)の前記後方部分に向けて方向付けられる、請求項7に記載の車両(2)。
【請求項9】
前記第1発光モジュール(3)及び/又は前記第2発光モジュール(4)は、前記車両の底部に、好ましくは20cm~50cmに含まれる地面からの距離に、配置されることを特徴とする請求項7又は8に記載の車両。
【請求項10】
前記車両(2)の側方領域(5)の画像を取得するように配置される画像取得装置(6)を更に備える請求項7~9のいずれか一項に記載の車両(2)。
【請求項11】
車両(2)の側方領域(5)を照明する方法であって、以下のステップ:
- 後方第1発光モジュール(3)によって第1光ビーム(7)を発すること;
- 前方第2発光モジュール(4)によって第2光ビーム(9)を発すること、
を含み、
前記2つの光ビーム(7、9)は互いに向けて方向付けられ、
前記2つの発光モジュール(3,4)は、オーバーラップ領域(12)でそれらの光ビーム(7,9)が交差することができるように配置され、当該オーバーラップ領域(12)は、50cm~5mに含まれる前記車両(2)からの距離(d)に位置する交差点(11)によって境界が示され、
前記後方第1発光モジュール(3)の前記第1光ビーム(7)は前方に向けられつつ、前記前方第2発光モジュール(4)の前記第2光ビーム(9)は後方に向けられることを特徴とする方法。
【請求項12】
車両(2)の側方領域(5)を照明する方法であって、以下のステップ:
- 後方第1発光モジュール(3)によって第1光ビーム(7)を発すること;
- 前方第2発光モジュール(4)によって第2光ビーム(9)を発すること、
を含み、
前記2つの光ビーム(7、9)は互いに向けて方向付けられ、
前記2つの発光モジュール(3,4)は、オーバーラップ領域(12)でそれらの光ビーム(7,9)が交差することができるように配置され、当該オーバーラップ領域(12)は、50cm~5mに含まれる前記車両(2)からの距離(d)に位置する交差点(11)によって境界が示され、
前記オーバーラップ領域(12)は三角形の形状を有することを特徴とするシステム。
【請求項13】
車両の運転を支援する方法であって、請求項11又は12に記載の照明方法を実行するステップと、前記2つの光ビーム(7,9)のうちの少なくとも1つによって照明される、車両(2)の、側方領域(5)の画像を取得するステップと、を含むことを特徴とする方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明は、車両の側方領域を照明するためのシステム及び動力車両の運転を支援するためのシステムに関する。また発明は、そのような照明システム又はそのような支援システムを備えるような動力車両に関する。また発明は、照明システム及び支援システムによってそれぞれ実行される車両の側方領域を照明するための方法及び動力車両の運転を支援するための方法に関する。
【発明の概要】
【0002】
先行技術
自律型動力車両の進展に伴い、特に様々な特定の運転機能を管理する観点から、以下のような機能を含むあらゆる照明条件下で運転支援を向上させることが必要になってきている:
- とりわけ進路におけるあらゆる逸脱を検知してドライバーにそれを知らせることにより、車両が道路上のその車線を進むことを可能にする機能である“レーンキーピング”;
- より正確に車両を自律的にその車線の中央に保つことを可能にするものであり、前述の機能を補う機能である“レーンセンタリング”、
- 例えば追い越しを目的として、車両が車線を変えることを可能にする機能である“レーンチェンジ”、
- “自律型緊急ブレーキ”(又はよりシンプルにAEB)、
- 車線に存在する障害物を回避することを可能にする機能である“自律型緊急操舵”(又はよりシンプルにAES)、
- “駐車支援”及び“自律型駐車”。
【0003】
これらの様々な機能において、支援システムは、入力情報、特に車線の境界を示す線などの地上のマーク及び/又は道路上におけるあらゆる障害物の存在の検知に関する情報を含む入力情報、を受け取る必要がある。この検知は、どんな状況でも、特に夜間に、行われることができなければならない。
【0004】
既存の車両照明は、その自身の車線において2mの距離から且つ隣接車線において5mの距離から、車両の前方の道路を照らすことに、留意される。
【0005】
しかし、車両の横の領域を照明することはより難しく、それは照明が車両に隣り合う矩形エリアの全体をカバーしなければならないからであり、当該エリアは車両から数cmから数m延び約10mの長さにわたって延びる。照明されるべきこの領域の角度範囲は、この全体領域を均一に照明することを非常に難しくする。
【0006】
これらの制約は、現時点において、ある地上マーク又は車両の近くの障害物を、特に側方領域において、検知することができることが不可能ではないにしても難しく、これは自律型車両が必要とする前述の機能を実行できる支援システムを提供することを妨げることを意味する。
【0007】
発明の主題
発明の目的は、上記の欠点を改善して動力車両の運転を支援するためのシステム及び方法を改良し、特にそれらが前述の支援機能を実行できるようにして、それらを自律型車両の支援に適するようにする、車両の側方領域を照明するためのシステム及び方法を提供することである。
【0008】
また、発明の目的は、過度に高い余分なコストを発生させないようにしつつシンプルで信頼性が高い、動力車両の運転支援及び照明のためのソリューションを提供することである。
【0009】
この目的のために、発明は、第1光ビームを発することができる後方第1発光モジュールと、第2光ビームを発することができる前方第2発光モジュールとを備えた、車両の側方領域を照明するシステムに関する。第1発光モジュール及び第2発光モジュールは、それらのそれぞれの光ビームが互いに向けて方向付けられるように配置される。
【0010】
一実施形態において、第1光ビームは第1主放射軸に沿って方向付けられ、第2光ビームは第2主放射軸に沿って方向付けられる。第1主放射軸と第2主放射軸の水平面上の投影が交差する。
【0011】
一実施形態において、2つの発光モジュールは、車両から50cm~5mに含まれる距離にある交差点によって境界が示されるオーバーラップの領域でそれらの光ビームが交差することができるように、配置される。
【0012】
一実施形態において、第1発光モジュール及び第2発光モジュールは、互いから15cmよりも大きな距離に配置される。
【0013】
一実施形態において、第1発光モジュール及び/又は第2発光モジュールは、赤外光の、好ましくは近赤外光の、少なくとも1つの源を備える。
【0014】
また発明は、発明による照明システムと、スチルカメラやビデオカメラなどの少なくとも1つの画像取得装置と、を備えた、車両の運転を支援するためのシステムに関する。
【0015】
また、発明は、発明による照明システム又は発明による車両の運転を支援するためのシステムを備える車両、特に動力車両、に関する。
【0016】
一実施形態において、第1発光モジュールは車両の後方部分に配置され、第2発光モジュールは車両の前方部分に配置され、第1主放射軸は車両の前方部分に向けて方向付けられ、第2主放射軸は車両の後方部分に向けて方向付けられている。
【0017】
一実施形態において、第1発光モジュール及び/又は第2発光モジュールは、車両の底部に、好ましくは地面から20cm~50cmに含まれる距離で、配置される。
【0018】
一実施形態において、車両は、車両の側方領域の画像を撮影するように配置された画像取得装置を更に備える。
【0019】
また、発明は、車両の側方領域を照明するための方法に関する。前記照明方法は、後方第1発光モジュールによって第1光ビームを発するステップと、前方第2発光モジュールによって第2光ビームを発するステップと、を含む。2つの光ビームがお互いに向けて方向付けられる。
【0020】
発明は最後に、発明による照明方法を実施するステップと、2つの光ビームのうちの少なくとも1つによって照明された、車両の、側方領域の画像を取得するステップと、を含む、車両の運転を支援するための方法に関する。
【図面の簡単な説明】
【0021】
本発明のこれらの目的、特徴、及び利点は、以下の添付の図面を参照して、特定の非限定的な実施形態の以下の説明において、詳細に説明される。
図1図1は、発明の一実施形態による照明システムを搭載した車両の上方からの図を図式的に示す。
図2図2は、発明の実施形態による照明システムが搭載される車両を、第1発光モジュールの照明のみが点灯される状態を示す。
図3図3は、発明の実施形態による照明システムが搭載される車両を、第2発光モジュールの照明のみを点灯させた状態で示す。
図4図4は、発明の実施形態による照明システムの2つの発光モジュールの主放射軸を示す。
図5図5は、発明の一実施形態による照明システムが搭載される車両の側方図を示す。
図6図6は、発明の一実施形態による照明される車両の側方領域の及び車両の上からの図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0022】
詳細な説明
説明を容易にするために、車両の後方から前方に延びる方向、すなわち車両が前進する方向を、従来のように長手方向と表記する。この方向は、図では矢印Aで示されている。車両が置かれている平面により定められる水平面において、長手方向に垂直な方向を横断方向とする。最後に、前述の2つの方向に垂直で上方に向けられる方向を垂直方向とする。
【0023】
以下、一実施形態による側方領域を照明するためのシステムを搭載した車両2の例を、図1図6を参照して説明する。車両2は、好ましくは、自動車やトラックなどの動力車両である。それは側方サイド21を備える。それは発明の一実施形態による照明システム1が搭載されており、それは、車両の側方領域5であって、この側方サイド21に隣り合う又は近くの側方領域5が照らされることを可能にする。図6に示すように、車両2のこの側方領域5は、車両に隣接するか、10cm以下の距離に、好ましくは5cm以下の距離に、位置する長方形エリアによって定められてもよい。側方領域5は、好ましくは、地上のエリア、すなわち車両2が乗っている水平面の一部、である。図6に示すように、照明される側方領域5は、約20mの長さ及び約5mの幅にわたって延びてもよい。
【0024】
照明システム1は、後方の第1発光モジュール3と、前方の第2発光モジュール4とを備える。発光モジュール3,4が発する光は、可視光でも赤外光でもよい。赤外光は人間の目には見えないため、発光モジュール3,4が有効な規制に準拠した光ビームを発することを可能にする。好ましくは、発光モジュール3,4が発する光は、その放射が近赤外の波長をカバーする光であってもよい。具体的には、近赤外は、人間の目には見えないビームを形成することを可能にし、それ故に有効な規制に準拠することができることに加えて、可視光を検知するために一般的に使用されているセンサーは、近赤外光にも感度がある一方で、それらは赤外帯域のそれ以外には感度がないため、使用するのに有利である。したがって近赤外光を発することで、赤外光を捕捉するように特に設計されるセンサーを使わないことを可能にする。近赤外によって、0.7μm~2.5μm又は0.7μm~1.1μmに含まれる波長の放射を指す。
【0025】
発光モジュール3,4は、車両2の側方領域5を照らすように配置される。発光モジュール3、4は、地面を照らすように配置される。
【0026】
図2に示すように、第1発光モジュール3は、第1主放射軸8に沿って第1光ビーム7を放射する。この第1光ビーム7は、円錐形の体積に実質的に含まれ、当該円錐形の体積の軸は第1主放射軸8である。第1発光モジュール3によって照らされる地面のエリアは、ハッチングされたエリアで表される。光ビームの垂直放射角度及び第1発光モジュール3の高さのため、第1光ビーム7は最初の数センチは地面に触れないことに留意される。
【0027】
「垂直放射角度」によって、垂直面上でのビームの開き角度を指す。対照的に、「水平射出角度」は、水平面上でのビームの開き角度を意味する。
【0028】
図3に示すように、第2発光モジュール4は、第2主放射軸10に沿って第2光ビーム9を放射する。この第2光ビーム9は、円錐形の体積に実質的に含まれ、当該円錐形の体積の軸は第2主放射軸10である。第2発光モジュール4によって照らされた地面のエリアは、ハッチングされた部分で表されている。
【0029】
光線とは、同じ源から或いは同じポイントから出力される一揃いの光線であると理解される必要がある。主放射軸は、光ビームの源を通る軸であり、当該軸上で源から出力される光強度が最も高くなる。前述のように、光ビームのすべての光線は、主放射軸の周りに形成された円錐形の体積に実質的に含まれる。
【0030】
発明の実施形態によれば、後方の第1発光モジュール3の第1光ビーム7は、前方に向けられている。前方の第2発光モジュール4の第2光ビーム9は、後方に向けられている。このようにして2つの光ビーム7,9は互いに向けて方向付けられている。したがって、2つの光ビーム7,9は、特に車両に近接して、交差し、すなわち各ビーム交差の光線の少なくともいくつかが交差し、それによって2つの発光モジュールの間に位置するオーバーラップ領域12で2つの光ビーム7、9が重なる。道路の平面上の水平投影において、このオーバーラップ領域12は三角形の形状を有し、当該三角形の形状は、車両2から最も遠い前記オーバーラップ領域12の点である交差点11によって境界が示される。
【0031】
言い換えれば、主放射軸8、10は互いに向けて方向付けられている。それらは、第1ビーム7が第2モジュール4の方向に向くように交差し、その逆も同様である。したがって、第1主放射軸8と第2主放射軸10とは、2つの照明モジュール3,4が垂直方向に同じ高さを有する実施形態では、交差する。これら2つの照明モジュール3,4が異なる高さ又は垂直方向に異なる向きを有する場合、それらの主放射軸8,10は異なる高さにあるが、特に図4に示すように、水平面へのそれらの投影が交差する。
【0032】
第1発光モジュール3及び第2発光モジュール4は、上記で定められる交差点11が側方サイド21に近接して位置するように、配置されている。前記交差点11と車両2の側方サイド21との間の距離dは、好ましくは50cm~5mに含まれ、非常に好ましくは4m~5mに含まれる。この距離は、有利には、側方領域5のうち、車両に平行で且つ車両から最も遠い側に少なくとも対応し、図1に示されているように、この側方領域5をすべてカバーする。図4に示すように、第1主放射軸8及び第2主放射軸10(又は水平面上のそれらの投影)は、合流点13で交差する。前記合流点13と車両2の側方サイド21との間の距離mは、好ましくは25cm~2mに含まれ、非常に好ましくは50cm~1mに含まれる。
【0033】
一実施形態において、第1主放射軸8は、15°~35°に含まれる、好ましくは20°~25°に含まれる車両2の側方サイド21との角度αをなす。
【0034】
一実施形態において、第2主放射軸10は、165°~145°に含まれる、好ましくは160°~155°に含まれる車両2の側方サイド21との角度βをなす。
【0035】
第1発光モジュール3及び第2発光モジュール4は、15cmを超える距離、好ましくは15cm~4.5mに含まれる距離、だけ離れていてもよい。2つの発光モジュール間のこの距離は、有利には、2つの発光モジュールの間に含まれる車両2の側方領域5の部分と、車両2の前方及び後方に向かって配置される側方領域の部分との、最適な照明を可能にする。
【0036】
第1発光モジュール3及び第2発光モジュール4は、車両の底部、すなわち地面に近い部分に配置されてもよい。地面と第1発光モジュール3及び/又は第2発光モジュール4との間の距離は、好ましくは、20cm~50cmに含まれる。
【0037】
この底地面位置は、発光モジュールと地面に到達するビームの第1の点との間の距離を短くすることを可能にする。そのため、垂直放射角度が小さい発光モジュールを使用することが可能である。
【0038】
したがって図1から明らかなように、発光モジュールは、それらのビームが側方領域5の全体をカバーするように配置される。したがって、第1発光モジュール3及び第2発光モジュール4のそのような配置は、有利には、特に、2つの発光モジュール間に位置する車両の側方領域5の部分が照らされることを可能にする。また、そのような配置は、側方領域5の部分の周縁部、特に車両2の側方サイド21に向けて方向付けられる周縁部、が照らされることを可能にする。そのため、車両2の側方領域5のエリアの全体が最小の強度で照らされる。
【0039】
好ましくは、発光モジュール3,4は、ビームが各々車両の側方サイド21に平行な少なくとも1本の光線を含むように、配置される。
【0040】
図1に示されているように、この配置により、有利には、第1発光モジュール3が、第2発光モジュール4に近接して位置する地面の部分を、車両の側方サイド21に近接して、照明することが可能となる。上記のように、この部分は、第2光ビーム9の垂直放射角度及び第2発光モジュール4の高さのために、第2発光モジュールによって照明されない。
【0041】
同様に、第2発光モジュール4は、第1発光モジュール3に近接して位置する地面の部分を、車両の側方サイド21に近接して、照明する。車両2の側方サイド21に平行な第1発光モジュール3からの光線は、第2発光モジュール4の下にある地面のエリアが照らされることを可能にし、その逆も同様である。
【0042】
したがって、発明は、有利には、小さな水平放射角度の発光モジュールが使用されることを可能にしつつ、発光モジュール3,4に最も近い部分を含む側方領域5の全体が照明されることを可能にする。
【0043】
一実施形態において、第1発光モジュール3及び/又は第2発光モジュール4の水平放射角度は、70°に等しいか又は65°~75°に含まれる。発光モジュールを交差させることは、有利には、発光モジュールの水平放射角度を小さくすることを可能にする。
【0044】
平行に方向づけられ、側方サイド21に垂直な主放射軸を有する発光モジュールによって、モジュールから最も遠い車両の側方サイドの部分が不十分に照明されるであろうことに留意される。そのような配置は、180°以上の水平放射角度を有する発光モジュールを必要とし、それはより高価であり、製造もより困難である。
【0045】
更に、2つの発光モジュールを交差させずに並べて配置することで、発光モジュールの水平放射角度は少なくとも90°に等しいことが必要となるであろうことに留意される。
【0046】
発光モジュール3,4は、車体における凹部に配置されてもよい。具体的には、発明は、有利には、発光モジュールに近いエリアが他のモジュールによって照明されることを可能にするので、発光モジュールを凹ませて、それを、車両の側方サイド21に最も近い側方領域5の部分の照明に影響を与えることなく、衝撃から保護することが可能である。
【0047】
また、発明は、発明の実施形態に係る照明システムを備えた支援システムに関する。更に、この支援システムは、スチルカメラやビデオカメラなどの少なくとも1つの画像取得装置6を備える。画像取得装置6は、照明システム1によって照明された車両2の側方領域5の画像又は動画を取得するように配置されている。特に、それは、障害物や道路上のマークの情報など、動力車両に近接した地面の画像が、日中及び夜間の両方で取得されることを可能にする。
【0048】
また、運転を支援するためのシステムは中央ユニットを備え、当該中央ユニットは、運転を支援するための方法を実施するための少なくとも1つのコンピュータ、例えば1つ以上のマイクロプロセッサ、を含む、スマート管理ユニットの任意のハードウェア及び/又はソフトウェア手段に対応しうる。この中央ユニットは、動力車両における又は動力車両上の任意の場所に置かれてもよく、例えば、動力車両のオンボードコンピュータ内に組み込まれてもよい。変形として、それは画像取得装置6内に配置されていてもよい。したがって運転を支援するためのシステムは、地面上のマークや任意の要素を検知するための装置を備え、当該装置は、少なくとも1つの画像取得装置及び画像処理ユニットの組み合わせによって形成される。
【0049】
支援システムは、更に、1つ又は複数のカメラを中央ユニットに接続する通信手段を備え、それがカメラからの画像を受信することを可能にする。中央ユニットは、画像処理ソフトウェアを含み、そこから運転支援に必要な情報を導き出すことを目的とする。このように、支援システムは、より一般的には、地面上のマーク及び/又は障害物及び/又は車両の側方領域におけるあらゆる要素を検知するための装置を備える。支援システムは更に、中央ユニットを発光モジュールに及び少なくとも1つの画像取得装置6に接続する通信手段を備え、それらを制御、作動及び/又は非作動にすることを目的とする。
【0050】
また、発明は、そのような照明システム1及びそのような支援システムを備える車両2、特に動力車両、に関する。この理由のため、車両2は、上述したように、少なくとも第1発光モジュール3及び第2発光モジュール4を備える。これらの発光モジュールは、好ましくは、車両の側方サイド21において又は車両の側方サイド21に近接して配置される。
【0051】
また、発明は、車両2の側方領域5を照明するための方法に関する。
【0052】
車両2の側方領域5を照明するための方法の実行の一態様について以下説明する。
【0053】
その方法は、第1主放射軸8に沿って前記車両2の後方部分に配置される第1発光モジュール3によって第1光ビーム7を放射する第1のステップを含む。
【0054】
その方法は、第2の主軸に沿って前記車両2の前方部分に配置された第2発光モジュール4によって第2光ビーム9を放射する第2のステップを含む。
【0055】
2つの光ビーム7、9は、上述のように、互いに向けて方向付けられている。
【0056】
第1のステップ及び第2のステップは、好ましくは同時に実行される。
【0057】
更に、支援システムは、運転を支援するための方法を実行し、当該方法は、上述の照明方法に従って、上述の1つ又は複数の光ビームによって、特定の照明を発することからなる第1のステップを備える。また、支援方法は、車両2の側方領域5の画像を取得するステップを含む。
【0058】
画像を取得するするステップは、第1光ビーム7及び/又は第2光ビーム9の放射中に実行される。
【0059】
この方法は、有利には、車両2の側方領域5の画像の生成を可能にし、その全体エリアが、マーク又は障害物又は車線の構造の変化を検知するのに十分な強度で照明される。
図1
図2
図3
図4
図5
図6