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特許7224534熱間圧延帯鋼のエンドレス圧延における中間素材の接続システム及び接続方法
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  • 特許-熱間圧延帯鋼のエンドレス圧延における中間素材の接続システム及び接続方法 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-02-09
(45)【発行日】2023-02-17
(54)【発明の名称】熱間圧延帯鋼のエンドレス圧延における中間素材の接続システム及び接続方法
(51)【国際特許分類】
   B21B 1/26 20060101AFI20230210BHJP
   B21B 15/00 20060101ALI20230210BHJP
【FI】
B21B1/26 C
B21B15/00 A
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2022511012
(86)(22)【出願日】2020-08-18
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-10-26
(86)【国際出願番号】 CN2020109835
(87)【国際公開番号】W WO2021032091
(87)【国際公開日】2021-02-25
【審査請求日】2022-03-04
(31)【優先権主張番号】201910779750.6
(32)【優先日】2019-08-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】519323539
【氏名又は名称】シーアイエスディーアイ リサーチ アンド ディベロップメント カンパニー リミテッド
【氏名又は名称原語表記】CISDI RESEARCH AND DEVELOPMENT CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】YAN, Bo No.11-1, Huijin Road, New North Zone Chongqing 401122 (CN)
(74)【代理人】
【識別番号】110001427
【氏名又は名称】弁理士法人前田特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ガオ アイミン
(72)【発明者】
【氏名】ハン フイチュエン
(72)【発明者】
【氏名】ワン ワンフイ
(72)【発明者】
【氏名】ジョウ ミン
【審査官】松村 駿一
(56)【参考文献】
【文献】特開平5-146806(JP,A)
【文献】特開昭62-89503(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B21B 1/26
B21B 15/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
上部剪断装置Iと、下部剪断装置Iと、上部剪断装置IIと、下部剪断装置IIとを含み、
前記上部剪断装置II及び前記下部剪断装置IIは、前記上部剪断装置I及び前記下部剪断装置Iの後方に位置し、
前記上部剪断装置Iは、上部剪断部材台Iと、上部剪断部材台Iに設けられた上部剪断刃Iと、上部剪断部材台Iを上下に昇降駆動する上部押下機構Iと、上部剪断部材台Iを前後に並進駆動する上部並進機構Iとを含み、
前記下部剪断装置Iは、下部剪断部材台Iと、下部剪断部材台Iに設けられた下部剪断刃Iとから主に構成され、
前記上部剪断装置IIは、上部剪断部材台IIと、上部剪断部材台IIに設けられた上部剪断刃IIと、上部剪断部材台IIを上下に昇降駆動する上部押下機構IIとを含み、
前記下部剪断装置IIは、下部剪断部材台IIと、下部剪断部材台IIに設けられた下部剪断刃IIと、下部剪断部材台IIを上下に昇降駆動する引き上げ機構とを含み、
前記上部剪断刃Iは前記下部剪断刃Iの上方に設けられ、
前記上部剪断刃Iと前記下部剪断刃Iとの剪断刃構造は同じであり、
前記上部剪断刃IIは前記下部剪断刃IIの上方に正対して設けられ、
前記上部剪断刃IIと前記下部剪断刃IIとの剪断刃構造は同じであり、
前記上部剪断刃Iと前記下部剪断刃IIとの剪断刃構造は、互いに交錯して設けられることで、前方スラブを係合して剪断するように達成し、
前記下部剪断刃Iと前記上部剪断刃IIとの剪断刃構造は、互いに交錯して設けられることで、後方スラブを係合して剪断するように達成し、
前記上部押下機構IIには、前記上部剪断刃IIと前記下部剪断刃IIとの剪断量を制御する押下量検出装置が設けられる、
ことを特徴とする熱間圧延帯鋼のエンドレス圧延における中間素材の接続システム。
【請求項2】
取付フレームと並進駆動システムとをさらに含み、
前記並進駆動システムは、前記取付フレームに接続され、前記取付フレームを機群の動作方向に沿って前後に移動させるように駆動し、
前記並進駆動システムに、前記取付フレームの移動速度をリアルタイムに制御する変位検出装置が設けられることで、前記取付フレームを機群の速度に整合させ、
前記上部剪断装置I及び前記下部剪断装置Iは、入口端に位置する取付フレームに設けられ、
前記上部剪断装置II及び前記下部剪断装置IIは、出口端に位置する取付フレームに設けられる、
ことを特徴とする請求項1に記載の熱間圧延帯鋼のエンドレス圧延における中間素材の接続システム。
【請求項3】
前記上部押下機構Iは、前記上部並進機構Iに取り付けられて前記上部剪断部材台Iに接続され、
前記上部並進機構Iは、前記取付フレームに取り付けられ、
前記上部押下機構IIは、引き上げ機構に対応して前記上部剪断部材台IIと前記下部剪断部材台IIに接続されて取付フレームに取り付けられる、
ことを特徴とする請求項2に記載の熱間圧延帯鋼のエンドレス圧延における中間素材の接続システム。
【請求項4】
前記下部剪断装置Iは、前記下部剪断部材台Iを前後に並進駆動する下部並進機構Iをさらに含む、
ことを特徴とする請求項2から3のいずれか1項に記載の熱間圧延帯鋼のエンドレス圧延における中間素材の接続システム。
【請求項5】
前記下部並進機構Iは、前記取付フレームに取り付けられて前記下部剪断部材台Iに接続される、
ことを特徴とする請求項4に記載の熱間圧延帯鋼のエンドレス圧延における中間素材の接続システム。
【請求項6】
前記上部剪断刃Iと前記下部剪断刃Iとの剪断刃構造は、アリ切り込み溝又はアリ突起リブであり、
前記上部剪断刃IIと前記下部剪断刃IIとの剪断刃構造は、アリ切り込み溝又はアリ突起リブに整合するアリ突起リブ又はアリ切り込み溝である、
ことを特徴とする請求項1に記載の熱間圧延帯鋼のエンドレス圧延における中間素材の接続システム。
【請求項7】
前記上部剪断刃IIと前記下部剪断刃IIとの剪断刃構造を、互いに整合する前記上部剪断刃Iと前記下部剪断刃Iとの剪断刃構造に通過するとともに、前記上部剪断刃Iと前記下部剪断刃IIに交錯して設けられた前記剪断刃構造の幅が異なり、前記下部剪断刃Iと前記上部剪断刃IIに交錯して設けられた前記剪断刃構造の幅が異なるので、前方、後方スラブを剪断して接続する時に、押出し変形が生じる、
ことを特徴とする請求項1又は6に記載の熱間圧延帯鋼のエンドレス圧延における中間素材の接続システム。
【請求項8】
(1) 機群の動作方向に沿って、前後に2組の剪断装置を設け、後方に位置する剪断装置は、対向して高低に設けられた上部剪断装置IIと下部剪断装置IIとを含み、上部剪断装置IIと下部剪断装置IIは、いずれも昇降することができ、前方に位置する剪断装置は、高低に設けられた上部剪断装置Iと下部剪断装置Iとを含み、上部剪断装置Iは、それぞれ昇降と、機群の動作方向に沿う前後に移動をすることができるステップと、
(2) 前後2組の剪断装置における剪断刃構造を設け、後方の剪断装置に位置する剪断刃構造と前方の剪断装置に位置する剪断刃構造は互いに交錯して設けられ、後方の剪断装置が昇降する時、その上の剪断刃構造を前方の剪断装置における剪断刃構造に通過することができるステップと、
(3) 後方の剪断装置において、上部剪断装置IIと下部剪断装置IIとが係合して前方スラブのストリップ末端を挟持して前方スラブを持ち上げることができ、前方の剪断装置において、上部剪断装置Iと下部剪断装置Iとが係合して後方スラブのストリップ先端を挟持することができ、後方の剪断装置と前方の剪断装置とが係合して、前方スラブのストリップ末端が後方スラブのストリップ先端よりも上方に位置し、かつ部分的に重なるようにするステップと、
(4) 後方の剪断装置が下降し、下部剪断装置IIと上部剪断装置Iとが先に係合して前方スラブを剪断し、上部剪断装置IIと下部剪断装置Iとが次に係合して後方スラブを剪断して同期して接続するように達成するステップと、を主に含む、
ことを特徴とする熱間圧延帯鋼のエンドレス圧延における中間素材の接続方法。
【請求項9】
前方、後方の剪断装置における剪断刃構造の幅を制御することで、前方、後方のスラブを剪断して接続する時に押出し変形が生じる、
ことを特徴とする請求項8に記載の熱間圧延帯鋼のエンドレス圧延における中間素材の接続方法。
【請求項10】
前方に位置する剪断装置において、前記下部剪断装置Iが機群の動作方向に沿って前後移動することができる、
ことを特徴とする請求項8に記載の熱間圧延帯鋼のエンドレス圧延における中間素材の接続方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、帯鋼のエンドレス圧延における中間素材の接続技術分野に属し、具体的には、熱間圧延帯鋼のエンドレス圧延における中間素材の接続システム及び接続方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来のストリップ熱間連続圧延や仕上げ圧延機群は、いずれも1つのブロックの中間素材で圧延し、仕上げ圧延機群に入る時のストリップスレッディング、加速圧延、減速圧延、鋼投げ、テールアウトなどのプロセスが不可避である。このため、帯鋼におけるヘッドとテールでの厚さの差やストリップスレッディング品質の均一性を保つことが困難であり、圧延作業率、造材率も一定の制限を受ける。
【0003】
自動車、家電などの業界における薄板品質への要求が高まるにつれ、寸法、形状精度、表面、及び固有品質が、同等に重要な品質の鍵となっている。熱間圧延帯鋼のエンドレス圧延技術は、極薄熱延鋼帯の圧延、板厚さ精度制御、板帯の全長性の安定性制御、生産性の向上などの点で、従来の熱延鋼帯の圧延が匹敵できない優位性を示す。
【0004】
中間素材接続技術は、エンドレス圧延のキーテクノロジーであり、現在、積層圧延圧接法、剪断圧接法、溶接法、機械的な接続法、還元炎処理接続法、直接通電接続法、誘導加熱接続法、及びレーザー溶接法などを含む。現在、従来の中間素材の接続技術は、構造が非常に複雑であり、敷地面積が大きく、投資コストが高く、接続工程が非常に複雑である。
【0005】
係止溝による接続方法を採用することが国内外で検討されているが、機器の工程フローにおいて、いずれも「係止溝を前後のスラブにそれぞれ切断し、さらに重ね継ぎと押出し」を採用することで達成し、工程フロー、及び接続機器のいずれも実施可能性がなく、一方、押出しを円滑に行うためには、前後の係止溝の位置決め精度をマイクロメートルオーダーに制御する必要があるが、オンラインで連続生産する場合には、位置決め精度が要求に達することができないとともに、係止溝をそれぞれ剪断し、さらに重ね継ぎと押出しを行うことで、剪断面が空気に長時間曝され、酸化層の発生を招き、接続効果にも影響を与える。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、上記の点に鑑みてなされたもので、中間素材の接続効果を満たすとともに、構造を簡略化し、コストを低減する熱間圧延帯鋼のエンドレス圧延における中間素材の接続システム及び接続方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本発明は以下の技術的解決手段を提供する。
【0008】
熱間圧延帯鋼のエンドレス圧延における中間素材の接続システムであって、上部剪断装置Iと、下部剪断装置Iと、上部剪断装置IIと、下部剪断装置IIとを含み、上部剪断装置II及び下部剪断装置IIは上部剪断装置I及び下部剪断装置Iの後方に位置し、
上部剪断装置Iは、上部剪断部材台Iと、上部剪断部材台Iに設けられた上部剪断刃Iと、上部剪断部材台Iを上下に昇降駆動する上部押下機構Iと、上部剪断部材台Iを前後に並進駆動する上部並進機構Iとを含み、下部剪断装置Iは、下部剪断部材台Iと、下部剪断部材台Iに設けられた下部剪断刃Iとから主に構成され、
上部剪断装置IIは、上部剪断部材台IIと、上部剪断部材台IIに設けられた上部剪断刃IIと、上部剪断部材台IIを上下に昇降駆動する上部押下機構IIとを含み、下部剪断装置IIは、下部剪断部材台IIと、下部剪断部材台IIに設けられた下部剪断刃IIと、下部剪断部材台IIを上下に昇降駆動する引き上げ機構とを含み、
上部剪断刃Iは下部剪断刃Iの上方に設けられ、上部剪断刃Iと下部剪断刃Iとの剪断刃構造は同じであり、上部剪断刃IIは下部剪断刃IIの上方に正対して設けられ、上部剪断刃IIと下部剪断刃IIとの剪断刃構造は同じであり、上部剪断刃Iと下部剪断刃IIとの剪断刃構造は、互いに交錯して設けられることで、前方スラブを係合して剪断するように達成し、下部剪断刃Iと上部剪断刃IIとの剪断刃構造は、互いに交錯して設けられることで、後方スラブを係合して剪断するように達成し、上部押下機構IIには、上部剪断刃IIと下部剪断刃IIとの剪断量を制御する押下量検出装置が設けられる。
【0009】
さらに、取付フレームと並進駆動システムとをさらに含み、並進駆動システムは、取付フレームに接続され、取付フレームを機群の動作方向に沿って前後に移動させるように駆動し、並進駆動システムには、取付フレームの移動速度をリアルタイムに制御する変位検出装置が設けられることで、取付フレームを機群の速度に整合させ、上部剪断装置I及び下部剪断装置Iは、入口端に位置する取付フレームに設けられ、上部剪断装置II及び下部剪断装置IIは、出口端に位置する取付フレームに設けられる。
【0010】
さらに、上部押下機構Iは、上部並進機構Iに取り付けられて上部剪断部材台Iに接続され、上部並進機構Iは、取付フレームに取り付けられ、上部押下機構IIは、引き上げ機構に対応して上部剪断部材台IIと下部剪断部材台IIに接続されて取付フレームに取り付けられる。
【0011】
さらに、下部剪断装置Iは、下部剪断部材台Iを前後に並進駆動する下部並進機構Iをさらに含む。
【0012】
さらに、下部並進機構Iは、取付フレームに取り付けられて下部剪断部材台Iに接続される。
【0013】
さらに、上部剪断刃Iと下部剪断刃Iとの剪断刃構造は、アリ切り込み溝又はアリ突起リブであり、上部剪断刃IIと下部剪断刃IIとの剪断刃構造は、アリ切り込み溝又はアリ突起リブに整合するアリ突起リブ又はアリ切り込み溝である。
【0014】
さらに、上部剪断刃IIと下部剪断刃IIとの剪断刃構造を、互いに整合する上部剪断刃Iと下部剪断刃Iとの剪断刃構造に通過するとともに、上部剪断刃Iと下部剪断刃IIに交錯して設けられた剪断刃構造の幅が異なり、下部剪断刃Iと上部剪断刃IIに交錯して設けられた剪断刃構造の幅が異なるので、前方、後方スラブを剪断して接続する時に、押出し変形が生じる。
【0015】
熱間圧延帯鋼のエンドレス圧延における中間素材の接続方法であって、
(1) 機群の動作方向に沿って、前後に2組の剪断装置を設け、後方に位置する剪断装置は、対向して高低に設けられた上部剪断装置IIと下部剪断装置IIとを含み、上部剪断装置IIと下部剪断装置IIは、いずれも昇降することができ、前方に位置する剪断装置は、高低に設けられた上部剪断装置Iと下部剪断装置Iとを含み、上部剪断装置Iは、それぞれ昇降と、機群の動作方向に沿う前後に移動をすることができるステップと、
(2) 前後2組の剪断装置における剪断刃構造を設け、後方の剪断装置に位置する剪断刃構造と前方の剪断装置に位置する剪断刃構造は互いに交錯して設けられ、後方の剪断装置が昇降する時、その上の剪断刃構造を前方の剪断装置における剪断刃構造に通過することができるステップと、
(3) 後方の剪断装置において、上部剪断装置IIと下部剪断装置IIとが係合して前方スラブのストリップ末端を挟持して前方スラブを持ち上げることができ、前方の剪断装置において、上部剪断装置Iと下部剪断装置Iとが係合して後方スラブのストリップ先端を挟持することができ、後方の剪断装置と前方の剪断装置とが係合して、前方スラブのストリップ末端が後方スラブのストリップ先端よりも上方に位置し、かつ部分的に重なるようにするステップと、
(4) 後方の剪断装置が下降し、下部剪断装置IIと上部剪断装置Iとが先に係合して前方スラブを剪断し、上部剪断装置IIと下部剪断装置Iとが次に係合して後方スラブを剪断して同期して接続するように達成するステップと、を主に含む。
【0016】
さらに、前方、後方の剪断装置における剪断刃構造の幅を制御することで、前方、後方のスラブを剪断して接続する時に押出し変形が生じる。
【0017】
さらに、前方に位置する剪断装置において、下部剪断装置Iが機群の動作方向に沿って前後移動することができる。
【発明の効果】
【0018】
本発明の有益な効果は、以下のとおりである。
【0019】
当該接続システム及び接続方法は、並進駆動システムにより、中間素材接続装置を機群の速度に整合させるように達成し、取付フレームにより剪断装置を支持する役割を果たし、剪断装置は取付フレーム内に2組に分けられて設けられ、前方スラブと後方スラブとの挟持をそれぞれ達成し、互いに交錯したアリ剪断刃構造により剪断することを達成して良好な長さ方向の応力状態を保証し、最後に、剪断刃間の幅方向寸法に所定の差異を設けることで、形成されたアリ切り込み溝による接続過程において所定の押出し変形が生じることを確保し、接続効果を高め、最終的に良好な中間素材の接続効果を達成するとともに、接続装置の構造を極めて簡素化し、投資及びランニングコストを低減する。
【0020】
本発明の他の利点、目標及び特徴は、ある程度で以下の明細書に説明され、かつある程度で、以下の考察研究に基づいて当業者にとって明らかであり、又は本発明の実践から教示される。本発明の目標及びその他の利点は、以下の明細書から達成及び取得される。本発明の目的、技術的解決手段、及び利点をより明確にするために、本発明は、以下の図面と併せて、好ましい詳細な説明を以下に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】熱間圧延帯鋼のエンドレス圧延における中間素材の接続システムの構造概略図である。
図2】上部剪断刃Iと下部剪断刃Iとの剪断刃構造の概略図である。
図3】上部剪断刃IIと下部剪断刃IIとの剪断刃構造の概略図である。
図4】前方スラブと後方スラブとの接続の概略図である。
図5】熱間圧延帯鋼のエンドレス圧延における中間素材の接続ステップの概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明の実施形態を特定の具体例により説明するが、当業者は本明細書に開示された内容から本発明の他の利点及び効果を容易に理解することができる。本発明は、他の様々な実施形態により実施又は応用され得るものであり、本明細書の様々な詳細事項は、本発明の精神から逸脱することなく、様々な観点及び応用に基づいて様々な修正又は改変を行うことができる。なお、以下の実施例で提供される図は、本発明の基本的な概念を概略的に示すものに過ぎず、以下の実施例及び実施例の特徴は、矛盾しない限り、互いに組み合わせることができる。
【0023】
ただし、図面は、例示的な説明のために過ぎず、単に概略図を示しており、実物図ではなく、本発明を制限するものと理解されなく、本発明の実施例をよりよく説明するために、図面のいくつかの構成要素は、省略され、拡大され、又は縮小されてもよく、実際の製品の寸法を表すものではなく、当業者には、図面におけるいくつかの周知の構造及びその説明が省略されることが理解され得る。
【0024】
本発明の実施例の図面における同一又は類似の参照番号は、同一又は類似の部材に対応し、本発明の説明において、「上」、「下」、「左」、「右」、「前」、「後」などの用語が示す位置又は位置関係は、図面により示される位置又は位置関係である場合、本発明の説明の便宜及び説明の簡略化のためにのみ示されており、言及される装置又は部材が特定の位置を有すること、特定の位置で構成及び操作を行わなければならないことを指示又は暗示するものではないことが理解されるべきであり、従って、図面における位置関係を説明する用語は、例示的な説明のためにのみ使用され、本発明を制限するものとして理解されなく、当業者には、具体的な状況に応じて、上記の用語の具体的な意味を理解することができる。
【0025】
図1図5を参照するが、熱間圧延帯鋼のエンドレス圧延における中間素材の接続システムであり、上部剪断装置I1と、下部剪断装置I2と、上部剪断装置II3と、下部剪断装置II4とを含み、上部剪断装置II3及び下部剪断装置II4は上部剪断装置I1及び下部剪断装置I2の後方に位置する。
【0026】
本実施例において、上部剪断装置I1は、上部剪断部材台I11と、上部剪断部材台I11に設けられた上部剪断刃I12と、上部剪断部材台I11を上下に昇降駆動する上部押下機構I13と、上部剪断部材台Iを前後に並進駆動する上部並進機構I14とを含む。上部剪断刃I12及び上部剪断部材台I11は、上部並進機構I14により機群動作方向に沿って前後に移動することができ、上部剪断刃I12及び上部剪断部材台I11は、上部押下機構I13により昇降に運動することができ、前後及び昇降運動により下部剪断装置Iと係合してスラブを挟持するように達成することができる。
【0027】
下部剪断装置I2は、下部剪断部材台I21と、下部剪断部材台I21に設けられた下部剪断刃I22とから主に構成され、下部剪断装置I2が下部剪断装置II4に隣接して配置される場合、それが固定的に設けられ、上部剪断装置I1の運動により互いに係合するように達成し、それが下部剪断装置II4から一定距離を離れた位置に配置される場合、下部剪断装置Iは、下部剪断部材台I21を前後に並進駆動する下部並進機構I23を含み、このように、上部剪断装置I1及び下部剪断装置I2は、それぞれ、上部並進機構I14、下部並進機構I23により、上部剪断部材台I11、下部剪断部材台I21を前後に移動可能にし、それが後方の剪断装置と係合させることができる。
【0028】
これに応じて、上部剪断装置II3は、上部剪断部材台II31と、上部剪断部材台II31に設けられた上部剪断刃II32と、上部剪断部材台IIを上下に昇降駆動する上部押下機構II33とを含み、下部剪断装置II4は、下部剪断部材台II41と、下部剪断部材台II41に設けられた下部剪断刃II42と、下部剪断部材台IIを上下に昇降駆動する引き上げ機構43とを含む。上部剪断部材台IIは、上部押下機構II33により昇降運動し、下部剪断部材台II41は、引き上げ機構43により昇降運動し、両者が互いに係合してスラブを挟持するように達成することができる。
【0029】
ここで、上部剪断装置II3と下部剪断装置II4は、上部剪断装置I1と下部剪断装置I2の後方に設けられ、上部剪断装置I1と下部剪断装置I2は、それぞれ上部並進機構I14、下部並進機構I23を介して上部剪断部材台I11、下部剪断部材台I21の前後移動を達成することにより、昇降、移動の調節で、スラブの挟持、重ね合わせ、及び剪断部材台の上部剪断刃の互いの係合を行い、スラブの剪断接続をさらに達成することができる。
【0030】
具体的には、上部剪断刃I12は下部剪断刃I22の上方に設けられ、上部剪断刃I12と下部剪断刃I22との剪断刃構造は同じであり、上部剪断刃II32が下部剪断刃II42の上方に正対に設けられ、上部剪断刃II32と下部剪断刃II42との剪断刃構造は同じであり、上部剪断刃Iと下部剪断刃IIと、下部剪断刃Iと上部剪断刃IIとの刃物構造は、互い交錯に設けられる。剪断過程は、前後に設けられた2組の剪断装置の係合により達成し、剪断すると同時に接続が同期に達成される。
【0031】
上記の解決手段のさらなる改良として、取付フレーム5と、並進駆動システム6とをさらに含み、並進駆動システム6が取付フレーム5に接続されて取付フレームを機群の動作方向に沿って前後に移動し、上部剪断装置I1と下部剪断装置I2は、入口端に位置する取付フレームに設けられ、上部剪断装置II3と下部剪断装置II4は、出口端に位置する取付フレーム5に設けられる。
【0032】
具体的には、上部剪断装置I1において、上部押下機構I13が上部並進機構I14に取り付けられて上部剪断部材台I11に接続され、上部並進機構I14が取付フレームの入口側の上方に設けられ、上部剪断部材台I11が上部押下機構I13及び上部並進機構I14の駆動により取付フレーム内で上下、前後に移動することができる。下部剪断装置I2において、下部剪断部材台I21が、下部並進機構I23に駆動可能に取り付けられ、下部並進機構I23が取付フレームの入口側の下方に設けられる。上部剪断装置II3において、上部押下機構II33が上部剪断部材台II31に対応して接続されて取付フレームの出口側の上方に取り付けられ、上部剪断部材台II31は、上部押下機構II33により取付フレーム内を上下に移動する。下部剪断装置II4において、下部剪断部材台II41が引き上げ機構43により取付フレームの出口側の下方に取り付けられ、下部剪断部材台II41及びその上の剪断刃が引き上げ機構43により取付フレーム内を上下に移動することができる。
【0033】
好ましくは、上部押下機構II33には、異なるスラブの厚さの要件に応じて、剪断刃の剪断量を正確に制御するための押下量検出装置が設けられる。
【0034】
上記の取付フレーム5は、上部剪断装置I1、下部剪断装置I2、上部剪断装置II3、及び下部剪断装置II4を支持する役割を果たし、並進駆動システム6は、中間素材の接続過程において、機群の動作方向に沿って取付フレーム5を移動させるように駆動するためであり、各機構は、並進駆動システム6の制御下で取付フレーム5とともに機群の動作方向に沿って移動することができる。並進駆動システム6には、中間素材の正確な接続を容易に達成するために、取付フレーム5の移動速度をリアルタイムで機群の速度に整合させるように制御するための変位検出装置が設けられる。
【0035】
本実施例では、上部剪断刃I12と下部剪断刃I22との剪断物構造はいずれもアリ切り込み溝であり、上部剪断刃IIと下部剪断刃IIとの剪断刃構造はいずれもアリ切り込み溝に整合するアリ突起リブである。剪断過程において、上部剪断装置I1と下部剪断装置II4とが先に係合して前方スラブを剪断し、上部剪断装置II3と下部剪断装置I2とが次に係合して後方スラブを剪断して同期して接続するように達成し、両者が互いに交錯して整合接続を達成する。当然ながら、ここでの剪断刃構造はアリ形態に限定されず、横方向(スラブ幅方向)の交錯接続、縦方向(スラブ長さ方向)の抜け止めを実現可能な剪断刃構造のいずれかの方式であればよい。
【0036】
好ましくは、上部剪断刃I12及び下部剪断刃II42に交錯して設けられる剪断刃構造の幅が異なり、下部剪断刃I22及び上部剪断刃II32に交錯して設けられる剪断刃構造の幅が異なり、すなわち、上部剪断装置I1と下部剪断装置II4の剪断刃、上部剪断装置II3と下部剪断装置I2の剪断刃には、幅方向における寸法に若干の差異があり、これにより、前方スラブの上歯溝と後方スラブの歯溝が若干重ね合わせることで、形成されたアリ切り込み溝が接続過程において所定の押出し変形が生じ、接続効果を高めることができる。
【0037】
なお、本解決手段で言及した押下機構、並進機構、並進駆動システム、引き上げ機構は、いずれも既存の線形伸縮駆動機構であり、例えば油圧シリンダのようなものである。
【0038】
熱間圧延帯鋼のエンドレス圧延における中間素材の接続方法であって、主に、
(1) 同一の取付フレーム内に前後(入口側と出口側)に2組の剪断装置を設け、出口側に位置する剪断装置は、対向して高低に設けられた上部剪断装置IIと下部剪断装置IIとを含み、上部剪断装置IIと下部剪断装置IIは、いずれも昇降することができ、入口側に位置する剪断装置は、高低に設けられた上部剪断装置Iと下部剪断装置Iとを含み、上部剪断装置Iは、それぞれ昇降と、機群の動作方向に沿って前後に移動することができ、取付フレームは、並進駆動システムにより、機群の動作方向に沿って移動するように駆動されるステップと、
(2) 前後2組の剪断装置における剪断刃構造を設け、後方に位置する上部剪断装置IIと下部剪断装置IIとの剪断刃構造が同一であり、前方に位置する上部剪断装置Iと下部剪断装置Iとの剪断刃構造が同一であり、前方と後方との剪断刃構造は互いに交錯して設けられ、後方の剪断装置が昇降する時、その上の剪断刃構造を前方の剪断装置における剪断刃構造に通過することができるステップと、
(3) 後方の剪断装置において、上部剪断装置IIと下部剪断装置IIとが係合して前方スラブのストリップ末端を挟持して前方スラブを持ち上げることができ、前方の剪断装置において、上部剪断装置Iと下部剪断装置Iとが係合して後方スラブのストリップ先端を挟持することができ、後方の剪断装置と前方の剪断装置とが係合して、前方スラブのストリップ末端が後方スラブのストリップ先端よりも上方に位置し、かつ部分的に重なるようにするステップと、
(4) 後方の剪断装置が下降し、下部剪断装置IIと上部剪断装置Iとが先に係合して前方スラブを剪断し、上部剪断装置IIと下部剪断装置Iとが次に係合して後方スラブを剪断して同期して接続するように達成するステップと、を含む。
【0039】
好ましくは、前方、後方の剪断装置における剪断刃構造の幅を制御することで、前方、後方のスラブを剪断して接続する時に押出し変形が生じる。
【0040】
好ましくは、前方に位置する剪断装置において、下部剪断装置Iが機群の動作方向に沿って前後移動することができる。
【0041】
具体的には、
(1) 上部剪断装置Iと下部剪断装置I、上部剪断装置IIと下部剪断装置IIは、いずれも開状態にあり、中間素材を接続システムの中間に通過する段階と、
(2) 上部剪断装置IIと下部剪断装置IIとが係合して前方スラブのストリップ末端を圧着するように駆動し、上部押下機構II33と引き上げ機構43とをそれぞれ作動させて圧着した状態で前方スラブを一定の高さに上昇させると同時に、並進駆動システム6は、取付フレームの移動速度を機群の速度に合致するように制御する段階と、
(3) 上部剪断装置Iと下部剪断装置Iとが係合して後方スラブのストリップ先端を圧着するように駆動する段階と、
(4) 上部並進機構I14と下部並進機構I23とのそれぞれの駆動により、後方スラブとともに上部剪断装置Iと下部剪断装置Iを同期して移動させることで、上部剪断装置Iと下部剪断装置Iとの間に圧着する後方スラブのストリップ先端を前方スラブのストリップ末端の下方の対応位置に位置させる段階と、
(5) 前方スラブのストリップ末端が圧着される上部剪断装置IIを下部剪断装置IIと同期して下方に運動するように駆動し、下部剪断装置IIにおける下部剪断刃IIを上部剪断装置Iにおける上部剪断刃Iに対応して係合させて前方スラブのストリップ末端の剪断を完了させ、上部剪断装置IIにおける上部剪断刃IIを次に下部剪断装置Iにおける下部剪断刃Iに対応して係合させて後方スラブのストリップ先端を剪断し、後方スラブのストリップ先端を剪断する時、剪断された前方スラブのストリップ末端を同期して剪断された前方スラブのストリップ末端に接続する段階と、
(6) 上部剪断装置I、下部剪断装置I、上部剪断装置II及び下部剪断装置IIが前方、後方スラブに対する拘束を解除するように駆動し、各機構を(1)段階に復帰させて次回の剪断を待つ段階とに分けられる。
【0042】
当該接続システム及び接続方法は、並進駆動システムにより、中間素材接続装置を機群の速度に整合させるように達成し、取付フレームにより剪断装置(上部剪断装置I1、下部剪断装置I2、上部剪断装置II3及び下部剪断装置II4)を支持する役割を果たし、上部剪断装置I1、下部剪断装置I2、上部剪断装置II3及び下部剪断装置II4は取付フレーム内に2組に分けられて設けられ、前方スラブと後方スラブとの挟持をそれぞれ達成し、互いに交錯したアリ剪断刃構造により剪断することを達成して良好な長さ方向の応力状態を保証し、最後に、剪断刃間の幅方向寸法に所定の差異を設けることで、形成されたアリ切り込み溝による接続過程において所定の押出し変形が生じることを確保し、接続効果を高め、最終的に良好な中間素材の接続効果を達成するとともに、接続装置の構造を極めて簡素化し、投資及びランニングコストを低減する。
【0043】
最後に、以上の実施例は、本発明の技術的解決手段を説明するためのものに過ぎず、それらを限定するためのものではなく、好ましい実施例を参照して本発明を詳細に説明したが、当業者には、本発明の技術的解決手段の主旨と範囲から逸脱することなく、本発明の技術的解決手段を修正又は等価置換することが理解され、いずれも本発明の特許請求の範囲に属することが説明される。
【符号の説明】
【0044】
1 上部剪断装置I
2 下部剪断装置I
3 上部剪断装置II
4 下部剪断装置II
5 取付フレーム
6 並進駆動システム
上部剪断装置Iにおいて、
11 上部剪断部材台I
12 上部剪断刃I
13 上部押下機構I
14 上部並進機構I
下部剪断装置Iにおいて、
21 下部剪断部材台I
22 下部剪断部材台I
23 下部並進機構I
上部剪断装置IIにおいて
31 上部剪断部材台II
32 上部剪断刃II
33 上部押下機構II
下部剪断装置IIにおいて、
41 下部剪断部材台II
42 下部剪断部材台II
43 引き上げ機構
図1
図2
図3
図4
図5