(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-02-10
(45)【発行日】2023-02-20
(54)【発明の名称】遊技機
(51)【国際特許分類】
A63F 7/02 20060101AFI20230213BHJP
【FI】
A63F7/02 304D
(21)【出願番号】P 2018073828
(22)【出願日】2018-04-06
【審査請求日】2020-08-05
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】599104196
【氏名又は名称】株式会社サンセイアールアンドディ
(74)【代理人】
【識別番号】110000291
【氏名又は名称】弁理士法人コスモス国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】椿谷 悠
(72)【発明者】
【氏名】稲垣 忠
【審査官】中野 直行
(56)【参考文献】
【文献】特開2012-110433(JP,A)
【文献】特開2017-104346(JP,A)
【文献】特開2013-078414(JP,A)
【文献】特開2015-208373(JP,A)
【文献】特開2010-233631(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 7/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の装飾面と第2の装飾面とを有する装飾部を備える遊技機であって、
前記装飾部は、
前記第1の装飾面を有する第1の装飾部と、前記第2の装飾面を有する第2の装飾部と、を有し、
前記第1の装飾面が前記第2の装飾面よりも前方に位置する第1の装飾状態と、前記第2の装飾面が前記第1の装飾面よりも前方に位置する第2の装飾状態との切り替えを、回転軸を中心とした回転動作により可能であり、
前記第1の装飾面および前記第2の装飾面はどちらも、前記第1の装飾状態および前記第2の装飾状態のどちらの状態でも前方に向いていることを特徴とする遊技機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パチンコ遊技機や回胴式遊技機(パチスロ遊技機)等の遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
パチンコ遊技機等の遊技機においては、遊技興趣を高めるために様々な構成がとられている。そして近年、例えば多くのパチンコ遊技機には、可動可能な装飾部が設けられている。
【0003】
例えば、下記特許文献1には、可動可能に設けられた装飾部が、待機位置と進出位置との間で揺動動作を行う遊技機が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、上記特許文献1のような従来の遊技機では、遊技興趣が十分でないことがあった。すなわち、従来の遊技機においては、遊技興趣を十分に提供できないおそれがあり、より高い遊技興趣を提供可能とするために改善の余地があった。
【0006】
本発明は上記事情に鑑みてなされたものである。すなわちその課題とするところは、高い遊技興趣を備えることが可能な遊技機を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る遊技機は、
第1の装飾面と第2の装飾面とを有する装飾部を備える遊技機であって、
前記装飾部は、
前記第1の装飾面を有する第1の装飾部と、前記第2の装飾面を有する第2の装飾部と、を有し、
前記第1の装飾面が前記第2の装飾面よりも前方に位置する第1の装飾状態と、前記第2の装飾面が前記第1の装飾面よりも前方に位置する第2の装飾状態との切り替えを、回転軸を中心とした回転動作により可能であり、
前記第1の装飾面および前記第2の装飾面はどちらも、前記第1の装飾状態および前記第2の装飾状態のどちらの状態でも前方に向いていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、高い遊技興趣を備えることが可能な遊技機が提供されている。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図2】遊技機を右上方手前からみたときの斜視図である。
【
図3】遊技機が備える遊技盤ユニットの正面図である。
【
図4】遊技盤ユニットが備える表示器類を示す図である。
【
図5】遊技盤ユニットの演出ユニットが備える第2可動装置の動作態様を示す図である。
【
図6】演出ユニットが備える第1可動装置の正面図(回転装飾部が待機状態のとき)である。
【
図7】第1可動装置の正面図(回転装飾部が進出状態のとき)である。
【
図10】回転装飾部の回転装飾演出について説明する図である。
【
図11】同遊技機の遊技制御基板側の電気的な構成を示すブロック図である。
【
図12】同遊技機の演出制御基板側の電気的な構成を示すブロック図である。
【
図14】遊技制御用マイコンが取得する各種乱数を示す表である。
【
図15】(A)大当たり判定テーブルである。(B)リーチ判定テーブルである。(C)普通図柄当たり判定テーブルである。(D)普通図柄変動パターン選択テーブルである。
【
図17】電チューの開放パターン決定テーブルである。
【
図18】遊技制御側タイマ割り込み処理のフローチャートである。
【
図19】演出制御側タイマ割り込み処理のフローチャートである。
【
図20】受信コマンド解析処理のフローチャートである。
【
図21】回転装飾演出における装飾面での表示態様の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明の一実施形態であるパチンコ遊技機について、図面に基づいて説明する。なお、以下の説明において遊技機の一例としてのパチンコ遊技機の各部の左右方向は、そのパチンコ遊技機に対面する遊技者にとっての左右方向に一致させて説明する。また、パチンコ遊技機の各部の前方向をパチンコ遊技機に対面する遊技者に近づく方向とし、パチンコ遊技機の各部の後方向をパチンコ遊技機に対面する遊技者から離れる方向として説明する。
【0011】
1.遊技機の構造
図1は、第1の形態に係るパチンコ遊技機PY1の正面図である。また、
図2は、パチンコ遊技機PY1の斜視図である。
図1または
図2に示すように、本形態のパチンコ遊技機PY1は、当該パチンコ遊技機PY1の外郭を構成する遊技機枠2を備えている。遊技機枠2は、外枠22と内枠21と前扉23とを備えている。外枠22は、遊技機枠2の外郭を構成する縦長方形状の枠体である。内枠21は、遊技盤1(
図3参照)が取り付けられる縦長方形状の枠体である。本形態の前扉23は、内枠21の前方側に配置されていて、遊技盤1を保護する縦長方形状のものである。本形態では、外枠22及び内枠21が遊技機枠2の基枠部を構成しており、前扉23が遊技機枠2の前枠部を構成している。
【0012】
また、前扉23は、その中央に遊技窓部が形成されている前枠23mを有している。前枠23mの遊技窓部は、前後方向について貫通した開口部であり、透明板23tが取付けられることで塞がれている。透明板23tは、透明な合成樹脂でもガラスでもよい。
【0013】
前扉23は、
図1に示すように、前面側に、装飾部である上部ユニット31、右部ユニット32、左部ユニット33を備えている。上部ユニット31は、透明板23tの上方に設けられ、遊技機枠2(前扉23)の前面上部を装飾するものである。右部ユニット32は、透明板23tの右方に設けられ、遊技機枠2(前扉23)における前面右部を装飾するものである。左部ユニット33は、透明板23tの左方に設けられ、遊技機枠2(前扉23)における前面左部を装飾するものである。前枠23mには、様々な発光色で発光可能な枠ランプ53が多数設けられている。また、前枠23mの上部には、音を出力可能な右スピーカ52Rおよび左スピーカ52Lから構成されるスピーカ52が設けられている。
【0014】
また、
図2に示すように、前枠23mの前面の下部には、前方に大きく突出した上皿34と、上皿34の直下に配された下皿35が設けられている。上皿34の前方側には、演出ボタン装置40、セレクトボタン装置42が設けられている。演出ボタン装置40は、下方に押下操作可能な演出ボタン40kを有している。セレクトボタン装置42は、その前後左右の各位置が、下方に押下操作可能なセレクトボタン42kを有している。
【0015】
さらに、上皿34の上面の後方側には、遊技球を貯留可能な供給球貯留穴34Aが、演出ボタン装置40、セレクトボタン装置42を避けるように形成されている。供給球貯留穴34Aに貯留される遊技球は、ハンドル72kを含んで構成されている発射装置72に供給される。また、下皿35の上面には、供給球貯留穴34Aに収容しきれない余剰の遊技球を貯留するための余剰球貯留穴35Aが設けられている。
【0016】
ハンドル72kは、発射装置72の駆動に係る操作を行うことが可能なものであり、本形態では、前扉23の右側の下部に設けられている。ハンドル72kは、遊技者による回転操作に基づき、その回転角度に応じた発射強度(発射速度)で、発射装置72に遊技球を発射させることができる。
【0017】
セレクトボタン装置42は、遊技者がセレクトボタン42kの操作により、演出に係る設定等の調整や選択を行うことができるものである。本形態のパチンコ遊技機PY1では、スピーカ52から出力される音量調整を行うことができるものである。また、セレクトボタン装置42は、例えば、発光部材の光量調整や、複数の演出モードを実行可能な場合における演出モードの選択に用いることができるものであってもよい。また、このような演出に係る設定は、演出ボタン装置40により行うことができてもよい。
【0018】
遊技機枠2は、左端側にヒンジ部24を備えている。ヒンジ部24は、外枠22、内枠21、前扉23を回転可能に支持しているものである。そして、ヒンジ部24により、前扉23は外枠22及び内枠21に対してそれぞれ回動自在になっていて、内枠21は外枠22及び前扉23に対してそれぞれ回動自在になっている。なお、
図1および
図2には、内枠21および前扉23がともに閉められた閉状態のときの遊技機枠2を示している。前扉23は、閉状態から、内枠21から遠ざかる向きに回転されることで開状態をとることができる。また、内枠21は、閉状態から外枠22から遠ざかる向きに回転されることで開状態をとることができる。
【0019】
次に、遊技盤ユニットYUについて説明する。
図3は遊技盤ユニットYUの正面図である。
図3に示すように、本形態の遊技盤ユニットYUは、遊技盤1を有している。遊技盤1は、板状の部材であり(このため遊技板ともいう)、その背面側に設けられた演出ユニットEUと一体化されて遊技盤ユニットYUを構成している。遊技盤ユニットYUには、各種制御基板やハーネス等を取付けるユニットも設けられている。遊技盤ユニットYUは、パチンコ遊技機PY1においては、遊技機枠2の内枠21に取り付けられることで、遊技機枠2の内部に固定されている。
【0020】
遊技盤1の略中央付近には、開口部1Aが形成されている。また、遊技盤1には、開口部1Aに沿って、略リング状のセンター装飾体61が設けられている。センター装飾体61は、遊技盤1の前面である遊技盤面1Fよりも前方に突出している。遊技盤1の遊技盤面1Fにおけるセンター装飾体61の外側には、前方に突出した外レール62および内レール63が設けられている。外レール62は、センター装飾体61を大きく取り囲むように略リング状をしている。内レール63は、外レール62の左側部分とセンター装飾体61との間で、外レール62およびセンター装飾体61に沿った湾曲状のものである。
【0021】
そして、遊技盤1の遊技盤面1Fにおいて、センター装飾体61、外レール62および内レール63などで囲まれた領域が遊技領域6を形成している。すなわち、遊技盤1の遊技盤面1Fが、センター装飾体61、外レール62および内レール63によって、遊技領域6とそれ以外の領域とに区切られている。また、外レール62と内レール63とで囲まれた領域は、発射された遊技球が遊技領域6へ向かうために通過可能な発射領域7を形成している。
【0022】
遊技領域6は、ハンドル72kの操作によって発射された遊技球が流下可能な領域であり、パチンコ遊技機PY1で遊技を行うために設けられている。このため、遊技領域6は、 一般的には、パチンコ遊技機PY1のうちで遊技者が視認する頻度の高いものとなっている。遊技領域6には、多数の遊技用くぎ(図示なし)が突設されている。遊技用くぎは、遊技領域6に進入して遊技領域6を流下する遊技球を、一般入賞口10、第1始動口11、第2始動口12、ゲート13、および大入賞口14などに適度に誘導する経路を構成している。
【0023】
遊技領域6の所定位置には、一般入賞装置10Dが設けられている。一般入賞装置10Dには、一般入賞口10が、遊技球の入球が可能に形成されている。遊技球が一般入賞口10へ入球すると、所定個数(本実施形態では、7個)の遊技球が賞球として払い出される。なお、一般入賞口10に入球した遊技球はそのまま遊技領域6の外へと排出される。
【0024】
また、遊技領域6におけるセンター装飾体61の中央直下には第1始動入賞装置11Dが設けられている。第1始動入賞装置11Dには、第1始動口11が遊技球の入球が可能に形成されている。第1始動入賞装置11Dは作動しない非作動構造からなる。そのため、第1始動口11は、遊技球の入球のし易さが変化せずに一定(不変)である。遊技球が第1始動口11へ入球すると、所定個数(上記の実施形態では、4個)の遊技球が賞球として払い出される。なお、第1始動口11に入球した遊技球はそのまま遊技領域6の外へと排出される。
【0025】
なお、センター装飾体61の左側部から下端部にかけて、遊技球を内部に通すワープ部61wが形成されている。ワープ部61wへの入口はセンター装飾体61の左側部に形成されている。ワープ部61wに入った遊技球はワープ部61wの内部を通って出口から出る。ワープ部61wの出口付近であってセンター装飾体61の下端部上面には、遊技球が転動可能なステージ61sが設けられている。ステージ61sの中央付近には、遊技球を下方に導く下方誘導部61yが設けられている。第1始動口11は、この下方誘導部61yの直下に設けられている。
【0026】
遊技領域6における第1始動口11の右方には、第2始動入賞装置(いわゆる「電チュー」)12Dが設けられている。電チュー12Dには、遊技球が入球不可能な閉態様と入球可能な開態様とに変化可能な第2始動口12が形成されている。第2始動口12は、電チュー12Dが具備する電チュー開閉部材12kによって閉態様と開態様とをとる。すなわち、電チュー開閉部材12kの作動によって第2始動口12が開閉する。
【0027】
電チュー開閉部材12kは、通常は、上方に開口する第2始動口12の上に位置し、第2始動口12を閉鎖している。この閉鎖状態では、第2始動口12に遊技球が入球できないようになっている。電チュー開閉部材12kは、第2始動口12を閉鎖した状態から右方へと移動することが可能である。この右方への移動により、第2始動口12を開放した開状態をとることができる。そして、電チュー開閉部材12kが開状態であるときだけ遊技球の第2始動口12への入球が可能となる。遊技球が第2始動口12へ入球すると、所定個数(本形態では、4個)の遊技球が賞球として払い出される。なお、第2始動口12に入球した遊技球はそのまま遊技領域6の外部へ排出される。
【0028】
また、第2始動口12の上方には、ゲート13が設けられている。ゲート13は、遊技球が通過可能に構成されている。遊技球がゲート13を通過しても賞球が払い出されない。なお、ゲート13を通過した遊技球はそのまま遊技領域6を流下する。
【0029】
遊技領域6における第1始動入賞装置11Dの下方には、大入賞装置14Dが設けられている。大入賞装置14Dには、遊技球が入球可能な入球態様と、入球態様よりも遊技球の入球が困難な非入球態様とに変化可能な大入賞口14が形成されている。大入賞口14は、大入賞装置14Dが具備するAT(Attacker)可動部材14kの動作によって入球態様と非入球開態様とをとる。
【0030】
AT可動部材14kは、前後方向に進退可能な部材である。大入賞口14は、AT可動部材14kが前方に進出しているとき、入球態様をとる。具体的に、AT可動部材14kが前方に進出した入球態様のとき、AT可動部材14kまで流下してきた遊技球は、AT可動部材14kの上面に沿って移動可能となり、その移動先の大入賞口14へと遊技球が導かれ得る。これにより、入球態様では、大入賞口14への遊技球の入球が可能となっている。一方、大入賞口14は、AT可動部材14kが後方に退避しているとき、非入球態様をとる。AT可動部材14kが後方へと退避した非入球態様であるときには、遊技球がAT可動部材14kによって大入賞口14へと導かれることなく、さらに下方へと流下していく。なお、遊技球が大入賞口14へ入球すると、所定個数(本形態では、14個)の遊技球が賞球として払い出される。
【0031】
また、本形態の大入賞装置14Dは、特定領域と非特定領域とを備えるものである。すなわち、本形態において、大入賞口14に入球した後の遊技球の経路として、特定領域を通るルートと、非特定領域を通るルートとが設けられている。そのため、大入賞装置14Dは、大入賞口14に入球した遊技球を、特定領域を通過するルートおよび非特定領域を通過するルートのいずれかに振り分ける振分部材を有している。なお本パチンコ遊技機PY1では、特定領域への遊技球の通過が後述の高確率状態への移行の契機となっている。つまり特定領域は、確変作動口となっている。これに対して非特定領域は、確変作動口ではない。
【0032】
なお、第1始動口11、第2始動口12、大入賞口14、および一般入賞口10への遊技球の入球や、遊技球のゲート13の通過をまとめて、第1始動口11、第2始動口12、大入賞口14、一般入賞口10、およびゲート13への「入賞」と総称する。
【0033】
ところで、遊技球が流下可能な遊技領域6は、左右方向の中央より左側の左遊技領域6Aと、右側の右遊技領域6Bと、に大別することができる。遊技球が左遊技領域6Aを流下するように遊技球を発射させるハンドル72kの操作態様を「左打ち」という。一方、遊技球が右遊技領域6Bを流下するように遊技球を発射させるハンドル72kの操作態様を「右打ち」という。また、遊技領域6において、左打ちにて遊技球を発射したときに遊技球が流下可能な流路を、第1流路R1といい、右打ちにて遊技球を発射したときに遊技球が流下可能な流路を、第2流路R2という。
【0034】
第1流路R1上には、第1始動口11と、複数の一般入賞口10と、が設けられている。よって、遊技者は、左打ちにより第1流路R1を流下するように遊技球を発射させることで、第1始動口11、または、一般入賞口10への入賞を狙うことができる。一方、第2流路R2上には、第2始動口12と、ゲート13と、大入賞口14と、が設けられている。よって、遊技者は、右打ちにより第2流路R2を流下するように遊技球を発射させることで、ゲート13、第2始動口12、または大入賞口14への入賞を狙うことができる。
【0035】
なお、遊技領域6の略最下部には、遊技領域6へ打ち込まれたもののいずれの入賞口にも入賞しなかった遊技球を遊技領域6の外部へ排出する2つのアウト口19が設けられている。
【0036】
また、遊技盤ユニットYUの遊技盤1には、表示器類8が設けられている。表示器類8は、遊技領域6の外側における左下の箇所に位置している。表示器類8は、大当たり抽選の結果等、遊技の進行状態を表示することができるものである。この表示器類8については、後に詳述する。
【0037】
また、遊技盤ユニットYUは、遊技盤1の後方の演出ユニットEUに設けられた、画像表示装置50、第1可動装置55、第2可動装置56を有している。画像表示装置50は、表示部(表示画面)50aに所定の演出画像を表示可能なものである。画像表示装置50は、本形態においては、液晶ディスプレイである。また、画像表示装置50は、その表示部50aが、遊技盤ユニットYUの中央付近に位置するように設けられている。また、画像表示装置50は、表示部50aが、遊技盤1の遊技盤面1Fと略平行な平面に沿って設けられている。このため、遊技者は、遊技盤1の開口部1Aを通して画像表示装置50の表示部50aを視認することが可能である。
【0038】
画像表示装置50は、表示部50aに、例えば、演出図柄EZを表示可能である。本形態の演出図柄EZは、左演出図柄EZ1、中演出図柄EZ2、右演出図柄EZ3により構成されている。左演出図柄EZ1は中演出図柄EZ2の左側に、右演出図柄EZ3は中演出図柄EZ2の右側に表示される。なお、本形態では、左演出図柄EZ1、中演出図柄EZ2、右演出図柄EZ3を総称する場合に「演出図柄EZ1,EZ2,EZ3または演出図柄EZ1~EZ3」ということもある。
【0039】
演出図柄EZ1,EZ2,EZ3はそれぞれ、遊技者が識別可能な複数の識別情報で構成される。本形態では、演出図柄EZ1,EZ2,EZ3は主に「1」~「8」までの数字を含む図柄で構成される。そして、演出図柄EZの変動表示においては、演出図柄EZ1,EZ2,EZ3を構成する数字を含む図柄群が、正面視で上下方向に並んで表示部50aの上から下にスクロールする。このとき、表示部50aに表示され、視認される数字が次々に入れ替わる。
【0040】
なお、演出図柄EZの変動表示の態様としては、上下方向にスクロールする態様に限られず、左右方向(例えば、右から左)にスクロールする態様など他の態様であってもよい。また、スクロール表示ではなく所定の定位置で演出図柄EZ1,EZ2,EZ3を構成する数字を含む図柄群が次々に入れ替わる(例えば、その定位置で自転する)態様であってもよい。
【0041】
そして、特図が停止表示されるときに、演出図柄EZ1,EZ2,EZ3が所定の配列(組み合わせ)で停止表示される。すなわち、変動表示において表示部50a内で次々に入れ替わっていた様々な数字を含む図柄が1つに特定される。このとき、停止表示した演出図柄EZ1,EZ2,EZ3の組み合わせによって、特図抽選の結果が、わかりやすく表示される。つまり遊技者は、一般的には特図抽選の結果を、画像表示装置50の表示部50aにて把握する。
【0042】
また、演出図柄EZの変動表示においては、リーチ演出が行われることがある。リーチとは、特図変動演出において、演出図柄EZ1,EZ2,EZ3を用いて遊技者に大当たりを期待させることができる演出である。具体的に、リーチは、演出図柄EZ1,EZ2,EZ3のうちでスクロール表示されている演出図柄が残り一つとなっている状態であって、スクロール表示されている演出図柄がどの図柄で停止表示されるか次第で大当たり当選を示す演出図柄の組み合わせとなる状態(例えば「5↓5」の状態)のことである。
【0043】
なお、リーチにおいてスクロール表示されていない演出図柄は、表示部50a内の所定位置で仮停止している。仮停止とは、所定の演出図柄が略所定位置で留まり(所定の演出図柄が表示部50a内に表示され続け)、すなわち、異なる演出図柄に入れ替わることはないものの、微小な変動(例えば、多少の上下方向の往復運動の繰り返し、また、多少の揺動の繰り返し、また、拡大と縮小の繰り返しなど)のことである。なお、仮停止の態様はこれらに限られず、適宜に設定しても良い。
【0044】
また、画像表示装置50は、上記のような演出図柄EZの変動演出(「演出図柄変動演出」や単に「変動演出」ともいう)のほか、大当たり遊技に並行して行われる大当たり演出や、客待ち用のデモ演出などを表示部50aに表示する。なお演出図柄変動演出では、数字等の演出図柄のほか、背景画像やキャラクタ画像などの演出図柄以外の演出画像も表示される。
【0045】
また、第1可動装置55、第2可動装置56は、装飾可能な装飾部を備えるとともに、演出図柄EZの変動演出等(リーチの発生時や大当たり)に合わせて演出動作を可能な装置である。その演出動作により、第1可動装置55、第2可動装置56は、遊技者の期待感や満足感を高め、遊技興趣性の向上を図ることができる。第1可動装置55、第2可動装置56については、後に詳述する。
【0046】
図4は、遊技盤1に設けられている表示器類8の拡大図である。
図4に示すように、表示器類には、第1特別図柄(以下、「特
図1」という)を可変表示する特
図1表示器81a、第2特別図柄(以下、「特
図2」という)を可変表示する特
図2表示器81b、及び、普通図柄(以下、「普図」という)を可変表示する普図表示器82が含まれている。また、表示器類には、後述する特
図1保留数を表示する特
図1保留表示器83a、および後述する特
図2保留数を表示する特
図2保留表示器83bが含まれている。
【0047】
特
図1の可変表示は、遊技球の第1始動口11への入賞を契機とした特
図1抽選が行われると実行される。また、特
図2の可変表示は、遊技球の第2始動口12への入賞を契機とした特
図2抽選が行われると実行される。特
図1抽選、および特
図2抽選については後述する。なお、以下の説明では、特
図1、および特
図2を総称して「特図」といい、特
図1抽選、および特
図2抽選を総称して「特図抽選」という。また、特
図1表示器81a、および特
図2表示器81bを総称して「特図表示器81」という。さらに、特
図1保留表示器83a、および特
図2保留表示器83bを総称して「特図保留表示器83」という。
【0048】
特図の可変表示は、特図抽選の結果を報知する。特図の可変表示では、特図が変動表示した後に停止表示する。停止表示された特図(停止特図)は、可変表示の表示結果として導出された特図抽選の結果を表す識別情報である。停止表示された特図が予め定めた特定の特図である場合には、大入賞口14の開放を伴う大当たり遊技が行われる。
【0049】
特
図1表示器81a、および特
図2表示器81bはそれぞれ、横並びに配された8個のLEDから構成されている。特
図1表示器81a、および特
図2表示器81bの点灯態様は、特図抽選の結果に応じた特図、すなわち特図抽選の結果を表す。例えば特図抽選の結果が大当たりである場合には、最終的に「□□■■□□■■」(□:点灯、■:消灯)というように左から1,2,5,6番目にあるLEDが点灯する。この点灯態様が大当たり図柄であり、大当たりを表す。また、特図抽選の結果がハズレである場合には、最終的に「■■■■■■■□」というように一番右にあるLEDのみが点灯する。この点灯態様がハズレ図柄であり、ハズレを表す。なお、特図抽選の結果に対応するLEDの点灯態様は限定されず、適宜に設定することができる。よって、例えば、ハズレ図柄として全てのLEDを消灯させてもよい。
【0050】
また、特図の可変表示において、特図が停止表示される前には所定の変動時間にわたって特図の変動表示がなされる。特図の変動表示の態様は、例えば左から右へ光が繰り返し流れるように各LEDが点灯する態様である。なお、変動表示の態様は、特に限定されず、各LEDが停止表示(特定の態様での点灯表示)されていなければ、全LEDが一斉に点滅するなど適宜に設定してよい。
【0051】
ところで、パチンコ遊技機PY1では、遊技球が第1始動口11または第2始動口12へ入賞してもすぐに特図抽選および特図の可変表示が行われない場合がある。具体的には、特図の可変表示の実行中や大当たり遊技の実行中に遊技球の第1始動口11または第2始動口12への入賞があった場合である。この場合、所定個数を上限として、その入賞に基づいて特図抽選および特図の可変表示を実行する権利が留保される。この留保された権利のことを「特図保留」という。
【0052】
特図保留には、第1始動口11への入賞に基づいて留保された特
図1抽選、および特
図1の可変表示を実行する権利を表す「特
図1保留」と、第2始動口12への入賞に基づいて留保された特
図2抽選、および特
図2の可変表示を実行する権利を表す「特
図2保留」と、がある。そして、特
図1保留の数、すなわち留保されている特
図1抽選および特
図1の可変表示を実行する権利の数を特
図1保留表示器83aが表示する。一方、特
図2保留の数、すなわち留保されている特
図2抽選、および特
図2の可変表示を実行する権利の数を特
図2保留表示器83bが表示する。
【0053】
特
図1保留表示器83aおよび特
図2保留表示器83bのそれぞれは、4個のLEDで構成されており、特
図1保留および特
図2保留の数の分だけLEDを点灯させることにより特
図1保留および特
図2保留の数を表示する。なお、以下において、特
図1保留の数を「特
図1保留数(U1)」といい、特
図2保留数の数を「特
図2保留数(U2)」という。また、「特
図1保留数」や「特
図2保留数」を総称して「特図保留数」という。さらに、「特
図1保留表示器83a」と「特
図2保留表示器83b」とを総称して「特図保留表示器83」という。
【0054】
また、普図の可変表示は、遊技球のゲート13の通過を契機とした普図抽選が行われると実行される。そして、普図の可変表示は、普図抽選の結果を報知する。普図の可変表示では、普図が変動表示した後に停止表示する。停止表示された普図(停止普図)は、可変表示の表示結果として導出された普図抽選の結果を表す識別情報である。停止表示された普図が予め定めた特定の普図である場合には、第2始動口12の開放を伴う補助遊技が行われる。
【0055】
普図表示器82は、例えば2個のLEDから構成されている。普図表示器82の点灯態様は、普図抽選の結果に応じた普図、すなわち普図抽選の結果を表す。普図抽選の結果が当たりである場合には、最終的には、「□□」(□:点灯、■:消灯)というように両LEDが点灯する。この点灯態様が当たり図柄であり、当たりを表す。また普図抽選の結果がハズレである場合には、最終的には、「■□」というように右のLEDのみが点灯する。この点灯態様がハズレ図柄であり、ハズレを表す。なお、普図抽選の結果に対応するLEDの点灯態様は限定されず、適宜に設定することができる。例えば、ハズレ図柄として全てのLEDを消灯させる態様を採用してもよい。
【0056】
また、普図が停止表示される前には所定の変動時間にわたって普図の変動表示が行われる。普図の変動表示の態様は、本形態では、両LEDが交互に点灯するという態様である。なお、普図の変動表示の態様は、特に限定されず、各LEDが停止表示(特定の態様での点灯表示)されていなければ、全LEDが一斉に点滅するなど適宜に設定してもよい。
【0057】
次に、演出ユニットEUの第1可動装置55、第2可動装置56について説明する。まず、
図5により、第2可動装置56について説明する。
【0058】
図5に示すように、第2可動装置56は、平面移動部200を有している。平面移動部200は、遊技盤1の後方であって、画像表示装置50の前方の位置に設けられている。平面移動部200は、前面に装飾が施されている装飾部である。本形態の平面移動部200は、パチンコ遊技機PY1でモチーフとなっているサッカーに因み、サッカーボールの意匠が施されたものである。また、平面移動部200は、
図5に示すように、上下および左右に移動可能な移動機構を備えている。つまり、平面移動部200は、遊技盤1の遊技盤面1Fに略平行な面内にて移動可能に設けられている。
【0059】
これにより、平面移動部200は、画像表示装置50の表示部50aの前方を自在に移動することが可能な装飾部となっている。そして、その移動により、平面移動部200は、画像表示装置50の表示部50aの右下の角付近の待機位置(退避位置)と、待機位置よりも画像表示装置50の中央に近い位置へと進出した進出位置とを取ることができる。平面移動部200は、このような広範囲の平面移動により、高い興趣性を備えた演出を行うことが可能になっている。
【0060】
また、平面移動部200は、上記のような上下左右の移動による平面移動に加え、前後方向の回転軸を中心とした回転移動も行うことができる。この回転移動により、平面移動部200は、サッカーボールの平面移動に迫力を付与する等、より興趣性の高い演出を行うことが可能になっている。
【0061】
次に、第1可動装置55について説明する。
図6は、第1可動装置55の正面図である。第1可動装置55は、上下駆動部300と回転装飾部400とを有している。なお、
図6では、回転装飾部400について、その中央基部401のみを二点鎖線により示している。
【0062】
上下駆動部300は、リンク機構により、回転装飾部400の中央基部401を上下方向に移動させることができるものである。上下駆動部300は、ベース部301、モータリンク310、伝達リンク320、第1上下リンク330、第2上下リンク340を有している。また、回転装飾部400の上下移動に係る駆動力を発生させる駆動源として、上下モータ310mを有している。
【0063】
ベース部301は固定されている固定部であり、遊技盤1に対して移動することのない部材である。また、上下モータ310mは、ベース部301に固定されている。モータリンク310は、一端部に上下モータ310mのモータ軸310gが挿入されており、他端部に設けられた軸部312が、伝達リンク320の右側の端部に挿入されている。また、伝達リンク320は、その左側の端部が、第1上下リンク330に接続されている。
【0064】
第1上下リンク330は、支点部332に支軸部331を有している。支軸部331は、ベース部301に挿入されている。このため、第1上下リンク330は、ベース部301に、支軸部331を中心として回転可能に支持されている。また、第1上下リンク330は、支点部332から突出するように設けられた、第1アーム333と第2アーム335とを有している。第1アーム333は、支点部332から遠い先端部に、軸部334が設けられている。第1アーム333の軸部334は、伝達リンク320の左側の端部に挿入されている。これにより、上下モータ310mの駆動力が、モータリンク310、伝達リンク320を介して第1上下リンク330に伝達され、第1上下リンク330が回転されるように構成されている。第2アーム335は、支点部332から遠い先端部に軸部336が設けられている。第2アーム335の軸部336は、回転装飾部400の中央基部401に形成された穴402に挿入されている。また、第1上下リンク330は、支点部332の外周に、ギア337が形成されている。
【0065】
第2上下リンク340は、左側の端部に支軸部341を、右側の端部に軸部342を有している。支軸部341は、ベース部301に挿入されている。このため、第2上下リンク340は、ベース部301に、支軸部341を中心として回転可能に支持されている。また、第2上下リンク340の軸部342は、回転装飾部400の中央基部401に形成された長穴403に挿入されている。また、第2上下リンク340は、左側の端部の外周に、ギア343が形成されている。第2上下リンク349のギア343は、第1上下リンク330のギア337と噛み合っている。これにより、第1上下リンク330が支軸部331を中心として回転したときには、第2上下リンク340についても、支軸部341を中心として回転するように構成されている。
【0066】
また、
図6は、回転装飾部400が上方の待機位置(退避位置)に位置する待機状態(退避状態)を示している。そして、本形態の上下駆動部300は、
図6の待機状態から、上下モータ310mを時計回りに回転することで、回転装飾部400を、待機位置よりも下方の進出位置へと進出した進出状態へと変位させることができる。
【0067】
図7は、回転装飾部400が進出状態の第1可動装置55を示す図である。
図7に示すように、進出状態では、待機状態のときよりも、上下モータ310mが時計回りに回転したことで、第1上下リンク330が反時計回り、第2上下リンク340が時計回りにそれぞれ回転している。これにより、進出状態では、第1上下リンク330の軸部336と第2上下リンク340の軸部342とがともに、待機状態のときよりも下方に位置している。これにより、回転装飾部400は、進出状態では、待機状態のときよりも、下方へと移動するようになっている。なお、上下モータ310mを、回転装飾部400を待機状態から進出状態へと変位させるときとは逆に回転させることで、回転装飾部400を進出状態から待機状態へと変位させることができる。
【0068】
これにより、本形態の回転装飾部400は、進出位置と、進出位置よりも退避した待機位置とをとることが可能なものとなっている。また、本形態では、第2上下リンク340の軸部342の方が、第1上下リンク330の軸部336よりも、回転装飾部400の進出位置と待機位置との間の移動に伴う、上下方向についての移動距離(ストローク)が、長いものとなっている。また、本形態の回転装飾部400は、待機状態では、その長手方向を水平方向に合わせた姿勢となるように構成されている。このため、回転装飾部400は、進出状態では、左側の端部よりも右側の端部の方が下方に位置するように傾斜した傾斜姿勢をとるようになっている。なお、第1上下リンク330の軸部336と第2上下リンク340の軸部342との上下方向の移動距離は、同じであってもよい。
【0069】
本形態では、回転装飾部400は、進出位置では、進出位置から退避した待機位置よりも、画像表示装置50の表示部50aの前方に重なる面積が増えるようになっている。これにより、回転装飾部400は、進出位置では、待機位置よりも目立つようになっている。従って、進出位置における回転装飾部400は、十分に遊技者の目を引きつけることができる。
【0070】
なお、本形態では、第2上下リンク340の軸部342が挿入される、回転装飾部400の中央基部401の箇所が、前述したように、長穴403となっている。これは、回転装飾部400を待機位置と進出位置との一方から他方に変位させる過程において、第1上下リンク330の軸部336と第2上下リンク340の軸部342との直線距離が変位するためである。つまり、その変位分を吸収するための構造として、第2上下リンク340の軸部342が挿入される、回転装飾部400の中央基部401の箇所が、長穴403とされている。
【0071】
次に、第1可動装置55の回転装飾部400について説明する。
図8に回転装飾部400の正面図を、
図9に回転装飾部400の平面図を示している。
図8および
図9に示すように、回転装飾部400の中央基部401の右端には右方基部405が、中央基部401の左端には左方基部406が設けられている。右方基部405および左方基部406はそれぞれ、中央基部401の右端、左端から前方に向けて突出するように構成された部分である。
【0072】
本形態において、中央基部401は、その面積の広い前面が、遊技盤面1Fと平行に設けられている。そして、右方基部405および左方基部406はともに、前方に向けてまっすぐに突出しているわけではなく、右斜め前方向に向けて、中央基部401に対して傾斜するように突出している。また、右方基部405および左方基部406は、互いに平行になるように設けられている。
【0073】
右方基部405には、回転モータ410mが取り付けられている。回転モータ410mは、その取付面が、傾斜した右方基部405の側面に沿って固定されているため、そのモータ軸410gについても、傾斜している。なお、
図9には、モータ軸410gの中心軸を、右方回転軸RAとして示している。また、モータ軸410gには、右方回転部410が固定されている。右方回転軸RAは、
図9に示すように、中央基部401に対して傾斜するように設けられている。つまり、右方回転軸RAは、遊技盤面1に対して傾斜しつつ交差するものである。
【0074】
右方回転部410は、円盤状のものであり、モータ軸410gに、右方基部405と平行に固定されている。このため、右方回転部410は、モータ軸410gの回転により回転する。また、右方回転部410には、
図8および
図9に示すように、4つの軸部412が設けられている。4つの軸部412は、右方回転部410の周方向について、均等に配置されている。そして、4つの軸部412はいずれも、その中心軸がモータ軸410gの中心軸と平行に設けられている。つまり、4つの軸部412はいずれも、中心軸が右方回転軸RAと平行である。
【0075】
左方基部406には、左方回転部420の中心軸部421が挿入されている。このため、左方回転部420は、左方基部406に、中心軸部421を中心として回転可能に設けられている。なお、
図9には、中心軸部421の中心軸を左方回転軸RBとして示している。左方回転軸RBは、
図9に示すように、中央基部401に対して傾斜するように設けられている。つまり、左方回転軸RBについても、右方回転軸RAと同様に、遊技盤面1に対して傾斜しつつ交差するものである。左方回転部420は、中心軸部421からその径方向について突出する4つの突出部423を有している。4つの突出部423は、中心軸部421の周方向について均等に配置されている。
【0076】
また、突出部423の突出方向の先端付近にはそれぞれ、軸部422が設けられている。よって、4つの軸部422についても、中心軸部421の周方向について、均等に配置されている。そして、4つの軸部422はいずれも、その中心軸が中心軸部421の中心軸と平行に設けられている。つまり、4つの軸部422はいずれも、中心軸が左方回転軸RBと平行である。
【0077】
また、右方回転部410と左方回転部420との間は、4つの装飾部材430によって接続されている。4つの接続部材は、左右方向に長い板状のものであり、右側の端部に右方回転部410の軸部412が、左側の端部に左方回転部420の軸部422がそれぞれ1つずつ挿入されている。これにより、装飾部材430は、右方回転部410と左方回転部420との間に保持されている。
【0078】
本形態において、装飾部材430は4つとも、その構成自体は同様のものである。本形態の装飾部材430は、装飾面431を備えている。装飾面431には、LEDを備えるセグメントが複数、設けられており、各セグメントのLEDはそれぞれ、点灯または消灯することができる。装飾部材430は、このLEDの点灯、消灯により、装飾面431に様々な態様(例えば文字やドット絵など)を示す点灯装飾演出を行うことが可能になっている。
【0079】
なお、1つの装飾部材430に対して挿入されている右方回転部410の軸部412と左方回転部420の軸部422とは、平行ではあるものの、同軸上にはないものである。このため、右方回転部410、左方回転部420が回転しなければ、軸部412または軸部422を中心として回転することはない。つまり、装飾部材430は、右方回転部410の軸部412および左方回転部420の軸部422がそれぞれ両端に挿入されていることで、その姿勢が保持される。そして、本形態の装飾部材430は、右方回転部410および左方回転部420が回転したとしても、常に、装飾面431を前方に向けた状態で、右方回転部410と左方回転部420との間に保持される。
【0080】
また、装飾部材430は、その左右方向の両端部(軸部412または軸部422が挿入されている部分)が、両端の間の中間部分に対して折れ曲がっている。本形態では、その折れ曲がっている両端部以外の中間部分の前面が、装飾面431となっている。そして、この装飾面431は、
図9からわかるように、中央基部401の前面と平行である。つまり、本形態では、装飾部材430の装飾面431についても、遊技盤面1Fと平行に設けられている。
【0081】
このような構成の第1可動装置55の回転装飾部400は、回転モータ410mを駆動することで、右方回転部410を、右方回転軸RAを中心として回転させることができる。また、右方回転部410が回転することにより、左方回転部420についても左方回転軸RBを中心として回転する。左方回転部420は、右方回転部410と、装飾部材430によって接続されているからである。すなわち、回転装飾部400では、回転モータ410mを駆動することで右方回転部410および左方回転部420を回転させ、これにより装飾部材430についても位置を移動させる回転装飾演出を行うことができる。
【0082】
この回転装飾演出について、
図10により説明する。
図10には、4つの装飾部材430、右方回転軸RA、左方回転軸RBを示している。また、
図10には、4つの装飾部材430がとることができる移動位置として、前方上方位置FU、前方下方位置FD、後方上方位置BU、後方下方位置BDを示している。前方上方位置FUおよび前方下方位置FDは、後方上方位置BUおよび後方下方位置BDよりも前方に位置している。前方上方位置FUおよび後方上方位置BUは、前方下方位置FDおよび後方下方位置BDよりも上方に位置している。
【0083】
そして、4つの装飾部材430は、回転装飾演出では、
図10に矢印で示すように移動することができる。つまり、
図10において前方上方位置FUに位置している装飾部材430はその後、前方下方位置FD、後方下方位置BD、後方上方位置BUへとこの順に移動する。なお、回転装飾演出における装飾部材430は、左方回転部420および右方回転部410が90°回転することで、前方上方位置FUから前方下方位置FD、前方下方位置FDから後方下方位置BD、後方下方位置BDから後方上方位置BU、後方上方位置BUから前方上方位置FUのいずれかの移動を行う。つまり、回転装飾演出における装飾部材430は、90°の回転の毎に、移動位置を1つずつ移動することができる。また、各装飾部材430はそれぞれ、各移動位置に対応して点灯装飾演出を行うことで、各移動位置に対応した態様を示すことができるようになっている。
【0084】
2.遊技機の電気的構成
次に、
図11および
図12に基づいて、本パチンコ遊技機PY1における電気的な構成を説明する。
図11に示すように、パチンコ遊技機PY1は、大当たり抽選や遊技状態の移行などの遊技利益に関する制御を行う遊技制御基板100、遊技球の払い出しに関する制御等を行う払出制御基板170、電源を供給する電源基板190等を備えている。遊技制御基板100は、払出制御基板170と共に、メイン制御部を構成する。
【0085】
図11に示すように、遊技制御基板100には、プログラムに従ってパチンコ遊技機PY1の遊技の進行を制御する遊技制御用ワンチップマイコン(以下「遊技制御用マイコン」)101が実装されている。遊技制御用マイコン101には、遊技の進行を制御するためのプログラム等を記憶した遊技用ROM(Read Only Memory)103、ワークメモリとして使用される遊技用RAM(Random access memory)104、遊技用ROM103に記憶されたプログラムを実行する遊技用CPU(Central Processing Unit)102、データや信号の入出力を行うための遊技用I/Oポート(Input/Outputポート:入出力回路)118が含まれている。なお、遊技用ROM103は外付けであってもよい。
【0086】
遊技用RAM104には、特図保留記憶部105(特
図1保留記憶部105aおよび特
図2保留記憶部105b)が設けられている。特
図1保留記憶部105aは、記憶可能な特
図1保留の数に対応した4つの記憶領域からなる。また特
図2保留記憶部105bは、記憶可能な特
図2保留の数に対応した4つの記憶領域からなる。各記憶領域は4つの記憶領域に分かれている。これらの4つの記憶領域とは、後述の大当たり乱数を記憶する領域、当たり種別乱数を記憶する領域、リーチ乱数を記憶する領域、及び変動パターン乱数を記憶する領域である。
【0087】
また遊技用RAM104には、普図保留記憶部106が設けられている。普図保留記憶部106は、記憶可能な普図保留の数に対応した記憶領域からなる。各記憶領域は、普通図柄乱数を記憶する領域である。
【0088】
また遊技制御基板100には、
図11に示すように、遊技盤1に備えられた各種センサやソレノイドが接続されている。そのため、遊技制御基板100には各センサから信号が入力され、各ソレノイドには遊技制御基板100から信号が出力される。具体的にはセンサ類としては、一般入賞口センサ10a、第1始動口センサ11a、第2始動口センサ12a、ゲートセンサ13a、大入賞口センサ14a、特定領域センサ16a、非特定領域センサ17aが接続されている。
【0089】
一般入賞口センサ10aは、各一般入賞口10内にそれぞれ設けられて一般入賞口10に入賞した遊技球を検出するものである。第1始動口センサ11aは、第1始動口11内に設けられて第1始動口11に入賞した遊技球を検出するものである。第2始動口センサ12aは、第2始動口12内に設けられて第2始動口12に入賞した遊技球を検出するものである。ゲートセンサ13aは、ゲート13内に設けられてゲート13を通過した遊技球を検出するものである。大入賞口センサ14aは、大入賞口14内に設けられて大入賞口14に入賞した遊技球を検出するものである。特定領域センサ16aは、大入賞口14内の特定領域に設けられて特定領域を通過した遊技球を検出するものである。非特定領域センサ17aは、大入賞口14内の非特定領域に設けられて非特定領域を通過した遊技球を検出するものである。
【0090】
またソレノイド類としては、電チューソレノイド12s、大入賞口ソレノイド14s、振分ソレノイド16sが接続されている。電チューソレノイド12sは、電チュー開閉部材12kを駆動するものである。大入賞口ソレノイド14sは、大入賞装置14DのAT可動部材14kを駆動するものである。振分ソレノイド16sは、大入賞口14内に入球した遊技球のその後の経路を特定領域または非特定領域に振り分ける振分部材を駆動するものである。
【0091】
さらに遊技制御基板100には、特
図1表示器81a、特
図2表示器81b、普図表示器82、特
図1保留表示器83a、特
図2保留表示器83b、および普図保留表示器84が接続されている。すなわち、これらの表示器類8の表示制御は、遊技制御用マイコン101によりなされる。
【0092】
また遊技制御基板100は、払出制御基板170に各種コマンドを送信するとともに、払い出し監視のために払出制御基板170から信号を受信する。払出制御基板170には、払出装置73およびカードユニットCU(パチンコ遊技機PY1に隣接して設置され、挿入されたプリペイドカード等の情報に基づいて球貸しを可能にするもの)が接続されているとともに、発射制御回路175を介して発射装置72が接続されている。発射装置72には、ハンドル72kが含まれる。
【0093】
払出制御基板170は、遊技制御用マイコン101からの信号や、パチンコ遊技機PY1に接続されたカードユニットCUからの信号に基づいて、払出装置73の払出モータ73mを駆動して賞球の払い出し等を行う。払い出される賞球や貸球は、その計数のため払出センサ73aにより検知される。なお遊技者による発射装置72のハンドル72kの操作があった場合には、タッチスイッチ72aがハンドル72kへの接触を検知し、発射ボリューム72bがハンドル72kの回転量を検知する。そして、発射ボリューム72bの検知信号の大きさに応じた強さで遊技球が発射されるよう発射ソレノイド72sが駆動されることとなる。なお本パチンコ遊技機PY1においては、0.6秒程度で一発の遊技球が発射されるようになっている。
【0094】
また遊技制御基板100は、
図12に示す演出制御基板120に対し各種コマンドを送信する。演出制御基板120は、画像制御基板140等とともに演出制御部DKを構成している。遊技制御基板100と演出制御基板120との接続は、遊技制御基板100から演出制御基板120への信号の送信のみが可能な単方向通信接続となっている。すなわち、遊技制御基板100と演出制御基板120との間には、通信方向規制手段としての図示しない単方向性回路(例えばダイオードを用いた回路)が介在している。
【0095】
パチンコ遊技機PY1は、
図12に示すように、遊技の進行に伴って実行する演出に関する制御を行う演出制御基板120と、画像制御を行う画像制御基板140と、音声制御を行う音声制御基板161とを備える。演出制御基板120には、プログラムに従ってパチンコ遊技機PY1の演出を制御する演出制御用ワンチップマイコン(以下「演出制御用マイコン」)121が実装されている。
【0096】
演出制御用マイコン121(演出制御手段)には、遊技の進行に伴って演出を制御するためのプログラム等を記憶した演出用ROM123、ワークメモリとして使用される演出用RAM124、演出用ROM123に記憶されたプログラムを実行する演出用CPU122、データや信号の入出力を行うための演出用I/Oポート(入出力回路)138が含まれている。なお、演出用ROM123は外付けであってもよい。
【0097】
演出制御基板120には、画像制御基板140、音声制御基板161、サブ駆動基板162が接続されている。演出制御基板120の演出制御用マイコン121は、遊技制御基板100から受信したコマンドに基づいて、画像制御基板140の画像用CPU141に画像表示装置50の表示制御を行わせる。画像制御基板140の画像用RAM143は、画像データを展開するためのメモリである。画像制御基板140の画像用ROM142には、画像表示装置50に表示される静止画データや動画データ、具体的にはキャラクタ、アイテム、図形、文字、数字および記号等(演出図柄を含む)や背景画像等の画像データが格納されている。画像制御基板140の画像用CPU141は、演出制御用マイコン121からの指令に基づいて画像用ROM142から画像データを読み出す。そして、読み出した画像データに基づいて表示制御を実行する。
【0098】
また演出制御基板120には、演出ボタン検知センサ40a、セレクトボタン検知センサ42a、第1検知センサ643、第2検知センサ647が接続されている。演出ボタン検知センサ40aは、演出ボタン装置40が操作されたことを検出するものである。演出ボタン装置40が操作されると演出ボタン検知センサ40aから演出制御基板120に対して検知信号が出力される。また、セレクトボタン検知センサ42aは、セレクトボタン42kが操作されたことを検出するものである。セレクトボタン検知センサ42aが操作されるとセレクトボタン検知センサ42aから演出制御基板120に対して検知信号が出力される。
【0099】
第1検知センサ643、第2検知センサ647は、前述したように、左右位置検出部640が有する、第2左右移動部610の左右方向における位置の検出に用いられる検出器である。第1検知センサ643、第2検知センサ647の検知信号についても、演出制御基板120に対して出力される。そして、前述したように、本形態では、第1検知センサ643、第2検知センサ647の検知信号の態様、具体的には第1検知センサ643、第2検知センサ647の検知信号の組み合わせにより、第2左右移動部610の位置検出が可能となっている。これにより、演出制御基板120は、第2左右移動部610の位置を把握するとともに、第2左右移動部610が適正な位置に存在するかの判定を行うことが可能となっている。さらに、第2左右移動部610が適正な位置からズレてしまっている場合に、これを解消することも可能となっている。
【0100】
演出制御用マイコン121は、遊技制御基板100から受信したコマンドに基づいて、音声制御基板161を介してスピーカ52(左スピーカ52L及び右スピーカ52R)から音声、楽曲、効果音等を出力する。スピーカ52から出力する音声等の音響データは、演出制御基板120の演出用ROM123に格納されている。なお、音声制御基板161にCPUを実装してもよく、その場合、そのCPUに音声制御を実行させてもよい。さらにこの場合、音声制御基板161にROMを実装してもよく、そのROMに音響データを格納してもよい。また、スピーカ52を画像制御基板140に接続し、画像制御基板140の画像用CPU141に音声制御を実行させてもよい。さらにこの場合、画像制御基板140の画像用ROM142に音響データを格納してもよい。
【0101】
電源基板190(電源供給手段)は、遊技制御基板100、演出制御基板120、及び払出制御基板170に対して電力を供給するとともに、これらの基板を介してその他の機器に対して必要な電力を供給する。電源基板190には、バックアップ電源回路192が設けられている。バックアップ電源回路192は、本パチンコ遊技機PY1に対して電力が供給されていない場合に、後述する遊技制御基板100の遊技用RAM104や演出制御基板120の演出用RAM124に対して電力を供給する。従って、遊技制御基板100の遊技用RAM104や演出制御基板120の演出用RAM124に記憶されている情報は、パチンコ遊技機PY1の電断時であっても保持される。また、電源基板190には、電源スイッチ191が接続されている。電源スイッチ191のON/OFF操作により、電源の投入/遮断が切替えられる。なお、遊技制御基板100の遊技用RAM104に対するバックアップ電源回路を遊技制御基板100に設けたり、演出制御基板120の演出用RAM124に対するバックアップ電源回路を演出制御基板120に設けたりしてもよい。
【0102】
またパチンコ遊技機PY1は、サブ駆動基板162を備えている。上述した演出制御用マイコン121は、遊技制御基板100から受信したコマンドに基づいて、サブ駆動基板162を介して枠ランプ53や盤ランプ54等のランプの点灯制御を行う。なお、盤ランプ54には、第1可動装置55の装飾部材430の装飾面431に設けられている、複数のセグメントに備えられたLEDが含まれている。演出制御用マイコン121は、枠ランプ53、盤ランプ54等のランプの発光態様を決める発光パターンデータ(点灯/消灯や発光色等を決めるデータ、ランプデータともいう)を作成し、発光パターンデータに従って枠ランプ53、盤ランプ54等のランプの発光を制御する。なお、発光パターンデータの作成には演出制御基板120の演出用ROM123に格納されているデータを用いる。
【0103】
また演出制御用マイコン121は、遊技制御基板100から受信したコマンドに基づいて、サブ駆動基板162に接続された盤可動体モータEUmの駆動制御を行う。盤可動体モータEUmには、第1可動装置55、第2可動装置56が備える各モータが含まれる。つまり、演出制御用マイコン121は、第1可動装置55、第2可動装置56のそれぞれの動作態様を決める動作パターンデータ(駆動データ)を作成し、動作パターンデータに従って盤可動体モータEUm(すなわち第1可動装置55、第2可動装置56の各モータ)の駆動を制御する。動作パターンデータの作成には演出制御基板120の演出用ROM123に格納されているデータを用いる。
【0104】
なお、サブ駆動基板162にCPUを実装してもよく、その場合、そのCPUに各モータの駆動制御や各ランプの点灯制御を実行させてもよい。さらにこの場合、サブ駆動基板162にROMを実装してもよく、そのROMに発光パターンや動作パターンに関するデータを格納してもよい。
【0105】
本形態において演出制御基板120は、画像制御基板140と音声制御基板161とサブ駆動基板162とともにサブ制御部SCを構成する。なお、サブ制御部SCは、少なくとも演出制御基板120を備え、演出手段(画像表示装置50、盤ランプ54、枠ランプ53、スピーカ52等)を用いた遊技演出を制御可能であればよい。
【0106】
3.大当たり等の説明
本形態のパチンコ遊技機PY1では、大当たり抽選(特別図柄抽選)の結果として、「大当たり」と「はずれ」がある。「大当たり」のときには、特図表示器81に「大当たり図柄」が停止表示される。「はずれ」のときには、特図表示器81に「ハズレ図柄」が停止表示される。大当たりに当選すると、停止表示された特別図柄の種類(大当たりの種類)に応じた開放パターンにて、大入賞口14を開放させる「大当たり遊技」が実行される。大当たり遊技は、特別遊技の一例である。
【0107】
大当たり遊技は、本形態では、複数回のラウンド遊技(単位開放遊技)と、初回のラウンド遊技が開始される前のオープニング(OPとも表記する)と、最終回のラウンド遊技が終了した後のエンディング(EDとも表記する)とを含んでいる。各ラウンド遊技は、OPの終了又は前のラウンド遊技の終了によって開始し、次のラウンド遊技の開始又はEDの開始によって終了する。ラウンド遊技間の大入賞口の閉鎖の時間(インターバル時間)は、その閉鎖前の開放のラウンド遊技に含まれる。
【0108】
大当たりには複数の種別がある。大当たりの種別については
図13に示す通りである。
図13に示すように、本形態では大当たりの種別としては、大きく分けて2つ(V開放大当たりとV非開放大当たり)ある。「V開放大当たり」は、その大当たり遊技中に特定領域への遊技球の通過が可能な開放パターンで大入賞装置14Dを作動させる大当たりである。「V非開放大当たり」は、その大当たり遊技中に特定領域への遊技球の通過が不可能な開放パターンで大入賞装置14Dを作動させる大当たりである。
【0109】
より具体的には、「V開放大当たり」は、総ラウンド数が16Rである。1Rから16Rにわたって大入賞口14を1R当たり最大29.5秒間、開放する。そして、14R以外のラウンドでは、遊技球を特定領域または非特定領域に振り分ける振分部材を、遊技球が非特定領域を通過する状態とする。一方、14Rでは、振分部材を、遊技球が特定領域を通過する状態とする。
【0110】
これに対して、「V非開放大当たり」は、総ラウンド数は16Rであるものの、実質的な総ラウンド数は13Rである。つまり、1Rから13Rまでは大入賞口14を1R当たり最大29.5秒にわたって開放するが、14Rから16Rまででは大入賞口14を1R当たり0.1秒しか開放しない。従って、このV非開放大当たりでは14Rから16Rまでは、大入賞口の開放時間が極めて短く、賞球の見込めないラウンドとなっている。つまり、V非開放大当たりは実質13Rの大当たりとなっている。
【0111】
また、V非開放大当たりにおいては、すべてのラウンドにおいて、遊技球を特定領域または非特定領域に振り分ける振分部材を、遊技球が非特定領域を通過する状態とする。なお、V非開放大当たりは、遊技球が特定領域をほぼ通過不可能であればよく、遊技球が特定領域をほぼ通過不可能な態様で振分部材を作動させてもよい。
【0112】
本形態のパチンコ遊技機PY1では、大当たり遊技中の特定領域への遊技球の通過に基づいて、その大当たり遊技の終了後の遊技状態を、後述の高確率状態に移行させる。従って、上記のV開放大当たりに当選した場合には、大当たり遊技の実行中に特定領域へ遊技球を通過させることで、大当たり遊技後の遊技状態を高確率状態に移行させ得る。これに対して、V非開放大当たりに当選した場合には、その大当たり遊技の実行中に特定領域へ遊技球を通過させることができないため、その大当たり遊技後の遊技状態は、後述の通常確率状態(非高確率状態)となる。
【0113】
なお、
図13に示すように、第1特別図柄(特
図1)の抽選における大当たりの振分率は、V開放大当たりが50%、V非開放大当たりが50%となっている。これに対して、第2特別図柄(特
図2)の抽選において当選した大当たりは、全てV開放大当たりとなっている。すなわち、後述の電サポ制御の実行により入球可能となる第2始動口12への入賞に基づく抽選により大当たりに当選した場合には、必ずV開放大当たりとなる。このように本パチンコ遊技機PY1では、第1始動口11に遊技球が入賞して行われる大当たり抽選(第1特別図柄の抽選)よりも、第2始動口12に遊技球が入賞して行われる大当たり抽選(第2特別図柄の抽選)の方が、遊技者にとって有利となるように設定されている。
【0114】
ここで本パチンコ遊技機PY1では、大当たりか否かの抽選は「大当たり乱数」に基づいて行われ、当選した大当たりの種別の抽選は「当たり種別乱数」に基づいて行われる。
図14(A)に示すように、大当たり乱数は0~65535までの範囲で値をとる。当たり種別乱数は、0~9までの範囲で値をとる。なお、第1始動口11又は第2始動口12への入賞に基づいて取得される乱数には、大当たり乱数および当たり種別乱数の他に、「リーチ乱数」および「変動パターン乱数」がある。
【0115】
リーチ乱数は、大当たり判定の結果がはずれである場合に、その結果を示す演出図柄変動演出においてリーチを発生させるか否かを決める乱数である。変動パターン乱数は、変動時間を含む変動パターンを決めるための乱数である。変動パターン乱数は、0~127までの範囲で値をとる。また、ゲート13の通過に基づいて取得される乱数には、
図14(B)に示す普通図柄乱数(当たり乱数)がある。普通図柄乱数は、電チュー12Dを開放させる補助遊技を行うか否かの抽選(普通図柄抽選)のための乱数である。普通図柄乱数は、0~255までの範囲で値をとる。
【0116】
4.遊技状態の説明
次に、本形態のパチンコ遊技機PY1の遊技状態に関して説明する。パチンコ遊技機PY1の特図表示器81および普図表示器82には、それぞれ、確率変動機能と変動時間短縮機能がある。特図表示器81の確率変動機能が作動している状態を「高確率状態」といい、作動していない状態を「通常確率状態(非高確率状態)」という。高確率状態では、大当たり確率が通常確率状態よりも高くなっている。すなわち、大当たりと判定される大当たり乱数の値が通常確率状態で用いる大当たり判定テーブルよりも多い大当たり判定テーブルを用いて、大当たり判定を行う(
図15(A)参照)。つまり、特図表示器81の確率変動機能が作動すると、作動していないときに比して、特図表示器81による特別図柄の可変表示の表示結果(すなわち停止図柄)が大当たり図柄となる確率が高くなる。
【0117】
また、特図表示器81の変動時間短縮機能が作動している状態を「時短状態」といい、作動していない状態を「非時短状態」という。時短状態では、特別図柄の変動時間(変動表示開始時から表示結果の導出表示時までの時間)が、非時短状態よりも短くなっている。すなわち、変動時間の短い変動パターンが選択されることが非時短状態よりも多くなるように定められた変動パターンテーブルを用いて、変動パターンの判定を行う(
図16参照)。つまり、特図表示器81の変動時間短縮機能が作動すると、作動していないときに比して、特別図柄の可変表示の変動時間として短い変動時間が選択されやすくなる。その結果、時短状態では、特図保留の消化のペースが速くなり、始動口への有効な入賞(特図保留として記憶され得る入賞)が発生しやすくなる。そのため、スムーズな遊技の進行のもとで大当たりを狙うことができる。
【0118】
特図表示器81の確率変動機能と変動時間短縮機能とは同時に作動することもあるし、片方のみが作動することもある。そして、普図表示器82の確率変動機能および変動時間短縮機能は、特図表示器81の変動時間短縮機能に同期して作動するようになっている。すなわち、普図表示器82の確率変動機能および変動時間短縮機能は、時短状態において作動し、非時短状態において作動しない。よって、時短状態では、普通図柄抽選における当選確率が非時短状態よりも高くなっている。すなわち、当たりと判定される普通図柄乱数(当たり乱数)の値が非時短状態で用いる普通図柄当たり判定テーブルよりも多い普通図柄当たり判定テーブルを用いて、当たり判定(普通図柄の判定)を行う(
図15(C)参照)。つまり、普図表示器82の確率変動機能が作動すると、作動していないときに比して、普図表示器82による普通図柄の可変表示の表示結果が、普通当たり図柄となる確率が高くなる。
【0119】
また時短状態では、普通図柄の変動時間が非時短状態よりも短くなっている。本形態では、普通図柄の変動時間は非時短状態では30秒であるが、時短状態では1秒である(
図15(D)参照)。さらに時短状態では、補助遊技における電チュー12Dの開放時間が、非時短状態よりも長くなっている(
図17参照)。すなわち、電チュー12Dの開放時間延長機能が作動している。加えて時短状態では、補助遊技における電チュー12Dの開放回数が非時短状態よりも多くなっている(
図17参照)。すなわち、電チュー12Dの開放回数増加機能が作動している。
【0120】
普図表示器82の確率変動機能と変動時間短縮機能、および電チュー12Dの開放時間延長機能と開放回数増加機能が作動している状況下では、これらの機能が作動していない場合に比して、電チュー12Dが頻繁に開放され、第2始動口12へ遊技球が頻繁に入賞することとなる。その結果、発射球数に対する賞球数の割合であるベースが高くなる。従って、これらの機能が作動している状態を「高ベース状態」といい、作動していない状態を「低ベース状態」という。高ベース状態では、手持ちの遊技球を大きく減らすことなく大当たりを狙うことができる。なお、高ベース状態とは、いわゆる電サポ制御(電チュー12Dにより第2始動口12への入賞をサポートする制御)が実行されている状態である。
【0121】
高ベース状態(電サポ制御状態)は、上記の全ての機能が作動するものでなくてもよい。すなわち、普図表示器82の確率変動機能、普図表示器82の変動時間短縮機能、電チュー12Dの開放時間延長機能、および電チュー12Dの開放回数増加機能のうち一つ以上の機能の作動によって、その機能が作動していないときよりも電チュー12Dが開放され易くなっていればよい。また、高ベース状態(電サポ制御状態)は、時短状態に付随せずに独立して制御されるようにしてもよい。
【0122】
本形態のパチンコ遊技機PY1では、V開放大当たりへの当選による大当たり遊技後の遊技状態は、その大当たり遊技中に特定領域への通過がなされていれば、高確率状態かつ時短状態かつ高ベース状態である。この遊技状態を特に、「高確高ベース状態」という。高確高ベース状態は、所定回数(本形態では160回)の特別図柄の可変表示が実行されるか、又は、大当たりに当選してその大当たり遊技が実行されることにより終了する。
【0123】
また、V非開放大当たりへの当選による大当たり遊技後の遊技状態は、その大当たり遊技中に特定領域の通過がなされていなければ(なされることは略ない)、通常確率状態(非高確率状態すなわち低確率の状態)かつ時短状態かつ高ベース状態である。この遊技状態を特に、「低確高ベース状態」という。低確高ベース状態は、所定回数(本形態では100回)の特別図柄の可変表示が実行されるか、又は、大当たりに当選してその大当たり遊技が実行されることにより終了する。
【0124】
なお、パチンコ遊技機PY1を初めて遊技する場合において電源投入後の遊技状態は、通常確率状態かつ非時短状態かつ低ベース状態(非電サポ制御状態)である。この遊技状態を特に、「低確低ベース状態」という。低確低ベース状態を「通常遊技状態」と称することもある。また、特別遊技(大当たり遊技)の実行中の状態を「特別遊技状態(大当たり遊技状態)」と称することとする。さらに、高確率状態および高ベース状態のうち少なくとも一方の状態に制御されている状態を、「特定遊技状態」という。
【0125】
高確高ベース状態や低確高ベース状態といった高ベース状態では、右打ちにより右遊技領域6Bへ遊技球を進入させた方が有利に遊技を進行できる。電サポ制御により低ベース状態と比べて電チュー12Dが開放されやすくなっており、第1始動口11への入賞よりも第2始動口12への入賞の方が容易となっているからである。そのため、普通図柄抽選の契機となるゲート13へ遊技球を通過させつつ、第2始動口12へ遊技球を入賞させるべく右打ちを行う。これにより左打ちをするよりも、多数の始動入賞(始動口への入賞)を得ることができる。なお本パチンコ遊技機PY1では、大当たり遊技中も右打ちにて遊技を行う。
【0126】
これに対して、低ベース状態では、左打ちにより左遊技領域6A(
図19参照)へ遊技球を進入させた方が有利に遊技を進行できる。電サポ制御が実行されていないため、高ベース状態と比べて電チュー12Dが開放されにくくなっており、第2始動口12への入賞よりも第1始動口11への入賞の方が容易となっているからである。そのため、第1始動口11へ遊技球を入賞させるべく左打ちを行う。これにより右打ちするよりも、多数の始動入賞を得ることができる。
【0127】
5.遊技機の動作
次に、
図18に基づいてメイン制御部(遊技制御用マイコン101等)の動作について説明し、
図19、
図20に基づいてサブ制御部(演出制御用マイコン121等)の動作について説明する。まず、メイン制御部の動作について説明する。
【0128】
[遊技制御側タイマ割り込み処理]メイン制御部の遊技制御用マイコン101は、
図18に示す遊技制御側タイマ割り込み処理を例えば4msecといった短時間毎に繰り返す。まず、遊技制御用マイコン101は、大当たり抽選に用いる大当たり乱数、大当たりの種別を決めるための当たり種別乱数、変動演出においてリーチ状態とするか否かを決めるためのリーチ乱数、変動パターンを決めるための変動パターン乱数、普通図柄抽選に用いる普通図柄乱数(当たり乱数)等を更新する乱数更新処理を行う(S101)。なお各乱数の少なくとも一部は、カウンタIC等からなる公知の乱数生成回路を利用して生成されるハードウェア乱数であってもよい。また乱数発生回路は、遊技制御用マイコン101に内蔵されていてもよい。
【0129】
次に、遊技制御用マイコン101は、入力処理を行う(S102)。入力処理(S102)では、主にパチンコ遊技機PY1に取り付けられている各種センサ(一般入賞口センサ10a,第1始動口センサ11a,第2始動口センサ12a、大入賞口センサ14a等(
図11参照))が検知した検出信号を読み込み、入賞口の種類に応じた賞球を払い出すための賞球コマンドを遊技用RAM104の出力バッファにセットする。また、入力処理(S102)では、払出制御基板170から出力されたコマンドがある場合等には、その受信を行う。
【0130】
続いて、遊技制御用マイコン101は、始動口センサ検出処理(S103)、特別動作処理(S104)および普通動作処理(S105)を実行する。始動口センサ検出処理(S103)では、第1始動口センサ11aによる入賞検知があれば、保留記憶が4個未満であることを条件に大当たり乱数等の乱数(
図14(A)参照)を取得する。また、第2始動口センサ12aによる入賞検知があれば、保留記憶が4個未満であることを条件に大当たり乱数等の乱数(
図14(A)参照)を取得する。また、ゲートセンサ13aによる通過検知があれば、すでに記憶されている当たり乱数が4個未満であることを条件に普通図柄乱数(
図14(B)参照)を取得する。
【0131】
特別動作処理(S104)では、始動口センサ検出処理(S103)にて取得した大当たり乱数等の乱数を判定し、その判定結果を報知するための特別図柄の表示(変動表示と停止表示)を行う。この特別図柄の表示に際しては、特別図柄の変動表示の開始時に変動パターンの情報を含む変動開始コマンドを遊技用RAM104の出力バッファにセットし、特別図柄の停止表示の開始時に変動停止コマンドを遊技用RAM104の出力バッファにセットする。なお変動パターンは、大当たり乱数等の各種乱数の判定に基づき、
図16に示す変動パターン判定テーブルを用いて決定される。そして、大当たり乱数の判定の結果、大当たりに当選していた場合には、所定の開放パターン(開放時間や開放回数)に従って大入賞口14を開放させる大当たり遊技(特別遊技)を行う。ここで
図16に示すように、変動パターンが決まれば、特別図柄の変動表示が実行される変動時間も決まる。
図16の備考欄に示すSPリーチ(スーパーリーチ)とは、ノーマルリーチよりもリーチ後の変動時間が長いリーチである。SPリーチの方がノーマルリーチよりも、当選期待度(大当たり当選に対する期待度)が高くなるようにテーブルの振分率が設定されている。本形態では、スーパーリーチはノーマルリーチを経て発展的に実行される。
【0132】
普通動作処理(S105)では、始動口センサ検出処理にて取得した普通図柄乱数を所定の判定テーブルを用いて判定する。そして、その判定結果を報知するための普通図柄の表示(変動表示と停止表示)を行う。普通図柄乱数の判定の結果、普通当たり図柄に当選していた場合には、遊技状態に応じた所定の開放パターン(開放時間や開放回数、
図17参照)に従って電チュー12Dを開放させる補助遊技を行う。
【0133】
次に、遊技制御用マイコン101は、出力処理(S106)を行う。出力処理(S106)では、上述の各処理においてセットしたコマンド等を、払出制御基板170や演出制御基板120等に出力する。
【0134】
また、以上のメイン制御部における処理と並行して、演出制御用マイコン121は
図19、
図20に示す処理を行う。演出制御用マイコン121の動作について、以下に説明する。
【0135】
[演出制御側タイマ割り込み処理]演出制御用マイコン121は、
図19に示すような演出制御側タイマ割り込み処理を所定の短時間毎に繰り返す。演出制御側タイマ割り込み処理ではまず、受信コマンド解析処理(S1001)を行う。
【0136】
また、受信コマンド解析処理(S1001)に続いてコマンド送信処理(S1002)を行う。コマンド送信処理(S1002)では、受信コマンド解析処理でセットした各種コマンドを画像制御基板140に送信する。コマンド送信処理が実行されると、コマンドを受信した画像制御基板140は、画像表示装置50を用いて各種の演出(変動演出や大当たり演出、客待ち演出など)を実行する。例えば、変動演出開始コマンドを受信した画像制御基板140は、変動演出開始コマンドに指定された内容の変動演出を実行する。
【0137】
続いて演出制御用マイコン121は、音声処理(S1003)を行う。音声処理(S1003)では、受信コマンド解析処理で選択した演出パターンの演出に合うタイミングでスピーカ52から音声等を出力させるべく、音データ(スピーカ52からの音声等の出力を制御するデータ)を作成したり、音声制御基板161に出力したりする。次に演出制御用マイコン121は、ランプ処理(S1004)および可動体処理(S1005)を行う。
【0138】
ランプ処理(S1004)では、演出用RAM124にセットされた変動演出開始コマンド等に盤ランプ54や枠ランプ53を発光させる発光演出がある場合には、その発光演出を実行する。すなわち、盤ランプ54や枠ランプ53を、所定のタイミング、所定の発光態様で発光させる。また、可動体処理(S1005)では、演出用RAM124にセットされた変動演出開始コマンド等に第1可動装置55や第2可動装置56を動作させる駆動演出がある場合には、その駆動演出を実行する。すなわち、第1可動装置55、第2可動装置56の各モータ等を、所定のタイミング、所定の駆動態様で動作させる。
【0139】
[受信コマンド解析処理]
図20に示すように、受信コマンド解析処理(S1001)では演出制御用マイコン121はまず、遊技制御用マイコン101から変動開始コマンドを受信しているか否かを判定する(S1101)。受信していなければ、ステップS1104に進むが、受信していれば、変動演出パターン選択処理(S1102)を行う。
【0140】
変動演出パターン選択処理(S1102)では、変動演出パターン決定用乱数を取得するとともに、変動開始コマンドの解析結果等に基づいて一つのテーブルを選択し、その選択したテーブルを用いて、取得した変動演出パターン決定用乱数を判定することにより、変動演出パターンを選択する。なお、選択した変動演出パターンを示すデータは演出用RAM124の所定の記憶領域に格納される。この変動演出パターンの選択により、盤ランプ54を発光させる演出の実行の有無やそのタイミング、枠ランプ53を発光させる演出の実行の有無やそのタイミング、第1可動装置55、第2可動装置56の各モータ等を動作させる演出の実行の有無やそのタイミングといった詳細までを含めて演出の内容が決定される。
【0141】
次に演出制御用マイコン121は、ステップS1102で選択した変動演出パターンで変動演出を開始させるための変動演出開始コマンドを、演出用RAM124の所定の記憶領域にセットする(S1103)。そしてステップS1104に進む。
【0142】
ステップS1104では演出制御用マイコン121は、遊技制御用マイコン101からオープニングコマンドを受信しているか否かを判定する。受信していなければ、ステップS1107に進むが、受信していれば、大当たり演出パターン選択処理(S1105)を行う。
【0143】
大当たり演出パターン選択処理(S1105)では、オープニングコマンドの解析結果に基づいて、大当たり遊技中に実行する大当たり演出の演出パターン(大当たり演出パターン)を選択する。なお、ここで選択した大当たり演出パターンを示すデータは演出用RAM124の所定の記憶領域に格納される。この大当たり演出パターンの選択により、大当たり遊技中における盤ランプ54や枠ランプ53の発光演出の実行の有無やそのタイミング、第1可動装置55、第2可動装置56の各モータ等を動作させる演出の実行の有無やそのタイミングといった詳細までを含めて演出の内容が決定される。
【0144】
次に演出制御用マイコン121は、ステップS1105で選択した大当たり演出パターンで大当たり演出を開始させるための大当たり演出開始コマンドを、演出用RAM124の所定の記憶領域にセットする(S1106)。そして、ステップS1107に進む。
【0145】
ステップS1107では、その他の処理として他の受信コマンドに基づく処理を行う(S1107)。これにより、受信コマンド解析処理を終える。
【0146】
6.第1可動装置を用いた演出
次に、第1可動装置55を用いた演出について説明する。
【0147】
前述したように、第1可動装置55は、回転装飾部400と、回転装飾部400を進出位置と待機位置との間で移動させることが可能な上下駆動部300とを有している。また、回転装飾部400は、4つの移動位置を取ることができる装飾部材430を有しており、装飾部材430を各移動位置の間で移動させる回転装飾演出を行うことができる。さらに、装飾部材430は、複数のセグメントに設けられたLEDの点灯、消灯により、種々の態様を示すことが可能な装飾面431を、前方に向けた状態で保持されている。
【0148】
そして、本形態の第1可動装置55は、上下駆動部300により回転装飾部400を進出位置へと進出させた状態で、回転装飾部400に回転装飾演出を行わせる。つまり、第1可動装置55は、回転装飾部400に、待機位置よりも目立つ進出位置へと進出させた状態で回転装飾演出を行わせる。これにより、遊技者が回転装飾部400に十分に注目した状態で、回転装飾演出を行うことができる。
【0149】
また、回転装飾演出では、前述したように、複数の装飾部材430を、位置を入れ替えるように移動させる。この回転装飾演出における装飾部材430の移動は、複雑な軌跡のものである。すなわち、装飾部材430の前方上方位置FUから前方下方位置FDへの移動は、単純な下方への移動ではなく、一旦、右側に移動しつつ下降し、その後、左側に移動しつつ下降するような移動である。また、前方下方位置FDから後方下方位置BDへの移動は、単純な後方への移動ではなく、一旦、左側に移動しつつ下降し、その後、左側に移動しつつ上昇するような移動である。さらに、後方下方位置BDから後方上方位置BUへの移動は、単純な上方への移動ではなく、一旦、左側に移動しつつ上昇し、その後、右側に移動しつつ上昇するような移動である。加えて、後方上方位置BUから前方上方位置FUへの移動は、単純な前方への移動ではなく、一旦、右側に移動しつつ上昇し、その後、右側に移動しつつ下降するような移動である。このような複雑な移動態様により、本形態の回転装飾演出では、より遊技興趣の向上が図られている。
【0150】
また、本形態の回転装飾演出においては、上記のような装飾部材430の移動に合わせて、各装飾部材430の装飾面431のLEDを用いた点灯装飾演出も行う。このような演出の一例を、
図21に示している。
図21(A)~(E)にはそれぞれ、点灯装飾演出にて前方上方位置FUと前方下方位置FDとに位置する装飾部材430の装飾面431に表示される態様を示している。すなわち、まず、
図21(A)に示すように、左端に「G」の文字を表示し、次に、
図21(B)に示すように、「G」の文字が表示されていた位置よりも右側の位置に「O」の文字を表示する。続いて、
図21(C)に示すように、「O」の文字が表示されていた位置よりも右側の位置に「A」の文字を表示し、次に、
図21(D)に示すように、「A」の文字が表示されていた位置よりも右側の位置に「L」の文字を表示する。さらにその後、
図21(A)~(D)で表示されたすべての文字、すなわち、「GOAL」と表示する。
【0151】
点灯装飾演出における
図21(A)~(D)に示す表示において、「G」、「O」、「A」、「L」の文字は、それぞれは、異なる態様である。しかし、これらを繋げてなる「GOAL」は、パチンコ遊技機PY1でモチーフとなっているサッカーにおいて勝敗を決する重要な事象を意味するものである。つまり、「G」、「O」、「A」、「L」はそれぞれ異なる態様ではあるものの、一連となって意味をもつ単語となっている。よって、
図21(A)~(D)に示すように、まず、「G」、「O」、「A」、「L」を順に、左から右へと向かって流れていくように表示することで、遊技者に、重要な局面ではないかという期待を抱かせることができる。そしてその後、最後に、
図21(E)に示すように、それまで流れるように表示されたすべての文字、すなわち、「GOAL」を表示することで、遊技者が抱いていた重要な局面ではないかという期待を、ある程度の確度を持ったものとすることができる。これにより、本形態の点灯装飾演出では、次第に、遊技者の期待感が高まるようになっている。
【0152】
さらに、点灯装飾演出に係る
図21(A)~(E)の表示態様の間には、回転装飾演出に係る左方回転部420および右方回転部410の90°の回転を行う。すなわち、
図21(A)で前方上方位置FUにて「G」の上部を表示していた装飾部材430は、
図21(B)の「O」の表示においては、前方下方位置FDにてその下部の表示を行う。このように、本形態では、点灯装飾演出に回転装飾演出を合わせて行うことで、遊技者の目をより十分に点灯装飾演出に引き付けることが可能になっている。また、回転装飾演出によって複雑な移動を行う装飾部材430により点灯装飾演出を行うことで、遊技者の期待感をより高めるとともに、遊技者の高揚感を高めることができる。よって、本形態では、第1可動装置55により、興趣性の高い演出を行うことができる。
【0153】
このように、回転装飾演出と点灯装飾演出とを合わせて行う回転装飾部400の演出は、遊技者の期待感を十分に高めつつ、高揚感をも高めることができる。よって、この演出は、パチンコ遊技機PY1における重要な局面、すなわち「大当たり」への当選を遊技者に報知する際に実行する。従って、パチンコ遊技機PY1は、「大当たり」への当選の際には、遊技者の期待感および高揚感を十分に高め、より十分な興趣性を提供できるものとなっている。
【0154】
7.本実施形態の効果等
以上、詳細に説明したように、本実施形態に係るパチンコ遊技機PY1は、4つの装飾部材430を有する回転装飾部400を備えている。装飾部材430はそれぞれに、装飾面431を有している。また、回転装飾部400は、4つの装飾部材430に、前方上方位置FU、前方下方位置FD、後方上方位置BU、後方下方位置BDをとらせることが可能である。つまり、ある装飾部材430が前方上方位置FUや前方下方位置FDに位置する第1の装飾状態と、その装飾部材430が後方上方位置BUや後方下方位置BDに位置する第2の装飾状態とで切り替えることが可能である。これにより、複数の装飾面431について、前後方向の位置関係を入れ替えることが可能である。そして、回転装飾演出により、前方上方位置FUや前方下方位置FDに位置する装飾部材430を異なるものに入れ替えつつ、装飾の態様を変化させることで、遊技興趣の向上を図ることが可能になっている。
【0155】
また、本形態では、回転装飾演出に係る回転軸である右方回転軸RAと左方回転軸RBとが、同一軸ではなく、平行な軸となっている。よって、回転装飾部400における装飾部材430の移動を複雑なものとし、遊技興趣の向上を図ることが可能になっている。
【0156】
また、右方回転部410、左方回転部420はそれぞれ、単純に、右方回転軸RA、左方回転軸RBを中心として回転しているだけである。これに対し、それらに保持された4つの装飾部材430は、前述したような複雑な軌跡で移動を行うものである。よって、単純な回転動作をする右方回転部410および左方回転部420と、複雑な軌跡で移動する右方回転軸RAおよび左方回転軸RBとを合わせて見せることで、より遊技興趣の向上を図ることが可能になっている。
【0157】
また、回転装飾部400の回転装飾演出に係る右方回転軸RAおよび左方回転軸RBはともに、遊技盤1の遊技盤面1Fと交差する方向に延びるものである。そして、遊技盤面1Fと交差する右方回転軸RAおよび左方回転軸RBを中心とした回転に係る回転装飾演出により、装飾部材430の位置を前後方向について入れ替えるという斬新な動作演出を実行可能であり、これにより、遊技興趣の向上を図ることが可能になっている。
【0158】
また、本形態のパチンコ遊技機PY1において、回転装飾部400は、回転装飾演出とともに点灯装飾演出を行う。点灯装飾演出では、装飾部材430の装飾面431の複数セグメントのLEDの点灯態様により、合わさることで1つの単語となる「G」、「O」、「A」、「L」という異なる態様、すなわち、一連となる複数の態様を示すことが可能である。これにより、「GOAL」だけを単純に示すよりも、より興趣性の向上を図ることが可能になっている。
【0159】
また、本形態の第1可動装置55は、回転装飾部400に加え、上下駆動部300を有している。上下駆動部300は、回転装飾部400に、進出位置と、進出位置よりも退避した待機位置を取らせることが可能である。そして、回転装飾部400は、進出位置において、回転装飾演出を行うことがある。つまり、回転装飾部400に、目立つ進出位置にて回転装飾演出を行わせることが可能であり、より興趣性の向上を図ることが可能となっている。
【0160】
8.変更例
以下、変更例について説明する。なお、変更例の説明において、上記の実施形態のパチンコ遊技機PY1と同様の構成については、同じ符号を付して説明を省略する。
【0161】
例えば、上記の実施形態では、点灯装飾演出において、「G」、「O」、「A」、「L」を順に、右側へと流れていくように表示した後、「GOAL」と表示する態様について説明したが、これは単なる一例であり、その他の表示態様としてもよい。例えば、「G」、「O」、「A」、「L」を順に、右側へと流れていくように表示することをひとつのセットとし、このセットを複数回、行うこととしてもよい。また例えば、「G」、「O」、「A」、「L」を左から右へと表示した後、「L」、「A」、「O」、「G」を右から左へと表示してもよい。また例えば、「GOAL」との表示が、左方および右方の一方より他方に向かって流れるような表示としてもよい。また当然、左右方向に限らず、上下方向等、その他の方向について表示態様を工夫してもよい。
【0162】
また例えば、表示される文字や単語は、当然、実施形態に限らず、一連となる複数の態様を示すことが可能なものであればよい。例えば、サッカーをモチーフとしたパチンコ遊技機PY1においては、「SHOOT」や「BLOCK」等の単語に係る態様を示すこととしてもよい。また、上記の実施形態に係る装飾部材430のように、装飾面431に複数のセグメントにLEDを備えるものであれば、ドット絵のようなものも表示可能である。よって、サッカーボールが左から右に流れるような一連となる複数の態様を示すことで、シュートやパスを示すこととしてもよい。
【0163】
また、装飾部材の装飾面の装飾態様は、複数のセグメントにLEDを備えたものに限らず、例えば、常に一定の固定の装飾が施されていてもよい。この場合、装飾面にはそれぞれに、一連となる異なる態様の装飾を施しておけばよい。この場合においても、回転装飾演出において装飾面が入れ替わることで、一連となる複数の態様が連続的に表示することができ、単純にすべてを同時に表示した場合よりも、遊技興趣の向上効果を発揮可能である。なお、一連となる複数の態様とは、例えば、これら複数の態様を個別に表示したときには想起や理解がそれほど容易でない観念や画像等を、これら複数の態様を連続的に表示することで、個別に表示したときよりも、遊技者が容易に想起や理解できるようになるものが挙げられる。
【0164】
また例えば、上記の実施形態では、それぞれ装飾面431を有する4つの装飾部材430を備える回転装飾部400について説明した。しかし、回転装飾部としては、複数の装飾面を前後方向について、位置を入れ替えることができるものであればよい。このため、例えば、
図22に示す変形例のように、回転装飾部を構成してもよい。
【0165】
図22に示す変形例に係る構成では、上記の実施形態と、装飾部材の数が異なる。具体的には、
図22に示すように、変形例では、装飾部材490を2つとしている。なお、この変形例においても、装飾部材490自体の構成は、上記の実施形態と同様にすることができる。また、変形例においても、回転装飾演出に係る回転軸は、互いに平行な右方回転軸RAと左方回転軸RBとである。そして、変形例に係る回転装飾演出においても、装飾部材490は、その装飾面491を常に、前方へと向けた状態で移動する。よって、この変形例についても、回転装飾演出と点灯装飾演出とを行うことで、上記の実施形態と同様の効果を発揮可能である。
【0166】
また例えば、回転装飾演出に係る2つの回転軸部の回転軸(実施形態では右方回転軸RA、左方回転軸RB)は必ずしも、平行である必要はない。例えば、同軸に配置することとしてもよい。しかし、2つの回転軸部を同軸に配置した場合には、上記の実施形態のように平行に配置した場合よりも、動作が単調になってしまう傾向にある。また、同軸とした場合には、前後方向についての大きさが大きくなってしまう。これに対し、平行に配置した上記の実施形態においては、
図9に示す通り、前後方向の大きさを小さなものとすることができる。すなわち、上記の実施形態では、回転装飾演出における装飾部材の移動を複雑なものとしつつ、遊技機内に占める体積を小さくすることができる。よって、限られたスペースの遊技機において、スペースを有効活用できる観点からも、上記の実施形態のような回転軸とすることが好ましい。
【0167】
また例えば、回転装飾部を上下移動させる上下駆動部の機構は、上記の実施形態のようなリンク機構に限られるものではない。例えば、ラックアンドピニオンのような機構を採用してもよい。また例えば、回転装飾部を進出位置と進出位置よりも退避した退避位置との間で移動させればよく、上記の実施形態のような上下方向に限られるものではない。
【0168】
また例えば、上記の実施形態では、大当たり遊技で開放可能な大入賞領域として大入賞口14のみが設けられているが、複数の大入賞領域を設けても良い。また例えば、上記実施形態で説明した構成は、当然、必ずしもすべてが必至の構成要素ではない。すなわち、例えば、第1可動装置55において、上下駆動部300はなくてもよい。
【0169】
また、上記の実施形態では、大当たり遊技後の終了に伴って必ず時短状態が設定されるが、大当たり図柄の種別に応じて時短状態が設定されるか否かを決定しても良い。この場合、特
図2抽選での方が、大当たり遊技後の終了に伴って時短状態が設定される大当たり図柄に高確率で当選できるようになっていても良い。
【0170】
また、上記の実施形態などでは、大当たり判定において大当たりに当選することによって、大入賞口14の開閉を伴う大当たり遊技が実行されるが、大入賞口14の開閉を伴う遊技として所謂「小当たり遊技」を設けても良い。小当たり遊技は、大当たり判定において、大当たりおよびハズレとは異なる「小当たり」に当選することによって実行される。そして、小当たり遊技における大入賞口14の最大開放時間は1.8秒以下であることが望ましい。また、小当たり遊技の終了に伴い、遊技状態は変化しない。すなわち、小当たり遊技の実行中および実行後は、当該実行前の遊技状態が継続し、小当たり遊技の実行が遊技状態に影響を及ぼさない。すなわち、小当たりに当選すると、大入賞口14の開閉を伴う小当たり遊技が実行されるだけである。
【0171】
また、上記の実施形態では、高確率回数が160回に設定され、時短回数が160回と100回に設定されているが、これらの通常遊技状態より遊技者に有利な遊技状態に対する特別図柄の変動表示の規定回数は限定されず適宜に設定することができる。例えば、高確率回数を100回に設定し、時短回数をV通過の有無に関わらず100回に設定してもよい。また、時短回数を0回に設定してもよい。また、大当たり遊技後の経過時間や遊技球の発射個数などの特別図柄の変動表示の実行回数ではない他の要素に基づいて、通常遊技状態より遊技者に有利な遊技状態に対する継続期間を設定してもよい。
【0172】
また、上記の実施形態では、遊技の進行に係る基本的な制御を遊技制御基板100が行い、遊技の進行(遊技の制御)に応じた演出の進行に係る基本的な制御を演出制御基板120が行うというように、遊技の制御と演出の制御とを異なる基板で行っているが、一つの基板で行うよう構成しても良い。この場合、画像制御基板140を、その一つの基板に含めても良く、また、その一つの基板とは別に設けても良い。
【0173】
また、本発明の遊技機を、アレンジボール機、雀球遊技機等の他の弾球遊技機や回胴式遊技機(所謂「スロットマシーン」)などに適用することも可能である。
【0174】
9.上記した実施の形態に示されている発明
上記した実施の形態には、以下の各手段の発明が示されている。以下に記す手段の説明では、上記した実施の形態における対応する構成名や表現、図面に使用した符号を参考のためにかっこ書きで付記している。但し、各発明の構成要素はこの付記に限定されるものではない。
【0175】
〈手段A〉
手段A1に係る発明は、
第1の装飾面(4つの装飾面431のうちの1つ)と第2の装飾面(その他の装飾面431)とを有する装飾部(回転装飾部400)を備える遊技機(パチンコ遊技機PY1)であって、
前記装飾部は、
前記第1の装飾面が前記第2の装飾面よりも前方に位置する第1の装飾状態と、前記第2の装飾面が前記第1の装飾面よりも前方に位置する第2の装飾状態との切り替えを、回転軸を中心とした回転動作(回転装飾演出)により可能なものであることを特徴とする遊技機である。
【0176】
例えば、従来技術として挙げられる特開2011-103991号公報には、可動可能に設けられた装飾部が、待機位置と進出位置との間で揺動動作を行う遊技機が開示されている。しかし、このような従来の装飾部は、待機位置から進出位置へと進出してくるだけであり、特にその態様も変わらず、遊技興趣が十分でないことがあった。これに対し、本構成の遊技機では、装飾部は、第1の装飾面が目立つ第1の装飾状態と、第2の装飾面が目立つ第2の装飾状態とを、回転動作により切り替えることができる。つまり、装飾部の態様を回転動作によって変化させることで、遊技興趣の向上を図ることが可能である。
【0177】
手段A2に係る発明は、
手段A1に記載の遊技機であって、
前記装飾部は、
前記回転軸として、第1の回転軸(右方回転軸RA)と、前記第1の回転軸と平行な第2の回転軸(左方回転軸RB)と、を有するものであることを特徴とする遊技機である。
【0178】
本構成の遊技機では、装飾部は、平行に設けられた複数の回転軸を中心とした回転動作を行うことが可能である。つまり、装飾部の回転動作を、1つの回転軸を中心とした回転動作よりも複雑なものとし、遊技興趣の向上を図ることが可能である。
【0179】
手段A3に係る発明は、
手段A2に記載の遊技機であって、
前記装飾部は、
前記第1の装飾面を有する第1の装飾部(4つの装飾部材430のうちの1つ)と、前記第2の装飾面を有する第2の装飾部(その他の装飾部材430)と、
前記第1の装飾部および前記第2の装飾部の一端側に設けられた前記第1の回転軸に係る第1の回転軸部材(右方回転部410)と、
前記第1の装飾部および前記第2の装飾部の前記一端側とは反対の他端側に設けられた前記第2の回転軸に係る第2の回転軸部材(左方回転部420)と、を有することを特徴とする遊技機である。
【0180】
本構成の遊技機では、単純な回転を行う第1の回転軸部材および第2の回転軸部材と、それに伴って複雑な軌跡で移動する第1の装飾部および第2の装飾部とを有している。よって、その単純な回転と、複雑な移動との対比により、より遊技興趣の向上を図ることが可能である。
【0181】
手段A4に係る発明は、
手段A1から手段A3までのいずれかに記載の遊技機であって、
遊技盤面(遊技盤面1F)に遊技球が流下可能な遊技領域(遊技領域6)が設けられた遊技盤(遊技盤1)を備え、
前記回転軸は、前記遊技盤面と交差する方向に延びるものであることを特徴とする遊技機である。
【0182】
本構成の遊技機では、装飾部は、遊技盤面と交差する回転軸を中心とした回転動作により、第1の装飾面と第2の装飾面とを前後方向に入れ替えるという、斬新な動作態様を行うことが可能である。これにより、遊技興趣の向上を図ることが可能である。
【0183】
手段A5に係る発明は、
手段A2から手段A4までのいずれかに記載の遊技機であって、
前記装飾部は、
前記回転動作に伴って、一連となる複数の態様を示す(点灯装飾演出を行う)ことが可能であることを特徴とする遊技機である。
【0184】
本構成の遊技機では、装飾部は、複数の態様を回転動作に伴って一連に示すことで、単純に示すよりも、より興趣性の向上を図ることが可能である。
【0185】
手段A6に係る発明は、
手段A2から手段A5までのいずれかに記載の遊技機であって、
前記装飾部は、
進出位置と、前記進出位置よりも退避した退避位置(待機位置)とをとることが可能なものであり、
前記進出位置で、前記回転動作を行うことがあることを特徴とする遊技機である。
【0186】
本構成の遊技機では、装飾部は、目立つ進出位置にて回転動作を行うことで、より興趣性の向上を図ることが可能である。
【符号の説明】
【0187】
PY1…パチンコ遊技機
YU…遊技盤ユニット
EU…演出ユニット
1…遊技盤
1F…遊技盤面
2…遊技機枠
6…遊技領域
100…遊技制御基板
101…遊技制御用マイコン
120…演出制御基板
121…演出制御用マイコン
50…画像表示装置
50a…表示部
55…第1可動装置
300…上下駆動部
400…回転装飾部
401…中央基部
405…右方基部
406…左方基部
410…右方回転部
410m…回転モータ
410g…モータ軸
420…左方回転部
421…中心軸部
430…装飾部材
431…装飾面
FU…前方上方位置
FD…前方下方位置
BU…後方上方位置
BD…後方下方位置