(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-02-10
(45)【発行日】2023-02-20
(54)【発明の名称】底開き式コンテナ収集物搬出装置
(51)【国際特許分類】
B66F 9/06 20060101AFI20230213BHJP
B66F 9/12 20060101ALI20230213BHJP
B66F 9/18 20060101ALI20230213BHJP
【FI】
B66F9/06 F
B66F9/12 M
B66F9/18 D
B66F9/12 U
(21)【出願番号】P 2019005907
(22)【出願日】2019-01-17
【審査請求日】2022-01-05
(73)【特許権者】
【識別番号】390017374
【氏名又は名称】名古屋コンテナー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000394
【氏名又は名称】弁理士法人岡田国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】古賀 正明
【審査官】吉川 直也
(56)【参考文献】
【文献】実開昭49-085871(JP,U)
【文献】実開昭53-025069(JP,U)
【文献】実開昭62-119381(JP,U)
【文献】実公昭47-037795(JP,Y1)
【文献】特開2001-031364(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B66C 1/00-25/00
B66F 1/00-19/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
開閉可能な搬出口を底壁に有する箱であり、当該箱
の上壁の中央部に設けられた第1吊具と、当該第1吊具に対する上下方向の相対位置を変更できる態様で前記箱に設けられた第2吊具と、前記相対位置に応じて前記搬出口の開閉の度合いを変化させる開閉機構と、を備える底開き式コンテナに対して取り付けることが可能な底開き式コンテナ収集物搬出装置であって、
フォークリフトにより持ち上げられた持ち上げ状態とすることが可能な基体部を備え、
前記基体部は、
前記第1吊具に対して連結可能とされ、かつ、当該第1吊具に連結されているときには当該第1吊具を吊り上げ可能な第1連結部と、
前記第2吊具に対して連結可能とされ、かつ、当該第2吊具に連結されているときには当該第2吊具を吊り上げ可能な第2連結部と、
前記第1連結部が前記第1吊具に連結されている状態であり、かつ、前記第2連結部が前記第2吊具に連結されている状態である連結状態にあるときに、前記第1連結部および前記第2連結部のうちの少なくとも一方を上下方向に動かす上下動が可能な上下動機構と、を備え、
当該上下動機構は、前記連結状態にあるときに、前記上下動によって前記相対位置を変更でき
、
前記第1連結部は、曲げ伸ばしが可能かつ巻き取り可能に構成された線状体を備え、
前記上下動機構は、前記線状体が取り付けられて、当該線状体の巻き取りおよび巻き戻しが可能に構成されていると共に、前記連結状態においては、前記線状体の巻き取りおよび巻き戻しによって前記上下動を実現させる巻取機であり、
前記基体部は、フォークリフトのフォークが貫通されて、このフォークの先端から付け根に向かう方向を前方とし、前方の反対方向を後方とした場合に、フォークの先端が前記基体部の後端よりも後方に位置された状態で保持されるものであり、
前記巻取機は、前記基体部の上方に位置されて、当該基体部の上面に固定され、
前記線状体は、前記巻取機に巻き取られることで当該巻取機を介して前記基体部に取り付けられ、
前記第1連結部は、前記基体部を上から下に挿し通されている、底開き式コンテナ収集物搬出装置。
【請求項2】
請求項
1に記載の底開き式コンテナ収集物搬出装置であって、
前記開閉機構が、前記第2吊具の前記相対位置が下側になるにつれ前記搬出口が開くよう構成されているものである場合に、
前記上下動機構は、前記上下動において、前記第1連結部を前記第1吊具および前記箱と一緒に上下させることで、前記相対位置の変更を実現させる、底開き式コンテナ収集物搬出装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、底開き式コンテナを移動させるとともに、底開き式コンテナの底壁の搬出口を開閉させ得る底開き式コンテナ収集物搬出装置に関する。
【背景技術】
【0002】
廃棄物や資材等の収集物を効率よく収集して運搬するために底開き式コンテナが用いられている。例えば、特許文献1に記載されている底開き式コンテナは、開閉可能な搬出口を底壁に有する箱である。そして、この底開き式コンテナは、第1吊具と、第1吊具に対する上下方向の相対位置を変更できる態様で設けられた第2吊具と、この第2吊具の相対位置に応じて搬出口の開閉の度合いを変化させる開閉機構と、を備えている。また、この底開き式コンテナは、上側には上記の収集物を入れるための開口を有している。
【0003】
底開き式コンテナの内部に収集物が溜まったら、収集物を搬出する搬出作業が行われる。この搬出作業では、まず、底開き式コンテナを、底壁の搬出口を閉じた状態に保ったまま、設置場所から持ち上げて、内部の収集物を搬出する搬出場所(例えば、特許文献1では、焼却炉ホッパー)の上に底開き式コンテナを移動させる。さらに、底開き式コンテナの底壁の搬出口を開き、収集物を底開き式コンテナの内部から搬出場所に落として搬出する。上記の搬出作業は、特許文献1に開示されている技術では、クレーンを用いて行われている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、上記の様にクレーンを用いて底開き式コンテナの収集物の搬出作業を行う場合、底開き式コンテナの設置場所の上方には、底開き式コンテナの上方にクレーンが侵入できる空間が確保されている必要がある。従って、底開き式コンテナの設置場所が、その上方にクレーンが侵入できる空間を確保できる場所に限られるという問題があった。
【0006】
本発明は、上述した問題を解決するものとして創案されたものであり、本発明が解決しようとする課題は、クレーンを用いずに、底開き式コンテナを持ち上げて移動させるとともに、底開き式コンテナの底壁の搬出口を開閉させ得る底開き式コンテナ収集物搬出装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一つの特徴は、開閉可能な搬出口を底壁に有する箱であり、当該箱に設けられた第1吊具と、当該第1吊具に対する上下方向の相対位置を変更できる態様で前記箱に設けられた第2吊具と、前記相対位置に応じて前記搬出口の開閉の度合いを変化させる開閉機構と、を備える底開き式コンテナに対して取り付けることが可能な底開き式コンテナ収集物搬出装置であって、フォークリフトにより持ち上げられた持ち上げ状態とすることが可能な基体部を備え、前記基体部は、前記第1吊具に対して連結可能とされ、かつ、当該第1吊具に連結されているときには当該第1吊具を吊り上げ可能な第1連結部と、前記第2吊具に対して連結可能とされ、かつ、当該第2吊具に連結されているときには当該第2吊具を吊り上げ可能な第2連結部と、前記第1連結部が前記第1吊具に連結されている状態であり、かつ、前記第2連結部が前記第2吊具に連結されている状態である連結状態にあるときに、前記第1連結部および前記第2連結部のうちの少なくとも一方を上下方向に動かす上下動が可能な上下動機構と、を備え、当該上下動機構は、前記連結状態にあるときに、前記上下動によって前記相対位置を変更できる、底開き式コンテナ収集物搬出装置である。
【0008】
上記の構成によれば、上記の連結状態かつ持ち上げ状態にすることで、フォークリフトを用い、底開き式コンテナを持ち上げて移動させることができ、さらに底開き式コンテナの底壁の搬出口を開閉させ得る。従って、底開き式コンテナ収集物搬出装置は、クレーンを用いずに、底開き式コンテナを持ち上げて移動させるとともに、底開き式コンテナの底壁の搬出口を開閉させ得る。
【0009】
次に、他の特徴によると、上記の底開き式コンテナ収集物搬出装置において、前記第1連結部および前記第2連結部のうちの少なくとも一方は、曲げ伸ばしが可能に構成された線状体を備えることが好ましい。これにより、曲げ伸ばし可能な線状体を備えている、第1連結部および第2連結部の少なくとも一方の連結部と、この連結部に対応する底開き式コンテナの第1吊具および第2吊具の少なくとも一方の吊具と、を連結させることが、線状体を曲げ伸ばすことにより容易となる。なお、線状体として、例えば、索状体、鎖状体もしくは帯状体、またはこれらの組み合わせた形状を挙げることができる。
【0010】
次に、他の特徴によると、上記の底開き式コンテナ収集物搬出装置において、前記線状体は、巻き取り可能に構成され、前記上下動機構は、前記線状体が取り付けられて、当該線状体の巻き取りおよび巻き戻しが可能に構成されていると共に、前記連結状態においては、前記線状体の巻き取りおよび巻き戻しによって前記上下動を実現させることが好ましい。これにより、底開き式コンテナ収集物搬出装置は、上下動機構が線状体の巻き取りや巻き戻しを行うだけで上下動を行うことができる。従って、底開き式コンテナ収集物搬出装置の上下動機構に上下動を行わせて底開き式コンテナの搬出口を開閉させることをより一層容易にし得る。
【0011】
次に、他の特徴によると、上記の底開き式コンテナ収集物搬出装置において、前記開閉機構が、前記第2吊具の前記相対位置が下側になるにつれ前記搬出口が開くよう構成されているものである場合に、前記上下動機構は、前記上下動において、前記第1連結部を前記第1吊具および前記箱と一緒に上下させることで、前記相対位置の変更を実現させることが好ましい。
【0012】
上記の構成により、上下動機構が、第1連結部を、第1吊具と、第1吊具が設けられている底開き式コンテナの箱の部分と、一緒に上に移動させるにつれ、第1吊具に対する第2吊具の相対位置は下側になり、底開き式コンテナの搬出口が開く度合いが大きくなる。このため、底開き式コンテナの内部に収集された収集物を、搬出口を開いて搬出口から搬出するとき、第1連結部を第1吊具が設けられている底開き式コンテナの箱の部分と一緒に上に移動させれば、搬出口を開けることができる。ここで、底開き式コンテナの底壁の搬出口が開くとともに、底開き式コンテナの箱の部分の底壁が上に持ち上げられるため、収集物を底開き式コンテナの中から搬出するために搬出口を開けるときに、底壁の下に存在するものに搬出口が蓋をされることが少なくなる。
【発明の効果】
【0013】
本発明の底開き式コンテナ収集物搬出装置は、上記の構成をもつことより、クレーンを用いずに、底開き式コンテナを持ち上げて移動させるとともに、底開き式コンテナの底壁の搬出口を開閉させ得る。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】実施形態1に係る底開き式コンテナ収集物搬出装置の構成の概要を示す説明図である。
【
図2】実施形態1に係る底開き式コンテナ収集物搬出装置が、フォークリフトに取り付けられており、さらに、底開き式コンテナを保持している状態の模式的な側面図の1例である。
【
図3】実施形態1に係る底開き式コンテナ収集物搬出装置が、フォークリフトに持ち上げられており、さらに、底開き式コンテナを保持している状態の模式的な側面図の1例である。
【
図4】施形態1に係る底開き式コンテナ収集物搬出装置が、フォークリフトに持ち上げられており、さらに、底開き式コンテナを保持している状態において、第1ワイヤ巻取機が第1ワイヤを巻き戻した状態の1例を示す図である。
【
図5】施形態1に係る底開き式コンテナ収集物搬出装置が、フォークリフトに取り付けられており、さらに、底開き式コンテナを保持している状態において、第1ワイヤ巻取機が第1ワイヤを巻き取った状態の1例を示す図である。
【
図6】実施形態2に係る底開き式コンテナ収集物搬出装置の構成を説明する説明図である。
【
図7】実施形態3に係る底開き式コンテナ収集物搬出装置の構成を説明する説明図である。
【
図8】実施形態1に係る底開き式コンテナ収集物搬出装置の構成を説明する説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
<1.実施形態1の底開き式コンテナ収集物搬出装置100(
図1~
図5)>
本発明を実施するための実施形態1に係る底開き式コンテナ収集物搬出装置100について、以下、図面を用いて説明する。
図1および
図2に示すように、本実施形態の底開き式コンテナ収集物搬出装置100は、フォークリフト300のフォーク310に取り付け、さらに、底開き式コンテナ200を吊って保持させることにより、底開き式コンテナ200をフォークリフト300に吊って運ぶことを可能にするものである。なお、以下の説明および図面に記載の方向は、
図1および
図2に示すように、フォークリフト300のフォーク310に、底開き式コンテナ収集物搬出装置100を取り付け、さらに、底開き式コンテナ200を吊ったときにおいて、フォークリフト300のフォーク310の先端から付け根に向かう方向を前方とし、前方の反対方向を後方とすると共に、この後方および前方に基づき、上方、下方、左方、右方を定める。前方、後方、上方、下方、左方、右方の各方向が記載されているすべての図において、各方向は同一の方向を示し、以下の説明において方向に関する記述はこれらの方向を基準とすることがある。また、以下の説明において、底開き式コンテナ収集物搬出装置100、底開き式コンテナ200、フォークリフト300の付随的な構成については、その図示および詳細な説明を省略する。
【0016】
<1-1.底開き式コンテナ収集物搬出装置100の構成(
図1~
図3)>
以下で詳細を説明する底開き式コンテナ200は、開閉可能な搬出口222を底壁220に有する箱であり、当該箱に設けられた第1吊具211と、第1吊具211に対する上下方向の相対位置を変更できる態様で上記箱に設けられた第2吊具232F,232Bと、上記相対位置に応じて搬出口222の開閉の度合いを変化させる開閉機構240と、を備える。ここで、開閉機構240は、第2吊具232F,232Bの上記相対位置が下側になるにつれ搬出口222が開くよう構成されている。
【0017】
本実施形態の底開き式コンテナ収集物搬出装置100は、上記の底開き式コンテナ200に対して取り付けることが可能な底開き式コンテナ収集物搬出装置100である。底開き式コンテナ収集物搬出装置100は、フォークリフトにより持ち上げられた持ち上げ状態とすることが可能な基体部110を備える。基体部110は、第1吊具211に対して連結可能とされ、かつ、第1吊具211に連結されているときには第1吊具211を吊り上げ可能な第1ワイヤW1(第1連結部)と、第2吊具232F,232Bに対して連結可能とされ、かつ、第2吊具232F,232Bに連結されているときには第2吊具232F,232Bを吊り上げ可能な第2ワイヤW2F,W2B(第2連結部)と、第1ワイヤW1(第1連結部)が第1吊具211に連結されている状態であり、かつ、第2ワイヤW2F,W2B(第2連結部)が第2吊具232F,232Bに連結されている状態である連結状態にあるときに、第1ワイヤW1(第1連結部)および第2ワイヤW2(第2連結部)のうちの少なくとも一方を上下方向に動かす上下動が可能な第1ワイヤ巻取機120(上下動機構)を備える。第1ワイヤ巻取機120(上下動機構)は、上記連結状態にあるときに、上下動によって相対位置を変更できる。
【0018】
また、第1ワイヤW1(第1連結部)および第2ワイヤW2(第2連結部)のうちの少なくとも一方は、曲げ伸ばしが可能に構成された線状体(ワイヤ部W11,W2B1,W2F1)を備える。また、ワイヤ部W11(線状体)は、巻き取り可能に構成され、第1ワイヤ巻取機120(上下動機構)は、ワイヤ部W11(線状体)が取り付けられてワイヤ部W11(線状体)の巻き取りおよび巻き戻しが可能に構成されていると共に、上記の連結状態においては、ワイヤ部W11(線状体)の巻き取りおよび巻き戻しによって上記の上下動を実現させる。また、開閉機構240が、第2吊具232F,232Bの相対位置が下側になるにつれ搬出口222が開くよう構成されているものである場合に、第1ワイヤ巻取機120(上下動機構)は、上記上下動において、第1ワイヤW1(第1連結部)を第1吊具211および上記箱と一緒に上下させることで、相対位置の変更を実現させる。
【0019】
<1-1-1.底開き式コンテナ200の構成(
図1~
図3)>
図1に示すように、底開き式コンテナ200は、上壁210と、底壁220と、側壁230とを備えており、前後方向および左右方向に対称に構成されている。
図1に示すように、上壁210の中央部には、環状に形成された第1吊具211が設けられている。また、
図1に示すように、上壁210の右側には、左端にてヒンジ連結されている(不図示)ことで開閉可能とされた板状の扉212Rと、この扉212Rを開閉しやすくするための取手213Rとが設けられている。ここで、扉212Rを開くことで、開口214Rが開くように構成されている。底開き式コンテナ200は、上記の右側と同様の構成を左側に備えており、上壁210の左側に、板状の扉212Lと、取手213Lと、扉212Lを開くことで開く開口214Lと、を備えている。以上で説明した上壁210の扉212R、212Lを開いて、開口214R、214Lから廃棄物や資材等の収集物を底開き式コンテナ200の内部に入れて、収集物を底開き式コンテナ200の内部に溜めることができる。
【0020】
底壁220は、
図1および
図2に示すように、左右方向中央から右側の板状の底壁右部221Rと、左側の板状の底壁左部221Lとを備えている。底壁右部221Rは、
図2に示すように、その右端で側壁230とヒンジ連結されており、同様に、底壁左部221Lは、その左端で側壁230とヒンジ連結されている。また、
図2に示すように、これらのヒンジを中心に、底壁右部221Rおよび底壁左部221Lのそれぞれが回転することで、底壁右部221Rおよび底壁左部221Lの間の開口(以下、「搬出口222」とも称する)が開閉する。
図2および
図3には、底壁220の搬出口222が閉じた閉鎖状態を実線で示し、開いた開放状態を2点鎖線(仮想線)で示した。なお、
図4および
図5を用いて詳細は後述するが、底開き式コンテナ収集物搬出装置100に底開き式コンテナ200を吊って保持させているときには、閉鎖状態から開放状態にかけて搬出口222の開閉に伴い底開き式コンテナ200の上壁210および側壁230は上下に移動する。この様な底開き式コンテナ200の上下の移動を
図2および
図3においては省略し、
図2および
図3では、底開き式コンテナ200の上壁210および側壁230の位置は、搬出口222の開閉によらないものとして底開き式コンテナ200を図示した。
【0021】
側壁230は、
図1~
図3に示すように、前後対称および左右対称に構成され、前側の前面部231Fと、後側の後面部231Bとを備えている。
図2に示すように、後面部231Bは、上下方向に延びるレール231B1と、このレール231B1に嵌められており、レール231B1上で上下に移動可能な第2吊具232Bと、が設けられている。
図2に示すように、第2吊具232Bは、底壁右部221Rの後側かつ左側の部分と後右連結棒241BRで連結されている。後右連結棒241BRは、上側の端部で第2吊具232Bとヒンジ連結され、下側の端部で底壁右部221Rとヒンジ連結されており、この様に両端部それぞれで第2吊具232B、底壁右部221Rとヒンジ連結されている。換言すれば、第2吊具232Bは、右側では、後右連結棒241BRを介して底壁右部221Rと連結されている。そして第2吊具232Bは、左側でも同様に、底壁左部221Lの後側かつ右側の部分と後左連結棒241BLを介して連結されている。そして、後左連結棒241BLは、両端部それぞれで第2吊具232B、底壁左部221Lとヒンジ連結されている。
【0022】
そして、
図2に示すように、底壁220の搬出口222が、
図2において実線で示す閉じた閉鎖状態から、同じく2点鎖線(仮想線)で示す開いた開放状態になるよう、底壁右部221Rおよび底壁左部221Lそれぞれが左右両端側のヒンジを中心に回転するこができる。この様に、底壁右部221Rおよび底壁左部221Lそれぞれが左右両端側のヒンジを中心に回転すると、底壁右部221Rが下側に移動するにともない、後右連結棒241BRは、底壁右部221Rおよび第2吊具232Bとヒンジ連結しているため、第2吊具232Bを下に引っ張る。同様に後左連結棒241BLは、底壁左部221Lが下側に移動するにともない、第2吊具232Bを下に引っ張る。この様に、底壁右部221Rおよび底壁左部221Lが回転して下側に移動するにともない、底壁220の搬出口222が開くにつれ、後右連結棒241BRおよび後左連結棒241BLが第2吊具232Bを下側に引っ張り、第2吊具232Bは、レール231B1上で下側に移動する。以上では、底壁220の搬出口222が閉じた閉鎖状態(実線)から開いた開放状態(2点鎖線)になるにつれて、第2吊具232Bが下側に移動することを説明したが、この逆に、底壁220の搬出口222が開いた開放状態(2点鎖線)から閉じた閉鎖状態(実線)になるにつれ、第2吊具232Bは下側から上に移動する。そして、第2吊具232Bを外部から力を加えて上下に移動させることができるように、第2吊具232Bは環状の環状部232B1を備えている(
図2および
図3参照)。
【0023】
以上では後面部231Bに関して説明したが、前面部231Fは、上述した後面部231Bと同様の構成となっている。より詳しくは、前面部231Fには、前面部231Fを上下方向に延びるレール(不図示)と、このレール上で上下に移動可能な第2吊具232F(
図3参照)と、第2吊具232Fおよび底壁右部221Rを連結する前右連結棒241FR(
図3参照)と、第2吊具232Fおよび底壁左部221Lを連結する後左連結棒(不図示)とが設けられている。そして、底壁右部221Rおよび底壁左部221Lが回転して上下に移動するにともない底壁220の搬出口222が開閉するにつれ、第2吊具232Fもレール(不図示)上で上下に移動する。また、第2吊具232Fは環状の環状部232F1を備えている。
【0024】
また、第2吊具232B,232Fの上下方向の位置として、上壁210の第1吊具211に対する上下方向の相対位置を考えることができる。
図2および
図3に示すように、第2吊具232B,232Fは、この上下方向の相対位置が上側から下側に変化するにつれ、底壁220の搬出口222が閉じた閉鎖状態(実線)から開いた開放状態(2点鎖線)になる。この逆に、第2吊具232B,232Fは、上下方向の相対位置が下側から上側に移動するにつれ、底壁220の搬出口222が開いた開放状態(2点鎖線)から閉じた閉鎖状態(実線)になる。ここで、第2吊具232Bおよび第2吊具232Fの2つを第2吊具232とする。また、底開き式コンテナ200は、上述した、後右連結棒241BR(
図2参照)と、後左連結棒241BL(
図2参照)と、前左連結棒(不図示)と、前右連結棒241FR(
図3参照)との4つを開閉機構240とする。上記の様に、開閉機構240は、搬出口222の開閉と、第2吊具232F,232Bの上下の相対位置とを連動させることができる。
【0025】
<1-1-2.底開き式コンテナ収集物搬出装置100の構成(
図1~
図3)>
底開き式コンテナ収集物搬出装置100は、
図1~
図3に示すように、矩形の板状の基体部110と、第1ワイヤW1と、第2ワイヤW2(第2ワイヤW2F,W2B)と、フォークリフト300のリフトブラケット320等(
図1参照)に係止させることができる係止部130と、を備えている。そして、
図1に示すようにこれらの第1ワイヤW1、第2ワイヤW2F,W2B、係止部130は、基体部110に保持されている。
【0026】
基体部110は、
図1~
図3に示すように、フォークリフト300のフォーク310に係合できるフォーク係合部111と、第1ワイヤW1を巻き取っている第1ワイヤ巻取機120と、第1ワイヤW1を基体部110の上から下へ挿し通すことができる第1ワイヤ挿通穴112と、第2ワイヤW2(第2ワイヤW2F,第2ワイヤW2B)を取り付けるための第2ワイヤ取付部113(第2ワイヤ取付部113F,113B)と、係止部130を取り付けるための係止部取付部114と、を備えている。また、
図1~
図3に示すように、第1ワイヤ巻取機120は、基体部110の上面に固定されている。
【0027】
フォーク係合部111は、
図1~
図3に示すように、基体部110を前後に貫通する貫通孔状に形成された、右側の穴状係合部111Rおよび左側の穴状係合部111Lを有している。これら穴状係合部111Rおよび穴状係合部111Lにおいて、左右方向の位置および断面の形状は、フォークリフト300のフォーク310が差し込むことができるように構成されている。また、これら穴状係合部111Rおよび穴状係合部111Lの上下方向の位置は、基体部110の概ね中央に設定されている。
【0028】
図2および
図3に示すように、穴状係合部111Rおよび穴状係合部111Lにフォーク310が差し込まれた状態では、穴状係合部111Rおよび穴状係合部111Lは、それぞれの内周面の上側がフォーク310の上面に係合する。この様に、穴状係合部111Rおよび穴状係合部111Lがフォーク310に係合することにより、基体部110はフォーク310に保持される。これにより、基体部110をフォーク310で持ち上げて移動させることができ、ひいては、底開き式コンテナ収集物搬出装置100がフォークリフト300により持ち上げられた持ち上げ状態とすることが可能となる。
【0029】
穴状係合部111Rは、
図3および
図2に示すように、雌螺子部111R1および雄螺子部111R2を備えている。雌螺子部111R1は、
図3に示すように、第1ワイヤ巻取機120の下側において、穴状係合部111Rの内周面の下側から基体部110の底面にかけて貫通する貫通孔で、この貫通孔の内周面に雌螺子を備えている。雄螺子部111R2は、雌螺子部111R1の雌螺子に螺合するように、その外表面につるまき線形状の突出であるねじ山が設けられた棒状部材であり、下端に取っ手が設けられている。この様な構成により、雄螺子部111R2が、雌螺子部111R1に螺合し、上下(フォーク310の延びる方向に交差する方向)に進退可能となるよう設けられている。
【0030】
雄螺子部111R2をねじ込み、穴状係合部111Rに差し込まれたフォーク310を雄螺子部111R2によって上側に押圧させることで、フォーク310の抜け止めをすることができる。以上は、右側の穴状係合部111Rの備える雌螺子部111R1および雄螺子部111R2について説明したが、左側の穴状係合部111Lも同様に、雌螺子部111L1と雄螺子部111L2を備えている。そして、穴状係合部111Lに差し込まれたフォーク310を雄螺子部111L2によって上側に押圧させて、フォーク310の抜け止めをすることができる。なお、本実施形態の底開き式コンテナ収集物搬出装置100は、雌螺子部111R1、雄螺子部111R2、雌螺子部111L1、雄螺子部111L2を必ずしも備えなくてもよい。
【0031】
第1ワイヤ挿通穴112は、
図3および
図2に示すように、基体部110の上面に固定された第1ワイヤ巻取機120に巻き取られた第1ワイヤW1を、基体部110の上から下へ挿し通すことができるように、基体部110の上から下へ貫通している貫通孔状に形成されている。
【0032】
第2ワイヤ取付部113は、
図3に示すように、基体部110前面側の第2ワイヤ取付部113Fおよび後面側の第2ワイヤ取付部113Bを有している。
図3および
図1に示すように、後側の第2ワイヤ取付部113Bは、基体部110の穴状係合部111Rと穴状係合部111Lとの間の領域において、基体部110の後面から外側(後側)に突出した環状に設けられている。また、第2ワイヤ取付部113Bと同様に、第2ワイヤ取付部113Fは、基体部110の前面から外側(前側)に突出した環状に設けられている(
図3参照)。以上の様に、第2ワイヤ取付部113Fおよび第2ワイヤ取付部113Bは、基体部110の前後に突出した環状に設けられている(
図3参照)。
【0033】
係止部取付部114は、基体部110の後部から伸びだされたワイヤー状の係止部130(
図1および
図3参照)を取り付けられるように(
図3参照)、基体部110の後面に設けられた窪み(不図示)の中に環状に形成されている。係止部130は、
図1および
図3に示すように、ワイヤー状に形成され、前側を係止部取付部114に取り付け、後側で例えば輪131にし、フォークリフト300のリフトブラケット320(
図1参照)等のフォーク310を支持する部材に係止(
図3参照)させることができる。
図3に示すように、この様に係止部130で係止することで、基体部110のフォーク係合部111(111R,111L)がフォーク310から外れることを抑止し得る。なお、本実施形態では、係止部130は、ワイヤー状としたが、係止部130の形状を線状体(例えば、索状体、鎖状体もしくは帯状体、またはこれらの組み合わせた形状)にしてもよい。また、本実施形態の底開き式コンテナ収集物搬出装置100は、係止部取付部114および係止部130を必ずしも備えなくてもよい。
【0034】
第1ワイヤ巻取機120は、
図1~
図2に示すように、基体部110の上面の左右方向中央部に固定されており、第1ワイヤW1のワイヤ部W11を巻き取っている。
図3および
図1に示すように、第1ワイヤ巻取機120は、ワイヤ部W11を巻き取り可能なドラム部121と、ドラム部121を回転させるモータ部122と、モータ部122の回転を制御する有線式のリモコン123を備えている。第1ワイヤ巻取機120は、リモコン123の指示により、モータ部122の回転開始や停止、回転方向等を切り替えることができる。これにより、第1ワイヤ巻取機120のドラム部121は回転が制御され、ドラム部121に巻かれた第1ワイヤW1のワイヤ部W11の巻き取りおよび巻き戻し、およびこれらの停止が行われる。なお、
図1~
図3に示すように、本実施形態ではリモコン123を有線式リモコンとしたが、無線式リモコンにしてもよい。
【0035】
第1ワイヤW1は、
図3に示すように、ワイヤ部W11と、ワイヤ部W11の下端に取り付けられたフック状の第1フックW12とを備えている。ワイヤ部W11は、第1ワイヤ巻取機120のドラム部121に巻き取られており、ドラム部121に巻き取られることで、第1ワイヤ巻取機120を介して基体部110に取り付けられている。また、ワイヤ部W11は、ドラム部121から下に延び、基体部110の第1ワイヤ挿通穴112に挿し通されて、基体部110の下に延びている。ワイヤ部W11の下端の第1フックW12は、底開き式コンテナ200の第1吊具211に引っ掛けて連結させることができ、これにより、底開き式コンテナ収集物搬出装置100が底開き式コンテナ200を吊り上げることができる。そして上記の様に、第1ワイヤ巻取機120は、第1ワイヤW1のワイヤ部W11を巻き取ることも巻き戻すこともできる。
【0036】
第2ワイヤW2は、
図1~
図3に示すように、前側の第2ワイヤW2Fと、後側の第2ワイヤW2Bとの2つで構成されている。そして、
図1~
図3に示すように、後側の第2ワイヤW2Bは、ワイヤ部W2B1と、ワイヤ部W2B1の下端部に取り付けられた第2フックW2B2とを備えている。ワイヤ部W2B1は、上端部が基体部110の第2ワイヤ取付部113Bに取り付けられている。第2フックW2B2は、底開き式コンテナ200の第2吊具232Bに引っ掛けて連結させることができる。
図3に示すように、第2ワイヤW2Bと同様に、第2ワイヤW2Fは、ワイヤ部W2F1および第2フックW2F2を備えている。
図3に示すように、ワイヤ部W2F1は上端部で第2ワイヤ取付部113Fに取り付けられており、第2フックW2F2は、底開き式コンテナ200の第2ワイヤ取付部113Fに引っ掛けて連結させることができる。また、以上で説明した様に、第2フックW2F2,W2B2を、底開き式コンテナ200の第2ワイヤ取付部113F,113Bに引っ掛けて連結させて、底開き式コンテナ200を吊り上げることができる。
【0037】
以上で説明した、第2ワイヤW2Fのワイヤ部W2F1、第2ワイヤW2Bのワイヤ部W2B1は、いずれも線状体の一種のワイヤで形成されているが、これらは曲げ伸ばしが可能な線状体で形成されていればよい。また、ワイヤ部W11は、曲げ伸ばしが可能であり、さらに、巻き取り可能な線状体で形成されていればよい。ワイヤ部W11を形成する材質で、ワイヤ部W2F1,W2B1を形成することができる。ワイヤ部W11に用いることができる、曲げ伸ばしが可能であり、さらに、巻き取り可能な線状体として、例えば、索状体、鎖状体もしくは帯状体、またはこれらの組み合わせた形状を挙げることができる。ここで、索状体としては、例えば天然繊維製または合成繊維製のロープなどが好適に使用できる。天然繊維製のロープの代表例としてはマニラ麻、サイザル麻または木綿からなるロープなどが挙げられる。合成繊維製ロープの代表例としては、ポリアミド製、ポリビニルアルコール製、ポリエステル製、ポリエチレン製、ポリプロピレン製の合成樹脂製ロープなどのほか、これらの混撚ロープなどが挙げられる。また、このようなロープ以外にも、ワイヤーロープなども使用できる。鎖状体としては、例えばローラーチェーン、リンクチェーンなどのチェーンを挙げることができる。また、帯状体としては、天然繊維製または合成樹脂製のベルトが挙げられる。
【0038】
<1-2.底開き式コンテナ収集物搬出装置100を用いたフォークリフト300の底壁220の搬出口222の開閉(
図3~
図5)>
図3に示すように、第1ワイヤW1によっても、第2ワイヤW2F,W2Bによっても、底開き式コンテナ200を底開き式コンテナ200に吊ることができる。そして、
図1~3を用いて上述した様に、底開き式コンテナ収集物搬出装置100の基体部110に固定された第1ワイヤ巻取機120が第1ワイヤW1を巻き取ることおよび巻き戻すことができる。
図4には、第1ワイヤ巻取機120が第1ワイヤW1を巻き戻した状態の一例が示されている。ただし、
図4においては、第1ワイヤW1と第2ワイヤW2Bとが一部で重なっている。
図4に示すように、第1ワイヤ巻取機120が第1ワイヤW1を巻き戻して第1ワイヤW1を緩めるにつれ、底開き式コンテナ200は、第1ワイヤW1によって第1吊具211で上に吊られる力(
図4には、第1吊具211の右上の小さい白抜きの矢印で示した)よりも、第2ワイヤW2F,W2Bによって第2吊具232Bで上に吊られる力(
図4には、第2吊具232Bの左の大きい黒塗りの矢印で示し、
図3にも大きい黒塗りの矢印で示した)が大きくなる。
【0039】
図4および
図3に示す様に、第2吊具232Bが第1吊具211よりも強い力で上に引っ張られることで、第2吊具232Bが後右連結棒241BR,後左連結棒241BLを介して底壁右部221R,底壁左部221Lを上側に引っ張る。以上では、
図4を用いて、底開き式コンテナ収集物搬出装置100および底開き式コンテナ200の後側について説明したが、前側でも同様に、第2吊具232Fが前右連結棒241FR(
図3参照),前左連結棒(不図示)を介して底壁右部221R,底壁左部221Lを上側に引っ張る。この様に、第2吊具232F,232Bが開閉機構240(後右連結棒241BR,後左連結棒241BL,前右連結棒241FR,前左連結棒)を介して底壁右部221R,底壁左部221Lを上側に引っ張ることで、底壁220の搬出口222が閉じるように底壁220に力が働く。
【0040】
以上の様に、底開き式コンテナ200の第1ワイヤ巻取機120が第1ワイヤW1を巻き戻すこと(
図4および
図3参照)で、底開き式コンテナ200の底壁220の搬出口222が閉鎖した閉鎖状態(
図4および
図3参照)にすることができる。また、この閉鎖状態において、底開き式コンテナ200は底開き式コンテナ収集物搬出装置100を介してフォークリフト300に保持されている。従って、底開き式コンテナ200の搬出口222が閉じた閉鎖状態にしたうえで、底開き式コンテナ200をフォークリフト300で持ち上げて移動させることができる。
【0041】
一方、底開き式コンテナ収集物搬出装置100の第1ワイヤ巻取機120が第1ワイヤW1を巻き上げることで、次のように搬出口222を開くことができる。
図5は、
図4に示す状態から、第1ワイヤ巻取機120が第1ワイヤW1を巻き上げた状態を示している。
図5に示すように、第1ワイヤ巻取機120が第1ワイヤW1を巻き上げることで、第1吊具211は、第1フックW12によって上に引っ張られる。これにより、第1ワイヤW1(第1連結部)は、第1吊具211と、底開き式コンテナ200の箱の部分(210,220,230)とを一緒に上に持ち上げる。そして、
図5に示すように、第1ワイヤ巻取機120と、底開き式コンテナ200の第1吊具211との間の距離が縮まる。これに伴い、
図5および
図3に示す様に、基体部110と底開き式コンテナ200の第2吊具232F,232Bとの間の第2ワイヤW2F,W2Bが緩められる。
【0042】
図5に示す様に、第2ワイヤW2Bが上記の様に緩められても、第2ワイヤW2Bが引っ掛けられている第2吊具232Bは、後右連結棒241BR,後左連結棒241BL(開閉機構240)を介して、底壁右部221R,底壁左部221Lにより、下方に引っ張られている。そこで、第2ワイヤW2Bが緩められるにつれ、第2ワイヤW2Bが引っ掛けられている第2吊具232Bは、第1吊具211に対して下側に移動する。すなわち、第2吊具232Bは、第1吊具211に対する上下方向の相対位置が下に移動するにつれ、底壁220の搬出口222が開く。以上では、
図5を用いて、底開き式コンテナ収集物搬出装置100および底開き式コンテナ200の後側について説明したが、前側でも同様に、第2吊具232Fも第1吊具211に対する上下方向の相対位置が下に移動するについれ、底壁220の搬出口222が開く。従って、
図5に示す様に、第1ワイヤ巻取機120が第1ワイヤW1を巻き上げることで、第2ワイヤW2F,W2Bが緩められるとともに、開閉機構240(後右連結棒241BR,後左連結棒241BL,前右連結棒241FR,前左連結棒(不図示))によって、第2吊具232F,232Bの相対位置が下側に移動し、底壁220の搬出口222が開く(
図5および
図2参照)。
【0043】
以上で説明した、第1ワイヤ巻取機120にワイヤ部W11を巻き取りおよび巻き戻しをさせて、底開き式コンテナ200の底壁220の搬出口222を開閉させることは、底開き式コンテナ200が底開き式コンテナ収集物搬出装置100を介してフォークリフト300保持された状態であり、上記の連結状態かつ持ち上げ状態にあるときに行うことができる。従って、連結状態かつ持ち上げ状態においては、フォークリフト300で底開き式コンテナ200を持ち上げて移動させることができるうえに、底開き式コンテナ200の底壁220の搬出口222を開閉させることができる。
【0044】
<1-3.底開き式コンテナ収集物搬出装置100の作用効果(
図1~
図5)>
上記の構成によれば、上記の連結状態かつ持ち上げ状態にすることで、フォークリフト300を用い、底開き式コンテナ200を持ち上げて移動させることができ、さらに底開き式コンテナ200の底壁220の搬出口222を開閉させ得る。従って、底開き式コンテナ収集物搬出装置100は、クレーンを用いずに、底開き式コンテナ200を持ち上げて移動させるとともに、底開き式コンテナ200の底壁220の搬出口222を開閉させ得る。
【0045】
次に、曲げ伸ばし可能な線状体(ワイヤ部W11,W2B1,W2F1)を備えている、第1ワイヤW1(第1連結部)および第2ワイヤW2(第2連結部)との連結部の少なくとも一方の連結部と、この連結部に対応する底開き式コンテナ200の第1吊具211および第2吊具232F,232Bの少なくとも一方の吊具と、を連結させることが、線状体(ワイヤ部W11、W2B1,W2F1)を曲げ伸ばすことにより容易となる。なお、前述したが、線状体(ワイヤ部W11、W2B1,W2F1)として、索状体、鎖状体もしくは帯状体、またはこれらの組み合わせた形状を挙げることができる。
【0046】
次に、底開き式コンテナ収集物搬出装置100は、第1ワイヤ巻取機120(上下動機構)がワイヤ部W11(線状体)の巻き取りや巻き戻しを行うだけで上下動を行うことができる。従って、第1ワイヤ巻取機120を備えることで、底開き式コンテナ収集物搬出装置100の第1ワイヤ巻取機120(上下動機構)に上下動を行わせて底開き式コンテナ200の搬出口222を開閉させることをより一層容易にし得る。
【0047】
次に、第1ワイヤ巻取機120(上下動機構)が、第1ワイヤW1(第1連結部)を、第1吊具211と、第1吊具211が設けられている底開き式コンテナ200の箱の部分(210,220,230)と、一緒に上に移動させるにつれ、第1吊具211に対する第2吊具232F,232Bの相対位置は下側になり、底開き式コンテナ200の搬出口222が開く度合いが大きくなる。このため、底開き式コンテナ200の内部に収集された収集物を、搬出口222を開いて搬出口222から搬出するとき、第1ワイヤW1(第1連結部)を第1吊具211が設けられている底開き式コンテナ200の箱の部分(210,220,230)と一緒に上に移動させれば、搬出口222を開けることができる。ここで、底開き式コンテナ200の底壁220の搬出口222が開くとともに、底開き式コンテナ200の箱の部分(210,220,230)の底壁220が上に持ち上げられるため、収集物を底開き式コンテナ200の中から搬出するために搬出口222を開けるときに、底壁220の下に存在するものに搬出口222が蓋をされることが少なくなる。
【0048】
なお、底開き式コンテナ200を設置場所から移動することを、単にフォークリフト300のフォーク310で底開き式コンテナ200を下から持ち上げて行う場合、底開き式コンテナ200は下から押さえつけられるため、底壁220の搬出口222を開くことが困難になる。そこで、底開き式コンテナ200の底壁220を下から押さえつけずに移動させるために、従来行われている様に、底開き式コンテナ200をクレーンで吊って移動させる方法も考えられるが、今度は、底開き式コンテナ200の設置場所が、上方にクレーンが侵入できる空間を確保できる場所に限られるという問題がある。
【0049】
これに対して本実施形態では、底開き式コンテナ200を吊るのは、クレーンの様に底開き式コンテナ200の上から侵入させるものではなく、下から上に移動させることができるフォーク310であるため、底開き式コンテナ200の設置場所の上に必要とされる空間は、比較的小さくて済むと考えることができる。そして、底開き式コンテナ200の設置場所が、上方にクレーンが侵入できる空間を確保できる場所に限られない。
【0050】
また、上記構成により、フォークリフト300のフォーク310がフォーク係合部111(穴状係合部111R,111L)に差し込まれた状態において、雄螺子部111R2,111L2をフォーク310に向けて移動させて、雄螺子部111R2,111L2によってフォーク310を押圧させることで、フォーク310を抜け止めさせ得る。
【0051】
また、上記構成により、底開き式コンテナ収集物搬出装置100は、フォークリフト300のリフトブラケット320等のフォーク310を支持する部材に、基体部110から延び出された係止部130を係止させる(
図3参照)ことで、基体部110のフォーク係合部111(111R,111L)がフォーク310から外れることを抑止し得る。
【0052】
<2.その他の実施形態>
以下で説明するその他の実施形態において、上述した実施形態で説明した底開き式コンテナ収集物搬出装置100と実質的な構成及び作用が同じとなる箇所については、これらと同一の符号を付して説明を省略し、異なる箇所について詳しく説明することとする。
【0053】
上述した実施形態1では、第1ワイヤW1(第1連結部)の第1フックW12がフック状に形成されており、第1フックW12の第1吊具211が環状に形成されている。しかし、第1ワイヤW1(第1連結部)と第1吊具211とが連結可能であり、かつ、連結しているときに第1ワイヤW1(第1連結部)が第1吊具211を吊り上げ可能であればよく、第1ワイヤW1(第1連結部)および第1吊具211の形状は適宜変更できる。
【0054】
例えば、第1ワイヤW1(第1連結部)のワイヤ部W11と第1フックW12とを巻き取り可能な程度に柔軟性をもつように、可撓性を備える樹脂で一体に形成してもよい。他には、第1吊具の第1フックW12の部分を環状に形成し、第1吊具211をフック状に形成してもよい。また、前述した様に、第1連結部を、索状体の一種の第1ワイヤW1だけはなく、線状体として、例えば、索状体、鎖状体もしくは帯状体、またはこれらの組み合わせた形状で構成してもよい。さらに、第1連結部を、線状体に限らず、下端に第1吊具211と連結可能なフック等を設けた棒状体や板状体等で構成してもよい。棒状体や板状体としては、鉄製や、アルミニウム製や、カーボン製や、合成樹脂製のものを使用でき、基体部110と一体に形成してもよい。その断面形状については、円形、楕円形、矩形、長方形など適宜選択できる。また、第1連結部として、索状体、鎖状体、帯状体、棒状体、および板状体、のいずれか単独で形成することができ、さらに、これらのうちの2種以上を長さ方向に連結して用いることもできる。
【0055】
また、第1連結部を、棒状体や板状体等で構成した場合、第1連結部の上下動が可能な上下動機構の構成として、例えば、基体部110に2つの回転可能なローラを設け、これらのローラに第1連結部を挟み、ローラをモータ等で回転させることで上下動を行う構成にしてもよい。
【0056】
第1ワイヤW1(第1連結部)および第1吊具211の形状に関して以上で説明したが、上記と同様の形状の変更を第2ワイヤW2(第2連結部、W2B,W2F)および第2吊具232F,232Bに適用することできる。さらに以上では、上下動機構の構成は、第1連結部を上下方向に動かす上下動が可能な構成としたが、第2連結部を上下方向に動かす上下動が可能な構成にしてもよい。上下動機構は、前記第1連結部および前記第2連結部のうちの少なくとも一方を上下方向に動かす上下動が可能な構成にすることができる。
【0057】
<2-1.実施形態2の底開き式コンテナ収集物搬出装置1100(
図6)>
上記の実施形態1では、フォークリフト300のフォーク310が上記の底開き式コンテナ収集物搬出装置100を持ち上げることができるように、底開き式コンテナ収集物搬出装置100は、フォーク係合部111を備えている。そして、フォーク310に係合できるように、
図1から
図3に示すように、フォーク係合部111の穴状係合部111R,111Lは、基体部110の前後に貫通する貫通孔状に形成されている。フォーク係合部111の形状は、これに限らず、フォークリフト300のフォーク310に対して係合可能であればよい。実施形態2の底開き式コンテナ収集物搬出装置1100は、
図6に示すように、フォーク係合部1111として、溝状フォーク係合部1111Rおよび溝状フォーク係合部1111Lを備えており、これらは、下面に開口備え、前後方向に延びる溝状に形成されている。そして、フォーク係合部1111(溝状フォーク係合部1111R,1111L)の溝に、下側からフォークリフト300のフォーク310をはめあわせることができる。
【0058】
この様にフォーク係合部1111を構成することで、フォーク係合部1111(溝状フォーク係合部1111R,1111L)の溝に、下側からフォークリフト300のフォーク310を嵌めるだけで、フォーク係合部1111(溝状フォーク係合部1111R,1111L)がフォーク310に係合し得る。このため、フォーク310とフォーク係合部1111(溝状フォーク係合部1111R,1111L)とをより一層容易に係合させ得る。
【0059】
<2-2.実施形態3の底開き式コンテナ収集物搬出装置2100(
図7)>
上記の実施形態1の底開き式コンテナ収集物搬出装置100は、第1ワイヤ巻取機120(上下動機構)が基体部110の上側に固定されているが、第1ワイヤ巻取機120(上下動機構)を固定する場所は、基体部110の上面に限らなくともよく、側面や下面に適宜変更できる。
図7には、実施形態3の底開き式コンテナ収集物搬出装置2100を示した。
図7に示すように、本実施形態では、第1ワイヤ巻取機120(上下動機構)を基体部110の下側に固定させている。また、雌螺子部111R1,雌螺子部111L1(不図示)、雄螺子部111R2,雄螺子部111L2(不図示)を、基体部110の前側に設けている(
図7参照)。さらに、実施形態1の第2ワイヤW2Bおよび第2ワイヤW2Fに替えて、基体部110の上面に前後に架け渡されたひとつの第2ワイヤW2を備えている。第2ワイヤW2はその両端にフック(図示省略)が取り付けられている。
【0060】
上述した様に、第2ワイヤ取付部113B、113Fは、共に環状に形成されているが、本実施形態では、これらの環の中に第2ワイヤW2が通されていることで、第2ワイヤW2が保持されている。この様に、実施形態1の2つの第2ワイヤW2F,W2Bの代わりに、本実施形態ではひとつの第2ワイヤW2を用いることで、第2ワイヤ取付部113Bから底開き式コンテナ200の第2吊具232Bにかけての第2ワイヤW2の長さと、第2ワイヤ取付部113Fから底開き式コンテナ200の第2吊具232Fにかけての第2ワイヤW2の長さとのバランスを、容易に調整し得る。
【0061】
本発明の底開き式コンテナ収集物搬出装置は、上記の実施形態にて説明した構造、構成、外観、形状等に限定されるものではなく、本発明の要旨を変更しない範囲で種々の変更、追加、削除が可能である。例えば、上述した実施形態1の説明に用いた底開き式コンテナ200は、第1吊具211が上壁210の上面に1つ設けられていた。これに限らず、例えば、
図8に示すように、第1吊具211が、底開き式コンテナ200の側壁230の左面と右面に2つ設けられていてもよい。その場合、
図8に示すように、第1ワイヤW1を2つに枝分かれさせ、枝分かれしたそれぞれの先端に第1フックW12を設けることができる。これにより、底開き式コンテナ200の2つ第1吊具211を、底開き式コンテナ200の第1ワイヤW1の2つの第1フックW12で吊って連結させることができる。
【0062】
従って、実施形態1の底開き式コンテナ収集物搬出装置100は、
図8に示す底開き式コンテナ200に対しても、前述した様に、連結状態かつ持ち上げ状態にし、フォークリフト300で底開き式コンテナ200を持ち上げて移動させることができ、そのうえでさらに底開き式コンテナ200の底壁220の搬出口222を開閉させ得る。従って、
図8に示す底開き式コンテナ200に対しても、底開き式コンテナ収集物搬出装置100は、クレーンを用いずに、底開き式コンテナ200を持ち上げて移動させるとともに、底開き式コンテナ200の底壁220の搬出口222を開閉させ得る。以上の例の様に、第1吊具211を複数備える底開き式コンテナ200に対して底開き式コンテナ収集物搬出装置100を使用する場合、底開き式コンテナ収集物搬出装置100の構成において、第1ワイヤW1を複数枝分かれした構成にすることができる。
【符号の説明】
【0063】
100 底開き式コンテナ収集物搬出装置
110 基体部
111 フォーク係合部
111R 穴状係合部
111R1 雌螺子部
111R2 雄螺子部
111L 穴状係合部
111L1 雌螺子部
111L2 雄螺子部
112 第1ワイヤ挿通穴
113 第2ワイヤ取付部
113F 第2ワイヤ取付部
113B 第2ワイヤ取付部
114 係止部取付部
120 第1ワイヤ巻取機(上下動機構)
121 ドラム部
122 モータ部
123 リモコン
130 係止部
131 輪
W1 第1ワイヤ(第1連結部)
W11 ワイヤ部(線状体)
W12 第1フック
W2 第2ワイヤ(第2連結部)
W2F 第2ワイヤ(第2連結部)
W2F1 ワイヤ部(線状体)
W2F2 第2フック
W2B 第2ワイヤ(第2連結部)
W2B1 ワイヤ部(線状体)
W2B2 第2フック
1100 底開き式コンテナ収集物搬出装置
1111 フォーク係合部
1111R 溝状フォーク係合部
1111L 溝状フォーク係合部
2100 底開き式コンテナ収集物搬出装置
200 底開き式コンテナ
210 上壁
211 第1吊具
212R 扉
213R 取手
214R 開口
212L 扉
213L 取手
214L 開口
220 底壁
221R 底壁右部
221L 底壁左部
222 搬出口
230 側壁
231F 前面部
231B 後面部
231B1 レール
232 第2吊具
232F 第2吊具
232F1 環状部
232B 第2吊具
232B1 環状部
240 開閉機構
241BR 後右連結棒
241BL 後左連結棒
241FR 前右連結棒
300 フォークリフト
310 フォーク
320 リフトブラケット