(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-02-10
(45)【発行日】2023-02-20
(54)【発明の名称】美容電気信号導入器、及び美容器
(51)【国際特許分類】
A61N 1/36 20060101AFI20230213BHJP
【FI】
A61N1/36
(21)【出願番号】P 2019215946
(22)【出願日】2019-11-29
【基礎とした実用新案登録】
【原出願日】2019-03-22
【審査請求日】2021-11-12
(73)【特許権者】
【識別番号】518312194
【氏名又は名称】WINBACK JAPAN株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100085316
【氏名又は名称】福島 三雄
(74)【代理人】
【識別番号】100171572
【氏名又は名称】塩田 哲也
(74)【代理人】
【識別番号】100213425
【氏名又は名称】福島 正憲
(72)【発明者】
【氏名】沖 大作
【審査官】永石 哲也
(56)【参考文献】
【文献】特表2018-505758(JP,A)
【文献】特開2010-110394(JP,A)
【文献】特開2000-217932(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2017/0319844(US,A1)
【文献】特表2004-535235(JP,A)
【文献】特開2017-131362(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61N 1/00- 1/44
A61N 5/00- 5/10
A61M 36/10-36/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
人体に
ジュール熱による温熱効果を与える特定周波数の
ラジオ波である美容電気信号を電源装置から受信可能な信号受信部と、
前記信号受信部に連接されて、施術者の腕に装着可能なベルトと、
前記信号受信部の一部を構成する面であると共に、前記ベルト
が施術者の腕に装着
された際に、肌に密着して施術者の体に前記美容電気信号
が導入可能と
された信号導入面と、を有し、
前記ベルトは、前記美容電気信号を導電可能な導電性材料によって構成されてなると共に、前記信号受信部が受信した前記美容電気信号の一部が伝導される状態に前記信号受信部と連接されて
、前記信号導入面が密着する肌とは異なる他の肌部分に面接触して前記美容電気信号の一部を導入可能とされた
ことを特徴とする美容電気信号導入器。
【請求項2】
前記ベルトの全部または一部が、金属によって構成されてなる
ことを特徴とする請求項1に記載の美容電気信号導入器。
【請求項3】
前記信号受信部は、接続コードを介して前記電源装置から送信される前記美容電気信号
を受信可能である
ことを特徴とする請求項1
または2に記載の美容電気信号導入器。
【請求項4】
請求項1~
3のいずれか1つに記載の美容電気信号導入器と、
前記美容電気信号導入器から導入された前記美容電気信号を人体から導出する対電極と、を有する
ことを特徴とする美容器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、人体の美容又は健康改善に効果のある電磁波を体内へ導入するために用いられる美容電気信号導入器、及び美容器に関する。
【背景技術】
【0002】
近年は、人々の健康への意識の高まりにより、様々な健康器具が開発されている。特に、ラジオ波を用いた健康器具によれば、分子振動によって生じさせるジュール熱を利用することによって、体内から体を温め、痩身効果等を発揮できるとされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、従来技術はラジオ波を体内へ導入するために、先端に電極板を備えるスティック状の器具を施術者が手に持って、患部近傍へ押当てるものであった。このような従来の器具は、ラジオ波による温熱効果がスティック状の器具に触れている肌近傍のごく浅い場所に発生するため、筋肉内などのより深部に存在する患部には温熱効果を付与することができなかった。
【0005】
さらに、施術者がスティック状の器具を手に持ってラジオ波を導入するため、ラジオ波を導入する以外の施術を同時に行うことはできなかった。また、施術者は主に整体師や美容師などであり、自己の手指の動きを用いた施術を、温熱効果を付与しながら長時間にわたり行うことでサービスの価値向上を実現したいとの希望もあった。
【課題を解決するための手段】
【0006】
そこで、上記課題を解決するための手段として本発明に係る美容電気信号導入器は、人体に温熱効果を与える特定周波数の美容電気信号を電源装置から受信可能な信号受信部と、前記信号受信部に連接されて、施術者の腕に装着可能なベルトと、前記信号受信部の一部を構成する面であると共に、前記ベルトを施術者の腕に装着した際に、肌に密着して施術者の体に前記美容電気信号を導入可能とする信号導入面と、を有し、前記ベルトは、前記美容電気信号を導電可能な導電性材料によって構成されてなると共に、前記信号受信部が受信した前記美容電気信号の一部が伝導される状態に前記信号受信部と連接されてなることを特徴とする。なお、前記ベルトは、その全部または一部が前記導電性材料によって構成されてなるものであってもよい。
【0007】
信号受信部は、電源装置からの美容電気信号の受信を有線によって行ってもよく、また、無線手段を用いて受信することとしてもよい。有線によって受信した場合には美容電気信号を確実に受信して施術者に導入することができる。無線手段を用いた場合には、有線のように線が体に絡まることがないため、施術者が適宜位置を変えながら施術をする際に邪魔になることがない。
【0008】
また前記ベルトの全部または一部が、金属によって構成されてなることが好ましい。
【0009】
さらに、前記美容電気信号がラジオ波であることが好ましい。なお、ラジオ波とは、周波数30~300MHz(波長100km~1m)の電磁波をいう。
【0010】
さらに、前記信号受信部は、接続コードを介して前記電源装置から送信される前記美容電気信号を受信可能であることが好ましい。
【0011】
また本発明に係る美容器は、美容電気信号導入器と、前記美容電気信号導入器から導入された前記美容電気信号を人体から導出する対電極と、を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
施術者は、本発明を腕に装着した状態で被施術者の体に触れて、施術者の手から前記美容電気信号を被施術者の体内に導入することによって、温熱効果等による肌の引き締め等の美容効果を発揮させることができる。
【0013】
さらに、ベルトが前記美容電気信号を導電可能な導電性材料によって構成されてなることにより、ベルトと肌とが接触している部分からも美容電気信号を導入することができる。これにより、施術者に導入される美容電気信号を、信号導入面に接触している肌部分に集中させずに分散させることができる。そのため、本体底板のみから導入される美容電気信号により施術者の腕に過度の発熱が発生することを防止できる。そして、施術者が長時間にわたり継続的な施術を行う場合であっても、施術者の腕に低温火傷などの障害の発生を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】美容電気信号導入器1の全体を表す斜視図である。
【
図4】美容電気信号導入器1を腕Wに装着した状態を示す図である。美容電気信号導入器1と電源装置E、及び電源装置Eと対電極12との電気的接続は二点鎖線に示す。
【
図5】対電極12の一例を示す斜視図である。対電極12と電源装置Eとの電気的接続は二点鎖線に示す。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明に係る実施の形態を、図を参照しながら詳しく説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
【0016】
図1は本発明に係る美容電気信号導入器1の全体の概略を示す斜視図である。美容電気信号導入器1は、腕時計のケース程度の大きさに形成されてなるケース状本体2と、ケース状本体の一端及び他端と連接されてなるベルト3とを有する。
【0017】
ケース状本体2は、下半部が金属製の中空箱体に形成されてなる信号受信部4であり、電源装置Eから送信された美容電気信号Sを受信する。ケース状本体2の上半部は、装飾部5である。装飾部5は、側面に電源装置Eと接続されてなる接続コード6を導入する小孔7を有し、接続コード6と信号受信部4との接続部を被覆して外観上の美感を向上させる。ただし、ケース状本体2は、信号受信部4のみからなることとしてもよい。接続コード6は、
図3に示すように、信号受信部4の内部へ引き込まれ、内面にネジ止めされて美容電気信号Sを信号受信部4へ導電させる。
【0018】
信号受信部4は、
図2に示すように、美容電気信号導入器1を施術者の腕Wに装着した際に底面が腕Wの肌表面と密着することにより、信号導入面10として構成されてなる金属製の本体底板8を有する。本体底板8は、一端が信号受信部4の側壁下端部に設けられた金属製の軸9と枢着されてなる。本体底板8の他端を下方に軸回転して開けば信号受信部4の内部を開放することができる。
【0019】
また、本実施の形態においては、
図2及び
図3に示すように、信号受信部4の他方の側壁から外方に金属製の連接軸11が、前記他方の側壁の外面と隙間をあけて突設されてなる。ベルト3は、一方のエンドピースが軸9と接続されると共に、他方のエンドピースが連接軸11と接続されることにより、信号受信部4が受信した美容電気信号Sの一部が伝導する状態で信号受信部4と連接されてなる。
【0020】
美容電気信号導入器1を使用するのは、主に整体師や美容師等の施術者である。施術者は、
図4に示すように、ベルト3を腕Wに巻いて美容電気信号導入器1を装着する。一方、被施術者の体には、
図5に示すような薄い平板状に形成されてなる対電極12を被施術者の肌に接触させて設置しておく。対電極12の設置は、例えば施術用のベッドに仰向きに寝た状態の被施術者の背中と前記ベッドとの間に対電極12を挿し入れて、被施術者の背中に接触面12aを接触させることで行うことができる。対電極12を設置することにより、美容電気信号導入器1から施術者を介して被施術者に導入された美容電気信号Sを、被施術者の体から導出して電源装置Eへ戻すことができ、美容器13(
図4参照)を構成することができる。
【0021】
施術者は、腕Wに美容電気信号導入器1を装着し、電源装置Eの電源をONにして美容電気信号Sを出力可能な状態とした後、対電極12が設置された被施術者の体に触れて施術を行う。施術者が被施術者の体に触れると、美容電気信号Sが信号導入面10から施術者の腕Wに導入され、さらに、施術者の手から被施術者の体に美容電気信号Sを導入することができる。被施術者の体に導入された美容電気信号Sは、対電極12から電源装置Eに戻る間に、被施術者の体内で温熱効果等を発揮することができる。ここで、美容電気信号Sは、ラジオ波であることが好ましい。ラジオ波を用いることで、ジュール熱を被施術者の体内に発生させて体を温める温熱効果を発揮させることができるからである。
【0022】
また、対電極12を設置することにより、温熱効果を施術者が被施術者の体に触れている部分から離れた体の深部において発生させることができるため、筋肉の内部など、患部に直接温熱効果を付与することができる。さらに、本発明に係る美容電気信号導入器1は施術者の腕Wに巻いて装着するため、美容電気信号Sを導入する際に施術者は手を自由に使って施術を行うことができる。そのため、被施術者は美容電気信号Sによる温熱効果を受けながら、さらに施術者による整体などの施術を同時に受けることができ、温熱効果との相乗的な美容効果を期待することができる。
【0023】
ここで、美容電気信号導入器1は、信号導入面10からだけでなく、金属製のベルト3からも施術者に美容電気信号Sを導入することができる。ベルト3が導電性の材料によって構成されて信号受信部4が受信した美容電気信号Sの一部がベルト3に伝導することにより、ベルト3からも施術者に美容電気信号Sを導入することができる。そのため、施術者に導入される美容電気信号Sを信号導入面10に接触している肌部分に集中させることなく、ベルト3が接触している他の肌部分に分散させることができる。これにより、本体底板8のみから美容電気信号Sが導入される場合に施術者の腕Wに対する過度な発熱の発生を防止できる。そして、施術者が長時間にわたり継続的な施術を行う場合であっても、施術者の腕Wに低温火傷などの障害の発生を防止することができる。
【符号の説明】
【0024】
1 美容電気信号導入器
2 ケース状本体
3 ベルト
4 信号受信部
6 接続コード
8 本体底板
10 信号導入面