IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 名金産業株式会社の特許一覧

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-02-10
(45)【発行日】2023-02-20
(54)【発明の名称】ケースを生産する方法および最終ワーク
(51)【国際特許分類】
   B21C 23/20 20060101AFI20230213BHJP
   B21J 5/06 20060101ALI20230213BHJP
   B21K 21/12 20060101ALI20230213BHJP
【FI】
B21C23/20
B21J5/06 C
B21K21/12
【請求項の数】 15
(21)【出願番号】P 2020119059
(22)【出願日】2020-07-10
(65)【公開番号】P2022015900
(43)【公開日】2022-01-21
【審査請求日】2021-10-06
(73)【特許権者】
【識別番号】592200028
【氏名又は名称】名金産業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000394
【氏名又は名称】弁理士法人岡田国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】冨田 晃一
(72)【発明者】
【氏名】▲つじ▼ 栄二
【審査官】池田 安希子
(56)【参考文献】
【文献】特開2002-178090(JP,A)
【文献】特開2008-111469(JP,A)
【文献】特開昭55-156632(JP,A)
【文献】特開平09-099338(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B21C 23/00-35/06
B21J 5/06
B21K 21/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
内側面と外側面とを有する筒をなす部分と、当該筒における片側の端をふさぐ底となる部分と、を備え、前記外側面から前記内側面までの肉厚が比較的薄い肉薄部分と、当該肉薄部分と比して前記外側面から前記内側面までの肉厚が厚い肉厚部分とが前記筒の周方向に沿って並んで設定されたケースを生産する、ケースを生産する方法であって、
前記ケースに成形される材料となる最終ワークを、
前記ケースに成形される際に前記肉厚部分となる第1の部分と、
前記ケースに成形される際に前記肉薄部分となる第2の部分と、
を有し、かつ、
前記最終ワークが前記ケースに成形される際に前記筒が延びる方向となる軸方向で見た前記第1の部分の高さが、前記軸方向で見た前記第2の部分の高さよりも低くなる状態で用意し、
前記外側面に対応する形状に形成されて所定の一方向に延びる穴があけられたダイにおける前記穴の中に、前記最終ワークを、当該最終ワークにおける前記軸方向が前記一方向と一致する姿勢にセットして、
前記内側面に対応する形状の突起をなす押圧部が備えられた第1のパンチにより前記最終ワークを前記一方向から押圧し、もって前記最終ワークを後方押し出し成形により成形して前記ケースとする、
ケースを生産する方法。
【請求項2】
請求項1に記載されたケースを生産する方法であって、
前記押圧部と、当該押圧部がなす突起の根元部分にこの突起の径方向外方に張り出した状態に設けられた段差部と、が備えられたパンチ部材を、前記第1のパンチとして使用し、
前記第1のパンチにより前記最終ワークを前記一方向から押圧する際に、この押圧により成形される前記最終ワークにおける前記軸方向側の端に前記段差部をあて、もってこの端を整形する、
ケースを生産する方法。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載されたケースを生産する方法であって、
前記最終ワークを、
円盤をなす本体部と、
前記最終ワークが前記ダイの前記穴の中にセットされたときに当該穴の底側となる端に、中実の台をなして形成された台状部と、
を有し、
2つの前記第2の部分が、前記本体部がなす円盤の側部に、この円盤をその径方向から挟み込むように設けられ、
2つの前記第1の部分が、前記本体部がなす円盤の側部において、2つの前記第2の部分に挟まれる部分に設けられ、かつ、
1つの滑らかな曲面が、2つの前記第1の部分において前記台状部とは反対側となる端面と、2つの前記第2の部分において前記台状部とは反対側となる端面とをまたいで設定された状態に用意する、
ケースを生産する方法。
【請求項4】
請求項3に記載されたケースを生産する方法であって、
前記最終ワークを、
2つの前記第1の部分において前記台状部とは反対側となる端面と、2つの前記第2の部分において前記台状部とは反対側となる端面とが、その全体で前記曲面を構成する状態に用意する、
ケースを生産する方法。
【請求項5】
請求項3に記載されたケースを生産する方法であって、
前記最終ワークを、
前記本体部において前記台状部とは反対側となる部分に、前記第1のパンチの前記押圧部に対してすきまばめのはめあいとすることが可能なサイズおよび形状を呈する予備穴を有する状態に用意し、
前記第1のパンチにより前記最終ワークを前記一方向から押圧する際に、前記第1のパンチの前記押圧部を前記予備穴に入れる、
ケースを生産する方法。
【請求項6】
請求項1ないし請求項5のうちのいずれか1項に記載されたケースを生産する方法であって、
前記最終ワークを、
円盤をなす本体部を有し、かつ、
2つの前記第2の部分が、前記本体部がなす円盤の側部に、この円盤をその径方向から挟み込むように設けられた状態で用意し、
前記穴が円筒形状を呈する穴あき部材を、前記ダイとして使用し、
前記押圧部がなす突起が、前記円筒形状の内径よりも小となる長径を有した二方取り形状を呈するパンチ部材を、前記第1のパンチとして使用し、
前記第1のパンチにより前記最終ワークを前記一方向から押圧する際に、前記第1のパンチの前記二方取り形状における長手方向が、2つの前記第2の部分が前記本体部を挟み込む方向と一致するようにする、
ケースを生産する方法。
【請求項7】
請求項1ないし請求項5のうちのいずれか1項に記載されたケースを生産する方法であって、
前記最終ワークを、
円盤をなす本体部を有し、かつ、
2つの前記第2の部分が、前記本体部がなす円盤の側部に、この円盤をその径方向から挟み込むように設けられた状態で用意し、
前記穴が円筒形状を呈する穴あき部材を、前記ダイとして使用し、
前記押圧部がなす突起が、前記円筒形状の内径よりも長径が小さい長円形の底面を有した直柱体形状を呈するパンチ部材を、前記第1のパンチとして使用し、
前記第1のパンチにより前記最終ワークを前記一方向から押圧する際に、前記第1のパンチの前記長円形における長手方向が、2つの前記第2の部分が前記本体部を挟み込む方向と一致するようにする、
ケースを生産する方法。
【請求項8】
請求項1ないし請求項7のうちのいずれか1項に記載されたケースを生産する方法であって、
前記最終ワークに成形される材料となる中間ワークを、前記第1の部分および前記第2の部分に対応する形状の押圧面が備えられた第2のパンチにより押圧し、もって前記中間ワークを後方押し出し成形により成形して前記最終ワークとする、
ケースを生産する方法。
【請求項9】
請求項8に記載されたケースを生産する方法であって、
前記中間ワークに成形される材料となるビレットを線材の切断によって生産し、
前記ビレットにおける前記切断の切り口におけるエッジを面押しによってまるめたものを、前記中間ワークとして生産し、
前記中間ワークの前記切り口を前記第2のパンチにより押圧して、前記中間ワークを前記最終ワークに成形する、
ケースを生産する方法。
【請求項10】
請求項9に記載されたケースを生産する方法であって、
アルミニウムまたはアルミニウム合金からなる金属線材を前記線材として用意し、かつ、
前記ビレットにおける前記切り口の前記エッジを前記面押しによってまるめたものを、前記中間ワークとして生産するステップと、
前記中間ワークの前記切り口を前記第2のパンチにより押圧して、前記中間ワークを前記最終ワークに成形するステップと、
前記第1のパンチにより前記最終ワークを押圧し、当該最終ワークを成形して前記ケースとするステップと、
を、冷間鍛造の手法によって実行する、
ケースを生産する方法。
【請求項11】
請求項9または請求項10に記載されたケースを生産する方法であって、
前記線材の前記切断により前記ビレットを生産するステップと、
前記ビレットにおける前記切り口の前記エッジを前記面押しによってまるめたものを、前記中間ワークとして生産するステップと、
前記中間ワークの前記切り口を前記第2のパンチにより押圧して、前記中間ワークを前記最終ワークに成形するステップと、
前記第1のパンチにより前記最終ワークを押圧し、当該最終ワークを成形して前記ケースとするステップと、
を、1つのパーツフォーマーにより実行される一連のステップに含ませる、
ケースを生産する方法。
【請求項12】
内側面と外側面とを有する筒をなす部分と、当該筒における片側の端をふさぐ底となる部分と、を備え、前記外側面から前記内側面までの肉厚が比較的薄い肉薄部分と、当該肉薄部分と比して前記外側面から前記内側面までの肉厚が厚い肉厚部分とが前記筒の周方向に沿って並んで設定されたケースに成形される材料となる最終ワークであって、
円盤をなす本体部と、
前記ケースに成形される際に前記肉薄部分となる部分であって、前記本体部がなす円盤の側部に、この円盤をその径方向から挟み込むように設けられた2つの第2の部分と、
前記ケースに成形される際に前記肉厚部分となる部分であって、前記本体部がなす円盤の側部において、2つの前記第2の部分に挟まれる部分に設けられた2つの第1の部分と、
前記本体部の円盤における片側の面に、中実の台をなして形成された台状部と、
を備え、
前記本体部の円盤における軸方向で見た前記第1の部分の高さが、前記軸方向で見た前記第2の部分の高さよりも低い、
最終ワーク。
【請求項13】
請求項12に記載された最終ワークであって、
1つの滑らかな曲面が、2つの前記第1の部分において前記台状部とは反対側となる端面の縁部と、2つの前記第2の部分において前記台状部とは反対側となる端面の縁部とをまたいで設定されている、
最終ワーク。
【請求項14】
請求項13に記載された最終ワークであって、
2つの前記第1の部分において前記台状部とは反対側となる端面と、2つの前記第2の部分において前記台状部とは反対側となる端面とが、その全体で前記曲面を構成している、
最終ワーク。
【請求項15】
請求項13に記載された最終ワークであって、
前記最終ワークは、当該最終ワークを、前記内側面に対応する形状の突起をなす押圧部により押圧することで、後方押し出し成形により成形して前記ケースとすることが可能なものであり、
さらに、
前記押圧部に対してすきまばめのはめあいとすることが可能なサイズおよび形状を呈する穴である予備穴を、前記本体部において前記台状部とは反対側となる部分に有する、
最終ワーク。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、外側面から内側面までの肉厚が比較的薄い肉薄部分と、外側面から内側面までの肉厚が比較的厚い肉厚部分とが周方向に沿って並んで設定された筒をなす部分を備えたケースを生産する方法、および、このケースに成形される材料となる最終ワークに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、外側面から内側面までの肉厚が比較的薄い肉薄部分と、外側面から内側面までの肉厚が比較的厚い肉厚部分とが周方向に沿って並んで設定された筒をなす物品を、ワークを後方押し出し成形により成形することで生産することがあった(例えば下記の特許文献1を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】実公昭41-016203号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、上記特許文献1に記載された従来技術では、生産された物品において、ワークを構成する物質が後方押し出し成形によって延びることで形成された端の面が平らにならず、この面を平らにするためには適宜切削加工を必要とするという課題があった。
【0005】
本発明は、後方押し出し成形によってケースを生産する際に、その端の面をより平らにすることを可能とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明における1つの特徴によると、内側面と外側面とを有する筒をなす部分と、この筒における片側の端をふさぐ底となる部分と、を備え、この筒の周方向に沿って肉薄部分と肉厚部分とが並んで設定されたケースを生産する、ケースを生産する方法が提供される。ここで、肉薄部分は外側面から内側面までの肉厚が比較的薄い部分であり、肉厚部分は肉薄部分と比して外側面から内側面までの肉厚が厚い部分である。このケースを生産する方法では、ケースに成形される材料となる最終ワークを、ケースに成形される際に肉厚部分となる第1の部分と、ケースに成形される際に肉薄部分となる第2の部分と、を有する状態に用意する。ここで、最終ワークがケースに成形される際に上記筒が延びる方向となる軸方向で見た第1の部分の高さは、この軸方向で見た第2の部分の高さよりも低い。また、ケースを生産する方法では、外側面に対応する形状に形成されて所定の一方向に延びる穴があけられたダイにおける穴の中に、最終ワークを、この最終ワークにおける軸方向が上記一方向と一致する姿勢にセットする。また、ケースを生産する方法では、内側面に対応する形状の突起をなす押圧部が備えられた第1のパンチにより最終ワークを上記一方向から押圧し、もって最終ワークを後方押し出し成形により成形してケースとする。
【0007】
本発明者は、後方押し出し成形において最終ワークを構成する物質が延びる延びの量が、この物質が流動されるすきまの幅が狭いほど少なくなることに着目して、本発明に至ったものである。すなわち、上記のケースを後方押し出し成形により成形する際には、ダイの穴の壁と第1のパンチとの間のすきまは、最終ワークの第1の部分において比較的広く、第2の部分においては比較的狭く設定されるため、後方押し出し成形における延びの量は、肉厚部分のほうが肉薄部分よりも多くなる。これに対し、上記のケースを生産する方法では、肉厚部分となる第1の部分の高さを肉薄部分となる第2の部分の高さよりも低くして上記延びの量の違いによる影響を相殺し、もってこの延びにより成形される端の面をより平らにすることができる。
【0008】
上記のケースを生産する方法においては、押圧部と、この押圧部がなす突起の根元部分にこの突起の径方向外方に張り出した状態に設けられた段差部と、が備えられたパンチ部材を、第1のパンチとして使用するものが好ましい。この場合においては、第1のパンチにより最終ワークを上記一方向から押圧する際に、この押圧により成形される最終ワークにおける軸方向側の端に段差部をあて、もってこの端を整形する。
【0009】
上記のケースを生産する方法によれば、生産されるケースにおいて後方押し出し成形による延びによって成形される端の面を、第1のパンチの段差部によって整形し、もってこの端の面をより平らにすることができる。
【0010】
上記のケースを生産する方法においては、最終ワークを、下記の状態に用意するものが好ましい。すなわち、最終ワークは、円盤をなす本体部と、最終ワークがダイの穴の中にセットされたときにこの穴の底側となる端に、中実の台をなして形成された台状部と、を有する。また、最終ワークにおいて、2つの第2の部分が、本体部がなす円盤の側部に、この円盤をその径方向から挟み込むように設けられる。また、最終ワークにおいて、2つの第1の部分が、本体部がなす円盤の側部において、2つの第2の部分に挟まれる部分に設けられる。また、最終ワークにおいては、1つの滑らかな曲面が、2つの第1の部分において台状部とは反対側となる端面の縁部と、2つの第2の部分において台状部とは反対側となる端面の縁部とをまたいで設定される。
【0011】
上記のケースを生産する方法によれば、生産されるケースにおいて後方押し出し成形による延びによって成形される端の面を滑らかな面とし、もってこの端の面を平らにしやすくすることができる。
【0012】
上記の場合においては、最終ワークを、2つの第1の部分において台状部とは反対側となる端面と、2つの第2の部分において台状部とは反対側となる端面とが、その全体で上記曲面を構成する状態に用意するものが好ましい。
【0013】
上記のケースを生産する方法によれば、生産されるケースにおいて後方押し出し成形による延びによって成形される端の面を滑らかな面とし、もってこの端の面を平らにしやすくすることができる。
【0014】
上記のケースを生産する方法においては、最終ワークを、本体部において台状部とは反対側となる部分に、第1のパンチの押圧部に対してすきまばめのはめあいとすることが可能なサイズおよび形状を呈する穴である予備穴を有する状態に用意するものが好ましい。この場合においては、第1のパンチにより最終ワークを上記一方向から押圧する際に、第1のパンチの押圧部を予備穴に入れる。
【0015】
上記のケースを生産する方法によれば、後方押し出し成形によってケースを生産する際に、最終ワークのがたつきをその予備穴と第1のパンチの押圧部とのはめあいによって抑え、もって生産されるケースの形状精度を向上させることができる。また、上記はめあいをすきまばめとするため、第1のパンチの押圧部を予備穴にスムーズに入れることができる。
【0016】
上記のケースを生産する方法においては、穴が円筒形状を呈する穴あき部材を、ダイとして使用し、押圧部がなす突起が、上記円筒形状の内径よりも小となる長径を有した二方取り形状を呈するパンチ部材を、第1のパンチとして使用するものが好ましい。この場合においては、最終ワークを、円盤をなす本体部を有し、かつ、2つの第2の部分が、本体部がなす円盤の側部に、この円盤をその径方向から挟み込むように設けられた状態で用意する。また、第1のパンチにより最終ワークを上記一方向から押圧する際に、第1のパンチの二方取り形状における長手方向が、2つの第2の部分が本体部を挟み込む方向と一致するようにする。
【0017】
ここで、「二方取り形状」とは、ベースとなる円柱からその径方向で見た両端を切り取って、これら両端を互いに平行な平面とした形状のことをいう。また、二方取り形状において、「長手方向」とは、その両端の平面に平行で、かつ、ベースとなる円柱における軸方向に対して垂直な方向のことをいう。また、二方取り形状において、「長径」とは、長手方向の長さのことをいう。ここで、二方取り形状をなす突起には、その長手方向の端をなす2つの側面が1つの仮想的な円筒面上に位置されるため、円筒形状を呈する穴もしくはシャフトに対する心出しを容易に行うことができるという特徴がある。すなわち、上記のケースを生産する方法によれば、押圧部の突起を二方取り形状という比較的単純な形にしながら、肉薄部分と肉厚部分とを有するケースの成形を実現させ、さらに第1のパンチの心出しを容易にすることができる。
【0018】
上記のケースを生産する方法においては、穴が円筒形状を呈する穴あき部材を、ダイとして使用し、押圧部がなす突起が、上記円筒形状の内径よりも長径が小さい長円形の底面を有した直柱体形状を呈するパンチ部材を、第1のパンチとして使用するものが好ましい。この場合においては、最終ワークを、円盤をなす本体部を有し、かつ、2つの第2の部分が、本体部がなす円盤の側部に、この円盤をその径方向から挟み込むように設けられた状態で用意する。また、第1のパンチにより最終ワークを上記一方向から押圧する際に、第1のパンチの上記長円形における長手方向が、2つの第2の部分が本体部を挟み込む方向と一致するようにする。
【0019】
ここで、「長円形」とは、2本の同じ長さの平行線分と、これら平行線分間の距離に等しい直径を有する2つの半円とで囲まれる形状のことをいう。また、長円形において、「長手方向」とは、その平行線分が延びる方向のことをいう。また、長円形において、「長径」とは、長手方向でみた最大長のことをいう。すなわち、上記のケースを生産する方法によれば、押圧部の突起を長円形の底面を有した直柱体形状という比較的単純な形にしながら、肉薄部分と肉厚部分とを有するケースの成形を実現させることができる。
【0020】
上記のケースを生産する方法においては、最終ワークに成形される材料となる中間ワークを、第1の部分および第2の部分に対応する形状の押圧面が備えられた第2のパンチにより押圧し、もって中間ワークを後方押し出し成形により成形して最終ワークとするものが好ましい。
【0021】
押圧面により対象物を後方押し出し成形する場合、この押圧面に対応する形状が対象物に転写される。すなわち、上記のケースを生産する方法によれば、最終ワークにおける第1の部分および第2の部分を、第2のパンチの押圧面に対応する形状の転写により成形し、もって最終ワークを用意する作業を簡単にすることができる。
【0022】
上記のケースを生産する方法においては、中間ワークに成形される材料となるビレットを線材の切断によって生産するものが好ましい。この場合においては、ビレットにおける切断の切り口におけるエッジを面押しによってまるめたものを、中間ワークとして生産する。そして、中間ワークの切り口を第2のパンチにより押圧して、中間ワークを最終ワークに成形する。
【0023】
上記のケースを生産する方法によれば、中間ワークの切り口におけるエッジを第2のパンチによる押圧の前にまるめることで、この押圧によりエッジがのされてバリを形成するおそれを減らすことができる。
【0024】
上記のケースを生産する方法においては、アルミニウムまたはアルミニウム合金からなる金属線材を線材として用意するものが好ましい。この場合においては、下記の各ステップを、冷間鍛造の手法によって実行する。ここで、上記各ステップには、ビレットにおける切り口のエッジを面押しによってまるめたものを、中間ワークとして生産するステップが含まれる。また、上記各ステップには、中間ワークの切り口を第2のパンチにより押圧して、中間ワークを最終ワークに成形するステップが含まれる。また、上記各ステップには、第1のパンチにより最終ワークを押圧し、この最終ワークを成形してケースとするステップが含まれる。
【0025】
上記のケースを生産する方法によれば、ケースは、アルミニウムまたはアルミニウム合金を冷間鍛造によって成形した製品として生産される。これにより、生産されるケースに、冷間鍛造品が有するメリット(例えば熱影響による寸法のばらつきが少ない、等)を持たせることができる。
【0026】
上記のケースを生産する方法においては、下記の各ステップを、1つのパーツフォーマーにより実行される一連のステップに含ませるものが好ましい。ここで、上記一連のステップには、線材の切断によりビレットを生産するステップが含まれる。また、上記一連のステップには、ビレットにおける切り口のエッジを面押しによってまるめたものを、中間ワークとして生産するステップが含まれる。また、上記一連のステップには、中間ワークの切り口を第2のパンチにより押圧して、中間ワークを最終ワークに成形するステップが含まれる。また、上記一連のステップには、第1のパンチにより最終ワークを押圧し、この最終ワークを成形してケースとするステップが含まれる。
【0027】
ここで、「パーツフォーマー」とは、セットされた線材を切断してビレットとし、このビレットに複数回の押圧加工を施すことを、一連のステップとして実行する加工装置のことをいう。すなわち、上記のケースを生産する方法によれば、線材をパーツフォーマーにセットしてこのパーツフォーマーを稼働させるという簡単な作業によって、ケースを生産することができる。
【0028】
また、ケースに成形される材料となる最終ワークの発明も提供される。ここで、ケースは、内側面と外側面とを有する筒をなす部分と、この筒における片側の端をふさぐ底となる部分と、を備え、この筒の周方向に沿って肉薄部分と肉厚部分とが並んで設定されたものである。また、肉薄部分は外側面から内側面までの肉厚が比較的薄い部分であり、肉厚部分は肉薄部分と比して外側面から内側面までの肉厚が厚い部分である。この最終ワークは、円盤をなす本体部を備える。また、最終ワークは、本体部がなす円盤の側部に、この円盤をその径方向から挟み込むように設けられた2つの第2の部分を備える。また、最終ワークは、本体部がなす円盤の側部において、2つの第2の部分に挟まれる部分に設けられた2つの第1の部分を備える。また、最終ワークは、本体部の円盤における片側の面に、中実の台をなして形成された台状部を備える。ここで、本体部の円盤における軸方向で見た第1の部分の高さは、上記軸方向で見た第2の部分の高さよりも低い。
【0029】
上記の最終ワークによれば、肉厚部分となる第1の部分の高さを肉薄部分となる第2の部分の高さよりも低くしてこれらの延びの量の違いによる影響を相殺し、もって成形されるケースの端の面をより平らにすることができる。
【0030】
上記の最終ワークにおいては、1つの滑らかな曲面が、2つの第1の部分において台状部とは反対側となる端面の縁部と、2つの第2の部分において台状部とは反対側となる端面の縁部とをまたいで設定されているものが好ましい。
【0031】
上記の最終ワークによれば、生産されるケースにおいて後方押し出し成形による延びによって成形される端の面を滑らかな面とし、もってこの端の面を平らにしやすくすることができる。
【0032】
上記の最終ワークにおいては、2つの第1の部分において台状部とは反対側となる端面と、2つの第2の部分において台状部とは反対側となる端面とが、その全体で上記曲面を構成しているものが好ましい。
【0033】
上記の最終ワークによれば、生産されるケースにおいて後方押し出し成形による延びによって成形される端の面を滑らかな面とし、もってこの端の面を平らにしやすくすることができる。
【0034】
上記の最終ワークにおいては、この最終ワークを、上記内側面に対応する形状の突起をなす押圧部により押圧することで、後方押し出し成形により成形して上記ケースとすることが可能なものが好ましい。この最終ワークは、さらに、上記押圧部に対してすきまばめのはめあいとすることが可能なサイズおよび形状を呈する穴である予備穴を、本体部において台状部とは反対側となる部分に有する。
【0035】
上記の最終ワークによれば、後方押し出し成形によってケースを生産する際に、最終ワークのがたつきをその予備穴と押圧部とのはめあいによって抑え、もって生産されるケースの形状精度を向上させることができる。また、上記はめあいをすきまばめとするため、押圧部を予備穴にスムーズに入れることができる。
【発明の効果】
【0036】
本発明のケースを生産する方法および最終ワークによれば、後方押し出し成形によってケースを生産する際に、その端の面をより平らにすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0037】
図1】本発明の第1の実施形態にかかるケース10を表した正面図である。
図2図1のケース10を表した背面図である。
図3図1のケース10を表した右側面図である。
図4図1のケース10を表した底面図である。
図5図1のケース10を表した斜視図である。
図6図1のケース10を生産する方法を説明するための説明図である。
図7図1のケース10を生産する方法を説明するための説明図である。
図8図1のケース10を生産する方法を説明するための説明図である。
図9図1のケース10を生産する方法を説明するための説明図である。
図10図1のケース10を生産する方法を説明するための説明図である。
図11図10の最終ワーク11を表した正面図である。
図12図10の最終ワーク11を表した背面図である。
図13図10の最終ワーク11を表した右側面図である。
図14図13のXIV部拡大図である。
図15図10の最終ワーク11を表した底面図である。
図16図10の最終ワーク11を表した斜視図である。
図17図12のXVII―XVII線断面矢視図である。
図18図1のケース10を生産する方法を説明するための説明図である。
図19図18のパンチ21を表した斜視図である。
図20図18のパンチ21を表した正面図である。
図21】本発明の第2の実施形態にかかるケースを生産する方法を説明するための説明図である。
図22図21の最終ワーク31を用意する方法を説明するための説明図である。
図23図21の最終ワーク31を表した正面図である。
図24図21の最終ワーク31を表した背面図である。
図25図21の最終ワーク31を表した右側面図である。
図26図25のXXVI部拡大図である。
図27図21の最終ワーク11を表した底面図である。
図28図24のXXVIII―XXVIII線断面矢視図である。
【発明を実施するための形態】
【0038】
以下に、本発明を実施するための形態について、図面を用いて説明する。
【0039】
〈第1の実施形態〉
始めに、第1の実施形態にかかるケースを生産する方法により生産されるケース10について説明する。このケース10は、所定の内容物(図示せず)を収容した状態で使用されるケースである。
【0040】
ケース10は、アルミニウムまたはアルミニウム合金の冷間鍛造品であり、図1ないし図5に示すように、円筒形状の外側面10Dと二方取り形状の内側面10Cとを有する筒をなす部分を備える。これにより、ケース10は、外側面10Dから内側面10Cまでの肉厚が比較的薄い肉薄部分10Aと、この肉薄部分10Aと比して外側面10Dから内側面10Cまでの肉厚が厚い肉厚部分10Bとが設定された形状(すなわち偏肉の形状)とされる。ここで、ケース10において、肉薄部分10Aと肉厚部分10Bとは、2つずつがケース10の筒の周方向(図5参照)に沿って並んだ状態に設定される。また、ケース10は、その筒をなす部分における片側の端(図3では左側となる端)をふさぐ、底となる部分を備えている。
【0041】
なお、ケース10において、その上面は底面(図4参照)と対称にあらわれる。また、ケース10において、その左側面は右側面(図3参照)と対称にあらわれる。
【0042】
ケース10は、図18に示すように、ケース10に成形される材料となる最終ワーク11を、1回の後方押し出し成形により成形することで得られる。この最終ワーク11は、図11ないし図17に示すように、円盤をなす本体部11A(図12参照)と、この本体部11Aの円盤における片側(図15では下側)の面に、中実(図17参照)の台をなして形成された台状部11Dとを、一体化された状態に有する。この台状部11Dは、その底面が本体部11Aの円盤における片側の面全体を覆い、その軸が本体部11Aの円盤の軸(図示省略)と一致される直円すい台をなす。また、台状部11Dは、円盤をなす本体部11Aにおける、片側(図15では下側)の端の縁部を面取りしたものであるということもできる。
【0043】
ここで、上記後方押し出し成形において、最終ワーク11は、その本体部11Aの円盤における軸方向(図18では上下方向)に延びることで、この方向に延びた筒をなすケース10に成形される。また、最終ワーク11は、ケース10に成形される際に肉厚部分10Bとなる第1の部分11Bと、ケース10に成形される際に肉薄部分10Aとなる第2の部分11Cとを、2つずつ有する。
【0044】
この2つの第2の部分11Cは、本体部11Aがなす円盤の側部に、この円盤をその径方向から挟み込むように設けられている。言いかえると、2つの第2の部分11Cは、本体部11Aがなす円盤における、径方向のうちの1つ(図12では上下方向)で見た両端となる位置に設けられている。また、2つの第1の部分11Bは、本体部11Aがなす円盤の側部において、2つの第2の部分11Cに挟まれる部分に設けられている。なお、以下においては、2つの第2の部分11Cが本体部11Aの円盤を挟み込む方向を最終ワーク11の上下方向とし、本体部11Aの円盤における軸方向を最終ワーク11の前後方向として説明を行う。
【0045】
ここで、2つの第2の部分11Cにおいては、図13に示すように、台状部11Dの底面を基準とした、本体部11Aの円盤における軸方向で見た高さ11Fが同じとなるように設定されている。また、2つの第1の部分11Bにおいては、図15に示すように、台状部11Dの底面を基準とした、本体部11Aの円盤における軸方向で見た高さ11Eが同じとなるように設定されている。この第1の部分11Bの高さ11Eは、図13に示すように、第2の部分11Cの高さ11Fよりも低くなるように設定されている。
【0046】
なお、最終ワーク11において、その上面は底面(図15参照)と対称にあらわれる。また、ケース10において、その左側面は右側面(図13参照)と対称にあらわれる。すなわち、2つの第2の部分11Cおよび2つの第1の部分11Bは、本体部11Aの円盤における軸(図示省略)を通って最終ワーク11の上下方向および前後方向に広がる平面を対称面11H(図12参照)として、面対称となるように配置されている。ここから、2つの第1の部分11Bは、最終ワーク11の左右方向に並んだ状態に配置されているということができる。
【0047】
また、2つの第1の部分11Bおよび2つの第2の部分11Cにおいて、台状部11Dとは反対側(図17では上側)となる端面11G、11Jは、それぞれが滑らかな面をなす。これらの端面11G、11Jは、互いにつながって1つの滑らかな曲面11Kを構成している。言いかえると、2つの第1の部分11Bにおいて台状部11Dとは反対側となる端面11Gと、2つの第2の部分11Cにおいて台状部11Dとは反対側となる端面11Jとは、1つの滑らかな曲面11Kを構成している。この曲面11Kは、2つの第1の部分11Bにおいて台状部11Dとは反対側となる端面11Gの縁部と、2つの第2の部分11Cにおいて台状部11Dとは反対側となる端面11Jの縁部とをまたいで設定されたものということができる。
【0048】
ここで、曲面11Kは、図17に示すように、この曲面11Kを最終ワーク11の左右方向(図17では左右方向)に切って得られる交線が直線となるような曲面とされている。ここから、曲面11Kは、平坦な曲面(すなわち、ガウス曲率が0である曲面)であるということができる。本実施形態においては、曲面11Kは、所定の曲率半径を有するR面の形状を呈する。また、曲面11Kにおける縁部であるエッジ11Lは、図14に示すように、角がまるめられた面取りの形状を呈する。
【0049】
ついで、上述したケース10を生産する方法について説明する。この方法においては、まず、アルミニウムまたはアルミニウム合金からなる所定の太さの金属線材を線材13として、この線材13をパーツフォーマー20(図6参照)にセットする。ここで、パーツフォーマー20にセットされる線材13は、らせん状に巻かれた巻き線であっても、直線状のバー材であってもよい。
【0050】
続いて、図6に示すように、線材13がセットされたパーツフォーマー20を稼働させる。このパーツフォーマー20は、このパーツフォーマー20に設けられた切断装置20Aに線材13を引き込み、この線材13を切断してビレット12を生産するステップを、繰り返し実行する。このとき、ビレット12は、線材13の先側(図6では上側)の切り口12Cと、この切り口12Cとは反対側(図6では下側)の切り口12Aとの距離(すなわち高さ)が所定値をとる斜円柱をなす。
【0051】
また、パーツフォーマー20は、図7に示すように、線材13の切断により生産されたビレット12を、ダイ25に備えられた円筒形状の穴25Aに、ビレット12の切り口12Aが穴25Aの底25B側(図7では下側)を向いた状態に入れてセットする。そして、パーツフォーマー20は、ビレット12の切り口12Cをパンチ25Eにより穴25Aの口側(図7では上側)から押圧し、もってビレット12を整形する。本実施形態においては、パーツフォーマー20は、上記ステップを常温の雰囲気温度の環境下で行い、もってこのステップを冷間鍛造の手法によって実行する。
【0052】
ここで、ダイ25の穴25Aの底25Bには、その縁に沿った環状の曲面をなす面付け斜面25Dが設けられている。このため、パンチ25Eにより押圧されるビレット12は、その底25B側の切り口12Aにおけるエッジ12Bが、面付け斜面25Dによる面押しによってまるめられて整形される。以下においては、ビレット12のエッジ12Bがまるめられて整形されたもののことを、「中間ワーク14」と称する。すなわち、上記ステップは、ビレット12における切り口12Aにおけるエッジ12Bを面押しによってまるめたものを、中間ワーク14として生産するステップであるということができる。また、ビレット12は、中間ワーク14に成形される材料となるものであるということができる。
【0053】
また、ダイ25の穴25Aの底25Bには、穴25Aの軸方向(図7では上下方向)にスライド移動可能なバーをなすノックアウト25Cが設けられている。このノックアウト25Cは、パンチ25Eによるビレット12の押圧が終わった後に穴25Aの口側(図7では上側)にスライド移動し、もって生産された中間ワーク14を穴25Aの外に排出する。このとき、排出された中間ワーク14は、パーツフォーマー20が有するトランスファー装置(図示せず)に保持され、その天地が逆転される。
【0054】
なお、パーツフォーマー20は、ダイ25の穴25Aにビレット12をセットしてから整形後の中間ワーク14を穴25Aの外に排出するまでの各ステップを、線材13を切断してビレット12を生産するステップ(図6参照)と同期させて、繰り返し実行する。
【0055】
また、パーツフォーマー20は、図8に示すように、穴25A(図7参照)の外に排出された中間ワーク14を、ダイ26に備えられた円筒形状の穴26Aに、中間ワーク14の切り口12Cが穴26Aの底26B側(図8では下側)を向いた状態に入れてセットする。そして、パーツフォーマー20は、中間ワーク14の切り口12Aをパンチ26Eにより穴26Aの口側(図8では上側)から押圧し、もって中間ワーク14を整形する。本実施形態においては、パーツフォーマー20は、上記ステップを常温の雰囲気温度の環境下で行い、もってこのステップを冷間鍛造の手法によって実行する。
【0056】
ここで、ダイ26の穴26Aの底26Bには、その縁に沿った環状の曲面をなす面付け斜面26Dが設けられている。このため、パンチ26Eにより押圧される中間ワーク14は、その底26B側の切り口12Cにおけるエッジ12Dが、面付け斜面26Dによる面押しによってまるめられて整形される。
【0057】
また、ダイ26の穴26Aの底26Bには、穴26Aの軸方向(図8では上下方向)にスライド移動可能なバーをなすノックアウト26Cが設けられている。このノックアウト26Cは、パンチ26Eによる中間ワーク14の押圧が終わった後に穴26Aの口側(図8では上側)にスライド移動し、もって中間ワーク14を穴26Aの外に排出する。このとき、排出された中間ワーク14は、パーツフォーマー20が有するトランスファー装置(図示せず)に保持され、その天地が逆転される。
【0058】
なお、パーツフォーマー20は、ダイ26の穴26Aに中間ワーク14をセットしてから整形後の中間ワーク14を穴26Aの外に排出するまでの各ステップを、ダイ25の穴25Aにビレット12をセットしてから整形後の中間ワーク14を穴25Aの外に排出するまでの各ステップ(図7参照)と同期させて、繰り返し実行する。
【0059】
また、パーツフォーマー20は、図9に示すように、穴26A(図8参照)の外に排出された中間ワーク14を、ダイ27に備えられた円筒形状の穴27Aに、中間ワーク14の切り口12Aが穴27Aの底27B側(図9では下側)を向いた状態に入れてセットする。そして、パーツフォーマー20は、中間ワーク14の切り口12Cをパンチ27Eにより穴27Aの口側(図9では上側)から押圧し、もって中間ワーク14を整形する。本実施形態においては、パーツフォーマー20は、上記ステップを常温の雰囲気温度の環境下で行い、もってこのステップを冷間鍛造の手法によって実行する。
【0060】
ここで、ダイ27の穴27Aの底27Bには、その縁に沿った環状の曲面をなす面付け斜面27Dが設けられている。このため、パンチ27Eにより押圧される中間ワーク14は、その底27B側の切り口12Aにおけるエッジ12Bが、面付け斜面27Dによる面押しによって再度まるめられて整形される。
【0061】
また、ダイ27の穴27Aの底27Bには、穴27Aの軸方向(図9では上下方向)にスライド移動可能なバーをなすノックアウト27Cが設けられている。このノックアウト27Cは、パンチ27Eによる中間ワーク14の押圧が終わった後に穴27Aの口側(図7では上側)にスライド移動し、もって中間ワーク14を穴27Aの外に排出する。このとき、排出された中間ワーク14は、パーツフォーマー20が有するトランスファー装置(図示せず)に保持され、その天地が逆転される。
【0062】
なお、パーツフォーマー20は、ダイ27の穴27Aに中間ワーク14をセットしてから整形後の中間ワーク14を穴27Aの外に排出するまでの各ステップを、ダイ26の穴26Aに中間ワーク14をセットしてから整形後の中間ワーク14を穴26Aの外に排出するまでの各ステップ(図8参照)と同期させて、繰り返し実行する。
【0063】
また、パーツフォーマー20は、図10に示すように、穴27A(図9参照)の外に排出された中間ワーク14を、ダイ24に備えられた円筒形状の穴24Aに、中間ワーク14の切り口12Cが穴24Aの底24B側(図10では下側)を向いた状態に入れてセットする。そして、パーツフォーマー20は、中間ワーク14の切り口12Aをパンチ23により穴24Aの口側(図10では上側)から押圧し、もって中間ワーク14を成形して最終ワーク11にする。本実施形態においては、パーツフォーマー20は、上記ステップを常温の雰囲気温度の環境下で行い、もってこのステップを冷間鍛造の手法によって実行する。
【0064】
ここで、ダイ24の穴24Aの底24Bには、その縁に沿った環状の面をなす面付け斜面24Dが設けられている。このため、パンチ23により押圧される中間ワーク14は、その底24B側の切り口12Cにおけるエッジ12Dが、面付け斜面24Dによる面押しによって台状部11Dに成形される。
【0065】
また、パンチ23は、その押圧面23Aが、パンチ23の押圧方向(図10では上下方向)に高低差を有する1つの滑らかな曲面(本実施形態では例えば円筒面)をなす。このため、パンチ23により押圧される中間ワーク14は、後方押し出し成形により成形されて、押圧面23Aの曲面に対応する形状が切り口12Aに転写され、もって第1の部分11Bおよび第2の部分11Cを有する最終ワーク11に成形される。ここから、中間ワーク14は、最終ワーク11に成形される材料となるものであるということができる。また、パンチ23の押圧面23Aは、第1の部分11Bおよび第2の部分11Cに対応する形状であるといえる。また、パンチ23は、本発明における「第2のパンチ」に相当するものであるといえる。なお、押圧面23Aの曲面に対応する形状が切り口12Aに転写される際に、この切り口12Aは最終ワーク11の曲面11Kに成形され、切り口12Aのエッジ12Bは、最終ワーク11の曲面11Kにおける縁部であるエッジ11Lに成形される。
【0066】
また、ダイ24の穴24Aの底24Bには、穴24Aの軸方向(図10では上下方向)にスライド移動可能なバーをなすノックアウト24Cが設けられている。このノックアウト24Cは、パンチ23による中間ワーク14の押圧が終わった後に穴24Aの口側(図10では上側)にスライド移動し、もって成形された最終ワーク11を穴24Aの外に排出する。このとき、排出された最終ワーク11は、パーツフォーマー20が有するトランスファー装置(図示せず)に保持される。
【0067】
なお、パーツフォーマー20は、ダイ24の穴24Aに中間ワーク14をセットしてから成形された最終ワーク11を穴24Aの外に排出するまでの各ステップを、ダイ27の穴27Aに中間ワーク14をセットしてから整形後の中間ワーク14を穴27Aの外に排出するまでの各ステップ(図9参照)と同期させて、繰り返し実行する。
【0068】
また、パーツフォーマー20は、図18に示すように、穴24A(図10参照)の外に排出された最終ワーク11を、ダイ22にセットする。このダイ22は、円筒形状の穴22Aが所定の一方向(図18では上下方向)に延びた状態にあけられた、金属製の穴あき部材である。ここで、穴22Aの円筒形状は、そのサイズおよび形状が、ケース10の外側面10D(図5参照)に対応するものとされている。また、最終ワーク11は、その軸方向(すなわち本体部11Aの円盤における軸方向)が穴22Aの延びる一方向と一致され、かつ、その台状部11Dが穴22Aの底22B側(図18では下側)を向いた姿勢で穴22Aの中に入れられることで、ダイ22にセットされる。
【0069】
そして、パーツフォーマー20は、最終ワーク11の曲面11Kを、穴22Aの延びる一方向(詳しくは穴22Aの口側、図18で見て上側)からパンチ21により押圧し、もって最終ワーク11を成形してケース10にする。ここで、パンチ21は、図18ないし図20に示すように、突起をなす押圧部21Aと、この押圧部21Aがなす突起の根元部分にこの突起の径方向外方に張り出した状態に設けられた段差部21Bとが備えられたパンチ部材である。
【0070】
段差部21Bは、穴22A(図18参照)がなす円筒に対して、この円筒にスムーズに差し込むことが可能なはめあいであるすきまばめのはめあいとすることが可能なサイズの円柱形状をなす。また、押圧部21Aは、ケース10の内側面10C(図18参照)に対応する二方取り形状を呈し、かつ、この二方取り形状の長径が、穴22A(図18参照)がなす円筒形状の内径よりも小となるサイズの突起をなす。このため、パンチ21は、最終ワーク11のケース10への成形を、後方押し出し成形によって実現させる。すなわち、パンチ21は、本発明における「第1のパンチ」に相当する。
【0071】
ここで、パンチ21により最終ワーク11を穴22Aの延びる一方向から押圧する際には、図18に示すように、パンチ21は、その押圧部21Aで最終ワーク11を押圧するようにする。また、パンチ21の押圧部21Aがなす二方取り形状における長手方向は、2つの第2の部分11Cが本体部11Aを挟み込む方向(図18では左右方向)と一致するようにする。さらに、パンチ21の押圧により成形される最終ワーク11における軸方向側(図18では上側)の端に段差部21Bをあて、もってこの端を整形するようにする。
【0072】
また、ダイ22の穴22Aの底22Bには、穴22Aの軸方向(図18では上下方向)にスライド移動可能なバーをなすノックアウト22Cが設けられている。このノックアウト22Cは、パンチ21による最終ワーク11の押圧が終わった後に穴22Aの口側(図18では上側)にスライド移動し、もって成形されたケース10を穴22Aの外に排出する。このとき、排出されたケース10は、パーツフォーマー20が有するトランスファー装置(図示せず)に保持されて、パーツフォーマー20の外部に搬送される。
【0073】
なお、パーツフォーマー20は、ダイ22の穴22Aに最終ワーク11をセットしてから成形された最終ワーク11を穴22Aの外に排出するまでの各ステップを、ダイ24の穴24Aに中間ワーク14をセットしてから成形された最終ワーク11を穴24Aの外に排出するまでの各ステップ(図10参照)と同期させて、繰り返し実行する。また、パーツフォーマー20は、上記各ステップを、常温の雰囲気温度の環境下で行い、もって最終ワーク11をパンチ21により押圧してケース10に成形するステップを冷間鍛造の手法によって実行する。
【0074】
上述したケース10を生産する方法によれば、肉厚部分10Bとなる第1の部分11Bの高さ11Eを肉薄部分10Aとなる第2の部分の高さ11Fよりも低くして、後方押し出し成形における延びの量の違いによる影響を相殺し、もってこの延びにより成形される端の面をより平らにすることができる。
【0075】
また、上述したケース10を生産する方法によれば、生産されるケース10において後方押し出し成形による延びによって成形される端の面を、パンチ21の段差部21Bによって整形し、もってこの端の面をより平らにすることができる。
【0076】
また、上述したケース10を生産する方法によれば、生産されるケース10において後方押し出し成形による延びによって成形される端の面を滑らかな面とし、もってこの端の面を平らにしやすくすることができる。
【0077】
また、上述したケース10を生産する方法によれば、最終ワーク11の曲面11Kは平坦な曲面をなす。このため、最終ワーク11の生産に際して最終ワーク11の曲面11Kがパンチ23の押圧面23Aに張り付いたときに、この押圧面23Aに沿った特定の向きの力を最終ワーク11に加えることで、この最終ワーク11をパンチ23から分離させることができる。
【0078】
また、上述したケース10を生産する方法によれば、押圧部21Aの突起を二方取り形状という比較的単純な形にしながら、肉薄部分10Aと肉厚部分10Bとを有するケース10の成形を実現させ、さらにパンチ21の心出しを容易にすることができる。
【0079】
また、上述したケース10を生産する方法によれば、最終ワーク11における第1の部分11Bおよび第2の部分11Cを、パンチ23の押圧面23Aに対応する形状の転写により成形し、もって最終ワーク11を用意する作業を簡単にすることができる。
【0080】
また、上述したケース10を生産する方法によれば、中間ワーク14の切り口12Aにおけるエッジ12Dをパンチ23による押圧の前にまるめることで、この押圧によりエッジ12Dがのされてバリを形成するおそれを減らすことができる。
【0081】
また、上述したケース10を生産する方法によれば、ケース10は、アルミニウムまたはアルミニウム合金を冷間鍛造によって成形した製品として生産される。これにより、生産されるケース10に、例えば熱影響による寸法のばらつきが少ない等の、冷間鍛造品が有するメリットを持たせることができる。
【0082】
また、上述したケース10を生産する方法によれば、線材13をパーツフォーマー20にセットしてこのパーツフォーマー20を稼働させるという簡単な作業によって、ケース10を生産することができる。
【0083】
また、上述した最終ワーク11によれば、肉厚部分10Bとなる第1の部分11Bの高さ11Eを肉薄部分10Aとなる第2の部分の高さ11Fよりも低くしてこれらの延びの量の違いによる影響を相殺し、もって成形されるケース10の端の面をより平らにすることができる。
【0084】
また、上述した最終ワーク11によれば、生産されるケース10において後方押し出し成形による延びによって成形される端の面を滑らかな面とし、もってこの端の面を平らにしやすくすることができる。
【0085】
〈第2の実施形態〉
続いて、第2の実施形態にかかるケースを生産する方法について説明する。第2の実施形態にかかるケースを生産する方法は、第1の実施形態にかかるケースを生産する方法を変形した実施形態である。したがって、上記第1の実施形態にかかるケースを生産する方法にて登場する構成と共通する構成については、これら構成に付した符号に「20」を加算した符号を付して対応させ、その詳細な説明を省略する。
【0086】
第2の実施形態にかかるケースを生産する方法では、図21に示すように、パンチ21の押圧部21Aにより押圧される側の端面が1つの曲面11Kとされた最終ワーク11(図18参照)に代えて、パンチ41の押圧部41Aにより押圧される部分に予備穴31Mを有する最終ワーク31を使用する。この最終ワーク31は、パーツフォーマー40が有するパンチ41(本発明における「第1のパンチ」に相当)の押圧部41Aに押圧され、もって上述したケース10(図18参照)と同様の形状を呈するケース30に後方押し出し成形される。ここで、パンチ41の押圧部41Aは、ケース30の内側面30Cに対応する二方取り形状の突起をなすものである。
【0087】
最終ワーク31の予備穴31Mは、図23ないし図28に示すように、最終ワーク31の本体部31Aにおいて台状部31Dとは反対側となる部分に設けられている。また、予備穴31Mは、パンチ41の押圧部41Aに対応する二方取り形状の穴をなし、そのサイズは押圧部41Aに対してすきまばめのはめあいとすることが可能なサイズ(図21の仮想線を参照)とされている。言いかえると、予備穴31Mは、押圧部41Aに対してすきまばめのはめあいとすることが可能なサイズおよび形状を呈する穴である。本実施形態においては、最終ワーク31の予備穴31Mは、その二方取り形状の長手方向が、最終ワーク31において2つの第2の部分31Cが本体部31Aを挟み込む方向(図24では上下方向)と一致するように設けられる。
【0088】
ここで、最終ワーク31は、図22に示すように、この最終ワーク31に成形される材料となる中間ワーク34を、後方押し出し成形により成形することで用意される。すなわち、中間ワーク34は、パーツフォーマー40においてそのダイ44に備えられた円筒形状の穴44Aにセットされ、パンチ43(本発明における「第2のパンチ」に相当)により押圧されることで、最終ワーク31に後方押し出し成形される。ここで、パンチ43は、中間ワーク34を押圧する押圧面43Aが、第1の部分31B、第2の部分31C、および、予備穴31Mに対応する凹凸を有して、この凹凸を中間ワーク34の切り口32Aに転写する。これにより、成形される最終ワーク31には、第1の部分31B、第2の部分31C、および、予備穴31Mが備えられる。
【0089】
また、最終ワーク31をケース30に成形するにあたっては、図21に示すように、円筒形状の穴42Aが所定の一方向(図21では上下方向)に延びた状態にあけられた、金属製の穴あき部材であるダイ42に最終ワーク31をセットする。このとき、最終ワーク31は、その軸方向(すなわち本体部31Aの円盤における軸方向)がダイ42の穴42Aの延びる一方向と一致され、その台状部31Dが穴42Aの底42B側(図21では下側)を向いた姿勢でこの穴42Aの中に入れられる。
【0090】
また、パーツフォーマー40は、そのパンチ41の押圧部41Aがなす二方取り形状における長手方向(図18では左右方向)が、最終ワーク31の予備穴31Mがなす二方取り形状における長手方向と一致する状態で、パンチ41をダイ42の穴42Aの中に入れる。そして、パーツフォーマー40は、そのパンチ41の押圧部41Aを最終ワーク31の予備穴31Mに入れ、この予備穴31Mの底を穴42Aの延びる一方向(詳しくは穴42Aの口側、図21で見て上側)からパンチ41により押圧し、もって最終ワーク31を成形してケース20にする。言いかえると、パーツフォーマー40は、そのパンチ41により最終ワーク31を上記一方向から押圧する際に、パンチ41の押圧部41Aを最終ワーク31の予備穴31Mに入れる。
【0091】
上述したケース30を生産する方法によれば、後方押し出し成形によってケース30を生産する際に、最終ワーク31のがたつきをその予備穴31Mとパンチ41の押圧部41Aとのはめあいによって抑え、もって生産されるケース30の形状精度を向上させることができる。また、上記はめあいをすきまばめとするため、パンチ41の押圧部41Aを予備穴31Mにスムーズに入れることができる。
【0092】
本発明は、上述した第1および第2の実施形態で説明した外観、構成に限定されず、本発明の要旨を変更しない範囲で種々の変更、追加、削除が可能である。例えば、以下のような各種の形態を実施することができる。
【0093】
(1)本発明のケースを生産する方法は、円筒形状の外側面と二方取り形状の内側面とを有する有底の筒をなすケースを生産する方法に限定されない。すなわち、本発明のケースを生産する方法は、例えば外側面につまみをなす突出を有するケースなど、外側面が円筒形状を呈さないケースを生産する際に用いることができる。また、本発明のケースを生産する方法は、例えば角錐台形状や円柱形状などの、二方取り形状でない形状を呈する押圧部を有するパンチ部材を使用して、その形状に対応する形状の内側面を有するケースを生産する際に用いることができる。ここで、パンチ部材の押圧部が、ダイの穴の内径よりも長径が小さい長円形をなす底面を有した直柱体形状を呈する場合、このパンチで最終ワークを押圧する際に、その2つの第2の部分が本体部を挟み込む方向と上記長円形における長手方向とが一致するようにすることが好ましい。この場合、押圧部の突起を長円形の底面を有した直柱体形状という比較的単純な形にしながら、肉薄部分と肉厚部分とを有するケースの成形を実現させることができる。
【0094】
(2)本発明のケースを生産する方法は、線材がセットされた1つのパーツフォーマーを稼働させることによって実行される一連のステップに含まれるものに限定されない。すなわち、本発明のケースを生産する方法は、例えば複数のプレス装置を組み合わせてなるタンデムプレスシステムによって実行することができる。また、本発明のケースを生産する方法は、金属塊から所望の形状の最終ワークを削り出すマシニングセンターと、最終ワークを後方押し出し成形により成形してケースとする1つのプレス装置との組み合わせによって実行することができる。
【0095】
(3)本発明のケースを生産する方法は、アルミニウムまたはアルミニウム合金からなる線材を冷間鍛造の手法によって加工するものに限定されない。すなわち、本発明のケースを生産する方法は、例えば黄銅、リン青銅、または、鉄などの、アルミニウムおよびアルミニウム合金のいずれでもない金属を加工するものとすることができる。また、本発明のケースを生産する方法は、金属を温間鍛造または熱間鍛造の手法によって加工するものとすることができる。
【符号の説明】
【0096】
10 ケース
10A 肉薄部分
10B 肉厚部分
10C 内側面
10D 外側面
11 最終ワーク
11A 本体部
11B 第1の部分
11C 第2の部分
11D 台状部
11E 高さ
11F 高さ
11G 端面
11H 対称面
11J 端面
11K 曲面
11L エッジ
12 ビレット
12A 切り口
12B エッジ
12C 切り口
12D エッジ
13 線材
14 中間ワーク
20 パーツフォーマー
20A 切断装置
21 パンチ(第1のパンチ)
21A 押圧部
21B 段差部
22 ダイ
22A 穴
22B 底
22C ノックアウト
23 パンチ(第2のパンチ)
23A 押圧面
24 ダイ
24A 穴
24B 底
24C ノックアウト
24D 面付け斜面
25 ダイ
25A 穴
25B 底
25C ノックアウト
25D 面付け斜面
25E パンチ
26 ダイ
26A 穴
26B 底
26C ノックアウト
26D 面付け斜面
26E パンチ
27 ダイ
27A 穴
27B 底
27C ノックアウト
27D 面付け斜面
27E パンチ
30 ケース
30A 肉薄部分
30B 肉厚部分
30C 内側面
30D 外側面
31 最終ワーク
31A 本体部
31B 第1の部分
31C 第2の部分
31D 台状部
31E 高さ
31F 高さ
31G 端面
31H 対称面
31J 端面
31K 曲面
31L エッジ
31M 予備穴
32A 切り口
32B エッジ
32C 切り口
32D エッジ
34 中間ワーク
40 パーツフォーマー
41 パンチ(第1のパンチ)
41A 押圧部
41B 段差部
42 ダイ
42A 穴
42B 底
42C ノックアウト
43 パンチ(第2のパンチ)
43A 押圧面
44 ダイ
44A 穴
44B 底
44C ノックアウト
44D 面付け斜面
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24
図25
図26
図27
図28