(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-02-10
(45)【発行日】2023-02-20
(54)【発明の名称】データ処理装置、ゲーム装置、及びゲームデータ管理プログラム
(51)【国際特許分類】
A63F 9/30 20060101AFI20230213BHJP
A63F 9/00 20060101ALI20230213BHJP
【FI】
A63F9/30 502C
A63F9/00 513
(21)【出願番号】P 2017171459
(22)【出願日】2017-09-06
【審査請求日】2020-09-04
(73)【特許権者】
【識別番号】310009993
【氏名又は名称】株式会社タイトー
(74)【代理人】
【識別番号】100108855
【氏名又は名称】蔵田 昌俊
(74)【代理人】
【識別番号】100103034
【氏名又は名称】野河 信久
(74)【代理人】
【識別番号】100153051
【氏名又は名称】河野 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100189913
【氏名又は名称】鵜飼 健
(74)【代理人】
【識別番号】100199565
【氏名又は名称】飯野 茂
(72)【発明者】
【氏名】菅野 大輔
【審査官】大塚 裕一
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-059572(JP,A)
【文献】特開2006-087781(JP,A)
【文献】特開2017-064386(JP,A)
【文献】特開2015-186530(JP,A)
【文献】特開2015-039419(JP,A)
【文献】特開2014-004192(JP,A)
【文献】特開2007-075605(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 1/00- 5/04
A63F 9/00-13/98
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ゲームフィールドに載置されたオブジェクトの位置がユーザ操作に応じて移動されるゲームを実施する複数のゲーム装置から、それぞれにおいて実施されたゲームのゲーム実施前後のゲームフィールドに載置されたオブジェクトの位置を示すデータを含むゲーム実施結果データを受信する受信手段と、
複数の前記ゲーム装置のそれぞれから受信された前記ゲーム実施結果データを学習して、前記ゲームフィールドに載置された前記オブジェクトがユーザ操作に応じて
景品落とし口まで移動される可能性と、
景品落とし口まで移動させるために必要となるゲーム回数を示すデータを含む判定基準データを生成する生成手段と、
前記判定基準データを前記ゲーム装置に送信する送信手段と
を有するデータ処理装置。
【請求項2】
前記受信手段は、前記ゲーム実施結果データと共に前記ゲーム装置に対するユーザ操作の操作内容を示す制御データを受信し、
前記生成手段は、前記制御データを学習して、ゲーム結果に対応する前記ゲーム装置に対する操作方法を示す操作データを生成する請求項1記載のデータ処理装置。
【請求項3】
前記生成手段は、前記ゲーム実施結果データを学習して、前記ゲームフィールドに載置された前記オブジェクトを
景品落とし口まで移動させるためのユーザ操作の操作内容を示す攻略データを生成し、
前記送信手段は、前記攻略データを前記判定基準データとともに前記ゲーム装置に送信する請求項1記載のデータ処理装置。
【請求項4】
ゲームフィールドに載置されたオブジェクトの位置がユーザ操作に応じて移動されるゲームを実施するゲーム装置であって、
前記ゲームフィールドに補充するオブジェクトの種類を示すデータを入力する入力手段と、
ゲーム実施前後の前記ゲームフィールドに載置されたオブジェクトの位置を示すデータを含むゲーム実施結果データを送信するデータ送信手段と、
前記ゲーム実施結果データをもとに生成された、前記オブジェクトの種類と前記ゲームフィールドの位置との組み合わせのそれぞれに対応する、前記ゲームフィールドに載置された前記オブジェクトがユーザ操作に応じて
景品落とし口まで移動される可能性と、
景品落とし口まで移動させるために必要となるゲーム回数を示すデータを含む判定基準データを受信するデータ受信手段と、
前記入力手段により入力されデータが示す種類に応じた前記オブジェクトを載置すべき前記ゲームフィールドにおける位置を、前記判定基準データに基づいて判別する判別手段と、
前記オブジェクトを載置すべき前記ゲームフィールドの位置を示す画像を表示する表示手段と
を有するゲーム装置。
【請求項5】
前記オブジェクトを前記ゲームフィールドに載置する条件を示すデータを入力する入力手段
をさらに有し、
前記表示手段は、前記条件に応じた前記オブジェクトを載置すべき位置を表示する請求項4記載のゲーム装置。
【請求項6】
前記表示手段は、プロジェクタから前記オブジェクトを載置すべき位置を示す画像を前記ゲームフィールドに投影させる請求項4または請求項5記載のゲーム装置。
【請求項7】
前記データ受信手段により受信された前記判定基準データが示す、前記オブジェクトがユーザ操作に応じて景品落とし口まで移動される可能性に基づいて、他の装置に
対し、景品が取れない位置に移動されたと判別されたことを、ゲーム装置を識別する情報と共に通知する通知手段をさらに有する請求項4記載のゲーム装置。
【請求項8】
コンピュータを、
ゲームフィールドに載置されたオブジェクトの位置がユーザ操作に応じて移動されるゲームを実施する複数のゲーム装置からそれぞれにおいて実施されたゲームのゲーム実施前後のゲームフィールドに載置されたオブジェクトの位置を示すデータを含むゲーム実施結果データを受信する受信手段と、
複数の前記ゲーム装置のそれぞれから受信された前記ゲーム実施結果データを学習して、前記ゲームフィールドに載置された前記オブジェクトがユーザ操作に応じて
景品落とし口まで移動される可能性と、
景品落とし口まで移動させるために必要となるゲーム回数を示すデータを含む判定基準データを生成する生成手段と、
前記判定基準データを前記ゲーム装置に送信する送信手段と
して機能させるためのプログラム。
【請求項9】
ゲームフィールドに載置されたオブジェクトの位置がユーザ操作に応じて移動されるゲームを実施するコンピュータを、
前記ゲームフィールドに補充するオブジェクトの種類を示すデータを入力する入力手段と、
ゲーム実施前後の前記ゲームフィールドに載置されたオブジェクトの位置を示すデータを含むゲーム実施結果データを送信するデータ送信手段と、
前記ゲーム実施結果データをもとに生成された、前記オブジェクトの種類と前記ゲームフィールドの位置との組み合わせのそれぞれに対応する、前記ゲームフィールドに載置された前記オブジェクトがユーザ操作に応じて
景品落とし口まで移動される可能性と、
景品落とし口まで移動させるために必要となるゲーム回数を示すデータを含む判定基準データを受信するデータ受信手段と、
前記入力手段により入力されデータが示す種類に応じた前記オブジェクトを載置すべき前記ゲームフィールドにおける位置を、前記判定基準データに基づいて判別する判別手段と、
前記オブジェクトを載置すべき前記ゲームフィールドの位置を示す画像を表示させる表示手段として機能させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、データ処理装置、ゲーム装置、及びゲームデータ管理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
クレーンゲーム装置は、筐体内に設けられた景品フィールド内に少なくとも1つのプライズ製品(景品)が載置され、機外から操作されるクレーンアーム(キャッチャー)により所望の景品を獲得できるように構成されている。クレーンゲーム装置において提供される景品は、その特徴や魅力が集客力や売上に大きく影響するため、縫いぐるみをはじめとする様々な種類が用意されている。
【0003】
店舗のスタッフは、プレーヤがある程度の金額のゲーム料金を支払って、繰り返してゲームを実行した場合には、プレーヤが景品を獲得できるように、景品フィールドの取りやすい位置に1つ、あるいは数個の景品を載置することが多い。これにより、プレーヤに対して、ゲームの実施意欲を持たせるようにしている。この際、スタッフは、クレーンゲーム装置における想定しているペイアウト率(プレーヤが支払うゲーム料金に対する景品の払い出し)に大きな影響を与えないように、簡単に取られず、また適度なゲーム回数で景品が取られる位置を想定して景品を景品フィールドに載置している。
【0004】
また、プレーヤがゲームをすることによって景品の位置が移動され、当初、スタッフに置かれた位置よりも獲得し難い、あるいは獲得することが困難となる場合もある。こうした場合、プレーヤがゲームを繰り返し実行したとしても景品を獲得することができず、ゲームの利用を敬遠するきっかけとなってしまうおそれがある。従って、スタッフは、景品フィールドに載置された景品の状態を頻繁に確認するなどして、獲得が困難な位置にある景品の置き直しなどの作業が求められる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
このように従来のクレーンゲーム装置では、店舗のスタッフが、景品の取りやすさ、あるいは取りにくさを考慮して、景品を景品フィールドに載置している。しかしながら、何れの位置に景品を載置すれば、景品が取りやすい、あるいは取りにくいか、さらに想定するゲーム回数によってプレーヤが景品を取れるか明確では無く、店舗スタッフの経験や勘に頼るものであった。このため、スタッフによって景品の載置の方法にばらつきがあった。
【0007】
また、クレーンゲーム装置は、複数の異なる形態を有する機種が存在し、また1つの機種でも景品を景品フィールド内に載置する形態(例えば、パネル上、台上、棒上など)も様々あり、それぞれにおいて景品の載置方法を把握するのが困難である。さらに、景品の種類毎に形状、重さ、重心位置、材質等が異なるため、個々に取りやすさ、取りにくさなどのゲームの実施状況が異なる。
【0008】
本発明は前述した事情に考慮してなされたもので、その目的は、ゲームの実施状況を容易に把握することを可能にするデータ処理装置、ゲーム装置、及びゲームデータ管理プログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の課題を解決するために、本発明のデータ処理装置は、ゲームフィールドに載置されたオブジェクトの位置がユーザ操作に応じて移動されるゲームを実施する複数のゲーム装置から、それぞれにおいて実施されたゲームのゲーム実施前後のゲームフィールドに載置されたオブジェクトの位置を示すデータを含むゲーム実施結果データを受信する受信手段と、複数の前記ゲーム装置のそれぞれから受信された前記ゲーム実施結果データを学習して、前記ゲームフィールドに載置された前記オブジェクトがユーザ操作に応じて景品落とし口まで移動される可能性と、景品落とし口まで移動させるために必要となるゲーム回数を示すデータを含む判定基準データを生成する生成手段と、前記判定基準データを前記ゲーム装置に送信する送信手段とを有する。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、ゲームの実施状況を容易に把握することを可能にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】本実施形態におけるゲームシステムの構成を示すブロック図。
【
図2】本実施形態におけるサーバ2の機能構成の一例を示すブロック図。
【
図3】本実施形態における店舗サーバ6の機能構成の一例を示すブロック図。
【
図4】本実施形態における店舗サーバ6とスタッフコールシステム7の関係を示す図。
【
図5】本実施形態におけるゲーム装置10(クレーンゲーム装置)の外観構成を示す斜視図。
【
図6】本実施形態におけるゲーム装置10の正面図。
【
図7】本実施形態におけるゲーム装置10の機能構成を示すブロック図。
【
図8】本実施形態における出力装置7Aあるいは電子機器7Bにおけるスタッフコール処理を示すフローチャート。
【
図9】本実施形態におけるゲーム装置10の景品管理処理の動作を示すフローチャート。
【
図10】本実施形態における店舗サーバ6のスタッフコール判定処理を示すフローチャート。
【
図11】本実施形態におけるゲーム装置10の景品フィールドに載置された景品の一例を示す図。
【
図12】本実施形態における学習処理を示すフローチャート。
【
図13】本実施形態における判定基準データを説明するための図。
【
図14】本実施形態における設定処理を示すフローチャート。
【
図15】プロジェクタ80から投影された画像PPの一例を示す図。
【
図16】本実施形態における店舗サーバ6による景品レイアウトマニュアル処理を示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。
図1は、本実施形態におけるゲームシステムの構成を示すブロック図である。
図1に示すゲームシステムは、各地のゲームセンターやアミューズメント施設などに設けられる店舗システムを管理するためのシステムであり、システム全体を管理するためのサーバ2と、サーバ2とインターネット等を含むネットワーク4を介して接続される複数の店舗システム5(5-1,5-2,…,5-x)を含む。
【0013】
サーバ2(データ処理装置)は、店舗システム5からデータを受信してゲームの実施状況等に関する集計等の処理をする他、店舗システム5に設置される店舗サーバ6(データ処理装置)あるいはゲーム装置10において処理されるデータの生成及び店舗システム5への送信等を実行する。サーバ2は、例えば複数の店舗システム5に設置されたゲーム装置10(例えば、クレーンゲーム装置)において実行されたゲームの実施結果を示すデータ(ゲーム実施結果データ、クレーンアーム制御データ)を集計し、ゲーム装置10の処理において用いられる判定基準データ(学習データ)、及び攻略データを生成する。ゲーム実施結果データ、クレーンアーム制御データ、判定基準データ、及び攻略データの詳細については後述する。
【0014】
また、サーバ2は、ゲーム装置10における攻略法を示す攻略データ(例えば、クレーンゲーム装置における景品の獲得に有利な操作方法などを示す操作データ)を、ネットワーク4を通じて、例えばプレーヤが使用する電子機器3に提供する処理を実行する。電子機器3は、例えばスマートフォン、パーソナルコンピュータなどが用いられる。
【0015】
店舗システム5は、店舗サーバ6と少なくとも1台のゲーム装置10(10-1,10-2,…,10-n)を含む。ゲーム装置10の設置台数は、店舗システム5毎に異なっていても良い。
店舗サーバ6は、ネットワーク4を介してサーバ2と接続され、サーバ2との間でデータの送受信を行う。また、店舗サーバ6は、店舗内に設置された複数のゲーム装置10(10-1,10-2,…,10-n)と、LAN(Local Area Network)等のネットワーク8を通じて接続され、ゲーム装置10の動作制御、データの送受信等を実行する。また、店舗サーバ6は、スタッフコールシステム7の通知制御装置として動作する。
【0016】
スタッフコールシステム7は、店舗の従業員(以下、スタッフと称する)に対して店舗運営のために必要な情報を提供するためのシステムである。スタッフコールシステム7には、店舗内のスタッフに対して、表示あるいは音声により情報を提供するための出力装置7A、及びスタッフのそれぞれにより装着あるいは所持される複数の電子機器7B(7B1,7B2,…,7Bm)が含まれる。出力装置7A及び電子機器7Bは、店舗サーバ6あるいはゲーム装置10と、例えば無線LANなどによる無線通信が可能である。
【0017】
出力装置7Aは、出力デバイスとして、例えばディスプレイとスピーカが設けられる。出力装置7Aは、店舗サーバ6あるいはゲーム装置10から受信されるデータをもとに、スタッフに対する情報をディスプレイに表示する、あるいはスピーカから音声を出力させる。出力装置7Aは、店舗内にいるスタッフが視認できるように、例えば店舗の上部に取り付けられる。
【0018】
電子機器7Bは、各種の出力デバイスを備えた機器であり、例えばインカム(ヘッドセット付き送受信機)、ウェアラブルデバイス、スマートフォンなど、各種の機器を用いることができる。電子機器7Bは、無線通信機能が設けられ、無線通信によって受信されるデータをもとに情報を出力する。
【0019】
インカムは、例えば出力デバイスとするヘッドホンと入力デバイスとするマイクが設けられている。ウェアラブルデバイスは、例えば腕時計型、眼鏡型(ヘッドマウントディスプレイ型)、ペンダント型などの各種の形態があり、出力デバイスとしてディスプレイ、スピーカ、LED(Light Emitting Diode)などの発光デバイスなどが設けられ、入力デバイスとしてタッチパネル、ボタン(キーボード)、マイクなどが設けられる。また、スマートフォンは、ウェアラブルデバイスと同様の出力デバイスと入力デバイスを備えている。
【0020】
ゲーム装置10は、利用者の入力操作に応じてゲームを実行する装置であり、例えばクレーンゲーム装置として実現される。クレーンゲーム装置は、筐体内に設けられた景品フィールド(ゲームフィールド)に景品(プライズ製品)を載置され、装置外から利用者による入力操作に応じてクレーンアーム(キャッチャー)の動きを制御して、景品を筐体外に払い出すことができるように構成されている。
【0021】
本実施形態におけるゲーム装置10は、景品の状態変化及び異常発生(エラー)を検出し、この景品の状態変化あるいは異常発生を示す通知を、店舗サーバ6あるいはスタッフコールシステム7(出力装置7A、電子機器7B)に出力する機能が設けられる。
【0022】
景品の状態変化には、例えば景品の払い出しの発生(景品払い出し)、ゲーム実行に伴うクレーンアームによる特定の通知対象とする位置や向きへの置き換え(景品置き換え)などがある。例えば、ゲームを実行した際に、クレーンアームによって把持された景品が、景品落とし口に到達するまでに落下した場合には、景品の位置や向きが、当初、スタッフにより載置された状態から変えられてしまうことがある。通知対象とする位置や向きとしては、例えば次以降のゲーム実行の際に、クレーンアームにより景品が取りにくい、あるいは取れない位置や向きなどが対象となる。
【0023】
異常発生(エラー)を示す通知としては、装置の動作異常(クレーンアームの動作不良など)、顧客による不正操作(装置に対する振動付与など)、顧客からの呼び出しなどがある。
【0024】
図2は、本実施形態におけるサーバ2の機能構成の一例を示すブロック図である。
図2に示すように、サーバ2は、CPU2a、RAM2b、記憶装置2c、入力装置2d、表示装置2e、通信装置2fを有する。
CPU2aは、RAM2bに記憶されているプログラムやデータに基づいて、サーバ2の全体の制御、記憶装置2cに記憶されるデータの管理、複数の店舗システム5のそれぞれに設けられた店舗サーバ6の制御/管理のための処理等を実行する。また、CPU2aは、ゲームデータ管理プログラムを実行することによりゲームデータ管理処理を実行する。ゲームデータ管理処理では、複数の店舗システム5のそれぞれから、各ゲーム装置10において実施されたゲームの実施結果を示すゲーム実施結果データ及びクレーンアーム制御データを集計し、判定基準データと攻略データを生成する。
【0025】
ゲーム実施結果データは、例えばゲームによる獲得対象となる景品の種類、ゲーム実施前後の景品の変化(位置、向き)、景品払い出しの有無を示すデータを示す。クレーンアーム制御データは、ゲーム実施結果データと対応づけて生成され、プレーヤの操作に応じたクレーンアームの制御内容を示すデータである。例えば、X軸方向、Y軸方向、及びZ軸方向(上下方向)の移動方向、移動量、移動時間などを示す。クレーンアーム制御データにより、景品を取得するためのプレーヤの操作方法(プレースタイル)を識別することができる。プレースタイルとしては、例えば景品を持ち上げて運ぶ、景品を引きずる、景品を倒すなどがある。
【0026】
ゲームデータ管理処理では、例えば、ゲーム実施結果データ及びクレーンアーム制御データをもとに、例えばディープラーニング(深層学習)などの機械学習を実行して、AI(Artificial Intelligence)技術を利用してゲーム装置10のゲーム結果(景品の状態)を判定するための判定基準データ、及びプレーヤにゲーム装置10における景品の獲得に有利な操作方法などを示す攻略データを生成する。
【0027】
判定基準データは、例えば、判定対象とする景品の種類(景品コード)、景品フィールドにおける景品の位置及び向き、ゲーム装置10に対する各種の設定状態(例えば、後述する装置設定内容)の個々とそれぞれ対応づけて、あるいは任意の組み合わせに対応づけて生成される。判定基準データには、例えば、判定対象のそれぞれに対して、払い出される可能性(確率)と、払い出される可能性がある対象については景品落とし口まで移動される(払い出しされる)までに必要となるゲーム平均回数のデータを含む。
【0028】
攻略データは、景品フィールドにおける景品の位置及び向きに対して、どのようにクレーンアームを制御すれば、景品を何れの位置に移動させることができるか、あるいは景品を景品落とし口まで移動させることができるかを示すデータである。
【0029】
RAM2bは、CPU2aにより実行される各種プログラムや、各種処理により実行される一時的にデータなどが記憶される。RAM2bに記憶されるプログラムには、基本プログラム(OS(Operating System))の他、複数の店舗システム5に設けられた店舗サーバ6を制御/管理するための管理プログラム、判定基準データ及び攻略データを生成するゲームデータ管理プログラムなどが含まれる。
【0030】
記憶装置2cは、各種プログラムやデータ等を記憶する。記憶装置2cに記憶されるデータには、店舗システムにおけるゲームの実施状況等の集計データの他、ゲームデータ管理処理により店舗システム5から受信されたゲーム実施結果データ、ゲームデータ管理処理により生成された判定基準データ、攻略データ等を含む。また、記憶装置2cには、ゲーム装置10の景品フィールドに載置(補充)される景品に関する情報を含む景品データなどが記憶される。景品データには、景品に固有の景品コードと対応づけて、例えば外観、外形、質量、材質、特徴(重量配分など)、価格の情報を含むことができる。
【0031】
表示装置2eは、CPU2aによる処理に応じた画面をLCD(Liquid Crystal Display)等のディスプレイに表示させる。
入力装置2dは、CPU2aによる各種処理に応じたデータや指示を、キーボードやマウスなどの入力デバイスを通じて入力する。
通信装置2fは、CPU2aの制御のもとで、ネットワーク4を介した店舗システム5-1,…,5-x(店舗サーバ6)、電子機器3などを含む外部装置との通信を実行する。
【0032】
図3は、本実施形態における店舗サーバ6の機能構成の一例を示すブロック図である。
図3に示すように、店舗サーバ6は、CPU6a、RAM6b、記憶装置6c、入力装置6d、表示装置6e、通信装置6f、マイク6gを有する。
【0033】
CPU6aは、RAM6bに記憶されているプログラムやデータに基づいて、店舗サーバ6の全体の制御、記憶装置6cに記憶されるデータの管理、ゲーム装置10の制御/管理、スタッフコールシステム7(出力装置7A、電子機器7B)を通じて情報を提供するための処理等を実行する。CPU6aは、ゲーム装置10においてゲームが実施された結果、スタッフコールシステム7を通じてスタッフに通知する必要があるか判定するためのスタッフコール判定処理を実行する。スタッフコール判定処理では、ゲーム装置10におけるゲーム実行前後の景品の状態を示すゲーム実施結果データを受信し、ゲーム実施結果データをもとに景品がスタッフに通知する必要がある状態であるかを判定する。スタッフに通知する必要がある状態として、例えばクレーンアームにより景品が取りにくい、あるいは取れない位置や向きになっていることを判定する。CPU6aは、例えばAI(Artificial Intelligence)技術を利用して、景品の状態変化を判定するための判定基準データを利用して判定を行う。判定基準データは、サーバ2においてゲーム実施結果データをもとにした学習処理によって生成され、サーバ2から提供される。また、CPU6aは、判定基準データを利用して、景品を景品フィールドに載置する位置を提示する景品レイアウトマニュアル処理を実行する。
【0034】
RAM6bは、CPU6aにより実行される各種プログラムや、各種処理により実行される一時的にデータなどが記憶される。RAM6bに記憶されるプログラムには、基本プログラム(OS(Operating System))の他、複数のゲーム装置10を制御/管理するための管理プログラム、スタッフコールシステム7(出力装置7A、電子機器7B)を制御するためのスタッフコールプログラムなどが含まれる。
【0035】
記憶装置6cは、各種プログラムやデータ等を記憶する。記憶装置6cに記憶されるデータには、例えば、スタッフコール判定処理において用いられる判定基準データ、ゲーム装置10の景品フィールドに載置(補充)される景品に関する情報を含む景品データなどが記憶される。景品データには、景品に固有の景品コードと対応づけて、例えば外観、外形、質量、材質、特徴(重量配分など)、価格の情報を含むことができる。
【0036】
表示装置6eは、CPU6aによる処理に応じた画面をLCD(Liquid Crystal Display)等のディスプレイに表示させる。
入力装置6dは、CPU6aによる各種処理に応じたデータや指示を、キーボードやマウスなどの入力デバイスを通じて入力する。
通信装置6fは、CPU6aの制御のもとで、ネットワーク4を介したサーバ2や他の店舗システム5-2,…,5-xなどを含む外部装置、及びスタッフコールシステム7との間の無線通信を実行する。
【0037】
マイク6gは、例えば管理者などによるスタッフコールシステム7を通じてスタッフに送信する音声メッセージのための音声を入力するために用いられる。
【0038】
図4は、本実施形態における店舗サーバ6とスタッフコールシステム7の関係を示す図である。
店舗サーバ6は、例えばスタッフコールシステム7の出力装置7A、電子機器7B1,7B2,…,7Bmのそれぞれと通信により、スタッフに対して店舗運営のために必要な情報を出力させるためのデータを送信する。店舗サーバ6と出力装置7Aとは、有線通信あるいは無線通信を実行し、店舗サーバ6と電子機器7Bとは、無線通信を実行するものとする。
【0039】
出力装置7Aは、店舗サーバ6から受信したデータをもとに、ディスプレイ7A1における情報の表示、スピーカ7A2からの音声出力を実行する。
【0040】
電子機器7B1,7B2,…,7Bmは、スタッフのそれぞれにより装着あるいは所持されるため、少なくとも店舗内の何れにスタッフが移動したとしても、店舗サーバ6との通信が可能な通信機能が設けられる。電子機器7B1,7B2,…,7Bmは、店舗サーバ6から受信したデータをもとに、ディスプレイ7C3における情報の表示、スピーカ7C2からの音声出力を実行する。
【0041】
また、電子機器7B1,7B2,…,7Bmは、機器に実装された入力デバイス、例えばマイク7C1~入力されたスタッフからの音声をデータ化して、店舗サーバ6に対して送信することができる。また、電子機器7B1,7B2,…,7Bmは、他の入力デバイス(タッチパネル、キーボードなど)を通じてスタッフの操作により入力されたデータを、店舗サーバ6に対して送信することができる。
【0042】
スタッフコールシステム7を通じてスタッフに提供される情報には、例えば景品の状態変化あるいは異常発生が検出されたゲーム装置10を示す装置番号、景品の状態変化の内容(景品払い出し、景品置き換え)、異常発生の内容(動作異常、不正操作、顧客呼び出し)などがある。
【0043】
なお、
図4では、スタッフコールシステム7(出力装置7A、電子機器7B)は、店舗サーバ6と無線通信をするとしているが、複数のゲーム装置10とのそれぞれとの間で無線通信を実行可能としても良い。すなわち、ゲーム装置10は、景品の状態変化及び異常発生(エラー)を検出した場合に、出力装置7Aあるいは電子機器7Bに対して、店舗サーバ6を介さないで、直接、通知するようにしても良い。
【0044】
また、出力装置7Aは、複数の電子機器7Bの親機として動作するようにしても良い。例えば、出力装置7Aは、店舗サーバ6から電子機器7Bに対して通知すべき情報のデータを受信し、このデータをもとに出力装置7Aに対して無線通信により情報を配信する。また、出力装置7Aは、電子機器7Bからのデータを受信し、店舗サーバ6に転送する。
【0045】
図5は、本実施形態におけるゲーム装置10(クレーンゲーム装置)の外観構成を示す斜視図、
図6は、本実施形態におけるゲーム装置10の正面図である。
図5及び
図6に示すゲーム装置10は、上部筐体12と下部筐体13とから構成されている。上部筐体12は、筐体外周面の例えば前面と側面が透明スクリーン15により覆われている。透明スクリーン15は、プロジェクタにより投影された映像を映し出すためのスクリーンである。透明スクリーン15は、映像が投影されていない場合や、映像が投影されていても投影された映像の暗い範囲において、スクリーンの背面にあるものが透過して見える特徴を有している。従って、透明スクリーン15に対して映像が投影されていない場合(あるいは映像が投影されていない範囲からは)、透明スクリーン15を通じて筐体内部の景品が載置される景品フィールド16L,16Rが視認できるようになっている。
【0046】
透明スクリーン15は、例えばガラスタイプ、パネルタイプ、フィルムタイプなどがある。ガラスタイプには、例えば2枚のガラスに特殊なフィルムを封入し、フィルムに印加する電圧の制御により透明モードとスクリーンモードに切り替え可能とする構造、あるいはガラス面に特殊な加工を施して映像の投影を可能にする構造がある。パネルタイプには、例えばパネルに映像を映し出す素材を練り込んだ構造がある。フィルムタイプには、例えば既存のガラス面に映像を映し出すことができる特殊な透明フィルムを貼り付けた構造がある。
【0047】
本実施形態におけるゲーム装置10は、同時に2人のプレーヤがゲームを実施することができるように、2つのゲームユニット(左側ユニット10L、右側ユニット10R)が搭載されている。左側ユニット10Lと右側ユニット10Rとは、基本的に、中央の境界線において左右対称に構成されているものとする。2つのゲームユニットの景品フィールド16L,16Rは、仕切板(図示せず)によって区分されている。仕切板により区分された2つの景品フィールド16L,16Rには、それぞれ景品を積載することができる。
【0048】
また、景品フィールド16L,16Rは、それぞれ景品落とし口16Ld,16Rdが形成され、景品落とし口16Ld,16Rd以外の部分が景品を載置することができる平面部となる。景品フィールド16L,16Rの下方部には、それぞれ景品落とし口16Ld,16Rdから落下した景品を、下部筐体13の前面側に設けられた景品取出口21L,21Rに誘導するための景品誘導空間が設けられている。
【0049】
景品フィールド16L,16Rの上方には、利用者による入力操作に応じて動作が制御されるクレーンアーム(キャッチャー)18L,18Rが設けられている。上部筐体12内の景品フィールド16L,16Rの上方には、それぞれクレーンアーム18L,18Rを、例えばX軸方向、Y軸方向、及びZ軸方向(上下方向)に移動させるためのクレーン機構部(図示せず)が設けられている。クレーン機構部は、例えば、コンパネ(コントロールパネル)部23(23L,23R)に設けられた複数のボタン24L,24R(例えば、横移動ボタン、縦移動ボタン、降下ボタン)へのプレーヤ操作に応じて制御される。なお、コンパネ部23L,23Rには、ボタンだけでなく、プレーヤにより上下左右の方向を指示できるジョイスティックなどの入力デバイスを設けた構成としても良い。クレーンアームの先端部には、景品を把持するためのアーム(把持爪)18La,18Raが設けられており、下降されて景品に到達した位置で、閉じる(物を把持する)ように動作が制御される。
【0050】
また、上部筐体12の内部の奥面には、景品ディスプレイ用のネットや景品を引っかけることができるフックを取り付け可能にしている。ネットやフックは、例えば奥面上部において水平方向に配設されたレールに取り付けられるようにして、レールに沿って左右方向に移動可能にする。ネットやフックを利用して景品を展示することで、ユーザにゲーム装置10の利用をアピールすることができる。
【0051】
下部筐体13の正面側には、景品取出口21L,21R、フロントメンテドア22、プレーヤによって操作が行われるコンパネ部23(23L,23R)が設けられている。
【0052】
景品取出口21L,21Rは、筐体内(景品フィールド)から景品を外部に取り出すためのもので、景品フィールド16L,16Rの下方部に設けられた景品誘導空間と連通している。複数のボタン24L,24Rに対する入力操作によりクレーンアーム18L,18Rの動作を制御し、景品を景品落とし口16Ld,16Rdに落下させることにより、景品取出口21L,21Rから景品を取り出すことができる。
【0053】
フロントメンテドア22は、下部筐体13の内部に収容された制御ユニット(制御PCB(Print Circuit Board))やその他の機構部に対して作業をするような場合に、管理者によって開放させることができる。また、フロントメンテドア22の内部には、収納スペースが設けられており、補充用の景品などを収容しておくことができる。
【0054】
コンパネ部23L,23Rは、左側ユニット10Lと右側ユニット10Rのそれぞれにおいて、上部筐体12の下端位置に合わせて、下部筐体13の前方向に水平に突出して形成されている。コンパネ部23L,23Rは、上面が水平面となっており、クレーンアームを動作させるためにプレーヤにより操作される複数のボタン24L,24R、コインが投入されるコイン投入口26L,26R等がそれぞれ実装される。また、ゲーム実行中の効果音や音楽、メッセージ音声などを出力するためのスピーカ28が設けられている。さらに、コンパネ部23L,23Rには、透明スクリーン15に対して、筐体前面側から映像を投影(フロント式投影)するプロジェクタを実装することができる。
【0055】
また、本実施形態におけるゲーム装置10には、管理者がゲーム装置10に対して各種設定をするための設定機器(
図7に示す設定機器29)が設けられている。設定機器29は、例えば、ゲーム装置10の本体筐体から着脱可能な可搬型に構成されている。設定機器29は、各種設定のための操作をする場合には、収納部から取り出して、ゲーム装置10と近接した位置で手に保持した状態で取り扱うことができる。設定機器29は、ゲーム装置10の筐体内に収納された制御ユニットと、例えばケーブルや無線通信(無線LANなど)によって接続される。設定機器29は、左側ユニット10Lと右側ユニット10Rのそれぞれに対する各種設定を個別にすることができるものとする。
【0056】
設定機器29には、各種設定操作をするために表示装置及び入力装置が設けられる。表示装置としては、液晶ディスプレイ等が設けられる。また、入力装置として、ボタン、キーボード、タッチパネル、光学スキャナなどが必要に応じて設けられる。設定処理では、例えば、景品フィールドに載置される景品の種類に応じたペイアウト率の設定、ペイアウト率調整のためのクレーンアームの把持強度の調整、クレーンアームに装着された爪の形状、本数、サイズなどの爪仕様設定、光学スキャナによる景品に付されたバーコードなどの読み取り等による景品の登録、景品フィールドに景品を載置する形態(景品フィールド上、台上、棒渡し上、吊り下げなど)、落とし口仕様設定(景品落とし口の位置、サイズ、形状など)、景品補充時の景品フィールドに景品を載置する位置の提示(プロジェクタによる載置場所を表す画像の投影指示)などが実行される。
【0057】
本実施形態におけるゲーム装置10は、
図6に示すように、透明スクリーン15に対して、複数の領域15LU,15LD,15RU,15RD,15Mのそれぞれに個別に映像を投影できるようにしている。
【0058】
領域15LUと領域15LDは、主に左側ユニット10Lに対する制御に応じて映像の投影が制御される領域である。領域15RUと領域15RDは、主に右左側ユニット10Rに対する制御に応じて映像の投影が制御される領域である。領域15LUと領域15RUは、透明スクリーン15の上部に配置されており、上部スクリーンとして使用される。上部スクリーンに対して投影される映像は、ゲーム装置10を利用している利用者がいる場合であっても、ゲーム装置10から離れた位置でも視認可能である。領域15LDと領域15RLDは、透明スクリーン15の下部に配置されており、下部スクリーンとして使用される。下部スクリーンは、コンパネ部23に近接されており、例えばコンパネ部23に対する入力操作のガイド(メッセージやメニューなど)を表示させることができる。領域15Mは、透明スクリーン15の中央部の広い範囲に配置されており、中央スクリーンとして使用される。中央スクリーンは、主にゲーム装置10(左側ユニット10L,右側ユニット10R)においてゲームが実施されていない場合に映像が投影される領域である。複数の領域15LU,15LD,15RU,15RD,15Mは、それぞれ個別に異なる映像が投影されても良いし、何れかの領域を組み合わせた範囲に1つの映像が投影されても良い。
【0059】
また、ゲーム装置10は、景品の状態変化あるいは異常発生が検出された場合に、店舗サーバ6あるいはスタッフコールシステム7(出力装置7A、電子機器7B)に通知すると共に、スタッフに通知済みであることを顧客に知らせるメッセージなどを透明スクリーン15に表示させることができる。例えば、ゲーム装置10は、上部スクリーン(領域15RU、領域15RD)において「スタッフ呼び出し中」などを表示して顧客に知らせると共に、スタッフに対して発信元のゲーム装置10を識別し易くすることができる。なお、上部スクリーンに限らず、他の領域に対して、メッセージ等を表示させるようにしても良い。
【0060】
透明スクリーン15に映像を投影するプロジェクタは、少なくとも1台が設けられ、少なくとも1つの領域に対して映像(画像)を投影するものとする。例えば、プロジェクタを上部筐体12の内部の奥面に設け、複数の領域15LU,15LD,15RU,15RD,15Mの全てを含む領域(全スクリーン)、あるいは領域15M(中央スクリーン)で映像を投影する。この場合、プロジェクタは、複数の領域15LU,15LD,15RU,15RD,15Mの個々に投影する映像の内容を変更することができる。また、プロジェクタは、複数の領域15LU,15LD,15RU,15RD,15Mの何れかを組み合わせた領域毎に映像を投影するようにしても良い。
【0061】
また、プロジェクタは、領域15LU,15LD,15RU,15RD,15Mのうち特定の領域にのみ映像を投影するようにしても良い。また、プロジェクタは、例えば上部筐体12の内部に設けて、透明スクリーン15の背面から映像を投影するリア式として構成しても良いし、コンパネ部23Rの上面に設けて、透明スクリーン15の前面から映像を投影するフロント式として構成しても良い。
【0062】
なお、前述したプロジェクタの設置位置は一例であって、透明スクリーン15に映像を投影することができれば、その他の位置に設置されても良い。また、
図6では、ゲーム装置10の前面に設けられた透明スクリーン15に映像を投影する構成について示しているが、側面に対して透明スクリーン15を設けて、この透明スクリーン15に対して映像を投影するプロジェクタを設けるようにしても良い。
【0063】
さらに、プロジェクタは、ゲーム装置10の景品フィールドの上方(筐体内天井部など)に設置して、景品フィールドに対して映像(画像)を投影するようにしてもよい。例えば、景品フィールドに景品を補充するための設定処理の際に、サーバ2におけるゲームデータ管理処理により生成された判定基準データをもとに、設定されたペイアウト率に応じた景品の載置場所を表す画像をプロジェクタから景品フィールドに投影する。スタッフは、景品フィールドに投影された画像に合わせて景品を載置する。これにより、ペイアウト率に応じた適切な、取りやすい、あるいは取りにくい位置に景品を載置できる。
【0064】
図7は、本実施形態におけるゲーム装置10の機能構成を示すブロック図である。
図7に示すように、ゲーム装置10の筐体内部には、各種ユニットが実装された制御PCB(Print Circuit Board)68が設けられている。制御PCB68に実装されたユニットには、CPU70、RAM71、記憶装置72、入出力処理ユニット73、投影制御部74、モータ駆動部76、アーム駆動部77、及び通信制御部78を含む。
【0065】
CPU70は、RAM71あるいは記憶装置72に記憶された制御プログラムやゲームプログラムを実行することにより、ゲーム装置10全体を制御する。CPU70は、入出力処理ユニット73を介して入力されるコイン投入の検知信号に応じて、プレイ可能回数を示すクレジットデータをRAM71に記録する。また、CPU70は、ゲーム実行時には、入出力処理ユニット73を介して入力されるプレーヤによる入力操作による指示に応じて、モータ駆動部76及びアーム駆動部77を制御して機構部69の各部を適宜動作させてクレーンアームの動きを制御する。また、CPU70は、入出力処理ユニット73を通じて入力される各種データをもとに、景品の状態変化及び異常発生(エラー)の検出、景品の状態変化あるいは異常発生を示す通知の出力制御、プロジェクタ80(80-1,…,80-n)による映像の投影を制御する。また、CPU70は、入出力処理ユニット73を通じて、スピーカ28からの音声出力の制御、設定機器29に対する操作に応じた設定処理等を実行する。さらに、CPU70は、景品フィールド16L,16Rに載置される景品を管理するための景品管理処理を実行する。景品管理処理では、景品フィールド16L,16Rに補充された景品を含む景品フィールド、及びゲーム実施後の景品フィールドを撮影することで、景品の状態変化の有無を判別するためのゲーム実施結果データを生成する(
図9参照)。また、景品管理処理では、ゲーム実行中のプレーヤによる入力操作による指示に応じたモータ駆動部76及びアーム駆動部77による制御に基づいて、クレーンアームの制御内容を示すクレーンアーム制御データを生成して記憶する。クレーンアーム制御データは、例えばX軸方向、Y軸方向、及びZ軸方向(上下方向)の移動方向、移動量、移動時間などを示す。
【0066】
RAM71は、制御プログラムやゲームプログラム等の各種プログラムの他、CPU70により実行される処理に伴うゲームを制御するための各種データを一時的に記憶する。RAM71に記録されるデータには、例えばプレイ可能回数を示すクレジットデータ、クレーンアームの位置(X位置、Y位置)を示す位置データ、景品に付されたバーコード等から読み取られた景品コード、カメラ88によって撮影された画像データ、画像データをもとに識別される景品フィールドに載置された景品の状態を示す景品載置状態データ(ゲーム実施前後の景品の位置、向きを含む)、及び景品の種類、ゲーム実施前後の景品の変化(位置、向き)、景品払い出しの有無を示すデータを含むゲーム実施結果データ等が含まれる。
【0067】
記憶装置72は、ROMやハードディスク等の不揮発性の記憶媒体にプログラムやデータを記憶する。記憶装置72は、例えばプロジェクタ80により投影される映像データ、景品載置状態データ、ゲーム実施結果データ等が記憶される。ゲーム実施結果データは、クレーンアームにより景品が取りにくい、あるいは取れない位置や向きなど、景品の状態変化を判定するために参照され、さらに景品の状態変化を判定する判定基準データを生成するための学習処理に用いられる。
【0068】
入出力処理ユニット73は、制御PCB68の外部に設けられた各種入出力デバイスとのインタフェースである。投影制御部74は、CPU70からの指示に応じて投影制御部74を制御し、プロジェクタ80により映像を投影させる。モータ駆動部76は、機構部69に設けられたモータ82の駆動を制御する。アーム駆動部77は、クレーンアームに設けられたアームを開閉させるためのアームモータ83の駆動を制御する。通信制御部78は、CPU70の制御のもとで、店舗サーバ6との通信を制御する。また、通信制御部78は、ゲーム装置10との間で無線通信を実行可能とする。
【0069】
機構部69は、例えば左側ユニット10Lと右側ユニット10Rのそれぞれに設けられる。機構部69は、
図7に示すように、プロジェクタ80(80-1,…,80-n)、モータ82、アームモータ83、景品検知センサ84、カメラ88、及びエラー検知センサ89等が含まれる。
【0070】
プロジェクタ80(80-1,…,80-n)は、少なくとも1台が設けられる。プロジェクタ80は、投影制御部74の制御により映像データをもとに、透明スクリーン15あるいは景品フィールドに対して映像(画像)を投影する。
【0071】
モータ82は、モータ駆動部76により駆動されるもので、クレーンアームをX軸方向(横方向)に移動させるX軸モータ、Y軸方向(縦方向)に移動させるY軸モータ、Z軸方向(上下方向)に移動させるZ軸モータを含む。アームモータ83は、アーム駆動部77により駆動されるもので、クレーンアームのアームを開閉させる。
景品検知センサ84は、景品フィールドに設けられた景品落とし口から落下された景品、すなわちクレーンアームの操作によりプレーヤに払い出された景品を検知するためのセンサである。
【0072】
カメラ88は、景品フィールドに載置された景品を含む画像を撮影するためのもので、例えば景品フィールド16L,16Rの上方(例えば、ゲーム装置10の筐体内天井)に取り付けられる。
【0073】
エラー検知センサ89は、クレーンアーム18L,18Rを動作される機構の他、各部において異常発生(エラー)を検出するためのセンサである。
【0074】
コンパネ部23Lには、
図7に示すように、コイン投入口26L、コイン投入センサ86、横移動ボタン24La、縦移動ボタン24Lb、降下ボタン24Lc、人感センサ24Ldが設けられる。なお、コンパネ部23Rは、コンパネ部23Lと同様に構成されるものとして説明を省略する。
コイン投入センサ86は、コイン投入口26Lから投入されたコインを検知して、入出力処理ユニット73に、コイン投入を示す検知信号を出力する。CPU70は、入出力処理ユニット73に入力された検知信号に応じて、プレイ可能回数を示すクレジットデータを記録する。
【0075】
横移動ボタン24Laは、プレーヤによるクレーンアームを横方向(X軸方向)に移動させる指示を入力するためのものである。横移動ボタン24Laは、プレーヤにより押下されている場合、押下された状態にあることを示す信号を入出力処理ユニット73に出力する。CPU70は、入出力処理ユニット73を通じて横移動ボタン24Laが押下されていることを検知すると、モータ駆動部76を介してX軸モータを駆動してクレーンアームを横方向(X軸方向)に移動させる。CPU70は、横移動ボタン24Laが押されていない場合には、X軸モータ80の駆動を停止させる。
【0076】
縦移動ボタン24Lbは、プレーヤによるクレーンアームを縦方向(Y軸方向)に移動させる指示を入力するためのものである。縦移動ボタン24Lbは、プレーヤにより押下されている場合、押下された状態にあることを示す信号を入出力処理ユニット73に出力する。CPU70は、入出力処理ユニット73を通じて縦移動ボタン24Lbが押下されていることを検知すると、モータ駆動部76を介してY軸モータを駆動してクレーンアームを縦方向(Y軸方向)に移動させる。CPU70は、縦移動ボタン24Lbが押されていない場合には、Y軸モータ1の駆動を停止させる。
【0077】
降下ボタン24Lcは、プレーヤによるクレーンアームに対して景品取得シーケンスを開始させる指示を入力するためのものである。降下ボタン24Lcは、プレーヤにより押下されると、押下されたことを示す信号を入出力処理ユニット73に出力する。CPU70は、入出力処理ユニット73を通じて降下ボタン24Lcが押下されたことを検知すると、景品取得シーケンスとして、モータ駆動部76を介してクレーンアームの先端部が景品に到達する位置まで下降させ、アーム駆動部77を通じてアームに景品を掴む動作をさせた後、クレーンアームを上昇させる。
【0078】
人感センサ24Ldは、ゲーム装置10の前面方向に人などがいることを検知するためのセンサである。人感センサ24Ldは、例えばコンパネ部23から所定の範囲(例えば1m程度)内に移動物体がいることを検知して、CPU70に対して検知信号を出力する。
【0079】
なお、設定機器29は、管理者がゲーム装置10に対して各種設定をするために使用されるもので、例えば各種の設定操作を入力するための複数のボタン(選択ボタン、決定ボタン、上下左右ボタン等)、各種設定画面等を表示するためのディスプレイ等が実装されている。なお、設定機器29により設定操作がされる場合、CPU70は、設定画像をプロジェクタ80により透明スクリーン15に投影させて、この設定画像に応じた入力操作に応じて各種設定をできるようにしても良い。
【0080】
なお、透明スクリーン15が電圧を印加する制御により透明モードとスクリーンモードに切り替え可能な構成とする場合には、CPU70の制御により透明スクリーン15のモード(電圧の印加)を切り替えるための制御回路(図示せず)が制御PCB68にさらに実装されるものとする。
【0081】
次に、本実施形態におけるゲームシステムの動作について説明する。
ゲーム装置10は、プレーヤ操作によりゲームが実施され、景品が景品落とし口16Ld,16Rdに落下されると、景品検知センサ84により景品の払い出しが検知される。ゲーム装置10は、景品が払い出されたことを店舗サーバ6に通知する。
【0082】
店舗サーバ6は、ゲーム装置10からの景品払い出しの通知に応じて、通知元のゲーム装置10を識別する装置番号と共に景品払い出しが発生したことを通知するためのデータをスタッフコールシステム7(出力装置7A、電子機器7B)に送信する。例えば、店舗サーバ6は、出力装置7Aと全ての電子機器7Bに対してデータを送信しても良いし、出力装置7Aと電子機器7B、また複数の電子機器7Bのうちの一部に対してのデータを送信するようにしても良い。さらに、店舗サーバ6は、通知元のゲーム装置10を担当するスタッフが予め決められている場合には、該当するスタッフが所持している電子機器7Bを判別して、この電子機器7Bのみにデータを送信するようにしても良い。
【0083】
また、ゲーム装置10は、エラー検知センサ89による検出などにより異常発生(エラー)が検出されると、例えば異常対象を示すデータと共に異常発生を店舗サーバ6に通知する。
【0084】
店舗サーバ6は、ゲーム装置10からの異常発生の通知に応じて、通知元のゲーム装置10を識別する装置番号と共に異常発生と異常発生の内容を通知するためのデータをスタッフコールシステム7(出力装置7A、電子機器7B)に送信する。なお、スタッフコールシステム7に含まれる出力装置7Aと電子機器7Bの何れにデータを送信するかは、前述した景品払い出しの場合と同様にして設定することが可能である。
【0085】
また、ゲーム装置10は、景品払い出しの通知あるいは異常発生の通知を店舗サーバ6(あるいはスタッフコールシステム7)に送信した場合、例えばプロジェクタ80により透明スクリーン15に対して、例えば「景品補充準備中」「異常発生のためスタッフ呼び出し中」などのメッセージを投影させる。これにより、プレーヤに対してゲーム装置10の状況と、スタッフによって直ちに対応がされることを伝えることが可能となる。従って、ゲーム装置10を利用しようとするユーザが離れていくことを回避して、ゲーム利用の機会を失うことがないようにできる。
【0086】
図8は、本実施形態における出力装置7Aあるいは電子機器7Bにおけるスタッフコール処理を示すフローチャートである。ここでは、電子機器7Bの場合について説明する。
【0087】
電子機器7Bは、ゲーム装置10からの通知を(ゲーム装置10を介して)受信すると(ステップA1、Yes)、通知の内容を判別する。ここで、景品払い出しの通知である場合には(ステップA2、Yes)、電子機器7Bは、ディスプレイにおいて、スタッフに景品補充を要求する景品補充メッセージを表示させる(ステップA3)。景品補充メッセージには、例えば景品払い出しが検出されたゲーム装置10を識別する装置番号などの情報を含める。
【0088】
また、電子機器7Bは、スタッフに景品補充を要求する景品補充メッセージを音声によって出力する(ステップA4)。音声による景品補充メッセージは、ディスプレイに表示されたメッセージと同等の情報が含まれるものとしても良いし、一部の情報のみとしても良い。
【0089】
また、電子機器7Bは、ゲーム装置10から異常発生の通知を受信した場合には(ステップA5、Yes)、ディスプレイにおいて、スタッフに異常発生を通知するエラー発生メッセージを表示させる(ステップA6)。エラー発生メッセージには、例えば異常が発生したゲーム装置10を識別する装置番号、異常発生の内容(動作異常、不正操作、顧客呼び出し)などの情報を含める。
【0090】
また、電子機器7Bは、スタッフに異常発生を通知するエラーメッセージを音声によって出力する(ステップA7)。音声によるエラー発生メッセージは、ディスプレイに表示されたメッセージと同等の情報が含まれるものとしても良いし、一部の情報のみとしても良い。
【0091】
なお、電子機器7Bが出力デバイスとしてディスプレイが設けられていない場合には、景品払い出しと異常発生の何れの場合も音声出力のみが実行される。また、電子機器7Bは、実装された出力デバイスに応じた出力形態によってスタッフに対して通知をするようにしても良い。
【0092】
また、電子機器7Bは、ゲーム装置10からの通知に応じて、メッセージ確認のための音声や入力デバイスに対する操作に応じたデータを入力し、店舗サーバ6(あるいはゲーム装置10)に送信することができる。
【0093】
なお、前述した説明では、電子機器7Bを対象としているが、出力装置7Aでは、ゲーム装置10からの通知に応じて、ディスプレイにおけるメッセージの表示、スピーカからの音声メッセージの出力をすることができる。
【0094】
こうして、ゲーム装置10からの通知に応じて、直ちに、スタッフコールシステム7(出力装置7A、電子機器7B)を通じて、スタッフに対して景品取り出しの発生や異常発生が通知されるので、スタッフによりゲーム装置10に対する素早い対応が可能となる。従って、ユーザによるゲーム利用の機会を失うことを防ぐことが可能となる。
【0095】
なお、前述した説明では、景品の状態変化として、ゲーム装置10において景品払い出しが発生した場合について説明しているが、本実施形態におけるゲームシステムでは、ゲーム装置10においてゲームが実行されることで、景品が特定の位置や向きへ置き換えられた場合にも、景品払い出しの場合と同様にして、スタッフコールシステム7を通じてスタッフに対して景品置き換えを通知する。
【0096】
通常、ゲームの実行に伴って景品フィールドに載置された景品の位置や向きが変更されたとしても、異常(エラー)状態ではないため、そのまま継続して、次のゲームが実施される。しかし、当初、スタッフによって、景品フィールドの取りやすい位置に景品が載置されていても、ゲームの実施により景品が移動されて、クレーンアームにより景品が取りにくい、あるいは取れない位置や向きとなる可能性がある。この場合、プレーヤは、景品が取りにくい、あるいは取れない位置や向きになっているにも関わらずゲームをすることになる。従って、繰り返してゲームを実施しても景品が取得できないことから不信感を持ち、それ以降、ゲーム利用をしなくなってしまうおそれがある。
【0097】
本実施形態のゲームシステムでは、景品の状態変化として、特定の通知対象とする位置や向きへの置き換えを検出し、この検出に応じてスタッフコールシステム7を通じてスタッフに通知することで、景品を取りやすい位置に置き直させるなどの対処ができるようにする。本実施形態では、例えばゲーム装置10の景品が載置された景品フィールドをカメラ88により撮影し、この撮影された画像をもとに、景品が特定の通知対象とする位置や向きへ置き換えられたかを判別する。以下、景品の状態変化として景品置き換えを検出するための動作について説明する。
【0098】
図9は、本実施形態におけるゲーム装置10の景品管理処理の動作を示すフローチャートである。
ゲーム装置10において景品を補充する場合、スタッフの設定機器29に対する操作によって補充する景品が登録される。ゲーム装置10のCPU70は、設定機器29に対する操作によって景品の補充が指示されると(ステップB1、Yes)、景品の登録モードに移行する。CPU70は、登録モードにおいて、例えば景品のそれぞれに固有の景品コードを入力して(ステップB2)、RAM71あるいは記憶装置72に記憶させる(ステップB3)。景品コードの入力は、例えば景品に取り付けられたバーコードなどのコード画像の光学スキャナなどによる読み取り、あるいは景品毎に決められた英数文字列などの入力により行われる。ここでは、景品フィールドに載置される景品の種類毎に景品コードが入力されるものとする。
【0099】
景品コードの入力完了が設定機器29の操作によって指示されると、CPU70は、景品が載置された景品フィールド(ゲーム前フィールド)の画像をカメラ88によって撮影させる(ステップB4)。CPU70は、カメラ88によって撮影された画像に対する画像認識処理によって、景品フィールドに載置された景品を識別する。例えば、CPU70は、画像認識処理によって、景品フィールド上の各景品が載置された位置と向き、各位置に載置された景品の種類を判別する。
【0100】
CPU70は、画像認識処理によって判別された景品の位置、向き、種類を示すゲーム前景品載置状態データを生成して記憶装置72に記憶させる(ステップB5)。CPU70は、景品補充の終了が設定機器29に対する操作によって指示されると(ステップB6、Yes)、景品の登録モードを終了する。
【0101】
また、ゲーム装置10のCPU70は、プレーヤ操作に応じてゲームが実施された場合(ステップB7、Yes)、ゲーム実施中のプレーヤの操作によるクレーンアームの制御内容を示すクレーンアーム制御データを記憶する(ステップB8)。また、CPU70は、ゲームが終了した後、ゲーム終了後の景品が載置された景品フィールド(ゲーム後フィールド)の画像をカメラ88によって撮影させる(ステップB9)。CPU70は、景品補充時と同様にして、カメラ88によって撮影された画像に対する画像認識処理によって、景品フィールドに載置された景品を識別し、景品フィールド上の各景品が載置された位置と向き、各位置の景品の種類を判別する。
【0102】
CPU70は、画像認識処理によって判別された景品の位置、向き、種類を示すゲーム後景品載置状態データを生成して記憶装置72に記憶させる(ステップB10)。CPU70は、先に記憶装置72に記憶させたゲーム前景品載置状態とゲーム後景品載置状態データをもとに、ゲーム実施結果データを生成して、クレーンアーム制御データと共に店舗サーバ6に送信する(ステップB11)。ゲーム実施結果データには、例えば景品の種類、ゲーム実施前後の景品の変化(位置、向き)、及び景品払い出しの有無を示すデータなどを含む。また、CPU70は、ゲーム実施結果データ及びクレーンアーム制御データと共に、設定機器29により設定された装置設定内容、例えばクレーンアームの把持強度、クレーンアームに装着された爪の仕様設定(形状、本数、サイズなど)、景品フィールドに景品を載置する形態(景品フィールド上、台上、棒上、吊り下げなど)を店舗サーバ6に通知する。
【0103】
図10は、本実施形態における店舗サーバ6のスタッフコール判定処理を示すフローチャートである。
店舗サーバ6のCPU6aは、ゲーム装置10からゲーム実施結果データを受信すると(ステップC1)、ゲーム実施結果データを記憶装置6cに記憶させる。CPU6aは、ゲーム実施結果データの景品払い出しの有無を示すデータをもとに、ゲーム実施前後で景品フィールドに載置された景品の数が変化しているかを判別する。ここで、景品の数が変化していると判別される場合、CPU6aは、景品払い出しが発生したものと判別して、スタッフコールシステム7に対して景品払い出し発生を通知する。
【0104】
なお、前述した説明では、ゲーム装置10における景品払い出し発生は、景品検知センサ84により検知するとしている。従って、店舗サーバ6は、景品検知センサ84による検知に応じた景品払い出し発生が通知される場合には、ゲーム実施結果データをもとにした景品払い出しの発生を判別するための処理を省くことができる。
【0105】
また、CPU6aは、ゲーム実施結果データをもとに、景品が取れない(景品を景品落とし口まで搬送できない)位置に移動されたかを、景品の状態変化を判定する判定基準データをもとに判別する(ステップC5)。判定基準データは、例えばサーバ2において、複数の店舗システム5に設置されたゲーム装置において実行されたゲーム実施結果を示すゲーム実施結果データを集計し、後述する学習処理(機械学習)により生成される(
図12参照)。店舗サーバ6は、景品の状態変化を判定するために、予めサーバ2から判定基準データを受信して記憶している。判定基準データは、例えば景品コードと対応づけて、景品の種類に応じて作成されている。従って、景品の補充時に識別された景品の種類に応じた、判定基準データを用いて判定を実行する。
【0106】
判定基準データをもとにした判定では、例えば、ゲーム終了後の現在の景品の位置と類似した、過去に実施されたゲーム実施結果を参照し、現在の景品の位置の場合に景品払い出しの確率が0%の場合に、景品が取れない位置に移動されたものと判別する。
【0107】
景品が取れない位置に移動されたものと判別された場合(ステップC6、Yes)、CPU6aは、景品が取れない位置に移動されたことを、装置番号などの情報とともにスタッフコールシステム7に対して通知する(ステップC9)。スタッフコールシステム7(出力装置7A、電子機器7B)は、店舗サーバ6からの通知に応じて、景品置き直しメッセージ出力させる。従って、直ちに、スタッフに対して、景品を取れる位置に置き直すように促すことができる。
【0108】
図11は、本実施形態におけるゲーム装置10の景品フィールドに載置された景品の一例を示す図である。
図11(A)(B)における範囲ARは、クレーンアームを移動可能な範囲を示している。
【0109】
例えば、
図11(A)に示すように、景品P1が範囲ARに大部分が含まれる位置にある場合には、クレーンアームによる保持が比較的容易であり、景品落とし口16Ldまで搬送されやすい。こうした場合には、判定基準データをもとにした判定により、景品払い出しの確率が0%とならないため、景品が取れない位置に移動されたと判定されない。
【0110】
一方、例えば、
図11(B)に示すように、景品P2が範囲ARの外部に多く含まれる位置にある場合には、クレーンアームによる景品に対する操作が困難であり、景品落とし口16Ldまで搬送されにくい。
図11(B)に示す位置(あるいは近傍位置)に景品P2がある場合には、過去に景品落とし口16Ldまで搬送されたことがなければ、そのゲーム実施結果データに応じた判定基準データが学習処理により作成される。従って、判定基準データをもとにした判定により、景品払い出しの確率が0%となるため、景品が取れない位置に移動されたと判定される。
【0111】
また、CPU6aは、景品払い出しの確率が0%ではないが、景品が取りにくい位置に移動されたかを、判定基準データをもとに判別する(ステップC7)。すなわち、前述と同様にして、ゲーム終了後の現在の景品の位置と類似した、過去に実施されたゲーム実施結果を参照し、現在の景品の位置の場合に景品払い出しされた確率が予め設定された基準値未満(例えば20%未満)の場合に、景品が取りにくい位置に移動されたものと判別する。
【0112】
景品が取りにくい位置に移動されたものと判別された場合(ステップC8、Yes)、CPU6aは、景品が取りにくい位置に移動されたことを、装置番号などの情報とともにスタッフコールシステム7に対して通知する(ステップC9)。スタッフコールシステム7(出力装置7A、電子機器7B)は、店舗サーバ6からの通知に応じて、景品置き直しメッセージ出力させる。従って、直ちに、スタッフに対して、景品を取れる位置に置き直すように促すことができる。
【0113】
なお、前述した、景品が取りにくい位置に移動されたことを判別するための基準値は、店舗サーバ6あるいはサーバ2において変更可能とする。すなわち、スタッフに対して景品の置き換えが必要とする通知をする基準を変更可能とすることで、店舗運営の状況などに合わせてスタッフへの通知頻度を調整することができる。例えば、少ないスタッフにより多くのゲーム装置10の対応が必要な場合には、スタッフへの通知が必要と判別されにくいように基準値を変更することができる。従って、スタッフに対する作業負担が、スタッフコールシステム7の利用によって過剰に増大するおそれがない。
【0114】
このようにして、ゲーム装置10においてゲームが実施された結果、景品払い出しが発生した場合だけでなく、景品が取れない、あるいは取れにくい位置に移動された場合にもスタッフコールシステム7を通じてスタッフに通知することができる。これにより、スタッフは、常に複数のゲーム装置10の動作状況を把握するために施設内を見回る必要が無く作業負担を軽減することができる。また、スタッフは、スタッフコールシステム7からの通知に応じて、景品フィールドに載置された景品の置き直すなどのメンテナンス作業を速やかに適切に実施することができる。従って、景品が取りにくい位置にあるにも関わらず、顧客が繰り返してゲームを繰り返して実施することでゲームに不信感を持つことを回避することができる。
【0115】
なお、前述した説明では、景品払い出しが発生した場合、景品が取れない、あるいは取りにくい位置に移動された場合に、スタッフコールシステム7を通じてスタッフに通知するとしているが、判定基準データをもとに、もうすぐ景品が払い出される(景品落とし口まで移動される)ことを判別してスタッフに通知するようにしても良い。例えば、複数回のゲームが繰り返して実行された結果、景品が景品落とし口の近くまで移動され、景品が景品落とし口まで移動される(払い出される)ことが確実であると判別される場合(例えば、確率が90%以上)にスタッフに通知する。これにより、プレーヤの操作によって景品が払い出される時にスタッフが立ち会って、プレーヤに対して特別なサービスを提供するなどの対処が可能となる。
【0116】
なお、前述した
図10を用いたスタッフコール判定処理は、店舗サーバ6において実施されるものとしているが、ゲーム装置10において実行されるようにしても良い。すなわち、ゲーム装置10は、店舗サーバ6を通じて判定基準データを受信して、前述と同様にしてスタッフコール判定処理を実行する。ゲーム装置10は、スタッフコール送信が必要と判定された場合には(ステップC4,C6,C8、Yes)、店舗サーバ6あるいはスタッフコールシステム7に通知する(ステップC9)。
【0117】
さらに、前述した
図10を用いたスタッフコール判定処理は、サーバ2において実行されるようにしても良い。すなわち、サーバ2は、店舗サーバ6を通じて、ゲーム装置10において生成されたゲーム実施結果データを受信して、前述と同様にしてスタッフコール判定処理を実行する。サーバ2は、スタッフコール送信が必要と判定された場合には(ステップC4,C6,C8、Yes)、店舗サーバ6に通知する。店舗サーバ6は、サーバ2におけるスタッフコール判定処理の結果に応じてスタッフコールシステム7に通知する。
【0118】
次に、本実施形態におけるサーバ2の学習処理について説明する。
図12は、本実施形態における学習処理を示すフローチャートである。
店舗サーバ6は、店舗システム5に設けられた複数のゲーム装置10のそれぞれから受信されたゲーム実施結果データ、クレーンアーム制御データ、装置設定内容を、所定のタイミング(逐次、あるいは一定時間毎に一括など)でサーバ2に送信する。
【0119】
サーバ2は、各店舗システム5(店舗サーバ6)から、各ゲーム装置10により実施されたゲームのゲーム実施結果データ、クレーンアーム制御データ、及び装置設定内容を受信し(ステップD1)、複数のゲーム実施結果データ、クレーンアーム制御データ、装置設定内容をもとに、学習処理結果として判定基準データと攻略データを作成するための学習処理を実行する(ステップD2)。
【0120】
ゲーム実施結果データには、景品の種類、ゲーム実施前後の景品の変化(位置、向き)、景品払い出しの有無を示すデータなどを含む。サーバ2は、例えば、ゲーム実施結果データが示すゲーム実施前の景品の位置及び向きに対して、クレーンアーム制御データが示すプレーヤの操作方法(プレースタイル)によりゲームを実施した結果、ゲーム後に景品の位置が移動された、あるいは払い出されたことを学習する。これにより、景品フィールドに載置された景品に対して、ゲーム実施の結果による景品の状態変化を判定する(景品が払い出される確率を判定する)ための判定基準データを生成する。
【0121】
図13は、本実施形態における判定基準データを説明するための図である。
図13では、例えば、ある装置設定内容(クレーンアームの把持強度、クレーンアームに装着された爪の仕様設定、景品フィールドに景品を載置する形態(載置形態)、落とし口仕様設定の組み合わせなど)の場合における、1つの判定対象とする景品の種類(景品コード)に対する、景品フィールドにおける景品の位置及び向きのそれぞれに対応する判定基準データを示している。判定基準データは、装置設定内容と景品の種類(景品コード)の組に対してそれぞれに生成される。また、装置設定内容に含まれる、例えば把持強度、爪の仕様設定、載置形態、落とし口仕様設定のそれぞれ異なる設定内容の組み合わせについて、判定基準データを生成することができる。
【0122】
また、サーバ2は、ゲーム後に景品の位置が移動された、あるいは払い出された場合のクレーンアーム制御データが示すプレーヤの操作方法(ボタンやレバーなどの入力操作)を学習する。これにより、ゲーム実施結果データが示すゲーム実施前の景品の位置及び向きに対して、どのようにクレーンアームを制御すれば、景品を何れの位置に移動させることができるか、あるいは景品を景品落とし口まで移動させることができるかを示す攻略データを生成する。
【0123】
また、景品を払い出し口まで移動させるための攻略データは、1回分のゲームにおけるクレーンアームに対する制御内容を示すだけでなく、複数回のゲームにおけるクレーンアームに対する制御内容を示すようにしても良い。例えば、複数回のゲームを実施することにより、景品落とし口まで移動させることが可能な景品について、複数回分のゲームのクレーンアームに対する操作内容を示す攻略データを生成する。また、複数回分のゲームの操作内容を示す攻略データを生成する場合、ゲーム実施結果データが示すゲーム実施前の1つの景品の位置及び向きに対して、プレースタイル(景品を持ち上げて運ぶ、引きずる、倒すなど)が異なる操作内容を組み合わせた、それぞれ異なる操作パターンを表す複数の攻略データを生成することもできる。
【0124】
なお、判定基準データ及び攻略データは、景品フィールドに1つの景品が載置された場合に限らず、複数の景品がある(数、種類がそれぞれ異なる)場合のそれぞれに対応するデータを作成することができる。
【0125】
サーバ2は、例えば、店舗システム5に設置されたゲーム装置10において補充された景品の景品コード、及び装置設定内容のデータを店舗システム5の店舗サーバ6から受信し、景品コードと装置設定内容の組み合わせに応じた判定基準データを店舗システム5(店舗サーバ6)に送信する(ステップD3)。ゲーム装置10では、景品フィールドに景品を補充する際に読み取られた景品コードに対応する判定基準データに基づいて、前述したスタッフコール判定処理を実行する。
【0126】
サーバ2は、複数の店舗システム5のそれぞれに配置された複数のゲーム装置10からゲーム実施結果データを収集するので、精度良く判定可能な判定基準データを生成することができる。また、複数のゲーム装置10において、それぞれゲームが実施される回数頻度が高くなるに従って、より多くのゲーム実施結果データが収集されるため、精度を向上させることができる。
【0127】
さらに、サーバ2は、AI(Artificial Intelligence)技術を利用して、ゲーム装置10において実施されたゲーム結果(ゲーム実施結果データ)だけでなく、景品フィールドの仮想位置に景品が載置された状態を想定した判定基準データを生成することも可能である。例えば、サーバ2は、実際にゲームを実施した結果により得られたゲーム実施結果データと、景品コードが示す景品の特徴、例えば外観、外形、質量、材質、特徴(重量配分)などの情報をもとに、仮想位置の景品に対するゲーム結果を推定し、この推定結果を用いて判定基準データを生成する。これにより、新規に追加された景品など、ゲーム実施結果データが少ない景品についても、精度の高い判定を可能とする判定基準データを生成することが可能となる。
【0128】
また、サーバ2は、判定基準データだけでなく、AI(Artificial Intelligence)技術を利用して、同様にして、景品フィールドの仮想位置に景品が載置された状態を想定したクレーンアーム制御データを生成することも可能である。
【0129】
なお、前述した説明では、判定基準データをスタッフコール判定処理に用いる場合について説明しているが、その他の処理に利用することができる。まず、ゲーム装置10による設定処理において、判定基準データを利用して景品を景品フィールドに補充する場合について説明する。
【0130】
図14は、本実施形態における設定処理を示すフローチャートである。
ゲーム装置10のCPU70は、例えば管理者等の操作により設定機器29に対して所定の入力操作があった場合に設定処理を開始させる。CPU70は、設定機器29に設けられた入力装置に対する操作により設定対象の指定を受け付ける。例えば、CPU70は、ペイアウト率の設定が指示された場合(ステップE1、Yes)、ペイアウト率設定用の画面を表示させ、設定後のペイアウト率の入力を受け付ける。CPU70は、設定後のペイアウト率が入力されると、ペイアウト率を設定(記憶)する(ステップE2)。
【0131】
また、CPU70は、景品の登録が指示された場合(ステップE3、Yes)、景品登録処理を実行する(ステップE4)。景品登録処理は、例えば前述した景品管理処理(
図9)のステップB1~B3と同様にして実行される(詳細な説明については省略する)。
【0132】
また、CPU70は、補充しようとする景品の載置する位置の提示要求が入力された場合(ステップE5、Yes)、例えば補充対象として登録された景品の景品コードと、その時点におけるゲーム装置10の装置設定内容を示すデータを店舗サーバ6に通知する。
【0133】
店舗サーバ6は、景品コードと装置設定内容の組み合わせに対応する判定基準データをサーバ2から受信済みの場合には、該当する判定基準データをゲーム装置10に送信する。また、店舗サーバ6は、景品コードと装置設定内容の組み合わせに対応する判定基準データをサーバ2から受信済みでない場合、サーバ2に問い合わせて、該当する判定基準データを受信して、ゲーム装置10に転送する。
【0134】
ゲーム装置10のCPU70は、判定基準データを受信すると、この判定基準データにおいて設定された現在のペイアウト率(設定ペイアウト率)の設定に応じたゲーム回数を判別する。すなわち、CPU70は、判定基準データに設定されたゲーム回数と1回分のゲーム料金から1つの景品が払い出されるまでの収入予定額(ペイ)を算出し、景品コードと対応づけて登録された景品の価格(アウト)との比から、各ゲーム回数についての予想ペイアウト率を算出することができる。CPU70は、設定ペイアウト率に最も近い予想ペイアウト率を判別し、この予想ペイアウト率の算出に用いたゲーム回数と対応づけられた景品の位置及び向きのデータを判定基準データから検索する。CPU70は、判定基準データから検索した景品の位置及び向きのデータをもとに、プロジェクタ80により景品フィールドに対して景品の位置及び向きを示す画像を投影させる(ステップE6)。
【0135】
図15は、ゲーム装置10の景品フィールド16Lに対して、景品フィールド16Lの上方(筐体内天井部)に設置されたプロジェクタ80から投影された画像PPの一例を示している。画像PPは、例えば景品の載置位置を表す矩形枠と、景品の向きを表す景品画像Pが含まれている。景品画像Pは、例えば景品コードと対応づけられた外形(あるいは外観)の情報をもとに生成することができる。なお、
図15に示す景品を載置する位置を表す画像PPは、一例であって他の形態により景品の載置位置を明示するようにしても良い
店舗のスタッフは、景品画像Pに合わせて、補充する景品を景品フィールドに載置する。こうして、設定ペイアウト率に応じた景品を載置する位置が明示されるので、店舗のスタッフは、経験や勘に頼ることなく、期待するペイアウト率が得られる位置に景品を載置することができる。
【0136】
なお、前述した説明では、景品に景品コードが付されている場合について説明しているが、補充しようとする景品に景品コードが付けられていない場合、あるいは景品コードが付けられている場合であっても、景品コードに対応する景品の特徴を示す情報が未登録の場合には、補充しようとする未登録景品と類似する他の景品に対応する判定基準データを取得して、前述と同様の処理を実行することが可能である。
【0137】
例えば、補充しようとする景品に景品コードが付けられていない場合には、スタッフは、設定機器29を通じて、景品の特徴を表すいくつかの情報(例えば、形状、重さなど)を入力する、あるいは登録済みの複数の景品から類似する景品を選択するなどして、検索キーとするデータを入力する。あるいは、景品フィールドに載置した景品をカメラ88により撮影させて、景品の画像を検索キーとして入力しても良い。
【0138】
CPU70は、検索キーとして入力されデータを店舗サーバ6、あるいは店舗サーバ6を通じてサーバ2に送信する。サーバ2は、ゲーム装置10から受信された検索キーとするデータをもとに、検索キーに類似する他の景品を特定して、この景品に対応する判定基準データを店舗サーバ6(ゲーム装置10)に送信する。ゲーム装置10のCPU70は、補充しようとする景品と類似した他の景品の判定基準データを受信し、前述と同様の処理を実行する。こうして、未登録景品であっても、判定基準データを利用して、期待するペイアウト率が得られる位置に景品を載置することができる。
【0139】
次に、店舗サーバ6において判定基準データを利用する場合について説明する。
前述した判定基準データをゲーム装置10における設定処理で用いる例では、補充対象とする景品の載置位置のみを提示しているが、判定基準データをもとにして、複数の景品のそれぞれについて載置位置を示す景品レイアウトマニュアルとして提示することも可能である。
【0140】
図16は、本実施形態における店舗サーバ6による景品レイアウトマニュアル処理を示すフローチャートである。
店舗サーバ6のCPU6aは、景品レイアウトマニュアル処理を開始すると、管理者等の操作により載置位置の確認対象とする景品を示す景品コードを入力させる(ステップE1)。また、CPU6aは、景品の載置位置を特定する条件として、例えばペイアウト率、装置設定内容等を入力させる(ステップE2,E3)。景品の載置位置を特定する条件は、任意に変更可能とする。
【0141】
CPU6aは、景品レイアウトの表示が指示されると(ステップE4、Yes)、前述したゲーム装置10による設定処理のステップE5,E6と同様の処理を実行して、判定基準データから景品フィールドに景品を載置すべき位置及び向きを示すデータを取得する。CPU6aは、景品の位置及び向きを示すデータをもとに、景品レイアウト画面を表示装置6eにおいて表示させる。
【0142】
図17は、景品レイアウト画面の一例を示す図である。
図17に示すように、景品を載置しようとする景品フィールドを表す画像LDにおいて、景品を載置する位置(及び向き)を表す画像LPを明示する。
図17に示す景品レイアウト画面は、前述したように、景品の載置位置を特定する条件(例えば、景品コード、ペイアウト率、装置設定内容等)を変更することで(ステップE1~E3)、変更後の条件に応じた景品の載置位置を示す画像LPに変更することができる(ステップE5)。CPU6aは、処理終了が指示されると(ステップF6、No)、景品レイアウトマニュアル処理を終了する。
【0143】
こうして、店舗サーバ6において、判定基準データを利用することで、景品の載置位置を特定する条件を変更しながら、それぞれに対応する景品の載置位置を示す景品レイアウトマニュアルを提供することが可能となる。従って、ゲーム装置10にプロジェクタ80などの画像を投影する機能が搭載されていない場合であっても、景品レイアウトマニュアルを参照して、スタッフの経験や勘に頼ることなく、期待するペイアウト率に応じた位置に景品を載置することが可能となる。
【0144】
本実施形態のゲームシステムでは、判定基準データを利用して、店舗側が期待するペイアウト率が得られるように景品を載置できるので、適切なペイアウト率を設定することで売上の向上を図ることができ、またプレーヤに対して適度なゲーム回数で景品が獲得できるようにできるので満足度を向上させて、ゲームの利用促進を図ることが可能となる。
【0145】
次に、サーバ2において生成された攻略データの利用する場合について説明する。
サーバ2は、例えばネットワーク4を通じてアクセスする電子機器3に対して、攻略データをもとにゲーム装置10における攻略法を示す情報を提供することができる。
【0146】
例えば、サーバ2は、ネットワーク4を通じて、ゲーム装置10の攻略方法を提供する攻略サイト(専用ページ)を公開する。ユーザは、電子機器3により攻略サイトにアクセスする。サーバ2は、攻略サイトのページにおいて、例えば景品フィールドに載置された景品、クレーンアーム、及びゲーム装置10に設けられた複数のボタン(例えば、横移動ボタン、縦移動ボタン、降下ボタン)を含む攻略法提示画像を表示する。サーバ2は、電子機器3から入力される条件、例えば景品種類、ゲーム装置10の装置設定内容、景品フィールドにおける景品の位置(及び向き)などを入力し、この入力された条件に該当する攻略データを検索する。
【0147】
サーバ2は、指定された条件に対応する攻略データをもとに攻略法提示画像を変更し、この画像中において、例えばアニメーションによって、ボタンに対する操作タイミング、クレーンアームの移動状況などを表示して、景品を景品落とし口まで移動させるための操作方法を提供する。
【0148】
これにより、ユーザは、ゲーム装置10において景品を獲得するために有効な操作方法を、電子機器3を通じて学習することができる。
【0149】
なお、攻略データは、サーバ2から電子機器3に対して攻略方法を提供するために用いるだけで無く、例えばゲーム装置10において利用することも可能である。例えば、ゲーム装置10は、店舗サーバ6を通じて攻略データを受信し、攻略データに基づいてクレーンアームを動作させる。すなわち、ゲーム装置10において、景品を取得するための操作のデモンストレーションを実施する。これにより、プレーヤに対して、実際のクレーンアームの動作を見せて、景品を獲得するための操作方法(クレーンアームの制御方法)を提示することが可能となる。
【0150】
なお、前述した説明では、ゲーム装置10としてクレーンゲーム装置を用いた場合について説明しているが、その他の種類のゲーム装置を対象とすることも可能である。例えば、ゲームフィールドにメダルやボールなどのオブジェクトが載置されるプッシャーゲーム装置(メダルゲーム装置)等であっても良い。
【0151】
また、本発明は上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。
【0152】
また、実施形態に記載した手法は、コンピュータに実行させることができるプログラム(ソフトウエア手段)として、例えば磁気ディスク(フレキシブルディスク、ハードディスク等)、光ディスク(CD-ROM、DVD、MO、Blu-ray(登録商標)等)、半導体メモリ(ROM、RAM、フラッシュメモリ等)等の記録媒体に格納し、また通信媒体により伝送して頒布することもできる。なお、媒体側に格納されるプログラムには、コンピュータに実行させるソフトウエア手段(実行プログラムのみならずテーブルやデータ構造も含む)をコンピュータ内に構成させる設定プログラムをも含む。本装置を実現するコンピュータは、記録媒体に記録されたプログラムを読み込み、また場合により設定プログラムによりソフトウエア手段を構築し、このソフトウエア手段によって動作が制御されることにより上述した処理を実行する。なお、本明細書でいう記録媒体は、頒布用に限らず、コンピュータ内部あるいはネットワークを介して接続される機器に設けられた磁気ディスクや半導体メモリ等の記憶媒体を含むものである。
【符号の説明】
【0153】
5(5-1,5-2,…,5-x)…店舗システム、6…店舗サーバ、7…スタッフコールシステム、7A…出力装置、7B1,7B2,…,7Bm…電子機器、10…ゲーム装置、12…上部筐体、13…下部筐体、15…透明スクリーン、16L,16R…景品フィールド、21L,21R…景品取出口、23L,23R…コンパネ部、24L,24R…ボタン、26L,26R…コイン投入口。