(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-02-10
(45)【発行日】2023-02-20
(54)【発明の名称】試用システム、試用方法、試用処理装置及びそのプログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 30/06 20230101AFI20230213BHJP
【FI】
G06Q30/06
(21)【出願番号】P 2018078919
(22)【出願日】2018-04-17
【審査請求日】2021-01-19
(31)【優先権主張番号】P 2017081830
(32)【優先日】2017-04-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000003562
【氏名又は名称】東芝テック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003708
【氏名又は名称】弁理士法人鈴榮特許綜合事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100108855
【氏名又は名称】蔵田 昌俊
(74)【代理人】
【識別番号】100103034
【氏名又は名称】野河 信久
(74)【代理人】
【識別番号】100075672
【氏名又は名称】峰 隆司
(74)【代理人】
【識別番号】100153051
【氏名又は名称】河野 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100179062
【氏名又は名称】井上 正
(74)【代理人】
【識別番号】100189913
【氏名又は名称】鵜飼 健
(72)【発明者】
【氏名】渡邊 恵司
【審査官】小山 和俊
(56)【参考文献】
【文献】特開2002-007908(JP,A)
【文献】特開2002-117252(JP,A)
【文献】特開2003-108822(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2004/0128025(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
依頼者が試用する商品を試用所に発送する店にそれぞれ設けられる第1サーバと、
前記試用所に設けられ、前記依頼者を識別する依頼者識別情報及び前記商品を識別する商品識別情報を入力するための入力デバイスを備えた第2サーバと、を備え、
前記第1サーバは、前記商品を識別する商品識別情報と当該商品を試用する前記依頼者の前記依頼者識別情報とを含む試用依頼コマンドを、前記第2サーバへと送信する送信手段、を具備し、
前記第2サーバは、前記第1サーバから送信される前記試用依頼コマンドを受信する受信手段と、
前記受信手段で受信した前記試用依頼コマンドに含まれる前記商品識別情報と前記依頼者識別情報とを関連付けて記憶する記憶手段と、
前記入力デバイスを介して入力された前記依頼者識別情報と関連付けて記憶されている商品識別情報で識別される商品の購入または不購入の選択を受け付ける受付手段と、
前記受付手段により前記購入の選択を受け付けた商品については、当該商品の商品識別情報と前記入力デバイスを介して入力された前記依頼者識別情報とを含む前記試用依頼コマンドを送信した前記第1サーバに対して当該商品の試用結果が購入であることを通知し、前記不購入の選択を受け付けた商品については、当該商品の商品識別情報と前記入力デバイスを介して入力された前記依頼者識別情報とを含む前記試用依頼コマンドを送信した前記第1サーバに対して当該商品の試用結果が不購入であることを通知する通知手段と、 前記入力デバイスを介して前記商品識別情報が入力されると、前記依頼者識別情報と関連付けて記憶されている当該商品識別情報に、入荷済を示す情報を付加する付加手段と、 共通の前記依頼者識別情報に関連付けて記憶されている全ての商品識別情報に前記入荷済を示す情報が付加されると、当該依頼者識別情報で識別される依頼者に試用可能である旨を連絡する連絡手段と、
を具備する試用システム。
【請求項2】
依頼者が試用する商品を試用所に発送する店にそれぞれ設けられる第1サーバと、
前記試用所に設けられ、前記依頼者を識別する依頼者識別情報を入力するための入力デバイスを備えた第2サーバと、を備え、
前記第1サーバは、前記商品を識別する商品識別情報と当該商品を試用する前記依頼者の前記依頼者識別情報と前記商品識別情報で識別される商品が試用品なのか販売品なのかを識別する販売形態情報とを含む試用依頼コマンドを、前記第2サーバへと送信する送信手段、を具備し、
前記第2サーバは、前記第1サーバから送信される前記試用依頼コマンドを受信する受信手段と、
前記受信手段で受信した前記試用依頼コマンドに含まれる前記商品識別情報と前記依頼者識別情報と前記販売形態情報とを関連付けて記憶する記憶手段と、
前記入力デバイスを介して入力された前記依頼者識別情報と関連付けて記憶されている商品識別情報で識別される商品の購入または不購入の選択を受け付ける受付手段と、
前記受付手段により前記購入の選択を受け付けた商品のうち前記販売品については、当該商品の商品識別情報と前記入力デバイスを介して入力された前記依頼者識別情報とを含む前記試用依頼コマンドを送信した前記第1サーバに対して当該商品の試用結果が購入でかつ持帰りであることを通知し、前記試用品については、当該商品の商品識別情報と前記入力デバイスを介して入力された前記依頼者識別情報とを含む前記試用依頼コマンドを送信した前記第1サーバに対して当該商品の試用結果が購入でかつ注文であることを通知し、前記不購入の選択を受け付けた商品については、当該商品の商品識別情報と前記入力デバイスを介して入力された前記依頼者識別情報とを含む前記試用依頼コマンドを送信した前記第1サーバに対して当該商品の試用結果が不購入であることを通知する通知手段と、を具備する、試用システム。
【請求項3】
依頼者が試用する商品を試用所に発送する店にそれぞれ設けられる第1サーバと、前記試用所に設けられ、前記依頼者を識別する依頼者識別情報及び前記商品を識別する商品識別情報を入力するための入力デバイスを備えた第2サーバとを備えた試用システムの試用方法であって、
前記第1サーバは、前記商品を識別する商品識別情報と当該商品を試用する前記依頼者の前記依頼者識別情報とを含む試用依頼コマンドを、前記第2サーバへと送信し、
前記第2サーバは、前記第1サーバから送信される前記試用依頼コマンドを受信すると、その受信した前記試用依頼コマンドに含まれる前記商品識別情報と前記依頼者識別情報とを関連付けて記憶し、
前記第2サーバは、前記入力デバイスを介して前記商品識別情報が入力されると、前記依頼者識別情報と関連付けて記憶されている当該商品識別情報に、入荷済を示す情報を付加し、共通の前記依頼者識別情報に関連付けて記憶されている全ての商品識別情報に前記入荷済を示す情報が付加されると、当該依頼者識別情報で識別される依頼者に試用可能である旨を連絡し、
前記第2サーバは、前記入力デバイスを介して入力された前記依頼者識別情報と関連付けて記憶されている商品識別情報で識別される商品の購入または不購入の選択を受け付け、前記購入の選択を受け付けた商品については、当該商品の商品識別情報と前記入力デバイスを介して入力された前記依頼者識別情報とを含む前記試用依頼コマンドを送信した前記第1サーバに対して当該商品の試用結果が購入であることを通知し、前記不購入の選択を受け付けた商品については、当該商品の商品識別情報と前記入力デバイスを介して入力された前記依頼者識別情報とを含む前記試用依頼コマンドを送信した前記第1サーバに対して当該商品の試用結果が不購入であることを通知する、試用方法。
【請求項4】
依頼者が試用する商品を試用所に発送する店にそれぞれ設けられる第1サーバと、前記試用所に設けられ、前記依頼者を識別する依頼者識別情報を入力するための入力デバイスを備えた第2サーバとを備えた試用システムの試用方法であって、
前記第1サーバは、前記商品を識別する商品識別情報と当該商品を試用する前記依頼者の前記依頼者識別情報と前記商品識別情報で識別される商品が試用品なのか販売品なのかを識別する販売形態情報とを含む試用依頼コマンドを、前記第2サーバへと送信し、
前記第2サーバは、前記第1サーバから送信される前記試用依頼コマンドを受信すると、その受信した前記試用依頼コマンドに含まれる前記商品識別情報と前記依頼者識別情報と前記販売形態情報とを関連付けて記憶し、
前記第2サーバは、前記入力デバイスを介して入力された前記依頼者識別情報と関連付けて記憶されている商品識別情報で識別される商品の購入または不購入の選択を受け付け、前記購入の選択を受け付けた商品のうち前記販売品については、当該商品の商品識別情報と前記入力デバイスを介して入力された前記依頼者識別情報とを含む前記試用依頼コマンドを送信した前記第1サーバに対して当該商品の試用結果が購入でかつ持帰りであることを通知し、前記試用品については、当該商品の商品識別情報と前記入力デバイスを介して入力された前記依頼者識別情報とを含む前記試用依頼コマンドを送信した前記第1サーバに対して当該商品の試用結果が購入でかつ注文であることを通知し、前記不購入の選択を受け付けた商品については、当該商品の商品識別情報と前記入力デバイスを介して入力された前記依頼者識別情報とを含む前記試用依頼コマンドを送信した前記第1サーバに対して当該商品の試用結果が不購入であることを通知する、使用方法。
【請求項5】
依頼者が試用する商品を試用所に発送する店にそれぞれ設けられ、前記商品を識別する商品識別情報と当該商品を試用する前記依頼者を識別する依頼者識別情報とを含む試用依頼コマンドを送信する機能を有したサーバと通信する第1のインターフェースと、
前記依頼者を識別する依頼者識別情報及び前記商品を識別する商品識別情報を入力するための入力デバイスを備えた端末と通信する第2のインターフェースと、
前記第1のインターフェースを介して前記サーバから受信した前記試用依頼コマンドに含まれる前記商品識別情報と前記依頼者識別情報とを関連付けて記憶する記憶手段と、
前記入力デバイスを介して入力された前記依頼者識別情報と関連付けて記憶されている商品識別情報で識別される商品の購入または不購入の選択を受け付ける受付手段と、
前記受付手段により前記購入の選択を受け付けた商品については、当該商品の商品識別情報と前記入力デバイスを介して入力された前記依頼者識別情報とを含む前記試用依頼コマンドを送信した
前記サーバに対して当該商品の試用結果が購入であることを通知し、前記不購入の選択を受け付けた商品については、当該商品の商品識別情報と前記入力デバイスを介して入力された前記依頼者識別情報とを含む前記試用依頼コマンドを送信した前
記サーバに対して当該商品の試用結果が不購入であることを通知する通知手段と、
前記入力デバイスを介して前記商品識別情報が入力されると、前記依頼者識別情報と関連付けて記憶されている当該商品識別情報に、入荷済を示す情報を付加する付加手段と、 共通の前記依頼者識別情報に関連付けて記憶されている全ての商品識別情報に前記入荷済を示す情報が付加されると、当該依頼者識別情報で識別される依頼者に試用可能である旨を連絡する連絡手段と、
を具備する試用処理装置。
【請求項6】
依頼者が試用する商品を試用所に発送する店にそれぞれ設けられ、前記商品を識別する商品識別情報と当該商品を試用する前記依頼者の依頼者識別情報と前記商品識別情報で識別される商品が試用品なのか販売品なのかを識別する販売形態情報とを含む試用依頼コマンドを送信する機能を有したサーバと通信する第1のインターフェースと、
前記依頼者を識別する依頼者識別情報を入力するための入力デバイスを備えた端末と通信する第2のインターフェースと、
前記第1のインターフェースを介して前記サーバから受信した前記試用依頼コマンドに含まれる前記商品識別情報と前記依頼者識別情報と前記販売形態情報とを関連付けて記憶する記憶手段と、
前記入力デバイスを介して入力された前記依頼者識別情報と関連付けて記憶されている商品識別情報で識別される商品の購入または不購入の選択を受け付ける受付手段と、
前記受付手段により前記購入の選択を受け付けた商品のうち前記販売品を識別する販売形態情報を記憶した商品については、当該商品の商品識別情報と前記入力デバイスを介して入力された前記依頼者識別情報とを含む前記試用依頼コマンドを送信した
前記サーバに対して当該商品の試用結果が購入でかつ持帰りであることを通知し、前記試用品を識別する販売形態情報を記憶した商品については、当該商品の商品識別情報と前記入力デバイスを介して入力された前記依頼者識別情報とを含む前記試用依頼コマンドを送信した前
記サーバに対して当該商品の試用結果が購入でかつ注文であることを通知し、前記不購入の選択を受け付けた商品については、当該商品の商品識別情報と前記入力デバイスを介して入力された前記依頼者識別情報とを含む前記試用依頼コマンドを送信した前
記サーバに対して当該商品の試用結果が不購入であることを通知する通知手段と、
を具備する試用処理装置。
【請求項7】
依頼者が試用する商品を試用所に発送する店にそれぞれ設けられ、前記商品を識別する商品識別情報と当該商品を試用する前記依頼者を識別する依頼者識別情報とを含む試用依頼コマンドを送信する機能を有したサーバと通信する第1のインターフェースと、前記依頼者を識別する依頼者識別情報及び前記商品を識別する商品識別情報を入力するための入力デバイスを備えた端末と通信する第2のインターフェースと、を備えたコンピュータに、
前記第1のインターフェースを介して前記サーバから受信した前記試用依頼コマンドに含まれる前記商品識別情報と前記依頼者識別情報とを関連付けて記憶部に記憶させる機能、
前記入力デバイスを介して入力された前記依頼者識別情報と関連付けて記憶されている商品識別情報で識別される商品の購入または不購入の選択を受け付ける機能、
前記購入の選択を受け付けた商品については、当該商品の商品識別情報と前記入力デバイスを介して入力された前記依頼者識別情報とを含む前記試用依頼コマンドを送信した
前記サーバに対して当該商品の試用結果が購入であることを通知する機能、
前記不購入の選択を受け付けた商品については、当該商品の商品識別情報と前記入力デバイスを介して入力された前記依頼者識別情報とを含む前記試用依頼コマンドを送信した前
記サーバに対して当該商品の試用結果が不購入であることを通知する機能、
前記入力デバイスを介して前記商品識別情報が入力されると、前記依頼者識別情報と関連付けて記憶されている当該商品識別情報に、入荷済を示す情報を付加する機能、及び、 共通の前記依頼者識別情報に関連付けて記憶されている全ての商品識別情報に前記入荷済を示す情報が付加されると、当該依頼者識別情報で識別される依頼者に試用可能である旨を連絡する機能、
を実現させるための制御プログラム。
【請求項8】
依頼者が試用する商品を試用所に発送する店にそれぞれ設けられ、前記商品を識別する商品識別情報と当該商品を試用する前記依頼者の依頼者識別情報と前記商品識別情報で識別される商品が試用品なのか販売品なのかを識別する販売形態情報とを含む試用依頼コマンドを送信する機能を有したサーバと通信する第1のインターフェースと、前記依頼者を識別する依頼者識別情報を入力するための入力デバイスを備えた端末と通信する第2のインターフェースと、を備えたコンピュータに、
前記第1のインターフェースを介して前記サーバから受信した前記試用依頼コマンドに含まれる前記商品識別情報と前記依頼者識別情報と前記販売形態情報とを関連付けて記憶部に記憶させる機能、
前記入力デバイスを介して入力された前記依頼者識別情報と関連付けて記憶されている商品識別情報で識別される商品の購入または不購入の選択を受け付ける機能、
前記購入の選択を受け付けた商品のうち前記販売品を識別する販売形態情報を記憶した商品については、当該商品の商品識別情報と前記入力デバイスを介して入力された前記依頼者識別情報とを含む前記試用依頼コマンドを送信した
前記サーバに対して当該商品の試用結果が購入でかつ持帰りであることを通知し、前記試用品を識別する販売形態情報を記憶した商品については、当該商品の商品識別情報と前記入力デバイスを介して入力された前記依頼者識別情報とを含む前記試用依頼コマンドを送信した前
記サーバに対して当該商品の試用結果が購入でかつ注文であることを通知する機能、及び、
前記不購入の選択を受け付けた商品については、当該商品の商品識別情報と前記入力デバイスを介して入力された前記依頼者識別情報とを含む前記試用依頼コマンドを送信した前
記サーバに対して当該商品の試用結果が不購入であることを通知する機能、
を実現させるための制御プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、試用システム、試用方法、試用処理装置及びそのプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、インターネットを利用したショッピングは広く普及しており、衣類、履物類等のように本来ならば試用(試着)してから購入するかどうかを決めたい商品もショッピングの対象となっている。そこで販売者は、消費者からインターネットを通じて注文を受けた商品または商品に該当する試用品、すなわち試用のために用意された商品を消費者の自宅等に発送する。消費者は、商品または試用品を試用し、購入するかどうかを決める。そして購入する場合、消費者は販売者に購入する旨を通知する。販売者は、消費者から購入する旨の連絡を受けたならば、試用品については商品を発送する。このような販売方式であれば、消費者は商品を試用してから購入するかどうかを決められるため、安心して商品を購入することができる。
【0003】
しかしその一方で、商品または試用品の試用を終えた消費者は、商品については購入しない場合、試用品については購入するかどうかに拘わらずその試用品を販売者に返品しなければならない手間がある。特に、異なる販売者が販売する複数品目の中から消費者が購入すべき商品を試用して決めようとした場合、消費者は試用後に商品または試用品を各販売者にそれぞれ返品しなければならず、その手間は非常に大きいものとなる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の実施形態が解決しようとする課題は、販売者(販売店)が異なる商品であっても共通の試用所で消費者が商品を試用して購入するかどうかを決めることができ、しかも試用した商品の返品に要する消費者の手間をなくすことができる試用システム、試用方法、試用処理装置及びそのプログラムを提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
一実施形態において、試用システムは、第1サーバと、第2サーバとを備える。第1サーバは、依頼者が試用する商品を試用所に発送する店にそれぞれ設けられる。第2サーバは、試用所に設けられ、依頼者を識別する依頼者識別情報を入力するための入力デバイスを備えた端末を有する。
第1サーバは、送信手段を含む。送信手段は、商品を識別する商品識別情報と当該商品を試用する依頼者を識別する依頼者識別情報とを含む試用依頼コマンドを、第2サーバへと送信する。
第2サーバは、受信手段、記憶手段、表示手段、受付手段及び通知手段を含む。受信手段は、第1サーバから送信される試用依頼コマンドを受信する。記憶手段は、受信手段で受信した試用依頼コマンドに含まれる商品識別情報を依頼者識別情報と関連付けて記憶する。表示手段は、入力デバイスを介して入力された依頼者識別情報と関連付けて記憶されている商品識別情報で識別される商品のリストを表示デバイスに表示する。受付手段は、リストに表示された商品の購入または不購入の選択を受け付ける。通知手段は、受付手段により購入の選択を受け付けた商品については、当該商品の商品識別情報と入力デバイスを介して入力された依頼者識別情報とを含む試用依頼コマンドを送信した第1サーバに対して当該商品の試用結果が購入であることを通知する。また通知手段は、受付手段により不購入の選択を受け付けた商品については、当該商品の商品識別情報と入力デバイスを介して入力された依頼者識別情報とを含む試用依頼コマンドを送信した第1サーバに対して当該商品の試用結果が不購入であることを通知する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】一実施形態である試用システムの全体構成図。
【
図2】販売店サーバの要部回路構成を示すブロック図。
【
図3】商品データベースに記憶されるデータレコードの構成図。
【
図4】試用履歴データベースに記憶されるデータレコードの構成図。
【
図5】試用所サーバの要部回路構成を示すブロック図。
【
図6】試用管理ファイルに記憶されるデータ例の第1状態を示す図。
【
図7】試用管理ファイルに記憶されるデータ例の第2状態を示す図。
【
図8】試用管理ファイルに記憶されるデータ例の第3状態を示す図。
【
図9】試用管理ファイルに記憶されるデータ例の第4状態を示す図。
【
図10】利用者と販売店と試用所との間で授受される主要なデータと商品の動きとの一例を示す説明図。
【
図11】販売店サーバのプロセッサが実行する処理手順を示す流れ図。
【
図12】試用所サーバのプロセッサが実行する処理手順を示す流れ図。
【
図13】試用所サーバのプロセッサが実行する処理手順を示す流れ図。
【
図14】試用所サーバのプロセッサが実行する処理手順を示す流れ図。
【
図15】試用所サーバの表示デバイスに表示される画像の一例を示す図。
【
図16】試用所サーバの表示デバイスに表示される画像の一例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、試用システム、試用方法、試用処理装置及びそのプログラムの実施形態について、図面を用いて説明する。
図1は、試用システム1の全体構成図である。試用システム1は、販売店システム100の販売店サーバ(第1サーバ)10と、試用所システム200の試用所サーバ(第2サーバ)20と、データベースサーバ30と、を含む。販売店サーバ10、試用所サーバ20及びデータベースサーバ30は、それぞれネットワークとしてのインターネット40に接続される。
【0009】
販売店システム100は、試用システム1を利用する販売店毎に構築される。販売店は、衣類、履物類等のように多くの消費者が試用(試着)を希望する商品をショッピングサイトで販売する。そして販売店は、消費者からの依頼を受けて当該消費者が試用する商品を所定の試用所に発送する。なお、販売店は、ショッピングサイトだけでなく実店舗での商品販売も兼ねた販売店であってもよい。
【0010】
販売店システム100は、販売店サーバ10と販売店端末10Tとからなる。販売店サーバ10と販売店端末10Tとは、例えばLAN(Local Area Network)で接続されている。販売店サーバ10は、インターネット40を利用したショッピングサイトを運用するためのウエブサーバである。販売店サーバ10は、ショッピングサイトを利用する消費者(以下、利用者と称する)から商品の注文を受け付ける。
【0011】
利用者は、ブラウザを搭載した利用者端末50、例えばパソコン、スマートフォン、タブレット端末等を使用し、インターネット40を介して販売店が開設するショッピングサイトにログインする。このため利用者は、予めユーザ登録を行ってログインに必要な利用者IDを取得しておく。利用者IDは、各販売店がそれぞれ開設するショッピングサイトにおいて共通である。つまり利用者は、いずれか1つのショッピングサイトにログインするためにユーザ登録を行って取得した利用者IDを、他のショッピングサイトにログインする際にも使用できる。
【0012】
ログインした利用者は、ショッピングサイトで販売されている商品の中に購入したい商品があったならば、利用者端末50を操作して注文を行う。その注文の際、利用者は、商品を試用してから購入するかどうかを決める。商品の試用を依頼する場合、利用者、すなわち依頼者は、利用者端末50を操作して、商品を試用するために利用する試用所と試用日とを登録する。
【0013】
販売店端末10Tは、販売店サーバ10によって開設されるショッピングサイトで受けた注文に関する情報を出力する機能を有する。出力方式は、特に制約されるものではない。液晶ディスプレイ等の表示デバイスへの画面表示出力であってもよいし、プリンタによる印刷媒体への印刷出力であってもよい。この種の販売店端末10Tとしては、パソコンを用いることができる。あるいは、実店舗に設置されているPOS(Point Of Sales)端末を、販売店端末10Tとしてもよい。
【0014】
販売店の店員は、販売店端末10Tから出力された情報により、ショッピングサイトで受けた商品の注文内容を把握する。そして、利用者から試用の依頼があった場合、店員は、その利用者、いわゆる依頼者が試用する商品を当該利用者が登録した試用所宛に試用日までに発送する。発送する商品は、実際に販売される商品、いわゆる販売品でもよいし、試用のために用意された商品、いわゆる試用品でもよい。
【0015】
試用所システム200は、試用所毎に構築される。試用所は、利用者がショッピングサイトで注文した商品を試用するために用意された場所である。利用者は、異なるショッピングサイトで注文した複数の商品を、自ら決めた試用所でまとめて試用することができる。つまり試用所は、各販売店で共通である。試用所が設置される場所は、特に限定されるものではない。例えば百貨店やショッピングセンター等の店舗内に設置されていてもよいし、駅、公園等の公共の場所に設置されていてもよい。
【0016】
試用所システム200は、試用所サーバ20と試用所端末20Tとからなる。試用所サーバ20と試用所端末20Tとは、例えばLANで接続されている。試用所サーバ20は、当該試用所サーバ20が設けられた試用所を利用して商品を試用する利用者に関する情報と、試用される商品に関する情報とを管理する。利用者に関する情報及び商品に関する情報は、利用者からの注文を受けた販売店サーバ10から取得する。
【0017】
試用所端末20Tは、販売店から配送されてきた商品に関する情報、例えば商品の識別情報、その商品を発送した販売店の識別情報、その商品を試用する利用者の識別情報等を入力する機能を有する。入力方式は、二次元コード等のコードシンボルのスキャニング入力であってもよいし、RF(radio frequency identifier)タグを利用した非接触通信によるデータ入力であってもよい。試用所の係員は、商品の入荷があると、試用所端末20Tを操作してその入荷した商品に関する情報を入力する。試用所端末20Tは、入荷した商品に関する情報を試用所サーバ20へと送信する。試用所サーバ20は、試用所端末20Tから受信した情報を基に、利用者が試用する商品の品揃えを管理する。そして試用所サーバ20は、品揃えが完了すると、その旨を該当する利用者に電子メールで通知する。
【0018】
試用所端末20Tは、試用所に訪れた利用者に対して試用する商品のリストを表示する機能を有する。また試用所端末20Tは、利用者が試用した商品の注文を確定するか取り止めるかの選択入力を受け付ける機能を有する。これらの機能は、例えばタッチパネルによって実現可能である。あるいは、液晶ディスプレイ等の表示デバイスと、キーボード,マウス等の入力デバイスとを用いて実現してもよい。試用所サーバ20は、試用所端末20Tで受け付けた選択入力を基に試用結果を示す情報を販売店サーバ10へと通知する。
【0019】
試用所にて試用する商品には、販売品と試用品とが混在する。販売品の場合、利用者は商品をそのまま持ち帰ることができる。しかし試用品については、利用者は購入する場合も商品を持ち帰ることはできない。試用品は、利用者が返品を申し出た商品と同様に販売店に返送される。このような返品作業は、試用所の係員が担当する。利用者は、返品作業に係ることはない。
【0020】
データベースサーバ30は、販売店データベース31、試用所データベース32及び利用者データベース33を管理する。すなわちデータベースサーバ30は、他のサーバ(販売店サーバ10、試用所サーバ20)からのリクエストに対して該当するデータベース31,32,33を検索し、その検索の結果得られたデータを返す。各データベース31,32,33は、データベースサーバ30の内部の記憶デバイスに保存されていてもよいし、データベースサーバ30に外付けされた記憶デバイスに保存されていてもよい。一部のデータベースが内部の記憶デバイスに保存され、残りのデータベースが外付けされた記憶デバイスに保存されていてもよい。
【0021】
販売店データベース31は、販売店毎に生成される販売店レコードを記憶する。販売店レコードは、販売店ID、販売店名、通信アドレス等を含む。販売店IDは、試用システム1を活用する各販売店を個々に識別するために販売店毎に割り当てられた一意のコード(販売店識別情報)である。販売店名は、その販売店に付された名称である。通信アドレスは、その販売店の販売店サーバ10に割り当てられたインターネットアドレス(IPアドレス)である。
【0022】
試用所データベース32は、試用所毎に生成される試用所レコードを記憶する。試用所レコードは、試用所ID、試用所名、場所情報、通信アドレス等を含む。試用所IDは、各試用所を個々に識別するために試用所毎に割り当てられた一意のコード(試用所識別情報)である。試用所名は、その試用所に付された名称である。場所情報は、その試用所が設置されている場所に関する情報である。場所情報には、住所、最寄駅名、地図等が含まれる。通信アドレスは、その試用所の試用所サーバ20に割り当てられたインターネットアドレス(IPアドレス)である。
【0023】
利用者データベース33は、利用者毎に生成される利用者レコードを記憶する。利用者レコードは、利用者ID、利用者名、メールアドレス等を含む。利用者IDは、ユーザ登録を行った利用者に割り当てられた一意のコード(利用者識別情報)である。利用者名は、その利用者の氏名である。メールアドレスは、その利用者が所有する電子メールのアドレスである。
【0024】
図2は、販売店サーバ10の要部回路構成を示すブロック図である。販売店サーバ10は、プロセッサ11、メインメモリ12、補助記憶デバイス13、端末インターフェース14、ネットワークインターフェース15及びシステム伝送路16を有する。システム伝送路16は、アドレスバス、データバス等を含む。販売店サーバ10は、プロセッサ11と上記の各構成要素とをシステム伝送路16で接続することによって、コンピュータとして機能する。
【0025】
プロセッサ11は、CPU(Central Processing Unit)又はMPU(Micro Processing Unit)からなり、上記コンピュータの中枢部分に相当する。プロセッサ11は、オペレーティングシステムやアプリケーションプログラムに従って、販売店サーバ10としての各種の機能を実現するべく各部を制御する。
【0026】
メインメモリ12は、上記コンピュータの主記憶部分に相当する。メインメモリ12は、不揮発性のメモリ領域と揮発性のメモリ領域とを含む。メインメモリ12は、不揮発性のメモリ領域ではオペレーティングシステムやアプリケーションプログラムを記憶する。またメインメモリ12は、プロセッサ11が各部を制御するための処理を実行する上で必要なデータを不揮発性または揮発性のメモリ領域で記憶する場合もある。メインメモリ12は、揮発性のメモリ領域を、プロセッサ11によってデータが適宜書き換えられるワークエリアとして使用する。
【0027】
補助記憶デバイス13は、上記コンピュータの補助記憶部分に相当する。例えばHDD(Hard Disc Drive)、SSD(Solid State Drive)、EEPROM(Electric Erasable Programmable Read-Only Memory)等が補助記憶デバイス13として使用される。補助記憶デバイス13は、プロセッサ11が各種の処理を行う上で使用するデータや、プロセッサ11での処理によって生成されたデータを保存する。補助記憶デバイス13は、上記のアプリケーションプログラムを記憶する場合もある。
【0028】
端末インターフェース14は、LANで接続された販売店端末10Tとの間でデータ通信を行うためのインターフェースである。販売店端末10Tは、入力デバイス10I、表示デバイス10D、プリンタ10P等を有する。入力デバイス10Iは、キーボード、マウス等である。表示デバイス10Dは、液晶ディスプレイ、LEDディスプレイ等である。入力デバイス10I及び表示デバイス10Dは、タッチパネルを用いてもよい。端末インターフェース14は、入力デバイス10Iを介して入力されたデータを販売店端末10Tから受信する。また端末インターフェース14は、表示デバイス10Dに表示させるデータまたはプリンタ10Pにより印刷させるデータを販売店端末10Tへと送信する。
【0029】
ネットワークインターフェース15は、インターネット40に接続されたデータベースサーバ30、試用所サーバ20、利用者端末50等との間でデータ通信を行うためのインターフェースである。
【0030】
かかる構成の販売店サーバ10は、補助記憶デバイス13において、商品データベース131と試用履歴データベース132とを有する。商品データベース131は、ショッピングサイトで販売されている商品に関するデータを記憶する。試用履歴データベース132は、利用者によって試用された商品に関するデータを記憶する。
【0031】
図3は、商品データベース131に記憶されるデータレコード131Rの構成を示す。図示するようにデータレコード131Rは、商品ID、商品画像、価格、属性及び販売形態の各情報を含む。商品IDは、ショッピングサイトで販売される各商品を個々に識別するために商品毎に割り当てられた一意のコード(商品識別情報)である。なお、各販売店のショッピングサイトで販売される各商品にそれぞれ付される商品IDのコード体系は、必ずしも一致している必要はない。商品画像は、ショッピングサイトに掲示される商品の画像である。価格は、その商品の販売価格である。属性情報は、その商品が有する種々の属性を示す。例えば衣類の場合、サイズ、色、ブランド等が属性情報に含まれる。販売形態は、その商品が販売品なのか試用品なのかを識別する。したがって、販売品とは別に試用品が用意されている商品についてはそれぞれに異なる商品IDが割り当てられており、各々のデータレコード131Rが商品データベース131に記憶されている。
【0032】
図4は、試用履歴データベース132に記憶されるデータレコード(以下、試用履歴レコードと称する)132Rの構成を示す。図示するように試用履歴レコード132Rは、商品ID、利用者ID、試用所ID、試用日時及び試用結果の各情報を含む。商品IDは、利用者が試用した商品を識別する情報である。利用者IDは、商品を試用した利用者を識別する情報である。試用所IDは、利用者が商品の試用のために利用した試用所を識別する情報である。試用日時は、利用者が試用所で商品を試用した日時である。試用結果は、試用した商品を利用者が購入したのか返品したのかを識別する情報である。前述したように試用した商品を利用者が購入する場合、その商品が販売品なのか試用品なのかによって取り扱いが異なる。このため、試用結果の情報には、商品が販売品であり利用者が持ち帰ったことを示す「販売」と、商品が試用品であるため後から利用者に発送されることを示す「注文」と、試用者が返品を申し出たことを示す「返品」とがある。
【0033】
図5は、試用所サーバ20の要部構成を示すブロック図である。試用所サーバ20は、プロセッサ21、メインメモリ22、補助記憶デバイス23、端末インターフェース24、ネットワークインターフェース25、時計26及びシステム伝送路27を有する。システム伝送路27は、アドレスバス、データバス等を含む。試用所サーバ20は、プロセッサ21と上記の各構成要素とをシステム伝送路27で接続することによって、コンピュータとして機能する。
【0034】
プロセッサ21は、CPU又はMPUからなり、上記コンピュータの中枢部分に相当する。プロセッサ21は、オペレーティングシステムやアプリケーションプログラムに従って、試用所サーバ20としての各種の機能を実現するべく各部を制御する。
【0035】
メインメモリ22は、上記コンピュータの主記憶部分に相当する。メインメモリ22は、不揮発性のメモリ領域と揮発性のメモリ領域とを含む。メインメモリ22は、不揮発性のメモリ領域ではオペレーティングシステムやアプリケーションプログラムを記憶する。またメインメモリ22は、プロセッサ21が各部を制御するための処理を実行する上で必要なデータを不揮発性または揮発性のメモリ領域で記憶する場合もある。メインメモリ22は、揮発性のメモリ領域を、プロセッサ21によってデータが適宜書き換えられるワークエリアとして使用する。
【0036】
補助記憶デバイス23は、上記コンピュータの補助記憶部分に相当する。例えばHDD、SSD、EEPROM等が補助記憶デバイス23として使用される。補助記憶デバイス23は、プロセッサ21が各種の処理を行う上で使用するデータや、プロセッサ21での処理によって生成されたデータを保存する。補助記憶デバイス23は、上記のアプリケーションプログラムを記憶する場合もある。
【0037】
端末インターフェース24は、LANで接続された試用所端末20Tとの間でデータ通信を行うためのインターフェースである。試用所端末20Tは、入力デバイス20I、表示デバイス20D、スキャナ20S等を有する。入力デバイス20Iは、キーボード、マウス等である。表示デバイス20Dは、液晶ディスプレイ、LEDディスプレイ等である。入力デバイス20I及び表示デバイス20Dは、タッチパネルを用いてもよい。スキャナ20Sは一次元コード(例えばバーコード等)、二次元コード(例えばQRコード(登録商標))等のコードシンボルを読み取るものである。端末インターフェース24は、入力デバイス20Iを介して入力されたデータを試用所端末20Tから受信する。また端末インターフェース24は、表示デバイス20Dに表示させるデータを試用所端末20Tへと送信する。さらに端末インターフェース24は、スキャナ20Sで読み取られたスキャニングデータを試用所端末20Tから受信する。
【0038】
ネットワークインターフェース25は、インターネット40に接続されたデータベースサーバ30、販売店サーバ10、利用者端末50等との間でデータ通信を行うためのインターフェースである。
【0039】
時計26は、試用所サーバ20の時刻情報源として機能する。プロセッサ21は、時計26によって計時される時刻情報を基に、現在の日付及び時間を計時する。
【0040】
かかる構成の試用所サーバ20は、補助記憶デバイス23において、試用管理ファイル231を記憶する。試用管理ファイル231は、当該試用所サーバ20が設けられた試用所を利用して商品を試用する利用者に関する情報と、試用される商品に関する情報とを管理するためのものである。
【0041】
図6乃至
図9は、試用管理ファイル231に記憶されるデータ例を示す。
図6乃至
図9に示すように試用管理ファイル231には、利用者ID、試用日、試用品数、通知フラグ及び試用品数分の試用管理データが記憶される。試用品数は、利用者IDで識別される利用者が当該試用所で試用日に試用する商品の数である。通知フラグは、試用する商品が揃ったことを利用者に通知するか否かを示す1ビットの情報である。本実施形態では、通知しない状態を“0”、通知する状態を“1”とする。ここに、利用者ID、試用日、試用品数及び通知フラグは、試用所を利用して商品を試用する利用者に関する情報を構成する。
【0042】
試用管理データは、一連番号、販売店ID、商品ID、販売形態フラグ、入荷状態フラグ、試用結果フラグ及び返品対象フラグの各情報を含む。一連番号は、初期値を“1”とする連続番号である。販売形態フラグは、商品IDで識別される商品の販売店IDで識別される販売店での販売形態を示す1ビットの情報である。本実施形態では、販売品を“0”、試用品を“1”とする。入荷状態フラグは、商品IDで識別される商品が試用所に入荷したか否かを示す1ビットの情報である。本実施形態では、未入荷を“0”、入荷済を “1”とする。試用結果フラグは、商品IDで識別される商品を利用者が試用した結果、購入するか否かを示す1ビットの情報である。本実施形態では、非購入を“0”、購入を “1”とする。返品対象フラグは、商品IDで識別される商品が販売店への返品対象であるか否かを示す1ビットの情報である。本実施形態では、返品対象外を“0”、返品対象を“1”とする。ここに、試用管理データは、利用者が試用される商品に関する情報を構成する。
【0043】
因みに、
図6は試用管理ファイル231に記憶されるデータの第1状態を示し、
図7は第2状態を示し、
図8は第3状態を示し、
図9は第4状態を示す。これら第1状態乃至第4状態については、
図10を用いて説明する。
【0044】
図10は、利用者と販売店と試用所との間で授受される主要なデータと商品の動きとの一例を示す説明図である。
図10の例では、利用者ID[UID00001]の利用者は先ず、利用者端末50を操作して、販売店Aのショッピングサイトを閲覧し、商品aを注文する。その注文の際、利用者は、利用者端末50を操作して、商品aを試用するために利用する試用所Dと試用日[20161001(2016年10月01日)]とを登録する。
【0045】
次いで、同利用者は、利用者端末50を操作して、販売店Bのショッピングサイトを閲覧し、商品bを注文する。その注文の際も、利用者は、商品aと一緒に商品bを試用するために、利用者端末50を操作して、試用所Dと試用日[20161001]とを登録する。
【0046】
次いで、同利用者は、利用者端末50を操作して、販売店Cのショッピングサイトを閲覧し、商品cを注文する。その注文の際も、利用者は、商品a及び商品bと一緒に商品cを試用するために、利用者端末50を操作して、試用所Dと試用日[20161001]とを登録する。
【0047】
一方、販売店Aの販売店サーバ10は、インターネット40を介して利用者端末50から商品aの注文を受けると、データベースサーバ30にアクセスし、試用所Dの通信アドレスを問い合わせる。そして試用所Dの通信アドレスを取得したならば、販売店サーバ10は、インターネット40を介して商品aの試用依頼コマンドを試用所Dの試用所サーバ20宛に送信する。商品aの試用依頼コマンドには、利用者ID[UID00001]及び試用日 [20161001]とともに、販売店Aの販売店ID[SID9999]と、商品aの商品ID[123456789]とが含まれる。なお、商品aは、試用品とする。
【0048】
試用所Dの試用所サーバ20は、商品aの試用依頼コマンドを受けて、補助記憶デバイス23を検索する。このとき、補助記憶デバイス23には、利用者ID[UID00001]と試用日[20161001]とが一致する試用管理ファイル231が記憶されていない。そこで試用所サーバ20は、利用者ID[UID00001]と試用日[20161001]とを含む試用管理ファイル231を作成する。このとき、試用品数は[1]であり、通知フラグは“0”である。また、試用所サーバ20は、販売店ID[SID9999]と商品ID[123456789]とを含む試用管理データd1を作成する。試用品数は[1]であるため、試用管理データd1の一連番号は[1]である。商品aは試用品であるため、試用管理データd1の販売形態フラグは“1”である。試用所サーバ20は、試用管理ファイル231に試用管理データd1を登録する。この時点における試用管理ファイル231の内容は、
図6に示すとおりである。すなわち第1状態とは、利用者ID[UID00001]と試用日[20161001]とが新規の組み合わせの試用依頼コマンドを受けて試用管理ファイル231を作成した状態を示す。
【0049】
販売店B,Cの販売店サーバ10も、販売店Aの販売店サーバ10と同様に動作する。すなわち販売店Bの販売店サーバ10は、利用者端末50から商品bの注文を受けると、商品bの試用依頼コマンドを試用所Dの試用所サーバ20宛に送信する。商品bの試用依頼コマンドには、利用者ID[UID00001]及び試用日[20161001]とともに、販売店Bの販売店ID[SID8888]と、商品bの商品ID[11112222]とが含まれる。なお、商品bは、販売品とする。
【0050】
また販売店Cの販売店サーバ10は、利用者端末50から商品cの注文を受けると、商品cの試用依頼コマンドを試用所Dの試用所サーバ20宛に送信する。商品cの試用依頼コマンドには、利用者ID[UID00001]及び試用日[20161001]とともに、販売店Cの販売店ID[SID7777]と、商品cの商品ID[445566]とが含まれる。なお、商品cは、販売品とする。
【0051】
試用所Dの試用所サーバ20は、商品bの試用依頼コマンドを受けて、補助記憶デバイス23を検索する。このとき、補助記憶デバイス23には、利用者ID[UID00001]と試用日[20161001]とが一致する試用管理ファイル231が記憶されている。そこで試用所サーバ20は、試用品数を[2]とする。また試用所サーバ20は、販売店ID[SID8888]と商品ID[11112222]とを含む試用管理データd2を作成する。試用品数は[2]であるため、試用管理データd2の一連番号は[2]である。商品bは販売品であるため、試用管理データd2の販売形態フラグは“0”である。試用所サーバ20は、利用者ID[UID00001]と試用日[20161001]とが一致する試用管理ファイル231に試用管理データd2を登録する。
【0052】
また試用所Dの試用所サーバ20は、商品cの試用依頼コマンドを受けて、補助記憶デバイス23を検索する。このとき、補助記憶デバイス23には、利用者ID[UID00001]と試用日[20161001]とが一致する試用管理ファイル231が記憶されている。そこで試用所サーバ20は、試用品数を[3]とする。また試用所サーバ20は、販売店ID[SID7777]と商品ID[445566]とを含む試用管理データd3を作成する。試用品数は[3]であるため、試用管理データd2の一連番号は[3]である。商品cは販売品であるため、試用管理データd3の販売形態フラグは“0”である。試用所サーバ20は、利用者ID[UID00001]と試用日[20161001]とが一致する試用管理ファイル231に試用管理データd3を登録する。
【0053】
ところで販売店Aの店員は、利用者からの注文を受けて、商品aを試用所Dに発送する。同様に、販売店Bの店員は商品bを試用所Dに発送し、販売店Cの店員は商品cを試用所Dに発送する。
【0054】
試用所Dの係員は、商品aが入荷すると、試用所端末20Tを操作して、商品aの商品ID[123456789]、販売店Aの販売店ID[SID9999]、利用者の利用者ID[UID00001]、試用日[20161001]等を入力する。これらの情報は、商品aが梱包されたケースに、例えば二次元コードの形態で印刷されている。あるいはこれらの情報がICチップに記録されたRFタグがケースに付されている。商品aに関する情報が入力されると、試用所サーバ20においては、利用者ID[UID00001]と試用日[20161001]とが一致する試用管理ファイル231に登録されている商品aの試用管理データd1の入荷状態フラグが“1”となる。
【0055】
同様に、試用所Dの係員は、商品bが入荷すると、試用所端末20Tを操作して、商品bの商品ID[11112222]、販売店Bの販売店ID[SID8888]、利用者の利用者ID[UID00001]、試用日[20161001]等を入力する。商品bに関する情報が入力されると、試用所サーバ20においては、同試用管理ファイル231に登録されている商品bの試用管理データd2の入荷状態フラグが“1”となる。この時点における試用管理ファイル231の内容は、
図7に示すとおりである。すなわち第2状態とは、利用者が試用するために販売店に注文した商品のうち、一部の商品が試用所に届いた状態を示す。
【0056】
その後、試用所Dの係員は、商品cが入荷すると、試用所端末20Tを操作して、商品cの商品ID[445566]、販売店Cの販売店ID[SID7777]、利用者の利用者ID[UID00001]、試用日[20161001]等を入力する。商品cに関する情報が入力されると、試用所サーバ20においては、同試用管理ファイル231に登録されている商品cの試用管理データd3の入荷状態フラグが“1”となる。その結果、利用者ID[UID00001]の利用者が同じ試用日[20161001]を指定して試用を行う商品が全て揃ったので、同試用管理ファイル231の通知フラグが“1”となる。この時点における試用管理ファイル231の内容は、
図8に示すとおりである。すなわち第3状態とは、利用者が試用するために販売店に注文した商品が全て試用所に届いた状態を示す。
【0057】
試用管理ファイル231の通知フラグが“1”になると、試用所サーバ20は、データベースサーバ30にアクセスし、同試用管理ファイル231に記憶されている利用者ID [UID00001]で識別される利用者のメールアドレスを問い合わせる。そしてメールアドレスを取得したならば、試用所サーバ20は、試用する商品が揃ったので試用可能であることを通知する電子メールを作成し、取得したメールアドレス宛てにインターネット40を介して送信する。
【0058】
電子メールを受信した利用者は、試用所Dに出向いて商品a、商品b、商品cを試用する。そして利用者が、例えば商品aと商品cとを購入し、商品bを返品することを決めた場合、利用者又は係員は、試用所端末20Tに商品aと商品cとを購入し、商品bを返品する旨を入力する。この時点における試用管理ファイル231の内容は、
図9に示すとおりである。すなわち商品aは購入するので試用結果フラグは“1”となる。また商品aは試用品であるため返品されるので、返品対象フラグは“1”となる。商品bは購入しないので試用結果フラグは“0”となる。また商品bは返品されるので、返品対象フラグは“1”となる。商品cは購入するので試用結果フラグは“1”となる。また商品cは販売品であるため利用者が持ち帰ることができるので、返品対象フラグは“0”となる。すなわち第4状態とは、試用した商品を利用者が購入するか返品するかの選択入力を受け付けた状態を示す。
【0059】
試用を終えた利用者は、商品cを持ち帰る。試用所の係員は、商品aと商品bとをそれぞれ販売店A,Bに返品する。また、第4状態にある試用管理ファイル231のデータは、各販売店A,B,Cの販売店サーバ10に通知される。この通知を受けて、販売店Aでは、商品aに対する販売品を利用者宛に発送する。
【0060】
次に、
図10を用いて説明したデータの授受と商品の動きとを実現するために、販売店サーバ10のプロセッサ11と、試用所サーバ20のプロセッサ21とがそれぞれ実行する処理手順について、
図11乃至
図16を用いて説明する。
図11は、販売店サーバ10のプロセッサ11が実行する処理手順を示す流れ図である。
図12乃至
図14は、試用所サーバ20のプロセッサ21が実行する処理手順を示す流れ図である。
図15及び
図16は、試用所サーバ20の表示デバイス20Dに表示される画像の一例である。
【0061】
始めに、
図11を用いて、販売店サーバ10のプロセッサ11が実行する処理手順について説明する。この手順は、メインメモリ12又は補助記憶デバイス13に記憶された所定の制御プログラムに基づくものである。なお、
図11に示すとともに以下に説明する処理手順は一例である。同様な結果を得ることが可能であればその処理手順は特に限定されるものではない。
【0062】
プロセッサ11は、インターネット40上にショッピングサイトをオープンする(Act1)。そしてプロセッサ11は、インターネット40を介して商品の注文指令を待ち受ける(Act2)。注文指令は、利用者端末50から発せられる。注文指令には、注文する商品の商品IDが含まれる。注文指令を受信すると(Act2、YES)、プロセッサ11は、その注文指令を発信した利用者端末(以下、当該利用者端末と称する)50に利用者IDを要求する(Act3)。そしてプロセッサ11は、インターネット40を介して利用者IDを待ち受ける(Act4)。利用者IDは、当該利用者端末50から送信される。利用者IDを受領すると(Act4、YES)、プロセッサ11は、その利用者IDの認証を行う(Act5)。そしてプロセッサ11は、認証可(OK)であるか認証不可(NG)であるかを判定する(Act6)。
【0063】
すなわちプロセッサ11は、インターネット40を介してデータベースサーバ30にアクセスして、認証対象の利用者IDが利用者データベース33に登録されているか否かを問合せる。この問い合わせに対し、データベースサーバ30から認証対象の利用者IDが登録されている旨の応答があると、プロセッサ11は、認証可(OK)と判定する。これに対し、データベースサーバ30から認証対象の利用者IDが登録されていない旨の応答があった場合には、プロセッサ11は、認証不可(NG)と判定する。
【0064】
認証不可の場合(Act6、NO)、プロセッサ11は、当該利用者端末50に、インターネット40を介して試用不可を通知する(Act13)。そしてプロセッサ11は、次の注文指令を待ち受ける(Act2)。
【0065】
一方、認証可の場合には(Act6、YES)、プロセッサ11は、当該利用者端末50に試用所IDと試用日とを要求する(Act7)。そしてプロセッサ11は、インターネット40を介して試用所IDと試用日とを待ち受ける(Act8)。試用所IDと試用日とは、当該利用者端末50から送信される。試用所IDと試用日とを受領すると(Act8、YES)、プロセッサ11は、試用依頼コマンドを生成する(Act9)。試用依頼コマンドは、注文指令に含まれる商品IDと、当該利用者端末50から受領した利用者ID、試用所ID及び試用日と、販売店IDと、を含む。販売店IDは、メインメモリ12又は補助記憶デバイス13に記憶されている。
【0066】
試用依頼コマンドを生成すると、プロセッサ11は、ネットワークインターフェース15を制御して、その試用依頼コマンドを、各試用所システム200の試用所サーバ20に配信する(Act10)。
ここに、Act10の処理を実行するプロセッサ11とネットワークインターフェース15とは、送信手段を構成する。
【0067】
試用依頼コマンドを受信した試用所サーバ20は、そのコマンドに含まれる試用所IDが、メインメモリ22又は補助記憶デバイス23に記憶されている試用所IDと一致するか確認する。そして一致する場合、その試用所サーバ20は受諾応答を返信する。
【0068】
試用依頼コマンドを配信したプロセッサ11は、受諾応答を待ち受ける(Act11)。そして、試用依頼コマンドを配信してから所定の時間内にいずれかの試用所サーバ20から受諾応答を受信したならば(Act11、YES)、プロセッサ11は、試用履歴データベース132に試用履歴レコード132Rを追加する(Act12)。そしてプロセッサ11は、次の注文指令を待ち受ける(Act2)。試用履歴レコード132Rは、試用依頼コマンドに含まれていた商品ID及び利用者IDと、受諾応答を返信した試用所サーバ20の試用所IDとを含む。
【0069】
一方、所定の時間内に受諾応答を受信できなかった場合には(Act11、NO)、プロセッサ11は、当該利用者端末50に試用不可を通知する(Act13)。そしてプロセッサ11は、次の注文指令を待ち受ける(Act2)。
【0070】
次に、
図12乃至
図14を用いて、試用所サーバ20のプロセッサ21が繰り返し実行する処理手順について説明する。この手順は、メインメモリ22又は補助記憶デバイス23に記憶された所定の制御プログラムに基づくものである。なお、
図12乃至
図14に示すとともに以下に説明する処理手順は一例である。同様な結果を得ることが可能であればその処理手順は特に限定されるものではない。
【0071】
プロセッサ21は、入荷モードが選択されたか否かを確認する(Act21)。入荷モードが選択されていない場合(Act21、NO)、プロセッサ21は、試用モードが選択されたか否かを確認する(Act22)。試用モードが選択されていない場合(Act22、NO)、プロセッサ21は、メインメモリ22又は補助記憶デバイス23に記憶されている試用所IDを含む試用依頼コマンド(以下、当該試用依頼コマンドと称する)を受信したか否かを確認する(Act23)。当該試用依頼コマンドを受信していない場合(Act23、NO)、プロセッサ21は、再び入荷モードが選択されたか否かを確認する(Act21)。ここにプロセッサ21は、Act21乃至Act23において、入荷モードが選択されるか、試用モードが選択されるか、当該試用依頼コマンドを受信するのを待ち受ける。
【0072】
Act21乃至Act23の待ち受け状態において、ネットワークインターフェース25を介していずれかの販売店サーバ10から発信される当該試用依頼コマンドを受信したことを検知すると(Act23、YES)、プロセッサ21は、当該試用依頼コマンドの受信処理を実行する。すなわちプロセッサ21は、当該試用依頼コマンドに含まれる利用者IDと試用日とを取得する(Act24)。そしてプロセッサ21は、その取得した利用者IDと試用日とで試用管理ファイル231を検索する(Act25)。
【0073】
プロセッサ21は、利用者IDと試用日とが一致する試用管理ファイル(以下、当該試用管理ファイルと称する)231の有無を判断する(Act26)。当該試用管理ファイル231が存在しない場合(Act26、NO)、プロセッサ21は、その利用者IDと試用日とを含む試用管理ファイル231、いわゆる当該試用管理ファイルを生成する(Act27)。そしてプロセッサ21は、当該試用管理ファイル231の試用品数Kを“1”とする(Act28)。一方、当該試用管理ファイル231が既に存在する場合には(Act26、YES)、プロセッサ21は、当該試用管理ファイル231の試用品数Kを“1”だけアップする(Act29)。
【0074】
Act28またはAct29の処理を終えると、プロセッサ11は、当該試用管理ファイル231に試用管理データを追加する(Act30)。このとき、当該試用管理ファイル231の試用品数Kが試用管理データの一連番号となる。
ここに、Act23及びAct24の処理を実行するプロセッサ21とネットワークインターフェース25とは、受信手段を構成する。また、Act25乃至Act30の処理を実行するプロセッサ21と、補助記憶デバイス23とは、記憶手段を構成する。
【0075】
プロセッサ21は、当該試用管理ファイル231の通知フラグが“1”であるか否かを確認する(Act31)。通知フラグが“0”の場合(Act31、NO)、プロセッサ21は、当該試用依頼コマンドの受信処理を終了する。なお、通知フラグが“1”であった場合の処理手順については後述する。
【0076】
試用所に商品が入荷すると、試用所の係員は、試用所端末20Tの入力デバイス20Iを操作して、試用所サーバ20の動作モードを入荷モードとする。そして係員は、
図10を用いて説明したように、試用所端末20Tのスキャナ20Sを操作して、入荷した商品の商品ID、販売店ID、利用者ID、試用日等を入力する。
【0077】
プロセッサ21は、入荷モードが選択されたことを確認すると(Act21、YES)、利用者IDと試用日とを取得する(Act41)。利用者IDと試用日とは、試用所端末20Tから入力される。プロセッサ21は、試用所端末20Tから取得した利用者IDと試用日とで試用管理ファイル231を検索する(Act42)。
【0078】
プロセッサ21は、利用者IDと試用日とが一致する試用管理ファイル231、すなわち当該試用管理ファイル231の有無を判断する(Act43)。当該試用管理ファイル231が存在する場合(Act43、YES)、プロセッサ21は、商品IDを取得する(Act44)。商品IDは、試用所端末20Tから入力される。プロセッサ21は、当該試用管理ファイル231に記憶されている試用管理データの中に、取得した商品IDを含む試用管理データ(以下、当該試用管理データと称する)の有無を確認する(Act45)。
【0079】
当該試用管理データが存在する場合(Act45、YES)、プロセッサ21は、当該試用管理データの入荷状態フラグを“1”に変更する(Act46)。
Act44乃至Act46の処理を実行するプロセッサ21は、付加手段を構成する。
【0080】
なお、当該試用管理データが存在しない場合(Act45、NO)、または、当該試用管理ファイル231が存在しない場合(Act43、NO)、プロセッサ21は、入荷モードの処理をエラーとして終了する。
【0081】
Act46において、入荷状態フラグを“1”に変更したプロセッサ21は、試用対象の商品の入荷が完了したか否かを確認する(Act47)。すなわちプロセッサ21は、当該試用管理ファイル231に登録されている全ての試用管理データの入荷状態フラグが“1”に変更されているか否かを確認する。少なくとも1つの試用管理データの入荷状態フラグが“0”であった場合、プロセッサ21は、入荷未完了と判定する。入荷未完了の場合(Act47、NO)、プロセッサ21は、入荷モードの処理を終了する。
【0082】
全ての試用管理データの入荷状態フラグが“1”に変更されていた場合には、プロセッサ21は、入荷完了と判定する。入荷完了の場合(Act47、YES)、プロセッサ21は、インターネット40を介してデータベースサーバ30にアクセスして、当該試用管理ファイル231の利用者IDで識別される利用者のメールアドレスを取得する(Act48)。そしてメールアドレスを取得したならば、プロセッサ21は、そのメールアドレスを宛先とし、インターネット40を介して試用可メールを送信する(Act49)。試用可メールは、試用対象商品の品揃えが完了したので、試用可能であることを通知する電子メールである。
ここに、Act47乃至Act49の処理を実行するプロセッサ21は、連絡手段を構成する。
【0083】
試用可メールを送信した後、プロセッサ21は、当該試用管理ファイル231の通知フラグを“1”に変更する(Act50)。以上で、プロセッサ21は、入荷モードの処理を終了する。なお、プロセッサ21が通知フラグを“1”に変更するタイミングは、試用可メールを送信する前であってもよい。
【0084】
このように、通知フラグFは、試用管理ファイル231に登録されている試用管理データの入荷状態フラグが全て“1”になると、“1”に変更されて、利用者宛に試用可メールが送信される。ところが、場合によっては、入荷状態フラグが全て“1”になった後で、
図12のAct23~Act30の処理により新たな試用管理データが試用管理ファイル231に登録される場合がある。
【0085】
その場合、通知フラグが“1”にセットされているので(Act31、YES)、プロセッサ21は、以下の処理を実行する。すなわちプロセッサ21は、インターネット40を介してデータベースサーバ30にアクセスして、当該試用管理ファイル231の利用者IDで識別される利用者のメールアドレスを取得する(Act32)。そして、メールアドレスを取得したならば、プロセッサ21は、そのメールアドレスを宛先として、インターネット40を介して取消メールを送信する(Act33)。取消メールは、試用可メールの内容を取り消すことを通知する電子メールである。プロセッサ21は、試用管理ファイル231の通知フラグを“0”に戻す(Act34)。以上で、プロセッサ21は、試用依頼コマンドを受信した場合の処理を終了する。なお、プロセッサ21が通知フラグを“0”に戻すタイミングは、取消メールを送信する前でもよい。
【0086】
利用者が試用のために試用所に訪れると、試用所の係員は、試用所端末20Tの入力デバイス20Iを操作して、試用所サーバ20の動作モードを試用モードとする。そして係員は、試用所端末20Tの入力デバイス20I又はスキャナ20Sを操作して、利用者の利用者IDを入力する。利用者IDは、例えばスマートフォンにインストールした専用のアプリケーションソフトウェアにより、そのスマートフォンのディスプレイに一次元コード又は二次元コードで表示される。あるいは利用者IDは、ユーザ登録の際に発行された非接触ICカードのICチップに記録されていてもよい。
【0087】
プロセッサ21は、試用モードが選択されたことを確認すると(Act22、YES)、利用者IDを取得する(Act61)。利用者IDは、試用所端末20Tから入力される。プロセッサ21は、試用所端末20Tから取得した利用者IDで試用管理ファイル231を検索する(Act62)。
【0088】
プロセッサ21は、利用者IDが一致する試用管理ファイル231の有無を判断する(Act63)。利用者IDが一致する試用管理ファイル231が存在する場合(Act63、YES)、プロセッサ21は、その利用者IDが一致する試用管理ファイル231の通知フラグを調べる(Act64)。なお、利用者IDが一致する試用管理ファイル231が複数存在する場合には、それぞれについて通知フラグを調べる。
【0089】
ここで、通知フラグが“1”になっている試用管理ファイル231が1つも存在しない場合(Act64、NO)、あるいは利用者IDが一致する試用管理ファイル231が存在しない場合には(Act63、NO)、プロセッサ21は、試用モードの処理をエラーとする。
【0090】
利用者IDが一致し、かつ通知フラグが“1”になっている試用管理ファイル(以下、有効試用管理ファイルと称する)231が1つでも存在する場合(Act64、YES)、プロセッサ21は、有効試用管理ファイル231の試用管理データを基に、試用対象商品のリスト画像SC1(
図15を参照)を作成する。そしてプロセッサ21は、そのリスト画像SC1を、試用所端末20Tの表示デバイス20Dに表示させる(Act65)。
ここに、Act65の処理を実行するプロセッサ21は、表示手段を構成する。
【0091】
図15は、リスト画像SC1の一例である。
図15は、
図10を用いて説明した例のときのリスト画像SC1である。図示するように、リスト画像SC1には、試用対象の商品a、商品b及び商品cの各名称と販売店の店舗名とが表示される。また、各商品の名称と対応付けて、購入ボタンB1と返品ボタンB2の画像が表示される。ここで、
図10を用いて説明したように、利用者が商品aと商品cとを購入し、商品bを不購入のため返品する場合を想定する。その場合、利用者又は試用所の係員は、試用所端末20Tの入力デバイス20Iを操作して、商品aについては購入ボタンB1を入力する。また、商品bについては返品ボタンB2を入力する。また、商品cについては購入ボタンB1を入力する。
【0092】
プロセッサ21は、購入ボタンB1又は返品ボタンB2が入力されるのを待ち受ける(Act66)。そして、試用所端末20Tからの信号により購入ボタンB1が入力されたことを検知した場合(Act66、購入)、プロセッサ21は、その購入ボタンB1に関連付けられてリスト画像SC1に表示されている商品の試用管理データに含まれる試用結果フラグを“1”とする(Act67)。またプロセッサ21は、その試用管理データに含まれる販売形態フラグを調べる(Act68)。そして販売形態フラグが“0”、すなわち販売品であることを示す場合には(Act68、YES)、プロセッサ21は、その試用管理データに含まれる返品対象フラグを“0”とする(Act69)。これに対し、販売形態フラグが“1”、すなわち試用品であることを示す場合には(Act68、NO)、プロセッサ21は、その試用管理データに含まれる返品対象フラグを“1”とする(Act71)。
【0093】
一方、試用所端末20Tからの信号により返品ボタンB2が入力されたことを検知した場合には(Act66、返品)、プロセッサ21は、その返品ボタンB2に関連付けられてリスト画像SC1に表示されている商品の試用管理データに含まれる試用結果フラグを“0”とする(Act70)。またプロセッサ21は、その試用管理データに含まれる返品対象フラグを“1”とする(Act71)。
【0094】
Act69又はAct71の処理を終えると、プロセッサ21は、全ての試用対象の商品について、購入ボタンB1又は返品ボタンB2が入力されたか否かを判断する(Act72)。すなわち、プロセッサ21は、ボタン未入力の商品の有無を判断する。例えばプロセッサ21は、有効試用管理ファイル231に登録されている全ての試用管理データの試用結果フラグが“1”または“0”に設定されているか否かを判断する。少なくとも1つの試用管理データの試用結果フラグが“1”または“0”に設定されていない場合、プロセッサ21は、ボタン未入力の商品が有ると判断する。ボタン未入力の商品が有る場合(Act72、NO)、プロセッサ21は、Act66の処理に戻る。そして、ボタン未入力の商品に対して購入ボタンB1又は返品ボタンB2が入力されるのを待ち受ける。
ここに、Act66乃至Act72の処理を実行するプロセッサ21は、受付手段を構成する。
【0095】
一方、全ての試用管理データの試用結果フラグが“1”または“0”に設定されている場合、プロセッサ21は、ボタン未入力の商品が無いと判断する。ボタン未入力の商品が無いと判断した場合(Act72、YES)、プロセッサ21は、リスト画像SC1に試用対象の各商品の取扱い情報を表示する(Act73)。
【0096】
図16は、取扱い情報を表示したリスト画像SC1の一例である。取扱い情報は、購入ボタンB1及び返品ボタンB2に代えて表示される。取扱い情報は、試用品に対して購入が指示された場合の情報「後ほど配送します」と、返品が指示された場合の情報「返品します」と、販売品に対して購入が指示された場合の情報「お持ち帰りください」とがある。取扱い情報を確認した係員は、その情報の通りに商品を取り扱えばよい。
【0097】
取扱い情報を表示させたプロセッサ21は、試用所に商品を納品した販売店に試用結果を通知する(Act76)。すなわちプロセッサ21は、有効試用管理ファイル231に登録されている試用管理データ毎に、販売店IDを取得する。そしてプロセッサ21は、インターネット40を介してデータベースサーバ30にアクセスして、当該販売店IDで識別される販売店の通信アドレスを取得する。そしてプロセッサ21は、この通信アドレスを宛先として、試用管理データを送信する。このときプロセッサ21は、試用管理データに、メインメモリ22または補助記憶デバイス23に記憶されている試用所IDと、有効試用管理ファイル231の利用者IDと、時計26で計時されている日時(試用日時)とを付加して送信する。
ここに、Act74の処理を実行するプロセッサ21は、通知手段を構成する。
【0098】
試用管理データを受信した販売店サーバ10は、試用履歴データベース132を検索する。そして、試用管理データに含まれる商品IDと、この試用管理データに付加される試用所ID及び利用者IDとを含む試用履歴レコードに、試用日時と試用結果とを登録する。試用結果は、試用結果フラグが“1”であり、返品対象フラグが“0”の場合には、「販売」となる。試用結果フラグが“1”であり、返品対象フラグが“1”の場合には、「注文」となる。試用結果フラグが“0”であり、返品対象フラグが“1”の場合には、「返品」となる。
【0099】
以上説明したように、本実施形態の試用システム1によれば、利用者は、異なるショッピングサイトでそれぞれ販売されている複数の商品を、その利用者が指定した共通の試用所で試用してから購入するかどうかを決めことができる。しかも、試用した商品を販売店に返品する作業は、試用所の係員が利用者に代わって行うので、利用者が手間に感じることはない。
【0100】
また、試用システム1によれば、利用者が注文した商品が全て試用所に揃うと、その試用所の試用所サーバ20から当該利用者の利用者端末50に宛てて、試用可能であることを通知する電子メールが自動的に送信される。したがって利用者は、注文した商品が試用所に揃ったことを知ることができる。また、試用所の係員は、注文した商品が試用所に揃ったことを利用者に連絡する必要はない。
【0101】
また、試用システム1によれば、利用者が試用した商品の購入を決めた際に、試用所サーバ20において、その商品が試用品であるのか販売品であるのかが自動的に判別される。そして販売品である場合には、試用所サーバ20が販売店サーバ10に当該商品を利用者が持帰ったことを通知する。これに対し、試用品である場合には、試用所サーバ20が販売店サーバ10に当該商品の注文を受けたことを通知する。したがって、販売店は、利用者が試用する商品を試用所に発送した後、注文を受けたことの通知があったときだけ、その利用者に注文を受けた商品を発送すればよい。さらに言えば、利用者が試用する場所(試用所)には係員が居るので、利用者が商品を不正に持ち帰る心配はない。そこで販売店は、試用の依頼があった場合も試用品ではなく販売品を試用所に発送することで、その後の利用者への発送の手間をなくすことができる。
【0102】
ところで、上記実施形態の説明では、商品の代金支払いについて特に言及していない。代金支払いについては、商品を試用する前に支払う前払いと、商品を試用した後に支払う後払いとが考えられる。
【0103】
前払いの場合、利用者はショッピングサイトで商品の試用を依頼する際に、クレジットカード等の決済方法を利用して代金を支払う。この場合、利用者が試用した商品の不購入を決めたときには、先払いされた代金は返金される。
【0104】
後払いの場合、利用者は試用所にて商品を試用し、購入することを決めた場合に、ショッピングサイトに再度アクセスしてクレジットカード等の決済方法で支払う。あるいは、試用所にて現金等の決済方法で支払ってもよい。
【0105】
商品の代金を前払いとするか後払いとするかは、システムとして予め統一しておいてもよいし、販売店毎に運用を決めてもよい。販売店毎に運用を決める場合、試用管理ファイル231の試用管理データに、商品IDで識別される商品の代金が支払済であるか否かを識別するための支払い済フラグを含める。
【0106】
試用所サーバ20のプロセッサ21は、
図14のAct73においてリスト画像SC1に試用対象の各商品の取扱い情報を表示する際、販売形態フラグと支払済フラグの状態によって商品に対する情報を変更する。例えば販売品でかつ前払いの商品に対して購入が指示された場合の情報は「代金は既にいただいております。そのままお持ち帰りください」となる。例えば販売品又は試用品でかつ前払いの商品に対して不購入が指示された場合の情報は「代金は、後程返金されます」となる。例えば試用品でかつ後払いの商品に対して購入が指示された場合の情報は「代金をお支払いください。代金の支払いを確認後、配送します。」となる。
【0107】
以下、実施形態の変形例について説明する。
前記実施形態では、
図11のAct2において、注文指令を受信すると、プロセッサ21が利用者IDの認証を行った。プロセッサ21が利用者IDを認証するタイミングはこれに限定されるものではない。プロセッサ21が、注文指令を受ける前に利用者IDの認証を行い、認証可となったならば注文指令を待ち受けてもよい。
【0108】
前記実施形態では、インターネット40にデータベースサーバ30を接続し、このデータベースサーバ30が販売店データベース31、試用所データベース32及び利用者データベース33を管理するようにした。この点については、いずれかの販売店サーバ10又は試用所サーバ20が、データベースサーバ30としての機能を兼用してもよい。または、データベースサーバ30が、いずれかの販売店サーバ10又は試用所サーバ20の機能を兼用してもよい。
【0109】
前記実施形態では、販売店サーバ10に対して販売店端末10Tを、また試用所サーバ20に対して試用所端末20Tを、それぞれ接続する場合を例示した。この点については、端末10T,20Tが有するデバイス等をサーバ10,20が備えることで、端末を省略してもよい。
【0110】
前記実施形態では、リスト画像SC1に、試用対象の各商品の名称と対応付けて、購入ボタンB1と返品ボタンB2の画像を表示させた。この点については、例えば試用対象の商品に拘わらず購入ボタンB1と返品ボタンB2の画像を1つずつ表示させるとともに、リストに表示される商品名を選択可能とする。そして、選択された商品名の商品を購入する場合には購入ボタンB1、返品する場合には返品ボタンB2を入力するようにしてもよい。
【0111】
なお、販売店サーバ10及び試用所サーバ20の譲渡は一般に、制御プログラムがメインメモリ又は補助記憶デバイスに記憶された状態にて行われる。しかしこれに限らず、プログラムがメインメモリ又は補助記憶デバイスに記憶されていない状態で譲渡されてもよい。そしてこの場合は、販売店サーバ10及び試用所サーバ20が備える書き込み可能な記憶デバイスに、この販売店サーバ10及び試用所サーバ20とは個別に譲渡された制御プログラムがユーザなどの操作に応じて書き込まれる。制御プログラムの譲渡は、リムーバブルな記録媒体に記録して、あるいはネットワークを介した通信により行うことができる。記録媒体は、CD-ROM,メモリカード等のようにプログラムを記憶でき、かつ装置が読み取り可能であれば、その形態は問わない。また、プログラムのインストールやダウンロードにより得る機能は、装置内部のOS(オペレーティング・システム)等と協働してその機能を実現させるものであってもよい。
【0112】
この他、本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
以下に、本願出願の当初の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
[1]依頼者が試用する商品を試用所に発送する店にそれぞれ設けられる第1サーバと、前記試用所に設けられ、前記依頼者を識別する依頼者識別情報を入力するための入力デバイスを備えた第2サーバと、を備え、前記第1サーバは、前記商品を識別する商品識別情報と当該商品を試用する前記依頼者の前記依頼者識別情報とを含む試用依頼コマンドを、前記第2サーバへと送信する送信手段、を具備し、前記第2サーバは、前記第1サーバから送信される前記試用依頼コマンドを受信する受信手段と、前記受信手段で受信した前記試用依頼コマンドに含まれる前記商品識別情報と前記依頼者識別情報とを関連付けて記憶する記憶手段と、前記入力デバイスを介して入力された前記依頼者識別情報と関連付けて記憶されている商品識別情報で識別される商品の購入または不購入の選択を受け付ける受付手段と、前記受付手段により前記購入の選択を受け付けた商品については、当該商品の商品識別情報と前記入力デバイスを介して入力された前記依頼者識別情報とを含む前記試用依頼コマンドを送信した前記第1サーバに対して当該商品の試用結果が購入であることを通知し、前記不購入の選択を受け付けた商品については、当該商品の商品識別情報と前記入力デバイスを介して入力された前記依頼者識別情報とを含む前記試用依頼コマンドを送信した前記第1サーバに対して当該商品の試用結果が不購入であることを通知する通知手段と、を具備する試用システム。
[2]前記入力デバイスは、前記商品識別情報の入力が可能であり、前記第2サーバは、前記入力デバイスを介して前記商品識別情報が入力されると、前記依頼者識別情報と関連付けて記憶されている当該商品識別情報に、入荷済を示す情報を付加する付加手段と、共通の前記依頼者識別情報に関連付けて記憶されている全ての商品識別情報に前記入荷済を示す情報が付加されると、当該依頼者識別情報で識別される依頼者に試用可能である旨を連絡する連絡手段と、をさらに具備する付記[1]記載の試用システム。
[3]前記試用依頼コマンドは、前記商品識別情報で識別される商品が試用品なのか販売品なのかを識別する販売形態情報をさらに含み、前記記憶手段は、前記商品識別情報と前記販売形態情報とを前記依頼者識別情報と関連付けて記憶し、前記通知手段は、前記受付手段により前記購入の入力を受け付けた商品のうち販売品については当該商品の試用結果が持帰りであることを通知し、試用品については当該商品の試用結果が注文であることを通知する、付記[1]記載の試用システム。
[4]依頼者が試用する商品を試用所に発送する店にそれぞれ設けられる第1サーバと、前記試用所に設けられ、前記依頼者を識別する依頼者識別情報を入力するための入力デバイスを備えた第2サーバとを備えた試用システムの試用方法であって、前記第1サーバは、商品を識別する商品識別情報と当該商品を試用する前記依頼者を識別する依頼者識別情報とを含む試用依頼コマンドを、前記第2サーバへと送信し、前記第2サーバは、前記第1サーバから送信される前記試用依頼コマンドを受信し、受信した前記試用依頼コマンドに含まれる前記商品識別情報と前記依頼者識別情報とを関連付けて記憶し、前記入力デバイスを介して入力された前記依頼者識別情報と関連付けて記憶されている商品識別情報で識別される商品の購入または不購入の選択を受け付け、前記購入の選択を受け付けた商品については、当該商品の商品識別情報と前記入力デバイスを介して入力された前記依頼者識別情報とを含む前記試用依頼コマンドを送信した前記第1サーバに対して当該商品の試用結果が購入であることを通知し、前記不購入の選択を受け付けた商品については、当該商品の商品識別情報と前記入力デバイスを介して入力された前記依頼者識別情報とを含む前記試用依頼コマンドを送信した前記第1サーバに対して当該商品の試用結果が不購入であることを通知する、試用方法。
[5]依頼者が試用する商品を試用所に発送する店にそれぞれ設けられ、前記商品を識別する商品識別情報と当該商品を試用する前記依頼者を識別する依頼者識別情報とを含む試用依頼コマンドを送信する機能を有したサーバと通信する第1のインターフェースと、前記依頼者を識別する依頼者識別情報を入力するための入力デバイスを備えた端末と通信する第2のインターフェースと、前記第1のインターフェースを介して前記サーバから受信した前記試用依頼コマンドに含まれる前記商品識別情報と前記依頼者識別情報とを関連付けて記憶する記憶手段と、前記入力デバイスを介して入力された前記依頼者識別情報と関連付けて記憶されている商品識別情報で識別される商品の購入または不購入の選択を受け付ける受付手段と、前記受付手段により前記購入の選択を受け付けた商品については、当該商品の商品識別情報と前記入力デバイスを介して入力された前記依頼者識別情報とを含む前記試用依頼コマンドを送信した前記サーバに対して当該商品の試用結果が購入であることを通知し、前記不購入の選択を受け付けた商品については、当該商品の商品識別情報と前記入力デバイスを介して入力された前記依頼者識別情報とを含む前記試用依頼コマンドを送信した前記サーバに対して当該商品の試用結果が不購入であることを通知する通知手段と、を具備する試用処理装置。
[6]依頼者が試用する商品を試用所に発送する店にそれぞれ設けられ、前記商品を識別する商品識別情報と当該商品を試用する前記依頼者を識別する依頼者識別情報とを含む試用依頼コマンドを送信する機能を有したサーバと通信する第1のインターフェースと、前記依頼者を識別する依頼者識別情報を入力するための入力デバイスを備えた端末と通信する第2のインターフェースと、を備えたコンピュータに、前記第1のインターフェースを介して前記サーバから受信した前記試用依頼コマンドに含まれる前記商品識別情報と前記依頼者識別情報とを関連付けて記憶部に記憶させる機能、前記入力デバイスを介して入力された前記依頼者識別情報と関連付けて記憶されている商品識別情報で識別される商品の購入または不購入の選択を受け付ける機能、及び、前記購入の選択を受け付けた商品については、当該商品の商品識別情報と前記入力デバイスを介して入力された前記依頼者識別情報とを含む前記試用依頼コマンドを送信した前記サーバに対して当該商品の試用結果が購入であることを通知し、前記不購入の選択を受け付けた商品については、当該商品の商品識別情報と前記入力デバイスを介して入力された前記依頼者識別情報とを含む前記試用依頼コマンドを送信した前記サーバに対して当該商品の試用結果が不購入であることを通知する機能、を実現させるための制御プログラム。
【符号の説明】
【0113】
1…試用システム、10…販売店サーバ、10T…販売店端末、20…試用所サーバ、20T…試用所端末、30…データベースサーバ、31…販売店データベース、32…試用所データベース、33…利用者データベース、40…インターネット、50…利用者端末、231…試用管理ファイル。