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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-02-10
(45)【発行日】2023-02-20
(54)【発明の名称】壁構造及び壁の施工方法
(51)【国際特許分類】
   E04B 1/64 20060101AFI20230213BHJP
   E04B 2/56 20060101ALI20230213BHJP
【FI】
E04B1/64 B
E04B1/64 C
E04B2/56 605J
E04B2/56 603B
E04B2/56 644F
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2018165768
(22)【出願日】2018-09-05
(65)【公開番号】P2020037816
(43)【公開日】2020-03-12
【審査請求日】2021-09-16
(73)【特許権者】
【識別番号】000110860
【氏名又は名称】ニチハ株式会社
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 健二
【審査官】沖原 有里奈
(56)【参考文献】
【文献】特開2009-024394(JP,A)
【文献】特開2014-020169(JP,A)
【文献】特開2004-131941(JP,A)
【文献】特開2002-061376(JP,A)
【文献】特開2018-066151(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E04B 1/62-1/99
E04B 2/56-2/70
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
構造体と、前記構造体に取り付けられた水切り部と、前記水切り部の上面との間に第1隙間を有し、かつ前記構造体との間に第2隙間を有して前記構造体に取り付けられた壁材と、前記水切り部の前記上面に配置された目板部材と、
を備えた壁構造であって、前記目板部材は、前記構造体に取り付けられる固定片と、前記水切り部の前記上面に配置され、前記壁材に沿って延び、少なくとも一部が前記構造体側から前記第1隙間に進入する目地部と、を有し、前記目地部は、前記水切り部が前記壁材に沿って延びる方向において互いに離間した第1目地部及び第2目地部を有し、前記第1目地部と前記第2目地部との間隔により、前記第1隙間に位置して前記壁材の表面側に開口する第1開口と、
前記第2隙間に位置して前記壁材の裏面と前記構造体との間に開口する第2開口と、が形成されており、前記第1目地部における前記第2目地部と対向する第1端部と、前記第2目地部における前記第1目地部と対向する第2端部とは、
それぞれ封止され、前記第1開口と前記第2開口とを連通させる側壁面が形成されており、前記壁材の下端には、スリットが形成され、前記壁材は、前記スリットに挿入可能な係止片を有するとともに前記固定片に固定可能な下端支持部材を介して、前記構造体に取り付けられていることを特徴とする壁構造。
【請求項2】
構造体と、前記構造体に取り付けられた水切り部と、前記水切り部の上面との間に第1隙間を有し、かつ前記構造体との間に第2隙間を有して前記構造体に取り付けられた壁材と、前記水切り部の前記上面に配置された目板部材と、
を備えた壁構造であって、前記目板部材は、前記構造体に取り付けられる固定片と、前記水切り部の前記上面に配置され、前記壁材に沿って延び、少なくとも一部が前記構造体側から前記第1隙間に進入する目地部と、を有し、前記目地部は、互いに離間した第1目地部及び第2目地部を有し、前記水切り部が前記壁材に沿って延びる方向において前記第1目地部と前記第2目地部との間隔により、前記第1隙間に位置して前記壁材の表面側に開口する第1開口と、
前記第2隙間に位置して前記壁材の裏面と前記構造体との間に開口する第2開口と、が形成されており、前記第1目地部における前記第2目地部と対向する第1端部と、前記第2目地部における前記第1目地部と対向する第2端部とは、
それぞれ封止され、前記第1開口と前記第2開口とを連通させる側壁面が形成されており、前記水切り部が前記壁材に沿って延びる方向において隣接する2つの前記壁材の間には、上下方向に延びる接合部が形成され、前記第1開口は、前記接合部の下端の下方に位置していることを特徴とする壁構造。
【請求項3】
前記固定片は、平板状であり、前記水切り部の上方に向かって延びている請求項1または請求項2に記載の壁構造。
【請求項4】
前記第1目地部及び前記第2目地部は、前記固定片に一体に形成されている請求項1または請求項2に記載の壁構造。
【請求項5】
前記水切り部が前記壁材に沿って延びる方向において、前記目地部の一方の端部は、前記水切り部の一方の端部と一致する位置、又は前記水切り部の前記一方の端部を越える位置にある請求項1または請求項2に記載の壁構造。
【請求項6】
前記第1目地部の前記第1端部と、前記第2目地部の前記第2端部とは、封止部材によって封止されている請求項1または請求項2に記載の壁構造。
【請求項7】
前記壁材の下端には、スリットが形成され、前記壁材は、前記スリットに挿入可能な係止片を有するとともに前記固定片に固定可能な下端支持部材を介して、
前記構造体に取り付けられている請求項記載の壁構造。
【請求項8】
前記水切り部が前記壁材に沿って延びる方向において隣接する2つの前記壁材の間には、上下方向に延びる接合部が形成され、 前記第1開口は、前記接合部の下端の下方に位置している請求項1記載の壁構造。
【請求項9】
前記第1隙間における前記第1目地部の前記第1端部と、前記第2目地部の前記第2端部との間に配置され、前記第1開口と連通する水抜き具をさらに備えている請求項1または請求項2に記載の壁構造。
【請求項10】
構造体と、前記構造体に取り付けられた水切り部と、前記水切り部の上面との間に第1隙間を有し、かつ前記構造体との間に第2隙間を有して前記構造体に取り付けられた壁材と、前記水切り部の前記上面に配置された目板部材と、
を備えた壁の施工方法であって、前記目板部材は、前記構造体に取り付けられる固定片と、前記水切り部の前記上面に配置され、前記壁材に沿って延び、
少なくとも一部が前記構造体側から前記第1隙間に進入する目地部と、を有し、
前記固定片を前記構造体に固定し、かつ前記目地部を前記水切り部の前記上面に配置する第1工程と、前記壁材を前記構造体に取り付けて、前記壁材と前記水切り部との間に前記第1隙間を形成し、かつ前記壁材と前記構造体との間に前記第2隙間を形成する第2工程と、を備え、前記第1工程において、前記目地部は、前記水切り部が前記壁材に沿って延びる方向において互いに離間した第1目地部及び第2目地部を有し、前記第1目地部と前記第2目地部との間隔により、前記第1隙間に位置して前記壁材の表面側に開口する第1開口と、
前記第2隙間に位置して前記壁材の裏面と前記構造体との間に開口する第2開口と、を形成し、前記第1目地部における前記第2目地部と対向する第1端部と、前記第2目地部における前記第1目地部と対向する第2端部と、をそれぞれ封止し、前記第1端部と前記第2端部とに、前記第1開口と前記第2開口とを連通させる側壁面を形成することを特徴とする壁の施工方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は壁構造及び壁の施工方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1及び特許文献2に従来の壁構造の例が開示されている。これらの壁構造では、水抜き部材を設けたり、止水材及び排水空間を設けたりすることによって、構造体と壁材との間に浸入した水を外部に排出するようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開平10-325185号公報
【文献】特開2004-131941号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、上記従来の壁構造に対しては、構造体と壁材との間に浸入した水を外部に排出する能力の一層の向上が求められている。
【0005】
本発明は、構造体と壁材との間に浸入した水を外部に排出する能力の一層の向上を実現できる壁構造及び壁の施工方法を提供することを解決すべき課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1の態様の壁構造は、
構造体と、前記構造体に取り付けられた水切り部と、前記水切り部の上面との間に第1隙間を有し、かつ前記構造体との間に第2隙間を有して前記構造体に取り付けられた壁材と、前記水切り部の前記上面に配置された目板部材と、
を備えた壁構造であって、前記目板部材は、前記構造体に取り付けられる固定片と、前記水切り部の前記上面に配置され、前記壁材に沿って延び、少なくとも一部が前記構造体側から前記第1隙間に進入する目地部と、を有し、前記目地部は、前記水切り部が前記壁材に沿って延びる方向において互いに離間した第1目地部及び第2目地部を有し、前記第1目地部と前記第2目地部との間隔により、前記第1隙間に位置して前記壁材の表面側に開口する第1開口と、
前記第2隙間に位置して前記壁材の裏面と前記構造体との間に開口する第2開口と、が形成されており、前記第1目地部における前記第2目地部と対向する第1端部と、前記第2目地部における前記第1目地部と対向する第2端部とは、
それぞれ封止され、前記第1開口と前記第2開口とを連通させる側壁面が形成されており、前記壁材の下端には、スリットが形成され、前記壁材は、前記スリットに挿入可能な係止片を有するとともに前記固定片に固定可能な下端支持部材を介して、前記構造体に取り付けられていることを特徴とする。
【0007】
本発明の第2の態様の壁構造は、
構造体と、前記構造体に取り付けられた水切り部と、前記水切り部の上面との間に第1隙間を有し、かつ前記構造体との間に第2隙間を有して前記構造体に取り付けられた壁材と、前記水切り部の前記上面に配置された目板部材と、
を備えた壁構造であって、前記目板部材は、前記構造体に取り付けられる固定片と、前記水切り部の前記上面に配置され、前記壁材に沿って延び、少なくとも一部が前記構造体側から前記第1隙間に進入する目地部と、を有し、前記目地部は、互いに離間した第1目地部及び第2目地部を有し、前記水切り部が前記壁材に沿って延びる方向において前記第1目地部と前記第2目地部との間隔により、前記第1隙間に位置して前記壁材の表面側に開口する第1開口と、
前記第2隙間に位置して前記壁材の裏面と前記構造体との間に開口する第2開口と、が形成されており、前記第1目地部における前記第2目地部と対向する第1端部と、前記第2目地部における前記第1目地部と対向する第2端部とは、
それぞれ封止され、前記第1開口と前記第2開口とを連通させる側壁面が形成されており、前記水切り部が前記壁材に沿って延びる方向において隣接する2つの前記壁材の間には、上下方向に延びる接合部が形成され、前記第1開口は、前記接合部の下端の下方に位置していることを特徴とする。
【0008】
第1及び第2の態様の壁構造では、壁材の下端と水切り部の上面との間の第1隙間に、目地部の少なくとも一部が進入する。これにより、構造体と壁材との間に浸入した水は、水切り部の上面ではなく、構造体側から壁材の下端まで延びた目地部の上に滞留し易い。そして、目地部の上に滞留する水が増加すると、その水は、目地部が有する第1目地部及び第2目地部の上を経て第2開口に流れる。そして、その水は、第1端部及び第2端部に形成された側壁面によって第2開口と連通する第1開口から外部に排出される。このため、水切り部の上面にその水が溜まりにくくなるとともに、その水が水切り部の上面を通じて水切り部の横に流れにくくなり、水切り部の継ぎ目等から水が入ったり、水切り部の横から下方に水が流れることを防ぐことができる。その結果、その水が構造体と壁材との間に滞留し難い。
したがって、本発明の第1及び第2の態様の壁構造では、構造体と壁材との間に浸入した水を外部に排出する能力の一層の向上を実現できる。
【0009】
本発明の第1の態様又は第7の態様では、壁材の下端には、スリットが形成されている。そして、壁材は、スリットに挿入可能な係止片を有するとともに固定片に固定可能な下端支持部材を介して、構造体に取り付けられている。
【0010】
この場合、第1目地部及び第2目地部が壁材の下端を直接支持しない構成となる。このため、第1目地部及び第2目地部の変形を抑制でき、また、第1開口及び第2開口の変形を抑制できる。その結果、構造体と壁材との間に浸入した水を外部に排出する能力のより一層の向上を実現できる。
【0011】
本発明の第2の態様又は第8の態様では、水切り部が壁材に沿って延びる方向において隣接する2つの壁材の間には、上下方向に延びる接合部が形成されている。そして、第1開口は、接合部の下端の下方に位置している。
【0012】
この場合、壁材の接合部を伝って垂れる水をスムーズに第1開口に導くことができ、その水を第1開口から外部にスムーズに排出できる。その結果、その水が構造体と壁材との間に一層滞留し難い。
【0013】
本発明の第の態様として、固定片は、平板状であり、水切り部の上方に向かって延びていることが望ましい。
【0014】
この場合、平板状の固定片が水切り部の上方で構造体を覆う。これにより、構造体と壁材との間に浸入して構造体に沿って垂れる水は、固定片によって、第1目地部及び第2目地部の上に好適に導かれる。その結果、その水が構造体と壁材との間に一層滞留し難い。
【0015】
本発明の第の態様として、第1目地部及び第2目地部は、固定片に一体に形成されていることが望ましい。
【0016】
この場合、第1目地部と第2目地部との位置合わせが不要となるので、施工作業の簡素化を実現できる。
【0017】
本発明の第の態様として、水切り部が壁材に沿って延びる方向において、目地部の一方の端部は、水切り部の一方の端部と一致する位置、又は水切り部の一方の端部を超える位置にあることが望ましい。
【0018】
この場合、目地部によって、水切り部の下面側に水が回り込むことをより確実に抑制できる。
【0019】
本発明の第の態様として、第1目地部の第1端部と、第2目地部の第2端部とは、封止部材によって封止されていることが望ましい。
【0020】
この場合、現場施工時に封止部材によって、第1端部及び第2端部を封止する作業を容易に実施できる。その結果、止水性が向上するとともに、施工作業の簡素化を実現できる。
【0021】
本発明の第の態様として、第1隙間における第1目地部の第1端部と、第2目地部の第2端部との間に配置され、第1開口と連通する水抜き具をさらに備えていることが望ましい。
【0022】
この場合、水抜き具によって、第1開口の外観を向上させることができる。また、第1開口を通過する水を外部にスムーズに排出でき、かつ風雨の吹き込みによる水の逆流を防止できる。
【0023】
本発明の第10の態様の壁の施工方法は、構造体と、
前記構造体に取り付けられた水切り部と、
前記水切り部の上面との間に第1隙間を有し、かつ前記構造体との間に第2隙間を有して前記構造体に取り付けられた壁材と、
前記水切り部の前記上面に配置された目板部材と、を備えた壁の施工方法であって、
前記目板部材は、
前記構造体に取り付けられる固定片と、
前記水切り部の前記上面に配置され、前記壁材に沿って延び、少なくとも一部が前記構造体側から前記第1隙間に進入する目地部と、を有し、
前記固定片を前記構造体に固定し、かつ前記目地部を前記水切り部の前記上面に配置する第1工程と、
前記壁材を前記構造体に取り付けて、前記壁材と前記水切り部との間に前記第1隙間を形成し、かつ前記壁材と前記構造体との間に前記第2隙間を形成する第2工程と、を備え、
前記第1工程において、
前記目地部は、前記水切り部が前記壁材に沿って延びる方向において互いに離間した第1目地部及び第2目地部を有し、
前記第1目地部と前記第2目地部との間隔により、前記第1隙間に位置して前記壁材の表面側に開口する第1開口と、前記第2隙間に位置して前記壁材の裏面と前記構造体との間に開口する第2開口と、を形成し、
前記第1目地部における前記第2目地部と対向する第1端部と、前記第2目地部における前記第1目地部と対向する第2端部と、をそれぞれ封止し、
前記第1端部と前記第2端部とに、前記第1開口と前記第2開口とを連通させる側壁面
を形成することを特徴とする。
【0024】
10の態様の壁の施工方法によれば、第1の態様の壁構造と同様に、構造体と壁材との間に浸入した水を外部に排出する能力の一層の向上を実現できる。
【発明の効果】
【0025】
本発明の壁構造及び壁の施工方法では、構造体と壁材との間に浸入した水を外部に排出する能力の一層の向上を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
図1図1は、実施の形態1の建物の壁構造の斜視図である。
図2図2は、実施の形態1に係り、構造体に取り付けられた外壁板等を示す部分斜視図である。
図3図3は、実施の形態1に係り、構造体に取り付けられた外壁板等を示す部分断面図である。
図4図4は、実施の形態1に係り、目板部材の斜視図である。
図5図5は、実施の形態1に係り、目板部材等を示す説明図である。
図6図6は、実施の形態1に係り、目板部材やシート状の封止部材等を示す説明図である。
図7図7は、実施の形態1に係り、水抜き具等を示す説明図である。
図8図8は、実施の形態1に係り、第1目地部と第2目地部との間隔によって形成される第1開口及び第2開口等の説明図である。
図9図9は、実施の形態1に係り、水抜き具の取り付けの説明図である。
図10図10は、実施の形態2の壁構造に係る目板部材の斜視図である。
図11図11は、実施の形態3の壁構造に係る目板部材等を示す説明図である。
図12図12は、実施の形態4の壁構造に係る目板部材等を示す説明図である。
図13図13は、実施の形態5の壁構造に係る目板部材等を示す説明図である。
図14図14は、実施の形態6の壁構造に係る、下端支持部材等を示す説明図である。
図15図15は、実施の形態6に係り、水抜き具の取り付けの説明図である。
図16図16は、実施の形態7の壁構造に係り、目板部材の左右両端部と、水切り部の左右両端部との位置関係の説明図である。
図17図17は、本発明で用いる加工される前の目板部材を示す斜視図である。
図18図18は、左右方向において隣接する外壁板の上下方向に延びる接合部の具体例を示す部分断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、本発明を具体化した実施の形態1~7を図面を参照しつつ説明する。なお、図1において、垂直上方向を上と表示し、垂直下方向を下と表示する。また、図1の屋外から屋内に向う方向において水平左方向を左と表示し、水平右方向を右と表示する。そして、図2以降の各図に示す各方向は、図1に対応させて表示する。
【0028】
(実施の形態1)
図1図3に示すように、実施の形態1の壁構造は、壁構造の具体的態様の一例である。本実施形態の壁構造は、外壁板2と水切り部88の間に目板部材100を介在させ、この目板部材100によって形成された第1開口H1及び第2開口H2から、構造体8と外壁板2との間に浸入した水を排出する排水構造を備えるものである。この壁構造は、建物の構造体8の開口部、本実施の形態の場合は窓を取り付けるための窓枠部8Wの周辺において、複数の外壁板2を構造体8に対して取り付けた状態を示している。また、建物の開口部としては、窓枠部に限られるものでなく、その他扉を取り付けるための扉部等が挙げられる。
【0029】
図1に示すように、本実施の形態では、構造体8は、住宅、施設、倉庫等である建物を構成している。構造体8は、木造軸組構法によって建築されている。構造体8を構成する複数の構造部材としては、左右方向に所定の間隔を有して並ぶ複数の柱部材9等の他、各柱部材9間に配置される間柱等の補助部材が含まれる。各柱部材9の屋外方向を向く外面には、胴縁と呼ばれる支持部材7が図示しない止めネジや釘等の締結具によって固定されている。この支持部材7も構造部材に含まれる。図1及び図2等に示すように、各柱部材9と支持部材7との間には、防水シート6が敷設されている。
【0030】
図2図3及び図5図7に示すように、構造体8における窓枠部8Wの上端部分は、柱材80及びアルミニウム製のサッシ89等を含んで構成されている。
【0031】
サッシ89は、左右方向に延在する柱材80における屋外方向を向く外面の下端部に固定されている。サッシ89は、柱材80に沿って左右方向に延在している。サッシ89には、水切り部88が形成されている。水切り部88は、柱材80の外面の下端部側から屋外方向に略水平に突出した後に屈曲し、下向きに延びている。
【0032】
なお、構造体8は、本実施の形態の構成に限定されず、木造枠組壁構法等によって建築されてもよい。また、壁材が取り付けられる構造体は、例えば、鉄骨造、鉄筋コンクリート造、レンガ造等の躯体であってもよいし、屋内の区画壁であってもよい。
【0033】
図1に示すように、外壁板2は、「壁材」の一例である。外壁板2は、四辺形状、より具体的には、左右方向に長い略矩形状の平板部材である。なお、壁材は外壁板に限定されず、例えば、表面に意匠性の高い化粧面を有して建物を外装する化粧板であってもよい。また、壁材は、屋内の水がかかる可能性のある場所に設けられる屋内用構造パネル、内装板等であってもよい。
【0034】
本実施の形態では、外壁板2は、セメントを含む窯業系材料からなる。なお、外壁板2の材質や形状は上記には限定されない。例えば、外壁板2の材質は、金属系材、木質系材、樹脂系材等を適宜選択できる。外壁板2の形状は、四辺形状で上下に長い略矩形形状の平板部材等を適宜選択できる。
【0035】
複数の外壁板2は、スターター5A及び中間取付具5B等を介して、上下方向及び左右方向に隣接する状態で構造体8に取り付けられて、構造体8の外面を覆っている。スターター5Aは、最も下に位置する外壁板2の下端を支持するためのものである。中間取付具5Bは、上下に隣接する外壁板2を支持するためのものである。スターター5A及び中間取付具5Bの構成は周知であるので、説明は省略する。
【0036】
外壁板2の表面2Fは、例えば、柄のないフラットで光沢のある外装面の他、レンガ柄等のデザインが施された外装面等であり得る。
【0037】
図2に示すように、各外壁板2の左端部には、表側左右接合部21が形成されている。各外壁板2の右端部には、裏側左右接合部22が形成されている。表側左右接合部21及び裏側左右接合部22と、後述する表側上下接合部及び裏側上下接合部とは、「実部」とも呼ばれる。
【0038】
表側左右接合部21は、外壁板2の裏面2Bから表面2Fに向かって段状に形成され、上下方向、すなわち、外壁板2の左端部に沿って延在している。
【0039】
裏側左右接合部22は、外壁板2の表面2Fから裏面2Bに向かって段状に形成され、上下方向、すなわち、外壁板2の右端部に沿って延在している。
【0040】
右方の外壁板2の表側左右接合部21と、左方の外壁板2の裏側左右接合部22とが重なり合うことによって、左右方向に隣接する外壁板2同士の間に、「左右合決り」の接合部2Jが形成されるようになっている。
【0041】
なお、表側左右接合部21及び裏側左右接合部22の少なくとも一方に、予めコーキング材が配置されていてもよい。
【0042】
また、各外壁板2の下端部に、表側上下接合部が形成され、各外壁板2の上端部に、裏側上下接合部が形成されている。これらが重なり合うことによって、上下方向に隣接する外壁板2同士の間に、「上下合決り」の接合部が形成されてもよい。
【0043】
図2に示すように、外壁板2が構造体8における窓枠部8Wの上方に取り付けられる場合、外壁板2と、窓枠部8Wを構成するサッシ89との干渉を避けたり、隣接する外壁板2同士の意匠面のずれを防止したりする必要がある。
【0044】
このため、外壁板2は、その一部が必要に応じて適宜切断された上で、構造体8に取り付けられる。その結果、外壁板2の下端2Dが窓枠部8Wの上方で左右方向に延び、水切り部88も外壁板2に沿って左右方向に延びる状態となっている。
【0045】
外壁板2と水切り部88の間であり、かつ外壁板2と構造体8の間には、目板部材100が配置されている。目板部材100は、鋼板が切り欠き加工や折り曲げ加工等されることにより、固定片101及び目地部110が一体的に形成されたものである。
【0046】
図4及び図5に示すように、固定片101は、上下方向及び左右方向に延びる平板形状である。目地部110は、固定片101の下端から屋外方向に突出した後に下向きに屈曲し、さらに屋内方向に屈曲している。つまり、目地部110は、断面略C字形状である。
【0047】
目地部110は、その一部が切り欠かれることによって、第1目地部111及び第2目地部112を形成している。第1目地部111及び第2目地部112は、固定片101に一体に形成されている。第1目地部111及び第2目地部112は、水切り部88が外壁板2に沿って延びる方向、すなわち左右方向において間隔W1だけ離間している。このとき、互いに対向する第1端部111Eと第2端部112Eとには空隙が形成されている。
【0048】
第1目地部111における第2目地部112と対向する第1端部111Eは、図7に示す外壁板2の接合部2Jから右方に離間した位置に配置されている。また、第2目地部112における第1目地部111と対向する第2端部112Eは、外壁板2の接合部2Jから左方に離間した位置に配置されている。これによって、後述する第1開口H1、及び第2開口H2が接合部2Jの下方に位置するようになっている。また、第1開口H1及び第2開口H2は、隣接する外壁板2同士の上下方向に延びる接合部2Jから左右方向に離れた場所に位置してもよい。
【0049】
また、目板部材100と水切り部88の上面には、三次元形状に引き延ばされたシート状の封止部材109が貼り付けられている。封止部材109により、第1端部111Eの空隙と、第2端部112Eの空隙とがそれぞれ封止されている。また、封止部材109により、第1端部111Eに側壁面113Rが形成され、第2端部112Eに側壁面113Lが形成されている。
【0050】
シート状の封止部材109は、延伸能の高い樹脂製フィルムの一面に粘着層が形成されてなるテープ、例えばストレッチテープ(登録商標)等である。また、封止部材109はシート状以外にも、金属板や樹脂等を用い、第1端部111Eの空隙と第2端部112Eの空隙とをそれぞれ封止してもよい。
【0051】
図3に示すように、外壁板2における窓枠部8Wの上方に位置する部分と、支持部材7との間には、スペーサ60と、目板部材100の固定片101とが配置された状態で、釘7N等の締結具によって外壁板2が支持部材7に固定されている。また、目板部材100の目地部110は、水切り部88の上面に配置され、目地部110の屋外側に位置する一部が外壁板2の下端2Dの下方に位置する状態となっている。その結果、外壁板2の下端2Dと水切り部88の上面との間に第1隙間S1が形成されているとともに、外壁板2の裏面2Bと支持部材7の屋外方向を向く外面との間に第2隙間S2が形成されている。また、第1隙間S1と第2隙間S2との間に目板部材100の目地部110が介在することにより、第1開口H1、及び第2開口H2が形成されている。
【0052】
ここで、図3図7図8及び図9に示すように、左右方向において間隔を有している第1目地部111及び第2目地部112と、封止部材109と、第1目地部111及び第2目地部112に上から当接する外壁板2の下端2Dとによって、第1開口H1が略矩形穴状に形成されている。このとき、封止部材109は、第1目地部111の第1端部111E及び第2目地部112の第2端部112Eを封止しているとともに水切り部88の一部を覆っている。
【0053】
このとき、隣接する2つの外壁板2の間の、上下方向に延びる接合部2Jの下端の下方には、第1開口H1が位置することになる。
【0054】
また、左右方向において間隔を有している第1目地部111及び第2目地部112と、封止部材109と、第1目地部111及び第2目地部112に上から当接している外壁板2の裏面2Bとによって、第2開口H2が略矩形穴状に形成されている。このとき、封止部材109は、第1目地部111の第1端部111E及び第2目地部112の第2端部112Eを封止しているとともに水切り部88の一部を覆っている。
【0055】
また、第1隙間S1における第1目地部111の第1端部111Eと、第2目地部112の第2端部112Eとの間には、水抜き具70が配置されている。
【0056】
図9に示すように、水抜き具70は、本体部75及びフラップ76を有している。本体部75には、第1水抜き開口71と、第1水抜き開口71にそれぞれ連通する第2水抜き開口72及び第3水抜き開口73とが形成されている。また、本体部75には、板部77が形成されている。板部77は、本体部75の上面及び両側面から上向き及び横向きに延びる平板形状である。フラップ76は、本体部75に揺動可能に支持されて、第1水抜き開口71を開閉可能となっている。
【0057】
図3に示すように、第1隙間S1に配置された水抜き具70において、第1水抜き開口71は、外壁板2の表面2F側に開口している。第2水抜き開口72は、屋内方向に開口して目板部材100が形成する第1開口H1に連通している。第3水抜き開口73は、上向きに開口して第1開口H1に連通している。
【0058】
また、図2及び図3に示すように、第1隙間S1と第1目地部111の屋外方向を向く面と第2目地部112の屋外方向を向く面とには、シーリング材87が充填されている。この際、水抜き具70の板部77が第1目地部111及び第2目地部112に当接するように配された上で、板部77と、本体部75の上面及び両側面における板部77よりも屋外側に位置する領域に、シーリング材87が密着している。
【0059】
なお、水抜き具70をなくし、シーリング材87が第1開口H1を塞がないように充填される構成としてもよい。また、水抜き具7及びシーリング材87をなくした構成としてもよい。この場合、図9に二点鎖線で目地部110の変形例110Vを示すように、目地部110の屋外方向の先端面が外壁板2の表面2Fの近くに位置するように、目地部110を屋外方向に延長することが望ましい。
【0060】
<施工方法>
ここで、外壁板2を構造体8における窓枠部8Wの上方に取り付ける施工方法について、より詳しく説明する。実施の形態1の壁の施工方法は、第1工程及び第2工程を備えている。
【0061】
図5に示すように、第1工程では、目板部材100の固定片101を支持部材7の屋外方向を向く外面に固定して、固定片101が水切り部88の上方に向かって延びる状態とする。また、目板部材100の目地部110を水切り部88の上面に配置して、その目地部110により、左右方向において互いに離間した第1目地部111及び第2目地部112を形成する。
【0062】
この際、第1目地部111における第2目地部112と対向する第1端部111Eは、図7に示す外壁板2の接合部2Jから右方に離間した位置に配置される。また、第2目地部112における第1目地部111と対向する第2端部112Eは、外壁板2の接合部2Jから左方に離間した位置に配置される。このとき、対向する第1端部111Eと第2端部112Eとには、空隙が形成される。
【0063】
さらに、第1工程では、図5に示すシート状の封止部材109を三次元形状に引き延ばしながら目板部材100と水切り部88の上面とに密着するように貼り付ける。そして、図6及び図8に示すように、封止部材109により、第1端部111Eの空隙と、第2端部112Eの空隙とをそれぞれ封止する。また、封止部材109により、第1端部111Eに側壁面113Rを形成し、第2端部112Eに側壁面113Lを形成する。
【0064】
右方の側壁面113Rは、封止部材109における第1端部111Eを封止する部分の表面である。左方の側壁面113Lは、封止部材109における第2端部112Eを封止する部分の表面である。
【0065】
また、図6に示すように、第1工程では、スペーサ60を屋外側から目板部材100の固定片101に重なるように配置し、支持部材7の屋外方向を向く外面に固定する。
【0066】
図7及び図9に示すように、第2工程では、外壁板2を構造体8に取り付ける。具体的には、外壁板2の下端2Dを第1目地部111及び第2目地部112における屋外方向の先端部分に上から当接させ、また、外壁板2の裏面2Bをスペーサ60の屋外方向を向く外面に当接させ、さらに、外壁板2の接合部2Jを左右方向において第1端部111Eと第2端部112Eとの間に位置する状態として、外壁板2を支持部材7に固定する。こうして、第2工程では、外壁板2の下端2Dと水切り部88の上面との間に第1隙間S1を形成し、かつ外壁板2の裏面2Bと支持部材7の屋外方向を向く外面との間に第2隙間S2を形成する。
【0067】
その結果、目板部材100において、目地部110の屋内方向側に位置する一部は、第2隙間S2の下方に位置する。その一方、目地部110の屋外方向側に位置する一部は、構造体8側から第1隙間S1に進入する。
【0068】
ここで、図3及び図7図9に示すように、左右方向において間隔を有して互いに対向する第1目地部111及び第2目地部112と、第1目地部111の第1端部111E及び第2目地部112の第2端部112Eを封止するとともに水切り部88の一部を覆う封止部材109と、第1目地部111及び第2目地部112に上から当接する外壁板2の下端2Dとによって、第1開口H1が略矩形穴状に形成される。
【0069】
また、左右方向において間隔を有して互いに対向する第1目地部111及び第2目地部112と、第1目地部111の第1端部111E及び第2目地部112の第2端部112Eを封止するとともに水切り部88の一部を覆う封止部材109と、第1目地部111及び第2目地部112に上から当接する外壁板2の裏面2Bとによって、第2開口H2が略矩形穴状に形成される。
【0070】
そして、第2開口H2は、側壁面113L、113Rと、外壁板2の下端2Dと、封止部材109における第1端部111Eと第2端部112Eとの間に位置する表面とによって区画される通路によって、第1開口H1と連通する。
【0071】
第1開口H1は、第1隙間S1に位置し、外壁板2の表面2F側に開口する。また、第1開口H1は、図7に示す外壁板2の接合部2Jの下端の下方に位置する。第2開口H2は、第2隙間S2に位置し、外壁板2の裏面2Bと支持部材7との間に開口する。
【0072】
そして、本実施の形態では、第1隙間S1における第1目地部111の第1端部111Eと、第2目地部112の第2端部112Eとの間に、水抜き具70を配置する。
【0073】
図示は省略するが、水抜き具70の第1水抜き開口71及びフラップ76側は、マスキングテープで覆われた状態とされる。マスキングテープで覆う理由は、第1隙間S1にシーリング材87を充填する際に、シーリング材87が第1水抜き開口71及びフラップ76側に入り込むことを防止するためである。
【0074】
次に、図2及び図3に示すように、第1隙間S1と、第1目地部111の屋外方向を向く面と、第2目地部112の屋外方向を向く面とにシーリング材87を充填して硬化させる。この際、水抜き具70の板部77を第1目地部111及び第2目地部112に当接するように配した上で、板部77と、本体部75の上面及び両側面における板部77よりも屋外側に位置する領域にシーリング材87を密着させる。板部77は、シーリング材87が第2水抜き開口72及び第3水抜き開口73に到達しないように、シーリング材87を堰き止める。そして、シーリング材87が硬化した後、水抜き具70から上述したマスキングテープを除去する。こうして、外壁板2を構造体8における窓枠部8Wの上方に取り付ける施工作業が完了する。
【0075】
図3に示すように、施工が完了した壁構造では、第1隙間S1に配置された水抜き具70において、第1水抜き開口71が外壁板2の表面2F側に開口し、第2水抜き開口72が屋内方向に開口して第1開口H1に連通し、第3水抜き開口73が上向きに開口して第1開口H1に連通する。
【0076】
フラップ76は、自重のみが作用する状態では、垂直に垂れ下がって、第1水抜き開口71を閉じる。風雨による押圧力F1が屋外側からフラップ76に作用する場合にも、フラップ76は、第1水抜き開口71を閉じる。
【0077】
フラップ76は、本体部75内を通過する水によって押されることにより屋外側に揺動し、第1水抜き開口71を開放する。
【0078】
<作用効果>
実施の形態1の壁構造では、以下のようにして、構造体8と外壁板2との間に浸入した水を外部に排出する。
【0079】
すなわち、構造体8と外壁板2との間に浸入した水は、図3に矢印YW1で示すように、目板部材100の固定片101、目地部110及び封止部材109に沿って移動して第2開口H2に浸入し、第1開口H1、第2水抜き開口72を通過して第1水抜き開口71まで案内される。
【0080】
また、構造体8と外壁板2との間に浸入した水は、図3に矢印YW2で示すように、外壁板2の裏面2Bに沿って移動して第2開口H2に浸入し、第1開口H1、第3水抜き開口73を通過して第1水抜き開口71まで案内される。
【0081】
図2に示す外壁板2の接合部2Jに浸入した水は、接合部2Jに沿って外壁板2の下端2Dまで移動する。そして、図3に示すように、第3水抜き開口73を通過して第1水抜き開口71まで案内される。
【0082】
フラップ76は、第2水抜き開口72又は第3水抜き開口73を通過して第1水抜き開口71まで案内された水に押されて揺動し、第1水抜き開口71を開放する。これにより、その水を第1水抜き開口71から外部に好適に排出できる。
【0083】
そして、風雨による吹き込みがあっても、図2に示すように、風雨による押圧力F1が屋外側からフラップ76に作用するので、フラップ76がその吹き込みの押圧力F1によって押されて第1水抜き開口71を閉じる。その結果、その吹き込みによって水が水抜き具70の本体部75内を逆流することを抑制できる。
【0084】
ここで、この壁構造では、図3に示すように、外壁板2の下端2Dと水切り部88の上面との間の第1隙間S1に、目地部110の屋外方向側に位置する一部が構造体8側から進入する。これにより、構造体8と外壁板2との間に浸入した水は、水切り部88の上面ではなく、構造体8側から外壁板2の下端2Dまで延びた目地部110の上に滞留し易い。
【0085】
そして、目地部110の上に滞留する水が増加すると、その水は、目地部110の第1目地部111、第2目地部112の上を経て第2開口H2に流れる。さらに、その水は、側壁面113L、113R等に区画される通路によって第2開口H2から第1開口H1に導かれて水抜き具70に到達する。そして、図3に示すように、その水は、水抜き具70の第2水抜き開口72及び第3水抜き開口73に進入し、第1水抜き開口71を経由して外部に排出される。このため、水切り部88の上面にその水が溜まりにくくなるとともに、その水が水切り部88の上面を通じて水切り部88の横に流れにくくなり、水切り部88の継ぎ目等から水が入ったり、水切り部88の横から下方に水が流れることを防ぐことができる。その結果、その水が構造体8と外壁板2との間に滞留し難い。
【0086】
したがって、実施の形態1の壁構造では、構造体8と外壁板2との間に浸入した水を外部に排出する能力の一層の向上を実現できる。実施の形態1の壁の施工方法によっても、同様に、構造体8と外壁板2との間に浸入した水を外部に排出する能力の一層の向上を実現できる。
【0087】
また、この壁構造では、図2及び図3等に示すように、目板部材100の固定片101は、平板状であり、水切り部88の上方に向かって延びている。これにより、構造体8と外壁板2との間に浸入して構造体8に沿って垂れる水は、水切り部88の上方で構造体8を覆う固定片101によって、第1目地部111及び第2目地部112の上に好適に導かれ、第1目地部111及び第2目地部112の上を経て第2開口H2に好適に流れる。その結果、その水が構造体8と外壁板2との間に一層滞留し難い。
【0088】
さらに、この壁構造では、図4及び図5に示すように、第1目地部111及び第2目地部112が1枚の固定片101に一体に形成されている。これにより、施工時の第1工程において、第1目地部111と第2目地部112との位置合わせが不要となるので、施工作業の簡素化を実現できる。
【0089】
さらに、この壁構造では、図5及び図6に示すように、シート状の封止部材109によって、現場施工時に、第1目地部111の第1端部111Eと、第2目地部112の第2端部112Eとを封止する作業を容易に実施できる。その結果、止水性が向上するとともに、施工作業の簡素化を実現できる。
【0090】
さらに、この壁構造では、図2及び図7に示すように、左右方向において隣接する2つの外壁板2の間に接合部2Jが形成され、接合部2Jの下端の下方に図3に示す第1開口H1が位置している。この構成により、外壁板2の接合部2Jを伝って垂れる水をスムーズに第1開口H1に導くことができ、その水を第1開口H1から外部にスムーズに排出できる。その結果、その水が構造体8と外壁板2との間に一層滞留し難い。
【0091】
また、この壁構造では、図2図3及び図8に示すように、水抜き具70が第1隙間S1における第1目地部111の第1端部111Eと、第2目地部112の第2端部112Eとの間に配置されている。そして、水抜き具70の第2水抜き開口72及び第3水抜き開口73が第1開口H1と連通し、水抜き具70の第1水抜き開口71が外壁板2の表面2F側に開口している。このような水抜き具70によって、第1開口H1の外観を向上させることができる。また、第1開口H1を通過する水を外部にスムーズに排出でき、かつ風雨の吹き込みによる水の逆流を防止できる。
【0092】
(実施の形態2)
図10に示すように、実施の形態2の壁構造では、実施の形態1の壁構造に係る目板部材100の一部を変更した目板部材200を採用している。実施の形態2のその他の構成は、実施の形態1と同様である。このため、実施の形態1と同一の構成については同一の符号を付して、説明を省略又は簡略する。
【0093】
目板部材200では、実施の形態1の目板部材100に係る第1目地部111に第1傾斜面211Sを形成するように変更し、目板部材100に係る第2目地部112に第2傾斜面212Sを形成するように変更している。また、図10に二点鎖線で囲った領域201Aは、実施の形態1の目板部材100では切り欠かれていたが、あってもよいし、なくてもよい。図12に示すように目板部材100が一体成形される場合についても同様である。
【0094】
第1目地部111及び第2目地部112における屋外方向の先端部分は、実施の形態1と同様に、外壁板2の下端2Dが上から当接可能な形状となっている。
【0095】
第1傾斜面211Sは、第1目地部111の上を向く面における第2隙間S2の下方に位置する部分に形成されている。第1傾斜面211Sは、第1端部111Eまで左向きに下り傾斜している。
【0096】
第2傾斜面212Sは、第2目地部112の上を向く面における第2隙間S2の下方に位置する部分に形成されている。第2傾斜面212Sは、第2端部112Eまで右向きに下り傾斜している。
【0097】
このような目板部材200を採用する実施の形態2の壁構造では、構造体8と外壁板2との間に浸入した水が構造体8側から外壁板2の下端2Dまで延びた目地部110の上に滞留すると、その水は、目板部材200の第1目地部111に形成された第1傾斜面211Sと、第2目地部112に形成された第2傾斜面212Sとに案内されて第2開口H2にスムーズに流れる。
【0098】
したがって、実施の形態2の壁構造では、実施の形態1の壁構造と同様に、構造体8と外壁板2との間に浸入した水を外部に排出する能力の一層の向上を実現できる。
【0099】
(実施の形態3)
図11に示すように、実施の形態3の壁構造では、実施の形態1の壁構造に係る1枚の目板部材100の代わりに、2枚の目板部材300L、300Rを採用している。実施の形態3のその他の構成は、実施の形態1と同様である。このため、実施の形態1と同一の構成については同一の符号を付して、説明を省略又は簡略する。
【0100】
目板部材300L、300Rはそれぞれ、実施の形態1に係る固定片101及び目地部110を有している。目板部材300L、300Rは、左右方向において互いに離間する状態で、構造体8に取り付けられる。
【0101】
右方の目板部材300Rの目地部110は、第1目地部311を有している。左方の目板部材300Lの目地部110は、第2目地部312を有している。つまり、第1目地部311及び第2目地部312は、2枚の固定片101のそれぞれに備えられて、別体となっている。
【0102】
第1目地部311と第2目地部312との左右方向の間隔は、実施の形態1と同様に、間隔W1に設定されている。第1目地部311と第2目地部312との左右方向の間隔W1により、実施の形態1と同様に、第1開口H1及び第2開口H2が形成される。
【0103】
右方の目板部材300Rの第1目地部311における第2目地部312と対向する端部は、第1端部311Eである。左方の目板部材300Lの第2目地部312における第1目地部311と対向する端部は、第2端部312Eである。このとき、対向する第1端部311Eと第2端部312Eとには、空隙が形成される。
【0104】
シート状の封止部材109は、実施の形態1と同様に、三次元形状に引き延ばされながら目板部材300L、300Rと水切り部88の上面とに密着するように貼り付けられる。その結果、図示は省略するが、封止部材109により、第1端部311Eの空隙と第2端部312Eの空隙とがそれぞれ封止される。また、その封止部材109により、第1端部311Eと第2端部312Eとに、実施の形態1に係る側壁面113L、113Rと同様の側壁面が形成される。
【0105】
このような目板部材300L、300Rを採用する実施の形態3の壁構造では、実施の形態1、2の壁構造と同様に、構造体8と外壁板2との間に浸入した水を外部に排出する能力の一層の向上を実現できる。
【0106】
(実施の形態4)
図12に示すように、実施の形態4の壁構造では、実施の形態1の壁構造に係る1枚の目板部材100の第1端部111E及び第2端部112Eを板状片409、409によってそれぞれ封止して、シート状の封止部材109を無くしている。実施の形態4のその他の構成は、実施の形態1と同様である。このため、実施の形態1と同一の構成については同一の符号を付して、説明を省略又は簡略する。
【0107】
板状片409、409は、目板部材100を製造する際に、折り曲げ加工やプレス加工等で形成される、目板部材100と一体のものである。なお、目板部材100とは別体に製造される樹脂製や金属製等の板状片409、409を第1端部111E及び第2端部112Eのそれぞれに接合して空隙を塞ぐようにしてもよい。
【0108】
このような構成である実施の形態4の壁構造では、実施の形態1~3の壁構造と同様に、構造体8と外壁板2との間に浸入した水を外部に排出する能力の一層の向上を実現できる。
【0109】
また、この壁構造では、現場施工時、シート状の封止部材109を貼り付ける手間を省略できるので、施工作業の簡素化を実現できる。
【0110】
(実施の形態5)
図13に示すように、実施の形態5の壁構造では、実施の形態3の壁構造に係る2枚の目板部材300L、300Rの第1端部311E及び第2端部312Eを板状片509、509によってそれぞれ封止して、シート状の封止部材109を無くしている。実施の形態5のその他の構成は、実施の形態1、3と同様である。このため、実施の形態1、3と同一の構成については同一の符号を付して、説明を省略又は簡略する。
【0111】
板状片509、509は、目板部材300L、300Rを製造する際に、折り曲げ加工やプレス加工等で形成される、目板部材300L、300Rと一体のものである。なお、目板部材300L、300Rとは別体に製造される樹脂製や金属製等の板状片509、509を第1端部311E及び第2端部312Eのそれぞれに接合して空隙を塞ぐようにしてもよい。
【0112】
このような構成である実施の形態5の壁構造では、実施の形態1~4の壁構造と同様に、構造体8と外壁板2との間に浸入した水を外部に排出する能力の一層の向上を実現できる。
【0113】
また、この壁構造では、実施の形態4と同様に、現場施工時、シート状の封止部材109を貼り付ける手間を省略できるので、施工作業の簡素化を実現できる。
【0114】
(実施の形態6)
図14及び図15に示すように、実施の形態6の壁構造では、実施の形態1における構造体8の柱材80が角筒状の鋼管である柱材680に変更されている。サッシ89は、柱材680における屋外方向を向く外面の下端部に固定されている。
【0115】
柱材680における屋外方向を向く外面には、横支持部材681が固定されている。横支持部材681は、左右方向に延びる金属製の型材である。目板部材100は、ねじ等の締結具によって、下端支持部材90と共に横支持部材681に固定されている。
【0116】
図14では、3種類の下端支持部材90を例示している。下端支持部材90は、鋼板が断面略L字形状に折り曲げ加工とされてなる。下端支持部材90は、基板部95、突出部96及び係止片97を有している。
【0117】
図15に示すように、目板部材100及び下端支持部材90が横支持部材681に固定された状態で、基板部95は、目板部材100の固定片101に屋外側から当接している。突出部96は、基板部95の下端から屋外方向に突出している。突出部96は、目板部材100の目地部110の上に位置して、目地部110よりも長く屋外方向に突出している。突出部96の屋外側端縁には、複数の係止片97が左右方向に所定の間隔を有して上向きに突出するように形成されている。
【0118】
外壁板2の下端2Dには、複数のスリット2Sが左右方向に所定の間隔を有して外壁板2の下端2Dから上向きに凹むように形成されている。下端支持部材90の各係止片97が外壁板2の下端2Dの各スリット2Sに挿入されることにより、外壁板2が下端支持部材90を介して構造体8に取り付けられている。
【0119】
実施の形態6のその他の構成は、実施の形態1と同様である。このため、実施の形態1と同一の構成については同一の符号を付して、説明を省略又は簡略する。
【0120】
図14に示す3種類の下端支持部材90のうち、上に図示する下端支持部材90(91)では、突出部96に切り欠き96Cが形成されている。下端支持部材90(91)を構造体8に固定する際、切り欠き96Cが第1端部111Eと第2端部112Eとの間に位置するように、すなわち、第2開口H2の上に位置するように、下端支持部材90(91)が構造体8に対して位置決めされる。
【0121】
図14に示す3種類の下端支持部材90のうち、中央に図示する下端支持部材90(92)では、突出部96に、複数の貫通穴96Hが左右方向に所定の間隔を有して貫設されている。下端支持部材90(92)を構造体8に固定する際、少なくとも1つの貫通穴96Hが第1端部111Eと第2端部112Eとの間に位置するように、すなわち、第2開口H2の上に位置するように、下端支持部材90(92)が構造体8に対して位置決めされる。
【0122】
図14に示す3種類の下端支持部材90のうち、下に図示する2枚の下端支持部材90(93、93)は、同じ部材であって、左右方向において互いに離間するように配置される。下端支持部材90(93、93)を構造体8に固定する際、右方の下端支持部材90(93)の突出部96と、左方の下端支持部材90(93)の突出部96との隙間93Sが第1端部111Eと第2端部112Eとの間に位置するように、すなわち、第2開口H2の上に位置するように、下端支持部材90(93、93)が構造体8に対して位置決めされる。
【0123】
このような構成である実施の形態6の壁構造では、実施の形態1~5の壁構造と同様に、構造体8と外壁板2との間に浸入した水を外部に排出する能力の一層の向上を実現できる。
【0124】
また、この壁構造では、構造体8と外壁板2との間に浸入した水が下端支持部材90の突出部96に到達すると、その水を下端支持部材90(91)の切り欠き96C、下端支持部材90(92)の貫通穴96H、又は下端支持部材90(93、93)の隙間93Sによって、第2開口H2にスムーズに導くことができる。
【0125】
さらに、この壁構造では、外壁板2が下端支持部材90を介して構造体8に取り付けられる構成により、第1目地部111及び第2目地部112が外壁板2の下端2Dを直接支持しない。このため、第1目地部111及び第2目地部112の変形を抑制でき、また、第1開口H1及び第2開口H2の変形を抑制できる。その結果、この壁構造では、構造体8と外壁板2との間に浸入した水を外部に排出する能力のより一層の向上を実現できる。
【0126】
(実施の形態7)
図16に示すように、実施の形態7の壁構造では、実施の形態1の壁構造に係る目板部材100の左右両端部110L、110Rと、水切り部88の左右両端部88L、88Rとの位置関係を以下のように設定している。実施の形態7のその他の構成は、実施の形態1と同様である。このため、実施の形態1と同一の構成については同一の符号を付して、説明を省略又は簡略する。
【0127】
実施の形態7の壁構造では、左右方向において、目地部110の右端部110Rは、水切り部88の右端部88Rと一致する位置にある。目地部110の右端部110Rは「目地部の一方の端部」の一例であり、水切り部88の右端部88Rは「水切り部の一方の端部」の一例である。
【0128】
また、左右方向において、目地部110の左端部110Lは、水切り部88の左端部88Lを超える位置にある。目地部110の左端部110Lは「目地部の一方の端部」の一例であり、水切り部88の左端部88Lは「水切り部の一方の端部」の一例である。
【0129】
このような構成である実施の形態7の壁構造では、実施の形態1~6の壁構造と同様に、構造体8と外壁板2との間に浸入した水を外部に排出する能力の一層の向上を実現できる。
【0130】
また、この壁構造では、目板部材100の左右両端部110L、110Rと、水切り部88の左右両端部88L、88Rとの位置関係が上記のように設定されていることにより、目板部材100の目地部110に到達した水が左右両端部110L、110Rから下方に垂れるときに、その水を水切り部88の上面から外れた位置に垂れさせることができる。その結果、この壁構造では、水切り部88の下面側に水が回り込むことをより確実に抑制できる。
【0131】
以上において、本発明の形態を実施の形態1~7に即して説明したが、本発明の形態は上記実施の形態1~7に制限されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更して適用できることはいうまでもない。
【0132】
例えば、目板部材は、実施の形態1~3等に係る目板部材100、200、300L、300Rには限定されず、どのような構成であってもよい。例えば、図17に示すように固定片101及び目地部110を有する長尺の目板部材800を用意し、目板部材800の一部に切り欠き加工や折り曲げ加工等を施したり、目板部材800を複数に分割したりすることにより、実施の形態1~7に係る目板部材100、200、300L、300Rを容易に製造できる。
【0133】
壁材の接合部は、実施の形態1等に係る外壁板2の接合部2Jには限定されない。例えば、実施の形態1等に係る外壁板2の接合部2Jの代わりに、図18の(a)~(c)に示す外壁板2の接合部2J1、2J2、2J3を採用することもできる。具体的には、図18(a)に示す接合部2J1では、外壁板2の表側左右接合部21と裏側左右接合部22との間に、断面略クランク形状の支持部材981と、充填部材981Aとが配置されている。また、図18(b)に示す接合部2J2では、外壁板2の左右両端に表側左右接合部21、21が形成され、両表側左右接合部21、21の間に、断面略ハット形状の支持部材982と、充填部材982Aとが配置されている。さらに、図18(c)に示す接合部2J3では、外壁板2の左端に表側左右接合部21が形成され、外壁板2の右端に平坦面が形成され、表側左右接合部21と平坦面の間に、断面略ハット形状の支持部材983と、充填部材983Aとが配置されている。充填部材981A、982A、983Aは、接合部2J1、2J2、2J3へ水が入ることを防ぐために配置されているものであり、例えば、ゴム、エラストマ、発泡体等である。また、充填部材981A、982A、983Aをなくした構成としてもよい。
【0134】
実施の形態1等では、第1目地部111の第1端部111Eと、第2目地部112の第2端部112Eとは、ストレッチテープ(登録商標)等であるシート状の封止部材109によって封止されているがこの構成には限定されない。例えば、第1端部111E及び第2端部112Eが予めテープ等で封止されていてもよい。
【0135】
実施の形態1等では、水抜き具70が隣接する外壁板2同士の上下方向に延びる接合部2Jの下方に配置されているがこの構成には限定されない。水抜き具は、隣接する外壁板2同士の上下方向に延びる接合部から左右方向に離れた位置に配置されていてもよい。さらに、外壁板2から表側左右接合部21及び裏側左右接合部22を無くした構成も本発明に含まれる。
【符号の説明】
【0136】
8…構造体
88…水切り部
S1…第1隙間
S2…第2隙間
2…壁材(外壁板)
100、200、300L、300R…目板部材
101…固定片
110…目地部
111…第1目地部
112…第2目地部
W1…第1目地部と第2目地部との間隔
2F…壁材の表面
H1…第1開口
2B…壁材の裏面
H2…第2開口
111E…第1端部
112E…第2端部
113L、113R…側壁面
110L、110R…目地部の一方の端部(110L…目地部の左端部、110R…目地部の右端部)
88L、88R…水切り部の一方の端部(88L…水切り部の左端部、88R…水切り部の右端部)
109…封止部材
2S…スリット
97…係止片
90…下端支持部材
2D…壁材の下端(外壁板の下端)
2J…接合部
70…水抜き具
図1
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