(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-02-10
(45)【発行日】2023-02-20
(54)【発明の名称】架台、および架台の設置方法
(51)【国際特許分類】
B23Q 1/00 20060101AFI20230213BHJP
【FI】
B23Q1/00 S
(21)【出願番号】P 2018210927
(22)【出願日】2018-11-08
【審査請求日】2021-10-18
(73)【特許権者】
【識別番号】592129774
【氏名又は名称】株式会社FDKエンジニアリング
(74)【代理人】
【識別番号】110000176
【氏名又は名称】弁理士法人一色国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】宮野 雄治
(72)【発明者】
【氏名】橋本 省一
(72)【発明者】
【氏名】大野木 康之
【審査官】増山 慎也
(56)【参考文献】
【文献】特開2011-224742(JP,A)
【文献】特開2008-254093(JP,A)
【文献】特開2001-019132(JP,A)
【文献】特開2002-309679(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B23Q 1/00
B23P 21/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
互いに直交する三方向を上下方向、前後方向、左右方向として、
架構の上方に製造装置が搭載される天板を備えるとともに、複数台が前後方向に並べて設置されることで製造ラインを構成する架台であって、
前記天板は、上下方向から見ると、前後方向と左右方向とに互いに直交する辺を有する矩形状で、前記製造ラインを構成する際に、当該天板の前後の端面同士の間隔を所定の距離に設定させる接続部を備え、
前記接続部は、前記天板同士で対面させる側の左右の端面に設けられ、
前記接続部には、前後方向で対面する前記天板の側面間に架け渡される四角柱状のブロック部材を、ブロック部材用ボルトによって固定するためのブロック部材用ねじ孔と、位置決めピンの一端が嵌め込まれる位置決め用孔とが前後方向に並んで形成
され、
前記天板の角に、L字状に切り欠かれてなる切欠部が形成され、前記接続部は、前記切欠部に形成されて、前記製造ラインを構成する際に、前記切欠部の内方に前記ブロック部材が配置される、
ことを特徴とする架台。
【請求項2】
互いに直交する三方向を上下方向、前後方向、左右方向として、
架構の上方に製造装置が搭載される天板を備えるとともに、複数台が前後方向に並べて設置されることで製造ラインを構成する架台であって、
前記天板は、上下方向から見ると、前後方向と左右方向とに互いに直交する辺を有する矩形状で、前記製造ラインを構成する際に、当該天板の前後の端面同士の間隔を所定の距離に設定させる接続部を備え、
前記接続部は、前記天板同士で対面させる側の左右の端面に設けられ、
前記接続部には、前後方向で対面する前記天板の側面間に架け渡される四角柱状のブロック部材を、ブロック部材用ボルトによって固定するためのブロック部材用ねじ孔と、位置決めピンの一端が嵌め込まれる位置決め用孔とが前後方向に並んで形成
され、
前記天板の上面には、前記製造ラインを構成する際に、当該天板同士に架け渡されるプレート部材を、プレート部材用ボルトで取り付けるためのプレート部材用ねじ孔が形成され、前記プレート部材用ねじ孔は、前記天板の上面の左右両側に、複数一組で形成されている、
ことを特徴とする架台。
【請求項3】
請求項1
又は2に記載の架台であって、前記位置決め用孔の前後のそれぞれに前記ブロック部材用ねじ孔が形成されていることを特徴とする架台。
【請求項4】
請求項
1に記載の架台を前後方向に複数台並べて設置する方法であって、
前記ブロック部材を用い、
当該ブロック部材には、前記位置決め用孔に対応する複数のピン嵌入孔と前記ブロック部材用ねじ孔に対応する複数のボルト挿通孔とが左右の側面間を貫通して形成され、
複数の前記ピン嵌入孔、および複数の前記ボルト挿通孔は、前後対称となるように二組に分かれて前後方向に並んで形成され、
前後対称に形成されている、一方の組における他方の組のピン嵌入孔と、他方の組におけるピン嵌入孔とが、前記製造ラインを構成した際に、前後方向で対面する天板同士の間隔に基づく所定の距離を隔てて配置され、
前後方向で隣接する前記架台のそれぞれの天板の上下位置を所定の高さに設定する上下位置設定ステップと、
前後方向で隣接する前記架台のそれぞれの前記接続部に、前記ブロック部材を、前記ボルト挿通孔に挿通された前記ブロック部材用ボルトにより取り付け、当該ブロック部材を前記隣接する架台の天板の側面間に架け渡すブロック部材取付ステップと、
前記前後方向で隣接する前記架台の前記位置決め用孔と、前記天板間に架け渡された前記ブロック部材の前記ピン嵌入孔とに、前記位置決めピンの末端側と先端側とを嵌め込む位置決めピン嵌入ステップと、
前記ブロック部材用ボルトを締結して、当該ブロック部材を、前記前後方向で隣接する前記架台のそれぞれに固定するブロック部材固定ステップと、
を含むことを特徴とする架台の設置方法。
【請求項5】
請求項
2に記載の架台を前後方向に複数台並べて設置する方法であって、
前記ブロック部材と前記プレート部材とを用い、
当該ブロック部材には、前記位置決め用孔に対応する複数のピン嵌入孔と前記ブロック部材用ねじ孔に対応する複数のボルト挿通孔とが左右の側面間を貫通して形成され、
複数の前記ピン嵌入孔、および複数の前記ボルト挿通孔は、前後対称となるように二組に分かれて前後方向に並んで形成され、
前後対称に形成されている、一方の組における他方の組のピン嵌入孔と、他方の組におけるピン嵌入孔とが、前記製造ラインを構成した際に、前後方向で対面する天板同士の間隔に基づく所定の距離を隔てて配置され、
前記プレート部材には、前記プレート部材用ボルトが遊びを有した状態で挿通されるプレート孔が形成され、
前後方向で隣接する前記架台のそれぞれの天板の上下位置を所定の高さに設定する上下位置設定ステップと、
前後方向で隣接する前記架台のそれぞれの前記天板の上面間に、前記プレート部材を架け渡すとともに、当該プレート部材を前記プレート部材用ボルトにより前記天板に取り付けるプレート部材取付ステップと、
前後方向で隣接する前記架台のそれぞれの前記接続部に、前記ブロック部材を前記ブロック部材用ボルトにより取り付けて、当該ブロック部材を前記隣接する架台の天板の側面間に架け渡すブロック部材取付ステップと、
前記前後方向で隣接する前記架台の前記位置決め用孔と、前記天板間に架け渡された前記ブロック部材の前記ボルト挿通孔とに、前記位置決めピンの末端側と先端側とを嵌め込む位置決めピン嵌入ステップと、
前記ブロック部材用ボルトを締結し、前記ブロック部材を、前記前後方向で隣接する前記架台の天板のそれぞれの側面に固定するブロック部材固定ステップと、
前記プレート部材用ボルトを締結し、前記プレート部材を、前記前後方向で隣接する前記架台の天板のそれぞれの上面に固定するプレート部材固定ステップと、
を含むことを特徴とする架台の設置方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、架台、および架台の設置方法に関する。
【背景技術】
【0002】
架台は、設備機器や製造装置などの重量物を設置するための架構であり、工場における製品の製造ラインでは、複数台の架台が並べられ、各架台に産業用ロボットなどの製造装置が搭載されている。概略的には、一つの架台と、その架台に搭載された製造装置とによって一つのユニットが形成され、複数のユニットの架台同士が直線的に並べられることで製造ラインが構成される。なお、以下の非特許文献1には、製品として提供されている架台について記載されている。
【0003】
ところで、隣接するユニットの製造装置間では、製造途上の製品や部品(以下、ワークと言うことがある)が確実に受け渡される必要がある。隣接する製造装置間でワークを受け渡す方法としては、隣接する架台間にベルトコンベアなどの搬送装置を架け渡す方法と、各架台に搭載されている製造装置間でワークを直接受け渡す、所謂ダイレクト搬送型とがある。
【0004】
搬送装置を用いてワークを受け渡す方法では、ある工程を受け持つある製造装置は、製造ラインの上流側に隣接する製造装置による前工程を経たワークが搬送装置によって搬送されてくると、そのワークを把持して自身の工程を実施し、自身の工程を経たワークを再度搬送装置に戻す。しかし、搬送装置を用いたワークの受け渡し方法では、架台間に架け渡される搬送装置により、製造ラインの全長が長くなり、工場の省スペース化が阻害される。また、搬送装置によって搬送される製造途上の製品や部品は、専用の治具に搭載された状態で搬送することになり、ワークの形状によって多種多様な治具を用意する必要がある。
【0005】
一方、ダイレクト搬送型によるワークの受け渡し方法では、製造ラインは、ユニット同士を密接させて配置されることから製造ラインの全長を短くすることができる。しかし、各ユニットにおける製造装置は、ワークを特定の位置で把持するように設計されているため、ダイレクト搬送型の製造ラインを組み立てるためには、複数の架台を高い位置精度で工場内に設置し、製造ラインの上流側の製造装置がワークを受け渡す位置と、下流側の製造装置がワークを受け取る位置とを正確に一致させる必要がある。
【0006】
なお、架台自体は、高い精度で作製されているものの、隣接するユニット間でワークを直接受け渡すためには、上述したように、各架台をワークの搬送方向に沿って高い精度で一直線に並べる必要がある。また、架台が設置される床面に微妙な凹凸や傾斜がある場合には、架台において製造装置が載置される天板の高さ位置を揃える必要もある。
【0007】
以下に、ダイレクト搬送型の製造ラインを組み立てる際の従来の架台の設置方法について説明する。なお、ここでは、空間にxyz直交座標系を設定し、鉛直方向をz軸方向とし、架台をx軸方向に並べて設置することとする。また、架台において、長方形の天板の長辺方向を前後方向とし、短辺方向を左右方向とし、天板の面に対する法線方向を上下方向とする。また、天板が架構の上方に配置されていることとして、上下の各方向を規定することとする。すなわち、前後、左右、上下の各方向を、架台に対して設定された相対的な方向として規定し、xyzの各軸の延長方向を、空間に固定された絶対的な方向として規定することとする。そして、以下では、前後方向と上下方向とを、それぞれx軸方向とz軸方向とに一致させるように架台を設置する手順について説明する。
【0008】
架台の設置手順は、概略的には、まず、最初の一台の架台について、天板の長辺方向が、概ねx軸方向に揃うように床面に設置する。次いで、架台の上下方向がz軸と平行となるようにするとともに、天板上面のz軸方向の位置(以下、高さ位置と言うことがある)を一致させる。その上で、天板の長辺の延長方向を、x軸方向に一致させて、架台の天板の短辺方向がy軸と平行となるようにする。このようにして、一台目の架台を設置したならば、二台目の架台を一台目と同様にして、天板の高さ位置を調整するとともに、天板の長辺方向をx軸方向に一致させる。また、一台目と二台目の架台とが、x軸方向で所定の間隔で配置されるように、互いに対面する天板の短辺間の距離を調整する。
【0009】
架台の高さ位置を調整するためには、架台の天板の各所に設置したレベラーと、架台の脚部の下端にねじによって取り付けられている上下高調整用のアジャスターフットとを用いる。レベラーは、所定の長さを有する棒状の部材で、架台の天板の各所に立設するように取り付けられる。そして、このレベラーの先端の位置を、レーザー照準器などを用いて観察しつつ、架台の脚部の下端にねじによって取り付けられている上下高調整用のアジャスターフットの繰り出し量を調整し、天板の上面が同じ高さ位置となるようにする。それによって、架台の上下方向がz軸方向と平行になり、天板の上面の高さ位置が設定される。天板の長辺方向をx軸方向に一致させるためには、下端を床面に引いた墨出し線をx軸方向とし、天板の左右一方の長辺の前後両端の取り付けた下げ振りの先端を墨出し線に合わせればよい。
図1、および
図2に設置済みの一台目の架台101aに二台目の架台101bを並べて配置する方法の概略を示した。
図1は、並んで設置されている二台の架台(101a101b)の全体を示しており、
図2は、
図1において点線の矩形で示した領域100の拡大図である。なお、実際に複数の架台101を設置して製造ラインを組み立てる際には、製造装置が各架台101の天板102の上に取り付けられている。
【0010】
図1に示したように、床面に墨出し線30を引いておくとともに、架台101bの天板102の角に下げ振り31を取り付けておく。下げ振り31の紐32の長さは、紐32の下端に取り付けられている逆円錐状の錘33の頂部がほぼ床面に一致するように調整されている。なお、二台目の架台101bは、既に、レベラーとアジャスターフット12とを用いて天板102bの高さ位置が正しく調整されているものとする。
【0011】
一台目の架台101aが設置されている状態で、二台目の架台101bの天板102bの角に取り付けられている下げ振り31の錘33の先端位置が墨出し線30に合うように、目視で確認しながら、架台101aを床面上で移動させる。このとき、前後方向で互いに対面する天板の端面同士の間隔が所定の距離dとなるように調整する。図示した例では、一台目の架台101aにおいて、天板102aの所定の角に取り付けられている下げ振り31と、二台目の架台101bの天板102bにおいて、同じ角に取り付けられている下げ振り31同士の間隔が、天板の前後長Lに上記距離dを足した距離Dとなるように調整する。それによって、二台目の架台101bがxy面上の所定の位置に設置される。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0012】
【文献】エヌアイシ・オートテック株式会社、”小型ロボット専用アルミ架台”、[online]、[平成30年10月16日検索]、インターネット<URL:http://www.nic-inc.co.jp/alfaframe/order/robot/index.html>
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
上述したように、製造装置を搭載した複数の架台101を並べて、ダイレクト搬送型の製造ラインを組み立てるには、複数の架台101を高い位置合わせ精度で設置する必要がある。従来の架台101の設置方法では、架台101の高さ位置を合わせた上で、架台101の所定位置に取り付けられた下げ振り31を墨出し線30に合わせながら、架台101のxy面内での位置を微調整しながら位置合わせをしている。しかし、従来の架台101の設置方法では、xy面内の位置を調整する過程で、床面の微妙な凹凸や傾斜により、最初に調整した高さ位置が狂ってくる可能性がある。そのため、従来の架台101の設置方法では、設置済みの架台101aに対して順次配置していく架台101bに対し、xy面内での位置と高さ位置とを交互に微調整する必要があった。そして、このような従来の架台101の設置方法では、例えば、10台程度の架台101を設置するために2~3日程度の時間を要していた。
【0014】
さらに、従来の架台101の設置方法では、架台101を設置する作業者や、その設置作業の監督者の技能や熟練度によって、架台101の設置作業に掛かる時間や、架台101の位置合わせ精度に差がでる場合があった。すなわち、従来の架台101の設置方法では、スケジュール通りに製造ラインを組み立てることができなかったり、製造装置間でのワークの受け渡しに支障が生じたりする可能性がある。
【0015】
また、製造ラインは、ある場所で一度組み立てられたのち、分解されて他の場所で再度組み立てられる場合もある。例えば、製造ラインの設置業者が、製造ラインを、工場などの最終的な設置場所とは別の場所で組み立て、各ユニット間でのワークの受け渡し動作などを確認したのち、その製造ラインをユニット毎に分解し、そのユニットを最終的な設置場所に移設して製造ラインを組み立てることがある。製造ラインを移設する場合、従来の架台101の設置方法では、製造ラインを移設する前後のそれぞれの場所で、上述した煩雑な架台101の設置作業を行う必要がある。
【0016】
そこで、本発明は、位置合わせ精度を確保しながら、簡素な作業で容易に設置できる架台と、その架台の設置方法とを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0017】
上記目的を達成するための本発明の一態様は、互いに直交する三方向を上下方向、前後方向、左右方向として、架構の上方に製造装置が搭載される天板を備えるとともに、複数台が前後方向に並べて設置されることで製造ラインを構成する架台であって、
前記天板は、上下方向から見ると、前後方向と左右方向とに互いに直交する辺を有する矩形状で、前記製造ラインを構成する際に、当該天板の前後の端面同士の間隔を所定の距離に設定させる接続部を備え、
前記接続部は、前記天板同士で対面させる側の左右の端面に設けられ、
前記接続部には、前後方向で対面する前記天板の側面間に架け渡される四角柱状のブロック部材を、ブロック部材用ボルトによって固定するためのブロック部材用ねじ孔と、位置決めピンの一端が嵌め込まれる位置決め用孔とが前後方向に並んで形成されているものである。
そして、前記天板の角に、L字状に切り欠かれてなる切欠部が形成され、前記接続部は、前記切欠部に形成されて、前記製造ラインを構成する際に、前記切欠部の内方に前記ブロック部材が配置されることを特徴とする架台としている。
あるいは、前記天板の上面には、前記製造ラインを構成する際に、当該天板同士に架け渡されるプレート部材を、プレート部材用ボルトで取り付けるためのプレート部材用ねじ孔が形成され、前記プレート部材用ねじ孔は、前記天板の上面の左右両側に、複数一組で形成されていることを特徴とする架台としている。
【0018】
前記位置決め用孔の前後のそれぞれに前記ブロック部材用ねじ孔が形成されている架台とすることもできる。
【0021】
本発明のその他の態様は、前記架台を前後方向に複数台並べて設置する方法も本発明のであって、
前記ブロック部材を用い、
当該ブロック部材には、前記位置決め用孔に対応する複数のピン嵌入孔と前記ブロック部材用ねじ孔に対応する複数のボルト挿通孔とが左右の側面間を貫通して形成され、
複数の前記ピン嵌入孔、および複数の前記ボルト挿通孔は、前後対称となるように二組に分かれて前後方向に並んで形成され、
前後対称に形成されている、一方の組における他方の組のピン嵌入孔と、他方の組におけるピン嵌入孔とが、前記製造ラインを構成した際に、前後方向で対面する天板同士の間隔に基づく所定の距離を隔てて配置され、
前後方向で隣接する前記架台のそれぞれの天板の上下位置を所定の高さに設定する上下位置設定ステップと、
前後方向で隣接する前記架台のそれぞれの前記接続部に、前記ブロック部材を、前記ボルト挿通孔に挿通された前記ブロック部材用ボルトにより取り付け、当該ブロック部材を前記隣接する架台の天板の側面間に架け渡すブロック部材取付ステップと、
前記前後方向で隣接する前記架台の前記位置決め用孔と、前記天板間に架け渡された前記ブロック部材の前記ピン嵌入孔とに、前記位置決めピンの末端側と先端側とを嵌め込む位置決めピン嵌入ステップと、
前記ブロック部材用ボルトを締結して、当該ブロック部材を、前記前後方向で隣接する前記架台のそれぞれに固定するブロック部材固定ステップと、
を含むことを特徴とする架台の設置方法としている。
【0022】
あるいは、前記ブロック部材と前記プレート部材とを用い、
当該ブロック部材には、前記位置決め用孔に対応する複数のピン嵌入孔と前記ブロック部材用ねじ孔に対応する複数のボルト挿通孔とが左右の側面間を貫通して形成され、
複数の前記ピン嵌入孔、および複数の前記ボルト挿通孔は、前後対称となるように二組に分かれて前後方向に並んで形成され、
前後対称に形成されている、一方の組における他方の組のピン嵌入孔と、他方の組におけるピン嵌入孔とが、前記製造ラインを構成した際に、前後方向で対面する天板同士の間隔に基づく所定の距離を隔てて配置され、
前記プレート部材には、前記プレート部材用ボルトが遊びを有した状態で挿通されるプレート孔が形成され、
前後方向で隣接する前記架台のそれぞれの天板の上下位置を所定の高さに設定する上下位置設定ステップと、
前後方向で隣接する前記架台のそれぞれの前記天板の上面間に、前記プレート部材を架け渡すとともに、当該プレート部材を前記プレート部材用ボルトにより前記天板に取り付けるプレート部材取付ステップと、
前後方向で隣接する前記架台のそれぞれの前記接続部に、前記ブロック部材を前記ブロック部材用ボルトにより取り付けて、当該ブロック部材を前記隣接する架台の天板の側面間に架け渡すブロック部材取付ステップと、
前記前後方向で隣接する前記架台の前記位置決め用孔と、前記天板間に架け渡された前記ブロック部材の前記ボルト挿通孔とに、前記位置決めピンの末端側と先端側とを嵌め込む位置決めピン嵌入ステップと、
前記ブロック部材用ボルトを締結し、前記ブロック部材を、前記前後方向で隣接する前記架台の天板のそれぞれの側面に固定するブロック部材固定ステップと、
前記プレート部材用ボルトを締結し、前記プレート部材を、前記前後方向で隣接する前記架台の天板のそれぞれの上面に固定するプレート部材固定ステップと、
を含む架台の設置方法とすることもできる。
【発明の効果】
【0023】
本発明によれば、位置合わせ精度を確保しながら、簡素な作業で容易に設置できる架台と、その架台の設置方法とが提供される。なお、その他の効果については以下の記載で明らかにする。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【
図1】従来の架台と、その架台の設置方法を示す図である。
【
図2】従来の架台と、その架台の設置方法を示す拡大図である。
【
図3】本発明の実施例に係る架台と、その架台の設置方法を示す図である。
【
図4】上記実施例に係る架台と、その架台の設置方法を示す拡大図である。
【
図5】上記実施例に係る架台を設置する際に用いられるブロック部材と位置決めピンとを示す図である。
【
図6】上記実施例に係る架台の設置方法の手順を示す流れ図である。
【
図7】上記実施例に係る架台の設置方法における架台の位置合わせ原理を示す図である。
【
図8】上記実施例に係る架台に取り付けられた上記ブロック部材を取り外すための治具を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
本発明の実施例について、以下に添付図面を参照しつつ説明する。なお、以下の説明に用いた図面において、同一又は類似の部分に同一の符号を付して重複する説明を省略することがある。図面によっては説明に際して不要な符号を省略することもある。
【0026】
===実施例===
<架台の構造>
図3と
図4とに、本発明の実施例に係る架台1を示した。
図3と
図4には、実施例に係る二つの架台(1a、1b)が、前後方向に並べられて設置されている状態を示している。
図3は、二つの架台(1a、1b)の全体図であり、
図4は、
図3における点線の枠出示した領域110内を拡大した図である。なお、以下に示す各図でも、
図1および
図2に示した、空間におけるx、y、zの各軸の絶対的な方向と、架台(1a、1b)における相対的な上下、左右、前後の各方向とを規定することとする。
【0027】
図3、
図4に示したように、架台1は、矩形の枠体からなる架構10の上に矩形平面形状を有する天板2が取り付けられてなり、架構10の柱となる脚部11の下端には、アジャスターフット12が取り付けられている。アジャスターフット12を除いた、天板2と架構10とからなる構造体の寸法は、前後長3500mm、左右幅1500mm、高さ700mmである。天板2の前端と後端の左右側面には、架台(1a、1b)を前後方向の間隔が所定の距離dとなるように配置するための接続部20が形成されている。本実施例では、L字状に切り欠いた領域が接続部(以下、切欠部20と言うことがある)となっている。切欠部20における左右の側面21には、三つの孔(22、23)が前後に一列に並んで形成されている。また、天板2の上面には、左右方向に並ぶ二つ一組のねじ孔24が切欠部20の近傍に形成されている。
【0028】
前後方向に並んだ二つの架台(1a、1b)が位置決めされて配置されている状態では、二つの架台(1a、1b)のぞれぞれの切欠部20が、前後方向で対向する。そして、その互いに対向し合う切欠部20は、上方から見て、略矩形に形成された空間を形成している。そして、その空間に角柱状のブロック部材50が取り付けられている。
【0029】
図5にブロック部材の拡大図を示した。
図4および
図5に示したように、ブロック部材は、四角柱からなり、鉄製で、高い強度と剛性とを有している。実施例に係る架台1に取り付けられるブロック部材50は、端面が25mm四方の正四角柱である。ブロック部材50には、左右方向に貫通する二種類の孔(51、52)からなる合計六つの孔(51、52)が、前後に一列に並んで形成されている。二種類の孔(51、52)のうちの一方の種類は、ボルト(以下、ブロック部材用ボルト53と言うことがある)が挿通される孔(以下、ボルト挿通孔51と言うことがある)であり、他方の種類は、位置決めピン54が嵌め込まれる孔(以下、ピン嵌入孔52と言うことがある)である。また、六つの孔(51、52)は、ブロック部材50の前端側と後端側とに、三つ一組で形成されており、各組は、一つのピン嵌入孔52と、そのピン嵌入孔52の前方と後方とに配置された二つのボルト挿通孔51とからなる。
【0030】
図3、
図4に示したように、一組中の三つの孔(51、52)は、それぞれが、架台1の切欠部20の側面21に形成されている三つの孔(22、23)に対応し、位置決めピン54の一端が嵌め込まれる孔(以下、位置決め用孔22とも言う)の前方と後方にそれぞれ、ブロック部材用ボルト53がねじ込まれる雌ねじが形成された孔(以下、ブロック部材用ねじ孔23とも言う)が形成されている。
【0031】
また、前後方向に並んだ二つの架台(1a、1b)が位置決めされて配置されている状態では、二つの架台(1a、1b)の天板(2a、2b)の上面に、矩形平面形状を有するプレート状の部材(以下、プレート部材60と言うことがある)が架け渡されている。プレート部材60は、鉄製で、所定の厚さ(例えば15mm)を有し、ブロック部材50と同様に、高い強度と剛性とを有している。
【0032】
プレート部材60の四隅には、ボルト(以下、プレート部材用ボルト61と言うことがある)が挿通される孔(以下、プレート孔62と言うことがある)が形成されている。そして、プレート部材用ボルト61が、プレート孔62に挿通されつつ、天板2の上面に形成されたねじ孔(以下、プレート部材用ねじ孔24と言うことがある)にねじ込まれている。それによって、プレート部材60が天板2の上面に固定されている。
【0033】
なお、上述したように、架台1自体は高い精度で作製されるものであり、実施例に係る架台1も、当然のことながら、従来の架台101と同様に高い寸法精度で作製されている。すなわち、天板2の上面と側面とは、正確に直交し、天板2は高い精度で平坦性が確保されている。切欠部20、切欠部20の側面に形成されている各種孔(22、23)、およびプレート部材用ねじ孔24は、高い位置精度や寸法精度で形成されている。
【0034】
一方、ブロック部材50やプレート部材60も、NCマシンなどを用いて高い寸法精度で作製することができる。したがって、当然のことながら、四角柱状のブロック部材50の側面は、それぞれが正確に直交し、プレート部材60の表面も高い精度で平坦性が確保されている。
【0035】
<架台の設置方法>
次に、二台の架台(1a、1b)を、ブロック部材50と、プレート部材60とを用いて設置する手順を、本発明の実施例に係る架台の設置方法として挙げる。
図6に、架台(1a、1b)の設置手順を示した。以下、
図3~
図6を参照しつつ、二つの架台(1a、1b)を位置合わせしながら連結する手順を示す。
【0036】
まず、一台目の架台1aを設置する(s1)。ここでは、従来の架台101の設置方法と同様にして、レベラーとアジャスターフット12とを用い、一台目の架台1aの天板2aがxy面と平行となり、かつ天板2aの上面各部のz軸方向の位置が所定の高さとなるように調整する。また、一台目の架台1aをxy面内で位置合わせする。なお、一台目の架台1aのxy面での位置については、厳密に設置する必要がない。概ねx軸方向に一致しれていればよい。もちろん、従来の架台101の設置方法と同様にして、墨出し線30と下げ振り31とを用いて一台目の架台1aを設置してもよい。
【0037】
次に、二台目の架台1bを仮設置する。ここでは、一台目の架台1aと二台目の架台1bのそれぞれの天板(2a、2b)の左右側面が、概ね、面一となるように、二台目の架台1bを一台目の架台1aの前後いずれかの方向に配置するとともに、二台目の架台1bの高さ位置を、一台目の架台1aと同様にして調整する(s2)。それによって、二つの架台(1a、1b)のそれぞれの天板(2a、2b)の高さ位置が揃うとともに、切欠部20が前後方向で対向し、上方から見ると、上述した略矩形の空間が形成される。
【0038】
二台の架台(1a、1b)の天板(2a、2b)の高さが揃い、左右の側面が概ね面一になったならば、各架台(1a、1b)の天板(2a、2b)間に、プレート部材60を取り付けるとともに、各架台(1a、1b)の切欠部20が前後方向で対向することで形成された矩形状の領域に、ブロック部材50を取り付ける(s3、s4)。
【0039】
具体的には、二つの架台(1a、1b)の天板(2a、2b)間にプレート部材60を架け渡すとともに、プレート部材60を、プレート部材用ボルト61を用いて天板(2a、2b)に固定する。それによって、プレート部材60の下面が二つの架台(1a、1b)の天板(2a、2b)の上面に密着し、その後に架台(1a、1b)のxy面内での位置を調整した際に天板(2a、2b)の高さ位置が多少ずれたとしても、二つの架台(1a、1b)の天板(2a、2b)は、段差やねじれのない平坦面を維持する。なお、プレート部材60は、プレート孔62の径が、プレート部材用ボルト61において雄ねじが形成されている部分の径よりも大きくなっている。そして、プレート部材60を天板(2a、2b)に取り付ける手順(s3)では、プレート部材用ボルト61を完全に締結せず、隣接する二つの架台(1a、1b)が、若干の遊びを有してxy面内での若干の移動が許容される状態にしておく。また、二台目の架台1bが設置される床面に、「スライドペーパー」などと呼ばれる、低摩擦のシートを敷いておく。
【0040】
次に、ブロック部材50を、二台の架台(1a、1b)において、互いに対向し合う切欠部20間に架け渡すように取り付ける。具体的には、位置決めピン54の一方の端部(以下、末端と言うことがある)を切欠部20の側面21に形成されている位置決め用孔22に嵌め込んでおく、そして、他方の端部(以下、先端と言うことがある)側を切欠部20の側面21から突出させておき、ブロック部材50に挿通させたブロック部材用ボルト53の先端側を、切欠部20の側面21に形成されているブロック部材用ねじ孔23にねじ込む。なお、ブロック部材用ねじ孔23は、ブロック部材用ボルト53の径に対して1mm程度拡径された座繰りが形成されており、前後と上下の各方向の位置精度が1mm以下の誤差であれば、ブロック部材用ボルト53の先端をブロック部材用ねじ孔23に案内させることができる。
【0041】
そして、ブロック部材用ボルト53が、ブロック部材用ねじ孔23の開口端に接したならば、当該ブロック部材用ボルト53をねじ込んでいく。ブロック部材用ねじ孔23は、位置決め用孔22に対して前後対称となる位置に形成されており、一つの切欠部20に対応する二つ一組のブロック部材用ボルト53を、ブロック部材用ねじ孔23にねじ込んでいくと、位置決めピン54とブロック部材50のピン嵌入孔52とが同軸上に配置されるとともに、位置決めピン54の先端が、ピン嵌入孔52の開口端に案内される。
【0042】
位置決めピン54の先端がピン嵌入孔52の開口端まで案内されたならば、ブロック部材50を叩くなどして、位置決めピン54をピン嵌入孔52に嵌め込む。位置決めピン54がピン嵌入孔52に嵌め込まれると、二つの架台(1a、1b)の天板(2a、2b)の長辺同士が一直線に並び、二つの架台(1a、1b)が連結された状態で設置される。
【0043】
なお、架台(1a、1b)にブロック部材50とプレート部材60とを固定する過程で、架台(1a、1b)の高さ位置がずれたとしても、プレート部材60によって二つの架台(1a、1b)の天板(2a、2b)が、同一面内にあるため、二つの架台(1a、1b)の高さ位置を個別に再調整する必要がない。すなわち、レベラーを用いながら、連結状態にある二つの架台(1a、1b)の設置領域における四隅のアジャスターフットの繰り出し量のみを調整し、天板(2a、2b)の高さ位置が再調整されたならば、二台の架台(1a、1b)において、互いに対向し合う脚部11のアジャスターフット12を調整し、これらのアジャスターフット12の下端面を床面に当接させればよい。三台目の架台1を配置する場合には、上記と同様の手順により、設置済みの二台の架台(1a、1b)の前後一方の前端あるいは後端側に三台目の架台1を連結させればよい。このようにして、複数の架台1を順次連結していき製造ラインを完成させる。
【0044】
次に、実施例に係る架台1がブロック部材50と位置決めピン54とによって高精度で位置合わされる原理について説明する。
図7に、架台(1a、1b)を上方から見たときの平面図を示した。
図7に示したように、ブロック部材50における、二つのピン嵌入孔52の前後方向の間隔Pは、前後方向で隣接する二つの架台(1a、1b)のそれぞれの天板(2a、2b)同士が対面する間隔dに基づいて形成されており、位置決めピン54がブロック部材50のピン嵌入孔52に嵌め込まれると、二つの架台(1a、1b)のそれぞれの位置決めピン54同士が、ブロック部材50における、二つのピン嵌入孔52の間隔Pに一致するように配置される。
【0045】
また、架台(1a、1b)に搭載される製造装置の天板2上での位置も、位置決め用孔22の位置を基準にして規定することができる。
図7に示したように、天板2上の任意の位置(X,Y)は、切欠部20の側面21における位置決め用孔22の位置を基準とした、前後方向の距離Lxと、左右方向の距離Lyとによって規定される。したがって、架台(1a、1b)が正しく設置されれば、自ずと、架台(1a、1b)上の製造装置も高い精度で位置合わせされ、隣接する架台(2a、2b)のそれぞれに搭載されている製造装置間でワークを確実に受け渡すことができる。
【0046】
<製造ラインの分解>
製造ラインを移設するなど、連結状態にある架台1を分離する場合には、製造ラインの組立手順と逆の手順で連結状態にある架台1を分離すればよい。なお、連結状態にある架台1では、ブロック部材50のピン嵌入孔52と、架台1側に設けられた位置決め用孔22とに位置決めピン54が固く嵌め込まれた状態にあるため、ブロック部材50が架台1に密着している場合、ブロック部材50を架台1から取り外すことが難しくなる。そこで、位置決めピンの先端面にねじ孔を形成しておくことが考えられる。そして、このねじ孔に、先端に雄ねじが形成された専用の治具をねじ込み、その治具を用いてブロック部材50を架台1から取り外すことが考えられる。
図8に、治具70の一例示した。治具70は、鉄製の丸棒71の末端側に拡径された頭部72が一体成形された本体73と、丸棒71の部分に摺動自在に環装されているリング状の部材74とで構成されている。丸棒71の先端には、位置決めピン54のねじ孔55に螺合する雄ねじ75が形成されている。そして、治具70の雄ねじ75を、位置決めピン54の先端の雄ねじにねじ込んで、治具70を位置決めピン54に取り付けたならば、図中、白抜き矢印で示したように、リング状の部材74を末端側に摺動させ、そのリング状の部材74で頭部72を叩く動作を繰り返す。それによって、位置決めピン54が、ピン嵌入孔52から徐々に左右外方に向けて引き抜かれていく。
【0047】
===その他の実施例===
上記実施例に係る架台1では、天板2の切欠部20に、二つのブロック部材用ねじ孔23が一つの位置決め用孔22を前後で狭持するように形成されて、ブロック部材50が、一つの切欠部20について、二本のブロック部材用ボルト53によって取り付けられていた。そのため、前後方向で連結される二つの架台(1a、1b)の天板(2a、2b)の高さ位置に多少のズレがあったとしても、ブロック部材50を天板(2a、2b)に取り付けると、位置決めピン54とブロック部材50のピン嵌入孔52とが自然に同軸上に配置されるようになる。もちろん、床面の平坦性が確保されているのであれば、一つの切欠部20について、ブロック部材用ねじ孔23が一つであってもよい。当然のことながら、ブロック部材用ねじ孔23が三つ以上形成されていてもよい。位置決め用孔22についても、一つの切欠部20について複数箇所に形成されていてもよい。
【0048】
上記実施例に係る架台1は、天板2にブロック部材50が取り付けられる位置に切欠部20が形成されていた。そして、ブロック部材50が取り付けられた状態では、天板2の左右側面とブロック部材50の左右側面とがほぼ面一となっていた。そのため、ブロック部材50が、製造ラインの左右から突出して障害物となるのを防止していた。もちろん、架台1の設置場所が十分に広かったり、無人であったりすれば、切欠部20は必ずしも必要ではない。いずれにしても、天板2の左右側面にブロック部材50を位置決めした状態で取り付けるための、ブロック部材用ねじ孔23と位置決めピンを嵌め込むための位置決め用孔22とが形成されていればよい。
【0049】
上記実施例では、前後の架台(1a、1b)の天板(2a、2b)同士が平坦面を形成するように、プレート部材60を、隣接する架台(1a、1b)の天板(2a、2b)の上面間に架け渡していた。もちろん、従来の架台101の設置方法と同様に、個々の架台(1a、1b)のそれぞれについて、平坦性と上下位置とを調整して、複数の架台1の天板2の上下位置を合わせてもよい。しかし、本実施例に係る架台1の設置方法では、複数の架台1の天板2の平坦性を容易に確保することができ、かつ複数の架台1の天板2の上下位置を同時に合わせることができる。
【0050】
また、架台(1、101)には、免震機構付きのアジャスターフット12を備えたものがあり、従来の設置方法によって架台101が設置されると、地震によって転倒などの大きな損害は免れるものの、個々の架台101の高さ位置がずれてしまう。そして、再度、架台101の位置合わせ作業を行う必要がある。そのため、製造ラインの復旧までに長い期間を要する。一方、本実施例に係る架台1は、複数の架台1の天板2同士がプレート部材60によって連結されるので、地震が発生しても複数の架台1の天板2同士の平坦面が維持される。そして、複数台の架台1の天板2の上下方向の位置を一括して調整し直すことができ、製造ラインを短期間で復旧させることが可能となる。
【符号の説明】
【0051】
1,1a,1b,101,101a,101b 架台、
2,2a,2b,102,102a,102b 天板、
10 架構、11 脚部、12 アジャスターフット、20 切欠部、21 切欠部の側面、22 位置決め用孔、23 ブロック部材用ねじ孔、24 プレート部材用ねじ孔、
30 墨出し線、31 下げ振り、50 ブロック部材、51 ボルト挿通孔、
52 ピン嵌入孔、53 ブロック部材用ボルト、54 位置決めピン、
60 プレート部材、61 プレート部材用ボルト、治具70