(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-02-10
(45)【発行日】2023-02-20
(54)【発明の名称】油性スラリー供給方法および油性スラリー供給装置
(51)【国際特許分類】
B08B 9/032 20060101AFI20230213BHJP
B24B 55/12 20060101ALN20230213BHJP
【FI】
B08B9/032 321
B24B55/12
(21)【出願番号】P 2019108795
(22)【出願日】2019-06-11
【審査請求日】2022-03-15
(73)【特許権者】
【識別番号】391004458
【氏名又は名称】日曹金属化学株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100109508
【氏名又は名称】菊間 忠之
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 正彦
(72)【発明者】
【氏名】間野目 忠宣
(72)【発明者】
【氏名】満田 浩幸
【審査官】村山 達也
(56)【参考文献】
【文献】特開2009-179543(JP,A)
【文献】特開昭51-098170(JP,A)
【文献】特開昭50-019015(JP,A)
【文献】特開2006-142152(JP,A)
【文献】特開2001-170590(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B08B 9/032
B24B 55/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
空気中の水分と反応
する成分
、塩素元素含有成分、および金属元素含有成分からなる群から選ばれる少なくともひとつを含む油性スラリーを該スラリーの貯蔵された第二密閉容器からスラリーポンプを経て油性スラリー処理装置に輸送し、同時に不活性ガスを該不活性ガスの貯蔵された第一密閉容器から第二密閉容器に輸送すること、
第一密閉容器から第二密閉容器への不活性ガスの輸送および第二密閉容器から油性スラリー処理装置への油性スラリーの輸送を停止して、油性洗浄液を第三容器から前記スラリーポンプを経て油性スラリー処理装置に輸送すること、
次いで油性洗浄液を第三容器から前記スラリーポンプを経て第三容器に一巡して輸送することを含む、
油性スラリー供給方法。
【請求項2】
油性洗浄液が、原油常圧蒸留において150~320℃において採取される留分を主に含むものである、請求項1に記載の油性スラリー供給方法。
【請求項3】
不活性ガスを貯蔵するための第一密閉容器、
空気中の水分と反応
する成分
、塩素元素含有成分、および金属元素含有成分からなる群から選ばれる少なくともひとつを含む油性スラリーを貯蔵するための第二密閉容器、
油性洗浄液を貯蔵するための第三容器、
スラリーポンプ、
油性スラリー処理装置、
第一密閉容器内と第二密閉容器内とを連通するガス供給ライン、
第二密閉容器内とスラリーポンプ内とを連通するスラリー吸入ライン
スラリーポンプ内と油性スラリー処理装置内とを連通するスラリー吐出ライン、
スラリー吐出ラインの途中で分岐し第三容器内に連通する洗浄液戻りライン、
スラリー吸入ラインの途中で分岐し第三容器内に連通する洗浄液供給ライン、ならびに
第二密閉容器内の油性スラリーが第二密閉容器からスラリー吸入ライン、スラリーポンプおよびスラリー吐出ラインを経て油性スラリー処理装置に輸送され、同時に第一密閉容器内の不活性ガスが第一密閉容器からガス供給ラインを経て第二密閉容器に輸送され、且つ第三容器内の油性洗浄液がどこにも輸送されない、第一配管系統、
第三容器内の油性洗浄液が第三容器から洗浄液供給ライン、スラリー吸入ライン、スラリーポンプおよびスラリー吐出ラインを経て油性スラリー処理装置に輸送され、同時に第一密閉容器内の不活性ガスが第二密閉容器に輸送されず且つ第二密閉容器内の油性スラリーがどこにも輸送されない、第二配管系統、および
第三容器内の油性洗浄液が第三容器から洗浄液供給ライン、スラリー吸入ライン、スラリーポンプ、スラリー吐出ラインおよび洗浄液戻りラインを経て第三容器に一巡して輸送され、同時に第一密閉容器内の不活性ガスが第二密閉容器に輸送されず且つ第二密閉容器内の油性スラリーがどこにも輸送されない、第三配管系統、
のいずれかひとつに設定することができるバルブ機構、
を有する、油性スラリー供給装置。
【請求項4】
油性スラリー処理装置が、焼却炉を含むものである、請求項3に記載の油性スラリー供給装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、油性スラリー供給方法および油性スラリー供給装置に関する。
【背景技術】
【0002】
スラリーの供給方法または供給装置が種々提案されている。例えば、特許文献1は、化学機械的研磨装置に対して研磨剤であるスラリーを供給するためのスラリー供給装置であって、スラリーを貯溜するための密閉された容器と、上記容器からスラリーを吸引するための第1のノズルと、上記容器にスラリーを戻すための第2のノズルと、上記化学機械的研磨装置にスラリーを滴下するための第3のノズルと、上記第1のノズル及び第3のノズルに接続され、スラリーを化学機械的研磨装置に供給するための第1の配管と、上記第2のノズル及び上記第1の配管に接続され、上記第1の配管を流れるスラリーの少なくとも一部を上記第3のノズルからバイパスさせて、上記第2のノズルに戻すための第2の配管と、上記第1の配管を流れるスラリーの上記第3のノズルと上記第2の配管とに対する供給量を調節するための調節弁と、上記第1及び第2の配管のうち少なくともいずれか一方の配管に介設され、スラリーを強制的に流すためのポンプと、上記容器内部に外部からウエット雰囲気のガスを供給するウエットガス供給手段とを備えていることを特徴とするスラリー供給装置を開示している。
【0003】
特許文献2は、一つの使用中のスラリー供給タンクと一つ以上の待機中のスラリー供給タンクと、各スラリー供給タンク内の液量を計測するセンサーと、各スラリー供給タンクからユースポイントまでのスラリーの循環ラインと、スラリー循環用ポンプと、各スラリー供給タンクの切替バルブと、使用中のスラリー供給タンクからユースポイントへの循環ラインを経由した後、戻りラインの各スラリー供給タンクの切替バルブにより待機中のスラリー供給タンクに戻し、スラリーのユースポイントへの供給を継続して行うためのスラリー制御部とからなり、1)使用中のスラリー供給タンク内のスラリーを、スラリー循環用ポンプにより循環ラインを介してユースポイトに供給、循環する通常工程と、2)使用中のスラリー供給タンク内の液量が移送開始レベルになった段階で切替バルブを切り替え、使用中のスラリー供給タンク内のスラリーを、スラリー循環用ポンプにより循環ラインを介してユースポイトに供給、循環するとともに、使用中のスラリー供給タンク内に残存するスラリーの略全量を待機中のスラリー供給タンクに移送する移送工程とを繰り返して行うことにより、使用中のスラリー供給タンクが空になる前に、ユースポイントへの供給を停止することなく速やかに、使用中のスラリー供給タンクに残っているスラリーを待機中のスラリー供給タンクへ移送し、使用中のスラリー供給タンクの残存量を低減化する機能を搭載したことを特徴とするスラリー供給方法を開示している。
【0004】
また、食品、飲料、製薬などの工場においては、製造設備や製造機器類を分解することなく、そのままの状態で、洗浄用流体を流して、その内部を洗浄することを含む方法、CIP(Cleaning in place)が知られている。
【0005】
例えば、特許文献3は、洗浄用流体としてジェル洗浄剤をCIPに用いることを開示している。
特許文献4は、導管の内面に沿って進むように導管の内面にわたる本体を生じさせることによって、流体流通導管の内部を清掃する又は掃除する方法、または流体流通導管に移動可能な栓を設ける方法において、本体が、非ゲル状で湿った液体が配合された凍結した固体粒子、で作られた、密着し、流動可能に凝集した、塊りであり、非ゲル状で湿った液体が、凍結した固体粒子からの融解生成物からなっており、前記粒子を密着させて、本体を形成させることを特徴とする方法を開示している。
【0006】
特許文献5は、シャーベット状の流動体を使用する伏越管路の洗浄方法および洗浄システムを開示している。
特許文献6は、スラリー洗浄剤で洗浄対象定置配管系の固着物を剥離辞去し、固形物をスラリー洗浄剤から分離し、スラリー洗浄剤を再生し、洗浄対象定置配管系に循環供給して洗浄対象定置配管系を洗浄するCIP洗浄方法において、可溶性スラリー材料を一部結晶化させた結晶化スラリー洗浄剤を洗浄対象定置配管系に循環供給し、洗浄対象定置配管系に残留するスラリー結晶を溶解する温度にしたリンス液を用いて洗浄対象定置配管系からスラリー結晶を排出することを特徴とするCIP洗浄方法を開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【文献】特開2007-190674号公報
【文献】特開2010-247310号公報
【文献】特開2005-126567号公報
【文献】特表2003-519571号公報
【文献】特開2014-94333号公報
【文献】特開2008-296168号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の課題は、空気中の水分と反応する成分、塩素元素含有成分、および金属元素含有成分からなる群から選ばれる少なくともひとつを含む油性スラリーを密閉系において安定して供給するための油性スラリー供給装置および油性スラリー供給方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は以下の態様を包含する。
〔1〕 空気中の水分と反応する成分、塩素元素含有成分、および金属元素含有成分からなる群から選ばれる少なくともひとつを含む油性スラリーを該スラリーの貯蔵された第二密閉容器からスラリーポンプを経て油性スラリー処理装置に輸送し、同時に不活性ガスを該不活性ガスの貯蔵された第一密閉容器から第二密閉容器に輸送すること、
第一密閉容器から第二密閉容器への不活性ガスの輸送および第二密閉容器から油性スラリー処理装置への油性スラリーの輸送を停止して、油性洗浄液を第三容器から前記スラリーポンプを経て油性スラリー処理装置に輸送すること、
次いで油性洗浄液を第三容器から前記スラリーポンプを経て第三容器に一巡して輸送することを含む、
油性スラリー供給方法。
【0010】
〔2〕 油性洗浄液が、原油常圧蒸留において150~320℃において採取される留分を主に含むものである、〔1〕に記載の油性スラリー供給方法。
【0011】
〔3〕 不活性ガスを貯蔵するための第一密閉容器、
空気中の水分と反応する成分、塩素元素含有成分、および金属元素含有成分からなる群から選ばれる少なくともひとつを含む油性スラリーを貯蔵するための第二密閉容器、
油性洗浄液を貯蔵するための第三容器、
スラリーポンプ、
油性スラリー処理装置、
第一密閉容器内と第二密閉容器内とを連通するガス供給ライン、
第二密閉容器内とスラリーポンプ内とを連通するスラリー吸入ライン
スラリーポンプ内と油性スラリー処理装置内とを連通するスラリー吐出ライン、
スラリー吐出ラインの途中で分岐し第三容器内に連通する洗浄液戻りライン、
スラリー吸入ラインの途中で分岐し第三容器内に連通する洗浄液供給ライン、ならびに
第二密閉容器内の油性スラリーが第二密閉容器からスラリー吸入ライン、スラリーポンプおよびスラリー吐出ラインを経て油性スラリー処理装置に輸送され、同時に第一密閉容器内の不活性ガスが第一密閉容器からガス供給ラインを経て第二密閉容器に輸送され、且つ第三容器内の油性洗浄液がどこにも輸送されない、第一配管系統、
第三容器内の油性洗浄液が第三容器から洗浄液供給ライン、スラリー吸入ライン、スラリーポンプおよびスラリー吐出ラインを経て油性スラリー処理装置に輸送され、同時に第一密閉容器内の不活性ガスが第二密閉容器に輸送されず且つ第二密閉容器内の油性スラリーがどこにも輸送されない、第二配管系統、および
第三容器内の油性洗浄液が第三容器から洗浄液供給ライン、スラリー吸入ライン、スラリーポンプ、スラリー吐出ラインおよび洗浄液戻りラインを経て第三容器に一巡して輸送され、同時に第一密閉容器内の不活性ガスが第二密閉容器に輸送されず且つ第二密閉容器内の油性スラリーがどこにも輸送されない、第三配管系統、
のいずれかひとつに設定することができるバルブ機構、
を有する、油性スラリー供給装置。
【0012】
〔4〕 油性スラリー処理装置が、焼却炉を含むものである、〔3〕に記載の油性スラリー供給装置。
【発明の効果】
【0013】
本発明の油性スラリー供給装置および油性スラリー供給方法によれば、塩素元素含有成分および/または金属元素含有成分を含む油性スラリーを安定して供給することができる。本発明によると、空気中の水分と反応する成分を含む油性スラリーを密閉系において安定して供給することができる。油性スラリーが、高い粘性を有するものであったり、管やポンプなどに分散質が堆積しやすいものであったり、管やポンプなどを閉塞しやすいものであったりしても、本発明の油性スラリー供給装置および油性スラリー供給方法によれば、堆積、閉塞などを抑制して、安定的に、そのような油性スラリーを供給することができる。その結果、分解洗浄の頻度を大幅に減らすことができる。本発明は、油性スラリーの入ったドラム缶を、受入荷姿のままで、スラリーポンプで吸入および吐出して、焼却炉などの油性スラリー処理装置に供給する、密閉型の処理システムに好ましく適用できる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】本発明の油性スラリー供給装置の一例を示す概念図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明の油性スラリー供給装置は、第一密閉容器1、第二密閉容器2、第三容器3、スラリーポンプ7、油性スラリー処理装置6、ならびにこれらを繋ぐ配管およびバルブ機構を有する。
【0016】
第一密閉容器は、不活性ガスを貯蔵するためのものである。不活性ガスとして、窒素ガス、ヘリウムガス、アルゴンガスなどを挙げることができる。不活性ガスは乾燥しているものが好ましい。第一密閉容器として、例えば、市販のガスボンベを用いることができる。
【0017】
第二密閉容器は、油性スラリーを貯蔵するためのものである。油性スラリーは、空気中の水分と反応する成分、塩素元素含有成分、および金属元素含有成分からなる群から選ばれる少なくともひとつを含む。油性スラリーの分散質としては、例えば、金属ナトリウム粉粒体、Si含有粉粒体、Cu含有粉粒体、Zn含有粉粒体、Fe含有粉粒体、油不溶性産業廃棄物粉粒体などを挙げることができる。油性スラリーの分散媒としては、原油常圧蒸留において150~320℃において採取される留分を主に含むもの、例えば、灯油などを挙げることができる。分散媒は、それに溶解可能な成分が溶解して含まれていてもよい。溶解可能な成分としては、オルガノシロキサン、オルガノポリシロキサン、クロロシラン類、油溶性産業廃棄物などを挙げることができる。製造工場などから廃棄される油性スラリーは、ドラム缶などによって搬入されることが多い。本発明においては、そのドラム缶を、受入荷姿のままで、第二密閉容器として用いることができる。
【0018】
第一密閉容器内と第二密閉容器内とはガス供給ライン12によって、必要に応じてバルブを介して、連通している。油性スラリーのスラリーポンプによる吸入に伴う第二密閉容器内の圧力低下を補うために、またはスラリーポンプによる油性スラリーの吸入を後押しするために、不活性ガスを第一密閉容器から第二密閉容器に供給することができる。
【0019】
また、第二密閉容器の取り外しを行っている際や、油性スラリーの不時漏洩などの際に、有害なガスが周辺に拡散しないようにするために、ヒュームフード5などの中に、少なくとも第二密閉容器を入れることが好ましい。ヒュームフード5で吸引されたガスは、換気扇4にて油性スラリー処理装置6に送って、不活性化することができる。
【0020】
スラリーポンプ7は、油性スラリーを吸入および吐出できるものであれば、特に制限されない。スラリーポンプとしては、渦巻式ポンプ、スクリュー式ポンプ、ダイヤフラム式ポンプ、ベーンポンプなどを挙げることができる。脈動を減らすために、パルセーションダンパーをスラリーポンプの吐出側に設けてもよい。また、流量調節のためにFICなどの制御系を設けてもよい。
【0021】
油性スラリー処理装置6は、油性スラリーを不活性化し、再利用または廃棄し易い状態にするためのものである。油性スラリー処理装置としては焼却炉を挙げることができる。焼却灰は、その後、粉砕、破砕、圧縮、減容などの処理を施したり、セメント原料などへの資源化のための処理を施したりすることができる。
【0022】
第二密閉容器内とスラリーポンプ内とはスラリー吸入ライン8によって、必要に応じてバルブ等を介して、連通しており、スラリーポンプ内と油性スラリー処理装置内とはスラリー吐出ライン9によって、必要に応じてバルブ等を介して、連通している。第二密閉容器内の油性スラリーはスラリーポンプによって吸入および吐出されて油性スラリー処理装置に送られる。油性スラリーの流れるラインのいずれかには残圧排気弁13が設けられていてもよい。残圧排気弁の設置によって、メンテナンス時の残圧による事故、例えば、残圧によるポンプの作動、噴き出した残圧による油性スラリーや部品の吹き飛び、部品の破損などを防止できる。
【0023】
第三容器3は、油性洗浄液を貯蔵するためのものである。油性洗浄液は、油性スラリーを洗い流して、洗浄できるものであれば、特に限定されない。油性洗浄液として、原油常圧蒸留において150~320℃において採取される留分を主に含むもの、例えば、灯油を用いることができる。
第三容器内は、スラリー吐出ライン9の途中で分岐し第三容器3に繋がる洗浄液戻りライン10によって、必要に応じてバルブ等を介して、スラリー吐出ライン9内と連通し、さらにスラリー吸入ライン8の途中で分岐し第三容器に繋がる洗浄液供給ライン11によって、必要に応じてバルブ等を介して、スラリー吸入ライン8内と連通している。第三容器は密閉容器であることが好ましい。
【0024】
第二密閉容器内の油性スラリーが無くなったり、油性スラリー処理装置側の受け入れが中断されたり、などして油性スラリーの輸送が止まると、油性スラリーが配管系内に停留する。停留した油性スラリーを押し出すために、バルブ操作によって、油性洗浄液を第三容器から洗浄液供給ライン、スラリー吸入ライン、スラリーポンプおよびスラリー吐出ラインを経て油性スラリー処理装置に送ることができる。
スラリーポンプ内などの複雑な形状をした流路の壁には油性スラリー中の成分が沈着しやすいので、それを除去するために、バルブ操作によって、油性洗浄液を第三容器から洗浄液供給ライン、スラリー吸入ライン、スラリーポンプ、スラリー吐出ラインおよび洗浄液戻りラインを経て第三容器に一巡して送ることができる。
【0025】
バルブ機構は、第一配管系統、第二配管系統、および第三配管系統のいずれかひとつに設定することができる。
第一配管系統においては、第二密閉容器内の油性スラリーが第二密閉容器からスラリー吸入ライン、スラリーポンプおよびスラリー吐出ラインを経て油性スラリー処理装置に輸送され、同時に第一密閉容器内の不活性ガスが第一密閉容器からガス供給ラインを経て第二密閉容器に輸送され、且つ第三容器内の油性洗浄液がどこにも輸送されない。
第二配管系統においては、第三容器内の油性洗浄液が第三容器から洗浄液供給ライン、スラリー吸入ライン、スラリーポンプおよびスラリー吐出ラインを経て油性スラリー処理装置に輸送され、同時に第一密閉容器内の不活性ガスが第二密閉容器に輸送されず且つ第二密閉容器内の油性スラリーがどこにも輸送されない。
第三配管系統においては、第三容器内の油性洗浄液が第三容器から洗浄液供給ライン、スラリー吸入ライン、スラリーポンプ、スラリー吐出ラインおよび洗浄液戻りラインを経て第三容器に一巡して輸送され、同時に第一密閉容器内の不活性ガスが第二密閉容器に輸送されず且つ第二密閉容器内の油性スラリーがどこにも輸送されない。バルブ機構によって各配管系統を適宜切り替えることによって本発明の方法を円滑に行うことができる。
【符号の説明】
【0026】
1:第一密閉容器
2:第二密閉容器
3:第三容器
4:換気扇
5:ヒュームフード
6:油性スラリー処理装置
7:スラリーポンプ
8:スラリー吸入ライン
9:スラリー吐出ライン
10:洗浄液戻りライン
11:洗浄液供給ライン
12:ガス供給ライン
13:残圧排気弁