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特許7225132再使用可能な超音波医療装置及びその使用方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-02-10
(45)【発行日】2023-02-20
(54)【発明の名称】再使用可能な超音波医療装置及びその使用方法
(51)【国際特許分類】
   A61B 17/32 20060101AFI20230213BHJP
【FI】
A61B17/32 510
【請求項の数】 23
(21)【出願番号】P 2019571625
(86)(22)【出願日】2018-07-05
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2020-08-31
(86)【国際出願番号】 US2018040846
(87)【国際公開番号】W WO2019010258
(87)【国際公開日】2019-01-10
【審査請求日】2021-07-05
(31)【優先権主張番号】15/641,858
(32)【優先日】2017-07-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】517076008
【氏名又は名称】エシコン エルエルシー
【氏名又は名称原語表記】Ethicon LLC
【住所又は居所原語表記】#475 Street C, Suite 401, Los Frailes Industrial Park, Guaynabo, Puerto Rico 00969, United States of America
(74)【代理人】
【識別番号】100088605
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 公延
(74)【代理人】
【識別番号】100130384
【弁理士】
【氏名又は名称】大島 孝文
(72)【発明者】
【氏名】スコギンズ・パトリック・ジェイ
(72)【発明者】
【氏名】ミューレンカンプ・タイラー・シー
(72)【発明者】
【氏名】グローネ・デビッド・シー
(72)【発明者】
【氏名】ダナハー・ウィリアム・ディー
(72)【発明者】
【氏名】ディッカーソン・ベンジャミン・ディー
(72)【発明者】
【氏名】クラウダ・フィリップ・エイチ
(72)【発明者】
【氏名】オルティス・ラファエル・ジェイ・ルイス
(72)【発明者】
【氏名】ミラー・マシュー・シー
(72)【発明者】
【氏名】バッシュ・ケビン・エイ
【審査官】宮崎 敏長
(56)【参考文献】
【文献】特表2014-500063(JP,A)
【文献】特表2012-533346(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2017/0172608(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 17/00
A61B 17/32
A61B 18/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
再使用可能な超音波医療装置を管理する方法であって、
超音波医療装置制御モジュールによって、ユーザにより再組み立てされた超音波医療装置からの電気的接続を受信することと、
前記超音波医療装置制御モジュールによって、前記再組み立てされた超音波医療装置のエンドエフェクタのジョーを閉鎖するように構成されたジョー制御構成要素を操作するように前記ユーザに促すことと、
前記超音波医療装置制御モジュールによって、前記エンドエフェクタの前記ジョーが閉鎖構成にあることを示す、前記超音波医療装置内に配設された閉鎖センサからの閉鎖データを受信することと、
前記超音波医療装置制御モジュールによって、前記再組み立てされた超音波医療装置の少なくとも1つの構成要素の機能状態を参照する、前記超音波医療装置からの機能データを受信することと、
前記超音波医療装置制御モジュールによって、前記機能データの値を、1つ又は2つ以上の所定の受容参照値と比較することと、
前記超音波医療装置制御モジュールによって、前記機能データの前記値と前記1つ又は2つ以上の所定の受容参照値との前記比較に基づいて、前記ユーザに受容性指標を提供することと、を含み、
前記超音波医療装置制御モジュールによって、前記再組み立てされた超音波医療装置内に配設されたプログラム可能なメモリ装置から前記1つ又は2つ以上の所定の受容参照値を受信することを更に含む、方法。
【請求項2】
ユーザによって再組み立てされた超音波医療装置から電気的接続を受信することが、前記ユーザによって再洗浄又は再滅菌された少なくとも1つの構成要素を有する超音波医療装置から電気的接続を受信することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
ユーザによって再組み立てされた超音波医療装置から電気的接続を受信することが、少なくとも1つの修復された構成要素を有する超音波医療装置から電気的接続を受信することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
ユーザによって再組み立てされた超音波医療装置から電気的接続を受信することが、少なくとも1つの置換された構成要素を有する超音波医療装置から電気的接続を受信することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
記機能データの前記値と前記1つ又は2つ以上の所定の受容参照値との前記比較に基づいて、前記ユーザに受容性指標を提供することが、前記ユーザに医療的使用に対する装置受容性の指標を提供することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
記機能データの前記値と前記1つ又は2つ以上の所定の受容参照値との前記比較に基づいて、前記ユーザに受容性指標を提供することが、前記ユーザに医療的使用に対する装置非受容性の指標を提供することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記再組み立てされた超音波医療装置の初期製造中に、前記1つ又は2つ以上の所定の受容参照値を用いて、前記プログラム可能なメモリ装置をプログラムすることを更に含む、請求項に記載の方法。
【請求項8】
再使用可能な超音波医療装置を管理する方法であって、
超音波医療装置制御モジュールによって、ユーザにより再組み立てされた超音波医療装置からの電気的接続を受信することと、
前記超音波医療装置制御モジュールによって、前記再組み立てされた超音波医療装置のエンドエフェクタのジョーを閉鎖するように構成されたジョー制御構成要素を操作するように前記ユーザに促すことと、
前記超音波医療装置制御モジュールによって、前記エンドエフェクタの前記ジョーが閉鎖構成にあることを示す、前記超音波医療装置内に配設された閉鎖センサからの閉鎖データを受信することと、
前記超音波医療装置制御モジュールによって、前記再組み立てされた超音波医療装置の少なくとも1つの構成要素の機能状態を参照する、前記超音波医療装置からの機能データを受信することと、
前記超音波医療装置制御モジュールによって、前記機能データの値を、1つ又は2つ以上の所定の受容参照値と比較することと、
前記超音波医療装置制御モジュールによって、前記機能データの前記値と前記1つ又は2つ以上の所定の受容参照値との前記比較に基づいて、前記ユーザに受容性指標を提供することと、を含み、
前記超音波医療装置からの機能データを受信することが、前記再組み立てされた超音波医療装置のジョーを作動させるように構成された管状作動部材の変位値を参照する、前記超音波医療装置からの機能データを受信することを含む、方法。
【請求項9】
管状作動部材の変位値を参照する前記超音波医療装置からの機能データを受信することが、前記管状作動部材の変位値を測定するように構成されたホール効果センサからデータを受信することを含む、請求項に記載の方法。
【請求項10】
再使用可能な超音波医療装置を管理する方法であって、
超音波医療装置制御モジュールによって、ユーザにより再組み立てされた超音波医療装置からの電気的接続を受信することと、
前記超音波医療装置制御モジュールによって、前記再組み立てされた超音波医療装置のエンドエフェクタのジョーを閉鎖するように構成されたジョー制御構成要素を操作するように前記ユーザに促すことと、
前記超音波医療装置制御モジュールによって、前記エンドエフェクタの前記ジョーが閉鎖構成にあることを示す、前記超音波医療装置内に配設された閉鎖センサからの閉鎖データを受信することと、
前記超音波医療装置制御モジュールによって、前記再組み立てされた超音波医療装置の少なくとも1つの構成要素の機能状態を参照する、前記超音波医療装置からの機能データを受信することと、
前記超音波医療装置制御モジュールによって、前記機能データの値を、1つ又は2つ以上の所定の受容参照値と比較することと、
前記超音波医療装置制御モジュールによって、前記機能データの前記値と前記1つ又は2つ以上の所定の受容参照値との前記比較に基づいて、前記ユーザに受容性指標を提供することと、を含み、
前記超音波医療装置からの機能データを受信することが、前記再組み立てされた超音波医療装置の前記ジョーを作動させるように構成された管状作動部材と機械的に連通しているばねスタックの変位値を参照する、前記超音波医療装置からの機能データを受信することを含む、方法。
【請求項11】
ばねスタックの変位値を参照する前記超音波医療装置からの機能データを受信することが、前記ばねスタックの変位値を測定するように構成されたホール効果センサからデータを受信することを含む、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
再使用可能な超音波医療装置を管理する方法であって、
超音波医療装置制御モジュールによって、ユーザにより再組み立てされた超音波医療装置からの電気的接続を受信することと、
前記超音波医療装置制御モジュールによって、前記再組み立てされた超音波医療装置のエンドエフェクタのジョーを閉鎖するように構成されたジョー制御構成要素を操作するように前記ユーザに促すことと、
前記超音波医療装置制御モジュールによって、前記エンドエフェクタの前記ジョーが閉鎖構成にあることを示す、前記超音波医療装置内に配設された閉鎖センサからの閉鎖データを受信することと、
前記超音波医療装置制御モジュールによって、前記再組み立てされた超音波医療装置の少なくとも1つの構成要素の機能状態を参照する、前記超音波医療装置からの機能データを受信することと、
前記超音波医療装置制御モジュールによって、前記機能データの値を、1つ又は2つ以上の所定の受容参照値と比較することと、
前記超音波医療装置制御モジュールによって、前記機能データの前記値と前記1つ又は2つ以上の所定の受容参照値との前記比較に基づいて、前記ユーザに受容性指標を提供することと、を含み、
前記超音波医療装置制御モジュールによって、超音波導波管に音響的に連結された圧電アクチュエータへの電流を提供することを更に含み、
前記超音波医療装置からの機能データを受信することが、前記超音波導波管と関連付けられたインピーダンスを参照する、前記超音波医療装置からの機能データを受信することを含む、方法。
【請求項13】
前記機能データの前記値と前記1つ又は2つ以上の所定の受容参照値との前記比較に基づいて、前記ユーザに、受容性指標を提供することが、前記再組み立てされた超音波医療装置における振動減衰膜の存在の指標を提供することを含む、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
超音波導波管に音響的に連結された圧電アクチュエータに電流を供給することが、前記超音波導波管内に横方向の機械波を誘導するように構成された圧電アクチュエータに、電流を供給することを含む、請求項12に記載の方法。
【請求項15】
超音波導波管に音響的に連結された圧電アクチュエータに電流を供給することが、前記超音波導波管内に非横方向の機械波を誘導するように構成された圧電アクチュエータに、電流を供給することを含む、請求項12に記載の方法。
【請求項16】
超音波導波管に音響的に連結された圧電アクチュエータに電流を供給することが、前記超音波導波管に音響的に連結された複数の圧電素子のうちの1つ又は2つ以上に電流を供給することを含み、前記複数の圧電アクチュエータのうちの前記1つ又は2つ以上の各々が、前記超音波導波管内に非横方向の機械波を誘導するように構成されている、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記機能データの前記値と前記1つ又は2つ以上の所定の受容参照値との前記比較に基づいて、ユーザに受容性指標を提供することが、前記超音波導波管を交換するか、又は前記超音波導波管に音響的に連結された超音波ナイフを交換するように前記ユーザに促すことを含む、請求項12に記載の方法。
【請求項18】
再使用可能な超音波医療装置を管理する方法であって、
超音波医療装置制御モジュールによって、ユーザにより再組み立てされた超音波医療装置からの電気的接続を受信することと、
前記超音波医療装置制御モジュールによって、前記再組み立てされた超音波医療装置のエンドエフェクタのジョーを閉鎖するように構成されたジョー制御構成要素を操作するように前記ユーザに促すことと、
前記超音波医療装置制御モジュールによって、前記エンドエフェクタの前記ジョーが閉鎖構成にあることを示す、前記超音波医療装置内に配設された閉鎖センサからの閉鎖データを受信することと、
前記超音波医療装置制御モジュールによって、前記再組み立てされた超音波医療装置の少なくとも1つの構成要素の機能状態を参照する、前記超音波医療装置からの機能データを受信することと、
前記超音波医療装置制御モジュールによって、前記機能データの値を、1つ又は2つ以上の所定の受容参照値と比較することと、
前記超音波医療装置制御モジュールによって、前記機能データの前記値と前記1つ又は2つ以上の所定の受容参照値との前記比較に基づいて、前記ユーザに受容性指標を提供することと、を含み、
前記超音波医療装置制御モジュールによって、超音波導波管に音響的に連結された圧電アクチュエータに電流を提供することと、
前記超音波医療装置制御モジュールによって、前記超音波導波管に音響的に連結された超音波導波管と関連付けられた機械的共振周波数を参照する、前記超音波医療装置からの機能データを受信することと、を更に含む、方法。
【請求項19】
前記ユーザに前記受容性指標を提供することが、前記再組み立てされた超音波医療装置を再組み立てするように前記ユーザに促すことを含む、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
再使用可能な超音波医療装置を管理する方法であって、
超音波医療装置制御モジュールによって、ユーザにより再組み立てされた超音波医療装置からの電気的接続を受信することと、
前記超音波医療装置制御モジュールによって、前記再組み立てされた超音波医療装置のエンドエフェクタのジョーを閉鎖するように構成されたジョー制御構成要素を操作するように前記ユーザに促すことと、
前記超音波医療装置制御モジュールによって、前記エンドエフェクタの前記ジョーが閉鎖構成にあることを示す、前記超音波医療装置内に配設された閉鎖センサからの閉鎖データを受信することと、
前記超音波医療装置制御モジュールによって、前記再組み立てされた超音波医療装置の少なくとも1つの構成要素の機能状態を参照する、前記超音波医療装置からの機能データを受信することと、
前記超音波医療装置制御モジュールによって、前記機能データの値を、1つ又は2つ以上の所定の受容参照値と比較することと、
前記超音波医療装置制御モジュールによって、前記機能データの前記値と前記1つ又は2つ以上の所定の受容参照値との前記比較に基づいて、前記ユーザに受容性指標を提供することと、を含み、
前記超音波医療装置からの機能データを受信することが、前記再組み立てされた超音波医療装置の超音波ナイフに抗して、前記超音波医療装置の前記ジョーと機械的に連通しているパッドのクランプ力値を参照する、前記超音波医療装置からの機能データを受信することを含む、方法。
【請求項21】
クランプ力値を参照する前記超音波医療装置からの機能データを受信することが、前記再組み立てされた超音波医療装置の前記ジョーを作動させるように構成された作動部材駆動アセンブリの構成要素に機械的に連結された圧電力センサから、データを受信することを含む、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
再使用可能な超音波医療装置を管理する方法であって、
超音波医療装置制御モジュールによって、ユーザにより再組み立てされた超音波医療装置からの電気的接続を受信することと、
前記超音波医療装置制御モジュールによって、前記再組み立てされた超音波医療装置のエンドエフェクタのジョーを閉鎖するように構成されたジョー制御構成要素を操作するように前記ユーザに促すことと、
前記超音波医療装置制御モジュールによって、前記エンドエフェクタの前記ジョーが閉鎖構成にあることを示す、前記超音波医療装置内に配設された閉鎖センサからの閉鎖データを受信することと、
前記超音波医療装置制御モジュールによって、前記再組み立てされた超音波医療装置の少なくとも1つの構成要素の機能状態を参照する、前記超音波医療装置からの機能データを受信することと、
前記超音波医療装置制御モジュールによって、前記機能データの値を、1つ又は2つ以上の所定の受容参照値と比較することと、
前記超音波医療装置制御モジュールによって、前記機能データの前記値と前記1つ又は2つ以上の所定の受容参照値との前記比較に基づいて、前記ユーザに受容性指標を提供することと、を含み、
前記超音波医療装置からの機能データを受信することが、延長管と機械的に連通している遠位フランジと前記延長管と機械的に連通している近位フランジとの間の距離を参照する、前記超音波医療装置からの機能データを受信することを含み、前記延長管が、前記再組み立てされた超音波医療装置のジョーを作動させるように構成されている、方法。
【請求項23】
再使用可能な超音波医療装置を管理する方法であって、
超音波医療装置制御モジュールによって、ユーザにより再組み立てされた超音波医療装置からの電気的接続を受信することと、
前記超音波医療装置制御モジュールによって、前記再組み立てされた超音波医療装置のエンドエフェクタのジョーを閉鎖するように構成されたジョー制御構成要素を操作するように前記ユーザに促すことと、
前記超音波医療装置制御モジュールによって、前記エンドエフェクタの前記ジョーが閉鎖構成にあることを示す、前記超音波医療装置内に配設された閉鎖センサからの閉鎖データを受信することと、
前記超音波医療装置制御モジュールによって、前記再組み立てされた超音波医療装置の少なくとも1つの構成要素の機能状態を参照する、前記超音波医療装置からの機能データを受信することと、
前記超音波医療装置制御モジュールによって、前記機能データの値を、1つ又は2つ以上の所定の受容参照値と比較することと、
前記超音波医療装置制御モジュールによって、前記機能データの前記値と前記1つ又は2つ以上の所定の受容参照値との前記比較に基づいて、前記ユーザに受容性指標を提供することと、を含み、
前記超音波医療装置制御モジュールによって、バーンインプロセスを含む実行前プロセスを開始するように前記ユーザに促すことと、
前記超音波医療装置制御モジュールによって、所定の期間の間、前記実行前プロセスを作動させることと、
前記超音波医療装置制御モジュールによって、前記エンドエフェクタの前記ジョーが、前記所定の期間の間、閉鎖構成にあることを前記閉鎖データから判定することと、を更に含み、
前記超音波医療装置の少なくとも1つの構成要素の機能状態を参照する前記超音波医療装置からの機能データを受信することが、前記所定の期間にわたって、超音波ナイフの共振周波数を参照する機能データを受信することを含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
超音波外科用装置は、それらの独特な性能特性により、外科手技においてますます広範囲の用途を見出している。特定の装置構成及び動作パラメータにより、超音波外科用装置は、組織の実質的に同時の横切開及び凝固によるホメオスタシスを提供することができ、望ましくは患者の外傷を最小化する。超音波外科用装置は、超音波トランスデューサを含むハンドピース、並びに組織を切断及び封止するために、遠位に取り付けられたエンドエフェクタ(例えば、ブレード先端部及びクランプアーム)を有する超音波トランスデューサに連結された器具を備え得る。いくつかの場合では、器具は、ハンドピースに恒久的に取り付けることができる。他の場合には、再使用可能な器具又は異なるハンドピース間で互換可能な器具の場合におけるように、器具は、ハンドピースから取り外し可能であり得る。エンドエフェクタは、エンドエフェクタと接触する組織に超音波エネルギーを伝達し、切断及び封止作用を実現する。このような超音波外科用装置は、切開外科用途用、ロボット支援手術を含む腹腔鏡又は内視鏡手術用に構成することができる。
【0002】
超音波エネルギーは、電気外科手術で使用される温度よりも低い温度を使用して組織を切断し凝固させる。超音波ブレードは高周波(例えば、毎秒55,500回)で振動し、組織中のタンパク質を変性させて粘着性の凝塊を形成する。ブレード表面によって組織に対して圧力をかけると血管が潰れ、凝塊が止血シールを形成することを可能にする。外科医は、エンドエフェクタによって組織に印加される力による切断速度及び凝固、力が印加される時間、並びに選択されるエンドエフェクタの実行レベルを制御することができる。
【0003】
超音波医療装置の部分は、使用中に組織及び他の医療デブリで汚染され得、したがって、装置又は装置の部分は、各患者に使用する前に、洗浄及び滅菌されなければならないことが認識され得る。更に、超音波医療装置の構成要素に付与される振動エネルギーは、例えば、超音波ブレードの破損を含む構成要素の摩耗又は故障をもたらし得る。その結果、時間及び使用に伴って、超音波医療装置のいくつかの構成要素は、装置が再使用され得る前に、交換又は修復されるべきである。ある程度、装置は、構成要素の洗浄、交換、又は修復をもたらすために分解されてもよい。
【0004】
装置の洗浄、修復、又は部品交換は、製造業者によって、又は製造業者によって認可された第三者によって行われてもよいが、かかるプロセスは、装置を許容不能な期間にわたって、使用できなくし得る。このため、エンドユーザによる洗浄、修復、又は部品交換のために構成された超音波医療装置が、別個の施設での整備を必要とする者にとっては好ましいであろう。しかしながら、エンドユーザは、再組み立てされた洗浄、修復、又は改修された医療装置が、再組み立て後に再使用するための受容可能な状態にあることを保証する技能を有しない場合があるということが更に認識され得る。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
したがって、ユーザが洗浄、修復、又は部品交換後に装置をうまく再組み立てすることが可能であり得ることを保証するように、再使用可能な超音波医療装置内に特徴を組み込むことが望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0006】
一態様では、再使用可能な超音波医療装置を管理する方法は、超音波医療装置制御モジュールによって、ユーザによって再組み立てされた超音波医療装置からの電気的接続を受信することと、超音波医療装置制御モジュールによって、再組み立てされた超音波医療装置のエンドエフェクタのジョーを閉鎖するように構成されたジョー制御構成要素を操作するようにユーザに促すことと、超音波医療装置制御モジュールによって、エンドエフェクタのジョーが閉鎖構成にあることを示す、超音波医療装置内に配設された閉鎖センサからの閉鎖データを受信することと、超音波医療装置制御モジュールによって、再組み立てされた超音波医療装置の少なくとも1つの構成要素の機能状態を参照する、超音波医療装置からの機能データを受信することと、超音波医療装置制御モジュールによって、機能データの値を、1つ又は2つ以上の所定の受容参照値と比較することと、超音波医療装置制御モジュールによって、機能データの値と1つ又は2つ以上の所定の受容参照値の比較に基づいて、ユーザに受容性指標を提供することと、を含む。
【0007】
本方法の一態様では、ユーザによって再組み立てされた超音波医療装置から電気的接続を受信することは、ユーザによって再洗浄又は再滅菌された少なくとも1つの構成要素を有する超音波医療装置から電気的接続を受信することを含む。
【0008】
本方法の一態様では、ユーザによって再組み立てされた超音波医療装置から電気的接続を受信することは、少なくとも1つの修復された構成要素を有する超音波医療装置から電気的接続を受信することを含む。
【0009】
本方法の一態様では、ユーザによって再組み立てされた超音波医療装置から電気的接続を受信することは、少なくとも1つの置換された構成要素を有する超音波医療装置から電気的接続を受信することを含む。
【0010】
本方法の一態様は、超音波医療装置制御モジュールによって、機能データの値が、受容範囲内にあることを判定することを更に含み、機能データの値と1つ又は2つ以上の所定の受容参照値との比較に基づいて、ユーザに受容性指標を提供することは、ユーザに医療的使用に対する装置非受容性の指標を提供することを含む。
【0011】
本方法の一態様は、超音波医療装置制御モジュールによって、機能データの値が、受容範囲内にないことを判定することを更に含み、機能データの値と1つ又は2つ以上の所定の受容参照値との比較に基づいて、ユーザに受容性指標を提供することは、ユーザに医療的使用に対する装置非受容性の指標を提供することを含む。
【0012】
本方法の一態様は、超音波医療装置制御モジュールによって、再組み立てされた超音波医療装置内に配設されたプログラム可能なメモリ装置から、1つ又は2つ以上の所定の受容参照値を受信することを更に含む。
【0013】
本方法の一態様は、再組み立てされた超音波医療装置の初期製造中に、1つ又は2つ以上の所定の受容参照値を用いて、プログラム可能なメモリ装置をプログラミングすることを更に含む。
【0014】
本方法の態様では、超音波医療装置からの機能データを受信することは、再組み立てされた超音波医療装置のジョーを作動させるように構成された管状作動部材の変位値を参照する、超音波医療装置からの機能データを受信することを含む。
【0015】
本方法の一態様では、管状作動部材の変位値を参照する超音波医療装置からの機能データを受信することは、管状作動部材の変位値を測定するように構成されたホール効果センサからデータを受信することを含む。
【0016】
本方法の一態様では、超音波医療装置からの機能データを受信することは、再組み立てされた超音波医療装置のジョーを作動させるように構成された管状作動部材と機械的に連通しているばねスタックの変位値を参照する、超音波医療装置からの機能データを受信することを含む。
【0017】
本方法の一態様では、ばねスタックの変位値を参照する超音波医療装置からの機能データを受信することは、ばねスタックの変位値を測定するように構成されたホール効果センサからデータを受信することを含む。
【0018】
本方法の一態様は、超音波医療装置制御モジュールによって、超音波導波管に音響的に連結された圧電アクチュエータに電流を提供することを更に含み、超音波医療装置からの機能データを受信することは、超音波導波管と関連付けられたインピーダンスを参照する、超音波医療装置からの機能データを受信することを含む。
【0019】
本方法の一態様では、機能データの値と1つ又は2つ以上の所定の受容参照値との比較に基づいて、受容性指標をユーザに提供することは、再組み立てされた超音波医療装置における振動減衰膜の存在の指標を提供することを含む。
【0020】
本方法の一態様では、超音波導波管に音響的に連結された圧電アクチュエータに電流を供給することは、超音波導波管内に横方向の機械波を誘導するように構成された圧電アクチュエータに電流を供給することを含む。
【0021】
本方法の一態様では、超音波導波管に音響的に連結された圧電アクチュエータに電流を供給することは、超音波導波管内に非横方向の機械波を誘導するように構成された圧電アクチュエータに電流を供給することを含む。
【0022】
本方法の一態様では、超音波導波管に音響的に連結された圧電アクチュエータに電流を供給することは、超音波導波管に音響的に連結された複数の圧電素子のうちの1つ又は2つ以上に電流を供給することを含み、複数の圧電アクチュエータのうちの1つ又は2つ以上の各々は、超音波導波管内に非横方向の機械波を誘導するように構成される。
【0023】
本方法の一態様では、機能データの値と1つ又は2つ以上の所定の受容参照値との比較に基づいて、受容性支持をユーザに提供することは、超音波導波管を交換するか、又は超音波導波管に音響的に連結された超音波ナイフを交換するようにユーザに促すことを含む。
【0024】
本方法の一態様は、超音波医療装置制御モジュールによって、超音波導波管に音響的に連結された圧電アクチュエータに電流を提供することを更に含み、超音波医療装置制御モジュールによって、超音波導波管と関連付けられた機械的共振周波数を参照する超音波医療装置からの機能データは、超音波導波管に音響的に連結される。
【0025】
本方法の一態様では、ユーザに受容性支持を提供することは、再組み立てされた超音波医療装置を再組み立てするようにユーザに促すことを含む。
【0026】
本方法の一態様では、超音波医療装置からの機能データを受信することは、再組み立てされた超音波医療装置の超音波ナイフに抗して、超音波医療装置のジョーと機械的に連通しているパッドのクランプ力値を参照する、超音波医療装置からの機能データを受信することを含む。
【0027】
本方法の一態様では、クランプ力値を参照する超音波医療装置からの機能データを受信することは、再組み立てされた超音波医療装置のジョーを作動させるように構成された作動部材駆動アセンブリの構成要素に機械的に連結された圧電力センサからデータを受信することを含む。
【0028】
本方法の一態様では、超音波医療装置からの機能データを受信することは、延長管と機械的に連通している遠位フランジと、延長管と機械的に連通している近位フランジとの間の距離を参照する超音波医療装置からの機能データを受信することを含み、延長管が、再組み立てされた超音波医療装置のジョーを作動させるように構成される。
【0029】
本方法の一態様は、超音波医療装置制御モジュールによって、バーンインプロセスを含む実行前プロセスを開始するように、ユーザに促すことと、超音波医療装置制御モジュールによって、所定の期間の間、実行前プロセスを作動させることと、超音波医療装置制御モジュールによって、エンドエフェクタのジョーが、所定の期間の間、閉鎖構成にあることを閉鎖データから判定することと、を更に含み、超音波医療装置の少なくとも1つの構成要素の機能状態を参照する超音波医療装置からの機能データを受信することが、所定の期間にわたって、超音波ナイフの共振周波数を参照する機能データを受信することを含む。
【0030】
再使用可能な超音波医療装置の一態様は、ハンドルアセンブリと、ハンドルアセンブリに機械的に連結され、電気絶縁材料でオーバーモールドされた内部遠位部分を有する、細長いシャフトアセンブリであって、細長いシャフトアセンブリの近位内面の少なくとも一部分が、導電性である、細長いシャフトアセンブリと、細長いシャフトアセンブリの導電性内面に電気的に連結された第1の電気接点と、細長いシャフトアセンブリ内に配設された導電性導波管と、導電性導波管に電気的に連結された第2の電気接点と、導波管に音響的かつ電気的に連結された導電性超音波ナイフであって、電気絶縁コーティングでコーティングされた遠位部分を有する、導電性超音波ナイフと、導波管に音響的に連結された超音波トランスデューサに電力を送達するように構成された発生器と、発生器を制御するように構成されたコントローラモジュールを含む。再使用可能な超音波医療装置の態様では、コントローラモジュールは、プロセッサと、命令を含むように構成されたメモリ回路と、を含む。再使用可能な超音波医療装置の態様において、命令は、プロセッサによって実行されるとき、プロセッサに、第1の接点と第2の接点との間に電位を印加することと、第1の接点と第2の接点との間を流れる電流を測定することと、電圧が許容範囲外の値を有するとき、再使用可能な超音波医療装置のユーザに通知することと、を行わせる。
【0031】
超音波医療装置の一態様では、導電性超音波ブレードの遠位部分の電気絶縁コーティングは、細長いシャフトアセンブリの内部遠位部分上にオーバーモールドされた電気絶縁材料の遠位縁部の遠位にある近位コーティング縁部を有する。
【0032】
再使用可能な超音波医療装置を管理する方法の一態様は、超音波医療装置制御モジュールによって、ユーザによって再組み立てされた超音波医療装置からの電気的接続を受信することと、超音波医療装置制御モジュールによって、導電性導波管に電気的に連結された第1の接点と、細長いシャフトアセンブリの導電性内面に電気的に連結された第2の接点との間に電位を印加することであって、導波管が、細長いシャフトアセンブリ内の内部空間内に配設される、印加することと、超音波医療装置制御モジュールによって、第1の接点と第2の接点との間を流れる電流を測定することと、超音波医療装置制御モジュールによって、電流の値を1つ又は2つ以上の許容範囲の値と比較することと、超音波医療装置制御モジュールによって、電流の値と1つ又は2つ以上の所定の受容参照値との比較に基づいて、ユーザに受容性指標を提供することと、を含む。
【0033】
本方法の一態様は、超音波医療装置制御モジュールによって、電流の値が受容範囲内にあることを判定することを更に含み、電流の値と1つ又は2つ以上の所定の受容参照値との比較に基づいて、ユーザに受容性指標を提供することは、ユーザに医療的使用に対する装置受容性の指標を提供することを含む。
【0034】
本方法の一態様は、超音波医療装置制御モジュールによって、電流の値が許容範囲内にないことを判定することを更に含み、電流の値と1つ又は2つ以上の所定の受容参照値との比較に基づいて、ユーザに受容性指標を提供することは、ユーザに医療的使用に対する装置の非受容性の指標を提供することを含む。
【0035】
本方法の一態様は、超音波医療装置制御モジュールによって、再組み立てされた超音波医療装置の構成要素を清浄又は再滅菌するようにユーザに促すことを更に含む。
【0036】
再使用可能な超音波医療装置の別の態様は、ハンドルアセンブリと、ハンドルアセンブリに近位端で機械的に連結された細長いシャフトアセンブリと、細長いシャフトアセンブリの遠位端に機械的に連結されたエンドエフェクタアセンブリと、コントローラモジュールと、を含む。一態様では、ハンドルアセンブリは、トリガアセンブリと、トリガアセンブリの位置を判定するように構成されたトリガセンサと、トリガアセンブリに機械的に連結されたヨークと、作動部材駆動アセンブリと、を含む。この態様では、作動部材駆動アセンブリは、遠位フランジと近位フランジとを有する管カラーと、遠位フランジと近位フランジとの間に配設されたばねスタックと、ばねスタックに機械的に連結された力センサと、を有し、連結アセンブリは、遠位フランジと近位フランジとの間にヨークを受容するように構成される。この態様では、細長いシャフトアセンブリは、外側シースと、外側シース内に配設された管状作動部材と、を含み、管状作動部材の近位部分は、作動部材駆動アセンブリに機械的に連結される。この態様では、エンドエフェクタアセンブリは、超音波ナイフと、超音波ナイフと解放可能に係合するように構成されたジョーアセンブリと、を含み、ジョーアセンブリは、管状作動部材の遠位端に機械的に連結される。この態様では、コントローラモジュールは、トリガセンサからのトリガ位置データを受信し、力センサからの力データを受信するように構成される。この態様では、再使用可能な超音波医療装置の1つ又は2つ以上の構成要素は、医療装置のユーザによって交換可能であるように構成される。
【0037】
再使用可能な超音波医療装置の態様では、力センサは、圧電ディスクを備える。
【0038】
再使用可能な超音波医療装置の態様では、コントローラモジュールは、プロセッサと、命令を含むように構成された第1のメモリ回路と、を含む。この態様では、命令は、プロセッサによって実行されると、プロセッサに、圧電ディスクの第1の側に配設された第1の接点と圧電ディスクの第2の側に配設された第2の接点との間の電位の値を判定することと、電位に基づいて、力値を計算することと、力値が許容範囲外であるときに、再使用可能な超音波医療装置のユーザに通知することと、を行わせる。
【0039】
再使用可能な超音波医療装置の一態様では、ハンドルアセンブリは、許容範囲に対応する記憶された値を含むように構成されたプログラム可能なメモリ回路を更に含み、コントローラモジュールは、記憶回路から記憶された値を受信するように構成される。
【0040】
再使用可能な超音波医療装置の一態様では、ハンドルアセンブリは、電位/力標準化データを含むように構成されたプログラム可能なメモリ回路を更に含む。更に、態様では、電位に基づいて、力値を計算するためにプロセッサによって実行される命令は、プロセッサに電位及び電位/力標準化データに基づいて、力値を計算させる命令を含む。
【0041】
本発明の1つ又は2つ以上の実施形態の詳細は、添付の図面及び以下記の説明において述べられる。他の特徴及び利点は、明細書、図面、及び特許請求の範囲から明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0042】
図1】本開示の一態様による、例示的な外科用器具を図示する。
図2】本開示の一態様による、例示的な外科用器具を図示する。
図3】本開示の一態様による、外科用器具のエンドエフェクタ及びシャフトの実施例を図示する。
図4】本開示の一態様による、外科用器具の一態様の分解図を図示する。
図5】本開示による、超音波医療装置の一態様の内部図を図示する。
図6】本開示による、超音波トランスデューサの一態様の図を図示する。
図7】本開示による、関連付けられた導波管を有する超音波トランスデューサの別の態様の斜視図を図示する。
図8図7に図示された超音波トランスデューサの一部の態様の拡大斜視図である。
図9】本開示による、複数対の圧電トランスデューサを有する超音波医療装置の一部分の態様の斜視図である。
図10A】本開示による、超音波医療装置の往復管構成要素の運動を検出するように構成された誘導センサの一態様を図示する。
図10B】本開示による、超音波医療装置の往復管構成要素の運動を検出するように構成された誘導センサの一態様を図示する。
図11A】本開示による、超音波医療装置の往復管構成要素の運動を検出するように構成された磁気センサの一態様を図示する。
図11B】本開示による、超音波医療装置の往復管構成要素の運動を検出するように構成された磁気センサの一態様を図示する。
図12A】本開示による、超音波医療装置の往復カラーフランジ構成要素の運動を検出するように構成された磁気センサの一態様を図示する。
図12B】本開示による、超音波医療装置の往復カラーフランジ構成要素の運動を検出するように構成された磁気センサの一態様を図示する。
図13A】本開示による、超音波医療装置の往復カラーフランジ構成要素の運動を検出するように構成された電気抵抗センサの一態様を図示する。
図13B】本開示による、超音波医療装置の往復カラーフランジ構成要素の運動を検出するように構成された電気抵抗センサの一態様を図示する。
図14A】本開示による、超音波医療装置の往復カラーフランジ構成要素の運動を検出するように構成された光学センサの一態様を図示する。
図14B】本開示による、超音波医療装置の往復カラーフランジ構成要素の運動を検出するように構成された光学センサの一態様を図示する。
図15A】本開示による、超音波医療装置のばねスタック構成要素の運動を検出するように構成された磁気センサの一態様を図示する。
図15B】本開示による、超音波医療装置のばねスタック構成要素の運動を検出するように構成された磁気センサの一態様を図示する。
図16】本開示の一態様による、外科用器具の図を図示する。
図17A】本開示による、振動減衰膜を有する超音波医療装置の圧電トランスデューサの印加電流及び測定電圧のグラフをそれぞれ図示する。
図17B】本開示による、振動減衰膜を有する超音波医療装置の圧電トランスデューサの印加電流及び測定電圧のグラフをそれぞれ図示する。
図17C】本開示による、振動減衰膜を欠く超音波医療装置の圧電トランスデューサの印加電流及び測定電圧のグラフをそれぞれ図示する。
図17D】本開示による、振動減衰膜を欠く超音波医療装置の圧電トランスデューサの印加電流及び測定電圧のグラフをそれぞれ図示する。
図18A】本開示による、再組み立てされたクランプアーム、エクステンダ、及びシャフトアセンブリが、圧電トランスデューサインピーダンス値に基づいて、所定の許容限界内にあるかどうかを判定する方法のフローチャートである。
図18B】本開示による、再組み立てされたクランプアーム、エクステンダ、及びシャフトアセンブリが、圧電トランスデューサ共振周波数値に基づいて、所定の許容限界内にあるかどうかを判定する方法のフローチャートである。
図19】本開示による、管変位及びばねスタック変位が、所定の許容限界内にあるかどうかを判定する方法のフローチャートである。
図20】本開示による、ジョーアセンブリのクランプ力が、所定の許容限界内にあるかどうかを判定する方法のフローチャートである。
図21】本開示による、再組み立てされたジョー作動アセンブリが、所定の許容限界内にあるかどうかを判定する方法のフローチャートである。
図22】本開示による、医療処置におけるその使用前の超音波医療装置の機能を予備試験する方法のフローチャートである。
図23】本開示による、超音波医療装置のブレードが、所定の許容限界内で動作するかどうかを判定する方法のフローチャートである。
図24】本開示による、超音波医療装置の一態様の長手方向断面図を図示する。
図25図24に図示される超音波医療装置内の望ましくない材料の存在を判定する方法のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0043】
本明細書に記載される様々な態様は、超音波作動ブレード又は超音波ブレードを含む超音波医療装置に関する。いくつかの態様では、超音波医療装置は、組織を把持し、それを超音波ブレードに向かって移動させるために使用され得るエンドエフェクタの一部として位置付けられた、ジョーアセンブリを更に含んでもよい。
【0044】
ジョーアセンブリは、関節運動可能であってもよく、少なくとも2つの軸の周りに旋回することができる。第1の軸、すなわち手首旋回軸は、装置シャフトの長手方向軸に対してほぼ垂直であってもよい。ジョーアセンブリは、ジョーアセンブリが超音波ブレードとほぼ平行となる第1の位置からジョーアセンブリが超音波ブレードとほぼ平行とならない第2の位置へと手首旋回軸を中心として旋回することができる。更に、ジョーアセンブリは、第2の軸、すなわちジョー旋回軸を中心として旋回可能な第1及び第2のジョー部材を有することができる。ジョー旋回軸は、手首旋回軸に対してほぼ垂直であってもよい。いくつかの態様では、ジョー旋回軸自体は、ジョーアセンブリが手首旋回軸の周りに旋回するときに旋回することができる。第1及び第2のジョー部材は、第1及び第2のジョー部材が「開放する」及び「閉鎖する」ことができるように、ジョー旋回軸の周りに互いに対して旋回可能であることができる。更に、いくつかの態様では、第1及び第2のジョー部材は、第1及び第2のジョー部材の方向が変化し得るように、ジョー旋回軸の周りに一緒に旋回可能でもある。
【0045】
ここで、ジョーアセンブリを伴う、又は伴わない超音波外科用要素を備えるエンドエフェクタを備える超音波医療装置のいくつかの態様を詳細に参照する。可能である場合は、類似又は同様の参照番号を図面で用いてもよく、これら参照番号は類似又は同様の機能性を示してもよい。図面は、開示される外科用装置及び/又はその使用方法の例示的な態様を、描写の目的のみのために示す。当業者であれば、本明細書に記載の原理から逸脱することなく、本明細書に例示した構造及び方法の代替の例示的な態様が採用され得ることを以下の説明から容易に認識するであろう。
【0046】
特に、装置が使用される医療施設において、装置のユーザによって洗浄、滅菌、交換、及び/又は修復されるように設計された1つ又は2つ以上の構成要素を備える超音波医療装置の態様をここで詳細に参照する。かかる施設は、限定されるものではないが、病院、診療所、又は装置が患者の医療処置の一部として使用される任意の他の施設を含むことができる。本開示の目的のために、かかる超音波医療装置の「ユーザ」は、医療処置の前、最中、及び/又は後に装置と相互作用する医療施設の人物である。かかる人物は、限定されるものではないが、医師、看護師、医師助手、技術者、化学技術者、又は生物医学的エンジニアを含むことができる。
【0047】
図1は、超音波外科用装置10の一態様の右側面図である。示された態様では、超音波外科用装置10は、内視鏡外科手技又は従来の切開外科手術を含む様々な外科手技において用いられ得る。一例示的な態様では、超音波外科用装置10は、ハンドルアセンブリ12、細長いシャフトアセンブリ14、及び超音波トランスデューサ16を備える。ハンドルアセンブリ12は、トリガアセンブリ24、遠位回転アセンブリ13、及びスイッチアセンブリ28を備える。細長いシャフトアセンブリ14は、エンドエフェクタアセンブリ26を備え、それは、組織を切開するか又は血管及び/若しくは組織を互いに把持し、切断し、凝固させるための要素、並びにエンドエフェクタアセンブリ26を作動させるための作動要素を備える。ハンドルアセンブリ12は、近位端部で超音波トランスデューサ16を受容するように適合される。超音波トランスデューサ16は細長いシャフトアセンブリ14及びエンドエフェクタアセンブリ26の一部分と機械的に係合される。超音波トランスデューサ16は、ケーブル22を介して発生器20に電気的に連結される。図面の大部分は腹腔鏡外科手技に関連して使用するための多数のエンドエフェクタアセンブリ26を図示するが、超音波外科用装置10は、より伝統的な切開外科手技に用いることができ、他の態様では、内視鏡手術において使用するように構成することができる。本明細書の目的のために、超音波外科用装置10は、内視鏡装置に関して記載される。しかしながら、超音波外科用装置10の切開型及び/又は腹腔鏡型もまた、本明細書に記載のものと同じ又は類似の動作構成要素及び特徴を含み得ることが想到されている。
【0048】
様々な態様では、発生器20は、モジュール及び/又はブロックなどのいくつかの機能素子を備える。異なる機能素子又はモジュールを、異なる種類の外科用デバイスを駆動するように構成することができる。例えば、超音波発生器モジュール21は、超音波外科用装置10などの超音波装置を駆動することができる。図1に示す例示的な態様では、発生器20は、発生器20と一体化された制御システム25、及びケーブル27を介して発生器に接続されたフットスイッチ29を備える。発生器20は、装置10などの外科用装置を作動させるためのトリガ機構も備えてもよい。トリガ機構は、電源スイッチ(図示せず)並びにフットスイッチ29を含むことができる。フットスイッチ29によって作動されるとき、発生器20は、外科用装置10の音響アセンブリを駆動させ、かつエンドエフェクタ18を所定の偏位レベルで駆動させるためのエネルギーを提供することができる。発生器20は、音響アセンブリのいずれの好適な共振振動数において音響アセンブリを駆動又は励磁する。
【0049】
適切な超音波発生器モジュール21は、全てが参照により本明細書に組み込まれる以下の米国特許のうちの1つ又は2つ以上に開示されているように、Ethicon Endo-Surgery,Inc.(Cincinnati,Ohio)によって販売されているGEN300と同様の方法で機能的に動作するように構成することができる:米国特許第6,480,796号(METHOD FOR IMPROVING THE START UP OF AN ULTRASONIC SYSTEM UNDER ZERO LOAD CONDITIONS)、米国特許第6,537,291号(METHOD FOR DETECTING BLADE BREAKAGE USING RATE AND/OR IMPEDANCE INFORMATION)、米国特許第6,662,127号(METHOD FOR DETECTING PRESENCE OF A BLADE IN AN ULTRASONIC SYSTEM)、米国特許第6,977,495号(DETECTION CIRCUITRY FOR SURGICAL HANDPIECE SYSTEM)、米国特許第7,077,853号(METHOD FOR CALCULATING TRANSDUCER CAPACITANCE TO DETERMINE TRANSDUCER TEMPERATURE)、米国特許第7,179,271号(METHOD FOR DRIVING AN ULTRASONIC SYSTEM TO IMPROVE ACQUISITION OF BLADE RESONANCE FREQUENCY AT STARTUP)、及び米国特許第7,273,483号(APPARATUS AND METHOD FOR ALERTING GENERATOR FUNCTION IN AN ULTRASONIC SURGICAL SYSTEM)。
【0050】
発生器20がトリガ機構によって起動されると、電気エネルギーが、発生器20によって音響アセンブリのトランスデューサ積層体又はアセンブリに連続的に印加される。別の態様では、電気エネルギーは発生器20によって断続的に印加される(例えば、パルスで)。発生器20の制御システム内の位相ロックループは、音響アセンブリからのフィードバックを監視することができる。位相ロックループは、発生器20によって送られる電気エネルギーの周波数を、音響アセンブリの振動の選択された縦モードの共振周波数と一致するように調節する。更に、制御システム25内の第2のフィードバックループは、音響アセンブリのエンドエフェクタ18においてほぼ一定の偏位を達成するために、音響アセンブリに供給される電流を予め選択された一定レベルに維持する。更に別の実施形態では、制御システム25内の第3のフィードバックループは、エンドエフェクタアセンブリ26内に配置された電極間のインピーダンスを監視する。図1図4は、手動で操作される超音波外科用装置を示すが、例えば、本明細書中に記載されるロボット用途、並びに手動及びロボット用途の組み合わせにも超音波外科用装置を使用できることが理解されよう。
【0051】
一態様では、音響アセンブリに供給される電気信号は、エンドエフェクタ18の遠位端部における超音波ブレードを、例えば、約20kHz~250kHzの範囲で長手方向(横方向モード)に振動させてもよい。しかしながら、超音波医療装置の代替的な態様は、本明細書で以下に開示されるように、超音波ブレードを1つ又は2つ以上の非横方向モードで動作させることができる。様々な態様によれば、ブレード22は、約54kHz~56kHzの範囲、例えば、約55.5kHzで振動することができる。他の態様では、ブレード22は、例えば、約31kHz又は約80kHzなどを含む、他の周波数で振動することができる。ブレードにおける振動の振動幅は、例えば、発生器20によって音響組立体の変換器組立体に印加される電気信号の振幅を制御することによって制御することができる。前述のように、発生器20のトリガ機構によって、ユーザは、電気エネルギーが音響アセンブリに連続的又は断続的に供給され得るように発生器20を起動させることができる。発生器20は、電気外科ユニット又は従来の電気コンセントへの差込用の電力線も有する。バッテリなどの直流(DC)源によって発生器20に電力を供給することもできることが想到される。発生器20は、Ethicon Endo-Surgery,Inc.より入手可能なモデル番号GEN04及び/又はモデル番号GEN11などの任意の適切な発生器を含むことができる。
【0052】
図2は、ハンドルアセンブリ12、遠位回転アセンブリ13、及び細長いシャフトアセンブリ14を示す超音波外科用装置10の一例示的態様の左斜視図である。示された態様では、細長いシャフトアセンブリ14は、エンドエフェクタアセンブリ18を機械的に係合するような寸法の遠位端部52、及びハンドルアセンブリ12と遠位回転アセンブリ13とを機械的に係合する近位端部50を備える。細長いシャフトアセンブリ14の近位端部50は、ハンドルアセンブリ12及び遠位回転アセンブリ13内に受容される。細長いシャフトアセンブリ14、ハンドルアセンブリ12、及び遠位回転アセンブリ13の間の接続に関する更なる詳細は、図4の説明において提供される。図示の態様では、トリガアセンブリ24は、固定ハンドル34と併せて動作するトリガ32を備える。固定ハンドル34及びトリガ32は人間工学的に形成され、ユーザと快適に相互作用するように適合される。固定ハンドル34は、ハンドルアセンブリ12と一体的に関連付けられている。トリガ32は、超音波外科装置10の動作に関して以下に詳述されるように、固定ハンドル34に対して枢動可能である。使用者がトリガ32に対して圧迫力をかけると、トリガ32は、固定ハンドル34に向かって方向33Aに枢動可能である。ばね要素98(図4)は、ユーザがトリガ32に対する圧迫力を解放するとき、トリガ32を方向33Bに枢動的に移動させる。
【0053】
1つの例示的な態様では、トリガ32は細長いトリガフック36を備え、トリガフック36は、細長いトリガフック36とトリガ32との間に開口38を画定する。開口38は、ユーザの1つ又は複数の指をそこを通して受容するのに適切な寸法である。トリガ32は、トリガ32の基材上に成形される弾性部分32aも備えてよい。オーバーモールドされた弾性部分32aは、外向きの方向33Bでのトリガ32の制御のためのより快適な接触面を提供するように形成される。例示的な一態様において、オーバーモールドされた弾性部分32aは、長尺トリガフック36の一部分を覆うように提供されてもよい。細長いトリガフック32の近位面は、ユーザが指を開口38の内外へ容易に摺動することを可能にするために、被覆されないままであるか、又は非弾性基材で被覆される。別の態様では、トリガの幾何学的形状は、完全に閉じたループを形成し、ループは、ユーザの1つ又は複数の指をそこを通して受容するのに適したサイズの開口を画定する。完全に閉じたループトリガは、トリガ基材上に成形される弾性部分も備えることができる。
【0054】
1つの例示的な態様では、固定ハンドル34は、近位接触面40、及びグリップアンカー又はサドル面42を備える。サドル面42は、手の親指及び人差し指が合わさる水かき部分の上に載る。近位接触面40は、リング又は開口を有しない通常のピストルグリップにおいて手のひらを受容するピストルグリップ輪郭を有する。近位接触面40の形状曲線は、手のひらに適合するか、又はこれを受容するような輪郭を有することができる。安定化尾部44は、ハンドルアセンブリ12のより近位の部分に向かって配置される。安定化尾部44は、ハンドルアセンブリ12を安定させかつハンドルアセンブリ12をより制御可能にするために、親指と人差し指との間に位置する手の最も上の水かき部分と接触していてもよい。
【0055】
1つの例示的な態様では、スイッチアセンブリ28はトグルスイッチ30を備えることができる。トグルスイッチ30は、同時起動の可能性を排除するために、ハンドルアセンブリ12の内側に位置する中心枢動軸304を有する単一構成要素として実現されてもよい。1つの例示的な態様では、トグルスイッチ30は、最小電力レベル(例えば、MIN)と最大電力レベル(例えば、MAX)との間で超音波トランスデューサ16の電力設定を設定するための第1の突出ノブ30a及び第2の突出ノブ30bを備える。別の態様では、ロッカースイッチが標準設定と特別設定との間で枢動してもよい。特別設定は、1つ若しくは2つ以上の特別なプログラム、プロセス、又はアルゴリズム及び本明細書に記載されているものを、デバイスによって実現させることができる。トグルスイッチ30は、第1の突出ノブ30a及び第2の突出ノブ30bを作動させると、中心枢軸の周りに回転する。1つ又は2つ以上の突出ノブ30a、30bは、小さな弧を通って移動する1つ又は2つ以上のアームに連結され、電気接点に電気回路を開閉させて、第1又は第2の突出ノブ30a、30bの起動に従って、超音波トランスデューサ16を通電又は非通電状態にする。トグルスイッチ30は、超音波トランスデューサ16の起動を制御するために発生器20に連結される。トグルスイッチ30は、超音波トランスデューサ16を起動させて超音波トランスデューサ16に対して1つ又は2つ以上の電力設定を設定するための、1つ又は2つ以上の電力設定スイッチを備える。トグルスイッチ30を作動させるために必要な力は、実質的にサドルポイント42に向けられるため、トグルスイッチ30が作動されたとき、手中で装置が回転するあらゆる傾向を回避する。
【0056】
1つの例示的な態様では、第1及び第2の突出ノブ30a、30bはハンドルアセンブリ12の遠位端部上に配置され、それにより、それらは、ハンドグリップの最小限の再配置を伴うか、又は実質的に再配置を伴わずに電力を起動するためにユーザにより容易にアクセス可能であることができ、トグルスイッチ30を起動している間に制御を維持し、注意を手術部位(例えば、腹腔鏡手術におけるモニタ)に集中させるのに適切である。突出ノブ30a、30bは様々な指の長さによってより容易にアクセスすることができ、不自然な格好で又は短い指で起動するための自由度をより高めるために、ハンドルアセンブリ12の側面をある程度まで包み込むように構成されてもよい。図示の態様では、第1の突出ノブ30aは、ユーザが第1の突出ノブ30aを第2の突出ノブ30bと区別できるように、複数の触覚要素30c、例えば図示の態様ではテクスチャ突起又は「バンプ」を備える。当業者であれば、ハンドルアセンブリ12にいくつかの人間工学的特性を組み込むことができることを理解するであろう。かかる人間工学的特性は、米国特許出願第8,623,027号、表題「Ergonomic Surgical Instruments」に記載されており、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0057】
1つの例示的な態様では、トグルスイッチ30はユーザの手によって操作することができる。ユーザは、不注意な又は意図的でない起動を常に回避しつつも、任意の時点で第1及び第2の突出ノブ30a、30bに容易にアクセスすることができる。トグルスイッチ30は、超音波アセンブリ16への電力を制御するために指で容易に操作することができる。例えば、人差し指を使って第1の接触部分30aを起動し、超音波アセンブリ16を最大(MAX)電力レベルにオンさせてもよい。人差し指を使って、第2の接触部分30bを起動し、超音波アセンブリ16を最小(MIN)電力レベルにオンさせてもよい。別の態様では、ロッカースイッチは、標準設定と特別設定との間で装置10を枢動させることができる。特別設定は、装置10によって1つ又は2つ以上の特別プログラムを実行させることができる。トグルスイッチ30は、ユーザが第1又は第2の突出ノブ30a、30bを見ることなく操作することができる。例えば、第1の突出ノブ30a又は第2の突出ノブ30bは、第1の突出ノブ30aと第2の突出ノブ30bを見ることなくこれらを触覚的に区別するための凹凸又は突起を備えてもよい。
【0058】
1つの例示的な態様では、遠位回転アセンブリ13は、長手方向軸「T」の周りをいずれかの方向に制限なく回転可能である。遠位回転アセンブリ13は細長いシャフトアセンブリ14に機械的に係合している。遠位回転アセンブリ13は、ハンドルアセンブリ12の遠位端部に配置される。遠位回転アセンブリ13は、円筒形のハブ46と、ハブ46を覆うように形成される回転ノブ48とを備える。ハブ46は、細長いシャフトアセンブリ14と機械的に係合する。回転ノブ48は縦溝彫りの高分子特徴部を含んでいてもよく、細長いシャフトアセンブリ14を回転させるために、指(例えば、人差し指)によって係合され得る。ハブ46は、回転ノブ48を形成するために、一次構造を覆うように成形される材料を備えていてもよい。回転ノブ48は、ハブ46を覆うようにオーバーモールドされていてもよい。ハブ46は、遠位端で露出される端部キャップ部分を備える。ハブ46の端部キャップ部分は、腹腔鏡下手技中にトロカールの表面と接触し得る。ハブ46は、端部キャップ部分46aとトロカールとの間に生じ得るいかなる摩擦も軽減するために、ポリカーボネートなどの耐久性硬質プラスチックで形成されてもよい。回転ノブ48は、より正確な回転グリップを提供するために、バンプリブ48aと、リブ48aの間に配置された凹部48bとから形成された「スカラップ」又は縦溝を備えることができる。1つの例示的な態様では、回転ノブ48は複数の縦溝(例えば、3つ以上の縦溝)を備えてもよい。他の態様では、任意の適切な数の縦溝を使用することができる。回転ノブ48は、硬質プラスチック材料上にオーバーモールドされたより柔らかい高分子材料で形成されていてもよい。例えば、回転ノブ48は、例えば、GLS Corporationによって作製されるVersaflex(登録商標)TPE合金を含む柔軟な弾性可撓性高分子材料から形成されてもよい。このより柔らかいオーバーモールド材料は、より優れたグリップ性、及び回転ノブ48の動作のより正確な制御を提供することができる。滅菌に対する適切な抵抗を提供し、生体適合性であり、外科用手袋に対する充分な摩擦抵抗を提供する任意の材料を、回転ノブ48を形成するために使用してもよいことが理解されるであろう。
【0059】
1つの例示的な態様では、ハンドルアセンブリ12は、第1の部分12aと第2の部分12bとを備える2つのハウジング部分又はシュラウドから形成される。遠位端部から近位端部に向かってハンドルアセンブリ12を見るユーザの視点から、第1の部分12aは右部分と見なされ、第2の部分12bは左部分と見なされる。第1及び第2の部分12a、12bの各々は、ハンドルアセンブリ12を形成するために互いに機械的に整合し、かつ係合して、その内部機能構成要素を包囲する寸法の複数のインターフェース69(図4)を含む。ハンドルアセンブリ12と一体的に関連付けられた固定ハンドル34は、ハンドルアセンブリ12の第1及び第2の部分12a及び12bの組立後に形になる。複数の追加的なインターフェース(図示せず)を、超音波溶接の目的で、例えば、エネルギー方向/偏向ポイントといったハンドルアセンブリ12の第1及び第2の部分12a及び12bの周囲の様々なポイントに配設されてもよい。第1及び第2の部分12a及び12b(並びに以下に記載される他の構成要素)は、当該技術分野において既知の任意の方法で一緒に組み立てられてもよい。例えば、整合ピン、スナップ様インターフェース、さねはぎインターフェース、ロックタブ、接着ポートは全て、組立の目的で、単独で、又は組み合わせてのいずれかで利用され得る。
【0060】
1つの例示的な態様では、細長いシャフトアセンブリ14は、ハンドルアセンブリ12及び遠位回転アセンブリ13を機械的に係合するように適合された近位端部50と、エンドエフェクタアセンブリ18を機械的に係合するように適合された遠位端部52と、を備える。細長いシャフトアセンブリ14は、外側管状シース56と、外側管状シース56内に配置された往復管状作動部材58とを備える。管状往復管状作動部材58の近位端部は、ハンドルアセンブリ12のトリガ32に機械的に係合し、トリガ32の作動及び/又は解放に応答して方向60A又は60Bのいずれかに移動する。枢動可能なトリガ32は、長手方向軸「T」に沿って往復運動を生じさせることができる。かかる運動は、例えば、エンドエフェクタアセンブリ18のジョー又はクランプ機構を作動させるために使用することができる。一連の連鎖は、トリガ32の枢動回転を、作動機構に連結するヨークの軸方向移動に並進させ、これによってエンドエフェクタアセンブリ18のクランピング機構のジョーの開閉が制御される。管状往復管状作動部材58の遠位端は、エンドエフェクタアセンブリ18に機械的に係合される。示された態様では、管状往復管状作動部材58の遠位端部は、旋回点70(図3)の周りに旋回可能であるクランプアームアセンブリ64に機械的に係合して、トリガ32の作動及び/又は解放に応答して、クランプアームアセンブリ64を開閉する。例えば、示された実施形態では、クランプアームアセンブリ64は、トリガ32が方向33Aに圧迫されるとき、旋回点70の周りを開位置から閉位置まで方向62Aに移動可能である。クランプアーム組立体64は、トリガ32が方向33Bへ解放されるか、又は外向きに接触するとき、旋回点70の周りを、方向62Bの閉鎖位置から開放位置に移動可能である。
【0061】
1つの例示的な態様では、エンドエフェクタアセンブリ18は、細長いシャフトアセンブリ14の遠位端部52に取り付けられ、クランプアームアセンブリ64及びブレード66を含む。エンドエフェクタアセンブリ18のクランピング機構のジョーは、クランプアームアセンブリ64及びブレード66によって形成される。ブレード66は、超音波で作動可能であり、超音波トランスデューサ16に音響的に連結される。ハンドルアセンブリ12上のトリガ32は駆動アセンブリと最終的に接続され、これらは一緒になって、クランプアームアセンブリ64を動かすために機械的に協働する。トリガ32を方向33Aに圧迫することで、開放位置からクランプアーム組立体64を方向62Aに移動させ、クランプアーム組立体64及びブレード66が、互いに対して離間した関係において、クランプ又は閉鎖位置へ配設され、クランプアーム組立体64及びブレード66は、その間の組織を掴むように協働する。クランプアームアセンブリ64は、例えば、クランプアームアセンブリ64の表面に機械的に連結されたクランプパッド330を備えて、ブレード66とクランプアーム64との間の組織と係合することができる。トリガ32を方向33Bに解放することで、クランプアーム組立体64は方向62Bに、閉鎖関係から開放位置に移動し、クランプアーム組立体64及びブレード66は、互いに離間した関係に配設される。
【0062】
ハンドルアセンブリ12の近位部分は、超音波アセンブリ16の遠位端部を受容するための近位開口部68を備える。超音波アセンブリ16は、近位開口部68に挿入され、細長いシャフトアセンブリ14に機械的に係合される。
【0063】
1つの例示的な態様では、トリガ32の細長いトリガフック36部分は、より短いスパン及び回転移動を伴うより長いトリガレバーを提供する。細長トリガフック36のより長いレバーによって、ユーザは、開口38内で複数の指を使用して細長トリガフック36を操作して、トリガ32を方向33Bに枢動させてエンドエフェクタ組立体26のジョーを開放することができるようになる。例えば、ユーザは、3本の指(例えば、中指、薬指、及び小指)を開口38に挿入してもよい。複数の指によって、外科医は、エンドエフェクタアセンブリ26を起動させるために、トリガ32及び細長いトリガフック326により大きなインプット力を加えることができる。全長及び回転運動がより短いと、トリガ32を方向33Aに閉鎖若しくは圧迫するとき、又はトリガ32を方向33Bの外向きの開口動作に開放するときに、より快適なグリップをもたらし、指を更に外向きに延伸させる必要が少なくなる。これは、方向33Bへのトリガ32の外向きの開口動作に関連する手の疲労及び緊張を実質的に軽減する。トリガの外向きの開口運動は、疲労を軽減させるのを助けるために、ばね要素98(図4)によるばねの補助を受けてもよい。開放ばね力は、開放の容易性を支援するために十分であるが、切開を広げる間の組織間緊張の触覚フィードバックに悪影響を与えるほど強くない。
【0064】
例えば、外科的処置中、人差し指のいずれかを使用して、細長いシャフトアセンブリ14の回転を制御してエンドエフェクタアセンブリ26のジョー部を適切な向きで配することができる。中指及び/又は他の下の指を使用して、トリガ32を圧迫し、ジョー部内に組織を把持することができる。ジョー部が所望の位置に配され、ジョー部が組織に対してクランプされると、人差し指を使用してトグルスイッチ30を起動し、超音波トランスデューサ16の電力レベルを調節して組織を処置することができる。組織が処置されると、次いで、ユーザは、中指及び/又は下の指で細長トリガフック36を遠位方向に外向きに押すことでトリガ32を解放し、エンドエフェクタアセンブリ26のジョー部を開放することができる。この基本的な方法は、ユーザがハンドルアセンブリ12のグリップを調節することなく行うことができる。
【0065】
図3は、エンドエフェクタアセンブリ18に対する細長シャフトアセンブリ14の接続を示す。前述のように、示された態様では、エンドエフェクタアセンブリ18は、クランプアームアセンブリ64及びブレード66を備えて、クランプ機構のジョーを形成する。ブレード66は、超音波変換器16に音響的に連結される超音波始動式のブレードであってもよい。トリガ32は、駆動アセンブリに機械的に接続される。合わせて、トリガ32及び駆動組立体は、クランプアーム組立体64及びブレード66が互いに対して離間した関係で配設される方向62Aの開放位置に、クランプアーム組立体64及びブレード66が協働して、その間の組織を掴む方向62Bのクランプ又は閉鎖位置に、クランプアーム組立体64を移動させるように機械的に協働する。クランプアームアセンブリ64は、ブレード66とクランプアーム64との間の組織と係合するクランプパッド330を備えてもよい。管状往復管状作動部材58の遠位端は、エンドエフェクタアセンブリ18に機械的に係合される。図示の態様では、管状往復管状作動部材58の遠位端部は、トリガ32の作動及び/又は解放に応答してクランプアームアセンブリ64を開閉するために、旋回点70の周りで旋回可能であるクランプアームアセンブリ64に機械的に係合される。例えば、示された態様では、クランプアームアセンブリ64は、トリガ32が方向33Aに圧迫されるとき、旋回点70の周りを、方向62Bにおいて開位置から閉位置まで移動可能である。クランプアーム組立体64は、トリガ32が方向33Bに解放されるか、又は外向きに接触されると、旋回点70の周りを、閉鎖位置から方向62Aの開放位置に移動可能である。
【0066】
図4は、図2に示される超音波外科用装置10の分解図である。図示の態様では、分解図は、ハンドルアセンブリ12の内部要素、ハンドルアセンブリ12、遠位回転アセンブリ13、スイッチアセンブリ28、及び細長いシャフトアセンブリ14を示す。図示の態様では、第1及び第2の部分12a、12bが嵌合してハンドルアセンブリ12を形成する。第1及び第2の部分12a、12bは、各々、ハンドルアセンブリ12を形成するために互いに機械的に整合し、かつ係合して、超音波外科用装置10の内部機能構成要素を包囲する寸法の複数のインターフェース69を備える。回転ノブ48は、環状方向54に360°まで回転され得るように、外側管状シース56に機械的に係合される。外側管状シース56は往復管状作動部材58を覆って配され、往復管状作動部材58はハンドルアセンブリ12に機械的に係合され、複数の連結要素72を介してその内部に保持される。連結要素72は、Oリング72a、管カラーキャップ72b、遠位ワッシャ72c、近位ワッシャ72d、及びねじ付き管カラー72eを含むことができる。往復管状作動部材58は、ハンドルアセンブリ12の第1の部分12aと第2の部分12bとの間に保持される往復ヨーク84内に配される。ヨーク84は、往復ヨークアセンブリ88の一部である。一連のリンクは、細長トリガフック32の枢動回転を往復ヨーク84の軸運動に並進させ、これにより、超音波外科用装置10の遠位端部にあるエンドエフェクタアセンブリ26のクランピング機構のジョー部の開閉を制御する。1つの例示的な態様では、4リンク設計は、例えば、比較的短い回転長さにおける機械的利益を提供する。
【0067】
1つの例示的な態様では、超音波伝送導波管78は往復管状作動部材58の内側に配置される。超音波伝達導波管78の遠位端部52は、ブレード66に音響的に連結(例えば、直接的又は間接的に機械的に連結)され、超音波伝達導波管78の近位端部50はハンドル組立体12内に受容される。超音波伝送導波管78の近位端部50は、超音波トランスデューサ16の遠位端部に音響的に連結するように適合される。超音波伝送導波管78は、保護シース80及びシリコーンリングなどの複数の単離要素82によって、細長シャフトアセンブリ14の他の要素から単離される。いくつかの態様では、保護シース80は、導波管及び/又は超音波ブレード内に誘導された機械的振動からユーザを隔離することができる振動減衰膜として機能し得る。いくつかの実施例では、保護シース80は、超音波伝達導波管78が配設される管状構成要素として作製されてもよい。他の実施例では、保護シースは、超音波医療装置10に挿入するための部分的な円筒形プレートに形成された平坦な膜として作製されてもよい。外側管状シース56、往復管状作動部材58、及び超音波伝送導波管78は、ピン74によって機械的に係合される。スイッチアセンブリ28は、トグルスイッチ30と、第1又は第2の突出ノブ30a、30bの起動に従って超音波トランスデューサ16を通電させる電気要素86a、bとを備える。
【0068】
1つの例示的な態様では、外側管状シース56は、ユーザ又は患者を超音波伝送導波管78の超音波振動から隔離する。外側管状シース56は、一般的に、ハブ76を備える。外側管状シース56は、ハンドルアセンブリ12の遠位端部上にねじ付けられる。超音波伝送導波管78は、外側管状シース56の開口部を通って延在し、単離要素82は、超音波伝送導波管24を外側管状シース56から単離する。外側管状シース56は、ピン74によって導波管78に取り付けられてもよい。導波管78においてピン74を受容するための穴は、名目上は変位節に存在することができる。導波管78は、スタッドによってハンドピースハンドルアセンブリ12にねじ込まれるか、又はスナップ嵌めされ得る。ハブ76上の平坦部分によって、アセンブリを必要なレベルまで捻ることが可能となる。1つの例示的な態様では、外側管状シース56のハブ76部分は、好ましくはプラスチックから作られ、外側管状シース56の管状の細長い部分は、ステンレス鋼から製造される。代替的に、超音波伝送導波管78は、外側の接触からそれ自体を隔離するための、周囲を取り囲むポリマー材料を備えてもよい。
【0069】
一例示的な態様では、超音波伝達導波管78の遠位端は、好ましくは波腹、又はその付近で、内部のねじ込み接続によって、ブレード66の近位端に連結されてもよい。ブレード66は、溶接継手などの任意の好適な手段によって、超音波伝送導波管78に取り付けられてもよいことが想到される。ブレード66は、超音波伝送導波管78から分離可能であってもよいが、単一要素のエンドエフェクタ(例えば、ブレード66)及び超音波伝送導波管78が、単一の一個片として形成されてもよいことも想到される。
【0070】
1つの例示的な態様では、トリガ32は、リンク機構に連結されて、方向33A及び33Bへのトリガ32の回転運動を、対応する方向60a及び60b(図2)への往復管状作動部材58の直線運動に並進させる。トリガ32は、第1のヨークピン94aを受容するための開口部が内部に形成された第1のセットのフランジ98を備える。第1のヨークピン94aも、ヨーク84の遠位端部に形成された一組の開口部を通して配置される。トリガ32は、リンク92の第1の端部を受容するための第2のセットのフランジ96を備える。トリガピン90は、リンク92及び第2のセットのフランジ96に形成される開口部内に受容される。トリガピン90は、リンク92及び第2セットのフランジ96に形成される開口部内に受容され、トリガ32のトリガ旋回ポイントを形成するよう、ハンドルアセンブリ12の第1及び第2の部分12a、12bに連結するように適合される。リンク92の第2の端部は、ヨーク84の近位端部に形成されたスロット内に受容され、第2のヨークピン94bによって内部に保持される。トリガ32がトリガピン90によって形成される旋回ポイントの周りを枢動可能に回転するとき、ヨークは、矢印60a、bで示される方向に、長手方向軸「T」に沿って水平に並進する。
【0071】
図5は、追加の構成要素を含む超音波医療装置10の別の態様を図示する。このため、往復管状作動部材58は、遠位フランジ572a及び近位フランジ572bを備える往復カラーに連結されてもよい。往復ヨーク84は、遠位フランジ572aと近位フランジ572bとの間に配設された、いくつかの位置で往復カラーに係合してもよい。往復カラーは、ばねスタック578内に配設されてもよい。ばねスタック578は、往復ヨーク84と近位フランジ572bとの間に配設されてもよい。追加のベアリングプレート573は、往復ヨーク84とばねスタック578の遠位端との間に位置付けられてもよく、それにより、トリガ32が作動されるとき、ばねスタック578を往復ヨーク84による機械的変形から保護する。
【0072】
トリガ32が作動されるとき、往復ヨーク84は、近位方向に引かれ、それによって往復管状作動部材58を近位方向に引くことができる。往復ヨーク84が近位方向に移動すると、それはベアリングプレート573に対して引かれ、ばねスタック578を圧縮することができる。一度トリガが解放されると、圧縮されたばねスタック578は、往復管状作動部材58に復元力を提供し、それによって遠位方向に戻る。
【0073】
超音波医療装置10はまた、導波管78に音響的に連結された超音波トランスデューサ16を含んでもよい。超音波医療装置10は、以下に詳述するように、超音波医療装置10の構成要素のうちの1つ又は2つ以上の動作と関連付けられた機能データを測定するように適合された任意の数のセンサ及びセンサエレクトロニクスを更に含んでもよい。
【0074】
図6は、超音波トランスデューサアセンブリ616を備え得る、超音波トランスデューサ16の一態様を図示する。超音波医療装置10の一態様は、超音波トランスデューサ16に電気的に連結された超音波信号発生器モジュール21を備える。一態様では、超音波トランスデューサアセンブリ616は、「ランジュバンスタック」に配設された複数の円筒形圧電トランスデューサ632を備えてもよい。かかる「ランジュバンスタック」は、音響的に連結されたときに超音波導波管678内に横方向の音波を誘導することができる。圧電トランスデューサ632の各々は、その対向する面にわたって、電圧を印加することによって作動され得る。超音波トランスデューサアセンブリ616は、圧電トランスデューサ632に近位に連結された第1の共振器又はエンドベル620と、圧電トランスデューサ632及び補助構成要素に遠位に連結された第2の共振器又はフォアベル622と、を更に含んでもよい。様々な態様では、超音波トランスデューサアセンブリ616は、以下により詳細に説明されるように、好ましくは長さにおいて1つのシステム波長の半分の整数倍(nλ/2)である。超音波音響アセンブリ616は、マウント及び速度トランスデューサを更に含むことができる。
【0075】
エンドベル620の遠位端は、「ランジュバンスタック」の近位端に接続され、フォアベル622の近位端は、「ランジュバンスタック」の遠位端に接続される。フォアベル622及びエンドベル620は、「ランジュバンスタック」の厚さ、エンドベル620及びフォアベル622を製造するのに使用される材料の密度及び弾性率、並びに超音波トランスデューサアセンブリ616の共振周波数などを含む、多くの変数によって判定される長さを有する。フォアベル622は、超音波振動振幅を増幅するために、その近位端からその遠位端まで内側に先細りになっていてもよい。代替的に、フォアベル622は、増幅を有しなくてもよい。
【0076】
図6を再度参照すると、エンドベル620は、そこから延びるねじ付き部材を含むことができ、このねじ付き部材は、フォアベル622内のねじ山付き開口とねじ込み可能に係合されるように構成され得る。様々な態様では、圧電素子632などの圧電素子は、例えば、エンドベル620及びフォアベル622が共に組み立てられるとき、エンドベル620とフォアベル622との間で圧縮することができる。超音波トランスデューサアセンブリ616は、テール部分617を含んでもよく、これがまた、エンドベル620を通じて圧電素子632に圧縮力を提供し得る。エンドベル620とフォアベル622との間の圧電素子632の適切な圧縮は、圧電素子632とフォアベル622との間の良好な機械的連結を保証するために有用であり得ると認識することができる。良好な機械的連結は、電界によって圧電素子632内で誘起された運動の超音波システム10の遠位構成要素への伝達を最適化することができる。圧電素子632は、例えば、ジルコン酸チタン酸鉛、メタニオブ酸鉛、チタン酸鉛、及び/又は、例えば任意の好適な圧電性結晶又はセラミック材料などの任意の好適な材料から作製されてもよい。
【0077】
様々な態様では、以下に更に詳細に考察されるように、超音波トランスデューサアセンブリ616は、正電極及び負電極などの電極を更に備えることができ、例えば、これらの電極は、1つ又は2つ以上の圧電素子632にわたって電位を作り出すように構成され得る。正電極、負電極、及び圧電素子632の各々は、中心を通って延在する穴を含むことができ、この穴は、エンドベル620のねじ付き部材を受容するように構成され得る。様々な態様では、正電極及び負電極は、ケーブル内に入れられたワイヤに電気的に連結され、超音波システム10の超音波信号発生器21と電気的に接続可能である。
【0078】
様々な態様では、「ランジュバンスタック」内に配設された圧電素子632を有する超音波トランスデューサ616は、超音波信号発生器21からの電気信号を機械エネルギーに変換し、その結果、導波管678からエンドエフェクタアセンブリ18を通る超音波トランスデューサアセンブリ616の超音波周波数での主な長手方向(横方向モード)振動運動をもたらす。好適な発生器は、Ethicon Endo-Surgery,Inc.(Cincinnati,Ohio)から、モデル番号GEN11として入手可能である。超音波トランスデューサアセンブリ616がエネルギー供給されるとき、振動運動定在波は、導波管678を通して発生される。好適な振動周波数範囲は、約20Hz~120kHzとし、適切な振動周波数範囲は、約30kHz~70kHzとし、動作振動周波数の1つの例は、約50kHzとすることができる。
【0079】
超音波トランスデューサアセンブリ616及び導波管678(共に音響アセンブリを備える)に沿った任意の点での振動運動の振幅は、振動運動が測定される音響アセンブリに沿った場所に依存し得る。振動運動定在波において、最小又はゼロの交差は、一般的に波節(即ち、運動が通常は最小の場所)と呼ばれ、定在波において、最大絶対値(absolute value maximum)又はピークは、一般的に波腹(即ち、運動が通常は最大の場所)と呼ばれる。波腹点とそれに最も近い波節点との間の距離は4分の1波長(λ/4)である。
【0080】
様々な態様では、超音波トランスデューサアセンブリ616によって生成された超音波エネルギーは、超音波伝達導波管678を介してエンドエフェクタアセンブリ18に伝達され得る。音響アセンブリがエンドエフェクタアセンブリ18にエネルギーを送達するために、音響アセンブリの構成要素は、エンドエフェクタアセンブリ18に音響的に連結される。例えば、超音波トランスデューサ616の遠位端は、ねじ接続によって、超音波伝達導波管678の近位端に音響的に連結されてもよい。
【0081】
音響アセンブリの構成要素は、音響的に調整されることができ、そのためいずれのアセンブリの長さも1つの半波長の整数倍(nλ/2)となり、式中、波長λは、音響アセンブリの予め選択された波長、又は動作する長手方向振動駆動周波数fであり、nは、任意の正の整数である。また、音響アセンブリは、いずれかの好適な音響要素の配設を組み込んでもよいことが熟慮される。
【0082】
超音波エンドエフェクタ18は、1つのシステム半波長(λ/2)の整数倍に実質的に等しい長さを有することができる。超音波エンドエフェクタ18の遠位端は、「ランジュバンスタック」内に配設された圧電素子632を備える超音波トランスデューサアセンブリ616に対して遠位端の最大、又は少なくともほぼ最大の長手方向の偏位を提供するために、波腹の位置に、又は少なくともその近くに配設されてもよい。トランスデューサアセンブリがエネルギー供給されるとき、様々な態様では、超音波エンドエフェクタ18の遠位端は、例えば、所定の振動周波数において、約10~500ミクロンのピークツーピークの範囲、及び好ましくは約30~150ミクロンの範囲で移動するように構成されてもよい。
【0083】
上記に概略されるように、超音波エンドエフェクタ18は、超音波伝達導波管678に連結されてもよい。様々な態様では、示されるような超音波エンドエフェクタ18及び超音波伝達ガイド678は、例えば、Ti6Al4V(アルミニウム及びバナジウムを含むチタン合金)、アルミニウム、ステンレス鋼、及び/又は任意の他の好適な材料などの、超音波エネルギーの伝達に適した材料による単一ユニット構造体として形成される。代替的に、超音波エンドエフェクタ18は、超音波伝達導波管678から分離可能(及び異なる組成物のもの)であってもよく、例えば、鋲、溶接、接着剤、急速継手、又は他の適切な既知の方法により連結されてもよい。超音波伝達導波管678は、例えば、1つのシステム半波長(λ/2)の整数倍に実質的に等しい長さを有してもよい。超音波伝送導波管678は、例えば、チタン合金(即ち、Ti6Al4V)又はアルミニウム合金など、超音波エネルギーを効率的に伝搬する材料から構成された中実コア軸から好ましくは作製されてもよい。
【0084】
広くは、電圧源、又は電力源は、超音波トランスデューサアセンブリの1つ又は2つ以上の圧電素子と動作可能に連結することができ、圧電素子の各々に印加される電位によって、圧電素子を膨張及び収縮、又は振動させることができる。また、上記で開示されたように、電位は、周期的であり得、様々な態様では、電位は、例えば、超音波トランスデューサアセンブリ616、導波管678、及びエンドエフェクタ18を含む構成要素のシステムの共振周波数と同じか、又はほぼ同じ周波数で繰り返すことができる。
【0085】
電力は、超音波トランスデューサアセンブリ616のインピーダンスが最小である波節又は共振周波数(f)の周波数又はその近くの周波数で圧電素子632を動作させることによって最大化され得る。最小量の電力が、波腹又は反共振周波数(f)の周波数又はその近くの周波数で圧電素子632を動作させるために必要とされ得、ここで超音波トランスデューサアセンブリ616のインピーダンスは、最大である。
【0086】
図6は、超音波外科用装置のエンドエフェクタに機械エネルギーの定在横断波を誘導するように構成され得る音響アセンブリの一態様を図示する。図7図9は、エンドエフェクタに非横方向の機械的エネルギーを誘導するように構成され得る、音響アセンブリの付加的な態様を図示する。
【0087】
図7は、D31モードで動作するように構成された、1つ又は2つ以上の圧電トランスデューサ912a、bを組み込む、超音波音響アセンブリ700の一態様を示す。超音波音響アセンブリ700は、導波管378及びトランスデューサ取り付け部分320を含み得る。いくつかの態様では、音響アセンブリ700は、シートストックから作製されてもよく、平坦面325に直交する本質的に平坦な面325及び側縁部327を有してもよい。導波管378は、遠位端でエンドエフェクタ18に音響的に連結されてもよく、トランスデューサ取り付け部分320は音響アセンブリ700の近位端に位置付けられる。1つ又は2つ以上の圧電トランスデューサ912a、bは、音響アセンブリ700のトランスデューサ取り付け部分320に固定されてもよい。特定の態様では、導波管378はまた、複数の振動節に位置決めされた、又は少なくともその近くに位置決めされた1つ又は2つ以上の安定化シリコーンリング又は適合支持体を含んでもよく、望ましくない振動を減衰させ、音響アセンブリ700を少なくとも部分的に取り囲むシースから超音波エネルギーを隔離することができる。圧電トランスデューサ912a、bがD31モードで動作するために、第1の電極は、音響アセンブリ700の面325と機械的に連通しているトランスデューサの面の反対側のトランスデューサ(例えば、912a)の露出面に電気的に連結されてもよい。いくつかの態様では、導電性電極(例えば、銀電極)を、圧電トランスデューサ912a、bの露出面上に塗装又はスクリーン印刷することができ、導電性ワイヤは、次いで導電性電極上にはんだ付けされ得る。代替的に、ワイヤは、導電性エポキシによって圧電トランスデューサ912a、bの露出面に固定されてもよい。音響アセンブリ700は、第2の電極に電気的に連結されてもよく、それによって、導波管378の長手方向軸に直交する音響アセンブリ700上に電界が印加されることを許容する。
【0088】
図8は、図7の音響アセンブリ700のトランスデューサ取り付け部分320の拡大図であり、圧電トランスデューサ912a、bの各々の面と音響アセンブリ700の面325との間に作製され得る機械的接点を示す。図8に示される態様では、単一対の圧電トランスデューサ912a、bは、音響アセンブリ700に接触し、各トランスデューサは、音響アセンブリ700の対向面に接触する。一対の圧電トランスデューサ912a、bの各々は、他方の反対側に位置決めされることが観察され得る。図6に関して上記で開示されたように圧電トランスデューサ912a、bは、音響アセンブリ700の本体に沿って定在機械波を誘導するために、所定の周波数で電源によって作動されてもよい。定在波は、電気信号の所定の周波数成分に比例し得る。音響アセンブリ700の本体に沿って誘導される定在波は、1つ又は2つ以上の波節及び波腹によって特徴付けることができる。定在波波節は、音響アセンブリ700上の1つ又は2つ以上の波節場所で効果的に中心に置かれてもよく、定在波の波腹は、音響アセンブリ700上の1つ又は2つ以上の波腹場所で効果的に中心に置かれてもよい。各圧電トランスデューサ912a、bは、音響アセンブリ700のトランスデューサ取り付け部分320内の波節場所の周りに対称的に配設され得る。かかる配置は、トランスデューサ912a、bの作動中に最小の機械的変位を有する場所で、音響アセンブリ700の一部分に接触する各トランスデューサ912a、bをもたらすことができる。
【0089】
図9は、第1のトランスデューサ912aが、第1のトランスデューサプレートの第1の平面アレイを備え、第2のトランスデューサ912bが、第2のトランスデューサプレートの第2の平面アレイを備える態様を示す。図9に示されるように、第1のトランスデューサ912aは、数字1、2、3、及び4によって示される第1のトランスデューサプレートの第1の平面アレイを備える。第2のトランスデューサ912bは、括弧内の数字(5)、(6)、(7)、及び(8)によって示される第2のトランスデューサプレートの第2の平面アレイを備える(図9の斜視図では見えない)。第2のトランスデューサプレート(5)は、第1のトランスデューサプレート1に関してトランスデューサ取り付け部分320の反対側に配設され、第2のトランスデューサプレート(6)は、第1のトランスデューサプレート2に関してトランスデューサ取り付け部分320の反対側に配設され、第2のトランスデューサプレート(7)は、第1のトランスデューサプレート3に関してトランスデューサ取り付け部分320の反対側に配設され、第2のトランスデューサプレート(8)は、第1のトランスデューサプレート4に関してトランスデューサ取り付け部分320の反対側に配設されることが理解され得る。トランスデューサプレート1、(5)、3、及び(7)は、波節場所の片側の周りに配設されてもよく、トランスデューサプレート2、(6)、4、及び(8)は、波節場所の反対側の周囲に配設されてもよい。
【0090】
図7図9の態様に図示されるトランスデューサ又はトランスデューサプレートは、全て同じ材料で作製され得ることが理解され得る。代替的に、図7図9内の態様に図示されるトランスデューサ又はトランスデューサプレートは、異なる材料で作製されてもよい。例えば、トランスデューサ又はトランスデューサプレートは、それぞれのひずみ定数、誘電正接又は減衰特性、誘電定数、電圧感度、又はキュリー温度が異なる圧電材料から作製されてもよい。同様に、トランスデューサ又はトランスデューサプレートは、全て同じ形状及びサイズを有してもよい。代替的に、トランスデューサ又はトランスデューサプレートは、外科用ツール上又は互い上のそれらのそれぞれの配置に応じて、形状、サイズ、又は形状及びサイズの両方が異なってもよい。
【0091】
図7図9に示される各トランスデューサ又はトランスデューサプレートは、個々に作動され得る。いくつかの態様では、各トランスデューサ又はトランスデューサプレートは、個々の超音波信号発生器が音響アセンブリと電気通信する共通の接地を有する、別個の超音波信号発生器によって作動され得る。かかる態様では、各トランスデューサ又はトランスデューサプレートは、別個の電気信号によって作動され得る。いくつかの実施例では、別個の電気信号の電気的特性は、同じであってもよく、例えば、同じ振幅、周波数、及び位相を有する。代替的な実施例では、別個の電気信号の電気的特性は、振幅、周波数、及び位相のうちの1つ又は2つ以上で異なってもよい。代替的な態様では、各トランスデューサ又はトランスデューサプレートは、同じ超音波信号発生器によって作動されてもよいが、1つ又は2つ以上のトランスデューサ作動スイッチによって別個に作動可能であってもよい。かかるスイッチは、超音波信号の第1の極性を1組のトランスデューサ又はトランスデューサプレートに指向し、かつ超音波信号の第2の極性を第2の組のトランスデューサ又はトランスデューサプレートに指向することができる。かかるスイッチはまた、超音波信号発生器から1つ又は2つ以上のトランスデューサ又はトランスデューサプレートを切断するために使用され得、一方で、他のトランスデューサ又はトランスデューサプレートが超音波信号発生器から超音波信号を受信することを可能にすることを理解されたい。
【0092】
少なくとも1つのかかる態様では、超音波外科用装置は、トランスデューサ又はトランスデューサプレートを選択的に作動させるように構成され得る、1つ又は2つ以上のスイッチを備えることができる。例えば、スイッチは、第1のトランスデューサ又は1組のトランスデューサプレートを作動させるために、オフ位置から第1の位置に、第2のトランスデューサ又は一組のトランスデューサプレートを作動させるために、第2の位置に移動され得る。図9に図示されるような態様では、かかるスイッチは、複数の位置を有してもよく、各位置は、トランスデューサプレートの特定の群を作動させるように構成されていることが認識され得る。ある他の態様では、超音波医療装置は、第1のトランスデューサ、又は1組のトランスデューサプレートを選択的に作動させるように構成された第1のスイッチ、加えて、第2のトランスデューサ又は1組のトランスデューサプレートを選択的に作動させるように構成された第2のスイッチを備えることができる。かかる態様では、外科医は、外科用ツール及び/又はエンドエフェクタに供給される電力を選択することができる。代替的な態様では、トランスデューサ又は1組のトランスデューサのうちの任意の1つ又は2つ以上に供給される電力の制御は、制御システム25のメモリ構成要素内にある命令に従って自動化されてもよい。
【0093】
トランスデューサ又はトランスデューサプレートの切り替え式の作動は、単一の横方向の定在機械波よりもより複雑な外科用ツールの振動パターンをもたらし得ることが認識され得る。かかる複雑な機械的波は、超音波医療装置のエンドエフェクタに複雑な移動を付与するために使用され得る。例えば、図9に示される態様に関して、トランスデューサプレート1、2、(5)、及び(6)が、第1の極性超音波信号で作動され、一方でトランスデューサプレート3、4、(7)、及び(8)が、第2のかつ対向する極性超音波信号で作動される場合、主に横方向のフラッピング運動が、エンドエフェクタ内で誘導され得る。トランスデューサプレート1、(5)、3、及び(7)が、第1の極性超音波信号で作動され、一方でトランスデューサプレート2、(6)、4、及び(8)が、第2のかつ対向する極性超音波信号で作動される場合、主に横方向のフッキング運動が、エンドエフェクタ内で誘導され得る。トランスデューサプレート1、(7)、2、及び(8)が、第1の極性超音波信号で作動され、一方でトランスデューサプレート3、(5)、4、及び(6)が、第2のかつ対向する極性超音波信号で作動される場合、主にねじれ運動が、エンドエフェクタ内で誘導され得る。トランスデューサプレート1、(7)、4、及び(6)が、第1の極性超音波信号で作動され、一方でトランスデューサプレート(5)、3、2、及び(8)が、第2のかつ対向する極性超音波信号で作動される場合、ねじれ並びに横方向運動が、エンドエフェクタ内で誘導され得る。更なる運動は、トランスデューサプレートの他の群の作動を通して達成され得る。
【0094】
図1図9、及び付随する開示から、超音波医療装置10の構成要素の数が、装置の使用の結果として、洗浄、滅菌、交換、又は修復を必要とし得ることが明らかであり得る。一実施例では、超音波ブレード66は、使用後に組織で覆われ始める場合があり、又は使用中に誘導された機械的振動に起因する、ピット形成、亀裂、及び/若しくはひび割れに悩まされ得、このため、ブレード66は洗浄、滅菌、及び/又は交換される必要がある。クランプアームアセンブリ64は、枢動部における組織の蓄積により、枢動点70の周りを完全に回転できないため、洗浄又は修復を必要とする。パッド330は、同様に、使用中に組織材料の蓄積に悩まされ得、又は振動する超音波ブレード66への曝露による表面摩耗を発生させ得、このため、洗浄又は交換を必要とする。外側管状シース56の遠位端は、同様に、その外面及びその内面の両方に生物学的デブリを蓄積させ、洗浄を必要とし得る。管状シース56の内部における生物学的デブリの蓄積は、往復管状作動部材58の性能に影響を及ぼし、その進行を低減又は妨害し得る。導波管(例えば78)内の誘導された振動は、材料疲労をもたらし、最終的に導波管に亀裂又は屈曲をもたらし得、このため修復及び/又は交換を必要とする。摩耗は、導波管の振動への一定の露出に起因して保護シース80内に誘導され得、このため交換を必要とする。
【0095】
付加的な摩耗が、ハンドルアセンブリ12内に秋桜された機械的構成要素に発生する場合もある。ばね要素98及びばねスタック578は、複数の膨張又は圧縮後に弾力性を失うことがあり、このため交換を必要とし得る。超音波トランスデューサアセンブリ(例えば、616)の1つ又は2つ以上の構成要素は、機械的摩耗に悩まされ、修復及び/又は交換のいずれかを必要とし得ることも認識され得る。1つの非限定的な実施例では、機械的振動は、超音波トランスデューサアセンブリ616の構成要素(例えば、テール部分617、エンドベル620、及びフォアベル622)を緩めさせてもよく、それによって圧電トランスデューサ(例えば、632)と導波管(例えば678)との間の機械的連結を低減させることができる。同様に、導波管678と超音波トランスデューサアセンブリ616とのインターフェースにおける機械的振動は、導波管678を通して、超音波ブレード66へのトランスデューサアセンブリ616の機械的連結を低減させることができる。
【0096】
超音波医療装置10の構成要素上の摩耗及び引裂きのかかる実施例は非限定的であり、本明細書で言及されない他の構成要素はまた、洗浄、交換、及び/又は修復を必要とし得ることが認識され得る。上記で開示されたように、超音波医療装置のユーザにとって、汚染され、破損し、及び/又は損傷した構成要素の洗浄、交換、及び/又は修復をもたらすことは有益であるが、ユーザは、整備後かつその後の再使用の前に、医療装置10をうまく再組み立てすることができなければならない。したがって、再使用可能な医療装置が、再組み立て時に医療装置が適切に機能することを保証するための特徴を組み込み、又は再組み立てが成功せず、適切な再組み立てが生じるまで再組み立てされた医療装置10を使用しないことをユーザに通知することが有用である。
【0097】
いくつかの態様では、医療装置10の適切な再組み立てを支援するための特徴は、様々なセンサを含み得る。かかるセンサは、装置内の多数の場所のいずれかにおいて配設されてもよく、装置構成要素の機械的機能を測定するように構成されてもよい。加えて、かかるセンサは、医療装置10の1つ又は2つ以上の構成要素が、検査、洗浄、交換、及び/又は修復を保証することをユーザに警告してもよい。
【0098】
図5に戻ると、かかるセンサのいくつかの非限定的な例は、トリガセンサ532を含んでもよい。かかるトリガセンサ532は、作動時にトリガ32に印加される力の量を示すように構成された力センサを備えてもよい。代替的に、トリガセンサ532は、トリガ32がユーザによってどれだけ押下されたかを判定するように構成された位置センサを備えてもよい。一非限定的な態様では、トリガセンサ532は、医療装置10内に配設された1つ又は2つ以上のセンサから電気データを受容するように構成されたエレクトロニクスを含み得る、様々な装置エレクトロニクスを含み得る回路基板553に電気的に連結されてもよい。かかるトリガセンサ532の実施例としては、限定されるものではないが、磁気近接センサ、インダクタンスセンサ、容量センサ、抵抗センサ、及び光学センサを含み得る。
【0099】
センサの別の実施例は、トリガ32が押下されたとき、ヨーク84によるばねスタック578上の圧縮力を測定するように構成されたばね力センサであってもよい。ヨーク84は、トリガ32が押下されると、トリガアセンブリ連結部590によって、近位方向に移動し得る。一非限定的な実施形態では、ばね力センサは、ヨーク84とばねスタック578との間に配設された圧電ディスク575を備えてもよい。材料が圧縮されるとき、圧電材料の2つの表面の間に電位が生じることが認識される。このため、圧電ディスク575を備えるばね力センサは、圧電ディスク575の表面への電気接点を含み得る。
【0100】
図5に図示されるように、近位面接点565a及び遠位面接点565bは、圧電ディスク575のそれぞれの近位表面及び遠位表面に電気的に連結されてもよい。近位及び遠位面接点565a、bは、それぞれ、細長いシャフトアセンブリ14のハブ576上に配設され得るハブ接点555a、bにそれぞれ電気的に連結されてもよい。上述されたように、外側管状シース56及び往復管状作動部材58に沿った細長いシャフトアセンブリ14は、ハンドルアセンブリ12に対して長手方向軸の周りを回転するように構成される。結果として、回転スリップ継手540は、ハブ接点555a、bが、ハンドルアセンブリ12内の参照のフレーム内に固定され得るワイヤ又は他の導電性構成要素との電気的接続を維持することを可能にするために提供されてもよい。一非限定的な実施例では、導電性構成要素は、超音波医療装置10と関連付けられたセンサ構成要素から1つ又は2つ以上の電気信号を受信するように構成された、1つ又は2つ以上のセンサエレクトロニクスを備える回路基板553内で終端してもよい。
【0101】
図5は、圧電ディスク575が、ベアリングプレート573とばねスタック578の遠位端との間に位置付けられることを図示するが、圧電ディスク575は、ばねスタック578の圧縮力を測定するために、ヨーク84と近位フランジ572bとの間の往復カラーに沿った任意の場所に好適に配置されてもよいことが認識され得る。このため、非限定的な実施例として、圧電ディスク575はまた、ヨーク84の近位面とベアリングプレート573の遠位面との間、又はばねスタック578の近位端と近位フランジ572bの遠位面との間に位置付けられてもよい。
【0102】
センサのいくつかのタイプ又は構成は、クランプアームアセンブリ64のジョーを作動させるように構成された構成要素が、適切に動作することを保証するために用いられ得る。かかる構成要素の実施例は、限定するものではないが、往復管状作動部材58、遠位フランジ572a及びその近位フランジ572bを含む往復カラー、及びばねスタック578を含み得る。図10図15は、構成要素の運動を感知するために、個別に、又は任意の組み合わせ、若しくは複数の組み合わせで使用され得るいくつかのセンサを図示する。
【0103】
図10図11は、往復管状作動部材58の往復運動の指標を提供し得る、1つ又は2つ以上のセンサを図示する。一態様では、図10A及び図10Bに図示される、往復管状作動部材58は、1つ又は2つ以上の誘導ループ1010、1015内に配設され得る。往復管状作動部材58は、往復管状作動部材58の外面の一部分に沿って配設された1つ又は2つ以上の強誘電性金属ストリップ1020を含んでもよい。強誘電性材料から作製された管状カラーは、1つ又は2つ以上の強誘電性金属ストリップ1020の代わりに置換されてもよいことが理解されたい。一非限定的な例では、1つ又は2つ以上の強誘電性金属ストリップ1020は、ジョーが開状態にあるとき、感知誘導ループ1015内に配設されてもよい。往復管状作動部材58が、図10A内の矢印によって図示されるように近位方向に並進する(及びジョーが閉状態に変化する)際、1つ又は2つ以上の強誘電性金属ストリップ1020は、図10Bに図示されるように感知誘導ループ1015に並進されてもよく、それによって感知誘導ループ1015のインダクタンスを変化させることができる。感知誘導ループ1015は、同調された回路の一部分を形成してもよく、共振周波数の変化は、感知インダクタンスループ1015のインピーダンス変化として検出されてもよい。第2の参照誘導ループ1010はまた、往復管状作動部材58がジョー作動中に並進する際、回路インピーダンス内の変化を測定するためのインピーダンスブリッジの一部として提供されてもよい。かかる誘導感知機構は、逆モードで動作してもよく、このモードでは、1つ又は2つ以上の強誘電性金属ストリップ1020は、往復管状作動部材58がジョー作動中に並進するとき、感知誘導ループ1015から外に並進され得ることを更に理解されたい。誘導感知機構の出力は、往復管状作動部材58の位置、又は往復管状作動部材58の進行量のいずれかの測定を提供することができることが認識され得る。発振器及び測定エレクトロニクス(電圧、電流、又は電圧及び電流の両方のいずれか)を含む、1つ又は2つ以上の誘導ループ1010、1015のための駆動及び検出エレクトロニクスは、回路基板553上に位置付けられてもよい。
【0104】
別の態様では、図11A及び図11Bに図示される、往復管状作動部材58は、小型の管磁石1120を含み得る。管磁石1120の運動及び/又は位置は、往復管状作動部材58に近接して位置決めされ、かつハンドルアセンブリ12内に固定されたホール効果センサ1115によって検出されてもよい。別の態様では、管磁石1120は、固定位置にあり得るホール効果センサ1115の面に対して平行な線内で移動するN極及びS極を有することができる。
【0105】
ホール効果センサ1115は、磁界を感知し、管磁石1120の相対的近接度又はホール効果センサ1115に対する磁界の強度に基づいて、その電気出力を変化させることができる小型の電子チップを含むことができる。管磁石1120は、往復管状作動部材58が近位方向(矢印、図11A)内で並進するにつれて、ホール効果センサ1115の面を横切って移動し得る。図11Bに図示されるように、往復管状作動部材58の進行の終わりに、管磁石1120は、図11Bに図示されるように、ホール効果センサ1115の面の前方に直接位置決めされ得る。
【0106】
図11Aの矢印によって示されるように、往復管状作動部材58が近位方向に並進する(及びジョーが閉状態に変化する)際、管磁石1120は、ホール効果センサ1115に向かって並進され得、それによってホール効果センサ1115の電圧出力を変化させることができる。かかる管磁石感知機構は、逆モードで動作してもよく、このモードでは、往復管状作動部材58がジョー作動中に並進するとき、管磁石1120がホール効果センサ1115から離れて並進され得ることを更に理解されたい。磁気感知機構の出力は、往復管状作動部材58の位置、又は往復管状作動部材58の進行量のいずれかの測定を提供することができることが認識され得る。電流源及び電圧測定エレクトロニクスを含むホール効果センサ1115のための駆動及び検出エレクトロニクスは、回路基板553上に位置付けられてもよい。
【0107】
図12図14に図示される、他の態様では、往復管状作動部材58は、往復カラー1210に機械的に連結されてもよい。往復カラー2010は、往復管状作動部材58の近位端に機械的に連結された遠位フランジ572aを備えてもよい。往復カラー1210はまた、往復カラー本体1210に機械的に連結され、ハンドルアセンブリ12の参照のフレーム内に固定される近位フランジ572bを備えてもよい。往復カラー本体1210は、往復管状作動部材58が往復カラー本体1210にわたって摺動し得るように、好適に配設されてもよい。代替的な一態様では、図12A図13A、及び図14A内の矢印によって図示されるように、往復ヨーク84は、トリガ32がユーザによって圧縮されるとき、遠位フランジ572aと係合し得、往復管状作動部材58に沿って、遠位フランジ572aを近位方向に摺動させることができる。
【0108】
ばねスタック578は、遠位フランジ572aと近位フランジ572bとの間の往復カラー本体1210の周りに配設され得る。ばねスタック578は、トリガ32が作動されるとき、往復ヨーク84が近位方向に並進するときに圧縮されてもよい。トリガ32が解放される際、その圧縮によりばねスタック578内に展開された復元力が、遠位フランジ572a及び連結された往復管状作動部材58を遠位方向に前進させることができる。
【0109】
図12A及び図12Bにおいて図示される、一態様では、遠位フランジ572aは、小型のフランジ磁石1220を含んでもよい。フランジ磁石1220の運動及び/又は位置は、遠位フランジ572aに近接する場所内に位置決めされ、かつハンドルアセンブリ12内に固定されたホール効果センサ1215によって検出されてもよい。別の態様では、磁石1220は、固定位置にあり得る、ホール効果センサ1215の面に平行な線内で移動するN極及びS極を有することができる。
【0110】
ホール効果センサ1215は、磁界を感知し、フランジ磁石1220の相対的近接度、又はホール効果センサ1215に対する磁界の強度に基づいて、その電気出力を変化させることができる小型の電子チップを含むことができる。フランジ磁石1220は、遠位フランジ572aが近位方向(矢印、図12A)に並進する際、ホール効果センサ1215の面を横切って移動することができる。図12Bに図示されるように、遠位フランジ572aの進行の終わりで、フランジ磁石1220は、図12Bに図示されるようにホール効果センサ1215の面の前方に直接位置決めされてもよい。
【0111】
図12Aの矢印によって示されるように、遠位フランジ572aが近位方向に並進する(及びジョーが閉状態に変化する)際、フランジ磁石1220は、ホール効果センサ1215に向かって並進されてもよく、それによってホール効果センサ1215の電圧出力を変化させることができる。このようなフランジ磁石感知機構は、逆モードで動作してもよく、このモードでは、遠位フランジ572aがジョー作動中に並進するとき、フランジ磁石1220は、ホール効果センサ1215から離れて並進され得ることを更に理解されたい。磁気感知機構の出力は、遠位フランジ572aの位置又は遠位フランジ572aの進行量のいずれかの測定を測定することができることが認識され得る。電流源及び電圧測定エレクトロニクスを含むホール効果センサ1215のための駆動及び検出エレクトロニクスは、回路基板553上に位置付けられてもよい。
【0112】
別の態様では、図13A図13Bに図示されるように、遠位フランジ572aの位置は、電気抵抗センサ1310によって判定されてもよい。抵抗センサ1310は、正電圧(図13A中「+」によって示される)に連結された第1の線形抵抗要素1315と、負電圧又は電気接地(図13A中「-」によって示される)に連結された第2の導電性要素1320と、を備えてもよい。一態様では、遠位フランジ572aのリムは、導電性であってもよく、線形抵抗要素1315及び導電性要素1320の両方に接触するように構成される。別の態様では、遠位フランジ572aは、線形抵抗要素1315及び導電性要素1320の両方に接触するように構成された、導電性ワイパー1325を含んでもよい。
【0113】
遠位フランジ572aが(図13A内の矢印によって示されるように)近位方向に並進する際、遠位フランジ572a又はワイパー1325の導電フランジは、線形抵抗要素1315に沿って移動してもよい。結果として、図13Aに図示されるように、遠位フランジ572aが遠位位置にあるときの電気抵抗センサ1310を通過する電流の測定は、図13Bで図示されるように、遠位フランジ572aが近位位置にあるときの電気抵抗センサ1310を通過する電流とは異なり得る。一態様では、遠位フランジ572aが近位位置にあるときよりも遠位フランジ572aが遠位位置にあるとき、電気抵抗センサ1310を通る電流は、より大きくなり得る。別の態様では、遠位フランジ572aが遠位位置にあるときよりも遠位フランジ572aが近位位置にあるとき、電気抵抗センサ1310を通る電流は、より大きくなり得る。遠位フランジ572aの進行位置又は進行量は、電気抵抗センサ1310によって測定され得ることが理解され得る。電圧源及び電流測定エレクトロニクスを含む電気抵抗センサ1310のための駆動及び検出エレクトロニクスは、回路基板553上に位置付けられてもよい。
【0114】
別の態様では、図14A図14Bに図示されるように、遠位フランジ572aの位置は、光センサ1410によって判定されてもよい。光センサ1410は、LED及び光センサ1415などの光源1420を備えてもよい。光センサ1415は、光センサ1415によって光源1420から受容される光の量に比例する電流又は電圧のいずれかを生成するように構成されてもよい。一態様では、光源1420及び光センサ1415は、遠位フランジ572aの縁部がそれらの間を移動することを許容するように配設されてもよい。
【0115】
遠位フランジ572aが(図14A内の矢印によって示されるように)近位方向に並進する際、遠位フランジ572aは、図14Bに図示されるように、光源1420によって放出された光を受容することから、光センサ1415を部分的に又は完全に閉塞するように位置決めされてもよい。遠位フランジ572aが、光センサ1415と光源1420との間に位置決めされているため、光センサ1415は、図14Bに示されていないことに留意されたい。結果として、図14Aに図示されるように、遠位フランジ572aが遠位位置にあるときの光センサ1415からの電圧又は電流の測定は、図14Bで図示されるように、遠位フランジ572aが近位位置にあるときの光センサ1415からの電圧又は電流とは異なる場合がある。図14A図14Bに図示されるように、光センサ1415は、遠位フランジ572aが遠位位置にあるとき(図14A)、光源1420からの照明を受容し得、光源1420からの光は、遠位フランジ572aが近位位置にあるとき(図14B)、遠位フランジ572aによって光センサ1415から閉塞され得る。しかしながら、代替的な実施形態では、遠位フランジ572aが近位位置にあるとき、光センサ1415は、光源1420からの照明を受容することができ、遠位フランジ572aが遠位位置にあるとき(図14B)、光源1420からの光は、遠位フランジ572aによって光センサ1415から閉塞され得る。
【0116】
図14A図14Bは、単一の光源1420及び単一の光センサ1415を図示するが、かかるセンサ構成は、限定されない。例えば、複数の光源が、遠位フランジ572aの進行に平行な軸に沿って、線形アレイ内に配設されてもよい。同様に、複数の光センサは、cに沿って線形アレイ内に配設されてもよく、複数の光センサの各々が、光源の線形アレイのうちの1つから照明を受容するように構成される。近位方向又は遠位方向に移行するときの遠位フランジ572aの進行距離又は位置は、光センサの各々によって生成された電流又は電圧の測定値から判定され得る。いくつかの態様では、遠位フランジ572aが特定の光センサを閉塞するとき、電流又は電圧は、高い値を有し得る。他の態様では、遠位フランジ572aが特定の光センサを閉塞するとき、電流又は電圧は、低い値を有し得る。したがって、遠位フランジ572aの位置は、光センサの線形アレイが遠位フランジ572aの位置による低光レベルに対応する電気特性を有することに基づいて、判定されてもよい。
【0117】
別の態様では、単一の光源は、複数の光センサを照明し得る。一限定的な例として、単一の光源は、遠位フランジ572aの移動に平行な軸に沿って配設された、エレクトロルミネセントストリップを備えてもよい。電圧源及び電流測定エレクトロニクスを含む、光センサ1410のための駆動及び検出エレクトロニクスは、回路基板553上に位置付けられてもよい。
【0118】
図15A及び図15Bに図示される、一態様では、ばねスタック578は、ばねスタック578の遠位端において、小型のばね磁石1520を含んでもよい。ばね磁石1520の運動及び/又は位置は、ばねスタック578の遠位端の近位の場所に位置決めされ、ハンドルアセンブリ12内に固定されたホール効果センサ1515によって検出されてもよい。別の態様では、ばね磁石1520は、固定位置にあり得る、ホール効果センサ1515の面に平行な線内で移動するN極及びS極を有することができる。
【0119】
ホール効果センサ1515は、磁界を感知し、ばね磁石1520の相対的近接度、又はホール効果センサ1515に対する磁界の強度に基づいて、その電気出力を変化させることができる小型の電子チップを含むことができる。ばね磁石1520は、ばねスタック578が圧縮され(矢印、図15A)、ばねスタック578の遠位端がホール効果センサ1515に近づくにつれて、ホール効果センサ1515の面に向かって移動し得る。ばねスタック578が最大圧縮であるとき、ばね磁石1520は、図15Bに図示されるように、ホール効果センサ1515の面の前方に直接位置決めされ得る。
【0120】
図15Aの矢印によって示されるように、ばねスタック578が近位方向に圧縮される(及びジョーが閉状態に変化する)際、ばね磁石1520は、ホール効果センサ1515に向かって並進され得、それによってホール効果センサ1515の電圧出力を変化させることができる。かかるばね磁石感知機構は、逆モードで動作してもよく、このモードでは、ばね磁石1520は、ばねスタック578がジョー作動中に圧縮されるとき、ばねスタック578の遠位端に位置付けられたホール効果センサ1515から離れて並進され得ることを更に理解されたい。磁気感知機構の出力は、ばねスタック578の圧縮量又は圧縮度のいずれかの測定を提供することができることが認識され得る。電流源及び電圧測定エレクトロニクスを含むホール効果センサ1515のための駆動及び検出エレクトロニクスは、回路基板553上に位置付けられてもよい。
【0121】
図5及び図10図15に図示され、かつ上記に開示されるように、多くのセンサが、医療装置10の機械的構成要素の機能を測定するために用いられ得る。圧電センサ、誘導センサ、抵抗センサ、光センサ、及び磁気センサなどの特定のセンサが明示的に開示されているが、任意の好適なセンサが、かかる機械的機能を測定するために使用され得ることが認識され得る。付加的なセンサはまた、限定されるものではないが、容量センサ、磁歪センサ、音響センサ、及びひずみゲージセンサを含むことができる。
【0122】
かかるセンサは、限定されるものではないが、信号電圧、信号電流、インピーダンス、抵抗、信号周波数、及び信号位相を含む、任意の適切な形態の機械的機能に関するデータを提供することができる。かかるデータは、アナログデータ、デジタルデータ、又はこれらの組み合わせ、若しくは複数の組み合わせを含んでもよい。更に、かかるセンサによって提供されるデータは、かかる機械的機能を参照することができ、又はかかる機能を間接的に参照することもできる。更に、かかるセンサによって提供されるデータは、電子的に調整されて、ユーザに医療装置10の構成要素の機械的機能の測定値を提供することができる。かかるコンディショニングエレクトロニクスは、アナログ構成要素、デジタル構成要素、又はこれらの組み合わせ、若しくは複数の組み合わせを含んでもよい。コンディショニングエレクトロニクスは、限定されるものではないが、抵抗器、コンデンサ、及びインダクタなどの別個の構成要素を含むことができる。コンディショニングエレクトロニクスは、限定されるものではないが、増幅器、コンパレータ、及びフィルタなどの集積回路を含むことができる。コンディショニングエレクトロニクスは、限定されるものではないが、ADC、DAC、マイクロプロセッサ、コンデンサ、及びインダクタなどのデジタル電子構成要素を更に含んでもよい。コンディショニングエレクトロニクスは、かかる別個の構成要素、集積回路、及びデジタル電子構成要素の任意の組み合わせ、又は複数の組み合わせを含み得ることを理解されたい。
【0123】
前述のように、感知され得る機械的機能は、限定されるものではないが、絶対機械的位置のうちの任意の1つ又は2つ以上、別の構成要素に関する1つの構成要素の相対的な機械的位置、構成要素の方向、速度、及び/又は加速度、機械的変形(ばね圧縮など)、構成要素に印加される力、及び構成要素によって生成される力を含む機械的運動を含むことができる。
【0124】
より広い意味では、感知され得る機械的機能は、限定されるものではないが、構成要素の機械的一体性を含んでもよい。機械的一体性の測定は、構成要素の反り、チッピング、ひび割れ、ピット形成、亀裂、又は構成要素の意図される機能に悪影響を及ぼし得る機械的損耗及び/又は損傷の他の指標に関連するデータを提供し得る。
【0125】
更により広い意味では、感知され得る機械的機能は、限定されるものではないが、構成要素の有無を含むことができる。
【0126】
図16は、本明細書に記載の特徴の多くを含む、又は実装することができる超音波医療装置100の一態様のブロック図を示す。例えば、一態様では、医療装置100は、超音波医療装置10に類似しているか又はそれを表現してもよい。医療装置100は、1つ又は2つ以上の超音波トランスデューサ104の面にわたって、電位を供給するように構成された発生器102を含み得る。超音波医療装置100はまた、超音波トランスデューサ104に音響的に連結された超音波エンドエフェクタを含み得る。医療装置100はまた、例えば、発生器102の動作を制御するための医療装置100の機能のいずれかを制御し得る制御システム108を含んでもよい。
【0127】
制御システム108はまた、限定されるものではないが、スピーカ114を介する音声フィードバック、及び1つ又は2つ以上の視覚ディスプレイ116を介する視覚フィードバックを含む、医療装置100のユーザへの機能的フィードバックを提供することができる。例えば、スピーカ114は、エンドエフェクタの電力を示す信号を発することができる。様々な態様により、スピーカ114は、一連のパルス音を発することができ、音パルスの周波数は、エンドエフェクタに供給される電力の量を示す。スピーカ114に加えて、又はその代わりに、デバイスは、視覚ディスプレイ116を含むことができる。視覚ディスプレイ116は、任意の好適な方法に従ってエンドエフェクタの電力を示すことができる。例えば、視覚ディスプレイ116は一連の発光ダイオード(LED)を含むことができ、エンドエフェクタの電力は照明されたLEDの数によって示される。
【0128】
制御システム108はまた、装置エレクトロニクス109の1つ又は2つ以上の組からのデータ信号を受信してもよい。上記で開示されるように、かかる装置エレクトロニクス109は、任意の1つ又は2つ以上の装置センサ112から1つ又は2つ以上のタイプの電気信号を受信してもよい。かかる装置センサ及びそれらが生成し得る電気信号の非限定的な実施例は、図5、及び図10図15に関して上記で開示される。装置エレクトロニクス109は、医療装置100の1つ又は2つ以上の機械的構成要素の機械的機能又は複数の機能を参照して、制御システム108にデータを通信してもよい。装置エレクトロニクスデータを受信すると、制御システム108は、医療装置100の状態に関するユーザと通信してもよい。
【0129】
制御システム109は、プロセッサ装置及び1つ又は2つ以上のメモリ装置を備えてもよい。1つ又は2つ以上のメモリ装置は、プロセッサ装置の1つ又は2つ以上の機能を指示し得る命令を記憶するように構成されてもよい。いくつかの非限定的な例では、かかる命令は、プロセッサ装置に、プロセッサが医療装置100のユーザと通信する1つ又は2つ以上の手術前プロセスを開始するように指示することができる。かかる手術前プロセスは、医療装置100のトリガを圧縮するなど、ユーザによって実行される任意の工程又は複数の工程を含んでもよい。かかる手術前プロセスはまた、1つ又は2つ以上の超音波トランスデューサ104を作動させるなど、プロセッサによって実行される工程又は複数の工程を含んでもよい。手術前プロセスは、プロセッサに、装置センサ112によって生成されかつ装置エレクトロニクス109を通して制御システム108に伝達される電気データに基づいて、医療装置100の1つ又は2つ以上の機械的機能を測定又は判定するように指示することを更に含んでもよい。外科前プロセスの完了時に、制御システム109は、ユーザに手術前プロセスの結果を通知してもよい。いくつかの非限定的な態様では、制御システム109は、医療装置100又はその構成要素が、適切に機能することができないことを手術前プロセスから判定することにより、ユーザが医療装置100の任意の1つ又は2つ以上の機能を作動させることを防ぐことができる。
【0130】
1つの非限定的な態様では、装置エレクトロニクス109は、医療装置100のハンドルアセンブリ内に配設された回路基板(例えば、図5の553)上に位置付けられてもよい。かかる装置エレクトロニクス109の実施例が、上記に開示されている。一態様では、かかる装置エレクトロニクス109は、制御システム108に電気的に連結されてもよく、装置センサ112からデータ信号を受信するように構成されてもよい。装置エレクトロニクス109は、次いで、装置センサ112から受信した信号に基づいて、データを制御システム108に通信してもよい。代替的な態様では、図16内の点線によって示されるように、装置エレクトロニクス109は、制御システム108に組み込まれてもよい。いくつかの態様では、制御システム108は、医療装置100のハンドルアセンブリ内に位置付けられてもよい。代替的な態様では、制御システム108は、別個のハウジング内などの、医療用ハンドルアセンブリとは別個の装置内に組み込まれてもよい。別個のハウジングは、発生器を更に含んでもよい。
【0131】
上記で開示されたように、超音波医療装置は、医療装置の意図された使用の結果として、経時的にまとまり、摩耗し、及び/又は破断し得る様々な機械的及び電気的構成要素を備え得る。いくつかの状況では、ファウリング、摩耗、又は破壊した構成要素の洗浄、修復、又は交換のために、医療装置をその元の製造業者又は製造者が認可した第三者に返送することが望ましい場合がある。いくつかの代替的な状況では、ユーザの施設で、医療装置の構成要素の洗浄、修復、及び/又は交換を行う作業者を有することが望ましい場合がある。ユーザの施設における作業員は、構成要素の洗浄、修復、又は交換に影響を及ぼすために必要とされ得る、医療装置の分解及び再組み立てにおける専門知識を有しない場合があることが認識され得る。結果として、再組み立てされた医療装置は、使用中に適切に機能しない場合がある。
【0132】
上記で開示されたように、超音波医療装置は、再組み立てされた医療装置の様々な構成要素の機能的一体性を試験し、かつ再組み立て後に装置が適切に機能しない場合にユーザに通知するための特徴を含むように作製されてもよい。このような特徴は、医療装置の機械的構成要素の機能のうちの1つ又は2つ以上を測定するように構成された1つ又は2つ以上のセンサ(センサ関連エレクトロニクスを含む)を備えてもよい。上記で開示されたように、かかる機械的構成要素の実施例は、限定されるものではないが、超音波ブレード、ジョーアセンブリ、ジョーアセンブリを作動させるように構成された往復管状作動部材、導波管、及びユーザが往復管状作動部材を作動させることを許容するように構成された1つ又は2つ以上の構成要素と、を含み得る。上記で開示されたように、多くのセンサが、医療装置内に組み込まれて、かかる機械的構成要素の機能又は複数の機能を測定及び/又は感知することができる。
【0133】
再組み立て後に装置が適切に機能しないかどうかを判定するように構成された医療装置の付加的な特徴は、医療装置内に位置付けられたプロセッサによって実行される1つ又は2つ以上の組の命令を含み得る。命令は、適切な再組み立て及び構成要素機能のために医療装置を試験する1つ又は2つ以上の方法を具現化することができる。かかる命令は、再組み立てにおいて検出された故障又は異常に対処するための勧告を含む、かかる試験の結果をユーザに更に通知することができる。かかる命令は、コンピューティングプロセッサによる実行に関して、任意の好適な方法でエンコードされてもよい。コンピューティングプロセッサは、医療装置の動作又は複数の動作を制御するように構成された制御モジュール内に組み込まれてもよい。コンピューティングプロセッサは、医療装置のハンドル内に位置付けられた回路基板などの構成要素内に組み込まれてもよい。命令は、コンピューティングプロセッサにアクセス可能な不揮発性メモリ構成要素に記憶されてもよい。かかるメモリ構成要素は、限定されるものではないが、PROM、ROM、EPROM、EEPROM、及びフラッシュメモリのうちの1つ又は2つ以上を含み得る。いくつかの態様では、医療装置は、複数のコンピューティングプロセッサを含んでもよく、これらのプロセッサのうちのいずれか又は全ては、適切な再組み立て及び構成要素の機能のために、医療装置を試験するための1つ又は2つ以上の方法をエンコードし得る命令のうちの1つ又は2つ以上を実行することができる。これらの方法は、医療的使用の前に医療装置の機能的一体性を試験するために、1つ又は2つ以上の手術前プロセス内に組み込まれてもよい。
【0134】
本方法は、限定されるものではないが、装置の1つ又は2つ以上の制御を操作するためのユーザへの命令、センサからのデータを受信するためのプロセッサ装置に対する命令、及び受信したセンサデータを1つ又は2つ以上の受容参照値と比較するためのプロセッサに対する命令を含むことができる。受信したセンサデータと受容参照値との比較の結果に応じて、プロセッサは、器具が使用のために受容可能であること、又は器具が使用のために受容可能ではないことをユーザに通知するための付加的な命令を実行してもよい。プロセッサが、ユーザに、器具が使用のために受容されないことを通知するための命令を実行する場合、プロセッサは、ユーザに、装置を再度再組み立てすることを通知する、又は付加的な洗浄、部品修復、又は部品交換のために装置を製造業者又は製造者によって認可された施設に返送するように、命令を付加的に実行することができる。
【0135】
本明細書に開示される方法の目的のために、受容参照値又は受容参照値の群は、方法によって試験された機能と関連付けられた受容可能な値を示す、値又は値の範囲(例えば、値の範囲の端点として表されるように)であり得る。いくつかの非限定的な態様では、かかる受容参照値は、構成要素の受容可能な位置、構成要素の運動の受容可能な範囲、構成要素の運動の受容可能な方向、電気作動構成要素の受容可能な測定電圧、電流、インピーダンス、周波数、若しくは位相、又は構成要素上、若しくは構成要素によって及ぼされる受容可能な力、あるいは圧力を表現し得る。
【0136】
受容参照値又は複数の受容参照値は、計算値であってもよい。受容参照値又は複数の受容参照値は、医療装置の製造及び/又は初期組み立て中の構成要素の測定値から導出される値であってもよい。1つ又は2つ以上の受容参照値又は複数の受容参照値は、超音波医療装置内に配設された不揮発性メモリ電子構成要素内でエンコード又は記憶されてもよい。1つ又は2つ以上の受容参照値又は複数の受容参照値は、製造業者による装置製造中、修復手順中の製造業者によって好適に認可された第三者によって、超音波医療装置内に配設された不揮発性メモリ電子構成要素内に配設された不揮発性メモリ電子構成要素内でエンコード又は記憶されてもよい。不揮発性メモリ構成要素は、限定されるものではないが、ROM、EPROM、EEPROM、フラッシュメモリ、又はデータを保持するように構成された任意の他の電子構成要素を含み得る。不揮発性メモリ構成要素は、医療装置の任意の好適な部分、例えば、制御回路内、発生器内、又はハンドルアセンブリ12内に配設され得る1つ又は2つ以上の回路基板(例えば、図5の回路基板553)内に物理的に配設されてもよい。
【0137】
医療装置が、医療処置のための受容可能な使用に関して試験され得るプロセス、手順、及び/又は方法の実施例が以下に開示される。かかるプロセス、処置、及び/又は方法は、医療処置の実行前に使用することを意図され得るが、プロセス、処置、及び/又は方法の少なくとも一部は、継続した使用のために医療装置の適合性を再評価するために、医療処置の休止中に使用され得ることが認識され得る。
【0138】
かかるプロセス、手順、及び/又は方法は、適切であり得るように、1つ又は2つ以上の自己試験手順又はバーンイン手順内に含まれてもよい。以下に開示される説明を簡略化する目的で、プロセス、手順、及び/又は方法は、全て概して「医療装置を試験するための方法」と呼ばれ得る。医療装置を試験するための方法に関する構成要素の説明は、特に、図1図9に図示されるような超音波医療装置と特に関連付けられ得、かかる方法が、具体的に指定された構成要素のうちの1つ又は2つ以上を含まない医療装置を試験することにもまた適用可能であり得ることが理解されよう。かかる方法はまた、図1図9に図示されるような超音波医療装置を用いて、上記で開示された構成要素と機械的又は機能的に同様の構成要素を含む医療装置を試験することにも適用可能であり得ることを更に理解されたい。
【0139】
以下に明示的に記載されていない場合であっても、本方法は全て、例えば、図16を参照して上記で開示されるように、再組み立てされた超音波医療装置と、医療装置の動作を制御するように構成された制御システム又は制御モジュールとの間に適切な電気的接続を形成するユーザによって開始されてもよい。
【0140】
医療装置を試験するための方法の一態様は、医療装置の構成要素の全てが再組み立て中に含まれているかどうかを判定するための方法を含み得る。例えば、ユーザが医療装置10を再組み立てし、導波管及び/又は超音波ブレードに誘導された機械的振動からユーザを隔離し得る保護シース80を省略することが可能であり得る。ユーザが保護シース80を使用せずに装置を使用しようとする場合、ユーザは、医療処置を適切に実行することからユーザを逸らせ得る振動を経験し得る。
【0141】
一態様では、保護シース80を省略するために医療装置を試験する方法は、圧電トランスデューサ(例えば、図6の616、又は図7の912a)の測定されたインピーダンスに基づいてもよい。
【0142】
理論に束縛されるものではないが、圧電トランスデューサの電気機械的連結係数は、格納された機械的エネルギーの、トランスデューサの入力電気エネルギーに対する比に関連し得ることが認識され得る。したがって、圧電トランスデューサに音響的に連結された機械的構成要素内の変化(トランスデューサ上の音響又は機械的負荷と見なされ得る)は、格納された機械的エネルギーにおける変化を通じて連結係数に影響を及ぼし得る。保護シース80は、導波管(例えば、図6の678及び図7の378)に誘導される振動を減衰させることができる。保護シース80が導波管内の振動を減衰させるために、保護シース80は、導波管に音響的に連結されてもよい。導波管が圧電トランスデューサに音響的に連結されているため、保護シース80は、同様に圧電トランスデューサに音響的に連結され得る。したがって、超音波医療装置の再組み立て時の保護シースの有無は、圧電トランスデューサの連結因子内の変化として検出され得る。
【0143】
やはり理論に束縛されるものではないが、連結係数はまた、圧電トランスデューサの共振周波数及び反共振周波数に関連し得る。圧電トランスデューサのインピーダンスは、共振周波数及び反共振周波数の関数であり得ることが更に理解され得る。このため、圧電トランスデューサの測定されたインピーダンスの変化は、圧電トランスデューサの連結係数内の変化を反映し得る。したがって、医療装置の再組み立て中の保護シース80の省略は、連結係数内の変化による圧電トランスデューサの測定されたインピーダンスの変化をもたらし得ることが認識され得る。
【0144】
一態様では、電気インピーダンスは、圧電トランスデューサにわたって測定された電圧の、超音波発生器によって圧電トランスデューサに供給される電流との比として、例えば、定電流条件下で公称共振周波数で計算され得る。いくつかの態様では、回路基板(例えば、図5の553)は、圧電トランスデューサの電圧、電流、又は電圧及び電流の両方のいずれかを測定するように構成された装置エレクトロニクスを組み込んでもよい。エレクトロニクスはまた、電流及び電圧測定値からインピーダンスを計算してもよい。代替的に、回路基板は、超音波信号発生器21及び/又は発生器コントローラ25に電圧、電流、及び計算されたインピーダンスのうちのいずれか1つ又は2つ以上を送信するように構成されたエレクトロニクスを含み得る。
【0145】
図17A図17Dは、圧電トランスデューサから測定され得る例示的な電圧及び電流グラフを図示する。図17A及び図17Bは、再組み立て中に保護シース80が適切に含まれている再組み立て医療装置用の圧電トランスデューサから得られ得る、電流対時間及び電圧対時間プロットをそれぞれ図示する。図17C及び図17Dは、再組み立て中に保護シース80が省略されている再組み立て医療装置用の圧電トランスデューサから得られ得る、電流対時間及び電圧対時間プロットをそれぞれ図示する。保護シースは、導波管の振動の機械的減衰を提供することによって、導波管を通じて機械的エネルギーを吸収する能力により、圧電トランスデューサにわたる測定電圧を低減することができることが認識され得る。
【0146】
図18Aは、医療装置が圧電トランスデューサのインピーダンス測定値に基づいて適切に再組み立てされない場合、ユーザが警告され得る方法1800aを図示するフローチャートである。医療装置のユーザは、限定されるものではないが、1つ又は2つ以上の構成要素を洗浄、滅菌、交換、及び/又は修復することを含む、任意のタイプのメンテナンスを提供するために、医療装置の全て又は一部を分解していてもよい。次いで、ユーザは、限定されるものではないが、クランプアーム、ジョーアセンブリ、往復管状作動部材、及びシャフトアセンブリを再組み立てすることを含む医療装置を再組み立て1815してもよい。
【0147】
ユーザが再組み立てされた超音波医療装置と制御システムとの間に適切な電気的接続を形成した後、制御システムは、ユーザに、トリガを完全に押下し、それによって、ジョーアセンブリを超音波ナイフの近位にクランプ1820することができる。ジョーアセンブリが、例えば、トリガセンサの出力からクランプされているという指標を受信する際、制御システムは、次いで発生器が圧電トランスデューサに電流を供給することを可能にすることによって、圧電トランスデューサを作動1825させ得る。試験方法中に圧電トランスデューサに供給される電流の量は、医療処置中に典型的に供給される電流未満であり得ることが理解され得る。一実施例では、圧電トランスデューサは、導波管に横方向の機械波を誘導することができる。別の実施例では、圧電トランスデューサは、導波管に非横方向の機械波を誘導することができる。電流は、試験中に所定の時間の間、印加され得る。
【0148】
発生器が圧電トランスデューサに作動電流を供給しながら、医療装置の1つ又は2つ以上の電気構成要素は、圧電トランスデューサのインピーダンスを測定1830することができる。インピーダンス値を測定するように構成されたかかるエレクトロニクスは、医療装置ハンドルアセンブリ、制御回路、又は発生器内に配設されてもよいことが理解され得る。電気構成要素及び/又は制御システム若しくはモジュールは、次いで、測定されたインピーダンス値が所定の許容限界内にあるかどうかを判定1835してもよい。測定されたインピーダンス値が所定の許容限界内にある場合、次いで制御回路は、ユーザに外科用装置が臨床処置において使用されることを許容する1840信号を提供し得る。かかる信号は、音響信号又は視覚信号を含んでもよい。オーディオ信号は、例えば、ユーザに警告するためのブザー又は他の音を含んでもよい。視覚信号は、照明されたLED(例えば、赤色LED、又は点滅LED)、若しくはテキスト表示を含んでもよい。
【0149】
測定されたインピーダンス値が所定の許容差限度内にない場合、制御回路は、次いでユーザに医療装置を分解及び再組み立てするための信号を提供してもよい。かかる信号は、音響信号又は視覚信号を含んでもよい。視覚信号は、テキスト表示を含んでもよい。一態様では、テキスト表示は、ユーザに装置を分解及び再組み立てすることを要求してもよい。別の態様では、テキスト表示は、ユーザが、不揃い又は欠落した構成要素をチェックすることを示唆してもよい。この態様の一例では、ディスプレイは、保護シースが再組み立てに含まれていることを保証するためにユーザが確認することを示唆してもよい。
【0150】
図18Bは、医療装置が、圧電トランスデューサの共振周波数の測定に基づいて、適切に再組み立てされない場合、ユーザが警告され得る方法1800bを図示するフローチャートである。医療装置のユーザは、限定されるものではないが、1つ又は2つ以上の構成要素を洗浄、滅菌、交換、及び/又は修復することを含む、任意のタイプのメンテナンスを提供するために、医療装置の全て又は一部を分解していてもよい。次いで、ユーザは、限定されるものではないが、クランプアーム、ジョーアセンブリ、往復管状作動部材、及びシャフトアセンブリを再組み立てすることを含む医療装置を再組み立て1815してもよい。
【0151】
ユーザが再組み立てされた超音波医療装置と制御システムとの間に適切な電気的接続を形成した後、制御システムは、ユーザに、トリガを完全に押下し、それによって、ジョーアセンブリを超音波ナイフの近位にクランプ1820することができる。ジョーアセンブリが、例えば、トリガセンサの出力からクランプされているという指標を受信する際、制御システムは、次いで発生器が圧電トランスデューサに電流を供給することを可能にすることによって、圧電トランスデューサを作動1825させ得る。試験方法中に圧電トランスデューサに供給される電流の量は、医療処置中に典型的に供給される電流未満であり得ることが理解され得る。一実施例では、圧電トランスデューサは、導波管に横方向の機械波を誘導することができる。別の実施例では、圧電トランスデューサは、導波管に非横方向の機械波を誘導することができる。電流は、試験中に所定の時間の間、印加され得る。
【0152】
発生器が圧電トランスデューサに作動電流を供給しながら、医療装置の1つ又は2つ以上の電気構成要素は、圧電トランスデューサの共振周波数を測定1832することができる。共振周波数を測定するように構成されたかかるエレクトロニクスは、医療装置ハンドルアセンブリ、制御回路、又は発生器内に配設されてもよいことが理解され得る。例えば、制御回路は、圧電トランスデューサに供給される電流の周波数掃引を生成するように発生器に指示するための命令を含むことができ、一方で付加的な電気構成要素が、周波数掃引中に圧電トランスデューサのインピーダンス値を測定する。共振周波数は、インピーダンス値が最小である周波数に対応し得ることが理解され得る。電気構成要素及び/又は制御システム若しくはモジュールは、次いで、共振周波数が所定の許容限界内にあるかどうかを判定1837してもよい。共振周波数が所定の許容限界内にある場合、制御回路は、ユーザに外科用装置が臨床処置において使用されることを許容する1840信号を提供し得る。かかる信号は、音響信号又は視覚信号を含んでもよい。オーディオ信号は、例えば、ユーザに警告するためのブザー又は他の音を含んでもよい。視覚信号は、照明されたLED(例えば、赤色LED、又は点滅LED)、若しくはテキスト表示を含んでもよい。
【0153】
共振周波数が所定の許容限界内にない場合、次いで制御回路は、ユーザに信号を提供して、医療装置を分解及び再組み立てしてもよい。かかる信号は、音響信号又は視覚信号を含んでもよい。視覚信号は、テキスト表示を含んでもよい。一態様では、テキスト表示は、ユーザに装置を分解及び再組み立てすることを要求してもよい。別の態様では、テキスト表示は、ユーザが、不揃い又は欠落した構成要素をチェックすることを示唆してもよい。この態様の一例では、ディスプレイは、ユーザが、導波管が圧電トランスデューサアセンブリに適切に連結されていることを保証するために確認することを示唆し得る。この態様の別の例では、ディスプレイは、ユーザが、超音波ブレードが導波管に適切に連結されていることを保証するために確認することを示唆してもよい。この態様の更に別の例では、ディスプレイは、超音波ブレードがクランプパッドに関して適切に離間していることを保証するためにユーザが確認することを示唆してもよい。
【0154】
圧電トランスデューサインピーダンス及び圧電トランスデューサ共振周波数は、同じ試験手順中に共に測定され得ることが認識され得る。
【0155】
図19は、医療装置が、医療装置の1つ又は2つ以上の構成要素の機械的運動のセンサから受信したデータに基づいて、適切に再組み立てされない場合、ユーザが警告され得る方法1900を図示するフローチャートである。上記で開示されたように、超音波医療装置は、医療装置の1つ又は2つ以上の機械的構成要素の運動を測定又は検出するように構成された多数のセンサのうちのいずれかを組み込むために製造1905されてもよい。装置の製造中、例えば、検証及び/又は検証プロセスの一部として、製造業者は、1つ又は2つ以上の不揮発性メモリ構成要素内に1つ又は2つ以上の許容限界値を記憶1910してもよい。1つ又は2つ以上の許容限界値は、センサのうちの1つ又は2つ以上から受信された値を表現してもよく、センサ値に基づいて、1つ又は2つ以上の機械的構成要素の正確な機能を示すことができる。正確な機能の値は、限定されるものではないが、正確な機械的進行、正確な機械的位置、及び正確に印加された機械的圧力を含むことができる。許容限界値はまた、製造業者によって認可された修復設備によって不揮発性メモリ装置にプログラムされてもよいことが理解され得る。次いで、ユーザは、製造業者又は認可された施設のいずれかから、新しい又は修復された医療装置を受容してもよい。
【0156】
医療装置のユーザは、限定されるものではないが、1つ又は2つ以上の構成要素を洗浄、滅菌、交換、及び/又は修復することを含む、任意のタイプのメンテナンスを提供するために、医療装置の全て又は一部を分解していてもよい。次いで、ユーザは、限定されるものではないが、クランプアーム、ジョーアセンブリ、往復管状作動部材、及びシャフトアセンブリを再組み立てすることを含む、医療装置を再組み立て1915してもよい。その後、臨床使用前に、ユーザは、医療装置を制御システム及び/又は装置発生器に取り付ける1920ことができる。このようにして、ユーザは、再組み立てされた超音波医療装置と制御システムとの間に適切な電気的接続を形成することができる。試験方法の一部として、制御システムは、不揮発性メモリから1つ又は2つ以上の許容限界値を取得1925し得る。
【0157】
制御システムは、ユーザがトリガを完全に押下し、それによって、ジョーアセンブリを超音波ナイフの近位にクランプすることを促す1930ことができる。一態様では、ジョーアセンブリが、例えば、トリガセンサの出力からクランプされているという指標を受信する際、制御システムは、次いで発生器が圧電トランスデューサに電流を供給することを可能にすることによって、圧電トランスデューサを作動させることができる。試験方法中に圧電トランスデューサに供給される電流の量は、医療処置中に典型的に供給される電流未満であり得ることが理解され得る。一実施例では、圧電トランスデューサは、導波管に横方向の機械波を誘導することができる。別の実施例では、圧電トランスデューサは、導波管に非横方向の機械波を誘導することができる。電流は、試験中に所定の時間の間、印加され得る。
【0158】
別の態様では、制御システムは、例えば、この試験方法の一部としてトリガセンサの出力からのジョーアセンブリがクランプされるという指標を受信すると、圧電トランスデューサを作動させなくてもよい。
【0159】
医療装置の1つ又は2つ以上の電気構成要素は、1つ又は2つ以上のセンサから得られた1つ又は2つ以上の値を測定1935することができる。かかるセンサエレクトロニクスは、医療装置ハンドルアセンブリ、制御回路、又は発生器内に配設されてもよいことが理解され得る。センサは、限定されるものではないが、正確な機械的進行、正確な機械的位置、及び正確に印加された機械的圧力を含み得る、正確な構成要素機能に対する値を測定するように構成され得る。1つの非限定的な実施例では、センサは、往復管状作動部材の変位を測定することができる。別の非限定的な実施例では、センサは、ばねスタックの変位を測定することができる。上記で開示されたように、かかるセンサは、限定されるものではないが、誘導センサ、抵抗センサ、磁気センサ、又は光学センサを含むことができる。
【0160】
次いで、電気構成要素及び/又は制御システム若しくはモジュールは、往復管状作動部材の測定された変位又は位置が、所定の許容限界内にあるかどうかを判定1940してもよい。代替的に、電気構成要素及び/又は制御システム若しくはモジュールは、次いで、ばねスタックの測定された変位又は位置が、所定の許容限界内にあるかどうかを判定1942してもよい。往復管状作動部材の測定された変位若しくは位置、又はばねスタックの測定された変位若しくは位置が、所定の許容限界内にある場合、次いで制御回路は、ユーザに、外科用装置が臨床処置において使用されることを許容する1950信号を提供し得る。かかる信号は、音響信号又は視覚信号を含んでもよい。オーディオ信号は、例えば、ユーザに警告するためのブザー又は他の音を含んでもよい。視覚信号は、照明されたLED(例えば、赤色LED、又は点滅LED)、若しくはテキスト表示を含んでもよい。
【0161】
往復管状作動部材の測定された変位若しくは位置、又はばねスタックの測定された変位若しくは位置が、所定の許容限界内にない場合、次いで制御回路は、臨床使用のためにユーザに、装置を拒絶1945する信号を提供することができる。制御回路は、装置が分解及び再組み立てされるべきであることを推奨する信号をユーザに更に提供してもよい。かかる信号は、音響信号又は視覚信号を含んでもよい。視覚信号は、テキスト表示を含んでもよい。一態様では、テキスト表示は、ユーザに装置を分解及び再組み立てすることを要求してもよい。別の態様では、テキスト表示は、ユーザが、ばねスタック及び/又は往復管状作動部材などの、不揃い又は欠落した構成要素をチェックすることを示唆してもよい。
【0162】
図20は、医療装置が、医療装置の1つ又は2つ以上の構成要素の機械的圧力のセンサから受信したデータに基づいて、適切に再組み立てされない場合、ユーザが警告され得る方法2000を図示するフローチャートである。上記で開示されたように、超音波医療装置は、医療装置の1つ又は2つ以上の機械的構成要素の運動を測定又は検出するように構成された多数のセンサのうちのいずれかを組み込むために製造されてもよい。装置の製造中、例えば、検証及び/又は検証プロセスの一部として、製造業者は、1つ又は2つ以上の不揮発性メモリ構成要素内に1つ又は2つ以上の許容限界値を記憶してもよい。1つ又は2つ以上の許容限界値は、センサのうちの1つ又は2つ以上から受信された値を表現してもよく、センサ値に基づいて、1つ又は2つ以上の機械的構成要素の正確な機能を示すことができる。正確な機能の値は、限定されるものではないが、正確な機械的進行、正確な機械的位置、及び正確に印加された機械的圧力を含むことができる。許容限界値はまた、製造業者によって認可された修復設備によって不揮発性メモリ装置にプログラムされてもよいことが理解され得る。次いで、ユーザは、製造業者又は認可された施設のいずれかから、新しい又は修復された医療装置を受容してもよい。
【0163】
医療装置のユーザは、限定されるものではないが、1つ又は2つ以上の構成要素を洗浄、滅菌、交換、及び/又は修復することを含む、任意のタイプのメンテナンスを提供するために、医療装置の全て又は一部を分解していてもよい。次いで、ユーザは、限定されるものではないが、クランプアーム、ジョーアセンブリ、往復管状作動部材、又はトリガアセンブリ連結部(例えば、図5の590)の任意の1つ又は2つ以上の構成要素を再組み立てすることを含む、医療装置を再組み立てしてもよい。その後、臨床使用前に、ユーザは、医療装置を制御システム及び/又は装置発生器に取り付けることができる。このようにして、ユーザは、再組み立てされた超音波医療装置と制御システムとの間に適切な電気的接続を形成することができる。試験方法の一部として、制御システムは、不揮発性メモリから1つ又は2つ以上の許容限界値を取得し得る。
【0164】
制御システムは、ユーザがトリガを完全に押下し、それによって、ジョーアセンブリを超音波ナイフの近位にクランプすることを促す2005ことができる。次いで、制御システムは、トリガの位置を測定するか、又はトリガが完全に圧縮されているかどうかを判定するように構成されたトリガセンサ(例えば、図5の532)からのセンサデータを受信してもよい。次いで、制御システムは、トリガが、トリガセンサによって提供される値に基づいて、完全に圧縮されているかどうかを判定2010してもよい。トリガセンサが、トリガが完全に圧縮されていないことを示す場合、制御システムは、ユーザに、トリガを完全に押下するように再度促す2005ことができる。
【0165】
トリガセンサが、トリガが完全に圧縮されていることを示す場合、制御システムは、次いで超音波ナイフに抗するジョーアセンブリのクランプ力を参照する力センサからのデータを受信2015してもよい。一非限定的な実施例では、クランプ力は、圧電ばね力センサの面間に発生する電圧に基づいて、判定されてもよい。非限定的な態様では、圧電ばね力センサは、ヨーク84とばねスタック578との間に配設された圧電ディスク575を備えてもよい(例えば、図5を参照)。圧電ばね力センサの面間の電圧は、圧電ばね力センサの圧縮によって発生し得る。
【0166】
超音波ナイフに抗するジョーアセンブリのクランプ力は、往復管状作動部材の運動によって付与される力に直接関連し得る(例えば、図4の58を参照)。往復管状作動部材の運動による力は、同様にして、ヨークアセンブリの運動から生じ得る(例えば、図5の84を参照)。ヨークアセンブリは、トリガアセンブリ連結部の作用を通じてトリガ32を押下するユーザによって及ぼされる力により、ヨークとばねスタックとの間に配設された圧電ディスクに圧縮力を印加することができる(例えば、図5の590を参照)。このため、超音波ナイフに抗するジョーアセンブリのクランプ力は、圧電ディスクに印加される圧縮力によって間接的に感知され得ることが理解され得る。
【0167】
上記で開示されたように、例えば、検証及び/又は検証プロセスの一部として、装置の製造中に、製造業者は、1つ又は2つ以上の不揮発性メモリ構成要素内に1つ又は2つ以上の許容限界値を記憶してもよい。1つ又は2つ以上の許容限界値は、圧電ばね力センサの面と、圧電ばね力センサに印加される圧力との間で発生する電圧に関する数学的モデルの値を表現し得る。かかる数学的モデルは、次いで、圧電ばね力センサの面とジョーアセンブリのクランプ力との間に発生する電圧に関することができる。
【0168】
電気構成要素及び/又は制御システム若しくはモジュールは、次いで、クランプ力が所定の許容限界内にあるかどうかを判定2020し得る。測定されたクランプ力が所定の許容限界内にある場合、制御回路は、次いで、ユーザに外科用装置が臨床処置において使用されることを許容する2025信号を提供し得る。かかる信号は、音響信号又は視覚信号を含んでもよい。オーディオ信号は、例えば、ユーザに警告するためのブザー又は他の音を含んでもよい。視覚信号は、照明されたLED(例えば、赤色LED、又は点滅LED)、若しくはテキスト表示を含んでもよい。
【0169】
クランプ力の測定は、ある期間にわたって、行われてもよい。ユーザがトリガを押下している間にクランプ力の測定を行うことができ、ユーザが測定中にトリガを一貫して押下し得ないことが認識され得る。ユーザの指は、測定中に屈曲及び/又は弛緩してもよく、したがって、測定されたクランプ力は、測定中に同じ量の力でトリガを押下するユーザの能力を反映し得る。結果的に、制御システムが、クランプ力が所定の許容限界内にないと判定2020する場合、かかる判定は、測定時間全体を通して、ユーザが一貫したクランプ力を維持することができないことに起因し得る。この試験測定のために、制御システムは、試験中にトリガを押下する所定の回数をユーザに促す2005ようにプログラムされてもよい。一非限定的な実施例では、トリガを押下するようにユーザが促される2005所定の回数は、3回を含み得る。他の非限定的な実施例では、トリガを押下するようにユーザが促される2005所定の回数は、1回、2回、3回、4回、5回、又は適用可能であると判定され得る、任意の回数を含んでもよい。
【0170】
図20に図示される態様では、制御システムは、ユーザが3つの力測定試験のためにトリガを押下しようと試行したかどうか判定2030してもよい。ユーザが、トリガを3回より少ない回数押下した場合、ユーザは、装置を検査し、新しいクランプ試験を試行するように促される2035ことができる。しかしながら、所定の数の力試験(例えば、3つのクランプ試験)後であっても、測定されたクランプ力が所定の許容限界内にない場合、次いで制御回路は、ユーザに臨床使用のために装置を拒絶する信号を提供し得る。例えば、制御信号は、装置を交換するようにユーザに促す2040ことができる。代替的に、制御信号は、ユーザに装置を分解及び再組み立てするように促すことができる。別の代替案では、制御信号は、ユーザに、付加的な試験、交換、及び/又は修復のために、製造業者によって認可された施設に装置を送付するように促すことができる。
【0171】
図21は、医療装置が、医療装置の1つ又は2つ以上の構成要素の機械的運動のセンサから受信したデータに基づいて、適切に再組み立てされない場合、ユーザが警告され得る方法2100を図示するフローチャートである。上記で開示されたように、超音波医療装置は、医療装置の1つ又は2つ以上の機械的構成要素の運動を測定又は検出するように構成された多数のセンサのうちのいずれかを組み込むために製造されてもよい。装置の製造中、例えば、検証及び/又は検証プロセスの一部として、製造業者は、1つ又は2つ以上の不揮発性メモリ構成要素内に1つ又は2つ以上の許容限界値を記憶してもよい。1つ又は2つ以上の許容限界値は、センサのうちの1つ又は2つ以上から受信された値を表現してもよく、センサ値に基づいて、1つ又は2つ以上の機械的構成要素の正確な機能を示すことができる。正確な機能の値は、限定されるものではないが、正確な機械的進行、正確な機械的位置、及び正確に印加された機械的圧力を含むことができる。許容限界値はまた、製造業者によって認可された修復設備によって不揮発性メモリ装置にプログラムされてもよいことが理解され得る。次いで、ユーザは、製造業者又は認可された施設のいずれかから、新しい又は修復された医療装置を受容してもよい。
【0172】
医療装置のユーザは、限定されるものではないが、1つ又は2つ以上の構成要素を洗浄、滅菌、交換、及び/又は修復することを含む、任意のタイプのメンテナンスを提供するために、医療装置の全て又は一部を分解していてもよい。次いで、ユーザは、限定されるものではないが、クランプアーム、ジョーアセンブリ、往復管状作動部材、又はトリガアセンブリ連結部(例えば、図5の590)の任意の1つ又は2つ以上の構成要素を再組み立てすることを含む、医療装置を再組み立てしてもよい。その後、臨床使用前に、ユーザは、医療装置を制御システム及び/又は装置発生器に接続2105してもよい。このようにして、ユーザは、再組み立てされた超音波医療装置と制御システムとの間に適切な電気的接続を形成することができる。試験方法の一部として、制御システムは、不揮発性メモリから1つ又は2つ以上の許容限界値を取得し得る。
【0173】
制御システムは、ユーザがトリガを完全に押下し、それによって、ジョーアセンブリを超音波ナイフの近位にクランプすることを促す2110ことができる。一態様では、ジョーアセンブリが、例えば、トリガセンサの出力からクランプされているという指標を受信する際、制御システムは、次いで発生器が圧電トランスデューサに電流を供給することを可能にすることによって、圧電トランスデューサを作動させることができる。試験方法中に圧電トランスデューサに供給される電流の量は、医療処置中に典型的に供給される電流未満であり得ることが理解され得る。一実施例では、圧電トランスデューサは、導波管に横方向の機械波を誘導することができる。別の実施例では、圧電トランスデューサは、導波管に非横方向の機械波を誘導することができる。電流は、試験中に所定の時間の間、印加され得る。
【0174】
別の態様では、制御システムは、例えば、この試験方法の一部としてトリガセンサの出力からのジョーアセンブリがクランプされるという指標を受信すると、圧電トランスデューサを作動させなくてもよい。
【0175】
医療装置の1つ又は2つ以上の電気構成要素は、ねじ付き管カラーの遠位フランジ(例えば、図10Aの572a)と、ねじ付き管カラーの近位フランジ(例えば、図10Aの572b)との間の距離を測定2115することができる。かかるセンサエレクトロニクスは、医療装置ハンドルアセンブリ、制御回路、又は発生器内に配設されてもよいことが理解され得る。一非限定的な実施例では、センサは、ねじ付き管カラーの遠位フランジ(例えば、図10Aの572a)と、ねじ付き管カラーの近位フランジ(例えば、図10Aの572b)との間の距離を測定してもよい。上記で開示されたように、かかるセンサは、限定されるものではないが、抵抗センサ、磁気センサ、又は光学センサを含むことができる。
【0176】
電気構成部品及び/又は制御システム若しくはモジュールは、次いで、ねじ付き管カラーの遠位フランジとねじ付き管カラーの近位フランジとの間の測定された距離が所定の許容限界内にあるかどうかを判定2120することができる。ねじ付き管カラーの遠位フランジとねじ付き管カラーの近位フランジとの間の測定された距離が所定の許容限界内にある場合、制御回路は、次いで、ユーザに外科用装置を臨床処置において使用することを許容する2125信号を提供し得る。かかる信号は、音響信号又は視覚信号を含んでもよい。オーディオ信号は、例えば、ユーザに警告するためのブザー又は他の音を含んでもよい。視覚信号は、照明されたLED(例えば、赤色LED、又は点滅LED)、若しくはテキスト表示を含んでもよい。
【0177】
ねじ付き管カラーの遠位フランジとねじ付き管カラーの近位フランジとの間の測定された距離が所定の許容限界内にない場合、制御回路は、次いで、ユーザに装置を臨床的に使用することを許容しない2130信号を提供し得る。制御回路は、装置が分解及び再組み立てされるべきであることを推奨する信号をユーザに更に提供してもよい。かかる信号は、音響信号又は視覚信号を含んでもよい。視覚信号は、テキスト表示を含んでもよい。一態様では、テキスト表示は、ユーザに装置を分解及び再組み立てすることを要求してもよい。別の態様では、テキスト表示は、ユーザが、ばねスタック、往復管状作動部材、ねじ付き管カラー、又はこれらの任意の構成要素などの、不揃い又は欠落した構成要素をチェックすることを示唆してもよい。
【0178】
図22は、医療装置が、実行前又はバーンインプロトコルの前に適切に再組み立てされない場合、ユーザが警告され得る方法2400を図示するフローチャートである。かかるプロトコルは、1つ又は2つ以上の構成要素の交換後、及び装置が医療処置において使用される前に、医療装置を試験するために使用され得る。いくつかの非限定的な態様では、交換された構成要素は、装置の使用前にバーンインされなければならない。バーンインプロトコルは、構成要素が定常状態機能又は形状に到達するまで、その機能を経時的に変化させ得る代替構成要素に対して必要とされ得る。一非限定的な例では、クランプアームアセンブリ(例えば、図3の64)のクランプパッド(例えば、図3の330)は、超音波ブレード(例えば、図3の66)とクランプアーム(例えば、図3の64)との間の組織と係合するように構成されてもよい。クランプパッドは、定常状態形状に到達するまで、使用中に超音波ブレードと最初に接触して摩耗し得る材料を含んでもよい。医療処置中にバーンインプロトコルを受けていない新しいクランプパッドの使用は、クランプパッドが定常状態の形状に到達するまで一貫していない結果をもたらし得ることが認識され得る。同様に、新しい超音波ブレード又はナイフの表面は、使用中に表面が変化しないことを保証するために、同様のバーンイン手順を必要とし得る。
【0179】
装置の製造中、例えば、検証及び/又は検証プロセスの一部として、製造業者は、1つ又は2つ以上の不揮発性メモリ構成要素内に1つ又は2つ以上の許容限界値を記憶してもよい。バーンインプロトコルの一態様では、1つ又は2つ以上の許容限界値は、構成要素が正常にバーンインされた後の医療装置構成要素のうちの1つ又は2つ以上の定常状態関数を示し得る値を表現し得る。別の態様では、1つ又は2つ以上の許容限界値は、バーンインプロトコルが進行する際に、構成要素関数内の既知の、測定された、又は予想される変化に対応し得る一連の値を表現し得る。許容限界値はまた、製造業者によって認可された修復設備によって不揮発性メモリ装置にプログラムされてもよいことが理解され得る。
【0180】
医療装置のユーザは、限定されるものではないが、1つ又は2つ以上の構成要素を洗浄、滅菌、交換、及び/又は修復することを含む、任意のタイプのメンテナンスを提供するために、医療装置の全て又は一部を分解していてもよい。次いで、ユーザは、限定されるものではないが、クランプアーム、超音波ブレード、導波管、又はクランプパッドを再組み立てすることを含む、医療装置を再組み立てすることができる。その後、臨床使用前に、ユーザは、医療装置を制御システム及び/又は装置発生器に取り付けることができる。このようにして、ユーザは、再組み立てされた超音波医療装置と制御システムとの間に適切な電気的接続を形成することができる。試験方法の一部として、制御システムは、不揮発性メモリから1つ又は2つ以上の許容限界値を取得し得る。
【0181】
医療装置が制御システムに接続された後、制御システムは、ユーザに、実行前プロトコルを開始するように促す2405ことができる。実行前プロトコルは、医療装置と関連付けられた任意の数の機械的及び/又は電気的機能を試験するために、自己試験において内蔵された任意の数の医療装置を含んでもよい。バーンインプロトコルは、初期実行前プロトコルの一部として開始2410されてもよい。バーンインプロトコルの間、ユーザは、トリガを完全に押下し、それによってジョーアセンブリを超音波ナイフの近位にクランプし、圧電トランスデューサを作動させるように促す2415ことができる。制御システムは、次いで圧電トランスデューサに電圧を提供してもよく、これが順に、導波管、最終的にはナイフブレードに機械的波を誘導することができる。圧電トランスデューサに印加される電圧は、医療処置中に通常供給される電圧未満となり得ることが認識され得る。
【0182】
システムは、このため、設定期間(バーンイン時間)の間、医療装置の圧電トランスデューサを作動2420させてもよい。いくつかの非限定的な実施例では、バーンイン時間は、約4秒であってもよい。かかるバーンイン時間の代替的な実施例は、限定されるものではないが、約2秒、約3秒、約4秒、約5秒、約10秒、又はエンドポイントを含む、それらの間の値、若しくは値の範囲を含むことができる。バーンイン時間全体にわたって、制御システムは、トリガの位置を測定するか、又はトリガが完全に圧縮されているかどうかを判定する際に、トリガセンサからのセンサデータを受信してもよい。次いで、制御システムは、トリガがバーンイン期間全体にわたって、完全に圧縮されたかどうか判定2425し得る。ユーザは、バーンイン時間全体にわたって、トリガを一貫して押下し得ないことが認識され得る。ユーザの指は、屈曲及び/又は弛緩し得、したがって、ユーザは、バーンイン時間全体の間にトリガを完全に押下しない場合がある。トリガセンサが、トリガが指定されたバーンイン期間全体にわたって、完全に圧縮されなかったことを示す場合、制御システムは、ユーザに、実行前プロトコルを再開するように促す2405ことができる。代替的な態様では、制御システムはまた、バーンインプロトコルが、トリガ圧縮の故障に起因して完了しなかったことをユーザに通知してもよい。かかる通知は、音声通知又は視覚通知(LEDの点灯若しくは点滅、又はスクリーンディスプレイ上のテキストメッセージなど)であってもよい。
【0183】
バーンイン時間全体にわたって、制御システムは、トリガセンサからのデータに加えて、医療装置の付加的な機能を参照するデータを受信してもよい。非限定的な一実施例では、制御システムは、圧電トランスデューサの作動中に発生器から電圧及び電流データを受信することができる。いくつかの態様では、制御システムは、1つ又は2つ以上の付加的な電子装置と共に、バーンイン期間中に圧電トランスデューサのインピーダンスを判定することができる。付加的に、発生器は、バーンイン時間中に圧電トランスデューサの作動周波数を掃引することができる。このようにして、制御システムは、圧電トランスデューサのインピーダンス、又はバーンイン時間全体にわたる圧電トランスデューサの共振周波数を測定することができる。
【0184】
図17及び図18を参照して上記で開示されたように、圧電トランスデューサの測定されたインピーダンス及び/又は共振周波数は、圧電トランスデューサの電気機械的連結係数に関し得る。電気機械的連結係数は、順に、例えば、クランプパッドなどの構成要素との接触からのトランスデューサ上に設置された音響負荷に関し得る。バーンインプロトコル中のクランプパッド及び/又は超音波ブレード上の摩耗は、トランスデューサ上の音響負荷において変化をもたらし得ることが理解され得る。バーンインの間、クランプパッドは、超音波ブレードによって着用状態に曝されてもよく、その結果、クランプパッドが、超音波ブレードに最適に接触する表面を有する。理論に束縛されるものではないが、クランプパッドの表面が超音波ブレードの運動に適合するので、クランプパッドは、超音波ブレードとのより良好な接触を形成し、このため圧電トランスデューサ上の音響負荷を増加させることができる。音響負荷の増加は、共振周波数の減少によって検出され得る電気機械的連結係数の増加をもたらし得る。
【0185】
バーンイン時間中、制御システムは、圧電トランスデューサの共振周波数内の変化を検出し、経時的な共振周波数のプロットの勾配(すなわち、単位時間当たりの共振周波数の変化)を監視2430することができる。次いで、制御システムは、バーンイン時間にわたる共振周波数のプロットの勾配が許容限界値の範囲内であるかどうかを判定2435してもよい。上記で開示されたように、許容限界値は、超音波医療装置内の不揮発性メモリ構成要素内に記憶され得る。いくつかの非限定的な例では、許容限界値は、単位時間当たりの共振周波数内の変化の最小値であってもよい。代替的に、許容限界値は、バーンインプロトコルが完了した後の共振周波数の定常状態値であってもよい。
【0186】
単位時間当たりの共振周波数の変化が許容限界値又は値の範囲内である場合、制御システムは、次いで、バーンインプロトコルが成功したこと、及び医療装置が臨床使用のために許容2440され得る信号をユーザに提供することができる。かかる信号は、音響信号又は視覚信号を含んでもよい。オーディオ信号は、例えば、ユーザに警告するためのブザー又は他の音を含んでもよい。視覚信号は、照明されたLED(例えば、点灯されたLED、又は点滅LED)、又はテキスト表示を含んでもよい。単位時間当たりの共振周波数における変化が許容限界値又は値の範囲内にない場合、次いで制御システムは、バーンインプロトコルが失敗したこと、及びユーザに実行前プロトコルを再開するように促す2405信号をユーザに提供することができる。ユーザが実行前プロトコルを再開するよう促され得る所定の最大回数が存在し得ることが理解され得る。別の態様では、制御回路は、ユーザが実行前プロトコルを再開する回数を追跡してもよく、実行前プロトコルの再開の最大回数を超える場合に、ユーザに、医療装置を分解及び再組み立てすることを通知することができる。
【0187】
図23は、医療装置が、医療装置の1つ又は2つ以上の構成要素の機械的運動のセンサから受信したデータに基づいて、適切に再組み立てされない場合、ユーザが警告され得る方法2500を図示するフローチャートである。上記で開示されたように、超音波医療装置は、医療装置の1つ又は2つ以上の機械的構成要素の運動を測定又は検出するように構成された多数のセンサのうちのいずれかを組み込むために製造されてもよい。装置の製造中、例えば、検証及び/又は検証プロセスの一部として、製造業者は、1つ又は2つ以上の不揮発性メモリ構成要素内に1つ又は2つ以上の許容限界値を記憶してもよい。許容限界値はまた、製造業者によって認可された修復設備によって不揮発性メモリ装置にプログラムされてもよいことが理解され得る。次いで、ユーザは、製造業者又は認可された施設のいずれかから、新しい又は修復された医療装置を受容してもよい。
【0188】
1つ又は2つ以上の許容限界値は、センサのうちの1つ又は2つ以上から受信された値を表現してもよく、センサ値に基づいて、1つ又は2つ以上の機械的構成要素の正確な機能を示すことができる。正確な機能のための値は、限定されるものではないが、正確な機械的運動又は正確な機械的位置を含むことができる。いくつかの態様では、構成要素の正確な機能は、構成要素の適切な機械的一体性を含み得る。非限定的な実施例として、導波管及び/又は超音波ブレードの機械的一体性は、適切なサイズ及び/又は形状を有し、ピット、亀裂、又はひび割れなどの物理的欠陥を欠く導波管及び/又は超音波ブレードを指し得る。
【0189】
医療装置のユーザは、限定されるものではないが、1つ又は2つ以上の構成要素を洗浄、滅菌、交換、及び/又は修復することを含む、任意のタイプのメンテナンスを提供するために、医療装置の全て又は一部を分解していてもよい。次いで、ユーザは、限定されるものではないが、導波管に機械的に連結された圧電トランスデューサ、導波管、又は超音波ブレードを再組み立てすることを含むことができる。その後、臨床使用前に、ユーザは、医療装置を制御システム及び/又は装置発生器に接続してもよい。このようにして、ユーザは、再組み立てされた超音波医療装置と制御システムとの間に適切な電気的接続を形成することができる。試験方法の一部として、制御システムは、不揮発性メモリから1つ又は2つ以上の許容限界値を取得し得る。
【0190】
制御システムは、ユーザに、実行前プロトコルを開始するように促す2505ことができる。一態様では、ユーザは、トリガを押下し、それによって、超音波ブレードの近位にジョーアセンブリをクランプするように促され得る。ジョーアセンブリが、例えば、トリガセンサの出力からクランプされているという指標を受信する際、制御システムは、次いで発生器が圧電トランスデューサに電流を供給することを可能にすることによって、圧電トランスデューサを作動させることができる。別の態様では、ユーザは、超音波ブレードの近位にジョーアセンブリをクランプするために、トリガを押下するように促されない。かかる態様は、例えば、クランプジョーアセンブリを欠く超音波医療装置に適切であり得る。かかる実行前プロトコルでは、ユーザが実行前プロトコルを開始するように促された2505後、制御システムは、1つ又は2つ以上の圧電トランスデューサを作動2510させてもよく、制御システムは、発生器が1つ又は2つ以上の圧電トランスデューサに電流を供給することを可能にし得る。試験方法中に1つ又は2つ以上の圧電トランスデューサに供給される電流の量は、医療処置中に典型的に供給される電流未満であり得ることが理解され得る。
【0191】
実行前プロトコルの一例は、図9を参照して上記で開示されるように、複数の圧電トランスデューサを備える超音波医療装置と共に使用され得る。図9は、導波管が、第1の側面上の第1のトランスデューサと、及び第2のかつ反対側の側面上の第2のトランスデューサと、機械的に連結される態様を示す。更に、第1のトランスデューサは、第1のトランスデューサプレートの第1の平面アレイを備えてもよく、第2のトランスデューサは、第2のトランスデューサプレートの第2の平面アレイを備えてもよい。図9に示されるように、第1のトランスデューサは、番号1、2、3、及び4によって示される第1のトランスデューサプレートの第1の平面アレイを備えてもよい。第2のトランスデューサは、括弧内の数字(5)、(6)、(7)、及び(8)によって示される第2のトランスデューサプレートの第2の平面アレイを備えてもよい。
【0192】
図9に示されるす各トランスデューサ又はトランスデューサプレートは、個別に作動されてもよい。いくつかの態様では、各トランスデューサ又はトランスデューサプレートは、個々の超音波信号発生器が音響アセンブリと電気通信する共通の接地を有する、別個の超音波信号発生器によって作動され得る。かかる態様では、各トランスデューサ又はトランスデューサプレートは、別個の電気信号によって作動され得る。いくつかの実施例では、別個の電気信号の電気的特性は、同じであってもよく、例えば、同じ振幅、周波数、及び位相を有する。代替的な実施例では、別個の電気信号の電気的特性は、振幅、周波数、及び位相のうちの1つ又は2つ以上で異なってもよい。代替的な態様では、各トランスデューサ又はトランスデューサプレートは、同じ超音波信号発生器によって作動されてもよいが、1つ又は2つ以上のトランスデューサ作動スイッチによって別個に作動可能であってもよい。かかるスイッチは、超音波信号の第1の極性を1組のトランスデューサ又はトランスデューサプレートに指向し、かつ超音波信号の第2の極性を第2の組のトランスデューサ又はトランスデューサプレートに指向することができる。
【0193】
更に、図9に関して上記で開示されたように、トランスデューサ又はトランスデューサプレートの切り替え式の作動は、単一の横方向の定在機械波よりも複雑な外科用ツールの振動パターンをもたらし得る。かかる複雑な機械的波は、超音波医療装置のエンドエフェクタに複雑な移動を付与するために使用され得る。例えば、図9に示される態様に関して、トランスデューサプレート1、2、(5)、及び(6)が、第1の極性超音波信号で作動され、一方でトランスデューサプレート3、4、(7)、及び(8)が、第2のかつ対向する極性超音波信号で作動される場合、主に横方向のフラッピング運動が、エンドエフェクタ内で誘導され得る。トランスデューサプレート1、(5)、3、及び(7)が、第1の極性超音波信号で作動され、一方でトランスデューサプレート2、(6)、4、及び(8)が、第2のかつ対向する極性超音波信号で作動される場合、主に横方向のフッキング運動が、エンドエフェクタ内で誘導され得る。トランスデューサプレート1、(7)、2、及び(8)が、第1の極性超音波信号で作動され、一方でトランスデューサプレート3、(5)、4、及び(6)が、第2のかつ対向する極性超音波信号で作動される場合、主にねじれ運動が、エンドエフェクタ内で誘導され得る。トランスデューサプレート1、(7)、4、及び(6)が、第1の極性超音波信号で作動され、一方でトランスデューサプレート(5)、3、2、及び(8)が、第2のかつ対向する極性超音波信号で作動される場合、ねじれ並びに横方向運動が、エンドエフェクタ内で誘導され得る。更なる運動は、トランスデューサプレートの他の群の作動を通して達成され得る。代替的に、各圧電トランスデューサ又はトランスデューサプレートは、個々に作動されてもよい。
【0194】
図9に関して上記で開示されたように圧電トランスデューサを備える超音波医療装置に関して、実行前プロトコルは、制御システムが、導波管及び/又は超音波ブレード内の様々な運動のいずれかを誘導するために、複数の圧電トランスデューサ若しくはトランスデューサプレートのうちの任意の1つ又は2つ以上、又はかかる作動の任意のシーケンスを作動2510させるための制御システムに対する命令を含んでもよい。このため、上記で開示されたように、実行前プロトコルは、導波管及び超音波ブレード内のねじり運動を誘導するためにトランスデューサプレートを作動させる命令を含んでもよい。実行前プロトコルは、導波管及び超音波ブレード内のフラッピング運動を誘導するために、トランスデューサプレートを作動させる命令を含んでもよい。実行前プロトコルは、導波管及び超音波ブレード内のフッキング運動を誘導するために、トランスデューサプレートを作動させる命令を含んでもよい。実行前プロトコルは、導波管及び/又は超音波ブレード内の任意の1つ又は2つ以上の運動を誘導するために必要な、トランスデューサプレートの作動の任意のシーケンス又は複数のシーケンスを含んでもよい。
【0195】
任意の1組のトランスデューサプレートの作動2510中、制御システムは、導波管及び/又は超音波ブレード機能並びに/若しくは性能を示す1つ又は2つ以上の信号を測定2515することができる。一非限定的な実施例では、超音波ブレード性能の測定2515は、トランスデューサプレートのインピーダンス測定に基づいてもよい。上記で開示されたように、インピーダンス測定は、導波管及び/又は超音波ブレードが機械的エネルギーを格納する能力に関し得る、電気機械的連結定数に関することができる。任意の機械的欠陥が導波管、超音波ブレード、又は超音波ブレードと導波管の連結において見出された場合、機械エネルギーを格納する導波管及び/又は超音波ブレードの能力が、変更され得る。別の非限定的な実施例では、超音波ブレード性能の測定2515は、トランスデューサプレートの共振周波数の測定に基づいてもよい。上記で開示されたように、共振周波数は、導波管及び/又は超音波ブレードが機械的エネルギーを格納する能力に関し得る、電気機械的連結定数に関することができる。更に別の非限定的な実施例では、超音波ブレード性能の測定2515は、圧電プレートの作動中の導波管及び/又は超音波ブレードの変位の光学測定に基づいてもよい。更に別の非限定的な実施例では、超音波ブレード性能の測定2515は、導波管及び/又は超音波ブレードがソレノイド検出システム内に配設される、圧電プレートの作動中の導波管及び/又は超音波ブレードの変位の誘導測定に基づいてもよい。かかる誘導性の測定は、ソレノイド内の振動リードの運動に基づいてもよい。導波管及び/又は超音波ブレードの運動の付加的な感知機構は、本明細書に明示的に開示されていないが、1つ又は2つ以上の圧電トランスデューサ又はトランスデューサプレートの作動中の導波管及び/又は超音波ブレードの機能並びに/若しくは性能を測定するために使用されてもよい。制御システムは、1つ又は2つ以上の圧電トランスデューサ又はトランスデューサプレートの任意の作動中に、導波管及び/又は超音波ブレードの機能並びに/若しくは性能の測定値を記憶するための命令を含んでもよい。
【0196】
次いで、制御システムは、圧電トランスデューサ及び/又はトランスデューサプレートセグメントの全てが作動されたかどうかを判定2520し得る。この判定は、導波管及び/又は超音波ブレード内の1つ又は2つ以上の運動を誘導するために必要とされるトランスデューサプレート作動のシーケンスの全てが実行されたかどうかを判定することを含み得る。制御システム内にプログラムされたトランスデューサプレート作動のシーケンスの全てが実行されていない場合、コントローラは、次いで次のプレート作動のシーケンスを作動2510してもよい。
【0197】
制御システム内にプログラムされたトランスデューサプレート作動のシーケンスの全てが実行された場合、コントローラは、次いで測定されたブレード性能が所定の許容差限度内にあるかどうか判定2525することができ、次いで制御回路は、外科用装置を臨床処置において使用することを許容する2535信号をユーザに提供し得る。かかる信号は、音響信号又は視覚信号を含んでもよい。オーディオ信号は、例えば、ユーザに警告するためのブザー又は他の音を含んでもよい。視覚信号は、照明されたLED(例えば、赤色LED、又は点滅LED)、若しくはテキスト表示を含んでもよい。
【0198】
代替的に、測定されたブレード性能が所定の許容限界内にない場合、制御回路は、次いで、ユーザに臨床処置において外科用装置を使用しない信号を提供してもよい。かかる信号は、音響信号又は視覚信号を含んでもよい。オーディオ信号は、例えば、ユーザに警告するためのブザー又は他の音を含んでもよい。視覚信号は、照明されたLED(例えば、赤色LED、又は点滅LED)、若しくはテキスト表示を含んでもよい。一非限定的な態様では、制御回路は、超音波ブレード、導波管、又は超音波ブレード及び導波管の両方を交換するようにユーザに促す2530ことができる。
【0199】
上記で開示されたように、超音波医療装置は、医療処置の過程中、生物学的材料で汚染され得る。いくつかの態様では、付着汚れは、患者と接触している超音波医療装置の部分に付着する、患者からの組織又は流体を含み得る。いくつかの実施例では、組織又は流体は、超音波医療装置の端部上で観察可能であり得る。かかる実施例では、超音波医療装置の端部は、処置中に容易に洗浄され得る。しかしながら、いくつかの実施例では、組織又は流体は、細長シャフトアセンブリの内部内に蓄積し得、容易に観察できない場合がある。例えば、組織又は流体は、導波管又は超音波ブレードに接触する場合がある。導波管及び/又は超音波ブレードに接触するかかる組織又は流体は、内部に誘導される機械的振動を低減させることがあることが認識され得る。その結果、超音波ブレードの運動が、蓄積された組織又は流体により妨げられる場合がある。
【0200】
図24は、組織及び/又は流体材料2290が、細長いシャフトアセンブリ2256内に蓄積され、導波管2278に接触し、超音波ブレード2266が適切に動作することを潜在的に防止している、超音波医療装置の一態様を図示する。組織を超音波ブレードに抗してクランプして、組織を切断することを許容するように構成された、ジョー又はクランプアームアセンブリ(例えば、図3の64)を含む、超音波医療装置の多くの態様が開示されている。しかしながら、超音波医療装置の代替的な態様は、クランプアーム又はジョーのない超音波ブレードを含んでもよい。図24は、かかる装置を図示する。
【0201】
組織及び/又は流体材料2290がかかる医療装置の細長いシャフトアセンブリ2256内に蓄積されたかどうかを判定するための方法は、超音波医療装置の導電性導波管2278から、装置の細長いシャフトの導電性及び接地された内面2269に流れ得る電流を測定することに基づいてもよい。例えば、導電性導波管2278は、電流源に電気的に連結された第1の接点2240に電気的に連結されてもよい。同様に、細長いシャフトアセンブリ2256の導電性内面2269は、第2の接点2242に電気的に連結されてもよく、これは、順に電気接地に電気的に連結されて、電流を受容することができる。
【0202】
理論に束縛されるものではないが、生物学的組織又は流体(又は任意の水性流体)が、電流を伝導し得ることが認識され得る。このため、導電性導波管2278から超音波医療装置の導電性内面2269に流れる電流は、水、生物学的流体、又は生物学的組織2290などの導電性生物学的材料が、細長シャフトアセンブリ2256の導電性内面2269上に配設され、導電性導波管2278に電気的に接触し得ることの指標であり得る。
【0203】
医療装置の遠位端における組織及び/又は流体2290の蓄積は、ユーザによって容易に観察され得、このため、ユーザは、医療処置中に観察された材料を除去することができることを理解されたい。しかしながら、細長シャフトアセンブリ2256の内部に堆積された材料2290は、容易に観察可能でない場合があり、このため、ユーザは、かかる材料2290が蓄積したことを認識しない可能性がある。したがって、このような医療装置内の材料2290の蓄積を検出するための電気的方法は、方法が容易に観察可能な材料に対する偽陽性指標を発行することを防止する特徴を必要とし得る。
【0204】
一非限定的な実施例では、細長いシャフト2256は、細長いシャフトの内側遠位端に部分的に配設され得る非導電性材料のオーバーモールドを含んでもよい。電気絶縁オーバーモールド材料の内部縁部2270は、細長いシャフト2256の遠位縁部から近位方向に延在してもよい。電気絶縁オーバーモールド材料の内部縁部2270の近位の導電性内面2269の部分は、コーティングされず、したがって導電性である。
【0205】
同様に、超音波ナイフ2266は、導電性材料を含んでもよく、導電性導波管2278に電気的に連結されてもよい。超音波ナイフ2266はまた、超音波ナイフ2266の遠位端から近位方向に延在する電気絶縁コーティング2267を備えてもよい。一非限定的な実施例では、超音波ナイフ2266上の絶縁コーティング2267の近位縁部2279は、細長いシャフト2256の電気絶縁オーバーモールド材料の内部縁部2270の遠位に配設されてもよい。
【0206】
このため、超音波医療装置の遠位端に配設された任意の蓄積された材料は、医療装置のユーザに容易に視認可能であり、電気絶縁材料(オーバーモールド又は超音波ナイフコーティング2267のいずれか)と接触することができ、したがって電流を伝導することができない。しかしながら、細長いシャフト2256の内部により近位に配設された材料2290は、導電性導波管2278及び細長いシャフト2256の導電性内面2269の両方に接触してもよい。このようにして、細長いシャフト2256内の材料2290の存在を判定するための方法は、導電性導波管2278と医療装置の導電性内面2269との間の電流の流れの測定に基づいてもよい。
【0207】
図25は、図24に図示されるような医療装置の細長いシャフトアセンブリの内部に生物学的材料又は流体が蓄積された場合にユーザが警告され得る方法2300を図示するフローチャートである。超音波医療装置は、導電性導波管と医療装置の細長いシャフトの導電性及び接地された内面との間の電流の流れを測定するように構成された多数のセンサのうちのいずれかを組み込むように製造されてもよい。装置の製造中、例えば、検証及び/又は検証プロセスの一部として、製造業者は、1つ又は2つ以上の不揮発性メモリ構成要素内に1つ又は2つ以上の許容限界値を記憶してもよい。
【0208】
上記で開示されたように、医療装置の細長いシャフト内に蓄積された材料は、導電性導波管と細長いシャフトの電気的に接地された内面との間の電流の流れをもたらし得る。許容限界値は、最小電流流量値を含んでもよい。最小電流流量を超えて測定された電流流量は、細長シャフトアセンブリ内に蓄積された材料の指標であり得る。許容限界値はまた、製造業者によって認可された修復設備によって不揮発性メモリ装置にプログラムされてもよいことが理解され得る。
【0209】
医療装置のユーザは、限定されるものではないが、1つ又は2つ以上の構成要素を洗浄、滅菌、交換、及び/又は修復することを含む、任意のタイプのメンテナンスを提供するために、医療装置の全て又は一部を分解していてもよい。次いで、ユーザは、限定されるものではないが、クランプアーム、ジョーアセンブリ、導波管、又は超音波ナイフを再組み立てすることを含む、医療装置の構成要素を接続2310してもよい。その後、臨床使用前に、ユーザは、医療装置を制御システム及び/又は装置発生器に接続してもよい。このようにして、ユーザは、再組み立てされた超音波医療装置と制御システムとの間に適切な電気的接続を形成することができる。試験方法の一部として、制御システムは、不揮発性メモリから1つ又は2つ以上の許容限界値を取得し得る。
【0210】
制御システムは、装置が患者と接触していない間に、医療装置の導電性導波管に電気的に連結された電流の供給源を作動するように、ユーザに促す2315ことができる。いくつかの態様では、医療装置は、ユーザによって保持され得、そのため医療装置の遠位端が空気中にある。医療装置は、電流源を作動するように構成された医療装置のハンドル上のユーザ操作制御部を含み得ることが理解され得る。電流は、試験中に所定の時間の間、印加され得る。一態様では、電流源は、医療装置のハンドルアセンブリ内に配設されてもよい。別の態様では、電流源は、ハンドルの外部の構成要素、例えば、電力発生器内に配設されてもよい。
【0211】
医療装置の1つ又は2つ以上の電気構成要素は、導電性導波管から細長いシャフトアセンブリの接地された内側導電表面に通過する電流を測定2320することができる。かかるセンサエレクトロニクスは、医療装置ハンドルアセンブリ、制御回路、又は発生器内に配設されてもよいことが理解され得る。電流を測定2320するように構成された電気構成部品は、限定されるものではないが、抵抗器、コンデンサ、インダクタ、並びに増幅器及びコンパレータなどの集積回路を含む、任意のかかる電気構成要素を備え得る。
【0212】
次いで、電気構成要素及び/又は制御システム若しくはモジュールは、導電性導波管と細長シャフトアセンブリの接地された導電性内面との間の測定された電流が所定の許容限界を超えるかどうかを判定2325してもよい。測定された電流流量が所定の許容限界未満である場合、制御回路は、次いで、ユーザに外科用装置を臨床処置において使用することを許容する2330信号を提供し得る。かかる信号は、音響信号又は視覚信号を含んでもよい。オーディオ信号は、例えば、ユーザに警告するためのブザー又は他の音を含んでもよい。視覚信号は、照明されたLED(例えば、赤色LED、又は点滅LED)、若しくはテキスト表示を含んでもよい。
【0213】
測定された電流の流れが所定の許容限界よりも大きい場合、制御回路は、次いで、医療装置を分解して、超音波ブレード及び/又は導電性導波管を再清浄及び/又は再滅菌するようにユーザに促す2335ことができる。制御回路は、ユーザに医療装置を再清浄及び/又は再滅菌するように促す任意の信号を発行してもよい。かかる信号は、音響信号又は視覚信号を含んでもよい。視覚信号は、テキスト表示を含んでもよい。
【0214】
ユーザによって組み立てられ、又は再組み立てされている、医療装置が、医療処置中に使用するための受容可能な状態であるかどうかを判定するための方法に関し得る超音波医療装置のための多数の特徴が、上記で開示される。特定の特徴が、特定の装置を参照して開示されているが、かかる特徴及び参照される装置は、上記で開示された態様に限定されないことが認識され得る。
【0215】
超音波医療装置の分解及び再組み立ては、医療装置全体又は医療装置の1つ又は2つ以上の部分の分解及び再組み立てを含み得る。ユーザによって分解及び再組み立てされる1つ又は2つ以上の部品は、1つ又は2つ以上の別個の部品及び/又は1つ又は2つ以上の部品の部分組み立てを含んでもよい。1つ又は2つ以上の部分組み立ては、1つ又は2つ以上の構成部品に更に分解及び再組み立てされてもよい。ユーザによって分解及び再組み立てされる1つ又は2つ以上の部品は、1つ又は2つ以上の機械的部品、1つ又は2つ以上の電気機械部品、1つ又は2つ以上の電気部品、又はこれらの任意の組み合わせ、若しくは複数の組み合わせを含んでもよい。分解及び再組み立ては、1つ又は2つ以上のツールを使用することを通して、任意の適切な手段によって達成され得る。代替的に、分解及び再組み立ては、任意のツールを必要とせずに手で達成されてもよい。
【0216】
超音波医療装置は、導波管に機械的に連結された1つ又は2つ以上の圧電トランスデューサを含み得る。圧電トランスデューサは、導波管に対して任意の数、タイプ、又は配置を含み得る。圧電トランスデューサは、限定されるものではないが、D31モード及びD33モードを含む、超音波機械波を導波管に付与するように構成された任意の機械モードで動作することができる。1つ又は2つ以上の圧電トランスデューサは、例えば、接着剤によって、導波管に機械的に固定され得る。代替的に、1つ又は2つ以上の圧電トランスデューサは、圧電トランスデューサと、超音波機械波を導波管に方向付けるように構成された付加的な構成要素を備える、圧電トランスデューサアセンブリに組み込まれてもよい。かかる圧電トランスデューサアセンブリは、ユーザによって分解及び再組み立てするように構成され得る。圧電トランスデューサアセンブリは、導波管に可逆的に機械的に連結され得る。
【0217】
導波管は、順に、超音波ナイフ又はブレードに機械的に連結されてもよい。かかる機械的連結は、超音波機械波が導波管から超音波ナイフ又はブレードに付与されることを許容するように構成された任意の機械的連結を含んでもよい。いくつかの態様では、導波管及び超音波ナイフ又はブレードは、限定されるものではないが、溶接、スタッド、又は接着剤を含む任意の機械的手段を通して機械的に連結され得る別個の構成要素を含んでもよい。いくつかの代替的な態様では、導波管及び超音波ナイフ又はブレードは、単一の構成要素を含んでもよい。
【0218】
いくつかの態様では、超音波医療装置は、切断のために超音波ナイフ又はブレードに近位の組織片をもたらすように構成された、ジョーアセンブリ又はクランプを含み得る。ジョーアセンブリ又はクランプは、往復直線又は軸方向に移動する1つ又は2つ以上の構成要素によって作動されてもよい。上記に開示された態様は、外側シャフトアセンブリ内に配設され、かつ外側シャフトアセンブリと同軸に配設された往復管構成要素に関するが、任意の直線的に往復する構成要素又は複数の構成要素が、ジョーアセンブリ又はクランプを作動させるために使用され得ることが理解され得る。ジョーアセンブリ又はクランプを作動させるために使用され得る直線的に往復する構成要素の代替例は、限定されるものではないが、往復ロッド、1つ又は2つ以上の往復ワイヤ、及び1つ又は2つ以上の往復バンドを含むことができる。このため、往復管構成要素の直線変位を検出及び/又は測定するために使用され得る上記で開示されたセンサは、ジョーアセンブリ又はクランプを作動させるように構成され得る任意の他の直線的に往復する構成要素又は複数の構成要素の直線変位を検出及び/又は測定するために等しく使用され得る。上記で開示されたもの以外の他のセンサは、ジョーアセンブリ又はクランプを作動させるための1つ又は2つ以上の代替的な直線的に往復する構成要素を含む超音波医療装置内に組み込まれてもよいことが認識され得る。
【0219】
上記で開示された態様では、往復管構成要素の運動は、トリガアセンブリ連結部を備える多数の機械的構成要素を介し、ユーザによるトリガの圧縮によって方向付けられる。上記で開示された態様では、トリガの圧縮は、往復管構成要素を近位方向に移動させ、それによってジョーアセンブリ又はクランプが、超音波ナイフ又はブレードの近位に組織をもたらすようにさせる。代替的な態様では、トリガの圧縮は、往復管構成要素を遠位方向に移動させ、それによってジョーアセンブリ又はクランプが、超音波ナイフ又はブレードの近位に組織をもたらすようにさせる。好適なトリガアセンブリ連結部は、トリガの圧縮時にかかる遠位方向の運動を引き起こすために含まれてもよい。
【0220】
トリガの圧縮時に、1つ又は2つ以上のばねアセンブリが、機械的エネルギーを格納するように配設されてもよい。トリガの圧縮が取り除かれると、1つ又は2つ以上のばねアセンブリ内に格納された機械的エネルギーは、往復管アセンブリの位置を初期位置に復元するように動作してもよい。上記の態様では、かかるばねアセンブリは、往復カラーの遠位フランジと近位フランジとの間に配設されたばねスタックを含んでもよい。かかるばねスタックは、図5に図示されるように、波形ばねを備えてもよい。代替的なばねアセンブリは、往復管アセンブリの位置を初期位置に復元するように構成された構成要素のうちのいずれかの間に配設されてもよい。かかるばねの付加的な実施例は、限定されるものではないが、つる巻きばね、板ばね、及びうず巻ばねを含み得る。ばねの変位若しくはばね内に格納された復元力の量を検出及び/又は測定するために使用され得る上記で開示されたセンサは、ばねの変位又は任意の代替的なばねアセンブリのためのばね内に格納されたばねの変位若しくは復元力の量を検出及び/又は測定するため等しく使用することができる。上記で開示されたもの以外の他のセンサは、往復管アセンブリを初期位置に復元するように配設された1つ又は2つ以上の代替的なばねアセンブリを含む、超音波医療装置内に組み込まれてもよいことが認識され得る。
【0221】
更に、いくつかの他の態様では、超音波医療装置は、切断のために超音波ナイフ又はブレードに近位の組織片をもたらすように構成されたジョーアセンブリ又はクランプを欠いていてもよい。したがって、かかる超音波医療装置は、ジョーアセンブリ又はクランプを移動させるように構成された構成要素を欠く場合があり、同様に、かかる構成要素の変位を検出及び/又は測定するように構成されたセンサを含まない場合がある。
【0222】
再組み立てされた医療装置の試験又はバーンインのための方法は、完全に自動化されても、又は部分的に自動化されてもよい。完全自動試験方法は、装置ユーザが、医療装置のハンドル内、又は医療装置コントローラ内に組み込まれたスイッチ又は他の制御装置を作動させた後、作動させることができる。別の態様では、完全自動試験方法は、装置電源投入時に作動されてもよい。別の態様では、部分的に自動化された試験方法は、ジョーアセンブリを作動させるためにトリガを圧縮することなど、ユーザの一部に付加的な動作を必要とし得る。
【0223】
上述の説明において様々な詳細が記載されてきたが、電気信号波形及び外科用装置をデジタル的に生成するための発生器を動作させる技術の様々な態様が、これらの特定の詳細なしに実行され得ることが理解されよう。本明細書に記載される要素(例えば、動作)、デバイス、目的、及びそれらに伴う考察は、構想を明らかにするための例として使用され、様々な構成の修正が想到されることが、当業者には認識されよう。結果として、本明細書で使用されるとき、説明した特定の例及びそれらに伴う考察は、より一般的な種類を代表することを意図したものである。一般に、特定の代表例を用いることは、そのクラスを代表することを意図したものであり、また、特定の要素(例えば、動作)、デバイス、及び目的を含めないことは、限定と見なされるべきではない。
【0224】
更に、いくつかの形態が例示され、説明されてきたが、添付の特許請求の範囲をそのような詳述に制限又は限定することは、本出願人が意図するところではない。多数の修正、変形、変化、置換、組み合わせ及びこれらの形態の等価物を実装することができ、本開示の範囲から逸脱することなく当業者により想到されるであろう。更に、記述する形態に関連した各要素の構造は、その要素によって行われる機能を提供するための手段として代替的に説明することができる。また、材料が特定の構成要素に関して開示されているが、他の材料が使用されてもよい。したがって、上記の説明文及び添付の特許請求の範囲は、全てのそのような修正、組み合わせ、及び変形を、開示される形態の範囲に含まれるものとして網羅することを意図としたものである点を理解されたい。添付の特許請求の範囲は、全てのそのような修正、変形、変化、置換、修正、及び等価物を網羅することを意図する。
【0225】
本開示の簡潔性及び明白性のために、前述の開示の選択された態様は、詳細ではなくブロック図形態で図示されてきた。本明細書に提供される詳細な説明の一部は、1つ若しくは2つ以上のコンピュータメモリ又は1つ若しくは2つ以上のデータ記憶デバイス(例えば、フロッピーディスク、ハードディスクドライブ、コンパクトディスク(CD)、デジタルビデオディスク(DVD)、又はデジタルテープ)に記憶されるデータ上で動作する命令に関して提示することができる。そのような説明及び表現は、当業者によって、自身の仕事の内容を当該技術分野の他者に説明及び伝達するために使用されているものである。一般に、アルゴリズムとは、所望の結果につながる工程の自己無撞着シーケンスを指し、「工程」とは、必ずしも必要ではないが、記憶、伝達、複合、比較、及び別様に操作されることが可能な電気又は磁気信号の形態をとることができる物理量及び/又は論理状態の動作を指す。これらの信号を、ビット、値、要素、記号、文字、用語、番号などとして言及することが一般的な扱い方である。これらの及び類似の用語は、適切な物理量と関連付けられてもよく、また単に、これらの量及び/又は状態に適用される便利なラベルである。
【0226】
別段の明確な定めがない限り、前述の開示から明らかなように、前述の開示全体を通じて、「処理する」又は「計算する」又は「算出する」又は「判定する」又は「表示する」などの用語を使用する議論は、コンピュータシステムのレジスタ及びメモリ内で物理(電子的)量として表現されるデータを、コンピュータシステムのメモリ若しくはレジスタ又はそのような情報記憶、伝送若しくは表示装置内で物理量として同様に表現される他のデータへと操作し変換する、コンピュータシステム又は類似の電子コンピューティング装置の動作及び処理を指していることが理解されよう。
【0227】
一般的な意味で、当業者は、多様なハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、又はそれらの任意の組み合わせによって、個々にかつ/又は集合的に実装することができる、本明細書で説明する様々な態様を、様々な種類の「電気回路」から構成されるものと見なすことができることを認識するであろう。結果として、本明細書で使用されるとき、「電気回路」は、少なくとも1つの個々の電気回路を有する電気回路、少なくとも1つの集積回路を有する電気回路、少なくとも1つの特定用途向け集積回路を有する電気回路、コンピュータプログラムで構成された汎用コンピューティング装置(例えば、本明細書で説明したプロセス及び/若しくは装置を少なくとも部分的に実行するコンピュータプログラムで構成された汎用コンピュータ、又は、本明細書で説明したプロセス及び/若しくは装置を少なくとも部分的に実行するコンピュータプログラムで構成されたマイクロプロセッサ)を形成する電気回路、メモリ装置を形成する(例えば、ランダムアクセスメモリの形態)電気回路、及び/又は、通信装置(例えばモデム、通信スイッチ、又は光学電気機器)を形成する電気回路を含むが、これらに限定されない。当業者は、本明細書で述べた主題が、アナログ若しくはデジタルの形式又はこれらのいくつかの組み合わせで実現されてもよいことを認識するであろう。
【0228】
上記の詳細な説明は、ブロック図、フローチャート、及び/又は実施例を用いて装置及び/又はプロセスの様々な形態について記載してきた。そのようなブロック図、フローチャート、及び/又は実施例が1つ若しくは2つ以上の機能及び/又は動作を含む限り、当業者に理解されたいこととして、そのようなブロック図、フローチャート、及び/又は実施例に含まれる各機能及び/又は動作は、多様なハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、又はこれらの事実上の任意の組み合わせによって、個々にかつ/又は集合的に実装することができる。一形態では、本明細書に記載される主題のいくつかの部分は、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、デジタル信号プロセッサ(DSP)、又は他の集積型形式で実装することができる。しかしながら、当業者に理解されたいこととして、その全部か一部かを問わず、本明細書で開示される形態のいくつかの態様は、1つ若しくは2つ以上のコンピュータ上で稼働する1つ若しくは2つ以上のコンピュータプログラムとして(例えば、1つ若しくは2つ以上のコンピュータシステム上で稼働する1つ若しくは2つ以上のプログラムとして)、1つ若しくは2つ以上のプロセッサ上で稼働する1つ若しくは2つ以上のプログラムとして(例えば、1つ若しくは2つ以上のマイクロプロセッサ上で稼働する1つ若しくは2つ以上のプログラムとして)、ファームウェアとして、あるいは、それらの実質的に任意の組み合わせとして、集積回路において等価に実現され得、また、回路を設計すること、並びに/又はソフトウェア及び/若しくはファームウェアのコードを記述することは、本開示を鑑みれば当業者の技能の範囲内に含まれる。更に、当業者には理解されることとして、本明細書に記載した主題の機構は、多様な形式で1つ又は2つ以上のプログラム製品として配布されることが可能であり、本明細書に記載した主題の具体的な形態は、配布を実際に行うために使用される信号搬送媒体の特定の種類にかかわらず用いられる。信号搬送媒体の例としては、記録可能型の媒体、例えば、フロッピーディスク、ハードディスクドライブ、コンパクトディスク(CD)、デジタルビデオディスク(DVD)、デジタルテープ、コンピュータメモリなど、並びに伝送型の媒体、例えば、デジタル及び/又はアナログ通信媒体(例えば、光ファイバケーブル、導波管、有線通信リンク、無線通信リンク(例えば、送信機、受信機、送信ロジック、受信ロジックなど)など)が挙げられるが、これらに限定されない。
【0229】
いくつかの例では、1つ又は2つ以上の要素は、「連結された」及び「接続された」という表現を、それらの派生語と共に使用して記載されることがある。これらの用語は、互いに同義語であることは意図されないことを理解されたい。例えば、いくつかの態様は、2つ又は3つ以上の要素が互いに直接物理的又は電気的に接触していることを示すため、「接続された」という用語を使用して記載されることがある。別の例では、いくつかの態様は、2つ又は3つ以上の要素が直接物理的又は電気的に接触していることを示すため、「連結された」という用語を使用して記載されることがある。しかしながら、「連結された」という用語は、2つ又は3つ以上の要素が互いに直接接触はしないが、依然として互いに協働又は相互作用することを意味することもある。異なる他の構成要素内に含まれるか、又は接続される異なる構成要素の描写されたアーキテクチャは単なる例であり、それが同じ機能性を実現する多くの他のアーキテクチャが実装され得ることを理解すべきである。構想の意味で、同じ機能性を達成する構成要素の任意の配置は、所望の機能性が達成されるように効果的に「関連付け」られる。したがって、特定の機能性を達成するように組み合わされた本明細書における任意の2つの構成要素は、アーキテクチャ又は中間構成要素にかかわらず、所望の機能性が達成されるように互いと「関連付け」られていると見なすことができる。同様に、そのように関連付けられた任意の2つの構成要素も、所望の機能性を達成するように互いに「動作可能に接続」又は「動作可能に連結」されているものと見なすことができ、そのように関連付けることが可能な任意の2つの構成要素も、所望の機能性を達成するように互いに「動作可能に連結可能」であると見なすことができる。動作可能に連結可能な特定の例としては、物理的に嵌合可能な及び/若しくは物理的に相互作用する構成要素、並びに/又は無線で相互作用可能な及び/若しくは無線相互作用する構成要素、並びに/又は論理的に相互作用する及び/若しくは論理的に相互作用可能な構成要素、並びに/又は電気的に相互作用する構成要素、並びに/又は光学的に相互作用する構成要素、並びに/又は光学的に相互作用可能な構成要素が挙げられるが、これらに限定されない。
【0230】
場合によっては、1つ又は2つ以上の要素が、本明細書において、「ように構成される」、「ように構成可能である」、「ように動作可能である/動作する」、「適合される(adapted)/適合可能である」、「ことが可能である」、「ように適合可能である/適合される(conformed)」などと呼ばれることがある。当業者は、「ように構成される」は一般に、文脈上他の意味に解釈すべき場合を除き、アクティブ状態の要素及び/又は非アクティブ状態の要素及び/又はスタンバイ状態の要素を包含し得ることを理解するであろう。
【0231】
本開示の特定の態様が図示され記載されてきたが、本明細書の教示に基づいて、本明細書に記載される主題及びそのより広範な態様から逸脱することなく、変更及び修正が行われてもよく、したがって添付の特許請求の範囲は、全てのかかる変更及び修正を、本明細書に記載される主題の真の範囲内にあるものとして、その範囲内に包含するものであることが、当業者には明白となるであろう。一般に、本明細書で使用され、かつ特に添付の特許請求の範囲(例えば、添付の特許請求の範囲の本文)で使用される用語は、概して「開放的」用語として意図されるものである(例えば、「含む(including)」という用語は、「~を含むが、それらに限定されない(including but not limited to)」と解釈されるべきであり、「有する(having)」という用語は「~を少なくとも有する(having at least)」と解釈されるべきであり、「含む(includes)」という用語は「~を含むが、それらに限定されない(includes but is not limited to)」と解釈されるべきであるなど)ことが、当業者には理解されるであろう。更に、導入された請求項記載(introduced claim recitation)において特定の数が意図される場合、かかる意図は当該請求項中に明確に記載され、またかかる記載がない場合は、かかる意図は存在しないことが、当業者には理解されるであろう。例えば、理解を助けるものとして、後続の添付の特許請求の範囲は、「少なくとも1つの(at least one)」及び「1つ又は2つ以上の(one or more)」という導入句を、請求項記載を導入するために含むことがある。しかしながら、かかる句の使用は、「a」又は「an」という不定冠詞によって請求項記載を導入した場合に、たとえ同一の請求項内に「1つ又は2つ以上の」又は「少なくとも1つの」といった導入句及び「a」又は「an」という不定冠詞が含まれる場合であっても、かかる導入された請求項記載を含むいかなる特定の請求項も、かかる記載事項を1つのみ含む請求項に限定されると示唆されるものと解釈されるべきではない(例えば、「a」及び/又は「an」は通常、「少なくとも1つの」又は「1つ又は2つ以上の」を意味するものと解釈されるべきである)。定冠詞を使用して請求項記載を導入する場合にも、同様のことが当てはまる。
【0232】
更に、導入された請求項記載において特定の数が明示されている場合であっても、かかる記載は、典型的には、少なくとも記載された数を意味するものと解釈されるべきであることが、当業者には認識されるであろう(例えば、他に修飾語のない、単なる「2つの記載事項」という記載がある場合、一般的に、少なくとも2つの記載事項、又は2つ若しくは3つ以上の記載事項を意味する)。更に、「A、B、及びCなどのうちの少なくとも1つ」に類する表記が用いられる場合、一般に、かかる構文は、当業者がその表記を理解するであろう意味で意図されている(例えば、「A、B、及びCのうちの少なくとも1つを有するシステム」は、限定するものではないが、Aのみ、Bのみ、Cのみ、AとBの両方、AとCの両方、BとCの両方、及び/又はAとBとCの全てなどを有するシステムを含む)。「A、B、又はCなどのうちの少なくとも1つ」に類する表記が用いられる場合、一般に、かかる構文は、当業者がその表記を理解するであろう意味で意図されている(例えば、「A、B、又はCのうちの少なくとも1つを有するシステム」は、限定するものではないが、Aのみ、Bのみ、Cのみ、AとBの両方、AとCの両方、BとCの両方、及び/又はAとBとCの全てなどを有するシステムを含む)。更に、典型的には、2つ若しくは3つ以上の選択的な用語を表わすあらゆる選言的な語及び/又は句は、文脈上他の意味に解釈すべき場合を除いて、明細書内であろうと、請求の範囲内であろうと、あるいは図面内であろうと、それら用語のうちの1つ、それらの用語のうちのいずれか、又はそれらの用語の両方を含む可能性を意図すると理解されるべきであることが、当業者には理解されよう。例えば、「A又はB」という句は、典型的には、「A」又は「B」又は「A及びB」の可能性を含むものと理解されよう。
【0233】
添付の特許請求の範囲に関して、当業者は、本明細書における引用した動作は一般に、任意の順序で実施され得ることを理解するであろう。また、様々な動作上の流れがシーケンスの形で提示されているが、様々な動作は、例示した以外の順序で行われてもよく、又は同時に行われてもよいことが理解されるべきである。かかる代替の順序付けの例は、文脈上他の意味に解釈すべき場合を除いて、重複、交互配置、割り込み、再順序付け、増加的、予備的、追加的、同時、逆、又は他の異なる順序付けを含んでもよい。更に、「~に応答する」、「~に関連する」といった用語、又は他の過去時制の形容詞は、一般に、文脈上他の意味に解釈すべき場合を除き、かかる変化形を除外することが意図されるものではない。
【0234】
「一態様」、「態様」、「一形態」、又は「形態」への任意の言及は、その態様に関連して記載された特定の特徴、構造、又は特性が少なくとも一態様に含まれることを意味することに留意する価値がある。したがって、本明細書の全体を通じて様々な場所に見られる「一態様では」、「態様では」、「一形態では」、又は「形態では」なる語句は、必ずしも全てが同じ態様を指すものではない。更に、特定の特徴、構造、又は特性は、1つ又は2つ以上の態様において任意の好適な様態で組み合わせることができる。
【0235】
本明細書における実質的に全ての複数形及び/又は単数形の用語の使用に関して、当業者であれば、文脈及び/又は用法に則して複数形から単数形に、及び/又は単数形から複数形に読み替えることができる。様々な単数形/複数形の置き換えは、簡潔にするため、本明細書では明示的には記述されない。
【0236】
特定の場合には、構成要素がテリトリの外に配置されている場合であっても、システム又は方法の使用がそのテリトリ内で起こってもよい。例えば、分散コンピューティングの文脈において、システムの一部分がテリトリの外に配置されている可能性があっても(例えば、継電器、サーバ、プロセッサ信号搬送媒体、送信コンピュータ、受信コンピュータなどがテリトリの外に位置している)、分散コンピューティングシステムの使用はそのテリトリ内で起こってもよい。
【0237】
システム又は方法の構成要素がテリトリの外に配置され、かつ/又はその外で使用される場合であっても、システム又は方法の販売は同様にそのテリトリ内で起こってもよい。更に、1つのテリトリで方法を実行するためにシステムの少なくとも一部分を実現することは、システムを別のテリトリで使用することを排除しない。
【0238】
全ての上述した米国特許、米国特許出願公開、米国特許出願、外国特許、外国特許出願、本明細書で引用された及び/若しくは任意の出願データシートに列挙された非特許刊行物又は任意の他の開示文献は、本明細書と矛盾しない範囲で、参照により本明細書に組み込まれる。それ自体、また必要な範囲で、本明細書に明瞭に記載される開示内容は、参考により本明細書に組み込まれるあらゆる矛盾する記載に優先するものとする。現行の定義、見解、又は本明細書に記載される他の開示内容と矛盾する任意の内容、又はそれらの部分は本明細書に参照により組み込まれるものとするが、参照内容と現行の開示内容との間に矛盾が生じない範囲においてのみ、参照されるものとする。
【0239】
要約すると、本明細書に記載した構想を用いる結果として得られる多くの利益が記載されてきた。1つ又は2つ以上の形態の上述の記載は、例示及び説明を目的として提示されているものである。包括的であることも、開示された厳密な形態に限定することも意図されていない。上記の教示を鑑みて、修正又は変形が可能である。1つ又は2つ以上の形態は、原理及び実際の応用について例示し、それによって、様々な形態を様々な修正例と共に、想到される特定の用途に適するものとして当業者が利用できるようにするために、選択され記載されたものである。本明細書と共に提示される特許請求の範囲が全体的な範囲を定義することが意図される。
【0240】
本明細書に記載される主題の様々な態様は、以下の番号付けされた実施例において説明される。
実施例1.再使用可能な超音波医療装置を管理する方法であって、
超音波医療装置制御モジュールによって、ユーザにより再組み立てされた超音波医療装置からの電気的接続を受信することと、
超音波医療装置制御モジュールによって、再組み立てされた超音波医療装置のエンドエフェクタのジョーを閉鎖するように構成されたジョー制御構成要素を操作するようにユーザに促すことと、
超音波医療装置制御モジュールによって、エンドエフェクタのジョーが閉鎖構成にあることを示す、超音波医療装置内に配設された閉鎖センサからの閉鎖データを受信することと、
超音波医療装置制御モジュールによって、再組み立てされた超音波医療装置の少なくとも1つの構成要素の機能状態を参照する、超音波医療装置からの機能データを受信することと、
超音波医療装置制御モジュールによって、機能データの値を、1つ又は2つ以上の所定の受容参照値と比較することと、
超音波医療装置制御モジュールによって、機能データの値と1つ又は2つ以上の所定の受容参照値との比較に基づいて、ユーザに受容性指標を提供することと、を含む、方法。
【0241】
実施例2.ユーザによって再組み立てされた超音波医療装置から電気的接続を受信することが、ユーザによって再洗浄又は再滅菌された少なくとも1つの構成要素を有する超音波医療装置から電気的接続を受信することを含む、実施例1に記載の方法。
【0242】
実施例3.ユーザによって再組み立てされた超音波医療装置から電気的接続を受信することが、少なくとも1つの修復された構成要素を有する超音波医療装置から電気的接続を受信することを含む、実施例1又は実施例2のいずれか1つに記載の方法。
【0243】
実施例4.ユーザによって再組み立てされた超音波医療装置から電気的接続を受信することが、少なくとも1つの置換された構成要素を有する超音波医療装置から電気的接続を受信することを含む、実施例1~実施例3のいずれか1つに記載の方法。
【0244】
実施例5.超音波医療装置制御モジュールによって、機能データの値が、受容範囲内にあることを判定することを更に含み、
機能データの値と1つ又は2つ以上の所定の受容参照値との比較に基づいて、ユーザに受容性指標を提供することが、ユーザに、医療的使用に対する装置受容性の指標を提供することを含む、実施例1~実施例4のいずれか1つに記載の方法。
【0245】
実施例6.超音波医療装置制御モジュールによって、機能データの値が、許容範囲内にないと判定することを更に含み、
機能データの値と1つ又は2つ以上の所定の受容参照値との比較に基づいて、ユーザに受容性指標を提供することが、ユーザに、医療的使用に対する装置非受容性の指標を提供することを含む、実施例1~実施例5のいずれか1つに記載の方法。
【0246】
実施例7.超音波医療装置制御モジュールによって、再組み立てされた超音波医療装置内に配設されたプログラム可能なメモリ装置から1つ又は2つ以上の所定の受容参照値を受信することを更に含む、実施例1~実施例6のいずれか1つに記載の方法。
【0247】
実施例8.再組み立てされた超音波医療装置の初期製造中に、1つ又は2つ以上の所定の受容参照値を用いて、プログラム可能なメモリ装置をプログラムすることを更に含む、実施例7に記載の方法。
【0248】
実施例9.超音波医療装置からの機能データを受信することが、再組み立てされた超音波医療装置のジョーを作動させるように構成された管状作動部材の変位値を参照する、超音波医療装置からの機能データを受信することを含む、実施例1~実施例8のいずれか1つに記載の方法。
【0249】
実施例10.管状作動部材の変位値を参照する超音波医療装置からの機能データを受信することが、管状作動部材の変位値を測定するように構成されたホール効果センサからデータを受信することを含む、実施例9に記載の方法。
【0250】
実施例11.超音波医療装置からの機能データを受信することが、再組み立てされた超音波医療装置のジョーを作動させるように構成された管状作動部材と機械的に連通しているばねスタックの変位値を参照する、超音波医療装置からの機能データを受信することを含む、実施例1~実施例10のいずれか1つに記載の方法。
【0251】
実施例12.ばねスタックの変位値を参照する超音波医療装置からの機能データを受信することが、ばねスタックの変位値を測定するように構成されたホール効果センサからデータを受信することを含む、実施例11に記載の方法。
【0252】
実施例13.
超音波医療装置制御モジュールによって、超音波導波管に音響的に連結された圧電アクチュエータへの電流を提供することを更に含み、
超音波医療装置からの機能データを受信することが、超音波導波管と関連付けられたインピーダンスを参照する、超音波医療装置からの機能データを受信することを含む、実施例1~実施例12のいずれか1つに記載の方法。
【0253】
実施例14.機能データの値と1つ又は2つ以上の所定の受容参照値との比較に基づいて、ユーザに、受容性指標を提供することが、再組み立てされた超音波医療装置における振動減衰膜の存在の指標を提供することを含む、実施例13に記載の方法。
【0254】
実施例15.超音波導波管に音響的に連結された圧電アクチュエータに電流を供給することが、超音波導波管内に横方向の機械波を誘導するように構成された圧電アクチュエータに、電流を供給することを含む、実施例13~実施例14のいずれか1つ又は2つ以上の方法。
【0255】
実施例16.超音波導波管に音響的に連結された圧電アクチュエータに電流を供給することが、超音波導波管内に横方向の機械波を誘導するように構成された圧電アクチュエータに、電流を供給することを含む、実施例13~実施例14のいずれか1つ又は2つ以上に記載の方法。
【0256】
実施例17.超音波導波管に音響的に連結された圧電アクチュエータに電流を供給することが、超音波導波管に音響的に連結された複数の圧電素子のうちの1つ又は2つ以上に電流を供給することを含み、複数の圧電アクチュエータのうちの1つ又は2つ以上の各々が、超音波導波管内に非横方向の機械波を誘導するように構成されている、実施例16に記載の方法。
【0257】
実施例18.機能データの値と1つ又は2つ以上の所定の受容参照値との比較に基づいて、ユーザに受容性指標を提供することが、超音波導波管を交換するか、又は超音波導波管に音響的に連結された超音波ナイフを交換するようにユーザに促すことを含む、実施例13~実施例17のいずれか1つに記載の方法。
【0258】
実施例19.
超音波医療装置制御モジュールによって、超音波導波管に音響的に連結された圧電アクチュエータへの電流を提供することと、
超音波医療装置制御モジュールによって、超音波導波管に音響的に連結された超音波導波管と関連付けられた機械的共振周波数を参照する、超音波医療装置からの機能データを受信することと、を更に含む、実施例1~実施例18のいずれか1つに記載の方法。
【0259】
実施例20.ユーザに受容性指標を提供することが、再組み立てされた超音波医療装置を再組み立てするようにユーザに促すことを含む、実施例19に記載の方法。
【0260】
実施例21.超音波医療装置からの機能データを受信することが、再組み立てされた超音波医療装置の超音波ナイフに抗して、超音波医療装置のジョーと機械的に連通しているパッドのクランプ力値を参照する、超音波医療装置からの機能データを受信することを含む、実施例1~実施例20のいずれか1つに記載の方法。
【0261】
実施例22.クランプ力値を参照する超音波医療装置からの機能データを受信することが、再組み立てされた超音波医療装置のジョーを作動させるように構成された作動部材駆動アセンブリの構成要素に機械的に連結された圧電力センサから、データを受信することを含む、実施例21に記載の方法。
【0262】
実施例23.超音波医療装置からの機能データを受信することが、延長管と機械的に連通している遠位フランジと延長管と機械的に連通している近位フランジとの間の距離を参照する、超音波医療装置からの機能データを受信することを含み、延長管が、再組み立てされた超音波医療装置のジョーを作動させるように構成されている、実施例1~実施例22のいずれか1つに記載の方法。
【0263】
実施例24.
超音波医療装置制御モジュールによって、バーンインプロセスを含む実行前プロセスを開始するようにユーザに促すことと、
超音波医療装置制御モジュールによって、所定の期間の間、実行前プロセスを作動させることと、
超音波医療装置制御モジュールによって、エンドエフェクタのジョーが、所定の期間の間、閉鎖構成にあることを閉鎖データから判定することと、を含み、
超音波医療装置の少なくとも1つの構成要素の機能状態を参照する超音波医療装置からの機能データを受信することが、所定の期間にわたって、超音波ナイフの共振周波数を参照する機能データを受信することを更に含む、実施例1~実施例23のいずれか1つに記載の方法。
【0264】
実施例25.再使用可能な超音波医療装置であって、
ハンドルアセンブリと、
ハンドルアセンブリに機械的に連結され、電気絶縁材料でオーバーモールドされた内部遠位部分を有する、細長いシャフトアセンブリであって、細長いシャフトアセンブリの近位内面の少なくとも一部分が、導電性である、細長いシャフトアセンブリと、
細長いシャフトアセンブリの導電性内面に電気的に連結された第1の電気接点と、
細長いシャフトアセンブリ内に配設された導電性導波管と、
導電性導波管に電気的に連結された第2の電気接点と、
導波管に音響的かつ電気的に連結された導電性超音波ナイフであって、電気絶縁コーティングでコーティングされた遠位部分を有する、導電性超音波ナイフと、
導波管に音響的に連結された超音波トランスデューサに電力を送達するように構成された発生器と、
発生器を制御するように構成されたコントローラモジュールであって、
プロセッサと、
命令を含むように構成されたメモリ回路であって、命令は、プロセッサによって実行されるとき、プロセッサに、
第1の接点と第2の接点との間に電位を印加することと、
第1の接点と第2の接点との間を流れる電流を測定することと、
電圧が許容範囲外の値を有するときに、再使用可能な超音波医療装置のユーザに通知することと、を行わせる、メモリ回路と、を備えるコントローラモジュールと、を備える、装置。
【0265】
実施例26.導電性超音波ブレードの遠位部分の電気絶縁コーティングが、細長いシャフトアセンブリの内部遠位部分上にオーバーモールドされた電気絶縁材料の遠位縁部の遠位にある近位コーティング縁部を有する、実施例25に記載の超音波医療装置。
【0266】
実施例27.再使用可能な超音波医療装置を管理する方法であって、
超音波医療装置制御モジュールによって、ユーザにより再組み立てされた超音波医療装置からの電気的接続を受信することと、
超音波医療装置制御モジュールによって、導電性導波管に電気的に連結された第1の接点と、細長いシャフトアセンブリの導電性内面に電気的に連結された第2の接点との間に電位を印加することであって、導波管が、細長いシャフトアセンブリ内の内部空間内に配設されている、印加することと、
超音波医療装置制御モジュールによって、第1の接点と第2の接点との間を流れる電流を測定することと、
超音波医療装置制御モジュールによって、電流の値を受容範囲の1つ又は2つ以上の値と比較することと、
超音波医療装置制御モジュールによって、電流の値と1つ又は2つ以上の所定の受容参照値との比較に基づいて、ユーザに受容性指標を提供することと、を含む、方法。
【0267】
実施例28.超音波医療装置制御モジュールによって、電流の値が、受容範囲内にあることを判定することを更に含み、
電流の値と1つ又は2つ以上の所定の受容参照値との比較に基づいて、ユーザに受容性指標を提供することが、ユーザに、医療的使用に対する装置受容性の指標を提供することを含む、実施例27に記載の方法。
【0268】
実施例29.超音波医療装置制御モジュールによって、電流の値が、受容範囲内にないことを判定することを更に含み、
電流の値と1つ又は2つ以上の所定の受容参照値との比較に基づいて、ユーザに受容性指標を提供することが、ユーザに、医療的使用に対する装置非受容性の指標を提供することを含む、実施例27~実施例28のいずれか1つに記載の方法。
【0269】
実施例30.超音波医療装置制御モジュールによって、再組み立てされた超音波医療装置の構成要素を清浄又は再滅菌するようにユーザに促すことを更に含む、実施例29に記載の方法。
【0270】
実施例31.再使用可能な超音波医療装置であって、
ハンドルアセンブリであって、
トリガアセンブリと、
トリガアセンブリの位置を判定するように構成されたトリガセンサと、
トリガアセンブリに機械的に連結されたヨークと、
作動部材駆動アセンブリであって、
遠位フランジ及び近位フランジを有する管カラーと、遠位フランジと近位フランジとの間に配設されたばねスタックと、ばねスタックに機械的に連結された力センサと、を備える、連結アセンブリであって、
連結アセンブリが、遠位フランジと近位フランジとの間にヨークを受容するように構成されている、連結アセンブリを備える、作動部材駆動アセンブリと、を備える、ハンドルアセンブリと、
近位端でハンドルアセンブリに機械的に連結された細長いシャフトアセンブリであって、
外側シースと、
外側シース内に配設された管状作動部材であって、管状作動部材の近位部分が、作動部材駆動アセンブリに機械的に連結されている、管状作動部材と、
細長いシャフトアセンブリの遠位端で機械的に連結されたエンドエフェクタアセンブリであって、エンドエフェクタアセンブリが、
超音波ナイフと、
超音波ナイフと解放可能に係合するように構成されたジョーアセンブリであって、ジョーアセンブリが、管状作動部材の遠位端に機械的に連結されている、ジョーアセンブリと、を備える、エンドエフェクタと、を備える、細長いシャフトアセンブリと、
トリガセンサからのトリガ位置データ、及び力センサからの力データを受信するように構成されたコントローラモジュールと、を備え、
再使用可能な超音波医療装置の1つ又は2つ以上の構成要素が、医療装置のユーザによって交換可能であるように構成されている、再使用可能な超音波医療装置。
【0271】
実施例32.力センサが、圧電ディスクを含む、実施例31に記載の再使用可能な超音波医療装置。
【0272】
実施例33.コントローラモジュールが、
プロセッサと、
命令を含むように構成された第1のメモリ回路であって、プロセッサによって実行されるとき、プロセッサに、
圧電ディスクの第1の側面上に配設された第1の接点と、圧電ディスクの第2の側面上に配設された第2の接点との間の電位の値を判定することと、
電位に基づいて、力値を計算することと、
力値が許容範囲外であるとき、再使用可能な超音波医療装置のユーザに通知することと、を行わせる、第1のメモリ回路と、を備える、実施例32に記載の再使用可能な超音波医療装置。
【0273】
実施例34.ハンドルアセンブリが、許容範囲に対応する記憶された値を含むように構成されたプログラム可能なメモリ回路を更に備え、
コントローラモジュールが、メモリ回路から記憶された値を受信するように構成されている、実施例33に記載の再使用可能な超音波医療装置。
【0274】
実施例35.ハンドルアセンブリが、電位/力標準化データを含むように構成されたプログラム可能なメモリ回路を更に備え、
プロセッサによって実行されるとき、プロセッサに、電位に基づいて、力値を計算させる命令が、プロセッサによって実行されるとき、プロセッサに、電位及び電位/力標準化データに基づいて、力値を計算させる命令を含む、実施例33~実施例34のいずれか1つに記載の再使用可能な超音波医療装置。
【0275】
〔実施の態様〕
(1) 再使用可能な超音波医療装置を管理する方法であって、
超音波医療装置制御モジュールによって、ユーザにより再組み立てされた超音波医療装置からの電気的接続を受信することと、
前記超音波医療装置制御モジュールによって、前記再組み立てされた超音波医療装置のエンドエフェクタのジョーを閉鎖するように構成されたジョー制御構成要素を操作するように前記ユーザに促すことと、
前記超音波医療装置制御モジュールによって、前記エンドエフェクタの前記ジョーが閉鎖構成にあることを示す、前記超音波医療装置内に配設された閉鎖センサからの閉鎖データを受信することと、
前記超音波医療装置制御モジュールによって、前記再組み立てされた超音波医療装置の少なくとも1つの構成要素の機能状態を参照する、前記超音波医療装置からの機能データを受信することと、
前記超音波医療装置制御モジュールによって、前記機能データの値を、1つ又は2つ以上の所定の受容参照値と比較することと、
前記超音波医療装置制御モジュールによって、前記機能データの前記値と前記1つ又は2つ以上の所定の受容参照値との前記比較に基づいて、前記ユーザに受容性指標を提供することと、を含む、方法。
(2) ユーザによって再組み立てされた超音波医療装置から電気的接続を受信することが、前記ユーザによって再洗浄又は再滅菌された少なくとも1つの構成要素を有する超音波医療装置から電気的接続を受信することを含む、実施態様1に記載の方法。
(3) ユーザによって再組み立てされた超音波医療装置から電気的接続を受信することが、少なくとも1つの修復された構成要素を有する超音波医療装置から電気的接続を受信することを含む、実施態様1に記載の方法。
(4) ユーザによって再組み立てされた超音波医療装置から電気的接続を受信することが、少なくとも1つの置換された構成要素を有する超音波医療装置から電気的接続を受信することを含む、実施態様1に記載の方法。
(5) 前記超音波医療装置制御モジュールによって、前記機能データの前記値が、前記受容範囲内にあることを判定することを更に含み、
前記機能データの前記値と前記1つ又は2つ以上の所定の受容参照値との前記比較に基づいて、前記ユーザに受容性指標を提供することが、前記ユーザに医療的使用に対する装置受容性の指標を提供することを含む、実施態様1に記載の方法。
【0276】
(6) 前記超音波医療装置制御モジュールによって、前記機能データの前記値が、前記受容範囲内にないと判定することを更に含み、
前記機能データの前記値と前記1つ又は2つ以上の所定の受容参照値との前記比較に基づいて、前記ユーザに受容性指標を提供することが、前記ユーザに医療的使用に対する装置非受容性の指標を提供することを含む、実施態様1に記載の方法。
(7) 前記超音波医療装置制御モジュールによって、前記再組み立てされた超音波医療装置内に配設されたプログラム可能なメモリ装置から前記1つ又は2つ以上の所定の受容参照値を受信することを更に含む、実施態様1に記載の方法。
(8) 前記再組み立てされた超音波医療装置の初期製造中に、前記1つ又は2つ以上の所定の受容参照値を用いて、前記プログラム可能なメモリ装置をプログラムすることを更に含む、実施態様7に記載の方法。
(9) 前記超音波医療装置からの機能データを受信することが、前記再組み立てされた超音波医療装置のジョーを作動させるように構成された管状作動部材の変位値を参照する、前記超音波医療装置からの機能データを受信することを含む、実施態様1に記載の方法。
(10) 管状作動部材の変位値を参照する前記超音波医療装置からの機能データを受信することが、前記管状作動部材の変位値を測定するように構成されたホール効果センサからデータを受信することを含む、実施態様9に記載の方法。
【0277】
(11) 前記超音波医療装置からの機能データを受信することが、前記再組み立てされた超音波医療装置の前記ジョーを作動させるように構成された管状作動部材と機械的に連通しているばねスタックの変位値を参照する、前記超音波医療装置からの機能データを受信することを含む、実施態様1に記載の方法。
(12) ばねスタックの変位値を参照する前記超音波医療装置からの機能データを受信することが、前記ばねスタックの変位値を測定するように構成されたホール効果センサからデータを受信することを含む、実施態様11に記載の方法。
(13) 前記超音波医療装置制御モジュールによって、超音波導波管に音響的に連結された圧電アクチュエータへの電流を提供することを更に含み、
前記超音波医療装置からの機能データを受信することが、前記超音波導波管と関連付けられたインピーダンスを参照する、前記超音波医療装置からの機能データを受信することを含む、実施態様1に記載の方法。
(14) 前記機能データの前記値と前記1つ又は2つ以上の所定の受容参照値との前記比較に基づいて、前記ユーザに、受容性指標を提供することが、前記再組み立てされた超音波医療装置における振動減衰膜の存在の指標を提供することを含む、実施態様13に記載の方法。
(15) 超音波導波管に音響的に連結された圧電アクチュエータに電流を供給することが、前記超音波導波管内に横方向の機械波を誘導するように構成された圧電アクチュエータに、電流を供給することを含む、実施態様13に記載の方法。
【0278】
(16) 超音波導波管に音響的に連結された圧電アクチュエータに電流を供給することが、前記超音波導波管内に非横方向の機械波を誘導するように構成された圧電アクチュエータに、電流を供給することを含む、実施態様13に記載の方法。
(17) 超音波導波管に音響的に連結された圧電アクチュエータに電流を供給することが、前記超音波導波管に音響的に連結された複数の圧電素子のうちの1つ又は2つ以上に電流を供給することを含み、前記複数の圧電アクチュエータのうちの前記1つ又は2つ以上の各々が、前記超音波導波管内に非横方向の機械波を誘導するように構成されている、実施態様16に記載の方法。
(18) 前記機能データの前記値と前記1つ又は2つ以上の所定の受容参照値との前記比較に基づいて、ユーザに受容性指標を提供することが、前記超音波導波管を交換するか、又は前記超音波導波管に音響的に連結された超音波ナイフを交換するように前記ユーザに促すことを含む、実施態様13に記載の方法。
(19) 前記超音波医療装置制御モジュールによって、超音波導波管に音響的に連結された圧電アクチュエータに電流を提供することと、
前記超音波医療装置制御モジュールによって、前記超音波導波管に音響的に連結された超音波導波管と関連付けられた機械的共振周波数を参照する、前記超音波医療装置からの機能データを受信することと、を更に含む、実施態様1に記載の方法。
(20) 前記ユーザに前記受容性指標を提供することが、前記再組み立てされた超音波医療装置を再組み立てするように前記ユーザに促すことを含む、実施態様19に記載の方法。
【0279】
(21) 前記超音波医療装置からの機能データを受信することが、前記再組み立てされた超音波医療装置の超音波ナイフに抗して、前記超音波医療装置の前記ジョーと機械的に連通しているパッドのクランプ力値を参照する、前記超音波医療装置からの機能データを受信することを含む、実施態様1に記載の方法。
(22) クランプ力値を参照する前記超音波医療装置からの機能データを受信することが、前記再組み立てされた超音波医療装置の前記ジョーを作動させるように構成された作動部材駆動アセンブリの構成要素に機械的に連結された圧電力センサから、データを受信することを含む、実施態様21に記載の方法。
(23) 前記超音波医療装置からの機能データを受信することが、延長管と機械的に連通している遠位フランジと前記延長管と機械的に連通している近位フランジとの間の距離を参照する、前記超音波医療装置からの機能データを受信することを含み、前記延長管が、前記再組み立てされた超音波医療装置のジョーを作動させるように構成されている、実施態様1に記載の方法。
(24) 前記超音波医療装置制御モジュールによって、バーンインプロセスを含む実行前プロセスを開始するように前記ユーザに促すことと、
前記超音波医療装置制御モジュールによって、所定の期間の間、前記実行前プロセスを作動させることと、
前記超音波医療装置制御モジュールによって、前記エンドエフェクタの前記ジョーが、前記所定の期間の間、閉鎖構成にあることを前記閉鎖データから判定することと、を更に含み、
前記超音波医療装置の少なくとも1つの構成要素の機能状態を参照する前記超音波医療装置からの機能データを受信することが、前記所定の期間にわたって、超音波ナイフの共振周波数を参照する機能データを受信することを含む、実施態様1に記載の方法。
(25) 再使用可能な超音波医療装置であって、
ハンドルアセンブリと、
前記ハンドルアセンブリに機械的に連結され、電気絶縁材料でオーバーモールドされた内部遠位部分を有する、細長いシャフトアセンブリであって、前記細長いシャフトアセンブリの近位内面の少なくとも一部分が、導電性である、細長いシャフトアセンブリと、
前記細長いシャフトアセンブリの前記導電性内面に電気的に連結された第1の電気接点と、
前記細長いシャフトアセンブリ内に配設された導電性導波管と、
前記導電性導波管に電気的に連結された第2の電気接点と、
前記導波管に音響的かつ電気的に連結された導電性超音波ナイフであって、電気絶縁コーティングでコーティングされた遠位部分を有する、導電性超音波ナイフと、
前記導波管に音響的に連結された超音波トランスデューサに電力を送達するように構成された発生器と、
前記発生器を制御するように構成されたコントローラモジュールであって、
プロセッサと、
命令を含むように構成されたメモリ回路であって、前記命令は、前記プロセッサによって実行されるとき、前記プロセッサに、
前記第1の接点と前記第2の接点との間に電位を印加することと、
前記第1の接点と前記第2の接点との間を流れる電流を測定することと、
前記電圧が許容範囲外の値を有するときに、前記再使用可能な超音波医療装置のユーザに通知することと、を行わせる、メモリ回路と、を備える、コントローラモジュールと、を備える、装置。
【0280】
(26) 前記導電性超音波ブレードの前記遠位部分の前記電気絶縁コーティングが、前記細長いシャフトアセンブリの前記内部遠位部分上にオーバーモールドされた前記電気絶縁材料の遠位縁部の遠位にある近位コーティング縁部を有する、実施態様25に記載の超音波医療装置。
(27) 再使用可能な超音波医療装置を管理する方法であって、
超音波医療装置制御モジュールによって、ユーザにより再組み立てされた超音波医療装置からの電気的接続を受信することと、
前記超音波医療装置制御モジュールによって、導電性導波管に電気的に連結された第1の接点と、細長いシャフトアセンブリの導電性内面に電気的に連結された第2の接点との間に電位を印加することであって、前記導波管が、前記細長いシャフトアセンブリ内の内部空間内に配設されている、印加することと、
前記超音波医療装置制御モジュールによって、前記第1の接点と前記第2の接点との間を流れる電流を測定することと、
前記超音波医療装置制御モジュールによって、前記電流の値を受容範囲の1つ又は2つ以上の値と比較することと、
前記超音波医療装置制御モジュールによって、前記電流の前記値と前記1つ又は2つ以上の所定の受容参照値との前記比較に基づいて、前記ユーザに受容性指標を提供することと、を含む、方法。
(28) 前記超音波医療装置制御モジュールによって、前記電流の前記値が、前記受容範囲内にあることを判定することを更に含み、
前記電流の前記値と前記1つ又は2つ以上の所定の受容参照値との前記比較に基づいて、前記ユーザに受容性指標を提供することが、前記ユーザに、医療的使用に対する装置受容性の指標を提供することを含む、実施態様27に記載の方法。
(29) 前記超音波医療装置制御モジュールによって、前記電流の前記値が、前記受容範囲内にないことを判定することを更に含み、
前記電流の前記値と前記1つ又は2つ以上の所定の受容参照値との前記比較に基づいて、前記ユーザに受容性指標を提供することが、前記ユーザに、医療的使用に対する装置非受容性の指標を提供することを含む、実施態様27に記載の方法。
(30) 前記超音波医療装置制御モジュールによって、前記再組み立てされた超音波医療装置の構成要素を清浄又は再滅菌するように前記ユーザに促すことを更に含む、実施態様29に記載の方法。
【0281】
(31) 再使用可能な超音波医療装置であって、
ハンドルアセンブリであって、
トリガアセンブリと、
前記トリガアセンブリの位置を判定するように構成されたトリガセンサと、
前記トリガアセンブリに機械的に連結されたヨークと、
作動部材駆動アセンブリであって、
遠位フランジ及び近位フランジを有する管カラーと、前記遠位フランジと前記近位フランジとの間に配設されたばねスタックと、前記ばねスタックに機械的に連結された力センサと、を備える、連結アセンブリであって、
前記連結アセンブリが、前記遠位フランジと前記近位フランジとの間に前記ヨークを受容するように構成されている、連結アセンブリを備える、作動部材駆動アセンブリと、を備える、ハンドルアセンブリと、
近位端で前記ハンドルアセンブリに機械的に連結された細長いシャフトアセンブリであって、
外側シースと、
前記外側シース内に配設された管状作動部材であって、前記管状作動部材の近位部分が、前記作動部材駆動アセンブリに機械的に連結されている、管状作動部材と、
前記細長いシャフトアセンブリの遠位端で機械的に連結されたエンドエフェクタアセンブリであって、前記エンドエフェクタアセンブリが、
超音波ナイフと、
前記超音波ナイフと解放可能に係合するように構成されたジョーアセンブリであって、前記ジョーアセンブリが、前記管状作動部材の遠位端に機械的に連結されている、ジョーアセンブリと、を備える、エンドエフェクタと、を備える、細長いシャフトアセンブリと、
前記トリガセンサからのトリガ位置データ、及び前記力センサからの力データを受信するように構成されたコントローラモジュールと、を備え、
前記再使用可能な超音波医療装置の1つ又は2つ以上の構成要素が、前記医療装置のユーザによって交換可能であるように構成されている、再使用可能な超音波医療装置。
(32) 前記力センサが、圧電ディスクを備える、実施態様31に記載の再使用可能な超音波医療装置。
(33) 前記コントローラモジュールが、
プロセッサと、
命令を含むように構成された第1のメモリ回路であって、前記命令は、前記プロセッサによって実行されるとき、前記プロセッサに、
前記圧電ディスクの第1の側面上に配設された第1の接点と、前記圧電ディスクの第2の側面上に配設された第2の接点との間の電位の値を判定することと、
前記電位に基づいて、力値を計算することと、
前記力値が許容範囲外であるとき、前記再使用可能な超音波医療装置のユーザに通知することと、を行わせる、第1のメモリ回路と、を備える、実施態様32に記載の再使用可能な超音波医療装置。
(34) 前記ハンドルアセンブリが、前記許容範囲に対応する記憶された値を含むように構成されたプログラム可能なメモリ回路を更に備え、
前記コントローラモジュールが、前記メモリ回路から前記記憶された値を受信するように構成されている、実施態様33に記載の再使用可能な超音波医療装置。
(35) 前記ハンドルアセンブリが、電位/力標準化データを含むように構成されたプログラム可能なメモリ回路を更に備え、
前記プロセッサによって実行されるとき、前記プロセッサに、前記電位に基づいて、力値を計算させる前記命令が、前記プロセッサによって実行されるとき、前記プロセッサに、前記電位及び前記電位/力標準化データに基づいて、力値を計算させる命令を含む、実施態様33に記載の再使用可能な超音波医療装置。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10A
図10B
図11A
図11B
図12A
図12B
図13A
図13B
図14A
図14B
図15A
図15B
図16
図17A
図17B
図17C
図17D
図18A
図18B
図19
図20
図21
図22
図23
図24
図25