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特許7225155判定装置、判定方法、および判定プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-02-10
(45)【発行日】2023-02-20
(54)【発明の名称】判定装置、判定方法、および判定プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 10/063 20230101AFI20230213BHJP
【FI】
G06Q10/063
【請求項の数】 19
(21)【出願番号】P 2020048180
(22)【出願日】2020-03-18
(65)【公開番号】P2021149451
(43)【公開日】2021-09-27
【審査請求日】2021-09-16
(73)【特許権者】
【識別番号】319013263
【氏名又は名称】ヤフー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】山下 達雄
【審査官】松田 岳士
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2016/147496(WO,A1)
【文献】特開2017-176804(JP,A)
【文献】特開2013-030049(JP,A)
【文献】特開2017-026568(JP,A)
【文献】国際公開第2015/098302(WO,A1)
【文献】特開2017-059160(JP,A)
【文献】特開2017-220860(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の利用者の位置を示す位置情報を取得する取得部と、
前記位置情報に基づいて、複数の利用者が集合し、その後離散したか否かを判定する判定部と
前記判定部による判定結果に基づいて、前記複数の利用者の関係性を推定する推定部と
を有することを特徴とする判定装置。
【請求項2】
前記判定部は、前記複数の利用者が所定の期間以上集合し、その後解散したか否かを判定する
ことを特徴とする請求項1に記載の判定装置。
【請求項3】
前記判定部は、前記複数の利用者が所定の範囲内に集合し、その後解散したか否かを判定する
ことを特徴とする請求項1または2に記載の判定装置。
【請求項4】
前記推定部は、さらに前記複数の利用者が集合した位置に基づいて、前記複数の利用者の関係性を推定する
ことを特徴とする請求項に記載の判定装置。
【請求項5】
前記推定部は、前記複数の利用者が集合し、その後、当該複数の利用者が集合した状態で移動し、移動先で離散したか否かを判定する、
ことを特徴とする請求項1~のうちいずれか1つに記載の判定装置。
【請求項6】
前記推定部は、さらに前記複数の利用者が離散した位置に基づいて、前記複数の利用者の関係性を推定する
ことを特徴とする請求項に記載の判定装置。
【請求項7】
前記推定部は、前記複数の利用者が集合していた期間の長さに応じて、前記複数の利用者の関係性を推定する
ことを特徴とする請求項のうちいずれか1つに記載の判定装置。
【請求項8】
前記推定部は、前記複数の利用者が集合し、その後離散した回数に応じて、前記複数の利用者の関係性を推定する
ことを特徴とする請求項のうちいずれか1つに記載の判定装置。
【請求項9】
前記推定部は、前記複数の利用者の移動履歴に基づいて、前記複数の利用者の関係性を推定する
ことを特徴とする請求項のうちいずれか1つに記載の判定装置。
【請求項10】
前記取得部は、集合し、その後離散したと判定された複数の利用者間において伝達された伝達情報をさらに取得し、
前記推定部は、前記伝達情報に基づいて、前記複数の利用者の関係性を推定する
ことを特徴とする請求項のうちいずれか1つに記載の判定装置。
【請求項11】
前記判定部は、さらに、複数の利用者が集合した後で、新たな利用者が集合し、その後、離散したか否かを判定する
ことを特徴とする請求項1~1のうちいずれか1つに記載の判定装置。
【請求項12】
前記判定部は、さらに、集合した複数の前記利用者のうちいずれかの利用者が離脱したか否かを判定する
ことを特徴とする請求項1~1のうちいずれか1つに記載の判定装置。
【請求項13】
前記取得部は、前記利用者が使用する端末装置の位置を検知する検知装置により検知された位置を示す位置情報を取得する
ことを特徴とする請求項1~1のうちいずれか1つに記載の判定装置。
【請求項14】
前記判定部による判定結果に基づいた情報を提供する提供部
を有することを特徴とする請求項1~1のうちいずれか1つに記載の判定装置。
【請求項15】
前記提供部は、集合した後で離散したと判定された複数の利用者に関する情報を提供する
ことを特徴とする請求項1に記載の判定装置。
【請求項16】
前記提供部は、集合した後で離散したと判定された複数の利用者の人数、当該複数の利用者が集合した位置、若しくは、当該複数の利用者が集合していた時間の少なくともいずれか1つを示す情報を提供する
ことを特徴とする請求項1に記載の判定装置。
【請求項17】
前記提供部は、集合した後で離散したと判定された複数の利用者を模式的に紐付けたグラフを提供する
ことを特徴とする請求項1に記載の判定装置。
【請求項18】
判定装置が実行する判定方法であって、
複数の利用者の位置を示す位置情報を取得する取得工程と、
前記位置情報に基づいて、複数の利用者が集合し、その後離散したか否かを判定する判定工程と
前記判定工程による判定結果に基づいて、前記複数の利用者の関係性を推定する推定工程と
を含むことを特徴とする判定方法。
【請求項19】
複数の利用者の位置を示す位置情報を取得する取得手順と、
前記位置情報に基づいて、複数の利用者が集合し、その後離散したか否かを判定する判定手順と
前記判定手順による判定結果に基づいて、前記複数の利用者の関係性を推定する推定手順と
をコンピュータに実行させるための判定プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、判定装置、判定方法、および判定プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、利用者の行動に基づいて、各種の推定を行う技術が知られている。このような技術の一例として、SNS(Social Network Service)を利用する利用者間の通信量に基づいて、各利用者間の繋がりの強さを推定する技術が知られている。また、利用者の位置情報に基づいて、利用者が同行していたかを推定する技術が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特許第6590972号公報
【文献】特開2015-005103号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述した技術では、利用者間の関係性を適切に推定することができない場合がある。
【0005】
例えば、利用者間の通信量に基づいて利用者間の繋がりの強さを推定した場合は、例えば、頻繁にミーティングを行っているか等というように、現実世界における利用者間の繋がりの強さを適切に推定しているとは言えない。また、利用者の位置情報に基づいて利用者が同行していたかを推定した場合は、例えば、オフィスで近い位置に着席しているが、あまり交流が無い利用者間の関係性が強いと推定してしまう恐れがある。
【0006】
本願は、上記に鑑みてなされたものであって、利用者間の関係性の推定精度を向上させことを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本願に係る判定装置は、複数の利用者の位置を示す位置情報を取得する取得部と、前記位置情報に基づいて、複数の利用者が集合し、その後離散したか否かを判定する判定部とを有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
実施形態の一態様によれば、利用者間の関係性の推定精度を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は、実施形態に係る情報提供装置が実行する処理の一例を示す図である。
図2図2は、実施形態に係る情報提供装置の構成例を示す図である。
図3図3は、実施形態に係る通信履歴データベースに登録される情報の一例を示す図である。
図4図4は、実施形態に係るAPデータベースに登録される情報の一例を示す図である。
図5図5は、実施形態に係る位置履歴データベースに登録される情報の一例を示す図である。
図6図6は、実施形態に係る関係性データベースに登録される情報の一例を示す図である。
図7図7は、実施形態に係る情報提供装置が実行する処理の流れの一例を示すフローチャートである。
図8図8は、ハードウェア構成の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下に、本願に係る判定装置、判定方法、および判定プログラムを実施するための形態(以下、「実施形態」と呼ぶ)について図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、この実施形態により本願に係る判定装置、判定方法、および判定プログラムが限定されるものではない。また、各実施形態は、処理内容を矛盾させない範囲で適宜組み合わせることが可能である。また、以下の各実施形態において同一の部位には同一の符号を付し、重複する説明は省略される。
【0011】
〔1.情報提供装置について〕
まず、図1を用いて、判定装置の一例である情報提供装置10が実行する処理の一例について説明する。図1は、実施形態に係る情報提供装置が実行する処理の一例を示す図である。図1では、複数の利用者U1~U6(以下、単に「利用者」と総称する場合がある。)が集合して離散したか否かを判定する判定処理、および、判定結果から利用者間の関係性を推定する推定処理の一例について記載した。
【0012】
〔1-1.情報提供装置の概要〕
図1に示す例では、判定システム1は、情報提供装置10、複数の端末装置101~106(以下、端末装置「100」と総称する場合がある。)、複数のアクセスポイントAP1~AP4(以下、「アクセスポイントAP」と総称する場合がある。)および操作者端末200を有する。なお、判定システム1は、1つのみならず、複数の情報提供装置10や操作者端末200を有していてもよい。また、判定システム1は、任意の数のアクセスポイントAP、任意の数の端末装置100、任意の数の情報提供装置10および操作者端末200を有していてもよい。なお、アクセスポイントAPや端末装置100は、判定システム1とは異なるシステムに属するものであってもよい。
【0013】
情報提供装置10は、インターネット等の所定のネットワークN(例えば、図2を参照。)を介して、各種の装置と通信可能な情報処理装置であり、例えば、サーバ装置やクラウドシステム等により実現される。例えば、情報提供装置10は、ネットワークNを介して、端末装置100やアクセスポイントAP、および操作者端末200と通信可能である。そして、情報提供装置10は、後述する判定処理および推定処理を実行する。
【0014】
端末装置100、Tは、スマートフォンやタブレット等のスマートデバイスであり、3G(Generation)やLTE(Long Term Evolution)等の無線通信網を介して任意のサーバ装置と通信を行うことができる携帯端末装置である。なお、端末装置100は、PC(Personal Computer)等の情報処理装置であってもよい。ここで、端末装置100は、無線LAN(Local Area Network)やWiFi(登録商標)等といった各種の無線通信により、各種ネットワークNに接続可能な機能を有するものとする。例えば、端末装置100は、WiFiを介してアクセスポイントAPに接続し、各種の情報通信を行うことが可能である。
【0015】
なお、以下の説明では、各端末装置100は、それぞれ異なる利用者が利用する端末装置であるものとする。例えば、端末装置101は、利用者U1が利用する端末装置であり、端末装置102は、利用者U2が利用する端末装置であり、端末装置103は、利用者U3が利用する端末装置であり、端末装置104は、利用者U4が利用する端末装置であり、端末装置105は、利用者U5が利用する端末装置であり、端末装置106は、利用者U6が利用する端末装置であるものとする。ここで、端末装置101~106の区別は、ハードウェアにより決定されるものであってもよく、例えば、利用者U1がログインした共用端末を端末装置101とし、利用者U2がログインした共用端末を端末装置102としてもよい。
【0016】
操作者端末200は、各利用者の関係性を知りたい操作者OPが利用する端末装置であり、例えば、各種スマートデバイスやPC等の情報処理装置である。例えば、操作者端末200は、情報提供装置10が生成する関係性レポートを表示することで、各利用者の間の関係性を操作者OPに提示することができる。
【0017】
〔1-2.判定処理の一例について〕
近年、各利用者がその時々で業務に用いる席を変更可能なフリーアドレスのオフィスが増加している。このようなオフィスにおいては、同一部署の利用者同士が離れたエリアや異なるフロアで業務を行う場合があるとともに、異なる部署の利用者同士が近傍のエリアで業務を行う場合がある。
【0018】
一方で、このようなフリーアドレスのオフィスにおいてミーティングを行う場合、ミーティング用のテーブルや部屋を用いて、ミーティングを行うと考えられる。このようなミーティング用のテーブルや部屋の数や配置を最適化するには、どれくらいの人数の利用者が、どれくらいの頻度で、どの位置でミーティングを行っているかというように、各利用者のミーティング態様を分析する必要がある。しかしながら、従来技術では、単に近傍に所在する利用者を共に行動する利用者を推定しているに過ぎないため、フリーアドレスのオフィス等において、ミーティング態様を適切に判定しているとは言えない場合がある。
【0019】
一方で、利用者が現実世界のオフィスでミーティングを行う場合、ある所定の位置に集合し、ミーティングを行った後で、また離散すると考えらえる。このような利用者の集合および離散といった一連の行動を追跡することで、利用者がどのような態様でミーティングを行っているかという情報を適切に推定できると考えられる。そこで、情報提供装置10は、各利用者の位置情報を取得し、取得した位置情報に基づいて、複数の利用者が集合し、その後離散したか否かを判定する。
【0020】
以下、図1を用いて、情報提供装置10が実行する判定処理の一例について説明する。なお、図1に示す例では、例えば、利用者U1~U4がデスクD1に対して集合し(タイミングM1)、ミーティングを行ったあとで、またそれぞれ異なる席に離散した(タイミングM2)ものとする。また、図1に示す例では、利用者U5が途中からミーティングに参加し(タイミングM3)、その後、他の利用者U1~U4よりも先にミーティングから離散したものとする(タイミングM4)。また、各利用者U1~U6が所在する領域A1には、アクセスポイントAP1~AP4が設置されており、各利用者U1~U6が利用する端末装置101~106は、いずれかのアクセスポイントAP1~AP4と接続することで、Wifiを介した各種の通信を行っているものとする。
【0021】
まず、情報提供装置10は、オフィス等の領域A1に設置された各アクセスポイントAPから、接続ログを収集する(ステップS1)。例えば、情報提供装置10は、各アクセスポイントAPに接続した端末装置100の識別子と、端末装置100と通信を行った日時と、通信における電波強度とを接続ログとして取得する。なお、端末装置100の識別子は、例えば、端末装置100のIP(Internet Protocol)アドレスやMAC(Media Access Control address)アドレス、端末装置100にログインしている利用者のログインID等、端末装置100を識別することができる情報であれば、任意の情報が採用可能である。
【0022】
続いて、情報提供装置10は、接続ログにおける電波強度に基づいて、各利用者の位置履歴を推定する(ステップS2)。例えば、情報提供装置10は、位置の推定対象となる利用者(例えば、利用者U1)を選択する。このような場合、情報提供装置10は、利用者U1が利用する端末装置101と各アクセスポイントAPとの間の接続ログから、所定の期間内(例えば、所定日時の前後10秒)に行われた複数の通信であって、3つ以上のアクセスポイントAPとの間で行われた通信の接続ログを抽出する。そして、情報提供装置10は、抽出した接続ログにおける電波強度と、各アクセスポイントAPの位置とに基づいて、3点測量の手法に基づき、所定日時における利用者U1の位置を推定する。なお、このような位置推定技術については、任意の公知技術が採用可能である。
【0023】
続いて、情報提供装置10は、上述した処理を繰り返すことで、各利用者の各日時における位置履歴を推定する。そして、情報提供装置10は、位置履歴に基づいて、複数の利用者が風格子、その後、離散したか否かを判定する(ステップS3)。例えば、情報提供装置10は、複数の利用者が所定の期間以上集合し、その後解散したか否かを判定してもよく、複数の利用者が所定の範囲内に集合し、その後解散したか否かを判定してもよい。
【0024】
例えば、情報提供装置10は、領域A1を複数の領域に分割し、位置履歴から各時間帯において各利用者が所在した領域を特定する。そして、情報提供装置10は、特定結果に基づいて、同一時間帯において、所定の範囲内に集合した複数の利用者Uを集合した利用者Uとして特定する。例えば、情報提供装置10は、タイミングM1において、デスクD1の近傍に各利用者U1~U4が集まっている場合、利用者U1~U4が集合したと判定する。
【0025】
このような場合、情報提供装置10は、所定の範囲内に集合した複数の利用者Uが、所定の時間以上、同じ領域に所在し、その後、各利用者が離散したか否かを判定する。例えば、情報提供装置10は、タイミングM2において各利用者U1~U4がそれぞれ異なる領域へと移動した場合、タイミングM1からタイミングM2までの期間を算出する。そして、情報提供装置10は、例えば、算出された期間が所定の閾値(例えば、15分から60分の間)を超える場合は、利用者U1~U4が集合し、その後、離散したと判定する。そして、情報提供装置10は、利用者U1~U4がタイミングM1から集合し、タイミングM2で離散した旨を示す情報を離散集合情報として登録する。なお、情報提供装置10は、このような処理を繰り返すことで、各利用者の集合および離散を示す離散集合情報を生成する。
【0026】
続いて、情報提供装置10は、判定結果に基づいて、利用者間の関係性を示す関係性レポートを生成する(ステップS4)。例えば、情報提供装置10は、判定結果に基づいて、集合し、その後離散した複数の利用者の関係性を推定する。そして、情報提供装置10は、推定した関係性を示す関係性レポートを生成する。
【0027】
例えば、複数の利用者が集合した位置が、ミーティング用のテーブルや会議室であった場合、集合しその後離散した利用者(以下、「集合離散利用者」と記載する。)は、ミーティングを行う関係性を有する利用者であると推定される。また、複数の利用者が集合した位置が、社内食堂等であった場合は、集合離散利用者は、ランチを共にする関係性を有する利用者であると推定される。このように、各利用者が集合した位置の属性は、各利用者が集合した目的の指標となる。そこで、情報提供装置10は、複数の利用者が集合した位置に基づいて、複数の利用者の関係性を推定する。より具体的には、情報提供装置10は、離散集合利用者が集合した位置がどのような目的の位置であるか、すなわち、離散集合利用者が集合した位置の属性に基づいて、離散集合利用者の関係性を推定する。なお、このような推定は、例えば、各種の連想記憶やルールベースの処理により実現可能である。
【0028】
また、各利用者が集合してから離散するまでの時間が60分を超える場合、重要なミーティングを行っていたと推定され、時間が30分未満となる場合、あまり重要ではないミーティングが行われたとも考えられる。また、各利用者が集合してから離散するまでの時間が2、3分であった場合、例えば、休憩中に立ち話をしていたとも考えられる。このように、各利用者が集合してから離散するまでの時間は、各利用者が集合した目的の指標になると考えられる。そこで、情報提供装置10は、複数の利用者が集合していた期間の長さに応じて、複数の利用者の関係性を推定する。なお、このような推定は、例えば、集合してから離散するまでの期間の範囲と、推定されうる利用者の目的とを予め対応付けたテーブルを用いることで、実現可能である。
【0029】
また、同じ複数の利用者が頻繁にミーティングを行っている場合、これらの利用者は、同じプロジェクトに携わっている、若しくは、仲がいい利用者であると考えられる。このように、各集合離散利用者が集合しその後離散した回数は、各利用者の関係性を示す指標となりえる。そこで、情報提供装置10は、複数の利用者が集合し、その後離散した回数に応じて、複数の利用者の関係性を推定する。例えば、情報提供装置10は、利用者U1~U4が集合しその後離散した回数が所定の閾値を超える場合や、所定の期間内において利用者U1~U4が集合しその後離散した回数が所定の閾値を超える場合は、利用者U1~U4が同じプロジェクトに携わる利用者であると推定してもよい。
【0030】
そして、情報提供装置10は、各種の推定結果を示す情報、すなわち、利用者の関係性を示す関係性レポートを生成し、生成した関係性レポートを操作者端末200へと提供する(ステップS5)。このような処理の結果、操作者OPは、例えば、利用者U1~U4が頻繁にミーティングを行っているので、これら利用者U1~U4から近傍の位置に会議室を設置すべきであるというように、オフィスの効率化に向けた各種の施策を行うことができる。換言すると、情報提供装置10は、オフィス効率化に向けた各種の指標を操作者OPに提供することができる。
【0031】
このように、情報提供装置10は、単に利用者の集合を判定するのではなく、利用者が集合し、その後離散したか否かを判定する。このような処理の結果、情報提供装置10は、適切にミーティング等を行うために集合した利用者を検知することができる。例えば、情報提供装置10は、利用者U1~U4が集合した後に、利用者U5が追って集合し、利用者U5が先に離散した後で、利用者U1~U4が離散したことを判定する。このような処理の結果、情報提供装置10は、利用者U1~U5がミーティングを行った旨や、利用者U5がミーティングに途中参加および退出した旨を示すレポートを生成することができる。また、情報提供装置10は、例えば、利用者U6が利用者U4から所定の距離内に所在していたとしても、利用者U6がミーティングに参加していない旨のレポートを提供することができる。
【0032】
〔1-3.判定内容の具体例について〕
続いて、情報提供装置10が実行する判定処理において、どのような状態で利用者が集合したと判定し、どのような状態で利用者が離散したと判定するかの具体例について説明する。
【0033】
〔1-3-1.集合の判定について〕
例えば、情報提供装置10は、任意の条件に基づいて、利用者の集合を判定してもよい。例えば、情報提供装置10は、各利用者間の距離を算出し、算出した距離が所定の閾値(例えば、2メートル)以下となってから、所定の時間(例えば、1分)が経過した場合は、利用者が集合したと判定してもよい。また、情報提供装置10は、領域A1を複数の領域に分割し、複数の利用者が同一の領域に所在してから所定の時間が経過した場合に、利用者が集合したと判定してもよい。なお、情報提供装置10は、例えば、会議室単位で領域A1を分割してもよく、ミーティング用のテーブルが所在する位置から所定の範囲内を1つの領域と見做してもよい。すなわち、情報提供装置10は、各領域の目的に応じた大きさの複数の領域に、領域A1を分割してもよい。
【0034】
また、情報提供装置10は、2人以上の利用者が集合している場所に、他の利用者が集合したか否かを判定してもよい。例えば、情報提供装置10は、タイミングM2において集合した利用者U1~U4と同じ位置に、タイミングM2よりも後のタイミングM3において利用者U5が移動し、その後、所定の時間が経過した場合は、利用者U5が途中から集合したと判定してもよい。
【0035】
また、情報提供装置10は、追加の情報を用いて、利用者の集合を判定してもよい。例えば、情報提供装置10は、利用者が装着するウェアラブルデバイスや、端末装置100が検知した利用者の情報に基づいて、利用者の集合を判定してもよい。より具体的な例を挙げると、情報提供装置10は、ある日時において利用者U1、U2が所定の範囲内に1分以上所在し、かつ、利用者が装着するウェアラブルデバイスや端末装置100が利用者U1、U2の会話を検知した場合に、利用者U1、U2が集合したと判定してもよい。
【0036】
また、情報提供装置10は、上述した音声以外にも、利用者から検知可能な各種の生体情報や位置履歴、利用者のスケジュール等といったネットワーク上の情報に応じて、利用者の集合を判定してもよい。例えば、情報提供装置10は、各種の情報から利用者U1、U2が移動する目的(各種のコンテキスト)を推定し、推定される目的が所定の条件を満たす場合は、利用者U1、U2が集合したと判定してもよい。より具体的な例を挙げると、情報提供装置10は、利用者U1、U2がミーティング等の会話を行うために同じ範囲内に移動したと推定される場合は、利用者U1、U2が集合したと判定してもよい。
【0037】
〔1-3-2.離散の判定について〕
また、情報提供装置10は、任意の条件に基づいて、利用者の離散を判定してもよい。例えば、情報提供装置10は、所定の範囲に集合したと判定される複数の利用者を集合利用者とし、集合した範囲を集合範囲とする。そして、情報提供装置10は、集合利用者が集合範囲以外の範囲に移動した場合は、利用者が離散したと判定してもよい。
【0038】
ここで、情報提供装置10は、集合利用者の一部の離散を判定してもよい。例えば、情報提供装置10は、タイミングM3で集合した利用者U5が、タイミングM2よりも先のタイミングM4で集合から離散した旨を特定してもよい。このような場合、情報提供装置10は、例えば、タイミングM1~M2の間で利用者U1~U4が集合して離散した旨の集合離散情報と、タイミングM3~M4の間で利用者U1~U5が集合して離散した旨の集合離散情報とを生成してもよい。また、情報提供装置10は、このような同時期における複数の集合およ離散を示す集合離散情報から、タイミングM1~M2の間で利用者U1~U4が集合し、タイミングM3~M4の間で利用者U5が途中参加し、タイミングM2でミーティングが終了した旨の関係性レポートを生成してもよい。
【0039】
ここで、ミーティング中に電話がかかってきたり、休憩のために一部の利用者が途中退出する場合がある。そこで、情報提供装置10は、集合利用者の一部が集合範囲から他の範囲に移動したとしても、所定の時間内に再度集合範囲まで移動し、所定の時間経過した場合は、集合利用者が離散していないと判定してもよい。また、情報提供装置10は、例えば、集合利用者のうち過半数の集合利用者が集合範囲から他の範囲に移動した場合は、集合利用者が離散したと判定してもよい。
【0040】
また、例えば、第1時間帯において利用者U1~U5がミーティングを行い、その後、第2時間帯において利用者U1、U2だけでミーティングを同じ場所で続けて行うといった態様が考えられる。このような場合、情報提供装置10は、利用者U1~U5が第1時間帯において集合および離散し、第2時間帯において利用者U1、U2が集合し、その後離散したと判定してもよい。例えば、情報提供装置10は、第1タイミングから集合した集合利用者U1~U5のうち一部の集合利用者U3~U5が、第2タイミングにおいて集合範囲から他の範囲に移動し、その後、第3タイミングにおいて、集合利用者U1、U2が離散したと判定する。このような場合、情報提供装置10は、第1タイミングから第2タイミングの間に集合利用者U1~U5がミーティングを行った旨の関係性レポートを生成し、集合利用者U1、U2については、第2タイミングから第3タイミングまで、継続したミーティングを行った旨の関係性レポートを生成してもよい。
【0041】
〔1-4.推定内容の具体例について〕
続いて、情報提供装置10が実行する推定処理において、どのような利用者間の関係性を推定するかの具体例について説明する。
【0042】
例えば、情報提供装置10は、利用者U1~U5が集合して離散したと判定された場合は、利用者U1~U5がミーティングを行ったと推定し、利用者U1~U5がミーティングを行った旨の関係性レポートを生成してもよい。また、情報提供装置10は、利用者U1~U5が所定の回数以上、ミーティングを行った場合や、利用者U1~U5がミーティングを行った期間が所定の閾値を超えた場合は、利用者U1~U5が頻繁にミーティングを行っている旨の関係性レポートを生成してもよい。
【0043】
また、情報提供装置10は、各利用者と対応するノードを設定するとともに、ミーティングを頻繁に行っている利用者と対応するノードをリンクで接続したグラフ情報を生成し、生成したグラフ情報を関係性レポートとして提供してもよい。また、情報提供装置10は、利用者U1とミーティングを行った他の利用者のリストや、他の利用者が利用者U1とミーティングを行った回数を示す関係性レポートを生成してもよい。
【0044】
また、情報提供装置10は、各利用者がミーティングを行った回数やミーティングを行った位置、各位置でミーティングが行われた回数を示す関係性レポートを生成してもよい。また、情報提供装置10は、ミーティングが行われた位置と回数との関係性を示すヒートマップを関係性レポートとして生成してもよい。
【0045】
また、情報提供装置10は、ミーティングを行った各利用者の移動履歴に応じた関係性を推定してもよい。例えば、情報提供装置10は、ミーティングを行うために利用者が移動した距離を算出する。例えば、情報提供装置10は、利用者U1と利用者U2とが所定の集合位置で集合し、その後離散したと判定した場合、利用者U1が集合位置に集合するよりも前に所在した位置であって、所定の時間(例えば、30分)よりも長く所在した位置を出発位置として特定する。そして、情報提供装置10は、出発位置と集合位置との間の距離(例えば、直線距離や利用者U1の実際の移動距離)を算出する。
【0046】
このような距離は、利用者U1にとってのミーティングの重要性や利用者U2との間の関係性の指標となる。そこで、情報提供装置10は、算出した距離に基づいて、利用者U1と利用者U2との間の関係性を推定する。例えば、情報提供装置10は、利用者U1が移動した距離が所定の閾値を超える場合、利用者U2とのミーティングを重要視している旨や、利用者U2に対して好意を抱いている旨の情報、すなわち、利用者U1の主観に基づく利用者U2との関係性を推定してもよい。また、情報提供装置10は、各利用者が移動したフロアの数に基づいて、利用間の関係性を推定してもよい。例えば、情報提供装置10は、移動するフロアの数が多い程、より密な関係性を有している旨を推定してもよい。
【0047】
また、情報提供装置10は、利用者のグループ間の関係性を推定してもよい。例えば、情報提供装置10は、第1部署に所属する利用者と、第2部署に所属する利用者とが行ったミーティングの長さや回数、ミーティングを行うために各利用者が移動した距離やフロアの数に基づいて、第1部署と第2部署との間の関係性を推定してもよい。
【0048】
また、情報提供装置10は、各会議室でミーティングが行われた回数や時間帯、ミーティングの長さを示す情報を関係性レポートとして生成してもよい。また、情報提供装置10は、各フロアでミーティングが行われた回数や数を示す情報を関係性レポートとして生成してもよい。さらに、情報提供装置10は、ミーティングのために各利用者が移動したフロア間の関係性を示すグラフ情報を生成し、生成したグラフ情報を関係性レポートとして提供してもよい。
【0049】
また、情報提供装置10は、複数の利用者が集合していた期間の長さや集合していた人数、集合していた場所に応じて、各利用者が集合した目的となるミーティングの種別を推定してもよい。例えば、情報提供装置10は、利用者U1、U2が給湯室等において15分~20分の間集合していた場合は、ミーティングではなく、立ち話をしていたと判定し、利用者U1~U5が会議室や執務エリアで1時間程度集合していた場合は、ミーティングを行ったと推定してもよい。なお、このような推定は、例えば、集合していた期間の長さの範囲、集合していた利用者の人数範囲、および集合していた場所ごとに、集合する目的を予め対応付けておくことで、実現が可能である。
【0050】
〔1-5.伝達情報の利用について〕
また、情報提供装置10は、各利用者の位置情報に加えて、利用者間で伝達された情報である伝達情報に基づいて、利用者間の関係性を推定してもよい。例えば、情報提供装置10は、端末装置100や各種ウェアラブルデバイスが検知した音声から、ミーティングにおいて各利用者が他の利用者に対して行った発言を特定する。そして、情報提供装置10は、各利用者が誰に対して発言を行ったかや、各利用者が他の利用者に対して発言した回数等を示す情報を関係性レポートとして生成してもよい。例えば、情報提供装置10は、各利用者から他の利用者への発言を示す有向グラフを生成してもよい。
【0051】
また、情報提供装置10は、ミーティングを行った各利用者間で送受信したメッセージやメールの内容を解析し、ミーティングを提案した利用者を特定する。そして、情報提供装置10は、特定した利用者から他の利用者に対して、ミーティングを行った旨を示す有向グラフ等を関係性レポートとして生成してもよい。
【0052】
〔1-6.モデルを用いた処理について〕
ここで、情報提供装置10は、モデルを用いて、利用者が集合し、その後離散したか否かを判定してもよい。例えば、情報提供装置10は、正例の学習データとして、実際にミーティングを行った利用者の位置履歴を取得する。より具体的には、情報提供装置10は、実際にミーティングを行った利用者が集合するために移動を開始した時点から、ミーティングを行い、その後、離散して移動を完了するまでの位置履歴を取得する。また、情報提供装置10は、負例の学習データとして、ミーティングを行っていないが、近傍に集まり、その後離散した利用者の位置履歴を取得する。そして、情報提供装置10は、取得した学習データの特徴をDNN(Deep Neural Network)等の各種モデルに学習させることで、位置履歴から、ミーティングのために利用者が集合し、その後離散したか否かを判定するモデルを生成してもよい。
【0053】
また、情報提供装置10は、ミーティング以外にも、例えば、偶然に集合し、立ち話を行ってその後離散した利用者の位置履歴の特徴を学習させたモデルを生成してもよく、他の目的を用いて集合し、その後離散した利用者の位置履歴の特徴を学習させたモデルを生成してもよい。すなわち、情報提供装置10は、集合し、その後離散するという利用者の目的ごとに、モデルの生成を行う。
【0054】
その後、情報提供装置10は、各利用者の位置履歴を各モデルに入力することで、各利用者が集合し、その後離散したか否かや、利用者が集合した目的の推定を行ってもよい。また、情報提供装置10は、推定結果に基づいて、各利用者がどのような目的の元に集合する利用者であるかという利用者の関係性の推定を行ってもよい。
【0055】
〔1-7.集合後の移動について〕
上述した例では、情報提供装置10は、ミーティング等、利用者が所定の位置に集合し、その位置で離散した場合の例について説明した。しかしながら、実施形態は、これに限定されるものではない。
【0056】
例えば、利用者が同僚同士で昼食に出向く場合や、旅行を行う場合、利用者がいずれかの出発位置(例えば、会社のエントランスや駅)に集合し、目的地(例えば、レストランや観光地)まで移動した後に、離散位置(例えば、目的地の近傍の駅等)で離散するといった態様も考えられる。そこで、情報提供装置10は、複数の利用者が集合し、集合した状態で移動し、移動先で離散したか否かを判定してもよい。
【0057】
例えば、情報提供装置10は、複数の利用者が所定の領域に集合し、これらの利用者の位置が所定の範囲内に収まったままで、いずれかの位置まで移動し、その後、各利用者が所定の範囲内に収まらなくなったか否かを判定する。そして、情報提供装置10は、各利用者の位置履歴が、このような条件を満たす場合は、地の近傍の駅等)で離散するといった態様も考えられる。そこで、情報提供装置10は、複数の利用者が集合し、集合した状態で移動し、移動先で離散したと判定してもよい。また、情報提供装置10は、このような判定結果や、利用者が集合した位置、移動距離、移動先、集合してから離散するまでの期間等に応じて、利用者が旅行したか、昼食に出向いたかといった各利用者の目的を推定し、推定結果から、各利用者間の関係性を推定してもよい。
【0058】
なお、このような処理を行った場合、例えば、旅行先で各利用者が自由行動を行う場合も考えられる。そこで、情報提供装置10は、移動先で離散したが、所定の期間内(例えば、数時間)で再度集合し、その後移動を行った場合は、各利用者が離散せずに集合し続けていると判定してもよい。
【0059】
また、情報提供装置10は、集合位置と離散位置とが異なる場合、離散位置に基づいて、各利用者の集合の目的を推定し、推定した目的から各利用者の関係性を推定してもよい。例えば、情報提供装置10は、集合位置と離散位置とが異なる駅の近傍であるか否かに応じて、利用者がグループで旅行を行ったか否かの推定を行ってもよい。
【0060】
〔1-8.位置履歴について〕
上述した例では、情報提供装置10は、各利用者の端末装置100とアクセスポイントAPとの間の電波強度に基づいて、各利用者の位置履歴を取得した。しかしながら、実施形態は、これに限定されるものではない。例えば、情報提供装置10は、各端末装置100がGPS(Global Positioning System)等の測位システムを用いて検知した位置の履歴を取得してもよい。また、情報提供装置10は、各端末装置100が取得したビーコンなどの情報に基づいて、位置履歴を取得してもよい。
【0061】
〔2.情報提供装置の構成〕
以下、上記した情報提供装置10が有する機能構成の一例について説明する。図2は、実施形態に係る情報提供装置の構成例を示す図である。図2に示すように、情報提供装置10は、通信部20、記憶部30、および制御部40を有する。
【0062】
通信部20は、例えば、NIC(Network Interface Card)等によって実現される。そして、通信部20は、ネットワークNと有線または無線で接続され、各種装置との間で情報の送受信を行う。
【0063】
記憶部30は、例えば、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ(Flash Memory)等の半導体メモリ素子、または、ハードディスク、光ディスク等の記憶装置によって実現される。また、記憶部30は、通信履歴データベース31、APデータベース32、位置履歴データベース33、および関係性データベース34を記憶する。
【0064】
以下、図3図6を用いて、各データベースに登録される情報の一例について説明する。
【0065】
まず、図3を用いて、通信履歴データベース31に登録される情報の一例について説明する。図3は、実施形態に係る通信履歴データベースに登録される情報の一例を示す図である。図3に示すように、通信履歴データベース31には、「端末ID」、「通信強度」、「通信日時」、および「APID」といった項目を有する情報であって、端末装置100とアクセスポイントAPとの間の通信の履歴に関する情報が登録される。
【0066】
ここで、「端末ID」とは、アクセスポイントAPと通信を行った端末装置100を識別する情報である。また、「通信強度」とは、「端末ID」が示す端末装置100と通信を行った際の平均的な電波強度を示す情報である。また、「通信日時」とは、「端末ID」が示す端末装置100と通信を行った日時を示す情報である。また、「APID」とは、「端末ID」が示す端末装置100と通信を行ったアクセスポイントAPを識別する情報である。
【0067】
例えば、図3に示す例では、端末ID「T1」、通信強度「-40db」、通信日時[2020/02/01/10:25:10」、およびAPID「AP1」が対応付けて登録されている。このような情報は、端末ID「T1」が示す端末装置100とAPID「AP#1」が示すアクセスポイントAPとの間で、通信日時[2020/02/01/10:25:10」に通信が行われ、その際の電波強度「-40db」であった旨を示す。
【0068】
なお、図3に示す例では、「T1」や「AP1」といった概念的な値を記載したが、実際には、IP(Internet Protocol)アドレスやMAC(Media Access Control)等、端末装置100やアクセスポイントAPを示す情報が登録されることとなる。また、図3に示す情報以外にも、通信履歴データベース31には、通信データ量等、通信に関する各種の情報が登録されていてもよい。
【0069】
次に、図4を用いて、APデータベース32に登録される情報の一例について説明する。図4は、実施形態に係るAPデータベースに登録される情報の一例を示す図である。APデータベース32には、「APID」および「設置位置」といった項目を有する情報が登録されている。
【0070】
ここで、「設置位置」とは、「APID」が示すアクセスポイントAPが設置されている位置を示す情報である。例えば、図4に示す例では、APID「AP1」、設置位置「位置#1」といった情報が対応付けて登録されている。このような情報は、APID「AP1」が示すアクセスポイントAPが、設置位置「位置#1」が示す位置に設置されている旨を示す。なお、図4に示す例では「位置#1」といった概念的な値を記載したが、実際には、位置を示す緯度や経度、各種の数値等が登録されることとなる。また、図4に示す情報以外にも、APデータベース32には、アクセスポイントAPに関する各種の情報が登録されていてもよい。
【0071】
次に、図5を用いて、位置履歴データベース33に登録される情報の一例について説明する。図5は、実施形態に係る位置履歴データベースに登録される情報の一例を示す図である。位置履歴データベース33には、通信履歴から推定された各端末装置100の位置が登録されることとなる。例えば、図5に示す例では、位置履歴データベース33には、「端末ID」、「推定日時」および「位置情報」といった情報が登録される。「位置情報」とは、対応付けられた「端末ID」が示す端末装置100の位置を示す情報である。また、「推定日時」とは、対応付けられた「端末ID」が示す端末装置100が、対応付け得られた「位置情報」が示す位置に所在していたと推定される日時を示す情報である。
【0072】
例えば、図5に示す例では、端末ID「T1」、推定日時「2020/02/01/10:25」、および位置情報「P1」が対応付けて登録されている。このような情報は、端末ID「T1」が示す端末装置100が、推定日時「2020/02/01/10:25」において、位置情報「P1」が示す位置に所在していたと推定される旨を示す。なお、図5に示す情報以外にも、位置履歴データベース33には、各種の情報が登録されていてもよい。
【0073】
次に、図6を用いて、関係性データベース34に登録される情報の一例について説明する。図6は、実施形態に係る関係性データベースに登録される情報の一例を示す図である。関係性データベース34には、集合してその後離散した端末装置と対応する利用者の関係性を示す関係性情報が登録される。
【0074】
例えば、図6に示す例では、関係性データベース34には、「推定ID」、「対象端末」、「集合日時」、「離散日時」および「関係性情報」が登録される。ここで、「推定ID」とは、推定された関係性情報を識別するための情報である。また、「対象端末」とは、集合して離散した利用者が利用する端末装置100の端末IDである。また、「集合日時」とは、各端末装置100を利用する利用者が集合したと推定される日時である。また、「離散日時」とは、各端末装置100を利用する利用者が離散したと推定される日時である。また、「関係性情報」とは、各端末装置100を利用する利用者間の関係性を示す情報である。
【0075】
例えば、図6に示す例では、推定ID「E1」、対象端末「T1、T2、T3、T4、T5」、集合日時「2020/02/01/10:25」、離散日時「2020/02/01/11:25」および関係性情報「ミーティング」が対応付けて登録されている。このような情報は、推定ID「E1」が示す関係性情報として、対象端末「T1、T2、T3、T4、T5」が示す端末装置100を利用する利用者が、集合日時「2020/02/01/10:25」に集合し、その後離散日時「2020/02/01/11:25」に離散したため、「ミーティング」を行った利用者である旨が推定されていることを示す。なお、図6に示す情報以外にも、関係性データベース34には、各利用者の関係性を占めす各種の情報が登録されていてもよい。
【0076】
図2に戻り、説明を続ける。制御部40は、コントローラ(controller)であり、例えば、CPU(Central Processing Unit)、MPU(Micro Processing Unit)等のプロセッサによって、情報提供装置10内部の記憶装置に記憶されている各種プログラムがRAM等を作業領域として実行されることにより実現される。また、制御部40は、コントローラ(controller)であり、例えば、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等の集積回路により実現されてもよい。
【0077】
図2に示すように、制御部40は、収集部41、取得部42、判定部43、推定部44、および提供部45を有する。
【0078】
収集部41は、端末装置100とアクセスポイントAPとの間の通信履歴を収集する。例えば、収集部41は、アクセスポイントAPから、通信履歴として、通信を行った端末装置100のIDと、通信日時と、電波強度とを受付ける。このような場合、収集部41は、受付けた通信履歴にアクセスポイントAPのAPIDを付与して、通信履歴データベース31に登録する。なお、収集部41は、例えば、各アクセスポイントAPと端末装置100との間の通信履歴を管理する各種のログサーバから、通信履歴を収集してもよい。
【0079】
取得部42は、複数の利用者の位置を示す位置情報を取得する。例えば、取得部42は、通信履歴データベース31を参照し、所定の日時を基準とした所定の期間内(例えば、数分間)に同一の端末装置100と通信を行った複数のアクセスポイントAPを特定する。続いて、取得部42は、APデータベース32を参照し、特定したアクセスポイントAPの位置を特定する。そして、取得部42は、特定した各アクセスポイントAPの位置と、各アクセスポイントが受信した電波強度とに基づいて、3点測量の原理に基づき、端末装置100の位置を推定する。また、取得部42は、端末装置100の位置と所定の日時とを対応付けて位置履歴データベース33に登録する。
【0080】
なお、取得部42は、GPS等を用いて端末装置100が検知した位置を取得してもよく、通信履歴から端末装置100の位置を検知する各種の検知サーバにより検知された位置を示す位置を取得してもよい。
【0081】
また、取得部42は、各端末装置100や、各利用者が装着するウェアラブルデバイスから、利用者間での会話を示す情報を取得してもよく、例えば、利用者間で送受信されたメッセージを伝達情報として取得してもよい。このような伝達情報や、各種の情報から取得部42が推定した者であってもよく、各種伝達情報を管理する外部サーバから取得されたものであってもよい。
【0082】
判定部43は、位置情報に基づいて、複数の利用者が集合し、その後離散したか否かを判定する。例えば、判定部43は、複数の利用者が所定の期間以上集合し、その後解散したか否かを判定する。なお、判定部43は、複数の利用者が所定の範囲内に集合し、その後解散したか否かを判定してもよい。
【0083】
例えば、判定部43は、位置履歴データベース33を参照し、同時期に所定の領域内に所定の時間以上所在した利用者を集合利用者として特定する。また、判定部43は、集合利用者が集合した日時を集合日時として特定するとともに、各集合利用者の位置が所定の領域外へと移動した日時を離散日時として特定する。そして、判定部43は、集合日時から離散日時までの期間を算出し、算出した期間が所定の閾値を超えるか否かを判定する。
【0084】
なお、判定部43は、複数の利用者が集合し、その後、その複数の利用者が集合した状態で移動し、移動先で離散したか否かを判定してもよい。また、判定部43は、さらに、複数の利用者が集合した後で、新たな利用者が集合し、その後、離散したか否かを判定してもよい。また、判定部43は、さらに、集合した複数の利用者のうちいずれかの利用者が離脱したか否かを判定してもよい。そして、判定部43は、各種の判定結果を推定部44に提供する。
【0085】
推定部44は、判定結果に基づいて、複数の利用者の関係性を推定する。例えば、推定部44は、複数の利用者が集合し、その後、離散したと判定された場合は、各利用者がミーティングを行う関係性である旨を推定してもよい。
【0086】
また、推定部44は、さらに複数の利用者が集合した位置に基づいて、複数の利用者の関係性を推定してもよい。例えば、推定部44は、集合離散利用者が集合していた場所が会議室である場合は、各利用者がミーティングを行う関係性である旨を推定してもよい。また、推定部44は、集合離散利用者が集合していた場所が給湯室である場合は、各利用者が立ち話を行う関係性である旨を推定してもよい。
【0087】
また、推定部44は、利用者が離散した位置に基づいて、複数の利用者の関係性を推定してもよい。例えば、推定部44は、集合離散利用者が集合した後で移動し、その後、集合場所とは異なる場所で離散した場合、離散位置が駅であるか、レストランであるか等に応じて、集合離散利用者が旅行を行う利用者であるのか、共に食事を行う利用者であるのかを推定してもよい。
【0088】
また、推定部44は、複数の利用者が集合していた期間の長さに応じて、複数の利用者の関係性を推定してもよい。例えば、推定部44は、集合日時から離散日時までの時間が5分~15分程度である場合は、立ち話を行う利用者であると推定し、30分以上である場合は、ミーティングを行う利用者であると推定してもよい。
【0089】
また、推定部44は、複数の利用者が集合し、その後離散した回数に応じて、複数の利用者の関係性を推定してもよい。例えば、推定部44は、複数の利用者が同一の組み合わせで複数回集合し、その後離散している場合は、これらの利用者が共通するプロジェクトに関する利用者であると推定してもよい。
【0090】
また、推定部44は、複数の利用者の移動履歴に基づいて、複数の利用者の関係性を推定してもよい。例えば、推定部44は、集合場所までの移動距離が長い程、仲がいい、若しくはミーティングを重要視している旨の推定を行ってもよい。また、推定部44は、伝達情報に基づいて、複数の利用者の関係性を推定してもよい。例えば、推定部44は、各種の音声やメッセージの内容等から、ミーティングで主体となる利用者の推定や、ミーティングを主催した利用者の推定を行ってもよい。
【0091】
なお、推定部44は、ある利用者が途中で集合したり、ある利用者が途中で離散した場合、このような利用者がミーティングの途中まで参加した旨を推定してもよい。また、推定部44は、このような各利用者が集合したタイミングや離散したタイミングに応じて、利用者間の仲の良さを推定してもよい。例えば、推定部44は、ある利用者U6が所在している集会において、利用者U5が途中退席することが多い場合や、利用者U6が参加するミーティングにおいて利用者U6が参加すると、利用者U5が途中退席する回数が多い場合には、利用者U5が利用者U6を嫌っている旨を推定してもよい。そして、推定部44は、推定結果等を関係性データベース34に登録する。
【0092】
提供部45は、判定部43による判定結果や推定部44による推定結果を提供する。例えば、提供部45は、関係性データベース34に登録された関係性を示す情報や、集合場所、離散場所、集合人数、集合日時、集合していた時間、離散日時、集合するまでの移動距離、ミーティングを行った利用者を模式的に紐付けたグラフ等といった各種の関係性レポートを生成する。なお、提供部45は、判定部43による判定結果に基づいて、このような関係性レポートを生成してもよい。そして、提供部45は、関係性レポートを操作者端末200に提供する。
【0093】
〔3.情報提供装置が実行する処理の流れの一例〕
続いて、図7を用いて、情報提供装置10が実行する処理の流れについて説明する。図7は、実施形態に係る情報提供装置が実行する処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【0094】
まず、情報提供装置10は、通信履歴から位置履歴を取得する(ステップS101)。そして、情報提供装置10は、所定の判定タイミングであるか否かを判定し(ステップS102)、所定の判定タイミングである場合は(ステップS102:Yes)、位置履歴に基づいて、複数の利用者が集合しその後離散したか否かを判定する(ステップS103)。
【0095】
続いて、情報提供装置10は、所定の推定タイミングであるか否かを判定し(ステップS104)、推定タイミングである場合は(ステップS104:Yes)、判定結果に基づいて、利用者間の関係性を推定する(ステップS105)。その後、情報提供装置10は、推定した関係性を示す関係性レポートを提供し(ステップS106)、処理を終了する。なお、情報提供装置10は、判定タイミングではない場合(ステップS102:No)や、推定タイミングではない場合は(ステップS104:No)、ステップS101を実行する。
【0096】
〔4.変形例〕
上記では、情報提供装置10による処理の一例について説明した。しかしながら、実施形態は、これに限定されるものではない。以下、情報提供装置10が実行する処理のバリエーションについて説明する。
【0097】
〔4-1.推定対象について〕
上述した例では、情報提供装置10は、集合離散利用者間の関係性を推定した。しかしながら、実施形態は、これに限定されるものではない、情報提供装置10は、集合離散利用者であるか否かの判定結果に基づいて、任意の対象を推定してもよい。
【0098】
例えば、情報提供装置10は、伝達情報に基づいて、コミュニケーションに秀でた利用者の推定を行ってもよい。例えば、情報提供装置10は、集合離散利用者の伝達情報から、他の利用者に対して発言を行った回数が多い利用者や、他の利用者と頻繁に会話を行っている利用者を推定し、推定した利用者をコミュニケーションに秀でた利用者と推定してもよい。
【0099】
また、情報提供装置10は、チームのパフォーマンスに関連する利用者の推定や、このような利用者の行動を示す関係性レポートの生成を行ってもよい。例えば、情報提供装置10は、収益性が高いグループを特定し、特定したグループの利用者が集合離散利用者として参加したミーティングを特定する。そして、情報提供装置10は、特定したミーティングに対して頻繁に参加している利用者を、チームのパフォーマンスに関連する利用者として特定する。また、情報提供装置10は、特定した利用者が参加する他のミーティングや特定した利用者と関係性を有する他の利用者、このような利用者の移動履歴等をまとめた関係性レポートを生成し、生成した関係性レポートを提供してもよい。
【0100】
また、情報提供装置10は、伝達情報に基づいて、ミーティングにおいて意思決定を行う利用者の推定を行ってもよい。例えば、情報提供装置10は、ミーティングにおいてまとめの発言や他の利用者に対して指示を行った利用者、メッセージで他の利用者に指示を行った利用者を特定し、特定した利用者に関する各種の関係性レポートを提供してもよい。
【0101】
また、情報提供装置10は、利用者の関係性の推定ではなく、例えば、ゲリラライブ等のイベント(事象)の発生を推定してもよい。例えば、情報提供装置10は、街を移動していた利用者が集合し、その後、離散した場合は、集合および離散した場所でゲリラライブや事故等といった突発的な事象が発生したと推定してもよい。また、情報提供装置10は、集合離散利用者のデモグラフィック属性やサイコグラフィック属性に基づいて、これら突発的な事象の内容の推定を行ってもよい。
【0102】
〔4-2.その他〕
また、上記実施形態において説明した各処理のうち、自動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を手動的に行うこともでき、逆に、手動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を公知の方法で自動的に行うこともできる。この他、上記文書中や図面中で示した処理手順、具体的名称、各種のデータやパラメータを含む情報については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。例えば、各図に示した各種情報は、図示した情報に限られない。
【0103】
また、図示した各装置の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されることを要しない。すなわち、各装置の分散・統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部または一部を、各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。
【0104】
また、上記してきた各実施形態は、処理内容を矛盾させない範囲で適宜組み合わせることが可能である。
【0105】
〔4-3.プログラム〕
また、上述した実施形態に係る情報提供装置10は、例えば図8に示すような構成のコンピュータ1000によって実現される。図8は、ハードウェア構成の一例を示す図である。コンピュータ1000は、出力装置1010、入力装置1020と接続され、演算装置1030、一次記憶装置1040、二次記憶装置1050、出力IF(Interface)1060、入力IF1070、ネットワークIF1080がバス1090により接続された形態を有する。
【0106】
演算装置1030は、一次記憶装置1040や二次記憶装置1050に格納されたプログラムや入力装置1020から読み出したプログラム等に基づいて動作し、各種の処理を実行する。一次記憶装置1040は、RAM等、演算装置1030が各種の演算に用いるデータを一次的に記憶するメモリ装置である。また、二次記憶装置1050は、演算装置1030が各種の演算に用いるデータや、各種のデータベースが登録される記憶装置であり、ROM(Read Only Memory)、HDD(Hard Disk Drive)、フラッシュメモリ等により実現される。
【0107】
出力IF1060は、モニタやプリンタといった各種の情報を出力する出力装置1010に対し、出力対象となる情報を送信するためのインタフェースであり、例えば、USB(Universal Serial Bus)やDVI(Digital Visual Interface)、HDMI(登録商標)(High Definition Multimedia Interface)といった規格のコネクタにより実現される。また、入力IF1070は、マウス、キーボード、およびスキャナ等といった各種の入力装置1020から情報を受信するためのインタフェースであり、例えば、USB等により実現される。
【0108】
なお、入力装置1020は、例えば、CD(Compact Disc)、DVD(Digital Versatile Disc)、PD(Phase change rewritable Disk)等の光学記録媒体、MO(Magneto-Optical disk)等の光磁気記録媒体、テープ媒体、磁気記録媒体、または半導体メモリ等から情報を読み出す装置であってもよい。また、入力装置1020は、USBメモリ等の外付け記憶媒体であってもよい。
【0109】
ネットワークIF1080は、ネットワークNを介して他の機器からデータを受信して演算装置1030へ送り、また、ネットワークNを介して演算装置1030が生成したデータを他の機器へ送信する。
【0110】
演算装置1030は、出力IF1060や入力IF1070を介して、出力装置1010や入力装置1020の制御を行う。例えば、演算装置1030は、入力装置1020や二次記憶装置1050からプログラムを一次記憶装置1040上にロードし、ロードしたプログラムを実行する。
【0111】
例えば、コンピュータ1000が情報提供装置10として機能する場合、コンピュータ1000の演算装置1030は、一次記憶装置1040上にロードされたプログラムを実行することにより、制御部40の機能を実現する。
【0112】
〔5.効果〕
上述したように、情報提供装置10は、複数の利用者の位置を示す位置情報を取得し、位置情報に基づいて、複数の利用者が集合し、その後離散したか否かを判定する。このような処理の結果、情報提供装置10は、例えば、ミーティング等の所定の目的をもって集合した利用者や、突発的に集合した利用者を適切に判定することができる結果、利用者間の繋がりを適切に推定することができる。
【0113】
また、情報提供装置10は、複数の利用者が所定の期間以上集合し、その後解散したか否かを判定する。また、情報提供装置10は、複数の利用者が所定の範囲内に集合し、その後解散したか否かを判定する。このような処理の結果、情報提供装置10は、所定の関係性を有する利用者を適切に判定することができる。
【0114】
また、情報提供装置10は、判定結果に基づいて、複数の利用者の関係性を推定する。例えば、情報提供装置10は、複数の利用者が集合した位置に基づいて、複数の利用者の関係性を推定する。このような処理の結果、情報提供装置10は、利用者間の関係性を適切に推定できる。
【0115】
また、情報提供装置10は、複数の利用者が集合し、その後、その複数の利用者が集合した状態で移動し、移動先で離散したか否かを判定する。そして、情報提供装置10は、さらに複数の利用者が離散した位置に基づいて、複数の利用者の関係性を推定する。このような処理の結果、情報提供装置10は、例えば、利用者が食事に行く間柄なのか、ミーティングを行う間柄なのかといった関係性を適切に推定することができる。
【0116】
また、情報提供装置10は、複数の利用者が集合していた期間の長さに応じて、複数の利用者の関係性を推定する。また、情報提供装置10は、複数の利用者が集合し、その後離散した回数に応じて、複数の利用者の関係性を推定する。また、情報提供装置10は、複数の利用者の移動履歴に基づいて、複数の利用者の関係性を推定する。このような処理の結果、情報提供装置10は、集合し、その後離散した行動に応じて、各利用者の関係性を適切に推定することができる。
【0117】
また、情報提供装置10は、集合し、その後離散したと判定された複数の利用者間において伝達された伝達情報をさらに取得し、伝達情報に基づいて、複数の利用者の関係性を推定する。このため、情報提供装置10は、各利用者の関係性をより詳細に推定することができる。
【0118】
また、情報提供装置10は、さらに、複数の利用者が集合した後で、新たな利用者が集合し、その後、離散したか否かを判定する。また、情報提供装置10は、さらに、集合した複数の利用者のうちいずれかの利用者が離脱したか否かを判定する。このような処理の結果、情報提供装置10は、ミーティングに途中参加、あるいは、途中退出したか否かを適切に判定するとともに、このような判定結果から利用者間の関係性を適切に推定できる。
【0119】
また、情報提供装置10は、利用者が使用する端末装置の位置を検知する検知装置により検知された位置を示す位置情報を取得する。このため、情報提供装置10は、利用者の集合および離散を判定することができる。
【0120】
また、情報提供装置10は、判定結果に基づいた情報を提供する。例えば、情報提供装置10は、集合した後で離散したと判定された複数の利用者に関する情報を提供する。また、情報提供装置10は、集合した後で離散したと判定された複数の利用者の人数、その複数の利用者が集合した位置、若しくは、その複数の利用者が集合していた時間の少なくともいずれか1つを示す情報を提供する。また、情報提供装置10は、集合した後で離散したと判定された複数の利用者を模式的に紐付けたグラフを提供する。このような処理の結果、情報提供装置10は、各利用者間の関係性を示す情報を提供することができる。
【0121】
以上、本願の実施形態のいくつかを図面に基づいて詳細に説明したが、これらは例示であり、発明の開示の欄に記載の態様を始めとして、当業者の知識に基づいて種々の変形、改良を施した他の形態で本発明を実施することが可能である。
【0122】
また、上記してきた「部(section、module、unit)」は、「手段」や「回路」などに読み替えることができる。例えば、付与部は、特定手段や特定回路に読み替えることができる。
【符号の説明】
【0123】
10 情報提供装置
20 通信部
30 記憶部
31 通信履歴データベース
32 APデータベース
33 位置履歴データベース
34 関係性データベース
40 制御部
41 収集部
42 取得部
43 判定部
44 推定部
45 提供部
100 端末装置
200 操作者端末
AP アクセスポイント
図1
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図8