(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-02-10
(45)【発行日】2023-02-20
(54)【発明の名称】コンピュータ装置におけるアプリケーションの実行及び制御のためのクラウド駆動型アプリケーションランチャ
(51)【国際特許分類】
G06F 8/65 20180101AFI20230213BHJP
H04L 67/10 20220101ALI20230213BHJP
【FI】
G06F8/65
H04L67/10
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2020173723
(22)【出願日】2020-10-15
【審査請求日】2022-10-14
(31)【優先権主張番号】202021021472
(32)【優先日】2020-05-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IN
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】510337621
【氏名又は名称】タタ コンサルタンシー サービシズ リミテッド
【氏名又は名称原語表記】TATA Consultancy Services Limited
【住所又は居所原語表記】Nirmal Building,9th Floor,Nariman Point,Mumbai 400021,Maharashtra,India.
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【識別番号】100086771
【氏名又は名称】西島 孝喜
(74)【代理人】
【識別番号】100109335
【氏名又は名称】上杉 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100120525
【氏名又は名称】近藤 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100139712
【氏名又は名称】那須 威夫
(72)【発明者】
【氏名】ヴィラル プラカシュ シャー
(72)【発明者】
【氏名】ショビット シュクラ
(72)【発明者】
【氏名】サチン ナイク
(72)【発明者】
【氏名】アンクッシュ シャルマ
【審査官】坂庭 剛史
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-095962(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2018/0255591(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2014/0359602(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 8/60- 8/658
H04L 67/10-67/1097
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンピュータ装置におけるアプリケーションの実行及び制御のためのプロセッサ実装方法であって、
所与のインスタンスの時点にマスタ装置として機能するクライアント装置上に構成されたクラウド駆動型アプリケーションランチャ(CDAL)がオフラインモードでアドホックネットワークを形成するステップであって、
前記クラウド駆動型アプリケーションランチャが前記オフラインモードで前記アドホックネットワークを形成する前記ステップに先行して、
前記CDALのランチインスタンスが初回のランチインスタンスであると判定されたときに、前記クライアント装置の前記CDALが、(i)前記クライアント装置がタグ付けされている団体に関する情報、及び(ii)前記クライアント装置の装置識別子、をクラウドサーバに送信するステップと、
前記クライアント装置の前記CDALが前記クラウドサーバから構成記録バージョンを取得するステップと、
前記クライアント装置の前記CDALが、前記取得された構成記録バージョンと前記クライアント装置に含まれる構成記録バージョンとの比較を実行するステップと、
前記クライアント装置の前記CDALが、前記比較に基づいて、1又は2以上の構成要素及び構成チェックのバージョンと共に最新の構成記録を取得するステップと、
(i)前記最新の構成記録及び前記1又は2以上の構成要素を解析し、(ii)前記クライアント装置のCDALに1又は2以上の関連する変更を適用する、ことによって前記CDAL及び1又は2以上の関連する属性を再構成するステップと、
が行われる、
アドホックネットワークを形成するステップと、
前記CDALが、前記形成されたアドホックネットワークを使用して、いずれも前記団体に関連する前記マスタ装置と複数のクライアント装置との間に通信セッションを確立するステップと、
前記CDALが、前記複数のクライアント装置に含まれる1又は2以上のアプリケーションのバージョンを、前記マスタ装置に含まれる1又は2以上の対応するアプリケーションの対応するバージョンに前記オフラインモードでアップグレードするステップと、
前記マスタ装置及び前記複数のクライアント装置の統一されたユーザインターフェイス(UI)が可能になるように、前記アドホックネットワークを介して前記マスタ装置及び前記複数のクライアント装置を前記オフラインモードで同期させるステップと、
を含むことを特徴とするプロセッサ実装方法。
【請求項2】
前記クラウド駆動型アプリケーションランチャが前記オフラインモードで前記アドホックネットワークを形成する前記ステップに先行して、
前記クライアント装置が前記クラウドサーバに要求を送信するステップと、
前記1つのクライアント装置がタグ付けされている前記団体に関する情報を前記クラウドサーバから取得し、前記団体に関する前記情報を前記クライアント装置のデータベースに記憶するステップと、
が行われる、請求項1に記載のプロセッサ実装方法。
【請求項3】
前記クラウドサーバは、前記クライアント装置を認識できない場合、前記クライアント装置との通信及び前記クライアント装置への後続の情報の送信を中止する、
請求項2に記載のプロセッサ実装方法。
【請求項4】
前記CDALの再構成時に、前記クライアント装置の前記CDALが、前記クライアント装置に構成された1又は2以上のアプリケーションの1又は2以上のアイコンを作成するステップと、
前記CDALが前記クライアント装置の前記装置識別子を送信するステップと、
(i)前記団体のために構成されたアプリケーションのリスト、(ii)前記アプリケーションのリスト内の各アプリケーションのバージョン、及び(iii)前記アプリケーションのリスト内の各アプリケーションのユニフォームリソースロケータ、を含む詳細を前記クラウドサーバから取得するステップと、
のうちの1つ又は2つ以上をさらに含む、請求項1に記載のプロセッサ実装方法。
【請求項5】
前記クライアント装置の前記CDALが、前記アプリケーションのリストに基づいて、前記クライアント装置に含まれる前記アプリケーションのリストからの1又は2以上の特定のアプリケーションの、該1又は2以上の特定のアプリケーションの存在又は不在を含む状態及びバージョンを決定するステップと、
前記CDALが、前記クライアント装置に含まれる前記1又は2以上の特定のアプリケーションの前記決定された状態及び前記決定されたバージョンに基づいて、
(i)(a)前記1又は2以上の特定のアプリケーションの前記決定されたバージョンが旧バージョンであること、及び(b)前記1又は2以上の特定のアプリケーションにアップグレードが必要であること、を前記クライアント装置のデータベースに登録するステップと、
(ii)前記1又は2以上の特定のアプリケーションが(a)前記クライアント装置に構成されていないこと、及び(b)前記クライアント装置へのダウンロード及びインストールが必要であること、を前記クライアント装置のデータベースに登録するステップと、
(iii)前記クライアント装置から前記1又は2以上の特定のアプリケーションをアンインストールして関連するエントリを前記データベースから削除するステップと、
のうちの1つを実行するステップと、
をさらに含み、
前記CDALは、前記決定された状態に基づいて、(i)利用可能性に基づいて前記マスタ装置に前記1又は2以上の特定のアプリケーションをインストールし、(ii)前記1又は2以上の特定のアプリケーションの各々の状況を前記データベースに登録する、ように構成され、
前記状況は、インストールが上手くいったか、それとも上手くいかなかったかの一方であり、前記CDALは、(i)前記統一されたUIを提供し、(ii)前記決定された状態及び前記状況に基づいて前記クラウドサーバからの装置管理を可能にする、ように構成される、
請求項4に記載のプロセッサ実装方法。
【請求項6】
前記マスタ装置及び前記複数のクライアント装置のうちの1つ又は2つ以上に含まれる少なくとも1つのアプリケーションの実行中に、(i)前記マスタ装置の前記CDAL、及び(ii)前記複数のクライアント装置の対応するCDAL、に含まれる前記UIベースの電力要素における入力を受け取ったときに、前記マスタ装置及び前記複数のクライアント装置のうちの1つ又は2つ以上が第1の状態から第2の状態に変化するのを防ぐステップをさらに含み、前記第1の状態はアクティブなON状態であり、前記第2の状態は、スリープモード、ハイバネーションモード及びシャットダウンモードから成る一群のモードから選択される、
請求項1に記載のプロセッサ実装方法。
【請求項7】
前記マスタ装置の前記CDALが、固有のテーマを動的に決定して前記複数のクライアント装置の各々に割り当てるステップと、
前記マスタ装置に関連する前記CDALが、前記複数のクライアント装置のうちの1つ又は2つ以上と共有すべきコンテンツを決定するステップと、
前記CDALが、前記決定されたコンテンツに基づいて、前記複数のクライアント装置のうちの1つ又は2つ以上において前記固有のテーマをレンダリングするステップと、
をさらに含む、請求項1に記載のプロセッサ実装方法。
【請求項8】
コンピュータ装置におけるアプリケーションの実行及び制御のためのクライアント装置であって、
命令、データベース及びクラウド駆動型アプリケーションランチャ(CDAL)を記憶するメモリと、
1又は2以上の通信インターフェイスと、
前記1又は2以上の通信インターフェイスを介して前記メモリに結合された1又は2以上のハードウェアプロセッサと、
を備え、前記1又は2以上のハードウェアプロセッサは、前記命令によって前記CDALを実行するように構成され、前記CDALは、実行時に、
所与のインスタンスの時点にマスタ装置として機能する前記クライアント装置上に構成されたクラウド駆動型アプリケーションランチャ(CDAL)がオフラインモードでアドホックネットワークを形成することであって、
前記クライアント装置の前記CDALは、前記アドホックネットワークを形成する前に、
前記CDALのランチインスタンスが初回のランチインスタンスであると判定されたときに、(i)前記クライアント装置がタグ付けされている団体に関する情報、及び(ii)前記クライアント装置の装置識別子、をクラウドサーバに送信し、
前記クラウドサーバから構成記録バージョンを取得し、
前記取得された構成記録バージョンと前記クライアント装置に含まれる構成記録バージョンとの比較を実行し、
前記比較に基づいて、1又は2以上の構成要素及び構成チェックのバージョンと共に最新の構成記録を取得し、
(i)前記最新の構成記録及び前記1又は2以上の構成要素を解析し、(ii)前記クライアント装置のCDALに1又は2以上の関連する変更を適用する、ことによって前記CDAL及び1又は2以上の関連する属性を再構成し、前記CDALは、該CDALの再構成時に、前記クライアント装置に構成された1又は2以上のアプリケーションの1又は2以上のアイコンを作成する、
アドホックネットワークを形成することを実行し、
前記形成されたアドホックネットワークを使用して、いずれも前記団体に関連する前記マスタ装置と複数のクライアント装置との間に通信セッションを確立し、
前記CDALが、前記複数のクライアント装置に含まれる1又は2以上のアプリケーションのバージョンを、前記マスタ装置に含まれる1又は2以上の対応するアプリケーションの対応するバージョンに前記オフラインモードでアップグレードし、
前記マスタ装置及び前記複数のクライアント装置の統一されたユーザインターフェイス(UI)が可能になるように、前記アドホックネットワークを介して前記マスタ装置及び前記複数のクライアント装置を前記オフラインモードで同期させる、
ように構成される、
ことを特徴とするクライアント装置。
【請求項9】
前記クライアント装置の前記CDALは、
前記クラウドサーバに要求を送信し、
前記1つのクライアント装置がタグ付けされている前記団体に関する情報を前記クラウドサーバから取得し、前記団体に関する前記情報を前記クライアント装置のデータベースに記憶する、
ように構成され、前記クラウドサーバは、前記クライアント装置を認識できない場合、前記クライアント装置との通信及び前記クライアント装置への後続の情報の送信を中止する、
請求項8に記載のクライアント装置。
【請求項10】
前記クライアント装置の前記CDALは、
前記クライアント装置の前記装置識別子を送信し、
(i)前記団体のために構成されたアプリケーションのリスト、(ii)前記アプリケーションのリスト内の各アプリケーションのバージョン、及び(iii)前記アプリケーションのリスト内の各アプリケーションのユニフォームリソースロケータ、を含む詳細を前記クラウドサーバから取得し、
前記クライアント装置の前記CDALが、前記アプリケーションのリストに基づいて、前記クライアント装置に含まれる前記アプリケーションのリストからの1又は2以上の特定のアプリケーションの、該1又は2以上の特定のアプリケーションの存在又は不在を含む状態及びバージョンを決定し、
前記クライアント装置に含まれる前記1又は2以上の特定のアプリケーションの前記決定された状態及び前記決定されたバージョンに基づいて、
(i)(a)前記1又は2以上の特定のアプリケーションの前記決定されたバージョンが旧バージョンであること、及び(b)前記1又は2以上の特定のアプリケーションにアップグレードが必要であること、を前記クライアント装置のデータベースに登録し、
(ii)前記1又は2以上の特定のアプリケーションが(a)前記クライアント装置に構成されていないこと、及び(b)前記クライアント装置へのダウンロード及びインストールが必要であること、を前記クライアント装置のデータベースに登録し、
(iii)前記クライアント装置から前記1又は2以上の特定のアプリケーションをアンインストールして関連するエントリを前記データベースから削除する、
ことのうちの1つを実行するようにさらに構成され、
前記CDALは、前記決定された状態に基づいて、(i)利用可能性に基づいて前記マスタ装置に前記1又は2以上の特定のアプリケーションをインストールし、(ii)前記1又は2以上の特定のアプリケーションの各々の状況を前記データベースに登録する、ように構成され、
前記状況は、インストールが上手くいったか、それとも上手くいかなかったかの一方であり、前記CDALは、(i)前記統一されたUIを提供し、(ii)前記決定された状態及び前記状況に基づいて前記クラウドサーバからの装置管理を可能にする、ように構成される、
請求項8に記載のクライアント装置。
【請求項11】
前記マスタ装置の前記CDAL及び前記複数のクライアント装置の前記複数の対応するCDALの各々はUIベースの電力要素を含み、前記マスタ装置の前記CDAL及び前記複数のクライアント装置の前記複数の対応するCDALの各々は、前記マスタ装置及び前記複数のクライアント装置のうちの1つ又は2つ以上に含まれる少なくとも1つのアプリケーションの実行中に、前記UIベースの電力要素における入力を受け取ったときに、前記マスタ装置及び前記複数のクライアント装置のうちの1つ又は2つ以上が第1の状態から第2の状態に変化するのを防ぐように構成され、前記第1の状態はアクティブなON状態であり、前記第2の状態は、スリープモード、ハイバネーションモード及びシャットダウンモードから成る一群のモードから選択される、
請求項8に記載のクライアント装置。
【請求項12】
前記マスタ装置のCDALは、
固有のテーマを動的に決定して前記複数のクライアント装置の各々に割り当て、
前記複数のクライアント装置のうちの1つ又は2つ以上と共有すべきコンテンツを決定し、
前記CDALが、前記決定されたコンテンツに基づいて、前記複数のクライアント装置のうちの1つ又は2つ以上において前記固有のテーマをレンダリングする、
ようにさらに構成される、請求項8に記載のクライアント装置。
【請求項13】
コンピュータ可読プログラムを具体化した非一時的コンピュータ可読媒体を含むコンピュータプログラム製品であって、前記コンピュータ可読プログラムは、マスタ装置として機能するコンピュータ装置上で実行されたときに、前記コンピュータ装置に含まれるクラウド駆動型アプリケーションランチを前記コンピュータ装置に実行させて、前記クライアント装置として機能する他のコンピュータ装置におけるアプリケーションを、
所与のインスタンスの時点にマスタ装置として機能するクライアント装置上に構成されたクラウド駆動型アプリケーションランチャ(CDAL)がオフラインモードでアドホックネットワークを形成するステップであって、
クラウド駆動型アプリケーションランチャが前記オフラインモードで前記アドホックネットワークを形成する前記ステップに先行して、
前記CDALのランチインスタンスが初回のランチインスタンスであると判定されたときに、前記クライアント装置の前記CDALが、(i)前記クライアント装置がタグ付けされている団体に関する情報、及び(ii)前記クライアント装置の装置識別子、をクラウドサーバに送信するステップと、
前記クライアント装置の前記CDALが前記クラウドサーバから構成記録バージョンを取得するステップと、
前記クライアント装置の前記CDALが、前記取得された構成記録バージョンと前記クライアント装置に含まれる構成記録バージョンとの比較を実行するステップと、
前記クライアント装置の前記CDALが、前記比較に基づいて、1又は2以上の構成要素及び構成チェックのバージョンと共に最新の構成記録を取得するステップと、
(i)前記最新の構成記録及び前記1又は2以上の構成要素を解析し、(ii)前記クライアント装置のCDALに1又は2以上の関連する変更を適用する、ことによって前記CDAL及び1又は2以上の関連する属性を再構成するステップと、が行われる、
アドホックネットワークを形成するステップと、
前記CDALが、前記形成されたアドホックネットワークを使用して、いずれも団体に関連する前記マスタ装置と複数のクライアント装置との間に通信セッションを確立するステップと、
前記CDALが、前記複数のクライアント装置に含まれる1又は2以上のアプリケーションのバージョンを、前記マスタ装置に含まれる1又は2以上の対応するアプリケーションの対応するバージョンに前記オフラインモードでアップグレードするステップと、
前記マスタ装置及び前記複数のクライアント装置の統一されたユーザインターフェイス(UI)が可能になるように、前記アドホックネットワークを介して前記マスタ装置及び前記複数のクライアント装置を前記オフラインモードで同期させるステップと、
によって制御する、
ことを特徴とするコンピュータプログラム製品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
〔関連出願との相互参照〕
本出願は、2020年5月21に出願されたインド国完成明細書出願第202021021472号に対する優先権を主張するものである。
【0002】
本明細書の開示は、一般にアプリケーションランチャに関し、具体的には、コンピュータ装置におけるアプリケーションの実行及び制御のためのクラウド駆動型アプリケーションランチャに関する。
【背景技術】
【0003】
アプリケーションランチャ(AL)は、通常はあらゆるオペレーティングシステムの不可欠な部分(integral part)である実行可能アプリケーションプログラムであり、主にコンピュータシステムにおいて構成されるオペレーティングシステムのスタートメニューオプションとして機能する。従来、ALは、その機能が1又は2以上の事前構成されたアプリケーションを検索するためのショートカット方法を提供することに限定されており、特定のアプリケーションのアイコンにおいて入力が受け取られるとアプリケーションが起動する。しかしながら、このようなランチャは、コンピュータシステム(例えば、コンピュータシステム、ラップトップ、タブレットなど)、及びコンピュータシステムにインストールされたアプリケーションにわたって一様なユーザ体験及び利便性を提供するものではない。この原因は、コンピュータシステムにおいて構成されるオペレーティングシステムのバージョンにある。例えば、当業では、時間が掛かりがちなコンテンツへのアクセス、特定のアプリケーションのアップデート及びアンインストールなどを含む事前構成されたアプリケーションの管理がアプリケーションランチャから独立している。具体的には、いずれかのアプリケーションを変更する場合、通常は同じアプリケーション内で又はオペレーティングシステムの設定からコントロールパネル設定に手動で移動して適切なオプションを選択しなければならない。
【0004】
多くの組織及び/又は機関は、個別のアプリケーションランチャを含むカスタムオペレーティングシステムを有するコンピュータシステム上で取引又は日々の活動を行っている。しかしながら、たとえこのような構成であっても、これらの異なる事前構成されたアプリケーションの制御にはかなりの頻度で手動介入が必要であり、これによってコンピュータシステムの集中的リソースが消費される。例えば、情報セキュリティ(IS)の管理者/同僚又は認定ユーザなどのユーザは、このようなシステムを局所的又は遠隔的に制御することによって手動で精査して必要な対策を講じる(例えば、(i)新たなアプリケーションをインストールする必要があるかどうか、(ii)十分に活用されていないアプリケーション又は旧バージョンの可能性がある既存のアプリケーションの更新が必要であるかどうか、及び(iii)いずれかのアプリケーションをアンインストールする必要があるかどうかを判断する)必要がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
技術の進歩と共に、データ及び個人向けサービスは非常に増加しており、これらはエンドユーザの装置で利用可能になっている。サービスプロバイダは、最適な性能及び高セキュリティなサービス品質(QoS)を提供しようと試みてきた。しかしながら、性能、QoS及びユーザ体験と利便性との間にはトレードオフが存在し、これらは時間と共に変化してきており、装置、オペレーティングシステム及びインストールされたアプリケーションの固有の性質に起因して一貫性がない。従って、このようなサービス/データからのコンテンツに安全にアクセスするためのシームレスな体験を可能な特徴としてユーザに提供することが重要である。換言すれば、装置にわたるシームレスなユーザ体験のためには、知る必要性に基づいてアプリケーションを通じてサービス及びデータを提供し、セキュアな通信チャネルを介して送信すべきである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の実施形態は、従来のシステムにおいて本発明者らが認識している上述した技術的課題のうちの1つ又は2つ以上に対する解決策としての技術的改善を提示するものである。例えば、1つの態様では、コンピュータ装置におけるアプリケーションの実行及び制御方法を提供する。この方法は、所与のインスタンスの時点にマスタ装置として機能するクライアント装置上に構成されたクラウド駆動型アプリケーションランチャ(CDAL)がオフラインモードでアドホックネットワークを形成するステップと、CDALが、形成されたアドホックネットワークを使用して、いずれも団体に関連するマスタ装置と複数のクライアント装置との間に通信セッションを確立するステップと、CDALが、複数のクライアント装置に含まれる1又は2以上のアプリケーションのバージョンを、マスタ装置に含まれる1又は2以上の対応するアプリケーションの対応するバージョンにオフラインモードでアップグレードするステップと、マスタ装置及び複数のクライアント装置の統一されたユーザインターフェイス(UI)が可能になるように、アドホックネットワークを介してマスタ装置及び複数のクライアント装置をオフラインモードで同期させるステップと、を含む。
【0007】
ある実施形態では、クラウド駆動型アプリケーションランチャ(CDAL)がオフラインモードでアドホックネットワークを形成するステップに先行して、マスタ装置として機能するクライアント装置又は複数のクライアント装置のうちの1つであるクライアント装置がクラウドサーバに要求を送信するステップと、クライアント装置がタグ付けされている団体に関する情報をクラウドサーバから取得し、団体に関する情報をクライアント装置のデータベースに記憶するステップと、が行われる。
【0008】
ある実施形態では、クラウドサーバが、クライアント装置を認識できない場合に、クライアント装置との通信及びクライアント装置への後続の情報の送信を中止する。
【0009】
ある実施形態では、クラウド駆動型アプリケーションランチャ(CDAL)がオフラインモードでアドホックネットワークを形成するステップに先行して、CDALのランチインスタンスが初回のランチインスタンスであると判定された時に、クライアント装置のCDALが、(i)クライアント装置がタグ付けされている団体に関する情報、及び(ii)クライアント装置の装置識別子、をクラウドサーバに送信するステップと、クライアント装置のCDALがクラウドサーバから構成記録バージョンを取得するステップと、クライアント装置のCDALが、取得された構成記録バージョンとクライアント装置に含まれる構成記録バージョンとの比較を実行するステップと、クライアント装置のCDALが、比較に基づいて、1又は2以上の構成要素及び構成チェックのバージョンと共に最新の構成記録を取得するステップと、(i)最新の構成記録及び1又は2以上の構成要素を解析し、(ii)クライアント装置のCDALに1又は2以上の関連する変更を適用する、ことによってCDAL及び1又は2以上の関連する属性を再構成するステップと、が行われる。
【0010】
ある実施形態では、方法が、CDALの再構成時に、クライアント装置のCDALが、クライアント装置に構成された1又は2以上のアプリケーションの1又は2以上のアイコンを作成するステップをさらに含む。
【0011】
ある実施形態では、方法が、CDALがクライアント装置の装置識別子を送信するステップと、(i)団体のために構成されたアプリケーションのリスト、(ii)アプリケーションのリスト内の各アプリケーションのバージョン、及び(iii)アプリケーションのリスト内の各アプリケーションのユニフォームリソースロケータ、を含む詳細をクラウドサーバから取得するステップとをさらに含む。
【0012】
ある実施形態では、方法が、クライアント装置のCDALが、アプリケーションのリストに基づいて、クライアント装置に含まれるアプリケーションのリストからの1又は2以上の特定のアプリケーションの、1又は2以上の特定のアプリケーションの存在又は不在を含む状態及びバージョンを決定するステップと、CDALが、クライアント装置に含まれる1又は2以上の特定のアプリケーションの決定された状態及び決定されたバージョンに基づいて、(i)(a)1又は2以上の特定のアプリケーションの決定されたバージョンが旧バージョンであること、及び(b)1又は2以上の特定のアプリケーションにアップグレードが必要であること、をクライアント装置のデータベースに登録するステップと、(ii)1又は2以上の特定のアプリケーションが(a)クライアント装置に構成されていないこと、及び(b)クライアント装置へのダウンロード及びインストールが必要であること、をクライアント装置のデータベースに登録するステップと、(iii)クライアント装置から1又は2以上の特定のアプリケーションをアンインストールして関連するエントリをデータベースから削除するステップと、のうちの1つを実行するステップと、をさらに含む。
【0013】
ある実施形態では、CDALが、決定された状態に基づいて、(i)利用可能性に基づいてマスタ装置に1又は2以上の特定のアプリケーションをインストールし、(ii)1又は2以上の特定のアプリケーションの各々の状況をデータベースに登録する、ように構成される。
【0014】
ある実施形態では、状況が、インストールが上手くいったか、それとも上手くいかなかったかの一方であり、CDALが、(i)統一されたUIを提供し、(ii)決定された状態及び状況に基づいてクラウドサーバからの装置管理を可能にする、ように構成される。
【0015】
ある実施形態では、マスタ装置のCDAL及び複数のクライアント装置の複数の対応するCDALの各々が、UIベースの電力要素を含む。
【0016】
ある実施形態では、方法が、マスタ装置及び複数のクライアント装置のうちの1つ又は2つ以上に含まれる少なくとも1つのアプリケーションの実行中に、UIベースの電力要素における入力を受け取った時に、マスタ装置及び複数のクライアント装置のうちの1つ又は2つ以上が第1の状態から第2の状態に変化するのを防ぐステップをさらに含む。
【0017】
ある実施形態では、第1の状態がアクティブなON状態であり、第2の状態が、スリープモード、ハイバネーションモード及びシャットダウンモードから成る一群のモードから選択される。
【0018】
ある実施形態では、方法が、マスタ装置のCDALが、固有のテーマを動的に構成して複数のクライアント装置の各々に割り当てるステップをさらに含む。
【0019】
ある実施形態では、方法が、マスタ装置に関連するCDALが、複数のクライアント装置のうちの1つ又は2つ以上と共有すべきコンテンツを決定するステップと、CDALが、決定されたコンテンツに基づいて、複数のクライアント装置のうちの1つ又は2つ以上において固有のテーマをレンダリングするステップと、をさらに含む。
【0020】
別の態様では、コンピュータ装置におけるアプリケーションの実行及び制御のためのクライアント装置を提供する。このクライアント装置は、命令、データベース及びクラウド駆動型アプリケーションランチ(CDAL)を記憶するメモリと、1又は2以上の通信インターフェイスと、1又は2以上の通信インターフェイスを介してメモリに結合された1又は2以上のハードウェアプロセッサと、を備え、1又は2以上のハードウェアプロセッサは、命令によってCDALを実行するように構成され、CDALは、実行時に、オフラインモードでアドホックネットワークを形成し、CDALが、所与のインスタンスの時点にマスタ装置として機能するクライアント装置上に構成され、形成されたアドホックネットワークを使用して、いずれも団体に関連するマスタ装置と複数のクライアント装置との間に通信セッションを確立し、CDALが、複数のクライアント装置に含まれる1又は2以上のアプリケーションのバージョンを、マスタ装置に含まれる1又は2以上の対応するアプリケーションの対応するバージョンにオフラインモードでアップグレードし、マスタ装置及び複数のクライアント装置の統一されたユーザインターフェイス(UI)が可能になるように、アドホックネットワークを介してマスタ装置及び複数のクライアント装置をオフラインモードで同期させる、ように構成される。
【0021】
ある実施形態では、クライアント装置のCDALが、アドホックネットワークを形成する前に、クラウドサーバに要求を送信し、要求に基づいて、クライアント装置がタグ付けされている団体に関する情報をクラウドサーバから取得するように構成される。ある実施形態では、団体に関する情報がクライアント装置のデータベースに記憶される。
【0022】
ある実施形態では、クラウドサーバが、少なくとも1つのクライアント装置を認識できない場合に、クライアント装置との通信及びクライアント装置への後続の情報の送信を中止する。
【0023】
ある実施形態では、クラウド駆動型アプリケーションランチャがアドホックネットワークを形成する前に、クライアント装置のCDALが、CDALのランチインスタンスが初回のランチインスタンスであると判定された時に、(i)クライアント装置がタグ付けされている団体に関する情報、及び(ii)クライアント装置の装置識別子、をクラウドサーバに送信し、クラウドサーバから構成記録バージョンを取得し、取得された構成記録バージョンとクライアント装置に含まれる構成記録バージョンとの比較を実行し、比較に基づいて、1又は2以上の構成要素及び構成チェックのバージョンと共に最新の構成記録を取得し、(i)最新の構成記録及び1又は2以上の構成要素を解析し、(ii)クライアント装置のCDALに1又は2以上の関連する変更を適用する、ことによってCDAL及び1又は2以上の関連する属性を再構成するように構成される。
【0024】
ある実施形態では、CDALの再構成時に、再構成されたCDALが、クライアント装置に構成された1又は2以上のアプリケーションの1又は2以上のアイコンを作成する。
【0025】
ある実施形態では、マスタ装置のCDALが、クライアント装置の装置識別子を送信し、(i)団体のために構成されたアプリケーションのリスト、(ii)アプリケーションのリスト内の各アプリケーションのバージョン、及び(iii)アプリケーションのリスト内の各アプリケーションのユニフォームリソースロケータ、を含む詳細をクラウドサーバから取得するように構成される。
【0026】
ある実施形態では、マスタ装置のCDALが、アプリケーションのリストに基づいて、クライアント装置に含まれるアプリケーションのリストからの1又は2以上の特定のアプリケーションの、1又は2以上の特定のアプリケーションの存在又は不在を含む状態及びバージョンを決定し、クライアント装置に含まれる1又は2以上の特定のアプリケーションの決定された状態及び決定されたバージョンに基づいて、(i)(a)1又は2以上の特定のアプリケーションの決定されたバージョンが旧バージョンであること、及び(b)1又は2以上の特定のアプリケーションにアップグレードが必要であること、をクライアント装置のデータベースに登録し、(ii)1又は2以上の特定のアプリケーションが(a)クライアント装置に構成されていないこと、及び(b)クライアント装置へのダウンロード及びインストールが必要であること、をクライアント装置のデータベースに登録し、(iii)クライアント装置から1又は2以上の特定のアプリケーションをアンインストールして関連するエントリをデータベースから削除する、ことのうちの1つを実行するように構成される。
【0027】
ある実施形態では、マスタ装置のCDALが、決定された状態に基づいて、(i)利用可能性に基づいてマスタ装置に1又は2以上の特定のアプリケーションをインストールし、(ii)1又は2以上の特定のアプリケーションの各々の状況をデータベースに登録する、ように構成される。
【0028】
ある実施形態では、状況が、インストールが上手くいったか、それとも上手くいかなかったかの一方であり、CDALが、(i)統一されたUIを提供し、(ii)決定された状態及び状況に基づいてクラウドサーバからの装置管理を可能にする、ように構成される。
【0029】
ある実施形態では、マスタ装置のCDAL及び複数のクライアント装置の複数の対応するCDALの各々がUIベースの電力要素を含む。
【0030】
ある実施形態では、マスタ装置のCDALが、マスタ装置及び複数のクライアント装置のうちの1つ又は2つ以上に含まれる少なくとも1つのアプリケーションの実行中に、UIベースの電力要素における入力を受け取った時に、マスタ装置及び複数のクライアント装置のうちの1つ又は2つ以上が第1の状態から第2の状態に変化するのを防ぐように構成される。
【0031】
ある実施形態では、第1の状態がアクティブなON状態であり、第2の状態が、スリープモード、ハイバネーションモード及びシャットダウンモードから成る一群のモードから選択される。
【0032】
ある実施形態では、マスタ装置のCDALが、固有のテーマを動的に構成して複数のクライアント装置の各々に割り当てるように構成される。
【0033】
ある実施形態では、マスタ装置のCDALが、複数のクライアント装置のうちの1つ又は2つ以上と共有すべきコンテンツを決定し、CDALが、決定されたコンテンツに基づいて、複数のクライアント装置のうちの1つ又は2つ以上において固有のテーマをレンダリングするように構成される。
【0034】
コンピュータ可読プログラムを具体化した非一時的コンピュータ可読媒体を含むコンピュータプログラム製品であって、コンピュータ可読プログラムは、マスタ装置として機能するコンピュータ装置上で実行された時に、コンピュータ装置に含まれるクラウド駆動型アプリケーションランチをコンピュータ装置に実行させて、クライアント装置として機能する他のコンピュータ装置におけるアプリケーションを、所与のインスタンスの時点にマスタ装置として機能するクライアント装置上に構成されたクラウド駆動型アプリケーションランチャ(CDAL)がオフラインモードでアドホックネットワークを形成するステップと、CDALが、形成されたアドホックネットワークを使用して、いずれも団体に関連するマスタ装置と複数のクライアント装置との間に通信セッションを確立するステップと、CDALが、複数のクライアント装置に含まれる1又は2以上のアプリケーションのバージョンを、マスタ装置に含まれる1又は2以上の対応するアプリケーションの対応するバージョンにオフラインモードでアップグレードするステップと、マスタ装置及び複数のクライアント装置の統一されたユーザインターフェイス(UI)が可能になるように、アドホックネットワークを介してマスタ装置及び複数のクライアント装置をオフラインモードで同期させるステップと、によって制御する。
【0035】
ある実施形態では、クラウド駆動型アプリケーションランチャがオフラインモードでアドホックネットワークを形成するステップに先行して、マスタ装置として機能するクライアント装置又は複数のクライアント装置のうちの1つであるクライアント装置がクラウドサーバに要求を送信するステップと、クライアント装置がタグ付けされている団体に関する情報をクラウドサーバから取得し、団体に関する情報をクライアント装置のデータベースに記憶するステップと、が行われる。
【0036】
ある実施形態では、クラウドサーバが、クライアント装置を認識できない場合に、クライアント装置との通信及びクライアント装置への後続の情報の送信を中止する。
【0037】
ある実施形態では、クラウド駆動型アプリケーションランチャ(CDAL)がオフラインモードでアドホックネットワークを形成するステップに先行して、CDALのランチインスタンスが初回のランチインスタンスであると判定された時に、クライアント装置のCDALが、(i)クライアント装置がタグ付けされている団体に関する情報、及び(ii)クライアント装置の装置識別子、をクラウドサーバに送信するステップと、クライアント装置のCDALがクラウドサーバから構成記録バージョンを取得するステップと、クライアント装置のCDALが、取得された構成記録バージョンとクライアント装置に含まれる構成記録バージョンとの比較を実行するステップと、クライアント装置のCDALが、比較に基づいて、1又は2以上の構成要素及び構成チェックのバージョンと共に最新の構成記録を取得するステップと、(i)最新の構成記録及び1又は2以上の構成要素を解析し、(ii)クライアント装置のCDALに1又は2以上の関連する変更を適用する、ことによってCDAL及び1又は2以上の関連する属性を再構成するステップと、が行われる。
【0038】
ある実施形態では、CDALの再構成時に、マスタ装置のCDALが、クライアント装置に構成された1又は2以上のアプリケーションの1又は2以上のアイコンを作成する。
【0039】
ある実施形態では、マスタ装置のCDALが、クライアント装置の装置識別子を送信し、(i)団体のために構成されたアプリケーションのリスト、(ii)アプリケーションのリスト内の各アプリケーションのバージョン、及び(iii)アプリケーションのリスト内の各アプリケーションのユニフォームリソースロケータ、を含む詳細をクラウドサーバから取得する。
【0040】
ある実施形態では、マスタ装置のCDALが、クライアント装置のCDALが、アプリケーションのリストに基づいて、クライアント装置に含まれるアプリケーションのリストからの1又は2以上の特定のアプリケーションの、1又は2以上の特定のアプリケーションの存在又は不在を含む状態及びバージョンをさらに決定し、CDALが、クライアント装置に含まれる1又は2以上の特定のアプリケーションの決定された状態及び決定されたバージョンに基づいて、(i)(a)1又は2以上の特定のアプリケーションの決定されたバージョンが旧バージョンであること、及び(b)1又は2以上の特定のアプリケーションにアップグレードが必要であること、をクライアント装置のデータベースに登録するステップと、(ii)1又は2以上の特定のアプリケーションが(a)クライアント装置に構成されていないこと、及び(b)クライアント装置へのダウンロード及びインストールが必要であること、をクライアント装置のデータベースに登録するステップと、(iii)クライアント装置から1又は2以上の特定のアプリケーションをアンインストールして関連するエントリをデータベースから削除するステップと、のうちの1つを実行する。
【0041】
ある実施形態では、CDALが、決定された状態に基づいて、(i)利用可能性に基づいてマスタ装置に1又は2以上の特定のアプリケーションをインストールし、(ii)1又は2以上の特定のアプリケーションの各々の状況をデータベースに登録する、ように構成される。
【0042】
ある実施形態では、状況が、インストールが上手くいったか、それとも上手くいかなかったかの一方であり、CDALが、(i)統一されたUIを提供し、(ii)決定された状態及び状況に基づいてクラウドサーバからの装置管理を可能にする、ように構成される。
【0043】
ある実施形態では、マスタ装置のCDAL及び複数のクライアント装置の複数の対応するCDALの各々がUIベースの電力要素を含む。
【0044】
ある実施形態では、マスタ装置のCDALが、マスタ装置及び複数のクライアント装置のうちの1つ又は2つ以上に含まれる少なくとも1つのアプリケーションの実行中に、UIベースの電力要素における入力を受け取った時に、マスタ装置及び複数のクライアント装置のうちの1つ又は2つ以上が第1の状態から第2の状態に変化するのを防ぐ。
【0045】
ある実施形態では、第1の状態がアクティブなON状態であり、第2の状態が、スリープモード、ハイバネーションモード及びシャットダウンモードから成る一群のモードから選択される。
【0046】
ある実施形態では、マスタ装置のCDALが、固有のテーマを動的に構成して複数のクライアント装置の各々に割り当てる。ある実施形態では、マスタ装置のCDALが、複数のクライアント装置のうちの1つ又は2つ以上と共有すべきコンテンツを決定し、決定されたコンテンツに基づいて、複数のクライアント装置のうちの1つ又は2つ以上において固有のテーマをレンダリングする。
【0047】
上述した概要及び以下の詳細な説明は、いずれも例示的かつ説明的なものにすぎず、特許請求する発明を限定するものではないと理解されたい。
【0048】
本開示に組み込まれてその一部を構成する添付図面は例示的な実施形態を示すものであり、開示する原理を明細書と共に説明する役割を果たす。
【図面の簡単な説明】
【0049】
【
図1】本開示の実施形態による、コンピュータ装置におけるアプリケーションの実行及び制御のためのシステムを示す図である。
【
図2A】本開示の実施形態による、少なくとも1つのクライアント装置とクラウドサーバとの間に確立された通信セッション中に、少なくとも1つのクライアント装置に含まれるクラウド駆動型アプリケーションランチャが1又は2以上のアプリケーションを構成する方法を示すシーケンス図である。
【
図2B】本開示の実施形態による、マスタ装置として機能する少なくとも1つのクライアント装置が複数のクライアント装置におけるアプリケーションをアップグレードして同期させる方法を示す例示的なフローチャートである。
【
図3】本開示の実施形態による、複数のクライアント装置にインストールされたアプリケーションをクラウドサーバがマスタ装置を介して実行及び制御する全体的アーキテクチャのブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0050】
添付図面を参照しながら例示的な実施形態について説明する。図では、参照番号の左端の桁が、その参照番号が最初に登場する図を識別する。都合が良い場合には、常に図面全体を通じて同じ参照番号を使用して同一又は同様の部分を示す。本明細書では、開示する原理の例及び特徴について説明するが、開示する実施形態の範囲から逸脱することなく修正、適合及びその他の実装も可能である。以下の詳細な説明は例示にすぎず、実際の範囲については以下の特許請求の範囲に示す。
【0051】
以下、図全体を通じて同様の参照文字が常に対応する特徴を示す図面、具体的には
図1~
図3に好ましい実施形態を示し、これらの実施形態を以下の例示的なシステム及び/又は方法の文脈で説明する。
【0052】
図1に、本開示の実施形態による、コンピュータ装置におけるアプリケーションの実行及び制御のためのシステム100を示す。ある実施形態では、システム100が「クライアント装置」又は「マスタ装置」と呼ばれ、本明細書ではこれらを同義的に使用することができる。クライアント装置/マスタ装置100は、1又は2以上のハードウェアプロセッサ104と、((単複の)インターフェイスとも呼ばれる)(単複の)通信インターフェイス装置又は(単複の)入力/出力(I/O)インターフェイス106と、1又は2以上のハードウェアプロセッサ104に動作可能に結合された1又は2以上のデータ記憶装置又はメモリ102とを含む。1又は2以上のプロセッサ104は、1又は2以上のソフトウェア処理コンポーネント及び/又はハードウェアプロセッサとすることができる。ある実施形態では、ハードウェアプロセッサを、1又は2以上のマイクロプロセッサ、マイクロコンピュータ、マイクロコントローラ、デジタルシグナルプロセッサ、中央処理装置、状態機械、論理回路、及び/又は動作命令に基づいて信号を操作するいずれかの装置として実装することができる。(単複の)プロセッサは、数ある能力の中でも特に、メモリに記憶されたコンピュータ可読命令をフェッチして実行するように構成される。ある実施形態では、システム100を、ラップトップコンピュータ、ノートブック、ハンドヘルド装置(例えば、スマートフォン、タブレット/タブレットコンピュータなどのモバイル通信装置)、ワークステーション、メインフレームコンピュータなどの様々なコンピュータシステムに実装することができる。
【0053】
(単複の)I/Oインターフェイス装置106は、例えばウェブインターフェイス、グラフィカルユーザインターフェイスなどの様々なソフトウェア及びハードウェアインターフェイスを含むことができ、例えばLAN、ケーブルなどの有線ネットワーク、及びWLAN、セルラー又は衛星などの無線ネットワークを含む様々なネットワークN/W及びプロトコルタイプ内での複数の通信を容易にすることができる。ある実施形態では、(単複の)I/Oインターフェイス装置が、複数の装置を互いに又は別のサーバに接続するための1又は2以上のポートを含むことができる。
【0054】
メモリ102は、例えばスタティックランダムアクセスメモリ(SRAM)及びダイナミックランダムアクセスメモリ(DRAM)などの揮発性メモリ、及び/又はリードオンリメモリ(ROM)、消去可能なプログラマブルROM、フラッシュメモリ、ハードディスク、光学ディスク及び磁気テープなどの不揮発性メモリを含む、当業で周知のいずれかのコンピュータ可読媒体を含むことができる。ある実施形態では、メモリ102にデータベース108が含まれ、データベース108は、各アプリケーションに関する情報、そのバージョン、現在の状態及びその他の構成、並びにアプリケーション及びその管理に関する属性を含む。メモリ102は、本開示のシステム及び方法によって実行される各ステップの(単複の)入力/(単複の)出力に関する情報をさらに含む(又はさらに含むこともできる)。換言すれば、メモリ102には、各ステップにおいて供給される(単複の)入力、及び各ステップにおいて生成される(単複の)出力が含まれ、これらはさらなる処理及び分析に利用することができる。
【0055】
図1に関連する
図2は、本開示の実施形態による、少なくとも1つのクライアント装置とクラウドサーバとの間に確立された通信セッション中に、少なくとも1つのクライアント装置に含まれるクラウド駆動型アプリケーションランチャが1又は2以上のアプリケーションを構成する方法を示すシーケンス図である。
図1Bには、クラウドサーバと相互作用する単一のクライアント装置のシーケンス図を示しているが、当業者であれば、あらゆる所与の時間インスタンス(any given time instance)においてクラウドサーバと相互作用するあらゆる数のクライアント装置が存在することができると理解するであろう。換言すれば、複数のクライアント装置は、いずれもあらゆる所与のインスタンスにおいてクラウドサーバとの通信セッションを確立することができ、マスタ装置として機能することができる。例えば、期間「t」において、数あるクライアント装置の中のクライアント装置Xがクラウドサーバに接続し、アプリケーションを取得して最新状態に(to date)アップグレードされる。「t+m」期間の後に、数あるクライアント装置の中の別のクライアント装置Yがクラウドサーバに接続し、アプリケーションを取得して最新状態にアップグレードされることもあり、このアップグレードは、クライアント装置Xの時には存在しなかったさらなるアップグレードを含む。従って、このようなシナリオでは、クライアント装置Yがマスタ装置として機能/作用することができる。期間「t」及び「t+m」では、「t」が、例えば4月20日の正午12:00を示し、「t+m」が、例えば4月20日の午後12時10分を示すことができる。換言すれば、次の数分間でさらなるアップデートが存在し得る可能性もあり、クライアント装置Xはこのようなアップデートを逃したと考えられる。クライアント装置Yは「t+m」の期間において接続したので、クライアント装置Xには期間「t」~「t+m」間のアップデートが存在しないが、クライアント装置Yではこれらのアップデートが利用可能であり、この場合、クライアント装置Yは最新の構成/アプリケーションにアップデートされる。このようなシナリオでは、クライアント装置Xが依然としてマスタ装置の役割を果たして、自機が有する全てのアップデートを提供することができるが、他のクライアント装置にさらなるアップグレード(アプリ「abc」バージョン2.5)を提供することはできないと考えられる。一方で、クライアント装置Yは、マスタ装置としての役割を果たして、クライアント装置Xが提供できたアップデートのみならず、「t+m」期間中に利用可能になったさらなるアップグレード(アプリ「abc」バージョン2.5)を提供することもできる。従って、クライアント装置X及びYは、いずれもマスタ装置としての役割を果たして、形成されたアドホックネットワークを介して他のクライアント装置にアップデート/アップグレードを提供することができる。
【0056】
例えば、クライアント装置「A」(例えば、本明細書では、クライアント装置100及び「クライアント装置A、マスタ装置」及び「クライアント装置」という表現を文脈に応じて同義的に使用することができる)は、クラウド駆動型アプリケーションランチャ(CDAL)を含む。「クラウド駆動型アプリケーションランチャ(CDAL)」という表現は、実行可能アプリケーションプログラムランチャを意味し、CDALは、コンピュータシステム(例えば、クライアント装置)に構成されたいずれかのオペレーティングシステムの不可欠な部分を形成する。クラウド駆動型アプリケーションランチャ(CDAL)は、「クラウドサーバ」などの中央エンティティから、クライアント装置に含まれるアプリケーションの制御及び実行を行うように構成され、本開示で説明するクラウドサーバからのクライアント装置の管理を可能にする。1つの実施形態例では、この事例のクライアント装置Aを、クライアント装置X又はクライアント装置Yとすることができる。クライアント装置AのCDALは、クラウドサーバに要求を送信する。この要求は、クライアント装置Aの一意の装置識別子をクラウドサーバに登録することを含む。クラウドサーバは、要求が送信されるとクライアント装置Aを登録し、クライアント装置Aにホワイトリスト装置としてのフラグを立てることができる。このような送信要求及び登録は、CDALのランチインスタンス(launch instance)が初回のランチインスタンスであると判定された時に実行される。一意の装置識別子の例としては、限定するわけではないが、シリアル番号、及び当業で周知の国際移動体装置識別番号(IMEI)などを挙げることができる。クラウドサーバは、ブラックリスト又はホワイトリストに載ったクライアント装置の詳細を記憶するクラウドデータベースを含む。また、クラウドデータベースは、あらゆるクライアント装置の構成のバージョンに関する情報も記憶し、第1の変更はバージョン1としてタグ付けされ、あらゆる後続の変更はバージョン2などとしてタグ付けされる。クラウドデータベースに記憶される他の情報は、複数のクライアント装置の各々に関連する一意の装置識別子を含む。
【0057】
クラウドサーバは、クラウドデータベースに記憶された詳細に基づいて要求を検証する。換言すれば、クラウドサーバは、クライアント装置Aの詳細を認識した場合、クライアント装置Aをさらなる通信に従事させる。クラウドサーバは、クライアント装置Aを認識できない場合、クライアント装置Aとの通信及びクライアント装置Aへのあらゆる情報の送信を中止する。或いは、クラウドサーバは、クライアント装置Aを認識できなければ、クライアント装置Aにブラックリスト装置としてのフラグを立てることもできる。
【0058】
図2Aに示すように、クライアント装置Aがクラウドサーバによって正常に認識された場合、クライアント装置AのCDALは、クラウドサーバから構成記録バージョン(configuration record version)を取得する別の要求をさらに送信する。次に、CDALは、(クラウドサーバから)取得された構成記録バージョンとクライアント装置Aに含まれている構成記録バージョンとの比較を実行する。比較の結果が一致した場合、クライアント装置Aに含まれている/構成されている構成記録バージョンが最新/直近の構成記録バージョンとして識別される。CDALは、クライアント装置Aに含まれている構成記録バージョンが旧バージョンの記録であると判定した場合、クラウドサーバから1又は2以上の構成要素及び構成チェックのバージョンと共に最新の構成記録を取得する。以下は、構成記録バージョンの説明例である。
【数1】
【0059】
上述した構成記録バージョンは、クラウドサーバにおけるいずれかの構成データの変更に基づいてクラウドサーバにおいて更新される。従って、構成記録バージョンは、常に全てのクライアント装置によって保存される。構成記録にいずれかの変更があるかどうかをクライアント装置がチェックしたい場合には常に、クライアント装置内に存在する構成記録バージョンをクラウドサーバから受け取られた構成記録と比較して、クライアント装置のバージョンが更新済み/最新バージョンであるか、それとも旧バージョンであるかを判定する。
【0060】
次に、CDALは、クラウドサーバから受け取られた最新/直近の構成記録バージョンと、1又は2以上の関連する属性とを使用して自機を構成する。具体的に言えば、クライアント装置AのCDALは、最新の構成記録及び1又は2以上の構成要素を解析して、クライアント装置AのCDALに1又は2以上の関連する変更を適用する。
【0061】
クライアント装置AのCDALは、自機の再構成時に、クライアント装置Aに構成された1又は2以上のアプリケーションの1又は2以上のアイコンを作成する。さらに、クライアント装置AのCDALは、(i)団体(例えば、企業ABC又は教育機関XYZであり、クライアント装置Aはこの団体にタグ付けされる)のために構成されたアプリケーションのリスト、(ii)アプリケーションリスト内の各アプリケーションのバージョン、及び(iii)アプリケーションリスト内の各アプリケーションのユニフォームリソースロケータ、を含む詳細をクラウドサーバから取得する。
【0062】
クライアント装置AのCDALは、クラウドサーバから上記詳細を受け取ると、クライアント装置に含まれている1又は2以上の特定のアプリケーションの状態及びバージョンを決定する。ある実施形態では、この状態を、1又は2以上の特定のアプリケーションの存在又は不在とすることができる。特定のアプリケーションは、クラウドサーバに含まれている1又は複数のアプリケーションのリストからのものである。当業で周知のように、「バージョン」という表現は、以前の形態又は同じタイプの物の他の形態とは何らかの点で異なる特定の形態を意味する。クライアント装置AのCDALは、1又は2以上の特定のアプリケーションの決定された状態及びバージョンに基づいて、(i)(a)1又は2以上の特定のアプリケーションの決定されたバージョンが旧バージョンであること、及び(b)1又は2以上の特定のアプリケーションにアップグレードが必要であること、をクライアント装置100のデータベース108に登録し、(ii)1又は2以上の特定のアプリケーションが(a)クライアント装置に構成されていないこと、及び(b)クライアント装置へのダウンロード及びインストールが必要であること、をクライアント装置100のデータベース108に登録し、(iii)クライアント装置から1又は2以上の特定のアプリケーションをアンインストールして関連するエントリをデータベース108から削除する、ことのうちの少なくとも1つを実行する。
【0063】
例えば、クライアント装置Aがアプリ1、アプリ2、アプリ3及びアプリ4などを有し、これらの対応するバージョンを1.5、2.3、4.0及び5.4などとする。クラウドサーバから受け取られたアプリケーションのリストの詳細が、アプリ1-最新版1.8、アプリ2-最新版2.3、アプリ3-クラウドデータベースに存在せず、アプリ4-最新版5.3、アプリ5-最新版1.3という情報を含むものとする。上記詳細によれば、CDALは、(i)(a)アプリ1及びアプリ4が旧バージョンであり、(b)アプリ1及びアプリ4の両方のアップグレードが必要である、旨の入力がデータベース108において行われ、アップグレードが規定通りに起こり得ることをクライアント装置Aのデータベース108に登録し、(ii)アプリ2の変更が不要であることをデータベースに登録し、(iii)(a)クラウドサーバに同じものが存在しないという理由でアプリ3のアンインストールを実行し、又は実行すべきアンインストールタスクの待ち行列内に設定し、(iv)アプリ5のエントリをデータベース108に登録してアプリ5のインストール要求を開始する、ことを自動的に行う。ある実施形態では、上記の動作、インストール/アップグレード及びアンインストールなどを連続して行うことも、又は同時に行うこともできる。
【0064】
CDALは、利用可能性に基づいてクライアント装置100に特定のアプリケーションをインストールし、1又は2以上の特定のアプリケーションの各々の状況をデータベース108に登録する。例えば、この状況は、インストールされる必要がある又はアップグレードされる必要があったアプリケーションのインストールが上手くいったか、それとも上手くいかなかったかの一方である。上記の動作を実行することにより、CDALは、統一されたUIが提供されることによって、クライアント装置Aにインストールされた各アプリケーションの現在の状態及び状況に応じてクラウドサーバから制御を行う装置管理が可能になることを保証する。1つの実施形態例では、クライアント装置AのCDALによるクラウドサーバへの問い合わせ、クラウドサーバへの詳細の要求、インストール、アンインストール及び/又はアップグレードの実行を含む上記のステップがCDAL自体によって自動的に実行される。別の実施形態例では、上記のステップをクラウドサーバがクライアント装置Aに対して実行することができる。さらに別の実施形態例では、上記のステップを(ユーザ/関係者(actor)、組織、機関などの団体からの)1又は2以上の入力を介してクライアント装置Aに対して実行することができる。換言すれば、クライアント装置とクラウドサーバ/クラウドデータベースとの間の全体的な相互作用は、クライアント装置自体が(クライアント装置のCDALを介して)自動的に実行することも、或いは団体(例えば、クライアント装置がタグ付けされているユーザ、組織、機関)からの1又は2以上の入力を介して実行することもできる。
【0065】
クライアント装置Aの全ての必要な構成及びインストール済みのアプリケーションが最新状態になると、クライアント装置Aはマスタ装置として機能することができ、この場合、マスタ装置は、同じ団体(例えば、企業ABC又は教育機関XYZ)にタグ付けされている残りのクライアント装置を、内部のCDALを介して自動的にアップグレードして同期させることができる。この点、
図1~
図2Aに関連する
図2Bに、本開示の実施形態による、マスタ装置が複数のクライアント装置のアプリケーションをアップグレードして同期させる方法を示す例示的なフローチャートを示す。具体的に言えば、
図2Bは、本開示の実施形態による、マスタ装置として機能する少なくとも1つのクライアント装置が複数のクライアント装置のアプリケーションをアップグレードして同期させる方法を示す例示的なフローチャートである。例えば、マスタ装置として機能するクライアント装置Aは、残りのクライアント装置B~Nをアップグレードして同期させるように構成される。ある実施形態では、残りの各クライアント装置(例えば、クライアント装置B~N)が、1又は2以上のハードウェアプロセッサに動作可能に結合されて1又は2以上のプロセッサ104が方法のステップを実行するための命令を記憶するように構成された1又は2以上のデータ記憶装置又はメモリ102を含む。具体的に言えば、1つの実施形態では、クライアント装置B~N及びクライアント装置Aが同じ性質のものである。
【0066】
以下、
図1のシステム100のコンポーネント、
図2A、
図2Bに示すフローチャート及び
図3を参照しながら本開示の方法のステップについて説明する。ある実施形態では、本開示のステップ202において、マスタ装置として機能するクライアント装置のCDALが、所与のインスタンスの時点に(at a given time of instance)オフラインモードでアドホックネットワークを形成する。「アドホックネットワーク」という表現は、クライアント装置AのCDALが他の残りのクライアント装置B~N(又は残りのクライアント装置B~Nの対応するCDAL)と暗号化クレデンシャルを自動的に交換することによって形成するプライベートなセキュアネットワーク(例えば、Wi-Fiネットワーク)を意味する。残りのクライアント装置B~Nの各々も、対応するCDALを含む。このようなアドホックネットワーク形成は、当業で周知のネットワーク形成アルゴリズムによって実行することができる。本開示のステップ204において、CDALは、形成されたアドホックネットワークを使用して、マスタ装置と複数のクライアント装置B~Nとの間に通信セッションを確立する。当業者であれば、マスタ装置A及び残りのクライアント装置B~Nは、同じ団体(例えば、この例では企業ABC)にタグ付けされていると理解するであろう。
【0067】
本開示のステップ206において、マスタ装置AのCDALは、複数のクライアント装置B~Nに含まれる1又は2以上のアプリケーションのバージョンを、マスタ装置に含まれる1又は2以上の対応するアプリケーションの対応するバージョンにアップグレードする。本開示の実施形態では、クライアント装置のいずれかが以前にクラウドサーバに接続したことがあって、最新のアップデート/バージョンと同じアプリケーションの組を有している場合、このような装置のアップグレード及びさらなる同期を防ぐことができる。マスタ装置のCDALは、通信セッションが確立されると、このような装置にアップグレード及び/又は同期が不要であることを識別することができる。例えば、マスタ装置として機能するクライアント装置Aは、他のクライアント装置B~Nとの通信セッションを確立すると、クライアント装置の一部(例えば、クライアント装置E及びクライアント装置G)が最新の状態であってクライアント装置E及びクライアント装置Gをアップグレードする必要がないことをこの期間中に学習することができる。クライアント装置B~Nによるマスタ装置のアドホックネットワークへの接続は、ユーザ入力の有無にかかわらずに実行することができる。例えば、クライアント装置B~Nは、アドホックネットワークを検出すると自動的にアドホックネットワークに接続することができる。或いは、検出されたアドホックネットワークの選択などのユーザ入力を実行することによってクライアント装置B~Nがユーザ入力を処理し、これに応じてアドホックネットワークに接続することもできる。ある実施形態では、一部のクライアント装置が特定のアプリケーションのアップグレードのみを必要とするシナリオも考えられる。例えば、クライアント装置Bは、アプリ1及びアプリ5のアップグレードを必要とし、最新バージョンのアプリ2、アプリ3、アプリ4などを有している可能性がある。このようなシナリオでは、マスタ装置のCDALが、クライアント装置Bのアプリ1及びアプリ5のみをアップグレードすることができる。別のシナリオでは、クライアント装置Cが、インストール済みの全てのアプリケーションのアップグレードを必要とする可能性がある。マスタ装置のCDALは、クライアント装置Cの全てのアプリケーションをアップグレードする。さらに、クライアント装置Fは、最新バージョンのアプリ1、アプリ2、アプリ3、アプリ4及びアプリ5を有している可能性がある。アプリ3はクラウドサーバに存在せず、マスタ装置Aからアンインストールされているので、この場合、マスタ装置AのCDALは、クライアント装置Fからアプリ3をアンインストールするプロセスのみを開始する。
【0068】
マスタ装置のCDALは、上記の様々な動作を実行すると、本開示のステップ208において、複数のクライアント装置B~Nについてもマスタ装置の同じ統一されたユーザインターフェイス(UI)が可能になるように、マスタ装置と複数のクライアント装置とを同期させる。換言すれば、クライアント装置B~Nに含まれている1又は2以上のアプリケーションの色設定、1又は2以上のアイコンに関連する1又は2以上の動作及びその関連する構成は、マスタ装置(例えば、クライアント装置A)に含まれている1又は2以上の対応するアプリケーションの対応する色設定、1又は2以上の対応するアイコンに関連する対応する1又は2以上の動作及びその関連する構成と同じものである。
【0069】
当業者であれば、マスタ装置のCDALは、形成されたアドホックネットワークを介してオフラインモードでステップ202~ステップ208を実行すると理解するであろう。ある実施形態では、1つの実施形態例においてステップ202~208がCDAL自体によって自動的に実行される。別の実施形態例では、CDALがクラウドサーバからのトリガに基づいてステップ202~208を実行する。さらに別の実施形態例では、1又は2以上の入力(ユーザから)を介してステップ202~208を実行することができる。
図3に、ステップ202~208を示す。
図1~
図2Bに関連する
図3には、本開示の実施形態による、インストールされたアプリケーションをクラウドサーバが実行及び制御する全体的アーキテクチャのブロック図を示す。具体的に言えば、
図3は、本開示の実施形態による、複数のクライアント装置B~Nにインストールされたアプリケーションをクラウドサーバがマスタ装置を介して実行及び制御する全体的アーキテクチャのブロック図である。
図3では、マスタ装置として機能する少なくとも1つのクライアント装置Aを試験監督装置(invigilator device)と呼び、残りのクライアント装置B~Nを候補装置1~nと呼ぶ。
【0070】
さらに、マスタ装置のCDAL、及び複数のクライアント装置の複数の対応するCDALは、それぞれUIベースの(ソフト電力要素とも呼ばれる)電力要素(power element)を含む。換言すれば、CDALは電源ボタンを有する。(i)マスタ装置及び/又は複数のクライアント装置においてアプリケーションが実行され、或いは少なくとも1つのアプリケーション上でタスクが実行されており、かつ(ii)電源ボタン上で動作が検出された(例えば、装置がONであって何らかのアプリケーションが実行されている時にユーザが電源ボタンを押した)場合、マスタ装置及び/又はクライアント装置の対応するCDALは、マスタ装置及び/又は複数のクライアント装置が第1の状態から第2の状態に変化するのを防ぐ。ある実施形態では、第1の状態がアクティブなON状態であり、第2の状態が、スリープモード、ハイバネーションモード及びシャットダウンモードから成る一群のモードから選択される。上記の実施形態をより良く理解できるように以下に例を示す。例えば、マスタ装置及び/又はいずれかのクライアント装置上で実行されている少なくとも1つのアプリケーション(例えば、文書処理プログラム/アプリケーション)上でタスクが実行されているものとする。例えば、本明細書におけるタスクは、Microsoft(登録商標) Wordアプリケーションにおいて文字列がタイプ/処理されている状態とすることができる。このタスク中に電源ボタン上で入力が受け取られた場合、この装置のCDALは、装置がアクティブなONモードからスリープモード、ハイバネーションモード又はシャットダウンモードに移行するのを防ぐ。当業者であれば、本開示ではアプリケーションランチャ上のUIベースの電力要素の能力及び構成について示しているが、このような例は本開示の範囲を限定するものとして解釈すべきではなく、アプリケーションランチャ上のUIベースの電力要素の同じ機能及び能力を、マスタ装置及びクライアント装置の各々に存在する外部電源ボタン(例えば、ハードウェア電源ボタン)に拡張し、又はこれらにおいて実現することもできると理解するであろう。
【0071】
マスタ装置のCDALは、シナリオに応じて固有のテーマを動的に(又はプログラム的に)構成して複数のクライアント装置の各々に割り当てるようにさらに構成される。マスタ装置のCDALは、複数のクライアント装置のうちの1つ又は2つ以上と共有すべきコンテンツを決定し、共有されるコンテンツに従って複数のクライアント装置のうちの1つ又は2つ以上において固有のテーマをレンダリングする。マスタ装置は、このコンテンツ及びテーマ情報をクラウドサーバからダウンロードし、他のクライアント装置に接続した時にこのコンテンツ及び関連するテーマ情報を送信することができる。
【0072】
例えば、クライアント装置B~Nが教育機関(例えば、教育機関XYZ)に展開されたとすると、これらの複数のクライアント装置B~Nは、1又は2以上の受験者(candidates)がオンライン問題用紙(online question papers)を評価するための受験者評価装置として機能することができる。それぞれのCDALは、各クライアント装置に含まれているアプリケーションプログラムを介してオンライン問題用紙を促すことができる。1つの実施形態例では、問題用紙を、全てのクライアント装置で同一の教科(subject)に関するものとすることができる。これらの問題用紙は複数の教科に関し、従ってクライアント装置B~Nにわたって共有することができる。問題用紙が客観的タイプのものであり、評価が科学及び数学の教科であると仮定する。マスタ装置のCDALは、複数のクライアント装置B~Nの各々に色を割り当てることができる。1又は2以上の受験者が複数のクライアント装置b~Nを使用して評価を行うと、複数のクライアント装置の各々において固有のテーマがレンダリングされる。このようなレンダリングは、複数のクライアント装置の構成及び表示設定に応じて行うことができる。例えば、複数のクライアント装置の各々は、装置のいずれかの側面(又は全ての側面)にLEDパネルを有するように設計することができる。例えば、複数のクライアント装置の各々を正方形又は長方形として、複数のクライアント装置の各々の上面にLEDパネルを配置することができ、1つの実施形態例ではLEDパネルが境界として機能することができる。LEDパネルは、評価の進行中にクライアント装置においてレンダリングすべき固有のテーマ(例えば、色)を発光するように構成される。例えば、クライアント装置Bの境界として機能するLEDパネルは、評価すべき教科である科学の問題用紙を表す赤色を発光することができ、クライアント装置Cの境界として機能するLEDパネルは、評価すべき教科である数学の問題用紙を表す緑色を発光することができる。この問題用紙の着色テーマは、同じ教科の受験者が隣り合わせに座らないように(マスタ装置/試験監督装置を備えることができる)試験監督が受験者を素早く区別し、従って受験者による不正行為を防ぐことを可能にすることができる。
【0073】
テーマレンダリングの別のシナリオは、病院/医療施設などで利用されるクライアント装置とすることができる。例えば、1つの科(例えば、放射線)で動作するクライアント装置を、被験者に関するレポート(又は患者と医療専門家との間の出来事)を受け取るように構成し、このようなクライアント装置上の固有のテーマをレンダリングすることができる。具体的には、放射線科で動作するクライアント装置を、行われた被験者の身体部分のX線検査に関するレポートを受け取るように構成し、このようなクライアント装置上の固有のテーマ(例えば、低音量の連続ビープ音)をレンダリング/トリガすることができる。テーマが音である場合、クライアント装置は、受け取られたコンテンツ(例えば、超音波走査レポート)に基づくレンダリングに必要なオーディオ設定を有するように構成される。別の例では、別の科(例えば、病理学)で動作するクライアント装置を、ウィルス感染に関するレポート(例えば、レポートは、血液検査、ブドウ糖検査、尿検査などを含むことができる)を受け取るように構成し、このような装置上の固有のテーマ(例えば、スピーカなどのオーディオポートを介した所定の間隔の低音量のビープ音)をレンダリングすることができる。テーマが特定の期間にわたる一定間隔の音である場合、クライアント装置は、受け取られたコンテンツ(例えば、検査レポート)に基づくレンダリングに必要なオーディオ設定を有するように構成される。例えば、血液検査、ブドウ糖検査及び尿検査レポートが、その時にクライアント装置に関連する医療専門家によって精査されている場合、一定間隔で音をトリガする(例えば、医療専門家がレポートを見るまで5秒置きにビープ音を鳴らす)ことができる。音又はテーマは、レポートが閉じられた時、又は医療専門家がレポートを見終えた時に自動的に停止又は中止することができる。テーマレンダリングは、配信されたコンテンツが要件通りであり、知る必要性に基づいて共有されていることについてのチェックをさらに確実にする。このシナリオ例では特定の科(例えば、放射線及び病理学など)について説明したが、当業者であれば、本開示の方法を各科において同様に実装することもできると理解するであろう。例えば、各クライアント装置が、ある科(例えば、整形外科)の対応する医療専門家に関連するものとする。この科には、医長(consultants)及び外科医などが存在することができる。従って、マスタ装置はコンテンツをカスタマイズすることができる(例えば、マスタ装置を整形外科の代表に関連付けることができる)。このようなシナリオでは、処方箋についての予備レポートを医長に渡し、出来事、(単複の)走査レポート、外科的処置に関する情報などの進展レポートを外科医のみと共有することができる。
【0074】
本開示のシステム及び方法を実装できるさらに他のシナリオは、(i)ユーザからの調査フィードバックの取得、(ii)製造業などである。例えば、製造業では、加工プラントで動作する「m」個の工程/設備が存在し、技術者、エンジニア及び監督者などのn人のオペレータが存在するものとする。加工プラントに関連するマスタ装置は、各工程/設備に関する情報をカスタマイズすることができ、各対応する(単複の)技術者、(単複の)エンジニア及び(単複の)監督者に関連する対応するクライアント装置上では、各工程/設備に関するコンテンツをそれぞれ固有のテーマと共に共有することができる。
【0075】
当業者であれば、必ずしもLEDディスプレイパネル/(単複の)オーディオポートがクライアント装置の一部を形成しなくてもよいと理解するであろう。このようなシナリオにおける各クライアント装置でのテーマ情報のレンダリングは、各クライアント装置の能力及び構成に基づいて適合するとみなされる他のいずれかの形態の他の方法によって実行することもできる。マスタ装置として機能するあらゆるクライアント装置は、選択するテーマに関する様々なオプションを有することができ、このような選択は動的性質とすることができる。さらに、このような実装は、データ及びサービスがカスタマイズされ、知る必要性に基づいて、関連する利害関係者との間でセキュアなチャネルを介して共有されることを確実にする。さらに、コンテンツ共有は、暗号化形態で(例えば、当業で周知の1又は2以上の暗号化技術を使用して)実行される。その後、当業で周知の1又は2以上の暗号解読技術を使用してコンテンツを暗号解読することによって、マスタ装置がクライアント装置と共有するコンテンツにアクセスする。同様に、アップグレード及び同期も、マスタ装置が共有するアップグレードすべきアプリケーションのリストに基づいて暗号化通信チャネルを介して実行され、これらのアプリケーションは、当業で周知の1又は2以上の暗号化技術を使用して暗号化される。その後、各クライアント装置において当業で周知の1又は2以上の暗号解読技術を使用することによってアプリケーションを暗号解読し、その後にそれぞれのクライアント装置に構成する。この暗号化技術を
図3に示す。
図3には、本開示による暗号化技術の実装を示しているが、当業者であれば、本開示及びそのシステム及び方法は、クライアント装置においてアクセスすべきアプリケーション/コンテンツの暗号解読を実行するための暗号解読技術も実装するものであると理解するであろう。1つの実施形態例では、これらの暗号化技術及び暗号解読技術をマスタ装置/クライアント装置に含めて、本明細書で説明する方法の実行に適用可能な時に起動/実行することができる。別の実施形態例では、暗号化技術及び暗号解読技術をクラウドサーバに含めて、本明細書で説明する方法の実行に適用可能な時に起動/実行することができる。
【0076】
本明細書では、当業者が実施形態の作成及び使用を行えるように主題を説明した。本主題の実施形態の範囲は特許請求の範囲によって定められ、当業者が思いつく他の修正を含むこともできる。このような他の修正は、特許請求の範囲の文言と異ならない同様の要素を有する場合、或いは特許請求の範囲の文言とはわずかに異なる同等の要素を含む場合、特許請求の範囲に含まれるように意図される。
【0077】
保護の範囲は、このようなプログラム、及び内部にメッセージを有するコンピュータ可読手段にまで及び、このようなコンピュータ可読記憶手段は、サーバ、モバイル装置又はいずれかの好適なプログラマブル装置上でプログラムが実行された時に方法の1又は2以上のステップを実行するためのプログラムコード手段を含むと理解されたい。ハードウェア装置は、例えばサーバ又はパーソナルコンピュータなどのあらゆる種類のコンピュータ、又はこれらのあらゆる組み合わせを含む、プログラム可能なあらゆる種類の装置とすることができる。装置は、例えば特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)などのハードウェア手段、或いはASICとFPGAとの組み合わせ、又は少なくとも1つのマイクロプロセッサとソフトウェアモジュールを含む少なくとも1つのメモリとの組み合わせなどの、ハードウェアとソフトウェア手段との組み合わせとすることができる手段を含むこともできる。従って、これらの手段は、ハードウェア手段とソフトウェア手段の両方を含むことができる。本明細書で説明した方法の実施形態は、ハードウェア及びソフトウェアで実装することができる。装置は、ソフトウェア手段を含むこともできる。或いは、例えば複数のCPUを使用して異なるハードウェア装置上に実施形態を実装することもできる。
【0078】
本明細書の実施形態は、ハードウェア要素とソフトウェア要素とを含むことができる。ソフトウェアで実装される実施形態は、限定するわけではないが、ファームウェア、常駐ソフトウェア、マイクロコードなどを含む。本明細書で説明した様々なコンポーネントによって実行される機能は、他のコンポーネント又は他のコンポーネントの組み合わせに実装することもできる。コンピュータ使用可能媒体又はコンピュータ可読媒体は、命令実行システム、装置又はデバイスによって又はこれらに関連して使用されるプログラムを含み、記憶し、通信し、伝播し、又は移送できるあらゆる装置とすることができる。
【0079】
図示のステップは、図示の例示的な実施形態を説明するために示したものであり、特定の機能の実行方法は継続中の技術的発展によって変化すると理解すべきである。本明細書では、これらの例を限定ではなく例示目的で提示する。さらに、本明細書では、説明の便宜上、機能的ビルディングブロックの境界を任意に定めている。これらのビルディングブロックの指定された機能及び関係が適切に実行される限り、別の境界を定めることもできる。当業者には、本明細書に含まれる教示に基づいて(本明細書で説明したものの同等形態、拡張形態、変形形態、偏差形態などを含む)代替例が明らかになるであろう。このような代替例も、開示した実施形態の範囲及び趣旨に含まれる。また、「備える、有する、含む(comprising、having、containing及びincluding)」という単語、及び他の同等の形態は、意味的に同等であるように意図されており、これらの単語のうちのいずれか1つに続く1又は複数の項目がこのような1又は複数の項目の完全なリストであるようには意図されておらず、或いはリストされた1又は複数の項目のみに限定されるように意図されていないという点で制約のないものである。なお、本明細書及び添付の特許請求の範囲において使用される単数形の「a、an(英文不定冠詞)」及び「the(英文定冠詞)」は、文脈において別途明確に示されていない限り複数形の照応を含む。
【0080】
さらに、本開示に一致する実施形態を実装する上で1又は2以上のコンピュータ可読記憶媒体を使用することもできる。コンピュータ可読記憶媒体は、プロセッサが読み取ることができる情報又はデータを記憶できるあらゆるタイプの物理的メモリを意味する。従って、コンピュータ可読記憶媒体は、本明細書で説明した実施形態に一致するステップ又は段階を(単複の)プロセッサに実行させる命令を含む、1又は2以上のプロセッサが実行するための命令を記憶することができる。「コンピュータ可読媒体」という用語は、有形アイテムを含んで搬送波及び過度信号を除外し、すなわち非一時的なものであると理解されたい。一例としては、ランダムアクセスメモリ(RAM)、リードオンリメモリ(ROM)、揮発性メモリ、不揮発性メモリ、ハードドライブ、CD ROM、DVD、フラッシュドライブ、ディスク、及び他のいずれかの既知の物理的記憶媒体が挙げられる。
【0081】
なお、本開示及び実施例はほんの例示とみなすべきであり、開示した実施形態の実際の範囲は、以下の特許請求の範囲によって示される。
【符号の説明】
【0082】
202 所与のインスタンスの時点にマスタ装置として機能するクライアント装置上に構成されたクラウド駆動型アプリケーションランチャ(CDAL)がオフラインモードでアドホックネットワークを形成
204 CDALが、作成されたアドホックネットワークを使用して、いずれも特定の団体に関連するマスタ装置と複数のクライアント装置の間に通信セッションを確立
206 CDALが、複数のクライアント装置に含まれる1又は2以上のアプリケーションのバージョンを、マスタ装置に含まれる1又は2以上の対応するアプリケーションの対応するバージョンにオフラインモードでアップグレード
208 マスタ装置及び複数のクライアント装置の統一されたユーザインターフェイス(UI)が可能になるように、アドホックネットワークを介してオフラインモードでマスタ装置と複数のクライアント装置とを同期化