(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-02-10
(45)【発行日】2023-02-20
(54)【発明の名称】無線リソース割り当てのための方法および装置
(51)【国際特許分類】
H04W 72/52 20230101AFI20230213BHJP
H04W 4/44 20180101ALI20230213BHJP
H04W 4/46 20180101ALI20230213BHJP
H04W 92/18 20090101ALI20230213BHJP
【FI】
H04W72/04 150
H04W4/44
H04W4/46
H04W92/18
(21)【出願番号】P 2020511491
(86)(22)【出願日】2018-07-31
(86)【国際出願番号】 US2018044460
(87)【国際公開番号】W WO2019067082
(87)【国際公開日】2019-04-04
【審査請求日】2021-07-27
(32)【優先日】2017-09-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】593096712
【氏名又は名称】インテル コーポレイション
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100135079
【氏名又は名称】宮崎 修
(72)【発明者】
【氏名】ヴァマナン,スディープ,エム.
(72)【発明者】
【氏名】ピネイロ,アナ,ルシア
【審査官】三枝 保裕
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2017/051740(WO,A1)
【文献】国際公開第2016/141983(WO,A1)
【文献】国際公開第2017/030887(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 7/24- 7/26
H04W 4/00-99/00
3GPP TSG RAN WG1-4
SA WG1-4
CT WG1、4
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
地理的領域に対して無線リソースを割り当てるための方法であって、
プロセッサによって、第1期間において第1地理的領域内に存在する第1無線リソース要求を決定するステップと、
前記プロセッサによって、前記第1無線リソース要求に基づいて、かつ、前記第1地理的領域において前記第1無線リソース要求を生じさせている通信端末に関する移動情報に基づいて、前記第1期間の次に続く第2期間において、前記第1地理的領域に隣接する第2地理的領域内に存在する第2無線リソース要求を推定するステップと、
前記プロセッサによって、前記第2無線リソース要求の推定に基づいて、前記第2地理的領域に対して無線リソースを割り当てるステップと、
を
含み、
前記第2無線リソース要求を推定するステップは、さらに、前記通信端末によって送信されるメッセージの発生に係る予想されるサイズおよび予想される送信周波数に基づいている、
方法。
【請求項2】
前記通信端末は、車両に対応している、
請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記通信端末は、車両ユーザ装置である、
請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記第1無線リソース要求および前記第2無線リソース要求は、直接的なユーザ装置間通信のための無線リソース要求である、
請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記第1無線リソース要求および前記第2無線リソース要求は、車両通信のための無線リソース要求である、
請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記第1無線リソース要求および前記第2無線リソース要求は、複数の基地局間で共有される無線リソースに対する要求である、
請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記第1無線リソース要求および前記第2無線リソース要求は、複数のセルラー通信ネットワーク間で共有される無線リソースに対する要求である、
請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記第1無線リソース要求および前記第2無線リソース要求は、異なるオペレータの複数のセルラー通信ネットワーク間で共有される無線リソースに対する要求である、
請求項1に記載の方法。
【請求項9】
複数のセルラー通信ネットワークのそれぞれについて、前記第2期間において前記第2地理的領域内に存在する第2無線リソース要求は、前記第1地理的領域内で第1無線リソース要求を生じさせている通信端末に関する移動情報に基づいて推定され、かつ、
前記方法は、前記第2無線リソース要求の推定に基づいて、前記セルラー通信ネットワークに対して無線リソースを割り当てるステップ、を含む、
請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記第1期間は現在の時間期間であり、かつ、前記第2期間は将来の時間期間である、
請求項1に記載の方法。
【請求項11】
前記第1無線リソース要求および前記第2無線リソース要求は、V2X(Vehicle-to-Everything)通信のための無線リソース要求である、
請求項1に記載の方法。
【請求項12】
前記移動情報は、道路ネットワーク情報を含む、
請求項1に記載の方法。
【請求項13】
前記移動情報は、前記通信端末の移動速度情報を含む、
請求項1に記載の方法。
【請求項14】
前記移動情報は、前記通信端末の移動方向情報を含む、
請求項1に記載の方法。
【請求項15】
前記移動情報は、交通流情報を含む、
請求項1に記載の方法。
【請求項16】
前記メッセージは、V2X(Vehicle-to-Everything)通信メッセージである、
請求項
1に記載の方法。
【請求項17】
地理的領域に対して無線リソースを割り当てるための装置であって、
第1期間において第1地理的領域内に存在する第1無線リソース要求を決定する、ように構成されている決定器と、
前記第1無線リソース要求に基づいて、かつ、前記第1地理的領域において前記第1無線リソース要求を生じさせている通信端末に関する移動情報に基づいて、前記第1期間の次に続く第2期間において、前記第1地理的領域に隣接する第2地理的領域内に存在する第2無線リソース要求を推定する、ように構成されている推定器と、
前記第2無線リソース要求の推定に基づいて、前記第2地理的領域に対して無線リソースを割り当てる、ように構成されているアロケータと、
を
含み、
前記第2無線リソース要求の推定は、さらに、前記通信端末によって送信されるメッセージの発生に係る予想されるサイズおよび予想される送信周波数に基づいている、
装置。
【請求項18】
前記通信端末は、車両に対応している、
請求項
17に記載の装置。
【請求項19】
前記通信端末は、車両ユーザ装置である、
請求項
17に記載の装置。
【請求項20】
前記第1無線リソース要求および前記第2無線リソース要求は、直接的なユーザ装置間の通信のための無線リソース要求である、
請求項
17に記載の装置。
【請求項21】
前記第1無線リソース要求および前記第2無線リソース要求は、車両通信のための無線リソース要求である、
請求項
17に記載の装置。
【請求項22】
前記第1無線リソース要求および前記第2無線リソース要求は、複数の基地局間で共有される無線リソースに対する要求である、
請求項
17に記載の装置。
【請求項23】
前記第1無線リソース要求および前記第2無線リソース要求は、複数のセルラー通信ネットワーク間で共有される無線リソースに対する要求である、
請求項
17に記載の装置。
【請求項24】
前記第1無線リソース要求および前記第2無線リソース要求は、異なるオペレータの複数のセルラー通信ネットワーク間で共有される無線リソースに対する要求である、
請求項
17に記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
ここにおいて記載される例示的な実施は、一般的に、無線リソース割り当てのための方法および装置に関する。
【背景技術】
【0002】
V2X(Vehicle-to-Everything)のような通信サービスは、共用周波数帯域(shared frequency band)といった共有無線通信リソース(shared radio communication resources)に基づいてよい。すなわち、異なるセルラー移動通信ネットワーク(cellular mobile communication network)、例えば、異なるオペレータの移動通信ネットワークにおそらく所属している、異なる基地局によって使用され得る通信リソースである。無線通信は制限されているため、例えば、無線リソースに基づいて提供される通信サービスの品質の観点から、効率的である無線リソースの割り当てを可能にするアプローチが望ましい。
【図面の簡単な説明】
【0003】
図面において、同様な参照記号は、一般的に異なるビュー(view)全体を通じて同一のパーツを参照するものである。図面は、必ずしも正確な縮尺ではなく、本発明の原理を説明する際には、代わりに、強調されている。以降の説明においては、以下の図面を参照して、種々の態様が説明されている。
【
図2】
図2は、車両(vehicle)が高速道路の異なるセグメントを走行している際、異なる時間期間における、高速道路のセクションに沿った、車両による無線リソースの使用に係る一つの例を示している。
【
図3】
図3は、2つの異なるPLMN(Public Land Mobile Networks)に属している複数の車両を伴う
図2のシナリオに係る拡張を示している。
【
図4】
図4は、入口ランプ(entry-ramp)を介してトラフィック(traffic)が高速道路に合流する事例における、無線リソース要求推定(requirement estimation)に係る一つの例を示している。
【
図5】
図5は、同一の地理的領域における異なるPLMN間で無線リソースの割り当てを処理する責任を負うリソースアービトレータ(arbitrator)を含んでいる一つの通信システムアーキテクチャを示している。
【
図6】
図6は、地理的領域に対して無線リソースを割り当てる方法を説明するフローチャートである。
【
図7】
図7は、無線リソース割り当てのための装置を示している。
【発明を実施するための形態】
【0004】
以下の詳細な説明は、添付の図面を参照する。図面は、本発明が実施され得る、本開示の特定的な詳細および態様を、例として示すものである。他の態様を利用することができ、そして、本発明の範囲から逸脱することなく、構造的、論理的、および電気的な変更が行われ得る。本開示の様々な態様は、必ずしも相互に排他的ではない。本開示のいくつかの側面は、新しい態様を形成するように本開示に係る1つまたはそれ以上の他の態様と組み合わせることができるからである。
【0005】
図1は、通信システム100、例えば、LTE(Long Term Evolution)通信システムを示している。
【0006】
通信システム100は、無線アクセスネットワーク101(例えば、LTEに従った、E-UTRAN、Evolved UMTS(Universal Mobile Communication System)地上波(terrestrial)無線アクセスネットワーク)、および、コアネットワーク102(例えば、LTEに従った、EPC、Evolved Packet Core)を含んでいる。無線アクセスネットワーク101は、基地局103(トランシーバ)(例えば、LTEに従った、eNodeB、eNB)を含んでよい。各基地局103は、無線アクセスネットワーク101の1つまたはそれ以上の移動無線セル104のための無線カバレッジ(radio coverage)を提供している。
【0007】
移動無線セル104内に配置された移動端末(mobile terminal)105(UE、ユーザ装置、または、MS、移動局としても参照されるもの)は、移動無線セルにおいてカバレッジを提供している(別の言葉で言えば、動作している)基地局を介して、コアネットワーク102および他の移動端末105と通信することができる。所定のシナリオ、V2X(Vehicle-to-Everything)通信の事例において、移動端末(UE)105は、また、おそらく異なるPLMNにアタッチ(attached)されている、別の移動端末と直接的に通信することもできる。つまり、基地局103をその間バイパスしている。この直接的な通信は、両方のネットワークオペレータに対して等しくアクセス可能な共通の無線リソース(スペクトル、周波数、時間単位)上にわたり起こり得るものである。以下に説明される種々の実施例に従って、この無線リソースのアービトレーション(arbitration)が取り扱われる。所与の時間ウィンドウにおいて、この無線リソースの各ユニットは、参加しているPLMNのいずれかによって請求され(claimed)、そして、それにアタッチされたUEに対して割り当てられることが可能であろう。
【0008】
コントロールおよびユーザデータは、基地局103と、基地局103によって操作される移動無線セル104内に配置された移動端末105との間で、多重アクセス法(multiple access method)に基づいて、エアインターフェイス(air interface)106上にわたり送信される。
【0009】
基地局103は、第1インターフェイス107、例えばX2インターフェイスによって、相互に接続されている。基地局103は、また、第2インターフェイス108、例えばS1インターフェイスによって、コアネットワーク、例えば、MME(Mobility Management Entity)109およびサービングゲートウェイ(Serving Gateway、S-GW)110、に接続されている。例えば、MME 109は、E-UTRANのカバレッジ領域(coverage area)内に位置する移動端末のモビリティ(mobility)をコントロールする責任を負い、一方で、S-GW 110は、移動端末105とコアネットワーク102との間のユーザデータの送信を取り扱う責任を負う。
【0010】
無線アクセスネットワーク101およびコアネットワーク102は、様々な通信技術、例えば移動通信規格(mobile communication standards)、に従って、通信をサポートすることができる。例えば、各基地局103は、LTE、UMTS、GSM(Global System for Mobile Communications)、EDGE(Enhanced Data Rates for GSM Evolution)、または5G(Fifth Generation)無線アクセスに従って、それ自身と移動端末105との間でエアインターフェイスを介して無線通信接続を提供することができる。従って、無線アクセスネットワーク102は、E-UTRAN、UTRAN、GSM無線アクセスネットワーク、GERAN(GSM EDGE Radio Access Network)、または5G無線アクセスネットワークとして動作し得る。類似的に、コアネットワーク102は、EPC、UMTSコアネットワーク、GSMコアネットワーク、または5Gコアネットワークの機能性を含み得る。
【0011】
エアインターフェイス106を介した無線通信のために、移動端末105は、通信サブシステム111と、1つまたはそれ以上のアンテナ112と、1つまたはそれ以上の加入者識別モジュール(subscriber identity module)113を含んでいる。移動端末105は、また、アプリケーションを実行するためのメインメモリ115と同様に、アプリケーションプロセッサ114も含んでいる。移動端末105は、さらに、電源用のバッテリー116を含む。移動端末105は、ディスプレイ、スピーカ、マイクロホン、等といった、さらなる構成要素を含んでよい。通信サブシステム111は、無線周波数トランシーバ117(例えば、無線フロントエンドを含む)、およびベースバンドプロセッサ118を含んでよい。
【0012】
LTEは、ダウンリンク(すなわち、基地局から端末への送信)について直交周波数分割多重方式(Orthogonal Frequency Division Multiplexing、OFDM)を使用する。この技術によって、データは、各々180KHzの多くの狭帯域キャリア(narrow band carrier)上にわたり送信される。すなわち、OFDMは、マルチキャリア伝送のために多数の狭帯域サブキャリアを使用してデータを搬送する。OFDMは、デジタルマルチキャリア変調法として使用される、周波数分割多重(frequency-division multiplexing、FDM)方式である。これは、スペクトルのフレキシビリティに対するLTE要求を満たし、そして、高いピークレート(peak rate)を有する非常にワイドなキャリアについてコスト効率の良いソリューションを可能にする。基本的なLTEダウンリンクの物理的リソースは、時間-周波数グリッド(time-frequency grid)として見なすことができる。OFDMシンボルは、リソースブロックへとグループ化されている。リソースブロックは、周波数領域において80kHz、および、時間領域において0.5msの全体サイズを有している。各1ms伝送時間間隔(Transmission Time Interval、TTI)は、2つのスロットから構成されている。
【0013】
各移動端末105は、時間周波数グリッドにおいて、数多くのいわゆるリソースブロック(resource block)に割り当てられている。移動端末105がより多くのリソースブロックを獲得し、かつ、リソースエレメントにおいてより高い変調が使用されるほど、通信において達成されるビットレートはより高いものである。所与の時点においてどのリソースブロックが、そして、いくつの移動端末105が割り当てられるかは、スケジューリングメカニズムに依存している。
【0014】
アップリンクについて、LTEに従って、SC-FDMAが典型的に使用される。DFT(Discrete Fourier Transform)ベースのプリコーダを有するOFDMと見なすことができるものである。アップリンクに対するリソース(時間-周波数)グリッドは、従って、上述のダウンリンクに対するものと同様である。
【0015】
移動端末105は、例えば、携帯電話(portable phone)であってよく、そして、トランシーバ、アンテナ、加入者識別モジュール、アプリケーションプロセッサ、メモリ、ディスプレイ、バッテリー、スピーカ、マイクロホン、等といった、典型的な通信端末構成要素を含み得る。
【0016】
様々な実施形態に従って、しかしながら、移動端末105は、車両UE、すなわち、車両の一部である移動端末(または、LTEに従ったユーザ装置)である。このことは、車両がそれ自身のサブスクリプション(subscription)(そして、例えば、それ自身のSIM 113)を有することを意味している。そうしたシナリオは、V2X(Vehicle-to-Everything)の基礎である。車両から、その車両に影響を及ぼし得る任意のエンティティ(例えば、別の車両)への情報の伝達を含むものであり、その逆も同様である。
【0017】
3GPPは、リリース14においてLTEベースのV2Xサービスを導入した。直接的なUE間(UE to UE)通信V2Xサービスは、専用のITSバンド(5.9GHz)において現在は定義されている。典型的な展開(deployment)は、バンド47(Band 47、B47)として示されるこの周波数帯における10MHzまたは20MHzの搬送波(carrier)であろう。UE(車両または路側機(road side unit、RSU))は、LTEサイドリンクチャネル通信(デバイス間(device-to-device)の直接的な通信のために使用されるインターフェイスであるPC5インターフェイスとしても参照されるもの)を使用する通信のために、このキャリア内の無線インターフェイスリソース(サブフレーム毎の物理的リソースブロック)を使用するように構成されている。2つのタイプのリソース使用が標準化されている。1つにおいて(自律モードまたはモード4(mode4))、UEは、自律的にリソースを選択する。2つめの方法においては(eNodeB制御モードまたはモード3(mode3))、UEが現在通信しているeNB(LTE無線アクセスノード)によって、リソースが割り当てられる。
【0018】
任意の所与の領域(region)においては、展開された1つ以上の基地局(eNB)が存在し得る。この場合には、おそらく異なるオペレータによって展開されたものである。上記に従って、異なるオペレータからのeNBは、V2Xサービスについて同一の周波数帯を使用し、そして、従って、無線リソースを共有する必要がある。eNB制御モード(モード3)は、異なるPLMNにアタッチされたUEがバンド47において10MHzまたは20MHzのキャリアを共有するので、(無線)リソースの共有に関して興味深い課題(challenges)をもたらす。従って、eNBについて、この共有キャリアにおいてリソースを割り当てるための特別な技術が望まれる。
【0019】
リソース共有(resource sharing)(ここにおいては、複数のPLMN間でB47 PLMNにおいてV2Xキャリアを共有すること)のための端的なアプローチは、静的リソース共有構成(static resource sharing configuration)に合意することであり、各eNBはそれ自身の割り当てられたリソースプールを有している。次いで、各eNBは、その割り当てられたリソースプールの中でリソース割り当てを実行する。しかしながら、この方法は、非効率性の欠点に悩まされる。各PLMNに属している車両の分布は変動することがあり、そして、固定された割り当ては、所与のPLMNのリソースプールにおいて渋滞(congestion)を引き起こし、一方で、他のPLMNのリソースプールは余分なリソースを有することがあり得る。
【0020】
以下では、同一のV2Xキャリアを共有しているNodeBにわたり(および、ことによるとPLMNにわたり)、V2Xサイドリンク通信のためにリソースを分配することについて効率的なアプローチが説明される。
【0021】
様々なアプローチに従って、(トラフィックの方向において)地理的に先行するゾーン(zone)および時系列的に先行する時間ウィンドウにおけるリソース使用の測定から、所与のゾーンに対するリソース要求の推定(estimation)を含む、メカニズムが提供される。
【0022】
図2は、車両(vehicle)が高速道路の異なるセグメントを走行している際、異なる時間期間(time period)における、高速道路のセクションに沿った、車両201(UEを含む)による無線リソースの使用に係る一つの例を示しており、各セクションは、ゾーン202、203、204に対応している。
【0023】
最初の
図205は、第1期間[T=0からT=5まで]の最中の状態を示し、2番目の
図206は、第2期間[T=5からT=10まで]における状態を示し、そして、3番目の
図207は、第3期間[T=10からT=15まで]における状態を示している。
【0024】
3つの区域は、それぞれ150mの長さである。時速100Kmでは、自動車が各ゾーンを横断するのに約5秒かかる。V2Xリソース割り当ては、ゾーン毎のリソース割り当てのコンセプトを利用することができる(それは、無線セルのより小さなユニット(unit)であり、すなわち、ゾーンは(例えば、V2X仕様に従って)、サブセル(sub-cell)として見なすことができる)。
【0025】
最初の
図205によって示されるように、第1期間[T=0、t=5]において、車両(例えば、自動車)は、第1ゾーン202(ゾーンA)内にある。2番目の
図206によって示されるように、自動車は、第2期間[t=5、t=10]において第2ゾーン203(ゾーンB)へと移動し、そして、3番目の
図207によって示されるように、第3期間[t=10、T=15]において第3ゾーン204(ゾーンC)へと移動する。3つの期間内で各ゾーン202、203、204におけるリソース使用も、また、それぞれハッチングされたブロック208、209、210として示されている。リソース使用は、例えば、サブフレームの固定の周期性(periodicity)でのリソースブロックの数量である。追加的なトラフィックが出たり入ったりしない高速道路のセクションにおいて、ゾーン202、203、204にサービスを提供している(serving)基地局は、基地局によってサービスが提供されるゾーンに先行するゾーン202、203、204において以前の時間ウィンドウにおけるリソース使用に基づいて、自動車201についてそのリソース要求を推定することができる。基地局は、例えば、先行するゾーンにサービスを提供している基地局から、先行するゾーンにおけるリソース使用に関する情報を受信し得る。基地局は、例えば100ms(モード4について定義されたリソース再選択期間と同様)毎に要求されるリソースを推定する動作(action)を実行することができる。ゾーン変更が発生する時間は、異なる車両に対して一般的に異なるからである。
【0026】
図3は、2つの異なるPLMNに属している複数の自動車301、302、303を伴う
図2のシナリオの拡張を示している。
【0027】
図2のように、最初の
図304は、第1期間[T=0からT=5まで]の最中の状態を示し、2番目の
図305は、第2期間[T=5からT=10まで]における状態を示し、そして、3番目の
図306は、第3期間[T=10からT=15まで]における状態を示している。
【0028】
各
図304、305、306は、第1PLMNについて第1ハッチングブロック310、311、312、313、314、そして、第2PLMNについて第2ハッチングブロック315、316、317を用いて、3つのゾーン307、308、309(ゾーンA、B、Cとして参照される)に対するリソース使用を示している。第1自動車(car)301および第3自動車303は、第1PLMN(PLMN X)に属しており、そして、第2自動車は、第2PLMN(PLMN Y)に属している。
【0029】
図3を見て分かるように、PLMN XおよびYは、異なる時間期間におけるゾーンにおいて変動するリソース要求を有している。
【0030】
PLMN Xは、第1期間において、ゾーンAの第1自動車301およびゾーンBの第2自動車302にサービスを提供する必要がある。第2期間で、このことは、ゾーンBおよびゾーンCにおいて対応するリソース要求の要件を増加させる。第3期間において、PLMN Xは、ゾーンCだけにおいてリソース要求を有している。
【0031】
同様に、PLMN Yについて、リソース要求は、3つの時間期間の最中にゾーンAからゾーンB、そして、ゾーンCへ移動し、かつ、PLMNの基地局(または、別のネットワーク構成要素)は、それに応じてリソース要求を推定することができる。
【0032】
様々な実施例に従って、PLMNの構成要素は、地理的に先行する(トラフィックの方向における)ゾーンおよび時系列的に先行する期間において観察されたリソース使用に基づいて、所与のゾーンおよび所与の時間期間について、例えばV2Xキャリアの、リソース要求を推定することができる。
【0033】
簡略化のために、この実施例においては、トラフィックが一方向だけに流れている、すなわち、各自動車が同一の方向、つまり、左から右へ、移動している、ことが留意されるべきである。しかしながら、所定の割合(percentage)のトラフィックが反対方向に移動することも、また、可能であろう。無線リソース要求を推定する構成要素(例えば、基地局)は、このことを考慮に入れることができる。例えば、所定のゾーンへと移動するリソース要求の割合を考慮することができる。または、各自動車について個別に移動する場所、そして、それに伴うリソース要求を考慮することによるものである。
【0034】
図4は、入口ランプを介して高速道路にトラフィックが合流する場合の無線リソース要求推定の例を示している。
【0035】
図3のように、2つの異なるPLMNに属している高速道路上に複数の自動車401、402、403が存在している。さらに、
図3のように、最初の
図404は、第1期間[T=0からT=5まで]の最中の状態を示し、2番目の
図405は、第2期間の状態[T=5からT=10まで]における状態を示している。そして、各
図404、405は、第1PLMNについて第1ハッチング410、411、412、413、および第2PLMNについて第2ハッチングブロック414、415、416、417を用いて、3つのゾーン407、408、409(ゾーンA、B、Cとして参照されている)に対するリソース使用を示している。第1自動車401および第3自動車403は、第1PLMN(PLMN X)に属しており、そして、第2自動車402は、第2PLMN(PLMN Y)に属している。
【0036】
さらに、第2期間[T=0、T=5]において、PLMN Yは、第4自動車418の形態で、高速道路トラフィックに参加する追加的な新規加入者を有している。第2期間において第3ゾーン409内の対応するリソース要求は、第1期間における第1ゾーン408内のリソース要求をただ観察するだけでは予測できなかったであろう。同様に、出口において高速道路を離れる自動車は、そのPLMNについて後のトラフィックゾーンにおけるリソース要求に貢献しない。
【0037】
様々な実施形態に従って、高速道路における各入口ポイントおよび出口ポイントについて、ゾーンおよびPLMNに対するリソース要求を推定する構成要素(例えば、基地局)は、追加的に、入ってくるトラフィックおよび出て行くトラフィックをそれぞれ考慮する。構成要素が、隣接するゾーンにおける全ての自動車に関する情報を持っているならば、周辺領域におけるリソースの使用に基づいて、リソース使用を予測することができる。
【0038】
そのPLMNに加入したUEを含んでいる各自動車の移動に係る速度および方向に関する情報は、そうした情報を提供するコントロールメッセージを送信し、または、送信されるデータのヘッダにそうした情報を追加して、その車両のUEを介して決定することができる。
【0039】
各UEによって必要とされる無線リソースは、現在の時間期間におけるリソース使用に基づいて次の時間期間について推定されることが、留意されるべきである。しかしながら、例えば、UEは送信を停止し得るので、リソース使用要求は、時間期間の間で変化し得る。基本安全メッセージ(basic safety message、BSM)のサイズおよびBSM再送信の典型的な数量(たいてい毎秒10回が送信速度である)に依存して、無線リソースの要求が推定される、予測アプローチ(predictive approach)も、また、使用することができる。
【0040】
無線リソース要求を推定するために使用され得る他の情報は、ルーティング(routing)、可能性のある道路渋滞についてトラフィック管理エンティティからの情報、および、再ルーティング(re-routing)、UEまたは他のトラフィックからの定期的な位置報告およびルーティング関連情報について、ナビゲーションアプリケーションサーバに対する加入者の(UEの)要求である。
【0041】
任意的に、無線リソース要求推定を実行する構成要素は、領域に依存して(都心、空港に近い) 予測される参入率および退出率、その日の時刻、および、1つまたはそれ以上のUEに関してその構成要素が有し得る他の位置情報を使用することができる。
【0042】
従って、様々な実施形態に応じて、構成要素(例えば、PLMNの構成要素)は、先行するゾーン内のリソース使用以外の情報に基づいて、高速道路に進入または退出するトラフィックを有するゾーンにおける無線リソース使用(すなわち、要求)を予測することができる。
【0043】
上記に基づいて、各PLMNは、各地理的なゾーンにおける現在のリソース使用に基づいて、次の時間期間において必要とされる無線リソースの量を推定することができる。しかしながら、複数のPLMNは、所与の地理的領域(geographical area)において全ての無線リソース(例えば、V2Xキャリア)を共有し得るので、PLMN間におけるリソース割り当ても、また、調整され得る。
【0044】
図5は、同一の地理的領域における異なるPLMN502、503間で無線リソースの割り当てを処理する責任を負うリソースアービトレータ(arbitrator)501を含んでいる一つの通信システムアーキテクチャを示している。リソースアービトレータ501は、全てのPLMN502、503について、リソース使用モニタリング、リソース使用推定(予測)、およびリソース割り当てを実行することができる。任意的に、リソースアービトレータ501は、リソース割り当てメッセージ505を使用して、リソース割り当てについて異なるPLMN502、503からの動的なリソース要求504に基づいて、リソース割り当てを実行することができる。ハイブリッドアプローチは、各PLMN
502、503に対する最小限のリソースセットの割り当てを含んでよく、そして、所与のPLMN502、503によってより多くのリソースが必要とされる場合に、PLMNは、リソースアービトレータ501に対してより多くのリソースのための要求504を送信する。
【0045】
別の実施例に従って、各PLMN502、503は、リソース使用モニタリングおよびリソース使用推定(予測)を実行する専用機能(PLMNの構成要素によって提供されるもの)を有し得る。PLMN502、503は、また、1つまたはそれ以上の他のソースのデータに基づいて、リソース使用を推定することもできる。ルーティングに対する加入者の要求、または、可能性のある渋滞および再ルーティングについて通知するトラフィック管理エンティティに関するナビゲーションサーバ情報のようなものである。
【0046】
そうしたデータソース505へのインターフェイスは、また、
図5に示されるように、リソースアービトレータ501に対して直接的に提供され得る。
【0047】
リソースアービトレータ501は、例えば、UTC(協定世界時、Coordinated Universal Time)に基づいて、時間ウィンドウ内で、サブフレーム毎のPRBのプールの形態で、参加しているPLMN502、503に対してリソース情報を提供することができる。PLMN502、503の基地局は、V2X通信における(eNB制御の)リソース割り当てに係るモード3におけるUEを構成するために、割り当てられたリソースプールとして、このリソース割り当てを使用することができる。
【0048】
図5の実施例において、リソースアービトレータ501は、参加しているPLMNのセルラーネットワークの外部に置かれており、リソース要求およびリソース割り当てのためのインターフェイスを提供している。リソースアービトレータ501は、ナビゲーションアプリ、トラフィック管理エンティティ、等を実行しているアプリケーションサーバのような、データの他のソース505に対するインターフェイスを有している。これらは、また、PLMN501、502に対して個別に接続されてもよい。
【0049】
まとめると、様々な実施例に応じて、
図6に説明されるように方法が提供される。
【0050】
図6は、地理的領域に対して無線リソースを割り当てる方法を説明するフローチャートである。例えば、リソース割り当て装置(resource allocation arrangement)によって実行されるものである。
【0051】
601において、リソース割り当て装置は、第1期間において第1地理的領域内に存在する第1無線リソース要求を決定する。
【0052】
602において、リソース割り当て装置は、第1無線リソース要求に基づいて、かつ、第1地理的領域において第1無線リソース要求を生じさせている通信端末に関する移動情報に基づいて、第1期間の次に続く第2期間において、第1地理的領域に隣接する第2地理的領域内に存在する第2無線リソース要求を推定する。
【0053】
603において、リソース割り当て装置は、第2無線リソース要求の推定に基づいて、第2地理的領域に対して無線リソースを割り当てる。
【0054】
様々な実施例に応じて、別の言葉で言えば、地理的領域、例えばゾーン(V2Xの意味におけるゾーンといったもの)、に対する無線リソースの割り当ては、要求される無線リソースの推定に基づいて実行される。ここで、本推定は、1つまたはそれ以上の隣接する地理的領域において要求される無線リソース(すなわち、無線リソース要求)、および、無線リソースが割り当てられるべき地理的領域へ移動する無線リソースの要求に関する情報に基づくものである。無線リソース要求は、無線リソースを要求する通信装置と共に移動するように見なすことができる。従って、移動に関する情報(例えば、方向および速度、または、所定の移動の確率、例として、別の地理的領域への移行、を含んでいる)によって、将来の無線リソース要求の推定を決定することができる。このことは、将来への現在の無線リソースの要求の外挿(extrapolation)として見なされ得る。
【0055】
第2無線リソース要求の推定は、
図8を参照して説明される方法で、複数のセルラー通信ネットワーク(例えば、PLMN)それぞれについて実行されてよく、そして、その推定に基づいて、無線リソースの割り当てが実行されてよい。別の言葉で言えば、無線リソースは、それらの推定された無線リソース要求に基づいて、セルラー通信ネットワークに対して分配され(distributed)得る。
【0056】
地理的領域に対する通信リソースの割り当ては、その地理的領域内の通信端末にサービスを提供している1つまたはそれ以上の基地局に対する通信リソースの割り当てとして理解され得る。基地局は、異なるセルラー通信ネットワークに属してよい。基地局は、次に、アップリンクまたはダウンリンク送信、もしくは、その両方のために、通信端末に対して通信リソースを割り当てることができる。
【0057】
ある時間期間においてある領域内に存在する無線リソース要求は、その期間の最中にサービスが提供されるべき通信端末であり、そして、サービスを受けるため、例えば、アップリンク通信、ダウンリンク通信、または、おそらくは通信端末間での直接的な通信のために、所定の無線リソースを必要とする通信端末が、その領域内に存在することとして理解され得る。このことは、通信サービスを利用できるようにするために、通信リソースが割り当てられる必要がある通信端末が1つまたはそれ以上存在することを意味する。これらの1つまたはそれ以上の通信端末は、従って、領域内および時間期間内(すなわち、期間中)において無線リソース要求を生じさせるものと見なされてよい。
【0058】
図6に示される方法は、例えば、
図7に示されているように、1つまたはそれ以上の通信システム構成要素から構成され得る、無線リソース割り当て装置によって実行され得る。
【0059】
図7は、無線リソース割り当てのための装置700を示す。
【0060】
装置700は、第1期間において第1地理的領域内に存在する第1無線リソース要求を決定するように構成された決定器(determiner)701を含んでいる。
【0061】
さらに、装置700は、第1無線リソース要求に基づいて、かつ、第1地理的領域において第1無線リソース要求を生じさせている通信端末に関する移動情報に基づいて、第1期間の次に続く第2期間において、第1地理的領域に隣接する第2地理的領域内に存在する第2無線リソース要求を推定する、ように構成されている推定器(estimator)702を含んでいる。
【0062】
装置700は、さらに、第2無線リソース要求の推定に基づいて、第2地理的領域に対して無線リソースを割り当てる、ように構成されているアロケータ(allocator)703を含む。
【0063】
装置700(例えば、決定器、推定器、およびアロケータ)は、例えば、1つまたはそれ以上のプロセッサによって実装され得る。「プロセッサ(”processor”)」はあらゆる種類の論理実装エンティティ(logic implementing entity)として理解され得るものであり、メモリ、ファームウェア、または、それらの任意の組み合わせにおいて保管されたソフトウェアを実行する特別目的の回路またはプロセッサであり得る。従って、「プロセッサ」は、ハードワイヤ(hard-wired)論理プロセッサ、または、プログラマブルプロセッサ、例えばマイクロプロセッサ、といったプログラマブル論理プロセッサであってよい。「プロセッサ」は、また、ソフトウェア、例えば、あらゆる種類のコンピュータプログラム、を実行するプロセッサであってもよい。以下でより詳細に説明されるそれぞれの機能に係るあらゆる他の種類の実装も、また、「プロセッサ」として理解されてよい。
【0064】
各通信端末は、それぞれ、例えば、トランシーバによって少なくとも部分的に実装されてよく、例えば、モデム(例えば、LTEモデム)、ベースバンドプロセッサ、または他のトランシーバ構成要素によって、もしくは、またアプリケーションプロセッサによっても、少なくとも部分的に実装されてよい。通信端末は、トランシーバ(例えば、ベースバンドプロセッサ、1つまたはそれ以上のフィルタ、送信チェーン、受信チェーン、増幅器、等を含んでいる)、アンテナ、加入者識別モジュール、アプリケーションプロセッサ、等といった典型的な通信端末装置を含んでよい。
【0065】
以下の実施例は、さらなる例示的な実施に関する。
【0066】
実施例1は、
図6に示されるように、地理的領域に対して無線リソースを割り当てるための方法である。
【0067】
実施例2において、実施例1の技術的事項(subject-matter)は、任意的に、車両に対応している通信端末を含んでよい。
【0068】
実施例3において、実施例1~2のいずれか1つの技術的事項は、任意的に、車両ユーザ装置である、通信端末を含んでよい。
【0069】
実施例4において、実施例1~3のいずれか1つの技術的事項は、任意的に、直接的なユーザ装置間(UE-to-UE)通信のための無線リソースに対する要求である、第1無線リソース要求および第2無線リソース要求を含んでよい。
【0070】
実施例5において、実施例1~4のいずれか1つの技術的事項は、任意的に、車両通信のための無線リソースに対する要求である、第1無線リソース要求および第2無線リソース要求を含んでよい。
【0071】
実施例6において、実施例1~5のいずれかの技術的事項は、任意的に、複数の基地局間で共有される無線リソースに対する要求である、第1無線リソース要求および第2無線リソース要求を含んでよい。
【0072】
実施例7において、実施例1~6のいずれか1つの技術的事項は、任意的に、複数のセルラー通信ネットワーク間で共有される無線リソースに対する要求である、第1無線リソース要求および第2無線リソース要求を含んでよい。
【0073】
実施例8において、実施例1~7のいずれか1つの技術的事項は、任意的に、異なるオペレータの複数セルラー通信ネットワーク間で共有される無線リソースに対する要求である、第1無線リソース要求および第2無線リソース要求を含んでよい。
【0074】
実施例9において、実施例1~8のいずれか1つの技術的事項は、任意的に、複数のセルラー通信ネットワークのそれぞれについて、第2期間において第2地理的領域内に存在する第2無線リソース要求を含んでよく、第1地理的領域内で第1無線リソース要求を生じさせている通信端末に関する移動情報に基づいて推定されており、そして、任意的に、第2無線リソース要求の推定に基づいて、セルラー通信ネットワークに対して無線リソースを割り当てることを含んでよい。
【0075】
実施例10において、実施例1~9のいずれか1つの技術的事項は、任意的に、現在の時間期間である第1期間、および、将来の時間期間である第2期間を含んでよい。
【0076】
実施例11において、実施例1~10のいずれか1つの技術的事項は、任意的に、V2X(Vehicle-to-Everything)通信のための無線リソース要求である、第1無線リソース要求および第2無線リソース要求を含んでよい。
【0077】
実施例12において、実施例1~11のいずれか1つの技術的事項は、任意的に、道路ネットワーク情報(road network information)を含む移動情報を含んでよい。
【0078】
実施例13において、実施例1~12のいずれか一つの技術的事項は、任意的に、通信端末の移動速度情報(traveling speed information)を含む移動情報を含んでよい。
【0079】
実施例14において、実施例1~13のいずれかの技術的事項は、任意的に、通信端末の移動方向情報(traveling direction information)を含む移動情報を含んでよい。
【0080】
実施例15において、実施例1~14のいずれか1つの技術的事項は、任意的に、交通流情報(traffic flow information)を含む移動情報を含んでよい。
【0081】
実施例16において、実施例1~15のいずれかの技術的事項は、任意的に、さらに、通信端末によって送信されるメッセージの発生に係る予想されるサイズおよび予想される送信周波数に基づいている、第2無線リソース要求を推定することを含んでよい。
【0082】
実施例17において、実施例1~16のいずれかの技術的事項は、任意的に、V2X通信メッセージである、メッセージを含んでよい。
【0083】
実施例18は、
図7に示されるように、地理的領域に対して無線リソースを割り当てるための装置である。
【0084】
実施例19において、実施例18の技術的事項は、任意的に、車両に対応している通信端末を含んでよい。
【0085】
実施例20において、実施例18~19のいずれか1つの技術的事項は、任意的に、車両ユーザ装置である、通信端末を含んでよい。
【0086】
実施例21において、実施例18~20のいずれか1つの技術的事項は、任意的に、直接的なユーザ装置間(UE-to-UE)の通信のための無線リソースに対する要求である、第1無線リソース要求および第2無線リソース要求を含んでよい。
【0087】
実施例22において、実施例18~21のいずれか1つの技術的事項は、任意的に、車両通信のための無線リソースに対する要求である、第1無線リソース要求および第2無線リソース要求を含んでよい。
【0088】
実施例23において、実施例18~22のいずれか1つの技術的事項は、任意的に、複数の基地局間で共有される無線リソースに対する要求である、第1無線リソース要求および第2無線リソース要求を含んでよい。
【0089】
実施例24において、実施例18~23のいずれかの技術的事項は、任意的に、複数のセルラー通信ネットワーク間で共有される無線リソースに対する要求である、第1無線リソース要求および第2無線リソース要求を含んでよい。
【0090】
実施例25において、実施例18~24のいずれか1つの技術的事項は、任意的に、異なるオペレータの複数セルラー通信ネットワーク間で共有される無線リソースに対する要求である、第1無線リソース要求および第2無線リソース要求を含んでよい。
【0091】
実施例26において、実施例18~25のいずれかの技術的事項は、任意的に、複数のセルラー通信ネットワークのそれぞれについて、第1地理的領域内で第1無線リソース要求を生じさせている通信端末に関する移動情報に基づいて推定されている、第2期間において第2地理的領域内に存在する第2無線リソース要求を含んでよく、そして、第2無線リソース要求の推定に基づいて、セルラー通信ネットワークに対して無線リソースを割り当てるように構成されたアロケータを含んでよい。
【0092】
実施例27において、実施例18~26のいずれか1つの技術的事項は、任意的に、現在の時間期間である第1期間、および、将来の時間期間である第2期間を含んでよい。
【0093】
実施例28において、実施例18~27のいずれかの技術的事項は、任意的に、V2X通信のための無線リソース要求である、第1無線リソース要求および第2無線リソース要求を含んでよい。
【0094】
実施例29において、実施例18~28のいずれか1つの技術的事項は、任意的に、道路ネットワーク情報を含む移動情報を含んでよい。
【0095】
実施例30において、実施例18~29のいずれか1つの技術的事項は、任意的に、通信端末の移動速度情報を含む移動情報を含んでよい。
【0096】
実施例31において、実施例18~30のいずれか1つの技術的事項は、任意的に、通信端末の移動方向情報を含む移動情報を含んでよい。
【0097】
実施例32において、実施例18~31のいずれか1つの技術的事項は、任意的に、交通流情報を含む移動情報を含んでよい。
【0098】
実施例33において、実施例18~32のいずれか1つの技術的事項は、任意的に、さらに、通信端末によって送信されるメッセージの発生に係る予想されるサイズおよび予想される送信周波数にさらに基づいて、第2無線リソース要求を推定するように構成された推定器を含んでよい。
【0099】
実施例34において、実施例18~33のいずれかの技術的事項は、任意的に、V2X通信メッセージである、メッセージを含んでよい。
【0100】
他の実施例に従って、1つまたはそれ以上の通信端末に対して無線リソースを割り当てるための方法(および、対応する装置)が提供される。ここで、本方法は、通信端末の移動情報に基づいて、セルラー移動通信ネットワークのカバレッジ領域に進入することが期待される通信端末のセットを決定するステップと、通信端末のセットに係る現在の無線リソース要求を決定するステップと、決定された現在の無線リソース要求に基づいて、カバレッジ領域内の将来の無線リソース要求を決定するステップと、決定された将来の無線リソース要求に基づいて、カバレッジ領域に対して無線リソースを割り当てるステップを含む。
【0101】
さらなる実施例に従って、車両(V2X)サービスのためのネットワークケ-タリング(catering)内の第1エンティティ、および、道路構成に基づいて、所定の地理的領域を異なるゾーンに分割する第2エンティティが提供され得る。第2エンティティは、次の時間セグメントにおける所与のゾーンに対するリソース要求を予測するために、以下のパラメータのうち1つまたはそれ以上を使用している。それらは、
-現在の時間セグメント内の所与のゾーンにおけるリソース使用情報、
-現在の時間セグメントの所与のゾーンに隣接するゾーンにおけるリソース使用情報、
-所与のゾーン及びその隣接するゾーンにおける道路構成、
-所与のゾーン及びその隣接するゾーンにおけるトラフィック情報、
-所与のゾーン及びその隣接するゾーンにおける車両の移動に係る速度および方向、である。
【0102】
第1エンティティは、eNB、またはリソースアービトレータ、もしくはMEC(mobile edge computing)デバイスであってよい。第2エンティティも、また、eNB、またはリソースアービトレータ、もしくはMECデバイスであってよい。
【0103】
道路構成は、例えば、詳細な地図を介して第2エンティティに知られ得る。
【0104】
各車両の移動の速度および方向は、例えば、車両UEからeNBへ送信される、この情報を含んでいるメッセージを介して決定されてよい。
【0105】
リソース使用情報は、例えば、現在の時間セグメントにおけるリソース要求である。
【0106】
リソース使用情報は、V2XメッセージのサイズおよびV2X再送信の典型的な数(たいてい、毎秒10回が伝送速度)の関数であってよい。
【0107】
V2Xメッセージは、例えば、基本安全メッセージ(Basic Safety Message、BSM)である。
【0108】
トラフィック情報は、例えば、それぞれのノード(例えば、第2エンティティに対応しているもの)とITSサーバとの間のインターフェイスを介して、ITSサーバから受信され得る。
【0109】
上記の実施例のいずれかに係る1つまたはそれ以上の特徴は、他の実施例のいずれか1つと組み合わされ得ることが留意されるべきである。
【0110】
特定的な態様が説明されてきたが、添付の請求項によって定義されるような本開示の態様の精神および範囲から逸脱することなく、形態および詳細における種々の変更がその中で行われ得ることが、当業者によって理解されるべきである。本範囲は、従って、添付の請求項によって示され、そして、請求項の均等性に係る意味および範囲内に入る全ての変更が、従って、包含されるように意図されている。