(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-02-10
(45)【発行日】2023-02-20
(54)【発明の名称】形状記憶インプラントの装填と移植のための方法及び装置
(51)【国際特許分類】
A61B 17/10 20060101AFI20230213BHJP
A61B 17/56 20060101ALI20230213BHJP
【FI】
A61B17/10
A61B17/56
(21)【出願番号】P 2020522076
(86)(22)【出願日】2018-10-18
(86)【国際出願番号】 IB2018058111
(87)【国際公開番号】W WO2019077553
(87)【国際公開日】2019-04-25
【審査請求日】2021-09-06
(32)【優先日】2017-10-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2017-12-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】398010313
【氏名又は名称】バイオメディカル エンタープライジーズ,インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100088605
【氏名又は名称】加藤 公延
(74)【代理人】
【識別番号】100130384
【氏名又は名称】大島 孝文
(72)【発明者】
【氏名】リッツ・ジョセフ・ピー
(72)【発明者】
【氏名】チェニー・ダニエル・エフ
(72)【発明者】
【氏名】ナイト・アダム・ティー
【審査官】野口 絢子
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2016/0074037(US,A1)
【文献】特表2007-516789(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B13/00-18/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
非拘束形状と挿入形状との間で移動可能である形状記憶インプラントと共に使用するように適合されたインプラント挿入装置であって
、前記インプラント挿入装置が、前記形状記憶インプラントの組織又は骨内への送達まで、前記形状記憶インプラントを前記挿入形状に維持し、前記インプラント挿入装置が、
(i)本体であって、
前記形状記憶インプラントに係合するように適合された第1のジョーと、
前記形状記憶インプラントに係合するように適合された第2のジョーと、
前記形状記憶インプラントに係合するように適合された第3のジョーと、
前記形状記憶インプラントに係合するように適合された第4のジョーと、を含み、前記第1、第2、第3、及び第4のジョーが、係合解除位置から係合位置へと移動可能である、本体と、
(ii)前記本体と連結されたスライダであって、前記スライダが、クラスプ解除位置とクラスプ位置との間で移動可能であり、更に、前記スライダが、そのクラスプ位置で、前記第1、第2、第3、及び第4のジョーをそれらの係合位置に維持する、スライダと、を含
み、
前記第1のジョーが、前記第2のジョーと対向する関係で存在し、前記第1及び第2のジョーが、角度付けられた相補的形状を有する整合インターフェースを含んでおり、前記第1及び第2のジョーのそれらの係合解除位置からそれらの係合位置への進行が、それらの整合インターフェースを当接関係に移動させ、更に、前記第1及び第2のジョーの前記整合インターフェースは、それらの角度付けられた相補的形状により、前記第1及び第2のジョーが前記形状記憶インプラントと係合し、かつ前記形状記憶インプラントをその挿入形状に維持するように、前記第1及び第2のジョーを直線的に変位させ、
前記第3のジョーが、前記第4のジョーと対向する関係で存在し、前記第3及び第4のジョーが、角度付けられた相補的形状を有する整合インターフェースを含んでおり、前記第3及び第4のジョーのそれらの係合位置への進行が、それらの整合インターフェースを当接関係に移動させ、更に、前記第3及び第4のジョーの前記整合インターフェースは、それらの角度付けられた相補的形状により、前記第3及び第4のジョーが前記形状記憶インプラントと係合し、かつ前記形状記憶インプラントをその挿入形状に維持するように、前記第3及び第4のジョーを直線的に変位させる、インプラント挿入装置。
【請求項2】
前記本体が、
第1のアームであって、前記第1のジョーが前記第1のアームの末端に存在する、第1のアームと、
第2のアームであって、前記第2のジョーが前記第2のアームの末端に存在する、第2のアームと、
第3のアームであって、前記第3のジョーが前記第3のアームの末端に存在する、第3のアームと、
第4のアームであって、前記第4のジョーが前記第4のアームの末端に存在する、第4のアームと、を更に含む、請求項1に記載のインプラント挿入装置。
【請求項3】
前記第1、第2、第3、及び第4のアームが、前記第1、第2、第3、及び第4のジョーをそれらの係合解除位置で離して広げる、広げられた通常の開放位置を含み、更に、前記第1、第2、第3、及び第4のアームが、それらの広げられた通常の開放位置から、前記第1、第2、第3、及び第4のジョーをそれらの係合位置に配置する閉鎖位置へと移動可能である、請求項2に記載のインプラント挿入装置。
【請求項4】
前記第1、第2、第3、及び第4のアームが、それらの広げられた通常の開放位置からそれらの閉鎖位置へと移動するときに、前記第1、第2、第3、及び第4のアームは、前記第1、第2、第3、及び第4のジョーがそれらの係合位置まで角度的に移動するように、前記本体の中心軸に向かって弧に沿って移動する、請求項3に記載のインプラント挿入装置。
【請求項5】
前記第1、第2、第3、及び第4のジョーが各々、ブリッジチャネルを画定し、更に、前記第1、第2、第3、及び第4のジョーがそれらの係合位置に存在するときに、各ブリッジチャネルが、前記形状記憶インプラントのブリッジの一部分をその内部に受容する、請求項
1に記載のインプラント挿入装置。
【請求項6】
前記第1、第2、第3、及び第4のジョーが各々、脚部インターフェースを含み、更に、前記第1、第2、第3、及び第4のジョーがそれらの係合位置に存在するときに、前記第1のジョー及び前記第3のジョーの前記脚部インターフェースが各々、前記形状記憶インプラントの第1の脚部と係合し、前記第2のジョーの前記脚部インターフェースが、前記形状記憶インプラントの第2の脚部と係合し、前記第4のジョーの前記脚部インターフェースが、前記形状記憶インプラントの第3の脚部と係合し
て、前記第1、第2、第3、及び第4のジョーが、前記形状記憶インプラントをその挿入形状に維持する、請求項
1に記載のインプラント挿入装置。
【請求項7】
前記第1、第2、第3、及び第4のジョーが各々、脚部インターフェースを含み、更に、前記第1、第2、第3、及び第4のジョーがそれらの係合位置に存在するときに、前記第1のジョーの前記脚部インターフェースが、前記形状記憶インプラントの第1の脚部と係合し、前記第2のジョーの前記脚部インターフェースが、前記形状記憶インプラントの第2の脚部と係合し、前記第3のジョーの前記脚部インターフェースが、前記形状記憶インプラントの第3の脚部と係合し、前記第4のジョーの前記脚部インターフェースが、前記形状記憶インプラントの第4の脚部と係合し
て、前記第1、第2、第3、及び第4のジョーが、前記形状記憶インプラントをその挿入形状に維持する、請求項
1に記載のインプラント挿入装置。
【請求項8】
前記第1及び第2のジョーの前記整合インターフェースが各々、前縁部及び後縁部を含み、それによって、前記第1、第2、第3、及び第4のアームがそれらの広げられた通常の開放位置に存在するときに、前記第1のジョーの前記整合インターフェースの前記前縁部は、前記第1のジョーの前記整合インターフェースの前記前縁部が、前記第2のジョーの前記整合インターフェースの前記前縁部の平面に対してオフセットされた平面内に位置するように、前記第2のジョーの前記整合インターフェースの前記後縁部と実質的に整合し、
前記第3及び第4のジョーの前記整合インターフェースが各々、前縁部及び後縁部を含み、それによって、前記第1、第2、第3、及び第4のアームがそれらの広げられた通常の開放位置に存在するときに、前記第3のジョーの前記整合インターフェースの前記前縁部は、前記第3のジョーの前記整合インターフェースの前記前縁部が、前記第4のジョーの前記整合インターフェースの前記前縁部の平面に対してオフセットされた平面内に位置するように、前記第4のジョーの前記整合インターフェースの前記後縁部と実質的に整合する、請求項
3に記載のインプラント挿入装置。
【請求項9】
前記第1、第2、第3、及び第4のジョーが各々、スライダガイドを含み、それによって、前記第1、第2、第3、及び第4のジョーがそれらの係合位置に存在するときに、そのクラスプ位置における前記スライダが前記スライダガイド上に存在し、それによって、前記第1、第2、第3、及び第4のジョーをそれらの係合位置に維持するように、前記第1及び第2のジョーの前記スライダガイドが整合し、かつ前記第3及び第4のジョーの前記スライダガイドが整合する、請求項1に記載のインプラント挿入装置。
【請求項10】
前記形状記憶インプラントの組織又は骨内への送達、及び前記スライダのそのクラスプ位置からそのクラスプ解除位置への移動の後に、前記第1、第2、第3、及び第4のアームが、それらの閉鎖位置からそれらの広げられた通常の開放位置に戻り、結果として、前記第1、第2、第3、及び第4のジョーは、前記インプラント挿入装置がその挿入形状からその非拘束形状へと移動しようとする前記形状記憶インプラントを解放し、それにより前記組織又は骨内に機械的エネルギーを解放するように、それらの係合位置からそれらの係合解除位置へと進行する、請求項3に記載のインプラント挿入装置。
【請求項11】
非拘束形状と挿入形状との間で移動可能である形状記憶インプラントと共に使用するように適合されたインプラント挿入装置であって、前記インプラント挿入装置が、前記形状記憶インプラントの組織又は骨内への送達まで、前記形状記憶インプラントを前記挿入形状に維持し、前記インプラント挿入装置が、
(i)本体であって、
前記形状記憶インプラントに係合するように適合された第1のジョーと、
前記形状記憶インプラントに係合するように適合された第2のジョーと、
前記形状記憶インプラントに係合するように適合された第3のジョーと、
前記形状記憶インプラントに係合するように適合された第4のジョーと、を含み、前記第1、第2、第3、及び第4のジョーが、係合解除位置から係合位置へと移動可能である、本体と、
(ii)前記本体と連結されたスライダであって、前記スライダが、クラスプ解除位置とクラスプ位置との間で移動可能であり、更に、前記スライダが、そのクラスプ位置で、前記第1、第2、第3、及び第4のジョーをそれらの係合位置に維持する、スライダと、を含み、
前記本体が、
第1のアームであって、前記第1のジョーが前記第1のアームの末端に存在する、第1のアームと、
第2のアームであって、前記第2のジョーが前記第2のアームの末端に存在する、第2のアームと、
第3のアームであって、前記第3のジョーが前記第3のアームの末端に存在する、第3のアームと、
第4のアームであって、前記第4のジョーが前記第4のアームの末端に存在する、第4のアームと、を更に含み、
前記第1、第2、第3、及び第4のアームが、前記第1、第2、第3、及び第4のジョーをそれらの係合解除位置で離して広げる、広げられた通常の開放位置を含み、更に、前記第1、第2、第3、及び第4のアームが、それらの広げられた通常の開放位置から、前記第1、第2、第3、及び第4のジョーをそれらの係合位置に配置する閉鎖位置へと移動可能であり、
前記形状記憶インプラントが、第1、第2、及び第3の脚部を相互接続するブリッジを含み、前記第1、第2、及び第3の脚部は、前記形状記憶インプラントがその非拘束形状で存在するときに、非平行であり、前記第1、第2、及び第3の脚部は、前記形状記憶インプラントがその挿入形状で存在するときに、実質的に平行であり、
前記第1、第2、第3、及び第4のジョーが各々、脚部インターフェースを含み、
前記第1のジョーが、前記第2のジョーと対向する関係で存在し、前記第1及び第2のジョーが、
角度付けられたの相補的形状を有する整合インターフェースを含んでおり
、前記第1及び第2のジョーのそれらの係合解除位置からそれらの係合位置への進行が、それらの整合インターフェースを当接関係に移動させ、更に、
前記第1及び第2のジョーの前記整合インターフェースは、それらの
角度付けられたの相補的形状により、前記第1のジョーの前記脚部インターフェースが各々、前記形状記憶インプラントの前記第1の脚部と係合し、かつ前記第2のジョーの前記脚部インターフェースが、前記形状記憶インプラントの前記第2の脚部と係合して、前記第1及び第2の脚部を実質的に平行に維持するように、前記第1及び第2のジョーを直線的に変位させ、
前記第3のジョーが、前記第4のジョーと対向する関係で存在し、前記第3及び第4のジョーが、
角度付けられたの相補的形状を有する整合インターフェースを含んでおり
、前記第3及び第4のジョーのそれらの係合位置への進行が、それらの整合インターフェースを当接関係に移動させ、更に、
前記第3及び第4のジョーの前記整合インターフェースは、それらの
角度付けられたの相補的形状により、前記第3のジョーの前記脚部インターフェースが、前記形状記憶インプラントの前記第1の脚部と係合し、かつ前記第4のジョーの前記脚部インターフェースが、前記形状記憶インプラントの前記第3の脚部と係合して、前記第1及び第3の脚部を実質的に平行に維持するように、前記第3及び第4のジョーを直線的に変位させる
、インプラント挿入装置。
【請求項12】
前記第1、第2、第3、及び第4のジョーが各々、ブリッジチャネルを画定し、更に、前記第1、第2、第3、及び第4のジョーがそれらの係合位置に存在するときに、各ブリッジチャネルが、前記形状記憶インプラントのブリッジの一部分
を受容する、請求項
11に記載のインプラント挿入装置。
【請求項13】
非拘束形状と挿入形状との間で移動可能である形状記憶インプラントと共に使用するように適合されたインプラント挿入装置であって、前記インプラント挿入装置が、前記形状記憶インプラントの組織又は骨内への送達まで、前記形状記憶インプラントを前記挿入形状に維持し、前記インプラント挿入装置が、
(i)本体であって、
前記形状記憶インプラントに係合するように適合された第1のジョーと、
前記形状記憶インプラントに係合するように適合された第2のジョーと、
前記形状記憶インプラントに係合するように適合された第3のジョーと、
前記形状記憶インプラントに係合するように適合された第4のジョーと、を含み、前記第1、第2、第3、及び第4のジョーが、係合解除位置から係合位置へと移動可能である、本体と、
(ii)前記本体と連結されたスライダであって、前記スライダが、クラスプ解除位置とクラスプ位置との間で移動可能であり、更に、前記スライダが、そのクラスプ位置で、前記第1、第2、第3、及び第4のジョーをそれらの係合位置に維持する、スライダと、を含み、
前記本体が、
第1のアームであって、前記第1のジョーが前記第1のアームの末端に存在する、第1のアームと、
第2のアームであって、前記第2のジョーが前記第2のアームの末端に存在する、第2のアームと、
第3のアームであって、前記第3のジョーが前記第3のアームの末端に存在する、第3のアームと、
第4のアームであって、前記第4のジョーが前記第4のアームの末端に存在する、第4のアームと、を更に含み、
前記第1、第2、第3、及び第4のアームが、前記第1、第2、第3、及び第4のジョーをそれらの係合解除位置で離して広げる、広げられた通常の開放位置を含み、更に、前記第1、第2、第3、及び第4のアームが、それらの広げられた通常の開放位置から、前記第1、第2、第3、及び第4のジョーをそれらの係合位置に配置する閉鎖位置へと移動可能であり、
前記形状記憶インプラントが、第1、第2、第3、及び第4の脚部を相互接続するブリッジを含み、前記第1、第2、第3、及び第4の脚部は、前記形状記憶インプラントがその非拘束形状で存在するときに、非平行であり、前記第1、第2、第3、及び第4の脚部は、前記形状記憶インプラントがその挿入形状で存在するときに、実質的に平行であり、
前記第1、第2、第3、及び第4のジョーが各々、脚部インターフェースを含み、
前記第1のジョーが、前記第2のジョーと対向する関係で存在し、前記第1及び第2のジョーが、
角度付けられたの相補的形状を有する整合インターフェースを含んでおり
、前記第1及び第2のジョーのそれらの係合解除位置からそれらの係合位置への進行が、それらの整合インターフェースを当接関係に移動させ、更に、
前記第1及び第2のジョーの前記整合インターフェースは、それらの
角度付けられたの相補的形状により、前記第1のジョーの前記脚部インターフェースが各々、前記形状記憶インプラントの前記第1の脚部と係合し、かつ前記第2のジョーの前記脚部インターフェースが、前記形状記憶インプラントの前記第2の脚部と係合して、前記第1及び第2の脚部を実質的に平行に維持するように、前記第1及び第2のジョーを直線的に変位させ、
前記第3のジョーが、前記第4のジョーと対向する関係で存在し、前記第3及び第4のジョーが、
角度付けられたの相補的形状を有する整合インターフェースを含んでおり
、前記第3及び第4のジョーのそれらの係合位置への進行が、それらの整合インターフェースを当接関係に移動させ、更に、
前記第3及び第4のジョーの前記整合インターフェースは、それらの
角度付けられたの相補的形状により、前記第3のジョーの前記脚部インターフェースが、前記形状記憶インプラントの前記第3の脚部と係合し、かつ前記第4のジョーの前記脚部インターフェースが、前記形状記憶インプラントの前記第4の脚部と係合して、前記第3及び第4の脚部を実質的に平行に維持するように、前記第3及び第4のジョーを直線的に変位させる
、インプラント挿入装置。
【請求項14】
前記第1、第2、第3、及び第4のジョーが各々、ブリッジチャネルを画定し、更に、前記第1、第2、第3、及び第4のジョーがそれらの係合位置に存在するときに、各ブリッジチャネルが、前記形状記憶インプラントのブリッジの一部分
を受容する、請求項
13に記載のインプラント挿入装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本出願は、米国特許法第119条(e)の下で、2017年10月20日に出願された米国特許仮出願第62/574,845号の全ての利用可能な利益を主張する。この参照により、米国特許仮出願第62/574,845号の全開示は、その全体がこれから述べられるように、本明細書に組み込まれる。
【0002】
(発明の分野)
本発明は、概して移植装置に関し、より具体的には、しかし非限定的に、外科用インプラントの装填、及びそれに続く外科用インプラントの送達のために設計された移植装置に関する。本移植装置は、ジョー及びスライダを使用して外科用インプラントを固定し、患者への移植を可能にする。
【背景技術】
【0003】
形状記憶インプラントは、組織又は骨の再接合又は融合を必要とする外科処置に広く使用される。形状記憶インプラントは、形状記憶インプラントが、第1の最終形状と、第2の形状へ移行する能力と、を有することを可能にする、ニチノールなどの形状記憶材料から構成され得る。形状記憶インプラントは、熱的に活性化されるか(この場合にはインプラントの活性化に外部加熱源又は本体温度が必要となるであろう)、又は機械的に活性化されるか(この場合には拘束器具が必要となるであろう)のいずれであってもよい。機械的拘束を必要とする形状記憶インプラントは、弾性(回復可能)変形による機械的エネルギーを貯蔵し、次いで、拘束が除かれると、貯蔵された機械的エネルギーを解放する。これらのタイプのインプラントでは、インプラントが、器具類によってその第2の形状に機械的に変形され、その第2の形状に維持され、これによって、器具類から解放されると、インプラントがそれらの第2の形状からそれらの第1の最終形状に弾性変形する。
【0004】
外科処置では、拘束された形状記憶インプラントの弾性特性は、以下のように利用される。固定を必要とする骨は整列され、その第2の形状に機械的に変形された形状記憶インプラントが、器具類に保持され、骨の間に挿入される。第2の形状では、インプラントの脚は、概して平行である。挿入後、形状記憶インプラントは器具類から解放され、すると形状記憶インプラントがその第1の最終形状に弾性的に戻ろうとし、これによって、形状記憶インプラントが共に固定された骨を維持する。第1の最終形状では、インプラントの脚(複数)が、先端に収束する。形状記憶インプラントは機械的エネルギーを貯蔵するので、形状記憶インプラントが第2の形状から第1の最終形状に移行しようとするときに、それは固定された骨に連続的に力を及ぼし、それが治癒過程を支援する。
【0005】
形状記憶インプラントのその第2の形状での維持、又はインプラントの第1の最終形状から第2の形状への移動のいずれのためにも、多様なタイプの器具類が使用され得る。いくつかの企業は、形状記憶インプラントの開放及び挿入に、金属鉗子を使用した。鉗子は、病院で滅菌されなければならず、次いで、形状記憶インプラントが鉗子上に置かれ、所望の位置に向けて開放され、挿入及び移植に使用され得る。効果的である可能性はあるが、鉗子は、手術中にインプラントの鉗子への装填を必要とし、これは扱いにくく、また時間を要することがある。更に、鉗子は、手術中に患者への形状記憶インプラントの移植を妨げ得る大きさである場合がある。鉗子を使用する医師の、インプラントを第2の形状外へ伸張させる、インプラントを疲労させる、又はインプラントの器具との金属同士の擦れを起こす、などの様々な行いによって、形状記憶インプラントを損傷させる可能性もある。更に、鉗子は、各手術後に、清浄化及び滅菌を必要とする高価な器具であり得る。
【0006】
他の器具類は、形状記憶インプラントを第2の形状に維持するために、プラスチック及び使い捨て工具を含む。このタイプの器具類は、既に第2の形状のインプラントで事前装填と滅菌がなされてもよく、インプラントは事前活性化され、その結果、使用開始後の外部加熱器又は本体温度による加熱を必要としない。プラスチック製で使い捨ての器具の1つのタイプは、形状記憶インプラントと実質的に同じ直径の通路の内部に適合するインプラントを有することによって作動する。この方法を使用して、器具類が、形状記憶インプラントの、手術前の事前装填を可能とする。しかしながら、形状記憶インプラントの形状に実質的に一致する器具類を使用することは、外科医にとっていくつかの問題を生み出すことがある。第1に、このタイプの器具類は、不確かな移植後に、形状記憶ステープルの解離を起こすことが多い。具体的には、圧縮しようとしている形状記憶インプラントと、器具類の通路との間の摩擦係合によって、形状記憶インプラントが器具類に貼り付いてしまい、より困難な外科処置と満足できない組織又は骨の固定の可能性をもたらす。第2に、このタイプの器具類は、インプラントが装置から取り除かれるとき、貯蔵された機械的エネルギーの不意の突然の解放をもたらす。したがって、このタイプの器具類は、器具類から固定されている骨に、インプラント内の貯蔵されたエネルギーをゆっくりと移行させる方法を全く提供しない。最後に、このタイプの器具類は、解放中のもつれをもたらすことがあり、そこでは解放によってインプラントの脚が圧縮を開始し、このタイプの器具類の引き抜きをより難しくする。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
したがって、形状記憶インプラントをその第2の形状に拘束し、形状記憶インプラントの手術前の装填及び滅菌を可能にし、一部移植後の形状記憶インプラントの取り除きを容易にし、かつ張力の解放速度を制御する器具が、有益であるだろう。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明によれば、インプラント挿入装置は、非拘束形状と挿入形状との間で移動可能である形状記憶インプラントと共に使用するように設計されている。形状記憶インプラントは、2つ以上の脚部を相互接続するブリッジ、より具体的には、第1、第2、及び第3の脚又は第1、第2、第3、及び第4の脚部を含む。インプラント挿入装置は、形状記憶インプラントをその挿入形状に維持し、それによって形状記憶インプラントは、機械的エネルギーを貯蔵する。インプラント挿入装置を使用して形状記憶インプラントを組織又は骨内に送達すると、インプラント挿入装置は、その挿入形状からその非拘束形状へと移動しようとする形状記憶インプラントを解放し、それによって組織又は骨内に機械的エネルギーを解放する。
【0009】
インプラント挿入装置は、本体と、本体と連結されたスライダと、を含む。本体は、第1、第2、第3、及び第4のアームを含み、第1、第2、第3、及び第4のアームは、形状記憶インプラントに係合するそれぞれの第1、第2、第3、及び第4のジョーで終端する。第1、第2、第3、及び第4のアームは、第1、第2、第3、及び第4のジョーを係合解除位置で離して広げる、広げられた通常の開放位置を含む。第1、第2、第3、及び第4のアームは更に、それらの広げられた通常の開放位置から、第1、第2、第3、及び第4のジョーを係合位置に配置する、閉鎖位置へと移動する。第1、第2、第3、及び第4のアームがそれらの広げられた通常の開放位置からそれらの閉鎖位置へと移動するときに、第1、第2、第3、及び第4のアームは、第1、第2、第3、及び第4のジョーがそれらの係合位置まで角度的に移動するように、本体の中心軸に向かって弧に沿って移動する。第1、第2、第3、及び第4のジョーは、それらの係合解除位置において、形状記憶インプラントを解放し、その係合位置において、形状記憶インプラントをその挿入形状に維持する。スライダは、第1、第2、第3、及び第4のジョーを解放して、それらの係合解除位置に戻す、クラスプ解除位置と、第1、第2、第3、及び第4のジョーをそれらの係合位置に維持する、クラスプ位置との間を移動する。形状記憶インプラントの組織又は骨内への送達、及びスライダのそのクラスプ位置からそのクラスプ解除位置への移動後に、第1、第2、第3、及び第4のアームは、それらの閉鎖位置からそれらの広げられた通常の開放位置に戻り、結果として、第1、第2、第3、及び第4のジョーは、インプラント挿入装置が形状記憶を解放するように、それらの係合位置からそれらの係合解除位置へと進行する。
【0010】
第1のジョーは、第2のジョーと対向する関係で存在する。第1及び第2のジョーは、非線形の相補的形状を有する整合インターフェースを含む。第1及び第2のジョーの係合解除位置からそれらの係合位置への進行は、第1及び第2のジョーの整合インターフェースを当接関係に移動させる。整合インターフェースは、それらの非線形の相補的形状により、第1及び第2のジョーが形状記憶インプラントと係合し、かつ形状記憶インプラントをその挿入形状に維持するように、第1及び第2のジョーを直線的に変位させる。
【0011】
第3のジョーは、第4のジョーと対向する関係で存在する。第3及び第4のジョーは、非線形の相補的形状を有する整合インターフェースを含む。第3及び第4のジョーの係合解除位置からそれらの係合位置への進行は、第3及び第4のジョーの整合インターフェースを当接関係に移動させる。整合インターフェースは、それらの非線形の相補的形状により、第3及び第4のジョーが形状記憶インプラントと係合し、かつ形状記憶インプラントをその挿入形状に維持するように、第3及び第4のジョーを直線的に変位させる。
【0012】
第1及び第2のジョーの整合インターフェースは各々、前縁部及び後縁部を含む。第1、第2、第3、及び第4のアームがそれらの広げられた通常の開放位置に存在するときに、第1のジョーの整合インターフェースの前縁部は、第1のジョーの整合インターフェースの前縁部が、第2のジョーの整合インターフェースの前縁部の平面に対してオフセットされた平面内に位置するように、第2のジョーの整合インターフェースの後縁部と実質的に整合する。
【0013】
第3及び第4のジョーの整合インターフェースは各々、前縁部及び後縁部を含む。第1、第2、第3、及び第4のアームがそれらの広げられた通常の開放位置に存在するときに、第3のジョーの整合インターフェースの前縁部は、第3のジョーの整合インターフェースの前縁部が、第4のジョーの整合インターフェースの前縁部の平面に対してオフセットされた平面内に位置するように、第4のジョーの整合インターフェースの後縁部と実質的に整合する。
【0014】
第1、第2、第3、及び第4のジョーは各々、ブリッジチャネルを画定する。第1、第2、第3、及び第4のジョーがそれらの係合位置に存在するときに、各ブリッジチャネルは、形状記憶インプラントのブリッジの一部分をその内部に受容する。
【0015】
第1、第2、第3、及び第4のジョーは各々、脚部インターフェースを含む。第1、第2、第3、及び第4のジョーがそれらの係合位置に存在するときに、第1のジョー及び第3のジョーの脚部インターフェースは各々、形状記憶インプラントの第1の脚部と係合し、第2のジョーの脚部インターフェースは、形状記憶インプラントの第2の脚部と係合し、第4のジョーの脚部インターフェースは、形状記憶インプラントの第3の脚部と係合し、その結果、第1、第2、第3、及び第4のジョーが、形状記憶インプラントをその挿入形状に維持する。代替的に、第1、第2、第3、及び第4のジョーがそれらの係合位置に存在するときに、第1のジョーの脚部インターフェースは、形状記憶インプラントの第1の脚部と係合し、第2のジョーの脚部インターフェースは、形状記憶インプラントの第2の脚部と係合し、第3のジョーの脚部インターフェースは、形状記憶インプラントの第3の脚部と係合し、第4のジョーの脚部インターフェースは、形状記憶インプラントの第4の脚部と係合し、その結果、第1、第2、第3、及び第4のジョーが、形状記憶インプラントをその挿入形状に維持する。
【0016】
第1、第2、第3、及び第4のジョーは各々、スライダガイドを含む。第1、第2、第3、及び第4のジョーがそれらの係合位置に存在するときに、そのクラスプ位置におけるスライダがスライダガイドにわたって存在し、それによって、第1、第2、第3、及び第4のジョーをそれらの係合位置に維持するように、第1及び第2のジョーのスライダガイドは、整合し、かつ第3及び第4のジョーのスライダガイドは、整合する。
【0017】
したがって、本発明の目的は、形状記憶インプラントを挿入形状に維持するインプラント挿入装置を提供することである。
【0018】
本発明の別の目的は、形状記憶インプラントを組織又は骨内に送達するインプラント挿入装置を提供することである。
【0019】
本発明の更なる目的は、形状記憶インプラントが解放されると、その形状記憶が挿入形状から非拘束形状へと移動しようとし、それによって機械的エネルギーを組織又は骨内に解放する、インプラント挿入装置を提供することである。
【0020】
本発明の更に他の目的、特徴、及び利点は、以下を考慮することで当業者に明らかになるであろう。また、本発明の範囲は広義であることが意図され、本明細書に記載される特徴、要素、又は工程の任意のサブセットの任意の組み合わせは、本発明の意図される範囲の一部であることが理解されよう。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図1】第1のインプラントを、その挿入形状で示す側面図である。
【
図2】第1のインプラントを、その挿入形状で示す斜視図である。
【
図3】第1のインプラントを、その非拘束形状で示す側面図である。
【
図4】第1のインプラントを、その非拘束形状で示す斜視図である。
【
図5】第2のインプラントを、その非拘束形状で示す側面図である。
【
図6】第2のインプラントを、その非拘束形状で示す斜視図である。
【
図7】第3のインプラントを、その非拘束形状で示す斜視図である。
【
図8】第1の実施形態による第3のインプラント及びインプラント挿入装置を、そのインプラント係合解除位置で示す斜視図である。
【
図9】第1の実施形態による第3のインプラント及びインプラント挿入装置を、そのインプラント係合位置で示す斜視図である。
【
図10】第1の実施形態による第3のインプラント及びインプラント挿入装置を、そのインプラント係合解除位置で示す正面図である。
【
図11】第1の実施形態による第3のインプラント及びインプラント挿入装置を、そのインプラント係合位置で示す正面図である。
【
図12】第1の実施形態による第3のインプラント及びインプラント挿入装置を、そのインプラント係合解除位置で示す底面図である。
【
図13】第1の実施形態による第3のインプラント及びインプラント挿入装置を、そのインプラント係合位置で示す底面図である。
【
図14】第1の実施形態による第3のインプラント及びインプラント挿入装置を、そのインプラント係合解除位置で示す側面図である。
【
図15】第1の実施形態による第3のインプラント及びインプラント挿入装置を、そのインプラント係合解除位置で示す
図15の線A-Aに沿って得られた断面図である。
【
図16】第1の実施形態による第3のインプラント及びインプラント挿入装置を、そのインプラント係合位置で示す側面図である。
【
図17】第1の実施形態による第3のインプラント及びインプラント挿入装置を、そのインプラント係合位置で示す
図16の線B-Bに沿って得られた断面図である。
【
図18】第1の実施形態によるインプラント挿入装置を、そのインプラント係合位置で示す背面図である。
【
図19】第1の実施形態によるインプラント挿入装置を、そのインプラント係合位置で示す
図18の線C-Cに沿って得られた断面図である。
【
図20】第1の実施形態によるインプラント挿入装置を、そのインプラント係合位置で示す
図18の線D-Dに沿って得られた断面図である。
【
図21】第1の実施形態によるインプラント挿入装置のスライダを示す斜視図である。
【
図22】第1の実施形態によるインプラント挿入装置のスライダを示す正面図である。
【
図23】第1の実施形態によるインプラント挿入装置のスライダを示す右側面図である。
【
図24】第1の実施形態によるインプラント挿入装置のスライダを示す左側面図である。
【
図25】第1の実施形態によるインプラント挿入装置のスライダを示す上面図である。
【
図26】第1の実施形態によるインプラント挿入装置のスライダを示す底面図である。
【
図27】第4のインプラントを、その非拘束形状で示す斜視図である。
【
図28】第4のインプラントを、その非拘束形状で示す側面図である。
【
図29】第2の実施形態による第4のインプラント及びインプラント挿入装置を、インプラント係合解除位置で示す斜視図である。
【
図30】第2の実施形態による第4のインプラント及びインプラント挿入装置を、インプラント係合位置で示す斜視図である。
【
図31】第2の実施形態による第4のインプラント及びインプラント挿入装置を、そのインプラント係合解除位置で示す背面図である。
【
図32】第2の実施形態による第4のインプラント及びインプラント挿入装置を、そのインプラント係合位置で示す背面図である。
【
図33】第2の実施形態による第4のインプラント及びインプラント挿入装置を、そのインプラント係合解除位置で示す底面図である。
【
図34】第2の実施形態による第4のインプラント及びインプラント挿入装置を、そのインプラント係合位置で示す底面図である。
【
図35】第2の実施形態による第4のインプラント及びインプラント挿入装置を、そのインプラント係合解除位置で示す側面図である。
【
図36】第2の実施形態による第4のインプラント及びインプラント挿入装置を、そのインプラント係合解除位置で示す
図35の線D-Dに沿って得られた断面図である。
【
図37】第2の実施形態による第4のインプラント及びインプラント挿入装置を、そのインプラント係合位置で示す側面図である。
【
図38】第2の実施形態による第4のインプラント及びインプラント挿入装置を、そのインプラント係合位置で示す
図37の線E-Eに沿って得られた断面図である。
【
図39】第2の実施形態によるインプラント挿入装置を、そのインプラント係合位置で示す背面図である。
【
図40】第2の実施形態によるインプラント挿入装置を、そのインプラント係合位置で示す
図39の線F-Fに沿って得られた断面図である。
【
図41】第2の実施形態によるインプラント挿入装置を、そのインプラント係合位置で示す
図39の線G-Gに沿って得られた断面図である。
【
図42】第2の実施形態によるインプラント挿入装置のスライダを示す斜視図である。
【
図43】第2の実施形態によるインプラント挿入装置のスライダを示す正面図である。
【
図44】第2の実施形態によるインプラント挿入装置のスライダを示す右側面図である。
【
図45】第2の実施形態によるインプラント挿入装置のスライダを示す左側面図である。
【
図46】第2の実施形態によるインプラント挿入装置のスライダを示す上面図である。
【
図47】第2の実施形態によるインプラント挿入装置のスライダを示す底面図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
要求に応じて、本発明の詳細な実施形態が本明細書に開示される。しかしながら、開示される実施形態が単に本発明の例にすぎず、それらが様々な形態で具体化され得ることを理解されたい。図は、必ずしも原寸に比例しておらず、いくつかの特徴部は、特定の構成要素又は工程の詳細を示すために誇張されている場合がある。
【0023】
図1及び
図2は、挿入形状100にある第1の整形外科用インプラント1を示している。インプラント1は、
図1及び
図2に示される3つの脚部5、6及び7などの3つ以上の脚部からなる。3つの脚部5、6及び7は三角形の形状を作り出すが、
図27~
図30を参照して本明細書に開示されるような任意の数の他の形状又は多脚の設計が存在する。各脚部5、6及び7は、インプラント1を固定するために組織又は骨内に貫入することができる。代表的なかかり13などの各脚部5、6及び7上のかかりは、インプラント1が組織又は骨内に挿入されるときに、移動に対する抵抗を提供する。任意の数のかかりは、各脚部5、6及び7上にあってもよい。脚部5上にあるが、各脚部上の脚部先端部を表す脚部先端部14は、組織又は骨内への挿入のために鈍くてもよく、又は尖っていてもよい。ブリッジ20は、インプラント1の3つ以上の脚部を接続する。角部10、11及び12は、脚部5、6及び7がブリッジ20と接続する位置を表す。角部10、11及び12は、インプラント1が埋め込まれたときに組織又は骨に適合するように、任意の半径であってもよい。
図1に示されるようなブリッジ20は、ほとんど平坦である。しかしながら、脚部5、6及び7と接続し、かつ埋め込み後に組織又は骨に適合するブリッジ20についての任意の数の形状が存在する。
【0024】
インプラント1は、形状記憶材料(例えば、ニチノール)などの整形外科用途に好適な弾性材料で作製される。挿入形状100において、インプラント1の脚部5、6及び7は、インプラント1が組織又は骨に穿孔された孔に容易に挿入されるように、互いに実質的に平行である。しかしながら、挿入形状100はインプラント1の自然な形状ではなく、したがって脚部5、6及び7は機械的に拘束されなければならず、又は脚部5、6及び7が、いったん変形すると自然に挿入形状100のままであるように、脚部5、6及び7がマルテンサイト状態になるまで、インプラント1を冷却しなければならない。
【0025】
図3及び
図4は、非拘束形状101にある第1の整形外科用インプラント1を示している。非拘束形状101におけるインプラント1は、角部10付近の材料の形状記憶又は超弾性特性に起因して内側に移動しようと試みる脚部5を含む。したがって、脚部5は、脚部6及び7に対して、もはや平行でなくてもよい。これは、脚部5の機械的制約が取り除かれて、それが内側に揺動することを可能にしたこと、又は脚部5が以前に変形したマルテンサイト状態で冷却され、ここでオーステナイト相においてその自然な形状に移行したことのいずれかの理由で発生した。更に、脚部5を脚部6及び7に近付けるように、ブリッジ20は、同じ理由により、アーチ状であってもよい。これらの2つの方式では、インプラント1は、脚部5と脚部6及び7との間に圧縮力を生み出す。この運動に加えて、当業者は、インプラント1を任意の数の脚部又は任意の動きの組み合わせを有するように設計することができる。第1の整形外科用インプラント1内で静止しているが、脚部6及び7の代替的な実施形態は、脚部5に向かって、又は互いに向かって移動し得る。
【0026】
図5及び
図6は、非拘束形状103にある第2の整形外科用インプラント102を示している。第2の整形外科用インプラント102は、脚部5、6及び7が全て非拘束非平行形状への形状記憶又は超弾性の作用下で移動しようとすることを除いて、第1の整形外科用インプラント1と同じ特徴を含む。ここで、角部10、11及び12の材料により、脚部5、6及び7上の機械的制約の解除に起因すること、又は冷却されたマルテンサイトからオーステナイト相への相変化に起因することのいずれかにより、脚部5、6及び7は、挿入の実質的に平行な形状から、圧縮された平行でない非拘束形状への移動を試みる。このようにして、インプラント102の脚部5、6及び7による追加の圧縮力が生じる。
【0027】
図7は、非拘束位置105にある第3の整形外科用インプラント104を示している。第3の整形外科用インプラント104は、第1の整形外科用インプラント1又は第2の整形外科用インプラント102のいずれかの特徴を組み込む。具体的には、第3の整形外科用インプラント104の脚部6及び7は、非拘束非平行形状と挿入時の実質的に平行な形状との間の形状記憶又は超弾性の作用下で移動しようとする。脚部5は、挿入時の実質的に平行な形状に維持されてもよく、又は代替的に、非拘束非平行形状と挿入時の実質的に平行な形状との間の形状記憶又は超弾性の作用下で移動してもよい。脚部5に加えて第3の整形外科用インプラント104は、第3の整形外科用インプラント104の引き抜き強度を増加させるために、角部16においてブリッジ20と接続されており、かつ脚部5と一直線になっている脚部8を含む。脚部8は、挿入時の実質的に平行な形状に維持されてもよく、又は代替的に、非拘束非平行形状と挿入時の実質的に平行な形状との間で脚部5と共に移動しようとしてもよい。
【0028】
図8~
図20は、第1の実施形態によるインプラント挿入装置50を示している。
図8~
図20に示されるようなインプラント挿入装置50は、第3の整形外科用インプラント104と係合し、かつ第3の整形外科用インプラント104をその挿入形状106に拘束し、そのため外科医は、手術中に第3の整形外科用インプラント104を組織又は骨内に挿入することができる。インプラント挿入装置50は、第3の整形外科用インプラント104と組み合わせて説明されているが、当業者であれば、インプラント挿入装置50が第1の整形外科用インプラント100又は第2の整形外科用インプラント102のいずれかと係合し、かつ第1の整形外科用インプラント100又は第2の整形外科用インプラント102をそれらの挿入形状に拘束し、そのため外科医が、手術中に第1の整形外科用インプラント100又は第2の整形外科用インプラント102を組織又は骨内に挿入することができることを認識するであろう。
【0029】
インプラント挿入装置50は、本体51と、クラスプ解除位置とクラスプ位置との間で移動するスライダ30と、を含む。インプラント挿入装置50は、インプラント係合解除位置41(
図8、
図10及び
図12に示す)、又はインプラント係合位置42(
図9、
図11及び
図13に示す)のいずれかにあり、それらの間で移動可能である。インプラント係合解除位置41では、第3の整形外科用インプラント104は、閉塞することなく、インプラント挿入装置50内に滑り込み、又はそこから滑り出る。インプラント係合位置42では、インプラント挿入装置50は、第3の整形外科用インプラント104と係合し、かつ第3の整形外科用インプラント104をその挿入形状106に維持する。更に、インプラント挿入装置50は、外科医が、第3の整形外科用インプラント104を扱い、第3の整形外科用インプラント104を固定が必要な組織又は骨内に挿入することを可能とする。
【0030】
インプラント挿入装置50の本体51は、スライダ受容部53、第1の側面部54、第2の側面部55、上面57を有するハンドル56、アーム58及び59、並びに、アーム60及び61を含む。本体51の第1の側面部54及び第2の側面部55の両方の平坦な溝は、スライダ受容部53がスライダ30の一部分を受容して、スライダ30をスライダ受容部53の上に、したがって本体51に固定することを可能にするように、スライダ受容部53を画定する。ハンドル56は、本体51の第1の側面部54及び第2の側面部55上の把持面を提供する。ハンドル56の把持面は、外科医が、インプラント挿入装置50を、したがってそこに固定される第3の整形外科用インプラント104を、操作することを可能にする。本体51のアーム58及び59は、第1の側面部54で本体51から延在しており、ジョー70及びジョー71をそれぞれ含んでいる。本体51のアーム60及び61は、第2の側面部55で本体51から延在しており、ジョー72及びジョー73をそれぞれ含んでいる。アーム58~61は、アーム58~61が離れて広げられることによる通常の開放位置(
図8、
図10及び
図12に示される)で存在し、アーム58~61が隣接することによる閉鎖位置(
図9、
図11及び
図13に示される)まで移動可能である。アーム58~61の通常の開放位置からそれらの閉鎖位置への移動は、ジョー70~73を係合解除位置から係合位置へと前進させる。インプラント挿入装置50は、任意の好適な弾性材料から製造されてもよい。しかしながら、第1の実施形態では、インプラント挿入装置50は、プラスチックから作製されている。
【0031】
第1の実施形態では、インプラント挿入装置50の本体51は、成形型を使用して、1つの部品に製造される。しかしながら、インプラント挿入装置50の本体51は、2つの別個の部品に製造されてもよい。具体的には、アーム58及び59、ジョー70及び71、並びにハンドル56の一部分は、第1の部品を形成してもよい。アーム60及び61、ジョー72及び73、並びにハンドル56の一部分は、第2の部品を形成してもよい。次いで、その2つの別個の部品が、ヒンジ、又は接着剤などの任意の好適な手段を使用して共に締結されて、本体51を作り出す。
【0032】
ジョー70~73は各々、スライダ30がそのクラスプ解除位置とそのクラスプ位置との間を移動するときにスライダ30とそれぞれ相互作用する、スライダガイド74~77を含む。ジョー70~73は各々、ブリッジチャネル86~89をそれぞれ画定するブリッジインターフェース78~81を含み、ブリッジチャネル86~89は、ブリッジ20の一部分をその中に受容する。ジョー70~73は各々、それぞれブリッジ20の下方で、脚部5、6又は7の一部分とそれぞれ係合する脚部インターフェース82~85を含む。ジョー70~73は各々、整合インターフェース90~93を含んでおり、整合インターフェース90~93はそれぞれ、ジョー70~73の係合解除位置(
図8、
図10及び
図12に示される)からそれらの係合位置(
図9、
図11及び
図13に示される)への移動中に対向する整合インターフェース90~93と相互作用する。整合インターフェース90及び92は各々、前縁部94と、前縁部94の平面に対してオフセットされた平面内に位置する後縁部95と、を含んでおり、そのため整合インターフェース90及び91は、前縁部94から後縁部95へとそれらの面にわたって角度をなす。整合インターフェース91及び93は各々、前縁部96と、前縁部96の平面に対してオフセットされた平面内に位置する後縁部97と、を含んでおり、そのため整合インターフェース91及び93は、前縁部97から後縁部97へとそれらの面にわたって角度をなす。整合インターフェース90及び92の後縁部95をそれらの前縁部94に対してオフセットし、かつ整合インターフェース91及び93の後縁部97をそれらの前縁部96に対してオフセットした位置に置くと、整合インターフェース90及び92の面にわたる角度は、整合インターフェース91及び93の面にわたる角度に対して相補的である。
【0033】
ジョー70~73は、それらの係合解除位置とそれらの係合位置との間を移動して、インプラント挿入装置50内の第3の整形外科用インプラント104の固定、並びにインプラント挿入装置50からの第3の整形外科用インプラント104の除去を容易にする。アーム58~61をそれらの通常の開放位置からそれらの閉鎖位置へと操作することによって、インプラント挿入装置50は、そのインプラント係合解除位置41からそのインプラント係合位置42へと移動し、ジョー70~73は、それらの係合解除位置からそれらの係合位置へと進行するときに、角度の付いた状態で、かつ直線的に移動する。具体的には、ジョー70及び71は、それらの整合インターフェース90及び91において当接関係に移動し、ジョー72及び73は、それらの整合インターフェース92及び93において当接関係に移動する。また、スライダガイド75は、スライダガイド74の上で当接関係に移動し、スライダガイド77は、スライダガイド76の上で当接関係に移動し、そのためスライダガイド74~77がスライダ30と相互作用する。ジョー70~73は、相補的な形状であり、相互作用して、第3の整形外科用インプラント104を把持するそれらの係合位置において一体型装置を形成する。第3の整形外科用インプラント104に係合するジョー70~73の移動、及び第3の整形外科用インプラント104をその挿入形状106内に拘束することは、本明細書でより完全に説明される。
【0034】
図21~
図26は、スライダ30を示している。スライダ30は、それらの間のスロット39を画定するクラスプ面31及びクラスプ面32を有する、クラスプ38を含む。スライダ30は、スライダテール34においてスロット37を画定する。スライダ30は、前面35及び背面36を有するアクチュエータ33を更に含む。スロット37は、スライダ30が、本体51に係合され、かつそのクラスプ解除位置とクラスプ位置との間で移動することを許容する。具体的には、スライダ30をアーム58~61の間に挿入することにより、スライダ30を本体51内に配置し、その結果、スライダ30がスロット37を介して本体51のスライダ受容部53と係合し、スライダ30が本体51に固定される。アクチュエータ33は、ユーザが、そのクラスプ解除位置とそのクラスプ位置との間でスライダ30を移動させることによって、スライダ30を操作することを可能とする。具体的には、
図8及び
図9に示されるように、ユーザがアクチュエータ33の背面36を押したときに、スライダ30は、アーム58~61内で、スライダ受容部53に沿って、そのクラスプ解除位置からそのクラスプ位置まで移動する。反対に、ユーザがアクチュエータ33の前面35に対して引っ張ると、スライダ30は、アーム58~61内で、スライダ受容部53に沿って、そのクラスプ位置からそのクラスプ解除位置まで移動する。
【0035】
スライダ30のクラスプ38は、スライダ30がジョー70~73をそれらの係合位置に保持することを可能にする。特に、スライダ30がそのクラスプ解除位置からそのクラスプ位置まで移動するときに、クラスプ38は、スライダガイド74~77がそのスロット39を介してクラスプ38に入るという点で、スライダガイド74~77を把持する。より具体的には、クラスプ面31は、スライダガイド74の上に存在するスライダガイド75と摩擦係合し、クラスプ面32は、スライダガイド76の上に存在するスライダガイド77と摩擦係合する。クラスプ面31及び32とスライダガイド74~77との間の摩擦係合は、ジョー70~73をそれらの係合位置にそれぞれ保持する。
【0036】
第3の整形外科用インプラント104を装填する前に、第1の実施形態によるインプラント挿入装置50は、
図8、
図10及び
図12に示されるそのインプラント係合解除位置41から始まる。インプラント係合解除位置41では、スライダ30は、アーム58~61がそれらの通常開いた位置に広がり、かつジョー70~73がそれらの係合解除位置で離れて広がるように、スライダ30がスライダガイド74~77から係合解除されることにより、そのクラスプ解除位置にある。具体的に
図8、
図10及び
図15を参照すると、弾性材料からのそれらの構成により、アーム58~61は、その端部で見たときに、インプラント挿入装置50の中心軸に対して第1の端部角度で存在する。更に、
図14を具体的に参照すると、弾性材料からのそれらの構成によるアーム58~61は、その側面で見たときに、インプラント挿入装置50の中心軸に対して第1の側面角度で存在する。更に、アーム58~61がそれらの第1の側面角度に存在するとき、整合インターフェース91及び93の前縁部96はそれぞれ、整合インターフェース91及び93の前縁部96が、整合インターフェース90及び92の前縁部94の平面に対してオフセットされた平面内に位置するように、整合インターフェース90及び92の後縁部95と実質的に整合する。
【0037】
インプラント挿入装置50を装填するとき、その非拘束形状105における第3の整形外科用インプラント104は、ジョー70~73の間に位置しており、そのブリッジ20は、ジョー70~73のブリッジチャネル86~89と整合している。インプラント挿入装置50は、そのインプラント係合解除位置41からその係合位置42へと進行し、そのためアーム58~61がそれらの閉鎖位置に移動し、ジョー70~73が、ジョー70~73がそれらの係合解除位置からそれらの係合位置へと移動する際に、第3の整形外科用インプラント104と接触し、かつ第3の整形外科用インプラント104をその挿入形状106に操作する。スライダ30は、そのクラスプ解除位置からそのクラスプ位置へと移動し、それによってスライダ30は、スライダガイド74~77と係合して、アーム58~61をそれらの閉鎖位置に保持し、かつジョー70~73を、第3の整形外科用インプラント104をその挿入形状106に拘束するそれらの係合位置に保持する。
【0038】
代替的に、その挿入形状106に操作され、かつその中に保持された第3の整形外科用インプラント104は、ジョー70~73の間に位置し、ブリッジ20は、ジョー70~73のブリッジチャネル86~89と整合する。インプラント挿入装置50は、そのインプラント係合解除位置41からその係合位置42へと進行し、そのためアーム58~61がそれらの閉鎖位置に移動し、ジョー70~73は、ジョー70~73がそれらの係合解除位置からそれらの係合位置へと移動する際に、第3の整形外科用インプラント104と接触する。スライダ30は、そのクラスプ解除位置からそのクラスプ位置へと移動し、それによってスライダ30は、スライダガイド74~77と係合して、アーム58~61をそれらの閉鎖位置に保持し、かつジョー70~73を、第3の整形外科用インプラント104をその挿入形状106に拘束するそれらの係合位置に保持する。
【0039】
具体的に
図9、
図11、及び
図17を参照すると、弾性材料からのそれらの構成により、アーム58~61は、第1の端部角度から第1の端部角度よりも小さい第2の端部角度までその端部を見たときに、インプラント挿入装置50の中心軸に向かって弧に沿って移動する。第1の実施形態では、第1の端部角度は、その端部で見たときにインプラント挿入装置50の中心軸に対して0°を超える任意の角度であり、そのことは、ジョー70~73間の非拘束形状105における第3の整形外科用インプラント104の挿入を可能にし、第2の端部角度は、その端部で見たときに、インプラント挿入装置50の中心軸に対して0°に実質的に等しい。更に、
図16を具体的に参照すると、弾性材料からの構成により、アーム58~61は、第1の側面角度から第1の側面角度よりも小さい第2の側面角度までその側面で見たときに、インプラント挿入装置50の中心軸から離れるように弧に沿って移動する。第1の実施形態では、第1の側面角度は、その側面で見たときにインプラント挿入装置50の中心軸に対して0°を超える任意の角度であり、そのことは、ジョー70~73間の非拘束形状105における第3の整形外科用インプラント104の挿入を可能にし、第2の端部角度は、その側面で見たときに、インプラント挿入装置50の中心軸に対して0°に実質的に等しい。
【0040】
インプラント挿入装置50にその非拘束形状105における第3の整形外科用インプラント104を装填するとき、アーム58~61のそれらの通常の開放位置からそれらの閉鎖位置への移動、及びジョー70~73のそれらの係合解除位置からそれらの係合位置への移動は、ブリッジインターフェース81を角部11に隣接するブリッジ20の一部分と接触させ、かつブリッジチャネル89内にその部分を挿入する。同様に、ブリッジインターフェース79は、角部12に隣接するブリッジ20の一部分に接触し、かつブリッジチャネル87内に部分を挿入する。同様に、ブリッジインターフェース78及び80は、ブリッジチャネル86とブリッジチャネル88との間に部分が挿入され、かつその部分がブリッジチャネル86及び88によって画定される開口部99を通って延在するように、ブリッジ20のうちの角部10に隣接する一部分と接触する。加えて、脚部インターフェース85は、角部11の下方の脚部6の一部分と接触し、脚部インターフェース83は、角部12の下方の脚部7の一部分と接触する。更に、脚部インターフェース82及び84は、角部10の下方の脚部5の一部分と接触する。アーム58~61は、それらの閉鎖位置に移動される場合に、
図10に示される第1の端部角度から
図11に示される第2の端部角度までその端部を見たときに、インプラント挿入装置50の中心軸に向かって弧に沿って移動する。
【0041】
ジョー70~73のそれらの係合解除位置からそれらの係合位置への進行は、整合インターフェース91及び93の前縁部96が整合インターフェース90及び92の後縁部95に接触した状態で始まり、整合インターフェース91及び93がそれらの対応する整合インターフェース90及び91に当接するように、整合インターフェース91及び93の前縁部96及び後縁部97が、整合インターフェース90及び92の前縁部94及び後縁部95に隣接して存在するときに終わる。前縁部94及び96に対する後縁部95及び97のそれぞれのオフセット、並びに整合インターフェース90及び91と92及び93との結果として生じる相補的な非線形面は、整合インターフェース90及び91の相補的な角度が付けられた面がジョー71に対して直線的にジョー70を変位させ、かつ整合インターフェース92及び93の相補的な角度が付けられた面がジョー73に対して直線的にジョー72を変位させるので、整合インターフェース91及び93が整合インターフェース90及び92と当接関係に移動する際に、それらの通常の開放位置からそれらの閉鎖位置へのアーム58~61の移動を容易にする。具体的には、ジョー70及びジョー71並びにジョー72及び73は、ジョー71が脚部6とその脚部インターフェース83で係合し、ジョー73が脚部7とその脚部インターフェース85で係合し、かつジョー70及び71が脚部5とそれらの脚部インターフェース82及び84で係合するように、対向する直線方向に移動する。ジョー71に対するジョー70及びジョー73に対するジョー72の対向する直線運動は、
図14に示されるそれらの第1の側面角度から
図16に示されるそれらの第2の側面角度までその側面で見たときに、インプラント挿入装置50の中心軸から離れる方向への円弧に沿ったアーム58~61の移動を生成する。更に、ジョー71に対するジョー70、及びジョー73に対するジョー72の対向する直線運動は、第3の整形外科用インプラント104をその非拘束形状105からその挿入形状106へと前進させ、更に第3の整形外科用インプラント104をその挿入形状106に拘束する。代替的に、第3の整形外科用インプラント104が、その挿入形状106に以前に操作され、かつその中に保持されている場合、ジョー71に対するジョー70、及びジョー73に対するジョー72の対向する直線運動は、第3の整形外科用インプラント104をその挿入形状106に拘束する。
【0042】
アーム58~61の、それらの通常の開放位置からそれらの閉鎖位置への移動、及びジョー70~73の、それらの係合解除位置からそれらの係合位置への移動により、スライダガイド75は更に進んで、スライダガイド74と当接関係になり、スライダガイド77はスライダガイド76と当接関係になる。スライダガイド75及び77がそれらのそれぞれのスライダガイド74及び76にわたって当接関係に存在すると、スライダ30は、アーム58~61内で、かつスライダ受容部53に沿って、そのクラスプ解除位置からそのクラスプ位置まで移動する。具体的には、スライダ30のクラスプ38は、クラスプ面31が、スライダガイド74の上に存在するスライダガイド75と摩擦係合し、かつクラスプ面32が、スライダガイド76の上に存在するスライダガイド77と摩擦係合するように、スライダガイド74~77の上を摺動する。クラスプ面31及び32とスライダガイド74~77との間の摩擦係合は、ジョー70~73をそれらの係合位置にそれぞれ保持する。それらの係合位置にあるジョー70~73は、ブリッジ20の部分がブリッジチャネル86~89内に存在するという点で一体であり、一方で脚部インターフェース83及び85は、脚部6及び7のそれぞれの部分に当接し、かつ脚部インターフェース82及び84は、脚部5の一部分に当接し、それによって閉鎖されたジョー70~73、及びしたがってインプラント挿入装置50は、第3の整形外科用インプラント104をその挿入形状106に拘束する。
【0043】
第3の整形外科用インプラント104を受容する第1の方法では、インプラント挿入装置50は、そのインプラント係合解除位置41から開始し、ここにおいてアーム58~61は、それらの通常の開放位置にあり、ジョー70~73は、それらの係合解除位置にある。第3の整形外科用インプラント104は、その非拘束形状105からその挿入形状106へと機械的に変形され、これによって、第3の整形外科用インプラント104が機械的エネルギーを貯蔵する。その非拘束形状105からその挿入形状106に機械的に変形された後、第3の整形外科用インプラント104は、ジョー70~73の間に位置し、そのブリッジ20は、ジョー70~73のブリッジチャネル86~89と整合する。
【0044】
第3の整形外科用インプラント104がジョー70~73の間に配置されると、アーム58~61及びジョー70~73は、それらの通常の開放位置からそれらの閉鎖位置まで、及びそれらの係合解除位置からそれらの係合位置までそれぞれ移動する。それらの係合解除位置からそれらの係合位置まで進行する際、ジョー70~73は、その端部で見たときに、インプラント挿入装置50の中心軸に向かって弧に沿って角度的に移動し、それらの角度をなす整合インターフェース90~93により、その側面で見たときに、インプラント挿入装置50の中心軸から直線的に離れる。ジョー70~73のそれらの係合解除位置からそれらの係合位置への移動によって、ブリッジチャネル86~89内にブリッジ20の部分を配置し、脚部インターフェース83及び85を脚部6及び7のそれぞれの部分と当接させ、かつ脚部インターフェース82及び84を脚部5の一部分と当接させる。スライダ30をそのクラスプ解除位置からそのクラスプ位置まで進行させることにより、そのクラスプ38をスライダガイド74~77と摩擦係合させ、それによってジョー70~73をそれらの係合位置に閉鎖する。第3の整形外科用インプラント104をジョー70~73の間に固定することは、第3の整形外科用インプラント104内に貯蔵された機械的エネルギーを維持し、かつそれらの係合位置にあるジョー70~73、したがって、そのインプラント係合位置42にあるインプラント挿入装置50が第3の整形外科用インプラント104をその挿入形状106に拘束するように、ジョー70~73に対して第3の整形外科用インプラント104に張力をかける。
【0045】
第3の整形外科用インプラント104は、インプラント挿入装置50上に配置される前に、その非拘束形状105からその挿入形状106へと機械的に変形されてもよいが、第2の方法では、第3の整形外科用インプラント104は、その非拘束形状105でインプラント挿入装置50上に配置され、次いで、インプラント挿入装置50によってその挿入形状106へと機械的に変形されてもよい。必須ではないが、第3の整形外科用インプラント104をマルテンサイト状態にして、第3の整形外科用インプラント104がその非拘束形状105からその挿入形状106へと移動することを支援するために、第3の整形外科用インプラント104は、インプラント挿入装置50と係合される前に冷却されてもよい。
【0046】
インプラント挿入装置50は、そのインプラント係合解除位置41から始まり、ここにおいてアーム58~61は、それらの通常の開放位置にあり、ジョー70~73は、それらの係合解除位置にある。その非拘束形状105における第3の整形外科用インプラント104は、ジョー70~73の間に配置されており、そのブリッジ20は、ジョー70~73のブリッジチャネル86~89と整合している。
【0047】
第3の整形外科用インプラント104がジョー70~73の間に配置されると、アーム58~61及びジョー70~73は、それらの通常の開放位置からそれらの閉鎖位置まで、及びそれらの係合解除位置からそれらの係合位置までそれぞれ移動する。それらの係合解除位置からそれらの係合位置まで進行する際、ジョー70~73は、その端部で見たときに、インプラント挿入装置50の中心軸に向かって弧に沿って角度的に移動し、それらの角度をなす整合インターフェース90~93により、その側面で見たときに、インプラント挿入装置50の中心軸から直線的に離れる。ジョー70~73のそれらの係合解除位置からそれらの係合位置への移動によって、ブリッジチャネル86~89内にブリッジ20の部分を配置し、脚部インターフェース83及び85を脚部6及び7のそれぞれの部分と接触させ、かつ脚部インターフェース82及び84を脚部5の一部分と接触させる。加えて、ジョー70~73のそれらの係合解除位置からそれらの係合位置への移動、及び脚部5~7のそれぞれの部分と脚部インターフェース82~85との結果として生じる当接は、第3の整形外科用インプラント104をその非拘束形状105からその挿入形状106へと強制し、それによって第3の整形外科用インプラント104内に機械的エネルギーを貯蔵する。スライダ30をそのクラスプ解除位置からそのクラスプ位置まで進行させることにより、そのクラスプ38をスライダガイド74~77と摩擦係合させ、それによってジョー70~73をそれらの係合位置に保持する。第3の整形外科用インプラント104をジョー70~73の間に固定することは、第3の整形外科用インプラント104内に貯蔵された機械的エネルギーを維持し、かつそれらの係合位置にあるジョー70~73、したがって、そのインプラント係合位置42にあるインプラント挿入装置50が第3の整形外科用インプラント104をその挿入形状106に拘束するように、ジョー70~73に対して第3の整形外科用インプラント104に張力をかける。
【0048】
第3の整形外科用インプラント104が、インプラント挿入装置50に固定された後に、第3の整形外科用インプラント104は、組織又は骨内に移植される準備が完了する。外科医は第3の整形外科用インプラント104の先端をドリル加工済の孔内に置くか、又は先端が組織又は骨内に嵌入されてもよく、それによって第3の整形外科用インプラント104を組織又は骨内に固定する。ひとたび第3の整形外科用インプラント104が組織又は骨に固定されると、第3の整形外科用インプラント104は、インプラント挿入装置50からの取り外しの準備を完了する。インプラント挿入装置50から第3の整形外科用インプラント104を取り外すために、外科医は、スライダ30を、アーム58~61内で、かつスライダ受容部53に沿って、そのクラスプ位置からそのクラスプ解除位置まで進める。スライダ30をそのクラスプ位置からそのクラスプ解除位置まで移動させると、そのクラスプ38がジョー70~73のスライダガイド74~77から係合解除され、かつスライダガイド74~75と76~77との間の当接関係が解放される。結果として、ジョー70~73は、解放され、したがって、アーム58~61がそれらの閉鎖位置からそれらの通常の開放位置へと移動する間、それらの係合位置からそれらの係合解除位置へと自由に移動する。したがって、ジョー70~73は、ブリッジインターフェース78~81がブリッジ20のそれらのそれぞれのブリッジチャネル86~89内の部分を解放し、脚部インターフェース83~85が脚部5~7をそれぞれ解放するという点で、第3の整形外科用インプラント104から係合解除する。ジョー70~73がそれらの係合解除位置にあるとき、それらの脚部インターフェース83~85は、第3の整形外科用インプラント104のそれぞれの脚部5~7にもはや当接しておらず、結果として、第3の整形外科用インプラント104とジョー70~73との間の張力の解放、及びインプラント挿入装置50からの第3の整形外科用インプラント104の解放がもたらされる。第3の整形外科用インプラント104が、スライダ30のそのクラスプ解除位置への移動後にジョー70~73と係合したままである事象では、第3の整形外科用インプラント104は、回転力を適用することによって、又はアーム58~61若しくはジョー70~73を手動で広げることによって、インプラント挿入装置50から取り外されてもよい。
【0049】
第3の整形外科用インプラント104が、インプラント挿入装置50から取り外された後に、第3の整形外科用インプラント104は、突き固められて組織又は骨に完全に係合される。ひとたび完全に係合されたら、第3の整形外科用インプラント104は、その挿入形状106からその非拘束形状105に移動しようとし、それによってその機械的エネルギーを組織又は骨内に解放する。第3の整形外科用インプラント104がその挿入形状106からその非拘束形状105に移動すると、第3の整形外科用インプラント104は、組織又は骨を共に融合し、かつ治癒過程を支援する一定の力を、組織又は骨上に加える。
【0050】
インプラント挿入装置50の設計は、第3の整形外科用インプラント104のゆるやかな解放を可能とする。具体的には、外科医がスライダ30を迅速にクラスプ解除した場合、ジョー70~73は、それらの係合位置からそれらの係合解除位置へ素早く移動し、それによって第3の整形外科用インプラント104を迅速に解放する。代替的に、外科医が患者が不十分な骨品質を有すると考えている場合、外科医は、スライダ30を緩徐にクラスプ解除することができ、これにより、ジョー70~73がそれらの係合位置からそれらの係合解除位置へゆっくりと移動することを可能にし、それによって第3の整形外科用インプラント104を徐々に解放することができる。
【0051】
図27及び
図28は、非拘束形状180における第4の整形外科用インプラント150を示している。第4の整形外科用インプラント150は、形状記憶材料(例えば、ニチノール)などの整形外科用途に好適な任意の弾性材料から製造され得る。第4の整形外科用インプラント150は、ブリッジ155によって連結された脚部151~154を含む。第4の整形外科用インプラント150は、それぞれの脚部151~154をブリッジ155と連結させる角部156~159を含む。各脚部151~154は、それぞれの先端部161~164を有し、更に、第4の整形外科用インプラント150の引き抜き抵抗を改善するかかりをその上に含む。脚部151~154が収束する非拘束形状180は、第4の整形外科用インプラント150の自然形状である。それでもなお、第4の整形外科用インプラント150は、形状記憶又は超弾性の作用下で、脚部151~154が実質的に平行に存在し、かつ角部156~159がエネルギーを貯蔵する挿入形状181に変形可能である。挿入形状181は、第4の整形外科用インプラント150の自然形状ではないため、脚部151~154は機械的に拘束されなければならず、又は第4の整形外科用インプラント150は、それがそのマルテンサイト相に到達するまで冷却されなければならず、それによって脚部151~154が挿入形状181内に自然に残る。機械的拘束部の解放又は第4の整形外科用インプラント150のそのオーステナイト相への加熱は、脚部151~154が移植後に組織又は骨に圧縮力を及ぼすように、第4の整形外科用インプラント150が角部156~159に貯蔵されたエネルギーを送達することをもたらす。第4の整形外科用インプラント150はまた、第4の整形外科用インプラント150がその挿入形状181からその非拘束形状180に移行する際に、脚部151及び154を脚部152及び153に近付ける、ブリッジ155の湾曲部からの組織又は骨への圧縮を与えることができる。第4の整形外科用インプラント150は、4つの脚部を有する任意のインプラントであってもよいが、米国特許出願公開第20170065275(A1)号は、第4の整形外科用インプラント150の実施例を提供している。
【0052】
図29~
図41は、第2の実施形態によるインプラント挿入装置250を示している。
図29~
図41に示されるようなインプラント挿入装置250は、第4の整形外科用インプラント150と係合し、かつ第4の整形外科用インプラント150をその挿入形状181に拘束し、そのため外科医は、手術中に第4の整形外科用インプラント150を組織又は骨内に挿入することができる。インプラント挿入装置250は、第4の整形外科用インプラント150と組み合わせて説明されるが、当業者であれば、インプラント挿入装置250が、任意の好適な4本脚のインプラントと係合し、かつ外科医が手術中にインプラントを組織又は骨内に挿入し得るように、インプラントをその挿入形状に拘束することを認識するであろう。
【0053】
インプラント挿入装置250は、本体251と、クラスプ解除位置とクラスプ位置との間で移動するスライダ230と、を含む。インプラント挿入装置250は、インプラント係合解除位置241(
図29、
図31及び
図33に示す)、又はインプラント係合位置242(
図30、
図32及び
図34に示す)のいずれかにあり、それらの間で移動可能である。インプラント係合解除位置241では、第4の整形外科用インプラント150は、閉塞することなく、インプラント挿入装置250内に滑り込み、又はそこから滑り出る。インプラント係合位置242では、インプラント挿入装置250は、第4の整形外科用インプラント150と係合し、かつ第4の整形外科用インプラント150をその挿入形状181に維持する。更に、インプラント挿入装置250は、外科医が、第4の整形外科用インプラント150を扱い、第4の整形外科用インプラント150を固定が必要な組織又は骨内に挿入することを可能とする。
【0054】
インプラント挿入装置250の本体251は、スライダ受容部253、第1の側面部254、第2の側面部255、上面257を有するハンドル256、アーム258及び259、並びに、アーム260及び261を含む。本体251の第1の側面部254及び第2の側面部255の両方の平坦な溝は、スライダ受容部253がスライダ230の一部分を受容して、スライダ230をスライダ受容部253の上に、したがって本体251に固定することを可能にするように、スライダ受容部253を画定する。ハンドル256は、本体251の第1の側面部254及び第2の側面部255上の把持面を提供する。ハンドル256の把持面は、外科医が、インプラント挿入装置250を、したがってそこに固定される第4の整形外科用インプラント150を、操作することを可能にする。本体251のアーム258及び259は、第1の側面部254で本体251から延在しており、ジョー270及びジョー271をそれぞれ含んでいる。本体251のアーム260及び261は、第2の側面部255で本体251から延在しており、ジョー272及びジョー273をそれぞれ含んでいる。アーム258~261は、アーム258~261が離れて広がることによる通常の開放位置(
図29、
図31及び
図33に示される)で存在し、アーム258~261が隣接することによる閉鎖位置(
図30、
図32及び
図34に示される)まで移動可能である。アーム258~261の通常の開放位置からそれらの閉鎖位置への移動は、ジョー270~273を係合解除位置から係合位置へと前進させる。インプラント挿入装置250は、任意の好適な弾性材料から製造されてもよい。しかしながら、第1の実施形態では、インプラント挿入装置250は、プラスチックから作製されている。
【0055】
第1の実施形態では、インプラント挿入装置250の本体251は、成形型を使用して、1つの部品に製造される。しかしながら、インプラント挿入装置250の本体251は、2つの別個の部品に製造されてもよい。具体的には、アーム258及び259、ジョー270及び271、並びにハンドル256の一部分は、第1の部品を形成してもよい。アーム260及び261、ジョー272及び273、並びにハンドル256の一部分は、第2の部品を形成してもよい。次いで、その2つの別個の部品が、ヒンジ、又は接着剤などの任意の好適な手段を使用して共に締結されて、本体251を作り出す。
【0056】
ジョー270~273は各々、スライダ230がそのクラスプ解除位置とそのクラスプ位置との間を移動するときにスライダ230とそれぞれ相互作用する、スライダガイド274~277を含む。ジョー270~273は各々、ブリッジチャネル286~289をそれぞれ画定するブリッジインターフェース278~281を含み、ブリッジチャネル286~289は、ブリッジ155の一部分をその中に受容する。ジョー270~273は各々、それぞれブリッジ155の下方で、脚部151~154の一部分とそれぞれ係合する脚部インターフェース282~285を含む。ジョー270~273は各々、整合インターフェース290~293を含んでおり、整合インターフェース290~293はそれぞれ、ジョー270~273のそれらの係合解除位置(
図29、
図31及び
図33に示される)からそれらの係合位置(
図30、
図32及び
図34に示される)への移動中に対向する整合インターフェース290~293と相互作用する。整合インターフェース290及び292は各々、前縁部294と、前縁部294の平面に対してオフセットされた平面内に位置する後縁部295と、を含んでおり、そのため整合インターフェース290及び291は、前縁部294から後縁部295へとそれらの面にわたって角度をなす。整合インターフェース291及び293は各々、前縁部296と、前縁部296の平面に対してオフセットされた平面内に位置する後縁部297と、を含んでおり、そのため整合インターフェース291及び293は、前縁部297から後縁部297へとそれらの面にわたって角度をなす。整合インターフェース290及び292の後縁部295をそれらの前縁部294に対してオフセットし、かつ整合インターフェース291及び293の後縁部298をそれらの前縁部296に対してオフセットした位置に置くと、整合インターフェース290及び292の面にわたる角度は、整合インターフェース291及び293の面にわたる角度に対して相補的である。
【0057】
ジョー270~273は、それらの係合解除位置とそれらの係合位置との間を移動して、インプラント挿入装置250内の第4の整形外科用インプラント150の固定、並びにインプラント挿入装置250からの第4の整形外科用インプラント150の除去を容易にする。アーム258~261をそれらの通常の開放位置からそれらの閉鎖位置へと操作することによって、インプラント挿入装置250は、そのインプラント係合解除位置241からそのインプラント係合位置242へと移動する際に、ジョー270~273は、それらの係合解除位置からそれらの係合位置へと進行するときに、角度の付いた状態で、かつ直線的に移動する。具体的には、ジョー270及び271は、それらの整合インターフェース290及び291において当接関係に移動し、ジョー272及び273は、それらの整合インターフェース292及び293において当接関係に移動する。また、スライダガイド274は、スライダガイド275と隣接する整合に移動し、かつスライダガイド276は、スライダガイド274~277がスライダ230と相互作用するようにスライダガイド277と隣接する整合に移動する。ジョー270~273は、相補的な形状であり、相互作用して、第4の整形外科用インプラント150を把持するそれらの係合位置において一体型装置を形成する。第4の整形外科用インプラント150に係合するジョー270~273の移動、及び第4の整形外科用インプラント150をその挿入形状181内に拘束することは、本明細書でより完全に説明される。
【0058】
図21~
図26は、スライダ230を示している。スライダ230は、それらの間のスロット239を画定するクラスプ面231及びクラスプ面232を有する、クラスプ238を含む。スライダ230は、スライダテール234においてスロット237を画定する。スライダ230は、前面235及び背面236を有するアクチュエータ233を更に含む。スロット237は、スライダ230が、本体251に係合され、かつそのクラスプ解除位置とクラスプ位置との間で移動することを許容する。具体的には、スライダ230をアーム258~261の間に挿入することにより、スライダ230を本体251内に配置し、それによりスライダ230がスロット237を介して本体251のスライダ受容部253と係合し、スライダ230が本体251に固定される。アクチュエータ233は、ユーザが、そのクラスプ解除位置とそのクラスプ位置との間でスライダ230を移動させることによって、スライダ230を操作することを可能とする。具体的には、
図8及び
図9に示されるように、ユーザがアクチュエータ233の背面236を押したときに、スライダ230は、アーム258~261内で、スライダ受容部253に沿って、そのクラスプ解除位置からそのクラスプ位置まで移動する。反対に、ユーザがアクチュエータ233の前面235に対して引っ張ると、スライダ230は、アーム258~261内で、スライダ受容部253に沿って、そのクラスプ位置からそのクラスプ解除位置まで移動する。
【0059】
スライダ230のクラスプ238は、スライダ230が、ジョー270~273をそれらの係合位置で保持することを可能とする。特に、スライダ230がそのクラスプ解除位置からそのクラスプ位置まで移動するときに、クラスプ238は、スライダガイド274~277がそのスロット239を介してクラスプ238に入るという点で、スライダガイド274~277を把持する。より具体的には、クラスプ面231は、スライダガイド274~275と摩擦係合し、クラスプ面232は、スライダガイド276~277と摩擦係合する。クラスプ面231及び232とスライダガイド274~277との間の摩擦係合は、ジョー270~273をそれらの係合位置にそれぞれ保持する。
【0060】
第4の整形外科用インプラント150を装填する前に、第2の実施形態によるインプラント挿入装置250は、
図29、
図31及び
図33に示されるそのインプラント係合解除位置241から始まる。インプラント係合解除位置241では、スライダ230は、アーム258~261がそれらの通常開いた位置に広がり、かつジョー270~273がそれらの係合解除位置で離れて広がるように、スライダ230がスライダガイド274~277から係合解除されることにより、そのクラスプ解除位置にある。具体的に
図29、
図31及び
図36を参照すると、弾性材料からのそれらの構成により、アーム258~261は、その端部で見たときに、インプラント挿入装置250の中心軸に対して第1の端部角度で存在する。更に、
図35を具体的に参照すると、弾性材料からのそれらの構成によるアーム258~261は、その側面で見たときに、インプラント挿入装置250の中心軸に対して第1の側面角度で存在する。更に、アーム258~261がそれらの第1の側面角度に存在するとき、整合インターフェース291及び293の前縁部296はそれぞれ、整合インターフェース291及び293の前縁部296が、整合インターフェース290及び292の前縁部294の平面に対してオフセットされた平面内に位置するように、整合インターフェース290及び292の後縁部295と実質的に整合する。
【0061】
インプラント挿入装置250を装填するとき、その非拘束形状180における第4の整形外科用インプラント150は、ジョー270~273の間に位置しており、そのブリッジ155は、ジョー270~273のブリッジチャネル286~289と整合している。インプラント挿入装置250は、そのインプラント係合解除位置241からその係合位置242へと進行し、そのためアーム258~261がそれらの閉鎖位置に移動し、ジョー270~273が、ジョー270~273がそれらの係合解除位置からそれらの係合位置へと移動する際に、第4の整形外科用インプラント150と接触し、かつ第4の整形外科用インプラント150をその挿入形状181に操作する。スライダ230は、そのクラスプ解除位置からそのクラスプ位置へと移動し、それによってスライダ230は、スライダガイド274~277と係合して、アーム258~261をそれらの閉鎖位置に保持し、かつジョー270~273を、第4の整形外科用インプラント150をその挿入形状181に拘束するそれらの係合位置に保持する。
【0062】
代替的に、その挿入形状181に操作され、かつその中に保持された第4の整形外科用インプラント150は、ジョー270~273の間に位置し、ブリッジ155は、ジョー270~273のブリッジチャネル286~289と整合する。インプラント挿入装置250は、そのインプラント係合解除位置241からその係合位置242へと進行し、そのためアーム258~261がそれらの閉鎖位置に移動し、ジョー270~273は、ジョー270~273がそれらの係合解除位置からそれらの係合位置へと移動する際に、第4の整形外科用インプラント150と接触する。スライダ230は、そのクラスプ解除位置からそのクラスプ位置へと移動し、それによってスライダ230は、スライダガイド274~277と係合して、アーム258~261をそれらの閉鎖位置に保持し、かつジョー270~273を、第4の整形外科用インプラント150をその挿入形状181に拘束するそれらの係合位置に保持する。
【0063】
具体的に
図30、
図32及び
図38を参照すると、弾性材料からのそれらの構成により、アーム258~261は、第1の端部角度から第1の端部角度よりも小さい第2の端部角度までその端部を見たときに、インプラント挿入装置250の中心軸に向かって弧に沿って移動する。第1の実施形態では、第1の端部角度は、その端部で見たときにインプラント挿入装置250の中心軸に対して0°を超える任意の角度であり、そのことは、ジョー270~273間の非拘束形状180における第4の整形外科用インプラント150の挿入を可能にし、第2の端部角度は、その端部で見たときに、インプラント挿入装置250の中心軸に対して0°に実質的に等しい。更に、
図37を具体的に参照すると、弾性材料からの構成により、アーム258~261は、第1の側面角度から第1の側面角度よりも小さい第2の側面角度までその側面で見たときに、インプラント挿入装置250の中心軸から離れるように弧に沿って移動する。第1の実施形態では、第1の側面角度は、その側面で見たときにインプラント挿入装置250の中心軸に対して0°を超える任意の角度であり、そのことは、ジョー270~273間の非拘束形状180における第4の整形外科用インプラント150の挿入を可能にし、第2の端部角度は、その側面で見たときに、インプラント挿入装置250の中心軸に対して0°に実質的に等しい。
【0064】
インプラント挿入装置250にその非拘束形状180における第4の整形外科用インプラント150を装填するとき、アーム258~261のそれらの通常の開放位置からそれらの閉鎖位置への移動、及びジョー270~273のそれらの係合解除位置からそれらの係合位置への移動は、ブリッジインターフェース278を角部156に隣接するブリッジ155の一部分と接触させ、かつブリッジチャネル286内にその部分を挿入し、ブリッジインターフェース279を角部157に隣接するブリッジ155の一部分と接触させ、かつブリッジチャネル287内にその部分を挿入し、ブリッジインターフェース280を角部159に隣接するブリッジ155の一部分と接触させ、かつブリッジチャネル288内にその部分を挿入し、ブリッジインターフェース281を角部158に隣接するブリッジ155の一部分と接触させ、かつブリッジチャネル289内にその部分を挿入する。加えて、脚部インターフェース282は、角部156より下方の脚部151の一部分に接触し、脚部インターフェース283は、角部157より下方の脚部152の一部分に接触し、脚部インターフェース284は、角部159より下方の脚部154の一部分に接触し、脚部インターフェース285は、角部158より下方の脚部153の一部分に接触する。アーム258~261は、それらの閉鎖位置に移動される場合に、
図31に示される第1の端部角度から
図32に示される第2の端部角度までその端部を見たときに、インプラント挿入装置250の中心軸に向かって弧に沿って移動する。
【0065】
ジョー270~273のそれらの係合解除位置からそれらの係合位置への進行は、整合インターフェース291及び293の前縁部296が整合インターフェース290及び292の後縁部295に接触した状態で始まり、整合インターフェース291及び293がそれらの対応する整合インターフェース290及び291に当接するように、整合インターフェース291及び293の前縁部296及び後縁部297が、整合インターフェース290及び292の前縁部294及び後縁部295に隣接して存在するときに終わる。前縁部294及び296に対する後縁部295及び297のそれぞれのオフセット、並びに整合インターフェース290及び291と292及び293との結果として生じる相補的な非線形面は、整合インターフェース290及び291の相補的な角度が付けられた面がジョー271に対して直線的にジョー270を変位させ、かつ整合インターフェース292及び293の相補的な角度が付けられた面がジョー273に対して直線的にジョー272を変位させるので、整合インターフェース291及び293が整合インターフェース290及び292と当接関係に移動する際に、それらの通常の開放位置からそれらの閉鎖位置へのアーム258~261の移動を容易にする。具体的には、ジョー270及びジョー271並びにジョー272及び273は、ジョー270が脚部151とその脚部インターフェース282で係合し、ジョー271が脚部152とその脚部インターフェース283で係合し、ジョー272が脚部154とその脚部インターフェース284で係合し、かつジョー273が脚部153とその脚部インターフェース285で係合するように、対向する直線方向に移動する。ジョー271に対するジョー270及びジョー273に対するジョー272の対向する直線運動は、
図35に示されるそれらの第1の側面角度から
図37に示されるそれらの第2の側面角度までその側面で見たときに、インプラント挿入装置250の中心軸から離れる方向への円弧に沿ったアーム258~261の移動を生成する。更に、ジョー271に対するジョー270、及びジョー273に対するジョー272の対向する直線運動は、第4の整形外科用インプラント150をその非拘束形状180からその挿入形状181へと前進させ、更に第4の整形外科用インプラント150をその挿入形状181に拘束する。代替的に、第4の整形外科用インプラント150が、その挿入形状181に以前に操作され、かつその中に保持されている場合、ジョー271に対するジョー270、及びジョー273に対するジョー272の対向する直線運動は、第4の整形外科用インプラント150をその挿入形状181に拘束する。
【0066】
アーム258~261の、それらの通常の開放位置からそれらの閉鎖位置への移動、及びジョー270~273の、それらの係合解除位置からそれらの係合位置への移動により、スライダガイド274は更に進んで、スライダガイド275に隣接するように整合し、かつスライダガイド276はスライダガイド277に隣接するように整合する。スライダガイド274及び276がそれらのそれぞれのスライダガイド275及び277と整合して存在すると、スライダ230は、アーム258~261内で、かつスライダ受容部253に沿って、そのクラスプ解除位置からそのクラスプ位置まで移動する。具体的には、スライダ230のクラスプ238は、クラスプ面231が、スライダガイド274及び275と摩擦係合し、かつクラスプ面32が、スライダガイド276及び277と摩擦係合するように、スライダガイド274~277の上を摺動する。クラスプ面231及び232とスライダガイド274~277との間の摩擦係合は、ジョー270~273をそれらの係合位置にそれぞれ保持する。それらの係合位置にあるジョー270~273は、ブリッジ155の部分がブリッジチャネル286~289内に存在するという点で一体であり、一方で脚部インターフェース282~285は、脚部151~154のそれぞれの部分に当接し、それによって閉鎖されたジョー270~273、及びしたがってインプラント挿入装置250は、第4の整形外科用インプラント150をその挿入形状181に拘束する。
【0067】
第4の整形外科用インプラント150を受容する第1の方法では、インプラント挿入装置250は、そのインプラント係合解除位置241から開始し、ここにおいてアーム258~261は、それらの通常の開放位置にあり、ジョー270~273は、それらの係合解除位置にある。第4の整形外科用インプラント150は、その非拘束形状180からその挿入形状181へと機械的に変形され、これによって、第4の整形外科用インプラント150が機械的エネルギーを貯蔵する。その非拘束形状180からその挿入形状181に機械的に変形された後、第4の整形外科用インプラント150は、ジョー270~273の間に位置し、そのブリッジ155は、ジョー270~273のブリッジチャネル286~289と整合する。
【0068】
第4の整形外科用インプラント150がジョー270~273の間に配置されると、アーム258~261及びジョー270~273は、それらの通常開いた位置からそれらの閉鎖位置まで、かつそれらの係合解除位置からそれらの係合位置へと移動される。それらの係合解除位置からそれらの係合位置まで進行する際、ジョー270~273は、その端部で見たときに、インプラント挿入装置250の中心軸に向かって弧に沿って角度的に移動し、それらの角度をなす整合インターフェース290~293により、その側面で見たときに、インプラント挿入装置250の中心軸から直線的に離れる。ジョー270~273のそれらの係合解除位置からそれらの係合位置への移動によって、ブリッジチャネル286~289内にブリッジ155の部分を配置し、脚部インターフェース282~285を脚部151~154のそれぞれの部分と当接させる。スライダ230をそのクラスプ解除位置からそのクラスプ位置まで進行させることにより、そのクラスプ238をスライダガイド274~277と摩擦係合させ、それによってジョー270~273をそれらの係合位置に保持する。第4の整形外科用インプラント150をジョー270~273の間に固定することは、第4の整形外科用インプラント150内に貯蔵された機械的エネルギーを維持し、かつそれらの係合位置にあるジョー270~273、したがって、そのインプラント係合位置242にあるインプラント挿入装置250が第4の整形外科用インプラント150をその挿入形状181に拘束するように、ジョー270~273に対して第4の整形外科用インプラント150に張力をかける。
【0069】
第4の整形外科用インプラント150は、インプラント挿入装置250上に配置される前に、その非拘束形状180からその挿入形状181へと機械的に変形されてもよいが、第2の方法では、第4の整形外科用インプラント150は、その非拘束形状180でインプラント挿入装置250上に配置され、次いで、インプラント挿入装置250によってその挿入形状181へと機械的に変形されてもよい。必須ではないが、第4の整形外科用インプラント150をマルテンサイト状態にして、第4の整形外科用インプラント150がその非拘束形状180からその挿入形状181へと移動することを支援するために、第4の整形外科用インプラント150は、インプラント挿入装置250と係合される前に冷却されてもよい。
【0070】
インプラント挿入装置250は、そのインプラント係合解除位置241から始まり、アーム258~261は、それらの通常の開放位置にあり、ジョー270~273はそれらの係合解除位置にある。その非拘束形状180における第4の整形外科用インプラント150は、ジョー70~73の間に配置されており、そのブリッジ155は、ジョー270~273のブリッジチャネル286~289と整合している。
【0071】
第4の整形外科用インプラント150がジョー270~273の間に配置されると、アーム258~261及びジョー270~273は、それらの通常開いた位置からそれらの閉鎖位置まで、かつそれらの係合解除位置からそれらの係合位置へと移動される。それらの係合解除位置からそれらの係合位置まで進行する際、ジョー270~273は、その端部で見たときに、インプラント挿入装置250の中心軸に向かって弧に沿って角度的に移動し、それらの角度をなす整合インターフェース290~293により、その側面で見たときに、インプラント挿入装置250の中心軸から直線的に離れる。ジョー270~273のそれらの係合解除位置からそれらの係合位置への移動によって、ブリッジチャネル286~289内にブリッジ155の部分を配置し、脚部インターフェース282~285を脚部151~154のそれぞれの部分と接触させる。加えて、ジョー270~273のそれらの係合解除位置からそれらの係合位置への移動、及び脚部151~154のそれぞれの部分と脚部インターフェース282~285との結果として生じる当接は、第4の整形外科用インプラント150をその非拘束形状180からその挿入形状181へと強制し、それによって第4の整形外科用インプラント150内に機械的エネルギーを貯蔵する。スライダ230をそのクラスプ解除位置からそのクラスプ位置まで進行させることにより、そのクラスプ238をスライダガイド274~277と摩擦係合させ、それによってジョー270~273をそれらの係合位置に保持する。第4の整形外科用インプラント150をジョー270~273の間に固定することは、第4の整形外科用インプラント150内に貯蔵された機械的エネルギーを維持し、かつそれらの係合位置にあるジョー270~273、したがって、そのインプラント係合位置242にあるインプラント挿入装置250が第4の整形外科用インプラント150をその挿入形状181に拘束するように、ジョー270~273に対して第4の整形外科用インプラント150に張力をかける。
【0072】
第4の整形外科用インプラント150が、インプラント挿入装置250に固定された後に、第4の整形外科用インプラント150は、組織又は骨内に移植される準備が完了する。外科医は第4の整形外科用インプラント150の先端をドリル加工済の孔内に置くか、又は先端が組織又は骨内に嵌入されてもよく、それによって第4の整形外科用インプラント150を組織又は骨内に固定する。ひとたび第4の整形外科用インプラント150が組織又は骨に固定されると、第4の整形外科用インプラント150は、インプラント挿入装置250からの取り外しの準備を完了する。インプラント挿入装置250から第4の整形外科用インプラント150を取り外すために、外科医は、スライダ230を、アーム258~261内で、かつスライダ受容部253に沿って、そのクラスプ位置からそのクラスプ解除位置まで進める。スライダ230をそのクラスプ位置からそのクラスプ解除位置まで移動させると、そのクラスプ238がジョー270~273のスライダガイド274~277から係合解除され、かつスライダガイド274~277を解放する。結果として、ジョー270~273は、解放され、したがって、アーム258~261がそれらの閉鎖位置からそれらの通常の開放位置へと移動する間、それらの係合位置からそれらの係合解除位置へと自由に移動する。したがって、ジョー270~273は、ブリッジインターフェース278~281がブリッジ155のそれらのそれぞれのブリッジチャネル286~289内の部分を解放し、脚部インターフェース283~285が脚部151~154をそれぞれ解放するという点で、第4の整形外科用インプラント150から係合解除する。ジョー270~273がそれらの係合解除位置にあるとき、それらの脚部インターフェース283~285は、第4の整形外科用インプラント150のそれぞれの脚部151~154にもはや当接しておらず、結果として、第4の整形外科用インプラント150とジョー270~273との間の張力の解放、及びインプラント挿入装置250からの第4の整形外科用インプラント150の解放がもたらされる。第4の整形外科用インプラント150が、スライダ230のそのクラスプ解除位置への移動後にジョー270~273と係合したままである事象では、第4の整形外科用インプラント150は、回転力を適用することによって、又はアーム258~261若しくはジョー270~273を手動で広げることによって、インプラント挿入装置250から取り外されてもよい。
【0073】
第4の整形外科用インプラント150が、インプラント挿入装置250から取り外された後に、第4の整形外科用インプラント150は、突き固められて組織又は骨に完全に係合される。ひとたび完全に係合されたら、第4の整形外科用インプラント150は、その挿入形状181からその非拘束形状180に移動しようとし、それによってその機械的エネルギーを組織又は骨内に解放する。第4の整形外科用インプラント150がその挿入形状181からその非拘束形状180に移動すると、第4の整形外科用インプラント150は、組織又は骨を共に融合し、かつ治癒過程を支援する一定の力を、組織又は骨上に加える。
【0074】
インプラント挿入装置250の設計は、第4の整形外科用インプラント150のゆるやかな解放を可能とする。具体的には、外科医がスライダ230を迅速にクラスプ解除した場合、ジョー270~273は、それらの係合位置からそれらの係合解除位置へ素早く移動し、それによって第4の整形外科用インプラント150を迅速に解放する。代替的に、外科医が患者が不十分な骨品質を有すると考えている場合、外科医は、スライダ230を緩徐にクラスプ解除することができ、これにより、ジョー270~273がそれらの係合位置からそれらの係合解除位置へゆっくりと移動することを可能にし、それによって第4の整形外科用インプラント150を徐々に解放することができる。
【0075】
本発明は、上述した好ましい実施形態によって説明されてきたが、これらの説明は例示の目的に限られ、当業者には明らかなように、多数の変化する水準の変更形態、等価形態、変形形態が本発明の範囲に含まれることになる。その範囲は、したがって、いかなる場合にも上述した詳細な説明によって限定されるものではなく、むしろ、それは以下の特許請求の範囲によってのみ定義される。
【0076】
〔実施の態様〕
(1) 非拘束形状と挿入形状との間で移動可能である形状記憶インプラントと共に使用するように適合されたインプラント挿入装置であって、それによって、前記インプラント挿入装置が、前記形状記憶インプラントの組織又は骨内への送達まで、前記形状記憶インプラントを前記挿入形状に維持し、前記インプラント挿入装置が、
(i)本体であって、
前記形状記憶インプラントに係合するように適合された第1のジョーと、
前記形状記憶インプラントに係合するように適合された第2のジョーと、
前記形状記憶インプラントに係合するように適合された第3のジョーと、
前記形状記憶インプラントに係合するように適合された第4のジョーと、を含み、前記第1、第2、第3、及び第4のジョーが、係合解除位置から係合位置へと移動可能である、本体と、
(ii)前記本体と連結されたスライダであって、前記スライダが、クラスプ解除位置とクラスプ位置との間で移動可能であり、更に、前記スライダが、そのクラスプ位置で、前記第1、第2、第3、及び第4のジョーをそれらの係合位置に維持する、スライダと、を含む、インプラント挿入装置。
(2) 前記本体が、
第1のアームであって、前記第1のジョーが前記第1のアームの末端に存在する、第1のアームと、
第2のアームであって、前記第2のジョーが前記第2のアームの末端に存在する、第2のアームと、
第3のアームであって、前記第3のジョーが前記第3のアームの末端に存在する、第3のアームと、
第4のアームであって、前記第4のジョーが前記第4のアームの末端に存在する、第4のアームと、を更に含む、実施態様1に記載のインプラント挿入装置。
(3) 前記第1、第2、第3、及び第4のアームが、前記第1、第2、第3、及び第4のジョーをそれらの係合解除位置で離して広げる、広げられた通常の開放位置を含み、更に、前記第1、第2、第3、及び第4のアームが、それらの広げられた通常の開放位置から、前記第1、第2、第3、及び第4のジョーをそれらの係合位置に配置する閉鎖位置へと移動可能である、実施態様2に記載のインプラント挿入装置。
(4) 前記第1、第2、第3、及び第4のアームが、それらの広げられた通常の開放位置からそれらの閉鎖位置へと移動するときに、前記第1、第2、第3、及び第4のアームは、前記第1、第2、第3、及び第4のジョーがそれらの係合位置まで角度的に移動するように、前記本体の中心軸に向かって弧に沿って移動する、実施態様3に記載のインプラント挿入装置。
(5) 前記第1のジョーが、前記第2のジョーと対向する関係で存在し、前記第1及び第2のジョーが、非線形の相補的形状を有する整合インターフェースを含んでおり、それによって、前記第1及び第2のジョーのそれらの係合解除位置からそれらの係合位置への進行が、それらの整合インターフェースを当接関係に移動させ、更に、それによって、前記整合インターフェースは、それらの非線形の相補的形状により、前記第1及び第2のジョーが前記形状記憶インプラントと係合し、かつ前記形状記憶インプラントをその挿入形状に維持するように、前記第1及び第2のジョーを直線的に変位させ、
前記第3のジョーが、前記第4のジョーと対向する関係で存在し、前記第3及び第4のジョーが、非線形の相補的形状を有する整合インターフェースを含んでおり、それによって、前記第3及び第4のジョーのそれらの係合位置への進行が、それらの整合インターフェースを当接関係に移動させ、更に、それによって、前記整合インターフェースは、それらの非線形の相補的形状により、前記第3及び第4のジョーが前記形状記憶インプラントと係合し、かつ前記形状記憶インプラントをその挿入形状に維持するように、前記第3及び第4のジョーを直線的に変位させる、実施態様3に記載のインプラント挿入装置。
【0077】
(6) 前記第1、第2、第3、及び第4のジョーが各々、ブリッジチャネルを画定し、更に、前記第1、第2、第3、及び第4のジョーがそれらの係合位置に存在するときに、各ブリッジチャネルが、前記形状記憶インプラントのブリッジの一部分をその内部に受容する、実施態様5に記載のインプラント挿入装置。
(7) 前記第1、第2、第3、及び第4のジョーが各々、脚部インターフェースを含み、更に、前記第1、第2、第3、及び第4のジョーがそれらの係合位置に存在するときに、前記第1のジョー及び前記第3のジョーの前記脚部インターフェースが各々、前記形状記憶インプラントの第1の脚部と係合し、前記第2のジョーの前記脚部インターフェースが、前記形状記憶インプラントの第2の脚部と係合し、前記第4のジョーの前記脚部インターフェースが、前記形状記憶インプラントの第3の脚部と係合し、その結果、前記第1、第2、第3、及び第4のジョーが、前記形状記憶インプラントをその挿入形状に維持する、実施態様5に記載のインプラント挿入装置。
(8) 前記第1、第2、第3、及び第4のジョーが各々、脚部インターフェースを含み、更に、前記第1、第2、第3、及び第4のジョーがそれらの係合位置に存在するときに、前記第1のジョーの前記脚部インターフェースが、前記形状記憶インプラントの第1の脚部と係合し、前記第2のジョーの前記脚部インターフェースが、前記形状記憶インプラントの第2の脚部と係合し、前記第3のジョーの前記脚部インターフェースが、前記形状記憶インプラントの第3の脚部と係合し、前記第4のジョーの前記脚部インターフェースが、前記形状記憶インプラントの第4の脚部と係合し、その結果、前記第1、第2、第3、及び第4のジョーが、前記形状記憶インプラントをその挿入形状に維持する、実施態様5に記載のインプラント挿入装置。
(9) 前記第1及び第2のジョーの前記整合インターフェースが各々、前縁部及び後縁部を含み、それによって、前記第1、第2、第3、及び第4のアームがそれらの広げられた通常の開放位置に存在するときに、前記第1のジョーの前記整合インターフェースの前記前縁部は、前記第1のジョーの前記整合インターフェースの前記前縁部が、前記第2のジョーの前記整合インターフェースの前記前縁部の平面に対してオフセットされた平面内に位置するように、前記第2のジョーの前記整合インターフェースの前記後縁部と実質的に整合し、
前記第3及び第4のジョーの前記整合インターフェースが各々、前縁部及び後縁部を含み、それによって、前記第1、第2、第3、及び第4のアームがそれらの広げられた通常の開放位置に存在するときに、前記第3のジョーの前記整合インターフェースの前記前縁部は、前記第3のジョーの前記整合インターフェースの前記前縁部が、前記第4のジョーの前記整合インターフェースの前記前縁部の平面に対してオフセットされた平面内に位置するように、前記第4のジョーの前記整合インターフェースの前記後縁部と実質的に整合する、実施態様5に記載のインプラント挿入装置。
(10) 前記第1、第2、第3、及び第4のジョーが各々、スライダガイドを含み、それによって、前記第1、第2、第3、及び第4のジョーがそれらの係合位置に存在するときに、そのクラスプ位置における前記スライダが前記スライダガイド上に存在し、それによって、前記第1、第2、第3、及び第4のジョーをそれらの係合位置に維持するように、前記第1及び第2のジョーの前記スライダガイドが整合し、かつ前記第3及び第4のジョーの前記スライダガイドが整合する、実施態様1に記載のインプラント挿入装置。
【0078】
(11) 前記形状記憶インプラントの組織又は骨内への送達、及び前記スライダのそのクラスプ位置からそのクラスプ解除位置への移動の後に、前記第1、第2、第3、及び第4のアームが、それらの閉鎖位置からそれらの広げられた通常の開放位置に戻り、結果として、前記第1、第2、第3、及び第4のジョーは、前記インプラント挿入装置がその挿入形状からその非拘束形状へと移動しようとする前記形状記憶インプラントを解放し、それにより前記組織又は骨内に機械的エネルギーを解放するように、それらの係合位置からそれらの係合解除位置へと進行する、実施態様3に記載のインプラント挿入装置。
(12) 前記形状記憶インプラントが、第1、第2、及び第3の脚部を相互接続するブリッジを含み、それによって、前記第1、第2、及び第3の脚部は、前記形状記憶インプラントがその非拘束形状で存在するときに、非平行であり、前記第1、第2、及び第3の脚部は、前記形状記憶インプラントがその挿入形状で存在するときに、実質的に平行である、実施態様3に記載のインプラント挿入装置。
(13) 前記第1、第2、第3、及び第4のジョーが各々、脚部インターフェースを含み、
前記第1のジョーが、前記第2のジョーと対向する関係で存在し、前記第1及び第2のジョーが、非線形の相補的形状を有する整合インターフェースを含んでおり、それによって、前記第1及び第2のジョーのそれらの係合解除位置からそれらの係合位置への進行が、それらの整合インターフェースを当接関係に移動させ、更に、それによって、前記整合インターフェースは、それらの非線形の相補的形状により、前記第1のジョーの前記脚部インターフェースが各々、前記形状記憶インプラントの前記第1の脚部と係合し、かつ前記第2のジョーの前記脚部インターフェースが、前記形状記憶インプラントの前記第2の脚部と係合して、前記第1及び第2の脚部を実質的に平行に維持するように、前記第1及び第2のジョーを直線的に変位させ、
前記第3のジョーが、前記第4のジョーと対向する関係で存在し、前記第3及び第4のジョーが、非線形の相補的形状を有する整合インターフェースを含んでおり、それによって、前記第3及び第4のジョーのそれらの係合位置への進行が、それらの整合インターフェースを当接関係に移動させ、更に、それによって、前記整合インターフェースは、それらの非線形の相補的形状により、前記第3のジョーの前記脚部インターフェースが、前記形状記憶インプラントの前記第1の脚部と係合し、かつ前記第4のジョーの前記脚部インターフェースが、前記形状記憶インプラントの前記第3の脚部と係合して、前記第1及び第3の脚部を実質的に平行に維持するように、前記第3及び第4のジョーを直線的に変位させる、実施態様12に記載のインプラント挿入装置。
(14) 前記第1、第2、第3、及び第4のジョーが各々、ブリッジチャネルを画定し、更に、前記第1、第2、第3、及び第4のジョーがそれらの係合位置に存在するときに、各ブリッジチャネルが、前記形状記憶インプラントのブリッジの一部分をその内部に受容する、実施態様12に記載のインプラント挿入装置。
(15) 前記形状記憶インプラントが、第1、第2、第3、及び第4の脚部を相互接続するブリッジを含み、それによって、前記第1、第2、第3、及び第4の脚部は、前記形状記憶インプラントがその非拘束形状で存在するときに、非平行であり、前記第1、第2、第3、及び第4の脚部は、前記形状記憶インプラントがその挿入形状で存在するときに、実質的に平行である、実施態様3に記載のインプラント挿入装置。
【0079】
(16) 前記第1、第2、第3、及び第4のジョーが各々、脚部インターフェースを含み、
前記第1のジョーが、前記第2のジョーと対向する関係で存在し、前記第1及び第2のジョーが、非線形の相補的形状を有する整合インターフェースを含んでおり、それによって、前記第1及び第2のジョーのそれらの係合解除位置からそれらの係合位置への進行が、それらの整合インターフェースを当接関係に移動させ、更に、それによって、前記整合インターフェースは、それらの非線形の相補的形状により、前記第1のジョーの前記脚部インターフェースが各々、前記形状記憶インプラントの前記第1の脚部と係合し、かつ前記第2のジョーの前記脚部インターフェースが、前記形状記憶インプラントの前記第2の脚部と係合して、前記第1及び第2の脚部を実質的に平行に維持するように、前記第1及び第2のジョーを直線的に変位させ、
前記第3のジョーが、前記第4のジョーと対向する関係で存在し、前記第3及び第4のジョーが、非線形の相補的形状を有する整合インターフェースを含んでおり、それによって、前記第3及び第4のジョーのそれらの係合位置への進行が、それらの整合インターフェースを当接関係に移動させ、更に、それによって、前記整合インターフェースは、それらの非線形の相補的形状により、前記第3のジョーの前記脚部インターフェースが、前記形状記憶インプラントの前記第3の脚部と係合し、かつ前記第4のジョーの前記脚部インターフェースが、前記形状記憶インプラントの前記第4の脚部と係合して、前記第3及び第4の脚部を実質的に平行に維持するように、前記第3及び第4のジョーを直線的に変位させる、実施態様15に記載のインプラント挿入装置。
(17) 前記第1、第2、第3、及び第4のジョーが各々、ブリッジチャネルを画定し、更に、前記第1、第2、第3、及び第4のジョーがそれらの係合位置に存在するときに、各ブリッジチャネルが、前記形状記憶インプラントのブリッジの一部分をその内部に受容する、実施態様15に記載のインプラント挿入装置。