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▶ スタンレイ ブラック アンド デッカー、インコーポレイティドの特許一覧

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-02-10
(45)【発行日】2023-02-20
(54)【発明の名称】破壊剪断機用の割出し可能な穿孔チップ
(51)【国際特許分類】
   E02F 3/36 20060101AFI20230213BHJP
   B02C 1/04 20060101ALI20230213BHJP
   B02C 1/12 20060101ALI20230213BHJP
   E02F 3/96 20060101ALI20230213BHJP
【FI】
E02F3/36 A
B02C1/04
B02C1/12
E02F3/96 Z
【請求項の数】 25
(21)【出願番号】P 2020555217
(86)(22)【出願日】2019-04-10
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-10-07
(86)【国際出願番号】 US2019026827
(87)【国際公開番号】W WO2019209537
(87)【国際公開日】2019-10-31
【審査請求日】2022-02-21
(31)【優先権主張番号】62/661,396
(32)【優先日】2018-04-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】500414866
【氏名又は名称】スタンレイ ブラック アンド デッカー、インコーポレイティド
【住所又は居所原語表記】1000 Stanley Drive New Britain, Connecticut 06053 US
(74)【代理人】
【識別番号】100126572
【弁理士】
【氏名又は名称】村越 智史
(72)【発明者】
【氏名】ジョンソン, カール
(72)【発明者】
【氏名】シーダバーグ, クレイトン
(72)【発明者】
【氏名】ブーバックズ, シェーン
(72)【発明者】
【氏名】メックリン, マシュー ジョージ
(72)【発明者】
【氏名】ブレットナ-, ロバート レーヌ
【審査官】吉田 英一
(56)【参考文献】
【文献】特表2007-509766(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2012/0111171(US,A1)
【文献】国際公開第2008/079005(WO,A2)
【文献】欧州特許出願公開第1939362(EP,A1)
【文献】特表2016-518541(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2016/0059328(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2015/0308075(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E02F 3/36
B02C 1/04
B02C 1/12
E02F 3/96
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1のジョーと、
前記第1のジョーに枢動可能に連結され、ジョー軸を中心に前記第1のジョーに対して相対的に枢動する第2のジョーと、
を備え、
前記第2のジョーは
上面、下面、前面、および対向する2つの側面を有するノーズ部を含むジョー本体と、
第1および第2の穿孔エッジと第1および第2の剪断エッジとを含む割出し可能な穿孔チップと、
を含み、
前記割出し可能な穿孔チップは
(1)前記第1の穿孔エッジが穿孔用途に供され、前記第1の剪断エッジが剪断用途に供される、第1の動作位置、または
(2)前記第2の穿孔エッジが穿孔用途に供され、前記第2の剪断エッジが剪断用途に供される、第2の動作位置
において選択的に前記ノーズ部に取り付け可能であり、
前記割出し可能な穿孔チップが前記第1または第2の動作位置にあるときに、前記割出し可能な穿孔チップは、前記上面の過半部分、前記下面の過半部分、前記前面の過半部分、および前記対向する2つの側面のうちの少なくとも一方の過半部分を取り囲み、
前記第2の動作位置は、前記割出し可能な穿孔チップが前記第1の動作位置に対して180°回転した位置であ
前記割出し可能な穿孔チップは、前記割出し可能な穿孔チップが前記第1または第2の動作位置にあるときに、前記ノーズ部を間に挟む第1の本体および第2の本体を含む、
破壊剪断機。
【請求項2】
前記第1の本体は前記第2の本体と同じ形状を有する、請求項に記載の剪断機。
【請求項3】
前記第1の本体と前記第2の本体の相対位置を入れ替えることによって、前記割出し可能な穿孔チップを前記第1の動作位置から前記第2の動作位置に切り替えることができる、請求項に記載の剪断機。
【請求項4】
前記第1の本体は、前記第1の穿孔エッジの一部および前記第2の穿孔エッジの一部を画定し、
前記第2の本体は、前記第1の穿孔エッジの一部および前記第2の穿孔エッジの一部を画定する、
請求項に記載の剪断機。
【請求項5】
前記第1の本体は、前記第1の剪断エッジを画定し、
前記第2の本体は、前記第2の剪断エッジを画定する、
請求項に記載の剪断機。
【請求項6】
前記第1の本体は、前記割出し可能な穿孔チップが前記第1または第2の動作位置にあるときに、前記ノーズ部の前記前面の一部を取り囲む前壁を含み、
前記第2の本体は、前記割出し可能な穿孔チップが前記第1または第2の動作位置にあるときに、前記ノーズ部の前記前面の一部を取り囲む前壁を含む、
請求項に記載の剪断機。
【請求項7】
前記第1の本体は、前記第1の穿孔エッジの一部および前記第2の穿孔エッジの一部を画定し、
前記第2の本体は、前記第1の穿孔エッジの一部および前記第2の穿孔エッジの一部を画定し、
前記割出し可能な穿孔チップが前記第1の動作位置にあるときに、前記第1の本体の表面と前記第2の本体の表面が前記ノーズ部の前記下面に対面し、
前記割出し可能な穿孔チップが前記第2の動作位置にあるときに、前記第1の本体の表面と前記第2の本体の表面が前記ノーズ部の前記下面に対面する、
請求項に記載の剪断機。
【請求項8】
前記第1の本体は、前記穿孔チップが前記第1の動作位置にあるときに、前記ノーズ部の前記下面の一部に対面し当該下面の一部を取り囲む第1の壁部を含み、
前記第1の本体の前記第1の壁部は、前記穿孔チップが前記第2の動作位置にあるときに、前記ノーズ部の前記上面の一部に対面し当該上面の一部を取り囲み、
前記第2の本体は、前記穿孔チップが前記第1の動作位置にあるときに、前記ノーズ部の前記下面の一部に対面し当該下面の一部を取り囲む第1の壁部を含み、
前記第2の本体の前記第1の壁部は、前記穿孔チップが前記第2の動作位置にあるときに、前記ノーズ部の前記上面の一部に対面し当該上面の一部を取り囲み、
前記第1の本体は、前記穿孔チップが前記第1の動作位置にあるときに、前記ノーズ部の前記上面の一部に対面し当該上面の一部を取り囲む第2の壁部を含み、
前記第1の本体の前記第2の壁部は、前記穿孔チップが前記第2の動作位置にあるときに、前記ノーズ部の前記下面の一部に対面し当該下面の一部を取り囲み、
前記第2の本体は、前記穿孔チップが前記第1の動作位置にあるときに、前記ノーズ部の前記上面の一部に対面し当該上面の一部を取り囲む第2の壁部を含み、
前記第2の本体の前記第2の壁部は、前記穿孔チップが前記第2の動作位置にあるときに、前記ノーズ部の前記下面の一部に対面し当該下面の一部を取り囲む、
請求項に記載の剪断機。
【請求項9】
前記第1の本体は、前記第1の穿孔エッジの全体を画定し、
前記第2の本体は、前記第2の穿孔エッジの全体を画定する、
請求項に記載の剪断機。
【請求項10】
前記第1の本体は、前記第1の穿孔エッジの全体、前記第2の穿孔エッジの全体、前記第1の剪断エッジの全体、および前記第2の剪断エッジの全体を画定する、請求項に記載の剪断機。
【請求項11】
前記第2の本体が前記前面の全体を取り囲む、請求項10に記載の剪断機。
【請求項12】
前記割出し可能な穿孔チップが前記第1の動作位置にあるときに、前記第1の本体が前記対向する2つの側面のうちの第1の側面に対面し当該第1の側面を取り囲み、前記第2の本体が前記対向する2つの側面のうちの第2の側面に対面し当該第2の側面を取り囲み、
前記割出し可能な穿孔チップが前記第2の動作位置にあるときに、前記第1の本体が前記対向する2つの側面のうちの前記第2の側面に隣接し当該第2の側面を取り囲み、前記第2の本体が前記対向する2つの側面のうちの前記第1の側面に対面し当該第1の側面を取り囲む、
請求項に記載の剪断機。
【請求項13】
前記第1の本体はネジ穴とネジ筋のない貫通孔とを含み、
前記第2の本体はネジ穴とネジ筋のない貫通孔とを含み、
前記割出し可能な穿孔チップが前記第1または第2の動作位置にあるときに、前記第1の本体のネジ穴は前記第2の本体のネジ筋のない貫通孔と同軸であり、
前記割出し可能な穿孔チップが前記第1または第2の動作位置にあるときに、前記第2の本体のネジ穴は前記第1の本体のネジ筋のない貫通孔と同軸であり、
前記剪断機はさらに、前記第1の本体のネジ筋のない貫通孔を貫通し、前記第2の本体のネジ穴に螺合する第1のボルトを備え、
前記剪断機はさらに、前記第2の本体のネジ筋のない貫通孔を貫通し、前記第1の本体のネジ穴に螺合する第2のボルトを備える、
請求項に記載の剪断機。
【請求項14】
前記ノーズ部は横方向に延びる複数の貫通孔を含み、
前記第1および第2のボルトは、前記ノーズ部の横方向に延びる複数の貫通孔のうちの対応する貫通孔を貫通する、
請求項13に記載の剪断機。
【請求項15】
前記ノーズ部は第1および第2の貫通孔を含み、
前記割出し可能な穿孔チップが前記第1の動作位置にあるときに、(1)前記ノーズ部の前記第1の貫通孔は前記第1の本体のネジ穴および前記第2の本体のネジ筋のない貫通孔と同軸であり、(2)前記ノーズ部の前記第2の貫通孔は前記第2の本体のネジ穴および前記第1の本体のネジ筋のない貫通孔と同軸であり、
前記割出し可能な穿孔チップが前記第2の動作位置にあるときに、(1)前記ノーズ部の前記第2の貫通孔は前記第1の本体のネジ穴および前記第2の本体のネジ筋のない貫通孔と同軸であり、(2)前記ノーズ部の前記第1の貫通孔は前記第2の本体のネジ穴および前記第1の本体のネジ筋のない貫通孔と同軸である、
請求項14に記載の剪断機。
【請求項16】
前記第1および第2のジョーの間に作動的に延在し、前記第1および第2のジョーを選択的に開閉させるアクチュエータと、
前記剪断機を機械装置のブームに取り付けるように成形および構成されたマウントと、
をさらに備える、請求項1に記載の剪断機。
【請求項17】
前記ノーズ部は、前記ジョー軸に垂直なノーズ部軸を中心に180°回転対称である、
請求項1に記載の剪断機。
【請求項18】
前記割出し可能な穿孔チップが前記第1または第2の動作位置にあるときに、前記割出し可能な穿孔チップは、前記上面、前記下面、前記前面、および前記対向する2つの側面のうちの少なくとも一方を、それぞれ少なくとも80%取り囲む、請求項1に記載の剪断機。
【請求項19】
前記割出し可能な穿孔チップが前記第1または第2の動作位置にあるときに、前記割出し可能な穿孔チップは、前記上面、前記下面、前記前面、および前記対向する2つの側面に、それぞれ着座する、請求項1に記載の剪断機。
【請求項20】
第1のジョーと、
前記第1のジョーに枢動可能に連結され、ジョー軸を中心に前記第1のジョーに対して相対的に枢動する第2のジョーと、
を備え、
前記第2のジョーは
上面、下面、前面、および対向する2つの側面を有するノーズ部を含むジョー本体と、
第1および第2の穿孔エッジと第1および第2の剪断エッジとを含む割出し可能な穿孔チップと、
を含み、
前記割出し可能な穿孔チップは
(1)前記第1の穿孔エッジが穿孔用途に供され、前記第1の剪断エッジが剪断用途に供される、第1の動作位置、または
(2)前記第2の穿孔エッジが穿孔用途に供され、前記第2の剪断エッジが剪断用途に供される、第2の動作位置
において選択的に前記ノーズ部に取り付け可能であり、
前記割出し可能な穿孔チップが前記第1または第2の動作位置にあるときに、前記割出し可能な穿孔チップは、前記ノーズ部の前記上面、前記下面、前記前面、および前記対向する2つの側面を、それぞれ保護し、
前記第2の動作位置は、前記割出し可能な穿孔チップが前記第1の動作位置に対して180°回転した位置であ
前記割出し可能な穿孔チップは、前記割出し可能な穿孔チップが前記第1または第2の動作位置にあるときに、前記ノーズ部を間に挟む第1の本体および第2の本体を含む、
破壊剪断機。
【請求項21】
破壊剪断機のジョーのノーズ部に取り付けられるように成形および構成された割出し可能な穿孔チップであって、
前記割出し可能な穿孔チップは、第1の本体および第2の本体を備え、
前記割出し可能な穿孔チップは、第1および第2の穿孔エッジと、第1および第2の剪断エッジとを形成し、
前記割出し可能な穿孔チップは、
(1)前記第1の穿孔エッジが穿孔用途に供され、前記第1の剪断エッジが剪断用途に供される、第1の動作位置、または
(2)前記第2の穿孔エッジが穿孔用途に供され、前記第2の剪断エッジが剪断用途に供される、第2の動作位置
において選択的に前記ノーズ部に取り付け可能となるよう成形および構成され、
前記第1および第2の本体は、前記割出し可能な穿孔チップが前記第1または第2の動作位置にあるときに、前記ノーズ部を間に挟むように成形および構成され、
前記割出し可能な穿孔チップが前記第1または第2の動作位置にあるときに、前記割出し可能な穿孔チップが、前記ノーズ部の上面の過半部分、前記ノーズ部の下面の過半部分、前記ノーズ部の前面の過半部分、および前記ノーズ部の対向する2つの側面のうちの少なくとも一方の過半部分を取り囲むように、前記割出し可能な穿孔チップが成形および構成され、
前記第2の動作位置は、前記割出し可能な穿孔チップが前記第1の動作位置に対して180°回転した位置である、
割出し可能な穿孔チップ。
【請求項22】
前記第1の本体は前記第2の本体と同じ形状を有する、請求項21に記載の割出し可能な穿孔チップ。
【請求項23】
前記前面は前記ジョー本体の最前部によって画定される、請求項1に記載の破壊剪断機。
【請求項24】
前記下面および前記上面はそれぞれ前記前面に移行する、請求項1に記載の破壊剪断機。
【請求項25】
前記前面は前記ジョー枢動軸から遠位にある前記ノーズ部の先端部であり、
前記第1および第2の本体は、互いに結合して前記ノーズ部を間に挟んだときに、前記前面を取り囲むことによって保護し、実質的に前記ノーズ部を取り囲むことによって保護する、請求項1に記載の破壊剪断機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、米国特許仮出願第62/661,396号(出願日:2018年4月23日、名称:「Indexable Piercing Tip For Demolition Shears」)に基づく優先権を主張し、その内容は参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
様々な実施形態は全体として、高耐荷重破壊剪断機および当該剪断機用の穿孔チップに関する。
【背景技術】
【0003】
従来の高耐荷重破壊剪断機は、例えば、キャタピラー、コマツ、日立、コベルコ等により製造された掘削機械または掘進機のブーム構造体に取り付けられるように構成されている。多くの場合、剪断機は下部固定ジョーと上部可動ジョーとを含む。上部可動ジョーは、下部固定ジョーに対して相対的に枢動するように(例えば、ピボットピンまたは他のヒンジ機構を介して)取り付けられている。リニアアクチュエータ(例えば、空気圧または油圧シリンダ)が上部可動ジョーを関節式に接合(駆動)し、枢動を可能にしている。固定ジョーは、アクチュエータおよび枢動する上部ジョーを支持するスティック溶接構造体の内部に取り付けられ、このスティック溶接構造体は、取付ブラケットおよび/または回転取付アダプタおよび回転駆動システムを介して機械装置のブームに嵌合される。交換可能なブレードインサートは、位置変更可能(割出し可能)かつ交換可能となるように、両方のジョーにボルトで固定されている。
【0004】
高耐荷重剪断機は、一般に、剪断機のジョーが閉じたときに処理対象物を穿孔するように構成された交換可能な穿孔チップを含む。例えば、米国特許第8,650,759号、第9,333,570号、および第9,713,848号、ならびに米国特許出願公開第2016/0059328号を参照されたい。
【発明の概要】
【0005】
一又は複数の非限定的な実施形態は、第1のジョーと、前記第1のジョーに作動的に連結され、前記第1のジョーに対して相対的に動作する第2のジョーと、を備える破壊剪断機を提供する。前記第2のジョーは、上面、下面、前面、および対向する2つの側面を有するノーズ部を含むジョー本体と、第1および第2の穿孔エッジと第1および第2の剪断エッジとを含む割出し可能な穿孔チップと、を含む。前記割出し可能な穿孔チップは、(1)前記第1の穿孔エッジが穿孔用途に供され、前記第1の剪断エッジが剪断用途に供される、第1の動作位置、または(2)前記第2の穿孔エッジが穿孔用途に供され、前記第2の剪断エッジが剪断用途に供される、第2の動作位置において選択的に前記ノーズ部に取り付け可能である。前記割出し可能な穿孔チップが前記第1または第2の動作位置にあるときに、前記割出し可能な穿孔チップは、前記ノーズ部の上面の過半部分、前記ノーズ部の下面の過半部分、前記ノーズ部の前面の過半部分、および前記ノーズ部の対向する2つの側面のうちの少なくとも一方(または両方)の過半部分を取り囲む。前記第2の動作位置は、前記割出し可能な穿孔チップが前記第1の動作位置に対して180°回転した位置である。
【0006】
これらの実施形態のうちの一又は複数によれば、前記割出し可能な穿孔チップは、前記割出し可能な穿孔チップが前記第1または第2の動作位置にあるときに、前記ノーズ部を間に挟む第1の本体(例えば、金属、複合材料等で構成されるもの)および第2の本体(例えば、金属、複合材料等で構成されるもの)を含む。
【0007】
これらの実施形態のうちの一又は複数によれば、前記第1の本体は前記第2の本体と同じ形状を有する。
【0008】
これらの実施形態のうちの一又は複数によれば、前記第1の本体と前記第2の本体の相対位置を入れ替えることによって、前記割出し可能な穿孔チップを前記第1の動作位置から前記第2の動作位置に切り替えることができる。
【0009】
これらの実施形態のうちの一又は複数によれば、前記第1の本体は、前記第1の穿孔エッジの一部および前記第2の穿孔エッジの一部を画定し、前記第2の本体は、前記第1の穿孔エッジの一部および前記第2の穿孔エッジの一部を画定する。
【0010】
これらの実施形態のうちの一又は複数によれば、前記第1の本体は、前記第1の剪断エッジを画定し、前記第2の本体は、前記第2の剪断エッジを画定する、
【0011】
これらの実施形態のうちの一又は複数によれば、前記第1の本体は、前記割出し可能な穿孔チップが前記第1または第2の動作位置にあるときに、前記ノーズ部の前記前面の一部を取り囲む前壁を含み、前記第2の本体は、前記割出し可能な穿孔チップが前記第1または第2の動作位置にあるときに、前記ノーズ部の前記前面の一部を取り囲む前壁を含む。
【0012】
これらの実施形態のうちの一又は複数によれば、前記第1の本体は、前記第1の穿孔エッジの一部および前記第2の穿孔エッジの一部を画定し、前記第2の本体は、前記第1の穿孔エッジの一部および前記第2の穿孔エッジの一部を画定し、前記割出し可能な穿孔チップが前記第1の動作位置にあるときに、前記第1の本体の表面と前記第2の本体の表面が前記ノーズ部の前記下面に対面し、前記割出し可能な穿孔チップが前記第2の動作位置にあるときに、前記第1の本体の表面と前記第2の本体の表面が前記ノーズ部の前記下面に対面する。
【0013】
これらの実施形態のうちの一又は複数によれば、前記第1の本体は、前記穿孔チップが前記第1の動作位置にあるときに、前記ノーズ部の前記下面の一部に対面し当該下面の一部を取り囲む第1の壁部を含み、前記第1の本体の前記第1の壁部は、前記穿孔チップが前記第2の動作位置にあるときに、前記ノーズ部の前記上面の一部に対面し当該上面の一部を取り囲み、前記第2の本体は、前記穿孔チップが前記第1の動作位置にあるときに、前記ノーズ部の前記下面の一部に対面し当該下面の一部を取り囲む第1の壁部を含み、前記第2の本体の前記第1の壁部は、前記穿孔チップが前記第2の動作位置にあるときに、前記ノーズ部の前記上面の一部に対面し当該上面の一部を取り囲み、前記第1の本体は、前記穿孔チップが前記第1の動作位置にあるときに、前記ノーズ部の前記上面の一部に対面し当該上面の一部を取り囲む第2の壁部を含み、前記第1の本体の前記第2の壁部は、前記穿孔チップが前記第2の動作位置にあるときに、前記ノーズ部の前記下面の一部に対面し当該下面の一部を取り囲み、前記第2の本体は、前記穿孔チップが前記第1の動作位置にあるときに、前記ノーズ部の前記上面の一部に対面し当該上面の一部を取り囲む第2の壁部を含み、前記第2の本体の前記第2の壁部は、前記穿孔チップが前記第2の動作位置にあるときに、前記ノーズ部の前記下面の一部に対面し当該下面の一部を取り囲む。
【0014】
これらの実施形態のうちの一又は複数によれば、前記第1の本体は、前記第1の穿孔エッジの全体を画定し、前記第2の本体は、前記第2の穿孔エッジの全体を画定する。
【0015】
これらの実施形態のうちの一又は複数によれば、前記第1の本体は、前記第1の穿孔エッジの全体、前記第2の穿孔エッジの全体、前記第1の剪断エッジの全体、および前記第2の剪断エッジの全体を画定する。
【0016】
これらの実施形態のうちの一又は複数によれば、前記第2の本体が前記前面の全体を取り囲む。
【0017】
これらの実施形態のうちの一又は複数によれば、前記割出し可能な穿孔チップが前記第1の動作位置にあるときに、前記第1の本体が前記対向する2つの側面のうちの第1の側面に対面し当該第1の側面を取り囲み、前記第2の本体が前記対向する2つの側面のうちの第2の側面に対面し当該第2の側面を取り囲み、前記割出し可能な穿孔チップが前記第2の動作位置にあるときに、前記第1の本体が前記対向する2つの側面のうちの前記第2の側面に隣接し当該第2の側面を取り囲み、前記第2の本体が前記対向する2つの側面のうちの前記第1の側面に対面し当該第1の側面を取り囲む。
【0018】
これらの実施形態のうちの一又は複数によれば、前記第1の本体はネジ穴とネジ筋のない貫通孔とを含み、前記第2の本体はネジ穴とネジ筋のない貫通孔とを含み、前記割出し可能な穿孔チップが前記第1または第2の動作位置にあるときに、前記第1の本体のネジ穴は前記第2の本体のネジ筋のない貫通孔と同軸であり、前記割出し可能な穿孔チップが前記第1または第2の動作位置にあるときに、前記第2の本体のネジ穴は前記第1の本体のネジ筋のない貫通孔と同軸であり、前記剪断機はさらに、前記第1の本体のネジ筋のない貫通孔を貫通し、前記第2の本体のネジ穴に螺合する第1のボルトを備え、前記剪断機はさらに、前記第2の本体のネジ筋のない貫通孔を貫通し、前記第1の本体のネジ穴に螺合する第2のボルトを備える。
【0019】
これらの実施形態のうちの一又は複数によれば、前記ノーズ部は横方向に延びる複数の貫通孔を含み、前記第1および第2のボルトは、前記ノーズ部の横方向に延びる複数の貫通孔のうちの対応する貫通孔を貫通する。
【0020】
これらの実施形態のうちの一又は複数によれば、前記ノーズ部は第1および第2の貫通孔を含み、前記割出し可能な穿孔チップが前記第1の動作位置にあるときに、(1)前記ノーズ部の前記第1の貫通孔は前記第1の本体のネジ穴および前記第2の本体のネジ筋のない貫通孔と同軸であり、(2)前記ノーズ部の前記第2の貫通孔は前記第2の本体のネジ穴および前記第1の本体のネジ筋のない貫通孔と同軸であり、前記割出し可能な穿孔チップが前記第2の動作位置にあるときに、(1)前記ノーズ部の前記第2の貫通孔は前記第1の本体のネジ穴および前記第2の本体のネジ筋のない貫通孔と同軸であり、(2)前記ノーズ部の前記第1の貫通孔は前記第2の本体のネジ穴および前記第1の本体のネジ筋のない貫通孔と同軸である。
【0021】
これらの実施形態のうちの一又は複数によれば、前記剪断機は、前記第1および第2のジョーの間に作動的に延在し、前記第1および第2のジョーを選択的に開閉させるアクチュエータと、前記剪断機を機械装置のブームに取り付けるように成形および構成されたマウントと、を備える。
【0022】
これらの実施形態のうちの一又は複数によれば、前記第2のジョーは前記第1のジョーに枢動可能に連結され、ジョー軸を中心に相対的に枢動可能であり、前記ノーズ部は、前記ジョー軸に垂直なノーズ部軸を中心に180°回転対称である。
【0023】
一又は複数の非限定的な実施形態は、これらの実施形態のうちの一又は複数による剪断機において使用する交換用穿孔チップを提供する。
【0024】
一又は複数の非限定的な実施形態は、これらの実施形態のうちの一又は複数による穿孔チップを提供する。
【0025】
一又は複数の非限定的な実施形態は、これらの実施形態のうちの一又は複数による第2のジョーを提供する。
【0026】
一又は複数の非限定的な実施形態は、破壊剪断機のジョーのノーズ部に取り付けられるように成形および構成された割出し可能な穿孔チップを提供する。前記割出し可能な穿孔チップは、第1の本体および第2の本体を備える。前記割出し可能な穿孔チップは、第1および第2の穿孔エッジと、第1および第2の剪断エッジとを形成する。前記割出し可能な穿孔チップは、(1)前記第1の穿孔エッジが穿孔用途に供され、前記第1の剪断エッジが剪断用途に供される、第1の動作位置、または(2)前記第2の穿孔エッジが穿孔用途に供され、前記第2の剪断エッジが剪断用途に供される、第2の動作位置において選択的に前記ノーズ部に取り付け可能となるよう成形および構成される。前記第1および第2の本体は、前記割出し可能な穿孔チップが前記第1または第2の動作位置にあるときに、前記ノーズ部を間に挟むように成形および構成される。前記割出し可能な穿孔チップが前記第1または第2の動作位置にあるときに、前記割出し可能な穿孔チップが、前記ノーズ部の上面の過半部分、前記ノーズ部の下面の過半部分、前記ノーズ部の前面の過半部分、および前記ノーズ部の対向する2つの側面のうちの少なくとも一方の過半部分を取り囲むように、前記割出し可能な穿孔チップが成形および構成される。前記第2の動作位置は、前記割出し可能な穿孔チップが前記第1の動作位置に対して180°回転した位置である。
【0027】
これらの実施形態のうちの一又は複数によれば、前記第1の本体は前記第2の本体と同じ形状を有する。
【0028】
これらの実施形態のうちの一又は複数によれば、前記第1の本体と前記第2の本体の相対位置を入れ替えることによって、前記割出し可能な穿孔チップを前記第1の動作位置から前記第2の動作位置に切り替えることができる。
【0029】
これらの実施形態のうちの一又は複数によれば、前記第1の本体は、前記第1の穿孔エッジの一部および前記第2の穿孔エッジの一部を画定し、前記第2の本体は、前記第1の穿孔エッジの一部および前記第2の穿孔エッジの一部を画定する。
【0030】
これらの実施形態のうちの一又は複数によれば、前記第1の本体は、前記第1の剪断エッジを画定し、前記第2の本体は、前記第2の剪断エッジを画定する、
【0031】
これらの実施形態のうちの一又は複数によれば、前記第1の本体は、前記割出し可能な穿孔チップが前記第1または第2の動作位置にあるときに、前記ノーズ部の前記前面の一部を取り囲むように成形および構成された前壁を含み、前記第2の本体は、前記割出し可能な穿孔チップが前記第1または第2の動作位置にあるときに、前記ノーズ部の前記前面の一部を取り囲むように成形および構成された前壁を含む。
【0032】
これらの実施形態のうちの一又は複数によれば、前記第1の本体は、前記第1の穿孔エッジの一部および前記第2の穿孔エッジの一部を画定し、前記第2の本体は、前記第1の穿孔エッジの一部および前記第2の穿孔エッジの一部を画定し、前記割出し可能な穿孔チップが前記第1の動作位置にあるときに、前記第1の本体の表面と前記第2の本体の表面が前記ノーズ部の前記下面に対面するように、前記割出し可能な穿孔チップが成形および構成され、前記割出し可能な穿孔チップが前記第2の動作位置にあるときに、前記第1の本体の表面と前記第2の本体の表面が前記ノーズ部の前記下面に対面するように、前記割出し可能な穿孔チップが成形および構成される。
【0033】
これらの実施形態のうちの一又は複数によれば、前記第1の本体は、前記穿孔チップが前記第1の動作位置にあるときに、前記ノーズ部の前記下面の一部に対面し当該下面の一部を取り囲むように成形および構成された第1の壁部を含み、前記第1の本体の前記第1の壁部は、前記穿孔チップが前記第2の動作位置にあるときに、前記ノーズ部の前記上面の一部に対面し当該上面の一部を取り囲むように成形および構成され、前記第2の本体は、前記穿孔チップが前記第1の動作位置にあるときに、前記ノーズ部の前記下面の一部に対面し当該下面の一部を取り囲むように成形および構成された第1の壁部を含み、前記第2の本体の前記第1の壁部は、前記穿孔チップが前記第2の動作位置にあるときに、前記ノーズ部の前記上面の一部に対面し当該上面の一部を取り囲むように成形および構成され、前記第1の本体は、前記穿孔チップが前記第1の動作位置にあるときに、前記ノーズ部の前記上面の一部に対面し当該上面の一部を取り囲むように成形および構成された第2の壁部を含み、前記第1の本体の前記第2の壁部は、前記穿孔チップが前記第2の動作位置にあるときに、前記ノーズ部の前記下面の一部に対面し当該下面の一部を取り囲むように成形および構成され、前記第2の本体は、前記穿孔チップが前記第1の動作位置にあるときに、前記ノーズ部の前記上面の一部に対面し当該上面の一部を取り囲むように成形および構成された第2の壁部を含み、前記第2の本体の前記第2の壁部は、前記穿孔チップが前記第2の動作位置にあるときに、前記ノーズ部の前記下面の一部に対面し当該下面の一部を取り囲むように成形および構成される。
【0034】
これらの実施形態のうちの一又は複数によれば、前記第1の本体は、前記第1の穿孔エッジの全体を画定し、前記第2の本体は、前記第2の穿孔エッジの全体を画定する。
【0035】
これらの実施形態のうちの一又は複数によれば、前記第1の本体は、前記第1の穿孔エッジの全体、前記第2の穿孔エッジの全体、前記第1の剪断エッジの全体、および前記第2の剪断エッジの全体を画定する。
【0036】
これらの実施形態のうちの一又は複数によれば、前記第2の本体は、前記穿孔チップが前記第1または第2の動作位置にあるときに、前記前面の全体に対面し当該前面の全体を取り囲むように成形および構成される。
【0037】
これらの実施形態のうちの一又は複数によれば、前記割出し可能な穿孔チップが前記第1の動作位置にあるときに、前記第1の本体が前記対向する2つの側面のうちの第1の側面に対面し当該第1の側面を取り囲み、前記第2の本体が前記対向する2つの側面のうちの第2の側面に対面し当該第2の側面を取り囲み、前記割出し可能な穿孔チップが前記第2の動作位置にあるときに、前記第1の本体が前記対向する2つの側面のうちの前記第2の側面に隣接し当該第2の側面を取り囲み、前記第2の本体が前記対向する2つの側面のうちの前記第1の側面に対面し当該第1の側面を取り囲むように、前記割出し可能な穿孔チップが成形および構成される。
【0038】
これらの実施形態のうちの一又は複数によれば、前記第1の本体はネジ穴とネジ筋のない貫通孔とを含み、前記第2の本体はネジ穴とネジ筋のない貫通孔とを含み、前記割出し可能な穿孔チップが前記第1または第2の動作位置にあるときに、前記第1の本体のネジ穴は前記第2の本体のネジ筋のない貫通孔と同軸であり、前記割出し可能な穿孔チップが前記第1または第2の動作位置にあるときに、前記第2の本体のネジ穴は前記第1の本体のネジ筋のない貫通孔と同軸であり、前記穿孔チップは、第1のボルトが前記第1の本体のネジ筋のない貫通孔を貫通し、前記第2の本体のネジ穴に螺合することによって、前記ノーズ部に取り付けられるように成形および構成され、前記穿孔チップは、第2のボルトが前記第2の本体のネジ筋のない貫通孔を貫通し、前記第1の本体のネジ穴に螺合することによって、前記ノーズ部に取り付けられるように成形および構成される。
【0039】
これらの実施形態のうちの一又は複数によれば、前記第1の本体のネジ穴およびネジ筋のない貫通孔と、前記第2の本体のネジ穴およびネジ筋のない貫通孔とが、前記ノーズ部の横方向に延びる複数の貫通孔のうちの対応する貫通孔と同軸に配置され、前記第1および第2のボルトが前記ノーズ部の横方向に延びる複数の貫通孔のうちの対応する貫通孔を貫通することによって、前記穿孔チップが前記剪断機に取り付けられる。
【0040】
様々な実施形態によれば、前記割出し可能な穿孔チップが前記第1または第2の動作位置にあるときに、前記穿孔チップは、前記ノーズ部の前記上面、前記下面、前記前面、および前記両側面に、それぞれ着座する。
【0041】
様々な実施形態によれば、穿孔チップが第1または第2の動作位置にあるときに、穿孔チップは、
(1)ノーズ部の上面の面積の20、30、40、50、60、70、80、90、および/または95%を超える面積、
(2)ノーズ部の下面の面積の20、30、40、50、60、70、80、90、および/または95%を超える面積、
(3)ノーズ部の前面の面積の20、30、40、50、60、70、80、90、および/または95%を超える面積、
(4)ノーズ部の剪断側側面の面積の20、30、40、50、60、70、80、90、および/または95%を超える面積、および/または
(5)ノーズ部のガイド側側面の面積の20、30、40、50、60、70、80、90、および/または95%を超える面積を取り囲む。
【0042】
一又は複数の実施形態は、破壊剪断機のジョーのノーズ部に取り付けられるように成形および構成された割出し可能な穿孔チップを提供する。前記割出し可能な穿孔チップは、第1の本体および第2の本体を備える。前記割出し可能な穿孔チップは、第1および第2の穿孔エッジと、第1および第2の剪断エッジとを形成する。前記割出し可能な穿孔チップは、(1)前記第1の穿孔エッジが穿孔用途に供され、前記第1の剪断エッジが剪断用途に供される、第1の動作位置、または(2)前記第2の穿孔エッジが穿孔用途に供され、前記第2の剪断エッジが剪断用途に供される、第2の動作位置において選択的に前記ノーズ部に取り付け可能となるよう成形および構成される。前記第1および第2の本体は、前記割出し可能な穿孔チップが前記第1または第2の動作位置にあるときに、前記ノーズ部を間に挟むように成形および構成される。前記割出し可能な穿孔チップが前記第1または第2の動作位置にあるときに、前記割出し可能な穿孔チップが、前記ノーズ部の上面、前記ノーズ部の下面、前記ノーズ部の前面、および前記ノーズ部の対向する2つの側面の両方を保護するように、前記割出し可能な穿孔チップが成形および構成される。前記第2の動作位置は、前記割出し可能な穿孔チップが前記第1の動作位置に対して180°回転した位置である。
【0043】
本発明の様々な実施形態のこれらおよび/または他の態様の1つ以上、並びに関連する構造要素の動作方法および機能、そして製造における各部分の組み合わせと経済性については、添付図面を参照しつつ、以下の説明と添付の特許請求の範囲を検討することによってより明らかになるであろう。これらは何れも本明細書の一部を構成する。本明細書において、同様の参照符号は種々の図における対応部分を表す。一実施形態において、本明細書に例示される構造部品は、正確な縮尺で描かれている。しかしながら、添付図面は例示及び説明のためのものであり、本発明の発明特定事項の定義として用いることは意図されていない。更に、本明細書における任意の一実施形態に示される、または説明される構造的特徴は、他の各実施形態においても用いられ得ることが理解されるべきである。本明細書および特許請求の範囲で用いる場合、単数形の「a」、「an」、および「the」は複数を示唆するものである。ただし、文脈によって別に解すべきことが明白な場合はこの限りでない。
【0044】
本明細書において開示されるすべての閉鎖式の値の範囲(例えば、「AとBの間」)及び開放式の値の範囲(例えば、「Cより大きい」)は、その範囲内のすべての範囲を明示的に含む。例えば、1から10までと開示された範囲は、2から10まで、1から9まで、3から9まで、などの範囲をも開示しているものと理解される。同様に、複数のパラメータ(例えば、パラメータC、パラメータD)が範囲を有するものとして別個に開示されている場合、本明細書に開示される実施形態は、一のパラメータ(例えば、パラメータC)の開示された範囲内の任意の値を、他の任意のパラメータ(例えば、パラメータD)の開示された範囲内の任意の値と組み合わせた実施形態を、明示的に包含する。
【図面の簡単な説明】
【0045】
様々な実施形態並びにそれらの他の目的および更なる特徴をより理解するために、以下の説明を添付図面を参照しつつ記載する。
【0046】
図1】一実施形態に係る剪断機の正面/側面斜視図である。
【0047】
図2図1の剪断機の一部分を示す、部分的に分解された正面/側面斜視図である。
【0048】
図3図1の剪断機の上部ジョーの正面/側面斜視図である。
【0049】
図4図3の上部ジョーの上部ジョー本体の側面図である。
【0050】
図5図3の上部ジョーの穿孔チップの金属体の斜視図である。
図6図3の上部ジョーの穿孔チップの金属体の斜視図である。
【0051】
図7図5および図6の金属体の内側側面図である。
【0052】
図8図5および図6の金属体の背面図である。
【0053】
図9図5および図6の金属体の外側側面図である。
【0054】
図10】別の実施形態に係る剪断機の部分正面斜視図である。
図11】別の実施形態に係る剪断機の部分正面斜視図である。
【0055】
図12図10および図11の剪断機の一部分を示す、部分的に分解された正面/側面斜視図である。
図13図10および図11の剪断機の一部分を示す、部分的に分解された正面/側面斜視図である。
【0056】
図14】別の実施形態に係る剪断機の部分正面/側面斜視図である。
図15】別の実施形態に係る剪断機の部分正面/側面斜視図である。
【0057】
図16図14および図15の剪断機の一部分を示す、部分的に分解された正面/側面斜視図である。
図17図14および図15の剪断機の一部分を示す、部分的に分解された正面/側面斜視図である。
【0058】
図18】別の実施形態に係る剪断機の部分正面/側面斜視図である。
図19】別の実施形態に係る剪断機の部分正面/側面斜視図である。
【0059】
図20図18および図19の剪断機の一部分を示す、部分的に分解された正面斜視図である。
図21図18および図19の剪断機の一部分を示す、部分的に分解された正面斜視図である。
【0060】
図22】別の実施形態に係る剪断機の部分正面/側面斜視図である。
【0061】
図23図22の剪断機の一部分を示す、部分的に分解された正面/側面斜視図である。
図24図22の剪断機の一部分を示す、部分的に分解された正面/側面斜視図である。
【0062】
図25図22の剪断機の穿孔チップの金属体の斜視図である。
【0063】
図26図25の金属体の正面図である。
【0064】
図27図25の金属体の外側側面図である。
【0065】
図28図25の金属体の背面図である。
【0066】
図29】別の実施形態に係る剪断機の部分正面/側面斜視図である。
【0067】
図30図29の剪断機の一部分を示す、部分的に分解された正面/側面斜視図である。
【0068】
図31】別の実施形態に係る剪断機の部分正面/側面斜視図である。
図32】別の実施形態に係る剪断機の部分正面/側面斜視図である。
【0069】
図33図31および図32の剪断機の一部分を示す、部分的に分解された正面/側面斜視図である。
【0070】
図34図31および図32の剪断機の穿孔チップの金属体の斜視図である。
【0071】
図35】別の実施形態に係る剪断機の部分正面/側面斜視図である。
【0072】
図36図35の剪断機の穿孔チップの金属体の斜視図である。
図37図35の剪断機の穿孔チップの金属体の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0073】
図1から図9は非限定的な実施形態に係る剪断機100を例示する。図1および図2に示すように、剪断機100は、上部可動ジョー110と下部固定ジョー120とを含む。
【0074】
図1に示すように、下部ジョー120は、取付ブラケット140とともにスティック/フレーム130に剛性的に取り付けられている。取付ブラケット140は、剪断機100を建設車両(例えば、掘削機やバックホウなどのブーム)に取り付けるように構成される。例えば、そのような建設車両は、キャタピラー、コマツ、日立、コベルコ等により製造された掘削機械または掘進機であってもよい。
【0075】
図2に示すように、ジョー110,120は、横方向に延びる枢動軸145で互いに枢動可能に連結されることで、互いに枢動可能になっている。図示された実施形態では、上部ジョー110は、下部固定ジョー120およびスティック130に対して相対的に移動可能である。しかしながら、別の実施形態によれば、両方のジョー110,120は、スティック/フレームに対して、および剪断機が取り付けられた建設車両(例えば、ユニバーサル加工剪断機)に対して相対的に移動可能である。
【0076】
図2に示すように、ジョー110、120の間の枢動連結は、ジョー枢動軸145を画定し、任意の適切な構造体(例えば、アクスルと軸受、すなわち、米国特許第8,146,256号または第8,104,384号または米国特許出願公開第2008/0028619号に開示されている枢動接続であり、これらの文献の内容の全体は参照により本明細書に組み込まれる)によって形成されてもよい。
【0077】
図1に示すように、油圧ピストン/シリンダ150は、第1および第2のジョー110、120に作動的に連結されており、剪断機100を開閉するための剪断動作において、上部ジョー110を下部ジョー120に対して枢動可能に駆動するように構成されている。図1は、開位置にある剪断機100を示している。図示された剪断機100は、ジョー110、120の剪断動作を駆動するために油圧ピストン/シリンダ150を使用しているが、他の任意の適切なアクチュエータ(例えば、空気圧ピストン/シリンダ、リニアアクチュエータまたは回転アクチュエータなど)に置き換えても、様々な実施形態の範囲から逸脱することはない。
【0078】
図2に示すように、下部ジョー120は下部ジョー本体160を含む。下部ジョー120はまた、ジョー本体160に(例えば、ボルト、ウェッジブロックなどによって)(直接または中間ブレードホルダ(図示せず)を介して)着脱可能に取り付けられる2つの剪断ブレード170、180を含む。あるいは、ブレード170および/または180は、ジョー本体160と一体的に形成されていてもよい。剪断ブレード170、180は、剪断エッジ170a、180aを画定する。下部ジョー120はまた、ジョー本体160に取り付けられ(またはそれと一体的に形成され)、剪断エッジ170a,180aから横方向に間隔をあけて、剪断エッジ170a,180aと平行に延びるガイドブレード190を含む。下部ジョー120はさらに、ジョー本体160に取り付けられ(またはそれと一体的に形成され)、剪断ブレード170、180からガイドブレード190まで横方向に延びるクロス部材200を含む。ブレード170、180、ガイドブレード190、およびクロス部材200は、これら全体でスロット210を形成または画定する。剪断機100の剪断動作中に、上部ジョー110が枢動して剪断機100を閉じる際にスロット210に進入する。
【0079】
図1から図4に示すように、上部ジョー110は、ジョー本体230を含む。図1から図2に示すように、上部ジョー110はまた、ジョー本体230に(例えば、ボルト、ウェッジブロックなどによって)(直接または中間ブレードホルダ(図示せず)を介して)着脱可能に取り付けられるか、またはジョー本体230と一体的に形成される2つの剪断ブレード240、250を含む。ブレード240、250は、剪断機100が閉じたときに剪断エッジ170a、180aと剪断可能に噛みあう剪断エッジ240a、250aを含む。
【0080】
図2および図4に示すように、上部ジョー本体230は、上部ジョー本体230の残りの部分から前方に突出する前ノーズ部270を含み、この前ノーズ部270は、上面270a、下面270b、前面270c、および2つの対向する側面270d、270eを含む。ノーズ部270は、前方に突出するノーズ部270の基部となる上部ジョー本体230の部分よりも横方向および縦方向に狭くなっている。ジョー本体230は、ジョー本体230のより幅広の横方向の側面と、横方向内側に配置されたノーズ部270の側面270d,270eとの間の移行部を形成する前方向きの移行面415を含む。同様に、ジョー本体230は、ジョー本体230の上側部分とノーズ部270との間の移行面490を含む。
【0081】
図示された実施形態では、上面270aおよび下面270bは、前面270cに滑らかに移行するが、角部を介して移行してもよい(例えば、前面270cと側面270d、270eとの間の角部を介する移行と同様に)。
【0082】
上面270aおよび下面270bは、同一の形状を有しているが、異なる形状を有していてもよい。ノーズ部270は、ジョー本体230の残りの部分に取り外し可能に取り付けられてもよいし、ジョー本体230の残りの部分と一体的に形成されてもよい。例えば、ノーズ部270は、ジョー本体230の残りの部分に溶接されてもよい。ノーズ部270は、中空であってもよいし、中実であってもよい。図4に示すように、ノーズ部270は、軸145と前面270cの中間部分とに垂直な枢動軸280を中心に180°回転対称であってもよい。図4に示すように、ノーズ部270の上半分および下半分は、軸280を含み軸145に平行な平面について互いに鏡像であってもよい。しかしながら、別の実施形態によれば、ノーズ部270は、回転対称でもなく、鏡像的な対称でもない。
【0083】
図1から図3に示すように、上部ジョー110は、ノーズ部270の上面270a、下面270b、前面270c、および2つの対向する側面270d、270eを取り囲むように、上部ジョー本体230に着脱可能に取り付けられる割出し可能な穿孔チップ300を含む。したがって、チップ300は、ノーズ部270の周囲の完全なブーツ状の囲い(full boot enclosure)となる。チップ300は、ノーズ部270を摩耗および破損から保護する交換可能な摩耗部であり、2組の有用な剪断エッジおよび穿孔エッジを有する。
【0084】
穿孔チップ300の内面は、ノーズ部270の上面270a、下面270b、前面270c、および対向する2つの側面270d、270eに隣接しているが、これらと接触していても接触していなくてもよい。例えば、穿孔チップ300は、隣接する側面270d、270eの両方、下面270b、および上面270aに接触する一方で、隣接する前面270cから間隔を空けていてもよい。
【0085】
様々な実施形態によれば、穿孔チップ300の内面は、穿孔チップ300が第1または第2の動作位置にあるときに、ノーズ部270の上面270a、下面270b、前面270c、および対向する両側面270d、270eに対して着座する(すなわち、接触する)。
【0086】
図示の実施形態では、穿孔チップ300は、ノーズ部270の上面270a、下面270b、前面270c、および2つの対向する側面270d、270eのそれぞれを完全に取り囲んでいる。しかしながら、様々な別の実施形態によれば、穿孔チップ300は、これらの表面270a~270eを保護する機能を保ちつつ、表面270a~270eのうちの一又は複数を部分的にのみ取り囲んでもよい。例えば、金属体310、320のうちの一方または両方の壁部430、440、450のうちの一又は複数は、表面270a~270eの一又は複数が部分的に露出される切り欠き、スロット、穴、または他の隙間を含み得る。様々な実施形態によれば、穿孔チップ300が第1または第2の動作位置にあるときに、穿孔チップ300は、
(1)上面270aの面積の20、30、40、50、60、70、80、90、および/または95%を超える面積、
(2)下面270bの面積の20、30、40、50、60、70、80、90、および/または95%を超える面積、
(3)前面270cの面積の20、30、40、50、60、70、80、90、および/または95%を超える面積、
(4)剪断側側面270dの面積の20、30、40、50、60、70、80、90、および/または95%を超える面積、および/または
(5)ガイド側側面270eの面積の20、30、40、50、60、70、80、90、および/または95%を超える面積
を取り囲む。穿孔チップ300は、穿孔チップがこれらの表面270a~270eを部分的にしか取り囲んでいない実施形態においても、ノーズ部270の様々な表面270a~270eを保護することができる。
【0087】
割出し可能な穿孔チップ300は、第1の穿孔エッジ300a(図3参照)と、第2の穿孔エッジ300b(図3参照)と、第1の剪断エッジ300c(図1参照)と、第2の剪断エッジ300d(図3参照)とを含む。割出し可能な穿孔チップ300は、選択的に第1の動作位置(図1および図3を参照)においてノーズ部270に取り付け可能である。この第1の動作位置においては、(1)第1の穿孔エッジ300aは露出して穿孔用途に供され、(2)第1の剪断エッジ300cは、剪断機100が閉じたときに剪断エッジ180aと剪断可能に噛み合うように、剪断用途に供され、(3)第2の穿孔エッジ300bおよび第2の剪断エッジ300dは収容/非露出位置にある。露出した第1の穿孔エッジ300aおよび/または第1の剪断エッジ300cが鈍化または摩耗すると、穿孔チップ300は第2の動作位置に割り出され、使用中の各エッジに代えて第2の穿孔エッジ300bおよび第2の剪断エッジ300dを用に供してもよい。穿孔チップ300の第2の動作位置では、(1)第2の穿孔エッジ300bは露出して穿孔用途に供され、(2)第2の剪断エッジ300dは、剪断機100が閉じたときに剪断エッジ180aと剪断可能に噛み合うように、剪断用途に供され、(3)第1の穿孔エッジ300aおよび第1の剪断エッジ300cが収容/非露出位置にある。割出し可能な穿孔チップ300は、穿孔チップ300が第1または第2の動作位置にあるときに、ノーズ部270の上面270a、下面270b、前面270c、および対向する2つの側面270d、270eを取り囲み、保護する。
【0088】
様々な実施形態によれば、穿孔チップ300の第2の動作位置は、割出し可能な穿孔チップ300が第1の動作位置に対して、例えば軸280を中心に180°回転した位置である。図3に示すように、様々な実施形態によれば、穿孔チップ300は枢動軸280を中心に180°回転対称である。
【0089】
様々な実施形態によれば、穿孔チップ300は、追加的および/または代替的に、軸280を含みかつ軸145に平行な平面について鏡像対称であってもよい(例えば、金属体310、320の上半分が金属体310、320の下半分の鏡像である場合)。様々な実施形態によれば、穿孔チップ300は、追加的および/または代替的に、軸280を含みかつ軸145に垂直な平面について鏡像対称であってもよい(例えば、金属体310、320が互いに鏡像である場合)。用語「鏡像対称」が本明細書で使用されるとき、構造体(例えば、金属体310、320)は、当該構造体内のボルト取付穴および/またはパターンが鏡像対称でなくても、鏡像対称とする。
【0090】
図1から図3に示すように、割出し可能な穿孔チップ300は、割出し可能な穿孔チップ300が第1の動作位置または第2の動作位置にあるときに、ノーズ部分270を間に挟む第1および第2の金属体310、320から構成される。金属体310、320は、これら全体で、ノーズ部270が収まる中空部325(図2および図5参照)を画定する。様々な実施形態によれば、金属体310、320の間に形成された中空部325内にノーズ部270を位置決めするためには、金属体310、320を互いに向かって横方向に移動させなければならない。このように、いくつかの実施形態では、穿孔チップ300をノーズ部270から取り外すために、金属体310、320を互いに横方向に離間させなければならない。穿孔チップ300の第1および第2の動作位置の間での切り替えは、第1および第2の金属体310,320の相対位置を入れ替えることによってなし得る。この操作は、各金属体を軸280を中心に180°回転させ、金属体310,320をそれぞれジョー110の横方向反対側に入れ替えることを含む。
【0091】
図示された剪断機100において、第1の金属体310は第2の金属体320と同じ形状を有しており、第1の金属体310および第2の金属体320に単一のSKU/部品番号が使用できるようになっている。金属体310、320を同時に交換することが想定されるが(例えば、穿孔エッジおよび剪断エッジの両方の組が鈍化または摩耗したとき)、金属体310、320は1つずつ交換してもよく、その場合、単一の予備の金属体が金属体310、320のいずれかの代わりに使用され得る。
【0092】
図5から図9に示すように、金属体310,320はそれぞれ、金属体310,320の対向する端部に配置された穿孔エッジ部330,340と、剪断エッジ350と、ガイド側エッジ360と、外側側面370と、内側側面375と、凹設内側側面378(図5,7参照)と、後面380と、前面390(図6参照)と、前面390から後面380までの間に延びる中間面400,410と、を有する。図6から図8に示すように、穿孔エッジ部330、340はそれぞれ前面390と中間面400、410との交差部に形成されている。図8から図9に示すように、剪断エッジ部350は、外側側面370と中間面400との交差部に形成されている。図6に示すように、ガイド側エッジ360は、外側側面370と中間面410との交差部に形成されている。
【0093】
図3に示すように、穿孔チップ300が第1の動作位置にあるとき、金属体310,320のうちの一方の穿孔エッジ部330と金属体310,320のうちの他方の穿孔エッジ部340とが結合して、穿孔チップ300の穿孔エッジ300aを画定する。図3に示すように、穿孔エッジ300aは上部ジョー110の前部ノーズの横方向の幅全体に延在し、剪断機100が閉じたときに穿孔機能を果たすようになっている。同様に、穿孔チップ300が第1の動作位置にあるとき、金属体310,320のうちの一方の穿孔エッジ部340と金属体310,320のうちの他方の穿孔エッジ部330とが結合して、穿孔チップ300の穿孔エッジ300bを画定する。穿孔チップ300が第2の動作位置にあるとき、穿孔エッジ300bは上部ジョー110の前部ノーズの横方向の幅全体に延在し、剪断機100が閉じたときに穿孔機能を果たすようになっている。
【0094】
穿孔チップ300が第1の動作位置にあるとき、金属体310,320のうちの一方の剪断エッジ350が、穿孔チップ300の剪断エッジ300cを画定する。穿孔チップ300が第2の動作位置にあるとき、金属体310,320のうちの他方の剪断エッジ350が、穿孔チップ300の剪断エッジ300cを画定する。剪断エッジ300cは、剪断機100が閉じると下部ジョー130の剪断エッジ180aと剪断可能に噛み合う。
【0095】
図1および図9に示すように、金属体310,320の後面380は、平面部380aを含む。図1に示すように、穿孔チップ300が第1の動作位置にあるとき、金属体310,320のうちの一方の平面部380aが、上部ブレード250の平面状の端部に対面する。同様に、穿孔チップ300が第2の動作位置にあるとき、金属体310,320のうちの他方の平面部380aが、上部ブレード250の平面状の端部に対面する。図示された実施形態では、平面部380aと上部ブレード250の平面状前端部との間に(例えば、公差を調節するために)隙間が形成されており、穿孔チップ300が第1または第2の動作位置で上部ジョー本体230に取り付けられたときに、上部ブレード250に接触しないようになっている。しかしながら、別の実施形態によれば、穿孔チップ300は上部ブレード250に接触して、穿孔チップ300から上部ブレード250を介して上部ジョー本体230に応力/力を伝達するようになっている。
【0096】
図5および図9に示すように、後面380は、平面部380aから離れるにつれて後方に向かって湾曲している。様々な別の実施形態によれば、平面部380aは省略され、後面380全体が湾曲している。様々な実施形態によれば、図2から図4に示すように、金属体310、320の後面380は、対応する形状を有し前方を向いた上部ジョー本体230の着座面415、417に接触する。着座面415、417とノーズ部270の側面270d、270eとの間の交差部にそれぞれ逃がし凹部を形成し、それらの交差部における応力の蓄積を低減するようにしてもよい。
【0097】
別の実施形態によれば、金属体310、320の後面380は、着座面415、417、および上部ジョー本体230の他のどの部分にも接触しない。
【0098】
図3および図5から図9に示すように、金属体310,320の前面390は、互いに角度をもって接する3つの平面部によって形成される。しかしながら、別の実施形態によれば、前面390は湾曲した部分を含んでもよい。
【0099】
図5に示すように、内側側面375は、(1)内側側面375から横方向内向きに突出する上壁/底壁430、440、および(2)内側側面375から横方向内向きに突出する前壁450を画定するように、凹設面378から横方向内向きに突出する。壁部430、440、450は内面460、470、480を画定し、これらの内面は、金属体310、320が第1または第2の動作位置に配置されたときに、(例えば、接触しているか、または接触していないかにかかわらず)ノーズ部270の上面270a、下面270b、および前面270cの一部に対面しこれらを取り囲む。
【0100】
金属体310、320の表面378、460、470、480が結合して、穿孔チップ300によって形成される中空部325を画定する。中空部325はノーズ部270の形状を有してもよく、これにより穿孔チップ300が第1または第2の動作位置にあるときに、ノーズ部270が中空部325内に密着して嵌合する。穿孔チップ300と同様に、中空部325は、軸280(図3に示す)を中心に180°回転対称であってもよい。
【0101】
穿孔チップ300が第1の動作位置(図2から図3に示す)にあるとき、第1の穿孔チップ310の表面470および第2の穿孔チップ320の表面460は、ノーズ部270の上面270a上にある。この接触により、剪断機100が開動作を行うときに、穿孔チップ300がジョー本体230から下方に分離することを阻止する(これは例えば、材料が穿孔チップ300を下部ジョー120のブレード180、190の間にくさび留めすることで、摩擦によって、穿孔チップ300が上部ジョー本体230と共に上方に移動して剪断機100を開くことができなくなるような場合に有効である)。同様に、穿孔チップ300が第2の動作位置にあるとき、第1の穿孔チップ310の表面460および第2の穿孔チップ320の表面470はノーズ部270の上面270a上にあり、剪断機100の引き抜き/開動作の間、穿孔チップ300を上部ジョー本体230に固定しやすくする。穿孔チップ300とノーズ部270の上面270aとの間のこのような接触により、穿孔チップ300を上部ジョー本体230に固定するために必要な締結具(例えば、ボルト560)のサイズおよび/または数を減少させることができる。
【0102】
図2および図4に示すように、上部ジョー本体230は、穿孔チップ300がジョー本体230に取り付けられたときに穿孔チップ300の上部に対面する表面490を有する。ノーズ部270の上面270aと上部ジョー本体230の表面490との間の交差部に、逃がし凹部500または切り欠きを形成し、剪断機100の引き抜き/開動作時に上部ジョー本体230内の応力を低減するようにしてもよい。様々な実施形態によれば、穿孔チップ300が第1または第2の動作位置にあるとき、表面490は穿孔チップ300に接触しない。むしろ、穿孔チップ300と上部ジョー本体230の表面490との間に隙間が形成される。しかしながら、別の実施形態によれば、穿孔チップ300は、穿孔チップ300から表面490を介して上部ジョー本体230に穿孔/剪断力を伝達するように表面490に接触してもよい。
【0103】
図3に示すように、金属体310、320の前壁450は、これら全体で、ノーズ部分270の前面270cに対面しこれを取り囲む穿孔チップ300の前壁を画定する。同様に、穿孔チップ300が第1の動作位置にあるとき、第1の金属体310の壁部430および第2の金属体320の壁部440は、これら全体で、穿孔チップ300の底壁を画定し、ノーズ部270の下面270bに対面しこれを取り囲む。逆に、穿孔チップ300が第2の動作位置にあるとき、第1の金属体310の壁部440および第2の金属体320の壁部430は、これら全体で、穿孔チップ300の底壁を画定し、ノーズ部270の下面270bに対面しこれを取り囲む。
【0104】
穿孔チップ300が第1の動作位置にあるとき、金属体310,320のうちの一方の内面378は、側面270dに対面しこれを取り囲み、一方、金属体310,320のうちの他方の内面378は、側面270eに対面しこれを取り囲む。逆に、穿孔チップ300が第2の動作位置にあるとき、金属体310,320のうちの他方の内面378は、側面270dに対面しこれを取り囲み、一方、金属体310,320のうちの一方の内面378は、側面270eに対面しこれを取り囲む。
【0105】
図5から図6および図9に示すように、金属体310、320はそれぞれ、表面370から表面378に延び、ボルトヘッドを収容するための凹設ショルダーを含む、複数の横方向に延びる貫通孔520を含む。金属体310、320はまた、表面370から表面378に延び、ネジ筋を有する、複数の横方向に延びる貫通孔530を含む。図4に示すように、ノーズ部270は、一組の横方向に延びる貫通孔540を含む。穿孔チップ300が第1または第2の動作位置にあるとき、金属体310、320のうちの一方の穴520は、それぞれノーズ部270の対応する穴540、および金属体310、320のうちの他方の対応するネジ穴530と同軸に整列しており、対応するボルト560(図2から図3参照)が穴520、540を貫通してネジ穴530に螺入されて、金属体310、320をノーズ部270に固定する。
【0106】
図示された実施形態では、ボルト560は、上部ジョー本体230のノーズ部270の穴を通って延びる。しかしながら、別の実施形態によれば、穴520,530は、ノーズ部270を避けるように配置されてもよい(例えば、図29から図30に示すように)。例えば、穴520、530は、壁部430、440、450のうちの1つ以上を介して、表面370から表面375まで延びてもよい。そのような別の実施形態では、金属体310、320は、互いに直接取り付けられ、その間にノーズ部270を挟み込み、ボルト560はノーズ部270を貫通しない。
【0107】
図示された剪断機100では、ネジ穴530は貫通孔である。しかしながら、別の実施形態によれば、ネジ穴530は、表面370まで到達しない止まり穴であってもよい。
【0108】
(例えば、露出した剪断エッジ300cおよび/または穿孔エッジ300aが鈍化または摩耗したときに)穿孔チップ300を割出しするために、ボルト560を取り外し、第1および第2の金属体310,320の相対位置を入れ替え、ボルト560を再度装着することにより、穿孔エッジ300bおよび剪断エッジ300dを露出させて使用することができる。
【0109】
穿孔チップ300を剪断機100の上部ジョー本体230に固定するためにボルト560が使用されるが、ボルト560を任意の他の適切な締結具(例えば、ウェッジブロック)に置き換えても、本発明の範囲から逸脱することはない。
【0110】
図示された実施形態では、ボルト560は金属体310、320のネジ穴に螺入される。あるいは、ネジ穴530は穴520のような凹設ショルダー付き貫通孔に置き換えられてもよく、その場合、ナットおよびボルトを用いて穿孔チップをノーズ部に固定してもよい。凹設ショルダーは、ナットおよびボルトが穿孔チップの外側側面に対して凹設された位置に留まることを確実にし、下部ジョー130の相手側ブレード180、190に対する穿孔チップの剪断/摺動運動を妨げないようになっている。
【0111】
様々な別の実施形態によれば、ノーズ部270はネジ穴を含み、金属体は、互いにではなく、ノーズ部270に直接ボルトで固定される。そのような実施形態では、金属体310,320の一方は、金属体310,320の他方をノーズ部270から取り外すことなく、取り外しおよび交換が可能となる。
【0112】
図10から図13は別の剪断機1000を示す。剪断機1000は、剪断機1000の穿孔チップ1030の第1及び第2の金属体1010,1020が、剪断機100の穿孔チップ300の金属体310,320とは異なる形状であることを除いて、剪断機1000と同一である。したがって、同様の特徴や構造についての不必要な説明は省略する。金属体1010,1020は、これら全体で、金属体310,320と同一または実質的に同一の形状を有しているので、穿孔チップ1030を穿孔チップ300と同様に割出し可能である。穿孔チップ300の金属体310、320と異なる点は、穿孔チップ1030の金属体1010、1020が、同一の形状を有していないことである。むしろ、図10を参照すると、第1の金属体1010は、穿孔チップ1030の
i)第1の穿孔エッジ300a’の全体と、
ii)第2の穿孔エッジ300b’の全体と、
iii)第1の剪断エッジ300c’の全体と、
iiii)第2の剪断エッジ300d’の全体と、
v)上壁/底壁1040、1050の全体(なお、上壁/底壁1040、1050は、それぞれノーズ部270の上面270aと下面270bとに対面しこれらを取り囲む)と、
を画定する。逆に、第2の金属体1020は、ノーズ部270の前面270cに対面しこれを取り囲む前壁1060の全体を画定する。
【0113】
図14から図17は別の剪断機1100を示す。剪断機1100は、剪断機1100の穿孔チップ1130の第1及び第2の金属体1110,1120が、剪断機100の穿孔チップ300の金属体310,320とは異なる形状であることを除いて、剪断機100と同一である。したがって、同様の特徴や構造についての不必要な説明は省略する。金属体1110,1120は、これら全体で、金属体310,320と同一または実質的に同一の形状を有しているので、穿孔チップ1130を穿孔チップ300と同様に割出し可能であるが、金属体1110、1120は金属体310、320にある前壁450がない点で異なっている。したがって、剪断機1100では、ノーズ部270の前面270cが露出しており、穿孔チップ1130によって取り囲まれていない。
【0114】
図18から図21は、別の剪断機1200を示す。剪断機1200は剪断機100と類似しているが、剪断機1200の穿孔チップ1230が、穿孔チップ300の2つの金属体310、320ではなく、3つの金属体1210、1220、1240を含む点で異なっている。第1および第2の金属体1210,1220は、第1および第2の金属体310,320と類似しているが、第1および第2の金属体1210,1220には第1および第2の金属体310,320の前壁450がなく、代わりに、第3の金属体1240の側縁部の形状に対応する溝1210a,1220aを含む点で異なっている。
【0115】
穿孔チップ1230を上部ジョー本体230に取り付けるためには、第3の金属体1240をノーズ部270の前面270cの前方の所定の位置に保持しながら、第3の金属体1240の側縁部が溝1210a、1220aに係合するように、第1および第2の金属体をノーズ部270の両側に向かって横方向に移動する。次いで、ボルト560を挿入して締め付けることにより、第1および第2の金属体1210,1220を所定の位置に固定し、その間に第3の金属体1240を挟み込む。そうすると、第3の金属体1240が所定の位置に保持され、ノーズ部270の前面270cを保護し取り囲むようになる。
【0116】
図22から図28は別の剪断機1300を示す。剪断機1300は、剪断機1300の穿孔チップ1330の第1及び第2の金属体1310,1320が、剪断機100の穿孔チップ300の金属体310,320とは異なる形状であることを除いて、剪断機100と同一である。したがって、同様の特徴や構造についての不必要な説明は省略する。金属体1310,1320は、これら全体で、金属体310,320と同一または実質的に同一の形状を有しているので、穿孔チップ1330を穿孔チップ300と同様に割出し可能である。金属体310,320と同様に、金属体1310,1320は、互いに同一の形状をしている。しかしながら、金属体1310、1320が形成する穿孔チップ1330の部分は、金属体310、320が形成する穿孔チップ300の部分とは異なる。図22に示すように、金属体1310、1320はそれぞれ、穿孔チップ1330の穿孔エッジ1330a、1330bのうちの一方の全体、剪断エッジ1330c、1330dのうちの一方の全体、およびガイド側エッジ1330e、1330fのうちの一方の全体を形成している。図22に示すように、金属体1310、1320はそれぞれ、穿孔チップ1330の前面1330gの一部を形成する。図22に示すように、金属体1310、1320はそれぞれ、穿孔チップ1330の外側側面1330h、1330iの一部を形成する。図22から図28に示すように、金属体1310、1320はそれぞれ、穿孔チップ1330の上面/下面1330j、1330kのうちの一方の全体を形成する。
【0117】
図29から図30は、上部ジョー110の代わりに剪断機100で使用され得る代替的な上部ジョー1400を示す。上部ジョー1400は、上部ジョー110と類似している。したがって、同様の特徴や構造についての不必要な説明は省略する。上部ジョー1400における上部ジョー110との主な差異は、上部ジョー1400のボルト560が、上部ジョー1400の上部ジョー本体1420のノーズ部1410を通過しないという点である。むしろ、第1および第2の金属本体1450、1460の凹設ショルダー付き貫通孔1430およびネジ穴1440は、ノーズ部1410(または上部ジョー本体1420の他の任意の部分)と同軸に整列しないように、金属体1450、1460上でより遠位に配置されている。図30に示すように、穴1430、14440の内側側端部には、ボス/ブッシュ1480を収容する凹設ショルダー付き/拡大直径部1470を含んでもよい。ボルト560は、穿孔チップ1490が第1または第2の動作位置で上部ジョー本体1420に装着されるときに、ボス/ブッシュ1480を貫通して延びる。ボス/ブッシュ1480は、金属体1450、1460を互いに固定する機能を有し、金属体1450、1460の一方が他方の金属体1450、1460に対して相対的に移動するのを阻止する(例えば、金属体1450、1460の間の平面的な交差部に沿って形成された潜在的な摺動面に沿う移動を阻止する)。
【0118】
このようなボス/ブッシュは、ジョー1400に関して図示されているが、同様のボス、ブッシュ、またはダボが、第1および第2の金属体を互いにまたはノーズ部に固定するために、他のどのような実施形態においても使用され得ることが理解されるべきである。追加的に、および/または代替的に、本明細書に記載されたいずれかの組の金属体の合わせ面は、金属体が互いに取り付けられたときに金属体間の相対的な移動を阻止する合わせ面の機能(例えば、一方の金属体上の(一又は複数の)突起が他方の金属体の凹部と嵌合する)を有していてもよい。
【0119】
図31から図34は、穿孔チップ300の代わりに剪断機100で使用され得る代替的な穿孔チップ1500を示す。穿孔チップ1500は、剪断機1000の穿孔チップ1500の第1及び第2の金属体1510,1520が、穿孔チップ300の金属体310,320とは異なる形状であることを除いて、穿孔チップ300と同一である。したがって、同様の特徴や構造についての不必要な説明は省略する。金属体1510,1520は、これら全体で、金属体310,320と同一または実質的に同一の形状を有しているので、穿孔チップ1500を穿孔チップ300と同様に割出し可能である。穿孔チップ300の金属体310、320と異なる点は、穿孔チップ1500の金属体1510、1520が、同一の形状を有していないことである。むしろ、第1の金属体1510は、穿孔チップ1500の
i)第1の穿孔エッジ300a’’の全体(図31および図33参照)と、
ii)第2の穿孔エッジ300b’’の全体(図33および図34参照)と、
iii)第1の剪断エッジ300c’’の全体(図31参照)と、
iiii)第2の剪断エッジ300d’’の全体(図34参照)と、
v)上壁/底壁1540、1550の全体(図34参照)(なお、上壁/底壁1540、1550は、それぞれノーズ部270の上面270aと下面270bとに対面しこれらを取り囲む)と、
vi)前壁1560の全体(なお、前壁1560はノーズ部270の前面270cに対面しこれを取り囲む)と、
を画定する。逆に、第2の金属体1520は、穿孔チップ1500が第1の動作位置にあるときにはノーズ部の一方の側面270eに対面しこれを取り囲み、穿孔チップ1500が第2の動作位置にあるときには他方の側面270dに対面しこれを取り囲む。
【0120】
図35から図37は、別の実施形態に係る剪断機1600を示す。以下で説明する事項を除いて、剪断機1600は、剪断機100と同一(または実質的に類似)であるので、共通の特徴および構造の不必要な説明は省略する。剪断機1600は、剪断機1600の上部ジョー1610の側部1610aが剪断機100におけるよりも前方に突出している点で剪断機100と異なる。左側の側部1610aは右側の側部1610aと同一である(すなわち、右側の側部1610aの側方鏡像である)ため、右側の側部1610aのみが図35に示されている。逆に、剪断機1600の穿孔チップの金属体1620は、金属体1620がその後方中央部分に拡大された切欠き1620aを含む点で、剪断機100の金属体310,320とは異なる。これらの切欠き1620aは、上部ジョー1610の側部1610aの表面を収容するとともに、その形状と非常に類似した形状を有する。様々な非限定的な実施形態によれば、側部1610aを備えることにより、上部ジョー1610のノーズ部を強化し、延いては、ブレード1630および/または穿孔チップの金属体1620から上部ジョー1610に伝達される力を吸収する上部ジョー1610の能力を向上させることができる。切欠き1620aおよび側部1610aの特定の形状およびサイズは、剪断機1600の稼動中にブレード1620,1630から上部ジョー1610に伝達される力を吸収する上部ジョー1610の能力を向上させるために選択されてもよい。様々な実施形態によれば、側部1610aの前方表面および切欠き1620aの後方表面は相補的であり、互いにわずかに間隔をあけており、および/または一又は複数の直線/平面部分、一又は複数の湾曲部分、および/または直線部分と湾曲部分の組み合わせからなる。
【0121】
図示された実施形態では、図示された穿孔チップの第1および第2の本体は、金属体からなる。しかしながら、別の実施形態によれば、第1および第2の本体は、追加的および/または代替的に、他の材料(例えば、複合材料)で構成されてもよい。
【0122】
上記の例示的な各実施形態は、様々な実施形態の構造的および機能的な原理を示すために提示されたものであって、限定することを意図したものではない。むしろ、本発明の原理は、その任意および全ての変更、改変、および/または代替(例えば、以下の特許請求の範囲の趣旨および範囲内にある任意の改変)を含むことを意図している。
図1
図2
図3
図4
図5
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図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
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図21
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図29
図30
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図32
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図35
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図37