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特許7225334導水パネルを有する天井及びその設置方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-02-10
(45)【発行日】2023-02-20
(54)【発明の名称】導水パネルを有する天井及びその設置方法
(51)【国際特許分類】
   E04B 9/00 20060101AFI20230213BHJP
   E04B 9/04 20060101ALI20230213BHJP
   E04B 1/68 20060101ALI20230213BHJP
【FI】
E04B9/00 C
E04B9/04 G
E04B1/68 Z
【請求項の数】 2
(21)【出願番号】P 2021135192
(22)【出願日】2021-08-20
【審査請求日】2021-12-24
(73)【特許権者】
【識別番号】519040407
【氏名又は名称】株式会社小出製作所
(74)【代理人】
【識別番号】110000431
【氏名又は名称】弁理士法人高橋特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】小出 恭一
【審査官】山口 敦司
(56)【参考文献】
【文献】実開昭61-047315(JP,U)
【文献】特開2009-264071(JP,A)
【文献】実公昭41-023405(JP,Y1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E04B 9/00
E04B 9/04
E04B 1/68
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
導水パネルと、隣接する導水パネル間の隙間を被覆する仕舞パネルを有し、
導水パネルはその接続方向両縁部に隣接するパネルと係合し且つ樋の側壁として機能するリブを有し、
仕舞パネルには導水パネルのリブと係合するリブと、樋側壁として機能するリブを有し、
隣接する導水パネル間の隙間に仕舞パネルを支持する機構を有し、
導水パネルの接続方向両縁部に設けられたリブは、
導水パネルの平板部から上方に垂直方向に立ち上がる第1垂直部と、
第1垂直部から直角に折れ曲がり且つ仕舞パネルから離隔する側に水平に延在する第1水平部と、
第1水平部から直角に立ち上がり上方に延在する第2垂直部と、
第2垂直部から直角に折れ曲がり且つ仕舞パネルに近接する側に水平に延在する第2水平部と、
第2水平部から直角に下方に延在する第3垂直部を有し、
第2水平部は第1水平部より長いことを特徴とする天井。
【請求項2】
導水パネルと、隣接する導水パネル間の隙間を被覆する仕舞パネルを有し、
導水パネルはその接続方向両縁部に隣接するパネルと係合し且つ樋の側壁として機能するリブを有し、
仕舞パネルには導水パネルのリブと係合するリブと、樋側壁として機能するリブを有し、
隣接する導水パネル間の隙間に仕舞パネルを支持する機構を有し、
前記導水パネルは、その接続方向の何れか一方の縁部に設けられたリブは、
導水パネルの平板部から上方に垂直方向に立ち上がる第1垂直部と、
第1垂直部から直角に折れ曲がり且つ仕舞パネルから離隔する側に水平に延在する第1水平部と、
第1水平部から直角に立ち上がり上方に延在する第2垂直部と、
第2垂直部から直角に折れ曲がり且つ仕舞パネルに近接する側に水平に延在する第2水平部と、
第2水平部から直角に下方に延在する第3垂直部を有し、
第2水平部は第1水平部より長く、
導水パネルの接続方向の他方の縁部に設けられたリブは、
導水パネルの平板部から上方に垂直方向に立ち上がる第1垂直部と、
第1垂直部から直角に折れ曲がり且つ仕舞パネルに近接する側に水平に延在する第2水平部と、
第2水平部から直角に立ち上がり上方に延在する第2垂直部を有し、
第1垂直部は第2垂直部よりも長いことを特徴とする天井。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、漏水防止用の導水パネルを有する天井と、その設置方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、駅のコンコース等の公共施設の天井については、平板状の折板を貼って天井パネルを形成している。
しかし平板状のパネルでは、樋の様に他の箇所に水を流す機能はないので、雨水は他の部分には流れず、平板状のパネルの部分にとどまり、やがて当該パネルを透過して下方に落下(漏水)する場合がある。
それに対して、図5で示す導水パネル11を有する天井20では、複数の導水パネル11を左右方向に連続して設置する。図5では3枚の導水パネル11を示す。
図5の導水パネル11の左右両縁部には、立ち上がり部TL、TR(或いはリブ)が設けられている。
【0003】
図5の導水パネル11では、左右両縁部の立ち上がり部TL、TRにより、パネル11の平板な領域から立ち上がり部TL、TRの垂直方向に延在する部分(リブTL、TRが水平部分へ折れ曲がるまで垂直方向に延在する部分:高さ寸法は例えば60mm)が樋の側壁と同様に作用する。そして、導水パネル11は、図5の看者側(手前側)から奥に向かう方向或いはその逆方向の何れかの方向について傾斜しており、所謂「水勾配」が設けられている。そのため、導水パネル11上を水が流れて、図5の手前側或いは奥側の何れかに移動して、所定の排水設備(図示せず)に送られる。従って、水は導水パネル11の平板部(平板状の部分)に溜まることがなく、導水パネル11を透過して、下方に漏れ出ることはない。
換言すると、立ち上がり部TR、TLを有する導水パネル11全体の断面形状は、樋の様な形状(上面が開放したコ字状)である。そのため、導水パネル11に雨水等が溜まったとしても、導水パネル11の下方に透過する前に他の箇所に流れて移動する。そのため、雨水が導水パネル11の下方に落下せず、下方に漏れ出ない。
この様に、天井20を構成するパネル(導水パネル)が樋と同様な作用を奏し、雨水を他所に流す様な天井が、いわゆる「導水天井」である。
【0004】
ここで、図5に示す導水パネル11の右側縁部の立ち上がり部TRは、図6で示す様に、導水パネル11の平板部(図6では明示せず)から上方に垂直方向に立ち上がる第1垂直部TRaと、第1垂直部TRaから直角に折れ曲がり且つ(図6の)左方向に水平に延在する第1水平部TRbと、第1水平部TRbから直角に立ち上がり上方に延在する第2垂直部TRcと、第2垂直部TRcから直角に折れ曲がり且つ(図6の)右方向に水平に延在する第2水平部TRdと、第2水平部TRdから直角に下方に延在する第3垂直部TReを有しており、第2水平部TRdは第1水平部TRbより長く設定されている。
また、導水パネル11の左側縁部の立ち上がり部TLは、図7で示す様に、導水パネル11の平板部から上方に垂直方向に立ち上がる第1垂直部TLaと、第1垂直部TLaから直角に折れ曲がり且つ(図7の)左方向に水平に延在する第1水平部TLbと、第1水平部TLbから直角に立ち上がり上方に延在する第2垂直部TLcを有し、第1垂直部TLaは第2垂直部TLcよりも長く設定されている。
図5で示す様に左右方向に隣接する導水パネル11を連続して設置するに際して、導水パネル11の右側縁部の立ち上がり部TRと導水パネル11の左側縁部の立ち上がり部TLとを係合して、隣接する両導水パネル11を接続する。
【0005】
そのため、図5で示す様に、導水パネル11を接続して天井20を組み立てるためには、図5図8図9の左右何れか一方の端部から他端部に向けて、立ち上がり部TR(リブ)と立ち上がり部TL(リブ)とが接合する態様で、図5図8図9における左右何れか一方向に導水パネル11を接続していた。そして、図5図8図9における左右何れか一方向に導水パネル11を接続しているため、導水パネル11の設置作業に長時間が必要になる。
これに対して、導水パネルの設置作業時間を短縮するために、天井の両端部から反対側の端部に向かって、図8図9の場合には天井の図示しない左右両端から反対側端部に向かって取り付けることが考えられる。すなわち、導水パネルを図8図9の右から左に向かって接合する作業と、左から右に向かって接合する作業を同時進行で行うことが考えられる。例えば図8において、導水パネル11Rは、天井20の右側端部(図示せず)から矢印A1で示す方向(図8の右から左に向かう方向)に順番に取り付けられた、最も左側のパネルである。一方、導水パネル11Lは、天井20の左側端部(図示せず)から矢印A2で示す方向(図8の左から右に向かう方向)に順番に取り付けられて、最も右側のパネルである。
【0006】
しかし、図8図9で示す様に、導水パネルを右から左に向かって接合する作業と、左から右に向かって接合する作業を同時進行で行ってしまうと(左右双方から行うと)、左右方向中央部に隙間Sが出来てしまう。図8図9で示す隙間Sを覆うため、パネル11Lとパネル11Rに新たに導水パネル11(図8図9では図示せず)を接続しようとしても、新たな導水パネル11の左右両縁部に突設されているリブTR、TL或いはTLRが、隙間Sの両隣の導水パネル11L、11Rの縁部に位置するリブTR、TLの何れかと干渉するので、隙間Sに新たな導水パネル11を設置することは出来ない。
また、図9で示す場合には、隙間Sの右隣の導水パネル11RのリブTLと左隣の導水パネル11LのリブTRとは別形状である。しかし、図8で示す場合には、隙間Sの右隣の導水パネル11RのリブTLRと左隣の導水パネル11LのリブTRとは左右対称である(同一形状である)。従って、図8で示す場合には、導水パネル11の左右のリブを隣接するパネルのリブと係合することが不可能であり、そのため、隙間Sの右隣の導水パネル11Rと隙間Sの左隣の導水パネル11Lと接続することが出来ない。
【0007】
上述した理由から図8図9で示す様な中央の隙間Sを止水パネル11で被覆することが出来ないため、従来技術では、リブが突設されていない平板状のパネルにより隙間Sを取り付けるしかなかった。しかし、リブが突設されていない平板状のパネルは「樋」として機能するのに必要な側壁部(リブの立ち上がり部)が両縁部に設けられていないので、雨水を特定の方向に誘導する機能を発揮することが出来ない。そのため、雨水が滞留して、当該平板状のパネルを透過して漏水する恐れが存在する。
【0008】
さらに、ダウンライト、スピーカー、その他の機器の取付用の孔が導水パネルに形成されている場合において、天井のレイアウト変更に伴い、ダウンライトやスピーカー等の機器の(天井における)位置を変えるためには、機器のみならず、取付用の孔が形成されている導水パネルも変更する必要がある。
しかし、図8図9を参照して説明した様に、従来、導水パネル11は天井の端部(図8図9では左右の何れか一方の端部:図示せず)から導水パネルを取り付けることが出来ず、それと同様な理由から、特定の導水パネル11を交換のために取り外す場合にも、天井の何れかの端部(図8図9では左右の何れか一方の端部:図示せず)から他端部に向けて、導水パネル11を順番に取り外し、変更を要する導水パネル11に至る全ての導水パネル11を外す必要があった。
すなわち、導水パネル11は、取り付ける際も、パネルの交換のため取り外す際にも、図8図9における左端部或いは右端部の何れか一方から、隣接するパネル11に一枚ずつ取り付け、或いは、一枚ずつ取り外していく必要があった。そのため、天井に設けられた機器(ダウンライト、スピーカー、その他の機器)の交換にも、多大な労力を要してしまうという問題が存在する。
【0009】
その他の従来技術として、天井のコンクリート壁に樋状の導水パネルを取り付ける技術が提案されている(例えば特許文献1)。
しかし、係る技術(特許文献1)では、上述した様な問題、すなわち天井の両端部から他端部に他端に向けて導水パネルを同時に取り付けると、最後に形成される中央の隙間に導水パネルを配置できないという問題や、或いは、導水パネルの取り付け及び/又は取り外しに多大な労力が必要になるという問題の解決は意図していない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【文献】特開2004-176520号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明は上述した従来技術の問題点に鑑みて提案されたものであり、天井の両側から導水パネルを設置しても、天井の全域に亘って樋としての機能を有するパネルが設置され、雨水等が漏水しない様な天井と、その様な天井の設置方法の提供を目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明の導水パネル(1)を有する天井(10、10-1)は、
導水パネル(1、1-1)と、隣接する導水パネル(1)間の隙間(S)を被覆する仕舞パネル(2、2-1)を有し、
導水パネル(1、1-1)はその接続方向(図示の左右方向)両縁部に隣接するパネルと係合し且つ樋の側壁として機能するリブ(P:立ち上がり部)を有し、
仕舞パネル(2、2-1)には導水パネル(1、1-1)のリブ(P)と係合するリブ(Q:接続用リブ)と、樋側壁として機能するリブ(V:L字状リブ)を有し、
隣接する導水パネル(1、1-1)間の隙間(S)に仕舞パネル(2、2-1)を支持する機構(爪状金具3、導水パネル支持用根太4、大引き5)を有し、
導水パネル(1R、1L)の接続方向(図示の左右方向)の両縁部に設けられたリブ(P1、P2)は、
導水パネル(1R、1L)の平板部から上方に垂直方向に立ち上がる第1垂直部(P1a)と、
第1垂直部(P1a)から直角に折れ曲がり且つ仕舞パネル(2)から離隔する側に水平に延在する第1水平部(P1b)と、
第1水平部(P1b)から直角に立ち上がり上方に延在する第2垂直部(P1c)と、
第2垂直部(P1c)から直角に折れ曲がり且つ仕舞パネル(2)に近接する側に水平に延在する第2水平部(P1d)と、
第2水平部(P1d)から直角に下方に延在する第3垂直部(P1e)を有し、
第2水平部(P1d)は第1水平部(P1b)より長いことを特徴としている。
【0014】
或いは、本発明の導水パネル(1)を有する天井(10、10-1)は、
導水パネル(1、1-1)と、隣接する導水パネル(1)間の隙間(S)を被覆する仕舞パネル(2、2-1)を有し、
導水パネル(1、1-1)はその接続方向(図示の左右方向)両縁部に隣接するパネルと係合し且つ樋の側壁として機能するリブ(P:立ち上がり部)を有し、
仕舞パネル(2、2-1)には導水パネル(1、1-1)のリブ(P)と係合するリブ(Q:接続用リブ)と、樋側壁として機能するリブ(V:L字状リブ)を有し、
隣接する導水パネル(1、1-1)間の隙間(S)に仕舞パネル(2、2-1)を支持する機構(爪状金具3、導水パネル支持用根太4、大引き5)を有し、
前記導水パネル(1-1)は、その接続方向(図示の左右方向)の何れか一方の縁部に設けられたリブ(P4)は、
導水パネル(1L-1)の平板部から上方に垂直方向に立ち上がる第1垂直部(P4a)と、
第1垂直部(P4a)から直角に折れ曲がり且つ仕舞パネル(2-1)から離隔する側に水平に延在する第1水平部(P4b)と、
第1水平部(P4b)から直角に立ち上がり上方に延在する第2垂直部(P4c)と、
第2垂直部(P4c)から直角に折れ曲がり且つ仕舞パネル(2-1)に近接する側に水平に延在する第2水平部(P4d)と、
第2水平部(P4d)から直角に下方に延在する第3垂直部(P4e)を有し、
第2水平部(P4d)は第1水平部(P4b)より長く、
導水パネル(1-1)の接続方向の他方の縁部に設けられたリブ(P3)は、
導水パネル(1R-1)の平板部から上方に垂直方向に立ち上がる第1垂直部(P3a)と、
第1垂直部(P3a)から直角に折れ曲がり且つ仕舞パネル(2-1)に近接する側に水平に延在する第1水平部(P3b)と、
第1水平部(P3b)から直角に立ち上がり上方に延在する第2垂直部(P3c)を有し、
第1垂直部(P3a)は第2垂直部(P3c)よりも長いことが好ましい。
この場合、前記左側縁部に設けられたリブ(P3)の第2垂直部(P3c)には水切(W)が被せられていることを特徴としている。
【0015】
本発明の天井(10、10-1)設置する方法は、
導水パネル接続方向の両縁部から(反対側縁部に向けて)導水パネル(1R、1L、1R-1、1L-1)を順次接続する工程と、
導水パネル接続方向の両縁部から(反対側縁部に向けて)順次接続された導水パネル(1R、1L、1R-1、1L-1)間の隙間(S)を仕舞パネル(2、2-1)で被覆し、仕舞パネル(2、2-1)を支持する機構(爪状金具3、導水パネル支持用根太4、大引き5)により仕舞パネル(2)を固定する工程を有している。
【0016】
前記仕舞パネル(2、2-1)には樋側壁として機能するL字状のリブ(V1、V2、V3、V4:L字状リブ)が形成されており、
仕舞パネル(2、2-1)を支持する機構は導水パネル支持用根太(4)を挟み込む爪状金具(3)を有し、
前記仕舞パネル(2、2-1)を固定する工程では、爪状金具(3)の先端をL字状のリブ(V1、V2、V3、V4)の水平方向に延在した部分の箇所に下方に挿入して、爪状部材(3)を介してL字状のリブ(V1、V2、V3、V4)と導水パネル支持用根太(4)を固定するのが好ましい。
【0017】
本発明の天井(10、10-1)から導水パネル(1、1-1)を除去する方法は、
仕舞パネル(2、2-1)を支持する機構により、導水パネル接続方向の両縁部から(反対側縁部に向けて)順次接続された導水パネル(1R、1L、1R-1、1L-1)間の隙間(S)を被覆している仕舞パネル(2、2-1)を取り外す工程と、
仕舞パネル(2、2-1)が取り外された隙間(S)であって、導水パネル接続方向の両縁部から順次接続された導水パネル(1R、1L、1R-1、1L-1)間の隙間(S)から、導水パネル接続方向の両縁部或いは何れかの縁部に向けて順次導水パネル(1R、1L、1R-1、1L-1)を取り外す工程を有している。
【0018】
前記仕舞パネル(2、2-1)には樋側壁として機能するL字状のリブ(V1、V2、V3、V4:L字状リブ)が形成されており、
仕舞パネル(2、2-1)を支持する機構は導水パネル支持用根太(4)を挟み込む爪状金具(3)を有し、
前記仕舞パネル(2、2-1)を除去する工程では、爪状金具(3)の先端をL字状のリブ(V1、V2、V3、V4)の水平方向に延在した部分(V1H、V2H、V3H、V4H)の箇所に下方から外して、爪状金具(3)を介してL字状のリブ(V1、V2、V3、V4)と導水パネル支持用根太(4)が固定されている状態を解除するのが好ましい。
【発明の効果】
【0019】
上述の構成を具備する本発明の導水パネル(1、1-1)を有する天井(10、10-1)によれば、隣接する導水パネル間の隙間(S)に仕舞パネル(2、2-1)を支持することが出来るので、導水パネル接続方向の両縁部)から、その反対側の縁部に向かって(図1の矢印A1、A2の両方向)(例えば図1では右から左に向かって、或いは、左から右に向かって)、順次、導水パネル(1、1-1)を接続して、最終的に導水パネル(1R、1L、1R-1、1L-1)の間に隙間(S)が形成されても、当該隙間(S)を仕舞パネル(2、2-1)で被覆し、仕舞パネル(2、2-1)を支持して固定することが出来る。
従来の導水パネルはその接続方向の一方からしか接続することが出来なかったが、本発明では導水パネル接続方向の両縁部(図1の矢印A1、A2の両方向)から反対方向に向かって順次導水パネル(1、1-1)を接続できるので、導水パネル接続の労力或いは時間を半減することが可能である。
【0020】
また、従来、特定の導水パネルを交換する場合にも、導水パネル接続方向の一方の縁部から、その反対側の縁部に向かって、交換するべきパネルに至るまで、全ての導水パネルを一度取り外さなければならなかった。
それに対して本発明によれば、仕舞パネル(2、2-1)を取り外し、仕舞パネル(2、2-1)が被覆していた隙間(S)から順次取り外すべき導水パネル(1、1-1)を取り外すことが出来るので、導水パネル接続方向の一方から全ての導水パネル(1、1-1)を取り外す必要が無く、その途中の隙間(S)からの導水パネルを取り外すのみで良いので、導水パネル交換の手間を削減できる。
【0021】
本発明で用いられる仕舞パネル(2、2-1)は、導水パネル(1R、1L、1R-1、1L-1)のリブ(P1~P4)と係合するリブ(Q1~Q4:接続用リブ)と、樋側壁として機能するリブ(V1、V2、V3、V4:L字状リブ)を有するので、止水機能を有する立ち上がり部或いは樋の側壁として機能するリブが、仕舞パネル(2、2-1)の導水パネル接続方向の両縁部(左右両縁部)に2箇所(右縁部は接続用リブQ1、Q3とL字状リブV1、V3、左縁部は接続用リブQ2、Q4とL字状リブV2、V4)形成されている。そのため、仕舞パネル(2、2-1)の止水性は極めて良好となり、溜まった水を水勾配に沿って他所に移動する樋としての機能を確実に発揮することが出来る。
【0022】
また、本発明で用いられる仕舞パネル(2、2-1)の、導水パネル(1R、1L、1R-1、1L-1)のリブ(P1~P4)と係合するリブ(Q1~Q4:接続用リブ)は、導水パネル(1R、1L、1R-1、1L-1)のリブ(P1~P4)の形状に対応して構成することが出来るので、導水パネル接続方向の両縁部(矢印A1、A2の両方向)から順次導水パネル(1R、1L、1R-1、1L-1)を接続し、最終的にどの様な導水パネル(1R、1L、1R-1、1L-1)の間に隙間(S)が形成されたとしても、仕舞パネル(2、2-1)により当該隙間(S)を被覆することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1】本発明の実施形態を示す図である。
図2】実施形態で用いられる爪状金具の説明図である。
図3】本発明の実施形態の変形例を示す図である。
図4】変形例で用いられる水切の作用を示す説明図である。
図5】導水パネルを示す説明図である。
図6図5の導水パネルにおけるリブの説明図である。
図7図5の導水パネルにおける図6とは異なるリブの説明図である。
図8】導水パネルを設置する方向の両側(図8の左右両側)から導水パネルを設置した場合に中央部に隙間が出来てしまうことを示す説明図であって、当該隙間の両隣の導水パネルのリブが左右対称の形状になっている場合を示す図である。
図9図8と同じく、導水パネルを設置する方向の両側(図9の左右両側)から導水パネルを設置した場合に中央部に隙間が出来てしまうことを示す説明図であって、当該隙間の両隣の導水パネルのリブが異なる形状になっている場合を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、添付図面を参照して、本発明の実施形態について説明する。
図示の実施形態においては、図1で示す様に、導水パネル1R、1L間の空隙S(図8参照)が仕舞パネル2で覆われており、仕舞パネル2が導水パネル1R、1Lと接続している。図3の変形例においても、導水パネル1R-1、1L-1間の空隙S(図8参照)が仕舞パネル2-1で覆われており、仕舞パネル2-1は導水パネル1R-1、1L-1と接続している。
図1において、天井10は、導水パネル1(1R、1L)と、隣接する導水パネル1R、1L間の隙間Sを被覆する仕舞パネル2を有している。ここで、導水パネル1R、1Lを包括的に符号1で示す場合がある。
導水パネル1Rは、図1の右側端部(図示せず)から矢印A1で示す方向(図1の右から左に向かう方向)に順番に取り付けられて、最も左側に位置している導水パネルである。一方、導水パネル1Lは、図1の左側端部(図示せず)から矢印A2で示す方向(図1の左から右に向かう方向)に順番に取り付けられて、最も右側に位置している導水パネルである。
導水パネル1RのリブP1、リブP2は図6を参照して説明したリブTRと同様であるが、図1におけるリブP1は図6のリブTRと左右対称である。そして図5図7で示す導水パネルと同様に、導水パネル1R、1Lのそれぞれに設けられたリブP1、P2は、導水パネル1R、1Lが樋として機能する際に、その側壁として機能する。
【0025】
矢印A1で示す方向に順番に取り付けられて、最も左側に位置している導水パネル1Rと、導水パネル1Rより右側に位置する図示しない導水パネル1(右方向に隣接する導水パネル)とは、縁部のリブを介して相互に接続されている。
右方向に隣接する導水パネルの左縁部には上述したリブP1(図6のリブTRに相当:以下同じ)が設けられており、右方向の導水パネルの右縁部にはリブP1と係合可能なリブ(図示せず:例えば、仕舞パネル2に形成された接続用リブQ1或いはそれと同様なリブ)が設けられている。
矢印A2で示す方向(図1の左から右に向かう方向)に順番に取り付けられて、最も右に位置している導水パネル1Lと、導水パネル1Lより左側に位置する図示しない導水パネル1(左方向に隣接する導水パネル)も、縁部のリブを介して相互に接続されている。左方向に隣接する導水パネルの右縁部には上述したリブP2が設けられており、左方向に隣接する導水パネルの左縁部にはリブP2と係合可能なリブ(図示せず:例えば、仕舞パネル2に形成された接続用リブQ2或いは同様なリブ)が設けられている。
【0026】
図1において、仕舞パネル2は、導水パネル1R、1Lとの接続方向(図1の左右方向)両縁部において接続用リブQ1、Q2が設けられており、接続用リブQ1は右側に隣接する導水パネル1RのリブP1と係合可能な形状であり、接続用リブQ2は左側に隣接する導水パネル1LのリブP2と係合可能な形状である。
接続用リブQ1、Q2は左右対称の形状となっており、共にL字の横棒が短い形状である。より詳細には、接続用リブQ1、Q2は、仕舞パネル2の平板部から上方に垂直に立ち上がる垂直部と、垂直部から直角に折れ曲がり且つ仕舞パネル2の左右方向中心に近接する側(隣接するパネルから離隔する側:接続用リブQ1であれば導水パネル1Rから離隔する側、接続用リブQ2であれば導水パネル1Lから離隔する側)に水平に延在する水平部から構成され、水平部の長さ寸法はリブP1、P2、V1、V2に比較して短い。
仕舞パネル2が導水パネル1R、1Lと接続するに際しては、仕舞パネル2の接続用リブQ1の短い横棒の部分(隣接するパネルから離隔する側に延在する水平部)は、導水パネル1RのリブP1の第2水平部TRd(図6参照)に当接する様に構成されている。同様に、仕舞パネル2の接続用リブQ2の短い横棒の部分(隣接するパネルから離隔する側に延在する水平部)は、導水パネル1LのリブP2の第2水平部TRd(図6参照)に当接する。
仕舞パネル2の、導水パネル1R、1LのリブP1、P2と係合するリブQ1、Q2は、導水パネル1R、1LのリブP1、P2の形状に対応して、その形状、寸法を変更することが出来る。そのため、導水パネル接続方向の両縁部から矢印A1、A2で示す方向に順次導水パネル1を接続して、最終的に導水パネル1R、1Lの間に隙間S(図8図9参照)が形成されたとしても、仕舞パネル2を導水パネル1R、1Lに接続し、以て、隙間Sを被覆することが出来る。
【0027】
図1で示す様に、仕舞パネル2において、接続用リブQ1より導水パネル1Rから離隔する側(図1の左側)の領域にはL字状リブV1が形成され、接続用リブQ2より導水パネル1Lから離隔する側(図1の右側)の領域にはL字状リブV2が形成されている。
L字状リブV1、V2は左右対称の形状であり、仕舞パネル2の平板部から上方に垂直に立ち上がる垂直部と、垂直部から直角に折れ曲がり且つ仕舞パネル2の左右方向中心に近接する側に水平に延在する水平部V1H、V2Hを有している。
L字状リブV1、V2は、仕舞パネル2において、樋の側壁としての作用効果も奏する。仕舞パネル2の平板部とL字状リブV1、V2により、断面がコ字状(上方が開放した四角形状)の区画(樋に相当する部分)が構成され、仕舞パネル2に雨水が流れ込んでも、当該区画(樋)により、水勾配の方向(図1の手前側或いは奥側)に水が移動する。
L字状リブV1、V2に加え、上述した接続用リブQ1、Q2も止水機能を有している。そのため、仕舞パネル2は導水パネル接続方向(図1の左右方向)両縁において、止水機能を有する立ち上がり部或いは樋の側壁として機能するリブを2箇所(右縁部は接続用リブQ1とL字状リブV1、左縁部は接続用リブQ2とL字状リブV2)形成されているので、仕舞パネル2の接続方向(図1では左右方向)両縁部における止水性は極めて良好であり、溜まった水を水勾配に沿って他所に移動する樋としての機能を確実に発揮することが出来る。
【0028】
図1において、仕舞パネル2には点検孔の部分6、ダウンライト取付用開口7、図示しないシャッター部、図示しないスピーカー設置部等の各種開口が形成されている。明確には示されていないが、これ等の開口の周囲部には所定高さ寸法の立ち上がり部が設けられているので、仕舞パネル2に溜まった水は当該立ち上がり部により開口に到達せず、仕舞パネル2に溜まった水が開口から落下することはない。
上述した点検孔用の開口6、ダウンライト取付用開口7、シャッター部用の開口、スピーカー設置部用の開口等は導水パネル1にも形成されており、導水パネル1においても開口の周囲部には所定高さ寸法の立ち上がり部が設けられており、開口から水が落下することを防止している。
図2は、導水パネル1R、1L間の隙間Sを仕舞パネル2で被覆する際に用いられる爪状金具3(仕舞パネル2を支持する機構の一部)を示す。
図2において爪状金具3は、2枚の板が接続された接続部3Aと、L字状先端部3Bを備えている。図2において、爪状金具3の2枚の板間3A(接続部)で導水パネル支持用根太4(図1)を挟み込み、且つ、L字状先端3Bを仕舞パネル2のL字状リブV1、V2の水平方向に延在した部分V1H、V2Hの下方に挿入されて、係合している。これにより、仕舞パネル2は爪状金具3を介して導水パネル支持用根太4に支持され、導水パネル1R、1L間の隙間S(図8参照)を閉塞した状態で固定、支持されて配置される。これにより、爪状金具3、導水パネル支持用根太4、大引き5は、導水パネル1R、1L間の隙間Sに仕舞パネル2を支持する。
図示の実施形態では、導水パネル支持用根太4は、支持金具8により大引き5に固定されており、大引き5は吊り下げ部材9により、図示しない天井10の構造材に支持されている。ただし、爪状金具3を介して仕舞パネル2を支持、固定する構造は、図1に示す構造に限定されない。
【0029】
次に図3を参照して、図1の実施形態の変形例を説明する。
図3において、天井10-1は、導水パネル1-1(1R-1、1L-1)と、隣接する導水パネル1R-1、1L-1間の隙間Sを被覆する仕舞パネル2-1を有している。ここで、導水パネル1R-1、1L-1を包括的に符号1-1で示す場合がある。
図3の変形例において、導水パネル1L-1の右縁部のリブP4は、図1の実施形態における導水パネル1Lの右縁部のリブP2と同様である。
【0030】
図3の変形例において、仕舞パネル2-1の左縁部の接続用リブQ4とL字状リブV4、右縁部のL字状リブV3については、それぞれ図1の仕舞パネル2の左縁部の接続用リブQ2とL字状リブV2、右縁部のL字状リブV1と同様である。
しかし、仕舞パネル2-1の右隣の導水パネル1R-1のリブP3は、図7で示すリブTLと同様であり、図1の実施形態におけるリブP1とは異なっている。そのため、リブP3と係合する仕舞パネル2-1の右縁部の接続用リブQ3の形状も図1の実施形態の対応する接続用リブQ1と異なっている。
【0031】
図3において、仕舞パネル2-1の右縁部の接続用リブQ3は、L字の横棒が短い形状である点では、図1の対応する接続用リブQ1或いは図3の左縁部の接続用リブQ4と同様である。
しかし、図4に示す様に、接続用リブQ3の短い横棒は導水パネル1R-1のリブP3の第1水平部P3b(図7の第1水平部TLbに対応する部分)と当接し、第1水平部P3bの導水パネル1R-1の平板部からの高さ寸法は、接続用リブQ1の短い横棒が当接するリブP1(図6のリブTRに相当)の第2水平部TRd(図6参照)の導水パネル1Lの平板部からの高さ寸法より短い。そのため、接続用リブQ3の高さ寸法は、接続用リブQ1の高さ寸法よりも短い。
そして、リブP1(図6のリブTRに相当)の第3垂直部TRe(図6参照)の様に下側に延在する部分は、図4で示すリブP3に形成されていないので、リブP3の上方から侵入した水が、接続用リブQ3の短い横棒とリブP3の第1水平部P3bとが当接している箇所を介して、導水パネル1R-1左縁部と仕舞パネル2-1右縁部との隙間S2から漏水する恐れがある。その様な漏水を防止するため、図3の変形例では、リブP3の第2垂直部P3cに水切Wが被せられている。
【0032】
図4において、導水パネル1R-1のリブP3の第2垂直部P3cに被せられている水切Wは、その断面形状は、図4における左右の長さが異なるコ字状(下方が開放した四角形状)となっている。そして、コ字状断面の長い方の部分W1が仕舞パネル2-1側、短い方の部分W2が導水パネル1R-1側に配置されており。長い方の部分W1の下端はリブP3の第1水平部P3bよりも下方まで延在している。
リブP3の上方から侵入した水は、水切Wが被せられており、部分W1が第1水平部P3bよりも下方まで延在しているため、接続用リブQ3の短い横棒とリブP3の第1水平部P3bとが当接している箇所には流れない。侵入した水は、水切Wの左方(仕舞パネル2-1側)か右方(導水パネル1R-1側)の何れかを流れる。水切Wの左方を流れる水は仕舞パネル2-1のL字状リブV3と接続用リブQ3の間に落下して(矢印C1)、水勾配に沿って流れる。一方、水切Wの右方を流れる水は、リブP3に沿って(矢印C2)、導水パネル1R-1に誘導され、水勾配に沿って移動する。従って、接続用リブQ3の短い横棒とリブP3の第1水平部P3bとが当接している箇所には水は侵入せず、導水パネル1R-1左縁部と仕舞パネル2-1右縁部との隙間から漏水することが防止される。
図3に示す導水パネル1-1の接続方向(図3の左右方向)両縁部に設けられたリブP3、P4の位置を、図3において左右逆にすることも可能である。係る場合には、仕舞パネル2-1のリブQ3、Q4も左右逆に配置される。
図3の変形例におけるその他の構成及び作用効果は、図1の実施形態と同様である。
【0033】
次に、図1図2の実施形態に係る天井10を設置する方法について説明する。
係る設置方法では、図1では図示しない右縁部から左縁部(図示せず)に向かって、導水パネル1(1R)を矢印A1方向(接続方向)に、順次接続する工程を実行する。それと共に、図1では図示しない左縁部から右縁部に向かって、導水パネル1(1L)を矢印A2方向(接続方向)に順次接続する工程を実行する。
上述した工程を行って、矢印A1方向の最も左側の導水パネル1Rと矢印A2方向の最も右側の導水パネル1L間の隙間S(図8図9参照)が生じたならば、隙間Sを仕舞パネル2で被覆する工程を実行する。
図1図2の実施形態に係る天井10を設置する方法によれば、天井10の右縁部から左縁部に向かって導水パネル1(1R)を矢印A1方向に順次接続する工程と、左縁部から右縁部に向かって導水パネル1(1L)を矢印A2方向に順次接続する工程を、同時に実行して、図8図9で示す隙間S(図8)が形成されても、隙間Sは仕舞パネル2で閉塞される。そのため、矢印A1方向及び矢印A2方向の双方(図1の右側からと左側からの双方)から導水パネル1を接続することが出来る。
そして、隙間Sを被覆した仕舞パネル2を、爪状金具3により支持して固定する。
そのため、従来の導水パネルによる天井の設置とは異なり、図示の実施形態では導水パネル接続方向の両縁部から反対側の縁部に向かって順次導水パネル1(1R、1L)を接続できるので、導水パネル接続の労力或いは時間を半減することが可能である。
【0034】
隙間Sを仕舞パネル2で閉塞するに際しては、図2に示す爪状金具3の板間3A(接続部)で導水パネル支持用根太4(図1)を挟み込み、L字状先端3Bを仕舞パネル2のL字状リブV1、V2の水平方向に延在した部分V1H、V2Hの下方に挿入して、係合させる(図1の右側の爪状金具3の状態)。
導水パネル支持用根太4は、支持金具8により大引き5に固定されており、大引き5は吊り下げ部材9により、図示しない天井10の構造材に支持されているので、爪状金具3により導水パネル支持用根太4に支持された仕舞パネル2は天井10の構造材(図示せず)に支持される。
図1図2の実施形態において天井10を設置する手順、方法は、図3図4の変形例についても同様である。
【0035】
図示の実施形態に係る天井10において、特定の導水パネル1を外したい場合には、先ず、仕舞パネル2を取り外す工程を実行する。
仕舞パネル2を取り外す工程では、L字状金具3のL字状先端3Bを、仕舞パネル2のL字状リブV1、V2の水平方向に延在した部分V1H、V2Hの下方から外す。そして、仕舞パネル2と天井10の構造材(導水パネル支持用根太4、大引き5、その他)との係合を解除することにより、仕舞パネル3を図1で示す位置から移動して、隙間Sを被覆する状態を解除する。
仕舞パネル2を移動して隙間Sを被覆する状態ではなくなれば、隙間Sから、導水パネル1R、1Lを矢印A1の逆方向或いはA2の逆方向に、順次取り外すことが出来る。
【0036】
仕舞パネル2の位置、或いは導水パネル1R、1L間の隙間S(図8参照)の位置は天井の導水パネル接続方向(図1の左右方向)の概略中央部であるため、導水パネル接続方向の端部(図1の図示しない右端部或いは左端部)から順番に導水パネルに至る全てのパネルを外す場合(従来技術の場合)に比較して、仕舞パネル2から特定の導水パネルまでを外す方が、一般的には少ない数の導水パネルを外すことになり、導水パネル交換の労力が低減される。
ただし、取り外すべき特定の導水パネルが、隙間Sからの距離よりも、左右何れかの縁部からの距離が短い場合には、従来技術の通り、当該特定の導水パネルに近い縁部から、他方の縁部に向かって導水パネルを取り外すことが出来る。
図1図2の実施形態に係る天井10から特定の導水パネル1を除去する手順、方法は、図3図4の変形例の場合も同様である。
【0037】
点検孔用の開口6、ダウンライト取付用開口7、スピーカー設置部用の開口等を設けた導水パネル1については、点検孔、ダウンライト、スピーカー等の位置を変更するべき場合等、導水パネル1、1-1を交換するべき機会は多い。
図1図4を参照して説明した上述の取り外し方法を実施することにより、導水パネル交換の労力が著しく軽減される。
すなわち、図示の実施形態によれば、導水パネル1の設置、取り外しの作業効率を向上して、必要な労力を節減することが出来る。
【0038】
図示の実施形態はあくまでも例示であり、本発明の技術的範囲を限定する趣旨の記述ではないことを付記する。
【符号の説明】
【0039】
1、1R、1L、1-1、1R-1、1L-1・・・導水パネル
2、2-1・・・仕舞パネル
3・・・爪状金具
4・・・導水パネル支持用根太
5・・大引き
10、10-1・・・天井
P1、P2、P3、P4・・・リブ(立ち上がり部)
P1a、P3a、P4a・・・第1垂直部
P1b、P3b、P4b・・・第1水平部
P1c、P3c、・P4c・・第2垂直部
P1d、P4d・・・第2水平部
P1e、P4e・・・第3垂直部
Q1、Q2、Q3、Q4・・・リブ(接続用リブ)
V1、V2、V3、V4・・・リブ(L字状リブ)
S・・・導水パネル間の隙間
W・・・水切
【要約】
【課題】天井の両側から導水パネルを設置しても、天井の全域に亘って樋としての機能を有するパネルが設置され、雨水等が漏水しない様な天井と、その様な天井の設置方法の提供。
【解決手段】本発明の導水パネル(1)を有する天井(10)は、導水パネル(1)と、隣接する導水パネル(1)間の隙間(S)を被覆する仕舞パネル(2)を有し、導水パネル(1)はその接続方向両縁部に隣接するパネルと係合し且つ樋の側壁として機能するリブ(P:立ち上がり部)を有し、仕舞パネル(2)には導水パネル(1)のリブ(P)と係合するリブ(Q:接続用リブ)と、樋側壁として機能するリブ(V:L字状リブ)を有し、隣接する導水パネル(1)間の隙間(S)に仕舞パネル(2)を支持する機構(爪状金具3、導水パネル支持用根太4、大引き5)を有する。
【選択図】図1
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9