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<図1>
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-02-10
(45)【発行日】2023-02-20
(54)【発明の名称】壁掛け式洗濯機
(51)【国際特許分類】
   D06F 39/08 20060101AFI20230213BHJP
   D06F 39/00 20200101ALI20230213BHJP
【FI】
D06F39/08 311A
D06F39/08 311C
D06F39/08 311D
D06F39/00 Z
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2021502940
(86)(22)【出願日】2019-07-10
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-01-12
(86)【国際出願番号】 CN2019095380
(87)【国際公開番号】W WO2020019980
(87)【国際公開日】2020-01-30
【審査請求日】2021-06-28
(31)【優先権主張番号】201810813498.1
(32)【優先日】2018-07-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】512128645
【氏名又は名称】青島海爾洗衣机有限公司
【氏名又は名称原語表記】QINGDAO HAIER WASHING MACHINE CO.,LTD.
(73)【特許権者】
【識別番号】520148792
【氏名又は名称】海爾智家股▲フン▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】HAIER SMART HOME CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】No.1 Haier Road, Laoshan District Qingdao, Shandong 266101 China
(74)【代理人】
【識別番号】100091683
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼川 俊雄
(74)【代理人】
【識別番号】100179316
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 寛奈
(72)【発明者】
【氏名】王佑喜
(72)【発明者】
【氏名】劉杰
(72)【発明者】
【氏名】劉暁春
(72)【発明者】
【氏名】張萌
(72)【発明者】
【氏名】盧金波
【審査官】東 勝之
(56)【参考文献】
【文献】中国実用新案第207498667(CN,U)
【文献】米国特許出願公開第2011/0232335(US,A1)
【文献】特開2004-065420(JP,A)
【文献】特開平05-228295(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
D06F 39/00 - 39/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
外槽、排水装置、溢流管、通気管を含む壁掛け式洗濯機であって、
前記排水装置は、
前記外槽と連通して前記外槽内の水を排出する排水弁アセンブリと、
前記排水弁アセンブリと連通し、前記排水弁アセンブリから排出された水を洗濯機の外部に排出する排水管と、
前記排水管と前記溢流管を前記外槽における壁寄りの一端に固定及び支持するための装着構造、を含み、
前記外槽の後壁には、前記外槽の内部と連通する排気孔が設けられており、前記溢流管は前記外槽の後部に設置され、一端が前記排気孔を通じて前記外槽の内部と連通するとともに、他端が前記排水装置と連通し、
前記通気管の一端は、前記溢流管に連通し、前記通気管の他端は前記排気孔よりも高い位置まで延伸しており、前記通気管の他端に消泡構造が設けられ、
前記消泡構造は管状の本体を含み、前記管状の本体は、前記管状の本体の一端に設置される接続端を含み、前記管状の本体は、前記接続端を介して前記通気管の他端に取り外し可能に設置され、前記管状の本体の他端には消泡端が設置されており、前記接続端の管の内径は、前記消泡端の管の内径よりも小さく、
前記消泡端の内部には、少なくとも1つの消泡プレートが含まれており、前記消泡プレートは、それぞれ径方向と軸方向に沿って前記消泡端の内部に延伸しており、前記消泡プレートと前記管状の本体の内壁との間、及び/又は、前記消泡プレートの間には、通気のための隙間が設けられている、ことを特徴とする、壁掛け式洗濯機。
【請求項2】
前記洗濯機の前記外槽における壁寄りの一端にはベースが設けられており、前記排水管と前記溢流管が前記装着構造を介して前記ベースに固定及び支持されることを特徴とする、請求項1に記載の壁掛け式洗濯機。
【請求項3】
前記外槽の槽壁には、径方向に外側へ突出する少なくとも1つの懸架用耳が設けられており、前記懸架用耳は壁面に対し密着して固定接続され、前記排水管及び前記溢流管は前記装着構造を介して前記懸架用耳に固定及び支持されことを特徴とする、請求項1に記載の壁掛け式洗濯機。
【請求項4】
前記溢流管は、一端が前記排気孔を通じて前記外槽の内部の最高水位と連通し、他端が前記装着構造を介して前記外槽における壁寄りの一端に固定及び支持されることを特徴とする、請求項1に記載の壁掛け式洗濯機。
【請求項5】
前記装着構造は、
前記排水管と前記溢流管を前記外槽における壁寄りの一端に支持するための支持部と、
前記排水管と前記溢流管を前記外槽における壁寄りの一端に装着及び固定するための装着部、を含ことを特徴とする、請求項1~4のいずれか1項に記載の壁掛け式洗濯機。
【請求項6】
前記支持部は一端が前記排水弁アセンブリと連通し、他端が前記排水管及び前記溢流管の双方と連通することを特徴とする、請求項5に記載の壁掛け式洗濯機。
【請求項7】
前記支持部は管状構造をなしており、前記管状構造の一端は前記排水弁アセンブリと連通し、他端は、前記外槽における壁寄りの一端に向かって延伸し、前記排水管及び前記溢流管の双方と連通するとともに、前記排水管と前記溢流管を前記外槽における壁寄りの一端に支持することを特徴とする、請求項6に記載の壁掛け式洗濯機。
【請求項8】
前記装着部は、前記支持部を取り外し可能に前記外槽における壁寄りの一端に装着及び固定する装着プレートを含んでおり、前記装着プレートには装着貫通孔が設けられており、ネジが前記装着貫通孔に挿通されて前記装着プレートを取り外し可能に前記外槽における壁寄りの一端に装着及び固定することを特徴とする、請求項5に記載の壁掛け式洗濯機。
【請求項9】
更に、前記装着部は、前記装着プレートの接続を位置規制する位置規制部を含ことを特徴とする、請求項8に記載の壁掛け式洗濯機。
【請求項10】
前記溢流管は、一端が排気孔に接続され、他端が前記外槽の後壁の周方向に沿って下方へ延伸して支持部に接続されるとともに、前記支持部を通じて前記排水管と連通することを特徴とする、請求項1~9のいずれか1項に記載の壁掛け式洗濯機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は壁掛け式洗濯機に関し、特に、それを備える壁掛け式洗濯機に関する。
【背景技術】
【0002】
壁掛け式洗濯機は、小容量の洗濯機器として消費者の人気が高まっている。
【0003】
特許文献1は、壁掛け式洗濯機の排水装置を開示している。当該排水装置は、本体上側の入口と、前記本体内に位置する弁壁と、本体のうち前記入口とは反対側であって前記弁壁に対し下側にある排水孔及び蓋受け部材と、弁壁上の駆動ユニット又は制動装置受け部材を有する排水ハウジング、前記蓋受け部材上に位置して異物を収集するよう配置される蓋、及び、前記駆動ユニット又は制動装置受け部材に位置して前記弁壁を開閉するよう配置される駆動ユニット又は制動装置、を含む。しかし、当該洗濯機は、ガス収集バルブを装着する場合には外槽に開口を設置せねばならず、生産にあたり都合が悪い。
【0004】
特許文献2は、洗濯機を開示している。当該洗濯機は、壁に装着される背面板と、背面板に支持されて洗濯用水を収容する槽と、槽上又は前方に位置し、開口を有する前面板と、槽内に位置する回転可能な回転槽と、回転槽にパワーを供給する駆動ユニットと、前記背面板上に位置して前記槽と前記前面板を覆う蓋と、前記槽に洗濯用水を供給するための給水装置と、洗濯用水排出経路に位置する排水フィルタを有する排水装置、を含む。前記排水フィルタは、槽の外部に排出されたあと排水ホースに向かって流れる洗濯用水中の異物を濾過するために用いられる。前記排水ホースは排水フィルタに接続されており、背面板を貫通して洗濯機の外部まで延伸している。しかし、背面板を有さない壁掛け式洗濯機の場合、排水ホースは接続及び固定が不可能なため、排水時の振動によって衝突等が容易に発生する結果、破損や排水の飛散が生じやすい。
【0005】
上記に鑑みて、本発明を提案する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】中国特許出願公開第201310680774.9号明細書
【文献】中国特許出願公開第201310433716.6号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上記の技術的課題を解決するために、本発明は壁掛け式洗濯機を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
当該目的を実現するために、本発明では以下の技術方案を用いる。
【0009】
壁掛け式洗濯機であって、外槽と、外槽の内部の水を洗濯機の外部に排出する排水装置と、外槽の内部から溢れた泡と水を洗濯機の外部に排出する溢流管を含む。前記排水装置は、外槽と連通して外槽内の水を強制的に排出する排水弁アセンブリと、排水弁アセンブリと連通し、排水弁アセンブリから排出された水を洗濯機の外部に排出する排水管と、排水管及び溢流管を外槽における壁寄りの一端に固定及び支持するための装着構造、を含む。
【0010】
更に、前記洗濯機の外槽における壁寄りの一端にはベースが設けられており、前記排水管と溢流管が装着構造を介してベースに固定及び支持される。
【0011】
更に、前記外槽の槽壁には、径方向に外側へ突出する少なくとも1つの懸架用耳が設けられている。前記懸架用耳は、壁面に対し密着して固定接続される。前記排水管及び溢流管は装着構造を介して懸架用耳に固定及び支持される。
【0012】
好ましくは、前記外槽の槽壁の四隅に懸架用耳が1つずつ設けられている。前記排水管及び溢流管は、装着構造を介して外槽の下側の1つの懸架用耳に固定及び支持される。
【0013】
より好ましくは、前記排水管と溢流管は、装着構造を介して外槽の下側の排水弁アセンブリ寄りの1つの懸架用耳に固定及び支持される。
【0014】
更に、前記外槽の後壁には、外槽の内部と連通する排気孔が設けられている。前記溢流管は外槽の後部に設置され、一端が排気孔を通じて外槽の内部と連通するとともに、他端が排水装置と連通する。
【0015】
好ましくは、前記溢流管は、一端が排気孔を通じて外槽の内部の最高水位と連通し、他端が装着構造を介して外槽における壁寄りの一端に固定及び支持される。
【0016】
更に、前記装着構造は、排水管と溢流管を外槽における壁寄りの一端に支持するための支持部と、排水管と溢流管を外槽における壁寄りの一端に装着及び固定するための装着部、を含む。
【0017】
好ましくは、前記装着部と支持部は一体的に成型される。
【0018】
更に、前記支持部は一端が排水弁アセンブリと連通し、他端が排水管及び溢流管の双方と連通する。
【0019】
更に、前記支持部は管状構造をなしている。前記管状構造の一端は排水弁アセンブリと連通する。また、他端は、外槽における壁寄りの一端に向かって延伸し、排水管及び溢流管の双方と連通するとともに、排水管と溢流管を外槽における壁寄りの一端に支持する。
【0020】
好ましくは、前記支持部は硬質管であり、排水弁アセンブリと同一の水平面上に設置される。
【0021】
より好ましくは、前記支持部は、排水弁アセンブリから外槽における壁寄りの一端に向かって徐々に低下するよう傾斜しながら延伸する。前記排水管と支持部との連通箇所は、支持部と排水弁アセンブリとの連通箇所よりも低くなっている。
【0022】
更に、前記装着部は、支持部を取り外し可能に外槽における壁寄りの一端に装着及び固定する装着プレートを含んでいる。前記装着プレートには装着貫通孔が設けられており、ネジが装着貫通孔に挿通されて装着プレートを取り外し可能に外槽における壁寄りの一端に装着及び固定する。
【0023】
好ましくは、前記装着プレートの辺及び角はなだらかに連続している。
【0024】
更に、前記装着部は、装着プレートの接続を位置規制する位置規制部を含む。
【0025】
好ましくは、前記位置規制部は装着プレートの側辺に一体的に成型される。
【0026】
より好ましくは、前記位置規制部は、装着プレートの側辺から突出して引き続き延伸する突出部を含む。
【0027】
更に、前記溢流管は、一端が排気孔に接続され、他端が外槽の後壁の周方向に沿って下方へ延伸して支持部に接続されるとともに、支持部を通じて排水管と連通する。
【0028】
好ましくは、前記溢流管の他端は、外槽の後壁の周方向に沿って下方へ延伸したあと、傾斜しながら外槽の前方に向かって支持部と同一の水平面まで延伸し、続いて水平方向に支持部まで延伸して支持部に接続される。
【発明の効果】
【0029】
従来技術と比較して、本発明は以下の有益な効果を有する。
【0030】
本発明では、装着構造によって排水管と溢流管を外槽における壁寄りの一端に固定及び支持することで、排水管の露出又は排水管及び溢流管のぐらつきを防止する。本発明の外槽は、懸架用耳を介して壁面に懸架され、ダンパー等の部材で支持する必要がない。これにより、洗濯機の部材点数が減少するため、洗濯機の生産コスト及び組み付け難度が更に低下する。且つ、洗濯機全体のサイズと重量も小さくなるため、洗濯機の見た目が最適化されるとともに、洗濯機の壁掛けの信頼性が向上する。また、前記排水管及び溢流管は、装着構造を介してベース/懸架用耳に固定及び支持される。これにより、排水管及び溢流管は外槽における壁寄りの一端に支持されるとともに、ベース/懸架用耳上に固定されるため、本発明における背面板を設置しないことに起因する排水管及び溢流管を固定できないとの問題発生が防止される。従って、排水管及び溢流管を固定接続不可能なために生じるぐらつき、振動、破損、水の飛散等の課題が回避される。
【0031】
図面は、本発明の一部として本発明の更なる理解のために用いられる。また、本発明の概略的実施例及びその説明は本発明の解釈のために用いられるが、本発明を不当に限定するものではない。なお、言うまでもなく、以下で記載する図面は実施例の一部にすぎず、当業者であれば、創造的労働を要することなくこれらの図面から更にその他の図面を得ることも可能である。
【図面の簡単な説明】
【0032】
図1図1は、本発明の壁掛け式洗濯機の概略図を示す。
図2図2は、図1のA部分の拡大図を示す。
図3図3は、本発明の壁掛け式洗濯機の概略図を示す。
図4図4は、本発明の壁掛け式洗濯機の背面図を示す。
図5図5は、本発明の通気装置の概略図を示す。
図6図6は、本発明の消泡構造の概略図を示す。
図7図7は、本発明の消泡構造の概略図を示す。
図8図8は、本発明の排水弁アセンブリの概略図を示す。
図9図9は、本発明の排水弁アセンブリの正面図を示す。
図10図10は、図9のB方向の断面図を示す。
図11図11は、図10のC部分の拡大図を示す。
図12図12は、図10のD部分の拡大図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0033】
説明すべき点として、これらの図面及び文字記載は何らかの方式で本発明の構想の範囲を制限するとの意図ではなく、特定の実施例を参照して当業者に本発明の概念を説明するためのものである。
【0034】
本発明における実施例の目的、技術方案及び利点をより明確とすべく、以下に、実施例の技術方案につき明瞭簡潔に述べる。なお、以下の実施例は本発明を説明するためのものであって、本発明の範囲を制限するものではない。
【実施例1】
【0035】
図1図12に示すように、本実施例は、外槽1と、外槽1の内部の水を洗濯機の外部に排出する排水装置4と、外槽1の内部から溢れた泡と水を洗濯機の外部に排出する溢流管51を含む壁掛け式洗濯機を開示する。前記排水装置4は、外槽1と連通して外槽1内の水を強制的に排出する排水弁アセンブリ41と、排水弁アセンブリ41と連通し、排水弁アセンブリ41から排出された水を洗濯機の外部に排出する排水管42と、排水管42と溢流管51を外槽1における壁寄りの一端に固定及び支持するための装着構造43、を含む。
【0036】
上記の方案において、壁掛け式洗濯機は、1つの平面上に設置される点で通常のドラム洗濯機とは異なっている。壁掛け式洗濯機は壁に掛けて使用する洗濯機である。本発明の前記壁掛け式洗濯機は排水装置4を含む。前記排水装置4は、然るべき洗浄段階において外槽1内の水を外槽1の内部から外部に強制的に排出する排水弁アセンブリ41を含んでおり、外槽1から強制的に排出された水を排水管42経由で洗濯機の外部に排出する。一般的に、前記排水管42のうち最終的に水を洗濯機の外部に排出するのはホースであり、振動や衝突等による損傷が発生しやすい。更に、壁掛け式洗濯機は一般的に通気装置5を含み、外槽1の内部と外部の間で空気の流動を実現することで、通気不能による外槽1の破裂等の危険を防止する。前記通気装置5は溢流管51を含む。即ち、外槽1の内部から溢れた泡と水を洗濯機の外部に排出可能であるとともに、外槽1の内部の通気を実現可能である。通常の壁掛け式洗濯機の排水ホースは、いずれも背面板を貫通したあと洗濯機の外部まで延伸する。この場合、背面板を貫通することで固定作用が奏されるが、背面板上の孔の辺縁に存在し得る鋭いエッジやリブ構造がホースの振動時にホースを傷付けるため、ホースの損傷率が高くなる。且つ、溢流管51が排水管42と直接連通する場合には、排水管42がホースであることから、漏れやぐらつきによる抜け落ち等の危険が発生しやすい。本発明で記載する壁掛け式洗濯機の排水装置4は、このような課題を解決するために、排水管42と溢流管51を装着及び固定するための装着構造43を更に含んでいる。装着構造43は、排水管42と溢流管51を外槽1における壁寄りの一端に固定及び支持し、水を外槽1の後側に引き出して円滑に排出する。これにより、排水管42が外槽1の前端に設置される場合に生じる排水管42の露出に起因する見栄えの悪さや、排水ホースと床排水口との接続過程で固定不可能なために生じるぐらつきや振動に起因する排水ホースの損傷が防止される。また、装着構造43を設置することで、排水管42及び溢流管51の排水時のぐらつきや振動に伴う損傷が防止される。
【0037】
更に、前記洗濯機の外槽1における壁寄りの一端にはベースが設けられており、前記排水管42と溢流管51が装着構造43を介してベースに固定及び支持される。
【0038】
更に、前記外槽1の槽壁には、径方向に外側へ突出する少なくとも1つの懸架用耳2が設けられている。前記懸架用耳2は、壁面に対し密着して固定接続される。前記排水管42と溢流管51は、装着構造43を介して懸架用耳2に固定及び支持される。
【0039】
好ましくは、前記外槽1の槽壁の四隅に懸架用耳2が1つずつ設けられており、前記排水管42と溢流管51が装着構造43を介して外槽1の下側の1つの懸架用耳2に固定及び支持される。
【0040】
より好ましくは、前記排水管42と溢流管51は、装着構造43を介して外槽1の下側の排水弁アセンブリ41寄りの1つの懸架用耳2に固定及び支持される。
【0041】
上記の方案ではベースを設置している。ベースは、外槽1における壁寄りの一端のスペースを占有しないだけでなく、装着構造43を外槽1における壁寄りの一端に固定及び支持しやすくするために装着される媒体である。また、壁に直接装着しようとするとコストと操作難度の双方が上昇することから、ベースを設置している。前記ベースは、一実施形態として、外槽1の槽壁に設置される径方向に外側へ突出した少なくとも1つの懸架用耳2としてもよいし、ベースと懸架用耳2を別々の手段としてもよい。本発明の外槽1は、懸架用耳2を介して壁面に懸架され、ダンパー等の部材で支持する必要がない。これにより、洗濯機の部材点数が減少するため、洗濯機の生産コスト及び組み付け難度が更に低下する。且つ、洗濯機全体のサイズと重量も小さくなるため、洗濯機の見た目が最適化されるとともに、洗濯機の壁掛けの信頼性が向上する。また、前記排水管42及び溢流管51は、装着構造43を介して懸架用耳2に固定及び支持される。これにより、排水管42及び溢流管51は外槽1の後側に設置されるとともに、懸架用耳2上に固定されるため、本発明における背面板を設置しないことに起因する排水管42を固定できないとの問題発生が防止される。従って、排水管42を固定接続不可能なために生じるぐらつき、振動、破損、水の飛散等の課題が回避される。排水管42の装着、修繕、検査、交換等の操作を行いやすいよう、前記排水管42は装着構造43を介して取り外し可能に懸架用耳2に設置される。前記外槽1の槽壁の四隅には懸架用耳2が1つずつ設けられている。好ましい実施形態において、前記懸架用耳2は2つの高さの面に設けられる。更に、前記壁面には、外槽1の方向に延伸する支持部材3が設けられている。支持部材3は懸架用耳2に挿通されるとともに、懸架用耳2に当接してこれを支持する。本発明における外槽1の具体的な組み付けステップとしては、まず支持部材3を壁面に装着したあと、懸架用耳2を支持部材3に懸架することで外槽1の仮固定を実現する。最後に、懸架用耳2に挿通された支持部材3までナットを回し、懸架用耳2を壁面とナットの間の支持部材3上に挟持及び固定する。これにより、外槽1の組み付けが実現される。好ましい実施形態では、壁面と懸架用耳2、懸架用耳2とナットの間にそれぞれ制震パッドを挟持及び固定することで、動作過程で洗濯機に発生する騒音を低下させる。更に、前記懸架用耳2は、ボルトによって壁面に固定接続し、懸架用耳2をボルトのナットと壁面の間のボルトネジ部に挟持及び固定してもよい。好ましい実施形態では、壁面と懸架用耳2、懸架用耳2とボルトのナットの間に制震パッドを挟持及び固定することで、動作過程で洗濯機に発生する騒音を低下させる。本発明における前記排水管42と溢流管51は、装着構造43を介して外槽1の下側の1つの懸架用耳2に設置される。これにより、外槽1の後側に設置されるとともに、外槽1の下側に設置されるため、水は重力の作用でいっそう容易に残留することなく排出される。また、見栄えを保証しつつ、排水管42及び溢流管51が固設される。好ましい実施形態において、前記排水管42と溢流管51は、装着構造43を介して外槽1の下側の排水弁アセンブリ41寄りの1つの懸架用耳2に設置される。これにより、装置が簡略化されるとともに、装着構造43による排水管42の設置方法及び構造も簡略化される。
【0042】
更に、前記外槽1の後壁には、外槽1の内部と連通する排気孔53が設けられている。前記溢流管51は外槽1の後部に設置され、一端が排気孔53を通じて外槽1の内部と連通するとともに、他端が排水装置4と連通する。
【0043】
好ましくは、前記溢流管51は、一端が排気孔53を通じて外槽1の内部の最高水位と連通し、他端が装着構造43を介して外槽1における壁寄りの一端に固定及び支持される。
【0044】
上記の方案において、前記溢流管51は外槽1の後部に設置されるため、外槽1の側部に設置される場合よりも外槽1の側部スペースが節約されて、壁掛け式洗濯機の体積が小さくなる。且つ、前記溢流管51は、外槽1の後壁のリブ構造の間に設置可能なため、外槽1の後壁のスペースを大きく占有することがない。前記外槽1の後壁は、外槽1の内部と連通する排気孔53を含んでいる。前記排気孔53は外槽1の後壁に設置されているため、溢流管51を外槽1の後壁に接続しやすい。前記溢流管51は、一端が外槽1の後壁の上方に設置される排気孔53と連通するとともに、他端が排水装置4と連通しており、外槽1の上方から溢れた泡と水を排水装置4を通じて洗濯機の外部に排出する。好ましい実施形態において、前記溢流管51は排気孔53を通じて外槽1の内部の最高水位と連通しているため、排気孔53の設置位置が低い場合に生じる泡と水の想定外の溢出や、これに起因するきれいに洗浄できない等の課題が回避される。また、前記溢流管51の他端は、装着構造43を介して外槽1における壁寄りの一端に固定及び支持される。これにより、溢流管51を外槽1の底部において排水弁アセンブリ41の方向に向かって外槽1の前端まで延伸させてから、排水管42を通じて排水する際に生じやすい排水の滞りが防止される。或いは、溢流管51が排水管42と直接連通する場合に排水管42と溢流管51がそれぞれ振動することで接続が緩み、溢流が発生するとの事態が防止される。
【0045】
更に、前記装着構造43は、排水管42と溢流管51を外槽1における壁寄りの一端に支持するための支持部432と、排水管42と溢流管51を外槽1における壁寄りの一端に装着及び固定するための装着部431、を含む。
【0046】
好ましくは、前記装着部431と支持部432は一体的に成型される。
【0047】
上記の方案において、前記支持部432は、排水管42と溢流管51を外槽1における壁寄りの一端に支持する。即ち、排水管42の一端と溢流管51の排水側の一端を外槽1における壁寄りの一端に支持する。排水管42と溢流管51を支持するとともに、更に排水弁アセンブリ41を支持して装着をより堅固とすることで、振動の作用による排水管42と溢流管51のぐらつき、抜け落ち、破損等の危険が防止される。通常、前記排水弁アセンブリ41は、形状や排水位置等の要素的限界から外槽1の後側に設置することはできない。そのため、排水管42を排水弁アセンブリ41の排水口から直接引き出す場合には、排水管42の位置が前寄りとなり、ぐらつきが発生しやすい。また、見栄えが悪く、洗濯機から引き出される排水管42を固定することもできない。そこで、支持部432を設置することで、排水管42と溢流管51を外槽1における壁寄りの一端に支持する。前記装着部431は、排水管42と溢流管51を外槽1における壁寄りの一端に装着することで、排水管42と溢流管51を固定するとの目的を更に実現し、振動に伴う危険を防止する。一実施形態において、前記装着部431と排水管42、溢流管51は一体的に成型する。この場合、コストの節約となり、加工成型が容易となるが、装着時の難度は上がる。また、他の実施形態において、前記装着部431と排水管42、溢流管51は取り外し可能に接続する。この場合には、着脱が簡単、便利となる。好ましい実施形態において、前記装着部431と支持部432は一体的に成型する。また、排水管42と溢流管51は支持部432により支持し、装着部431を介して外槽1における壁寄りの一端に支持する。この構造はシンプルであり、成型しやすく、装着及び修繕が容易であり、コストの節約となる。
【0048】
更に、前記支持部432は、一端が排水弁アセンブリ41と連通し、他端が排水管42及び溢流管51の双方と連通する。
【0049】
上記の方案において、前記支持部432の一端は、排水弁アセンブリ41と連通して排水弁アセンブリ41から排出される水を受け付ける。また、他端と排水管42の一端は、排水弁アセンブリ41から排出された水を排水管42を通じて洗濯機の外部に排出する。更に、前記支持部432の他端は溢流管51の他端とも連通している。溢流管51の他端は、支持部432を通じて排水管42と連通し、外槽1の内部から溢れた泡と水を排水管42を通じて洗濯機の外部に排出する。
【0050】
更に、前記支持部432は管状構造をなしている。前記管状構造の一端は、排水弁アセンブリ41と連通する。また、他端は、外槽1における壁寄りの一端に向かって延伸し、排水管42及び溢流管51の双方と連通するとともに、排水管42と溢流管51を外槽1における壁寄りの一端に支持する。
【0051】
好ましくは、前記支持部432は硬質管であり、排水弁アセンブリ41と同一の水平面上に設置される。
【0052】
より好ましくは、前記支持部432は、排水弁アセンブリ41から外槽1における壁寄りの一端に向かって徐々に低下するよう傾斜しながら延伸する。これにより、前記排水管42と支持部432との連通箇所は、支持部432と排水弁アセンブリ41との連通箇所よりも低くなる。
【0053】
上記の方案において、前記支持部432は管状構造をなしている。管状構造は、水を流動させるための中空の空洞を有している。前記排水弁アセンブリ41と排水管42及び溢流管51は、当該管状構造を通じて連通するとともに、管状構造の両端にそれぞれ設置されている。これにより、排水弁アセンブリ41の水が排水管42に案内されるとともに、排水弁アセンブリ41が支持される。また、排水管42及び溢流管51を外槽1における壁寄りの一端に支持することで、排水管42の他端の延伸及び固定が容易となる。このほか、溢流管51は、支持部432を通じて排水管42との連通を実現しており、溢れた水と泡を洗濯機の外部に排出する。好ましい実施形態では、前記支持部432を硬質管とすることで、排水管42、溢流管51及び排水弁アセンブリ41に対する支持作用を実現する。これに対し、軟質管の場合には支持作用を実現することができない。前記支持部432は排水弁アセンブリ41と同一の水平面上に設置される。この構造はシンプルであり、スペースを大きく占有することがなく、装着及び修繕が容易である。より好ましい実施形態において、前記支持部432は、排水弁アセンブリ41から外槽1における壁寄りの一端に向かって徐々に低下するよう傾斜しながら延伸する。これにより、支持部432内の水が排水管42から完全に残留することなく流出し、且つ逆流することもない。また、溢流管51から支持部432に排出された泡と水が逆流することもない。前記排水管42と支持部432との連通箇所を支持部432と排水弁アセンブリ41との連通箇所より低くしているのも、支持部432内の水をより良好に排出して水の残留又は逆流を防止するためである。
【0054】
更に、前記装着部431は、支持部432を取り外し可能に外槽1における壁寄りの一端に装着及び固定する装着プレートを含んでいる。前記装着プレートには装着貫通孔4311が設けられており、ネジが装着貫通孔4311に挿通されて装着プレートを取り外し可能に外槽1における壁寄りの一端に装着及び固定する。
【0055】
好ましくは、前記装着プレートの辺及び角はなだらかに連続している。
【0056】
上記の方案において、前記装着プレートは、排水管42と溢流管51を取り外し可能に懸架用耳2/ベースに設置する。前記装着プレートの一方の端面は支持部432と接触し、且つ支持部432と一体的に成型されている。また、当該端面と対向する他方の端面は懸架用耳2又はベースと接触し、ネジにより取り外し可能に懸架用耳2又はベースに接続される。好ましい実施形態では、前記装着プレートの辺及び角をなだらかに連続させることで、装着/取り外し過程において、鋭い辺及び角が相手側の角やその他の位置又は装着/取り外しを行う人員を傷付けることを防止する。
【0057】
更に、前記装着部431は、装着プレートの接続を位置規制する位置規制部4312を含む。
【0058】
好ましくは、前記位置規制部4312は装着プレートの側辺に一体的に成型される。
【0059】
より好ましくは、前記位置規制部4312は、装着プレートの側辺から突出して引き続き延伸する突出部を含む。
【0060】
上記の方案において、前記位置規制部4312は、装着プレートを懸架用耳2又はベースに対し位置規制及び接続することで、装着ミスや装着後の移動を防止する。好ましい実施形態において、前記位置規制部4312は装着プレートの側辺に一体的に成型されるため、省スペースとなる。また、別途設置する必要や接続する必要がなく、コストの節約となる。より好ましい実施形態において、前記位置規制部4312は、装着プレートの側辺から突出して引き続き延伸する突出部を含む。よって、アセンブリを別途設置する必要がなく、コストの節約となる。突出部を設置することで、形状のみで位置規制の作用が達せられる。前記突出部は、矩形、台形又はその他の多角形等の形状のプレート状構造とすればよい。
【0061】
更に、前記溢流管51は、一端が排気孔53に接続され、他端が外槽1の後壁の周方向に沿って下方へ延伸して支持部432に接続されるとともに、支持部432を通じて排水管42と連通する。
【0062】
好ましくは、前記溢流管51の他端は、外槽1の後壁の周方向に沿って下方へ延伸したあと、傾斜しながら外槽1の前方に向かって支持部432と同一の水平面まで延伸し、続いて水平方向に支持部432まで延伸して支持部432に接続される。
【0063】
上記の方案において、前記溢流管51は、外槽1の後壁の周方向に沿って下方へ延伸することで、外槽1の後壁上のリブ配置を過剰に邪魔することなく、リブとリブの間に設置される。よって、スペースを占有することがなく、リブの分布を損なうこともない。好ましい実施形態において、前記溢流管51は、外槽1の後壁の軸心寄りの周方向に沿って下方に延伸するため、溢流管51の長さが短くなり、泡と水をより迅速に排出することができる。これにより、泡が堆積して溢れ出すとの事態が回避される。且つ、軸心に近付くほど受ける振動が大きくなるため、泡がより容易に壊れて流れ出やすくなる。より好ましい実施形態において、前記溢流管51の一端は、排気孔53から垂直方向に一定の距離だけ下方へ延伸したあと、外槽1の後壁の軸心寄りの軸方向に沿って下方へ延伸する。垂直方向に下方へ延伸する溢流管51は、より容易に泡と水を排水装置4に向かって流動させることができる。前記溢流管51の他端は、外槽1の後壁の周方向に沿って下方へ延伸したあと、傾斜しながら外槽1の前方に向かって支持部432と同一の水平面まで延伸し、続いて水平方向に支持部432まで延伸して支持部432に接続される。これにより、溢流管51と支持部432の連通が容易となり、余分なスペースを占有することもない。溢流管51は、外槽1の後方においては一貫して振動のためのスペースを有さない。そのため、外槽1の後方から延伸したあと、傾斜しながら接続箇所まで延伸しても大きな振動が発生することはない。且つ、泡を含んだ水が接続箇所を塞ぐことによる泡の上昇も発生しにくい。
【実施例2】
【0064】
図1図12に示すように、本実施例は、外槽1を含むとともに、排水装置4を更に含む壁掛け式洗濯機を開示する。前記排水装置4は、外槽1と連通して外槽1内の水を強制的に排出する排水弁アセンブリ41と、排水弁アセンブリ41と連通し、排水弁アセンブリ41から排出された水を洗濯機の外部に排出する排水管42と、排水管42を外槽1における壁寄りの一端に設置するための装着構造43、を含む。
【0065】
上記の方案において、壁掛け式洗濯機は、1つの平面上に設置される点で通常のドラム洗濯機とは異なっている。壁掛け式洗濯機は壁に掛けて使用する洗濯機である。本発明の前記壁掛け式洗濯機は排水装置4を含む。前記排水装置4は、然るべき洗浄段階において外槽1内の水を外槽1の内部から外部に強制的に排出する排水弁アセンブリ41を含んでおり、外槽1から強制的に排出された水を排水管42経由で洗濯機の外部に排出する。一般的に、前記排水管42のうち最終的に水を洗濯機の外部に排出するのはホースであり、振動や衝突等による損傷が発生しやすい。通常の壁掛け式洗濯機の排水ホースは、いずれも背面板を貫通したあと洗濯機の外部まで延伸する。この場合、背面板を貫通することで固定作用が奏されるが、背面板上の孔の辺縁に存在し得る鋭いエッジやリブ構造がホースの振動時にホースを傷付けるため、ホースの損傷率が高くなる。本発明で記載する壁掛け式洗濯機の排水装置4は、このような課題を解決するために、排水管42を装着及び固定するための装着構造43を更に含んでいる。装着構造43は、排水管42を外槽1における壁寄りの一端に設置し、水を外槽1の後側に引き出して円滑に排出する。これにより、排水管42が外槽1の前端に設置される場合に生じる排水管42の露出に起因する見栄えの悪さや、排水ホースと床排水口との接続過程で固定不可能なために生じるぐらつきや振動に起因する排水ホースの損傷が防止される。また、装着構造43を設置することで、排水管42の排水時のぐらつきや振動に伴う損傷が防止される。
【0066】
更に、前記外槽1の槽壁には、径方向に外側へ突出する少なくとも1つの懸架用耳2が設けられている。前記懸架用耳2は、壁面に対し密着して固定接続される。前記排水管42は、装着構造43を介して懸架用耳2に設置される。
【0067】
上記の方案において、本発明の外槽1は、懸架用耳2を介して壁面に懸架され、ダンパー等の部材で支持する必要がない。これにより、洗濯機の部材点数が減少するため、洗濯機の生産コスト及び組み付け難度が更に低下する。且つ、洗濯機全体のサイズと重量も小さくなるため、洗濯機の見た目が最適化されるとともに、洗濯機の壁掛けの信頼性が向上する。また、前記排水管42は、装着構造43を介して懸架用耳2に設置される。これにより、排水管42は外槽1の後側に設置されるとともに、懸架用耳2上に固定されるため、本発明における背面板を設置しないことに起因する排水管42を固定できないとの問題発生が防止される。従って、排水管42を固定接続不可能なために生じるぐらつき、振動、破損、水の飛散等の課題が回避される。排水管42の装着、修繕、検査、交換等の操作を行いやすいよう、前記排水管42は装着構造43を介して取り外し可能に懸架用耳2に設置される。
【0068】
更に、前記外槽1の槽壁の四隅に懸架用耳2が1つずつ設けられており、前記排水管42が装着構造43を介して外槽1の下側の1つの懸架用耳2に設置される。好ましくは、前記排水管42は、装着構造43を介して外槽1の下側の排水弁アセンブリ41寄りの1つの懸架用耳2に設置される。
【0069】
上記の方案において、前記外槽1の槽壁の四隅には懸架用耳2が1つずつ設けられている。好ましい実施形態において、前記懸架用耳2は2つの高さの面に設けられる。更に、前記壁面には、外槽1の方向に延伸する支持部材3が設けられている。支持部材3は懸架用耳2に挿通されるとともに、懸架用耳2に当接してこれを支持する。本発明における外槽1の具体的な組み付けステップとしては、まず支持部材3を壁面に装着したあと、懸架用耳2を支持部材3に懸架することで外槽1の仮固定を実現する。最後に、懸架用耳2に挿通された支持部材3までナットを回し、懸架用耳2を壁面とナットの間の支持部材3上に挟持及び固定する。これにより、外槽1の組み付けが実現される。好ましい実施形態では、壁面と懸架用耳2、懸架用耳2とナットの間にそれぞれ制震パッドを挟持及び固定することで、動作過程で洗濯機に発生する騒音を低下させる。更に、前記懸架用耳2は、ボルトによって壁面に固定接続し、懸架用耳2をボルトのナットと壁面の間のボルトネジ部に挟持及び固定してもよい。好ましい実施形態では、壁面と懸架用耳2、懸架用耳2とボルトのナットの間に制震パッドを挟持及び固定することで、動作過程で洗濯機に発生する騒音を低下させる。本発明における前記排水管42は、装着構造43を介して外槽1の下側の1つの懸架用耳2に設置される。これにより、外槽1の後側に設置されるとともに、外槽1の下側に設置されるため、水は重力の作用でいっそう容易に残留することなく排出される。また、見栄えを保証しつつ、排水管42が固設される。好ましい実施形態において、前記排水管42は、装着構造43を介して外槽1の下側の排水弁アセンブリ41寄りの1つの懸架用耳2に設置される。これにより、装置が簡略化されるとともに、装着構造43による排水管42の設置方法及び構造も簡略化される。
【0070】
更に、前記装着構造43は、排水管42を外槽1における壁寄りの一端に装着する装着部431を含む。好ましくは、前記装着部431は、排水管42に対し取り外し可能に接続されるか、一体的に成型される。より好ましくは、前記排水管42は、装着部431を介して取り外し可能に外槽1における壁寄りの一端に設置される。
【0071】
上記の方案において、前記装着構造43は装着部431を含む。前記装着部431は、排水管42を外槽1における壁寄りの一端に装着する。一実施形態において、前記装着部431と排水管42は一体的に成型する。この場合、コストの節約となり、加工成型が容易となるが、装着時の難度は上がる。また、他の実施形態において、前記装着部431と排水管42は取り外し可能に接続する。この場合には、着脱が簡単、便利となる。一実施形態において、前記装着部431は懸架用耳2に一体的に成型され、排水管42は取り外し可能に懸架用耳2に設置される。より好ましい実施形態において、前記装着部431は取り外し可能に懸架用耳2に設置される。これにより、前記排水管42の装着、修繕、検査及び交換等の操作がいっそう容易となる。
【0072】
更に、前記装着部431は、排水管42を取り外し可能に外槽における壁寄りの一端に設置する装着プレートである。前記装着プレートには装着貫通孔4311が設けられており、ネジが装着貫通孔4311に挿通されて装着部431を取り外し可能に懸架用耳2に接続する。好ましくは、前記装着プレートの辺及び角はなだらかに連続している。
【0073】
上記の方案において、前記装着構造43は、装着プレートを介して排水管42を懸架用耳2に設置する。前記装着プレートの一方の端面は排水管42と接触し、且つ排水管42に対し取り外し可能に接続されるか、排水管42と一体的に成型される。また、当該端面と対向する他方の端面は懸架用耳2と接触し、ネジにより取り外し可能に懸架用耳2に接続される。好ましい実施形態では、前記装着プレートの辺及び角をなだらかに連続させることで、装着/取り外し過程において、鋭い辺及び角が相手側の角やその他の位置、又は装着/取り外しを行う人員を傷付けることを防止する。
【0074】
更に、前記懸架用耳2には、装着プレートに組み合わされる整合部21が設けられている。好ましくは、前記整合部21は、前記懸架用耳上の壁方向に向かって窪んだ凹溝である。より好ましくは、前記整合部21は、少なくとも一部の形状が装着プレートの形状と一致している。
【0075】
上記の方案において、前記懸架用耳2には、装着プレートに組み合わされる整合部21が設けられている。整合部21は、装着プレートの装着を極めて容易にするものであり、装着プレートの装着を位置規制するものに相当する。これにより、装着プレートの装着ミスに伴って、その他の管路が誤って接続される等の問題が発生することで生じる不完全な排水や、排水の逆流等の課題が防止される。前記整合部21は、装着のズレを防止し、装着プレートの装着を容易とするための、懸架用耳2の装着面に設置される突起としてもよい。しかし、突起はその他の部材に影響を及ぼすことがあり、且つスペースを占有する恐れがある。そのため、好ましい実施形態において、前記整合部21は壁方向に向かって窪んだ凹溝とする。これにより、装着プレートの装着が容易となり、装着ミスが防止されるほか、省スペースとなる。より好ましい実施形態において、前記整合部21は、少なくとも一部の形状が装着プレートの形状と一致しており、装着プレートの装着後のぐらつきを防止する。
【0076】
更に、前記装着構造43は、排水管42を懸架用耳2に対し位置規制及び接続する位置規制部4312を含む。好ましくは、前記位置規制部4312は装着プレートに設置される。より好ましくは、前記位置規制部4312は装着プレートに一体的に成型される。
【0077】
上記の方案において、前記位置規制部4312は、装着構造43を懸架用耳2に対し位置規制及び接続することで、装着ミスや装着後の移動を防止する。好ましい実施形態において、前記位置規制部4312は装着プレートに設置されるため、省スペースとなる。より好ましい実施形態において、前記位置規制部4312は装着プレートに一体的に成型されるため、別途設置する必要や接続する必要がなく、コストの節約となる。
【0078】
更に、前記位置規制部4312は、装着プレートの側辺に設置され、懸架用耳2上の整合部21の形状と一致している。好ましくは、前記位置規制部4312は、装着プレートの側辺から突出して引き続き延伸する突出部を含む。前記突出部の形状は懸架用耳2の整合部21と一致している。より好ましくは、前記突出部は、矩形又は台形又は多角形のプレート状構造をなしている。
【0079】
上記の方案において、前記位置規制部4312は装着プレートの側辺に設置されており、且つ、装着プレートを更に位置規制するよう、懸架用耳2上の整合部21の形状と一致している。好ましい実施形態において、前記位置規制部4312は、装着プレートの側辺から突出して引き続き延伸する突出部を含む。当該突出部の形状は懸架用耳2の整合部21と一致しているため、アセンブリを別途設置する必要がなく、コストの節約となる。また、当該突出部の形状は懸架用耳2の整合部21と一致しているため、より良好に装着プレートの装着を位置規制できる。且つ、突出部を設置することで、形状のみで位置規制の作用が達せられる。前記突出部は、矩形、台形又はその他の多角形等の形状のプレート状構造とすればよい。
【0080】
更に、前記装着構造43は支持部432を含む。前記支持部432は、一端が排水弁アセンブリ41と連通し、他端が排水管42と連通する。前記支持部432と装着部431は、排水管42を外槽1における壁寄りの一端に固定及び支持する。
【0081】
上記の方案において、前記装着構造43は、排水管42を外槽1における壁寄りの一端に固定する装着部431と、排水管42を外槽1における壁寄りの一端に支持する支持部432を含む。前記排水管42は、装着構造43により外槽1における壁寄りの一端に固定及び支持される。前記支持部432は、一端が排水弁アセンブリと連通し、他端が排水管42と連通する。前記排水管42は、支持部432を通じて排水弁アセンブリと連通し、排水弁アセンブリから強制的に排出された水は、排水管を通じて洗濯機の外部に排出される。前記洗濯機は、更に、外槽1の後部に設置されて外槽1の内部と外槽1の外部との間で空気の流動を実現する通気装置5を含む。前記通気装置5は、外槽1の後壁に形成されて外槽1の内部と連通する排気孔と、一端が排気孔に接続され、他端が排水管42と連通し、外槽1の内部から溢れた泡と水を洗濯機の外部に排出する溢流管51と、一端が溢流管51と連通し、他端が排気孔よりも高い位置まで延伸しており、且つ、他端に、当該箇所まで溢れた泡を壊して液体とし、溢流管51へと案内する消泡構造521が設けられている通気管52、を含む。前記溢流管51の他端は、装着構造43を通じて排水管42と連通する。具体的に、前記溢流管51の他端は、支持部432を通じて排水管42と連通する。通常、前記排水弁アセンブリ41は、形状や排水位置等の要素的限界から外槽1の後側に設置することはできない。そのため、排水管42を排水弁アセンブリ41の排水口から直接引き出す場合には、排水管42の位置が前寄りとなり、ぐらつきが発生しやすい。また、見栄えが悪く、洗濯機から引き出される排水管42を固定することもできない。そこで、支持部432を設置し、排水弁アセンブリ41から強制的に排出された水を支持部432を通じて排水管42まで引き出し、排水管42を通じて排出する。また、支持部432は、排水管42と排水弁アセンブリ41に対する支持作用も奏する。且つ、溢流管51の多くは洗濯機の上方から引き出され、外槽1の後側に沿って排水管42まで下方へと延伸し、洗濯機の外部への排出を行う。よって、支持部432が設けられない場合、溢流管51は湾曲して設置されて排水管42に接続される。この場合には、水や泡が残留しやすく、完全に排出することができない。好ましくは、前記支持部432の他端は装着プレートと一体的に成型され、装着プレートを介して取り外し可能に懸架用耳2に接続される。前記溢流管51は外槽1の後側に設置される。前記溢流管51は支持部432の他端に近接して支持部432と連通し、前記排水管42は支持部432の他端に近接して支持部432と連通する。即ち、前記溢流管51と支持部432が連通する位置は懸架用耳2寄りの位置に設けられる。また、前記排水管42と中継管421が連通する位置も懸架用耳2寄りの位置に設けられる。前記溢流管51は、支持部432から引き出され、外槽1の後側に沿って上方へと延伸する。また、前記排水管42は、支持部432から引き出されて下方に延伸し、水を洗濯機から下水道内へ排出する。前記支持部432は三方管に相当する。好ましい実施形態において、前記支持部432は、排水弁アセンブリ41と排水管42、溢流管51と排水管42を中継する役割を果たすほか、排水弁アセンブリ41と排水管42を位置規制及び支持する役割を果たす。
【実施例3】
【0082】
図1図12に示すように、本実施例では、壁掛け式洗濯機について開示する。前記壁掛け式洗濯機は外槽1を含み、前記外槽1内には内槽が回転可能に設けられている。前記外槽1は壁面に直接組み付けられ、外槽1と壁面の間の組み付け構造が省略されている。これにより、洗濯機の生産・運搬コストが低下する。且つ、洗濯機の組み付けステップも簡略化されるため、洗濯機の組み付け難度が低下し、取付要員の作業量が減少する。
【0083】
更に、前記外槽1の槽壁には、径方向に外側へ突出する少なくとも1つの懸架用耳2が設けられている。懸架用耳2は、壁面に対し密着して固定接続される。本発明の外槽1は、懸架用耳2を介して壁面に懸架され、ダンパー等の部材で支持する必要がない。これにより、洗濯機の部材点数が減少するため、洗濯機の生産コスト及び組み付け難度が更に低下する。且つ、洗濯機全体のサイズと重量も小さくなるため、洗濯機の見た目が最適化されるとともに、洗濯機の壁掛けの信頼性が向上する。好ましくは、前記外槽1の槽壁の四隅に懸架用耳2が1つずつ設けられている。より好ましくは、前記懸架用耳2は2つの高さの面に設けられる。
【0084】
更に、前記壁面には、外槽1の方向に延伸する支持部材3が設けられている。支持部材3は懸架用耳2に挿通されるとともに、懸架用耳2に当接してこれを支持する。本発明における外槽1の具体的な組み付けステップとしては、まず支持部材3を壁面に装着したあと、懸架用耳2を支持部材3に懸架することで外槽1の仮固定を実現する。最後に、懸架用耳2に挿通された支持部材3までナットを回し、懸架用耳2を壁面とナットの間の支持部材3上に挟持及び固定する。これにより、外槽1の組み付けが実現される。好ましくは、壁面と懸架用耳2、懸架用耳2とナットの間にそれぞれ制震パッドを挟持及び固定することで、動作過程で洗濯機に発生する騒音を低下させる。更に、前記懸架用耳2は、ボルトによって壁面に固定接続し、懸架用耳2をボルトのナットと壁面の間のボルトネジ部に挟持及び固定してもよい。好ましくは、壁面と懸架用耳2、懸架用耳2とボルトのナットの間に制震パッドを挟持及び固定することで、動作過程で洗濯機に発生する騒音を低下させる。
【実施例4】
【0085】
図1図12に示すように、本実施例では、壁面に直接組み付けられる外槽1と、外槽1の外周に装着される筐体を含むとともに、更に排水装置4を含む壁掛け式洗濯機について開示する。前記排水装置4は、外槽1と連通して外槽1内の水を強制的に排出する排水弁アセンブリ41と、一端が排水弁アセンブリ41と連通し、他端が外槽1における壁寄りの一端の下方の筐体を貫通して洗濯機の外部まで延伸する排水管42、を含む。
【0086】
上記の方案において、壁掛け式洗濯機は、1つの平面上に設置される点で通常のドラム洗濯機とは異なっている。壁掛け式洗濯機は壁に掛けて使用する洗濯機である。本発明の前記壁掛け式洗濯機は、壁面に直接組み付けられる外槽1を含んでおり、ダンパー等の部材で支持する必要がない。これにより、洗濯機の部材点数が減少するため、洗濯機の生産コスト及び組み付け難度が更に低下する。且つ、洗濯機全体のサイズと重量も小さくなるため、洗濯機の見た目が最適化される。前記外槽1は、側部の外周に筐体を含んでいる。また、前記洗濯機は更に排水装置4を含む。前記排水装置4は、然るべき洗浄段階において外槽1内の水を外槽1の内部から外部に強制的に排出する排水弁アセンブリ41と、外槽1から強制的に排出された水を洗濯機の外部に排出する排水管42を含む。一般的に、前記排水管42のうち最終的に水を洗濯機の外部に排出するのはホースであり、振動や衝突等による損傷が発生しやすい。且つ、完全に排水しやすいよう、通常、前記排水管42は上方から地上の床排水口等の排出口に向かって延伸する。排水管42の固定及び全体の見栄えに配慮するとともに、排水管42の振動を低減するために、通常の壁掛け式洗濯機の排水ホースは、いずれも背面板を貫通したあと洗濯機の外部まで延伸する。この場合、背面板を貫通することで固定作用が奏されるが、背面板上の孔の辺縁に存在し得る鋭いエッジやリブ構造がホースの振動時にホースを傷付けるため、ホースの損傷率が高くなる。加えて、背面板が設けられていない洗濯機の場合には、ホースを固定できないためにより大きな変動が発生し得る。本発明で記載する壁掛け式洗濯機の排水装置4では、このような課題を解決するために、前記排水管42の他端が外槽1の下方における筐体を貫通して洗濯機の外部まで延伸している。具体的に、前記排水管42の他端は、外槽1における壁寄りの一端の下方の筐体を貫通し、洗濯機の外部の床排水口まで下方へと延伸している。前記排水管4242は、外槽11の壁寄りでない一端に設置する場合には外部に露出しやすく、見栄えが悪くなる。且つ、床排水口との接続過程で排水管42を固定できないため、ぐらつきや振動が発生する結果、排水管42が損傷してしまう。そこで、本願では、前記排水管42の他端が外槽1における壁寄りの一端の下方の筐体を貫通し、洗濯機の外部まで延伸している。
【0087】
更に、前記排水装置4は装着構造43を含んでいる。前記装着構造43は、排水管42の一端を外槽1における壁寄りの一端に固定及び支持するよう配置される。前記排水管42の一端は、装着構造43を通じて排水弁アセンブリ41と連通する。また、前記排水管42の他端は、外槽1の下方における筐体を貫通して洗濯機の外部まで延伸している。
【0088】
上記の方案において、前記排水装置4は更に装着構造43を含んでいる。前記装着構造43は、排水弁アセンブリ41と排水管42を支持しつつ、排水管42の一端を外槽1における壁寄りの一端に固定する。また、排水管42と排水弁アセンブリ41を連通させる役割も果たす。
【0089】
更に、前記外槽1の槽壁には、径方向に外側へ突出する少なくとも1つの懸架用耳2が設けられている。前記懸架用耳2は、壁面に対し密着して固定接続される。前記装着構造43は、排水管42の一端を懸架用耳2に固定及び支持する。
【0090】
好ましくは、前記装着構造43は、排水管42の一端を懸架用耳2に取り外し可能に固定及び支持する。
【0091】
上記の方案において、本発明の外槽1は、懸架用耳2を介して壁面に懸架され、ダンパー等の部材で支持する必要がない。これにより、洗濯機の部材点数が減少するため、洗濯機の生産コスト及び組み付け難度が更に低下する。且つ、洗濯機全体のサイズと重量も小さくなるため、洗濯機の見た目が最適化されるとともに、洗濯機の壁掛けの信頼性が向上する。また、前記排水管42は、装着構造43を介して懸架用耳2に固定及び支持される。よって、排水管42は外槽1の後側に設置されるとともに、懸架用耳2に固定及び支持される。且つ、排水弁アセンブリ41を位置規制しつつ支持するとの作用も奏される。これにより、本発明における背面板を設置しないことに起因する排水管42を固定できないとの問題発生が防止され、排水管42を固定接続不可能なために生じるぐらつき、振動、破損、水の飛散等の課題が回避される。排水管42の装着、修繕、検査、交換等の操作を行いやすいよう、前記装着構造43は、排水管42の一端を懸架用耳2に取り外し可能に固定及び支持する。また、前記排水管42の他端は、外槽1の下方における筐体を貫通して洗濯機の外部まで下方に延伸している。
【0092】
更に、前記外槽1の槽壁の四隅には、懸架用耳2が1つずつ設けられている。前記装着構造43は、排水管42の一端を外槽1の下側における1つの懸架用耳2に取り外し可能に固定及び支持する。好ましくは、当該懸架用耳2は、外槽1の下側における排水弁アセンブリ41に近接する懸架用耳2である。
【0093】
上記の方案において、前記外槽1の槽壁の四隅には懸架用耳2が1つずつ設けられている。より好ましい実施形態において、前記懸架用耳2は2つの高さの面に設けられる。更に、前記壁面には、外槽1の方向に延伸する支持部材3が設けられている。支持部材3は懸架用耳2に挿通されるとともに、懸架用耳2に当接してこれを支持する。本発明における外槽1の具体的な組み付けステップとしては、まず支持部材3を壁面に装着したあと、懸架用耳2を支持部材3に懸架することで外槽1の仮固定を実現する。最後に、懸架用耳2に挿通された支持部材3までナットを回し、懸架用耳2を壁面とナットの間の支持部材3上に挟持及び固定する。これにより、外槽1の組み付けが実現される。好ましい実施形態では、壁面と懸架用耳2、懸架用耳2とナットの間にそれぞれ制震パッドを挟持及び固定することで、動作過程で洗濯機に発生する騒音を低下させる。更に、前記懸架用耳2は、ボルトによって壁面に固定接続し、懸架用耳2をボルトのナットと壁面の間のボルトネジ部に挟持及び固定してもよい。好ましい実施形態では、壁面と懸架用耳2、懸架用耳2とボルトのナットの間に制震パッドを挟持及び固定することで、動作過程で洗濯機に発生する騒音を低下させる。本発明における前記排水管42は、装着構造43を介して外槽1の下側の1つの懸架用耳2に固定及び支持される。これにより、外槽1の後側に設置されるとともに、外槽1の下側に設置されるため、水は重力の作用でいっそう容易に残留することなく排出される。また、見栄えを保証しつつ、排水管42が固定及び支持される。好ましい実施形態において、前記排水管42は、装着構造43を介して外槽1の下側の排水弁アセンブリ41寄りの1つの懸架用耳2に固定及び支持される。これにより、装置が簡略化されるとともに、装着構造43による排水管42の固定や支持の方法及び構造も簡略化される。
【0094】
更に、前記装着構造43は、排水管42の一端を支持する支持部432を含む。前記支持部432の一端は、排水弁アセンブリ41と連通して排水弁アセンブリ41から排出される水を受け付ける。また、他端は排水管42の一端と連通し、排水弁アセンブリ41から排出された水を排水管42を通じて洗濯機の外部に排出する。前記排水管42は、支持部432により外槽1における壁寄りの一端に支持される。
【0095】
上記の方案において、前記支持部432は、排水管42の一端を外槽1における壁寄りの一端に支持し、排水管42と排水弁アセンブリ41を支持するとともに、これらの間を連通させる。これにより、排水弁アセンブリ41内から強制的に排出された水は、支持部432を通じて円滑に排水管42へと流れ、続いて排水管42を通じて洗濯機の外部へと排出可能となる。また、前記排水管42の他端は、筐体を貫通して洗濯機の外部まで延伸しており、水を洗濯機の外部に排出する。通常、前記排水弁アセンブリ41は、形状や排水位置等の要素的限界から外槽1の後側に設置することはできない。そのため、排水管42を排水弁アセンブリ41の排水口から直接引き出す場合には、排水管42の位置が前寄りとなり、ぐらつきが発生しやすい。また、見栄えが悪く、洗濯機から引き出される排水管42を固定することもできない。そこで、支持部432を設置し、排水弁アセンブリ41から強制的に排出された水を支持部432を通じて排水管42まで引き出し、排水管42を通じて排出する。また、支持部432は、排水管42と排水弁アセンブリ41に対する支持作用も奏する。
【0096】
更に、前記支持部432は管状構造をなしている。前記管状構造の一端は、排水弁アセンブリ41と連通する。また、他端は外槽1における壁寄りの一端に向かって延伸し、排水管42と連通するとともに、排水管42を外槽1における壁寄りの一端に支持する。
【0097】
上記の方案において、前記支持部432は管状構造をなしている。管状構造は、水を流動させるための中空の空洞を有している。前記排水弁アセンブリ41と排水管42は、当該管状構造を通じて連通するとともに、管状構造の両端にそれぞれ設置されている。これにより、排水弁アセンブリ41の水が排水管42に案内されるとともに、排水弁アセンブリ41が支持される。また、排水管42を外槽1における壁寄りの一端に支持することで、排水管42の他端の延伸及び固定が容易となる。
【0098】
更に、前記支持部432は硬質管であり、排水弁アセンブリ41と同一の水平面上に設置される。
【0099】
上記の方案では、前記支持部432を硬質管とすることで、排水管42及び排水弁アセンブリ41に対する支持作用を実現する。これに対し、軟質管の場合には支持作用を実現することができない。前記支持部432は排水弁アセンブリ41と同一の水平面上に設置される。この構造はシンプルであり、スペースを大きく占有することがなく、装着及び修繕が容易である。
【0100】
更に、前記支持部432は、排水弁アセンブリ41から外槽1における壁寄りの一端に向かって徐々に低下するよう傾斜しながら延伸する。これにより、前記排水管42と支持部432との連通箇所は、支持部432と排水弁アセンブリ41との連通箇所よりも低くなる。
【0101】
上記の方案において、前記支持部432は、排水弁アセンブリ41から外槽1における壁寄りの一端に向かって徐々に低下するよう傾斜しながら延伸する。これにより、支持部432内の水が排水管42から完全に残留することなく流出し、且つ逆流することもない。また、前記排水管42と支持部432との連通箇所を支持部432と排水弁アセンブリ41との連通箇所より低くしているのも、支持部432内の水をより良好に排出して水の残留又は逆流を防止するためである。
【0102】
更に、前記洗濯機は、外槽1の内部から溢れた泡と水を洗濯機の外部に排出する溢流管51を含む。前記溢流管51は、支持部432を通じて排水管42と連通する。
【0103】
好ましくは、前記溢流管51は、外槽1の壁寄りの一端において支持部432を通じて排水管42と連通する。
【0104】
上記の方案において、前記洗濯機は、更に、外槽1の後部に設置されて外槽1の内部と外槽1の外部との間で空気の流動を実現する通気装置5を含む。前記通気装置5は、外槽1の後壁に形成されて外槽1の内部と連通する排気孔53と、一端が排気孔53に接続され、他端が排水管42と連通し、外槽1の内部から溢れた泡と水を洗濯機の外部に排出する溢流管51と、一端が溢流管51と連通し、他端が排気孔53よりも高い位置まで延伸しており、且つ、他端に、当該箇所まで溢れた泡を壊して液体とし、溢流管51へと案内する消泡構造521が設けられている通気管52、を含む。前記溢流管51の他端は、支持部432を通じて排水管42と連通する。具体的に、前記溢流管51の他端は、外槽1の壁寄りの一端において支持部432を通じて排水管42と連通する。
【実施例5】
【0105】
図1図12に示すように、本実施例では、排水弁アセンブリ41について開示する。当該排水弁アセンブリ41は、排水弁アセンブリ41に動力を供給するモータと、モータを収容する空洞を内部に含む装着ハウジング411と、装着ハウジング411に設置されて装着ハウジング411の空洞を密封するための密封構造412、を含む。
【0106】
上記の方案において、前記排水弁アセンブリ41には、排水(例えば、洗濯機からの排水)のために動力を供給するモータが設けられており、モータの保護がとりわけ重要となる。そこで、装着ハウジング411を設置してモータを収容する空洞を提供することで、モータが衝撃等を受けて破損しないよう防止するとともに、モータの振動が過剰とならないよう防止する。密封構造412は、装着ハウジング411の空洞を密封するために用いられ、モータが水や水蒸気により破損しないよう防止する。
【0107】
更に、前記装着ハウジング411は、第1ハウジング4111と第2ハウジング4112を含む。前記第1ハウジング4111と第2ハウジング4112は取り外し可能に接続される。前記密封構造412は、第1ハウジング4111と第2ハウジング4112の接続箇所に設置される。
【0108】
上記の方案において、前記装着ハウジング411が取り外し可能に接続される第1ハウジング4111と第2ハウジング4112を含んでいるのは、モータの装着及び修繕を容易にするためである。しかし、2つのハウジングの間にはどうしても隙間が存在するため、水/水蒸気が隙間を通じて装着ハウジング411の空洞内に進入し、モータを傷付ける恐れがある。そこで、第1ハウジング4111と第2ハウジング4112との接続箇所に密封構造412を設置することで、2つのハウジングの間に水/水蒸気が進入するとの不備を解消している。
【0109】
更に、前記密封構造412は、第1ハウジング4111/第2ハウジング4112の接続箇所に設置される密封部4121と、第2ハウジング4112/第1ハウジング4111の接続箇所に設置される係合部4122を含む。前記密封部4121と係合部4122が係合することで、第1ハウジング4111と第2ハウジング4112との接続箇所が密封される。
【0110】
上記の方案において、前記密封構造412は密封部4121と係合部4122を含む。これらを係合させることで装着及び修繕が容易となり、且つ良好な密封効果を得ることができる。
【0111】
更に、前記第1ハウジング4111/第2ハウジング4112の接続箇所は、互いに係合及び接触する接続端5211面を含む。前記密封部4121は、第1ハウジング4111/第2ハウジング4112の接続端5211面に突設される突出部である。前記係合部4122は、第2ハウジング4112/第1ハウジング4111の接続端5211面に設置される凹溝部である。
【0112】
更に、前記突出部は、凹溝部内に伸入して第1ハウジング4111と第2ハウジング4112の接続端5211面を位置規制及び密封する。
【0113】
上記の方案において、前記密封部4121は接続端5211面から突出する突出部であり、前記係合部4122は接続端5211面に設置される凹溝部である。突出部は、凹溝部内に伸入して第1ハウジング4111と第2ハウジング4112の接続端5211面を位置規制及び密封する。よって、密封効果に優れ、装着ハウジング411の内部への水の進入の恐れが完全に払拭される。水蒸気は、装着ハウジング411の内部に進入しようとする場合、まず突出部と凹溝を迂回せねばならない。この過程で、水蒸気は何度も壁に衝突することで凝結して水となるため、装着ハウジング411の空洞内に進入することができない。つまり、水と水蒸気がN型のラビリンスシールを形成することに相当し、装着ハウジング411の空洞に水及び水蒸気が進入する恐れが大幅に低下するため、密封効果に優れる。また、突出部が凹溝部内に伸入することで位置規制及び装着の作用が奏されるため、第1ハウジング4111と第2ハウジング4112の装着が大いに容易となる。
【0114】
更に、前記突出部は、第1ハウジング4111/第2ハウジング4112の接続端5211面に設置される連続した突起状構造であり、前記凹溝部は、突出部と係合する連続した凹溝状構造である。
【0115】
上記の方案において、前記突出部は連続した突起状構造であり、接続端5211面全体を密封するため、密封効果に優れる。
【0116】
更に、前記突出部は延伸方向の断面が矩形となっており、前記凹溝部は突出部と形状及びサイズの双方が一致している。好ましくは、当該矩形のうち接続端5211面から離れた辺及び角には丸み面取りが施されている。
【0117】
上記の方案において、前記突出部は延伸方向の断面が矩形となっており、凹溝部は突出部の形状及びサイズと一致しているため、密封効果に優れる。好ましい実施形態において、矩形のうち接続端5211面から離れた辺及び角には丸み面取りが施されているため、装着又は取り外しの過程で凹溝部を傷付けることがない。
【実施例6】
【0118】
図1図12に示すように、本実施例では、外槽1を含むとともに、更に、外槽1の後部に設置されて外槽1の内部と外槽1の外部との間で空気の流動を実現する通気装置5を含む壁掛け式洗濯機について開示する。前記通気装置5は、外槽1の後壁に形成されて外槽1の内部と連通する排気孔と、一端が排気孔に接続され、他端が外槽1の内部から溢れた泡と水を洗濯機の外部に排出する溢流管51と、一端が溢流管51と連通し、他端が排気孔よりも高い位置まで延伸しており、且つ、他端に、当該箇所まで溢れた泡を壊して液体とし、溢流管51へと案内する消泡構造521が設けられている通気管52、を含む。
【0119】
上記の方案において、壁掛け式洗濯機は、1つの平面上に設置される点で通常のドラム洗濯機とは異なっている。壁掛け式洗濯機は壁に掛けて使用する洗濯機である。本発明で記載する壁掛け式洗濯機は、外槽1の内部と外部の間で空気の流動を実現する通気装置5を含むため、通気不能による外槽1の破裂等の危険が防止される。また、前記通気装置5は外槽1の後部に設置されるため、外槽1の側部に設置される場合よりも外槽1の側部スペースが節約されて、壁掛け式洗濯機の体積が小さくなる。且つ、前記通気装置5は外槽1の後壁のリブ構造の間に設置可能なため、外槽1の後壁のスペースを大きく占有することがない。前記通気装置5は外槽の内部と連通する排気孔を含んでいる。前記排気孔は外槽1の後壁に設置されているため、溢流管51を外槽1の後壁に接続しやすい。前記通気装置5は、外槽1内から溢れた泡と水を洗濯機の外部に排出する溢流管51を更に含む。前記溢流管51は、一端が外槽1の後壁の上方に設置される排気孔と連通するとともに、他端が排水装置4と連通しており、外槽1の上方から溢れた泡と水を排水装置4を通じて洗濯機の外部に排出する。前記通気装置5は、外槽1の内部と外部の間で空気を流動させるための通気管52を更に含む。前記通気管52は、一端が溢流管51と連通し、溢流管51を通じて外槽1の内部と連通するとともに、他端が外槽1の外部と連通する。これにより、外槽1の内部と外部の間で空気の流動が実現される。前記通気管52の他端は排気孔よりも高い位置まで延伸しているため、通気管52から泡が直接溢れ出さないよう防止される。前記通気管52の他端は排気孔よりも高い位置まで延伸していることから、泡が通気管から溢れ出すためにはより大きな圧力が必要となり、泡が溢れ出す恐れが大幅に低下する。前記通気管52の他端には、更に、当該箇所まで溢れた泡を壊して液体とし、溢流管まで案内する消泡構造521が設けられている。前記消泡構造521は、泡が通気管52を通じて洗濯機から溢れ出すのを防止し、且つ通気管52の通気機能に支障をきたすことがない。
【0120】
更に、前記排気孔は、外槽1の内部における最高水位部分に設置される。好ましくは、前記排気孔は、外槽1の後壁を垂直に貫く軸心の直径上に設置されており、外槽1の内部の最高水位と連通する。
【0121】
上記の方案において、前記排気孔は外槽1の内部の最高水位部分に設置されるため、排気孔の設置位置が低い場合に生じる泡と水の想定外の溢出や、これに起因するきれいに洗浄できない等の課題が回避される。好ましい実施形態において、前記排気孔は、外槽1の後壁を垂直に貫く軸心の直径上に設置されるため、最高水位を探して特定することがいっそう容易である。よって、その他の位置に設置される排気孔と比較して、泡が溢れ出る際の難度が増すとともに、泡と水が過剰な場合には泡と水を溢れ出させる機能を実現することが可能である。
【0122】
更に、前記洗濯機は排水装置4を含んでいる。前記溢流管51は、一端が排気孔に接続され、他端が外槽1の後壁の周方向に沿って下方へと延伸して排水装置4に接続される。好ましくは、前記溢流管51は、外槽1の後壁の軸心寄りの周方向に沿って下方へ延伸する。より好ましくは、前記溢流管51の一端は、排気孔から垂直方向に一定の距離だけ下方へ延伸したあと、外槽1の後壁の軸心寄りの周方向に沿って下方へ延伸する。
【0123】
上記の方案において、前記洗濯機は、更に、外槽1内の洗浄水を洗濯機から排出する排水装置4を含む。前記溢流管51は、一端が排気孔に接続されて外槽の内部と外槽の外部との空気の流動を実現する。また、他端が排水装置4に接続され、排気孔から溢れた泡と水を排水装置4を通じて洗濯機の外部に排出する。前記溢流管51の他端は、外槽1の後壁の周方向に沿って下方へ延伸することで、外槽1の後壁上のリブ配置を過剰に邪魔することなく、リブとリブの間に設置される。よって、スペースを占有することがなく、リブの分布を損なうこともない。好ましい実施形態において、前記溢流管51は、外槽1の後壁の軸心寄りの周方向に沿って下方に延伸するため、溢流管51の長さが短くなり、泡と水をより迅速に排出することができる。これにより、泡が堆積して溢れ出すとの事態が回避される。且つ、軸心に近付くほど受ける振動が大きくなるため、泡がより容易に壊れて流れ出やすくなる。より好ましい実施形態において、前記溢流管51の一端は、排気孔から垂直方向に一定の距離だけ下方へ延伸したあと、外槽の後壁の軸心寄りの軸方向に沿って下方へ延伸する。垂直方向に下方へ延伸する溢流管51は、より容易に泡と水を排水装置4に向かって流動させることができる。
【0124】
更に、前記通気管52は、一端が溢流管51と連通し、他端が外槽1の後壁に沿って排気孔よりも高い位置まで上方に向かって延伸する。好ましくは、前記通気管52は溢流管51に近接しており、且つ通気管52の他端が外槽1の後壁の周方向に沿って上方に向かって延伸する。より好ましくは、前記通気管52の他端は、外槽1の後壁の周方向に沿って延伸したあと、垂直方向に沿って引き続き排気孔よりも高い位置まで上方へと延伸する。
【0125】
上記の方案において、前記通気管52は外槽1の後壁に沿って上方へと延伸する。これにより、通気管52は外槽1の後壁に設置されるが、外槽1の後壁は振動が比較的大きいことから、外槽1の後壁に設置される通気管52の振動も比較的大きくなり、泡が振動の作用で一段と壊れて液体になりやすい。また、通気管52は外槽1の後壁に沿って上方へ延伸しているため、外槽1の側壁に設置される場合よりも外槽1の側壁のスペースが節約されて、洗濯機の体積が小さくなる。また、外槽1の後壁に設置する場合、前記通気管52は外槽1の後壁のリブの間に嵌設可能なため、スペースが節約される。このほか、前記通気管52の他端は排気孔よりも高い位置まで延伸していることから、泡が通気管52から溢れ出すためにはより大きな圧力が必要となり、泡が溢れ出す恐れが大幅に低下する。好ましい実施形態において、前記通気管52は溢流管51に近接しており、且つ通気管52の他端は外槽1の後壁の周方向に沿って上方に向かって延伸する。これにより、外槽1の後壁上のリブ配置を過剰に邪魔することなく、リブとリブの間に設置されるため、スペースを占有することがなく、リブの分布を損なうこともない。また、前記通気管52は溢流管51に近接している。即ち、外槽1の後壁の軸心に近接している。振動は軸心に近付くほど大きくなるため、泡が通気管内で振動によって一段と壊れやすくなり、通気管52からいっそう溢れにくくなる。より好ましい実施形態において、前記通気管52の他端は、外槽1の後壁の周方向に沿って延伸したあと、垂直方向に沿って引き続き排気孔よりも高い位置まで上方へと延伸する。周方向に延伸しているため、泡は振動が大きくなると消滅する。また、垂直方向に沿って引き続き上方へ延伸させることで、泡の上昇に対する抵抗力が大きくなるほか、通気管52の他端の先端を排気孔よりも高く設置しやすくなる。
【0126】
更に、前記通気管52には屈曲部522が設けられている。前記屈曲部522は、溢流管51と連通する側の一端に設けられる。好ましくは、前記通気管52における溢流管51と連通する側の一端は、外槽1の後壁を貫く軸心の水平線以下に設けられる。
【0127】
上記の方案では、溢流管51と連通する側の一端に、溢れた泡を壊して溢出を防止する効果を奏する屈曲部522が設けられている。屈曲部522によって通気管52の延伸を介在することで、通気管52が上方へ延伸するための十分なスペースが提供される。これにより、通気管52が上方へ延伸する過程で外槽1の後部の範囲を超えてしまい、延伸し続けるためのスペースが不足するとの事態が防止される。また、屈曲部522によって泡が壊される。泡は、管路の曲がった部位で圧力が増加することから一部が壊される。且つ、屈曲部522は通気管52内における泡の進行に対しても圧力を増加させるため、泡は通気管52内での流動が一段と難しくなる。つまり、屈曲部522は介在役を果たすとともに、溢出を防ぎ、泡を壊す役割も奏する。また、前記通気管52における溢流管51と連通する側の一端は、外槽1の後壁を貫く軸心の水平線以下に設けられるため、泡が溢流管51に溢れ出す際の難度が高くなる。泡が下方に向かい続ける際に受ける抵抗力は、通気管52から上方へ向かう際に受ける抵抗力よりも小さいため、泡の溢出を効果的に減少させられる。
【0128】
更に、前記屈曲部522は、外槽1の後壁の径方向に沿って外側へ突出する突出部である。好ましくは、前記突出部は円弧状をなしている。より好ましくは、前記突出部の少なくとも一部は外槽1の後壁を貫く軸心の水平線以下に設けられる。
【0129】
上記の方案において、前記屈曲部522は、外槽1の後壁の径方向に沿って外側へ突出する突出部である。泡は溢流管51から上方に向かって通気管52内に溢れ出すが、径方向に外側へ突出する突出部が泡の道程を延長させるとともに、道程の複雑さを増加させるため、泡が上方に向かって溢れ続ける際の抵抗力が上昇する。また、径方向に外側へ突出する突出部は、径方向に外側へ延伸する第1延伸部と、径方向に内側へ延伸する第2延伸部を含んでいる。泡が第1延伸部において受ける振動の作用は大きい方から小さい方へと変化し、第2延伸部において受ける振動の作用は小さい方から大きい方へと変化する。泡は、第1延伸部から第2延伸部に向かって上昇する過程で、変化する振動の作用を受けて徐々に壊れて行く。加えて、泡は第1延伸部から第2延伸部に向かって上昇する過程において、振動の作用、上昇に対する抵抗力及び上昇経路の変化を受けて変動し、泡同士がぶつかり合うことでいっそう容易に消滅する。好ましい実施形態において、前記突出部は円弧状をなす。円弧状の突出部は半円に類似した構造を形成し、屈曲部分としての役割を実現可能である。また、この程度の屈曲であれば成型が容易である。或いは、ホースであれば容易に屈曲させられる。よって、成型コストが増加することがなく、装着も容易である。より好ましい実施形態において、前記突出部の少なくとも一部は外槽1の後壁を貫く軸心の水平線以下に設けられるため、泡が溢流管51に溢れ出す際の難度が高くなる。泡が下方に向かい続ける際に受ける抵抗力は、通気管52から上方へ向かう際に受ける抵抗力よりも小さいため、泡の溢出を効果的に減少させられる。
【0130】
更に、前記消泡構造521は取り外し可能に通気管52の他端に設置される。
【0131】
上記の方案において、前記消泡構造521は取り外し可能に通気管52の他端に設置されるため、消泡構造521の装着、修繕、クリーニングが容易である。これにより、通気管52の他端に消泡構造521が設置されることで綿等の異物が詰まり、通気に支障をきたすとの事態が回避される。
【0132】
更に、前記消泡構造521は管状の本体を含んでいる。前記管状の本体は、管状の本体の一端に設置される接続端5211を含む。前記管状の本体は、接続端5211を介して取り外し可能に通気管52の他端に設置される。好ましくは、前記接続端5211の外部と通気管52の他端の内部にはいずれもネジが設けられている。前記管状の本体は、当該ネジを回すことで通気管52の他端の内部に接続される。
【0133】
管状の本体の他端には消泡端5212が設置されている。前記接続端5211の管の内径は、消泡端5212の管の内径よりも小さい。
【0134】
上記の方案において、接続端5211は、主に、消泡構造521を取り外し可能に通気管52の他端に設置するために用いられる。前記接続端5211は、係接又はネジ接続等の方式で通気管52の他端に接続可能である。ネジ接続方式の場合には、前記接続端5211の内部と通気管52の他端の外部にネジを設けるか、接続端5211の外部と通気管52の他端の内部にネジを設けるという2つのネジ接続方式がある。好ましい実施形態では、前記接続端5211の外部と通気管52の他端の内部にいずれもネジが設けられており、前記管状の本体が、当該ネジを回すことで通気管52の他端の内部に接続される。前記接続端5211は、通気管52の他端の内部に設置されるため内径が小さくなっており、これにより一定の泡の溢出防止作用も奏される。前記接続端5211の管の内径が消泡端5212の管の内径よりも小さいことは、前記通気管52内に接続端5211のくびれ部が出現することに相当する。泡は、接続端5211の当該くびれ部に到達するとくびれによる圧力を受ける。これにより、泡の一部は圧力の作用で壊れ、それ以上は消泡端5212に進むことがない。また、泡の残りの部分は引き続き消泡端5212に進み、消泡端5212に遮られて壊される。
【0135】
更に、前記消泡端の内部には、少なくとも1つの消泡プレート5213が含まれている。前記消泡プレート5213は、それぞれ径方向と軸方向に沿って消泡端5212の内部に延伸している。前記消泡プレート5213と管状の本体の内壁との間、及び/又は消泡プレート5213の間には、通気のための隙間が設けられている。好ましくは、前記消泡プレート5213は、接続端5211と消泡端5212の境界部分から消泡端5212の末端に向かって延伸する。より好ましくは、前記消泡プレート5213は消泡端5212の内部に一体的に成型される。
【0136】
上記の方案において、前記消泡端の内部には、泡の溢出を防止する消泡プレート5213が含まれている。前記消泡プレート5213は、径方向において消泡端5212の中央に設置されるとともに、軸方向に沿って延伸している。好ましい実施形態において、前記消泡プレート5213は、軸方向に沿って消泡端5212と接続端5211の境界部分まで延伸する。泡は、接続端5211から消泡端5212に向かって溢れる場合、まず、接続端5211のくびれ部に押圧されて一部が壊れ、残りの部分については押圧後に再び消泡プレート5213で押圧されることで壊される。よって、消泡端5212から泡が溢れ出すことがない。また、前記消泡プレート5213と内壁との隙間は通気用の隙間であるため、消泡構造521は、通気管52の通気機能を実現することを前提に、泡の溢出を防止することも可能である。前記防溢部は、少なくとも2つの消泡プレート5213を含む。前記消泡プレート5213は、互いに平行に設置されるか交差して設置される。前記消泡プレート5213の間、前記消泡プレート5213と消泡端5212の内壁の間には、通気のための隙間が存在している。泡は、接続端5211から消泡端5212に向かって溢れる場合、まず、接続端5211のくびれ部に押圧されて一部が壊れ、残りの部分については押圧後に再び消泡プレート5213で押圧されることで壊される。よって、消泡端5212から泡が溢れ出すことがない。一体的に成型される消泡プレート5213によれば、加工と装着の手順が省略されるとともに、コストの節約となり、使用しやすい。
【0137】
以上は本発明の好ましい実施例にすぎず、本発明を何らかの形式に制限するものではない。本発明については好ましい実施例によって上記のように開示したが、本発明を限定するとの主旨ではない。本発明の技術方案を逸脱しない範囲において、当業者が上記で提示した技術内容を用いて実施可能なわずかな変形或いは補足は、同等に変形された等価の実施例とみなされ、いずれも本発明の技術方案の内容を逸脱するものではない。また、本発明の技術的本質に基づいて上記の実施例に加えられる任意の簡単な修正、同等の変形及び補足は、いずれも本発明の方案の範囲に属する。
【符号の説明】
【0138】
1 外槽
2 懸架用耳
21 整合部
3 支持部材
4 排水装置
41 排水弁アセンブリ
411 装着ハウジング
4111 第1ハウジング
4112 第2ハウジング
412 密封構造
4121 密封部
4122 係合部
42 排水管
43 装着構造
431 装着部
4311 装着貫通孔
4312 位置規制部
432 支持部
5 通気装置
51 溢流管
52 通気管
521 消泡構造
5211 接続端
5212 消泡端
5213 消泡プレート
522 屈曲部
53 排気孔
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