(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-02-10
(45)【発行日】2023-02-20
(54)【発明の名称】ダンネージ変換機用成形アセンブリ、ダンネージ変換機、および予加工シートストック材料
(51)【国際特許分類】
B31D 5/00 20170101AFI20230213BHJP
【FI】
B31D5/00
(21)【出願番号】P 2021550268
(86)(22)【出願日】2020-02-12
(86)【国際出願番号】 US2020017828
(87)【国際公開番号】W WO2020176257
(87)【国際公開日】2020-09-03
【審査請求日】2021-10-26
(32)【優先日】2019-02-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】513206315
【氏名又は名称】ランパク コーポレーション
(74)【代理人】
【識別番号】110000578
【氏名又は名称】名古屋国際弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】チェイチ ロバート シー.
(72)【発明者】
【氏名】ワグナー デニス ジェー.
(72)【発明者】
【氏名】レッメンス ペーター エル.セー.
(72)【発明者】
【氏名】プルイメン ロブ アー.ハー.
【審査官】佐藤 秀之
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2017/0266907(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2002/0082152(US,A1)
【文献】特表平11-506988(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B31D 5/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
高さ寸法と、前記高さ寸法に対して直角な幅寸法と、前記高さ寸法および前記幅寸法の両方に対して直角な長さ寸法とを有する長さ寸法とを有し、
底面と、前記底面の共通の側面から長手方向に伸び、横方向に離間した1組の突出部とを有する、内部成形装置を備え、
前記幅寸法は、上流端部から、前記上流端部から離間した下流端部へ向けて、前記長さ寸法に沿って減少し、
前記突出部は上面を有し、前記上面は、前記突出部が楔型となるように、前記突出部の前記高さ寸法を、前記上流端部から前記下流端部へ向けて増大させ、
前記突出
部は、収束軸に沿って延び、前記突出部は、長手方向に伸びる横方向に離間した1組の平行リッジを備え、前記1組の平行リッジは、
前記上面から上方に突出し、前記
突出部の横方向外側から内側に離間して設けられる、
緩衝材変換機用成形アセンブリ。
【請求項2】
前記横方向に離間した1組の突出部の間に、厚さが均一な中央領域を備える、
請求項1に記載の成形アセンブリ。
【請求項3】
前記中央領域は、前記横方向に離間した1組の突出部の間に、平坦な上面を有する、
請求項2に記載の成形アセンブリ。
【請求項4】
前記底面が平坦である、
請求項1~3のいずれか1項に記載の成形アセンブリ。
【請求項5】
前記平行リッジは、前記上流端部から、前記長さ寸法よりも短い距離で延在する、
請求項1~4のいずれか1項に記載の成形アセンブリ。
【請求項6】
前記突出部は、
当該突出部の横方向外側の範囲よりも横方向内側に延在する、横方向外空洞を備える、
請求項1~5のいずれか1項に記載の成形アセンブリ。
【請求項7】
前記平行リッジに対して横方向外側に位置する前記横方向に離間した1組の突出部の上面の高さが、段階的に変化する、
請求項1~6のいずれか1項に記載の成形アセンブリ。
【請求項8】
前記内部成形装置は、長手方向に伸びる垂直面に関して対称的に位置し、前記横方向に離間した1組の突出部は、それぞれ、長手方向に伸びる垂直面に関して互いの鏡像である、
請求項1~7のいずれか1項に記載の成形アセンブリ。
【請求項9】
前記上流端部近傍において、前記1組の突出部の間で内部成形装置に固定される実装要素をさらに備える、
請求項1~8のいずれか1項に記載の成形アセンブリ。
【請求項10】
前記内部成形装置の底面を前記突出部とは反対側に超える方向、または前記内部成形装置の上流端部を超える方向のうち、少なくとも一方に伸びる横方向中央舵をさらに備える、
請求項1~9のいずれか1項に記載の成形アセンブリ。
【請求項11】
上流端部に位置する導入口から、下流端部に位置する比較的狭い排出口へ向かって収束する収束シュートを有する外部成形装置をさらに備え、前記内部成形装置は、前記外部成形装置に入れ子状に内包される、
請求項1~10のいずれか1項に記載の成形アセンブリ。
【請求項12】
前記内部成形装置は、前記外部成形装置に実装される、
請求項11に記載の成形アセンブリ。
【請求項13】
前記底面は平面である、
請求項1~12のいずれか1項に記載の成形アセンブリ。
【請求項14】
前記突出部は、前記内部成形装置の前記下流端部に円形の横断面を有する、
請求項1~13のいずれか1項に記載の成形アセンブリ。
【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
[発明の分野]
本発明は、概して、シートストック材料を包装に有用な緩衝材ダンネージ製品に変換するダンネージ変換機に関する。
[背景技術]
物品をある場所から別の場所へ配送する過程で、通常、配送用の容器または箱には、隙間を埋めるため、または配送過程において物品にかかる衝撃を和らげるために、保護包装材が収納される。従来の保護包装材としては、ピーナッツ型の発泡プラスチックやプラスチック製気泡緩衝材がある。紙製保護包装材は、従来のプラスチック製包装材の代替品として非常によく普及している。紙は生分解性で再利用が可能であり、原料が再生可能資源であるため、良心的な業界では環境に配慮した選択肢となっている。
【0002】
シート状の紙も保護包装材として利用できないことはないが、パッケージング企業は、通常、シート状の紙を比較的密度の低いダンネージ製品に変換して、より高い保護性を提供することを好む。この変換は、本発明の譲受人に譲渡された米国特許第5,123,889号明細書および米国特許第5,322,477号明細書に記載されているようなダンネージ変換機によって実現し得る。ダンネージ変換機は、一般的に、紙などのシートストック材料を、元のストック材料よりも低密度のダンネージ細片に変換する。所望の長さのダンネージ製品は細片から裁断または切断され、包装用途に利用される。
[発明の概要]
本発明は、緩衝材変換機、および、シートストック材料を緩衝性能が改良された比較的低密度のダンネージ製品へ、より具体的には、内向きに折り返され幅の狭い中央帯に沿って結合された側面領域を有するストック材料から成形された緩衝材製品へ変換し、より多量のストック材料を無作為に皺が形成された横向きの枕状部分に仕上げ、その枕状部分に改良された緩衝性能を持たせる方法を提供する。
【0003】
そのため、本発明は、シートストック材料を比較的低密度の緩衝材製品に変換する緩衝材ダンネージ変換機を提供し、該シートストック材料は、別の1枚のシートに重ねられ、その横縁部とそれぞれ結合された2枚のシートを含む。変換機は、シート材料を形成し無作為に皺を寄せるための成形機を有する成形アセンブリと、皺が形成されたシート材料を成形アセンブリ下流の供給アセンブリへと誘導する、最大寸法が制御された調整可能ガイド部材と、供給アセンブリ下流に位置し、個別の長さの緩衝材を分離する裁断アセンブリとを備える。裁断アセンブリは、供給アセンブリの運転中に皺が形成されたシート材料を排出口へと誘導し、裁断アセンブリの運転中に皺が形成されたシートストック材料を拘束する窓枠を備える。
【0004】
より具体的には、本発明は、内部成形装置を備える緩衝材変換機用の成形アセンブリを提供する。内部成形装置は、高さ寸法と、高さ寸法に対して直角な幅寸法と、高さ寸法および幅寸法の両方に対して直角な長さ寸法とを有する。内部成形装置は、底面と、底面の共通の側面から突出して長手方向に伸びる、横方向に離間した1組の突出部とをさらに有する。内部成形装置の幅寸法は、上流端部から、上流端部から離間した下流端部へ向けて、長さ寸法に沿って減少し、突出部の高さ寸法は、突出部が楔型の容積を有するように、上流端部から下流端部へ向けて増大する。これら突出部の楔型の容積は収束軸に沿って延びるが、突出部は、長手方向に伸びる横方向に離間した1組の平行リッジも備え、肩部とも呼ばれる当該1組の平行リッジは、楔型の容積の上方に突出し、楔型の容積の横方向外縁より内側に離間して設けられる。
【0005】
内部成形装置は、横方向に離間した1組の突出部の間に、厚さが均一な中央領域を備えてもよい。この中央領域は、横方向に離間した1組の突出部の間に、平坦な上面を有してもよい。
【0006】
内部成形装置の底面は、平坦であっても、平面であってもよい。
【0007】
平行リッジは、上流端部から、長さ寸法よりも短い距離で延在してもよい。結果として得られる内部成形装置は、平行リッジに対して横方向外側に位置する、横方向に離間した1組の突出部の上面の高さが、段階的に変化してもよい。
【0008】
突出部は、楔型の容積の横方向外郭よりも横方向内側に延在する、横方向外空洞をさらに備えてもよく、突出部は内部成形装置の下流端部に円形の横断面を有してもよい。
【0009】
1つまたはそれ以上の実施形態では、内部成形装置は、長手方向に伸びる垂直面に関して対称的であってもよく、横方向に離間した突出部は、それぞれ、長手方向に伸びる垂直面に関して互いの鏡像であってもよい。
【0010】
成形アセンブリは、上流端部近傍において、1組の突出部の間で内部成形装置に固定される実装要素をさらに備えてもよい。
【0011】
1つまたはそれ以上の実施形態では、内部成形装置は、内部成形装置の底面を突出部とは反対側に超える方向、または内部成形装置の上流端部を超える方向のうち、少なくとも一方に延びる横方向中央舵をさらに備えてもよい。
【0012】
成形アセンブリは、上流端部に位置する導入口から、下流端部に位置する比較的狭い排出口へ向かって収束する収束シュートを有する外部成形装置をさらに備えてもよく、内部成形装置は、外部成形装置に入れ子状に収容される。内部成形装置は、外部成形装置に取り付けられてもよい。
【0013】
また、本発明は、シートストック材料を比較的低密度のダンネージの細片に成形するための成形アセンブリと、成形アセンブリ下流に位置し、ダンネージの細片を成形アセンブリを介して牽引する少なくとも1つの回転要素を備える供給アセンブリと、成形アセンブリと供給アセンブリとの間に位置し、ダンネージの細片を成形アセンブリから供給アセンブリに至る進路に沿って誘導する一連のガイドウォールとを有する変換アセンブリを備える、緩衝材変換機を提供する。一連のガイドウォールは、少なくとも1つの調整可能ガイドウォールを備え、少なくとも1つの調整可能ガイドウォールは、成形アセンブリ近傍の上流端部に枢動するように実装され、成形アセンブリと供給アセンブリとの間の進路の寸法のうち少なくとも1つを変更するために、複数の所定の位置のいずれにも選択的に配置可能である。
【0014】
一連のガイドウォールは、周方向に離間した複数の開口と、対応する開口に係合可能な複数のタブを有し、横方向に離間した1組の調整可能ガイドウォールとを備えるガイドプレートを備えてもよい。ガイドプレートは、成形アセンブリから供給アセンブリを通過して延びてもよい。
【0015】
調整可能ガイドウォールは、進路に対向する凸状面を提供するために湾曲してもよい。一連のガイドウォールは、進路を周方向に拘束してもよい。
【0016】
最後に、本発明は、シートストック材料を比較的密度の低いダンネージ製品に変換するための変換アセンブリを備えるダンネージ変換機を提供する。変換アセンブリは、変換アセンブリを介した進路に沿ってシートストック材料を前進させる少なくとも1つの回転要素を備える供給アセンブリと、供給アセンブリ下流に位置し、シートストック材料から個別の長さのダンネージ製品を裁断する裁断アセンブリとを備える。裁断アセンブリは、固定切断ブレードと、駆動切断ブレードとを備え、駆動切断ブレードは、シートストック材料の進路を横切って固定切断ブレードに相対して可動であり、シートストック材料から個別のダンネージ製品を裁断する。裁断アセンブリは、供給位置と供給位置から離間した裁断位置との間を、駆動切断ブレードとともに移動可能な移動フレームをさらに備える。移動フレームは、供給位置においてシートストック材料の進路に対して整列し、裁断位置においてシートストック材料の進路を遮断する通路を備える。移動フレームは、通路の一側面を画定し、フレームが裁断位置から供給位置へと移動する際にシートストック材料の進行方向を通路に合わせて転換する、クロスバーを備える。
【0017】
移動フレームは、供給位置から裁断位置へと移動する際に、回転することなくその位置を移動してもよい。駆動切断ブレードは、通路近傍で移動フレームに実装されてもよい。
【0018】
裁断アセンブリは、移動フレームが実装され、供給位置と裁断位置との間における移動フレームの位置移動動作を誘導する、ガイド部材を備えてもよい。
【0019】
本発明の上述した特徴およびその他の特徴を、以下の詳細な説明および添付の図面において詳述する。
【0020】
本発明の一典型例を図に示し、その詳細を図面に基づいて以下に記載する。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図1】
図1は、シートストック材料を比較的低密度のダンネージ製品に変換するためのダンネージ変換機を備えるシステムの概略図である。
【
図2】
図2は、ダンネージ製品への変換に適した単層の予加工シートストック材料の概略図である。
【
図3】
図3は、ダンネージ製品への変換に適した複層の予加工シートストック材料の概略図である。
【
図4】
図4は、ダンネージ製品への変換に適した別の予加工シートストック材料の概略図である。
【
図5】
図5は、ダンネージ製品への変換に適したさらに別の予加工シートストック材料の概略図である。
【
図6】
図6は、本発明が提供するダンネージ変換機用の模範的な成形アセンブリの斜視図である。
【
図8】
図8は、
図7に示す成形アセンブリを線8-8に沿って切断した長手方向断面図である。
【
図9】
図9は、
図7に示す成形アセンブリの上流端部において、線9-9に沿って切断した断面から見た場合のシートストック材料の概略図である。
【
図10】
図10は、
図7に示す成形アセンブリの中間点において、線10-10に沿って切断した断面から見た場合のシートストック材料の概略図である。
【
図11】
図11は、
図7に示す成形アセンブリの下流端部において、線11-11に沿って切断した断面から見た場合のシートストック材料の概略図である。
【
図12】
図12は、本発明が提供する代替的な成形アセンブリの分解斜視図である。
【
図15】
図15は、
図12に示す代替的な成形アセンブリを、当該成形アセンブリの上流端部近傍から見た概略断面斜視図である。
【
図16】
図16は、
図12に示す代替的な成形アセンブリを、当該成形アセンブリの中間点から見た概略断面斜視図である。
【
図17】
図17は、
図12に示す代替的な成形アセンブリを、当該成形アセンブリの下流端部近傍から見た概略断
面図である。
【
図18】
図18は、別の代替的な成形アセンブリを備えるダンネージ変換システムの概略長手方向断面図である。
【
図19】
図19は、
図13に示す内部成形装置を備える成形アセンブリと、供給アセンブリと、成形アセンブリと供給アセンブリとの間に位置する一連のガイドウォールとを備える、ダンネージ変換機の一部の概略長手方向断面図である。
【
図20】
図20は、
図19に示す一連のガイドウォールおよび供給アセンブリの概略斜視図である。
【
図21】
図21は、
図19に示す一連のガイドウォールおよび供給アセンブリの別の概略斜視図である。
【
図22】
図22は、
図19に示す一連のガイドウォールおよび供給アセンブリを、
図21と比較して、一連のガイドウォールの反対側から見た概略斜視図である。
【
図23】
図23は、本発明が提供する裁断アセンブリの、供給位置における概略立面図である。
【
図24】
図24は、本発明が提供する裁断アセンブリの、裁断位置における概略立面図である。
【
図25】
図25は、ハウジングが部分的に開放された代替的な成形アセンブリを有する、ダンネージ変換機の斜視図である。
【
図26】
図26は、ハウジングから分離した、
図25に示す代替的な成形アセンブリの後方斜視図である。
【
図29】
図29は、
図26に示す代替的な成形アセンブリを部分的に開放した後方拡大斜視図である。
【0022】
【発明を実施するための形態】
【0023】
図面を参照すると、
図1は、本発明が提供する、シートストック材料32を比較的低密度のダンネージ製品34へと変換するための模範的なダンネージ変換システム30を概略的に示す。当該システムは、シートストック材料32のサプライ36と、ストック材料32を比較的密度の低いダンネージ製品34、具体的には緩衝材製品へと変換するためのダンネージ変換機40とを備える。緩衝材ダンネージ製品はパッドと称されることもあり、緩衝材ダンネージ製品を製造するダンネージ変換機は緩衝材変換機と称されることもある。
[シートストック材料の供給]
本発明が提供する変換機40での使用を目的としたシートストック材料32は、変換機40の寸法短縮と省スペース化を可能にする特別な構成を有する。サプライ36は、単層または複層のシートストック材料32を含んでもよく、少なくとも一層は、好ましくは紙を含む。紙は生分解性で再利用が可能であり、原料が再生可能資源であるため、環境に配慮した選択肢となっている。サプライ中のシートストック材料32は、ロール状に巻かれてもよく、または、図示のようにファンフォールドされて長方形状に積み重ねられてもよい。
【0024】
本発明が提供する変換機40で従来の平らなシートストック材料を使用することもできるが、当該変換機は、予加工シートストック材料32の使用を対象として設計されている。したがって、シートストック材料32を、シート材料、ストック材料、または予加工シートストック材料と称することもある。
図1から
図5に例を示す。具体的には、シートストック材料32はベース層42と、ベース層42に重なり、ベース層の側面領域に結合された2つの追加層44,46とで構成される。そのため、シートストック材料32は、複層シートストック材料32とも称される。この構成の代替的な説明として、第1のシート42は、その横方向両端において、第1のシート42の共通の面に重なる第2のシート44,46それぞれの縁部と結合される、と描写することができる。通常、第2のシート44,46は、第1のシート42よりも幅が狭く、第2のシート44と46とが重なり合うことはほとんど、または全くないほどである。別の表現を使うと、シートストック材料32は、中央部42と、中央部42の共通の面の上に重なり、中央部42の横方向両端とそれぞれの縁部とが結合される、2つの側部44,46とを有する。
【0025】
この予加工シートストック材料32は、平らなシートストック材料の側部44,46を、中央部42の共通の面に重なるように長手方向に延びる折線48に沿って内向きに折ることで成形されてもよい。
図2に単層の例を、
図1および
図3に複層、特に2層の例を示す。各層とも、側部44,46が、中央部42の共通の面の上に重なるように長手方向折線48に沿って内向きに折られている。
【0026】
代替方法として、
図4および
図5に示すように、予加工シートストック材料32は、独立した側部44,46(あるいは、上述の例における名称を用いて、第2のシートまたは追加層とも称する)を、中央部42(あるいは、上述の例における名称を用いて、第1のシートまたはベース層とも称する)の共通の面に、中央部42の横方向両縁部の近傍で結合させることで成形されてもよい。
図5では、第2のシート44,46は、第1のシート42の横縁部を横方向外側に超えて延在する。結合部は折線48(
図1から
図3に記載のとおり)によって画定されてもよいし、接着剤50(
図4および
図5に記載のとおり)または別の結合手段、例えば、機械的結合によって形成されてもよい。続いて、予加工シートストック材料32は、ダンネージ変換機40で使用されるまでの保管または輸送用に、円筒ロール状に巻かれてもよいし、横方向折線52(
図1)を基点に交互方向にファンフォールドされて長方形状に積み重ねられてもよい。
【0027】
ダンネージ変換機
図1に戻る。
図1に示すダンネージ変換機40は、上流端部60に投入口56を有し、上流端部60の反対側の下流端部64に排出口62を有するハウジング54を備える。本開示中の「上流」および「下流」という用語は、サプライ36のストック材料32が変換機40の上流端部60から下流端部64へと向かう、ストック材料32の進行方向に特有のものである。この上流端部60から下流端部64へ向かう方向は、代替的に、供給方向または下流方向66とも称される。上流方向は、下流方向66の反対方向である。
【0028】
図示のとおり、ハウジング54は略水平に配置されるため、上流端部60から下流端部64へと延びる長手方向の仮想線または仮想軸は略水平である。しかしながら、変換機40の向きは図示したものに限定されることはなく、変換機40は垂直配置などの別の向きで使用されてもよい。変換機40は、ハウジング54内に、変換機40の内部部品を支持するフレーム(図示せず)をさらに備える。
【0029】
これらダンネージ変換機40の内部部品には、複数の変換アセンブリ(まとめて変換アセンブリ70とも称する)が含まれ、複数の変換アセンブリは、シートストック材料32をサプライ36から引き出し、シートストック材料32を連続した非結合細片へと変換し、続いてそれを幅の狭い中央帯で分離された無作為に皺が形成されたシートストック材料を有する横向きの枕状部分を有する結合片へと変換する。その後、個別のダンネージ製品34は、所望の長さで結合片から分離される。
【0030】
米国特許第5,322,477号明細書に記載された機械と同様のものなど、従来の緩衝材変換機では、変換アセンブリは平らなシートストック材料の横縁部を内向きに折り返す成形アセンブリを備え、この内向きの折り返しをするためには、シート材料が成形アセンブリ内を進む際の破損やその他の問題を回避するために、供給方向に沿って一定の距離が必要であった。本発明は、側部44,46が中央部42の上に重なるように既に内向きに延在している予加工シートストック材料32を提供することで、平らなシートストック材料の横縁部を内向きに折り返さなくてもよい成形アセンブリ72を提供する。つまり、成形アセンブリ72の供給方向66の長さを削減できる。言い換えると、上述したような加工複層ストック材料32を、シートストック材料32を変換機40の上流端部60に位置する投入口56内に供給する前に成形することで、製造されたダンネージ製品34の保護緩衝性能の質を著しく変えることなく、成形アセンブリ72、ひいては変換機40の小型化、特に長さの削減が容易になる。さらに、成形アセンブリ72が予加工シートストック材料32の側部44,46を内向きに折り返さなくてもよいため、変換中のシートストック材料の破損リスクも削減される。
【0031】
したがって、本発明が提供する変換アセンブリ70は、予加工シートストック材料32の重なり合う複数の層42,44,46を分離する成形アセンブリ72を備え、成形アセンブリ72は、側部44,46が中央部42と平行でなくなるようにシートストック材料32を開き、中央部42から側部44,46を離しつつ、成形アセンブリ72を通過するシートストック材料32に無作為な皺およびその他の形状を形成する。こうすることで、成形アセンブリ72の長さは、全体幅(側部と中央部とを合わせた幅)が同等の平らなシートストック材料を対象として設計された成形アセンブリよりも短縮することができる。
【0032】
シートストック材料32が成形アセンブリ72内を通過する際に、シートストック材料32には、模範的な緩衝性能を提供するために無作為な皺が形成される。成形アセンブリ72は、緩衝材ダンネージ製品34の全体的な形状を成形し、シート材料が成形アセンブリ72内を牽引される際に、シート材料に無作為な皺が形成され易くする。このようにして、成形アセンブリ72は、シートストック材料32を比較的低密度な緩衝材ダンネージの非結合細片に変換する。
【0033】
変換アセンブリ70は、シートストック材料32を、サプライ36から成形アセンブリ72を通過させて牽引する供給アセンブリ74をさらに備える。供給アセンブリ74は、成形アセンブリ72を介してシートストック材料32を牽引するだけでなく、非結合細片における重なり合う複数の層の中央帯を結合または縫合し、緩衝材の結合片を成形してもよい。重なり合う複数の層を結合することにより、緩衝材の細片および成果品である緩衝材製品の形状を保持しやすくなる。代替案として、供給アセンブリ74の供給機能と結合機能とを分離し、別々の機構に実行させてもよい。
【0034】
最後に、変換アセンブリ70は、所望の長さの個別の切片、つまりダンネージ製品34(
図1)を結合片から切り離す裁断アセンブリ76を備えてもよい。結合片が供給アセンブリ74から下流へ向けて移動するにつれ、裁断アセンブリ76は、1つまたはそれ以上の所望の長さの切片を、切断またはその他の方法で結合片から分離させるように選択的に運転可能であり、1つまたはそれ以上の所望の長さの切片は、個別の緩衝材製品またはパッド34と称されることもある。細片から分離された複数の個別の緩衝材製品34は、ハウジング54の下流端部に位置する排出口62および排出シュート78を通過し、変換機40から排出される。シートストック材料32は、このようにしてサプライ36から下流方向66へ進み、変換アセンブリ70、具体的には成形アセンブリ72、供給アセンブリ74、および裁断アセンブリ76を順次通過し、緩衝材ダンネージ製品34を成形する。この緩衝材ダンネージ製品34は、元のシートストック材料32と比較して密度が低く、緩衝性能が向上している。
【0035】
成形アセンブリ
次に、
図6から
図11に示す、本発明が提供する改良された成形アセンブリ72について、さらに詳細に説明する。成形アセンブリ72は、しばしば成形機として称される内部成形装置90を備え、任意で外部成形装置92を備えてもよい。外部成形装置92は、上流端部に位置する比較的広い導入口94から、下流端部に位置する比較的狭い排出口96へと収束し、これは収束シュート92と称されることもある。内部成形装置90は、外部成形装置92に入れ子状に内包されるように、外部成形装置92内に延在して実装される。ストック材料32は、外部成形装置92の内部および内部成形装置90の周囲を進行しながら成形アセンブリ72を通過し、無作為な皺が形成されたストック材料の非結合細片へと成形される。ストック材料32の中央部は、図示のとおり内部成形装置90の底面100と外部成形装置92の内面との間を進み、外部成形装置92がない場合は、内部成形装置90の底面100と、内部成形装置
90の底面100(
図19の底面174に対応)から間隔をあけて略平行に位置するガイドプレート176(
図19)との間を進む。
【0036】
内部成形装置、つまり成形機90は、概して平坦で、角の丸い二等辺三角形状の底面100を有する。成形機90の下流端部104は、長さの等しい第1長辺106と第2長辺108との間に形成された当該三角形の一角からなり、当該三角形の第3短辺110が成形機90の上流端部112を形成する。
【0037】
図6に記載の配置において、この底面100から上方に向けて延在するのが、成形機90の上流端部112から成形機90の下流端部104に向けて上向きに傾斜する、横方向に離間した1組の傾斜付き突出部114である。これら傾斜付き突出部114は、底面100の第1辺106および第2辺108それぞれに対して概して平行に走る収束軸上に延び、上流端部における互いの間隔は、下流端部における互いの間隔よりも広い。傾斜付き突出部114は、三角形状の底面100の第1長辺106および第2長辺108に対して概して平行である。
【0038】
傾斜付き突出部114は、成形機90の上流端部112に隣接する傾斜付き突出部114の上流端部から下流方向66に延びる、比較的平坦な上面116を有し、上面116と底面100との距離は、下流方向66に向けて徐々に広がる。この平坦な上面116は、図に記載の実施形態のように、傾斜付き突出部114の下流端部の手前で終了してもよい。図に記載の実施形態では、傾斜付き突出部114は、成形機90の下流端部104において、概して円形の横方向断面を有する。そのため、傾斜付き突出部114は、平坦な上面116を形成するように対角に切られた円筒に近似した体積を有するように見える。
【0039】
比較的平坦な上面116と底面100との間には、傾斜付き突出部114の外側が嵌め込まれてもよく、それにより、シートストック材料が成形機90の上方および周りに牽引される際に、シートストック材料32の無作為な皺がこの空間に容易に入る。図に記載の実施形態では、成形機90は、成形機90の上流端部112近傍で、2つの傾斜付き突出部114の間において、中心に固定された実装ブラケット120を介して上方から支持されている。
【0040】
図示された成形アセンブリ72は、成形機90の上流端部112のさらに上流側に延び、成形機90の底面100をも超えて延びる、成形アセンブリ72の横方向中央に配置された舵122をさらに備える。シートストック材料32が牽引されて成形アセンブリ72を通過する際、舵122は、成形アセンブリ72に進入したシートストック材料32の中心に接触し、シートストック材料の中心が成形機90の底面100から離間するように誘導し直す。これにより、成形機90の横方向外側と舵122との間の空間における、シートストック材料の皺の形成を促進させ得る。舵122が成形機90の底面100を超えて延在していることにより、シートストック材料32の横縁部を、実装ブラケット120の中央支持機構を超えて牽引することが容易になり得る。図示された舵122は実装ブラケット120を包含するため、舵122もまた、成形機90を外部成形装置、つまり収束シュート92に対して支持する。代替的な実施形態では、これと同様の用途で、独立したブラケット120を採用してもよい。
【0041】
図12から
図17に、代替的な成形アセンブリ124を示す。この実施形態では、内部成形装置、つまり成形機126は、
図12から
図14に詳細に示す三次元空間を有する。この代替的な成形機126は、
図6に示す成形機72と同様のものであるが、付加的な特徴および異なる実装構造を備える。代替的な成形機126は、同様の三角形状底面130と、複数の傾斜付き平坦上面134(傾斜付き突出部132)を有する収束体とを備える。傾斜付き突出部132を上方に超えて突出する1組の平行リッジ136は、肩部と称されることもあり、成形機126の上流端部140から下流方向へと延びる。図示された実施形態では、肩部136は成形機126の全長を超えることなく延在し、成形機126の全長の約半分を超えたところで終了する。
【0042】
成形機の底面を上流側および下方に向けて延在する舵122とは対照的に、本実施形態に示す成形機126は、実装ブラケット142を介して実装され、実装ブラケット142は、成形機
126の上流端部140の近傍かつ下流側の位置で、成形機126の上面を収束シュート、または、変換機40のフレーム若しくはハウジングの一部に結合させる。肩部136は、予加工シートストック材料32の開放を促進し、舵122(
図6)と同様に、シートストック材料の開放端部を、成形機126の上流端部140における実装ブラケット142を超えるように誘導し易くすると考えられる。肩部136は、さらに、シートストック材料32が成形アセンブリ124を上流端部140から下流端部144へと通過していく際に、シートストック材料32のより一貫した横方向配置の維持を促進するとも考えられ、これはトラッキングと称されることもある。
【0043】
収束型の傾斜付き突出部132と平行な肩部136との組み合わせは、シートストック材料が成形機126の上方に牽引される際に予加工シートストック材料32の層42,44,46を開放して分離させ、その過程でシートストック材料32の無作為な皺の形成を促進させ、実装ブラケット142下流の傾斜付き突出部132と肩部136との間において開放端部を重なり合う位置関係に誘導し、皺が形成されて非結合である緩衝材の細片を成形すると考えられる。
【0044】
図15から
図17は、成形アセンブリ124の下流に向けた段階的な位置における概略断面図を示すものであり、ストック材料が成形アセンブリ124内を牽引される際に、
図9から
図11に対応する位置において、シートストック材料32がどのように成形機126を囲み、内側に向けて無作為な皺を形成し得るのかを図示している。
図15に示すように、シートストック材料32が外部成形装置92に進入して成形機126を囲む際に、傾斜付き突出部132におけるリッジ136の頂上部と平坦な上面134の横方向外側の上方縁部との間の空間で、シートストック材料32の側部には無作為に皺が形成され、一方で、シートストック材料32の開放端部はリッジ136を超え、実装ブラケット142を通過する。シートストック材料32の中央部は、成形機126の底面130と外部成形装置92との間を通過するが、この領域では両方の面が比較的平行で互いに近接しているため、皺の形成は最小限である。
図16においては、外部成形装置92と成形機126はいずれも狭小化しているが、シートストック材料32の中央部は、変わらず成形機126の底面130と外部成形装置92との間の狭い隙間に拘束されている。シートストック材料32は引き続き傾斜付き突出部132を囲み、リッジ136の頂上部の下流端部と平坦な上面134の横方向外側の上方縁部との間、および傾斜付き突出部132の凹み部分の横方向外側において、シートストック材料32には無作為な皺が形成される。シートストック材料32の開放端部は実装ブラケット142を通過し(
図15)、傾斜付き突出部132の収束に従って内向きに移動し続ける。成形アセンブリ124の下流端部144(
図14)の近傍において、シートストック材料の開放端部は、
図17に示すように、傾斜付き突出部132の間の空間内で重なり始める。この時点では、傾斜付き突出部132のリッジ136(
図15)および平坦な上面134(
図15)は終了しており、各傾斜付き突出部132の断面は円筒状に近づいている。
【0045】
図18に進む。別の成形アセンブリ146において、外部成形装置148は上面が開放され、インフィード回転アセンブリ150の通過を容易にする。インフィード回転アセンブリ150は、1組の押圧ローラ152,154を備え、一方の押圧ローラ154はモータ(図示せず)によって駆動され、他方の押圧ローラ152は、押圧ローラ154に向けて付勢され、押圧ローラ152と押圧ローラ154との間にシートストック材料32を挟んで成形アセンブリ146から供給アセンブリ74へと前進させる。図示された実施形態では、外部成形装置148および内部成形装置156は、それぞれを貫く進路を備え、押圧ローラ152,154はその進路を介して内部成形装置156と外部成形装置148(外部成形装置148が省略される場合はガイドトレイ)との間で互いに当接する。インフィード回転アセンブリ150は、変換機40内へのシートストック材料32の装填を促進する。
【0046】
押圧ローラ152,154は、インフィード回転アセンブリ150を用いてシートストック材料32を前進させる速さでシートストック材料32を供給アセンブリ74へと前進させてもよく、また、ストック材料が供給アセンブリ74を通過する速度よりも速くシートストック材料を前進させる速度で押圧ローラを駆動することにより、インフィード回転アセンブリ150と供給アセンブリ74との間に長手方向の皺を形成し、この空間におけるシートストック材料の皺の形成をさらに増進させてもよい。インフィード回転アセンブリ150および供給アセンブリ74は、図示された共有コントローラ158によって駆動されてもよい。インフィード回転アセンブリ150および供給アセンブリ74の両方を、同一のコントローラ158によって別々に制御しても、または共有の駆動モータ(図示せず)を介して制御してもよい。
【0047】
ダンネージ変換機は、コントローラ158と通信するための入力装置(図示せず)をさらに備えてもよい。入力装置は、コントローラ158との通信手段として、スイッチ、キーボード若しくはキーパッド、ポインタ、タッチスクリーン、またはその他の手段を備えてもよく、当該手段は有線手段であっても無線手段であってもよい。供給アセンブリ74の模範的な機能は、コントローラ158によって提供されてもよく、コントローラ158は、サプライ(
図1)から引き出された新たなシートストック材料を、コントローラ制御されないシートストック材料がダンネージ製品への変換中に供給アセンブリ74を通過する速度よりも遅い速度で供給するように、供給アセンブリ74を制御するように構成される。模範的なシステムでは、操作者は、コントローラに、新たなシートストック材料が装填されたことを示す信号を入力する。次いで、コントローラ158は、供給アセンブリ74を操作し、予め定められた比較的遅い速度で運転する。コントローラ158は、任意に、供給アセンブリ74を当該遅い速度で予め定められた時間、または予め定められた上限時間運転してもよい。変換機は、排出口シュートなどの供給アセンブリ下流地点にセンサを備えてもよく、コントローラは、当該センサがシートストック材料の存在を検知するまで供給アセンブリ74を運転してもよい。この装填作業を経て、コントローラ158は、比較的速い「通常」速度で稼働してシートストック材料をサプライから牽引し、成形アセンブリおよび供給アセンブリを通過させて、ダンネージの細片を成形してもよい。
【0048】
また、押圧ローラの上部部材152および、供給アセンブリ74の一組の回転部材の上部部材160は、それぞれ対向する下部部材154および下部部材162に向けて付勢されてもよく、上部部材152,160をそれぞれが対応する下部部材154,162から遠ざけるように枢動するフレーム部材164に、ともに取り付けられてもよい。このフレーム部材164は、ハウジング54の壁部を開放することによって上部部材152,160をそれぞれが対応する下部部材154,162から遠ざけ、新たなシートストック材料の装填、詰まりの除去、又はその他のメンテナンス作業が容易になるようにハウジング54の壁部(
図1)と連結されてもよい。
【0049】
図19に、さらに別の成形アセンブリ170の、下流方向66に沿った長手方向断面図を示す。この成形アセンブリ170では、外部成形装置が省略されており、
図12の内部成形装置126に類似した内部成形装置172が、フレーム173の一部および実装ブラケット142によって支持されている。そのため、シートストック材料32の中央部は、内部成形装置172の底面174と内部成形装置172の底面174から離間したガイドプレート176との間を通過する。ガイドプレート176は、ガイドトレイと呼ばれることもある。シートストック材料32は、サプライ(図示せず)から一連のローラ180を通過して引き出され、一連のローラ180は、シートストック材料32の均等な張りを保ち易くし、サプライ内のシートストック材料の量の変化に従って、シートストック材料に成形アセンブリ170内への一定の導入点を提供する。
【0050】
使用時には、ストック材料32は、外部成形装置292の内部および内部成形装置90の周囲を進行しながら成形アセンブリ72を通過し、無作為な皺が形成されたストック材料の非結合細片へと成形される。ストック材料32の中央部は、図示のとおり内部成形装置90の底面100と外部成形装置92の内面との間を進み、外部成形装置92がない場合は、内部成形装置72の底面100(
図19の底面174に対応)から間隔をあけて略平行に位置するガイドプレート176(
図19)との間を進む。
【0051】
一連の供給アセンブリガイド190は、ガイドトレイ192と連携して、皺が形成された緩衝材の細片を成形アセンブリ170から供給アセンブリ74へと誘導する。
【0052】
供給アセンブリガイド
皺が形成された非結合である緩衝材の細片を成形アセンブリ72から供給アセンブリ74へ誘導し易くするために、変換機40は、調整可能な一連の供給アセンブリガイド190をさらに備える。ここで、
図20から
図22を参照する。供給アセンブリガイド190は、ガイドトレイ192と連携して、成形アセンブリ72から下流に向かい供給アセンブリ74に至るまでのシートストック材料の進路を円周方向に制限する。具体的には、一連の供給アセンブリガイド190の側部ガイドパネル194は、進路の幅、ひいては、緩衝材の細片におけるシートストック材料の重なり合う複数の層が供給アセンブリ74によって結合される前の緩衝材ダンネージの非結合細片の幅、を調整するために、複数の位置に設置可能である。
【0053】
図に記載の実施形態では、供給アセンブリガイド190は、上部ガイド部材196と、横方向に離間した側部ガイドパネル194とを備える。上部ガイド部材196は、フレーム部材197と、シートストック材料を供給アセンブリ74の上部回転部材160のシャフト(図示せず)から逸らせる湾曲ガイド部材198との間に設置された状態で図示されている。側部ガイドパネル194は、サイドガイド部材とも呼ばれるが、ダンネージの非結合細片との緩やかな接触および接触の解除を容易にするため、図示のとおり外向きに湾曲してもよい。各側部ガイド部材194は、供給アセンブリ74近傍のそれぞれの下流端部において外向きに湾曲する。各側部ガイド部材194の上流端部は、ガイドトレイ192の面に対して概して垂直である軸を中心にした回転用の旋回ロッド199に、それぞれ枢動可能に、図示された配置において上向きまたは垂直に実装される。各サイドガイド部材194は、サイドガイド部材194の上流端部から下流側に離間し、ガイドトレイ192に設けられた複数の連携凹部202のうちの1つに係合するように配置された、1つまたはそれ以上の位置決め突出部200を備える。これにより、側部ガイド部材194を、予め定められた複数の相対回転位置のいずれにも配置する手段が提供される。側部ガイド部材194を複数の所定の位置に調整可能に配置するのに、別の手段を採用してもよい。側部ガイド部材194は、成形アセンブリ72から供給アセンブリ74へ至るシートストック材料の進路の中心線に関して対称的に配置されるのが好ましいが、各サイドガイド部材194は、一連の成形アセンブリガイド190を介して比較的幅の広いおよび比較的幅の狭い進路を提供し、供給アセンブリ74に向かって通過する非結合細片の最大幅を制限するように調整可能である。これにより、成果物であるパッドの幅、つまり、成果物である緩衝材製品の幅を変化させる。
【0054】
供給アセンブリ
上述したように、
図21,22に示す供給アセンブリ74は、1組の回転部材160,162を備え、当該1組の回転部材160,162の間をシートストック材料32が通過し、回転部材160,162は連携してシートストック材料32をサプライ36から成形アセンブリ72(
図1)または170(
図19)を介して牽引し、回転部材160,162間のロール間隙へと引き込む。
【0055】
模範的な供給アセンブリ74では、回転供給部材160,162は、その周囲に、駆動回転供給部材162と遊動回転供給部材160との係合を駆動し易くする複数の半径方向外側に向けて延在する突起、すなわち歯を有する。駆動回転供給部材162は、供給部材160,162の速度を調整するチェーンまたはベルト、および1つまたはそれ以上のギアを介するなどして、モータ(図示せず)に接続される。駆動回転部材162の歯と遊動回転部材160の歯とが係合するため、駆動および遊動回転供給部材162,160はそれぞれ、駆動ギアおよび遊動ギアと呼ばれることもある。
【0056】
図に記載の実施形態では、駆動ギア162は、ガイドトレイ192に設けられた長方形のスロットを通って突出する。遊動ギア160は、ガイドトレイ192の反対側に位置し、駆動ギア162の回転に応じて回転するように支持される。遊動ギア160は、駆動ギア162に向けて付勢され、駆動ギア162に相対して「浮く」ように実装されるため、これにより供給アセンブリ74の自動調整システムが生み出される。
【0057】
駆動および遊動ギア162,160の一方または両方において、歯は、歯と歯の間の凹部を画定する軸方向に離間した部分を有してもよい。凹部の軸方向反対側において、もう一方のギアまたは他方のギア同士は、軸方向に複数のパンチ部分を有してもよく、各パンチ部分は対向するギアの凹部に受容される周縁部を備える。周縁部には対向し合う複数の角部が設けられることになり、角部は、凹部を画定する対向するギアの歯と連携して、駆動ギアと遊動ギアとの間を通過するストック材料の重なり合う部分に規則的で平行なスリットの列を切り込み、重なり合う部分を結合させる。軸方向に設けられるパンチ部分は、スリットを切り込むために連携するだけでなく、シート材料をスリットに、シート材料に直交する方向に押し入れ、対向ギアの歯は、シート材料を反対方向に、スリット近傍の外側に向けて押すことでスリット間にツメを形成し、ツメはシートストック材料の平面からずれているため、シート材料の層をスリットの近傍で相互に連結および結合させる。
【0058】
このようにして、供給アセンブリギア160,162は、駆動ギア162と、駆動ギア162に駆動される遊動ギア160とを備える。ギア160,162が回転すると、ギアは細片の中央帯をつかみ、ギア160,162のロール間隙を介してシート材料を下流方向へ牽引する。対向するギアの噛み合う歯による同様の「つかみ」動作によって、中央帯の層をともに同時に圧縮、つまり「型抜き」し、シート材料の層を中央帯において切離および縫合することで、シート材料の層を結合して結合片を成形する。次いで、結合片は、裁断アセンブリ76によって切離または裁断され、所望の長さの個別の部位、つまり緩衝材製品34(
図1)となる。
【0059】
裁断アセンブリ
図23,24を参照する。変換機40は、供給アセンブリ74下流に位置するガイドトレイ192の延長部などの、緩衝材の結合片の進路を制限して結合片を供給アセンブリ74から裁断アセンブリ76へと誘導するトンネルを形成する要素をさらに備えてもよい。変換機40のフレームは、裁断アセンブリ76の部品が実装されるエンドプレート206を備える。エンドプレート206の上流側にはモータ(図示せず)が実装され、モータから延びる駆動軸208は、エンドプレート206の下流側に設けられたクランク210に接続され、クランク210を駆動する。クランク210は、クランク210を駆動プレート214に接続するリンク212と接続される。駆動プレート214は、駆動プレート214の動作を誘導するための軌道を形成する1組の平行ガイド216を介して、エンドプレート206とも接続される。駆動プレート214は、エンドプレート206および平行ガイド216に相対して移動可能である。クランク210が回転すると、駆動プレート214は平行ガイド216に沿って摺動し、平行ガイド216は、結合片の通過が可能な供給位置(
図23)と供給位置から離間した裁断位置(
図24)との間を移動する駆動プレート214の動作を誘導する。
【0060】
駆動プレート214は、上流側および下流側を有し、上流側から下流側への窓枠進路220を備え、ダンネージの結合片は、駆動プレート214が供給位置(
図23)に位置するときに窓枠進路220を介して通過する。進路220は、通常、概して長方形であり、供給アセンブリ74からのトンネルの継続路として機能する。駆動プレート214とともに可動な切断ブレード222は、進路220の一方側、図に記載の実施形態では上流側に実装される。駆動プレート214は、結合片が進行する進路に対して直交する平面に設けられ、当該平面に対して平行に移動可能であり、進行する進路を横断して切断ブレード222を動かし、結合片から所望の長さの個別のダンネージ製品を裁断する。裁断位置(
図24)では、駆動プレート214はシートストック材料の進路を遮断し、そうすることで、駆動プレート214が供給位置に戻るときに、緩衝材の結合片が可動切断ブレード222の進路に延在することを防ぐ。同様に、駆動プレート214を介する進路220の遠位側、つまり上面側は、クロスバー224を形成する。緩衝材の結合片の下流端部、つまり裁断された緩衝材製品の上流端部が、供給アセンブリ74から排出口シュート78への進路から逸脱した場合に、クロスバー224は、結合片およびダンネージ製品を、裁断アセンブリ76上流の供給アセンブリ74から裁断アセンブリ76下流の排出シュート78に至るシートストック材料の進路に沿って整列するように引き戻す。
【0061】
可動切断ブレード222は、供給位置と裁断位置との間を移動するために駆動プレート214の上流側に実装される。
図23に示す供給位置では、緩衝材の細片は、駆動プレート214に設けられた進路220を介して排出シュート78へと通過してもよい。駆動プレート214が裁断位置(
図24に示す)に移動するときに、可動ブレード222は、エンドプレート206における対向面に実装された固定ブレード230と連携して、緩衝材の結合片から個別の長さの緩衝材を裁断する。
【0062】
可動ブレード222は、駆動プレート214の移動方向を横切る方向に、非鉛直な角度で実装され、固定ブレード230は、駆動プレート214の移動方向に直交する方向に、稼働ブレード222に対して鋭角に実装される。これにより、固定ブレード230と可動ブレード222との接触点は、駆動プレート214が供給位置から裁断位置へと移動するときに緩衝材の結合片の進路を横切る。
【0063】
したがって、運転時に、モータは駆動軸208の回転を駆動し、円運動をクランク210へと伝達する。クランク210は、駆動軸208に対して固定され、駆動軸208とともに回転する。リンク212の一方の端部は、クランク210に接続され、クランクの回転とともにクランク210に相対して回転する。リンク212のもう一方の端部は、駆動プレート214に接続され、駆動プレート214が平行ガイド216に誘導されて供給位置と裁断位置との間を移動するときに、駆動プレート214に相対して回転する。この過程で、可動切断ブレード222は、固定切断ブレード230と係合してダンネージの細片を切断する。そして、駆動プレート214が供給位置に戻るときに、駆動プレート214を通る進路220のクロスバー224は、ダンネージの細片の切断端部が再び供給アセンブリ74と排出シュート78との間の進路に対して整列することを確実にする。このように、本発明が提供する裁断アセンブリ76は、比較的少なく簡易な部品で構成されており、その結果、裁断アセンブリ76の製造、組み立て、および調整を比較的単純にする。
【0064】
別の言い方をすると、可動切断ブレード222は駆動プレート214に実装され、駆動プレート214は、進路220の上面を形成するクロスバー224を備える。供給アセンブリ74が進路220を介してダンネージの細片を供給するとき、駆動プレート214は、可動ブレード222および固定ブレード230の両方が進路220の底面に近接する供給位置に位置する。切断サイクルの間、駆動プレート214は上方に移動し、可動切断ブレード222を、固定ブレード230を横切って上方に動かし、上流側のダンネージの細片から個別のパッドを下流側に切断する。また、この上方への移動は、ダンネージの細片の先端およびそれに後続する切断された緩衝材パッドの端部を、進路220とともに上方に押し上げる。駆動プレート214が再び供給位置へ戻るときに、クロスバー224はともに下方へ移動し、ダンネージの細片および緩衝材パッドの切断端部を排出口シュートに対して整列する位置に引き下げる。こうして、ダンネージの細片および緩衝材パッドは、次の供給サイクルの間にシュートから排出される位置につく。クロスバー224の利点は、変換機内の未切断の緩衝材の細片がシュート内の切断済みパッドと整列するように配置されることで、次の供給サイクルの間に排出シュート内のパッドが押し出されることが可能になることである。これにより、シュート内でパッド同士のシングリングが生じて、シュートが詰まる可能性が低減される。
【0065】
代替的な成形アセンブリ
上述した変換機40以外の部品に加えて、またはその代替案として、変換機40は、
図25から29に記載の代替的な成形アセンブリ272を備えてもよい。代替的な成形アセンブリ272は、上述した成形機90と同様の内部成形装置290と、
図12に示す外部成形装置92の代わりとして代替外部成形装置292とを備える。
【0066】
代替外部成形装置292は、上流端部の比較的広い導入口294から下流端部の比較的狭い排出口296へと収束して、収束シュートを形成する。外部成形装置92と異なり、代替外部成形装置292は互いに相対して可動な2つの部品を有する。代替外部成形装置292の主要部300は、外部成形装置92と同じ方法で変換機40のフレームに実装される。内部成形装置290は、代替外部成形装置292の主要部300の上部面に実装され、当該上部面から支持アーム302によって、導入口294の近傍の上流端部に向かって支持される。代替外部成形装置292の上部において、排出口296近傍の下流端部に向かって、代替外部成形装置292は、主要部300に相対して可動な可動部304を備える。通常、可動部304は、変換機40のハウジング54の一部が取り付けられるフレームのヒンジ要素306に実装される。その結果、例えばメンテナンスのために変換機40の内部部品にアクセスするためにハウジング54が通常の方法で開放されるとき、代替外部成形装置292の可動部304は、ハウジング54とともに動き、代替外部成形装置292の主要部300から離間して、代替外部成形装置292および内部成形装置290の内部への通路を提供する。これは、例えば詰まりの除去などのために、シートストック材料の新たなサプライの先端部を代替的な成形アセンブリ272に導入する際に有用となりうる。
【0067】
代替的な成形アセンブリ272は、図に記載の近位センサ310などの、代替外部成形装置292の可動部304の動作を検知するように構成された1つまたはそれ以上のセンサをさらに備えてもよい。このようなセンサ310の出力は、センサ310からの信号に基づいて供給アセンブリ74および/または裁断アセンブリ76(
図1)を制御する信号を出力し得るコントローラ(図示せず)に提供されてもよい。例えば、代替外部成形装置292への異物の進入、または、シートストック材料の詰まりが発生して、代替外部成形装置292の可動部304がセンサ310に検知されるに足りるほど動いた場合、センサ310は、故障状態を示す信号をコントローラへ出力する。コントローラは、故障状態が解消するまで、供給アセンブリ74および/または裁断アセンブリ76が作動するのを阻止するように構成されてもよい。つまり、コントローラは、代替外部成形装置292の可動部304が元の位置に戻るまで、全ての運動中の部品を停止させてもよい。ハウジング54の開放は、可動部304を代替外部成形装置292から離脱させることでもあり、故障状態の原因が何であってもその早期解決を容易にし、また、供給アセンブリ74および裁断アセンブリ76の作動可能な状態への復帰を容易にする。
【0068】
外部成形装置292は、可動部304から代替外部成形装置292内の内部成形装置290に向かって突出する成形ウェッジ312をさらに備えてもよく、代替的な成形アセンブリ272の下流端部296に向かうダンネージの細片の成形をさらに促進してもよい。成形ウェッジ312は、内部成形装置290の支持アーム302近傍の上流端部から代替的な成形アセンブリ272の下流端部296へ向かって、横方向の幅および突出の度合いが減少する。成形ウェッジ312は、このようにして、シートストック材料を代替的な成形アセンブリ272の中央部から遠ざけるが、シートストック材料が下流方向へ進行するにつれて成形ウェッジ312の影響は低減する。
【0069】
使用時には、代替的な成形アセンブリ272は、通常、上述した成形アセンブリ72と同様に機能するが、付加的な影響として、シートストック材料が代替的な成形アセンブリ272を下流に向けて移動する際に、成形ウェッジ312がシートストック材料の任意の部分に引っ掛かる。しかしながら、有利には、外部成形装置292は、代替的な成形アセンブリ272の下流端部にアクセスするために開放可能であり、詰まりの解消や、代替的な成形アセンブリ272を介したシートストック材料の装填などを促進する。
【0070】
まとめると、本発明は、シートストック材料32を比較的低密度な緩衝材製品34に変換する緩衝材変換機40を提供する。模範的なシートストック材料32は、別のシート42にそれぞれ重なり合い、別のシート42の対応する横縁部にそれぞれ接続される2枚のシート44,46を有する。変換機40は、シート材料を成形し無作為な皺を寄せるための成形機90を有する成形アセンブリ72と、皺が形成されたシート材料を成形アセンブリ72下流の供給アセンブリ74へと誘導する一連の調整可能ガイド部材190と、供給アセンブリ74下流に位置し個別の長さの緩衝材を切離する裁断アセンブリ76とを備える。裁断アセンブリ76は、供給アセンブリ74の稼働中に皺が形成されたシート材料を排出口62へと誘導し、裁断アセンブリ76の稼働中に皺が形成されたシートストック材料を拘束する窓枠進路220を備える。
【0071】
本発明を特定の実施形態について図示および記載したが、当業者が本明細書を読み、理解した結果、同等の代替例および変形例が想起されるであろう。本発明は、そのような同等な代替例および変形例を全て包含するものであり、以下の特許請求の範囲によってのみ制限されるものである。また、以下の特許請求の範囲に記載されるあらゆるミーンズプラスファンクション要素またはステッププラスファンクション要素に対応する構成、材料、行動、およびその均等物は、特許請求の範囲に具体的に記載のとおり、特許請求の範囲に記載の別の要素と組み合わせて当該機能を実現するためのあらゆる構成、材料、または行動を包含することを意図する。