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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-02-13
(45)【発行日】2023-02-21
(54)【発明の名称】表示装置
(51)【国際特許分類】
   G02F 1/13357 20060101AFI20230214BHJP
   F21S 2/00 20160101ALI20230214BHJP
   F21V 5/00 20180101ALI20230214BHJP
   G09F 9/00 20060101ALI20230214BHJP
   F21Y 105/00 20160101ALN20230214BHJP
   F21Y 115/10 20160101ALN20230214BHJP
【FI】
G02F1/13357
F21S2/00 496
F21V5/00 510
G09F9/00 336G
F21Y105:00
F21Y115:10
【請求項の数】 15
(21)【出願番号】P 2018149144
(22)【出願日】2018-08-08
(65)【公開番号】P2020024314
(43)【公開日】2020-02-13
【審査請求日】2021-06-16
(73)【特許権者】
【識別番号】000201113
【氏名又は名称】船井電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100104433
【弁理士】
【氏名又は名称】宮園 博一
(72)【発明者】
【氏名】竹本 誠二
【審査官】磯崎 忠昭
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-239024(JP,A)
【文献】特開2006-133708(JP,A)
【文献】特開2003-008068(JP,A)
【文献】特開2004-133391(JP,A)
【文献】特開2010-114065(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第106851160(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02F 1/13357
F21S 2/00
F21V 5/00
G09F 9/00
F21Y 105/00
F21Y 115/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示パネルと、
前記表示パネルが前面に配置される筐体と、
前記筐体の内側面部に配置され、光源および前記光源を覆う光学レンズを含む光源部と、
前記光源部と前記表示パネルとの間に設けられ、前記光源部から照射される光の強度を減衰して表示パネル側に通過させる減衰部と、
前記表示パネルに対向するように設けられ、前記筐体の底面部を覆う反射シートと、
前記筐体および前記反射シートとは別個に設けられ、前記減衰部を通過した光を前記表示パネルに向かって反射させる反射部と、を備える、表示装置。
【請求項2】
前記反射部は、少なくとも一部が前記表示パネルの表示領域よりも外周側に設けられている、請求項1に記載の表示装置。
【請求項3】
前記反射部は、略平板形状を有しているとともに、前記表示パネルの垂線に対して前記表示パネル側に傾斜している、請求項2に記載の表示装置。
【請求項4】
前記反射部は、前記反射部の前記表示パネル側の端部が、前記表示パネルの表示領域の近傍に位置するように設けられている、請求項1~3のいずれか1項に記載の表示装置。
【請求項5】
前記光学レンズには、前記表示パネルに対して局所的に光を出射する集中部が形成されており、
前記減衰部は、前記集中部から前記表示パネルへ出射される光を遮るように設けられている、請求項1~4のいずれか1項に記載の表示装置。
【請求項6】
前記集中部は、前記光学レンズの前記表示パネル側の端部に形成されており、
前記減衰部は、前記表示パネルに対して垂直な方向において、前記光学レンズの前記表示パネル側の端部と前記表示パネルとの間の中央よりも、前記光学レンズ側に配置されている、請求項5に記載の表示装置。
【請求項7】
前記減衰部は、前記光学レンズの近傍に配置されている、請求項6に記載の表示装置。
【請求項8】
前記減衰部および前記反射部は、互いに共通の材質により形成されている、請求項1~7のいずれか1項に記載の表示装置。
【請求項9】
前記減衰部は、前記反射部よりも光の拡散度が高い材質により形成され、
前記反射部は、前記減衰部よりも光の反射率が高い材質により形成されている、請求項1~7のいずれか1項に記載の表示装置。
【請求項10】
前記減衰部は、光の透過率が部分毎に異なるように構成されている、請求項1~7のいずれか1項に記載の表示装置。
【請求項11】
前記光学レンズには、前記表示パネルに対して局所的に光を出射する第1集中部および第2集中部が形成されており、
前記減衰部は、前記第1集中部からの光が照射されるとともに照射された光を拡散させる第1部分と、前記第1部分よりも光の透過率が高く、前記第2集中部からの光を透過させて前記反射部により前記表示パネルに向かって反射させる第2部分とを含む、請求項10に記載の表示装置。
【請求項12】
前記減衰部および前記反射部は、一体的に形成されている、請求項1~8のいずれか1項に記載の表示装置。
【請求項13】
前記光学レンズには、前記表示パネルに対して局所的に光を出射する第1集中部および第2集中部が形成されており、
前記減衰部および前記反射部は、互いに離間するように設けられ、
前記第1集中部からの光は、前記減衰部により拡散されるとともに、前記第2集中部からの光は、前記減衰部と前記反射部との間を通過して前記反射部により前記表示パネルに向かって反射されるように構成されている、請求項1~10のいずれか1項に記載の表示装置。
【請求項14】
記反射部は、前記光源部から出射され、前記反射シートにより反射された光を、前記表示パネルに向かって反射する、請求項1~13のいずれか1項に記載の表示装置。
【請求項15】
前記反射部は、前記反射シートと共通の材質によって形成されている、請求項14に記載の表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、表示装置に関し、特に、筐体の内側面部に配置されている光源部を備える表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、筐体の内側面部に配置されている光源部を備える表示装置が知られている(たとえば、特許文献1参照)。
【0003】
上記特許文献1には、液晶表示装置のバックライトに用いられる面照明装置が開示されている。上記面照明装置は、内側面部に配置される光源を備えている。また、上記面照明装置の内部の背面には、光源からの光を前面側(表示パネル側)に反射する乱反射層が設けられている。また、上記面照明装置の前面には、乱反射層から反射された光、および、光源からの光が照射され、照射された光を表示パネル側に拡散する光拡散板が設けられている。また、上記面照明装置は、光源と光拡散板との間に設けられ、光拡散板の端部側へ向かって光源から照射される光を遮る半透明板が設けられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開平7-94008号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記特許文献1に記載の面照明装置では、半透明板により光源からの光の強度が減衰されることに起因して、光拡散板(および表示パネル)において輝度が局所的に高くなるのが抑制される一方、輝度が過度に低くなる場合がある。この場合、表示パネルの輝度が局所的に低くなる場合があるという問題点がある。
【0006】
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、この発明の1つの目的は、表示パネルにおいて輝度が局所的に高くなるのを抑制しながら、輝度が局所的に低くなるのを抑制することが可能な表示装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この発明の一の局面による表示装置は、表示パネルと、表示パネルが前面に配置される筐体と、筐体の内側面部に配置され、光源および光源を覆う光学レンズを含む光源部と、光源部と表示パネルとの間に設けられ、光源部から照射される光の強度を減衰して表示パネル側に通過させる減衰部と、表示パネルに対向するように設けられ、筐体の底面部を覆う反射シートと、筐体および反射シートとは別個に設けられ、減衰部を通過した光を表示パネルに向かって反射させる反射部と、を備える。
【0008】
この発明の一の局面による表示装置では、上記のように、減衰部により、光源部から照射される光の強度を減衰することにより、表示パネルの輝度が局所的に高くなるのを抑制することができる。さらに、減衰部による光が減衰されることにより、光源部から表示パネル側に照射された光の強度が過度に小さくなった場合でも、反射部により減衰部を通過した光を表示パネル側に反射させることによって、表示パネルの輝度を高くすることができる。これにより、表示パネルの輝度が局所的に低くなるのを抑制することができる。これらの結果、表示パネルにおいて輝度が局所的に高くなるのを抑制しながら、輝度が局所的に低くなるのを抑制することができる。
【0009】
上記一の局面による表示装置において、好ましくは、反射部は、少なくとも一部が表示パネルの表示領域よりも外周側に設けられている。このように構成すれば、減衰部を通過して表示領域の外周側へ向かった光を、反射部により表示パネル側に反射することができる。その結果、光源部からの光を効率的に表示パネルに照射することができるので、表示パネルの輝度が局所的に低くなるのを効果的に抑制することができる。
【0010】
この場合、好ましくは、反射部は、略平板形状を有しているとともに、表示パネルの垂線に対して表示パネル側に傾斜している。このように構成すれば、反射部に照射された光が表示パネル側に反射され易くなるので、より効率的に反射部からの光を表示パネル側に反射させることができる。
【0011】
上記一の局面による表示装置において、好ましくは、反射部は、反射部の表示パネル側の端部が、表示パネルの表示領域の近傍に位置するように設けられている。このように構成すれば、反射部の表示パネル側の端部と、表示パネルの表示領域との間から光が漏れるのを抑制することができる。なお、表示領域の近傍とは、表示領域の位置そのものと、表示領域の付近との両方を含む意味である。
【0012】
上記一の局面による表示装置において、好ましくは、光学レンズには、表示パネルに対して局所的に光を出射する集中部が形成されており、減衰部は、集中部から表示パネルへ出射される光を遮るように設けられている。このように構成すれば、集中部から照射される光を減衰部により減衰させることができるので、集中部からの光に起因して表示パネルの輝度が局所的に高くなるのを抑制することができる。
【0013】
この場合、好ましくは、集中部は、光学レンズの表示パネル側の端部に形成されており、減衰部は、表示パネルに対して垂直な方向において、光学レンズの表示パネル側の端部と表示パネルとの間の中央よりも、光学レンズ側に配置されている。このように構成すれば、減衰部が、光学レンズの表示パネル側の端部と表示パネルとの間の中央よりも表示パネル側に設けられている場合に比べて、光学レンズ(集中部)と減衰部との間の距離を小さくすることができる。その結果、減衰部により、光学レンズ(集中部)からの光を容易に遮ることができる。また、この場合、減衰部と表示パネルとの間の距離が比較的大きくなるので、減衰部が拡散機能を有している場合に、減衰部を通過した光を表示パネル側に向かってより広範囲に拡散することができる。
【0014】
上記減衰部が光学レンズの表示パネル側の端部と表示パネルとの間の中央よりも光学レンズ側に配置されている表示装置において、減衰部は、光学レンズの近傍に配置されている。このように構成すれば、減衰部により、集中部からの光をより容易に遮ることができる。なお、光学レンズの近傍とは、光学レンズの位置そのものと、光学レンズの付近との両方を含む意味である。
【0015】
上記一の局面による表示装置において、好ましくは、減衰部および反射部は、互いに共通の材質により形成されている。このように構成すれば、減衰部および反射部が互いに異なる材質により形成されている場合に比べて、部品の種類を少なくすることができる。
【0016】
上記一の局面による表示装置において、好ましくは、減衰部は、反射部よりも光の拡散度が高い材質により形成され、反射部は、減衰部よりも光の反射率が高い材質により形成されている。このように構成すれば、減衰部の拡散度が反射部の拡散度以下である場合に比べて、減衰部によって、より効果的に光を拡散することができる。その結果、表示パネルの輝度が局所的に高くなるのをより抑制することができる。また、反射部の反射率が、減衰部の反射率以下である場合に比べて、反射部により比較的効率的に、光を表示パネルに照射することができる。その結果、減衰部により光の強度が過度に低下した場合に、反射部からの反射光によって表示パネルを照射することにより、表示パネルの輝度が過度に低くなるのを(局所的に輝度が低下するのを)より効果的に抑制することができる。
【0017】
上記一の局面による表示装置において、好ましくは、減衰部は、光の透過率が部分毎に異なるように構成されている。このように構成すれば、減衰部から出射される光の強度を部分毎に変化させることができる。その結果、表示パネルに照射される光の強度を部分毎に変化させることができるので、表示パネルの部分毎の輝度を容易に調整することができる。
【0018】
この場合、好ましくは、光学レンズには、表示パネルに対して局所的に光を出射する第1集中部および第2集中部が形成されており、減衰部は、第1集中部からの光が照射されるとともに照射された光を拡散させる第1部分と、第1部分よりも光の透過率が高く、第2集中部からの光を透過させて反射部により表示パネルに向かって反射させる第2部分とを含む。このように構成すれば、比較的透過率が低い第1部分により第1集中部からの光が遮られることにより、光が比較的大きく減衰されるので、第1集中部からの光に起因して表示パネルの輝度が局所的に高くなるのを抑制することができる。また、第2集中部からの光が、比較的透過率の高い第2部分を透過することにより、第2集中部からの光の減衰量を小さくすることができるので、第2集中部からの光を利用して、表示パネルの輝度が局所的に低くなるのを抑制することができる。
【0019】
上記一の局面による表示装置において、好ましくは、減衰部および反射部は、一体的に形成されている。このように構成すれば、減衰部および反射部の位置が互いにずれることを抑制することができる。その結果、減衰部を通過した光を反射部により反射させる際に、反射部による光の反射角がばらつくのを抑制することができる。また、減衰部および反射部を一体的に形成することによって、部品点数を低減することができる。
【0020】
上記一の局面による表示装置において、好ましくは、光学レンズには、表示パネルに対して局所的に光を出射する第1集中部および第2集中部が形成されており、減衰部および反射部は、互いに離間するように設けられ、第1集中部からの光は、減衰部により拡散されるとともに、第2集中部からの光は、減衰部と反射部との間を通過して反射部により表示パネルに向かって反射されるように構成されている。このように構成すれば、減衰部により第1集中部からの光を遮ることにより、第1集中部からの光が減衰されるので、第1集中部からの光に起因して表示パネルの輝度が局所的に高くなるのを抑制することができる。また、第2集中部からの光が減衰部と反射部との間を通過することにより、第2集中部からの光が減衰されないので、第2集中部からの光を利用して、表示パネルの輝度が局所的に低くなるのを抑制することができる。
【0021】
また、第2集中部からの光を別途設けられた透過率の高い部材により透過(拡散)させる場合に比べて、部品点数を低減することができる。
【0022】
上記一の局面による表示装置において、好ましくは、反射部は、光源部から出射され、反射シートにより反射された光を、表示パネルに向かって反射する。このように構成すれば、反射シートから反射される光を反射部により反射させない場合に比べて、表示パネルの輝度を高くすることができる。その結果、表示パネルの輝度が局所的に低くなるのを抑制することができる。
【0023】
この場合、好ましくは、反射部は、反射シートと共通の材質によって形成されている。このように構成すれば、反射シートと反射部とが互いに異なる材質により形成されている場合に比べて、部品の種類を少なくすることができる。
【発明の効果】
【0024】
本発明によれば、上記のように、表示パネルにおいて輝度が局所的に高くなるのを抑制しながら、輝度が局所的に低くなるのを抑制することが可能な表示装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
図1】第1~第3実施形態による液晶表示装置の構成を示した斜視図である。
図2図1の200-200線に沿った断面図である。
図3】第1実施形態による液晶表示装置の光源部の構成を示した図である。
図4】第1実施形態による液晶表示装置の光源部周辺の部分拡大図である。
図5】第1実施形態による液晶表示装置の光源部からの光と拡散板との関係を説明するための図である。
図6】液晶表示装置の拡散板および反射板による液晶パネルの輝度に与える影響を説明するための図である。(図6(A)は、拡散板および反射板が設けられていない比較例1の図である。図6(B)は、拡散板のみが設けられている比較例2の図である。図6(C)は、拡散板および反射板が設けられている第1実施形態の図である。)
図7】反射板の反射率と液晶パネルの輝度との関係を説明するための図である。(図7(A)は、V位置と液晶パネルの輝度との関係を表した図である。図7(B)は、反射板の反射率と液晶パネルの平均輝度との関係を表した図である。)
図8】反射板の幅と液晶パネルの輝度との関係を説明するための図である。(図8(A)は、V位置と液晶パネルの輝度との関係を表した図である。図8(B)は、反射板の幅と液晶パネルの平均輝度との関係を表した図である。)
図9】反射板の角度と液晶パネルの輝度との関係を説明するための図である。(図9(A)は、V位置と液晶パネルの輝度との関係を表した図である。図9(B)は、反射板の角度と液晶パネルの平均輝度との関係を表した図である。)
図10】拡散板の拡散度と液晶パネルの輝度との関係を説明するための図である。(図10(A)は、V位置と液晶パネルの輝度との関係を表した図である。図10(B)は、拡散板の拡散度と液晶パネルの輝度のムラとの関係を表した図である。)
図11】拡散板の位置と液晶パネルの輝度との関係を説明するための図である。(図11(A)は、V位置と液晶パネルの輝度との関係を表した図である。図11(B)は、拡散板の位置と液晶パネルの輝度のムラとの関係を表した図である。)
図12】第2実施形態による液晶表示装置の光源部周辺の部分拡大図である。
図13】第3実施形態による液晶表示装置の光源部周辺の部分拡大図である。
図14】第3実施形態による液晶表示装置の拡散板の支持構造を説明するための図である。
図15】第1実施形態の第1変形例による液晶表示装置の光源部周辺の部分拡大図である。
図16】第1~第3実施形態の第2変形例による液晶表示装置の光源部周辺の部分拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、本発明を具体化した実施形態を図面に基づいて説明する。
【0027】
[第1実施形態]
図1図6を参照して、第1実施形態による液晶表示装置100の構成について説明する。なお、本明細書では、液晶表示装置100の前面側および背面側を、それぞれ、Y1方向側およびY2方向側として説明する。また、液晶表示装置100を前面側から見て、左側および右側を、それぞれ、X1方向側およびX2方向側として説明する。また、液晶表示装置100の上方側および下方側を、それぞれ、Z1方向側およびZ2方向側として説明する。なお、液晶表示装置100は、特許請求の範囲の「表示装置」の一例である。
【0028】
(液晶表示装置の構成)
図1に示すように、液晶表示装置100は、液晶パネル1を備える。液晶パネル1は、略長方形形状を有している。また、液晶表示装置100には、液晶パネル1が前面に配置される筐体2を備える。筐体2は、液晶パネル1を収容するフロントキャビネット2a、および、フロントキャビネット2aの背面側(Y2方向側)に設けられるリアキャビネット2bとを含む。なお、液晶パネル1は、特許請求の範囲の「表示パネル」の一例である。
【0029】
図2に示すように、液晶表示装置100は、筐体2(リアキャビネット2b)の内側面部2cに配置される光源部3を備える。内側面部2cは、略長方形形状の液晶パネル1の4辺の各々に沿って設けられている。光源部3は、X方向に延びる2つの内側面部2cのうち、下方側(Z2方向側)に設けられる内側面部2cに配置されている。
【0030】
光源部3は、LED(Light Emitting Diode)3aと、LED3aを覆う光学レンズ3bとを含む。LED3aは、液晶表示装置100のX1方向側の端部近傍からX2方向側の端部近傍まで、X方向に沿って複数個並んで配置されている。また、光学レンズ3bは、複数のLED3aの全てを覆うようにX方向に延びるように設けられている。なお、LED3aは、特許請求の範囲の「光源」の一例である。
【0031】
ここで、図3を参照して、光学レンズ3bの構成を説明する。図3に示すように、光学レンズ3bは、LED3aをZ1方向側から覆うように設けられる出光面3cを含む。出光面3cは、LED3aの上方側(Z1方向側)において湾曲して形成されている部分3dと、部分3dをX方向において挟むように設けられる部分3eとを有する。部分3eは、部分3dの端部から上方側(後述する面3jから離れる方向側)に傾斜するように設けられている。
【0032】
また、光学レンズ3bは、出光面3cの下方(後述する面3j側)に設けられ、出光面3cと連続的に形成されている側面3fを含む。側面3fは、Z1方向側から見て、LED3aをX方向において挟むように設けられている。側面3fは、LED3aから離れるにしたがって上方に傾斜するように設けられている。
【0033】
また、出光面3cの部分3eと側面3fとは、光学レンズ3bの端部3gにおいて連続的に接続されている。出光面3cの部分3eおよび側面3fの各々が傾斜していることによって、光学レンズ3bは、端部3gに向かって先細る形状を有している。
【0034】
図4に示すように、液晶表示装置100は、光源部3と液晶パネル1との間に設けられる拡散板4を備える。拡散板4は、光源部3から照射される光の強度を減衰して液晶パネル1側に通過させるように構成されている。具体的には、拡散板4は、光源部3から照射される光を拡散して液晶パネル1側に通過させる。拡散板4の光の透過率、反射率、および、拡散度は、それぞれ、75%、25%、および、90%である。なお、拡散板4の光の透過率、反射率、および、拡散度は、これらの値に限られない。また、拡散板4は、特許請求の範囲の「減衰部」の一例である。なお、透過率とは、波動が物質を透過する前の強度と透過した後の強度との比を意味する。また、反射率とは、波動が媒質の境界面で反射する際に、入射する波のエネルギーに対する反射する波のエネルギーの比を意味する。また、拡散度とは、入射された光の拡散される度合いを意味する。
【0035】
また、拡散板4は、略平板形状を有している。また、拡散板4は、光学レンズ3bに沿ってX方向に延びるように設けられている。
【0036】
また、拡散板4は、液晶パネル1と略平行に設けられている。具体的には、拡散板4は、X方向から見て、筐体2の内側面部2cから上方側(Z1方向側)に延びるように設けられている。
【0037】
ここで、図5に示すように、光学レンズ3bには、液晶パネル1に対して局所的に光を出射する第1集中部3hおよび第2集中部3i(他の部分よりも光束が集中して相対的に高輝度の光を出射する部分)が形成される。すなわち、第1集中部3hおよび第2集中部3iから出射された光は、液晶パネル1の輝度を高輝度にし得る光である。
【0038】
第1集中部3hは、光学レンズ3bの端部3gに形成されている。第2集中部3iは、光学レンズ3bの側面3fに形成されている。第1集中部3hからの光は、主に、液晶パネル1側に向かって上方側(Z1方向側)に出射される。また、第2集中部3iからの光は、主に、液晶パネル1側に向かって下方側(Z2方向側)に出射される。なお、図5では、液晶パネル1に局所的に照射される光(第1集中部3hおよび第2集中部3iからの光)を実線矢印により表示し、液晶パネル1に局所的に照射されない光(比較的均一に照射される光)を破線矢印により表示する。また、図5では、拡散板4により光が拡散される様子は、簡略化のため図示を省略する。なお、第1集中部3hおよび第2集中部3iは、それぞれ、特許請求の範囲の「集中部」の一例である。
【0039】
第1実施形態では、拡散板4は、第1集中部3hおよび第2集中部3iから液晶パネル1へ出射される光を遮るように設けられている。すなわち、拡散板4は、第1集中部3hおよび第2集中部3iから出射される光の光路上に設けられている。ここで、第1集中部3hからの光のうち、液晶パネル1(図2参照)の垂線α(図4参照)に対する傾斜角(垂線αと第1集中部3hからの光とのなす鋭角の角度)が最も大きい角度を角度θ1(たとえば60度)とし、第1集中部3hおよび第2集中部3i以外からの光(図5の破線矢印の光)のうち、液晶パネル1の垂線α(図4参照)に対する傾斜角(垂線αと第1集中部3hおよび第2集中部3i以外からの光とのなす鋭角の角度)が最も小さい角度を角度θ2(たとえば80度)とする。また、拡散板4から液晶パネル1側の端部3gまでの距離を距離D1とする。また、LED3aが載置されている面3jからの拡散板4の高さを高さH1とする。また、LED3aが載置されている面3jからの端部3gの高さを高さH2とする。なお、第1実施形態では、距離D1は、後述するように略ゼロだが、図5では説明のために距離D1がゼロよりも大きい例を図示する。
【0040】
第1実施形態では、高さH1が、H2+D1×tanθ1よりも大きい。これにより、第1集中部3hからの光は、拡散板4により遮られる。なお、仮に、高さH1が、H2+D1×tanθ2よりも小さい場合には、第1集中部3hおよび第2集中部3i以外からの光(破線矢印の光)は、拡散板4により遮られない。
【0041】
なお、第1実施形態では、高さH1が、H2+D1×tanθ1よりも大きくなるように、内側面部2cからの拡散板4の高さH3(図4参照、たとえば約14mm)が設定されている。また、内側面部2cからの拡散板4の高さH3は、内側面部2cからの端部3gの高さH4(図4参照)よりも大きい。なお、高さH3は、14mm以外の大きさであってもよい。たとえば、高さH3は、2mm以上であれば一定の効果が得られる。
【0042】
また、第1実施形態では、図4に示すように、拡散板4は、液晶パネル1に対して垂直な方向(Y方向)において、光学レンズ3bの液晶パネル1側の端部3gと液晶パネル1との間の中央よりも、光学レンズ3b側に配置されている。
【0043】
具体的には、拡散板4は、光学レンズ3bの近傍に配置されている。詳細には、光学レンズ3bの液晶パネル1側の端部3gと、拡散板4とは、接触している。すなわち、後述する光学シート6と光学レンズ3bの液晶パネル1側の端部3gとの間の距離、および、光学シート6と拡散板4との間の距離は、それぞれ、略等しい大きさ(距離D2)である。距離D2は、たとえば、約8.7mmである。なお、LED3aの中心と光学シート6との間の距離D3(図4参照)は、たとえば20mmである。なお、光源部3および拡散板4の各々を、距離D2およびD3が大きくなるように、光学シート6からさらに離間させて配置してもよい。
【0044】
また、第1実施形態では、液晶表示装置100は、拡散板4を通過した光を液晶パネル1側に反射させる反射板5を備える。具体的には、反射板5は、主に、第2集中部3i(図5参照)から出射されて拡散板4により拡散された光を、液晶パネル1側に反射(図4の破線矢印参照)させる。また、反射板5は、第1集中部3h(図5参照)から出射されて拡散板4により拡散された光の少なくとも一部を、液晶パネル1側に反射(図4の破線矢印参照)させている。また、反射板5は、光学レンズ3bのうち、第1集中部3hおよび第2集中部3i以外の部分から出射され、拡散板4により拡散された光の少なくとも一部も液晶パネル1側に反射(図4の破線矢印参照)する。なお、反射板5は、特許請求の範囲の「反射部」の一例である。
【0045】
反射板5は、略平板形状を有している。反射板5は、光学レンズ3bおよび拡散板4に沿って延びるように設けられている。すなわち、反射板5は、光学レンズ3bおよび拡散板4と同様に、X方向に沿って延びるように設けられている。
【0046】
また、拡散板4および反射板5は、互いに共通の材質により形成されている。すなわち、反射板5の光の透過率、反射率、および、拡散度は、それぞれ、75%、25%、および、90%である。なお、反射板5の反射率は、これに限られない。反射板5の反射率は、10%~100%の範囲であり得る。
【0047】
また、拡散板4および反射板5は、一体的に形成されている。具体的には、単一の板状部材が折り曲げられることによって、拡散板4および反射板5が形成されている。
【0048】
拡散板4および反射板5は、反射板5が内側面部2cにより支持されることにより、固定(保持)されている。
【0049】
また、反射板5は、略全体が液晶パネル1の表示領域Aよりも外周側に設けられている。具体的には、X方向から見て、反射板5の略全体は、表示領域Aの下方側に設けられている。すなわち、図示は省略するが、液晶パネル1を正面に見て(Y1方向側から見て)、反射板5の略全体は、液晶パネル1のうちの表示領域Aよりも下方側の領域(いわゆる額縁領域)とオーバーラップしている。また、液晶パネル1を正面に見て(Y1方向側から見て)、拡散板4の略全体は、表示領域Aとオーバーラップしている。
【0050】
また、反射板5は、液晶パネル1の垂線α(すなわちY方向に延びる線分)に対して液晶パネル1側に傾斜している。具体的には、反射板5は、反射板5の後述する端部5aを支点に液晶パネル1側に傾斜している。すなわち、反射板5は、端部5aから拡散板4に向かって(Y2方向側に向かって)上方側(Z1方向側)に傾斜している。具体的には、液晶パネル1の垂線αと、反射板5との間の角度θ3(垂線αと反射板5とのなす鋭角の角度)は、たとえば30度である。なお、角度θ3は、30度に限られない。たとえば、角度θ3は、-30度から70度の範囲の角度であるのが好ましい。なお、角度が-30度とは、反射板5が、液晶パネル1側とは反対側に30度傾斜していることを意味する。
【0051】
また、反射板5は、反射板5の液晶パネル1側(Y1方向側)の端部5aが、液晶パネル1の表示領域Aの近傍に位置するように設けられている。具体的には、液晶表示装置100には、液晶パネル1の背面に設けられる光学シート6が設けられている。そして、反射板5は、反射板5の端部5aが、光学シート6と接触するように設けられている。
【0052】
また、液晶表示装置100は、液晶パネル1に対向するように設けられる反射シート7を備えている、反射シート7は、筐体2(リアキャビネット2b)の底面部2dを覆うように設けられている。光源部3から出射された光は、反射シート7により反射されて、液晶パネル1に照射される。なお、液晶表示装置100の内部には、導光板が設けられていない。したがって、光源部3から出射された光は、液晶表示装置100内の空気層を通過して、反射シート7に照射される。
【0053】
具体的には、リアキャビネット2bは、フロントキャビネット2a側(Y1方向側)に向かって迫り出すように設けられる傾斜部2e(図2参照)を有している。傾斜部2eは、光源部3が配置されている内側面部2cを垂直に見て、光源部3とオーバーラップするように設けられている。これにより、光源部3の出光面3c(図3参照)から出射された光は、傾斜部2eに設けられた反射シート7により、液晶パネル1側に反射(図2の破線矢印参照)される。
【0054】
また、反射板5は、光源部3から出射され、反射シート7により反射された光の少なくとも一部を、液晶パネル1側に反射する。具体的には、反射シート7に反射されて、拡散板4の裏側(液晶パネル1側)に回り込んだ光が、反射板5により液晶パネル1側に反射される。
【0055】
次に、図6を参照して、拡散板4および反射板5を設けた場合の、液晶パネル1の輝度について説明する。なお、図6(A)~(C)において、縦軸は、液晶パネル1の輝度を表し、横軸は、筐体2の内側面部2c(図4参照)からの距離(以下、V位置と記載)を表している。
【0056】
まず、図6(A)を参照して、比較例1として、拡散板4および反射板5の両方が設けられていない場合について説明する。この場合、V位置が小さい箇所(図6(A)ではV位置が約4mmおよび約20mmの位置)において、液晶パネル1に輝線(局所的に輝度が高い箇所)が生じている。また、V位置が0mmから約20mmまでの領域では、液晶パネル1の輝度は全体的に低下しているため暗くなる。
【0057】
次に、図6(B)を参照して、比較例2として、拡散板4のみが設けられている(反射板5が設けられていない)場合について説明する。この場合、図6(A)に結果に現われていた輝線は現われないが、V位置が0mmから約18mmまでの領域では、液晶パネル1の輝度は全体的に低下しているため暗い。
【0058】
次に、図6(C)を参照して、第1実施形態の構成(拡散板4および反射板5の両方が設けられている場合の構成)について説明する。この場合、輝線が現われないとともに、図6(A)および図6(B)の場合に比べて、V位置が小さい領域(V位置が0mmから約20mmの領域)において輝度が全体的に上昇し、液晶パネル1における輝度のムラが少なくなる。その結果、液晶パネル1に暗線(輝度が局所的に低い箇所)は生じない。
【0059】
(実験結果)
次に、図7(A)および図7(B)を参照して、反射板5の反射率を変化させた場合の実験結果について説明する。なお、この実験では、拡散板4は設けられていない。
【0060】
図7に示すように、反射板5の反射率が、5%、17%、25%、および、97%である4パターンにおいて実験を行った。図7(A)に示すように、反射率が97%の場合に、V位置が0mmから約10mmの領域において、液晶パネル1の輝度が比較的高いことが確認された。また、図7(B)に示すように、反射板5の反射率が高い程、液晶パネル1の平均輝度が高くなるという結果が得られた。
【0061】
次に、図8(A)および図8(B)を参照して、反射板5の幅を変化させた場合の実験結果について説明する。なお、反射板5の幅とは、Y方向において、光学レンズ3bの液晶パネル1側の端部3gから、反射板5の端部5a(図4参照)までの幅(長さ)を意味する。なお、この実験では、反射板5の反射率を97%として測定を行った。また、この実験では、拡散板4を設けずに実験を行った。
【0062】
図8に示すように、反射板5の幅が、0mm、2mm、5mm、および、10mmである4パターンにおいて実験を行った。図8(A)に示すように、反射板5の幅が大きい程、V位置が0mmから約10mmの領域において、液晶パネル1の輝度が高いことが確認された。また、図8(B)に示すように、反射板5の幅が大きい程、液晶パネル1の平均輝度が高くなるという結果が得られた。なお、反射板5の幅が0mmとは、反射板5が設けられていないことを意味する。
【0063】
次に、図9(A)および図9(B)を参照して、反射板5の角度(角度θ3、図4参照)を変化させた場合の実験結果について説明する。なお、この実験では、拡散板4の光の透過率、反射率、および、拡散度を、それぞれ、75%、25%、および、90%とし、反射板5の反射率を97%とし、光学シート6から拡散板4までの距離D2(図4参照)を9mmとして実験を行った。
【0064】
図9に示すように、反射板5の角度θ3が、0度、15度、30度、および、45度である4パターンにおいて実験を行った。図9(A)に示すように、反射板5の角度θ3が15度の場合に、V位置が0mmから約10mmの領域において、液晶パネル1の輝度が比較的高いことが確認された。また、図9(B)に示すように、反射板5の角度θ3が15度の場合に、液晶パネル1の平均輝度が最も高くなるという結果が得られた。
【0065】
次に、図10(A)および図10(B)を参照して、拡散板4の拡散度を変化させた場合の実験結果について説明する。なお、この実験では、反射板5を設けずに実験を行った。また、拡散板4の光の透過率、反射率、および、拡散度を、それぞれ、75%、25%、および、90%として実験を行った。
【0066】
図10(A)に示すように、拡散板4の拡散度が、0%(拡散無し)、88%、92%、および、99%である4パターンにおいて実験を行った。図10(A)の結果から、輝度のムラの程度を相関係数(R)の2乗として定量化すると、図10(B)に示すように、拡散板4の拡散度が高い程、Rの2乗の値が大きい(液晶パネル1の輝度のムラが小さい)という結果が得られた。
【0067】
次に、図11(A)および図11(B)を参照して、拡散板4の光学シート6からの距離D2(図4参照)を変化させた場合の実験結果について説明する。なお、この実験では、反射板5を設けずに実験を行った。また、拡散板4の光の透過率、反射率、および、拡散度を、それぞれ、75%、25%、および、90%として実験を行った。
【0068】
図11(A)に示すように、距離D2が、0mm、4mm、および、9mmである3パターンにおいて実験を行った。図11(A)の結果から、輝度のムラの程度を相関係数(R)の2乗として定量化すると、図11(B)に示すように、距離D2が大きい程、Rの2乗の値が大きい(液晶パネル1の輝度のムラが小さい)という結果が得られた。なお、距離D2が0mmとは、拡散板4と光学シート6とが密着していることを意味する。
【0069】
以上の実験結果から、拡散板4の拡散機能によって、液晶パネル1の輝度のムラが低減されるとともに、反射板5の反射機能によって、液晶パネル1の輝度が高くなることが確認された。この実験結果から、拡散板4の拡散機能および反射板5の反射機能を組み合わせることによって、図6(C)のように、液晶パネル1において輝度が局所的に高くなるのを抑制しながら、輝度が局所的に低くなるのを抑制することが可能であると言える。
【0070】
(第1実施形態の効果)
第1実施形態では、以下のような効果を得ることができる。
【0071】
第1実施形態では、上記のように、光源部3と液晶パネル1との間に設けられ、光源部3から照射される光の強度を減衰して液晶パネル1側に通過させる拡散板4と、拡散板4を通過した光を液晶パネル1側に反射させる反射板5と、を備えるように、液晶表示装置100を構成する。これにより、拡散板4により、光源部3から照射される光の強度を減衰することにより、液晶パネル1の輝度が局所的に高くなるのを抑制することができる。さらに、拡散板4により、光源部3から液晶パネル1側に照射された光の強度が過度に小さくなった場合でも、反射板5により拡散板4を通過した光を液晶パネル1側に反射させることによって、液晶パネル1に光を効率的に照射することができる。これにより、液晶パネル1の輝度が局所的に低くなるのを抑制することができる。これらの結果、液晶パネル1において輝度が局所的に高くなるのを抑制しながら、輝度が局所的に低くなるのを抑制することができる。
【0072】
また、第1実施形態では、上記のように、反射板5の略全体が液晶パネル1の表示領域Aよりも外周側に設けられるように、液晶表示装置100を構成する。これにより、拡散板4を通過して表示領域Aの外周側へ向かった光を、反射板5により液晶パネル1側に反射することができる。その結果、光源部3からの光を効率的に液晶パネル1に照射することができるので、液晶パネル1の輝度が局所的に低くなるのを効果的に抑制することができる。
【0073】
また、第1実施形態では、上記のように、反射板5が、略平板形状を有しているとともに、液晶パネル1の垂線αに対して液晶パネル1側に傾斜するように、液晶表示装置100を構成する。これにより、反射板5に照射された光が液晶パネル1側に反射され易くなるので、より効率的に反射板5からの光を液晶パネル1側に反射させることができる。
【0074】
また、第1実施形態では、上記のように、反射板5の液晶パネル1側の端部3gが、液晶パネル1の表示領域Aの近傍に位置している。これにより、反射板5の液晶パネル1側の端部3gと、液晶パネル1の表示領域Aとの間から光が漏れるのを抑制することができるので、反射板5により、拡散板4を通過した光をさらに効率的に液晶パネル1側に照射(反射)することができる。
【0075】
また、第1実施形態では、上記のように、拡散板4が、第1集中部3hおよび第2集中部3iから液晶パネル1へ出射される光を遮るように設けられている。これにより、第1集中部3hおよび第2集中部3iから照射される光を拡散板4により効果的に減衰させることができるので、液晶パネル1の輝度が局所的に高くなるのを効果的に抑制することができる。
【0076】
また、第1実施形態では、上記のように、拡散板4が、液晶パネル1に対して垂直な方向において、光学レンズ3bの液晶パネル1側の端部3gと液晶パネル1との間の中央よりも、光学レンズ3b側に配置されるように、液晶表示装置100を構成する。これにより、拡散板4が、光学レンズ3bの液晶パネル1側の端部3gと液晶パネル1との間の中央よりも液晶パネル1側に設けられている場合に比べて、光学レンズ3b(第1集中部3h)と拡散板4との間の距離を小さくすることができる。その結果、拡散板4により、光学レンズ3b(第1集中部3h)からの光を容易に遮ることができる。また、この場合、拡散板4と液晶パネル1との間の距離が比較的大きくなるので、拡散板4を通過した光をより広範囲に拡散することができる。
【0077】
また、第1実施形態では、上記のように、拡散板4が、光学レンズ3bの近傍に配置されるように、液晶表示装置100を構成する。これにより、拡散板4により、第1集中部3hからの光をより容易に遮ることができる。
【0078】
また、第1実施形態では、上記のように、拡散板4および反射板5が、互いに共通の材質により形成されるように、液晶表示装置100を構成する。これにより、拡散板4および反射板5が互いに異なる材質により形成されている場合に比べて、部品の種類を少なくすることができる。
【0079】
また、第1実施形態では、上記のように、拡散板4および反射板5が、一体的に形成されるように、液晶表示装置100を構成する。これにより、拡散板4および反射板5の位置が互いにずれることを抑制することができる。その結果、拡散板4を通過した光を反射板5により反射させる際に、光の反射角などがばらつくのを抑制することができる。また、拡散板4および反射板5を一体的に形成することによって、部品点数を低減することができる。
【0080】
また、第1実施形態では、上記のように、反射板5が、光源部3から出射され、反射シート7により反射された光を、液晶パネル1側に反射するように、液晶表示装置100を構成する。これにより、反射シート7から反射される光を反射板5により反射させない場合に比べて、液晶パネル1の輝度を高くすることができる。その結果、液晶パネル1の輝度が局所的に低くなるのを抑制することができる。
【0081】
[第2実施形態]
次に、図1および図12を参照して、第2実施形態について説明する。この第2実施形態では、拡散板4が単一の材質により形成されている上記第1実施形態の構成とは異なり、拡散板14が複数の材質により形成されている。なお、上記第1実施形態と同一の構成については、図中において同じ符号を付して図示し、その説明を省略する。
【0082】
図12に示すように、液晶表示装置300(図1参照)は、拡散板14および反射板15を備える。拡散板14および反射板15は、互いに別個に形成されており、端部同士で接続されている。また、反射板15の液晶パネル1側の端部15aは、光学シート6と接触している。なお、拡散板14および反射板15は、それぞれ、特許請求の範囲の「減衰部」および「反射部」の一例である。
【0083】
ここで、第2実施形態では、拡散板14は、光の透過率が部分毎に異なる。具体的には、拡散板14は、拡散部分14aと、拡散部分14aよりも透過率の高い透明部分14bとの二色成形(2種類の樹脂を熱溶着させる成形方法)により形成されている。拡散部分14aは、透明部分14bの上方側(Z1方向側)に設けられている。なお、拡散部分14aの光の透過率および反射率は、それぞれ、3%および97%である。また、透明部分14bは、たとえばPET樹脂により形成されている。透明部分14bの透過率および反射率は、それぞれ、たとえば90%および10%である。また、反射板15は、拡散部分14aと共通の材質により形成されているが、互いに異なる材質により形成されていてもよい。なお、拡散部分14aおよび透明部分14bは、それぞれ、特許請求の範囲の「第1部分」および「第2部分」の一例である。
【0084】
また、反射板15は、反射シート7と共通の材質により形成されている。なお、反射板15と反射シート7とは、切り離されており、互いに別個に設けられている。
【0085】
この場合、光学レンズ3bの第1集中部3hからの光は、拡散部分14aに照射される。そして、拡散部分14aに照射された光の一部は、液晶表示装置300の背面側(Y2方向側)に反射される。また、拡散部分14aに照射された光の残りの一部は、拡散部分14aにより拡散される。拡散部分14aにより拡散された光の少なくとも一部は、反射板15により液晶パネル1側に反射される。
【0086】
また、光学レンズ3bの第2集中部3iからの光は、透明部分14bを透過する。透明部分14bを透過した光のうちの少なくとも一部は、反射板15により液晶パネル1側に反射される。
【0087】
第2実施形態のその他の構成は、上記第1実施形態と同様である。
【0088】
(第2実施形態の効果)
第2実施形態では、以下のような効果を得ることができる。
【0089】
第2実施形態では、上記のように、拡散板14が、光の透過率が部分毎に異なるように、液晶表示装置300を構成する。これにより、拡散板14から出射される光の強度を部分毎に変化させることができる。その結果、液晶パネル1に照射される光の強度を部分毎に変化させることができるので、液晶パネル1の部分毎の輝度を容易に調整することができる。
【0090】
また、第2実施形態では、上記のように、拡散板14が、第1集中部3hからの光が照射されるとともに照射された光を拡散させる拡散部分14aと、拡散部分14aよりも光の透過率が高く、第2集中部3iからの光を透過させて反射板15により液晶パネル1側に反射させる透明部分14bとを含むように、液晶表示装置300を構成する。これにより、比較的透過率が低い拡散部分14aにより第1集中部3hからの光が遮られることにより、光が比較的大きく減衰されるので、第1集中部3hからの光が起因して液晶パネル1の輝度が局所的に高くなるのを抑制することができる。また、第2集中部3iからの光が、比較的透過率の高い透明部分14bを透過することにより、第2集中部3iからの光の減衰量を小さくすることができるので、第2集中部3iからの光を利用して、液晶パネル1の輝度が局所的に低くなるのを抑制することができる。
【0091】
また、第2実施形態では、上記のように、反射板15が、反射シート7と共通の材質によって形成されるように、液晶表示装置300を構成する。これにより、反射シート7と反射板15とが互いに異なる材質により形成されている場合に比べて、部品の種類を少なくすることができる。
【0092】
なお、第2実施形態のその他の効果は、上記第1実施形態と同様である。
【0093】
[第3実施形態]
次に、図1図13、および、図14を参照して、第3実施形態について説明する。この第3実施形態では、透明部分14bが設けられている上記第2実施形態の構成とは異なり、透明部分14bが設けられていない。なお、上記第2実施形態と同一の構成については、図中において同じ符号を付して図示し、その説明を省略する。
【0094】
図13に示すように、液晶表示装置400(図1参照)は、拡散板24を備える。拡散板24および反射板15は、互いに別個に形成されている。具体的には、拡散板24および反射板15は、互いに離間して設けられている。また、拡散板24は、反射板15と共通の材質により形成されているが、互いに異なる材質により形成されていてもよい。なお、拡散板24は、特許請求の範囲の「減衰部」の一例である。
【0095】
ここで、第3実施形態では、光学レンズ3bの第1集中部3hからの光は、拡散板24に照射される。そして、拡散板24に照射された光の一部は、液晶表示装置400の背面側(Y2方向側)に反射される。また、拡散板24に照射された光の残りの一部は、拡散板24により拡散される。拡散板24により拡散された光の少なくとも一部は、反射板15により液晶パネル1側に反射される。
【0096】
また、光学レンズ3bの第2集中部3iからの光は、拡散板24と反射板15との間を通過する。拡散板24と反射板15との間を通過した光のうちの少なくとも一部は、反射板15により液晶パネル1側に反射される。
【0097】
また、図14に示すように、拡散板24は、リアキャビネット2bをフロントキャビネット2aに取り付ける際に用いられるガイド2fに取り付けられることにより保持される。具体的には、拡散板24は、ガイド2fのうち、拡散板24側に延びる部分2gに取り付けられる。なお、図14は、概略的な図示である。
【0098】
第3実施形態のその他の構成は、上記第1実施形態と同様である。
【0099】
(第3実施形態の効果)
第3実施形態では、以下のような効果を得ることができる。
【0100】
第3実施形態では、上記のように、第1集中部3hからの光が、拡散板24により拡散されるとともに、第2集中部3iからの光が、拡散板24と反射板15との間を通過して反射板15により液晶パネル1側に反射されるように、液晶表示装置400を構成する。これにより、拡散板24により第1集中部3hからの光を遮ることにより、第1集中部3hからの光が減衰されるので、第1集中部3hからの光が起因して液晶パネル1の輝度が局所的に高くなるのを抑制することができる。また、第2集中部3iからの光が拡散板24と反射板15との間をそのまま通ることにより、第2集中部3iからの光が減衰されないので、第2集中部3iからの光を利用して、液晶パネル1の輝度が局所的に低くなるのを抑制することができる。
【0101】
また、第2集中部3iからの光を別途設けられた透過率の高い部材により透過(拡散)させる場合に比べて、部品点数を低減することができる。
【0102】
なお、第3実施形態のその他の効果は、上記第1実施形態と同様である。
【0103】
[変形例]
なお、今回開示された実施形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更(変形例)が含まれる。
【0104】
たとえば、上記第1実施形態では、拡散板4(減衰部)と反射板5(反射部)とが互いに共通の材質により形成されている例を示したが、本発明はこれに限られない。拡散板4(減衰部)と材質が異なる反射部が設けられていてもよい。
【0105】
具体的には、図15に示すように、拡散板4は、反射板25よりも光の拡散度が高い材質により形成されている。また、反射板25は、拡散板4よりも光の反射率が高い材質により形成されている。具体的には、拡散板4および反射板25の光の反射率は、それぞれ、25%および97%である。また、拡散板4の拡散度は90%であるとともに、反射板25の拡散度は90%よりも低い値である。この場合、拡散板4および反射板25は、互いの端部同士で接続されている。なお、反射板25は、特許請求の範囲の「反射部」の一例である。
【0106】
これにより、拡散板4の拡散度が反射板25の拡散度以下である場合に比べて、拡散板4によってより効果的に光の強度を減衰することができる。その結果、液晶パネル1の輝度が局所的に高くなるのをより抑制することができる。また、反射板25の反射率が、拡散板4の反射率以下である場合に比べて、より強度の高い光が反射板25により反射されて液晶パネル1に照射される。その結果、拡散板4により光の強度が過度に低下した場合に、反射板25からの反射光によって液晶パネル1を照射することにより、液晶パネル1の輝度が過度に低くなるのを(局所的に輝度が低下するのを)より効果的に抑制することができる。
【0107】
また、上記第1~第3実施形態では、反射板5(15)(反射部)は、筐体2の内側面部2cにより下方から支持されている例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、反射板(反射部)と内側面部2cとが離間していてもよい。
【0108】
具体的には、図16に示すように、反射板35の液晶パネル1側の端部35aは、上下方向(Z方向)において、内側面部2cから距離D4だけ離間している。距離D4は、たとえば、約9mmである。反射板35の端部35aは、表示領域Aよりは外周側(Z2方向側)に位置している。なお、反射板35は、特許請求の範囲の「反射部」の一例である。
【0109】
また、反射板35は、液晶パネル1の垂線αに対して液晶パネル1側に角度θ4だけ傾斜している。角度θ4は、たとえば、約35度である。
【0110】
また、拡散板34は、上下方向(Z方向)における高さH5は、たとえば約4mmである。また、反射板35の端部35aから、拡散板34の上端34aまでの上下方向(Z方向)における距離D5は、たとえば約10mmである。なお、拡散板34および反射板35は、互いに一体的に形成されているとともに、共通の材質により形成されている。拡散板34および反射板35の光の透過率および反射率は、それぞれ、3%および97%である。また、拡散板34は、特許請求の範囲の「減衰部」の一例である。
【0111】
また、拡散板34のY方向における位置は、光学レンズ3bの液晶パネル1側の端部3gのY方向における位置と揃っている。
【0112】
また、上記第1~第3実施形態では、光学レンズ3bの端部3gと、拡散板4(14、24)(減衰部)とが接触している例を示したが、本発明はこれに限られない。光学レンズ3bの端部3gと、拡散板4(14、24)(減衰部)とが離間していてもよい。
【0113】
また、上記第1~第3実施形態では、反射板5(15)(反射部)の端部5a(15a)が、光学シート6と接触している例を示したが、本発明はこれに限られない。端部5a(15a)と、光学シート6とが離間していてもよい。
【0114】
また、上記第2実施形態では、拡散板14(減衰部)が、互いに材質の異なる2つの部分(拡散部分14aと透明部分14b)を有している例を示したが、本発明はこれに限られない。拡散板14(減衰部)が、互いに材質の異なる3つ以上の部分を有していてもよい。
【0115】
また、上記第3実施形態では、拡散板24(減衰部)と反射板15(反射部)とが互いに離間しており、第2集中部3iからの光が拡散板24(減衰部)と反射板15(反射部)との間を通過する例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、拡散板24(減衰部)と反射板15(反射部)とが互いに接続されており、第2集中部3iからの光が、拡散板24(減衰部)に設けられた孔部またはスリットを通過するように構成されていてもよい。
【0116】
また、上記第2および第3実施形態では、反射板15(反射部)と反射シート7とが共通の材質により形成されている例を示したが、本発明はこれに限られない。反射板15(反射部)と反射シート7とが、互いに異なる材質により形成されていてもよい。
【0117】
また、上記第2および第3実施形態では、反射板15(反射部)と反射シート7とが、互いに切り離されている例を示したが、本発明はこれに限られない。反射板15(反射部)と反射シート7とが、一体的に形成されていてもよい。
【0118】
また、上記第1~第3実施形態では、液晶表示装置100(300、400)(表示装置)に導光板が設けられていない例を示したが、本発明はこれに限られない。液晶表示装置100(300、400)(表示装置)に導光板が設けられていてもよい。
【0119】
また、上記第1~第3実施形態では、光源部3は、略長方形形状の液晶パネル1の4辺の各々に沿って設けられている内側面部2cのうちの1つだけに設けられている例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、光源部3は、2つ以上の内側面部2cに設けられていてもよい。
【0120】
また、上記第1~第3実施形態では、拡散板4(14、24)(減衰部)および反射板5(15)(反射部)の各々が、略平板形状を有する例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、拡散板4(14、24)(減衰部)および反射板5(15)(反射部)の各々は、湾曲形状を有していてもよい。
【0121】
また、上記第1実施形態では、拡散板4(減衰部)が拡散機能を有する例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、減衰部が、光の強度を減衰して透過させる透過機能のみを有する部材であってもよい。
【符号の説明】
【0122】
1 液晶パネル(表示パネル)
2 筐体
2c 内側面部
2d 底面部
3 光源部
3a LED(光源)
3b 光学レンズ
3g 端部(光学レンズの端部)
3h 第1集中部(集中部)
3i 第2集中部(集中部)
4、14、24、34 拡散板(減衰部)
5、15、25、35 反射板(反射部)
5a、15a、35a 端部(反射部の端部)
7 反射シート
14a 拡散部分(第1部分)
14b 透明部分(第2部分)
100、300、400 液晶表示装置(表示装置)
A 表示領域
α 垂線
図1
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