(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-02-13
(45)【発行日】2023-02-21
(54)【発明の名称】送風装置および掃除機
(51)【国際特許分類】
F04D 29/44 20060101AFI20230214BHJP
【FI】
F04D29/44 Q
F04D29/44 H
(21)【出願番号】P 2018232631
(22)【出願日】2018-12-12
【審査請求日】2021-09-21
(73)【特許権者】
【識別番号】000232302
【氏名又は名称】日本電産株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001933
【氏名又は名称】弁理士法人 佐野特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】山内 亮二
(72)【発明者】
【氏名】早光 亮介
【審査官】田谷 宗隆
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-211533(JP,A)
【文献】特開2018-155238(JP,A)
【文献】国際公開第2016/174790(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F04D 29/44
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
上下に延びる中心軸に沿って配置されるシャフトを有するモータと、
前記シャフトに固定され、前記中心軸周りに回転可能なインペラと、
少なくとも一部が前記モータの径方向外方に配置されるモータハウジングと、
少なくとも一部が前記モータハウジングの径方向外面よりも径方向外方に配置されるブロアハウジングと、
前記モータハウジングと前記ブロアハウジングとの径方向間に周方向に配列され、軸方向に延びる複数の静翼と、
を有し、
前記ブロアハウジングは、周方向の少なくとも一部における下端である第1下端を有し、
前記第1下端は、少なくとも1つの前記静翼の下端よりも上方に配置され
、
前記モータハウジングは、
前記モータの上方を囲む上ハウジングと、
前記モータの下方を囲む下ハウジングと、
を有し、
前記下ハウジングは、
前記静翼よりも径方向内方に配置される下ハウジング本体部と、
前記下ハウジング本体部から径方向外方に突出する下ハウジング突出部と、
を有し、
前記第1下端は、少なくとも前記下ハウジング突出部の上方に配置され、
前記下ハウジング突出部の上面の少なくとも一部は、前記インペラの回転方向前方に向かうにつれて下方に延びる、
送風装置。
【請求項2】
前記ブロアハウジングは、前記第1下端より下方に配置される第2下端を更に有し、
前記第2下端は、少なくとも1つの前記静翼の下端と軸方向の位置が同じである、又は、少なくとも1つの前記静翼の下端よりも下方に配置される、請求項1に記載の送風装置。
【請求項3】
前記第1下端は、周方向全周にわたって形成されている、請求項1に記載の送風装置。
【請求項4】
前記ブロアハウジングの内面の少なくとも一部は、前記第1下端から上方に向かうにつれて前記中心軸に近づく方に延びる、請求項1から3のいずれか1項に記載の送風装置。
【請求項5】
少なくとも1つの前記静翼の下面は、前記下ハウジング突出部と軸方向に対向する、請求項
1から4のいずれか1項に記載の送風装置。
【請求項6】
前記下ハウジング突出部の上面の少なくとも一部は、径方向外方に向かうについて下方に延びる、請求
項1から5のいずれか1項に記載の送風装置。
【請求項7】
前記ブロアハウジングは、前記第1下端より下方に配置される第2下端を更に有し、
前記モータハウジングは、
前記モータの上方を囲む上ハウジングと、
前記モータの下方を囲む下ハウジングと、
を有し、
前記下ハウジングは、
前記静翼よりも径方向内方に配置される下ハウジング本体部と、
前記下ハウジング本体部から径方向外方に突出する下ハウジング突出部と、
を有し、
前記下ハウジング突出部は、周方向に間隔をあけて複数配置され、
前記第1下端と前記第2下端とは、周方向に交互に配置され、
各前記第1下端は、前記下ハウジング突出部の上方に配置されている、請求項1に記載の送風装置。
【請求項8】
前記第1下端の周方向幅は、前記下ハウジング突出部の周方向幅以上である、請求
項7に記載の送風装置。
【請求項9】
前記下ハウジング突出部は、上面を塞ぐ上壁を有する、請求
項1から8のいずれか1項に記載の送風装置。
【請求項10】
前記モータハウジングは、
前記モータの上方を囲む上ハウジングと、
前記モータの下方を囲む下ハウジングと、
を有し、
前記上ハウジングと、前記ブロアハウジングと、前記静翼とは、単一部材である、請求項1から4のいずれか1項に記載の送風装置。
【請求項11】
請求項1か
ら10のいずれか1項に記載の送風装置を有する、掃除機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、送風装置および掃除機に関する。
【背景技術】
【0002】
特開2018-84151号公報には、電動送風機が開示されている。電動送風機は、電動機と、遠心ファンと、ディフューザとを備える。遠心ファンは、電動機のシャフトに接続されて電動機により回転されることで、空気を中心側から外周側へと押し出す。ディフューザは、遠心ファンにより押し出された空気を整流して電動機の内部へと流し込む。
【0003】
ディフューザは、外枠部と、本体部と、通気開口部である風路部と、複数の整流翼を備える。外枠部は、ディフューザの外郭をなし、電動機が備えるフレームを支持した状態で、フレームの外郭部に対して軸方向前側に重ねられる。本体部は、外枠部の内方に配置される。外枠部は、本体部に対して軸方向(前後方向)に突出するように延びている。本体部の外縁部は、外枠部の内縁部に対して内方に離れ、整流翼により連結されている。風路部は、外枠部、本体部、および整流翼間に区画されている。一部の整流翼は、フレームの一の脚部に対向している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特開2018-84151号公報においては、ディフューザの外枠部の軸方向後端は、整流翼の軸方向後端よりも後方に配置されている。また、一部の整流翼に対してフレームが軸方向に対向している。このような構成では、整流翼に対向するフレームが、装置の薄型化等を狙って整流翼に近づけられると、フレームが風の流れに対して抵抗になり易く、送風効率が低下する可能性がある。
【0006】
本発明は、送風装置における送風効率の低下を抑制することができる技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の例示的な送風装置は、モータと、インペラと、モータハウジングと、ブロアハウジングと、複数の静翼と、を有する。モータは、上下に延びる中心軸に沿って配置されるシャフトを有する。インペラは、シャフトに固定され、中心軸周りに回転可能である。モータハウジングは、少なくとも一部がモータの径方向外方に配置される。ブロアハウジングは、少なくとも一部がモータハウジングの径方向外面よりも径方向外方に配置される。複数の静翼は、モータハウジングとブロアハウジングとの径方向間に周方向に配列され、軸方向に延びる。ブロアハウジングは、周方向の少なくとも一部における下端である第1下端を有する。第1下端は、少なくとも1つの静翼の下端よりも上方に配置される。
【0008】
本発明の例示的な掃除機は、上述の送風装置を有する。
【発明の効果】
【0009】
例示的な本発明によれば、送風装置における送風効率の低下を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】
図1は、本発明の実施形態に係る送風装置の斜視図である。
【
図2】
図2は、本発明の実施形態に係る送風装置の縦断面図である。
【
図3】
図3は、本発明の実施形態に係る送風装置が有するハウジングユニットの斜視図である。
【
図4】
図4は、本発明の実施形態に係る送風装置が有するハウジングユニットの側面である。
【
図5】
図5は、本発明の実施形態に係る送風装置が有するハウジングユニットの縦断面図である。
【
図6】
図6は、本発明の実施形態に係る送風装置が有する下ハウジングの斜視図である。
【
図7】
図7は、ハウジングユニットと下ハウジングとの関係を示す概略斜視図である。
【
図8】
図8は、本発明の実施形態に係る送風装置の第1変形例を示す図である。
【
図9】
図9は、本発明の実施形態に係る送風装置の第2変形例を示す図である。
【
図10】
図10は、本発明の実施形態に係る送風装置の第3変形例を示す図である。
【
図11】
図11は、本発明の実施形態に係る送風装置の第4変形例を示す図である。
【
図12】
図12は、本発明の実施形態に係る送風装置の第5変形例を示す図である。
【
図13】
図13は、本発明の実施形態に係る掃除機の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の例示的な実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。本明細書では、送風装置100の説明において、
図2に示す送風装置100の中心軸Cと平行な方向を「軸方向」、中心軸Cに直交する方向を「径方向」、中心軸Cを中心とする円弧に沿う方向を「周方向」とそれぞれ称する。また、本明細書では、軸方向を上下方向とし、
図2に示すモータ1に対してインペラ2側を上として、各部の形状や位置関係を説明する。上下方向は単に説明のために用いられる名称であって、実際の位置関係及び方向を限定しない。本明細書において、「上流」及び「下流」はインペラ2を回転させた際に発生する気流Sの流通方向の上流及び下流をそれぞれ示す。
【0012】
また、本明細書では、掃除機200の説明に際して、
図13の床面F(被清掃面)に近づく方向を「下方」とするとともに床面Fから離れる方向を「上方」として、各部の形状や位置関係を説明する。なお、これらの方向は単に説明のための用いられる名称であって、実際の位置関係及び方向を限定しない。
【0013】
<1.送風装置>
(1-1.送風装置の概要)
図1は、本発明の実施形態に係る送風装置100の斜視図である。
図2は、本発明の実施形態に係る送風装置100の縦断面図である。
図1および
図2に示すように、送風装置100は、モータ1と、インペラ2と、モータハウジング3と、ブロアハウジング4と、複数の静翼5とを有する。送風装置100は、インペラカバー6と、回路基板7とを更に有する。
【0014】
送風装置100では、ブロアハウジング4とインペラカバー6とによって構成されるケース8の内部に、インペラ2、及び、モータハウジング3の一部が収容される。詳細には、ケース8は、モータハウジング3の上方を収容する。
図2に示すように、ブロアハウジング4と、モータハウジング3の後述する上ハウジング31との径方向間に、流路9が構成されている。
【0015】
モータ1は、モータハウジング3の内部に収納される。モータ1は、ロータ11と、ステータ12と、軸受部13とを有する。モータ1は、インペラ2の下方に配置されてインペラ2を回転させる。
【0016】
ロータ11は、シャフト111と、マグネット112とを有する。換言すると、モータ1は、シャフト111を有する。
【0017】
シャフト111は、上下に延びる中心軸Cに沿って配置される。本実施形態では、シャフト111は柱状の金属部材である。
図2に示すように、シャフト111の上部は、上ハウジング31から露出する。シャフト111の上部に、インペラ2が固定される。
【0018】
マグネット112は環状である。マグネット112は、シャフト111の径方向外方に配置され、シャフト111に固定される。マグネット112の径方向外面には、N極とS極とが周方向に交互に並ぶ。本実施形態では、マグネット112は複数である。複数のマグネット112は軸方向に配列される。複数のマグネット112は、互いに接触する。ただし、マグネット112は1つであってもよい。
【0019】
ステータ12は、マグネット112の径方向外方に配置される。ステータ12は、ステータコア121と、インシュレータ122と、コイル123とを有する。
【0020】
ステータコア121は、電磁鋼板を軸方向に積層した積層体である。ただし、ステータコア121は、例えば、紛体の焼成鋳造等で構成された単一の部材であってもよい。ステータコア121は、コアバック1211と、複数のティース1212とを有する。コアバック1211は、中心軸Cを中心とする環状である。各ティース1212は、コアバック1211から径方向内方に突出する。複数のティース1212は、周方向に等間隔に配列される。
【0021】
インシュレータ122は、ステータコア121の少なくとも一部を覆う絶縁部材である。本実施形態では、インシュレータ122は、上下に分離する2つの部材で構成される。
【0022】
コイル123は、各ティース1212の周囲に、インシュレータ122を介してそれぞれ導線を巻き回して構成される。すなわち、ステータ12は複数のコイル123を有する。
【0023】
軸受部13は、シャフト111を回転可能に支持する。本実施形態では、軸受部13は、上軸受131と、下軸受132とを有する。上軸受131と下軸受132とは、玉軸受である。上軸受131と下軸受132とは、軸方向に間隔をあけて配置される。上軸受131は、シャフト111の上方を支持する。下軸受132は、シャフト111の下方を支持する。上軸受131は、後述の上ハウジング31に固定される、下軸受132は、後述の下ハウジング32に固定される。なお、軸受部13は、玉軸受以外の軸受で構成されてよく、例えばスリーブ軸受等で構成されてよい。軸受の数も2つに限らず、1つ又は3つ以上であってよい。
【0024】
電力源から各コイル123に電力が供給されると、各ティース1212に磁束が生じる。各ティース1212に生じた磁束と、マグネット112によって発生する磁界との作用により、周方向のトルクが生じる。その結果、ロータ11がステータ12に対して回転する。ロータ11は、中心軸Cを中心として回転する。本実施形態では、モータ1は、いわゆる、インナーロータ型のモータである。ただし、本発明は、いわゆる、アウターロータ型のモータに適用されてもよい。
【0025】
インペラ2は、シャフト111に固定され、中心軸C周りに回転可能である。インペラ2は、例えばエンジニアリングプラスチック等の樹脂によって構成された、いわゆる、斜流インペラである。エンジニアリングプラスチックは、強度、耐熱性等の機械特性が他の樹脂に比べて優れた樹脂である。なお、インペラ2は金属等の他の種類の素材で構成されてもよい。
【0026】
詳細には、インペラ2は、ハブ部21と、複数の羽根部22とを有する。
【0027】
ハブ部21の直径は下側に向かうにつれて大きくなる。換言すると、ハブ部21は下側に向かって漸次拡径する。ハブ部21は、下面凹部211とボス部212とを有する。下面凹部211は、ハブ部21の下面から上方に向けて凹む。下面凹部211は、中心軸Cを中心とする環状である。下面凹部211が設けられることで、ハブ部21を軽量化することができる。軽量化により、消費電力を低減して、インペラ2を高速回転させることができる。
【0028】
ボス部212は、下面凹部211の径方向内方に設けられる。ボス部212は、中心軸Cを中心とする柱状である。ボス部212には、下面から軸方向上方に向けて凹むボス部凹部213が設けられる。ボス部凹部213は、軸方向からの平面視において、中心軸Cを中心とする円形状である。ボス部凹部213には、シャフト111が圧入される。これにより、インペラ2とシャフト111とが連結され、インペラ2は中心軸Cを中心として回転する。本実施形態では、
図2の矢印R方向に回転する。軸方向上方からの平面視において、インペラ2は、反時計回り方向に回転する。
【0029】
羽根部22は、ハブ部21の外面に設けられる。複数の羽根部22は、周方向に間隔をあけて配置される。本実施形態においては、羽根部22はハブ部21の外面上に周方向に所定間隔で並設され、ハブ部21と一体成形される。羽根部22の上部は下部に対して回転方向前方に配される。
【0030】
モータハウジング3は、少なくとも一部がモータ1の径方向外方に配置される。本実施形態では、一部がモータ1の径方向外方に配置される。モータハウジング3は、例えば、金属製又は樹脂製である。詳細には、モータハウジング3は、上ハウジング31と、下ハウジング32とを有する。上ハウジング31は、モータ1の上方を囲む。下ハウジング32は、モータ1の下方を囲む。上ハウジング31と下ハウジング32とは、例えば螺子、スナップフィット、又は、接着剤等で連結することができる。モータハウジング3を2つの部材に分けることによって、複雑な形状を有するモータハウジング3の量産性を向上することができる。
【0031】
ブロアハウジング4は、少なくとも一部がモータハウジング3の径方向外面よりも径方向外方に配置される。本実施形態では、ブロアハウジング4の全体がモータハウジング3の径方向外方に配置される。ブロアハウジング4は、中心軸Cを中心とし、軸方向に延びる筒状である。ブロアハウジング4は、詳細には、上ハウジング31と隙間をあけて径方向に対向する。
【0032】
複数の静翼5は、モータハウジング3とブロアハウジング4との径方向間に周方向に配列される。複数の静翼5は、軸方向に延びる。詳細には、複数の静翼5は、上ハウジング31とブロアハウジング4との径方向間に配列される。複数の静翼5は、周方向に等間隔に配列される。上ハウジング31とブロアハウジング4との径方向間において、複数の静翼5が設けられない部分は流路9を構成している。複数の静翼5は、流路9を通過する気流Sを整流する。
【0033】
インペラカバー6は、インペラ2の径方向外方に配置され、インペラ2を囲む。インペラカバー6は、ブロアハウジング4の上方に配置され、ブロアハウジング4に連結される。本実施形態では、インペラカバー6とブロアハウジング4とは、スナップフィットで連結される。ただし、インペラカバー6とブロアハウジング4とは、例えば螺子、又は、接着剤等の他の手段で連結されてよい。また、インペラカバー6は、ブロアハウジング4と単一部材とされ、ブロアハウジング4に含まれてもよい。
【0034】
インペラカバー6は、詳細には、中心軸Cを中心とし、軸方向上方に向かって先細りの筒状である。インペラカバー6は、上部に吸気口61を有する。吸気口61は、上端から内側に屈曲して下方へ延びるベルマウス611を有する。これにより、吸気口61の直径は上側から下側に向かうに従って滑らかに小さくなる。インペラカバー6がベルマウス611を有することで、滑らかに空気を吸い込むことができる。これにより、インペラ2の回転時に吸気口61から吸い込まれる空気の量が増える。
【0035】
回路基板7は、モータハウジング3よりも下方に配置される。回路基板7には、例えば電源回路および制御回路等のモータ1を駆動するための回路が設けられている。回路基板7には、例えば、電界効果トランジスタと電解コンデンサとを含む複数の回路素子71が配置されている。
【0036】
モータ1が駆動することによって、ロータ11とともにインペラ2が中心軸C周りに回転する。インペラ2の回転により、
図2に太矢印で示すように、気流Sが発生する。インペラ2の回転により発生した気流Sは、上ハウジング31とブロアハウジング4との径方向間に構成される流路9を通る。流路9を通過する気流Sは、複数の静翼5によって整流される。気流Sは、複数の静翼5によって、中心軸Cを中心とした軸対称に近い流れとなる。そして、気流Sは、ブロアハウジング4の下端から下方に吹き出す。下方に吹き出した気流Sの一部は、送風装置100の外部へと流れる。また、下方に吹き出した気流Sの他の一部は、回路基板7に向かって流れる。
【0037】
(1-2.送風装置の詳細)
本実施形態では、上ハウジング31と、ブロアハウジング4と、静翼5とは、単一部材である。これによれば、送風装置100の剛性を向上することができる。また、これによれば、送風装置100の部品点数を減らして組み立て性を向上することができる。なお、上ハウジング31と、ブロアハウジング4と、静翼5とのうち、少なくともいずれか1つの要素は、他の要素と別部材であってよい。
【0038】
図3は、本発明の実施形態に係る送風装置100が有するハウジングユニット10の斜視図である。
図4は、本発明の実施形態に係る送風装置100が有するハウジングユニット10の側面図である。
図5は、本発明の実施形態に係る送風装置100が有するハウジングユニット10の縦断面図である。ハウジングユニット10は、上ハウジング31と、ブロアハウジング4と、複数の静翼5とで構成される単一部材である。
【0039】
図3から
図5に示すように、上ハウジング31は、上ハウジング蓋部311と、上ハウジング筒部312とを有する。上ハウジング蓋部311は、中心軸Cと交差する方向に広がる。上ハウジング蓋部311は、軸方向からの平面視において、中心軸Cを中心とする環状である。上ハウジング筒部312は、上ハウジング蓋部311の径方向外縁から軸方向下方に延びる。上ハウジング筒部312は、中心軸Cを中心とする筒状である。上ハウジング筒部312は、ステータ12の径方向外方に配置される。
【0040】
図5に示すように、上ハウジング蓋部311は、上軸受保持部3111と、上軸孔3112とを有する。上軸受保持部3111は、上軸受131を保持する。上軸受保持部3111は、上ハウジング蓋部311の下面の中央部に配置される。上軸受保持部3111は、上ハウジング蓋部311の下面から上方に凹んだ凹部である。軸方向下方からの平面視において、上軸受保持部3111は、中心軸Cを中心とする円形状である。また、上軸孔3112は、中心軸Cを中心とし軸方向に貫通する貫通孔である。上軸受保持部3111の上方に配置される上軸孔3112は、上軸受保持部3111と軸方向に重なり、上軸受保持部3111より直径が小さい。シャフト111の上部は、上軸孔3112を通って、上ハウジング31から上方に突出する。
【0041】
上ハウジング筒部312の径方向内方に、ステータ12が圧入され、上ハウジング筒部312の内面の一部はステータ12と接触する。上ハウジング筒部312の外面には、複数の静翼5が設けられる。
【0042】
本実施形態において、複数の静翼5は同一形状である。各静翼5は、上ハウジング筒部312の外面と、ブロアハウジング4の内面とを接続する。静翼5は、軸方向に延びる柱状である。詳細には、静翼5の上部は、上方に向かうにつれてインペラ2の回転方向と反対方向に延びる。すなわち、軸方向に延びる静翼5は、上部が湾曲した形状になっている。複数の静翼5は、軸方向の同一高さ位置に配置される。
【0043】
ブロアハウジング4は、周方向の少なくとも一部における下端である第1下端41を有する。第1下端41は、少なくとも1つの静翼5の下端よりも上方に配置される。これによれば、静翼5の軸方向長さを短くすることなく、流路9の出口部分において風の流れが阻害されることを抑制することができる。
【0044】
本実施形態では、第1下端41は、全ての静翼5の下端よりも上方に配置される。第1下端41は、ブロアハウジング4の周方向の一部における下端である。すなわち、ブロアハウジング4は、第1下端41と異なる下端を有する。詳細には、ブロアハウジング4は、第1下端41より下方に配置される第2下端42を更に有する。第1下端41と第2下端42とは、周方向に交互に配置される。
【0045】
第1下端41の周方向の長さは、第2下端42の周方向の長さより小さい。ただし、第1下端41の周方向の長さは、第2下端42の周方向の長さより大きくされてもよい。また、第1下端41の周方向の長さと、第2下端42の周方向の長さとは同じとされてもよい。本実施形態では、第1下端41と第2下端42とは、周方向に3箇所ずつ配置される。ただし、この数は変更されてよい。また、第1下端41と第2下端42との間に、第1下端41より下方、且つ、第2下端42より上方に位置する下端が存在する構成としてもよい。例えば、ブロアハウジング4は、第1下端41と第2下端42とを接続する傾斜した下端を有してよい。また、ブロアハウジング4は、第1下端41と第2下端42との周方向間に、階段状の下端を有してよい。
【0046】
第2下端42は、少なくとも1つの静翼5の下端と軸方向の位置が同じである、又は、少なくとも1つの静翼5の下端よりも下方に配置される。これによれば、風量の低下の抑制と、圧力の低下の抑制とをバランス良く行うことができる。本実施形態では、第2下端42は、少なくとも1つの静翼5の下端よりも下方に配置される。詳細には、第2下端42は、全ての静翼5の下端よりも下方に配置される。
【0047】
なお、ブロアハウジング4の内面の一部は、第2下端42から上方に向かうにつれて中心軸Cに近づく方に延びることが好ましい。これによれば、ブロアハウジング4の内面に沿って流れる風を送風装置100の外部に効率良く導くことができる。詳細には、
図5に示すように、ブロアハウジング4は、第2下端42から上方に向かうにつれて中心軸Cに近づく第2下端位置傾斜面421を有する。第2下端位置傾斜面421は、ブロアハウジング4の内面の軸方向下部に設けられている。ただし、第2下端位置傾斜面421は、ブロアハウジング4の第2下端42から上端にまで延びてもよい。また、傾斜面に替えて湾曲面とされてもよい。
【0048】
図6は、本発明の実施形態に係る送風装置100が有する下ハウジング32の斜視図である。
図6に示すように、下ハウジング32は、下ハウジング本体部321と、下ハウジング突出部322とを有する。下ハウジング32は、下ハウジング貫通孔323と、複数の脚部324とを更に有する。
【0049】
下ハウジング本体部321は、静翼5よりも径方向内方に配置される。下ハウジング本体部321は、下ハウジング平板部3211と、下ハウジング筒部3212とを有する。下ハウジング平板部3211は、軸方向と直交する板状である。下ハウジング筒部3212は、下ハウジング平板部3211の径方向外縁から軸方向上方に延び、中心軸Cを中心とする筒状である。下ハウジング筒部3212は、静翼5よりも径方向内方に配置される。
【0050】
下ハウジング平板部3211は、下軸受保持部3211aと、平板部切欠き3211bとを有する。下軸受保持部3211aは、下軸受132を保持する。下軸受保持部3211aは、下ハウジング平板部3211の中央部に配置される。下軸受保持部3211aは、下ハウジング平板部3211の上面から軸方向上方に延び、中心軸Cを中心とする筒状である。平板部切欠き3211bは、下ハウジング平板部3211の径方向外縁から径方向内方に凹む。平板部切欠き3211bは、周方向に等間隔に複数配置される。本実施形態では、平板部切欠き3211bの数は3つである。ただし、平板部切欠き3211bの数は3つ以外であってよく、単数であってもよい。
【0051】
下ハウジング筒部3212の上端部の少なくとも一部は、上ハウジング筒部312の下端部と接触する。本実施形態では、下ハウジング32は、上ハウジング31に対して螺子を用いて固定される。なお、下ハウジング32は、上ハウジング31と同じ材質であってもよいし、異なる材質であってもよい。
【0052】
下ハウジング突出部322は、下ハウジング本体部321から径方向外方に突出する。本実施形態では、下ハウジング突出部322は、下ハウジング筒部3212から径方向外方に突出する。下ハウジング突出部322は、平板部切欠き3211bの径方向外方に配置される。すなわち、下ハウジング突出部322は、周方向に間隔をあけて複数配置される。本実施形態では、下ハウジング突出部322の数は3つである。3つの下ハウジング突出部322は、周方向に等間隔で配置される。ただし、下ハウジング突出部322の数は3つ以外であってよく、単数であってもよい。
【0053】
詳細には、下ハウジング突出部322は、突出部外壁部3221と、一対の突出部側壁部3222と、を有する。また、下ハウジング突出部322には、突出部溝3223が構成される。突出部外壁部3221は、下ハウジング筒部3212より径方向外方に配置され、周方向に延びる。一対の突出部側壁部3222は、突出部外壁部3221の周方向両端部と下ハウジング筒部3212とを接続する。突出部外壁部3221、および、一対の突出部側壁部3222は、軸方向において、下ハウジング筒部3212の上端から下端まで延びる。突出部溝3223は、突出部外壁部3221、および、一対の突出部側壁部3222で囲まれ、軸方向に延びる。
【0054】
下ハウジング貫通孔323は、平板部切欠き3211bと、平板部切欠き3211bに繋がる突出部溝3223とによって構成される。下ハウジング貫通孔323は、下ハウジング本体部321および下ハウジング突出部322を軸方向に貫通する。本実施形態において、下ハウジング貫通孔323の数は3つである。軸方向からの平面視において、各下ハウジング貫通孔323の一部は、上ハウジング31とブロアハウジング4との径方向間に形成される流路9と重なる。
【0055】
本実施形態では、下ハウジング貫通孔323内には、
図2に示すように、接続部72が配置されている。詳細には、接続部72は、インシュレータ122により一部が覆われている。接続部72は、モータ1と回路基板7とを電気的に接続する。接続部72は、導電性を有し、コイル123と回路基板7とを電気的に接続する。接続部72は、例えばタブ端子等であってよい。本実施形態では、接続部72の数は3つであり、各下ハウジング貫通孔323内に接続部72が1つずつ配置されている。
【0056】
複数の脚部324は、下ハウジング平板部3211から下方に向けて突出し、回路基板7と接続される。各脚部324は、軸方向に延びる有蓋筒状である。脚部324内に螺子が通されて、モータハウジング3と回路基板7とが連結される。本実施形態では、脚部324の数は3つである。3つの脚部324は、周方向に等間隔で配置されている。
【0057】
図7は、ハウジングユニット10と下ハウジング32との関係を示す概略斜視図である。第1下端41は、少なくとも下ハウジング突出部322の上方に配置されている。なお、本実施形態では、第1下端41は、下方に下ハウジング突出部322がない位置にも配置されている。
【0058】
流路9の出口の下に、下ハウジング突出部322が配置されると、風の流れが阻害され易くなる。例えば送風装置100の軸方向長さを短くするために、下ハウジング32の軸方向長さを短くし、下ハウジング32の下端と下ハウジング突出部322とが上方に配置されると、静翼5と下ハウジング突出部322との軸方向距離が短くなり、風の流れがより阻害され易くなる。本実施形態では、風の流れが阻害され易くなると考えられる箇所に、流路9を広げる第1下端41が配置されているために、風の流れが阻害されることを抑制することができる。また、風の流れが阻害されることを抑制するにあたって、静翼5の軸方向長さを短くする必要がないために、静圧が低下することも抑制することができる。すなわち、本実施形態によれば、第1下端41が設けられない構成に比べて、送風装置100の送風効率を向上することができる。
【0059】
本実施形態では、第1下端41の数と、下ハウジング突出部322の数は、いずれも複数である。各第1下端41は、下ハウジング突出部322の上方に配置されている。すなわち、第1下端41の数と、下ハウジング突出部322の数とは同数である。本実施形態によれば、下ハウジング突出部322により風の流れが阻害され易くなる箇所においては、ブロアハウジング4の下端が他の場所に比べて高くなり、切欠き形状となる。このために、下ハウジング突出部322が存在する箇所において風の流れが阻害されることを抑制することができる。
【0060】
また、本実施形態では、第1下端41の周方向幅W1は、下ハウジング突出部322の周方向幅W2以上である。これより、下ハウジング突出部322が設けられる周方向の全域において、流路9の出口の下で風の通り道が狭くなることを防止できる。また、下ハウジング突出部322を、ブロアハウジング4の下部の切欠き形状になった部分に入れることができるために、モータハウジング3の軸方向長さを短くすることができる。
【0061】
また、少なくとも1つの静翼5の下面は、下ハウジング突出部322と軸方向に対向することが好ましい。本実施形態では、一部の静翼5の下面は、下ハウジング突出部322と軸方向に対向している。静翼5の下面の周方向の幅W3は、第1下端41の周方向の幅W1、および、下ハウジング突出部322の周方向の幅W2より小さい。本実施形態によれば、下ハウジング32と静翼5との軸方向間の隙間が小さくなる部分において、第1下端41が配置される。このために、静翼5に沿って流れる風が下ハウジング突出部322に阻害されて流れ難くなることを抑制することができる。
【0062】
なお、本実施形態では、下ハウジング突出部322と軸方向に対向する静翼5は、下部が径方向外方に露出している。すなわち、本実施形態では、送風装置100は、下部が径方向外方に露出する少なくとも1つの静翼5を有する。ただし、送風装置100は、下部が径方向外方に露出する静翼5を有しなくてもよい。
【0063】
(1-3.送風装置の変形例)
「1-3-1.第1変形例」
図8は、本発明の実施形態に係る送風装置100の第1変形例を示す図である。
図8は、ハウジングユニット10Aの縦断面図の一部を示す。ハウジングユニット10Aは、上ハウジング31Aと、ブロアハウジング4Aと、複数の静翼5Aとで構成される。上ハウジング31Aと、複数の静翼5Aとは、上述の実施形態と同様の構成である。ブロアハウジング4Aは、上述の実施形態と概ね同様であるが、一部の構成が異なる。この異なる点について、以下説明する。
【0064】
ブロアハウジング4Aの内面の少なくとも一部は、第1下端41Aから上方に向かうにつれて中心軸Cに近づく方に延びる。これによれば、ブロアハウジング4の内面に沿って流れる風を流路9の外へ効率良く導くことができる。
図8に示す変形例では、ブロアハウジング4Aの内面の一部は、第1下端41Aから上方に向かうにつれて中心軸Cに近づく方に延びる。
【0065】
詳細には、ブロアハウジング4Aは、第1下端41Aから上方に向かうにつれて中心軸Cに近づく第1下端位置傾斜面411を有する。第1下端位置傾斜面411は、ブロアハウジング4Aの内面の軸方向下部に設けられている。ただし、第1下端位置傾斜面411は、ブロアハウジング4Aの第1下端41Aから上端にまで延びてもよい。また、傾斜面に替えて湾曲面とされてもよい。
【0066】
なお、本変形例では、ブロアハウジング4Aは、第2下端42Aから上方に向かうにつれて中心軸Cに近づく方に延びる第2下端位置傾斜面421Aを有する。ただし、ブロアハウジング4Aは、第2下端位置傾斜面421Aを有しなくてもよい。
【0067】
「1-3-2.第2変形例」
図9は、本発明の実施形態に係る送風装置100の第2変形例を示す図である。
図9は、下ハウジング32Bの一部を示す。下ハウジング32Bは、上述の実施形態の下ハウジング32と概ね同様の構成である。ただし、下ハウジング突出部322Bの構成が、上述の下ハウジング突出部322と異なる。この異なる点について、以下説明する。
【0068】
下ハウジング突出部322Bの上面の少なくとも一部は、径方向外方に向かうにつれて下方に延びる。これによれば、流路9の出口から排出され、下ハウジング突出部322Bの上面に当たる風を、下ハウジング突出部322Bの上面に沿って装置外部へと効率良く導くことができる。
【0069】
図9に示す変形例では、下ハウジング突出部322Bの上面全体が、径方向外方に向かうにつれて下方に延びる。詳細には、下ハウジング突出部322Bは、上述の実施形態と同様に、突出部外壁部3221Bと、一対の突出部側壁部3222Bとを有する。突出部外壁部3221Bの上面、および、一対の突出部側壁部3222Bの上面とは、径方向外方に向かうにつれて下方に向かう傾斜面になっている。
【0070】
ただし、下ハウジング突出部322Bの上面は、一部が径方向外方に向かうにつれて下方に延びる構成であってよい。例えば、一対の突出部側壁部3222Bの上面は、径方向外方に向かうにつれて下方に向かう傾斜面であり、突出部外壁部3221Bの上面は傾斜面でない構成であってよい。また、傾斜面に替えて湾曲面とされてもよい。
【0071】
「1-3-3.第3変形例」
図10は、本発明の実施形態に係る送風装置100の第3変形例を示す図である。
図10は、下ハウジング32Cの一部を示す。
図10に示す矢印Rは、インペラ2の回転方向を示す。下ハウジング32Cは、上述の実施形態の下ハウジング32と概ね同様の構成である。ただし、下ハウジング突出部322Cの構成が、上述の下ハウジング突出部322と異なる。この異なる点について、以下説明する。
【0072】
下ハウジング突出部322Cの上面の少なくとも一部は、インペラ2の回転方向前方に向かうにつれて下方に延びる。これによれば、流路9の出口から排出され、下ハウジング突出部322Cの上面に当たる風を、下ハウジング突出部322Cの上面に沿って装置外部へと効率良く導くことができる。
【0073】
図10に示す変形例では、下ハウジング突出部322Cの上面全体が、インペラ2の回転方向前方に向かうにつれて下方に延びる。詳細には、下ハウジング突出部322Cは、上述の実施形態と同様に、突出部外壁部3221Cと、一対の突出部側壁部3222Cとを有する。突出部外壁部3221Cの上面、および、一対の突出部側壁部3222Cの上面とは、インペラ2の回転方向前方に向かうにつれて下方に向かう傾斜面になっている。
【0074】
ただし、下ハウジング突出部322Cの上面は、一部がインペラ2の回転方向前方に向かうにつれて下方に延びる構成であってよい。例えば、一対の突出部側壁部3222Cのうちの回転方向後方の突出部側壁部3222Cと、突出部外壁部3221Cの回転方向前方部を除く部分との上面は、インペラ2の回転方向前方に向かうにつれて下方に向かう傾斜面であってよい。一対の突出部側壁部3222Cのうち、回転方向前方の突出部側壁部3222Cと、突出部外壁部3221Cの回転方向前方部との上面は傾斜面でなくてよい。また、傾斜面に替えて湾曲面とされてもよい。
【0075】
「1-3-4.第4変形例」
図11は、本発明の実施形態に係る送風装置100の第4変形例を示す図である。
図11は、ハウジングユニット10Dと下ハウジング32Dとの関係を示す概略斜視図である。ハウジングユニット10Dは、上述した実施形態と同様の構成である。下ハウジング32Dは、上述の実施形態の下ハウジング32と概ね同様の構成である。ただし、下ハウジング突出部322Dの構成が、上述の下ハウジング突出部322と異なる。この異なる点について、以下説明する。
【0076】
下ハウジング突出部322Dは、上面を塞ぐ上壁3224を有する。上壁3224は、突出部外壁部3221Dおよび一対の突出部側壁部3222Dの上に配置されている。上壁3224は、突出部外壁部3221Dおよび一対の突出部側壁部3222Dと単一部材である。上壁3224は、軸方向に直交する平板状であってよい。上壁3224の上面は傾斜していてもよい。
【0077】
本変形例によれば、下ハウジング突出部322Dが設けられる位置において、流路9の出口から排出される風の流れが阻害され易くなる。ただし、この風の流れが阻害され易くなる箇所に、流路9を広げる第1下端41Dが配置されているために、風の流れが阻害されることを抑制することができる。
【0078】
「1-3-5.第5変形例」
図12は、本発明の実施形態に係る送風装置100の第5変形例を示す図である。
図12は、第5変形例の送風装置100Eを示す概略斜視図である。送風装置100Eは、上述した実施形態の送風装置100と概ね同様の構成である。ただし、ブロアハウジング4Eの構成が、上述の実施形態のブロアハウジング4と異なる。この異なる点について、以下説明する。
【0079】
本変形例では、第1下端41Eは、周方向全周にわたって形成されている。第1下端41Eは、少なくとも1つの静翼5Eの下端よりも上方に配置される。
図12に示す例では、第1下端41Eは、全ての静翼5Eの下端よりも上方に配置される。本変形例によれば、静翼5Eの軸方向長さを短くすることなく、ブロアハウジング4Eとモータハウジング3Eとの径方向間に形成される流路9の出口部分において風の流れが阻害されることを抑制することができる。例えば、送風装置100Eが取り付けられる部材によって、下ハウジング突出部322E以外にも風の流れが阻害される場合等に、本変形例の構成は有効である。
【0080】
<2.掃除機>
次に、本実施形態の送風装置100が適用された掃除機200の実施形態について説明する。
図13は、本発明の実施形態に係る掃除機200の斜視図である。
図13に示すように、掃除機200は送風装置100を有する。これにより、掃除機200において、送風装置100における流路9の出口部分において風の流れが阻害されることを抑制することができる。掃除機200はいわゆるスティック型の電気掃除機である。なお、送風装置100を有する掃除機は、いわゆるロボット型、キャニスター型またはハンディ型等の他のタイプの電気掃除機でもよい。
【0081】
掃除機200は、下面及び上面にそれぞれ吸気部202及び排気部203が設けられた筐体201を有する。掃除機200は、充電式のバッテリ(不図示)を有し、当該バッテリから供給される電力によって作動する。ただし、掃除機200は、電源コードを有し、居室の壁面に設けられた電源コンセントに接続された電源コードを介して供給される電力によって作動してもよい。
【0082】
筐体201内には吸気部202と排気部203とを連結する空気通路(不図示)が形成される。空気通路内には、吸気部202(上流)から排気部203(下流)に向かって、集塵部(不図示)、フィルタ(不図示)及び送風装置100が順に配置される。空気通路内を流通する空気に含まれる塵埃等のゴミはフィルタにより捕集され、容器状に形成される集塵部内に集塵される。集塵部及びフィルタは筐体201に対して着脱可能に設けられる。
【0083】
筐体201の上部には把持部204及び操作部205が設けられる。使用者は把持部204を把持して掃除機200を移動させることができる。操作部205は複数のボタン205aを有する。使用者は、ボタン205aの操作によって掃除機200の動作設定を行う。例えば、ボタン205aの操作により、送風装置100の駆動開始、駆動停止、及び回転数の変更等が指示される。吸気部202には棒状の吸引管206が接続される。吸引管206の上流端には吸引ノズル207が吸引管206に対して着脱可能に取り付けられる。なお、吸引管206の上流端は、
図13において吸引管206の下端である。
【0084】
本実施形態の掃除機200によれば、送風装置100の送風効率の低下を抑制できる。このために、本実施形態の掃除機200は、効率良くゴミ等の吸引を行うことができる。
【0085】
<3.留意事項>
本明細書中に開示されている種々の技術的特徴は、その技術的創作の主旨を逸脱しない範囲で種々の変更を加えることが可能である。また、本明細書中に示される複数の実施形態及び変形例は可能な範囲で組み合わせて実施されてよい。
【産業上の利用可能性】
【0086】
本発明は、例えば掃除機等の送風装置を有する電気機器に利用することができる。
【符号の説明】
【0087】
1・・・モータ
2・・・インペラ
3・・・モータハウジング
4・・・ブロアハウジング
5・・・静翼
31・・・上ハウジング
32・・・下ハウジング
41・・・第1下端
42・・・第2下端
100・・・送風装置
111・・・シャフト
200・・・掃除機
321・・・下ハウジング本体部
322・・・下ハウジング突出部
C・・・中心軸