(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-02-13
(45)【発行日】2023-02-21
(54)【発明の名称】液浸システム
(51)【国際特許分類】
F25D 17/02 20060101AFI20230214BHJP
H05K 7/20 20060101ALI20230214BHJP
H01L 23/44 20060101ALI20230214BHJP
【FI】
F25D17/02 302
H05K7/20 N
F25D17/02 304
H01L23/44
(21)【出願番号】P 2019103028
(22)【出願日】2019-05-31
【審査請求日】2022-02-08
(73)【特許権者】
【識別番号】000005223
【氏名又は名称】富士通株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100084995
【氏名又は名称】加藤 和詳
(74)【代理人】
【識別番号】100099025
【氏名又は名称】福田 浩志
(72)【発明者】
【氏名】橋本 章平
【審査官】笹木 俊男
(56)【参考文献】
【文献】特開平5-029513(JP,A)
【文献】特開2018-060884(JP,A)
【文献】実開昭58-78658(JP,U)
【文献】特開平6-125188(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F25D 17/00 ~ 17/02
H01L 23/34 ~ 23/473
H05K 7/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
冷媒液を貯留し、電子機器を格納する液浸槽と、
第一配管を介して前記液浸槽と接続された熱交換器と、
前記第一配管に設けられ、前記液浸槽と前記熱交換器との間で前記冷媒液を循環させる第一ポンプと、
第二配管を介して前記液浸槽と接続されたタンクと、
前記第二配管に設けられ、前記液浸槽と前記タンクとの間で前記冷媒液を移動させる第二ポンプと、
前記液浸槽に設けられ、前記液浸槽の液位を検出するセンサと、
前記センサの検出信号に基づいて前記第二ポンプを制御する制御ユニットと、
を備える液浸システム。
【請求項2】
前記第一配管は、
前記熱交換器の入口と接続された第一往路管と、
前記熱交換器の出口と接続された第一復路管と、
を有し、
前記第二配管は、
前記タンクの入口に接続された第二往路管と、
前記タンクの出口に接続された第二復路管と、
を有し、
前記第二復路管は、前記第一往路管に接続されている、
請求項1に記載の液浸システム。
【請求項3】
前記液浸槽は、
上端に開口を有する容器状の槽本体と、
前記開口を塞ぐ蓋と、
有し、
前記制御ユニットは、前記電子機器よりも高く前記開口よりも低い位置に前記液浸槽の液位が保たれるように、前記センサの検出信号に基づいて前記第二ポンプを制御する、
請求項1又は請求項2に記載の液浸システム。
【請求項4】
前記液浸槽は、
上端に開口を有する容器状の槽本体と、
前記開口を塞ぐ蓋と、
有し、
前記制御ユニットは、前記電子機器に搭載された発熱部品よりも高く前記開口よりも低い位置に前記液浸槽の液位が保たれるように、前記センサの検出信号に基づいて前記第二ポンプを制御する、
請求項1又は請求項2に記載の液浸システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願の開示する技術は、液浸システムに関する。
【背景技術】
【0002】
電子機器を効率的に冷却する技術として、液浸システムが公知である(例えば、特許文献1参照)。この公知の液浸システムは、冷媒液を貯留する液浸槽と、配管を介して液浸槽と接続された熱交換器と、液浸槽と熱交換器との間で冷媒液を循環させるポンプとを有する。電子機器は、液浸槽に格納され、冷媒液に浸漬されることで冷却される。
【0003】
また、この公知の液浸システムでは、密閉型の第一槽と開放型の第二槽を有する液浸槽が用いられている。この液浸槽では、第二槽の液位を検出するセンサが設けられており、第二槽の液位が降下すると、ポンプが作動して第一槽から第二槽に冷媒液が供給される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述の冷媒液は、温度によって体積が変化する。つまり、冷媒液は、温度が高くなるにつれて体積が膨張し、温度が低くなるにつれて体積が収縮する。したがって、電子機器が作動している状態では、電子機器の発熱により冷媒液の温度が高くなるので、冷媒液の体積が膨張する。一方、電子機器が停止している状態では、冷媒液の温度が低くなるので、冷媒液の体積が収縮する。一般に、このような冷媒液は、水よりも膨張係数が大きい。
【0006】
しかしながら、上述の公知の液浸システムでは、冷媒液の体積の膨張及び収縮が考慮されていない。このため、冷媒液の体積が膨張した場合には、冷媒液が第二槽の開放口を通じて液浸槽から溢れる虞がある。一方、冷媒液の体積が収縮して第一槽の液位が低下した場合には、電子機器の冷却性を確保できなくなる虞がある。
【0007】
本願の開示する技術は、上記事情に鑑みてなされたものであり、冷媒液が液浸槽から溢れることを抑制できると共に、電子機器の冷却性を確保できる液浸システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、本願の開示する技術の一観点によれば、液浸槽と、熱交換器と、第一ポンプと、タンクと、第二ポンプと、センサと、制御ユニットとを備える液浸システムが提供される。液浸槽は、冷媒液を貯留し、電子機器を格納する。熱交換器は、第一配管を介して液浸槽と接続されている。第一ポンプは、第一配管に設けられ、液浸槽と熱交換器との間で冷媒液を循環させる。タンクは、第二配管を介して液浸槽と接続されている。第二ポンプは、第二配管に設けられ、液浸槽とタンクとの間で冷媒液を移動させる。センサは、液浸槽に設けられ、液浸槽の液位を検出する。制御ユニットは、センサの検出信号に基づいて第二ポンプを制御する。
【発明の効果】
【0009】
本願の開示する技術によれば、冷媒液が液浸槽から溢れることを抑制できると共に、電子機器の冷却性を確保できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】第一実施形態に係る液浸システムの構成を示すブロック図である。
【
図2】
図1の制御ユニットの動作の流れを示すフローチャートである。
【
図3】第二実施形態に係る液浸システムの構成を示すブロック図である。
【
図4】
図3の制御ユニットの動作の流れを示すフローチャートである。
【
図5】第三実施形態に係る液浸システムの構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
[第一実施形態]
はじめに、本願の開示する技術の第一実施形態を説明する。
【0012】
図1に示されるように、第一実施形態に係る液浸システムS1は、液浸槽2と、熱交換器ユニット4とを備える。液浸槽2には、冷媒液6が貯留される。この冷媒液6には、絶縁性を有し冷却効率の高い液体として、例えば、フッ素系不活性液体が用いられる。この冷媒液6は、水よりも膨張係数が6~8倍程度大きい。
【0013】
この液浸槽2には、1台又は複数台の電子機器8が格納される。
図1では、液浸槽2に複数台の電子機器8が格納された状態が示されている。電子機器8は、例えば、ICT(Information and Communications Technology)機器である。この電子機器8には、CPU(Central Processing Unit)等の発熱部品10が搭載されている。この発熱部品10は、電子機器8の上端8Aよりも低い位置に配置されている。この発熱部品10を含む電子機器8の全体は、冷媒液6に浸漬されることで冷却される。
【0014】
液浸槽2は、より具体的には、上端に開口12を有する容器状の槽本体14と、開口12を塞ぐ蓋16を有する。槽本体14の側壁18には、後述する第一往路管40Aと接続された排出口2Aと、後述する第一復路管40Bと接続された供給口2Bが形成されている。排出口2Aは、供給口2Bよりも高い位置に形成されている。また、排出口2Aは、一例として、電子機器8の上端8Aの位置と同じ高さに形成されている。
【0015】
槽本体14には、液浸槽2の液位6Aを検出するセンサ20が設けられている。このセンサ20は、第一センサ21、第二センサ22、第三センサ23及び第四センサ24を有する。この第一センサ21、第二センサ22、第三センサ23及び第四センサ24は、液浸槽2の内側に設けられており、槽本体14の高さ方向に上側から順に並んでいる。この第一センサ21、第二センサ22、第三センサ23及び第四センサ24には、冷媒液6に浸っている場合に冷媒液検出信号を出力し、冷媒液6に浸っていない場合に冷媒液検出信号を出力しない液体検出センサがそれぞれ用いられている。
【0016】
第一センサ21は、液浸槽2の液位6Aが開口12に達することを検知するためのセンサであり、開口12の直下に配置されている。一方、第四センサ24は、液浸槽2の液位6Aが排出口2Aよりも低くなること、又は、液浸槽2の液位6Aが電子機器8の上端8Aよりも低くなることを検知するためのセンサであり、排出口2A及び電子機器8の上端8Aの直上に配置されている。また、第二センサ22及び第三センサ23は、後述するように、液浸槽2の液位6Aを第二センサ22と第三センサ23との間に保つ制御をする際に使用されるセンサである。
【0017】
熱交換器ユニット4は、筐体30と、熱交換器32と、循環ポンプ34と、液位調節ユニット36と、制御ユニット38とを有する。循環ポンプ34は、「第一ポンプ」の一例である。熱交換器32と、循環ポンプ34と、液位調節ユニット36と、制御ユニット38は、筐体30に収容されている。
【0018】
熱交換器32は、第一配管40を介して液浸槽2と接続されている。具体的には、第一配管40は、第一往路管40Aと、第一復路管40Bとを有する。熱交換器32の入口32Aと液浸槽2の排出口2Aとは、第一往路管40Aによって接続されており、熱交換器32の出口32Bと液浸槽2の供給口2Bとは、第一復路管40Bによって接続されている。第一往路管40Aは、循環ポンプ34と液浸槽2とを接続する部分と、循環ポンプ34と熱交換器32とを接続する部分とを有する。
【0019】
循環ポンプ34は、一例として、第一往路管40Aに設けられている。この循環ポンプ34が作動すると、液浸槽2と熱交換器32との間で冷媒液6が循環する。すなわち、液浸槽2から第一往路管40Aを通じて熱交換器32へ冷媒液6が流れると共に、熱交換器32から第一復路管40Bを通じて液浸槽2へ冷媒液6が流れる。
【0020】
熱交換器32は、一対の配管50A、50Bを介して冷水設備52と接続されている。この熱交換器32と冷水設備52との間では冷水54が循環する。この冷水54が循環する経路は、上述の液浸槽2と熱交換器32との間で冷媒液6が循環する経路と別に設けられており、熱交換器32では冷媒液6が冷水54と熱交換して冷却される。
【0021】
液位調節ユニット36は、移送ポンプ60と、タンク62とを有する。タンク62は、第二配管64を介して液浸槽2と接続されている。具体的には、第二配管64は、第二往路管64Aと、第二復路管64Bとを有する。第一往路管40Aにおける液浸槽2と循環ポンプ34との間の中間部と、タンク62の入口62Aとは、第二往路管64Aによって接続されている。また、タンク62の出口62Bと、第一往路管40Aにおける液浸槽2と循環ポンプ34との間の中間部とは、第二復路管64Bによって接続されている。
【0022】
第二往路管64Aは、往路ポンプ60Aと第一往路管40Aとを接続する部分と、往路ポンプ60Aとタンク62とを接続する部分を有する。第二復路管64Bは、復路ポンプ60Bと第一往路管40Aとを接続する部分と、復路ポンプ60Bとタンク62とを接続する部分を有する。
【0023】
移送ポンプ60は、「第二ポンプ」の一例であり、往路ポンプ60Aと、復路ポンプ60Bを有する。往路ポンプ60Aは、第二往路管64Aに設けられ、復路ポンプ60Bは、第二復路管64Bに設けられている。往路ポンプ60A及び復路ポンプ60Bは、一体でも別体でもどちらでもよい。
【0024】
この往路ポンプ60A及び復路ポンプ60Bが作動すると、液浸槽2とタンク62との間で冷媒液6が移動される。すなわち、往路ポンプ60Aが作動すると、液浸槽2から第一往路管40A及び第二往路管64Aを通じてタンク62に冷媒液6が移動される。一方、復路ポンプ60Bが作動すると、タンク62から第二復路管64B、第一往路管40A、循環ポンプ34、熱交換器32及び第一復路管40Bを通じて液浸槽2へ冷媒液6が移動される。
【0025】
制御ユニット38は、上述の第一センサ21、第二センサ22、第三センサ23、第四センサ24、循環ポンプ34、往路ポンプ60A及び復路ポンプ60Bに電気的に接続されている。この制御ユニット38は、CPU(Central Processing Unit)70と、ROM(Read Only Memory)72と、RAM(Random Access Memory)74を有する電気回路である。ROM72には、プログラム76が記憶されている。CPU70は、中央演算処理ユニット(コンピュータ)であり、ROM72に記憶されているプログラム76を読み出して実行するか、又は、プログラム76をRAM74に展開して実行する。
【0026】
この制御ユニット38は、第一センサ21、第二センサ22、第三センサ23、第四センサ24の検出信号に基づいて往路ポンプ60A及び復路ポンプ60Bを制御する機能を有する。具体的には、この制御ユニット38は、第二センサ22と第三センサ23との間に液浸槽2の液位6Aが保たれるように、第一センサ21、第二センサ22、第三センサ23、第四センサ24の検出信号に基づいて往路ポンプ60A及び復路ポンプ60Bを制御する。この制御ユニット38の動作については、以下に詳述する。
【0027】
続いて、第一実施形態に係る液浸システムS1の動作について説明する。
【0028】
例えば、電子機器8の発熱又は熱交換器32の異常により、冷媒液6の温度が上昇すると、冷媒液6の体積が膨張し、液浸槽2の液位6Aが上昇する。一方、例えば、電子機器8の停止又は熱交換器32の異常により、冷媒液6の温度が降下すると、冷媒液6の体積が収縮し、液浸槽2の液位6Aが降下する。
【0029】
制御ユニット38は、冷媒液6の体積が膨張又は収縮しても、液浸槽2の液位6Aが第二センサ22と第三センサ23との間に保たれるように制御する。以下、制御ユニット38の具体的な動作を説明する。なお、以下の動作は、第二センサ22が開口12よりも低い位置に配置され、第三センサ23が電子機器8よりも高い位置に配置された場合の動作である。
【0030】
制御ユニット38は、液浸システムS1に電源が投入されると、
図2のフローチャートに示されるステップS1~ステップS9を実行する。
【0031】
ステップS1では、制御ユニット38が、第一センサ21から冷媒液検出信号が出力されていないか判断する。
【0032】
ここで、液浸槽2の液位6Aが第一センサ21よりも高い場合には、第一センサ21から冷媒液検出信号が出力されるので、制御ユニット38は、ステップS7に移行する。液浸槽2の液位6Aが第一センサ21よりも高い場合には、液浸槽2の液位6Aが槽本体14の開口12に達し、開口12から冷媒液6が溢れる虞があるため、ステップS7では、制御ユニット38が液浸システムS1を停止させる。
【0033】
一方、液浸槽2の液位6Aが第一センサ21よりも低い場合には、第一センサ21から冷媒液検出信号が出力されないので、制御ユニット38は、ステップS2に移行する。
【0034】
ステップS2では、制御ユニット38が、第四センサ24から冷媒液検出信号が出力されているか判断する。
【0035】
ここで、液浸槽2の液位6Aが第四センサ24よりも低い場合には、第四センサ24から冷媒液検出信号が出力されないので、制御ユニット38は、ステップS7に移行する。液浸槽2の液位6Aが第四センサ24よりも低い場合には、液浸槽2の液位6Aが排出口2Aよりも低くなり、排出口2Aが露出することにより、液浸槽2と熱交換器32との間で冷媒液6が循環されない虞がある。また、液浸槽2の液位6Aが第四センサ24よりも低い場合には、液浸槽2の液位6Aが電子機器8の上端8Aよりも低くなり、電子機器8の上部が露出することにより、電子機器8の冷却性が不十分になる虞がある。このため、ステップS7では、制御ユニット38が液浸システムS1を停止させる。
【0036】
一方、液浸槽2の液位6Aが第四センサ24よりも高い場合には、第四センサ24から冷媒液検出信号が出力されるので、制御ユニット38は、ステップS3に移行する。
【0037】
ステップS3では、制御ユニット38が、第二センサ22から冷媒液検出信号が出力されていないか判断する。
【0038】
ここで、液浸槽2の液位6Aが第二センサ22よりも高い場合には、第二センサ22から冷媒液検出信号が出力されるので、制御ユニット38は、ステップS8に移行する。ステップS8では、制御ユニット38が往路ポンプ60Aを作動させる。往路ポンプ60Aが作動すると、液浸槽2からタンク62に冷媒液6が移動され、液浸槽2の液位6Aが降下する。
【0039】
そして、制御ユニット38は、一定時間経過後にステップS3に戻る。このようにして、ステップS3及びステップS8が繰り返し実行されると、やがて液浸槽2の液位6Aが第二センサ22よりも低くなる。制御ユニット38は、液浸槽2の液位6Aが第二センサ22よりも低くなった時点又は一定時間経過後に往路ポンプ60Aを停止させる。
【0040】
一方、液浸槽2の液位6Aが第二センサ22よりも低い場合には、第二センサ22から冷媒液検出信号が出力されないので、制御ユニット38は、ステップS4に移行する。
【0041】
ステップS4では、制御ユニット38が、第三センサ23から冷媒液検出信号が出力されているか判断する。
【0042】
ここで、液浸槽2の液位6Aが第三センサ23よりも低い場合には、第三センサ23から冷媒液検出信号が出力されないので、制御ユニット38は、ステップS9に移行する。ステップS9では、制御ユニット38が復路ポンプ60Bを作動させる。復路ポンプ60Bが作動すると、タンク62から液浸槽2に冷媒液6が移動され、液浸槽2の液位6Aが上昇する。
【0043】
そして、制御ユニット38は、一定時間経過後にステップS4に戻る。このようにして、ステップS4及びステップS9が繰り返し実行されると、やがて液浸槽2の液位6Aが第三センサ23よりも高くなる。制御ユニット38は、液浸槽2の液位6Aが第三センサ23よりも高くなった時点又は一定時間経過後に復路ポンプ60Bを停止させる。
【0044】
一方、液浸槽2の液位6Aが第三センサ23よりも高い場合には、第三センサ23から冷媒液検出信号が出力されるので、制御ユニット38は、ステップS5に移行する。
【0045】
ステップS5では、制御ユニット38が、循環ポンプ34を作動させる。循環ポンプ34が作動すると、液浸槽2と熱交換器32との間で冷媒液6が循環する。そして、制御ユニット38は、ステップS6に移行する。
【0046】
ステップS6では、制御ユニット38が、電子機器8を作動させる。電子機器8が作動すると、電子機器8に搭載された発熱部品10が発熱し、液浸槽2の冷媒液6の温度が上昇する。制御ユニット38は、電子機器8を作動させると、一定時間経過後にステップS3に戻る。
【0047】
そして、液浸システムS1への電源が遮断されるまで、制御ユニット38は、ステップS3~ステップS6を繰り返し実行する。
【0048】
このとき、冷媒液6の体積が膨張して液浸槽2の液位6Aが第二センサ22より高くなった場合、制御ユニット38は、ステップS8に移行して往路ポンプ60Aを作動させる。これにより、液浸槽2からタンク62に冷媒液6が移動され、液浸槽2の液位6Aが降下する。一方、冷媒液6の体積が収縮して液浸槽2の液位6Aが第三センサ23よりも低くなった場合、制御ユニット38は、ステップS9に移行して復路ポンプ60Bを作動させる。これにより、タンク62から液浸槽2に冷媒液6が移動され、液浸槽2の液位6Aが上昇する。これにより、冷媒液6の体積が膨張又は収縮しても、液浸槽2の液位6Aが第二センサ22と第三センサ23との間に保たれるように調節される。
【0049】
続いて、第一実施形態の作用及び効果について説明する。
【0050】
以上詳述した通り、第一実施形態に係る液浸システムS1では、液浸槽2とタンク62とが第二往路管64A及び第二復路管64Bを介して接続されている。そして、液浸槽2の液位6Aが第二センサ22より高い場合には、第二往路管64Aに設けられた往路ポンプ60Aが作動して、液浸槽2からタンク62に冷媒液6が移動される。一方、液浸槽2の液位6Aが第三センサ23より低い場合には、第二復路管64Bに設けられた復路ポンプ60Bが作動して、タンク62から液浸槽2に冷媒液6が移動される。
【0051】
これにより、冷媒液6の体積が膨張又は収縮しても、液浸槽2の液位6Aが第二センサ22と第三センサ23との間に保たれるように調節されるので、この液浸槽2の液位6Aを開口12よりも低く電子機器8よりも高い位置に保つことができる。したがって、液浸槽2の液位6Aが開口12に達することを抑制できるので、冷媒液6が開口12から溢れることを抑制できる。また、液浸槽2の液位6Aが電子機器8の上端8Aよりも低くなることを抑制できるので、電子機器8の冷却性を確保できる。
【0052】
また、排出口2Aは、一例として、電子機器8の上端8Aの位置と同じ高さに形成されているため、液浸槽2の液位6Aが排出口2Aより低くなることも抑制できる。これにより、液浸槽2と熱交換器32との間の冷媒液6の循環を確保できるので、このことによっても、電子機器8の冷却性を確保できる。
【0053】
また、上述のように液浸槽2の液位6Aが開口12に達することを抑制できるので、槽本体14の高さを高くしなくて済む。これにより、液浸槽2を小型化及び軽量化することができる。
【0054】
さらに、タンク62の出口62Bに接続された第二復路管64Bは、第一往路管40Aに接続されている。したがって、タンク62から液浸槽2に冷媒液6が移動される際に、冷媒液6が熱交換器32を経由するので、冷媒液6を熱交換器32で冷却できる。これにより、タンク62から液浸槽2に冷媒液6が移動される際に、冷媒液6が熱交換器32を経由しない場合に比して、液浸槽2における冷媒液6の温度を下げることができるので、電子機器8の冷却性を向上させることができる。
【0055】
続いて、第一実施形態の変形例について説明する。
【0056】
上記第一実施形態において、第二配管64は、第二往路管64A及び第二復路管64Bを有し、移送ポンプ60は、往路ポンプ60A及び復路ポンプ60Bを有する。しかしながら、タンク62と液浸槽2とは、一本の第二配管64を介して接続され、移送ポンプ60には、第二配管64を通じてタンク62と液浸槽2との間で双方向に冷媒液6を移送可能な双方向ポンプが用いられてもよい。
【0057】
また、上記第一実施形態において、センサ20は、液浸槽2の液位6Aの変化を検出するために複数の検出部、すなわち第一センサ21、第二センサ22、第三センサ23及び第四センサ24を有する。しかしながら、センサ20には、例えば、液浸槽2の液位6Aの変化を一つの検出部で検出可能なセンサ20が用いられてもよい。
【0058】
また、上記第一実施形態において、液位調節ユニット36は、好ましくは、熱交換器ユニット4の筐体30の内側に配置される。しかしながら、第二復路管64Bが第一往路管40Aに接続されていれば、液位調節ユニット36は、筐体30に外側に配置されていてもよい。
【0059】
また、上記第一実施形態において、排出口2Aは、一例として、電子機器8の上端8Aの位置と同じ高さに形成されているが、電子機器8の上端8Aよりも高い位置に形成されていてもよい。
【0060】
また、上記第一実施形態において、制御ユニット38の上記動作は、CPU70によって実行される。しかしながら、制御ユニット38の上記動作は、例えば、FPGA(Field-Programmable Gate Array)等のように、製造後に回路構成を変更可能なPLD(Programmable Logic Device)によって実行されてもよい。また、制御ユニット38の上記動作は、例えば、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)等のように、特定の処理を実行させるために専用に設計された専用電気回路によって実行されてもよい。
【0061】
[第二実施形態]
次に、本願の開示する技術の第二実施形態を説明する。
【0062】
図3に示される第二実施形態に係る液浸システムS2は、上述の第一実施形態に係る液浸システムS1に対し、次のように構成が変更されている。すなわち、第二実施形態に係る液浸システムS2では、第三センサ23が電子機器8の上端8Aよりも低く発熱部品10よりも高い位置に配置されている。また、第三センサ23及び第四センサ24は、一例として、排出口2Aよりも低い位置に配置されており、さらに、第四センサ24は、発熱部品10よりも低い位置に配置されている。
【0063】
また、第二実施形態に係る液浸システムS2では、制御ユニット38のプログラム76が変更されており、制御ユニット38の動作が第一実施形態と異なっている。第二実施形態に係る液浸システムS2において、第三センサ23及び第四センサ24の配置及び制御ユニット38のプログラム76が変更された以外の構成については、上述の第一実施形態と同様である。
【0064】
続いて、第二実施形態に係る液浸システムS2の動作について説明する。
【0065】
制御ユニット38は、冷媒液6の体積が膨張又は収縮しても、液浸槽2の液位6Aが第二センサ22と第三センサ23との間に保たれるように制御する。以下、制御ユニット38の具体的な動作を説明する。なお、以下の動作は、第二センサ22が開口12よりも低い位置に配置され、第三センサ23が電子機器8の上端8Aよりも低く発熱部品10よりも高い位置に配置された場合の動作である。
【0066】
制御ユニット38は、液浸システムS2に電源が投入されると、
図4のフローチャートに示されるステップS11~ステップS20を実行する。
【0067】
ステップS11では、制御ユニット38が、第一センサ21から冷媒液検出信号が出力されていないか判断する。
【0068】
ここで、液浸槽2の液位6Aが第一センサ21よりも高い場合には、第一センサ21から冷媒液検出信号が出力されるので、制御ユニット38は、ステップS18に移行する。液浸槽2の液位6Aが第一センサ21よりも高い場合には、液浸槽2の液位6Aが槽本体14の開口12に達し、開口12から冷媒液6が溢れる虞があるため、ステップS18では、制御ユニット38が液浸システムS1を停止させる。
【0069】
一方、液浸槽2の液位6Aが第一センサ21よりも低い場合には、第一センサ21から冷媒液検出信号が出力されないので、制御ユニット38は、ステップS12に移行する。
【0070】
ステップS12では、制御ユニット38が、第四センサ24から冷媒液検出信号が出力されているか判断する。
【0071】
ここで、液浸槽2の液位6Aが第四センサ24よりも低い場合には、第四センサ24から冷媒液検出信号が出力されないので、制御ユニット38は、ステップS18に移行する。液浸槽2の液位6Aが第四センサ24よりも低い場合には、液浸槽2の液位6Aが発熱部品10の上端10Aよりも低くなり、発熱部品10の上部が露出することにより、発熱部品10ひいては電子機器8の冷却性が不十分になる虞がある。このため、ステップS18では、制御ユニット38が液浸システムS1を停止させる。
【0072】
一方、液浸槽2の液位6Aが第四センサ24よりも高い場合には、第四センサ24から冷媒液検出信号が出力されるので、制御ユニット38は、ステップS13に移行する。
【0073】
ステップS13では、制御ユニット38が、第三センサ23から冷媒液検出信号が出力されているか判断する。
【0074】
ここで、液浸槽2の液位6Aが第三センサ23よりも低い場合には、第三センサ23から冷媒液検出信号が出力されないので、制御ユニット38は、ステップS19に移行する。ステップS19では、制御ユニット38が復路ポンプ60Bを作動させる。復路ポンプ60Bが作動すると、タンク62から液浸槽2に冷媒液6が移動され、液浸槽2の液位6Aが上昇する。
【0075】
そして、制御ユニット38は、一定時間経過後にステップS13に戻る。このようにして、ステップS13及びステップS19が繰り返し実行されると、やがて液浸槽2の液位6Aが第三センサ23よりも高くなる。制御ユニット38は、液浸槽2の液位6Aが第三センサ23よりも高くなった時点又は一定時間経過後に復路ポンプ60Bを停止させる。
【0076】
一方、液浸槽2の液位6Aが第三センサ23よりも高い場合には、第三センサ23から冷媒液検出信号が出力されるので、制御ユニット38は、ステップS14に移行する。
【0077】
ステップS14では、制御ユニット38が、電子機器8を作動させる。電子機器8が作動すると、発熱部品10が発熱し、液浸槽2の冷媒液6の温度が上昇する。なお、この段階では、循環ポンプ34が作動せず液浸槽2と熱交換器32との間で冷媒液6の循環が開始されないが、発熱部品10は冷媒液6に浸漬されていること、及び、冷媒液6自体も熱容量を持つことから、電子機器8の冷却が確保される。そして、制御ユニット38は、電子機器8を作動させると、ステップS15に移行する。
【0078】
ステップS15では、制御ユニット38が、第二センサ22から冷媒液検出信号が出力されているか判断する。
【0079】
ここで、液浸槽2の液位6Aが第二センサ22よりも低い場合には、第二センサ22から冷媒液検出信号が出力されない。制御ユニット38は、第二センサ22から冷媒液検出信号が出力されるまで、ステップS15を繰り返し実行する。
【0080】
このとき、液浸槽2の液位6Aが第二センサ22と第三センサ23との間に保たれているが、電子機器8が作動して発熱部品10が発熱するので、冷媒液6の温度が上昇し、冷媒液6の体積の膨張により液浸槽2の液位6Aが上昇する。そして、液浸槽2の液位6Aが第二センサ22よりも高くなると、第二センサ22から冷媒検出信号が出力される。第二センサ22から冷媒液検出信号が出力されると、制御ユニット38は、ステップS16に移行する。
【0081】
ステップS16では、制御ユニット38が、循環ポンプ34を作動させる。循環ポンプ34が作動すると、液浸槽2と熱交換器32との間で冷媒液6が循環する。このとき、熱交換器32で冷媒液6が冷却されるので、液浸槽2の冷媒液6の温度が低下し、液浸槽2の液位6Aが降下する。そして、制御ユニット38は、一定時間経過後にステップS17に移行する。
【0082】
ステップS17では、制御ユニット38が、第二センサ22から冷媒液検出信号が出力されていないか判断する。
【0083】
ここで、液浸槽2の液位6Aが第二センサ22よりも高い場合には、第二センサ22から冷媒液検出信号が出力されるので、制御ユニット38は、ステップS20に移行する。ステップS20では、制御ユニット38が往路ポンプ60Aを作動させる。往路ポンプ60Aが作動すると、液浸槽2からタンク62に冷媒液6が移動され、液浸槽2の液位6Aが降下する。
【0084】
そして、制御ユニット38は、一定時間経過後にステップS17に戻る。このようにして、ステップS17及びステップS20が繰り返し実行されると、やがて液浸槽2の液位6Aが第二センサ22よりも低くなる。制御ユニット38は、液浸槽2の液位6Aが第二センサ22よりも低くなった時点又は一定時間経過後に往路ポンプ60Aを停止させる。
【0085】
一方、液浸槽2の液位6Aが第二センサ22よりも低い場合には、第二センサ22から冷媒液検出信号が出力されない。そして、液浸システムS1への電源が遮断されるまで、制御ユニット38は、ステップS17を繰り返し実行する。
【0086】
このとき、冷媒液6の体積が膨張して液浸槽2の液位6Aが第二センサ22より高くなった場合、制御ユニット38は、ステップS20に移行して往路ポンプ60Aを作動させる。これにより、液浸槽2からタンク62に冷媒液6が移動され、液浸槽2の液位6Aが降下する。第二実施形態では、電子機器8を作動させる前の段階であるステップS13において、液浸槽2の液位6Aが既に第三センサ23よりも高いことが判明している。したがって、電子機器8を作動させた後にステップS17を繰り返し実行し、液浸槽2の液位6Aが第二センサ22よりも高くならないようにすることで、液浸槽2の液位6Aが第二センサ22と第三センサ23との間に保たれる。
【0087】
続いて、第二実施形態の作用及び効果について説明する。
【0088】
以上詳述した通り、第二実施形態に係る液浸システムS2においても、液浸槽2の液位6Aが第二センサ22より高い場合には、第二往路管64Aに設けられた往路ポンプ60Aが作動して、液浸槽2からタンク62に冷媒液6が移動される。一方、液浸槽2の液位6Aが第三センサ23より低い場合には、第二復路管64Bに設けられた復路ポンプ60Bが作動して、タンク62から液浸槽2に冷媒液6が移動される。
【0089】
これにより、冷媒液6の体積が膨張又は収縮しても、液浸槽2の液位6Aが第二センサ22と第三センサ23との間に保たれるように調節されるので、この液浸槽2の液位6Aを開口12よりも低く発熱部品10よりも高い位置に保つことができる。したがって、液浸槽2の液位6Aが開口12に達することを抑制できるので、冷媒液6が開口12から溢れることを抑制できる。また、液浸槽2の液位6Aが発熱部品10の上端10Aよりも低くなることを抑制できるので、発熱部品10ひいては電子機器8の冷却性を確保できる。
【0090】
また、上述のように液浸槽2の液位6Aが開口12に達することを抑制できるので、槽本体14の高さを高くしなくて済む。これにより、液浸槽2を小型化及び軽量化することができる。
【0091】
なお、第二実施形態に係る液浸システムS2において、第一実施形態と同様の構成については、第一実施形態と同様の作用及び効果を奏する。また、第二実施形態に係る液浸システムS2において、第一実施形態と同様の構成については、第一実施形態と同様の変形例を採用することが可能である。
【0092】
[第三実施形態]
次に、本願の開示する技術の第三実施形態を説明する。
【0093】
図5に示される第三実施形態に係る液浸システムS3は、上述の第一実施形態に係る液浸システムS1に対し、次のように構成が変更されている。
【0094】
すなわち、第三実施形態に係る液浸システムS3は、液浸槽2を有する液浸槽ユニット80を備えており、液位調節ユニット36は、液浸槽ユニット80に設けられている。また、液浸槽2には、排出口2A及び供給口2Bとは別に入口3A及び出口3Bが設けられている。液浸槽2の出口3Aとタンク62の入口62Aとは、第二往路管64Aによって接続されており、液浸槽2の入口3Bとタンク62の出口62Bとは、第二復路管64Bによって接続されている。
【0095】
この第三実施形態に係る液浸システムS3において、制御ユニット38のプログラム76は第一実施形態と同様であり、制御ユニット38は第一実施形態と同様に動作する。
【0096】
これにより、冷媒液6の体積が膨張又は収縮しても、液浸槽2の液位6Aが第二センサ22と第三センサ23との間に保たれるように調節されるので、この液浸槽2の液位6Aを開口12よりも低く電子機器8よりも高い位置に保つことができる。したがって、液浸槽2の液位6Aが開口12に達することを抑制できるので、冷媒液6が開口12から溢れることを抑制できる。また、液浸槽2の液位6Aが電子機器8の上端8Aよりも低くなることを抑制できるので、電子機器8の冷却性を確保できる。
【0097】
なお、第三実施形態に係る液浸システムS3において、第一実施形態と同様の構成については、第一実施形態と同様の作用及び効果を奏する。また、第三実施形態に係る液浸システムS3において、第一実施形態と同様の構成については、第一実施形態と同様の変形例を採用することが可能である。
【0098】
以上、本願の開示する技術の第一乃至第三実施形態について説明したが、本願の開示する技術は、上記に限定されるものでなく、上記以外にも、その主旨を逸脱しない範囲内において種々変形して実施可能であることは勿論である。
【0099】
なお、上述の本願の開示する技術の一実施形態に関し、さらに以下の付記を開示する。
【0100】
(付記1)
冷媒液を貯留し、電子機器を格納する液浸槽と、
第一配管を介して前記液浸槽と接続された熱交換器と、
前記第一配管に設けられ、前記液浸槽と前記熱交換器との間で前記冷媒液を循環させる第一ポンプと、
第二配管を介して前記液浸槽と接続されたタンクと、
前記第二配管に設けられ、前記液浸槽と前記タンクとの間で前記冷媒液を移動させる第二ポンプと、
前記液浸槽に設けられ、前記液浸槽の液位を検出するセンサと、
前記センサの検出信号に基づいて前記第二ポンプを制御する制御ユニットと、
を備える液浸システム。
(付記2)
前記熱交換器及び前記第一ポンプを有する熱交換器ユニットを備え、
前記タンク及び前記第二ポンプは、前記熱交換器ユニットに設けられている、
付記1に記載の液浸システム。
(付記3)
前記第一配管は、
前記熱交換器の入口と接続された第一往路管と、
前記熱交換器の出口と接続された第一復路管と、
を有し、
前記第二配管は、
前記タンクの入口に接続された第二往路管と、
前記タンクの出口に接続された第二復路管と、
を有し、
前記第二復路管は、前記第一往路管に接続されている、
付記1又は付記2に記載の液浸システム。
(付記4)
前記液浸槽は、
上端に開口を有する容器状の槽本体と、
前記開口を塞ぐ蓋と、
有し、
前記制御ユニットは、前記電子機器よりも高く前記開口よりも低い位置に前記液浸槽の液位が保たれるように、前記センサの検出信号に基づいて前記第二ポンプを制御する、
付記1~付記3のいずれか一項に記載の液浸システム。
(付記5)
前記センサは、前記槽本体の高さ方向に上側から順に並ぶ第一センサ、第二センサ、第三センサ及び第四センサを有し、
前記第二センサは、前記開口よりも低い位置に配置され、
前記第三センサは、前記電子機器よりも高い位置に配置され、
前記制御ユニットは、前記第二センサと前記第三センサとの間に前記液浸槽の液位が保たれるように、前記センサの検出信号に基づいて前記第二ポンプを制御する、
付記4に記載の液浸システム。
(付記6)
前記第二ポンプは、
前記タンクの入口に接続された第二往路管に設けられた往路ポンプと、
前記タンクの出口に接続された第二復路管に設けられた復路ポンプと、
を有し、
前記制御ユニットは、
前記第一ポンプ及び前記電子機器が作動する前に、前記液浸槽の液位が前記第二センサよりも高い場合には、前記往路ポンプを作動させ、前記液浸槽の液位が前記第三センサよりも低い場合には、前記復路ポンプを作動させ、
前記液浸槽の液位が前記第二センサよりも低く前記第三センサよりも高い場合には、前記第一ポンプ及び前記電子機器を作動させ、
前記第一ポンプ及び前記電子機器が作動した後に、前記液浸槽の液位が前記第二センサより高い場合には、前記往路ポンプを作動させ、前記液浸槽の液位が前記第三センサより低い場合には、前記復路ポンプを作動させる、
付記5に記載の液浸システム。
(付記7)
前記液浸槽は、
上端に開口を有する容器状の槽本体と、
前記開口を塞ぐ蓋と、
有し、
前記制御ユニットは、前記電子機器に搭載された発熱部品よりも高く前記開口よりも低い位置に前記液浸槽の液位が保たれるように、前記センサの検出信号に基づいて前記第二ポンプを制御する、
付記1~付記3のいずれか一項に記載の液浸システム。
(付記8)
前記センサは、前記槽本体の高さ方向に上側から順に並ぶ第一センサ、第二センサ、第三センサ及び第四センサを有し、
前記第二センサは、前記開口よりも低い位置に配置され、
前記第三センサは、前記電子機器の上端よりも低く前記発熱部品よりも高い位置に配置され、
前記制御ユニットは、前記第二センサと前記第三センサとの間に前記液浸槽の液位が保たれるように、前記センサの検出信号に基づいて前記第二ポンプを制御する、
付記7に記載の液浸システム。
(付記9)
前記第二ポンプは、
前記タンクの入口に接続された第二往路管に設けられた往路ポンプと、
前記タンクの出口に接続された第二復路管に設けられた復路ポンプと、
を有し、
前記制御ユニットは、
前記電子機器が作動する前に、前記液浸槽の液位が前記第三センサよりも低い場合には、前記復路ポンプを作動させ、
前記液浸槽の液位が前記第三センサよりも高い場合には、前記電子機器を作動させ、
前記電子機器が作動した後に、前記液浸槽の液位が前記第二センサより高い場合には、前記第一ポンプを作動させ、
前記電子機器及び前記第一ポンプが作動した後に、前記液浸槽の液位が前記第二センサより高い場合には、前記往路ポンプを作動させる、
付記8に記載の液浸システム。
(付記10)
前記液浸槽を有する液浸槽ユニットを備え、
前記タンク及び前記第二ポンプは、前記液浸槽ユニットに設けられている、
付記1に記載の液浸システム。
【符号の説明】
【0101】
2 液浸槽
4 熱交換器ユニット
6 冷媒液
8 電子機器
10 発熱部品
12 開口
14 槽本体
16 蓋
20 センサ
21 第一センサ
22 第二センサ
23 第三センサ
24 第四センサ
32 熱交換器
34 循環ポンプ(第一ポンプ)
36 液位調節ユニット
38 制御ユニット
40 第一配管
40A 第一往路管
40B 第一復路管
60 移送ポンプ(第二ポンプ)
60A 往路ポンプ
60B 復路ポンプ
62 タンク
64 第二配管
64A 第二往路管
64B 第二復路管
80 液浸槽ユニット