(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-02-13
(45)【発行日】2023-02-21
(54)【発明の名称】異常温度検知装置、異常温度検知方法、及び異常温度検知プログラム
(51)【国際特許分類】
G01K 3/10 20060101AFI20230214BHJP
G08B 21/18 20060101ALI20230214BHJP
【FI】
G01K3/10
G08B21/18
(21)【出願番号】P 2020206831
(22)【出願日】2020-12-14
【審査請求日】2022-02-18
(73)【特許権者】
【識別番号】000006507
【氏名又は名称】横河電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100106909
【氏名又は名称】棚井 澄雄
(74)【代理人】
【識別番号】100167553
【氏名又は名称】高橋 久典
(74)【代理人】
【識別番号】100181124
【氏名又は名称】沖田 壮男
(72)【発明者】
【氏名】古川 靖
【審査官】平野 真樹
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-140277(JP,A)
【文献】特開平6-259678(JP,A)
【文献】特開2017-33470(JP,A)
【文献】特開2018-101416(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2019/0012904(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01K 1/00-19/00
G08B 19/00-21/24
G08B 17/02-17/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
温度データを取得する温度取得部と、
前記温度データの特徴量を算出する前処理を行う前処理部と、
前記特徴量と過去に得られた前記温度データの正常又は異常を示す過去判定情報とを合成する合成処理を行う合成部と、
前記合成部の合成結果を機械学習して識別モデルを生成する学習部と、
前記温度取得部で取得され、前記前処理部で前記前処理が行われるとともに前記合成部で前記合成処理が行われた検知用の温度データの正常又は異常を、前記識別モデルを用いて判定する判定部と、
を備える異常温度検知装置。
【請求項2】
前記学習部で前記機械学習が行われる場合に、前記温度取得部で取得される前記温度データに対し、正常又は異常を示す識別情報を付した訓練情報を生成する訓練情報生成部を更に備えており、
前記前処理部は、前記訓練情報に含まれる前記温度データの前記特徴量を算出し、
前記合成部は、前記特徴量、前記訓練情報に含まれる前記識別情報、及び前記過去判定情報を合成する、
請求項1記載の異常温度検知装置。
【請求項3】
前記過去判定情報は、前記温度取得部で取得された過去の前記温度データに付された少なくとも1つの前記識別情報である、
請求項2記載の異常温度検知装置。
【請求項4】
前記合成部は、前記判定部で前記判定が行われる場合に、過去に得られた前記判定部の少なくとも1つの判定結果を前記過去判定情報として用いる、請求項1から請求項3の何れか一項に記載の異常温度検知装置。
【請求項5】
前記前処理部は、前記温度データ又は平均化された前記温度データの標準偏差、一階差分、又は二階差分の少なくとも1つを前記特徴量として算出する、請求項1から請求項4の何れか一項に記載の異常温度検知装置。
【請求項6】
温度データを取得する第1温度取得ステップと、
前記温度データの特徴量を算出する前処理を行う第1前処理ステップと、
前記特徴量と過去に得られた前記温度データの正常又は異常を示す過去判定情報とを合成する合成処理を行う第1合成ステップと、
前記第1合成ステップの合成結果を機械学習して識別モデルを生成する学習ステップと、
検知用の温度データを取得する第2温度取得ステップと、
前記検知用の温度データに対して前記前処理を行う第2前処理ステップと、
前記第2前処理ステップの処理結果を用いて前記合成処理を行う第2合成ステップと、
前記前処理及び前記合成処理が行われた前記検知用の温度データの正常又は異常を、前記識別モデルを用いて判定する判定ステップと、
を有する異常温度検知方法。
【請求項7】
コンピュータを、
温度データを取得する温度取得手段と、
前記温度データの特徴量を算出する前処理を行う前処理手段と、
前記特徴量と過去に得られた前記温度データの正常又は異常を示す過去判定情報とを合成する合成処理を行う合成手段と、
前記合成手段の合成結果を機械学習して識別モデルを生成する学習手段と、
前記温度取得手段で取得され、前記前処理手段で前記前処理が行われるとともに前記合成手段で前記合成処理が行われた検知用の温度データの正常又は異常を、前記識別モデルを用いて判定する判定手段と、
して機能させる異常温度検知プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、異常温度検知装置、異常温度検知方法、及び異常温度検知プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
居住用建物内における火災、石炭火力発電所における火災、製鉄所における溶鋼の漏出等の事故が発生すると、人命損失や機会損失が生ずる可能性がある。このため、事故の発生によって生ずる異常温度を検知することは、人命損失や機会損失を回避する観点からは極めて重要である。尚、異常温度は、正常時に比べて著しく上昇した温度の意味以外に、正常時に比べて著しく下降した温度の意味で用いられる場合もある。
【0003】
以下の特許文献1,2には、非通常状態(異常温度を含む)を検知する従来の技術が開示されている。例えば、以下の特許文献1に開示された技術は、周期的に繰り返されるデータを周期毎のデータ(周期データ)に分割し、複数の周期データを平均等することによって正常時の状態を示す基準データを作成する。そして、測定される周期データと基準データとの乖離値に基づいて非通常状態を検知している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特許第6076571号公報
【文献】特許第5808605号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、上述した特許文献1に開示された技術では、乖離値が所定の許容誤差(閾値)より大きくなったときに非通常状態と判定している。このような閾値を用いた判定方法では、周囲温度の変化に上昇トレンド又は下降トレンドがある場合(周囲温度が上昇傾向又は下降傾向にある場合)には、周囲温度の変化と火災等による温度の変化とを区別できないことがある。特に、周囲温度の変化量と火災等による温度の変化量とに大きな差異が無い場合には、異常温度が生じたことを適切に判定することが困難である。
【0006】
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、周囲温度の変化がある場合であっても、高い精度で異常温度を検知することができる異常温度検知装置、異常温度検知方法、及び異常温度検知プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明の一態様による異常温度検知装置(1)は、温度データ(D1、D2)を取得する温度取得部(11)と、前記温度データの特徴量を算出する前処理を行う前処理部(13)と、前記特徴量と過去に得られた前記温度データの正常又は異常を示す過去判定情報とを合成する合成処理を行う合成部(14)と、前記合成部の合成結果を機械学習して識別モデル(CM)を生成する学習部(15)と、前記温度取得部で取得され、前記前処理部で前記前処理が行われるとともに前記合成部で前記合成処理が行われた検知用の温度データ(D2)の正常又は異常を、前記識別モデルを用いて判定する判定部(16)と、を備える。
【0008】
また、本発明の一態様による異常温度検知装置は、前記学習部で前記機械学習が行われる場合に、前記温度取得部で取得される前記温度データに対し、正常又は異常を示す識別情報を付した訓練情報(TR)を生成する訓練情報生成部(12)を更に備えており、前記前処理部が、前記訓練情報に含まれる前記温度データの前記特徴量を算出し、前記合成部が、前記特徴量、前記訓練情報に含まれる前記識別情報、及び前記過去判定情報を合成する。
【0009】
また、本発明の一態様による異常温度検知装置は、前記過去判定情報が、前記温度取得部で取得された過去の前記温度データに付された少なくとも1つの前記識別情報である。
【0010】
また、本発明の一態様による異常温度検知装置は、前記合成部が、前記判定部で前記判定が行われる場合に、過去に得られた前記判定部の少なくとも1つの判定結果を前記過去判定情報として用いる。
【0011】
また、本発明の一態様による異常温度検知装置は、前記前処理部が、前記温度データ又は平均化された前記温度データの標準偏差、一階差分、又は二階差分の少なくとも1つを前記特徴量として算出する。
【0012】
本発明の一態様による異常温度検知方法は、温度データ(D1)を取得する第1温度取得ステップ(S11)と、前記温度データの特徴量を算出する前処理を行う第1前処理ステップ(S14)と、前記特徴量と過去に得られた前記温度データの正常又は異常を示す過去判定情報とを合成する合成処理を行う第1合成ステップ(S15)と、前記第1合成ステップの合成結果を機械学習して識別モデル(CM)を生成する学習ステップ(S16)と、 検知用の温度データ(D2)を取得する第2温度取得ステップ(S21)と、前記検知用の温度データに対して前記前処理を行う第2前処理ステップ(S23)と、前記第2前処理ステップの処理結果を用いて前記合成処理を行う第2合成ステップ(S24)と、前記前処理及び前記合成処理が行われた前記検知用の温度データの正常又は異常を、前記識別モデルを用いて判定する判定ステップ(S25)と、を有する。
【0013】
本発明の一態様による異常温度検知プログラムは、コンピュータを、温度データ(D1、D2)を取得する温度取得手段(11)と、前記温度データの特徴量を算出する前処理を行う前処理手段(13)と、前記特徴量と過去に得られた前記温度データの正常又は異常を示す過去判定情報とを合成する合成処理を行う合成手段(14)と、前記合成手段の合成結果を機械学習して識別モデル(CM)を生成する学習手段(15)と、前記温度取得手段で取得され、前記前処理手段で前記前処理が行われるとともに前記合成手段で前記合成処理が行われた検知用の温度データ(D2)の正常又は異常を、前記識別モデルを用いて判定する判定手段(16)と、して機能させる。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、周囲温度の変化がある場合であっても、高い精度で異常温度を検知することが可能であるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】本発明の一実施形態による異常温度検知装置の要部構成を示すブロック図である。
【
図2】本発明の一実施形態で用いられる特徴量を説明するための図である。
【
図3】本発明の一実施形態による異常温度検知装置の訓練時の動作の概要を示すフローチャートである。
【
図4】本発明の一実施形態による異常温度検知装置の検知時の動作の概要を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、図面を参照して本発明の実施形態による異常温度検知装置、異常温度検知方法、及び異常温度検知プログラムについて詳細に説明する。以下では、まず本発明の実施形態の概要について説明し、続いて本発明の各実施形態の詳細について説明する。
【0017】
〔概要〕
本発明の実施形態は、周囲温度の変化がある場合であっても、高い精度で異常温度を検知することを可能とするものである。例えば、周囲温度の変化に上昇トレンド又は下降トレンドがある場合であって、周囲温度の変化量と火災等による温度の変化量とに大きな差異が無い場合であっても、高い精度で異常温度を検知することを可能とするものである。
【0018】
温度上昇のメカニズムに詳しくない者にとって、異常温度を判定する閾値を設定することは甚だ困難である。このため、上述した特許文献1に開示された技術において、プラント等の設備異常を検知するためには、経験豊富なベテラン作業員が基準データを変更調整して閾値を設定する必要がある。また、上述した特許文献2には、ベテラン作業員の保守履歴情報とセンサデータとを連関するキーワードで紐づけし、クラスタリングと多変量解析とによって異常の予兆を検出する方法が開示されている。
【0019】
しかしながら、上述した特許文献1,2に開示された技術は、ベテラン作業員による多量の保守履歴情報を用いて閾値の設定を行うものである。このため、例えば、保守履歴情報が殆ど無い新規設備について適用することはできない。そのため、保守履歴情報が少ない場合には、適切な閾値を設定することは甚だ困難であると考えられる。また、例えば、周囲温度の変化量と火災等による温度の変化量とに大きな差異が無い場合には、温度異常を正しく検知することが極めて難しい。例えば、周囲温度の変化量と火災等による温度の変化量とを分離するための閾値を高く設定しすぎると警報が遅くなり、逆に閾値を低く設定しすぎると誤警報が発せられることが考えられる。
【0020】
本発明の実施形態では、まず、訓練段階において、温度取得部で取得された温度データの特徴量を算出する前処理を行い、算出された特徴量と過去に得られた温度データの正常又は異常を示す過去判定情報とを合成する合成処理を行う。そして、合成処理の結果を機械学習して識別モデルを生成する。次に、検知段階において、温度取得部で取得され、前処理及び合成処理が行われた検知用の温度データの正常又は異常を、識別モデルを用いて判定する。これにより、周囲温度の変化がある場合であっても、高い精度で異常温度を検知することができる。
【0021】
〔詳細〕
〈異常温度検知装置〉
図1は、本発明の一実施形態による異常温度検知装置の要部構成を示すブロック図である。
図1に示す通り、本実施形態の異常温度検知装置1は、温度取得部11(温度取得手段)、訓練情報生成部12、前処理部13(前処理手段)、合成部14(合成手段)、学習部15(学習手段)、判定部16(判定手段)、出力部17、及び記憶部18を備えている。
【0022】
このような異常温度検知装置1は、温度取得部11で取得される訓練用の温度データD1を用いて機械学習を行い、温度取得部11で取得される検知用の温度データD2の正常又は異常を、機械学習を行った結果を用いて判定する。上記の訓練用の温度データD1は、正常又は異常が既知である温度データであり、上記の検知用の温度データD2は、異常温度であるか否かの判定対象となる温度データである。
【0023】
尚、
図1では、理解を容易にするために、訓練時におけるブロック間の信号経路を実線で示しており、検知時におけるブロック間の信号経路を破線で示している。異常温度検知装置1は、例えば、予め規定された条件が満たされた場合、或いは、異常温度検知装置1のユーザからの指示があった場合に、機械学習を行うか、又は異常温度の検知を行うかを切り替える。
【0024】
ここで、異常温度は、正常時に比べて著しく上昇した温度、或いは、正常時に比べて著しく下降した温度を意味する。本実施形態では、正常時に比べて著しく上昇した温度を異常温度として検知する場合を例に挙げて説明する。尚、正常時の温度波形及び異常温度波形は固定されたものではなく、異常温度検知装置1が使用される状況に応じて、任意の温度波形に変えることができる。
【0025】
温度取得部11は、温度の経時変化を示す時系列データである温度データを取得する。温度取得部11は、訓練時に取得した温度データ(訓練用の温度データD1)を、訓練情報生成部12に出力する。これに対し、温度取得部11は、検知時に取得した温度データ(検知用の温度データD2)を、前処理部13に出力する。
【0026】
温度取得部11は、例えば、熱電対、測温抵抗体、サーミスタ、水晶振動子、赤外線放射温度計、光ファイバ温度センサ等の温度センサから出力される温度データを取得する。温度取得部11は、アナログ/ディジタル変換器(ADC:Analog-to-Digital Converter)を備えており、温度センサからアナログ信号が出力される場合には、ディジタル化したものを温度データとして取得する。温度取得部11が取得する温度データは、ADCのサンプリング周期毎に得られるものであっても良く、ADCのサンプリング周期毎に得られるものを所定の時間間隔で間引いたものであっても良い。
【0027】
訓練情報生成部12は、学習部15で機械学習が行われる場合に、温度取得部11で取得される訓練用の温度データD1に対し、訓練用の温度データD1の正常又は異常を示す識別情報を付した訓練情報TRを生成する。尚、識別情報は、例えば、異常温度検知装置1を使用するユーザによって作成される。
【0028】
訓練情報生成部12は、例えば、訓練用の温度データD1が正常であることを示す識別情報を付した訓練情報TRと、訓練用の温度データD1が異常であることを示す識別情報を付した訓練情報TRとを生成する。尚、訓練情報生成部12は、訓練用の温度データD1が正常であることを示す識別情報を付した訓練情報TRのみを生成しても良い。或いは、訓練情報生成部12は、訓練用の温度データD1が異常であることを示す識別情報を付した訓練情報TRのみを生成しても良い。また、訓練情報TRは、異常温度検知装置1の測定対象の温度を模擬したシミュレーション計算に基づいて生成されても良い。
【0029】
前処理部13は、訓練情報生成部12で生成された訓練情報TRに含まれる訓練用の温度データD1、又は、温度取得部11から出力される検知用の温度データD2に対し、機械学習或いは異常温度の検知を行うために予め必要となる処理(前処理)を行う。具体的に、前処理部13は、訓練用の温度データD1又は検知用の温度データD2に重畳されたノイズを除去する処理を必要に応じて行った上で、訓練用の温度データD1又は検知用の温度データD2の特徴量を算出する処理を行う。
【0030】
前処理部13は、学習部15で機械学習が行われる場合には、例えば、訓練用の温度データD1(或いは、平均化した訓練用の温度データD1)の標準偏差、一階差分、又は二階差分の少なくとも1つを特徴量として算出する。前処理部13は、判定部16で検知用の温度データD2の正常又は異常の判定が行われる場合には、例えば、検知用の温度データD2(類は、平均化した検知用の温度データD2)の標準偏差、一階差分、又は二階差分の少なくとも1つを特徴量として算出する。
【0031】
ここで、温度データの標準偏差は、温度の変化量の大小を示す特徴量として用いることができる。また、温度データの一階差分は、温度変化の傾向(トレンド)を示す特徴量として用いることができる。また、温度データの二階差分は、トレンドを除外した温度変化を示す特徴量として用いることができる。尚、温度データの階差数列(一階差分、二階差分)は、温度の日内変動や季節変動等の周囲温度の変化を除外した特徴量として用いることができる。
【0032】
図2は、本発明の一実施形態で用いられる特徴量を説明するための図である。
図2(a)~(c)は、温度の経時変化の例を示すグラフであり、
図2(d),(e)は、
図2(a)~(c)に例示される温度の経時変化があった場合に求められる特徴量を示すグラフである。
図2(a)~(c)に示すグラフにおいて、破線は周囲温度の経時変化を示しており、実線は火災等による異常温度と周囲温度とを加えた温度の経時変化を示している。また、一点鎖線は、異常温度を検知するために設定された従来技術における閾温度(閾値)を示している。尚、
図2(a)~(c)に示す例は、理解を容易にするために、火災等による温度の変化量は同じとしている。
【0033】
図2(a)に示す例は、破線の傾きが零であるから周囲温度の変化がないことを示している。
図2(b)に示す例は、破線の傾きが正であるから周囲温度の変化に上昇トレンドがあることを示している。
図2(b)に示す例は、破線の傾きが負であるから周囲温度の変化に下降トレンドがあることを示している。
【0034】
ここで、
図2(a)~(c)示す例において、一点鎖線で示される閾温度を用いて異常温度を検知する場合を考える。
図2(a)に示す例では、破線で示される周囲温度が閾温度を超えておらず、実線で示される温度(異常温度と周囲温度とを加えた温度)が閾温度を超えている。このため、実線で示される温度が閾温度を超えたことをもって、異常温度を検出することができる。
【0035】
これに対し、
図2(b)に示す例では、破線で示される周囲温度及び実線で示される温度が共に閾温度を超えて上昇しており、
図2(c)に示す例では、破線で示される周囲温度のみが閾温度を超えて下降している。このため、
図2(b),(c)に示す例では、異常温度が生じていなくとも、周囲温度が閾温度を超えた場合(上昇する方向又は下降する方向に超えた場合)には、異常温度が生じたものと誤検知してしまう。尚、
図2(c)に示す例では、実線で示される温度が、閾温度を超えているにも拘わらず、実線で示される温度の変化が小さい(ほぼ平坦である)ことから、あたかも異常温度が生じていないようにも見える。
【0036】
図2(d)に示すグラフは、
図2(a)~(c)に示す例において実線で示されている温度の一階差分を示すものである。尚、
図2(d)中の曲線L1は、
図2(a)に示す例における一階差分であり、曲線L2は、
図2(b)に示す例における一階差分であり、曲線L3は、
図2(c)に示す例における一階差分である。
図2(d)を参照すると、曲線L1~L3は何れも、2つのピークが現れるものとなっている。
【0037】
但し、
図2(a)に示す例では周囲温度の変化がないから、曲線L1のピーク以外の部分の値は零となる。これに対し、
図2(b)に示す例では上昇トレンドがあることから曲線L2のピークの部分に加えてピーク以外の部分の値も正の値をとり、
図2(c)に示す例では下降トレンドがあることから曲線L3のピークの部分に加えてピーク以外の部分の値も負の値をとる。このように、一階差分は、温度変化の傾向(トレンド)に応じて値が変わることから、温度変化の傾向(トレンド)を示す特徴量として用いることができる。
【0038】
図2(e)に示すグラフは、
図2(a)~(c)に示す例において実線で示されている温度の二階差分を示すものである。
図2(e)を参照すると、
図2(a)~(c)に例における二階差分は同じ(或いは、ほぼ同じ)曲線で示されている。このように、二階差分は、温度変化の傾向(トレンド)に応じて値が変わらないから、トレンドを除外した温度変化を示す特徴量として用いることができる。
【0039】
合成部14は、前処理部13で算出された特徴量と、過去に得られた温度データの正常又は異常を示す過去判定情報とを合成する合成処理を行う。このような合成処理を行うのは、前処理部13で算出された特徴量には温度の絶対値が含まれていないため、特徴量のみを用いた異常温度の検知では、異常温度が検知できないことがあるためである。
【0040】
例えば、温度が急激に上昇した後に安定してしまった(温度が変化しなくなった)場合を考える。このような場合において、特徴量のみを用いた異常温度の検知では、異常温度で温度が変化しない状態と、正常温度で温度が変化しない状態との区別をすることができないため、異常温度が生じているにも拘わらず、異常温度を検知することできない虞がある。
【0041】
このような場合において、温度が上昇して安定するまでの途中の段階で異常温度を検知できるのであれば、温度が上昇した後に安定してしまっても異常温度を検知することは可能である。よって、本実施形態では、前処理部13で算出された特徴量と、過去に得られた温度データの正常又は異常を示す過去判定情報とを用いて異常温度を検知するようにしている。
【0042】
具体的に、合成部14は、学習部15で機械学習が行われる場合には、前処理部13において訓練用の温度データD1から算出された特徴量、訓練情報TRに含まれる識別情報、及び過去判定情報を合成する合成処理を行って合成データX1を生成する。生成された合成データX1は、例えば、リストやベクトルで表現される。尚、ここでの過去判定情報としては、温度取得部11で取得された過去の温度データに付された少なくとも1つの識別情報(例えば、直前に得られた温度データの正常又は異常を示す識別情報)を用いることができる。
【0043】
また、合成部14は、判定部16で検知用の温度データD2の正常又は異常の判定が行われる場合には、前処理部13において検知用の温度データD2から算出された特徴量と、過去判定情報とを合成する合成処理を行って合成データX2を生成する。生成された合成部14で生成された合成データX2は、例えば、リストやベクトルで表現される。尚、ここでの過去判定情報としては、過去に得られた判定部16の少なくとも1つの判定結果(例えば、直前に得られた判定部16の判定結果Y)を用いることができる。尚、合成データX2には、合成データX1に含まれる識別情報が含まれていない点に注意されたい。
【0044】
学習部15は、合成部14から出力される合成データX1を訓練データとして機械学習を行う。学習部15は、例えば、ランダムフォレスト(Random Forest)技術のクラス分類(Classification)を用いるのが望ましい。これは、深層学習に比べて少ない訓練データで機械学習できるからである。学習部15は、クラス分類の手法として、再帰分割法であるブースト決定木(Boost Decision Tree)等の二値分類手法を用いても良い。学習部15は、複数の決定木の出力を多数決で判定する識別モデルCMを生成して判定部16に提供する(出力する)。
【0045】
判定部16は、温度取得部11で取得され、前処理部13で前処理が行われるとともに合成部14で合成処理が行われた検知用の温度データD2の正常又は異常を、学習部15から出力される識別モデルCMを用いて判定する。判定部16は、検知用の温度データD2が正常であるか又は異常であるかを示す判定結果を出力部17及び記憶部18に出力する。
【0046】
出力部17は、判定部16の判定結果を出力する。出力部17は、例えば、LCD(Liquid Crystal Display:液晶表示ディスプレイ)等の表示装置を備えており、判定部16の判定結果を視認可能に表示する。出力部17は、LCDに加えて、例えば、赤色警告灯やブザー等の警報器を接続可能な接点端子を備えており、判定部16の判定結果を光や音によって報知するようにしても良い。
【0047】
記憶部18は、判定部16の判定結果を記憶する。記憶部18に記憶されている判定結果(例えば、直前に得られた判定部16の判定結果Y)は、合成部14に出力される。記憶部18は、例えば、RAM(Random Access Memory)等の揮発性のメモリによって実現されても良く、フラッシュROM(Read Only Memory)やEEPROM(Electrically Erasable and Programmable ROM)等の不揮発性のメモリによって実現されても良い。
【0048】
このような異常温度検知装置1は、コンピュータによって実現される。例えば、デスクトップ型、ノート型、又はタブレット型のコンピュータにより実現されても良い。異常温度検知装置1がコンピュータにより実現される場合において、異常温度検知装置1に設けられる各ブロック(温度取得部11、訓練情報生成部12、前処理部13、合成部14、学習部15、判定部16等)は、各々の機能を実現するためのプログラム(異常温度検知プログラム)が、コンピュータに設けられたCPU(中央処理装置)で実行されることによって実現される。つまり、異常温度検知装置1に設けられる各ブロックは、ソフトウェアとハードウェア資源とが協働することによって実現される。
【0049】
ここで、異常温度検知装置1に設けられる各ブロックの機能を実現するプログラムは、例えば、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録された状態で配布されても良く、或いはインターネット等のネットワークを介して配布されても良い。尚、異常温度検知装置1は、FPGA(Field-Programmable Gate Array)、LSI(Large Scale Integration)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)等のハードウェアを用いて実現されてもよい。
【0050】
尚、上記のコンピュータ読み取り可能な記録媒体は、例えば、磁気記録媒体、光記録媒体、半導体メモリ等である。磁気記録媒体としては、例えば、フレキシブルディスク、ハードディスクドライブ等が挙げられる。光記録媒体としては、CD-ROM、DVD(登録商標)-ROM等が挙げられる。半導体メモリとしては、フラッシュROM(Read Only Memory)、EEPROM(Electrically Erasable and Programmable ROM)等が挙げられる。
【0051】
〈異常温度検知方法〉
次に、異常温度検知装置1の動作について説明する。異常温度検知装置1の動作は、前述した機械学習を行って識別モデルCMを得る訓練時の動作と、異常温度を検知する検知時の動作とに大別される。以下では、異常温度検知装置1の訓練時の動作と、異常温度検知装置1の検知時の動作とを順に説明する。
【0052】
《訓練時の動作》
図3は、本発明の一実施形態による異常温度検知装置の訓練時の動作の概要を示すフローチャートである。尚、
図3に示すフローチャートの処理は、例えば、異常温度検知装置1のユーザが不図示の入力部を操作して、機械学習を開始する旨の指示を行うことによって開始される。
【0053】
処理が開始されると、まず、訓練用の温度データD1を取得する処理が、温度取得部11で行われる(ステップS11:第1温度取得ステップ)。この処理では、予め規定した時間(例えば、3~5分程度)に相当する複数個の訓練用の温度データD1が1回又は複数回に亘って取得される。実用的には、例えば、100個の訓練用の温度データD1が、200回に亘って取得される。
【0054】
次に、取得された訓練用の温度データD1に対し、訓練用の温度データD1の正常又は異常を示す識別情報を付した訓練情報TRを生成する処理が、訓練情報生成部12で行われる(ステップS12)。尚、取得された訓練用の温度データD1が正常又は異常であることを示す識別情報は、例えば、異常温度検知装置1のユーザが不図示の入力部を操作することによって訓練情報生成部12に入力される。尚、訓練情報TRは、異常温度検知装置1の測定対象の温度を模擬したシミュレーション計算に基づいて生成されても良い。
【0055】
次に、生成された訓練情報TRからノイズを除去する処理が、前処理部13で行われる(ステップS13)。例えば、訓練情報TRに含まれる訓練用の温度データD1に対し、時間軸方向に平均化等のフィルタ処理を行うことによって、訓練用の温度データD1に重畳されているノイズを除去する処理が行われる。尚、このフィルタ処理では、訓練用の温度データD1に重畳している雑音の特性に合った適切なフィルタが選択される。
【0056】
次いで、訓練情報TRに含まれる訓練用の温度データD1の特徴量を算出する処理が、前処理部13で行われる(ステップS14:第1前処理ステップ)。具体的には、訓練用の温度データD1(或いは、平均化した訓練用の温度データD1)の標準偏差、一階差分、又は二階差分の少なくとも1つを特徴量として算出する処理が前処理部13で行われる。尚、標準偏差は、訓練用の温度データD1の温度の変化量の大小を示す特徴量である。一階差分は、訓練用の温度データD1の温度変化の傾向(トレンド)を示す特徴量である。二階差分は、トレンドを除外した訓練用の温度データD1の温度変化を示す特徴量である。
【0057】
続いて、訓練用の温度データD1から算出された特徴量、訓練情報TRに含まれる識別情報、及び過去判定情報を合成する合成処理を行って合成データX1を生成する処理が、合成部14で行われる(ステップS15:第1合成ステップ)。ここでの過去判定情報としては、例えば温度取得部11で直前に得られた温度データの正常又は異常を示す識別情報を用いることができる。
【0058】
以上の処理が終了すると、合成部14から出力される合成データX1を用いた機械学習が、学習部15で行われる(ステップS16:学習ステップ)。ここでは、訓練用の温度データD1から算出された特徴量と、訓練用の温度データD1の正常又は異常を示す識別情報との関係に加えて、過去判定情報(温度取得部11で直前に得られた温度データの正常又は異常を示す識別情報)との関係も学習される。この機械学習が行われると、学習部15から判定部16に対して、識別モデルCMが出力される(ステップS17)。
【0059】
尚、
図3に示すフローチャートの処理は、例えば、異常温度検知装置1のユーザによって予め設定された量の訓練が行われた後に自動的に終了されて良い。或いは、異常温度検知装置1のユーザによって予め設定された時間の経過後に終了されても良く、異常温度検知装置1のユーザの終了指示によって終了されても良い。或いは、所定の時系列データに対して識別モデルCMの値が所定値以下になったら終了されても良い。
【0060】
《検知時の動作》
図4は、本発明の一実施形態による異常温度検知装置の検知時の動作の概要を示すフローチャートである。尚、
図4に示すフローチャートの処理は、例えば、異常温度検知装置1のユーザが不図示の入力部を操作して、検知を開始する旨の指示を行うことによって開始される。或いは、
図4に示すフローチャートの処理は、
図3に示すフローチャートの処理が終了したときに自動的に開始されても良い。
【0061】
処理が開始されると、まず、検知用の温度データD2を取得する処理が、温度取得部11で行われる(ステップS21:第2温度取得ステップ)。この処理では、予め規定した時間(例えば、3~5分程度)に相当する訓練用の温度データD1と同じデータ長の検知用の温度データD2(例えば、100個の検知用の温度データD2)が1回だけ取得される。尚、検知用の温度データD2は、正常又は異常が不明であるため、識別情報は入力されない。
【0062】
次に、取得された検知用の温度データD2からノイズを除去する処理が、前処理部13で行われる(ステップS22)。例えば、
図3に示すステップS13の処理で用いられたフィルタと同様のフィルタを用いて、検知用の温度データD2に重畳されているノイズを除去する処理が行われる。
【0063】
次いで、検知用の温度データD2の特徴量を算出する処理が、前処理部13で行われる(ステップS23:第2前処理ステップ)。具体的には、検知用の温度データD2(或いは、平均化した検知用の温度データD2)の標準偏差、一階差分、又は二階差分の少なくとも1つを特徴量として算出する処理が前処理部13で行われる。尚、標準偏差は、検知用の温度データD2の温度の変化量の大小を示す特徴量である。一階差分は、検知用の温度データD2の温度変化の傾向(トレンド)を示す特徴量である。二階差分は、トレンドを除外した検知用の温度データD2の温度変化を示す特徴量である。
【0064】
続いて、検知用の温度データD2から算出された特徴量と過去判定情報とを合成する合成処理を行って合成データX2を生成する処理が、合成部14で行われる(ステップS24:第2合成ステップ)。ここでの過去判定情報としては、例えば記憶部18に記憶されている判定結果Y(直前に得られた判定部16の判定結果)を用いることができる。尚、例えば、
図4に示すフローチャートの処理が初めて行われる場合のように、判定部16の判定結果が記憶部18に記憶されていないときには、例えば、判定結果Yの初期値として正常を意味する値(例えば、零)を用いても良い。
【0065】
以上の処理が終了すると、合成部14から出力される合成データX2が判定部16に入力される。そして、
図3に示すステップS17の処理で出力された識別モデルCMを用いて、検知用の温度データD2の正常又は異常を判定する処理が判定部16で行われる(ステップS25:判定ステップ)。
【0066】
ここで、識別モデルCMは、前述した通り、訓練用の温度データD1から算出された特徴量と、訓練用の温度データD1の正常又は異常を示す識別情報との関係に加えて、過去判定情報との関係も学習したものである。また、判定部16に入力される合成データX2は、検知用の温度データD2から算出された特徴量と、過去判定情報(直前に得られた判定部16の判定結果)とが合成されたものである。このため、検知用の温度データD2の正常又は異常は、過去判定情報(直前に得られた判定部16の判定結果)を考慮して判定されることになる。
【0067】
この判定が行われると、判定部16から出力部17及び記憶部18に対して判定結果が出力される(ステップS26)。これにより、検知用の温度データD2の正常又は異常を示す情報が表示装置に視認可能に表示される。或いは、検知用の温度データD2が異常であると判定された場合には、赤色警告灯やブザー等の警報器によって異常である旨が光や音によって報知される。
【0068】
尚、
図4に示すフローチャートの処理は、例えば、検知用の温度データD2が異常であると判定された場合に、自動的に終了されて良い。或いは、
図4に示すフローチャートの処理は、異常温度検知装置1のユーザの指示によって継続されても良く、異常温度検知装置1のユーザの終了指示によって終了されても良い。
【0069】
以上の通り、本実施形態では、まず、訓練時において、温度取得部11で取得された訓練用の温度データD1の特徴量を算出する前処理を行い、算出された特徴量と過去に得られた訓練用の温度データD1の正常又は異常を示す過去判定情報とを合成する合成処理を行う。そして、合成処理の結果を機械学習して識別モデルCMを生成する。次に、検知時において、温度取得部11で取得され、前処理及び合成処理が行われた検知用の温度データD2の正常又は異常を、識別モデルCMを用いて判定する。
【0070】
このように、本実施形態では、訓練用の温度データD1の特徴量に加えて過去判定情報(過去に得られた訓練用の温度データD1の正常又は異常を示す識別情報)を用いて機械学習を行っている。また、本実施形態では、検知用の温度データD2の特徴量に加えて過去判定情報(過去に得られた判定部16の判定結果)を用いて検知用の温度データD2の正常又は異常を判定している。このため、本実施形態では、周囲温度の変化がある場合であっても、高い精度で異常温度を検知することができる。
【0071】
以上、本発明の実施形態による異常温度検知装置、異常温度検知方法、及び異常温度検知プログラムについて説明したが、本発明は上記実施形態に制限されることなく本発明の範囲内で自由に変更が可能である。例えば、上述した実施形態の異常温度検知装置1は、学習部15と判定部16とを有しているため、検知用の温度データD2の正常又は異常を判定しつつ、機械学習を行って識別モデルCMを自動的に更新(自動学習)するようにしても良い。このような学習部の自動更新を行うことで、上述した実施形態の異常温度検知装置1を、現場の環境に合わせて最適化することが可能となる。
【0072】
具体的には、例えば、異常温度検知装置1が、判定部16において異常が判定されることなく、所定の期間(例えば、1年間)に亘って稼働していたのであれば、その期間に得られた温度データ(検知用の温度データD2)は、正常であると考えられる。このため、その期間に得られた温度データ(検知用の温度データD2)を、正常な訓練用の温度データD1として用いて自動学習するようにしても良い。
【0073】
また、上記の自動学習は、所定の期間のみに実行されるようにしても良い。例えば、直近1年間における温度データのみを自動学習し、それより過去のデータは学習に用いないようにしても良い。また、上記の自動学習の開始又は停止を、ユーザの指示に基づいて行うようにしても良い。
【0074】
また、上述した実施形態では、正常時に比べて著しく上昇した温度を異常温度として検知する場合を例に挙げて説明した。しかしながら、本発明は、正常時に比べて著しく上昇した温度を異常温度として検知する場合に制限されることはなく、正常時に比べて著しく下降した温度を異常温度として検知する場合にも適用することができる。但し、訓練用の温度データD1に適切な識別情報を付与する点に留意する必要になる。
【0075】
また、上述した実施形態の異常温度検知装置1は、単体の装置として実現されても良く、ネットワークを介したクラウドコンピューティングによって実現されていても良い。ここで、クラウドコンピューティングは、例えば、以下のURL(Uniform Resource Locator)で特定される文書に記載されている定義(米国国立標準技術研究所によって推奨される定義)に合致するものであっても良い。
http://nvlpubs.nist.gov/nistpubs/Legacy/SP/nistspecialpublication800-145.pdf
https://www.ipa.go.jp/files/000025366.pdf
【符号の説明】
【0076】
1 異常温度検知装置
11 温度取得部
12 訓練情報生成部
13 前処理部
14 合成部
15 学習部
16 判定部
D1 訓練用の温度データ
D2 検知用の温度データ
CM 識別モデル
TR 訓練情報