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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-02-13
(45)【発行日】2023-02-21
(54)【発明の名称】エレベーターの休止情報提供システム
(51)【国際特許分類】
   B66B 5/00 20060101AFI20230214BHJP
【FI】
B66B5/00 D
【請求項の数】 11
(21)【出願番号】P 2022556796
(86)(22)【出願日】2020-10-16
(86)【国際出願番号】 JP2020039048
(87)【国際公開番号】W WO2022079884
(87)【国際公開日】2022-04-21
【審査請求日】2022-11-08
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000236056
【氏名又は名称】三菱電機ビルソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003199
【氏名又は名称】弁理士法人高田・高橋国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】橋口 拓弥
(72)【発明者】
【氏名】濱田 恭平
(72)【発明者】
【氏名】田畠 広泰
(72)【発明者】
【氏名】井上 淳
【審査官】須山 直紀
(56)【参考文献】
【文献】特開2011-1156(JP,A)
【文献】特開2019-104568(JP,A)
【文献】特許第6597949(JP,B1)
【文献】特開2018-83691(JP,A)
【文献】特開2013-124150(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2020/87111(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B66B 5/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
エレベーターの休止情報を複数の情報源の少なくともいずれかから収集する収集部と、
前記エレベーターの識別情報を含む要求情報を端末装置から受信する受信部と、
前記収集部が予め収集した休止情報に基づいて、前記受信部が前記要求情報を前記端末装置から受信したときに、休止の有無および休止する場合の休止の理由を表す休止表示を含む応答情報を、前記要求情報の前記識別情報によって識別される前記エレベーターについて生成する生成部と、
前記生成部が前記識別情報によって識別される前記エレベーターについて応答情報を生成したときに、生成された応答情報を前記端末装置に送信する送信部と、
前記エレベーターの運行に影響する災害の発生を判定し、災害が発生している地域を特定する災害判定部と、
を備え
前記災害判定部は、災害の通報の受付状況の情報を取得し、前記受付状況に基づいて災害が発生している地域を災害の発生を判定した後に絞り込み、
前記生成部は、前記識別情報によって識別される前記エレベーターが設けられた地域において、前記災害判定部が当該地域を災害が発生している地域と特定している場合に、災害の通報を行うための通報表示を前記エレベーターについて生成する応答情報に含め、前記災害判定部が当該地域を災害が発生している地域と特定していない場合に、前記通報表示を前記エレベーターについて生成する応答情報に含めない
エレベーターの休止情報提供システム。
【請求項2】
エレベーターの休止情報を複数の情報源の少なくともいずれかから収集する収集部と、
前記収集部が収集した休止情報に基づいて、休止の有無および休止する場合の休止の理由を表す休止表示を含む応答情報を前記エレベーターについて生成する生成部と、
前記エレベーターの識別情報を含む要求情報を端末装置から受信する受信部と、
前記受信部が前記要求情報を前記端末装置から受信したときに、前記識別情報によって識別される前記エレベーターについて前記生成部が予め生成した応答情報を前記端末装置に送信する送信部と、
前記エレベーターの運行に影響する災害の発生を判定し、災害が発生している地域を特定する災害判定部と、
を備え
前記災害判定部は、災害の通報の受付状況の情報を取得し、前記受付状況に基づいて災害が発生している地域を災害の発生を判定した後に絞り込み、
前記生成部は、前記識別情報によって識別される前記エレベーターが設けられた地域において、前記災害判定部が当該地域を災害が発生している地域と特定している場合に、災害の通報を行うための通報表示を前記エレベーターについて生成する応答情報に含め、前記災害判定部が当該地域を災害が発生している地域と特定していない場合に、前記通報表示を前記エレベーターについて生成する応答情報に含めない
エレベーターの休止情報提供システム。
【請求項3】
前記生成部は、前記エレベーターについて生成する応答情報に、前記エレベーターに併設された他の併設エレベーターについての休止表示を含める
請求項1または請求項2に記載のエレベーターの休止情報提供システム。
【請求項4】
前記収集部は、計画された休止の休止情報を提供する情報源から、休止時間の情報を休止情報として収集し、
前記生成部は、休止時間の情報を前記エレベーターについて生成する応答情報に休止表示として含める
請求項1から請求項3のいずれか一項に記載のエレベーターの休止情報提供システム。
【請求項5】
前記収集部は、前記休止時間の情報として休止開始時刻を含む情報を収集し、
前記生成部は、休止開始時刻の情報を前記エレベーターについて生成する応答情報に休止表示として含める
請求項4に記載のエレベーターの休止情報提供システム。
【請求項6】
前記収集部は、前記休止時間の情報として休止終了時刻を含む情報を収集し、
前記生成部は、休止終了時刻の情報を前記エレベーターについて生成する応答情報に休止表示として含める
請求項4または請求項5に記載のエレベーターの休止情報提供システム。
【請求項7】
予め設定される表示形式設定を記憶する設定記憶部
を備え、
前記生成部は、前記表示形式設定に従った表示による前記休止時間の情報を前記エレベーターについて生成する応答情報に休止表示として含める
請求項4から請求項6のいずれか一項に記載のエレベーターの休止情報提供システム。
【請求項8】
前記生成部は、前記収集部が休止情報を収集した情報源が計画外の休止情報を提供する情報源であった場合に、休止への対応の有無の情報を前記エレベーターについて生成する応答情報に休止表示として含める
請求項1から請求項7のいずれか一項に記載のエレベーターの休止情報提供システム。
【請求項9】
前記生成部は、前記収集部が休止情報を収集した情報源が地震による休止情報を提供する情報源であった場合に、自動診断運転の実施の有無の情報を前記エレベーターについて生成する応答情報に休止表示として含める
請求項1から請求項8のいずれか一項に記載のエレベーターの休止情報提供システム。
【請求項10】
前記生成部は、前記識別情報によって識別される前記エレベーターが設けられた地域についてのコンテンツ情報を前記エレベーターについて生成する応答情報に含める
請求項1から請求項9のいずれか一項に記載のエレベーターの休止情報提供システム。
【請求項11】
前記収集部が前記複数の情報源のいずれかから休止情報を新たに収集するときに、休止情報が更新されたことを前記端末装置に通知する通知部
を備える
請求項1から請求項10のいずれか一項に記載のエレベーターの休止情報提供システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、エレベーターの休止情報提供システムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、エレベーターの情報を利用者に提供するシステムの例を開示する。当該システムは、携帯端末と、サーバ装置と、を備える。携帯端末は、エレベーターの識別情報を含む問合せをサーバ装置に送信する。サーバ装置は、当該識別情報によって識別されるエレベーターの運転状況を当該携帯端末に送信する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】日本特開2010-275029号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1のシステムにおいて、サーバ装置は、問合せを送信した携帯端末のメールアドレスを登録する。サーバ装置は、保守作業が終了したときに、予め登録されたメールアドレスに保守作業の終了の通知を送信する。すなわち、サーバ装置は、保守作業の終了まで携帯端末に情報を提供しない。このため、携帯端末から問合せを行った利用者は、現時点の予定などのエレベーターの現在の休止の状況を知ることができない。
【0005】
本開示は、このような課題の解決に係るものである。本開示は、現時点の予定などのエレベーターの現在の休止の状況の情報を提供できる休止情報提供システムを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示に係るエレベーターの休止情報提供システムは、エレベーターの休止情報を複数の情報源の少なくともいずれかから収集する収集部と、前記エレベーターの識別情報を含む要求情報を端末装置から受信する受信部と、前記収集部が予め収集した休止情報に基づいて、前記受信部が前記要求情報を前記端末装置から受信したときに、休止の有無および休止する場合の休止の理由を表す休止表示を含む応答情報を、前記要求情報の前記識別情報によって識別される前記エレベーターについて生成する生成部と、前記生成部が前記識別情報によって識別される前記エレベーターについて応答情報を生成したときに、生成された応答情報を前記端末装置に送信する送信部と、前記エレベーターの運行に影響する災害の発生を判定し、災害が発生している地域を特定する災害判定部と、を備え、前記災害判定部は、災害の通報の受付状況の情報を取得し、前記受付状況に基づいて災害が発生している地域を災害の発生を判定した後に絞り込み、前記生成部は、前記識別情報によって識別される前記エレベーターが設けられた地域において、前記災害判定部が当該地域を災害が発生している地域と特定している場合に、災害の通報を行うための通報表示を前記エレベーターについて生成する応答情報に含め、前記災害判定部が当該地域を災害が発生している地域と特定していない場合に、前記通報表示を前記エレベーターについて生成する応答情報に含めない
本開示に係るエレベーターの休止情報提供システムは、エレベーターの休止情報を複数の情報源の少なくともいずれかから収集する収集部と、前記収集部が収集した休止情報に基づいて、休止の有無および休止する場合の休止の理由を表す休止表示を含む応答情報を前記エレベーターについて生成する生成部と、前記エレベーターの識別情報を含む要求情報を端末装置から受信する受信部と、前記受信部が前記要求情報を前記端末装置から受信したときに、前記識別情報によって識別される前記エレベーターについて前記生成部が生成した応答情報を前記端末装置に送信する送信部と、前記エレベーターの運行に影響する災害の発生を判定し、災害が発生している地域を特定する災害判定部と、を備え、前記災害判定部は、災害の通報の受付状況の情報を取得し、前記受付状況に基づいて災害が発生している地域を災害の発生を判定した後に絞り込み、前記生成部は、前記識別情報によって識別される前記エレベーターが設けられた地域において、前記災害判定部が当該地域を災害が発生している地域と特定している場合に、災害の通報を行うための通報表示を前記エレベーターについて生成する応答情報に含め、前記災害判定部が当該地域を災害が発生している地域と特定していない場合に、前記通報表示を前記エレベーターについて生成する応答情報に含めない
【発明の効果】
【0007】
本開示に係る休止情報提供システムであれば、現時点の予定などのエレベーターの現在の休止の状況の情報を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】実施の形態1に係るエレベーターシステムの構成図である。
図2】実施の形態1に係るタグの配置の例を示す図である。
図3】実施の形態1に係る休止情報提供システムの動作の例を示すフローチャートである。
図4】実施の形態1に係る休止情報提供システムにおける応答情報による表示の例を示す図である。
図5】実施の形態1に係る休止情報提供システムにおける応答情報による表示の例を示す図である。
図6】実施の形態1に係るエレベーターシステムの主要部のハードウェア構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本開示を実施するための形態について添付の図面を参照しながら説明する。各図において、同一または相当する部分には同一の符号を付して、重複する説明は適宜に簡略化または省略する。
【0010】
実施の形態1.
図1は、実施の形態1に係るエレベーターシステム1の構成図である。
【0011】
エレベーターシステム1は、1つまたは複数のエレベーター2を含むシステムである。各々のエレベーター2は、複数の階を有する建物に設けられる。エレベーター2は、図示されないかごによって登録された呼びに応じて複数の階床の間で利用者を輸送する装置である。エレベーター2が設けられる建物において、各々の階床に乗場3が設けられる。乗場3は、利用者がかごに乗降する場所である。エレベーター2は、乗場ドア4と、乗場操作盤5と、地震感知器6と、制御盤7と、を備える。
【0012】
乗場ドア4は、エレベーター2の乗場3に設けられる。乗場ドア4は、利用者がかごに乗降するときに開閉する機器である。乗場操作盤5は、エレベーター2の乗場3に設けられる。乗場操作盤5は、乗場3において利用者が乗場呼びの登録などに用いる機器である。乗場操作盤5は、例えば乗場ドア4に隣接して乗場3の壁面に設けられる。乗場操作盤5は、操作ボタン8と、表示パネル9と、を備える。操作ボタン8は、利用者による乗場呼びの登録の操作を受け付ける機器である。表示パネル9は、乗場3において利用者に情報を表示する機器である。表示パネル9は、例えばディスプレイ装置である。表示パネル9は、エレベーター2に設けられる表示部の例である。
【0013】
地震感知器6は、エレベーター2が設けられる建物において地震による揺れを感知する機器である。地震感知器6は、予め設定された閾値より大きい揺れを感知するときに、感知信号を制御盤7に出力する。
【0014】
制御盤7は、エレベーター2の動作を制御する部分である。制御盤7が制御するエレベーター2の動作は、かごの走行、および表示パネル9の表示などを含む。制御盤7は、エレベーター2を休止させる機能を搭載する。休止しているエレベーター2は、利用者の呼びに応じた運転を行わない。制御盤7は、例えば地震感知器6から感知信号を受け付けたときに、かごを避難階または最寄階などに退避させる。制御盤7は、例えばかごを退避させた後に、エレベーター2を休止させる。あるいは、制御盤7は、かごを退避させた後に、自動診断運転を実施してもよい。自動診断運転は、エレベーター2において異常の有無を診断するための自動運転である。制御盤7は、自動診断運転において異常が発見されないときに、エレベーター2を復旧させる。制御盤7は、自動診断運転において異常が発見されるときに、エレベーター2を休止させる。
【0015】
また、制御盤7は、エレベーター2において故障を検知する機能を搭載する。制御盤7は、例えば、図示されないエレベーター2のセンサーおよびスイッチなどが検出する検出信号に基づいて故障の検知を行う。制御盤7は、故障を検知するときに、エレベーター2を休止させる。
【0016】
エレベーターシステム1は、遠隔監視システム10を含む。遠隔監視システム10は、エレベーター2に適用される。遠隔監視システム10は、例えばインターネットまたは電話回線網などの通信網11を通じて、エレベーター2が設けられる建物の遠隔地からエレベーター2の状況を監視するシステムである。エレベーター2の状況は、地震感知器6による地震の感知の有無、および故障の有無などの情報を含む。遠隔監視システム10は、エレベーター2の管理者による遠隔操作などの監視の他の機能を搭載していてもよい。遠隔監視システム10は、遠隔監視装置12と、監視サーバ13と、監視端末14と、を備える。
【0017】
遠隔監視装置12は、遠隔監視システム10において監視されるエレベーター2に設けられる。遠隔監視装置12は、制御盤7からエレベーター2の状況を取得する。遠隔監視装置12は、通信網11に接続される。遠隔監視装置12は、通信網11を通じて入力された指令を制御盤7に出力する機能を搭載する。
【0018】
監視サーバ13は、通信網11を通じて遠隔監視装置12からエレベーター2の状況を取得するサーバ装置である。監視サーバ13は、例えば遠隔監視システム10において監視されるエレベーター2の遠隔地に設けられる。監視サーバ13は、通信網11を通じて遠隔監視装置12にエレベーター2への指令を入力する機能を搭載する。監視サーバ13が入力する指令は、例えばエレベーター2の管理者によって指定される。監視サーバ13は、入力する指令の指定などを受け付ける例えばウェブサービスなどのサービスを管理者に提供する機能を搭載する。
【0019】
監視端末14は、エレベーター2の管理者によって操作される装置である。監視端末14は、例えばパーソナルコンピュータなどの情報処理装置である。監視端末14は、通信網11を通じて遠隔監視装置12からエレベーター2の状況を取得する。監視端末14は、通信網11を通じて、監視サーバ13が提供するウェブサービスにアクセスする。
【0020】
管理者は、ウェブサービスにアクセスする監視端末14を通じて、エレベーター2の遠隔操作を行う。エレベーター2の遠隔操作は、エレベーター2の休止を含む。管理者は、遠隔監視システム10において休止時間を指定してエレベーター2を休止させてもよい。休止時間が指定されたときに、監視サーバ13は、外部の装置に休止時間の指定の更新を通知してもよい。ここで、休止時間は、開始予定時刻から終了予定時刻までの期間である。休止の開始予定時刻は、現在または将来の時点である。休止の終了予定時刻は、始期より後の将来の時点である。
【0021】
エレベーターシステム1は、作業管理システム15を含む。作業管理システム15は、エレベーター2に適用される。作業管理システム15は、エレベーター2において行われる保守作業などの作業を管理するシステムである。作業管理システム15は、作業管理サーバ16と、保守端末17と、を備える。
【0022】
作業管理サーバ16は、保守作業の実績および予定などを管理するサーバ装置である。作業管理サーバ16は、通信網11に接続される。作業管理サーバ16は、例えば作業管理システム15において保守作業などの作業が管理されるエレベーター2の遠隔地に設けられる。
【0023】
作業管理サーバ16は、通信網11を通じて作業届の提出を受け付ける機能を搭載する。作業届は、保守員が作業現場において保守作業を開始するときに作業管理サーバ16に送信される情報である。作業届が作業管理サーバ16に提出されるときに、保守員によって、エレベーター2は休止される。このとき、作業管理サーバ16は、外部の装置に作業届の受理を通知してもよい。作業届は、休止の終了予定時刻の情報を含んでいてもよい。作業管理サーバ16は、通信網11を通じて作業完了届の提出を受け付ける機能を搭載する。作業完了届は、保守員が作業現場において保守作業を終了するときに作業管理サーバ16に送信される情報である。作業完了届が作業管理サーバ16に提出されるときに、保守員によって、エレベーター2は復旧される。
【0024】
また、作業管理サーバ16は、通信網11を通じて作業予定の入力を受け付ける機能を搭載してもよい。作業予定が入力されたときに、作業管理サーバ16は、外部の装置に作業予定の更新を通知してもよい。作業予定は、保守作業の内容、および休止時間の情報を含む。休止時間は、開始予定時刻から終了予定時刻までの期間である。休止の開始予定時刻は、現在または将来の時点である。休止の終了予定時刻は、始期より後の将来の時点である。
【0025】
保守端末17は、保守作業を行う保守員によって操作される装置である。保守端末17は、例えばスマートフォンなどの可搬な情報処理装置である。保守端末17は、通信網11を通じて作業管理サーバ16に接続される。保守端末17は、保守員の入力などによって作業届および作業完了届を作業管理サーバ16に通信網11を通じて提出する機能を搭載する。
【0026】
この例において、エレベーター2の利用者は、携帯端末18を所持している。携帯端末18は、例えばスマートフォンなどの可搬な情報処理装置である。携帯端末18は、通信網11に接続される。携帯端末18は、通信網11を通じて外部の装置に要求情報を送信する機能、および要求情報に対応して通信網11を通じて受信した応答情報が表す内容を表示する機能を搭載する。当該機能は、例えばウェブブラウザ、またはエレベーター2の利用補助のアプリケーションなどとして搭載される。要求情報は、例えばHTTPリクエスト(HTTP:HyperText Transfer Protocol)などである。応答情報は、例えばHTTPレスポンスなどである。
【0027】
携帯端末18は、画像を撮影するカメラ機能、およびカメラ機能によって撮影された画像が符号化画像である場合に当該符号化画像を復号する復号機能を搭載する。符号化画像は、文字列などの情報を符号化した画像である。符号化画像は、例えば一次元バーコードまたは二次元コードである。二次元コードは、例えばマトリックス式またはスタック式のコードである。二次元コードは、例えばISO/IEC 18004規格などによって規定される符号化画像であってもよい。携帯端末18は、NFC(Near Field Communication)などの無線通信の機能を搭載していてもよい。
【0028】
エレベーターシステム1は、休止情報提供システム19を含む。休止情報提供システム19は、エレベーター2に適用される。休止情報提供システム19は、各々のエレベーター2の休止情報を利用者に提供するシステムである。エレベーター2の休止情報は、休止の有無、休止する場合の理由などの情報を含む。エレベーター2の休止情報は、休止の予定の情報を含む。休止情報提供システム19は、タグ20と、休止情報管理サーバ21と、を備える。
【0029】
タグ20は、アクセス情報が記載されたシールまたはプレートなどの札である。アクセス情報は、通信網11を通じた休止情報管理サーバ21へのアクセスに用いられる情報である。アクセス情報は、例えばURL(Uniform Resource Locator)などである。アクセス情報は、識別情報を含む。識別情報は、エレベーター2を識別する情報である。ここで、同じ建物に複数のエレベーター2が併設される場合に、エレベーター2ごとに一意な識別情報が付される。例えばアクセス情報がURLである場合に、識別情報は、例えばクエリパラメータとしてアクセス情報に含まれる。アクセス情報は、短縮URLであってもよい。この例において、アクセス情報は、符号化画像としてタグ20に印刷されている。ここで、符号化画像は、例えばISO/IEC 18004規格などによって規定される符号化画像などの携帯端末18の復号機能によって復号しうる画像である。タグ20において、アクセス情報または識別情報などが符号化画像に隣接して文字情報として印刷されていてもよい。タグ20は、NFCなどの無線通信によってアクセス情報を発信する機能を搭載していてもよい。
【0030】
タグ20は、エレベーター2において例えば乗場3などに設けられる。タグ20は、例えば利用者の目に付きやすい位置に設けられる。タグ20は、例えば乗場操作盤5に隣接して乗場3の壁面に設けられる。タグ20は、例えば乗場操作盤5に設けられていてもよい。タグ20は、乗場ドア4を囲う三方枠に設けられていてもよい。また、タグ20は、かごの内部に設けられていてもよい。タグ20は、例えばかごの内部においてかご呼びの行先階の登録に用いられる図示されないかご操作盤に設けられていてもよい。タグ20は、かご操作盤に隣接して、かごの内壁に設けられていてもよい。また、タグ20は、乗場3またはかごの他の場所に設けられていてもよい。例えば、タグ20は、エレベーター2の利用者が業務を行う事務所などに設けられていてもよい。あるいは、タグ20は、エレベーター2の管理者が管理を行う管理室などに設けられていてもよい。
【0031】
休止情報管理サーバ21は、休止情報の管理などの処理を行うサーバ装置またはサーバシステムである。休止情報管理サーバ21は、単一のサーバ装置であってもよい。あるいは、休止情報管理サーバ21は、複数のサーバ装置を組み合わせたサーバシステムであってもよい。このとき、複数のサーバ装置の一部または全部は、例えば図示されない通信線で接続される。また、複数のサーバ装置の一部または全部は、通信網11を通じて接続されていてもよい。休止情報管理サーバ21は、監視サーバ13および作業管理サーバ16の一部または全部を兼ねていてもよい。休止情報管理サーバ21は、収集部22と、受信部23と、生成部24と、送信部25と、災害判定部26と、通知部27と、設定記憶部28と、を備える。
【0032】
収集部22は、複数の情報源からエレベーター2の休止情報を収集する部分である。休止情報は、エレベーター2の休止の有無などの情報である。休止情報は、エレベーター2の休止の予定であってもよい。収集部22は、例えば予め設定された周期で各々の情報源から休止情報を収集する。あるいは、収集部22は、各々の情報源から休止情報の更新の通知を受けた時に、当該情報源から休止情報を収集してもよい。収集部22は、収集した休止情報を蓄積して記憶するデータベースを含んでいてもよい。
【0033】
収集部22は、例えば作業管理サーバ16を情報源として休止情報を収集する。作業管理サーバ16は、計画された休止の休止情報を提供する情報源の例である。例えば、収集部22は、予め設定された周期で作業管理サーバ16から作業予定の情報を休止情報として収集する。あるいは、収集部22は、作業管理サーバ16から作業届の受理の通知を受けたときに、作業管理サーバ16から作業届の情報を休止情報として収集する。あるいは、収集部22は、作業管理サーバ16から作業予定の更新の通知を受けたときに、作業管理サーバ16から作業予定の情報を休止情報として収集する。
【0034】
収集部22は、例えば監視サーバ13を情報源として休止情報を収集する。監視サーバ13は、計画された休止の休止情報を提供する情報源の例である。例えば、収集部22は、予め設定された周期で監視サーバ13から指定された休止時間の情報を休止情報として収集する。あるいは、収集部22は、監視サーバ13から休止時間の指定の更新の通知を受けたときに、指定された休止時間の情報を休止情報として監視サーバ13から収集する。
【0035】
収集部22は、例えば遠隔監視装置12を情報源として休止情報を収集する。遠隔監視装置12は、計画外の休止情報を提供する情報源の例である。例えば、収集部22は、地震感知器6の作動によって休止したエレベーター2の状況を休止情報として遠隔監視装置12を通じて取得する。また、例えば、収集部22は、故障の検知によって休止したエレベーター2の状況を休止情報として遠隔監視装置12を通じて取得する。
【0036】
受信部23は、端末装置から要求情報を受信する部分である。端末装置は、例えば携帯端末18である。生成部24は、携帯端末に送信する応答情報を生成する部分である。応答情報は、収集部22が収集した休止情報に基づいて生成される。生成部24は、例えば受信部23が端末装置から要求情報を受信するときに、当該要求情報に対する応答情報を生成する。あるいは、生成部24は、エレベーター2ごとに応答情報を予め生成していてもよい。生成部24は、例えばエレベーター2についての休止情報を収集部22が収集するときに、当該エレベーター2についての応答情報を生成する。生成部24は、生成した応答情報を記憶するデータベースを含んでいてもよい。送信部25は、要求情報を送信した端末装置に、生成部24によって生成された応答情報を送信する部分である。送信部25は、例えば端末装置からの要求情報に対して生成部24が応答情報を生成したときに、当該応答情報を当該端末装置に送信する。あるいは、生成部24は、例えば受信部23が端末装置から要求情報を受信するときに、当該要求情報が含む識別情報によって識別されるエレベーター2について予め生成された応答情報を当該端末装置に送信してもよい。受信部23、生成部24、および送信部25は、例えばウェブサーバなどによって実現される。
【0037】
災害判定部26は、エレベーター2の運行に影響する災害の発生を判定する部分である。災害判定部26は、エレベーター2の運転への影響が広い地理的範囲に及ぶ事象を災害として発生を判定する。エレベーター2の運行への影響は、例えば地震感知器6などの安全装置の作動、またはエレベーター2の機器の故障もしくは不調などである。災害判定部26が発生を判定する災害は、例えば地震などの広域自然災害である。災害判定部26は、例えば外部の配信機関からの地震速報の受信などによって災害の発生を判定する。配信機関からの地震速報は、例えば日本気象庁からの緊急地震速報などである。災害判定部26は、例えば遠隔監視装置12を通じて地震感知器6の感知信号を取得する機能を搭載していてもよい。このとき、災害判定部26は、地震感知器6の感知信号に基づいて災害の発生を判定する。災害判定部26は、例えば災害が発生するときに利用者がエレベーター2の保守会社などに行う通報、または地震感知器6の作動による遠隔監視装置12からの通報などの受付状況の情報を取得する機能を搭載していてもよい。このとき、災害判定部26は、通報の受付状況の情報に基づいて災害の発生を判定する。例えば、災害判定部26は、予め設定された閾値より高い頻度で通報が受け付けられているときに、災害が発生したと判定してもよい。
【0038】
また、災害判定部26は、災害が発生している地域を特定する機能を搭載する。災害判定部26は、例えば地震速報に含まれる情報に基づいて災害が発生している地域を特定する。あるいは、災害判定部26は、感知信号を出力した地震感知器6を有するエレベーター2が設けられる位置を含む地域を、災害が発生している地域として特定してもよい。あるいは、災害の通報が発信地域の情報を含む場合に、災害判定部26は、通報の頻度が予め設定された閾値を超える地域を、災害が発生している地域として特定してもよい。
【0039】
また、災害判定部26は、災害の発生を判定した後に、災害が発生している地域を絞り込んでもよい。例えば、災害判定部26は、災害の発生時において、地域を特定せずに災害の発生を判定する。その後、いずれかの地域において通報の頻度が予め設定された閾値を超える場合に、災害が発生している地域を当該地域に絞り込んでもよい。
【0040】
なお、災害判定部26は、休止情報提供システム19の外部システムによる災害発生の判定を参照することで、災害の発生を判定してもよい。災害判定部26は、例えばエレベーター2の保守会社のウェブサイトなどにおいて災害窓口が立ち上がったかを参照することで、災害の発生を判定してもよい。
【0041】
通知部27は、端末装置から要求情報を受信していないときに、端末装置への通知を行う部分である。通知部27による通知は、例えば電子メールの送信、またはプッシュ通知の配信などである。通知部27は、収集部22がいずれかの情報源から休止情報を新たに収集するときに、休止情報が更新されたことを端末装置に通知する。
【0042】
設定記憶部28は、情報を記憶する部分である。設定記憶部28は、例えば表示形式設定を記憶する。表示形式設定は、例えばエレベーター2の管理者などによってエレベーター2ごとに予め設定される。表示形式設定は、併設される複数のエレベーター2において共有されていてもよい。表示形式設定は、例えば休止時間の表示形式の設定である。表示形式設定は、例えば休止時間の開始予定時刻および終了予定時刻の表示の有無、ならびに時間の表示の詳細さなどの情報を含む。時間の表示の詳細さは、例えば「日付および時刻を表示する」、「日付および午前または午後を表示する」、「日付および開始時刻から終了時刻までの時間を表示する」、または「日付を表示して時刻を表示しない」などの項目から選択される。例えば、休止時間が開始予定時刻「2020年10月01日 10:00」から終了予定時刻「2020年10月01日 12:00」までの期間である場合に、表示形式設定に従った表示は、「2020年10月1日 10:00開始-12:00終了」、「2020年10月1日 AM」、「2020年10月1日 2時間後に終了」、「2020年10月1日 10:00開始」、または「2020年10月1日」などである。
【0043】
ここで、エレベーター2の管理者は、例えば監視サーバ13が提供するウェブサービスにアクセスする監視端末14を通じて、設定記憶部28に表示形式設定を入力してもよい。あるいは、表示形式設定は、例えばエレベーター2の保守会社などによってエレベーター2ごとに予め入力されていてもよい。
【0044】
続いて、図2を用いてタグ20の配置の例を説明する。
図2は、実施の形態1に係るタグ20の配置の例を示す図である。
【0045】
この例において、A号機、B号機、C号機、およびD号機の4台のエレベーター2が建物であるXビルY号館に併設されている。A号機、B号機、およびC号機のエレベーター2は、図示されない群管理装置などによって運行が管理される同一のバンクに含まれる。A号機の乗場ドア4a、B号機の乗場ドア4b、およびC号機の乗場ドア4cは、乗場3において一列に並んで配置される。D号機の乗場ドア4dは、A号機、B号機、およびC号機のエレベーター2を含むバンクの乗場3から離れた位置に配置される。
【0046】
A号機、B号機、およびC号機の3台のエレベーター2は、2つの乗場操作盤5を共有する。一方の乗場操作盤5aは、A号機の乗場ドア4aおよびB号機の乗場ドア4bの間に配置される。他方の乗場操作盤5bは、B号機の乗場ドア4bおよびC号機の乗場ドア4cの間に配置される。D号機のエレベーター2の乗場操作盤5dは、D号機の乗場ドア4dに隣接して配置される。
【0047】
この例において、A号機の識別情報が付されたタグ20aは、A号機の乗場ドア4aおよびB号機の乗場ドア4bの間の乗場操作盤5aに隣接して配置される。B号機の識別情報が付されたタグ20bは、B号機の乗場ドア4bおよびC号機の乗場ドア4cの間の乗場操作盤5bに隣接して配置される。D号機の識別情報が付されたタグ20dは、D号機のエレベーター2の乗場操作盤5dに隣接して配置される。
【0048】
続いて、図3を用いて休止情報提供システム19の動作の例を説明する。
図3は、実施の形態1に係る休止情報提供システム19の動作の例を示すフローチャートである。
【0049】
休止情報提供システム19から情報の提供を受ける利用者は、例えば携帯端末18を所持してエレベーター2の乗場3に向かう。利用者は、例えばA号機、B号機、およびC号機のエレベーター2を含むバンクの乗場3に向かう。この例において、利用者は、例えば呼びの登録が行われないことなどによって、乗場3においてエレベーター2の休止に気づく。利用者は、携帯端末18を用いて、乗場3などにおけるいずれかのタグ20の符号化画像を撮影する。あるいは、例えばタグ20がNFCなどの無線通信によってアクセス情報を発信する場合に、利用者は、携帯端末18を乗場3などにおけるいずれかのタグ20にかざしてもよい。
【0050】
携帯端末18は、例えば撮影されたタグ20aからA号機のエレベーター2の識別情報を含むアクセス情報を読み取る。あるいは、例えばタグ20がNFCなどの無線通信によってアクセス情報を発信する場合に、携帯端末18は、無線通信によってタグ20からアクセス情報を読み取ってもよい。携帯端末18は、読み取ったアクセス情報に基づいて、A号機のエレベーター2の識別情報を含む要求情報を休止情報管理サーバ21に送信する。このとき、携帯端末18は、通知部27からの通知をあわせて休止情報管理サーバ21に要求してもよい。
【0051】
休止情報管理サーバ21は、例えば次のステップS1からステップS6までのように動作する。
【0052】
ステップS1において、休止情報管理サーバ21は、受信部23が携帯端末18から要求情報を受信したかを判定する。判定結果がYesの場合に、休止情報管理サーバ21の動作は、ステップS2に進む。判定結果がNoの場合に、休止情報管理サーバ21の動作は、再びステップS1に進む。
【0053】
ステップS2において、生成部24は、受信部23が受信した要求情報に含まれる識別情報に基づいて、当該識別情報によってエレベーター2を特定する。この例において、生成部24は、XビルY号館のA号機のエレベーター2を特定する。その後、休止情報管理サーバ21の動作は、ステップS3に進む。
【0054】
ステップS3において、生成部24は、特定されたエレベーター2が設けられる地域は、災害判定部26が災害の発生を判定している地域であるかを判定する。この例において、生成部24は、XビルY号館が設けられる地域は、災害発生部が災害の発生を判定している地域であるかを判定する。判定結果がYesの場合に、休止情報管理サーバ21の動作は、ステップS4に進む。判定結果がNoの場合に、休止情報管理サーバ21の動作は、ステップS5に進む。ここで、災害発生部が地域を特定せずに災害の発生を判定している場合に、生成部24は、災害判定部26が全地域において災害の発生を判定しているとしてもよい。すなわち、この場合に、生成部24の判定結果をYesとして、休止情報管理サーバ21の動作はステップS4に進んでもよい。
【0055】
ステップS4において、生成部24は、通報表示を生成する。通報表示は、応答情報に含まれる表示である。通報表示は、災害の発生の通報を行うための表示である。通報表示は、例えば災害の発生の通報を受け付ける窓口へのリンク情報を含む表示であってもよい。その後、休止情報管理サーバ21の動作は、ステップS5に進む。
【0056】
ステップS5において、生成部24は、応答情報を生成する。応答情報は、1つまたは複数の休止表示を含む。応答情報は、特定されたエレベーター2および当該エレベーター2に併設されるエレベーター2の休止表示を含む。休止表示は、休止の有無および休止する場合の理由を表す表示である。生成部24は、収集部22が収集した休止情報に基づいて、応答情報を生成する。生成部24は、特定されたエレベーター2および当該エレベーター2に併設される他のエレベーター2について収集部22が収集した休止情報を取得する。当該他のエレベーター2は、併設エレベーターの例である。なお、いずれのエレベーター2が併設されているかの情報は、例えば生成部24が予め記憶していてもよい。また、休止表示は、休止時間の情報を含んでいてもよい。休止表示における休止時間の表示は、表示形式設定に従って行われる。また、生成部24は、通報表示が生成された場合に、通報表示を含めて応答情報を生成する。その後、休止情報管理サーバ21の動作は、ステップS6に進む。
【0057】
ステップS6において、送信部25は、携帯端末18から受信した要求情報に対して生成された応答情報を、当該携帯端末18に送信する。その後、休止情報管理サーバ21の動作は、ステップS1に進む。
【0058】
休止情報管理サーバ21から応答情報を受信した携帯端末18は、当該応答情報の内容を表示する。
【0059】
利用者は、携帯端末18の表示に基づいて、現時点の予定を含むエレベーター2の現在の休止の状況を知ることができる。
【0060】
続いて、図4および図5を用いて応答情報による携帯端末18の表示の例を説明する。
図4および図5は、実施の形態1に係る休止情報提供システム19における応答情報による表示の例を示す図である。
【0061】
図4は、XビルY号館を含む地域において災害が発生していると災害判定部26が特定していない場合の携帯端末18の表示の例である。
【0062】
応答情報による携帯端末18の表示は、建物表示29と、エレベーター2ごとの休止表示30と、コンテンツ表示31と、を含む。
【0063】
建物表示29は、特定されたエレベーター2が設けられる建物を示す表示である。この例において、建物表示29として建物名「XビルY号館」が表示される。
【0064】
休止表示30は、A号機、B号機、C号機、およびD号機のエレベーター2についての情報を表す表示である。
【0065】
この例において、A号機のエレベーター2は、遠隔監視システム10における指定によって休止している。このとき、収集部22は、A号機のエレベーター2の休止情報を監視サーバ13から収集している。休止表示30は、A号機のエレベーター2が休止していることを表す。また、休止表示30は、休止の理由として「運用による休止」を含む。休止表示30は、休止の開始予定時刻および終了予定時刻の情報を含む。休止表示30における時刻の表示は、表示形式設定に従っている。なお、指定された開始予定時刻の前に生成部24が応答情報を生成する場合に、生成部24は、例えば休止表示30を「運用によって休止予定です」などのように休止の予定として生成してもよい。
【0066】
この例において、B号機のエレベーター2は、休止していない。このとき、収集部22は、いずれの情報源からもB号機のエレベーター2の休止情報を収集していない。休止表示30は、B号機のエレベーター2が休止していないことを表す。
【0067】
この例において、C号機のエレベーター2は、故障によって休止している。このとき、収集部22は、C号機のエレベーター2の休止情報を遠隔監視装置12から収集している。休止表示30は、C号機のエレベーター2が休止していることを表す。また、休止表示30は、休止の理由として「故障のため休止」を含む。また、休止表示30は、エレベーター2の休止への対応の有無を含んでもよい。例えば、保守会社による対応が既に行われている場合に、休止表示30は休止への対応済みを表す「保守会社にて対応中です」などを含む。また、休止表示30は、エレベーター2の保守会社などへの遠隔監視装置12などからの通報の有無を含んでもよい。例えば、保守会社への通報が既に行われており、かつ、保守会社による対応がまだ行われていない場合に、休止表示30は休止への通報済みを表す「保守会社に通報済みです」などを含む。
【0068】
この例において、D号機のエレベーター2は、保守作業によって休止している。このとき、収集部22は、D号機のエレベーター2の休止情報を作業管理サーバ16から収集している。休止表示30は、D号機のエレベーター2が休止していることを表す。また、休止表示30は、休止の理由として「保守作業による休止」を含む。なお、作業予定の開始予定時刻の前に生成部24が応答情報を生成する場合に、生成部24は、例えば休止表示30を「保守作業によって休止予定です」などのように休止の予定として生成してもよい。このとき、休止表示30は、休止の開始予定時刻および終了予定時刻の情報を含む。また、保守作業が既に開始している場合に、休止表示30は、休止の開始予定時刻を含まずに休止の終了予定時刻の情報を含んでもよい。
【0069】
コンテンツ表示31は、識別情報によって識別されるエレベーター2が設けられた地域についてのコンテンツ情報を表す表示である。この例において、XビルY号館が設けられた地域についてのコンテンツ情報が表示される。コンテンツ情報は、例えば当該地域および隣接地域の天気予報、交通情報、およびローカルニュースなどの情報である。
【0070】
図5は、XビルY号館を含む地域において災害が発生していると災害判定部26を特定した場合の携帯端末18の表示の例である。
【0071】
応答情報による携帯端末18の表示は、建物表示29と、通報表示32と、エレベーター2ごとの休止表示30と、コンテンツ表示31と、を含む。
【0072】
通報表示32は、災害の発生の通報を受け付ける窓口へのリンク情報を含む、例えばボタンなどのインターフェースである。通報表示32において通報が行われるときに、携帯端末18は、併設されている複数のエレベーター2のうちいずれのエレベーター2についての通報であるかの選択肢を表示してもよい。このとき、表示される選択肢は、いずれのエレベーター2か不明である情報を含んでもよい。
【0073】
この例において、A号機のエレベーター2は、休止していない。このとき、収集部22は、いずれの情報源からもA号機のエレベーター2の休止情報を収集していない。休止表示30は、A号機のエレベーター2が休止していないことを表す。
【0074】
この例において、B号機のエレベーター2は、地震感知器6の作動によって自動診断運転を行っている。このとき、収集部22は、B号機のエレベーター2の休止情報を遠隔監視装置12から収集している。休止表示30は、B号機のエレベーター2が休止していることを表す。また、休止表示30は、休止の理由として「地震のため休止」を含む。また、休止表示30は、エレベーター2における自動診断運転の実施の有無を含んでもよい。例えば、B号機が自動診断運転を実施している場合に、休止表示30は自動診断運転の実施中を表す「自動診断運転中です」などを含む。
【0075】
この例において、C号機のエレベーター2は、自動診断運転において異常が発見されたため休止している。このとき、収集部22は、C号機のエレベーター2の休止情報を遠隔監視装置12から収集している。休止表示30は、C号機のエレベーター2が休止していることを表す。また、休止表示30は、休止の理由として「故障のため休止」を含む。
【0076】
この例において、D号機のエレベーター2は、B号機のエレベーター2と同様に自動診断運転を行っている。自動診断運転において異常が発見されずに復旧する時に、休止表示30は、D号機のエレベーター2が休止していないことを表してもよい。
【0077】
なお、要求情報を送信して応答情報を受信する端末装置は、スマートフォンなどの携帯端末18でなくてもよい。端末装置は、例えばパーソナルコンピュータなどの情報処理装置であってもよい。このとき、要求情報に含まれる識別情報は、利用者によって例えば文字情報として入力されてもよい。
【0078】
また、休止情報管理サーバ21は、応答情報に含まれる情報と同様の情報をエレベーター2の表示部に表示させる機能を搭載していてもよい。休止情報管理サーバ21は、たとえば予め設定された周期で表示部に表示させる情報を配信する。表示部は、例えば乗場操作盤5に設けられる表示パネル9などである。あるいは、表示部は、かごに設けられるかご操作盤などの表示パネルであってもよい。
【0079】
以上に説明したように、実施の形態1に係る休止情報提供システム19は、収集部22と、受信部23と、生成部24と、送信部25と、を備える。収集部22は、エレベーター2の休止情報を複数の情報源の少なくともいずれかから収集する。受信部23は、エレベーター2の識別情報を含む要求情報を携帯端末18から受信する。生成部24は、受信部23が要求情報を携帯端末18から受信したときに、休止表示30を含む応答情報を当該要求情報に対して生成する。応答情報は、当該要求情報が含む識別情報によって識別されるエレベーター2について、収集部22が予め収集した休止情報に基づいて生成される。休止表示30は、エレベーター2の休止の有無および休止する場合の休止の理由を表す。送信部25は、携帯端末18からの要求情報に対して応答情報を生成部24が生成したときに、生成された応答情報を当該携帯端末18に送信する。
また、実施の形態1に係る休止情報提供システム19において、生成部24は、収集部22が収集した休止情報に基づいて、エレベーター2について応答情報を予め生成してもよい。送信部25は、受信部23が要求情報を携帯端末18から受信したときに、識別情報によって識別されるエレベーター2について生成部24が生成した応答情報を、当該携帯端末18に送信する。
【0080】
このような構成により、休止情報提供システム19において、携帯端末18から要求情報が受信されるときに応答情報が生成され、応答情報が生成されるときに当該携帯端末18に応答情報が送信される。あるいは、携帯端末18から要求情報が受信されるときに、現時点において収集部22が収集している休止情報に基づいて生成される応答情報が当該携帯端末18に送信される。このように、要求情報の受信をトリガとして応答情報が送信されるので、現時点の予定などのエレベーター2の現在の休止の状況の情報が利用者に提供される。また、応答情報は、休止表示30を含む。休止表示30は休止の有無および休止の理由を表すので、利用者は、現時点において休止しているエレベーター2の休止の理由などをその場で知ることができる。このため、エレベーター2を利用する利用者の利便性が向上する。また、休止の理由がその場でわかるので、利用者は、通報などの対応の要否など判断材料を得ることができる。例えば、休止表示30が計画された休止を表す場合に、利用者は、エレベーター2の休止の通報の必要がないことがわかる。これにより、利用者からの無用な通報が抑えられる。また、計画された休止の場合に、休止の理由を示す張り紙または札などを保守員または管理者が現地に掲げる必要がない。これにより、エレベーター2の管理および保守がしやすくなる。
【0081】
また、休止情報提供システム19は、災害判定部26を備える。災害判定部26は、エレベーター2の運行に影響する災害の発生を判定する。生成部24は、災害判定部26が災害の発生を判定するときに、災害の通報を行うための通報表示32を要求情報に対して生成する応答情報に含める。
【0082】
このような構成により、通報表示32による速やかな通報が可能になる。エレベーター2の保守会社などにおいてエレベーター2の状況を早期に把握できるようになるため、エレベーター2の復旧が効率的になる。
【0083】
また、災害判定部26は、災害が発生している地域を特定する。生成部24は、識別情報によって識別されるエレベーター2が設けられた地域において災害判定部26が災害の発生を判定するときに、当該エレベーター2について生成する応答情報に通報表示32を含める。一方、この例において、生成部24は、識別情報によって識別されるエレベーター2が設けられた地域において災害判定部26が災害の発生を判定しないときに、要求情報に対して生成する応答情報に通報表示32を含めない。
【0084】
このような構成により、災害が発生したと特定されていない地域に設けられたエレベーター2について、通報表示32が表示されない。このため、通報の誤報が抑えられる。これにより、エレベーター2の復旧が効率的になる。
【0085】
また、災害判定部26は、災害の通報の受付状況の情報を取得する。災害判定部26は、受付状況に基づいて災害が発生している地域を災害の発生を判定した後に絞り込む。受信部23が要求情報を受信したときに、識別情報によって識別されるエレベーター2が設けられた地域において災害判定部26が災害の発生を判定していることがある。この場合に、生成部24は、当該エレベーター2について生成する応答情報に通報表示32を含める。一方、受信部23が要求情報を受信したときに、識別情報によって識別されるエレベーター2が設けられた地域において災害判定部26が災害の発生を判定していないことがある。この例において、この場合に、生成部24は、要求情報に対して生成する応答情報に通報表示32を含めない。
【0086】
このような構成により、災害の発生当初は広い範囲の地域のエレベーター2について通報表示32が提供されるので、発生した災害による通報の漏れを抑えることができる。また、エレベーター2について通報表示32が提供される地域が通報の受付状況に基づいて絞り込まれるので、通報の誤報が抑えられる。これにより、エレベーター2の復旧が効率的になる。
【0087】
また、生成部24は、要求情報の識別情報によって識別されるエレベーター2について生成する応答情報に、当該エレベーター2に併設された他のエレベーター2についての休止表示30を含める。
【0088】
このような構成により、例えば乗場3のタグ20を携帯端末18で読み取って要求情報を送信する場合に、利用者は、併設されているどのエレベーター2にどのタグ20が対応するのかを判断する必要がない。また、例えば同一のバンクに含まれるように併設されたエレベーター2について、利用者は、当該バンクにおいて休止していないエレベーター2があるかなどのバンク全体についての情報を必要とすることがある。このような場合に、併設されたエレベーター2の情報が一括で提供されるので、利用者の利便性が向上する。
【0089】
また、収集部22は、計画された休止の休止情報を提供する情報源から、休止時間の情報を休止情報として収集する。生成部24は、エレベーター2について生成する応答情報に休止表示30として休止時間の情報を含める。
また、収集部22は、休止時間の情報として休止開始時刻を含む情報を収集する。生成部24は、エレベーター2について生成する応答情報に休止表示30として休止開始時刻の情報を含める。
また、収集部22は、休止時間の情報として休止終了時刻を含む情報を収集する。生成部24は、エレベーター2について生成する応答情報に休止表示30として休止終了時刻の情報を含める。
【0090】
このような構成により、エレベーター2が利用できる時間が休止表示30によって把握されるので、利用者の利便性が向上する。
【0091】
また、休止情報提供システム19は、設定記憶部28を備える。設定記憶部28は、予め設定される表示形式設定を記憶する。生成部24は、表示形式設定に従った表示による休止時間の情報を、エレベーター2について生成する応答情報に休止表示30として含める。
【0092】
このような構成により、エレベーター2の管理者などの管理実態にあった形式で休止時間の情報が表示される。例えば、表示される情報の詳細さを低くすることで、休止表示30を見やすく表示できるようになる。あるいは、表示される情報の詳細さを高くすることで、休止表示30から得られる情報を多くすることができる。これにより、利用者の利便性が向上する。
【0093】
また、収集部22が休止情報を収集した情報源は、計画外の休止情報を提供する情報源である場合がある。この場合に、生成部24は、休止への対応の有無の情報を、エレベーター2について生成する応答情報に休止表示30として含める。
【0094】
このような構成により、利用者は、通報の要否などを判断できるようになる。このため、利用者からの無用な通報が抑えられる。これにより、重複した通報が行われることなどによる通信容量のひっ迫が抑えられる。また、利用者は、休止に対応しているかを休止表示30によって確認できるので、利用者の安心感が向上する。
【0095】
また、収集部22が休止情報を収集した情報源は、地震による休止情報を提供する情報源である場合がある。この場合に、生成部24は、自動診断運転の実施の有無の情報を、エレベーター2について生成する応答情報に休止表示30として含める。
【0096】
このような構成により、自動診断運転が行われていることによって、利用者は、異常が検出されなければエレベーター2の運転の再開が見込めると判断できるようになる。これにより、利用者の利便性が向上する。
【0097】
また、生成部24は、識別情報によって識別されるエレベーター2が設けられた地域についてのコンテンツ情報を、当該エレベーター2について生成する応答情報に含める。
【0098】
このような構成により、利用者がエレベーター2の遠隔地から携帯端末18などによって要求情報を送信した場合に、利用者は、当該エレベーター2が設けられる地域の情報を得ることができる。利用者が休止情報の提供を受けるエレベーター2は、これから利用者が利用するエレベーター2であることが多い。このため、当該エレベーター2は、利用者の目的地にあることが多い。この場合に、利用者は、エレベーター2の休止情報とともに目的地の情報を得ることができる。これにより、利用者の利便性が向上する。
【0099】
また、休止情報提供システム19は、通知部27を備える。通知部27は、収集部22が複数の情報源のいずれかから休止情報を新たに収集するときに、休止情報が更新されたことを携帯端末18に通知する。
【0100】
このような構成により、利用者は、休止情報が更新されるときに通知を受ける。このため、利用者は、能動的に休止情報管理サーバ21などにアクセスしなくてもよい。また、利用者は、頻繁に休止情報管理サーバ21などにアクセスしなくてもよい。これにより、利用者の利便性が向上する。
【0101】
続いて、図6を用いて、エレベーターシステム1のハードウェア構成の例について説明する。
図6は、実施の形態1に係るエレベーターシステム1の主要部のハードウェア構成図である。
【0102】
休止情報提供システム19の各機能などのエレベーターシステム1の各機能は、処理回路により実現し得る。処理回路は、少なくとも1つのプロセッサ100aと少なくとも1つのメモリ100bとを備える。処理回路は、プロセッサ100aおよびメモリ100bと共に、あるいはそれらの代用として、少なくとも1つの専用ハードウェア200を備えてもよい。
【0103】
処理回路がプロセッサ100aとメモリ100bとを備える場合、エレベーターシステム1の各機能は、ソフトウェア、ファームウェア、またはソフトウェアとファームウェアとの組み合わせで実現される。ソフトウェアおよびファームウェアの少なくとも一方は、プログラムとして記述される。そのプログラムはメモリ100bに格納される。プロセッサ100aは、メモリ100bに記憶されたプログラムを読み出して実行することにより、エレベーターシステム1の各機能を実現する。
【0104】
プロセッサ100aは、CPU(Central Processing Unit)、処理装置、演算装置、マイクロプロセッサ、マイクロコンピュータ、DSPともいう。メモリ100bは、例えば、RAM、ROM、フラッシュメモリ、EPROM、EEPROMなどの、不揮発性または揮発性の半導体メモリなどにより構成される。
【0105】
処理回路が専用ハードウェア200を備える場合、処理回路は、例えば、単一回路、複合回路、プログラム化したプロセッサ、並列プログラム化したプロセッサ、ASIC、FPGA、またはこれらの組み合わせで実現される。
【0106】
エレベーターシステム1の各機能は、それぞれ処理回路で実現することができる。あるいは、エレベーターシステム1の各機能は、まとめて処理回路で実現することもできる。エレベーターシステム1の各機能について、一部を専用ハードウェア200で実現し、他部をソフトウェアまたはファームウェアで実現してもよい。このように、処理回路は、専用ハードウェア200、ソフトウェア、ファームウェア、またはこれらの組み合わせでエレベーターシステム1の各機能を実現する。
【産業上の利用可能性】
【0107】
本開示に係る休止情報提供システムは、エレベーターに適用できる。
【符号の説明】
【0108】
1 エレベーターシステム、 2 エレベーター、 3 乗場、 4、4a、4b、4c、4d 乗場ドア、 5、5a、5b、5d 乗場操作盤、 6 地震感知器、 7 制御盤、 8 操作ボタン、 9 表示パネル、 10 遠隔監視システム、 11 通信網、 12 遠隔監視装置、 13 監視サーバ、 14 監視端末、 15 作業管理システム、 16 作業管理サーバ、 17 保守端末、 18 携帯端末、 19 休止情報提供システム、 20、20a、20b、20d タグ、 21 休止情報管理サーバ、 22 収集部、 23 受信部、 24 生成部、 25 送信部、 26 災害判定部、 27 通知部、 28 設定記憶部、 29 建物表示、 30 休止表示、 31 コンテンツ表示、 32 通報表示、 100a プロセッサ、 100b メモリ、 200 専用ハードウェア
図1
図2
図3
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図5
図6