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  • 特許-留め具付本体及びその留め具 図1
  • 特許-留め具付本体及びその留め具 図2
  • 特許-留め具付本体及びその留め具 図3
  • 特許-留め具付本体及びその留め具 図4
  • 特許-留め具付本体及びその留め具 図5
  • 特許-留め具付本体及びその留め具 図6
  • 特許-留め具付本体及びその留め具 図7
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-02-13
(45)【発行日】2023-02-21
(54)【発明の名称】留め具付本体及びその留め具
(51)【国際特許分類】
   B42D 3/10 20060101AFI20230214BHJP
   B42F 7/00 20060101ALI20230214BHJP
   B42D 3/04 20060101ALI20230214BHJP
   B42F 7/04 20060101ALI20230214BHJP
【FI】
B42D3/10
B42F7/00 K
B42D3/04 B
B42F7/04
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2018231729
(22)【出願日】2018-12-11
(65)【公開番号】P2020093436
(43)【公開日】2020-06-18
【審査請求日】2021-11-29
(73)【特許権者】
【識別番号】511256370
【氏名又は名称】株式会社MARIO DEL MARE
(74)【代理人】
【識別番号】100137338
【弁理士】
【氏名又は名称】辻田 朋子
(72)【発明者】
【氏名】下平 万里夫
【審査官】稲荷 宗良
(56)【参考文献】
【文献】実開昭49-116216(JP,U)
【文献】実開昭54-086241(JP,U)
【文献】特開2003-326881(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B42D 3/10
B42F 7/00
B42D 3/04
B42F 7/04
B42D 9/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
表紙と、裏表紙と、前記表紙と前記裏表紙とを接続する背部と、前記背部に相対する小口部と、を有し、前記表紙と前記裏表紙の間に用紙が配置される本体と、
前記小口部側に設けられ、前記表紙から前記裏表紙までを挟む留め具と、を備え、
前記本体は、可撓性を有する材料で形成されることで、前記表紙及び前記裏表紙の間に前記用紙を配置した状態で、前記背部が奥行方向に延びる側面視において、全体を山なりに屈曲可能に構成され、
前記留め具は、前記表紙に当接される表当接部と、前記裏表紙に当接される裏当接部と、を有し、前記表紙又は前記裏表紙の何れか一方に固定され、
前記表当接部と前記裏当接部の間には、前記本体を挿入可能な間隙が設けられ、
前記本体を、前記表当接部又は前記裏当接部の内、前記本体に固定されていない当接部側に屈曲させることで、この当接部から、この当接部に当接する前記表紙又は前記裏表紙が外れるように構成されている、留め具付本体。
【請求項2】
前記表当接部又は前記裏当接部の何れか一方の先端側には、先端に向かうに伴って、前記表紙又は前記裏表紙から離間するように傾斜する立ち上がりが形成されている、請求項1に記載の留め具付本体。
【請求項3】
前記留め具は、前記表当接部と前記裏当接部を接続する接続部を有し、
前記接続部は、前記本体に近接配置されている、請求項1又は2に記載の留め具付本体。
【請求項4】
記背部には、前記用紙を挟持可能な用紙挟みが設けられている、請求項1~3の何れかに記載の留め具付本体。
【請求項5】
前記用紙挟みは、前記用紙に当接される用紙当接部と、前記背部に固定される固定部と、を有し、
前記背部には、前記固定部が挿通されることで前記用紙挟みを固定可能な貫通孔である、用紙挟み用孔が形成され、
前記固定部は、屈曲部を有し、
前記屈曲部は、前記用紙挟み用孔を介して前記背部の外周面に配置され、外方に向かって、くの字状に曲げられている、請求項4に記載の留め具付本体。
【請求項6】
記留め具は、前記小口部の中心位置に配置されている、請求項3又は4に記載の留め具付本体。
【請求項7】
前記用紙は、A4サイズである、請求項1~請求項6の何れかに記載の留め具付本体。
【請求項8】
請求項1~3の何れかに記載の留め具付き本体の留め具であって、
前記表当接部又は前記裏当接部には、前記本体に固定可能な固定手段が設けられている留め具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、留め具付本体及びその留め具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
書籍やノート等の本状物(以下、本体という)を携帯する際には、表紙と裏表紙が開いてしまい、中の用紙が捩れて折れ曲がったり、用紙が捲れて損傷したりすることがある。
【0003】
従来、このような意図しない本開きを抑制する技術が種々提案されている。例えば、特許文献1には、表紙と裏表紙を係止する係止用ベルトを設けることで本開きを抑制する技術が記載されている。また、特許文献2には、本体に輪状部を装着することで本開きを抑制することが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2000-351287号公報
【文献】特開2002-104492号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、本開きを抑制可能な留め具付き本体及びその留め具を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するため、本発明に係る留め具付本体は、表紙と裏表紙の間に用紙が配置される本体と、前記表紙から前記裏表紙までを挟む留め具と、を備え、前記本体は、屈曲可能であり、前記留め具は、前記表紙又は前記裏表紙の何れか一方に固定されている。
【0007】
このように、屈曲可能な本体と、この本体の表紙又は裏表紙に固定された留め具と、を有することにより、本体を屈曲させるだけで、留め具に本体を挟み込み、本体の本開きを抑制することできる。
【0008】
この態様において、前記留め具は、前記表紙に当接される表当接部と、前記裏表紙に当接される裏当接部と、を有し、前記表当接部と前記裏当接部の間には、前記本体を挿入可能な間隙が設けられている。
【0009】
この態様において、前記留め具は、前記表当接部と前記裏当接部を接続する接続部を有し、前記接続部は、前記本体に近接配置されている。
このように、接続部を本体に近接配置することにより、留め具が出っ張ることを抑制して、本体の元の外寸を保ったまま、本体の本開きを抑制することができる。
【0010】
この態様において、前記本体は、前記表紙と前記裏表紙を接続する背部を有し、前記背部には、前記用紙を挟持可能な用紙挟みが設けられている。
このように、用紙挟みが設けられていることにより、使用者の意向に応じて、用紙の追加・削除・交換・ページ変更を容易に行うことができる。
【0011】
この態様において、前記本体は、前記背部に相対する小口部を有し、前記留め具は、前記小口部の中心位置に配置されている。
【0012】
この態様において、前記用紙は、A4サイズである。
このように、A4サイズの用紙を使用可能に構成されているため、容易に用紙を入手することが可能である。
【0013】
また、本発明は、上述した留め具付本体の留め具にも関する。
すなわち、本発明の一態様の留め具は、前記表当接部又は前記裏当接部には、前記本体に固定可能な固定手段が設けられている。
【発明の効果】
【0014】
開示した技術によれば、本開きを抑制可能な留め具付き本体及びその留め具を提供することができる。
【0015】
他の課題、特徴及び利点は、図面及び特許請求の範囲とともに取り上げられる際に、以下に記載される発明を実施するための形態を読むことにより明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】実施形態1に係る留め具付本体の説明図である。
図2】実施形態1に係る留め具付本体の説明図である。
図3】実施形態1に係る留め具付本体の外観図である。
図4】実施形態1に係る留め具付本体の外観図である。
図5】実施形態1に係る留め具付本体の使用方法を説明する説明図である。
図6】実施形態1に係る留め具付本体の使用方法を説明する説明図である。
図7】実施形態2に係る留め具付本体の使用方法を説明する説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明を、図面に示した好ましい実施形態1及び実施形態2について、図1図7を用いて詳細に説明する。本発明の技術的範囲は、添付図面に示した実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された範囲内において、適宜変更が可能である。
【0018】
<実施形態1>
本発明の実施形態1に係る留め具付本体は、図1ないし図4に示したように、表紙11と裏表紙12の間に用紙Sが配置される本体10と、表紙11から裏表紙12までを挟む留め具20と、用紙Sを挟持可能な用紙挟み30と、留め具20及び用紙挟み30を固定可能な貫通孔15と、を備えている。
【0019】
図1は、A4サイズの用紙Sを四つ折りにし、用紙挟み30に用紙Sを挟み込む状態を示す説明図である。図2は、四つ折りにした用紙Sを用紙挟み30に挟んだ状態を示す説明図である。図3は、本実施形態に係る留め具付本体を外側から観察した際の外観図である。図4は、本実施形態に係る留め具付本体を内側から観察した際の外観図である。
【0020】
本体10は、可撓性を有する材料で形成されており、本体10に力を加えることで屈曲可能なよう構成されている(図5及び図6参照)。この材料としては、屈曲可能な材料であれば当然に採用することができ、例えば、屈曲可能な革や紙、柔らかいプラスチックやアルミ等の薄い金属を例示することができる。
【0021】
本体10は、表紙11と裏表紙12を接続する背部13と、この背部13に相対する小口部14と、を有している。すなわち、この本体10は、この表紙11と裏表紙12の間に用紙Sが配置された書籍やノート等の本状物である。
【0022】
なお、本体10の縁部には、留め具20が固定可能な貫通孔15である留め具用孔151が形成されており、本体10の背部13には、用紙挟み30が固定可能な貫通孔15である用紙挟み用孔152が形成されている。また、本実施形態においては、貫通孔15を用いて留め具20及び用紙挟み30を固定する形態を示しているが、接着剤や粘着テープ等、本体10に固定可能な手段であれば当然に採用することができる。
【0023】
また、表紙11及び裏表紙12のサイズはA7~A5であることが望ましい。このようなサイズに設定することにより、A4サイズの用紙Sを八つ折りや四つ折り、二つ折りにして使用することができる。なお、本実施形態においては、A判を採用した例を示したが、B判を採用することも当然に可能である。
【0024】
留め具20は、表紙11に当接される表当接部21と、裏表紙12に当接される裏当接部22と、この表当接部21と裏当接部22とを接続する接続部23を有しており、表当接部21と裏当接部22の間には、本体10を挿入可能な間隙が設けられている。この間隙の大きさは、本体10の厚さによって、最適な大きさを適宜採用することができる。
【0025】
表当接部21は、先端側に立ち上がり211が形成されており、間隙に表紙11及び用紙Sを挟む際に、容易に挟み込むことが出来るよう構成されている。
なお、図1ないし図6に示すように、留め具20が裏表紙12に固定される場合には、立ち上がり211が表当接部21に設けられる。この場合には、裏当接部22が留め具用孔151に固定される固定箇所となる。一方で、留め具20が表紙11に固定される場合には、立ち上がり211が裏当接部22に設けられる。
【0026】
また、この留め具20は、接続部23が本体10(小口部14)に近接配置されていることが望ましい。このように、接続部23を小口部14に近接されるように留め具20を固定することで、留め具20が出っ張ることを抑制して、本体10の元の外寸を保ったまま、本開きを抑制することができる。
さらに、留め具20は、小口部14の中心位置に配置されていることが好ましい。このように、小口部14の中心位置に留め具20を配置することにより、小口部14の上下の距離を均等にして、本開きを抑制することができる。
【0027】
本実施形態においては、留め具20を鋼線で形成した例を示したが、留め具20として機能するものであれば当然に採用することができる。例えば、金属や樹脂をクリップ状にしたものを例示することができる。
【0028】
用紙挟み30は、用紙Sに当接される用紙当接部31と、背部13に固定される固定部32と、を有している。
【0029】
用紙当接部31は、背部13に沿って設けられており、先端側にはクリップ部311が設けられている。このクリップ部311は、背部13に近接されるように設けられ、クリップ部311と本体10の背部13とによって、用紙Sを挟むことが出来るよう構成されている。なお、用紙Sの厚さや枚数によって用紙当接部31が撓むことで、用紙Sを適切に保持することができる。
【0030】
固定部32は、背部13に設けられた用紙挟み用孔152に挿入されることで固定されており、くの字状に曲げられた屈曲部321と、ストレート部322と、ストレート部の先端に形成されるテーパー部323と、を有している。
【0031】
屈曲部321は、設けることにより、用紙挟み30が抜けてしまうことを抑制することができる。なお、本実施形態においては、屈曲部321を一つ設けた例を示したが抜け難くするため、複数の屈曲部321を形成しても良い。
【0032】
テーパー部323は、本体10側に向かって傾斜角が設けられており、用紙Sが挿入される際に、用紙Sが引っかからないよう構成されている。
【0033】
次に、図5及び図6を参照して、本発明に係る留め具付本体の使用方法について詳細に説明する。
【0034】
図5は、留め具20に本体10を挟んだ状態から、本体10を屈曲させて表紙11を留め具20から外す工程を説明する斜視図である。また、図6は、図5と同様の工程を説明する側面図である。
【0035】
図5(a)及び図6(a)では、留め具20に本体10を挟んだ状態の説明図である。図5(b)及び図6(b)は、本体10を屈曲させて、表紙11を留め具20から外している状態の説明図である。なお、図6は、表紙11及び裏表紙12の動きを説明するため、表紙11の動きを誇張して図示している。
【0036】
すなわち、本体10を屈曲させた際には、表紙11が本体10の厚み分だけ留め具20から遠ざかり、留め具20から表紙11が外れる。具体的には、表紙11を曲げた際と、裏表紙12を曲げた際では、表紙11は用紙S厚みの分だけ外側に位置しているため、裏表紙12が描く円弧に比べて表紙11が描く円弧は半径が短くなる。そのため、ちょうど自動車における内輪差のように、表紙11が裏表紙12よりも大回りすることとなり、留め具20にまで届かなくなる。
【0037】
このようにして、本体10を屈曲させることで、留め具20から表紙11を外したり、反対に留め具20に表紙11を挿入したりすることができる。
また、表紙11を広げた際には、留め具20を任意の用紙Sに挟んでも良い。すなわち、留め具20をしおりのように機能させることができる。
【0038】
本発明によれば、本体10が屈曲可能であり、留め具20を表紙11若しくは裏表紙12に固定することにより、本開きを抑制することができ、本体10を屈曲させるだけで容易に留め具20から表紙11(又は裏表紙12)を外すことができる。
【0039】
また、本実施形態によれば、用紙Sを挟む用紙挟み30を有することにより、使用者の意向に応じて、自由に用紙Sを追加・削除・交換・ページ変更を容易に行うことができる。
【0040】
<実施形態2>
以下、本発明の実施形態2に係る留め具付本体について、図7を参照して詳細に説明する。この実施形態2に係る留め具付本体は、先の実施形態1に係る留め具付本体とは異なる本体40及び留め具50を備える。
【0041】
本体40は、先の実施形態1に係る本体10と同様に、表紙11と、裏表紙42と、この表紙41及び裏表紙42を接続する背部43と、この背部43に相対する小口部44と、を有している。
【0042】
留め具50は、先の実施形態1に係る本体10と同様に、表紙41に当接される表当接部51と、裏表紙42に当接される裏当接部52と、この表当接部51と裏当接部52とを接続する接続部53を有しており、表当接部51と裏当接部52の間には、本体40を挿入可能な間隙が設けられている。また、表当接部51の先端側に立ち上がり511が形成されており、間隙に表紙41及び用紙Sを挟む際に、容易に挟み込むことが出来るよう構成されている。
【0043】
本実施形態における留め具50は、裏当接部52に固定手段が設けられており、本体40に固定可能に構成されている。この固定手段としては、慣用の手段を採用することができ、例えば、接着剤や両面テープ等を例示することができる。また、裏当接部52に替わり、表当接部51に固定手段を設けることも当然に可能である。
【0044】
本実施形態における留め具50によれば、表当接部51又は裏当接部52に、本体40に固定可能な固定手段が設けられている。これにより、既存の屈曲可能な本体40に、留め具50を取り付けるだけで、容易に本発明に係る留め具付き本体とすることができる。
【符号の説明】
【0045】
10,40 本体
11,41 表紙
12,42 裏表紙
13,43 背部
14,44 小口部
15 貫通孔
151 留め具用孔
152 用紙挟み用孔
20,50 留め具
21,51 表当接部
211,511 立ち上がり
22,52 裏当接部
23,53 接続部
30 用紙挟み
31 用紙当接部
311 クリップ部
32 固定部
321 屈曲部
322 ストレート部
323 テーパー部
S 用紙

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7