(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-02-13
(45)【発行日】2023-02-21
(54)【発明の名称】再閉鎖システム及びそのような再閉鎖システムの使用
(51)【国際特許分類】
A45F 3/18 20060101AFI20230214BHJP
B65D 51/24 20060101ALI20230214BHJP
B65D 47/06 20060101ALI20230214BHJP
B65D 1/02 20060101ALI20230214BHJP
A47J 41/00 20060101ALI20230214BHJP
【FI】
A45F3/18
B65D51/24 400
B65D47/06 110
B65D1/02 210
A47J41/00 304C
(21)【出願番号】P 2019568152
(86)(22)【出願日】2018-06-08
(86)【国際出願番号】 EP2018065157
(87)【国際公開番号】W WO2018228941
(87)【国際公開日】2018-12-20
【審査請求日】2021-05-28
(32)【優先日】2017-06-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】SE
(73)【特許権者】
【識別番号】519434983
【氏名又は名称】ノルディック-バトルランド アーベー
(74)【代理人】
【識別番号】110000578
【氏名又は名称】名古屋国際弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】フィンケルセン トリー
【審査官】伊藤 昭治
(56)【参考文献】
【文献】特開2002-120877(JP,A)
【文献】特開2014-125240(JP,A)
【文献】特表2017-505736(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A45F 3/18
A47J 41/00 - 41/02
B65D 1/02
B65D 47/06
B65D 51/24
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ボトル及び反転可能蓋を備える再閉鎖システムであって、
前記ボトル(100a~100e)は、軸方向に伸長するボトル首部(4a~4e)と、前記ボトル(100a~100e)の内部へのアクセスを提供する口部(6a~6e)とを備え、前記ボトル首部(4a~4e)は、
ねじ山の形態の第1係合手段(7a~7e)を備える周方向壁部分(5a~5e)を更に備え、
前記反転可能蓋(200a~200e)は前記ボトル首部(4a~4e)に取り外し可能に接続されるように構成され、
前記反転可能蓋(200a~200f)の第1側(21a~21e)は、
ねじ山の形態の第2係合手段(27a~27e)を備える襟部(23a~23e)を備え、前記第2係合手段(27a~27e)は、前記第2係合手段(27a~27e)
のねじ山が前記ボトル首部(4a~4e)の前記第1係合手段(7a~7e)
のねじ山に係合することによって、前記反転可能蓋(200a~200e)が前記ボトル首部(4a~4e)の前記口部(6a~6e)を密封するように閉鎖することを選択的に可能にするように構成され、
前記第1側(21a~21e)とは反対側の前記反転可能蓋(200a~200e)の第2側(22a~22e)は、前記ボトル首部(4a~4e)と選択的に係合するように構成される第3係合手段(30a~30e)を備え、それにより、
前記第3係合手段(30a~30e)が前記ボトル首部(4a~4e)に係合する状態において、通り抜け通気穴(8a~8e)が前記反転可能蓋(200a~200e)と前記ボトル首部(4a~4e)との間の接合部分内に画定され、前記通り抜け通気穴(8a~8e)が、前記ボトル(100a~100e)の内部と雰囲気との間の連通(A;B)を可能にする、再閉鎖システム。
【請求項2】
前記通り抜け通気穴(8a~8e)は前記ボトル首部(4c;4d)の自由上縁内の切り欠き部(13c;13d)であるか、又は、前記通り抜け通気穴(8a~8e)は前記ボトル首部(4a~4e)の前記周方向壁部分内に形成された穴である、請求項1に記載の再閉鎖システム。
【請求項3】
前記ボトル首部(4a~4e)は
周方向に延在する第1密封面(51a~51e)を備え、前記反転可能蓋(200a~200e)の前記襟部(23a~23e)は、相補的な周方向の第2密封面(35a~35e)を備え、前記第2密封面(35a~35e)は、前記反転可能蓋(200a~200e)が前記ボトル首部(4a~4e)に搭載され、前記第2係合手段(27a~27e)が前記第1係合手段(7a~7e)に係合する状態において、前記第1密封面と密封をなすように当接するように構成される、請求項1又は2に記載の再閉鎖システム。
【請求項4】
前記第3係合手段(30c~30e)は、前記ボトル首部(4c~4e)の前記周方向壁部分の内壁(14c~14e)に係合するように構成される、軸方向および周方向に延在する当接面(55c~55e)によって提供される、請求項1から3のいずれか一項に記載の再閉鎖システム。
【請求項5】
前記第3係合手段(30c~30e)は、前記ボトル首部(4c~4e)の前記周方向壁部分の内壁(14c~14e)に係合するように構成される、軸方向および周方向に延在する当接面(55c~55e)によって提供され、
周方向に延在する前記当接面(55c~55d)は、前記軸方向に見たとき、前記ボトル首部の前記自由上縁内の前記切り欠き部(13c,13d)の最大深さより低い高さを有し、それにより、前記第3係合手段が前記ボトル首部に係合する状態において、前記通り抜け通気穴を形成する実質的に半径方向に延在する通路Aが画定される、請求項
2に記載の再閉鎖システム。
【請求項6】
周方向に延在する前記当接面(55d~55e)は、不連続に周方向に伸長して、半径方向及び軸方向に延在する少なくとも1つの窪み(56d~56e)を形成し、少なくとも1つの前記窪み(56d~56e)は、前記第3係合手段が前記ボトル首部に係合する状態において、前記通り抜け通気穴を形成する実質的に半径方向及び軸方向に延在する通路(A,B)を画定する、請求項4
又は5に記載の再閉鎖システム。
【請求項7】
前記反転可能蓋(200a;200b)の前記第3係合手段(30a;30b)は、前記ボトル首部(4a;4b)の前記第1係合手段(7a;7b)と相補的であり、前記反転可能蓋(200a;200b)の前記第3係合手段(30a;30b)は、前記反転可能蓋(200a;200b)の前記襟部が前記ボトル首部(4a;4b)内の前記通り抜け通気穴(8a;8b)を閉鎖することなく、前記第1係合手段(7a;7b)と選択的に係合するように構成される、請求項2に記載の再閉鎖システム。
【請求項8】
前記第1及び第2係合手
段の間の有効係合領域は、前記ボトル首
部の軸方向の伸長に沿って見たとき、前記ボトル首
部と前記第3係合手
段との間の有効係合領域より大きい、請求項1から7のいずれか一項に記載の再閉鎖システム。
【請求項9】
前記第1係合手
段は、前記ボトル首
部の前記周方向壁部分の内側
部分上に配置され、かつ、前記第2係合手
段は、前記反転可能蓋(200a)の前記襟部(23a)の外側包囲面(26a)上に配置されるか、又は、前記第1係合手
段は、前記ボトル首
部の前記周方向壁部分の外側包囲面上に配置され、かつ、前記第2係合手
段は、前記襟部(23b~23e)の内側包囲面(25b~25e)上に配置される、請求項1から8のいずれか一項に記載の再閉鎖システム。
【請求項10】
食品、飲料、或いは、医療又は実験室での試験のために使用される再閉鎖可能ボトル(100a~100e)における、請求項1から9のいずれか一項に記載の再閉鎖システムの使用。
【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
[技術分野]
本発明は、ボトル及び反転可能蓋を備える再閉鎖システム及びそのような再閉鎖システムの使用に言及する。
[背景技術]
ボトルは、典型的には、プラスチック材料で作られ、容易な開口及び再充填を可能にするため、ねじ式キャップを備える。同じ原理は、ねじ式の蓋を使用する他のタイプのボトルに関しても知られている。
【0002】
ボトル及び蓋が使用と使用の間に洗浄されることが重要である。同様に、洗浄後に又は使用と使用の間にボトル内に付着する何らかの液体による悪い味及び匂いを回避するために、蓋を再搭載する前にボトルが適切に乾燥されることが重要である。乾燥中、例えば、水切り籠を空にするときに、蓋が移動して無くなってしまうことが容易に起こる。また、ボトルがスポーツボトルである場合、多くのスポーツボトルが同時に使用され、そのため、使用者は、どのキャップがどのボトルに一致するかを見出さなければならない。
【0003】
蓋がボトルに搭載された状態でボトルが格納されると、多くの場合、洗浄及び乾燥後に、悪臭が発生するというリスクもまた存在する。残留物または可塑剤がこれを引き起こす場合がある。
【0004】
これらの問題に対する最も一般的な解決策は、上記方法に代えて、ボトルと蓋とを別々の物として格納することである。しかしながら、これは、蓋を失うリスクを増加させる。蓋を失わないようにする1つの対策は、蓋を紐又はタン(舌)でボトルに接続することである。しかしながら、これは、開口した空のボトルの重心を変えるものであり、それにより、転倒の危険があり、他の空のボトルと共に、例えば食器棚に格納する場合には、ドミノ倒しを引き起こす。同様に、チームスポーツにおいてスポーツボトルを使用するときに一般的なように、ラック内に格納すると、そのような接続された蓋は、ラック内の利用可能な空間と干渉することになる。
【0005】
上記で述べた問題は、スポーツボトルに限定されるのではなく、一般に、保存ジャー、ランチボックス、及び一般的な容器などの他の種類の容器にも同様に当てはまる。その問題は、食品及び飲料用の容器についてだけでなく、医療用又は実験用容器などの他の用途のものについても当てはまる。
【0006】
そこで、ボトル及びその閉鎖手段を、使用中でないときに1つの単一ユニットとして扱うことを可能にする解決策が必要とされる。
[概要]
本発明の1つの目的は、ボトルが使用中でないときに蓋をボトルに接続することができ、しかもなおボトルの適切な乾燥及び通気を可能とする、ボトル及び蓋を備えるシステムを提供することである。
【0007】
本発明の別の目的は、ボトルが使用中でないときに、他の物と過度に干渉することなく、蓋をボトルに接続することができるシステムを提供することである。
【0008】
本発明の別の目的は、悪い匂い及び味の発生を防止し、それにより、ボトルの長期の有効寿命を示す衛生的なボトルを提供することである。
[発明の概要]
これらの及び他の目的は、ボトル及び反転可能蓋を備える再閉鎖システムによって解決され、ボトルは、軸方向に伸長するボトル首部及びボトルの内部へのアクセスを提供する口部を備え、上記ボトル首部は、第1係合手段を備える周方向壁部分を更に備え、反転可能蓋はボトル首部に取り外し可能に接続されるように構成され、反転可能蓋の第1側は、第2係合手段を備える襟部を備え、第2係合手段は、第2係合手段がボトル首部の第1係合手段に係合することによって、反転可能蓋がボトル首部の口部を密封するように閉鎖することを選択的に可能にするように構成され、第1側とは反対側の反転可能蓋の第2側は、ボトル首部に選択的に係合するように構成される第3係合手段を備え、それにより、第3係合手段がボトル首部に係合する状態において、通り抜け通気穴が反転可能蓋とボトル首部との間の接合部分内に画定され、上記通り抜け通気穴が、ボトルの内部と雰囲気との間の連通を可能にする。
【0009】
このタイプの再閉鎖システムによって、幾つかの利点が提供される。蓋が反転可能であるため、蓋は、蓋をひっくり返すことによって使用者の選択で2つの異なる方向でボトルに選択的に搭載され得る。通常動作中、蓋がボトルに搭載されると、蓋は口部を効果的に閉鎖することになる。ボトルが空でかつ使用中でないとき、使用者は、反転可能蓋をひっくり返し、蓋の第3係合手段をボトル首部に係合させることによって蓋をボトル首部に搭載し得る。この位置で、首部内の通り抜け通気穴は開口し、ボトルの内部が雰囲気と連通することを可能にする。それにより、使用後に又は洗浄後にボトル内に残る任意の流体又は残留物は、自由に蒸発することを許容されることになる。また、ボトルは完全に乾いているはずであるが、悪い匂い及び悪い味を引き起こす任意のガスが蒸発することを許容されることになる。悪い匂い及び悪い味は、残留物又は可塑剤によって引き起こされる場合がある。こうして、ボトルの有効寿命が延長される。更に別の利点として、蓋がボトルに取り付けられることになるため、ボトルの格納中に蓋を喪失するリスクが存在しない。また、第2の隣接するボトルに干渉する第1の空のボトルの蓋が、隣接するボトル又は物ともつれたり、それらを転倒させたりするリスクが存在しない。そうしたことは、幾つかの空のボトルを、食器棚内に、棚上に、又はラック内に格納するときにしばしば起こる。更に、時間のかかる、蓋とボトルとの組み合わせを行う必要がない。通り抜け通気穴は、実質的に半径方向に伸長するか、或いは実質的に半径方向及び/又は軸方向に伸長してもよい。伸長は、ボトル首部及び/又は蓋の設計の結果である。
【0010】
蓋の第3係合手段は、ボトル首部の第1係合手段と相補的であってもよく、蓋の第3係合手段は、通り抜け通気穴に干渉することなく、首部の第1係合手段と選択的に係合するように構成されてもよい。
【0011】
少なくとも第1係合手段及び第2係合手段はねじ山であってもよい。
【0012】
通り抜け通気穴はボトル首部の自由上縁内の切り欠き部であってもよく、又はそれに代えて、通り抜け通気穴はボトル首部の周方向壁部分内に形成された穴であってもよい。切り欠き部又は穴の幾何形状が残存機能によって異なる形状を有してもよいことが理解される。切り欠き部又は穴の数が残存機能によって変更してもよいことが同様に理解される。少なくとも1つの切り欠き部又は穴が設けられるべきである。ボトル首部の自由上縁の切り欠き部の場合、ボトル首部の自由上縁の少なくとも一部分が連続であることが好ましい。それにより、そのような連続した部分は、反転可能蓋の内壁部分に対する当接面を形成してもよい。
【0013】
ボトル首部は半径方向に延在する第1密封面を備えてもよく、反転可能蓋の襟部は、相補的な周方向の第2密封面を備えてもよく、第2密封面は、反転可能蓋がボトル首部に搭載され、第2係合手段が第1係合手段に係合する状態において、第1密封面と密封をなすように当接するように構成される。それにより、蓋とボトル首部との間の流体密封係合を提供してもよい。密封面及びそれらの位置の設計を残存機能によって変更してもよいことを当業者は理解するであろう。
【0014】
第3係合手段は、ボトル首部の周方向壁部分の内側部分に係合するように構成される、軸方向及び周方向に延在する当接面によって提供してもよい。当接面と内壁部分との間の係合は、摩擦のみによって提供されてもよい。表面のうちの1つの表面、好ましくは当接面が摩擦増大手段を備えてもよいことが理解される。
【0015】
周方向に延在する当接面は、不連続に周方向に伸長して、半径方向及び軸方向に延在する少なくとも1つの窪みを形成してもよく、上記少なくとも1つの窪みは、第3係合手段がボトル首部に係合する状態において、上記通り抜け通気穴を形成する実質的に半径方向及び軸方向に延在する通路を画定する。
【0016】
周方向に延在する当接面は、軸方向に見ると、ボトル首部の自由上縁内の切り欠き部の最大深さより低い高さを有してもよく、それにより、第3係合手段がボトル首部に係合する状態において、通り抜け通気穴を形成する実質的に半径方向に延在する通路が画定される。
【0017】
反転可能蓋の第3係合手段は、ボトル首部の第1係合手段と相補的であってもよく、反転可能蓋の第3係合手段は、反転可能蓋の襟部がボトル首部内の通り抜け通気穴を閉鎖しないように、第1係合手段と選択的に係合するように構成してもよい。
【0018】
第1及び第2係合手段の間の有効係合領域は、ボトル首部の軸方向の伸長に沿って見ると、ボトル首部と第3係合手段との間の有効係合領域より大きくてもよい。本発明の文脈において、用語「有効係合領域」は、係合部分の間の重なり合う表面領域として解釈される。例として、係合手段がねじ山である場合、有効係合領域はねじ山の数によって決定される。そのため、第1及び第2係合手段を形成するねじ山の数は第3係合手段のねじ山の数より多くてもよい。
【0019】
第1係合手段は、ボトル首部の周方向壁部分の内側包囲面上に配置してもよく、第2係合手段は、反転可能蓋の襟部の外側包囲面上に配置してもよい。あるいは、第1係合手段は、ボトル首部の周方向壁部分の外側包囲面上に配置してもよく、第2係合手段は、襟部の内側包囲面上に配置してもよい。
【0020】
第1係合手段は、ボトル首部の周方向壁部分の外側部分上に配置してもよく、又は、第1係合手段は、ボトル首部の周方向壁部分の内側部分上に配置してもよい。
【0021】
首部は、第4係合手段を更に備えてもよく、第4係合手段は、蓋の第3係合手段に選択的に係合するように構成してもよい。
【0022】
蓋の第3係合手段及び首部の第4係合手段は、共にバヨネット継手を形成する。バヨネット継手は単純なねじり動作によって容易に操作可能であり、それにより、蓋をボトルに取り付けられたままにすることができるという利点を提供する。
【0023】
蓋は、蓋の第1側から蓋の第2側に延在する通り抜け開口を提供するノズルを備えてもよい。ノズルは、例として、閉鎖位置と開放位置との間で軸方向に沿って閉鎖手段を移動させることによって、使用者の唇又は歯によって操作可能な再閉鎖可能ノズルであってもよい。ノズルは、例として、可撓性チューブであってもよい。更に別の例として、ノズルは、取り外し可能キャップを有する中空パイプであってもよい。多数のノズルが市場に存在し、本発明は、使用されるノズルのタイプに限定されるべきでない。
【0024】
一実施形態において、再閉鎖システムは、ボトル及び反転可能蓋を備えるものとして説明されてもよく、ボトルは、軸方向に伸長するボトル首部及びボトルの内部へのアクセスを提供する口部を備え、上記首部は、第1係合手段を備える周方向壁部分を備え、周方向壁部分は通り抜け通気穴を更に備える。反転可能蓋は首部に取り外し可能に接続されるように構成され、蓋の第1側は、第2係合手段を備える襟部を備え、第2係合手段は、襟部が首部の周方向壁部分内の通り抜け通気穴を閉鎖しながら、第2係合手段が首部の第1係合手段に係合することによって、蓋が首部の口部を密封するように閉鎖することを選択的に可能にするように構成される。第1側の反対側である蓋の第2側は、蓋が通り抜け通気穴を閉鎖することなく、ボトル首部に選択的に係合するように構成される第3係合手段を備える。
【0025】
別の態様によれば、本発明は、食品、飲料、或いは、医療又は実験室における試験のために使用される再閉鎖可能ボトルにおける、上述の特徴を有する再閉鎖システムの使用に言及する。
【0026】
本発明のさらなる目的及び利点は、異なる実施形態について記述する、以下の詳細な説明を読む当業者に明らかである。
【図面の簡単な説明】
【0027】
本発明は、概略的図面を参照して詳細に記述される。
【
図2】第1実施形態のボトルと共に使用されるように適合される蓋を開示する図である。
【
図3】その第1側を介してボトルに搭載された蓋を開示する図である。
【
図4】その第2側を介してボトルに搭載された蓋を開示する図である。
【
図6】第2実施形態のボトルと共に使用されるように適合される蓋を開示する図である。
【
図7】その第1側を介してボトルに搭載された蓋を開示する図である。
【
図8】その第2側を介してボトルに搭載された蓋を開示する図である。
【
図9a】再閉鎖システムの第3実施形態を開示する図である。
【
図9b】再閉鎖システムの第3実施形態を開示する図である。
【
図9c】再閉鎖システムの第3実施形態を開示する図である。
【
図9d】再閉鎖システムの第3実施形態を開示する図である。
【
図10a】再閉鎖システムの第4実施形態を開示する図である。
【
図10b】再閉鎖システムの第4実施形態を開示する図である。
【
図10c】再閉鎖システムの第4実施形態を開示する図である。
【
図10d】再閉鎖システムの第4実施形態を開示する図である。
【
図11a】再閉鎖システムの第5実施形態を開示する図である。
【
図11b】再閉鎖システムの第5実施形態を開示する図である。
【
図11c】再閉鎖システムの第5実施形態を開示する図である。
【
図11d】再閉鎖システムの第5実施形態を開示する図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
[発明の詳細な説明]
以下の説明において、第1実施形態によるボトル100a及び反転可能蓋200aを備える再閉鎖システムが開示される。非限定的な例として、ボトル100aは、ボトル、スポーツボトル、又は魔法瓶であってもよい。ボトル100aは、食品又は飲料に適用可能であるが、医療又は実験室での試験において使用されるボトルなど、他の目的にも同様に適用可能であり得る。医療又は実験室での試験のためのボトルの典型的な例は、試験管及びフラスコである。本原理が、保存ジャー又はランチボックスなどの他の種類の容器にも同様に適用可能であることが理解される。
【0029】
ボトル100aは、プラスチック材料、ガラス、又は金属によって形成してもよい。蓋200aは、プラスチック材料、ガラス、又は金属によって形成してもよい。ボトル100a及び蓋200aは、1つの同じ材料によって、又は、異なる材料によって形成してもよい。ボトル100a及び/又は蓋200aは、2つ以上の材料によって形成してもよい。
【0030】
ここで
図1を参照すると、ボトル100aの第1実施形態が開示される。ボトル100aは底壁1a及び側壁部分2aを有する。側壁部分2aは、底壁1aと共に、区画3aの境界を定める。ボトル100aは円形断面を有する円柱として開示されるが、他の断面が可能であることが理解される。また、断面に応じて、側壁部分の数が変動してもよい。
【0031】
ボトル100aはボトル首部4aを有する。ボトル首部4aは軸方向に伸長する周方向壁部分5aを備える。首部4aは円形断面を有する。首部4aはその自由端に口部6aを有する。口部6aは、首部4aの軸方向の伸長に沿って延在する通り抜け開口を形成し、ボトル100aの内部、すなわち区画3aに対するアクセスを提供する。
【0032】
首部4aの周方向壁部分5aは、その周方向に見た場合、第1係合手段7aを備える部分と、通り抜け通気穴8aを備える部分とに分割される。
【0033】
第1係合手段7aはねじ山9aによって形成される。ねじ山9aは、周方向壁部分5aの内側部分10aに沿って配置される。3巻のねじ山が開示される。3巻より多い巻き数を設けてもよいことが理解される。ねじ山9aは複数のねじ山形成部分に分割されるが、ねじ山形成部分は共に、首部4aに搭載される蓋200aとの連続的なねじ式係合を可能にする。ねじ山形成部分は、好ましくは、周方向に等距離に分配される。
【0034】
通り抜け通気穴8aはボトル首部4aの半径方向に延在する。通り抜け通気穴8aは半径方向に延在する穴として形成される。3つの通気穴8aが開示される。通気穴8aの数は少なくとも1つであってもよい。2つ以上の通気穴8aの場合、通気穴8aは、周方向壁部分5aにわたって周方向に等距離に分配してもよい。通り抜け通気穴8aが任意の断面を有してもよいことが理解される。
【0035】
ボトル首部4aの上縁11aは周方向連続縁12aを備える。
【0036】
ここで
図2を参照すると、反転可能蓋200aが開示される。蓋200aは、
図1のボトル100aのボトル首部4aに取り外し可能に接続されるように構成される。蓋200aは反転可能であり、蓋200aが、使用者の選択で、蓋200aをひっくり返すことによって2つの異なる方向で、ボトル100aに選択的に搭載され得ることを意味する。
【0037】
蓋200aは、ボトル100aの口部6aの断面を超える断面を有する半径方向に延在するディスク20aを備える。蓋200aは、第1側21a及び反対側の第2側22aを有する。
【0038】
蓋200aは、蓋200aの第1側21aから蓋200aの第2側22aに延在する通り抜け開口を提供するオプションのノズル50aを備えてもよい。
【0039】
蓋200aの第1側21aは蓋200aの軸方向に延在する襟部23aを備える。襟部23aは、内側包囲面25a及び外側包囲面26aを有する周方向側壁部分24aを備える。外側包囲面26aは第2係合手段27aを備える。第2係合手段27aは、ボトル100aによって提供される第1係合手段7aと相補的である。そのため、第2係合手段27aは、第1係合手段7aのねじ山9aに嵌合する外形を有するねじ山28aによって形成される。蓋200aが、その第1側21aを介してボトル100aの首部4aに搭載されると、有効係合領域が、第2係合手段27aのねじ山28aに係合する第1係合手段7aのねじ山9aによって提供される。
【0040】
襟部23aは、蓋200aが、その第1側21aを介してボトル100aの首部4aに搭載されると、首部4aの周方向壁部分5a内の通り抜け通気穴8aを閉鎖するのに十分であるように軸方向に伸長する。それにより、蓋200aは、従来の蓋として作用し、首部4a及びその口部6aを漏れの無いように完全に閉鎖する。これは
図3に最もよく示されている。
【0041】
第2密封面35aを形成する襟部23aの縁29aは、蓋200aが首部4aに搭載されると、ボトル100a内の相補的な周方向の第1密封面51aと密封をなすように当接してもよい。第1密封面51a及び/又は第2密封面35aは、弾性密封部材(開示せず)を備えてもよい。
【0042】
蓋200aの第2側22aは第3係合手段30aを備える。第3係合手段30aは、蓋200aが通り抜け通気穴(複数可)8aを閉鎖することなく、ボトル100aの首部4aに選択的に係合するように構成される。第3係合手段30aはねじ山31aとして設けられる。開示する実施形態において、1巻のねじ山31aが開示される。1巻より多いねじ山31aを使用してもよい。蓋200aが、蓋200aの第2側22aを用いてボトル100aの首部4aに搭載されると、有効係合領域が、第1係合手段7aのねじ山9aに係合する第3係合手段30aのねじ山31aによって提供される。
【0043】
ここで
図4を参照すると、ボトル100aは、蓋200aが、その第2側22aを介してボトル100aに搭載された状態で開示される。この位置で、蓋200aはボトル100aに取り付けられるものの、通気穴8aは開口したままとなる。それにより、通気穴8aは、半径方向に(矢印A)延在する自由通路を提供し、区画3aの内部が雰囲気と連通することを可能にする。使用後に又はボトル100aを洗浄した後にボトル100a内に残る任意の流体又は残留物は、通気穴8aを通って自由に蒸発することを許容されることになる。ボトル100aは完全に乾いているはずであるが、残留物又は可塑剤によって引き起こされる悪臭又な悪い味をもたらす任意のガスは、蒸発することを許容されることになる。それにより、ボトル100aの有効寿命が延長されることになる。また、任意の残留物が生体物質の成長を引き起こすリスクが大幅に低減される。更に別の利点として、蓋200aがボトル100aに取り付けられることになるため、ボトル100aを格納する間に、蓋200aを喪失するリスクが存在しない。
【0044】
ここで
図5を参照すると、ボトル100bの第2実施形態が開示される。
図5のボトル100bは、首部4bの設計が
図1のボトルと異なる。周方向壁部分5bは、その周方向に見ると、第1係合手段7bを備える部分と、通り抜け通気穴8bを備える部分とに分割される。首部4bの上縁11bは周方向連続縁12bを備える。
【0045】
第1係合手段7bはねじ山9bによって形成される。ねじ山9bは、首部4bの周方向壁の外側包囲面に沿って配置される。4巻のねじ山が開示される。4巻より多い又は少ない巻数を設けてもよいことが理解される。ねじ山9bは複数のねじ山形成部分に分割されるが、ねじ山形成部分は共に、首部4bに搭載される蓋200bとの連続的なねじ式係合を可能にする。ねじ山形成部分は、好ましくは、周方向に等距離に分配される。首部4bの内側周方向壁部分は平滑であってもよい。
【0046】
通り抜け通気穴8bは首部4bの半径方向に延在する。2つの通気穴8bが開示される。通気穴8bの数は少なくとも1つであってもよい。2つ以上の通気穴8bの場合、通気穴8bは、周方向壁部分にわたって周方向に等距離に分配してもよい。通り抜け通気穴8bは任意の断面を有してもよい。
【0047】
首部4bの内側包囲面は、2つの通り抜け通気穴8bの間の領域内に配置された第4係合手段40bを備える。以下で開示される第4係合手段40bは、蓋200bの第3係合手段に係合するように配置される。
【0048】
第4係合手段40bは、周方向壁の内側包囲面内に配置された溝41bとして形成される。溝41bは、首部4bの自由縁に面する1つの開口端42bを有するL形状を有するものとして開示される。他の伸長の方法が可能であることが理解される。溝41bは、首部4bの半径方向に見たときに貫通していてもよく、又は、首部4bの半径方向に見たときに底を有してもよい。
【0049】
ここで
図6を参照すると、反転可能蓋200bが開示される。蓋200bは、
図5のボトル100bの首部4bに取り外し可能に接続されるように構成される。蓋200bは反転可能であり、蓋200bが、使用者の選択で、蓋200bをひっくり返すことによって2つの異なる方向で、ボトル100bに選択的に搭載され得ることを意味する。
【0050】
蓋200bは、第1側21b及び反対側の第2側22bを有する。蓋200bは、蓋200bの第1側21bから蓋200bの第2側22bに延在する通り抜け開口を提供するオプションのノズル50bを備えてもよい。
【0051】
蓋200bの第1側21bは蓋200bの軸方向に延在する襟部23bを備える。襟部23bは、内側包囲面25b及び外側包囲面26bを有する周方向側壁部分24bを備える。内側包囲面25bは第2係合手段27bを備える。第2係合手段27bは、ボトル100bの首部4b上に設けられる第1係合手段7bと相補的である。そのため、第2係合手段27bは、第1係合手段7bのねじ山9bに嵌合する外形を有するねじ山28bによって形成される。蓋200bが、蓋200bの第1側21bを介してボトル100bの首部4bに搭載されると、有効係合領域が、第2係合手段27bのねじ山28bに係合する第1係合手段7bのねじ山9bによって提供される。
【0052】
襟部23bは、蓋200bが、その第1側21bを介してボトル100bの首部4bに搭載されるときに通り抜け通気穴8bを閉鎖するのに十分であるように軸方向に伸長する。それにより、蓋200bは、従来の蓋として作用し、首部4b及びその口部6bを漏れがないように完全に閉鎖する。これは
図7に最もよく示されている。
【0053】
ここで改めて
図6を参照すると、襟部23bの自由端は第2密封面35bを備える。蓋200bが、その第1側21bを介してボトル100bに搭載されると、第2密封面35bは、ボトル首部4bの半径方向に延在する周方向縁12bによって形成される第1密封面51bと密封をなすように当接してもよい。ボトル首部4bの第1密封面51b及び/又は第2密封面35bは、弾性密封部材(開示せず)を備えてもよい。
【0054】
蓋200bの第2側22bは第3係合手段30bを備える。第3係合手段30bは、蓋200bが通り抜け通気穴8bを閉鎖することのないように、蓋200bをボトル100bの首部4bに選択的に係合するように構成される。第3係合手段30bは、半径方向に突出するピン32bとして設けられる。第3係合手段30bは、ボトル100bの第4係合手段40b、すなわち、溝41bに係合するように構成される。第3係合手段30b及び第4係合手段40bは共に、バヨネット継手を形成する。
【0055】
蓋200bの第2側を介して蓋200bを首部4bに搭載すると、ピン32bは、首部4bの包囲面内の溝41bの開口端42bに挿入され、その後、蓋200bは軸方向に押され、また、蓋200bは回される。ピン32bは、それにより、溝41bに係合し、強い軸方向移動による蓋200bの取り外しを防止することになる。蓋200bが、蓋200bの第2側22bを介して首部4bに搭載されると、有効係合領域が、第2係合手段27bの溝41bに係合する第3係合手段30bのピン32bによって提供される。
【0056】
ここで
図8を参照すると、ボトル100bは、蓋200bが、その第2側22bを介してボトル100bに搭載された状態で開示される。この位置で、蓋200bはボトル100bに取り付けられるが、通気穴8bは開口したままとなる。それにより、通気穴8bは、半径方向に(矢印A)延在する自由通路を提供し、区画3bの内部が雰囲気と連通することを可能にする。
【0057】
ここで、
図9a~9dを参照すると、再閉鎖システムの第3実施形態が開示される。システムは、ボトル100c(
図9a参照)及び反転可能蓋200c(
図9b参照)を備える。前の実施形態のように、ボトル100cは、区画3cの境界を定める、底壁1c及び側壁部分2cを有する。ボトル100cは円形断面を有する円柱として開示されるが、他の断面が可能であることが理解される。また、断面に応じて、側壁部分の数が変動してもよい。
【0058】
ボトル100cはボトル首部4cを有する。ボトル首部4cは軸方向に伸長する周方向壁部分5cを備える。ボトル首部4cは円形断面を有する。ボトル首部4cはその自由端に口部6cを有し、口部6cは、軸方向の伸長に沿って延在する通り抜け開口を形成する。
【0059】
ボトル首部4cの自由上縁11cは通り抜け通気穴8cを形成する複数の切り欠き部13cを備える。切り欠き部13cは、任意の軸方向の伸び及び任意の断面を有してもよい。残存機能を有する1つの通り抜け通気穴8cを備えれば十分であることが理解される。
【0060】
ボトル首部4cの周方向壁部分の外側面は、ねじ山9cの形態の第1係合手段7cを備える。第1係合手段7cは、軸方向において通り抜け通気穴8cの下、すなわち、切り欠き部13cの最も低い箇所の下の位置に配置される。
【0061】
ボトル首部4cの周方向壁部分の内壁14cは実質的に平滑であってもよい。
【0062】
ボトル首部4cは、半径方向に延在する第1密封面51cを備える。第1密封面51cは、軸方向において第1係合手段7cの下の位置に配置される。第1密封面51cは以下で論じられる。
【0063】
ここで
図9bを参照すると、反転可能蓋200cの一実施形態が開示される。蓋200cは、ボトル100cの口部6cの断面を超える断面を有する半径方向に延在するディスク20cを備える。蓋200cは、第1側21c及び反対側の第2側22cを有する。蓋200cは、蓋200cの第1側21cから蓋200cの第2側22cに延在する通り抜け開口を提供するオプションのノズル50cを備えてもよい。
【0064】
蓋200cの第1側21cは蓋200cの軸方向に延在する襟部23cを備える。襟部23cは、内側包囲面25c及び外側包囲面26cを有する周方向側壁部分24cを備える。内側包囲面25cは第2係合手段27cを備える。第2係合手段27cは、ボトル100cの第1係合手段7cと相補的である。そのため、第2係合手段27cは、第1係合手段7cのねじ山9cに嵌合する外形を有するねじ山28cによって形成される。
【0065】
反転可能蓋200cの襟部23cは、周方向に延在する第2密封面35cを備える。第2密封面35cは、第2係合手段27cの下で内側包囲面25c上に配置される。第2密封面35cは、ボトル首部4cの第1密封面51cと相補的である。それにより、反転可能蓋200cがボトル首部4cに搭載され、第2係合手段27cが第1係合手段7cに係合する(
図9c参照)状態において、第2密封面35cは、第1密封面51cと密封をなすように当接し、ボトル100cの流体密封閉鎖を提供する。第1密封面51c及び/又は第2密封面35cは、弾性密封部材(開示せず)を備えてもよい。したがって、蓋200cが、第1側21cを介してボトル100cに搭載されると、蓋200cは、従来の蓋として作用し、ボトル首部4c及びその口部6cを漏れの無いように完全に閉鎖する。有効係合領域が、第2係合手段27cのねじ山28cに係合する第1係合手段7cのねじ山9cによって提供される。
【0066】
ここで
図9b及び9dを参照すると、蓋200cの第2側22cは、第3係合手段30cを形成する軸方向及び周方向に延在する当接面55cを備える。当接面55cは連続的に周方向に伸長する。当接面55cにわたって測定される直径は、通り抜け通気穴8cを形成する切り欠き部13cの間の部分の内壁14cにおいて測定されるボトル首部4cの内径に実質的に対応するか、又は、それよりわずかに大きい。それにより、反転可能蓋200cがボトル首部4cに搭載され、第3係合手段30cがボトル首部4cに係合する状態において、反転可能蓋200cは、当接面55cとボトル首部4cの内壁14cとの間の摩擦のみによって、この位置に維持されることになる。当接面55c及び/又は内壁14cが、当接面と首部4cの内壁14cとの間の摩擦係合を増大させる表面特性又は半径方向に延在する肩部などの非開示の摩擦手段を備えてもよいことが理解される。
【0067】
第3係合手段30cの周方向に延在する当接面55cは、軸方向に見ると、ボトル首部4cの自由上縁における切り欠き部13cの最大深さより低い高さを有する。それにより、第3係合手段30cがボトル首部4cに係合する状態において、通り抜け通気穴8cを形成する実質的に半径方向に延在する通路(矢印A)が、当接面55cと各切り欠き部13cの最も低い箇所との間の領域に形成される。これは
図9dにおいて最もよく示される。
【0068】
ここで
図10a~10dを参照すると、再閉鎖システムの第4実施形態が開示される。第4実施形態は、蓋200dの設計において第3実施形態と異なる。ボトル100dの設計は、第3実施形態のボトル100cと同じであり、それにより、過度の反復を回避するためにその実施形態に対して参照が行われる。
【0069】
蓋200dは、第3実施形態の蓋200cと同じ全体設計を有し、軸方向及び周方向に延在し、第3係合手段30dを形成する当接面の設計につき差を有する(
図10b参照)。
【0070】
蓋200dの第2側22dは、第3係合手段30dを形成する軸方向及び周方向に延在する当接面55dを備える。当接面55dは、不連続に周方向に伸長する。不連続な周方向の伸長により、複数の半径方向及び軸方向に延在する窪み56dを形成する。1つの窪み56dで十分であることが理解される。
【0071】
当接面55dにわたって測定される直径は、切り欠き部13dの間の部分の内壁14dにおいて測定されるボトル首部4dの内径に実質的に対応するか、又は、それよりわずかに大きい。それにより、反転可能蓋200dがボトル首部4dに搭載され、第3係合手段30dがボトル首部4dに係合する状態において、蓋200dは、当接面55dとボトル首部4dの内壁14dとの間の摩擦のみによって、この位置に維持されることになる。当接面55d及び/又は内壁14dが、当接面と首部4dの内壁14dとの間の摩擦係合を増大させる表面特性又は半径方向に延在する肩部などの非開示の摩擦手段を備えてもよいことが理解される。
【0072】
蓋200dを搭載し、第3係合手段30dがボトル首部4dに係合すると(
図10d参照)、蓋200dは、窪み56dがボトル首部4dの切り欠き部13dと軸方向に並ぶように回されるべきである。それにより、窪み56d及び切り欠き部13dは、上記通り抜け通気穴8dを形成する実質的に半径方向及び軸方向に延在する通路(矢印A及びB)を提供することになる。
【0073】
ここで
図10b及び10cを参照すると、反転可能蓋200dの襟部23dは、周方向に延在する第2密封面35dを備える。第2密封面35dは、第2係合手段27dの下で内側包囲面25d上に配置される。第2密封面35dは、ボトル首部4dの第1密封面51dと相補的である。それにより、反転可能蓋200dがボトル首部4dに搭載され、第2係合手段27dが第1係合手段7dに係合する状態において、第2密封面35dは第1密封面51dと密封をなすように当接し、ボトル100dの流体密封閉鎖を提供することになる。第1密封面51d及び/又は第2密封面35dは、弾性密封部材(開示せず)を備えてもよい。したがって、蓋200dが、第1側21dを介してボトル100dに搭載されると、蓋200dは、従来の蓋として作用し、ボトル首部4d及びその口部6dを漏れのないように完全に閉鎖する。有効係合領域が、第2係合手段27dのねじ山28dに係合する第1係合手段7dのねじ山9dによって提供される。
【0074】
ここで
図11a~11dを参照すると、再閉鎖システムの第5実施形態が開示される。第5実施形態は、ボトル首部4e(
図11a参照)及び蓋200e(
図11b参照)の設計において第3実施形態と異なる。
【0075】
ボトル100eの設計は、第3実施形態のボトル100cと実質的に同じであり、ボトル首部4eが、その周方向側壁において通り抜け開口又は切り欠き部を欠くという差を有する。代わりに、ボトル首部の自由上縁は連続的である。ボトル100eの設計の過度の反復を回避するために第3実施形態のボトルに対して参照が行われる。
【0076】
蓋200eの設計は、第4実施形態の蓋200dと同じである。すなわち、蓋200eの第2側22eは第3係合手段30eを形成する、軸方向及び周方向に延在する当接面55eを備える。当接面55eは、不連続に周方向に伸長する。不連続な周方向の伸長により、半径方向及び軸方向に延在する複数の窪み56eを形成する。1つの窪み56eで十分であることが理解される。
【0077】
当接面55eにわたって測定される直径は、内壁14eにおいて測定されるボトル首部4eの内径に実質的に対応するか、又は、それよりわずかに大きい。それにより、反転可能蓋200eがボトル首部4eに搭載され、第3係合手段30eがボトル首部4e内の第1係合手段7eに係合する状態において、蓋200eは、当接面55eとボトル首部4eの内壁14eとの間の摩擦のみによって、この位置に維持されることになる。当接面55e及び/又は内壁14eが、当接面と首部4eの内壁14eとの間の摩擦係合を増大させる表面特性又は半径方向に延在する肩部などの非開示の摩擦手段を備えてもよいことが理解される。
【0078】
蓋200eを搭載し、第3係合手段30eがボトル首部4eに係合すると(
図11d参照)、窪み56eは、上記通り抜け通気穴8eを形成する実質的に軸方向に延在する通路(矢印A)を提供することになる。第4実施形態と比較した第5実施形態の一つの利点は、窪み56eをボトル首部4e内の何らの切り欠き部とも整列させる必要がないことである。
【0079】
反転可能蓋200eの襟部23eは、その自由下縁に、周方向に延在する第2密封面35eを備える。第2密封面35eは、第2係合手段27eの下で内側包囲面25e上に配置される。第2密封面35eは、ボトル首部4eの第1密封面51eと相補的である。それにより、反転可能蓋200eがボトル首部4eに搭載され、第2係合手段27eが第1係合手段7eに係合する(
図11c参照)状態において、第2密封面35eは、第1密封面51eと密封をなすように当接し、ボトル100eの流体密封閉鎖を提供することになる。第1密封面51e及び/又は第2密封面35eは、弾性密封部材(開示せず)を備えてもよい。したがって、蓋200eが、第1側21eを介してボトル100eに搭載されると、蓋200eは、従来の蓋として作用し、ボトル首部4e及びその口部6eを漏れのないように完全に閉鎖する。有効係合領域が、第2係合手段27eのねじ山28eに係合する第1係合手段7eのねじ山9eによって提供される。任意の選択により、蓋200eが、第1側21eを介してボトル100eに搭載されると、ボトル首部の連続する自由上縁が、蓋200eのディスクの内側面と密封をなすように当接してもよい。
【0080】
ここで
図12を参照すると、ボトル首部と反転可能蓋との間の補足的密封配置構成が、極めて概略的に開示される。密封配置構成は、前記の実施形態の任意の実施形態に、特に、第3、第4、及び第5実施形態に直接適用可能であってもよい。蓋200a~200e及びボトル首部4c~4eの、以下で述べるもの以外の全ての特徴及び態様は上述のものと同じでもよく、参照によって含まれる。この実施形態において、蓋200fは補足的内側襟部230を備える。内側襟部230は、周方向に、また、連続的に軸方向に伸長し、外側襟部23fから或る半径方向距離に配置される。それにより、半径方向に延在するギャップ231が設けられ、ギャップ231は、蓋200fがボトル首部4fに搭載されると、ボトル首部4fの少なくとも一部分を含むように構成される。ボトル首部4fの内壁14fは、半径方向に延在する第3密封面232を備える。蓋200fの襟部23fは、その内壁上にねじ山28fの形態の第2係合手段27fを備え、ボトル首部4fの外壁上のねじ山9fの形態の第1係合手段7fとのねじ式係合を可能にする。蓋200fがボトル首部4fに対してねじ込まれ、第1係合手段7fが第2係合手段27fに係合すると、補足的内側襟部230の自由縁233は、第3密封面232と密封をなすように当接することになる。それにより、蓋200fとボトル首部4fとの間の漏れのない係合が提供される。非開示の弾性密封部材が、第3密封面232と自由縁233との間の接合部分に配置されてもよい。