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特許7226816ゲームプログラム、ゲーム処理方法、及びゲーム装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-02-13
(45)【発行日】2023-02-21
(54)【発明の名称】ゲームプログラム、ゲーム処理方法、及びゲーム装置
(51)【国際特許分類】
   A63F 13/45 20140101AFI20230214BHJP
   A63F 13/69 20140101ALI20230214BHJP
   A63F 13/80 20140101ALI20230214BHJP
【FI】
A63F13/45
A63F13/69
A63F13/80 B
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2020107206
(22)【出願日】2020-06-22
(62)【分割の表示】P 2019201609の分割
【原出願日】2019-11-06
(65)【公開番号】P2021074497
(43)【公開日】2021-05-20
【審査請求日】2021-06-17
(73)【特許権者】
【識別番号】506113602
【氏名又は名称】株式会社コナミデジタルエンタテインメント
(74)【代理人】
【識別番号】100161207
【弁理士】
【氏名又は名称】西澤 和純
(74)【代理人】
【識別番号】100175824
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 淳一
(72)【発明者】
【氏名】磯部 敬一
(72)【発明者】
【氏名】喜田 大介
【審査官】岸 智史
(56)【参考文献】
【文献】特開2006-175018(JP,A)
【文献】(旧)変則デュエル・WRGP式3on3ルール,アリスタイオスぶろぐ [online],2018年10月30日,https://honeycardgame.hatenablog.com/entry/2018/10/30/203716,[2022年7月5日検索]
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 9/24、13/00-13/98
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のゲーム要素が含まれるデッキを用いるゲームであって、第1のデッキ群に含まれるデッキのうちのいずれかのデッキと第2のデッキ群に含まれるデッキのうちのいずれかのデッキとが少なくとも3回以上対戦する前記ゲームの処理を実行するコンピュータに、
1回目の対戦において、前記第1のデッキ群に含まれるデッキのうちの第1デッキと、前記第2のデッキ群に含まれるデッキのうちの第2デッキとの対戦の結果を決定する第1決定ステップと、
前記第1決定ステップにおける対戦の結果に基づいて、前記第1のデッキ群のうち前記第1デッキ以外の2回目以降のいずれか選択された対戦で用いるデッキであって前記第1デッキを用いてプレイしたプレイヤにより選択された対戦で用いるデッキ所定のゲーム要素を追加する追加ステップと、
2回目以降のいずれか選択された対戦において、前記所定のゲーム要素を追加したデッキと、前記第2のデッキ群に含まれるデッキのいずれかとの対戦の結果を決定する第2決定ステップと、
を実行させるためのゲームプログラム。
【請求項2】
前記追加ステップにおいて、
前記第1決定ステップにおける対戦の結果が前記第1デッキの敗北である場合に、前記第1のデッキ群のうち前記第1デッキ以外の2回目以降のいずれか選択された対戦で用いるデッキに所定のゲーム要素を追加する、
請求項1に記載のゲームプログラム。
【請求項3】
前記コンピュータに、
前記第1デッキに含まれるゲーム要素の中から、前記第1デッキを用いてプレイしたプレイヤにより選択されたゲーム要素を前記所定のゲーム要素として選択するステップ、
を実行させる請求項1または請求項2に記載のゲームプログラム。
【請求項4】
前記追加ステップにおいて、
予め設定されたゲーム要素を前記所定のゲーム要素として追加する、
請求項1または請求項2に記載のゲームプログラム。
【請求項5】
前記コンピュータに、
前記第1決定ステップにおける対戦の結果に基づいて、前記所定のゲーム要素の数を決定するステップ、
を実行させる請求項1から請求項4のいずれか一項に記載のゲームプログラム。
【請求項6】
前記第2決定ステップは、前記所定のゲーム要素を追加したデッキと、前記第2のデッキ群に含まれる前記第2デッキとの対戦の結果を決定する、
請求項1から請求項5のいずれか一項に記載のゲームプログラム。
【請求項7】
複数のゲーム要素が含まれるデッキを用いるゲームであって、第1のデッキ群含まれるデッキのうちのいずれかのデッキと第2のデッキ群に含まれるデッキのうちのいずれかのデッキとが少なくとも3回以上対戦する前記ゲームの処理を実行するコンピュータにより実行されるゲーム処理方法であって、
1回目の対戦において、前記第1のデッキ群に含まれるデッキのうちの第1デッキと、前記第2のデッキ群に含まれるデッキのうちの第2デッキとの対戦の結果を決定する第1決定ステップと、
前記第1決定ステップにおける対戦の結果に基づいて、前記第1のデッキ群のうち前記第1デッキ以外の2回目以降のいずれか選択された対戦で用いるデッキであって前記第1デッキを用いてプレイしたプレイヤにより選択された対戦で用いるデッキ所定のゲーム要素を追加する追加ステップと、
2回目以降のいずれか選択された対戦において、前記所定のゲーム要素を追加したデッキと、前記第2のデッキ群に含まれるデッキのいずれかとの対戦の結果を決定する第2決定ステップと、
を含むゲーム処理方法。
【請求項8】
複数のゲーム要素が含まれるデッキを用いるゲームであって、第1のデッキ群含まれるデッキのうちのいずれかのデッキと第2のデッキ群に含まれるデッキのうちのいずれかのデッキとが少なくとも3回以上対戦する前記ゲームの処理を実行するゲーム装置であって、
1回目の対戦において、前記第1のデッキ群に含まれるデッキのうちの第1デッキと、前記第2のデッキ群に含まれるデッキのうちの第2デッキとの対戦の結果を決定する第1決定部と、
前記第1決定部による対戦の結果に基づいて、前記第1のデッキ群のうち前記第1デッキ以外の2回目以降のいずれか選択された対戦で用いるデッキであって前記第1デッキを用いてプレイしたプレイヤにより選択された対戦で用いるデッキ所定のゲーム要素を追加する追加部と、
2回目以降のいずれか選択された対戦において、前記所定のゲーム要素を追加したデッキと、前記第2のデッキ群に含まれるデッキのいずれかとの対戦の結果を決定する第2決定部と、
を備えるゲーム装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ゲームプログラム、ゲーム処理方法、及びゲーム装置に関する。
【背景技術】
【0002】
複数のカードが含まれるデッキを用いて対戦相手と対戦するゲームがある(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2014-083265号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、複数回対戦を行う場合、対戦ごとの関連性が低いと、おもしろみに欠けてしまう懸念がある。
【0005】
本発明のいくつかの態様は、デッキを用いた複数回対戦において興趣性の高いゲームプログラム、ゲーム処理方法、及びゲーム装置を提供することを目的の一つとする。
【0006】
また、本発明の他の態様は、後述する実施形態に記載した作用効果を奏することを可能にするゲームプログラム、ゲーム処理方法、及びゲーム装置を提供することを目的の一つとする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述した課題を解決するために、本発明の一態様は、複数のゲーム要素が含まれるデッキを用いるゲームであって、第1のデッキ群と第2のデッキ群とが対戦する前記ゲームの処理を実行するコンピュータに、前記第1のデッキ群に含まれるデッキのうちの第1デッキと、前記第2のデッキ群に含まれるデッキのうちの第2デッキとの対戦の結果を決定する第1決定ステップと、前記第1決定ステップにおける対戦の結果に基づいて、前記第1のデッキ群のうち前記第1デッキ以外のデッキに所定のゲーム要素を追加する追加ステップと、前記所定のゲーム要素を追加したデッキと、前記第2のデッキ群に含まれるデッキのいずれかとの対戦の結果を決定する第2決定ステップと、を実行させるためのゲームプログラムである。
【0008】
また、本発明の一態様は、複数のゲーム要素が含まれるデッキを用いるゲームであって、第1のデッキ群と第2のデッキ群とが対戦する前記ゲームの処理を実行するコンピュータにより実行されるゲーム処理方法であって、前記第1のデッキ群に含まれるデッキのうちの第1デッキと、前記第2のデッキ群に含まれるデッキのうちの第2デッキとの対戦の結果を決定する第1決定ステップと、前記第1決定ステップにおける対戦の結果に基づいて、前記第1のデッキ群のうち前記第1デッキ以外のデッキに所定のゲーム要素を追加する追加ステップと、前記所定のゲーム要素を追加したデッキと、前記第2のデッキ群に含まれるデッキのいずれかとの対戦の結果を決定する第2決定ステップと、を含むゲーム処理方法である。
【0009】
また、本発明の一態様は、複数のゲーム要素が含まれるデッキを用いるゲームであって、第1のデッキ群と第2のデッキ群とが対戦する前記ゲームの処理を実行するゲーム装置であって、前記第1のデッキ群に含まれるデッキのうちの第1デッキと、前記第2のデッキ群に含まれるデッキのうちの第2デッキとの対戦の結果を決定する第1決定部と、前記第1決定部による対戦の結果に基づいて、前記第1のデッキ群のうち前記第1デッキ以外のデッキに所定のゲーム要素を追加する追加部と、前記所定のゲーム要素を追加したデッキと、前記第2のデッキ群に含まれるデッキのいずれかとの対戦の結果を決定する第2決定部と、を備えるゲーム装置である。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】第1の実施形態に係るゲームの概要を説明する説明図。
図2】第1の実施形態に係るカードゲームのゲーム画面の一例を示す図。
図3】第1の実施形態に係る対戦処理における一つのターンの流れの例を示す図。
図4】第1の実施形態に係るゲームシステムの構成の一例を示すブロック図。
図5】第1の実施形態に係るユーザ端末のハードウェア構成の一例を示す図。
図6】第1の実施形態に係るゲームサーバのハードウェア構成の一例を示す図。
図7】第1の実施形態に係るユーザ端末及びゲームサーバの機能構成の一例を示すブロック図。
図8】第1の実施形態に係るカードデータのデータ例を示す図。
図9】第1の実施形態に係るデッキデータのデータ例を示す図。
図10】第1の実施形態に係る対戦状況管理データのデータ例を示す図。
図11】第1の実施形態に係る対戦処理の一例を示すフローチャート。
図12】第1の実施形態に係るカード追加処理の一例を示すフローチャート。
図13】第2の実施形態に係るカード追加処理の一例を示すフローチャート。
図14】第3の実施形態に係る対戦ゲームの進行に関する制御処理の一例を示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の一実施形態について、図面を参照して説明する。
[第1の実施形態]
まず、本発明の第1の実施形態について説明する。
【0012】
〔ゲームの概要〕
まず、本実施形態に係るゲーム装置で実行されるゲームの処理の一例について、その概要を説明する。本実施形態に係るゲームは、ゲームで用意されている複数のカードを使用してプレイするカードゲームである。カードは、ユーザがゲーム内で選択または操作が可能な単位となるゲーム要素の一例であり、視認可能にゲーム画面の一要素として表示される。例えば、カードは、ゲームに登場する人物、モンスター、動物、物体(例えば、乗り物)等のキャラクタを表すキャラクタカードである。なお、ゲーム要素は、カードに限られるものではなく、メダルや、キャラクタそのものを表すフィギュア等であってもよい。
【0013】
このカードゲームでは、予め設定された複数のカードの束、またはユーザが所持するカードのうちの一部または全部をまとめたカードの束をデッキとして用意し、このデッキに含まれる複数のカードを使用して対戦相手と対戦する。例えば、ユーザは、自身が所持するカードの中からカードを選択してデッキに設定することができる。複数のデッキの設定が可能であってもよく、設定したデッキの中から選択したデッキを使用して対戦することもできる。また、対戦は、3対3のチーム戦である。各対戦では、対戦するユーザのそれぞれがデッキを使用して、デッキに含まれるカードの選択やカードの能力を発揮させるためのコマンドの選択を交互に行うターン制でプレイが進行する。なお、以下では、ゲームをプレイするユーザのことをプレイヤともいう。
【0014】
図1は、本実施形態に係るゲームの概要を説明する説明図である。この図に示す例は、プレイヤA、プレイヤB、及びプレイヤCで構成されるチームαと、プレイヤD、プレイヤE、及びプレイヤFで構成されるチームβとの3対3のチーム戦の例を示している。1回戦は、先鋒となるプレイヤAとプレイヤDの対戦である。2回戦は、中堅となるプレイヤBとプレイヤEの対戦である。3回戦は、大将となるプレイヤCとプレイヤFの対戦である。この対戦ゲームでは、対戦結果に基づいて、一方のチームの側のデッキに所定のカードを追加することができる。
【0015】
例えば、1回戦で、チームαのプレイヤAがデッキα1を使用し、チームβのプレイヤDがデッキβ1を使用して対戦する。この対戦で、プレイヤAが敗北しプレイヤDが勝利した場合、敗北した側のプレイヤAは、対戦に使用したデッキα1に含まれるカードを1枚、次の対戦(2回戦)の味方(チームα)のプレイヤBに渡すことができる。例えば、プレイヤAは、1回戦で対戦に使用したデッキα1に含まれるカードの中から任意のカード(例えば、対戦に有利に働く強力なカード)を1枚選択し、選択したカードを2回戦のプレイヤBが使用するデッキα2に追加することができる。
【0016】
2回戦では、チームαのプレイヤBは、デッキα2にプレイヤAから追加されたカードを加えた状態で、チームβのプレイヤEと対戦する。チームβのプレイヤEは、1回戦で使用されたデッキβ1をそのまま引き継ぎいで使用する。このように、敗北した側のチームは、次の対戦にカードを1枚渡すことができるため、有利な状態で次の対戦のプレイを開始できる。また、2回戦では、1回戦で敗北した側のプレイヤが先攻となる(敗北した側のプレイヤのターンから開始される)。また、通常は、先攻の1ターン目(最初のターン)では、攻撃ができないなどの制限が設けられているが、2回戦目以降の先攻のターンでは当該制限が解除される。このように、次の対戦では、敗北した側が先攻となること、及び先攻の1ターン目で攻撃ができないなどの制限も解除されることも、敗北した側のチームが次の対戦を有利に進められる可能性が高まる。
【0017】
2回戦で、今度はチームβ側が敗北したとすると、敗北した側のプレイヤEが対戦に使用したデッキβ1に含まれるカードの中からプレイヤFに渡すカードを1枚選択することにより、選択したカードを3回戦のプレイヤFが使用するデッキβ2に追加することができる。3回戦では、チームβのプレイヤFは、デッキβ2にプレイヤEから追加されたカードを加えた状態で、チームαのプレイヤCと対戦する。チームαのプレイヤCが使用するデッキは、2回戦で使用されたデッキα2をそのまま引き継ぎいだものである。これにより、3回戦では、敗北した側のチームβが、次の対戦を有利に進められる可能性が高まる。
【0018】
なお、2回戦でもチームα側が敗北した場合には、敗北した側のプレイヤBが2回戦使用したデッキα2からカードを1枚選択して、3回戦のプレイヤCが使用するデッキに追加することができ、2回戦に続いて3回戦でもチームαが対戦を有利に進められる可能性を高めることができる。このようにすることで、どちらかのチームが勝ち続けるといったような一方的な展開が起きにくくなる。
【0019】
また、通常は、強力なカードを同時にデッキに設定できる枚数には制限が設けられているが、この敗北した側のデッキに強力なカードを追加する場合は、当該制限は解除される。よって、当該制限により通常では実現できない強力なデッキでプレイすることも可能である。
【0020】
なお、プレイヤA、プレイヤB、プレイヤC、プレイヤD、プレイヤE、及びプレイヤFは、それぞれ異なるユーザがプレイするプレイヤであってもよいし、チームごとに複数のプレイヤを同一のユーザがプレイしてもよい。また、一部のプレイヤは、ユーザがプレイするのではなく、コンピュータがプレイを制御するものであってもよい。
【0021】
次に、対戦ゲームの対戦方法について説明する。上述したように、このカードゲームは、チームαのプレイヤとチームβのプレイヤとが各プレイヤのターンを交互に行うターン制の対戦ゲームであり、各プレイヤは自身のターンでカードの選択やコマンドの選択を行う。図2は、本実施形態に係るカードゲームのゲーム画面の一例を示す図である。図示するゲーム画面G10は、対戦プレイを行う際のゲーム画面の一例であって、ここでは、チームαのプレイヤがプレイするゲーム画面であるとする。ゲーム画面G10の下半分の領域G11は、チームα側のプレイヤが使用するデッキに含まれるカードが表示される領域である。一方、上半分の領域G12は、チームβ側のプレイヤが使用するデッキに含まれるカードが表示される領域である。
【0022】
領域G11には、チームα側のプレイヤの手札が配置される領域PAT(以下、「手札領域PAT」という)と、チームα側のプレイヤの「場」の領域PAB(以下、「場PAB」という)とがある。同様に、領域G12には、チームβ側のプレイヤの手札が配置される領域PBT(以下、「手札領域PBT」と、チームβ側のプレイヤの「場」の領域PBB(以下、「場PBB」という)とがある。チームα側の手札領域PAT及び場PABとチームβ側の手札領域PBT及び場PBBとは向かい合わせの対称な関係で表示されている。領域G11及び領域G12のそれぞれは、同様の手札領域と場の領域とを含む構成であるため、以下では領域G11の方を中心に説明する。
【0023】
まず、チームαのプレイヤが使用するデッキに含まれる複数のカードがランダムな順番で裏向きにされて山札として場PABに配置される。具体的には、山札は、場PAB内の領域PA1(以下、「山札領域PA1」という)に配置される。次に、プレイヤが自身のターンにおいて、山札から引いた所定の枚数(例えば、4枚)のカードが手札となり、手札領域PATに配置される。ここで、手札領域PATに配置されたカードは、カードの種別やパラメータが記載されている表面を視認できるように表向きに配置される。一方、対戦相手(チームβ)の手札領域PBTに配されたカードは、カードの表面をプレイヤが視認できないように裏向きに配置される。また、2回目以降のターンでは、自身のターンになる度に山札から1枚ずつカードを引き、手札とすることができる。
【0024】
プレイヤは、自身の手札領域PATに配置されているカード(手札)の中のいずれかを選択して場PABに出すことにより、そのカードの効果を発動させたり、予め自分の場PABに出しておいたカードと相手の場PBBのカードとの力を比べたりすることで対戦ゲームが進行する。対戦するプレイヤのそれぞれは、はじめに所定のライフポイント(LP:例えば8000)を有し、カードの選択内容とコマンドの実行内容とに基づき所定のルールに則って互いにLPを減らしあい、先に相手のLPを0にした方が勝利となる。
【0025】
なお、ここでは、自分の手札領域PATからカードを自分の場PABに出すことを「召喚」ともいう。カードの種別としては、モンスターカード、魔法カード、罠カード、等がある。なお、以下では、魔法カードと罠カードとを特に区別しない場合には、「魔法・罠カード」ともいうこととする。
【0026】
カードの種別によって「召喚」により自分の場PAB内で配置できる場所が定められている。領域PA2は、モンスターカードを配置可能な場所(以下、「モンスター領域PA2」という)である。このモンスター領域PA2には、モンスターカードを1枚ずつ配置可能な3つの領域PA2(1)、PA2(2)、PA2(3)があり、最大3枚のモンスターカードを同時に配置可能である。図示する例では、領域PA2(1)、PA2(2)、PA2(3)のうち、領域PA2(2)にのみモンスターカードが配置されている。また、領域PA3は、魔法カードと罠カードとを配置可能な場所(以下、「魔法・罠領域PA3」という)である。この魔法・罠領域PA3には、魔法カードまたは罠カードを1枚ずつ配置可能な3つの領域PA3(1)、PA3(2)、PA3(3)があり、魔法カードと罠カードとの合計で最大3枚を同時に配置可能である。図示する例では、魔法・罠領域PA3(1)、PA3(2)、PA3(3)のうち、魔法・罠領域PA3(3)にのみ魔法カードまたは罠カードが配置されている。また、領域PA4は、「攻撃」によって破壊されたモンスターカードや、使用済みの魔法カード及び罠カードが配置される場所(以下、「墓地領域PA4」という)である。また、領域PA5は、特殊な方法で召喚する「特殊召喚」可能なカードが配置される場所(以下、「エクストラ領域PA5」という)である。
【0027】
次に、各カードについて説明する。モンスターカードには、後述の「攻撃」コマンドに基づく処理を実行する際に参照する攻撃力や、相手が「攻撃」コマンドに基づく処理を実行した際に参照する守備力といったパラメータが定められている。また、モンスターカードには、後述の「モンスター効果」コマンドに基づく処理を実行することにより対戦を有利に進めることができる効果を有するモンスターカードと、当該効果を有していないモンスターカードとがある。
【0028】
魔法・罠カードは、後述の「魔法・罠」コマンドに基づく処理を実行することで、特定の処理を実行したり、対戦相手の実行しようとする処理に制限をしたり、カードのパラメータを変更したりといった「効果」を生じさせる。これらは、カードの種別や効果の種別によって様々な内容の効果と実行条件が定められている。「効果」の例としては、モンスターカードの攻撃力を上げたり、山札の一番上のカードを手札に加えたり、対戦相手のコマンドの実行を制限したりなどがある。実行条件の例としては、自分と対戦相手とのLPの差や、場のモンスターカードの数などがある。
【0029】
次に、コマンドについて説明する。コマンドの種別としては、「召喚」、「攻守変更」、「魔法・罠」、「モンスター効果」、「特殊召喚」、「攻撃」などがある。
「召喚」コマンドは、特定のカードを場に配置する処理に関するコマンドである。「召喚」コマンドに基づく処理を実行することにより、選択したモンスターカードまたはこれから選択するモンスターカードが場PABに配置される。なお、配置する際には、縦向き、横向き、表向き、裏向きなど配置の向きが選択可能な場合もある。例えば、表向き且つ縦向きに配置されたモンスターカードは、攻撃を行うことができる。表向き且つ横向きに配置されたモンスターカードは、攻撃を行うことができないが、相手から攻撃されてもLPが減らない。裏向きに配置されたカードは対戦相手からは内容がわからない。例えば、モンスターカードを表向きに場に配置することを「表向き召喚」ともいい、裏向きに配置することを「裏向き召喚」ともいう。
【0030】
「攻守変更」コマンドは、場に存在するモンスターカードの配置の向き(縦向き、横向き、表向き、裏向きなど)を変更するコマンドである。「攻守変更」コマンドに基づく処理の実行により、選択したモンスターカードまたはこれから選択するモンスターカードの場PABに配置される際の向きが変更される。
「魔法・罠」コマンドは、魔法・罠カードに対応付けられた効果を発動するコマンドである。「効果を発動する」とは、「効果に関連付けられている処理を実行する」ことを指す。「魔法・罠」コマンドに基づく処理の実行により、選択した魔法・罠カードまたはこれから選択する魔法・罠カードに対応付けられた効果が発動される。
「モンスター効果」コマンドは、効果を有するモンスターカードに対応付けられた所定の効果を発動するコマンドである。「モンスター効果」コマンドに基づく処理を実行することにより、選択したモンスターカードまたはこれから選択するモンスターカードに対応付けられた所定の効果が発動される。
【0031】
「特殊召喚」コマンドは、表向き召喚及び裏向き召喚とは異なる実行条件(カードに対応付けられている条件)を満たした場合に可能なコマンドであって、モンスターカードを場に配置するコマンドである。
「攻撃」コマンドは、モンスターカードによって相手に攻撃を行うコマンドである。「攻撃」コマンドに基づく処理の実行により、選択したモンスターカードまたはこれから選択するモンスターカードによって相手に攻撃を行う。
【0032】
これらのコマンドのそれぞれには、ゲーム状況に応じてコマンドに基づく処理が実行可能となる実行可能条件が定められている。ゲーム状況とは、ゲームのプレイ中において、どちらのチームのターンであるか、それぞれのチームのプレイヤのLP、手札の枚数、山札の残り枚数、場にあるモンスターカードの数、墓地のモンスターカードの数、ターンの中の現在の「フェイズ」、ターンの開始からの経過時間、コマンドの選択が可能になった時点からの経過時間などといった様々な要件を指す。「フェイズ」とは各ターンの中の処理上の区切りである。一つのターンは複数のフェイズから構成されている。図3は、対戦処理における一つのターンの流れの一例を示す図である。例えば、一つのターンは、図3に示す(1)~(6)の各フェイズの順に進行する。
【0033】
(1)開始フェイズ:ターンの開始で、山札からカードを引く処理が行われる。
(2)準備フェイズ:このタイミングで自動的に発生する効果の処理が行われる。
(3)メインフェイズ1:プレイヤがカード及びコマンドを選択することで、モンスターカードの「召喚」や、「魔法・罠」、「モンスター効果」等による効果の発動に関する処理が行われる。
(4)バトルフェイズ:プレイヤによるバトルを行う操作で開始され、場に配置されたカードを用いて相手に攻撃を行い、攻撃した結果について処理が行われる。なお、バトルを行わない場合には、このバトルフェイズは行われず、下記の(6)エンドフェイズに進む。
(5)メインフェイズ2:(4)のバトルフェイズが行われた場合のみ、メインフェイズ1と同様の処理が行われる。なお、このフェイズは省略されてもよい。
(6)エンドフェイズ:ターンの終了の処理が行われる。この後、相手のターンに移行する。
【0034】
例えば、「召喚」、「攻守変更」等のコマンドは、メインフェイズでのみ実行可能なコマンドである。一方、「攻撃」コマンドは、バトルフェイズでのみ実行可能なコマンドである。また、各コマンドの実行可能条件は、フェイズ以外の他のゲーム状況によっても定められている。例えば、「召喚」コマンドでは、モンスターカードが手札領域PATにある場合に実行可能であり、無い場合には実行不可能である。「攻守変更」コマンドは、モンスターカードが場PABにある場合に実行可能であり、無い場合には実行不可能である。「モンスター効果」コマンドは、効果を有するモンスターカードが、手札領域PAT、または場PABの山札や墓地にある場合に実行可能であり、無い場合には実行不可能である。「魔法・罠」コマンドは、魔法・罠カードが手札領域PATまたは場PABにある場合に実行可能であり、無い場合には実行不可能である。「特殊召喚」コマンドは、通常の方法では召喚できない「特殊召喚」の条件対応するモンスターカードが手札領域PATまたは場PAB(領域PA5)にある場合に実行可能であり、無い場合には実行不可能である。「攻撃」コマンドは、モンスターカードが場PABにある場合に実行可能であり、無い場合には実行不可能である。また、「攻撃」コマンドは、各モンスターカードについて1ターンに1回のみ実行可能である。なお、これらのコマンドに基づく処理を実行可能な条件は一例であって、各カードの種別、対戦相手とのLPの大小関係、どちらのターンであるか等によって様々な条件が定められてもよい。
【0035】
次に、プレイヤがコマンド及びカードの選択を行う方法について説明する。プレイヤは、自身のターンでコマンド選択画面に表示されるコマンドの選択肢に対する操作により、コマンドを選択することができる。例えば、メインフェイズにおけるコマンドの選択肢には、「召喚」、「攻守変更」、「魔法・罠」、「モンスター効果」、及び「特殊召喚」等が含まれる。また、コマンド選択画面には、メインフェイズからバトルフェイズへ遷移させるための操作子として機能する「バトル」アイコン、メインフェイズやバトルフェイズからエンドフェイズへ遷移させるための操作子として機能する「ターン終了」アイコンなども表示されてもよい。また、バトルフェイズおけるコマンドの選択肢には、「攻撃」等が含まれる。
【0036】
プレイヤが、カードの選択を伴うコマンドを選択した場合には、そのコマンドで選択可能なカードの選択肢が表示されるカード選択画面に遷移し、カードの選択が可能となる。なお、先にカードを選択することにより、選択可能なコマンドの選択肢が表示されるようにしてもよい。
【0037】
〔システム構成〕
次に、本実施形態に係るゲームシステム1のシステム構成の概要を説明する。
図4は、本実施形態に係るゲームシステム1の構成の一例を示すブロック図である。ゲームシステム1は、複数のユーザ端末10(10-1、10-2、10-3、・・・)と、ゲームサーバ30とのコンピュータ装置を備えており、これらのコンピュータ装置は通信ネットワークNWを介して接続される。
【0038】
ユーザ端末10は、ゲームプログラムに基づいてゲームの処理を実行する。例えば、ユーザ端末10は、ユーザが利用するコンピュータ装置であり、PC(Personal Computer)、タブレットPC、スマートフォンやフィーチャーフォン等の携帯電話機、ゲーム機等である。本実施形態では、ユーザ端末10はスマートフォンであるとして説明する。
【0039】
例えば、図1に示すプレイヤA、プレイヤB、プレイヤC、プレイヤD、プレイヤE、及びプレイヤFがそれぞれ異なるユーザがプレイするプレイヤである場合、各プレイヤは、それぞれのユーザ端末10のゲーム画面を見ながらカードゲームをプレイする。このとき、各プレイヤは、それぞれのユーザ端末10において、ゲームサーバ30を介して同一の対戦ゲームをプレイすることができる。
【0040】
ゲームサーバ30は、ユーザ端末10で実行可能なゲームを提供するサーバ装置である。例えば、ゲームサーバ30は、ユーザ端末10においてゲームの処理を実行するためのゲームプログラムを、ユーザ端末10からダウンロード可能に提供する。なお、ユーザ端末10がダウンロードするゲームプログラムは、ゲームサーバ30に限らず、他のダウンロード可能なサーバ装置に記憶されていてもよい。
【0041】
また、ゲームサーバ30は、ユーザ端末10において上記ゲームプログラムが実行されることによりプレイ可能なゲームのサーバ側の処理を実行する。例えば、ゲームサーバ30は、ユーザ端末10からプレイヤの操作に基づく情報(カードの選択情報やコマンドの選択情報等)を取得し、取得した情報に基づいてゲームの処理(例えば、対戦ゲームの処理)を実行する。また、ゲームサーバ30は、ユーザ端末10から取得した各種の情報、及びゲームのプレイ結果やプレイ履歴データなどを記憶するとともに、必要に応じてユーザ端末10に送信する。
【0042】
図5は、本実施形態に係るユーザ端末10のハードウェア構成の一例を示す図である。ユーザ端末10は、例えば、CPU(Central Processing Unit)11と、通信部12と、入力部13と、表示部14と、記憶部15とを備え、通信ネットワークNWを介して接続されたゲームサーバ30や他の装置等と通信部12を介して通信を行う。これらの構成要素は、バス(Bus)などを介して相互に通信可能に接続されている。CPU11は、記憶部15に記憶された各種プログラムを実行し、ユーザ端末10の各部を制御する。
【0043】
通信部12は、ユーザ端末10とゲームサーバ30とが通信可能な無線LAN(Local Area Network)、有線LAN、移動体通信(LTE等)等の通信ネットワークNWの通信規格に対応した通信を行うデバイスである。
入力部13は、ゲーム実行中にインタラクティブな情報を受取ることが可能なデバイスである。インタラクティブな情報とは、例えば、入力部13に対するユーザの操作に応じた操作情報である。例えば、入力部13は、タッチパネルとしてディスプレイと一体に構成されている。入力部13は、ユーザの操作に応じて入力された操作情報をCPU11へ出力する。なお、入力部13は、ボタン、キーボード、レバーなどの機械的操作による物理デバイス、GUIによるポインティングデバイス(マウスやタッチパネル)、音声やジェスチャによる認識デバイス(マイク、カメラ)等であってもよい。
表示部14は、画像やテキスト等の情報を表示するディスプレイであり、例えば、液晶ディスプレイパネル、有機EL(ElectroLuminescence)ディスプレイパネルなどを含んで構成される。なお、表示部14はユーザ端末10と別体として構成されてもよく、例えば、テレビ、外付けモニター、ヘッドマウントディスプレイ(HMD)であってもよい。
【0044】
記憶部15は、例えば、HDD(Hard Disk Drive)やSSD(Solid State Drive)、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read-Only Memory)、ROM(Read-Only Memory)、RAM(Random Access Memory)などを含み、ユーザ端末10が処理する各種情報や画像、プログラム(ゲームプログラムを含む)等を記憶する。なお、記憶部15は、ユーザ端末10に内蔵されるものに限らず、USB等のデジタル入出力ポート等によって接続された外付け型の記憶装置でもよい。また、ユーザ端末10は、不図示のスピーカ、音声出力端子、カメラ、ジャイロセンサ、GPS(Global Positioning System)受信モジュールなどを含んで構成されてもよい。
【0045】
図6は、本実施形態に係るゲームサーバ30のハードウェア構成の一例を示す図である。ゲームサーバ30は、例えば、CPU31と、通信部32と、入力部33と、記憶部35とを備え、通信ネットワークNWを介して接続された複数のユーザ端末10や他の装置等と通信部32を介して通信を行う。これらの構成要素は、バス(Busなど)を介して相互に通信可能に接続されている。CPU31は、記憶部35に記憶されたサーバ側のゲームプログラムを実行し、複数のユーザ端末10で実行されるゲームの処理に必要な各種のデータを提供する。
【0046】
通信部32は、ユーザ端末10とゲームサーバ30とが通信可能な無線LAN、有線LAN、移動体通信(LTE等)等の通信ネットワークNWの通信規格に対応した通信を行うデバイスである。
入力部33は、ボタン、キーボード、レバーなどの機械的操作による物理デバイス、GUIによるポインティングデバイス(マウスやタッチパネル)、音声やジェスチャによる認識デバイス(マイク、カメラ)等である。
【0047】
記憶部35は、例えば、HDD、EEPROM、RAMなどを含み、ゲームプログラム、アプリケーションプログラム、ゲームに必要な各種設定情報及び履歴情報などを記憶する。なお、記憶部35は、ゲームサーバ30に内蔵されるものに限らず、USB等のデジタル入出力ポート等によって接続された外付け型の記憶装置でもよい。また、記憶部35は、ゲームサーバ30とは物理的に離れた外部の記憶装置であってもよく、ゲームサーバ30とインターネットなどの通信網を介して接続されてもよい。また、ゲームサーバ30は、不図示の表示部、スピーカ、音声出力端子などのハードウェア構成を含んで構成されてもよい。
【0048】
〔機能構成〕
次に、図7を参照して、ゲームシステム1が備えるユーザ端末10及びゲームサーバ30の機能構成について説明する。図7は、本実施形態に係るユーザ端末10及びゲームサーバ30の機能構成の一例を示すブロック図である。
【0049】
〔ユーザ端末10の機能構成〕
まず、ユーザ端末10の機能構成について説明する。ユーザ端末10は、記憶部15に記憶されている端末側のゲームプログラムをCPU11が実行することにより実現される機能構成として、ゲーム制御部110を備えている。ゲーム制御部110は、入力部13に対するユーザの操作に応じてゲームの処理を実行する。例えば、ゲーム制御部110は、上述した対戦ゲームの処理を実行し、対戦ゲームの処理に応じた各種ゲーム画面(例えば、図2参照)を表示部14に表示させる。ゲーム制御部110は、入力受付部111と、デッキ処理部112と、データ処理部113と、表示制御部114とを備えている。
【0050】
入力受付部111は、入力部13を介してユーザの操作を受け付ける。例えば、入力受付部111は、ユーザの操作に応じて入力部13に入力された操作情報を取得する。
デッキ処理部112は、入力受付部111が取得した操作情報に基づいて、デッキに含まれるカードの配置処理を行なう。例えば、図2に示すゲーム画面に対する操作に基づいて、カードの配置変更などを行う。
【0051】
データ処理部113は、通信部12を介してゲームサーバ30とゲームの処理に必要な各種のデータを授受する。例えば、データ処理部113は、デッキ処理部112によりカードの配置変更が行われた場合、その配置情報をゲームサーバ30へ送信する。また、データ処理部113は、入力受付部111が取得した操作情報に基づいて、カードの選択やコマンドの選択の操作がされた場合には、選択されたカード及びコマンドに基づく情報をゲームサーバ30へ送信する。また、データ処理部113は、ゲームサーバ30からカードの情報や、対戦結果の情報、デッキ情報、対戦相手の情報などを必要に応じて取得する。
表示制御部114は、表示部14におけるゲーム画面の表示を制御する。
【0052】
〔ゲームサーバ30の機能構成〕
次に、ゲームサーバ30の機能構成について説明する。
ゲームサーバ30は、記憶部35に記憶されているサーバ側のゲームプログラムをCPU31が実行することにより実現される機能構成として、サーバ制御部310を備えている。サーバ制御部310は、ゲームサーバ30の各部を制御する。また、記憶部35は、ユーザデータ記憶部351と、カードデータ記憶部352と、所持カードデータ記憶部353と、デッキデータ記憶部354と、ゲーム状況記憶部355とを備えている。
【0053】
ユーザデータ記憶部351は、ユーザ端末10においてゲームをプレイする複数のユーザのユーザデータが記憶される。例えば、ユーザデータ記憶部351には、ユーザデータとして、ユーザを識別するための識別情報(例えば、ユーザID)や、ユーザ名、ゲームの進行に応じて値が増加するユーザレベル、ユーザがプレイした履歴情報などが関連付けられて記憶される。
【0054】
カードデータ記憶部352は、ゲームで用意されている複数のカードに関するデータが記憶される。図8は、カードデータ記憶部352に記憶されるカードデータテーブルTBL301のデータ例を示す図である。カードデータテーブルTBL301には、カードID、カード名称、カード画像、カード種別、攻撃力、守備力、属性、効果種別、レベル、カードテキストなどが関連付けられて格納される。カードIDは、カードを識別可能な識別情報である。カード名称は、カードに付けられている名称である。カード画像は、ゲーム画面にカードが表示される際の画像であり、当該画像のファイルまたはファイルへのリンク情報が格納される。カード種別には、カードの種別(「モンスター」、「魔法」、「罠」など)を示す情報が格納される。攻撃力及び守備力には、モンスターカードの攻撃力及び守備力を示す情報が格納される。属性には、モンスターカードのモンスターの種別(特性)を示す情報(炎、闇、光、地など)が格納される。効果種別には、効果を有するカードには効果の種別が格納され、効果のないカードにはその旨を示す情報が格納される。レベルは、モンスターカードのモンスターのレベルである。カードテキストには、カードアイコンに記載されるテキスト情報が格納される。
【0055】
所持カードデータ記憶部353は、各ユーザが所持するカードのデータ(所持カードデータ)が記憶される。具体的には、所持カードデータ記憶部353には、ユーザごとに、ユーザの識別情報(例えば、ユーザID)と、そのユーザが所持するカードのカードIDとが関連付けられた所持カードデータが記憶される。
【0056】
デッキデータ記憶部354は、デッキ設定データと、対戦中デッキデータが記憶される。デッキ設定データは、各ユーザの所持するカードが設定されたデッキを管理するためのデータである。例えば、デッキ設定データには、ユーザIDと、デッキの識別情報(例えば、デッキID)と、デッキに設定されているカードのカードIDとが関連付けられて格納される。例えば、図1に示すデッキα1、α2、α3、β1、β2、β3それぞれのデッキ設定データが記憶されている。一方、対戦中デッキデータは、対戦中のカードの配置状態を管理するためのデータであり、各ユーザがプレイヤとして対戦プレイで使用しているデッキのカードの配置状態などの情報が含まれる。カードの配置状態とは、図2に示すゲーム画面において、カードが配置される場所及び配置の向き(縦向き、横向き、表向き、裏向き等)などのことである。例えば、デッキα1とデッキβ1とを使用した対戦では、デッキα1に設定されているカードの配置状態などの情報が含まれる対戦中デッキデータと、デッキβ1に設定されているカードの配置状態などの情報が含まれる対戦中デッキデータとが生成され、対戦中は随時更新される。なお、カードの配置状態とは、ユーザの操作によって配置された状態であるため、換言すると、ユーザに操作された状態(操作状態)ともいうことができる。即ち、デッキデータ記憶部354は、ユーザに操作された状態(操作状態)を管理する。
【0057】
図9は、デッキデータ記憶部354に記憶される対戦中デッキデータテーブルTBL302のデータ例を示す図である。対戦中デッキデータテーブルTBL302には、デッキデータとして、エリアID、カードID、状態1、状態2等が関連付けられて格納される。エリアIDは、カードが配置される場所を識別可能な識別情報である。例えば、エリアIDは、図2に示す手札領域PAT、山札領域PA1、モンスター領域PA2、魔法・罠領域PA3、墓地領域PA4、エクストラ領域PA5などの各場所と、更にそれぞれの場所における詳細の位置(例えば、手札であれば手札領域PAT内の位置、山札であれば重ねられている順番、モンスターエリアではあれば、右、中央、左のそれぞれの位置)とを識別可能なように、それぞれの場所、位置に対して異なるエリアIDが設定されている。カードIDには、各エリアIDが示す場所に配置されているカードのカードIDが格納される。また、状態1及び状態2は、カードの配置の向きを示す情報であり、状態1には表向きか裏向きかを示す情報が格納され、状態2には縦向きか横向きかを示す情報が格納される。
【0058】
ゲーム状況記憶部355は、対戦中のゲームの進行状況を管理するための対戦状況管理データが記憶される。図10は、ゲーム状況記憶部355に記憶される対戦状況管理テーブルTBL303のデータ例を示す図である。対戦状況管理テーブルTBL303には、対戦状況管理データとして、対戦するチームを識別するための識別情報(チームIDまたはチーム名など)と、それぞれのチームのプレイヤを識別するための識別情報(プレイヤIDまたはプレイヤ名など)と、それぞれのプレイヤとしてプレイするユーザを識別するための識別情報(ユーザIDまたはユーザ名など)と、それぞれのLP(図示する例では、プレイヤAのLPが4000、プレイヤDのLPが3000)、プレイヤAのターンであるかプレイヤDのターンであるか(図示する例では、「プレイヤAのターン」)、実行中のフェイズ(図示する例では、メインフェイズ)、ターンが開始されてから現在までに経過したターン経過時間(図示する例では、15秒)が格納される。
【0059】
図7に戻り、サーバ制御部310は、ゲームの処理を実行する。例えば、サーバ制御部310は、対戦処理部311(第1決定部及び第2決定部の一例)と、カード追加部312(追加部の一例)と、データ処理部313とを備えている。
【0060】
対戦処理部311は、図1~3を参照して説明した対戦ゲームの対戦処理を実行する。例えば、対戦処理部311は、各ユーザ端末10で選択されたカード及びコマンドに基づく情報を取得すると、デッキデータ記憶部354に記憶されるデッキデータ(図9参照)を参照し、各チームのプレイヤが使用するデッキにおけるカードの配置及び選択とコマンドの実行とに基づく対戦処理を実行する。また、とともに、ゲーム状況記憶部355に記憶される対戦状況管理データ(図10参照)を更新する。対戦処理部311は、対戦状況管理データにおいてLPが先に0になった方のチーム(プレイヤ)を敗北、他方のチーム(プレイヤ)を勝利として、対戦の結果を決定する。
【0061】
カード追加部312は、対戦処理部311が決定した対戦の結果に基づいて、対戦したチームのいずれか一方のチームに含まれる複数のデッキ(デッキ群)のうち、対戦に使用したデッキ以外のデッキに所定のカードを追加する。例えば、カード追加部312は、敗北した側のチームに含まれる複数のデッキのうち当該対戦でプレイヤが使用したデッキ以外のデッキ(例えば、次回以降の対戦で敗北した側のチームのプレイヤが使用するデッキ)に所定のカードを追加する。例えば、カード追加部312は、敗北した側のチームで対戦に使用したデッキに含まれるカードの中から、当該デッキを用いてプレイしたプレイヤにより選択されたカードを、上記追加する所定のカードとして選択する。即ち、敗北した側のプレイヤは、自身のデッキの中から任意のカード(例えば、対戦に有利に働く強力なカード)を選択して、次回以降に対戦する自チームのプレイヤが使用するデッキに追加することができる。なお、追加する所定のカードは、プレイヤが選択するものに限られるものではなく、ゲームで予め設定されたカードであってもよい。予め設定されたカードとは、例えば、ゲームで用意されているカードのうち、対戦に有利に働く強力なカードの一つである。
【0062】
例えば、図1に示す例を用いて、対戦処理部311及びカード追加部312の機能を説明すると、以下のようになる。
対戦処理部311は、チームαに含まれるデッキのうちのプレイヤAが使用するデッキα1と、チームβに含まれるデッキのうちのプレイヤDが使用するデッキβ1との1回戦の対戦の結果を決定する。カード追加部312は、対戦処理部311が決定した対戦の結果に基づいて、チームαのうちデッキα1以外のデッキに所定のカードを追加する。例えば、カード追加部312は、1回戦の対戦の結果がチームα側のデッキα1の敗北である場合に、2回戦の対戦でチームα側のプレイヤBが使用するデッキα2に所定のカードを追加する。このデッキα2に追加する所定のカードは、例えば、デッキα1に含まれるカードの中から、デッキα1を用いてプレイしたプレイヤAにより選択されたカードである。
【0063】
ここで、カード追加部312は、所定のカードをデッキに追加する場合、例えば、追加するデッキのデッキ設定データを更新する。なお、単に、所定のカードをデッキに追加するだけではなく、対戦する際に追加する場所が定められていてもよいし、追加する場所をプレイヤが指定できるようにしてもよい。その場合、カード追加部312は、デッキ設定データに追加されたカードの場所に応じて対戦中デッキデータテーブルTBL302(図9参照)を更新する。例えば、カード追加部312は、所定のカードをデッキの手札に加える場合、所定のカードをデッキに加えるためにデッキ設定データを更新し、対戦の開始時点で、所定のカードが手札領域PATに配置されるように対戦中デッキデータテーブルTBL302を更新する。なお、カード追加部312は、所定のカードをデッキの手札以外の場所(例えば、場または場の中の山札など)に追加してもよい。
【0064】
次に、対戦処理部311は、次回以降の対戦で、上記所定のカードを追加したチームαに含まれるデッキと、チームβに含まれるデッキのいずれかとの対戦の結果を決定する。例えば、対戦処理部311は、2回戦において、所定のカードを追加したチームα側のプレイヤBが使用するデッキα2と、チームβ側で1回戦で使用されたデッキβ1(2回戦ではプレイヤEが引き継いで使用)との対戦の結果を決定する。
【0065】
また、カード追加部312は、2回戦の対戦の結果がチームβ側のデッキβ1の敗北である場合に、3回戦の対戦でチームβ側のプレイヤFが使用するデッキβ2に所定のカードを追加する。そして、対戦処理部311は、3回戦では、チームα側で2回戦で使用されたデッキα2(3回戦ではプレイヤCが引き継いで使用)と、所定のカードを追加したチームβ側のプレイヤFが使用するデッキβ2との対戦の結果を決定する。
【0066】
データ処理部313は、通信部32を介して、複数のユーザ端末10とゲームの処理に必要な各種のデータを授受する。例えば、データ処理部313は、ユーザ端末10からデッキのカードの配置情報を取得すると、当該配置情報に基づいてデッキデータ記憶部354に記憶されるデッキデータを更新する。また、データ処理部313は、選択されたカード及びコマンドに基づく情報をユーザ端末10から取得すると、取得した情報を対戦処理部311へ受け渡す。また、データ処理部313は、カードの情報や、対戦結果の情報、デッキ情報、対戦相手の情報などを必要に応じてユーザ端末10へ送信する。
【0067】
〔対戦処理の動作〕
次に、ゲームサーバ30のCPU31が実行する対戦処理の動作について説明する。
図11は、本実施形態に係る対戦処理の一例を示すフローチャートである。ここでは、図1に示すチームα(プレイヤA、プレイヤB、プレイヤC)とチームβ(プレイヤD、プレイヤE、プレイヤF)との3対3の対戦を例に説明する。
【0068】
まず、CPU31は、対戦チームのマッチングを行い対戦相手(チーム)を決定する(ステップS100)。次に、CPU31は、対戦回数Nを1(N=1)に設定し(ステップS102)、1回戦の対戦処理を実行する(ステップS104)。例えば、CPU31は、対戦処理を、図3に示す各フェイズの順に進行させる。
【0069】
CPU31は、上記1回戦の対戦処理により、チームαに含まれるデッキのうちのプレイヤAが使用するデッキα1と、チームβに含まれるデッキのうちのプレイヤDが使用するデッキβ1との1回戦の対戦の結果を決定する(ステップS106)。具体的には、CPU31は、プレイヤAが使用するデッキα1とプレイヤDとのプレイヤDが使用するデッキβ1との対戦をターン制で交互に進行させ、ゲーム状況記憶部355に記憶される対戦状況管理データを参照し、LPが先に0になった方のチーム(プレイヤ)を敗北、他方のチーム(プレイヤ)を勝利として、対戦の結果を決定する。ここでは、図1に示す例のように、チームα(プレイヤA)が敗北したものとする。
【0070】
次に、CPU31は、対戦回数Nが3(N=3)になったか否かを判定する(ステップS108)。この時点では対戦回数Nが1(N=1)であるため、CPU31は、対戦回数Nが3(N=3)になっていないと判定し(NO)、ステップS110の処理に進む。
【0071】
ステップS110において、CPU31は、ステップS106において決定した対戦の結果に基づいて、対戦したチームのいずれかのチームの複数のデッキのうち対戦に使用したデッキ以外のデッキに所定のカードを追加する。例えば、CPU31は、敗北した側のチームの複数のデッキのうち当該対戦でプレイヤが使用したデッキ以外のデッキ(例えば、次回以降の対戦で敗北した側のチームのプレイヤが使用するデッキ)に所定のカードを追加する。このカード追加処理の一例について、図12を参照して説明する。
【0072】
図12は、本実施形態に係るカード追加処理の一例を示すフローチャートである。CPU31は、ステップS106において決定した対戦の結果に基づいて、敗北した側のチームαのプレイヤAに、上記の所定のカードを選択させる指示を行う(ステップS1102)。具体的には、CPU31は、プレイヤAのユーザ端末10のゲーム画面に対して、デッキα1の中から上記の所定のカードを選択するための選択画面を表示させる指示を通信部32を介して送信する。これにより、プレイヤAのユーザ端末10の表示部14に選択画面が表示され、デッキα1の中からカードの選択が可能となる。
【0073】
プレイヤAによりカードが選択されると、CPU31は、選択されたカードを示す情報をユーザ端末10から通信部32を介して取得する。CPU31は、デッキα1の中から選択されたカードを、上記の所定のカードとして選択する(ステップS1104)。
【0074】
そして、CPU31は、敗北した側のチームαで、次の2回戦の対戦でプレイヤBが使用するデッキα2に、上記の所定のカードとして選択されたカードを追加する。例えば、CPU31は、プレイヤBが使用するデッキα2のデッキデータ(図9参照)を更新することにより、上記の所定のカードとして選択されたカードをデッキα2の手札に追加する(ステップS1106)。
【0075】
図11に戻り、CPU31は、対戦回数Nに1を加え(N=N+1:ステップS112)、ステップS104の処理に戻る。そして、CPU31は、2回戦の対戦処理を実行する。
【0076】
CPU31は、上記2回戦の対戦処理により、所定のカードを追加したチームα側のプレイヤBが使用するデッキα2と、チームβ側で1回戦で使用されたデッキβ1(2回戦ではプレイヤEが引き継いで使用)との対戦の結果を決定する(ステップS106)。ここでは、図1に示す例のように、チームβ(プレイヤE)が敗北したものとする。
【0077】
次に、CPU31は、対戦回数Nが3(N=3)になったか否かを判定する(ステップS108)。この時点では対戦回数Nが2(N=2)であるため、CPU31は、対戦回数Nが3(N=3)になっていないと判定し(NO)、ステップS110の処理に進む。
【0078】
ステップS110において、CPU31は、ステップS106において決定した対戦の結果に基づいて、敗北した側のチームβで、次の3回戦の対戦でプレイヤFが使用するデッキβ2に、デッキβ1の中からプレイヤEにより上記の所定のカードとして選択されたカードを追加する。例えば、CPU31は、プレイヤFが使用するデッキβ2のデッキデータ(図9参照)を更新することにより、上記の所定のカードとして選択されたカードをデッキβ2の手札に追加する。
【0079】
次に、CPU31は、対戦回数Nに1を加え(N=N+1:ステップS112)、ステップS104の処理に戻り、3回戦の対戦処理を実行する。
【0080】
CPU31は、上記3回戦の対戦処理により、チームα側で2回戦で使用されたデッキα2(3回戦ではプレイヤCが引き継いで使用)と、所定のカードを追加したチームβ側のプレイヤFが使用するデッキβ2との対戦の結果を決定する(ステップS106)。
【0081】
次に、CPU31は、対戦回数Nが3(N=3)になったか否かを判定する(ステップS108)。この時点では対戦回数Nが3(N=3)であるため、CPU31は、対戦回数Nが3(N=3)になったと判定し(YES)、ステップS114の処理に進む。
【0082】
ステップS114において、CPU31は、3回戦の対戦の結果に基づいて最終結果を対戦したチームのユーザ端末10に対して通知する。
【0083】
〔第1の実施形態のまとめ〕
以上説明してきたように、本実施形態に係るゲームサーバ30(ゲーム装置の一例)は、複数のカード(ゲーム要素の一例)が含まれるデッキを用いるゲームの処理を実行する。例えば、ゲームサーバ30は、第1のチーム(デッキ群の一例)と第2のチーム(デッキ群の一例)とが対戦するゲームの処理を実行する。一例として、ゲームサーバ30は、第1のチーム(例えば、チームα)に含まれるデッキのうちのプレイヤAが使用するデッキα1(第1デッキの一例)と、第2のチーム(例えば、チームβ)に含まれるデッキのうちのプレイヤDが使用するデッキβ1(第2デッキの一例)との第1の対戦(例えば、1回戦)の結果を決定する。また、ゲームサーバ30は、決定した対戦の結果に基づいて、第1のチーム(例えば、チームαのデッキ群)のうちプレイヤAが使用するデッキα1以外のデッキ(例えば、プレイヤBが使用するデッキα2)に所定のカードを追加する。そして、ゲームサーバ30は、所定のカードを追加したデッキ(例えば、プレイヤBが使用するデッキα2)と、第2のチーム(例えば、チームβ)に含まれるデッキのいずれかとの第2の対戦(例えば、2回戦)の結果を決定する。
【0084】
これにより、ゲームサーバ30は、デッキを用いた複数回対戦において、対戦結果が次回以降の対戦に用いるデッキの内容に影響するため、興趣性の高いゲームとすることができる。
【0085】
例えば、ゲームサーバ30は、第1の対戦(例えば、1回戦)の結果がデッキα1(第1デッキの一例)の敗北である場合に、第1のチーム(例えば、チームα)のうちデッキα1以外のデッキ(例えば、デッキα2)に所定のカードを追加する。
【0086】
これにより、ゲームサーバ30は、デッキを用いた対戦を複数回行う際に、一の対戦で敗北した側が次回以降の対戦で使用するデッキに所定のカードを加えてプレイすることができるため、敗北した側が次回以降の対戦で、所定のカードを加える前よりも有利な状態でプレイを開始することができる。よって、いずれか一方の側ばかり勝ち続けてしまうような一方的な展開になりにくく、興趣性の高いゲームとすることができる。
【0087】
ここで、ゲームサーバ30は、デッキα1(第1デッキの一例)に含まれるカードの中から、デッキα1を用いてプレイしたプレイヤA(プレイヤの一例)により選択されたカードを、上記の所定のカードとして選択してもよい。
【0088】
これにより、ゲームサーバ30は、一の対戦で敗北した側のデッキの中からプレイヤが選択したカードを、当該敗北した側の次回以降の対戦で使用されるデッキに加えるため、敗北した側が次回以降の対戦で有利な状態でプレイを開始することができる。例えば、敗北した側のプレイヤは、使用したデッキの中から対戦で有利な効果を発揮する強力なカードを任意に選択して、次回以降の対戦で使用するデッキに加えることができるため、敗北した側が次回以降の対戦で勝利する可能性を高めることができる。
【0089】
なお、ゲームサーバ30は、予め設定されたカードを上記の所定のカードとして追加してもよい。
【0090】
これにより、ゲームサーバ30は、予め設定されたカードを、一の対戦で敗北した側の次回以降の対戦で使用されるデッキに加えるため、敗北した側が次回以降の対戦で有利な状態でプレイを開始することができる。
【0091】
また、ゲームサーバ30は、例えば、所定のカードを追加したデッキα2と、第2のチーム(例えば、チームβ)に含まれるデッキβ1(第2デッキの一例)の対戦の結果を決定する。即ち、ゲームサーバ30は、例えば、チームαのプレイヤAが使用するデッキα1とチームβのプレイヤDが使用するデッキβ1との対戦で、チームα側が敗北した場合、勝利したチームβ側のデッキβ1を次回以降の対戦でも使用する。
【0092】
これにより、ゲームサーバ30は、一の対戦の結果によって、次回以降に使用されるデッキが決まる(一方は、一の対戦で使用されたデッキと同じデッキとなる)ため、戦略性が向上し、興趣性の高いゲームとすることができる。
【0093】
[第2の実施形態]
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。
第1の実施形態では、対戦の結果に基づいて、次の対戦で使用するデッキに所定のカードを追加する例を説明したが、対戦の結果に基づいて、追加するカードの数を変更してもよい。
【0094】
例えば、カード追加部312は、1回戦における対戦の結果に基づいて2回戦で使用するデッキに追加する所定のカードの数を、決定してもよい。例えば、カード追加部312は、敗北した側の次回以降の対戦で使用するデッキに加えるカードの数を、勝敗の差が小さいときには少なく(例えば、1枚)、勝敗の差が大きいときには多く(例えば、2枚または3枚)してもよい。なお、カード追加部312は、対戦結果の勝敗の差を、例えば、勝敗が決したときのプレイヤのLPの差に基づいて判断してもよいし、プレイヤ(ユーザ)のレベル差、残っているカードのレベル差、またはカードの残数などに基づいて判断してもよい。
【0095】
図13は、本実施形態に係るカード追加処理の一例を示すフローチャートである。図示するカード追加処理は、図11のステップS110の処理の具体例であり、第1の実施形態の図12に示すカード追加処理の変形例に相当する。
CPU31は、図11のステップS106において決定した対戦の結果に基づいて、敗北した側のチームαのプレイヤBが使用するデッキα2に追加する所定のカードの数を決定する(ステップS1100A)。
【0096】
次に、CPU31は、ステップS106において決定した対戦の結果に基づいて、敗北した側のチームαのプレイヤAに、上記決定した数の分の所定のカードを選択させる指示を行う(ステップS1102A)。具体的には、CPU31は、プレイヤAのユーザ端末10のゲーム画面に対して、デッキα1の中から数の分の所定のカードを選択するための選択画面を表示させる指示を通信部32を介して送信する。これにより、プレイヤAのユーザ端末10の表示部14に選択画面が表示され、デッキα1の中からカードの選択が可能となる。
【0097】
プレイヤAにより上記の数の分のカードが選択されると、CPU31は、選択されたカードを示す情報をユーザ端末10から通信部32を介して取得する。CPU31は、デッキα1の中から選択された上記の数の分のカードを、上記の所定のカードとして選択する(ステップS1104A)。
【0098】
そして、CPU31は、敗北した側のチームαで、次の2回戦の対戦でプレイヤBが使用するデッキα2に、上記の所定のカードとして選択された上記の数の分のカードを追加する。例えば、CPU31は、プレイヤBが使用するデッキα2のデッキデータ(図9参照)を更新することにより、上記の所定のカードとして選択された上記の数の分のカードをデッキα2の手札に追加する(ステップS1106A)。そして、図11のステップS112の処理に進む。
【0099】
このように、ゲームサーバ30は、第1の対戦(例えば、1回戦)における対戦の結果に基づいて、上記の所定のカードの数を決定してもよい。
【0100】
これにより、ゲームサーバ30は、例えば、対戦結果の勝敗の差が大きいような場合には、敗北した側の次回以降の対戦で使用するデッキに加えるカードの数を増やすことにより、大差で負けたチームでも次回以降の対戦で勝利する可能性を高めることができる。
【0101】
[第3の実施形態]
次に、本発明の第3の実施形態について説明する。ここでは、対戦ゲームの進行に関する制御について説明する。第1の実施形態において、一の対戦で勝利した側のチームは、当該一の対戦で使用したデッキを次の対戦でそのまま引き継ぎ、敗北した側のチームは新たなデッキで次の対戦を行う例を説明したが、単にデッキを引き継ぐのみではなく、対戦の結果が決したときの(即ち、勝利したときの)場の状態(場に配置されているカードの配置状態)及び手札の状態(手札として配置されているカードの配置状態)の一部または全部を引き継いで次の対戦を開始してもよい。場のカードの配置状態とは、例えば図2に示す場PABまたは場PBB内のカードの配置状態である。手札のカードの配置状態とは、例えば図2に示す手札領域PATまたは手札領域PBT内のカードの配置状態である。また、このカードの配置状態は、デッキデータ記憶部354に記憶されているデッキデータで管理されている。なお、このカードの配置状態は、対戦でプレイヤ(ユーザ)が操作した操作状態ということもできる。
【0102】
例えば、図1に示す例において、2回戦では、チームαのプレイヤBは、デッキα2にプレイヤAから追加されたカードを加えた状態で、チームβのプレイヤEと対戦するが、チームβのプレイヤEは、1回戦で使用されたデッキβ1に対するプレイヤDの操作状態(場や手札に配置されているカードの配置状態など)をそのまま引き継ぎいで使用する。また、第1の実施形態でも説明したように、2回戦では、1回戦で敗北した側のプレイヤが先攻となる(敗北した側のプレイヤのターンから開始される)。また、通常は、先攻の1ターン目(最初のターン)では、攻撃ができないなど対戦に関する操作のうちの一部を受け付けないように制限が設けられているが、2回戦目以降の先攻のターンでは当該制限が解除される。このように、次の対戦では、敗北した側が先攻となることや、先攻の1ターン目で攻撃ができないなどの制限も解除されるといった制御も、敗北した側のチームが次の対戦を有利に進められる可能性を高めることになる。
【0103】
図14を参照して、ゲームサーバ30のCPU31が実行する対戦ゲームの進行に関する制御処理の動作について説明する。図14は、対戦ゲームの進行に関する制御処理の一例を示すフローチャートである。
【0104】
CPU31は、対戦処理において、1回戦の対戦であるか2回戦目以降の対戦であるかを判定する(ステップS200)。CPU31は、1回戦の対戦であると判定した場合には、先攻/後攻を抽選で決定し(ステップS202)、ステップS206の処理へ進む。一方、CPU31は、2回戦目以降の対戦であると判定した場合には、前回の対戦で敗北した側のチームのプレイヤを先攻に決定し(ステップS204)、ステップS210の処理へ進む。
【0105】
また、ステップS206において、CPU31は、1回戦の対戦であると判定した場合には、先攻の1ターン目であるか否かを判定する。CPU31は、先攻の1ターン目であると判定した場合(YES)、攻撃ができないなどの制限ありに設定する(ステップS208)。一方、CPU31は、先攻の1ターン目でないと判定した場合(NO)、ステップS210の処理へ進む。ステップS210において、CPU31は、攻撃ができないなどの制限なしに設定する。
【0106】
このように、ゲームサーバ30は、図1に示す例のようにチームαとチームβとが対戦するゲームの処理を実行する際に、1回戦では、チームαのデッキα1(第1デッキの一例)に含まれるカードに対するプレイヤAの操作と、チームβのデッキβ1(第2デッキの一例)に含まれるカードに対するプレイヤDの操作とに基づいて、デッキα1とデッキβ1との対戦の結果を決定する。また、ゲームサーバ30は、2回戦では、チームαのうちのデッキα1以外のデッキα2(第3デッキの一例)に含まれるカードに対するプレイヤの操作と、チームβのデッキβ1に含まれるカードに対するプレイヤEの操作とに基づいて、デッキα2とデッキβ1との対戦の結果を決定する。また、この2回戦の対戦では、デッキβ1に含まれるカードは、1回戦における対戦でプレイヤDに操作された状態を引き継いで開始される。なお、プレイヤDに操作された状態(操作状態)とは、例えば、カードの配置状態(配置される場所及び配置の向きなど)のことである。
【0107】
これにより、ゲームサーバ30は、一の対戦で使用したデッキのいずれか一方のデッキに対する操作状態(場や手札に配置されているカードの配置状態など)が、次回の対戦でも引き継がれるため、複数回の対戦でも明確に区切られない一連の対戦となるため、テンポよく対戦が進行されて、興趣性の高いゲームとすることができる。なお、プレイヤDに操作された状態(例えば、ゲーム要素の配置状態)の少なくとも一部を引き継いでもよい。
【0108】
例えば、ゲームサーバ30は、前記第2決定ステップにおいて、1回戦における対戦の結果がチームαのデッキα1(第1デッキの一例)の敗北及びチームβのデッキβ1(第2デッキの一例)の勝利であった場合に、デッキα2(第3デッキの一例)とデッキβ1との対戦の結果を決定する。
【0109】
これにより、ゲームサーバ30は、勝利した側のデッキに対する操作状態(場や手札に配置されているカードの配置状態など)が、次回の対戦でも引き継がれるため、複数回の対戦でも明確に区切られない一連の対戦となるため、テンポよく対戦が進行されて、興趣性の高いゲームとすることができる。
【0110】
また、ゲームサーバ30は、複数回の対戦を勝ち抜き対戦で行うゲームの処理を実行する際に、各回の対戦を、対戦者同士(例えば、チームαのプレイヤとチームβのプレイヤ)が交互に自身のターンで対戦に関する操作を行うターン制で進行させる。また、ゲームサーバ30は、最初の対戦(1回戦)の先攻側の1ターン目では、対戦に関する操作のうちの一部を受け付けないように制限する。また、ゲームサーバ30は、対戦の結果により勝敗が決定すると、次の対戦では敗北した側を先攻とするとともに、先攻側の1ターン目での上記の制限を行わないように制御する。なお、上述の各回の対戦をターン制で進行させる進行部、対戦に関する操作のうちの一部を受け付けないように制限する制限部、及び先攻側の1ターン目での上記の制限を行わないように制御する制御部としての各構成は、例えば対戦処理部311が備えている。
【0111】
これにより、ゲームサーバ30は、ターン制の複数回対戦において、一の対戦で敗北した側が次の対戦では先攻となるとともに、通常設定されている先攻側の1ターン目での操作制限(例えば、攻撃できないなどの制限)が解除されるため、敗北した側が次回の対戦で有利な状態でプレイを開始することができる。よって、いずれか一方の側ばかり勝ち続けてしまうような一方的な展開になりにくく、興趣性の高いゲームとすることができる。
【0112】
なお、各対戦におけるターンの数に制限があってもよい。例えば、1回の対戦には、予め設定されたターン数の制限(例えば、n回:nは自然数)があり、ゲームサーバ30は、nターンの間に決着が付かない場合には、両者を敗北として次の対戦へ進む。なお、ゲームサーバ30は、nターンの間に決着が付かない場合、両者を勝利としてもよいし、引き分けとしてもよい。
【0113】
これにより、ゲームサーバ30は、各対戦で予め設定されたターン数の間で決着がつかない場合には、両者を敗北(或いは、勝利または引き分け)として次の対戦へ進めることにより、テンポよく対戦が進行されて、興趣性の高いゲームとすることができる。
【0114】
なお、対戦ゲームの制御として、敗北した側が先攻となることや、先攻の1ターン目で攻撃ができないなどの制限も解除されることは一例であって、本実施形態に係る対戦ゲームはこの制御に限定されるものではない。
【0115】
[変形例]
以上、この発明の実施形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成は上述の実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計等も含まれる。例えば、上述の実施形態において説明した各構成は、任意に組み合わせることができる。
【0116】
なお、敗北した側の次回以降の対戦で使用するデッキに追加する所定のカードには、制限が設けられてもよい。例えば、上記の所定のカードは、所定の条件を満たすカードのみであってもよい。所定の条件を満たすカードとは、使用済みのカード、未使用のカード、手札として配置されているカード、場に配置されているカード、山札として配置されているカード、特定の種類のカード、キャラクタごとに予め決められたカード、対戦前にデッキを使用するプレイヤ自身が予め指定したカード、対戦相手によって指定されたカードなどであってもよい。
【0117】
また、対戦の結果に基づいて所定のカードを追加するデッキは、次回の対戦で使用するデッキに限られず、次回以降のいずれかの対戦で使用するデッキとしてもよい。例えば、1回戦で敗北した側のチームの次の対戦(2回戦)ではなく、3回戦で使用するデッキに所定のカードを追加してもよい。また、どの対戦で使用するデッキに追加するかを敗北したプレイヤが選択できるようにしてもよい。また、上記実施形態では、3対3のチーム戦を例に説明したが、2対2のチーム戦としてもよいし、4対4以上のチーム戦としてもよい。
【0118】
また、最終戦で使用されるデッキには、上述した所定のカードを追加できない仕様としてもよい。例えば、図1に示す3回戦までの対戦の例において、1回戦で敗北した側のチームは2回戦において当該チーム側で使用するデッキに所定のカードを追加できるが、2回戦で敗北した側のチームは3回戦において当該チーム側で使用するデッキに所定のカードを追加できないようにしてもよい。即ち、大将戦は、前回の対戦で敗北した側であっても所定のカードを追加せずに、デッキに元々設定されていたカードのみを使用して対戦する実力勝負としてもよい。また、最終戦のみを上述した所定のカードを追加できない仕様とすることに限らず、所定のカードを追加できる対戦と追加できない対戦とを何番目の対戦とするかは、任意に設定することができる。
【0119】
また、上記実施形態では、対戦ごとの勝敗が、いずれか一方のLPの値が0になることに決定される例を説明したが、勝敗の決定方法はこれに限られるものではない。例えば、対戦ごとの勝敗は、LPの値が所定の閾値未満となることで決定されてもよいし、互いのLPの差が一定以上開いたときにLPの値が低い方を敗北として決定してもよいし、対戦に制限時間を設け制限時間に達したときにLPの値が低い方を敗北として決定してもよい。また、LPの値に限らず、攻撃した回数、攻撃を受けた回数、カードの残数など、ゲーム内で変動する任意のパラメータに基づいて対戦ごとの勝敗を決定してもよい。
【0120】
なお、上記実施形態において、勝利した側のチームは、デッキのみを引き継ぎいて次回の対戦を行う例を説明したが、プレイヤも交代せずに引き継いでもよい。また、勝利した側のチームも前の対戦のデッキを引き継ぎしないで、次回の対戦では新たなデッキを使用するようにしてもよい。
【0121】
また、上記実施形態では、敗北した側の次回以降の対戦で使用するデッキに所定のカードを追加することにより有利な状態で対戦できるようにしたが、他の方法で、有利な状態で対戦できるようにしてもよい。例えば、次回以降の対戦において、敗北した側の対戦開始時の初期LPの値を増加させる、初期の手札の枚数を増加させる、魔法・罠カードがセットで場に配置されている状態で対戦開始、モンスターカードが配置されている状態で対戦開始、一つのターンで山札から手札へ引くカードの枚数を増加(ドロー増)、効果の発動にために必要なリリース(墓地に送るカード)の軽減、カードの取得に必要なコストの軽減などにより、有利な状態で対戦できるようにしてもよい。
【0122】
一方、敗北した側を有利にするのに代えて、または加えて、勝利した側を不利にしてもよい。不利にする要素としては、例えば、次回以降の対戦において、勝利した側の対戦開始時の初期LPの値を減少させる、初期の手札の枚数を減少させる、一つのターンで山札から手札へ引くカードの枚数を減少(ドロー減)、効果の発動にために必要なリリース(墓地に送るカード)の増加、カードの取得に必要なコストの増加、特定のターンの間に何等かの制限(特定のカードを選択できない、特定のコマンドを選択できない等)などである。
【0123】
また、上記実施形態では、対戦の結果としての勝敗に基づいて、敗北した側が次回以降の対戦で有利になるように(または、勝利した側が不利になるように)する態様を説明したが、単なる勝敗のみではなく勝敗以外の要素を含む対戦の結果に基づいてもよい。例えば、単なる勝敗ではなく、勝敗が決着したときの差(例えば、点差)に基づいてもよい。例えば、一方的な大差(例えば、100点対10点など予め設定された閾値を超える差)で勝敗が決した場合にのみ、敗北した側が次回以降の対戦で有利になるように(または、勝利した側が不利になるように)してもよい。また、単なる勝敗ではなく、逆転で勝敗が決した場合にのみ、敗北した側が次回以降の対戦で有利になるように(または、勝利した側が不利になるように)してもよい。また、単なる勝敗ではなく、勝敗の決着までに費やした時間やターン数などに基づいてもよい。例えば、早期(例えば、3ターン以内など)に勝敗が決した場合にのみ、敗北した側が次回以降の対戦で有利になるように(または、勝利した側が不利になるように)してもよい。このように、単なる勝敗ではなく、対戦の経過も踏まえた結果に基づいて、敗北した側が次回以降の対戦で有利になるように(または、勝利した側が不利になるように)してもよい。
【0124】
なお、上記実施形態では、バトル系(戦闘系)の対戦ゲームの例を説明したが、これに限られるものではなく、カードなどのゲーム要素を用いて対戦するゲームであれば、野球ゲームやサッカーゲーム等他の種類のゲームであってもよい。また、ゲーム要素は、カードに限られるものではなく、メダルや、キャラクタそのものを表すフィギュア等、任意のゲーム要素を適用することができる。
【0125】
なお、本実施形態に係る対戦ゲーム(カードゲーム)の利用態様は、例えば、ゲームの主催者(運営者)によってオンラインゲームとして開催されるものであってもよい。例えば、ゲームの主催者(運営者)が公式に開催するオンラインゲームをゲームサーバ30から提供し、参加ユーザが各自のユーザ端末10等から通信ネットワークNW(インターネット)を経由してゲームサーバ30に接続することにより参加してプレイする、所謂「eスポーツ」として、本実施形態に係る対戦ゲーム(カードゲーム)が利用されてもよい。また、観戦ユーザも各自のユーザ端末10等から通信ネットワークNW(インターネット)を経由してゲームサーバ30に接続することにより、ゲーム状況を観戦することができる。例えば、ゲームサーバ30は、敗北した側のデッキに追加したカードの内容を同じチームにのみ通知し、対戦チームと観戦ユーザには通知しない。なお、ゲームサーバ30は、観戦ユーザには、敗北した側のデッキに追加したカードの内容を通知するようにしてもよい。また、所謂「eスポーツ」として利用される際には、所定の会場(イベント会場、コンサートホール、ゲームセンターなど)に参加ユーザ及び観戦ユーザを集めて開催されてもよい。
【0126】
また、上述のゲーム制御部110またはサーバ制御部310の機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することによりゲーム制御部110またはサーバ制御部310としての処理を行ってもよい。ここで、「記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行する」とは、コンピュータシステムにプログラムをインストールすることを含む。ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。また、「コンピュータシステム」は、インターネットやWAN、LAN、専用回線等の通信回線を含むネットワークを介して接続された複数のコンピュータ装置を含んでもよい。また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD-ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。このように、プログラムを記憶した記録媒体は、CD-ROM等の非一過性の記録媒体であってもよい。また、記録媒体には、当該プログラムを配信するために配信サーバからアクセス可能な内部または外部に設けられた記録媒体も含まれる。配信サーバの記録媒体に記憶されるプログラムのコードは、端末装置で実行可能な形式のプログラムのコードと異なるものでもよい。すなわち、配信サーバからダウンロードされて端末装置で実行可能な形でインストールができるものであれば、配信サーバで記憶される形式は問わない。なお、プログラムを複数に分割し、それぞれ異なるタイミングでダウンロードした後に端末装置で合体される構成や、分割されたプログラムのそれぞれを配信する配信サーバが異なっていてもよい。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、ネットワークを介してプログラムが送信された場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリ(RAM)のように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。また、上記プログラムは、上述した機能の一部を実現するためのものであってもよい。さらに、上述した機能をコンピュータシステムに既に記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であってもよい。
【0127】
また、上述のゲーム制御部110またはサーバ制御部310の一部または全部の機能を、LSI(Large Scale Integration)等の集積回路として実現してもよい。上述した各機能は個別にプロセッサ化してもよいし、一部、または全部を集積してプロセッサ化してもよい。また、集積回路化の手法はLSIに限らず専用回路、または汎用プロセッサで実現してもよい。また、半導体技術の進歩によりLSIに代替する集積回路化の技術が出現した場合、当該技術による集積回路を用いてもよい。
【0128】
また、上記実施形態では、ゲームサーバ30の記憶部35が、ユーザデータ記憶部351と、カードデータ記憶部352と、所持カードデータ記憶部353と、デッキデータ記憶部354と、ゲーム状況記憶部355とを備えている構成を説明したが、記憶部35が備える各記憶部の少なくとも一部、または、各記憶部に記憶されているデータの少なくとも一部が、ユーザ端末10の記憶部15にも記憶されてもよい。例えば、記憶部35に記憶されているデータのうち各ユーザに関連付けられているデータ(例えば、各ユーザのユーザデータ、所持カードデータ、デッキデータ、対戦状況管理データ等)が、各ユーザのユーザ端末10の記憶部15に記憶されてもよい。つまり、ゲームサーバ30には、ゲームに登録されている全てのユーザのデータが記憶され、ユーザ端末10には、各ユーザのそれぞれのデータが記憶されてもよい。この場合、ゲームサーバ30に記憶されているデータとユーザ端末10に記憶されているデータとは、所定の契機で同期が行われる。また、ゲームで用意されている複数のカードのカードデータがユーザ端末10の記憶部15にも記憶されてもよい。
【0129】
また、上記実施形態では、ゲームサーバ30が対戦処理を行う構成を説明したが、ユーザ端末10が対戦処理を行う構成としてもよい。例えば、ユーザ端末10で実行されるゲームの処理がユーザ端末10で独立して(スタンドアローンで)行われるような場合、ユーザ端末10で対戦処理を行う構成として、上記実施形態で説明したゲームサーバ30が備える少なくとも一部の構成に相当する構成をユーザ端末10が備えてもよい。
【0130】
[付記]
以上の記載から本発明は例えば以下のように把握される。なお、本発明の理解を容易にするために添付図面の参照符号を便宜的に括弧書きにて付記するが、それにより本発明が図示の態様に限定されるものではない。
【0131】
(付記1)本発明の一態様に係るゲームプログラムは、複数のゲーム要素(例えば、カード)が含まれるデッキを用いるゲームであって、第1のデッキ群(例えば、チームα)と第2のデッキ群(例えば、チームβ)とが対戦する前記ゲームの処理を実行するコンピュータに、前記第1のデッキ群に含まれるデッキのうちの第1デッキ(例えば、プレイヤAが使用するデッキα1)と、前記第2のデッキ群に含まれるデッキのうちの第2デッキ(例えば、プレイヤDが使用するデッキβ1)との対戦(例えば、1回戦)の結果を決定する第1決定ステップ(S108)と、前記第1決定ステップにおける対戦の結果に基づいて、前記第1のデッキ群のうち前記第1デッキ以外のデッキ(例えば、プレイヤBが使用するデッキα2)に所定のゲーム要素を追加する追加ステップ(S112)と、前記所定のゲーム要素を追加したデッキと、前記第2のデッキ群に含まれるデッキのいずれかとの対戦(例えば、2回戦)の結果を決定する第2決定ステップ(S108)とを実行させる。
【0132】
付記1の構成によれば、デッキを用いた複数回対戦において、対戦結果が次回以降の対戦に用いるデッキの内容に影響するため、興趣性の高いゲームとすることができる。
【0133】
(付記2)また、本発明の一態様は、付記1に記載のゲームプログラムであって、前記追加ステップにおいて、前記第1決定ステップにおける対戦(例えば、1回戦)の結果が前記第1デッキ(例えば、デッキα1)の敗北である場合に、前記第1のデッキ群(例えば、チームα)のうち前記第1デッキ以外のデッキ(例えば、デッキα2)に所定のゲーム要素を追加する。
【0134】
付記2の構成によれば、一の対戦で敗北した側が次回以降の対戦で使用するデッキに所定のゲーム要素を加えてプレイすることができるため、敗北した側が次回以降の対戦で、所定のゲーム要素を加える前よりも有利な状態でプレイを開始することができる。よって、いずれか一方の側ばかり勝ち続けてしまうような一方的な展開になりにくく、興趣性の高いゲームとすることができる。
【0135】
つまり、複数回対戦行う場合、従来は、対戦するデッキとデッキの強さに差があり対戦の度に勝利する側が同じになってしまうと、一方的な展開になってしまい、敗北している側がゲームを続ける意欲が低下してしまう懸念があるという課題があるところ、付記2の構成によれば、この課題を解決することができる。
【0136】
(付記3)また、本発明の一態様は、付記1または付記2に記載のゲームプログラムであって、前記コンピュータに、前記第1デッキ(例えば、デッキα1)に含まれるゲーム要素の中から、前記第1デッキを用いてプレイしたプレイヤ(例えば、プレイヤA)により選択されたゲーム要素を前記所定のゲーム要素として選択するステップ(S1124)、を実行させる。
【0137】
付記3の構成によれば、一の対戦で敗北した側のデッキの中からプレイヤが選択したゲーム要素を、当該敗北した側の次回以降の対戦で使用されるデッキに加えるため、敗北した側が次回以降の対戦で有利な状態でプレイを開始することができる。例えば、敗北した側のプレイヤは、使用したデッキの中から対戦で有利な効果を発揮する強力なゲーム要素を任意に選択して、次回以降の対戦で使用するデッキに加えることができるため、敗北した側が次回以降の対戦で勝利する可能性を高めることができる。
【0138】
(付記4)また、本発明の一態様は、付記1または付記2に記載のゲームプログラムであって、前記追加ステップにおいて、予め設定されたゲーム要素を前記所定のゲーム要素として追加する。
【0139】
付記4の構成によれば、予め設定されたゲーム要素を、一の対戦で敗北した側の次回以降の対戦で使用されるデッキに加えるため、敗北した側が次回以降の対戦で有利な状態でプレイを開始することができる。
【0140】
(付記5)また、本発明の一態様は、付記1から付記4のいずれか一に記載のゲームプログラムであって、前記コンピュータに、前記第1決定ステップにおける対戦の結果に基づいて、前記所定のゲーム要素の数を決定するステップ(S1120A)、を実行させる。
【0141】
付記5の構成によれば、例えば、対戦結果の勝敗の差が大きいような場合には、敗北した側の次回以降の対戦で使用するデッキに加えるゲーム要素の数を増やすことにより、大差で負けたチームでも次回以降の対戦で勝利する可能性を高めることができる。
【0142】
(付記6)また、本発明の一態様は、付記1から付記5のいずれか一に記載のゲームプログラムであって、前記第2決定ステップは、前記所定のゲーム要素を追加したデッキ(例えば、デッキα2)と、前記第2のデッキ群(例えば、チームβ)に含まれる前記第2デッキ(例えば、デッキβ1)との対戦の結果を決定する。
【0143】
付記6の構成によれば、一の対戦の結果によって、次回以降に使用されるデッキが決まる(一方は、一の対戦で使用されたデッキと同じデッキとなる)ため、戦略性が向上し、興趣性の高いゲームとすることができる。
【0144】
(付記7)本発明の一態様に係るゲーム処理方法は、複数のゲーム要素(例えば、カード)が含まれるデッキを用いるゲームであって、第1のデッキ群(例えば、チームα)と第2のデッキ群(例えば、チームβ)とが対戦する前記ゲームの処理を実行するコンピュータにより実行されるゲーム処理方法であって、前記第1のデッキ群に含まれるデッキのうちの第1デッキ(例えば、プレイヤAが使用するデッキα1)と、前記第2のデッキ群に含まれるデッキのうちの第2デッキ(例えば、プレイヤDが使用するデッキβ1)との対戦(例えば、1回戦)の結果を決定する第1決定ステップ(S108)と、前記第1決定ステップにおける対戦の結果に基づいて、前記第1のデッキ群のうち前記第1デッキ以外のデッキ(例えば、プレイヤBが使用するデッキα2)に所定のゲーム要素を追加する追加ステップ(S112)と、前記所定のゲーム要素を追加したデッキと、前記第2のデッキ群に含まれるデッキのいずれかとの対戦(例えば、2回戦)の結果を決定する第2決定ステップ(S108)と、を含む。
【0145】
(付記8)また、本発明の一態様に係るゲーム装置(30、10)は、複数のゲーム要素(例えば、カード)が含まれるデッキを用いるゲームであって、第1のデッキ群(例えば、チームα)と第2のデッキ群(例えば、チームβ)とが対戦する前記ゲームの処理を実行するゲーム装置であって、前記第1のデッキ群に含まれるデッキのうちの第1デッキ(例えば、プレイヤAが使用するデッキα1)と、前記第2のデッキ群に含まれるデッキのうちの第2デッキ(例えば、プレイヤDが使用するデッキβ1)との対戦(例えば、1回戦)の結果を決定する第1決定部(311)と、前記第1決定部による対戦の結果に基づいて、前記第1のデッキ群のうち前記第1デッキ以外のデッキ(例えば、プレイヤBが使用するデッキα2)に所定のゲーム要素を追加する追加部(312)と、前記所定のゲーム要素を追加したデッキと、前記第2のデッキ群に含まれるデッキのいずれかとの対戦(例えば、2回戦)の結果を決定する第2決定部(311)と、を備える。
【0146】
付記7及び付記8の構成によれば、デッキを用いた複数回対戦において、対戦結果が次回以降の対戦に用いるデッキの内容に影響するため、興趣性の高いゲームとすることができる。
【0147】
また、以上の記載から本発明は例えば以下のようにも把握される。
【0148】
(付記9)また、本発明の一態様に係るゲームプログラムは、複数のゲーム要素(例えば、カード)が含まれるデッキを用いるゲームであって、第1のデッキ群(例えば、チームα)と第2のデッキ群(例えば、チームβ)とが対戦する前記ゲームの処理を実行するコンピュータに、前記第1のデッキ群のうちの第1デッキ(例えば、デッキα1)に含まれるゲーム要素に対するユーザ(例えば、プレイヤA)の操作と、前記第2のデッキ群のうちの第2デッキ(例えば、デッキβ1)に含まれるゲーム要素に対するユーザ(例えば、プレイヤD)の操作とに基づいて、前記第1デッキと前記第2デッキとの対戦の結果を決定する第1決定ステップ(S108)と、前記第1のデッキ群のうちの前記第1デッキ以外の第3デッキ(例えば、デッキα2)に含まれるゲーム要素に対するユーザ(例えば、プレイヤB)の操作と、前記第2デッキ(例えば、デッキβ1)に含まれるゲーム要素に対するユーザ(例えば、プレイヤE)の操作とに基づいて、前記第3デッキと前記第2デッキとの対戦の結果を決定する第2決定ステップ(S108)と、を実行させ、前記第2決定ステップにおける対戦では、前記第2デッキに含まれるゲーム要素は、前記第1決定ステップにおける対戦でユーザに操作された状態を引き継いで開始される。なお、ユーザに操作された状態(操作状態)とは、例えば、ゲーム要素の配置状態(配置される場所及び配置の向きなど)のことである。
【0149】
付記9の構成によれば、一の対戦で使用したデッキのいずれか一方のデッキに対する操作状態(場や手札に配置されているゲーム要素の配置状態など)が、次回の対戦でも引き継がれるため、複数回の対戦でも明確に区切られない一連の対戦となるため、テンポよく対戦が進行されて、興趣性の高いゲームとすることができる。なお、ユーザに操作された状態(例えば、ゲーム要素の配置状態)の少なくとも一部を引き継いでもよい。
【0150】
(付記10)また、本発明の一態様は、付記9に記載のゲームプログラムであって、前記第2決定ステップにおいて、前記第1決定ステップにおける対戦の結果が前記第1デッキの敗北及び前記第2デッキの勝利であった場合に、前記第3デッキと前記第2デッキとの対戦の結果を決定する。
【0151】
付記10の構成によれば、勝利した側のデッキに対する操作状態(場や手札に配置されているカードの配置状態など)が、次回の対戦でも引き継がれるため、複数回の対戦でも明確に区切られない一連の対戦となるため、テンポよく対戦が進行されて、興趣性の高いゲームとすることができる。
【0152】
(付記11)また、本発明の一態様に係るゲーム処理方法は、複数のゲーム要素(例えば、カード)が含まれるデッキを用いるゲームであって、第1のデッキ群(例えば、チームα)と第2のデッキ群(例えば、チームβ)とが対戦する前記ゲームの処理を実行するコンピュータにより実行されるゲーム処理方法であって、前記第1のデッキ群のうちの第1デッキ(例えば、デッキα1)に含まれるゲーム要素に対するユーザ(例えば、プレイヤA)の操作と、前記第2のデッキ群のうちの第2デッキ(例えば、デッキβ1)に含まれるゲーム要素に対するユーザ(例えば、プレイヤD)の操作とに基づいて、前記第1デッキと前記第2デッキとの対戦の結果を決定する第1決定ステップ(S108)と、前記第1のデッキ群のうちの前記第1デッキ以外の第3デッキ(例えば、デッキα2)に含まれるゲーム要素に対するユーザ(例えば、プレイヤB)の操作と、前記第2デッキ(例えば、デッキβ1)に含まれるゲーム要素に対するユーザ(例えば、プレイヤE)の操作とに基づいて、前記第3デッキと前記第2デッキとの対戦の結果を決定する第2決定ステップ(S108)と、を含み、前記第2決定ステップにおける対戦では、前記第2デッキに含まれるゲーム要素は、前記第1決定ステップにおける対戦でユーザに操作された状態を引き継いで開始される。
【0153】
(付記12)また、本発明の一態様に係るゲーム装置(30、10)は、複数のゲーム要素(例えば、カード)が含まれるデッキを用いるゲームであって、第1のデッキ群(例えば、チームα)と第2のデッキ群(例えば、チームβ)とが対戦する前記ゲームの処理を実行するコンピュータに、前記第1のデッキ群のうちの第1デッキ(例えば、デッキα1)に含まれるゲーム要素に対するユーザ(例えば、プレイヤA)の操作と、前記第2のデッキ群のうちの第2デッキ(例えば、デッキβ1)に含まれるゲーム要素に対するユーザ(例えば、プレイヤD)の操作とに基づいて、前記第1デッキと前記第2デッキとの対戦の結果を決定する第1決定部(311)と、前記第1のデッキ群のうちの前記第1デッキ以外の第3デッキ(例えば、デッキα2)に含まれるゲーム要素に対するユーザ(例えば、プレイヤB)の操作と、前記第2デッキ(例えば、デッキβ1)に含まれるゲーム要素に対するユーザ(例えば、プレイヤE)の操作とに基づいて、前記第3デッキと前記第2デッキとの対戦の結果を決定する第2決定部(311)と、を備え、前記第2決定ステップにおける対戦では、前記第2デッキに含まれるゲーム要素は、前記第1決定ステップにおける対戦でユーザに操作された状態を引き継いで開始される。
【0154】
付記11及び付記12の構成によれば、一の対戦で使用したデッキのいずれか一方のデッキに対する操作状態(場や手札に配置されているカードの配置状態など)が、次回の対戦でも引き継がれるため、複数回の対戦でも明確に区切られない一連の対戦となるため、テンポよく対戦が進行されて、興趣性の高いゲームとすることができる。
【0155】
(付記13)また、本発明の一態様に係るゲームプログラムは、複数回の対戦を勝ち抜き対戦で行うゲームの処理を実行するコンピュータに、各回の対戦を、対戦者同士(例えば、チームαのプレイヤとチームβのプレイヤ)が交互に自身のターンで対戦に関する操作を行うターン制で進行させるステップ(S106)と、最初の対戦(1回戦)の先攻側の1ターン目では、前記操作のうちの一部を受け付けないように制限するステップ(S208)と、対戦の結果により勝敗が決定すると、次の対戦では敗北した側を先攻とするとともに、先攻側の1ターン目での前記制限を行わないように制御するステップ(S210)と、を実行させる。
【0156】
付記13の構成によれば、ターン制の複数回対戦において、一の対戦で敗北した側が次の対戦では先攻となるとともに、通常設定されている先攻側の1ターン目での操作制限(例えば、攻撃できないなどの制限)が解除されるため、敗北した側が次回の対戦で有利な状態でプレイを開始することができる。よって、いずれか一方の側ばかり勝ち続けてしまうような一方的な展開になりにくく、興趣性の高いゲームとすることができる。
【0157】
つまり、複数回対戦行う場合、従来は、対戦するデッキとデッキの強さに差があり対戦の度に勝利する側が同じになってしまうと、一方的な展開になってしまい、敗北している側がゲームを続ける意欲が低下してしまう懸念があるという課題があるところ、付記13の構成によれば、この課題を解決することができる。
【0158】
(付記14)また、本発明の一態様は、付記11に記載のゲームプログラムであって、各対戦におけるターンの数に制限があってもよい。
【0159】
付記14の構成によれば、各対戦で予め設定されたターン数の間で決着がつかない場合には、両者を敗北(或いは、勝利または引き分け)として次の対戦へ進めることにより、テンポよく対戦が進行されて、興趣性の高いゲームとすることができる。
【0160】
(付記15)また、本発明の一態様に係るゲーム処理方法は、複数回の対戦を勝ち抜き対戦で行うゲームの処理を実行するコンピュータにより実行されるゲーム処理方法であって、各回の対戦を、対戦者同士(例えば、チームαのプレイヤとチームβのプレイヤ)が交互に自身のターンで対戦に関する操作を行うターン制で進行させるステップ(S106)と、最初の対戦(1回戦)の先攻側の1ターン目では、前記操作のうちの一部を受け付けないように制限するステップ(S208)と、対戦の結果により勝敗が決定すると、次の対戦では敗北した側を先攻とするとともに、先攻側の1ターン目での前記制限を行わないように制御するステップ(S210)と、を含む。
【0161】
(付記16)また、本発明の一態様に係るゲーム装置(30、10)は、複数回の対戦を勝ち抜き対戦で行うゲームの処理を実行するコンピュータに、各回の対戦を、対戦者同士(例えば、チームαのプレイヤとチームβのプレイヤ)が交互に自身のターンで対戦に関する操作を行うターン制で進行させる進行部(311)と、最初の対戦(1回戦)の先攻側の1ターン目では、前記操作のうちの一部を受け付けないように制限する制限部(311)と、対戦の結果により勝敗が決定すると、次の対戦では敗北した側を先攻とするとともに、先攻側の1ターン目での前記制限を行わないように制御部(311)と、を備える。
【0162】
付記15及び付記16の構成によれば、ターン制の複数回対戦において、一の対戦で敗北した側が次の対戦では先攻となるとともに、通常設定されている先攻側の1ターン目での操作制限(例えば、攻撃できないなどの制限)が解除されるため、敗北した側が次回の対戦で有利な状態でプレイを開始することができる。よって、いずれか一方の側ばかり勝ち続けてしまうような一方的な展開になりにくく、興趣性の高いゲームとすることができる。
【符号の説明】
【0163】
1 ゲームシステム、10 ユーザ端末、11 CPU、12 通信部、13 入力部、14 表示部、15 記憶部、30 ゲームサーバ、31 CPU、32 通信部、33 入力部、35 記憶部、110 ゲーム制御部、111 入力受付部、112 デッキ処理部、113 データ処理部、114 表示制御部、310 サーバ制御部、311 対戦処理部、312 カード追加部、313 データ処理部、351 ユーザデータ記憶部、352 カードデータ記憶部、353 所持カードデータ記憶部、354 デッキデータ記憶部、355 ゲーム状況記憶部
図1
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