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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-02-13
(45)【発行日】2023-02-21
(54)【発明の名称】オーブントースタ
(51)【国際特許分類】
   F24C 15/22 20060101AFI20230214BHJP
   F24C 7/06 20060101ALI20230214BHJP
【FI】
F24C15/22 A
F24C7/06 A
【請求項の数】 20
(21)【出願番号】P 2021030592
(22)【出願日】2021-02-26
(65)【公開番号】P2022131585
(43)【公開日】2022-09-07
【審査請求日】2021-07-20
(73)【特許権者】
【識別番号】500201602
【氏名又は名称】シロカ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003281
【氏名又は名称】弁理士法人大塚国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】三枝 永
【審査官】西村 賢
(56)【参考文献】
【文献】実開昭55-159922(JP,U)
【文献】特開2007-046852(JP,A)
【文献】特開平08-089414(JP,A)
【文献】特開2014-219173(JP,A)
【文献】特開平10-054568(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F24C 7/04-15/22
A47J 37/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
加熱対象物が載置される網部材を有するオーブントースタであって、
開閉可能な扉を前面に有し、前記網部材が内部に配置される箱状の加熱庫と、
前記加熱庫の内部において延設された複数のヒータと、
前記加熱庫の内部に設けられ、前記複数のヒータの各々から放射された熱線を反射する反射部材と、
を備え、
前記複数のヒータは、前記網部材の上方に配置された上側ヒータを含み、
前記反射部材は、前記加熱庫の上面の一部を構成するように前記上側ヒータの上方に配置された第1反射面を含み、
前記第1反射面は、記上側ヒータに向かって凸の曲面形状を有するとともに、前記第1反射面の下端が前記上側ヒータより前方に位置するように配置されている、ことを特徴とするオーブントースタ。
【請求項2】
前記第1反射面の側断面は、前記上側ヒータに向かって凸の円弧形状を有する、ことを特徴とする請求項1に記載のオーブントースタ。
【請求項3】
前記第1反射面の側断面における前記円弧形状の曲率半径は、2~10cmの範囲内にある、ことを特徴とする請求項2に記載のオーブントースタ。
【請求項4】
前記第1反射面と前記上側ヒータとの間隔は、0.2~1cmの範囲内にある、ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載のオーブントースタ。
【請求項5】
前記反射部材は、前記加熱庫の上面の一部を構成する第2反射面を含み、
前記第2反射面は、平面形状を有し、前記上側ヒータの前方に配置され、前記上側ヒータから放射された熱線を前記網部材上の前記加熱対象物に向けて反射するように、前記網部材において前記加熱対象物が載置される載置面に対して傾けられている、ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載のオーブントースタ。
【請求項6】
前記第2反射面は、15.4度±5度の範囲内の角度で前記載置面に対して傾けられている、ことを特徴とする請求項5に記載のオーブントースタ。
【請求項7】
前記第2反射面は、前記第1反射面の前端に連続している面である、ことを特徴とする請求項5又は6に記載のオーブントースタ。
【請求項8】
前記複数のヒータは、前記網部材の下方に配置された下側ヒータを含み、
前記反射部材は、前記加熱庫の下面の一部を構成する第3反射面を含み、
前記第3反射面は、平面形状を有し、前記下側ヒータの前方に配置され、前記下側ヒータから放射された熱線を前記網部材上の前記加熱対象物に向けて反射するように、前記網部材において前記加熱対象物が載置される載置面に対して傾けられている、ことを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載のオーブントースタ。
【請求項9】
前記第3反射面は、54.5度±5度の範囲内の角度で前記載置面に対して傾けられている、ことを特徴とする請求項8に記載のオーブントースタ。
【請求項10】
前記反射部材は、前記加熱庫の奥面の一部を構成する第4反射面を含み、
前記第4反射面は、平面形状を有し、前記下側ヒータの後方に配置され、前記下側ヒータから放射された熱線を前記網部材上の前記加熱対象物に向けて反射するように前記載置面に対して傾けられている、ことを特徴とする請求項8又は9に記載のオーブントースタ。
【請求項11】
前記第4反射面は、56.2度±5度の範囲内の角度で前記載置面に対して傾けられている、ことを特徴とする請求項10に記載のオーブントースタ。
【請求項12】
前記反射部材は、前記加熱庫の下面の一部を構成する第5反射面を有し、
前記第5反射面は、前記複数のヒータの各々から放射された熱線を乱反射するための複数の突起を有する、ことを特徴とする請求項1乃至11のいずれか1項に記載のオーブントースタ。
【請求項13】
前記加熱庫の下部において取り外し可能に設けられたトレイを更に備え、
前記第5反射面は、前記トレイの一部の面として構成されている、ことを特徴とする請求項12に記載のオーブントースタ。
【請求項14】
前記反射部材は、前記加熱庫の奥面の一部を構成する第6反射面を有し、
前記第6反射面は、前記複数のヒータの各々から放射された熱線を乱反射するための複数の突起を有する、ことを特徴とする請求項1乃至13のいずれか1項に記載のオーブントースタ。
【請求項15】
前記反射部材は、前記加熱庫の奥面の一部を構成する第7反射面を有し、
前記第7反射面は、平面形状を有し、前記上側ヒータの後方に配置され、前記上側ヒータから放射された熱線を前記網部材上の前記加熱対象物に向けて反射するように、前記網部材において前記加熱対象物が載置される載置面に対して傾けられている、ことを特徴とする請求項1乃至14のいずれか1項に記載のオーブントースタ。
【請求項16】
前記第7反射面は、47.4度±5度の範囲内の角度で前記載置面に対して傾けられている、ことを特徴とする請求項15に記載のオーブントースタ。
【請求項17】
前記加熱庫の内部において熱を対流させるための機構を更に備え、
前記機構は、前記第7反射面の孔を介して、前記加熱庫の内部から空気を取り込み、取り込んだ空気を前記加熱庫の内部へ供給するファンを有し、
前記ファンは、前記第7反射面に対する前記ファンの回転軸の角度が90度±5度の範囲内になるように配置されている、ことを特徴とする請求項15又は16に記載のオーブントースタ。
【請求項18】
前記複数のヒータのうち少なくとも1つのヒータは、第1密度で電熱線が螺旋状に巻かれた中央領域と、前記中央領域の周辺において、第2密度で電熱線が螺旋状に巻かれた周辺領域とを有し、
前記第1密度は、前記第2密度より小さい、ことを特徴とする請求項1乃至17のいずれか1項に記載のオーブントースタ。
【請求項19】
前記扉は、ユーザが前記加熱庫の内部を確認するための窓部を有する、ことを特徴とする請求項1乃至18のいずれか1項に記載のオーブントースタ。
【請求項20】
加熱対象物が載置される網部材を有するオーブントースタであって、
開閉可能な扉を前面に有し、前記網部材が内部に配置される箱状の加熱庫と、
前記加熱庫の内部において延設された複数のヒータと、
を備え、
前記複数のヒータのうち少なくとも1つのヒータは、第1密度で電熱線が螺旋状に巻かれた中央領域と、前記中央領域の周辺において、第2密度で電熱線が螺旋状に巻かれた周辺領域とを有し、
前記第1密度は、前記第2密度より小さい、ことを特徴とするオーブントースタ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、オーブントースタに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、開閉扉に回動可能に取り付けられたリンク部材により、開閉扉の開閉に伴って、調理網が搭載された器具受台を調理室内から出入し、この器具受台の出入動作により調理網を調理室内から出入するように構成されたオーブントースタが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2017-116225号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
オーブントースタでは、加熱庫(調理室)の内部に複数のヒータが設けられており、複数のヒータの各々から放射された熱線を調理網上の加熱対象物に効率的に照射して、当該加熱対象物を効率的に加熱することが望まれる。
【0005】
そこで、本発明は、加熱対象物を効率的に加熱するために有利なオーブントースタを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明の一側面としてのオーブントースタは、加熱対象物が載置される網部材を有するオーブントースタであって、開閉可能な扉を前面に有し、前記網部材が内部に配置される箱状の加熱庫と、前記加熱庫の内部において延設された複数のヒータと、前記加熱庫の内部に設けられ、前記複数のヒータの各々から放射された熱線を反射する反射部材と、を備え、前記複数のヒータは、前記網部材の上方に配置された上側ヒータを含み、前記反射部材は、前記加熱庫の上面の一部を構成するように前記上側ヒータの上方に配置された第1反射面を含み、前記第1反射面は、記上側ヒータに向かって凸の曲面形状を有するとともに、前記第1反射面の下端が前記上側ヒータより前方に位置するように配置されている、ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、例えば、加熱対象物を効率的に加熱するために有利なオーブントースタを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】前扉が閉まっている状態のオーブントースタの正面斜視図
図2】前扉が開いている状態のオーブントースタの正面斜視図
図3】前扉が開いており且つ網部材が取り外された状態のオーブントースタの正面斜視図
図4】前扉が閉まっている状態のオーブントースタの断面斜視図
図5】前扉が開いている状態のオーブントースタの断面斜視図
図6】前扉が開いており且つ網部材が取り外された状態のオーブントースタの断面斜視図
図7】前扉が閉まっている状態のオーブントースタの断面図
図8】トレイを引き出した状態のオーブントースタの正面斜視図
図9】トレイを引き出していく様子を経時的に示すオーブントースタの断面斜視図
図10】熱線が各反射面で反射され加熱対象物に照射される様子を模式的に示す図
図11】コンベクション機構(ファン機構)を有するオーブントースタ100の断面図
図12】前扉が開いている状態のオーブントースタを前面図
図13】ヒータの構成例を模式的に示す図
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、添付図面を参照して実施形態を詳しく説明する。尚、以下の実施形態は特許請求の範囲に係る発明を限定するものでなく、また実施形態で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明に必須のものとは限らない。実施形態で説明されている複数の特徴のうち二つ以上の特徴が任意に組み合わされてもよい。また、同一若しくは同様の構成には同一の参照番号を付し、重複した説明は省略する。
【0010】
<第1実施形態>
本発明に係る第1実施形態のオーブントースタ100について、図1図6を参照しながら説明する。図1図3は、本実施形態に係るオーブントースタ100全体の正面斜視図を示しており、図4図6は、本実施形態に係るオーブントースタ100の断面斜視図(YZ断面の斜視図)を示している。また、図1図4は、オーブントースタ100の前扉20が閉まっている状態をそれぞれ示しており、図2図5は、オーブントースタ100の前扉20が開いている状態をそれぞれ示している。図3図6は、オーブントースタ100の前扉が開いており、且つ、オーブントースタ100の加熱庫HCから網部材30が取り外された状態をそれぞれ示している。なお、各図では、網部材30において加熱対象物が載置される面(載置面)と平行な面内において互いに直交する2つの方向をX軸方向(第1方向)およびY軸方向(第2方向)とし、X軸方向およびY軸方向に垂直な方向をZ軸方向(第3方向)としている。以下の説明では、X軸方向をオーブントースタ100の左右方向、Y軸方向をオーブントースタ100の前後方向、Z軸方向をオーブントースタ100の上下方向としている。
【0011】
本実施形態のオーブントースタ100は、加熱対象物が載置される網部材30を有する加熱調理機である。オーブントースタ100は、例えば図2に示されるように、前面(-Y方向側の面)が開放している本体部10と、本体部10の前面に開閉可能に取り付けられた前扉20とを有する。本体部10および前扉20は、加熱対象物を加熱するための箱状の加熱庫HCを構成し、該加熱庫HCの内部に網部材30およびヒータ12が配置される。
【0012】
本体部10は、例えば金属製の内表面を有する筐体であり、外側(外装)の底部に脚部(支持脚)11が設けられ、内部に網部材30が配置される。本体部10の内部には、左右方向(X軸方向)に延設された複数のヒータ12が設けられている。本実施形態の場合、図4図6に示されるように、網部材30の上方に1本の上側ヒータ12aが設けられ、網部材30の下方に2本の下側ヒータ12b~12cが設けられているが、ヒータ12の本数および配置は任意でありうる。各ヒータ12としては、例えば、カーボンヒータ、石英管、ハロゲンヒータ、シーズヒータ等が用いられうるが、本実施形態ではカーボンヒータが用いられる。
【0013】
また、本体部10の内部には、ヒータ12a~12cから放射された熱線(例えば赤外線)を網部材30上の加熱対象物に効率的に照射するための反射部材13が設けられうる。本実施形態の場合、反射部材13は、例えば左右方向(X軸方向)に延設された金属製の板部材であり、図4図6に示されるように、複数の反射面(反射板)13a~13gを含みうる。反射部材13の各反射面13a~13gの具体的な構成例については後述する。
【0014】
前扉20は、その下部(例えば下端部)にヒンジ部材を有しており、該下端部を中心としてθX方向(X軸周りの回転方向)に回動することにより、加熱庫HC(本体部10)を開閉可能に構成されている。また、前扉20は、例えば図4図6に示されるように、ハンドル部22と、窓部23とを備えうる。ハンドル部22は、前扉20の開閉動作を行うためにユーザが把持する部分であり、加熱庫HCからの熱が伝達しづらい材料(例えば樹脂やプラスティック)によって構成されうる。窓部23は、前扉20が閉じている状態(閉状態)においてユーザが加熱庫HCの内部を確認することができるように光透過部材によって構成されている。本実施形態の場合、窓部23は、加熱庫HCの内部の熱がオーブントースタ100の外部に漏れることを低減するため、LowEガラス(低放射ガラス)の二重構造によって構成されている。また、前扉20は、図1に示されるように、操作部24を備えうる。操作部24は、加熱庫HCの加熱温度および/または加熱時間を設定・調整するためにユーザによって操作される部分であり、例えばボタンやダイヤルによって構成されうる。操作部24は、加熱庫HCの設定温度や設定時間、加熱庫HCの測定温度、加熱の残り時間や経過時間などの情報を表示するための表示部(ディスプレイ)を有してもよい。なお、加熱庫HCの測定温度を表示部に表示する場合には、加熱庫HCの内部の温度を測定するセンサ等が設けられるとよい。
【0015】
網部材30は、加熱対象物を載置することができるように金属棒を網状に構成した部材であり、前扉20の開閉に応じて、網部材30を前後方向(Y軸方向)に平行に移動(即ち並進移動)しうる。例えば、ユーザにより前扉20の開動作が行われると、例えば図5に示されるように、網部材30は、その開動作に伴って前側(-Y方向)に並進移動し、加熱庫HCの内部から引き出される。一方、ユーザにより前扉20の閉動作が行われると、例えば図4に示されるように、網部材30は、その閉動作に伴って奥側(+Y方向)に並進移動し、加熱庫HCの内部における上側ヒータ12aと下側ヒータ12b~12cとの間に配置される。このように網部材30の出し入れにおいて網部材30を並進移動させる構成にすると、網部材30の並進移動中において網部材30と本体部10(例えば、上側ヒータ12a、反射部材13の反射面13a)との上下方向の距離を一定に保つことができるため、網部材30の出し入れにおいて加熱対象物が本体部10に引っ掛かる等の事象を低減することができる。
【0016】
また、本実施形態のオーブントースタ100は、加熱庫HCの内部から網部材30を取り外し可能に構成されており、それにより加熱庫HCの内部の清掃性を向上させている。つまり、本実施形態のオーブントースタ100は、網部材30を出し入れする際に網部材30を並進移動させることができるように、且つ、加熱庫HCの内部から網部材30を容易に取り外すことができるように構成されている。以下に、本実施形態のオーブントースタ100における網部材30の出し入れ機構の構成について具体的に説明する。
【0017】
まず、網部材30の構成について、特に図3を参照しながら説明する。網部材30は、図3に示されるように、載置部分31(第1部分)と、被支持部分32と、フック33とを有するように構成されうる。載置部分31は、加熱対象物が載置される部分である。被支持部分32は、該載置部分31の外枠から左右方向に突出し、案内部材50によって支持されるとともに、アーム部材60の先端部63が引っ掛けられる部分である。フック33は、軸部材40に網部材30を引っ掛けるための部分であり、例えば左右方向(X軸方向)に離間するように複数設けられうる。
【0018】
次に、本実施形態のオーブントースタ100における網部材30の出し入れ機構の構成について、特に図4図6を参照しながら説明する。本実施形態のオーブントースタ100では、網部材30の出し入れ機構として、軸部材40と、案内部材50と、アーム部材60とが設けられている。
【0019】
軸部材40は、例えば金属棒によって構成され、網部材30に設けられたフック33を引っ掛けることができるように、加熱庫HCの内部において左右方向(X軸方向)に沿って延設されている。加熱庫HCの内側面(X軸方向側の面)には、前後方向(Y軸方向)に沿って延びる開口部41が設けられており、軸部材40は、開口部41によって案内されて前後方向に移動可能に構成されている。また、軸部材40は、例えばバネ部材などの付勢部材により加熱庫HCの奥側(+Y方向)に向かって付勢されている。該付勢部材は、加熱庫HCの内側面と本体部10の外側面(外装)との間に配置されており、各図では図示を省略している。なお、軸部材40は、加熱庫HCの内部の清掃性の観点から1本であることが好ましいが、清掃性を確保できるのであれば2本以上であってもよい。
【0020】
案内部材50は、加熱庫HCの内側面から加熱庫HCの中央部に向かって突出した突起によって構成されており、加熱庫HCの内部において網部材30を支持するとともに、網部材30が前後方向に並進移動することができるように網部材30を案内する。本実施形態の場合、案内部材50は、加熱庫HCの内側面において前後方向(Y軸方向)に延設された突起によって構成されており、より具体的には、図6に示されるように、網部材30の被支持部分32を上下方向(Z軸方向)から挟み込むように配置された複数(2つ)の突起51,52によって構成されうる。ここで、軸部材40の開口部41は、加熱庫HCの内側面において案内部材50よりも開口部41の方が加熱庫HCの奥側(+Y方向側)に配置されているとよい。このような配置にすることで、加熱庫HCの内部から網部材30を取り外したときに、加熱庫HCの左右方向にわたって延設された軸部材40を、バネ部材などの付勢部材によって加熱庫HCの奥側に配置することができるため、加熱庫HCの清掃性を向上させることができる。
【0021】
アーム部材60は、網部材30の被支持部分32に引っ掛けることができる先端部63を有し、前扉20の開動作によって網部材30を加熱庫HCの内部から引き出すように前扉20に設けられている(取り付けられている)。本実施形態の場合、アーム部材60は、前扉20に取り付けられた板状の第1部分61と、先端部63を有し、ヒンジ機構などによって第1部分61に対して回動自在に取り付けられた板状の第2部分62とを含むリンク機構として構成されうる。先端部63は、例えば、網部材30の被支持部分32を構成する金属棒が通るように第2部分62に形成された溝によって構成され、網部材30の被支持部分32の金属棒を当該溝に通すことによって網部材30の被支持部分32に引っ掛けることができる。このような構成により、ユーザにより前扉20の開動作が行われると、それに伴ってアーム部材60が網部材30を前側(-Y方向)に引っ張り、図5に示されるように、網部材30を加熱庫HCの内部から引き出すことができる。一方、ユーザにより前扉20の閉動作が行われると、付勢部材(バネ部材)により加熱庫HCの奥側に向かって付勢されている軸部材40によって網部材30が奥側に引き込まれるため、図4に示されるように、網部材30を加熱庫HCの内部に配置することができる。
【0022】
本実施形態のオーブントースタ100では、アーム部材60の先端部63を網部材30の被支持部分32から取り外し、網部材30のフック33を軸部材40から取り外すことより、図3図6に示されるように、網部材30を加熱庫HCの内部から容易に取り外すことができる。また、網部材30を取り外した状態では、上述したように軸部材40が付勢部材によって加熱庫HCの奥側に配置されるため、例えば下側ヒータ12b~12cや反射面13c~13eなど、加熱庫HCの内部を容易に清掃することが可能になる。つまり、加熱庫HCの清掃性が向上しうる。
【0023】
次に、加熱庫HCの内面を構成する反射部材13(反射面13a~13g)の構成例について、図7を参照しながら説明する。図7は、本実施形態に係るオーブントースタ100の断面図(YZ断面図)であり、前扉20が閉まっている状態を示している。本実施形態の反射部材13を構成する各反射面13a~13gは、加熱対象物を効率的に加熱するため、ヒータ12a~12cから放射された熱線を網部材30上の加熱対象物に効率的に照射することができるように構成されている。
【0024】
反射面13a(第1反射面)は、加熱庫HCの内部の上面(天面)の一部を構成する。反射面13aは、上側ヒータ12aの上方(+Z方向側)に配置されており、上側ヒータ12aに向かって凸の曲面形状を有する。例えば、反射面13aは、その側断面(YZ断面)が上側ヒータ12aに向かって凸の円弧形状を有するように構成されうる。反射面13aの円弧形状の曲率半径は、2~10cmの範囲内にあるとよく、好ましくは4~8cmの範囲内、より好ましくは5~7cmの範囲内にあるとよい。本実施形態のオーブントースタ100では、反射面13aの円弧形状の曲率半径は、6.07cm±0.2cmである。また、反射面13aと上側ヒータ12aとの間隔Gは、0.2~1cmの範囲内にあるとよく、好ましくは0.3~0.8cmの範囲内、より好ましくは0.4~0.6cmの範囲内にあるとよい。本実施形態のオーブントースタ100では、反射面13aと上側ヒータ12aとの間隔Gは、0.54cm±0.02cmである。このように反射面13aを構成および配置することで、上側ヒータ12aから上方に向けて放射された熱線を広範囲に反射し、網部材30上の加熱対象物(例えばトースト)の焼きムラを低減することができる。
【0025】
反射面13b(第2反射面)は、加熱庫HCの内部の上面(天面)の一部を構成する。本実施形態の場合、反射面13bは、平面形状を有し、上側ヒータ12aの前方(-Y方向側)に配置されている。反射面13bは、反射面13a(第1反射面)の前端(-Y方向側の端部)に連続する面として構成されてもよい。また、反射面13bは、上側ヒータ12a)から放射された熱線を網部材30上の加熱対象物に向けて反射するように水平面に対して傾けられている。水平面に対する反射面13bの傾き角θは、好ましくは15.4度±5度の範囲内にあるとよく、より好ましくは15.4度±1度の範囲内にあるとよい。このように反射面13bを構成することで、上側ヒータ12aから放射された熱線を網部材30上の加熱対象物に効率よく照射することができる。ここで、本実施形態において、「水平面」は、網部材30(載置部分31)において加熱対象物が載置される面(載置面)として定義されうる。
【0026】
反射面13c(第3反射面)は、加熱庫HCの内部の下面(底面)の一部を構成する。本実施形態の場合、反射面13cは、平面形状を有し、下側ヒータ12b~12cの前方(-Y方向側)に配置されている。また、反射面13cは、下側ヒータ12b~12c(特に12b)から放射された熱線を網部材30上の加熱対象物に向けて反射するように水平面に対して傾けられている。水平面に対する反射面13cの傾き角θは、好ましくは54.5度±5度の範囲内にあるとよく、より好ましくは54.5度±1度の範囲内にあるとよい。このように反射面13cを構成することで、下側ヒータ12b~12cから放射された熱線を網部材30上の加熱対象物に効率よく照射することができる。
【0027】
反射面13d(第5反射面)は、加熱庫HCの内部の下面(底面)の一部を構成する。反射面13dは、下側ヒータ12b~12cの下方(-Z方向側)に配置されている。反射面13dには、ヒータ12a~12c(特に下側ヒータ12b~12c)から放射された熱線を乱反射させるための加工が施されており、本実施形態の場合、当該加工として四角錘状の複数の突起(凸部)が形成されている。このような加工を反射面13dに施すことにより、加熱庫HCの内部における熱線の分布を均一化し、当該熱線を網部材30上の加熱対象物に均一に且つ効率よく照射することができる。
【0028】
ここで、反射面13dは、本体部10の下部に取り外し可能(着脱可能)に設けられたトレイ14の一部の面として構成されてもよい。図8図9は、反射面13dを有するトレイ14の構成例を示している。図8は、オーブントースタ100全体の正面斜視図であり、オーブントースタ100からトレイ14を引き出した状態を示している。また、図9は、オーブントースタ100の断面斜視図(YZ断面の斜視図)であり、オーブントースタ100からトレイ14を引き出していく様子を経時的に(段階的に)図9(a)~(c)として示している。
【0029】
トレイ14は、網部材30上に載置された加熱対象物からの落下物(例えばパンくず)を受けるために加熱庫HCの下面(底面)の一部を構成する部材であり、本体部10の下部に着脱可能に配置される。トレイ14は、オーブントースタ100からトレイ14を引き出す際にユーザが把持する把持部14aと、網部材30上の加熱対象物からの落下物を受けるための受容部14b(受皿部)とを有する。このようなトレイ14をオーブントースタ100に設けることにより、ユーザは、図9(a)~(c)に経時的に示されるように、把持部14aを把持しながらトレイ14をオーブントースタ100から引き出し、加熱対象物からの落下物の清掃を容易に行うことができる。また、トレイ14の受容部14bは、トレイ14がオーブントースタ100の下部に配置(装着)された状態(図9(a)の状態)において、加熱庫HCの下面(底面)の一部を構成し、ヒータ12a~12c(特に下側ヒータ12b~12c)から放射された熱線を乱反射する反射面13dとして機能する。本実施形態の場合、トレイ14の受容部14b(反射面13d)には、ヒータ12a~12c(特に下側ヒータ12b~12c)から放射された熱線を乱反射するための四角錘状の複数の突起(凸部)が形成されている。
【0030】
加熱庫HCの下面としての反射面13dを複数の突起で構成すると、加熱対象物からの落下物が蓄積(堆積)して反射効率が低下し易いとともに、本体部10の前面の開放部からユーザが手を入れて当該反射面13dを清掃するのは煩雑である。そのため、本実施形態のように、トレイ14の一部(受容部14b)を反射面13dとして構成することで、当該反射面13dの清掃を容易にすることができる。
【0031】
図7に戻り、反射面13e(第4反射面)は、加熱庫HCの内部の奥面の一部を構成する。本実施形態の場合、反射面13eは、平面形状を有し、下側ヒータ12b~12cの後方(+Y方向側(奥側))に配置されている。また、反射面13eは、下側ヒータ12b~12c(特に12c)から放射された熱線を網部材30上の加熱対象物に向けて反射するように水平面に対して傾けられている。水平面に対する反射面13eの傾き角θは、好ましくは56.2度±5度の範囲内にあるとよく、より好ましくは56.2度±1度の範囲内にあるとよい。このように反射面13eを構成することで、下側ヒータ12b~12cから放射された熱線を網部材30上の加熱対象物に効率よく照射することができる。
【0032】
反射面13f(第6反射面)は、加熱庫HCの内部の奥面の一部を構成する。反射面13fは、前後方向(Y軸方向)におけるヒータ12a~12cの奥側、且つ、上下方向(Z軸方向)における上側ヒータ12aと下側ヒータ12b~12cとの間に配置されている。反射面13fは、反射面13e(第4反射面)の上側(+Z方向側)に連続している面でありうる。また、反射面13fには、ヒータ12b~12cから放射された熱線を乱反射させるための加工が施されており、本実施形態の場合、当該加工として四角錘状の複数の突起(凸部)が形成されている。
【0033】
また、反射面13g(第7反射面)は、加熱庫HCの内部の奥面の一部を構成する。本実施形態の場合、反射面13gは、平面形状を有し、上側ヒータ12aの奥側(+Y方向側)に配置されている。反射面13gは、反射面13a(第1反射面)と反射面13f(第6反射面)とに連続する面として構成されてもよい。また、反射面13gは、上側ヒータ12aから放射された熱線を網部材30上の加熱対象物に向けて反射するように水平面に対して傾けられている。水平面に対する反射面13gの傾き角θは、好ましくは47.4度±5度の範囲内にあるとよく、より好ましくは47.4度±1度の範囲内にあるとよい。このように反射面13gを構成することで、上側ヒータ12aから放射された熱線を網部材30上の加熱対象物に効率よく照射することができる。
【0034】
図10は、各ヒータ12a~12cから放射された熱線Rdが各反射面(反射面13a~13c,13e,13g)で反射されて網部材30上の加熱対象物に照射される様子(即ち、加熱庫HCの内部での熱線分布)を模式的に示している。なお、熱線を乱反射するように構成された反射面13d,13fについては、反射面13d,13fでの乱反射を考慮すると図が複雑化するため、図10では、反射面13d,13fでの熱線の反射の図示を省略している。図10から分かるように、反射部材13(反射面13a~13c,13e,13g)の上記構成により、各ヒータ12a~12cから放射された熱線Rdを効率的に網部材30上の加熱対象物に照射することが可能となる。また、反射面13d,13fでの熱線Rdの乱反射を考慮すると、加熱庫HCの内部における熱線Rdの分布がより均一化され、熱線Rdが網部材30上の加熱対象物により均一に且つ効率的に照射されることが理解されるであろう。即ち、本実施形態のオーブントースタ100の上記構成によれば、網部材30上の加熱対象物を均一に且つ効率的に加熱することが可能となる。
【0035】
<第2実施形態>
第2実施形態では、加熱庫HCの内部において空気(熱)を対流させるためのコンベクション機構をオーブントースタ100に設ける例について、図11図12を参照しながら説明する。なお、本実施形態は、第1実施形態を基本的に引き継ぐものであり、加熱庫HCの内部に設けられた複数のヒータ12および反射部材13(反射面13a~13g)などの構成は第1実施形態で説明したとおりである。
【0036】
図11(a)は、コンベクション機構としてのファン機構70を有するオーブントースタ100の断面図(YZ断面図)であり、図11(b)は、ファン機構70のコンベクションファン71の構成例を示している。図11(a)~図11(b)におけるブロック矢印は、空気の流れを表している。本実施形態のオーブントースタ100は、例えば図11(a)に示されるように、コンベクション機構として、加熱庫HCの反射面13gに設けられた複数の孔を介して、加熱庫HCの内部から空気を取り込み、取り込んだ空気を加熱庫HCの内部へ供給(放出)するためのファン機構70を備えうる。ファン機構70は、コンベクションファン71と、コンベクションファン71を回転駆動するモータ72とを備えうる。図11(b)には、コンベクションファン71の構成例が示されている。図11(b)における一点破線は、コンベクションファン71の回転軸(モータ72の回転軸と理解されてもよい)を示している。本実施形態のコンベクションファン71は、図11(b)のブロック矢印で示されるように、モータ72の回転駆動により回転軸方向から取り込んだ空気を半径方向に放出するように構成されうる。
【0037】
また、本実施形態のファン機構70は、反射面13gに対するコンベクションファン71の回転軸の角度が、90度±5度(好ましくは90度±1度)の範囲に収まるように配置されうる。具体的には、前述したように反射面13gが水平面に対して傾き角θで傾いているため、ファン機構70は、水平面に対するコンベクションファン71の回転軸の傾き角θが42.6度±5度の範囲内(好ましくは42.6度±1度の範囲内)に収まるように配置されうる。この構成により、ファン機構70は、コンベクションファン71の回転軸を反射面13gに対して略垂直に配置することができるため、コンベクションファン71の回転駆動により、後述する反射面13gの複数の第1孔15aを介して、加熱庫HC内の空気を効率よく取り込むことができる。
【0038】
図12は、前扉20が開いている状態のオーブントースタ100を前方から見た図(前面図)であり、ファン機構70による加熱庫HC内での空気の対流を示している。図12におけるブロック矢印は、空気の流れを表している。図12に示されるように、反射面13gには、ファン機構70が加熱庫HC内の空気を取り込むための複数の第1孔15aと、加熱庫HC内に空気を供給(放出)するための複数の第2孔15bとが形成されている。図12に示す例では、反射面13gにおいて、複数の第1孔15aが、左右方向(X軸方向)における中央部に形成されおり、複数の第2孔15bが、左右方向(X軸方向)における複数の第1孔15aの周囲(+X方向側、-X方向側)に形成されている。また、ファン機構70は、反射面13gにおける複数の第1孔15aの奥側(+Y方向側)に配置される。このような構成では、ファン機構70により複数の第1孔15aを介して加熱庫HC内から取り込まれた気体を、複数の第2孔15bを介して加熱庫HC内に供給し、加熱庫HCの内部において空気(熱)を対流させることができる。即ち、加熱庫HC内の温度分布を均一化することができる。
【0039】
ここで、コンベクションファン71により加熱庫HC内から取り込まれた空気は、オーブントースタ100の内部(具体的にはオーブントースタ100の外装と反射部材13との間の空間)に一時的に滞留するため、オーブントースタ100の内部に熱が蓄積されることがある。本実施形態のオーブントースタ100には、本体部10の外装の上面に開口10aが形成されており(図1図3図11参照)、当該開口10aを介してオーブントースタ100の内部の空気(即ち熱)が外部へ排出される。これにより、オーブントースタ100自体の温度が高くなり過ぎることを回避するとともに、ファン機構70のモータ72の冷却を行うことができる。
【0040】
また、ファン機構70は、モータ72を冷却するための冷却ファン73を備えてもよい。冷却ファン73は、モータ72によって回転駆動される回転軸において、コンベクションファン71が取り付けられた端部とは反対側の端部に取り付けられうる。換言すると、コンベクションファン71と冷却ファン73とは、モータ72を挟み込むように同じ回転軸に取り付けられている。
【0041】
さらに、オーブントースタ100は、加熱庫HCの内部において熱を対流させるように各ヒータ12a~12cの通電制御を行ってもよい。該通電制御は、オーブントースタ100に設けられた制御部(不図示)によって行われうる。制御部は、例えばCPUやメモリなどを有し、操作部24からのユーザの操作指示に応じてオーブントースタ100の各ユニットを制御しうる。例えば、制御部は、複数のヒータ12a~12cのうち通電する(点灯させる)1つのヒータを所定の時間ごとに順番に切り替えていくことにより、加熱庫HCの内部において空気(熱)を対流させることができる。一例として、制御部は、上側ヒータ12aのみに通電して所定の時間が経過したら、上側ヒータ12aの通電を停止して下側ヒータ12bのみを通電し、所定の時間が経過したら、下側ヒータ12bの通電を停止して下側ヒータ12cのみを通電する。そして、所定の時間が経過したら、下側ヒータ12cの通電を停止して上側ヒータ12aのみを通電する。このような制御(処理)を繰り返すことにより、加熱庫HCの内部において空気(熱)を対流させることができる。
【0042】
<第3実施形態>
第3実施形態では、網部材30上の加熱対象物に対して熱線をより均一に照射することが可能なヒータ12(各ヒータ12a~12c)の構成例について説明する。図13は、本実施形態のヒータ12の構成例を模式的に示している。本実施形態のヒータ12は、炭素(炭素繊維)を含む電熱線81と、電熱線81を覆うガラス管82と、ガラス管82の両端に設けられた端子部83とを備えるカーボンヒータである。電熱線81は、螺旋状に巻かれており、通電することで発熱する(即ち、熱線を放射する)部材である。また、端子部83は、ガラス管82を密閉するとともに、電熱線81の端部に接続された電極として機能しうる。ガラス管82の両側に設けられた端子部83を介して電熱線81に給電することで、電熱線81の抵抗により電熱線81から熱(熱線)を放射することができる。
【0043】
オーブントースタ100では、加熱庫HCの内部における中央部(例えば、加熱庫HC内に配置された網部材30の中央部)に熱線が集中し易い傾向がある。そのため、本実施形態のヒータ12は、図13に示されるように、第1密度で電熱線81が巻かれた中央領域Rと、中央領域Rの周辺(+X方向側、―X方向側)において、第2密度で電熱線81が巻かれた周辺領域Rとを含みうる。そして、中央領域Rにおける電熱線81の第1密度は、周辺領域Rにおける電熱線81の第2密度より小さい。これにより、加熱庫HCの中央部への熱線への集中を緩和し、網部材30上の加熱対象物に照射される熱線の均一化を図っている。なお、電熱線81の密度は、単位長さ辺りの電熱線81の巻き数、および/または電熱線81のピッチとして理解されてもよい。
【0044】
ここで、ヒータ12は、左右方向(X軸方向)において、中央領域Rの長さが、一方の周辺領域Rの長さ以上になるように構成されうる。例えば、中央領域Rの長さは、一方の周辺領域Rの長さの1.5倍以上、あるいは2倍以上であってもよい。また、ヒータ12は、中央領域Rにおける電熱線81の第1密度が、周辺領域Rにおける電熱線81の第2密度の3/4以下になるように構成されうる。例えば、第1密度は、第2密度の1/4~3/4の範囲内、好ましくは第2密度の1/3~2/3の範囲内でありうる。本実施形態のヒータ12の構成例では、第1密度が第2密度の1/2である。なお、上記のヒータ12の構成は、複数のヒータ12a~12cの全てに適用されてもよいが、それに限られず、複数のヒータ12a~12cの少なくとも1つ(例えば上側ヒータ12a)に適用されてもよい。
【0045】
発明は上記実施形態に制限されるものではなく、発明の精神及び範囲から離脱することなく、様々な変更及び変形が可能である。
【符号の説明】
【0046】
10:本体部、12:ヒータ、13:反射部材、20:前扉、30:網部材、31:載置部分、32:被支持部分、33:フック、40:軸部材、41:開口部、50:案内部材、60:アーム部材、HC:加熱庫
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13