(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-02-13
(45)【発行日】2023-02-21
(54)【発明の名称】列車がトンネルを通過する時間の計算方法、システム及び記憶媒体
(51)【国際特許分類】
G06V 10/74 20220101AFI20230214BHJP
G06T 7/00 20170101ALI20230214BHJP
G06N 20/00 20190101ALI20230214BHJP
G01M 17/08 20060101ALI20230214BHJP
【FI】
G06V10/74
G06T7/00 350B
G06T7/00 300D
G06N20/00
G01M17/08
(21)【出願番号】P 2021541170
(86)(22)【出願日】2020-07-22
(86)【国際出願番号】 CN2020103578
(87)【国際公開番号】W WO2021013192
(87)【国際公開日】2021-01-28
【審査請求日】2021-07-15
(31)【優先権主張番号】201910670306.0
(32)【優先日】2019-07-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】518309666
【氏名又は名称】中南大学
(74)【代理人】
【識別番号】110000291
【氏名又は名称】弁理士法人コスモス国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】劉 輝
(72)【発明者】
【氏名】李 燕飛
(72)【発明者】
【氏名】呉 海平
(72)【発明者】
【氏名】張 雷
【審査官】大塚 俊範
(56)【参考文献】
【文献】中国特許出願公開第109029373(CN,A)
【文献】特開2013-210713(JP,A)
【文献】特表2015-508587(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06V 10/00-10/98
G06T 7/00- 7/90
G06N 20/00
G01M 17/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
列車がトンネルを通過する時間の計算方法であって、
式t=O(i)/(f
Hz(O(i)-O(i-1)))で
前記列車が現在の
前記トンネルを通過する残り時間を推定し、
式中、
前記列車の現在位置からトンネル出口までの走行距離値はO(i)=O
M(i)+ε(i)であり、O(i-1)は
前記列車の現在位置の前の位置から
前記トンネル出口までの走行距離値であり、O
M(i)は現在位置特徴画像及び典型的なサンプル統合テンプレートライブラリにおけるテンプレート画像を利用して相関性を計算して得た現在位置の
前記典型的なサンプル統合テンプレートライブラリでの最適マッチング位置であり、前記現在位置特徴画像は収集された
前記列車の現在位置の頭部と尾部のサンプルポイントの気象パラメータ及び前の一定期間の現在位置の気象パラメータシーケンスを利用して位相空間再構築とRGB色空間組み合わせを行うことによって取得され、前記典型的なサンプル統合テンプレートライブラリにおける
前記テンプレート画像は、各クラスのトンネルグループの典型的なサンプルに対して位相空間再構築を行って取得された
前記列車の頭部と尾部の
前記気象パラメータ
のカラー画像であり、前記各クラスの
前記トンネルグループの典型的なサンプルとは、
前記トンネルが所在する地理的位置及びトンネル内外の気象状況に応じて
前記気象パラメータを分類し、分類した区域内の同一クラスの
前記気象パラメータをさらに分けて得たサンプルであり、ε(i)は
前記列車の運行中に収集された
前記気象パラメータをトンネル走行距離予測誤差補償モデルに入力して得た補償誤差であり、前記トンネル走行距離予測誤差補償モデルとは、同一クラスの
前記トンネルグループのデータを採用して、温度シーケンス、湿度シーケンス、気圧シーケンスを入力とし、RGBカラー統合マッチングモデルの予測誤差を出力とし、最小二乗サポートベクターマシンをトレーニングして得たモデルを指し、f
Hzは位置更新頻度であり、前記気象パラメータとは、列車運行中の
前記列車
の頭部に対応する
前記温度シーケンス、
前記列車
の頭部に対応する
前記湿度シーケンス、
前記列車の頭部に対応する
前記気圧シーケンス、
前記列車の尾部に対応する
前記温度シーケンス、
前記列車
の尾部に対応する
前記湿度シーケンス、
前記列車の尾部に対応する
前記気圧シーケンスを指す、ことを特徴とする列車がトンネルを通過する時間の計算方法。
【請求項2】
前記列車の現在位置から
前記トンネル出口までの走行距離値O(i)の具体的な決定過程は、
前記気象パラメータを収集し、気象パラメータデータベースを構築するステップ1)と、
前記気象パラメータデータベースに基づいて、
前記トンネルが所在する地理的位置及びトンネル内外の気象状況に応じて
前記気象パラメータデータベースにおける
前記気象パラメータを分類し、区域内の同一クラスのサンプルを得、属性が近い
前記トンネルグループの分類を実現するステップ2)と、
区域内の同一クラスのサンプルをさらに分け、各クラスの
前記トンネルグループの典型的なサンプルを取得するステップ3)と、
各クラスの
前記トンネルグループの典型的なサンプルに対して位相空間再構築を行い、
前記列車の頭部と尾部の
前記気象パラメータ
のカラー画像、即ちテンプレート画像を取得し、すべての典型的なサンプルに対応するテンプレート画像で
前記典型的なサンプル統合テンプレートライブラリを構築するステップ4)と、
前記列車の現在位置の頭部と尾部の
現在のサンプル取得時点、及び
複数の現在より前の
サンプル取得時点でのサンプルシーケンスをそれぞれ収集し、位相空間再構築とRGB色空間組み合わせを行い、
前記現在位置特徴画像{c
h,c
f}を構築し、
前記現在位置特徴画像及び
前記典型的なサンプル統合テンプレートライブラリにおけるテンプレート画像に対して相関性の計算を行い、現在位置の
前記典型的なサンプル統合テンプレートライブラリでの最適マッチング位置を決定するステップ5)と、
同一クラスの
前記トンネルグループのデータを採用して、
前記温度シーケンス、
前記湿度シーケンス、
前記気圧シーケンスを入力とし、前記最適マッチング位置の予測誤差を出力とし、
前記最小二乗サポートベクターマシンをトレーニングし、トンネル走行距離予測誤差補償モデルを確立するステップ6)と、
列車運行中の
前記気象パラメータをリアルタイムに収集し、前記トンネル走行距離予測誤差補償モデルを利用してトンネル出口までの最終的な走行距離値、即ちO(i)を取得するステップ7)と、を含むことを特徴とする請求項1に記載の列車がトンネルを通過する時間の計算方法。
【請求項3】
ステップ2)の具体的な実現過程は、
1)トンネルサンプルが所在する地理的位置に従って
前記トンネルグループをNクラスに分けることと、
2)現在の区域における1年間内の
前記列車がトンネルを通過する前のT(Tは所定の時間である)min内の平均気温分布を取得し、ガウス分布関数を採用して現在の区域のトンネル内の平均気温分布をフィッティングし、フィッティング後の平均気温分布を確率に応じてK等分し、1つの部分に属する気温サンプルを現在の区域での同一クラスの気温サンプルと定義し、同一クラスの気温サンプルに対応する温度シーケンス、湿度シーケンス及び気圧シーケンスを同一クラスのサンプルと定義することと、を含むことを特徴とする請求項2に記載の列車がトンネルを通過する時間の計算方法。
【請求項4】
ステップ3)の具体的な実現過程は、
1)現在の区域での同一クラスのサンプル中の各時間シーケンスに対して自己回帰和分移動平均モデルのモデリングを行い、各時間シーケンスの特徴量、即ち各時間シーケンスの自己回帰項、差分項及び移動回帰項のパラメータを抽出することであって、区域内の同一クラスのサンプルのすべての特徴量は特徴行列Aを構成し、前記時間シーケンスは
前記温度シーケンス、
前記湿度シーケンス及び
前記気圧シーケンスを含むことと、
2)特徴行列Aに対して次元削減処理を行い、寄与度が最も大きいM個の主成分を選択して元の特徴行列Aの情報を特徴付け、変換後の行列A’を取得することと、
3)カーネル関数k=αk
rbf+βk
Linear+(1-α-β)k
Laplace(式中、k
rbfがラジアル基底カーネル関数であり、k
Linearが線形カーネル関数であり、k
Laplaceがラプラシアンカーネル関数である。)を定義し、カーネル関数の係数α、β(α、β∈[0,1])及びクラス数n
0(n
0が30より小さい正の整数である。)の初期値をランダムに決定することと、
4)行列A’内の特徴値をカーネル関数kに対応する特徴空間にマッピングし、新たな特徴行列A”を得、A”における特徴量を入力とし、初期クラス数n
0に従って、k-meansクラスタリングアルゴリズムを採用してA”における特徴量のクラスタリングを実現し、区域内の同一クラスのサンプルをnクラスに分け、各クラスのサンプルで1つのサンプルクラスタを構成し、最適化目的関数
【数19】
(式中、avg(C
i)がサンプルクラスタC
iにおけるサンプルの平均距離であり、avg(C
j)がサンプルクラスタC
jにおけるサンプルの平均距離であり、d
cen(C
i,C
j)がサンプルクラスタC
iとサンプルクラスタC
jの中心点の間の距離である。)を計算することと、
5)現在の最適化目的関数値fitnessに基づいて、灰色オオカミ最適化アルゴリズムを採用して、α、β及びn
0の値を更新することと、
6)所定の最適化回数m=100に達するまで、ステップ4)とステップ5を繰り返すことであって、この時のα、β及びn
0の値極は最適化された最終的なパラメータ値であり、最適化された最終的なパラメータ値でのクラスタリング結果は最終クラスタリング結果であることと、
7)最終クラスタリング結果に従って現在の区域での同一クラスのサンプルをE個のクラスタリングサンプルクラスタに分け、各クラスタリングサンプルクラスタのクラスタリング中心及びクラスタリング中心から最も近いP個のサンプルに対応する
【数20】
それぞれ
前記列車
の頭部で収集された
前記温度シーケンス、
前記列車
の頭部で収集された
前記湿度シーケンス、
前記列車
の頭部で収集された
前記気圧シーケンス、
前記列車
の尾部で収集された
前記温度シーケンス、
前記列車
の尾部で収集された
前記湿度シーケンス、
前記列車
の尾部で収集された
前記気圧シーケンスに対応する。)を取得し、P+1個のサンプルに対応する元の時間シーケンスを現在クラストンネルグループの典型的なサンプルと定義することと、を含むことを特徴とする
請求項2または請求項3に記載の列車がトンネルを通過する時間の計算方法。
【請求項5】
ステップ5)の具体的な実現過程は、
1)現在位置の
前記列車の頭部と尾部の
前記温度シーケンス、
前記湿度シーケンス及び
前記気圧シーケンスにおける現在
のサンプル取得時点及び
複数の現在より前の
サンプル取得時点を決定することと、
2)遅延座標法を採用して位相空間再構築を行い、
前記列車の頭部と尾部の温度、湿度及び気圧の進化特性を表す6個の二次元再構築行列を取得し、6個の行列を頭部と尾部別にRGB色空間に応じて組み合わせ、現在位置特徴画像{c
h,c
f}を形成することと、
3)
前記現在位置特徴画像と
前記典型的なサンプル統合テンプレートライブラリにおける画像に対して畳み込み演算を行い、複数の一次元シーケンスを取得することと、
4)すべての一次元シーケンスにおける要素を降順でソートし、最大のL個の要素を候補要素として決定することであって、候補要素に対応するソート前の位置は候補位置であり、候補位置に対応するトンネル出口までの走行距離値はs
j(j=1,2,…L)であることと、
5)候補位置に対応するトンネル出口までの走行距離値の平均値を取ることであって、該平均値は現在位置の
前記典型的なサンプル統合テンプレートライブラリでの最適マッチング位置O
Mは
【数21】
であることと、を含むことを特徴とする請求項1~4のいずれか一項に記載の列車がトンネルを通過する時間の計算方法。
【請求項6】
ステップ6)の具体的な実現過程は、
1)入力サンプルI=(T
h,H
h,P
h,T
f,H
f,P
f)(式中、T
h=(t
1,t
2…,t
G)はトンネル内の
前記列車
の頭部の現在サンプルポイント及びG個の前のサンプルポイントの
前記温度シーケンスであり、H
hは長さがGである
前記列車
の頭部
の前記湿度シーケンスであり、P
hは長さがGである
前記列車
の頭部
の前記気圧シーケンスであり、T
fは長さがGである
前記列車
の尾部
の前記温度シーケンスであり、H
fは長さがGである
前記列車
の尾部
の前記湿度シーケンスであり、P
fは長さがGである
前記列車
の尾部
の前記気圧シーケンスである。)を定義し、出力サンプルを現在位置に対応する走行距離誤差値εと定義し、入力サンプルと出力サンプルの組み合せY={I,ε}でモデリングサンプルを構成することと、
2)前記モデリングサンプルをトレーニングセットと検証セットに分けることと、
3)入力サンプルIにおける各次元の特徴に対してバイナリ符号化を行い、ある次元の特徴に対応する符号化値が1である場合、該特徴を
前記最小二乗サポートベクターマシンの入力変数として選択し、ある次元の特徴に対応する符号化値が0である場合、該次元の特徴を捨てることと、
4)現在特徴符号化値に基づいて、入力サンプルを更新し、更新したトレーニングセットと検証セットを得、更新したトレーニングセットデータを採用して
前記最小二乗サポートベクターマシンをトレーニングし、更新した検証セットデータをトレーニング済みの
前記最小二乗サポートベクターマシンに入力し、
前記最小二乗サポートベクターマシンの出力シーケンスを
【数22】
(k=1,2…,N
1であり、N
1は検証セットにおけるサンプルペアの数である。)として取得することと、
5)ステップ3)とステップ4)を繰り返し、最適化目的関数
【数23】
を最小化する入力特徴と
前記最小二乗サポートベクターマシンを決定し、即ち、最適な入力特徴と走行距離予測誤差補償モデルである最適な
前記最小二乗サポートベクターマシンを得ることと、を含むことを特徴とする請求項1~5のいずれか一項に記載の列車がトンネルを通過する時間の計算方法。
【請求項7】
ステップ7)の具体的な実現過程は、
1)前記列車がトンネルを通過する前のTmin間内の平均温度分布データを収集し、現在位置の
前記列車の頭部と尾部の
前記温度シーケンスと
前記湿度シーケンスを取得し、テンプレートマッチング出力値O
M(i)を取得し、トンネル走行距離予測誤差補償モデルを利用して補償誤差出力結果ε(i)を取得することと、
2)式O(i)=O
M(i)+ε(i)で
前記列車の現在位置からトンネル出口までの走行距離値O(i)を取得することと、を含むことを特徴とする請求項1~6のいずれか一項に記載の列車がトンネルを通過する時間の計算方法。
【請求項8】
現在位置特徴画像及び典型的なサンプル統合テンプレートライブラリにおけるテンプレートに対して相関性の計算を行い、現在位置の
前記典型的なサンプル統合テンプレートライブラリでの最適マッチング位置を得るための最適マッチング位置取得モジュールであって、前記現在位置特徴画像は収集された列車の現在位置の頭部と尾部のサンプルポイントの気象パラメータ及び前の一定期間の現在位置の気象パラメータシーケンスを利用して位相空間再構築とRGB色空間組み合わせを行うことによって取得され、前記典型的なサンプル統合テンプレートライブラリにおけるテンプレート画像は、各クラスのトンネルグループの典型的なサンプルに対して位相空間再構築を行って取得された
前記列車の頭部と尾部の
前記気象パラメータ
のカラー画像であり、前記各クラスの
前記トンネルグループの典型的なサンプルとは、トンネルが所在する地理的位置及びトンネル内外の気象状況に応じて
前記気象パラメータを分類し、分類した区域内の同一クラスのサンプルをさらに分けて得たサンプルである最適マッチング位置取得モジュールと、
同一クラスの
前記トンネルグループのデータを採用して、温度シーケンス、湿度シーケンス、気圧シーケンスを入力とし、最適マッチング位置の予測誤差を出力とし、最小二乗サポートベクターマシンをトレーニングして取得され、出力が補償誤差ε(i)であるトンネル走行距離予測誤差補償モデルと、
式t=O(i)/(f
Hz(O(i)-O(i-1)))(式中、O(i)=O
M(i)+ε(i)であり、O(i-1)は
前記列車の現在位置の前の位置からトンネル出口までの走行距離値であり、O
M(i)は最適マッチング位置であり、f
Hzは
前記列車
の位置更新頻度である。)で
前記列車が現在のトンネルを通過する残り時間tを推定するための残り時間計算モジュールと、を含む、ことを特徴とする列車がトンネルを通過する時間の計算システム。
【請求項9】
前記最適マッチング位置取得モジュールは、
現在位置の前記列車の頭部と尾部の前記温度シーケンス、前記湿度シーケンス及び前記気圧シーケンスにおける現在サンプルポイント及びG個の前のサンプリングポイントを決定するためのデータ収集ユニットと、
遅延座標法を採用して位相空間再構築を行い、前記列車の頭部と尾部の温度、湿度及び気圧の進化特性を表す6個の二次元再構築行列を取得し、6個の行列を分頭部と尾部別にRGB色空間に応じて組み合わせ、現在位置特徴画像{ch,cf}を形成するための特徴画像計算ユニットと、
前記現在位置特徴画像及び
前記典型的なサンプル統合テンプレートライブラリにおけるテンプレート画像に対して畳み込み演算を行い、複数の一次元シーケンスを取得するための畳み込みユニットと、
すべての一次元シーケンスにおける要素を降順でソートし、最大のL個の要素を候補要素として決定するためのソートユニットであって、候補要素に対応するソート前の位置は候補位置であり、候補位置に対応するトンネル出口までの走行距離値はs
j(j=1,2,…L)であるソートユニットと、
候補位置に対応するトンネル出口までの走行距離値の平均値を取るための出力ユニットであって、該平均値が現在位置の
前記典型的なサンプル統合テンプレートライブラリでの最適マッチング位置O
Mは
【数24】
である出力ユニットと、を含み、
前記トンネル走行距離予測誤差補償モデルのトレーニング過程は、
1)入力サンプルI=(T
h,H
h,P
h,T
f,H
f,P
f)(式中、T
h=(t
1,t
2…,t
G)はトンネル内の
前記列車
の頭部の現在サンプルポイント及びG個の前のサンプルポイントの
前記温度シーケンスであり、H
hは長さがGである
前記列車
の頭部
の前記湿度シーケンスであり、P
hは長さがGである
前記列車
の頭部
の前記気圧シーケンスであり、T
fは長さがGである
前記列車
の尾部
の前記温度シーケンスであり、H
fは長さがGである
前記列車
の尾部
の前記湿度シーケンスであり、P
fは長さがGである
前記列車
の尾部
の前記気圧シーケンスである。)を定義し、出力サンプルを現在位置に対応する走行距離誤差値εと定義し、入力サンプルと出力サンプルの組み合せY={I,ε}でモデリングサンプルを構成することと、
2)前記モデリングサンプルをトレーニングセットと検証セットに分けることと、
3)入力サンプルIにおける各次元の特徴に対してバイナリ符号化を行い、ある次元の特徴に対応する符号化値が1である場合、該特徴を
前記最小二乗サポートベクターマシンの入力変数として選択し、ある次元の特徴に対応する符号化値が0である場合、該次元の特徴を捨てることと、
4)現在特徴符号化値に基づいて、入力サンプルを更新し、更新したトレーニングセットと検証セットを得、更新したトレーニングセットデータを採用して
前記最小二乗サポートベクターマシンをトレーニングし、更新した検証セットデータをトレーニング済みの
前記最小二乗サポートベクターマシンに入力し、
前記最小二乗サポートベクターマシンの出力シーケンスを
【数25】
(k=1,2…,N
1であり、N
1は検証セットにおけるサンプルペアの数である。)として取得することと、
5)ステップ3)とステップ4)を繰り返し、最適化目的関数
【数26】
を最小化する入力特徴と
前記最小二乗サポートベクターマシンを決定し、即ち、最適な入力特徴と走行距離予測誤差補償モデルである最適な
前記最小二乗サポートベクターマシンを得ることと、を含むことを特徴とする請求項8
に記載の列車がトンネルを通過する時間の計算システム。
【請求項10】
請求項1~7のいずれか一項に記載の方法のステップを実行するように構成されるプログラムが記憶されている、ことを特徴とするコンピュータ読み取り可能な記憶媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、人工知能学習の分野に関し、具体的には、列車がトンネルを通過する時間の計算方法、システム及び記憶媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
旅客列車を利用した乗客の旅程全体の乗り心地を向上させることは、旅客輸送の点で高速鉄道の競争力を向上させることに役立つ。全面的な情報提示は、乗客に現在の列車運行状況を把握させ、乗客の乗り心地を向上することに役立つ。現在、車内の提示情報は気温及び列車時速等を含むが、列車がトンネル等を通過する時の特殊な作業条件の関連情報を提示することに乏しい。
【0003】
列車がトンネルに入った後に、通信情報がなくなるという状況が発生し、これにより、インターネット時代の人々が心理的に焦り慌てており、乗客の乗り心地を深刻に損なう。また、トンネル内の暗い密閉環境、車両密閉性が悪くなることにより引き起こされた耳膜の不快感や未知のトンネルの長さは、人に大きな不安感をもたらす。このため、トンネルを通過する時間を有効で正確に測定するための方法を設計し、トンネルで待つ時間を乗客にタイムリーに通知することは、乗り心地を向上させることに非常に重要な役割を果たす。列車がトンネルを通過する時間を計算するコアはトンネル内での列車の正確な測位である。一般的な列車測位方法は以下の複数の種類を有する。
【0004】
1.北斗GPS測位式であって、北斗衛星測位を用いて全方位、全天候で一日中を通じて測位情報を提供することができるが、トンネル内の列車測位に適用しない。
【0005】
2.無線基地局式であって、トンネル両端の無線基地局により列車情報を提供し、沿線のトラックサイド機器の使用を効果的に減少させるが、トンネル内の列車の測位に適用しない。
【0006】
3.応答式であって、鉄道沿線に複数のトラックサイド機器が配置されるとともに、列車に対応する車載装置が取り付けられ、高い精度を有するが、工事コスト及びメンテナンスコストが膨大であり、実用性が低い。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明が解決しようとする課題は、従来技術の欠点に対して、トンネル内の列車からトンネル出口までの距離のインテリジェントな感知を実現し、列車のトンネル内での運行時間を正確に推定する、列車がトンネルを通過する時間の計算方法、システム及び記憶媒体を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記技術的課題を解決するために、本発明が採用する技術的解決手段は以下のとおりである。列車がトンネルを通過する時間の計算方法であって、
式t=O(i)/(fHz(O(i)-O(i-1)))で列車が現在のトンネルを通過する残り時間を推定し、
式中、列車の現在位置からトンネル出口までの走行距離値はO(i)=OM(i)+ε(i)であり、O(i-1)は列車の現在位置の前の位置からトンネル出口までの走行距離値であり、OM(i)は現在位置特徴画像及び典型的なサンプル統合テンプレートライブラリにおけるテンプレート画像を利用して相関性を計算して得た現在位置の典型的なサンプル統合テンプレートライブラリでの最適マッチング位置であり、前記現在位置特徴画像は収集された列車の現在位置の頭部と尾部のサンプルポイントの気象パラメータ及び前の一定期間の現在位置の気象パラメータシーケンスを利用して位相空間再構築とRGB色空間組み合わせを行うことによって取得され、前記典型的なサンプル統合テンプレートライブラリにおけるテンプレート画像は、各クラスのトンネルグループの典型的なサンプルに対して位相空間再構築を行って取得された列車の頭部と尾部の気象パラメータによって進化されたカラー画像であり、前記各クラスのトンネルグループの典型的なサンプルとは、トンネルが所在する地理的位置及びトンネル内外の気象状況に応じて気象パラメータを分類し、分類した区域内の同一クラスのサンプルをさらに分けて得たサンプルであり、ε(i)は列車の運行中に収集された気象パラメータをトンネル走行距離予測誤差補償モデルに入力して得た補償誤差であり、前記トンネル走行距離予測誤差補償モデルとは、同一クラスのトンネルグループのデータを採用して、温度シーケンス、湿度シーケンス、気圧シーケンスを入力とし、RGBカラー統合マッチングモデルの予測誤差を出力とし、最小二乗サポートベクターマシンをトレーニングして得たモデルを指し、fHzは位置更新頻度である。
【0009】
本発明は人工知能ビッグデータ分析の技術を利用し、列車両端の温度シーケンス、湿度シーケンス、気圧シーケンスのデータにより、トンネル内で列車からトンネル出口までの距離のインテリジェントな感知を実現し、本発明はいずれのトラックサイド機器も必要とせず、コストが低く、実用性が高い。
【0010】
列車の現在位置からトンネル出口までの走行距離値O(i)の具体的な決定過程は、
トンネル気象パラメータを収集し、トンネル気象パラメータデータベースを構築するステップ1)と、
トンネル気象パラメータデータベースに基づいて、トンネルが所在する地理的位置及びトンネル内外の気象状況に応じてトンネル気象パラメータデータベースにおける気象パラメータを分類し、区域内の同一クラスのサンプルを得、属性が近いトンネルグループの分類を実現するステップ2)と、
区域内の同一クラスのサンプルをさらに分け、各クラスのトンネルグループの典型的なサンプルを取得するステップ3)と、
各クラスのトンネルグループの典型的なサンプルに対して位相空間再構築を行い、列車の頭部と尾部の気圧気象パラメータの進化的カラー画像、即ちテンプレート画像を取得し、すべての典型的なサンプルに対応するテンプレート画像で典型的なサンプル統合テンプレートライブラリを構築するステップ4)と、
列車の現在位置の頭部と尾部のサンプルポイント、及び前の一定期間の現在位置のサンプルシーケンスをそれぞれ収集し、位相空間再構築とRGB色空間組み合わせを行い、現在位置特徴画像{ch,cf}を構築し、現在位置特徴画像及び典型的なサンプル統合テンプレートライブラリにおけるテンプレート画像に対して相関性の計算を行い、現在位置の典型的なサンプル統合テンプレートライブラリでの最適マッチング位置を決定するステップ5)と、
同一クラスのトンネルグループのデータを採用して、温度シーケンス、湿度シーケンス、気圧シーケンスを入力とし、前記最適マッチング位置の予測誤差を出力とし、最小二乗サポートベクターマシンをトレーニングし、トンネル走行距離予測誤差補償モデルを確立するステップ6)と、
列車運行中の気象パラメータをリアルタイムに収集し、前記トンネル走行距離予測誤差補償モデルを利用してトンネル出口までの最終的な走行距離値、即ちO(i)を取得するステップ7)と、を含む。
【0011】
本発明の方法はトンネル内の気象パラメータの変化を十分に利用して列車位置のインテリジェントな感知を実現することができ、ラックサイド機器を必要とせず、簡単で実用的な利点を有する。
【0012】
ステップ2)の具体的な実現過程は、
1)トンネルサンプルが所在する地理的位置に従ってトンネルグループをNクラスに分けることと、
2)現在の区域における1年間内の列車がトンネルを通過する前のTmin内の平均気温分布を取得し、ガウス分布関数を採用して現在の区域のトンネル内の平均気温分布をフィッティングし、フィッティング後の平均気温分布を確率に応じてK等分し、1つの部分に属する気温サンプルを現在の区域での同一クラスの気温サンプルと定義し、同一クラスの気温サンプルに対応する温度シーケンス、湿度シーケンス及び気圧シーケンスを同一クラスのサンプルと定義することと、を含む。
【0013】
本発明は地理的位置を採用してトンネルを粗分類し、次に気象パラメータを採用して同区域のトンネルを仕上げ分類することで、テンプレートサンプルの信頼性を保証する。
【0014】
ステップ3)の具体的な実現過程は、
1)現在の区域での同一クラスのサンプル中の各時間シーケンスに対して自己回帰和分移動平均モデルのモデリングを行い、各時間シーケンスの特徴量、即ち各時間シーケンスの自己回帰項、差分項及び移動回帰項のパラメータを抽出することであって、区域内の同一クラスのサンプルのすべての特徴量は特徴行列Aを構成し、前記時間シーケンスは温度シーケンス、湿度シーケンス及び気圧シーケンスを含むことと、
2)特徴行列Aに対して次元削減処理を行い、寄与度が最も大きいM個の主成分を選択して元の特徴行列Aの情報を特徴付け、変換後の行列A’を取得することと、
3)カーネル関数k=αk
rbf+βk
Linear+(1-α-β)k
Laplace(式中、k
rbfがラジアル基底カーネル関数であり、k
Linearが線形カーネル関数であり、k
Laplaceがラプラシアンカーネル関数である。)を定義し、カーネル関数の係数α、β(α、β∈[0,1])及びクラス数n
0(n
0が30より小さい正の整数である。)の初期値をランダムに決定することと、
4)行列A’内の特徴値をカーネル関数kに対応する特徴空間にマッピングし、新たな特徴行列A”を得、A”における特徴量を入力とし、初期クラス数n
0に従って、k-meansクラスタリングアルゴリズムを採用してA”における特徴量のクラスタリングを実現し、区域内の同一クラスのサンプルをnクラスに分け、各クラスのサンプルで1つのサンプルクラスタを構成し、最適化目的関数
【数1】
(式中、avg(C
i)がサンプルクラスタC
iにおけるサンプルの平均距離であり、avg(C
j)がサンプルクラスタC
jにおけるサンプルの平均距離であり、d
cen(C
i,C
j)がサンプルクラスタC
iとサンプルクラスタC
jの中心点の間の距離である。)を計算することと、
5)現在の最適化目的関数値fitnessに基づいて、灰色オオカミ最適化アルゴリズムを採用して、α、β及びn
0の値を更新することと、
6)所定の最適化回数m=100に達するまで、ステップ4)とステップ5を繰り返すことであって、この時のα、β及びn
0の値極は最適化された最終的なパラメータ値であり、最適化された最終的なパラメータ値でのクラスタリング結果は最終クラスタリング結果であることと、
7)最終クラスタリング結果に従って現在の区域での同一クラスのサンプルをE個のクラスタリングサンプルクラスタに分け、各クラスタリングサンプルクラスタのクラスタリング中心及びクラスタリング中心から最も近いP個のサンプルに対応する
【数2】
それぞれ列車頭部で収集された温度シーケンス、列車頭部で収集された温度シーケンス、列車頭部で収集された気圧シーケンス、列車尾部で収集された温度シーケンス、列車尾部で収集された温度シーケンス、列車尾部で収集された気圧シーケンスに対応する。)を取得し、P+1個のサンプルに対応する元の時間シーケンスを現在クラストンネルグループの典型的なサンプルと定義することと、を含む。
【0015】
本発明は自己適応方法で典型的なサンプルを決定するとともに、特徴マッピング空間及び特徴クラスタリングパラメータを最適化し、それは、代表的な典型的なサンプルを取得することに役立ち、テンプレートの有効性を保証する。
【0016】
ステップ5)の具体的な実現過程は、
1)現在位置の列車の頭部と尾部の温度シーケンス、湿度シーケンス及び気圧シーケンスにおける現在サンプルポイント及びG個の前のサンプリングポイントを決定することと、
2)遅延座標法を採用して位相空間再構築を行い、列車の頭部と尾部の温度、湿度及び気圧の進化特性を表す6個の二次元再構築行列を取得し、6個の行列を頭部と尾部別にRGB色空間に応じて組み合わせ、現在位置特徴画像{c
h,c
f}を形成することと、
3)現在位置特徴画像と典型的なサンプル統合テンプレートライブラリにおける画像に対して畳み込み演算を行い、複数の一次元シーケンスを取得することと、
4)すべての一次元シーケンスにおける要素を降順でソートし、最大のL個の要素を候補要素として決定することであって、候補要素に対応するソート前の位置は候補位置であり、候補位置に対応するトンネル出口までの走行距離値はs
j(j=1,2,…L)であることと、
5)候補位置に対応するトンネル出口までの走行距離値の平均値を取ることであって、該平均値は現在位置の典型的なサンプル統合テンプレートライブラリでの最適マッチング位置
【数3】
であることと、を含む。
【0017】
本発明は空間再構築により一次元時間シーケンスを二次元画像に変換し、それにより、時間シーケンスにおける細部情報の取得に役立ち、複数の時間シーケンスの正確なテンプレートマッチングに役立つ。
【0018】
ステップ6)の具体的な実現過程は、
1)入力サンプルI=(T
h,H
h,P
h,T
f,H
f,P
f)(式中、T
h=(t
1,t
2…,t
G)はトンネル内の列車頭部の現在サンプルポイント及びG個の前のサンプルポイントの温度シーケンスであり、H
hは長さがGである列車頭部湿度シーケンスであり、P
hは長さがGである列車頭部気圧シーケンスであり、T
hは長さがGである列車尾部温度シーケンスであり、H
hは長さがGである列車尾部湿度シーケンスであり、P
hは長さがGである列車尾部気圧シーケンスである。)を定義し、出力サンプルを現在位置に対応する走行距離誤差値εと定義し、入力サンプルと出力サンプルの組み合せY={I,ε}でモデリングサンプルを構成することと、
2)前記モデリングサンプルをトレーニングセットと検証セットに分けることと、
3)入力サンプルIにおける各次元の特徴に対してバイナリ符号化を行い、ある次元の特徴に対応する符号化値が1である場合、該特徴を最小二乗サポートベクターマシンの入力変数として選択し、ある次元の特徴に対応する符号化値が0である場合、該次元の特徴を捨てることと、
4)現在特徴符号化値に基づいて、入力サンプルを更新し、更新したトレーニングセットと検証セットを得、更新したトレーニングセットデータを採用して最小二乗サポートベクターマシンをトレーニングし、更新した検証セットデータをトレーニング済みの最小二乗サポートベクターマシンに入力し、最小二乗サポートベクターマシンの出力シーケンスを
【数4】
(k=1,2…,N
1であり、N
1は検証セットにおけるサンプルペアの数である。)として取得することと、
5)ステップ3)とステップ4)を繰り返し、最適化目的関数
【数5】
を最小化する入力特徴と最小二乗サポートベクターマシンを決定し、即ち、最適な入力特徴と走行距離予測誤差補償モデルである最適な最小二乗サポートベクターマシンを得ることと、を含む。
【0019】
本発明はデータ駆動の方式を採用して誤差補正モデルを確立し、それにより、テンプレートと実際値との偏差による誤差を減少させ、走行距離の予測精度をさらに向上させることに役立つ。
【0020】
ステップ7)の具体的な実現過程は、
1)列車がトンネルを通過する前のTmin間内の平均温度分布データを収集し、現在位置の列車の頭部と尾部の温度シーケンスと湿度シーケンスを取得し、テンプレートマッチング出力値OM(i)を取得し、トンネル走行距離予測誤差補償モデルを利用して補償誤差出力結果ε(i)を取得することと、
2)式O(i)=OM(i)+ε(i)で列車の現在位置からトンネル出口までの走行距離値O(i)を取得することと、を含む。
【0021】
本発明はテンプレートマッチングによる粗予測と誤差補正補償とを組み合わせたポリシーを採用してトンネルでの走行距離の計算を実現し、それにより、走行距離の計算精度を向上させることに役立つ。
【0022】
本発明は列車がトンネルを通過する時間の計算システムをさらに提供し、該計算システムは、
現在位置特徴画像及び典型的なサンプル統合テンプレートライブラリにおけるテンプレートに対して相関性の計算を行い、現在位置の典型的なサンプル統合テンプレートライブラリでの最適マッチング位置を得るための最適マッチング位置取得モジュールであって、前記現在位置特徴画像は収集された列車の現在位置の頭部と尾部のサンプルポイントの気象パラメータ及び前の一定期間の現在位置の気象パラメータシーケンスを利用して位相空間再構築とRGB色空間組み合わせを行うことによって取得され、前記典型的なサンプル統合テンプレートライブラリにおけるテンプレート画像は、各クラスのトンネルグループの典型的なサンプルに対して位相空間再構築を行って取得された列車の頭部と尾部の気象パラメータによって進化されたカラー画像であり、前記各クラスのトンネルグループの典型的なサンプルとは、トンネルが所在する地理的位置及びトンネル内外の気象状況に応じて気象パラメータを分類し、分類した区域内の同一クラスのサンプルをさらに分けて得たサンプルである最適マッチング位置取得モジュールと、
同一クラスのトンネルグループのデータを採用して、温度シーケンス、湿度シーケンス、気圧シーケンスを入力とし、最適マッチング位置の予測誤差を出力とし、最小二乗サポートベクターマシンをトレーニングして取得され、出力が補償誤差ε(i)であるトンネル走行距離予測誤差補償モデルと、
式t=O(i)/(fHz(O(i)-O(i-1)))(式中、O(i)=OM(i)+ε(i)であり、O(i-1)は列車の現在位置の前の位置からトンネル出口までの走行距離値であり、OM(i)は最適マッチング位置であり、fHzは列車位置更新頻度である。)で列車が現在のトンネルを通過する残り時間tを推定するための残り時間計算モジュールと、を含む。
【0023】
前記最適マッチング位置取得モジュールは、
現在位置の列車の頭部と尾部の温度シーケンス、湿度シーケンス及び気圧シーケンスにおける現在サンプルポイント及びG個の前のサンプリングポイントを決定するためのデータ収集ユニットと、
遅延座標法を採用して位相空間再構築を行い、列車の頭部と尾部の温度、湿度及び気圧の進化特性を表す6個の二次元再構築行列を取得し、6個の行列を分頭部と尾部別にRGB色空間に応じて組み合わせ、現在位置特徴画像{c
h,c
f}を形成するための特徴画像計算ユニットと、
現在位置特徴画像及び典型的なサンプル統合テンプレートライブラリにおけるテンプレート画像に対して畳み込み演算を行い、複数の一次元シーケンスを取得するための畳み込みユニットと、
すべての一次元シーケンスにおける要素を降順でソートし、最大のL個の要素を候補要素として決定するためのソートユニットであって、候補要素に対応するソート前の位置は候補位置であり、候補位置に対応するトンネル出口までの走行距離値はs
j(j=1,2,…L)であるソートユニットと、
候補位置に対応するトンネル出口までの走行距離値の平均値を取るための出力ユニットであって、該平均値が現在位置の典型的なサンプル統合テンプレートライブラリでの最適マッチング位置O
Mは
【数6】
である出力ユニットと、を含む。
【0024】
本発明の前記トンネル走行距離予測誤差補償モデルのトレーニング過程は、
1)入力サンプルI=(T
h,H
h,P
h,T
f,H
f,P
f)(式中、T
h=(t
1,t
2…,t
G)はトンネル内の列車頭部の現在サンプルポイント及びG個の前のサンプルポイントの温度シーケンスであり、H
hは長さがGである列車頭部湿度シーケンスであり、P
hは長さがGである列車頭部気圧シーケンスであり、T
fは長さがGである列車尾部温度シーケンスであり、H
fは長さがGである列車尾部湿度シーケンスであり、P
fは長さがGである列車尾部気圧シーケンスである。)を定義し、出力サンプルを現在位置に対応する走行距離誤差値εと定義し、入力サンプルと出力サンプルの組み合せY={I,ε}でモデリングサンプルを構成することと、
2)前記モデリングサンプルをトレーニングセット、検証セット、及びテストセットに分けることと、
3)入力サンプルIにおける各次元の特徴に対してバイナリ符号化を行い、ある次元の特徴に対応する符号化値が1である場合、該特徴を最小二乗サポートベクターマシンの入力変数として選択し、ある次元の特徴に対応する符号化値が0である場合、該次元の特徴を捨てることと、
4)現在特徴符号化値に基づいて、入力サンプルを更新し、更新したトレーニングセット、検証セット及びテストセットを得、更新したトレーニングセットデータを採用して最小二乗サポートベクターマシンをトレーニングし、更新した検証セットデータをトレーニング済みの最小二乗サポートベクターマシンに入力し、最小二乗サポートベクターマシンの出力シーケンスを
【数7】
(k=1,2…,N
1であり、N
1は検証セットにおけるサンプルペアの数である。)として取得することと、
5)ステップ3)とステップ4)を繰り返し、最適化目的関数
【数8】
を最小化する入力特徴と最小二乗サポートベクターマシンを決定し、即ち、最適な入力特徴と走行距離予測誤差補償モデルである最適な最小二乗サポートベクターマシンを得ることと、を含む。
【0025】
発明構想として、本発明は、本発明の方法のステップを実行するように構成されるプログラムが記憶されているコンピュータ読み取り可能な記憶媒体をさらに提供する。
【発明の効果】
【0026】
従来の技術に比べて、本発明が有する有益な効果は以下のとおりである。
【0027】
1.本発明は、人工知能ビッグデータ分析の技術を利用し、トンネル内の気圧気象パラメータのトンネルの深さに伴う変化の潜在的な法則を十分に掘り起こす。列車の両端で取得された温度、湿度及び気圧シーケンスデータにより、トンネル内の列車からトンネルの出口までの距離のインテリジェントな感知を実現し、これに基づいて列車のトンネル内での滞留時間の効果的な推定を実現する。
【0028】
2.本発明は乗客に正確な情報提示(例えば温度、湿度やトンネル内の滞在時間情報等)を提供することができ、乗客の乗り心地を向上させることに役立つ。
【0029】
3.本発明は、モデリングが完了した後、いずれのトラックサイド機器も必要とせず、車載温度、湿度及び気圧センサだけで入力データの収集を実現することができ、普及させる価値が高い。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【
図2】本発明の時間シーケンスの位相空間再構築とRGB統合テンプレートのマッチングの概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
図1に示すように、本発明の実施例1の具体的なステップは以下のとおりである。
【0032】
ステップ1、トンネル気圧気象パラメータを収集し、トンネル気圧気象パラメータデータベースを構築する。
【0033】
列車の両端に分布している車載センサにより列車が通過する時のトンネル内の温度、湿度及び気圧シーケンスをリアルタイムに収集し、トンネル内及び車に事前に取り付けられた応答装置により列車のトンネル内の走行距離と時間のシーケンスを収集し、サンプリング周波数が10Hzである。列車がトンネルに入る前のTminで収集された温度及び湿度の平均値を現地の温度、湿度平均値の推定値とする。列車があるトンネルを1回通過する時に列車の両端に位置するセンサにより収集された温度シーケンス、湿度シーケンス、気圧シーケンス及びトンネルに入る前に取得された所在区域の平均気温、平均湿度の推定値は、1組のトンネル気象パラメータサンプルを構成する。管轄区域内のすべての列車が1年間に運行して収集したトンネル気象パラメータサンプルはトンネル気象パラメータデータベースを構成する。T値の範囲は[10,20]であり、本発明において、T=10である。
【0034】
ステップ2、トンネルグループ気圧気象パラメータを分類する。
【0035】
トンネル気象パラメータデータベースに基づいて、トンネルが所在する地理的位置及びトンネル内外の気象状況に応じてデータベースにおける気象パラメータを分類し、属性が近いトンネルグループの分類を実現する。具体的な実現フロセスは以下のとおりである。
【0036】
ステップA1、中国の建築区画による中国気象特徴の区分に応じて、トンネル気象パラメータデータベースにおけるトンネルが所在する地理的位置に従ってトンネルグループを7種類に分類する。
【0037】
ステップA2、現在の区域における1年間内の列車がトンネルを通過する前のTmin内の平均気温分布を取得し、ガウス分布関数を採用して平均気温分布をフィッティングする。平均気温分布を確率に応じて10等分し、1つの部分に属する気温サンプルを現在の区域での同一クラスの気温サンプルと定義し、同一クラスの気温サンプルに対応する温度シーケンス、湿度シーケンス及び気圧シーケンスを同一クラスのサンプルと定義する。
【0038】
ステップ3、区域内の同一クラスのサンプルの典型的なサンプルを特徴付ける。
【0039】
トンネルグループのクラスに基づいて入力属性セットを粗分類して取得された区域内の各同一クラスのサンプルをさらに分ける。具体的には、以下のサブステップを含む。
【0040】
ステップB1、同一クラスのサンプル中の、列車がトンネルを通過する時の温度、湿度及び気圧シーケンスに対して進化特徴抽出を行う。具体的なステップは、各時間シーケンスに自己回帰和分移動平均モデル(ARIMA)のモデリングを行い、各のシーケンスの自己回帰項、差分項及び移動回帰項のパラメータを抽出することである。具体的には、列車がトンネルを通過するごとに収集した時間シーケンスは6列の時間シーケンスを収集することができ、したがって、列車がトンネルを通過するごとに抽出した特徴量はa=(p1,d1,q1,p2,d2,q2,…,p6,d6,q6)として表すことができ、式中、p1は時間シーケンス1の自己回帰項数であり、d1は時間シーケンス1の差分回数であり、q1は時間シーケンス1の移動平均項数である。区域内の同一クラスのサンプルのすべての特徴量は特徴行列Aを構成する。
【0041】
ステップB2、主成分分析アルゴリズム(PCA)を採用して区域内の同一クラスのサンプルのすべての特徴量かなる特徴行列Aに対して次元削減処理を行う。寄与度が最も大きい5つの主成分を選択して元の特徴行列Aの情報を特徴付け、変換後の行列A’を取得する。
【0042】
ステップB3、カーネル関数を定義する。
k=αkrbf+βklinear+(1-α-β)klaplace(1)
式中、krbfがラジアル基底カーネル関数であり、klinearが線形カーネル関数であり、klaplaceがラプラシアンカーネル関数である。A’行列の特徴量をカーネル関数kに対応する特徴空間にマッピングする。
【0043】
ステップB4、最適化の対象を決定し、灰色オオカミ最適化アルゴリズム(GWO)を採用してカーネル関数の係数α、β及びクラス数を最適化する。ここで、α、β∈[0、1]であり、クラス数は20より小さい正の整数である。
【0044】
ステップB5、最適化目的関数を決定する。
【数9】
式中、avg(C
i)がクラスタC
iにおけるサンプルの平均距離であり、d
cen(C
i,C
j)がクラスタC
iとクラスタC
jの中心点の間の距離である。
【0045】
ステップB6、上記の所定のパラメータに応じて、灰色オオカミ最適化アルゴリズムにより最適化されたk-meansクラスタリングアルゴリズムを採用して次元削減後の特徴のクラスタリングを実現する。各クラスタリングサンプルクラスタのクラスタリング中心及びクラスタリング中心から最も近い5個のサンプルに対応する
【数10】
列車頭部で収集された温度シーケンス、列車頭部で収集された温度シーケンス、列車頭部で収集された気圧シーケンス、列車尾部で収集された温度シーケンス、列車尾部で収集された温度シーケンス、列車尾部で収集された気圧シーケンスに対応する。
【数11】
を現在のクラスの典型的なサンプルと定義する。
【0046】
ステップ4、典型的なサンプル統合テンプレートライブラリを構築する。
【0047】
典型的なサンプルに対して位相空間再構築を行い、遅延時間を1、ウィンドウの長さを5に設定し、遅延座標法を採用して温度、湿度及び気圧シーケンスに対して空間再構築を行い、3個の列車頭部の温度、湿度及び気圧の進化特性及び列車尾部の温度、湿度及び気圧の進化特性を表す3個の二次元再構築行列を取得し、3個の行列をRGB色空間に応じて組み合わせて、列車頭部及び尾部の気圧気象パラメータの進化的カラー画像を形成し、該カラー画像はテンプレート画像{hi,fi}(i=0,1,2…5)である。
【0048】
ステップ5、テンプレートRGBカラー統合マッチングモデルをトレーニングする(
図2に示す)。
【0049】
列車の現在位置の頭部と尾部のサンプルポイントの気象データ及び前の一定期間の気象サンプルシーケンスをそれぞれ収集し、位相空間再構築とRGB色空間組み合わせを行い、現在位置特徴画像{ch,cf}を構築する。現在位置特徴モジュール及びテンプレートライブラリにおける画像に対して相関性の計算を行い、現在位置のテンプレートライブラリでの最適マッチング位置を決定する。具体的には、以下のステップを含む。
【0050】
ステップC1、列車の現在位置の頭部と尾部の温度、湿度及び気圧シーケンスにおける現在サンプルポイント及び19個の前のサンプルポイントの関連気象データを取得する。
【0051】
ステップC2、遅延時間を1、ウィンドウの長さを5に設定し、遅延座標法を採用して空間再構築を行い、列車頭部の温度、湿度及び気圧の進化特性を表す6個の二次元再構築行列を取得し、6個の行列を頭部と尾部別にRGB色空間に応じて組み合わせて、現在位置特徴画像{ch,cf}を形成する。
【0052】
ステップC3、現在位置特徴画像とテンプレートライブラリにおける画像に対して畳み込み演算
【数12】
を行い、式中、各g
iは1個の一次元シーケンスである。
【0053】
ステップC4、すべてのgiシーケンスにおける要素を降順でソートし、最大の5個の要素を候補要素として決定し、候補要素に対応するソート前の位置は候補位置であり、候補位置に対応するトンネル出口までの走行距離値はsj(j=1,2,…5)である。
【0054】
ステップC5、候補位置に対応するトンネル出口までの走行距離値の平均値を取り、該平均値は現在のテンプレートマッチング出力値であり、即ちテンプレートマッチング出力値の計算式は、
【数13】
である。
【0055】
ステップ6、統合テンプレートマッチング誤差補償モデルを確立する。
【0056】
同一クラスのトンネルグループのデータを採用して、温度シーケンス、湿度シーケンス、気圧シーケンスを入力とし、テンプレートマッチングモデルの予測誤差を出力とし、最小二乗サポートベクターマシン(LSSVM)をトレーニングし、トンネル走行距離予測誤差補償モデルを確立する。具体的には、以下のステップを含む。
【0057】
ステップD1、トレーニングサンプルを定義し、入力サンプルI=(Th,Hh,Ph,Tf,Hf,Pf)を定義し、式中、Th=(t1,t2…,t19,t20)はトンネル内の列車頭部の現在サンプルポイント及び19個の前のサンプルポイントの温度シーケンスである。同様に、Hhは長さが20である列車頭部湿度シーケンス、Phは長さが20である列車頭部気圧シーケンス、Thは長さが20である列車尾部温度シーケンス、Hhは長さが20である列車尾部湿度シーケンス、Phは長さが20である列車尾部気圧シーケンスである。出力サンプルは現在位置に対応する走行距離誤差値εである。入力と出力の組み合せY={I,ε}でモデリングサンプルを構成する。各同一クラスのトンネルグループに対して、3000個のサンプルを選択して走行距離予測誤差補償モデルを確立する。
【0058】
ステップD2、モデリングサンプルをトレーニングセットと検証セットに分ける。非復元ランダムサンプリング方式を採用してモデリングサンプルのうち3000個のサンプルペアの数のうちの70%をトレーニングセットとし、30%を検証セットとして選択する。
【0059】
ステップD3、最適化の対象を決定して、最適化値を初期化する。バイナリアリライオンアルゴリズムを採用してモデルの入力特徴を最適化し、即ち入力サンプルIにおける各次元の特徴に対してバイナリ符号化を行い、ある次元の特徴に対応する符号化値が1である場合、該特徴をLSSVMモデルの入力変数として選択し、ある次元の特徴に対応する符号化値が0である場合、該次元の特徴を捨てる。60個の次元特徴をランダムに初期化して0又は1に符号化する。
【0060】
ステップD4、最適化目的関数を決定する。現在特徴符号化値に基づいて、入力特徴を決定し、トレーニングセットデータを採用してLSSVMモデルをトレーニングする。検証セットデータをトレーニング済みのLSSVMモデルに入力し、モデル出力シーケンスを
【数14】
(k=1,2…900)として取得する。最適化目的関数を定義する。
【0061】
【0062】
ステップD5、最適化予測モデルを出力する。バイナリアリライオンアルゴリズムを採用して反復最適化演算を行い、最適な入力特徴とLSSVMモデルを決定し、該モデルはLSSVM走行距離予測誤差補償モデルである。
【0063】
ステップ7、テストデータを取得し、走行距離予測モデルを呼び出す
【0064】
列車の運行中、リアルタイムな気圧気象パラメータを収集し、現在の状態特徴画像を構築し、3次元画像テンプレートを検索してマッチングし、誤差補正入力変数、誤差補償モデルを決定する。テンプレートマッチング出力と誤差補償出力とを融合して、トンネル出口までの最終的な走行距離値を取得する。具体的には、以下のステップを含む。
【0065】
ステップE1、列車がトンネルを通過する前のTmin間内の平均温度分布を収集する。現在の状態(即ち列車の現在位置の気象パラメータ)が属するサンプルクラスを決定する。列車の頭部と尾部に取り付けられた温度湿度センサを利用して、現在の温度シーケンス及び湿度シーケンスを取得する。
【0066】
ステップE2、現在の平均气温に基づいて現在の状態が属するサンプルクラスを決定し、対応するテンプレートライブラリを抽出する。
【0067】
ステップE3、ステップ3におけるプロセスを参照して、テンプレートライブラリで最適マッチング位置を決定し、現在サンプルポイントのテンプレートマッチング出力値OM(i)を出力する。
【0068】
ステップE4、ステップ6におけるプロセスC1のプロセスを参照し、現在の状態のモデル入力ベクトルIを取得し、トレーニング済みのLSSVMモデルに代入し、補償誤差出力結果ε(i)を取得する。
【0069】
ステップE5、3次元テンプレートマッチング出力値とLSSVMモデル出力値とを融合して、下式による現在位置からトンネル出口までの距離の最終出力値を取得する。
O(i)=OM(i)+ε(i) (5)
【0070】
ステップ8、トンネルを出るまでの予測残り時間を計算する。
【0071】
下式で列車が現在のトンネルを通過するまでの残り時間を推定できる。
t=O(i)/(fHz(O(i)-O(i-1))))(6)
式中、fHzは位置更新頻度であり、本発明では、fHz=50Hzである。
【0072】
実施例1の方法に対応し、本発明の実施例2は列車がトンネルを通過する時間の計算システムを提供し、この計算システムは、
現在位置特徴画像及び典型的なサンプル統合テンプレートライブラリにおけるテンプレートに対して相関性の計算を行い、現在位置の典型的なサンプル統合テンプレートライブラリでの最適マッチング位置を得るための最適マッチング位置取得モジュールであって、前記現在位置特徴画像は収集された列車の現在位置の頭部と尾部のサンプルポイントの気象パラメータ及び前の一定期間の現在位置の気象パラメータシーケンスを利用して位相空間再構築とRGB色空間組み合わせを行うことによって取得され、前記典型的なサンプル統合テンプレートライブラリにおけるテンプレート画像は、各クラスのトンネルグループの典型的なサンプルに対して位相空間再構築を行って取得された列車の頭部と尾部の気象パラメータによって進化されたカラー画像であり、前記各クラスのトンネルグループの典型的なサンプルとは、トンネルが所在する地理的位置及びトンネル内外の気象状況に応じて気象パラメータを分類し、分類した区域内の同一クラスのサンプルをさらに分けて得たサンプルである最適マッチング位置取得モジュールと、
同一クラスのトンネルグループのデータを採用して、温度シーケンス、湿度シーケンス、気圧シーケンスを入力とし、最適マッチング位置の予測誤差を出力とし、最小二乗サポートベクターマシンをトレーニングして取得され、出力が補償誤差ε(i)であるトンネル走行距離予測誤差補償モデルと、
式t=O(i)/(fHz(O(i)-O(i-1)))(式中、O(i)=OM(i)+ε(i)であり、O(i-1)は列車の現在位置の前の位置からトンネル出口までの走行距離値であり、OM(i)は最適マッチング位置であり、fHzは列車位置更新頻度である。)で列車が現在のトンネルを通過する残り時間tを推定するための残り時間計算モジュールと、を含む。
【0073】
最適マッチング位置取得モジュールは、
現在位置の列車の頭部と尾部の温度シーケンス、湿度シーケンス及び気圧シーケンスにおける現在サンプルポイント及びG個の前のサンプリングポイントを決定するためのデータ収集ユニットと、
遅延座標法を採用して位相空間再構築を行い、列車の頭部と尾部の温度、湿度及び気圧の進化特性を表す6個の二次元再構築行列を取得し、6個の行列を分頭部と尾部別にRGB色空間に応じて組み合わせ、現在位置特徴画像{c
h,c
f}を形成するための特徴画像計算ユニットと、
現在位置特徴画像及び典型的なサンプル統合テンプレートライブラリにおけるテンプレート画像に対して畳み込み演算を行い、複数の一次元シーケンスを取得するための畳み込みユニットと、
すべての一次元シーケンスにおける要素を降順でソートし、最大のL個の要素を候補要素として決定するためのソートユニットであって、候補要素に対応するソート前の位置は候補位置であり、候補位置に対応するトンネル出口までの走行距離値はs
j(j=1,2,…L)であるソートユニットと、
候補位置に対応するトンネル出口までの走行距離値の平均値を取るための出力ユニットであって、該平均値が現在位置の典型的なサンプル統合テンプレートライブラリでの最適マッチング位置O
Mは
【数16】
である出力ユニットと、を含む。
【0074】
本実施例におけるデータ収集ユニットは列車の頭部と尾部に取り付けられた様々なセンサであり、例えば温度センサ、湿度センサ、気圧センサである。
【0075】
前記トンネル走行距離予測誤差補償モデルのトレーニング過程は、
1)入力サンプルI=(T
h,H
h,P
h,T
f,H
f,P
f)(式中、T
h=(t
1,t
2…,t
G)はトンネル内の列車頭部の現在サンプルポイント及びG個の前のサンプルポイントの温度シーケンスであり、H
hは長さがGである列車頭部湿度シーケンスであり、P
hは長さがGである列車頭部気圧シーケンスであり、T
fは長さがGである列車尾部温度シーケンスであり、H
fは長さがGである列車尾部湿度シーケンスであり、P
fは長さがGである列車尾部気圧シーケンスである。)を定義し、出力サンプルを現在位置に対応する走行距離誤差値εと定義し、入力サンプルと出力サンプルの組み合せY={I,ε}でモデリングサンプルを構成することと、
2)前記モデリングサンプルをトレーニングセットと検証セットに分けることと、
3)入力サンプルIにおける各次元の特徴に対してバイナリ符号化を行い、ある次元の特徴に対応する符号化値が1である場合、該特徴を最小二乗サポートベクターマシンの入力変数として選択し、ある次元の特徴に対応する符号化値が0である場合、該次元の特徴を捨てることと、
4)現在特徴符号化値に基づいて、入力サンプルを更新し、更新したトレーニングセットと検証セットを得、更新したトレーニングセットデータを採用して最小二乗サポートベクターマシンをトレーニングし、更新した検証セットデータをトレーニング済みの最小二乗サポートベクターマシンに入力し、最小二乗サポートベクターマシンの出力シーケンスを
【数17】
(k=1,2…,N
1であり、N
1は検証セットにおけるサンプルペアの数である。)として取得することと、
5)ステップ3)とステップ4)を繰り返し、最適化目的関数
【数18】
を最小化する入力特徴と最小二乗サポートベクターマシンを決定し、即ち、最適な入力特徴と走行距離予測誤差補償モデルである最適な最小二乗サポートベクターマシンを得ることと、を含む。
【0076】
本発明の実施例3は、本発明の実施例1の方法のステップを実行するように構成されるプログラムが記憶されているコンピュータ読み取り可能な記憶媒体を提供する。