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特許7226929接続部位を機械的に開放するための装置および方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-02-13
(45)【発行日】2023-02-21
(54)【発明の名称】接続部位を機械的に開放するための装置および方法
(51)【国際特許分類】
   A61M 39/14 20060101AFI20230214BHJP
   A61M 1/02 20060101ALI20230214BHJP
   A61M 39/18 20060101ALI20230214BHJP
【FI】
A61M39/14 100
A61M1/02
A61M39/18
【請求項の数】 13
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2018107365
(22)【出願日】2018-06-05
(65)【公開番号】P2019022649
(43)【公開日】2019-02-14
【審査請求日】2021-04-23
(31)【優先権主張番号】62/516,214
(32)【優先日】2017-06-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】308020283
【氏名又は名称】フェンウォール、インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100124648
【弁理士】
【氏名又は名称】赤岡 和夫
(74)【代理人】
【識別番号】100060368
【弁理士】
【氏名又は名称】赤岡 迪夫
(74)【代理人】
【識別番号】100154450
【弁理士】
【氏名又は名称】吉岡 亜紀子
(72)【発明者】
【氏名】カスターズ,ベンジャミン,イー
(72)【発明者】
【氏名】ミン,キュンヨーン
【審査官】鈴木 洋昭
(56)【参考文献】
【文献】特開平06-285165(JP,A)
【文献】特開平06-197986(JP,A)
【文献】特開2016-2468(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61M 39/14
A61M 1/02
A61M 39/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
医療流体流路の2つの中空の可撓性熱可塑性セグメントの間に熱接着された接続部位の封止線を形成するための接続形成装置と、前記熱接着された接続部位の封止線を開放するための接続部位開放ステーションとを備え、前記熱接着された接続部位の封止線は軸を有し、
前記接続部位開放ステーションは、第1の軸周りに回転可能な実質的に円筒形の第1の表面を有するローラと、前記第1の表面に対向する実質的に平らな表面の第2の表面を有するプレートを含み、前記ローラと前記プレートの1つは前記ローラの前記第1の軸に垂直な方向に、第1の位置と第2の位置の間で可動であり、前記第1の位置は、2つの前記セグメントと前記熱接着された接続部位の封止線を対向する前記第1の表面と前記第2の表面の間に受容するために前記第1の表面と前記第2の表面が十分に離間されている位置であり、前記第2の位置は、実質的に前記接続部位の封止線の軸に位置合わせした力を対向する前記第1の表面と前記第2の表面が前記接続部位に加える位置であり、前記ローラは、前記第2の位置にあるとき、前記プレートの前記第2の表面に平行であって前記ローラの前記第1の軸に直交する方向において一方向に、その後、逆方向に相対的に移動可能である、接続システム。
【請求項2】
前記平らな表面が実質的に静止しており、前記ローラが前記第1の位置と前記第2の位置の間で前記平らな表面に対して相対的に移動可能である、請求項1に記載の接続システム。
【請求項3】
前記ローラと前記平らな表面の各々は、少なくとも1つの自由度で移動可能である、請求項1に記載の接続システム。
【請求項4】
前記ローラと前記平らな表面の少なくとも1つは、1つの方向に少なくとも1つの自由度で移動可能であり、前記ローラと前記平らな表面の他方が少なくとも1つの自由度で異なる方向に移動可能である、請求項1に記載の接続システム。
【請求項5】
前記実質的に平らな表面は、前記第1の位置と前記第2の位置の間で前記ローラに対して相対的に、円筒形の前記第1の表面の前記第1の軸に実質的に垂直な方向に移動可能である、請求項1に記載の接続システム。
【請求項6】
医療流体路の2つの中空の可撓性熱可塑性セグメントの間に熱接着された接続部位の封止線を開放するための接続開放システムであって、前記熱接着された接続部位の封止線は軸を有し、
前記接続開放システムは、第1の軸周りに回転可能な実質的に円筒形の第1の表面を有するローラと、前記第1の表面に対向する実質的に平らな表面の第2の表面を有するプレートを含み、前記ローラと前記プレートの1つは前記ローラの前記第1の軸に垂直な方向に、第1の位置と第2の位置の間で可動であり、前記第1の位置は、2つの前記セグメントと前記熱接着された接続部位の封止線を対向する前記第1の表面と前記第2の表面の間に受容するために前記第1の表面と前記第2の表面が十分に離間されている位置であり、前記第2の位置は、実質的に前記接続部位の封止線の軸に位置合わせした力を対向する前記第1の表面と前記第2の表面が前記接続部位に加える位置であり、前記ローラは、前記第2の位置にあるとき、前記プレートの前記第2の表面に平行であって前記ローラの前記第1の軸に直交する方向において一方向に、その後、逆方向に相対的に移動可能である、接続開放システム。
【請求項7】
前記平らな表面が実質的に静止しており、前記ローラが前記第1の位置と前記第2の位置の間で前記平らな表面に対して相対的に移動可能である、請求項6に記載の接続開放システム。
【請求項8】
前記ローラと前記平らな表面の各々は、少なくとも1つの自由度で移動可能である、請求項6に記載の接続開放システム。
【請求項9】
前記ローラと前記平らな表面の少なくとも1つは、1つの方向に少なくとも1つの自由度で移動可能であり、前記ローラと前記平らな表面の他方が少なくとも1つの自由度で異なる方向に移動可能である、請求項6に記載の接続開放システム。
【請求項10】
前記異なる方向は、前記1つの方向に実質的に直交する、請求項9に記載の接続開放システム。
【請求項11】
前記実質的に平らな表面は、前記第1の位置と前記第2の位置の間で前記ローラに対して相対的に、円筒形の前記第1の表面の前記第1の軸に実質的に垂直な方向に移動可能である、請求項6に記載の接続開放システム。
【請求項12】
医療用流体路の2つの中空の可撓性熱可塑性セグメントの間に熱接着された接続部位の封止線を開放する方法であって、前記熱接着された接続部位の封止線は軸を有し、
前記方法は、
請求項1から請求項11までのいずれか1項に記載のシステムの1つの対向する前記第1の表面と前記第2の表面の間に前記接続部位の封止線を配置することと、
前記接続部位の封止線の軸に実質的に垂直に前記接続部位を圧縮し、前記接続部位の封止線の軸を中心として前記接続部位の封止線を回転させるために前記前記第1の表面と前記第2の表面を移動することを含む、方法。
【請求項13】
前記圧縮と前記回転が実質的に同時に行われる、請求項12に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、ここに参照によりその全体が本明細書に組み込まれる、2017年6月7日に出願された米国仮特許出願第62/516,214号の優先権および利益を主張する。
【0002】
本開示は、一般的に、例えば、血液または血液成分のような医療用流体の収集、処理、または、処置に用いられる医療用流体流回路内の流体流管内の無菌接続部位のような、2つの可撓性熱可塑性導管の間の接続部位を開くための装置および方法に関する。
【背景技術】
【0003】
医療業界においては一般的に、特に、血液銀行分野では、流体流セットまたは回路の2つの別々の管セグメントを、接続の工程の間、汚染物質の導入を防止するか、または、事前に滅菌されている場合は無菌性を維持するような方法で、接続するための接続システムを使用することがよく知られている。このようなシステムは、流体流回路の大規模組立または製造と、所望の構成を有する流体流回路の現場での組立のための最終的な使用者の手作業の両方に適用されている。例えば、使用者は、血液および血液成分を収集、処理または処置するための特定の医療手順を実行することを望むことがある。これらの接続装置またはシステムは、一般に、医療分野において、無菌接続または無菌ドッキング装置と呼ばれる。
【0004】
公知の接続装置またはシステムは、米国特許第5,009,645号に記載されているような電子ビームシステム、米国特許第4,157,723号に記載されているような流体流管の対向する膜を溶融する放射エネルギーシステム、米国特許第4,753,697号、第5,158,630号、第5,156,701号および第5,279,685号に記載されているような、端部が高温で溶融または半溶融状態にある間に結合または継ぎ合わされた管セグメントを切断および加熱するための高価なウェハを使用する、加熱ウェハシステムを含む。
【0005】
最近では、端部をそれぞれ閉鎖位置で締め付けて周囲の汚染を防止しながら端部どうしを加熱または溶融結合することによって可撓性の熱可塑性の管セグメントを接続する、新規な回転式接続システムおよび装置が記載されている。加熱されたウェハの使用を必要としないこのようなシステムは、ここに全体が参照により組み込まれる米国特許出願第2013/0153048号に詳細に記載されている。
【0006】
上記のウェハフリーの装置だけでなく、加熱されたウェハシステムによってなされる接続は、接続中の管セグメントの端部の高温およびクランプにより、一時的に閉塞状態または圧着された形状を有し得る。より具体的には、特定の接続プロセスの結果として、「皮」、「膜」または「ウェブ」とも呼ばれる管の熱可塑性材料からの一部は、管セグメント間の管腔を閉塞するか、大きさを縮小し得る。言い換えれば、接続がなされた後、管セグメントは、接続部位で圧着されるか、または互いに粘着し合ったままであり、管セグメントの断面は、管セグメント間の封止線に沿って縮小または平坦化される。接続部のこの熱可塑性遮断部分は、接続点または部位での手動または機械的操作を含む軽い外圧または操作によって管セグメント間の流体の流れのために管腔を開くために、破壊されるか、そうでなければ崩壊され得る。機械的操作の例は、例えば、米国特許第4,610,670号、第4,619,642号および第5,674,333号、および、欧州特許第0599057B1号および国際公開第WO2011144561A1号に記載されている。米国特許第9,533,135号は、接続部位を開くためにガス圧又は真空の使用を示している。
【発明の概要】
【0007】
本明細書の主題は、熱可塑性の皮またはウェブを自動的に壊すかまたは他の方法で崩壊させて、従って、接続された管セグメントの間の流体流を許容または改良するために、そのような接続部位と内腔をより完全に開放するための装置および方法に関する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
本発明の主題のより詳細な説明に向かうが、これは限定ではなく説明のために提示され、本主題の様々な局面および特徴が以下の添付の図面に示されている。
【0009】
図1a~1cは、背景技術として、ここに参照によって組み込まれる、上記引用した米国公開特許出願公開第2013/0153048号に記載されている熱接着接続を形成するための装置および方法の実施形態を示す。
【0010】
図2は、血液、血液成分または他の生物学的または他の医療流体を処理するための耐久性の装置の一部として本主題をどのように使用することができるかを示す流体処理システムの正面図である。本接続開放装置および方法は、別個の装置において、または、熱接着された接続部位を形成するための器具を含む接続器具のような他の装置の一部として自立することもできる。
【0011】
図3Aおよび図3Bは、図1A~1Cに示されたものと同様の装置および方法によって熱接着または溶接された2つの熱可塑性の管または管セグメントを異なる角度で示す図である。一貫した参照のみを目的として、図3Aは平面図として参照され、封止または溶接装置の圧着作用によって形成された接続部位封止線に略平行である。図3Bの視野角は、図3Aの視野角に略直交している。図3Bは側面図として参照され、視野角は、接続封止または溶接装置の圧着作用によって形成された接続部位封止線に対して略垂直である。
【0012】
図4Aおよび図4Bは、それぞれ、図3Aおよび図3Bの管セグメントの模式的な線図であり、後の図では、管または管セグメントどうしの溶接後に接続部を通る流体流を遮断するウェブまたは皮を破壊して、そこを通る流体流内腔を開放するための、本明細書に記載の装置および方法の構造および機能を図示するために用いられる。
【0013】
図5Aおよび図5Bは、それぞれ、図3Aおよび図3Bの管または管セグメントの模式的な線図であり、間に管セグメントの接続部位を受容するための第1の離間位置にあるプラットフォームとプレートまたはローラとの間に配置された接続部位を示す。
【0014】
図6Aおよび図6Bは、図5Aおよび図6に類似しているが、間に配置された接続部位に圧力を加えるための第2の近接位置にあるプラットフォームおよびプレートまたはローラを備えている。
【0015】
図7Aおよび図7Bは、図6Aおよび図6Bに類似しており、間に位置する接続部位を通過する、管または管セグメントの長手方向軸の周りで接続部位を回転または旋回させるための対向するプラットフォームとプレートまたはローラとの間の相対運動の方向を示す。
【0016】
図8Aおよび図8Bは、さらなる実施形態を図示し、それぞれ、図3Aおよび図3Bの管セグメントの模式的な線図であり、管セグメント接続部位を間に受容するための第1の離間位置にある対向するプレートまたはローラの間に配置された接続部位を示す。
【0017】
図9Aおよび図9Bは、図8Aおよび図8Bに類似するが、間に配置された接続部位に圧力を加えるための第2の近接位置において示される対向するプレートまたはローラを有する。
【0018】
図10Aおよび図10Bは、図9Aおよび図9Bに類似し、間に位置する接続部位を通過する管または管セグメントの長手方向軸の周りで接続部位を回転させるための対向するプレートまたはローラの間の相対運動の方向を示す。
【0019】
図11A~11Eは、図4Bの11-11線に沿った接続部位の断面図であり、本明細書に記載されているような開放装置によって加えられる圧縮力の間で異なる角度で回転された管または管セグメントおよび接続部位を模式的に図示する。
【0020】
開示の概要
以下は、本主題の様々な実施形態および/または局面の要約であり、すべての実施形態または局面を含むことを意図せず、または後に詳細な説明で見出され得るより詳細な説明を提供することを意図するものではない。
【0021】
本主題によれば、2つの中空で可撓性のある熱可塑性の管または管セグメントの間に形成された溶接または熱接着された接続の閉塞を開放または低減するための装置および方法が提供され、接続は、少なくとも部分的に管の間の内部の連通を遮断する熱可塑性材料の部分を含む。ここで使用する「遮断を低減する」とは、遮断全体が完全に除去されることを必要としないが、管セグメント間の接続部位を通して、(異なる用途において著しく異なる可能性のある)流れまたは増強された流れを提供するように、遮断量が低減される。「管」、「管延長部」および「管セグメント」は、互換的に使用される。
【0022】
本主題は、管接続部位を開放するための独立型の装置で使用することができ、または、米国出願公開公報第2013/0153048号に記載されているような、2つの管セグメントの間に溶接または熱接着接続を形成する装置または他の接続装置と組み合わせて使用することができる。また、本主題は、血液または血液成分がドナーまたは患者から収集されると同時に、または、収集された血液または血液成分の(ドナーまたは患者との接続なしで)収集後処理の間に行われる、使い捨ての医療用流体流システムを介した血液または血液成分または他の医療用流体の処理のための、例えばポンプ、バルブ、任意の血液分離装置などを含む大型血液処理装置の一部であって、または、これにおいて使用されてもよい。そのような処理装置は、任意選択的に、このような医療用流体流システムの熱可塑性管セグメント間に熱接着された接続部位を形成するための装置を含むこともできる。ここで使用される場合、「血液」は、他の血液成分または抗凝固剤のような添加された液体を含むか、または、含まず、全血と、血漿または濃縮赤血球のような血液成分を含むことを意図し、「医療用流体」は、上述のおよび任意の他の生物学的、医薬的、治療的、診断的または医学的治療の流体または医療用処理器に使用される流体のすべてを含む。
【0023】
本主題の第1の局面によれば、接続開放システムは、熱可塑性管セグメント間の溶接接続を形成する装置を含むが、これに限定されない大型の接続システムまたは装置の一部として提供されてもよい。この局面では、より大きな接続装置またはシステムは、(1)医療流体流路の2つの中空の可撓性熱可塑性セグメントの間に熱接着された接続部位を形成するための装置を使用する接続形成ステーションを備え得、結合された管セグメントは、熱接着された接続部位を通って延びる、長手方向の軸(接続部位軸と呼ぶ。)を有し、(2)熱接着された接続部位を開放するための接続部位開放ステーションを備え得る。本明細書に記載されているように、接続部位開放ステーションは、2つのセグメントと対向面間の熱接着された接続部位を受け入れるのに十分な間隔で離間することができる2つの対向面を含むことができ、対向面は、接続部位軸を中心にして接続部を回転させるように相対的に動くことが可能であり、好ましくは同時に接続部位軸に実質的に垂直な力を接続部位に加える。
【0024】
別の局面によれば、接続開放システムは、医療流体路の2つの中空の可撓性熱可塑性の管セグメントの間の熱接着された接続部位を開放するための別個のまたは自立型の装置として提供されてもよい。この局面の接続開放システムは、少なくとも2つの対向面を含む接続部位開放ステーションを含むことができ、これらの対向面は、熱接着された接続部位を対向面間に受け入れるのに十分な間隔を空けた離間位置に相対的に移動可能であり、対向面は、接続部位軸を中心にして接続部を回転させるように相対的に移動可能であり、好ましくは、同時に接続部位軸に実質的に垂直に接続部位に力を加える。
【0025】
さらなる局面によれば、接続開放システムは、使い捨ての医療用流体流システムを介して血液または血液成分を処理するように動作可能な耐久性血液処理装置の一部として提供されてもよい。このような耐久性の血液処理装置は、使い捨て医療流体流システムを通る血液または血液成分の流れを制御するための1つ以上のポンプまたはバルブと、医療流体流システムの熱可塑性管セグメントの間に熱接着された接続部位を開放するための開放ステーションをを含むことができる。接続部位開放ステーションは、2つのセグメントと熱接着された接続部位を間に受け入れるのに十分な間隔を空けて配置することができる少なくとも2つの対向面を含み、対向面は、接続部位軸を中心に接続部を回転させるように相対的に動くことができ、好ましくは同時に、接続部位に実質的に垂直に接続部位に力を加える。このような耐久性の処理装置はまた、管セグメント間に熱接着を作製または形成するための装置を含むことができる。
【0026】
さらに別の局面によれば、上記の局面のシステムまたは装置のいずれかを使用して、または以下に示す追加の局面において、熱接着接続を開放する方法を提供し得る。
【0027】
本主題のさらなる局面または本主題とともに使用され得るさらなる局面を以下に示す。
【0028】
詳細な説明
ここでより詳細な説明に向かうと、添付の図面は、例示の目的のために提供され、限定するためのものではない。先に述べたように、本主題は、限定されるものではないが、米国特許出願公開第2013/0153048号に示されているような接続装置によって形成される熱接着または溶融接着または横着接続部位の開放において特に有益である。図1A~1Cは、その出願から得られたものであり、背景技術と説明の目的のために、2つの可撓性の熱可塑性の導管または管の間に熱接着(「溶融接着」または「溶着」とも呼ばれる。)結合を形成するための先行技術の装置と方法の1つの例を図示している。
【0029】
この特定の装置の図示は、本主題が、そのような装置によって形成された熱または溶融接着によってのみ有用であることを意味するものではない。他の装置によって形成された接続部も、本主題とともに使用され得る。公開された出願で十分に説明されている、上記出願に示された装置および方法の詳細を不当に詳述することなく、封止された熱可塑性の導管または管セグメント20および22は、それぞれ、回転可能なディスク24および26上に受容される。それぞれのディスクは、2対のクランプジョー28および30と協働し、その1つは、クランプされた管を加熱するための高周波電圧電極であり得る。図1Bに見られるように、管セグメントがクランプされ加熱された後、ディスクは側方に移動してクランプジョーを分離し、図1Bに見られる位置に回転する。これは、各管セグメントがそのセグメントの封止された端部から分離されるように、管セグメントに引っ張り力およびせん断力を加える。クランプジョー28は、セグメントの端部を締め付けて封止しておくので、あらかじめ滅菌されている場合にはセグメントの無菌性が維持され、いかなる場合にも、周囲の細菌または微生物の導入から管セグメントが保護される。
【0030】
図1Bに示すように、管セグメントの端部がディスクの回転によって対向する位置にもたらされた後、ディスクは横方向に再び移動し、管セグメントの端部が直接接触する。これは、管の端部が依然として高温かつ半溶融状態にある間に起こるので、それらは一体の溶接された結合または熱接着された接続部位を形成する(図3A,3B,4Aおよび4Bの接続部位84としてよりよく見られる)。このプロセスは、冷却後に、結合された導管または管の内腔の間の連通を遮断する熱可塑性の部分または「皮」をもたらすので(図3A,3B,4Aおよび4B参照)、流体の流れのために管セグメント間の皮を破壊し、接続を開放するために、手動の操作が行われ得る。本主題は、以下に説明するように、手動操作の必要性を回避する。
【0031】
図2は、より大きい流体処理システムの一部として、上に要約した本発明の接続部位開放装置および方法の使用を図示する1つの実施形態を示す。図示されたシステムは、例示のためのものであり、示された特定のシステムの特徴に限定されない。より具体的には、図2は、全体として50で示される、ドナーから採取された血液を含む血液などの医療用流体を処理する医療流体処理システムを一般的に示している。システムは、再使用可能で耐久性の処理装置52を含み、その上に使い捨ての、1回使用の流体流回路54が取り付けられ得る。図示された耐久性の装置は、必要に応じて、回路を通る血液、血液成分および他の液体の流れを制御し、所望の処理を実行するために、流体流回路と協働するための弁またはポンプを含む。意図された用途に応じて、耐久性の装置は、任意選択的に、センサ、ハンガー、スケール、駆動システム、分離装置などを含んでもよい。
【0032】
使い捨て流体流回路54は、少なくとも部分的に、予め組み立てられ、予め滅菌されており、外部材料または汚染物質を導入することなく、流体流管と、流体処理回路を通る血液、血液成分および/または他の関連する流体を運搬するための耐久性の装置上に組み立てられ得る任意の所望の容器および処理装置を形成し得る。使い捨ての1回使用の流体回路のみが血液または他の液体と接触するので、耐久性のハードウェア要素を滅菌する必要がなくなり、処理に伴う管理上の負担およびコストが大幅に削減される。
【0033】
図示されているように、システムの耐久性の部分は、とりわけ、流体流回路54の可撓性のプラスチック管58を通る流れの制御を補助するための1つ以上の流量制御弁56a~cを含み得る。典型的には、それぞれの弁は、流体流回路が装置52の面上に組み立てられた時に間に流体流回路の流体流管が配置される1組のクランプまたはピンチジョーを含む。弁は、使用者によって選択された特定の処理に基づく装置52の操作制御システムからの指令に応じて、管を閉鎖または開放する。典型的に、しかし排他的ではなく、装置52の制御システムは、血液、血液成分または他の生物学的または医療的流体を処理するための異なる選択された手順のうちの1以上に対して装置を構成することを可能にするプログラム可能なマイクロプロセッサを基礎とする制御部を備える。本明細書においては、システムは、図示の目的のみのために、例えば事前の採集手順において、ドナーから予め採集された全血の1単位/容器の処理のために示されている。全血は、例えば、特定の医学的状況において適用される濃縮赤血球、血漿および血小板に分離するために処理され得、したがって、採集された血液のより効果的な使用をもたらす。本主題はまた、ドナーまたは患者が装置に取り付けられている間に収集された血液を処理する使い捨て流体流回路および耐久性の装置と関連して使用されてもよい。
【0034】
耐久性の装置52はまた、任意で、そこを直接流れるように流体流回路の管58に対して操作可能な蠕動型ポンプのような1つ以上のポンプ60a~cを含む。さらに、耐久性の装置はまた、血液分離装置を受け入れ、相互作用するためのステーション62、および、流体流回路を通る流体の処理を制御するための様々な他のセンサ、重量スケールおよび他の要素を任意に含むことができる。例えば、図2に示される使い捨て流体流回路54は、例えば、血液分離装置74、1つ以上の容器またはバッグ(例えば、RBC添加剤溶液を含む)76、(例えば、濃縮RBCを受容する)78、および、(例えば、血漿を受容する)80、白血球除去フィルタ82、および、流体流関係において様々な要素に接続する関連する可撓性管58を含み得る。予め組み立てられた回路は予め滅菌されていてもよく、管延長部または管セグメント66および68は、結合前に、滅菌性を維持するためにヒートシールされた端で終端され得る。
【0035】
図示された耐久性の装置に装着されると、予め組み立てられた流れ回路の構成要素は、それらの選択された位置、例えば、血液分離装置74はステーション62内、管は弁56、センサ、および、ポンプ60内、および、バッグ76~80は様々な吊具上に配置される。図示された血液処理を実行するために、予め収集された血液70のバッグが、流体回路の適切なフックまたはハンガーから吊り下げられ、そして、流体流回路の管セグメント66および68は、図1A~1Cにより詳細に図示されているように、全体として64で示される、接続形成装置上の操作可能な位置に配置され、それは、限定ではなく、使い捨て流体流回路の一部を形成するために結合される管セグメントの間の無菌接続のような、熱接着接続を形成する米国特許出願公開第2013/0153048号のような装置を含み得る。
【0036】
本開放方法および装置のさらなる詳細を参照する前に、上述の公開出願の接続形成装置64または本明細書に記載された主題のいずれに関しても、熱接着された接続を形成するのに必要なだけ材料とサイズが十分に適合しなければならないが、正確に同じサイズまたは材料でなければならないことは要求されないことに留意されるべきである。管または管セグメントは、典型的には、ポリ塩化ビニル(「PVC」)または他の可撓性熱可塑性材料の可撓性管であり、血液、血液成分、抗凝固剤、生理食塩水、または他の液体などの医療用流体を流すための内部ルーメンを備えることが医療用流体流回路における適用のために企図されている。血液または血液成分を収集、処理または処置するための典型的な流体流回路では、イリノイ州レイク・ズーリックのフェンウォール、インコーポレイテッドによって市販されている型のように、流体流管は中空のPVC管で、可撓性の熱可塑性材料であり、約0.118~0.126インチ(3~3.2mm)の直径の内腔と、約0.025~0.03インチ(0.635~0.762mm)の壁の厚みを有し得る。しかしながら、上記のように、この主題は、導管の特定のサイズまたは材料に限定されない。
【0037】
図示された実施形態では、形成された接続は、予め組み立てられた使い捨て流体回路54の可撓性熱可塑性(PVC)管セグメント66と、収集された血液の容器またはバッグ70に取り付けられた可撓性熱可塑性(PVC)流管セグメント68との間にあるが、必ずしもバッグまたは容器に取り付けられる必要はない。
【0038】
先に説明したように、管セグメントの間の接続が接続装置64によって形成されるとき、接続過程中に熱可塑性部分または皮が形成されて、管セグメント66および68を通る流れを遮断または低減する。この状態では、管セグメントは、接続部位84において、図3Aの「平面図」に見られるように、圧縮され、プラスチックのウェブまたは皮によって保持される管壁を有し、そして、図3Bの「側面図」において最もよく見られるように、熱接着接続が、管の長手方向の軸(すなわち、接続部位軸88)に対して斜めまたは横断方向である線85の形態、または、線85内に延びて、実質的に図3Aおよび3Bに示されるように見える場合がある。
【0039】
先に説明したように、本主題は、例えば図3Aおよび図3Bに示すように、熱可塑性材料の接続ウェブまたは皮を破壊し、熱接着された接続部位84を自動的に開く装置および方法を対象とする。血液処理装置52に関して部分的に記載されているが、十分に明瞭にするために、本明細書に記載の開放装置および方法は、任意の適切な構成で使用することができ、この説明は単なる例示であって限定ではない。例えば、本明細書に記載の開放装置および方法は、熱接着された接続部位を開くことのみを目的とする完全に別個の装置として構成され得、または、熱接着接続を形成し開放するための装置の一部として熱接着を形成するための器具と組み合わせて使用することができ、大型の血液処理システムとは別個であり得、または、血液、血液成分、他の生物学的または医学的流体を処理するためのより大きな流体処理装置上の接続形成装置と単独でまたは組み合わせて使用され得、または、他の任意の所望の用途または配置で使用することができる。
【0040】
図示のみの目的のために、図2では、接続部位開放装置が耐久性の装置の面上に模式的に示され、一般にオープナ86と呼ばれる。オープナ86は、管セグメントおよび接続部位を手動または自動で接続装置64からオープナ86に移動させるために、処理装置52上の都合のよい場所に配置され得る。
【0041】
管または管セグメント66および68、接続部位84、および、オープナ86、および、接続部位を開く方法は、図3A~10Bにより詳細に示されている。本明細書の接続部位開放方法および装置を説明する目的のために、ここで図3Aおよび3Bに示される、内腔または管セグメント66および68の孔を通って軸方向に延び、接続部位84において封止線85を通る長手方向軸88が参照され得る。この軸は、接続部位軸と呼ばれる。
【0042】
熱接着、または、溶接された接続部位が形成されると、関連付けられたクランプは、典型的には、接続部位に近接して管セグメントを圧縮または締め付け、結果として図3Aおよび3Bに見られるように、接続された管セグメント66および68の物理的外観を生じる。ここで、接続部位は、開放前には、接続部位軸88を横断または直交する線85に沿って延びる。図3Aは、接続部位線の終端部を見る時の圧縮された管セグメント66および68を示す。図3Bは、図3Aの視野角から視野角90°からのものであり、接続部位線85をその長さに沿って示し、接続部位の形成の間、管を締め付けるジョーの結果として接続部位における管セグメントの外向きの拡径部を示す。接続形成過程のために、管セグメントの圧縮された壁は、接続または結合部位線85に沿って一緒に固着する傾向があり、したがって、管セグメント間の流れを遮断または低減する。
【0043】
図4Aおよび4Bは、図3Aおよび3Bの管セグメント66および68と接続部位84を線図として模式的に示し、開放装置および方法を以下の議論においてよりよく説明するために使用され得る。さらに、一貫した参照の目的のために、端部または端面から接続部位封止線85を見る図3Aおよび類似の線図は、3A,4A,5A等とラベル付けされ、平面図として参照され、そして、接続部位封止線85の長さを示す図3Bおよび類似の線図は、3B,4B,5B等とラベル付けされ、側面図として参照される。したがって、平面図および側面図は90°で互いに直交していることが明らかである。
【0044】
以下に記載されるような開放方法および装置は、任意の適切な形状または構成の少なくとも2つの対向面を使用し、その間に接続部位84を配置することができる。これらの面は、接続部位軸88の周りで接続部位を回転させ、接続部位が回転または旋回するときに接続部位を圧縮して、接続部位軸88に実質的に垂直な接続部位に力を加えるために、モーターまたはソレノイドまたは他の機械的、電気的、空気圧的または油圧駆動などの任意の適切な手段(図示しない)によって相対的に移動可能である。必ずしもではないが、好ましくは、圧縮力は回転と同時に加えられる。接続された管セグメント66および68は、他の方向に動くことなく接続部位軸88を中心に回転することができ、または、回転しながら、接続部位軸に対して横方向または直角など別の方向に並進することもできる。この回転により、面は接続部位封止線85の端縁に対して圧縮力を周期的に加え(例えば、図11Aおよび11Eに図示されるように、360°の回転の間に二度)、これは接続部位を開放し、管セグメント間の流体流を可能にするように、接続部位を、平らではなく丸みを帯びた状態に再形成するのに役立つ傾向がある。面の相対的な運動は、同じ方向または反対方向であってもよく、または往復運動であってもよく、その結果、接続部位封止線の端部に繰り返し圧縮力を適用するために、接続部位が一方向に回転され、その後、逆方向に、「前後に」回転される。表面の相対運動によって誘起される回転量は、固定されていてもよいし、可変であってもよい。例えば、接続部位は、接続部位軸を中心に一方向に約180~720度、例えば180~360度の一定量だけ回転されてもよく、または、相対運動が往復運動である場合、回転量は同じであってもよく、または、反対方向に可変であり得る。さらなる例として、接続部位は、一方向に第1の量だけ回転され、次に、反対方向により多い、または、より少ない量だけ回転され得る。同様に、面によって加えられる圧力/力の量は、増加または減少、または、交互に増加および減少するように変化し得る。これは、接続部位が開かれるまで継続されてもよく、視覚的に、触覚的にまたは自動的に、管セグメント内の内圧変動を感知するようなことによって確認されてもよい。
【0045】
次に、図5Aおよび5Bを参照すると、一方の面がプレートまたはローラ90の表面であり、他方の面が対向するプラットフォーム92の対向面である構成が示されている。図5Aおよび5Bは、少なくとも接続部位84がそれらの間に位置することができるように十分に離間されたそれぞれの面を示す。この構成では、プラットフォームは相対的に静止しており、ローラまたはプレートは2つの自由度を有し、図5Bの矢印によって反映されるようにプラットフォーム表面に向かっておよびプラットフォーム表面から離れる方向に移動可能であり、その結果、接続部位84の終端部に対して力を及ぼし、図5Aの矢印によって示されるようにプラットフォーム表面に対して側部から側部へ、または横方向に移動可能であり、その結果、管セグメントの回転を引き起こす。あるいは、プラットホーム92は移動可能であり、プレートまたはローラ90は静止していてもよく、または、両方が移動可能であってもよい。
【0046】
図6Aおよび図6Bは、ローラまたはプレート90がプラットホーム92に対してより近接した位置に移動し、接続部位84に対して、特に接続部位封止線85の端縁に圧縮力を加え、端部を互いに向かって圧迫することを示している。言い換えれば、圧縮力は、6Bに示すように、接続部位軸線88に略垂直であり、接続部位封止線85に平行である。次に、ローラまたはプレート90は、後述するように、プラットホーム92の表面に平行に横方向に移動される。
【0047】
図7Aおよび図7Bは、図5および6のシステムを示し、図7Aの矢印によって示されるように、プラットホーム92に対するプレートまたはローラ90の、往復運動のような、横方向の運動を示す。この動きは、図7Aのページの平面に平行として表され、図7Bのページに入る、または、出るように表され得る。接続部位84に接触して圧縮する間のプレートまたはローラの横方向の動きは、図11A~11Eに図示されるように、接続部位に様々な方向から力を加え、接続部位および管セグメントを、接続部位軸の周りで回転または旋回させる。これにより、接続部が形成された直後(図3Aおよび3B参照)に、平らな接続部からより丸みを帯びた状態に接続部位が変形し、管セグメントの対向する壁の間のシールまたは溶接部の遮断ウェブまたは皮が破壊され、一方、2つの管セグメント66と68との間の接続を無傷のままにし、管セグメント間の流体流に対して接続部位を開く。対向面は、ここではプラットフォーム92の表面およびローラまたはプレート90の表面として図示されているが、接続部位の圧縮および回転を達成することができる他の適切な形状または構成を使用できることが理解されるべきである。
【0048】
図8Aおよび8Bは、図5と同様の代替的な実施形態を示すが、対向するプレートおよび/またはローラ94および96の形態の対向面間の接続部位84を示し、それぞれが2つの直交する移動の自由度を有する。両方の対向面は、接続部位に必要な力を及ぼし、接続部位に回転を加えるために、プレートまたはローラーの形態であってもよく、または、一方がプレートで一方がローラであってもよく、または、他の形状が使用され得る。図8Bに示すように、矢印で示すように、各プレートまたはローラは、端部から端部の方向に接続部位を圧縮するように、(ページの表面に平行に)相対的に接近および離反するように相対的に移動可能である可動式でもよいが、1つのみが可動であり得る。図8Aの矢印によって示されるように、プレートまたはローラの両方はまた、相互に相対的に横方向に移動可能であり、接続部位に圧縮力を加えるが、これも変更可能である。また、図8Aおよび図8Bは、それらの間の接続部位の位置決めを可能にする離間した位置にある対向するプレートまたはローラを示す。
【0049】
図9Aおよび図9Bは、ローラまたはプレート94および96が、それらがより近接した位置に移動した後、接続部位84に対して、特に接続部位封止線85の端縁に対して圧縮力を加えることを示しており、力の方向は、接続部位の封止線に対して実質的に平行である。言い換えれば、図6と同様に、接続部位に及ぼされる圧縮力は、接続部位封止線85に略平行であり、接続部位軸88に垂直である。
【0050】
図10Aおよび10Bは、図8および9のシステムを示し、図10Aにおいて矢印で示されているように、図9Aおよび9Bに示されているように、接続部位に対して力が加えられた後の、互いに対するプレートまたはローラ94および96の横方向の動きを示す。この例では、プレートまたはローラは、横方向に反対側に同時に移動可能であり、図10Bを参照すると、プレートまたはローラ94が紙面の中へ、または、外への方向に移動するように図示されており、また、プレートまたはローラ96もまた紙面の中へ、または、外への方向に移動するように図示されている。図10Aを参照すると、移動はページの平面に平行である。図10Aに示されているように、接続部位84に接触し圧縮している間のプレートまたはローラの相対的な横方向の動きは、接続部位および管セグメントを接続部位軸の周りで回転または旋回させ、図11A~11Eに示すように、接続部位が回転または旋回すると、接続部位に様々な方向から力を加える。これにより、連結部が形成された直後(図3Aおよび3B参照)の平らな連結部からより丸みを帯びた状態に連結部位が変形し、管セグメントの対向する壁の間のシールまたは溶接部の遮断ウェブまたは皮が破壊され、一方、2つの管セグメント66と68との間の接続を無傷のままにし、管セグメント間の流体流に対して接続部位を開く。対向面は、ここではプレートの表面およびローラまたはプレートの表面として図示されているが、先に述べたように、接続部位の圧縮および回転を達成することができる、ローラおよび/またはプレートの他の組み合わせならびに他の適切な形状または構成および異なる移動方向が使用され得ると理解されるべきである。
【0051】
様々な他の局面
本主題の第1の局面によれば、第1局面として既に言及したように、限定ではなく、熱可塑性管セグメントの間に融着された接続を形成する装置を含む、より大きな接続システムまたは装置の一部として接続開放システムが提供され得る。この局面では、より大きな接続装置またはシステムは、(1)医療流体流路の2つの中空の可撓性熱可塑性セグメントの間に熱接着された接続部位を形成するための装置を備え、結合された管セグメントは、熱接着された接続部位を通って延びる長さ方向の軸(接続部位軸と呼ぶ)を有し、そして、(2)熱接着された接続部位を開放するための接続部位開放ステーションを備える。本明細書に記載されているように、接続部位開放ステーションは、2つのセグメントと熱接着された接続部位を受け入れるのに十分な間隔で離間することができる2つの対向面を含み得、対向面は、好ましくは同時に接続部位軸に実質的に垂直な力を接続部位に同時に加えるように、接続部位軸を中心に接続部を回転させるように相対的に移動可能である。
【0052】
局面2によれば、局面1の接続システムは、実質的に静止している対向する面の一方と、少なくとも2つの自由度で移動可能である他方の対向する面を含み得る。
【0053】
局面3によれば、局面1の接続システムは、少なくとも1つの自由度で移動可能な対向面のそれぞれを含むことができる。
【0054】
局面4によれば、局面1~3のいずれか1つの接続システムは、実質的に円筒形である少なくとも1つの対向面を含むことができる。
【0055】
局面5によれば、局面1~4のいずれか1つの接続システムは、全体的に、または、実質的に平面である少なくとも1つの対向面を含むことができる。
【0056】
局面6によれば、局面1~5のいずれか1つの接続システムは、一方向に少なくとも1つの自由度で移動可能な少なくとも1つの対向面と、異なる方向に少なくとも1つの自由度で移動可能な他方の対向面を含み得る。
【0057】
局面7によれば、局面6の接続システムは、一方向に実質的に直交する異なる方向に移動可能な他方の対向面を含み得る。
【0058】
局面8によれば、局面1~7のいずれかに記載の接続システムは、実質的に円筒形であり、自身の回転軸を中心として回転可能である一方の対向面と、実質的に平面であり、円筒面の回転軸に対して実質的に垂直な方向に移動可能である他方の対向面を含み得る。
【0059】
局面9によれば、局面1~3および5~7のいずれか1つの接続システムは、対向面の各々が実質的に平面であり、他方の面に略垂直な方向に移動可能である1つの対向面と、第1の対向面と実質的に平行な方向に移動可能である第2の対向面を含み得る。
【0060】
局面10によれば、前述のように、接続開放システムは、医療流体路の2つの中空で可撓性の熱可塑性の管セグメントの間の熱接着された接続部位を開くための別個のまたは自立型の装置として提供され得る。この局面の接続開放システムは、少なくとも2つの対向面を含む接続部位開放ステーションを含み得、対向面は、対向面間に熱接着された接続部位を受け入れるのに十分な間隔を空けた離間した位置に相対的に移動可能であり、対向面は、接続部位軸の周りで接続部を回転させ、好ましくは同時に接続部位軸に実質的に垂直な力を接続部位に加えるように相対的に移動可能である。
【0061】
局面11によれば、局面10の接続開放システムは、実質的に静止している対向する面の一方と、少なくとも2つの自由度で移動可能である対向する面の他方を含み得る。
【0062】
局面12によれば、局面10の接続開放システムは、少なくとも1つの自由度で移動可能な対向面のそれぞれを含み得る。
【0063】
局面13によれば、局面10~12のいずれか1つの接続開放システムは、実質的に円筒形である対向面の少なくとも1つを含み得る。
【0064】
局面14によれば、局面10~13のいずれか1つの接続開放システムは、略平面である少なくとも1つの対向面を含み得る。
【0065】
局面15によれば、局面10~14のいずれか1つの接続開放システムは、一方向に少なくとも1つの自由度で移動可能な少なくとも1つの対向面と、異なる方向に少なくとも1つの自由度で移動可能な他方の対向面を含み得る。
【0066】
局面16によれば、局面15の接続開放システムは、一方向に実質的に直交する異なる方向に移動可能な他方の対向面を含み得る。
【0067】
局面17によれば、局面10~16のいずれかに記載の接続開放システムは、実質的に円筒形で自身の回転軸の周りに回転可能である1つの対向面と、実質的に平面であって、実質的に円筒形の面の回転軸線に実質的に垂直な方向において移動可能である他方の対向面を含み得る。
【0068】
局面18によれば、局面10~12および13~16のいずれか1つの接続開放システムは、対向面の各々が実質的に平面であり、対向面の他方の対向面に対して略垂直な方向に移動可能な1つの対向面と、第1の対向面に対して実質的に平行な方向に移動可能である第2の対向面を含み得る。
【0069】
局面19によれば、前述のように、接続開放システムは、使い捨ての医療用流体流システムを介して血液または血液成分を処理するように動作可能な耐久性血液処理装置の一部として提供されてもよい。このような耐久性の血液処理装置は、使い捨て医療流体流システムを通る血液または血液成分の流れを制御するための1つ以上のポンプまたはバルブと、医療流体流システムの熱可塑性の管セグメントの間に形成された、熱接着された接続部位を開放するための接続部位開放ステーションを含み得る。接続部位開放ステーションは、2つのセグメントと熱接着された接続部位を対向面の間に受け入れるのに十分な間隔を空けて配置することができる少なくとも2つの対向面を含み得、対向面は接続部を接続部位軸を中心に回転させるように相対的に移動可能であり、好ましくは同時に、接続部位軸に実質的に垂直な力を接続部位に加える。
【0070】
局面20によれば、局面19の耐久性の血液処理装置は、実質的に静止している対向面の一方と、少なくとも2つの自由度で移動可能である対向面の他方とを含み得る。
【0071】
局面21によれば、局面20の耐久性の血液処理装置は、少なくとも1つの自由度で移動可能な対向面のそれぞれを含み得る。
【0072】
局面22によれば、局面19~21のいずれか1つの局面の耐久性の血液処理装置は、略円筒形である少なくとも1つの対向面を含み得る。
【0073】
局面23によれば、局面19~22のいずれか1つの局面の耐久性の血液処理装置は、略平面の少なくとも1つの対向面を含み得る。
【0074】
局面24によれば、局面19~23のいずれか1つの耐久性の血液処理装置は、一方向に少なくとも1つの自由度で移動可能な少なくとも1つの対向面と、異なる方向に少なくとも1つの自由度を有する他方の対向面を含み得る。
【0075】
局面25によれば、局面25の耐久性の血液処理装置は、一方向に実質的に直交する異なる方向に移動可能な他方の対向面を含み得る。
【0076】
局面26によれば、局面19~25のいずれかに記載の耐久性の血液処理装置は、実質的に円筒状で自身の回転軸を中心に回転可能な1つの対向面と、実質的に平面であり実質的に円筒形の面の回転軸に実質的に垂直な方向に移動可能である他方の対向面を含み得る。
【0077】
局面27によれば、局面19~21および23~27のいずれか1つの局面の耐久性の血液処理装置は、実質的に平面である対向面のそれぞれを含み得、対向面の他方に対して略垂直な方向に移動可能である対向表面の1つと、1つの対向面に対して実質的に平行な方向に移動可能である他方の対向面を含み得る。
【0078】
局面28によれば、局面1~27のいずれかのシステムまたは装置を使用して、熱接着された接続部を開く方法が提供され得る。
【0079】
結論として、本主題は特定の装置および方法を参照して説明されているが、これは説明の目的であり、限定するものではない。例えば、この主題が他の装置、システムおよび方法とともに使用されてもよく、本主題の特定の局面の範囲を理解するために、添付の請求項を参照すべきであると考えられる。

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11