(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-02-13
(45)【発行日】2023-02-21
(54)【発明の名称】窓加熱制御システム及びその動作方法
(51)【国際特許分類】
B64D 15/12 20060101AFI20230214BHJP
B64C 1/14 20060101ALI20230214BHJP
H05B 3/00 20060101ALI20230214BHJP
【FI】
B64D15/12
B64C1/14
H05B3/00 310D
H05B3/00 310C
H05B3/00 320Z
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2018227970
(22)【出願日】2018-12-05
【審査請求日】2021-12-01
(32)【優先日】2017-12-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】500520743
【氏名又は名称】ザ・ボーイング・カンパニー
【氏名又は名称原語表記】The Boeing Company
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】マクスウエル, スコット ディー.
【審査官】金田 直之
(56)【参考文献】
【文献】特表2014-531722(JP,A)
【文献】特表2008-541352(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2016/0376011(US,A1)
【文献】特開2005-093257(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B64D 15/12-15/14
B64C 1/14
H05B 3/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
加熱要素(202)に電流を供給するための窓加熱システム(200)であって、
第1のセンサ(218)、
第2のセンサ(220)、
少なくとも前記第1のセンサの状態を特定するように構成されたセンサ選択モジュール(210)であって、
当該センサ選択モジュール(210)が、
前記第1のセンサに関連付けられ且つ前記第1のセンサの条件が満たされているか否かを判定するように構成された第1のコンパレータ(234)
、及び
前記第1のセンサ(218)と電源(216)との間に電気的に接続された第1の組の電流センサ(226aと226b)
を備え、前記条件が、前記第1の組の電流センサの間における、前記第1のセンサを流れる感知された電流の差異が所定の範囲内にあることを含む、センサ選択モジュール(210)、
並びに
前記第1のコンパレータが前記第1のセンサの前記条件が満たされていないと判定したときに、前記第2のセンサに基づいて前記加熱要素への電流を制御するように構成された、コントローラ(208)を備える、窓加熱システム(200)。
【請求項2】
前記センサ選択モジュール(210)が、前記第2のセンサ(220)に関連付けられ且つ前記第2のセンサの条件が満たされているか否かを判定するように構成された第2のコンパレータ(236)を備える、請求項1に記載の窓加熱システム(200)。
【請求項3】
前記コントローラ(208)は、前記第1のコンパレータ(234)と第2のコンパレータ(236)が、前記第1のセンサ(218)と前記第2のセンサ(220)の条件が満たされていないと判定したときに、公称電流を前記加熱要素(202)に供給するように構成されている、請求項1又は2に記載の窓加熱システム(200)。
【請求項4】
前記センサ選択モジュールが、前記第2のセンサ(220)と電源との間に電気的に接続された第2の組の電流センサ(230aと230b)を備え、前記第2のセンサの条件が、前記第2の組の電流センサの間に
おける、前記第2のセンサを流れる
感知された電流の差異が所定の範囲内にあることを含む、請求項1から3のいずれか一項に記載の窓加熱システム(200)。
【請求項5】
前記センサ選択モジュール(210)が、前記第1のセンサ(218)が所定の抵抗範囲内で動作しているか否かを判定するように構成された電力・モニタリングユニット(222)を備える、請求項1から
4のいずれか一項に記載の窓加熱システム(200)。
【請求項6】
前記コントローラ(208)は、前記電力・モニタリングユニット(222)が、前記第1のセンサ(2
18)が前記所定の抵抗範囲内で動作していないと判定したときに、前記第2のセンサ(220)に基づいて前記加熱要素(202)への電流を制御するように構成されている、請求項
5に記載の窓加熱システム(200)。
【請求項7】
前記電力・モニタリングユニット(222)が、前記第2のセンサ(220)が所定の抵抗範囲内で動作しているか否かを判定するように構成され、前記コントローラ(208)は、前記第1のセンサ(218)と前記第2のセンサが前記所定の抵抗範囲内で動作していないときに、公称電流を前記加熱要素(202)に供給するように構成されている、請求項
5に記載の窓加熱システム(200)。
【請求項8】
請求項1に記載の窓加熱システム(200)を含む、航空機窓(122)のための加熱システムであって、更に、
航空機窓(122)の近傍に配置された
前記第1のセンサ(218)であって、前記航空機窓の温度変化に応じて変動する抵抗を有する
前記第1のセンサ(218)、
前記第1の組の電流センサ(226aと226b)が前記航空機窓(122)の近傍の前記第1のセンサと直列になるように、第1の組の電源接続(228aと228b)と前記第1のセンサとの間にそれぞれ配置された
前記第1の組の電流センサ(226aと226b)、
前記第1の組の電流センサの間の差異が所定量の範囲内である場合にマッチング出力を提供する
前記第1のコンパレータ(234)、
前記航空機窓の近傍に配置された
前記第2のセンサ(220)であって、前記航空機窓の温度変化に応じて変動する抵抗を有する
前記第2のセンサ(220)、
第2の組の電流センサ(230aと230b)が前記航空機窓(122)の近傍の前記第2のセンサと直列になるように、第2の組の電源接続(232aと232b)と前記第2のセンサとの間にそれぞれ配置された第2の組の電流センサ(230aと230b)、
前記第2の組の電流センサの間の差異が所定量の範囲内である場合にマッチング出力を提供する第2のコンパレータ(236)、及び
前記航空機窓に配置された加熱要素(202)を制御するために、前記第1のコンパレータ
及び前記第2のコンパレータ
と通信する前記コントローラ(208)
を備え、
前記第1のコンパレータがマッチング出力を提供する場合に、前記第1のセンサに基づいて前記加熱要素への電流レベルを制御し、前記第1のコンパレータがマッチング出力を提供せず且つ前記第2のコンパレータがマッチング出力を提供する場合に、前記第2のセンサに基づいて前記加熱要素への電流レベルを制御し、前記第1のコンパレータと前記第2のコンパレータの両方がマッチング出力を提供しない場合に、公称電流を前記加熱要素に供給するように、前記コントローラが構成されている、ことを特徴とする、航空機窓(122)のための加熱システム。
【請求項9】
前記第1のセンサ(218)が所定の抵抗範囲内で動作しているか否かを判定するように構成された電力・モニタリングユニット(222)を更に備え、前記コントローラ(208)は、前記電力・モニタリングユニットが前記第1のセンサが前記所定の抵抗範囲内で動作していないと判定したときに、前記第2のセンサ(220)に基づいて前記加熱要素(202)への電流を制御するように構成されており、前記電力・モニタリングユニット(222)が、前記第2のセンサ(220)が所定の抵抗範囲内で動作しているか否かを判定するように構成されており、前記コントローラ(208)は、前記第1のセンサ(218)と前記第2のセンサが前記所定の抵抗範囲内で動作していないときに、公称電流を前記加熱要素(202)に供給するように構成されている、請求項
8に記載の航空機窓(122)のための加熱システム。
【請求項10】
窓加熱システム(200)内の窓(122)に熱を供給するための加熱要素(202)への電流を制御する方法(400)であって、
第1のセンサ(218)を用いて前記窓の抵抗値を測定すること(402)、
第2のセンサ(220)を用いて前記窓の抵抗値を測定すること(404)、
前記第1のセンサの条件が満たされているか否かを判定するために前記第1のセンサに関連付けられた第1のコンパレータ(234)を使用して
、前記第1のセンサの両側に直列で接続された第1の組の電流センサ(226aと226b)の感知された電流値を比較することにより、前記第1のセンサの状態を特定
すること(406)
、
前記第2のセンサの条件が満たされているか否かを判定するために前記第2のセンサに関連付けられた第2のコンパレータ(236)を使用して
、前記第2のセンサの両側に直列で接続された第2の組の電流センサ(230aと230b)の感知された電流値を比較することにより、前記第2のセンサの状態を特定
すること(408)
、
前記第1のコンパレータが前記第1のセンサの前記条件が満たされていると判定したときに、前記第1のセンサの前記抵抗値に基づいて前記加熱要素への電流フローを制御すること(410)、
前記第1のコンパレータが前記第1のセンサの前記条件が満たされていないと判定したとき、且つ、前記第2のコンパレータが前記第2のセンサの前記条件が満たされていると判定したときに、前記第2のセンサの前記抵抗値に基づいて前記加熱要素への電流フローを制御すること(412)、及び
前記第1のコンパレータと前記第2のコンパレータが、前記第1のセンサと前記第2のセンサの前記条件が満たされていないと判定したときに、公称量の電流フローを前記加熱要素に供給すること(414)を含む、方法(400)。
【請求項11】
前記公称量の電流フローを供給すること(414)は、前記第1のコンパレータ(234)と前記第2のコンパレータ(236)が、前記第1の組の電流センサ(226aと226b)の前記感知された電流値と前記第2の組の電流センサ(230aと230b)の前記感知された電流値に基づいて、前記第1のセンサ(218)と前記第2のセンサ(220)の前記条件が満たされていないと判定したときに、前記公称量の電流フローを前記加熱要素(202)に供給することを含む、請求項
10に記載の方法(400)。
【請求項12】
前記第1の組の電流センサ(226aと226b)の間に
おける、前記第1のセンサを流れる
感知された電流の差異が所定の範囲内にあるときに、前記第1のセンサ(218)の前記条件が満たされており、
前記第2の組の電流センサ(230aと230b)の間に
おける、前記第2のセンサを流れる
感知された電流の差異が所定の範囲内にあるときに、前記第2のセンサ(220)の前記条件が満たされている、請求項
10又は11に記載の方法(400)。
【請求項13】
前記第1のセンサ(218)が所定の抵抗範囲内で動作しているか否かを判定することと、
前記第2のセンサ(220)が所定の抵抗範囲内で動作しているか否かを判定することとを更に含み、
前記第2のセンサ(220)の前記抵抗値に基づいて前記加熱要素(202)への電流フローを制御すること(412)が、
a)前記第1のコンパレータ(234)が前記第1のセンサ(218)の前記条件が満たされていないと判定したとき、又は
b)前記第1のセンサが前記所定の抵抗範囲内で動作していないとき、且つ
c)前記第2のコンパレータ(236)が前記第2のセンサの前記条件が満たされていると判定したとき、且つ
d)前記第2のセンサが前記所定の抵抗範囲内で動作しているときに、前記第2のセンサの前記抵抗値に基づいて前記加熱要素への電流フローを制御することを含む、請求項
10から
12のいずれか一項に記載の方法(400)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示の分野は、民間航空機に関する。より具体的には、本開示の実施形態は、航空機内の窓の加熱を制御するためのシステム及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
少なくとも幾つかの既知の民間航空機は、特に、操縦室内の窓上の氷の形成を妨げるために、窓に熱を供給する窓加熱システムを含む。幾つかのそのような加熱システムは、2つの温度センサ、すなわち、主要な温度センサと2次的な温度センサを含む。それらは、センサに亘る抵抗の変化として温度を測定する。少なくとも幾つかの既知の窓加熱システムでは、当該システムが主要なセンサのエラーを疑ったことを原因として、ユーザが温度センサを切り替えることを望むときに、ユーザは、加熱システムの電力供給を止め、その後、センサの間で切り替えを行うために加熱システムの電力供給を元に戻す。そのようなシステムの再開は、時間がかかり、窓上に氷が形成されることをもたらし得る。
【0003】
更に、少なくとも幾つかの既知の窓加熱システムでは、窓に湿気が入ることがあり、温度センサのうちの一方に部分的な短絡がもたらされ得る。部分的な短絡は、センサに亘る抵抗の低減をもたらす。センサは、誤った温度減少の信号を加熱システムに送り、少なくとも幾つかの既知の加熱システムは、加熱要素に更なる電力を供給して、窓の温度を増加させることをもたらし得る。しかし、部分的な短絡によって抵抗の減少がもたらされたのであって、温度が減少していない場合には、加熱要素によって供給される更なる熱は窓の耐用年数を短くし得る。
【0004】
更に、少なくとも幾つかの既知の窓加熱システムでは、温度センサのうちの一方で故障が検出されたときに、加熱システムが、シャットダウンし加熱要素への電流フローを打ち切る。そのようなシャットダウンは、故障の原因を究明するために加熱システムの手動の取り調べを必要とする。その取り調べは、もう一方の温度センサに切り替えるためにシステムを再開させ得るか、又は窓及び窓加熱制御システムの交換をもたらし得る。そのような手動の取り調べは、時間がかかり、航空機に関連する保守及び作業コストを増大させ得る。
【発明の概要】
【0005】
一態様では、加熱要素に電流を供給するための窓加熱システムが提供される。窓加熱システムは、第1のセンサ、第2のセンサ、及び第1のセンサと第2のセンサの状態を特定するように構成されたセンサ選択モジュールを含む。センサ選択モジュールは、第1のセンサに関連付けられ且つ第1のセンサの条件が満たされているか否かを判定するように構成された、第1のコンパレータを含む。窓加熱システムは、第1のコンパレータが第1のセンサの条件が満たされていないと判定したときに、第2のセンサに基づいて加熱要素への電流を制御するように構成されたコントローラも含む。
【0006】
更なる別の一態様では、航空機窓加熱システムが提供される。航空機窓加熱システムは、航空機窓の近傍に配置された第1のセンサであって、窓の温度変化に応じて変動する抵抗を含む第1のセンサを含む。航空機窓加熱システムは、第1のセンサと直列になるように第1の組の電源接続と第1のセンサとの間にそれぞれ配置された第1の組の電流センサも含む。第1のコンパレータは、第1の組の電流センサの間の差異が所定量の範囲内にある場合に、マッチング出力を提供する。航空機窓加熱システムは、航空機窓の近傍に配置された第2のセンサであって、窓の温度変化に応じて変動する抵抗を含む第2のセンサを更に含む。第2の組の電流センサが、第2のセンサと直列になるように第2の組の電源接続と第2のセンサとの間にそれぞれ配置される。第2のコンパレータは、第2の組の電流センサによって感知された電流レベルの間の差異が所定量の範囲内にある場合に、マッチング出力を提供する。航空機窓加熱システムは、航空機窓に配置された加熱要素を制御するために、第1のコンパレータと第2のコンパレータに通じているコントローラを更に含む。コントローラは、第1のコンパレータがマッチング出力を提供する場合に、第1のセンサに基づいて加熱要素への電流レベルを制御し、第1のコンパレータがマッチング出力を提供せず且つ第2のコンパレータがマッチング出力を提供する場合に、第2のセンサに基づいて加熱要素への電流レベルを制御し、第1のコンバータと第2のコンパレータが両方ともマッチング出力を提供しない場合に、公称電流を加熱要素に供給するように構成されている。
【0007】
更なる別の一態様では、窓加熱システム内の加熱要素への電流を制御する方法が提供される。該方法は、第1のセンサを用いて窓の抵抗値を測定すること、及び、第2のセンサを用いて窓の抵抗値を測定することを含む。該方法は、第1のセンサに関連付けられた第1のコンパレータを使用して第1のセンサの状態を特定して、第1のセンサの条件が満たされているか否かを判定すること、及び、第2のセンサに関連付けられた第2のコンパレータを使用して第2のセンサの状態を特定して、第2のセンサの条件が満たされているか否かを判定することも含む。第1のコンパレータが第1のセンサの条件が満たされていると判定したときに、加熱要素への電流フローは、第1のセンサの抵抗値に基づいて制御される。該方法は、第1のコンパレータが第1のセンサの条件が満たされていないと判定し、且つ、第2のコンパレータが第2のセンサの条件が満たされていると判定したときに、第2のセンサの抵抗値に基づいて加熱要素への電流フローを制御することも含む。更に、第1のコンパレータと第2のコンパレータが、第1のセンサと第2のセンサの条件が満たされていないと判定したときに、公称量の電流フローが加熱要素に供給される。
【0008】
前述の特徴、機能及び利点は、様々な実施形態において個別に実現可能であるか、又は以下の説明及び図面を参照して更なる詳細が理解され得る、更に別の実施形態において組み合わされ得る。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図2】
図1で示された航空機上で使用され得る窓加熱制御システムのブロック図である。
【
図3】
図2で示された窓加熱制御システムのより詳細なブロック図である。
【
図4】
図3で示された窓加熱制御システムを使用して窓の加熱を制御するためのプロセスのフローチャートである。
【
図5】
図3で示された窓加熱制御システムを使用して窓の加熱を制御するための方法を示す。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本明細書で説明される実施態様は、航空機で使用される窓加熱システムを含む。窓加熱システムは、操縦室の窓上の氷晶の形成を避けるために、操縦室の窓の温度を所定の範囲内に維持するように、航空機内の操縦室の窓の近傍に位置決めされた加熱要素に電流を供給する。航空機窓加熱システムは、温度変化に応じて変動する窓内の抵抗を測定する第1のセンサを含む。航空機窓加熱システムは、第1のセンサの両側で直列に接続された第1の組の電流センサも含む。第1のコンパレータは、第1の組の電流センサの間の差異が所定量の範囲内にある場合にマッチング出力を提供する。航空機窓加熱システムは、温度変化に応じて変動する窓内の抵抗を測定する第2のセンサ、及び第2のセンサの両側で直列に接続された第2の組の電流センサを更に含む。第2のコンパレータは、第2の組の電流センサによって感知された電流レベルの間の差異が所定量の範囲内にある場合にマッチング出力を提供する。航空機窓加熱システムは、第1のコンパレータと第2のコンパレータに通じているコントローラを更に含む。該コントローラは、第1のコンパレータがマッチング出力を提供する場合に、第1のセンサに基づいて加熱要素への電流レベルを制御し、第1のコンパレータがマッチング出力を提供せず且つ第2のコンパレータがマッチング出力を提供する場合に、第2のセンサに基づいて加熱要素への電流レベルを制御し、第1のコンバータと第2のコンパレータが両方ともマッチング出力を提供しない場合に、公称電流を加熱要素に供給するように構成されている。
【0011】
本明細書で説明される窓加熱システムは、主要なセンサ内の部分的な短絡状態を検出し、主要なセンサ内の部分的な短絡を検出した後で、2次的なバックアップセンサからの信号に基づくベース動作に自動的に切り替わることができる。そのような自動的な回復は、長い持続時間にわたり加熱要素に対して電力が供給されないことをもたらし得る時間がかかるシステムの再開を妨げる。更に、本明細書で説明される窓加熱システムは、主要なセンサと2次的なセンサの両方が部分的な短絡状態を経験しているときにそのことを検出し、少なくとも幾つかの既知の加熱システムにおけるようにシステムを無効にするよりもむしろ、公称動作モードに自動的に切り替わり、加熱要素に一定量の電力を供給して、氷の形成を妨げる温度に窓を維持することができる。そのような公称動作モードでは、加熱要素に供給される電力の量が、センサの何れかからの信号に基づくのではなく、そのようにして、何れのセンサも動作していないときでさえ操縦室の窓上の氷の形成を妨げることを容易にする。
【0012】
窓加熱システムなどのコンピュータシステム、及び関連するコンピュータシステムが、本明細書で説明される。本明細書で説明されるように、全てのそのようなコンピュータシステムは、プロセッサ及びメモリを含む。しかし、本明細書で言及されるコンピュータデバイス内の任意のプロセッサは、1つの計算デバイス内にあり得る又は並列で動作している複数の計算デバイス内にあり得る1以上のプロセッサも指し得る。更に、本明細書で言及されるコンピュータデバイス内の任意のメモリは、1つの計算デバイス内にあり得る又は並列で動作している複数の計算デバイス内にあり得る1以上のメモリも指し得る。
【0013】
本明細書で使用される際に、プロセッサは、マイクロコントローラ、縮小命令セット回路(RISC)、特定用途向け集積回路(ASIC)、論理回路、及び本明細書で説明される機能を実行することが可能な任意の他の回路又はプロセッサ、を使用するシステムを含む、任意のプログラム可能システムを含み得る。上述の例は、「プロセッサ」という用語の定義及び/又は意味を、如何なるやり方においても限定することを意図していない。
【0014】
一実施形態では、コンピュータプログラムが提供され、そのプログラムはコンピュータ可読媒体で実施される。例示的な一実施形態では、システムが、サーバコンピュータとの接続を必要とすることなしに、単一のコンピュータシステムで実行される。更なる一実施形態では、システムが、Windows(登録商標)環境(Windowsは、ワシントン州レドモンドのマイクロソフト社の登録商標である)内で実行される。また別の一実施形態では、システムが、大型汎用コンピュータ環境及びUNIX(登録商標)サーバ環境(UNIXは、英国バークシャー州レディングにあるX/Open社の登録商標である)で実行される。アプリケーションは、柔軟であり、任意の重大な機能を妥協することなしに様々な異なる環境内で実行されるように設計されている。ある実施形態では、該システムが、複数の計算デバイスの中に分散される複数の構成要素を含む。1以上の構成要素は、コンピュータ可読媒体内で実施されるコンピュータ実行可能指示命令の形態を採り得る。
【0015】
本明細書で使用される際に、「1つの/ある」(「a」又は「an」)という語から始まる単数形の要素又はステップは、複数の要素又はステップを除外することが明示的に記載されていない限り、複数の要素又はステップを除外しないと理解されたい。更に、本開示の「例示的な実施形態」又は「一実施形態」に対する言及は、挙げられている特徴も取り込む更なる実施形態の存在を除外するように解釈されることを意図していない。
【0016】
本明細書で使用される際に、「ソフトウェア(software)」という語と「ファームウェア(firmware)」という語は入れ替え可能であり、これらの語は、プロセッサによる実行のためのメモリ(RAMメモリ、ROMメモリ、EPROMメモリ、EEPROMメモリ、及び非揮発性RAM(NVRAM)メモリを含む)に記憶されている、任意のコンピュータプログラムを含む。上記のメモリの種類は例示に過ぎず、したがって、コンピュータプログラムを記憶するために使用可能なメモリの種類について限定するものではない。
【0017】
システム及びプロセスは、本明細書で説明される特定の実施形態に限定されるものではない。更に、各システム及び各プロセスの構成要素は、独立して実施され、本明細書で説明される他の構成要素及びプロセスから分離され得る。各構成要素及びプロセスは、他のアセンブリパッケージ及びプロセスと組み合されても使用され得る。
【0018】
次に図面、特に
図1を参照すると、例示的な一実施形態による航空機の図が描かれている。この例示的な実施例では、航空機100が、第1の主翼102と第2の主翼104を含む。それらは、両方とも胴体106に取り付けられている。航空機100は、主翼102に取り付けられた第1のエンジン108と、主翼104に取り付けられた第2のエンジン110とを含む。胴体106は、第1の水平尾翼114、第2の水平尾翼116、及び垂直尾翼118を含む、尾部112を含む。代替的に、航空機100は、本明細書で説明される航空機の動作を容易にする、任意の数のエンジン及び任意の形状の尾部を含む。
【0019】
胴体106は、少なくとも1つの操縦室の窓122を含む、操縦室エリア120も含む。更に、胴体106は、複数の客室の窓124を含む。例示的な一実施態様では、航空機100が、少なくとも操縦室の窓122及びある実施態様では客室の窓124の温度を高める、窓加熱システム200を含む。操縦室の窓122の温度を高めることは、操縦室の窓122上の霜及び氷の形成を妨げ、航空機100のパイロットが航空機100の前方の外部環境を見ることを可能にする。
【0020】
図2は、(
図1で示された)航空機100と共に使用され得る窓加熱システム200のブロック図である。例示的な一実施態様では、窓加熱システム200が、操縦室の窓122に接続された加熱要素202を含み、それによって、窓加熱システム200によって加熱要素202に供給される電流の増加が、操縦室の窓122の温度を高める。窓加熱システム200は、操縦室の窓122に接続された複数のセンサ204も含み、それによって、センサ204が、センサ204に亘る抵抗を測定することによって操縦室の窓の温度を測定する。そのようにして、温度は、温度と抵抗の関数としてセンサ204によって測定される。例示的な一実施形態では、センサ204が温度センサである。代替的に、センサ204は、本明細書で説明されるように、窓加熱システム200の動作を容易にする、歪ゲージ、軸方向歪ゲージ、ロゼットゲージ、赤外線シグネチャーセンサ、熱電対、又は他の適切なデバイスなどの、任意の種類のセンサであってよいが、それらに限定されるものではない。
【0021】
例示的な一実施形態では、窓加熱システム200が、電力コントローラ208、センサ選択モジュール210、メモリデバイス212、プロセッサ214、及び電源216を含む、モニタリング・制御システム206も含む。電源216は、モニタリング・制御システム206の構成要素及び加熱要素202に電力を供給する。
【0022】
プロセッサ214は、(例えば、マルチコア構成において)1以上の処理ユニットを含み得る。更に、プロセッサ214は、単一のチップ上に主要なプロセッサと2次的なプロセッサとが共存する1以上の異種プロセッサシステムを使用して実施されてもよい。別の例示的な一実施例として、プロセッサ214は、同じ種類の複数のプロセッサを含む対称型マルチプロセッサシステムであり得る。更に、プロセッサ214は、1以上のシステム及びマイクロコントローラ、マイクロプロセッサ、縮小命令セット回路(RISC)、特定用途向け集積回路(ASIC)、プログラム可能論理回路、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、並びに本明細書で説明される機能を実行することができる任意の他の回路を含む、任意の適切なプログラム可能回路を使用して実装され得る。プロセッサ214は、電力コントローラ208が、どれだけの電流を加熱要素202に供給するべきかを決定する。
【0023】
メモリデバイス212は、実行可能な指示命令などの情報及び/又は他のデータを記憶し読み出すことを可能にする、1以上の複数のデバイスである。メモリデバイス212は、限定しないが、ダイナミックランダムアクセスメモリ(DRAM)、スタティックランダムアクセスメモリ(SRAM)、ソリッドステートディスク、及び/又はハードディスクなどの1以上のコンピュータ可読媒体を含み得る。メモリデバイス212は、限定しないが、アプリケーションソースコード、アプリケーションオブジェクトコード、関心のあるソースコード部分、関心のあるオブジェクトコード部分、構成データ、実行イベント、及び/又は任意の他の種類のデータを記憶するように構成され得る。
【0024】
例示的な一実施形態では、電力コントローラ又はコントローラ208が、プログラム可能プロセッサ214のおかげで、本明細書で説明される1以上の動作を実行する。例えば、プロセッサ214は、動作を1以上の実行可能な指示命令として符号化し、その実行可能な指示命令をメモリデバイス212に提供することによって、プログラミングされ得る。コントローラ208は、航空機100内のコンピュータシステムであり得る。コンピュータシステムは、1以上のコンピュータであり得る。2つ以上のコンピュータが存在する場合、これらのコンピュータは、ネットワークなどの通信媒体を使用して相互に通信し得る。別の例示的な一実施例では、コントローラ208が、集積回路内に実装されるハードウェアデバイスであり得る。描かれているように、コントーラ208は、ソフトウェア、ハードウェア、ファームウェア、又はこれらの組み合わせとして実装され得る。ソフトウェアを使用する場合、コントーラ208によって実行される動作は、プロセッサ214で実行されるように構成されたプログラムコード内に実装され得る。ファームウェアを使用する場合、コントーラ208によって実行される動作は、プログラムコード及びデータ内に実装され、メモリ212内に記憶されて、プロセッサ214で実行され得る。ハードウェアが採用される場合、ハードウェアは、コントーラ208の動作を実行するために動作する回路を含み得る。
【0025】
例示的な実施例では、ハードウェアは、回路システム、集積回路、特定用途向け集積回路(ASIC)、プログラム可能論理装置、又は幾つかの動作を実行するよう構成された他の何らかの適切なタイプのハードウェアの形態を採り得る。プログラム可能論理装置を用いる場合、装置は、幾つかの動作を実施するように構成されてよい。該デバイスは、幾つかの動作を実行するよう、後で再構成されてもよく、又は恒久的に構成されてもよい。プログラム可能論理デバイスの例には、例えば、プログラム可能論理アレイ、プログラム可能アレイ論理、フィールドプログラマブル論理アレイ、フィールドプログラマブルゲートアレイ、及び他の適切なハードウェアデバイスが含まれる。加えて、これらのプロセスは、無機構成要素と一体化された有機構成要素に実装され、人間以外の有機構成要素で全体的に構成され得る。例えば、これらのプロセスは、有機半導体の回路として実装されていてよい。
【0026】
例示的な一実施態様では、センサ選択モジュール210が、各センサ204に導かれている電流と各センサ204から戻ってくる電流との間の比較に基づいて、センサ204の状態を特定する。電流がマッチングしているならば、センサ選択モジュール210は、センサが動作可能な状態にあり且つセンサ204内に短絡が存在しないことを示す「アグリー(agree)」信号をコントローラ208に送信する。センサ選択モジュール210は、各センサ204の抵抗の量も特定し、その測定された量を所定の範囲と比較して、各センサ204が所定の抵抗範囲内で動作しているか否かを判定する。例示的な一実施形態では、所定の範囲が、飛行中に通常遭遇する最も低い温度によって表される抵抗値の10パーセント下から、飛行中に通常遭遇する最も高い温度によって表される抵抗値の10パーセント上までの抵抗の変動であり得る。例えば、遭遇する最も低い温度は華氏-65度であり、遭遇する最も高い温度は華氏150度であり得る。センサ選択モジュール210が、センサ204が所定の抵抗範囲内で動作しており且つセンサ204に導かれている電流がセンサ204から戻ってくる電流とマッチングしていると判定したならば、センサ選択モジュール210は、センサが正常に動作していると判定し、操縦室の窓122の抵抗を表す信号をコントローラに送信する。
【0027】
センサ204は、操縦室の窓122の全体にわたり抵抗の量を検出する。低い抵抗の測定値は、操縦室の窓122の温度の減少を示し、加熱要素202に電流を供給して操縦室の窓122の温度を上げることをコントローラ208に要求し得る。代替的に、測定された抵抗の増加は、操縦室の窓122の温度の増加を示し、加熱要素202の動作は要求されないだろう。センサ204は、抵抗を表す出力信号をセンサ選択モジュール210に送信し、その後、センサ204が望ましいように動作しているとセンサ選択モジュール210によって判定されるや否や、センサ選択モジュール210は、出力信号をコントローラ208に提供する。代替的に、センサ204が望ましいように動作しているとセンサ選択モジュール210が判定したときに、コントローラ208は、センサ204から直接に出力信号を受信し得る。
【0028】
コントローラ208は、センサ204によって提供された出力信号に基づいて、加熱要素202の動作を制御する。具体的には、コントローラ208が、出力信号を所定の設定ポイントと比較し、センサ204からの抵抗信号が所定の設定ポイントよりも低いならば、加熱要素202に電力を供給する。例示的な一実施形態では、所定の設定ポイントが、例えば、華氏70度におけるセンサ218の公称抵抗値よりも少なくとも10パーセント低い抵抗値であり得る。より具体的には、コントローラ208が、センサ204からの出力信号に基づいて、加熱要素202に所定量の電流を供給する。その後、加熱要素202は、操縦室の窓122の温度を所定の範囲内に増加させる。その所定の範囲内の温度は、操縦室の窓122上の霧、霜、及び/又は氷を妨げ又は低減させるが、操縦室の窓122の耐用年数を短くする程は高くない。
【0029】
未だ
図2を参照すると、所与のセンサ204に供給されている電流がセンサ204から戻ってくる電流とは異なり又はセンサ204の許容可能な範囲外にあると、センサ選択モジュール210が検出したならば、センサ選択モジュール210は、複数のセンサ204のうちの異なるセンサ204について対応する電流のマッチングが存在するか否かを判定する。そうであるならば、センサ204が望ましいように動作しているとセンサ選択モジュール210によって判定されるや否や、センサ選択モジュール210は、そのセンサ204の抵抗出力信号をコントローラ208に提供する。センサ選択モジュール(210)が、センサ204のうちの何れもが電流マッチングを提供せず又は所与のセンサ204の範囲外の電流を供給していると判定したならば、センサ選択モジュール210は、コントローラ208に信号を送信し、コントローラ208は、公称モードに切り替わり、加熱要素202に公称量の電力を供給する。その電力は、加熱要素202に、操縦室の窓122を霜や氷の積み重ねを妨げ又は低減させる温度範囲内に維持させる。例示的な一実施形態では、公称量の電力が、例えば、1000ワットの電力レベルであり得る。同様に、各センサ204の抵抗の量が所定の範囲外であるとセンサ選択モジュール210が判定したならば、センサ選択モジュール210は、コントローラ208に信号を送信して、センサ204が電流のマッチングを提供するか否かにかかわらず、コントローラ208を公称モードに切り替える。そのようにして、窓加熱システム200は、コントローラ208がセンサ204の測定された抵抗に基づいて動作していないときでさえも、加熱要素202に公称量の電力を供給して、操縦室の窓122をある温度範囲内に維持する。
【0030】
図3は、窓加熱システム200のより詳細なブロック図であり、
図4は、窓加熱システム200を使用して操縦室の窓122の加熱を制御するためのプロセスのフローチャートである。例示的な一実施態様では、センサ204が、操縦室の窓122の近傍に配置された第1の温度センサ218と操縦室の窓122の近傍に配置された第2の温度センサ220を含む。本明細書で説明されるように、操縦室の窓122は、窓の温度変化に応じて変動する抵抗を含み、センサ218とセンサ220は、操縦室の窓122の抵抗を個別に測定する。
【0031】
図3で最も優れて示されているように、センサ選択モジュール210は、センサセレクタユニット224と通信可能に接続された電力・モニタリングユニット222を含む。センサ選択モジュール210は、第1のセンサ218と電力・モニタリングユニット222の第1の組の電源接続228a及び228bとの間で電気的に接続された第1の組の電流センサ226a及び226bも含む。それによって、第1の組の電流センサ226a及び226bは、第1のセンサ218と直列に接続される。例示的な一実施態様では、電力・モニタリングユニット222が、電源216から電力を受け入れ、センサ218及び220に電流を供給する。同様に、センサ選択モジュール210は、第2のセンサ220と電力・モニタリングユニット222の第2の組の電源接続232a及び232bとの間で電気的に接続された第2の組の電流センサ230a及び230bも含む。それによって、第2の組の電流センサ230a及び230bは、第2のセンサ220と直列に接続される。更に、センサ選択モジュール210は、第1のセンサ218に関連付けられた第1のコンパレータ234を含む。第1のコンパレータ218は、第1の組の電流センサ226aと226bによって測定された値を比較し、第1の組の電流センサ226aと226bの間の差異が所定量の範囲内にある場合(例えば、電流センサが互いに5パーセントの範囲内にあるならば)、マッチング出力を提供する。同様に、第2のコンパレータ236が、第2のセンサ220に関連付けられ、第2の組の電流センサ230aと230bによって測定された値を比較し、第2の組の電流センサ230aと230bの間の差異が所定量の範囲内にある場合、マッチング出力を提供する。
【0032】
例示的な一実施態様では、センサ選択モジュール210が、第1のセンサ218と第2のセンサ220の条件が満たされているか否かの第1のコンパレータ234と第2のコンパレータ236による判定に基づいて、第1のセンサ218と第2のセンサ220の状態を特定するように構成されている。より具体的には、判定されるべき条件は、(もし差異が存在するならば)第1の組の電流センサ226aと226bによって感知された第1のセンサ218を流れる電流の差異が所定の範囲内にあるか否かであり、(もし差異が存在するならば)第2の組の電流センサ230aと230bによって感知された第2のセンサ220を流れる電流の差異が所定の範囲内にあるか否かである。第1の組の電流センサ226aと226bによって感知された第1のセンサ218を流れる電流の差異が所定の範囲内であるときに、第1のセンサ218は動作可能な状態にある。しかし、感知された第1のセンサ218を流れる電流の差異が所定の範囲内でないときに、第1のセンサ218は、動作不可能な状態にあり、例えば、短絡を経験している。同様に、第2の組の電流センサ230aと230bによって感知された第2のセンサ220を流れる電流の差異が所定の範囲内であるときに、第2のセンサ220は動作可能な状態にある。しかし、感知された第2のセンサ220を流れる電流の差異が所定の範囲内でないときに、第2のセンサ220は、動作不可能な状態にあり、例えば、短絡を経験している。
【0033】
動作中、電流センサ226aと230aは、それぞれ、電力・モニタリングユニット222によってセンサ218と220に供給されている電流を測定し、測定された電流を表す信号を、それぞれ、第1のコンパレータ234と第2のコンパレータ236に送信する。電流センサ226bと230bは、それぞれ、第1のセンサ218と第2のセンサ220から電力・モニタリングユニット222に戻ってくる電流を測定し、測定された電流を表す信号を、それぞれ、第1のコンパレータ234と第2のコンパレータ236に送信する。第1のコンパレータ234は、電流センサ226aと226bからの電流信号を比較して、それらが互いにマッチングしているか又は所定の範囲内にあるかを判定する。(例えば、電流センサが互いに5パーセントの範囲内にあるならば)同様に、第2のコンパレータ236は、電流センサ230aと230bからの電流信号を比較して、それらが互いにマッチングしているか又は所定の範囲内にあるかを判定する。第1の組の電流センサ226aと226bからの電流の測定値がマッチングしているか又は所定の範囲内にあるならば、第1のコンパレータ234は、センサセレクタユニット224に「アグリー」信号を送信する。第1の組の電流センサ226aと226bからの電流の測定値がマッチングしていないか又は所定の範囲内にないならば、第1のコンパレータ234は、センサセレクタユニット224に「ディスアグリー(disagree)」信号を送信する。同様に、第2の組の電流センサ230aと230bからの電流の測定値がマッチングしているか又は所定の範囲内にあるならば、第2のコンパレータ236は、センサセレクタユニット224に「アグリー」信号を送信する。第2の組の電流センサ230aと230bからの電流の測定値がマッチングしていないか又は所定の範囲内にないならば、第2のコンパレータ236は、センサセレクタユニット224に「ディスアグリー」信号を送信する。
【0034】
本明細書で説明されるように、第1の組の電流センサ226aと226bからの又は第2の組の電流センサ230aと230bからのマッチングしていない測定値は、第1のセンサ218又は第2のセンサ220内で部分的な短絡が生じていることを示し得る。部分的な短絡は、接触不良、故障した部品、又はセンサの両端子間への流体の進入のために生じ得る。本明細書で説明されているように、センサ選択モジュール210は、コンパレータ234又は236によって「アグリー」信号が送信されているときにのみ、第1のセンサ218又は第2のセンサ220からの抵抗測定値をコントローラ208に送信する。
【0035】
例示的な一実施態様では、電力・モニタリングユニット222が、センサ218と220に電流を供給し、各センサ218および220に亘る抵抗も測定して、センサ218とセンサ220が所定の範囲内で動作しているか又は少なくとも所定の最小抵抗より上で動作しているか否かを判定する。低い抵抗測定値は、センサ218又は220のうちの一方における短絡を示し得る。例えば、電力・モニタリングユニット222は、センサ218と220の何れかが、所定の範囲内で動作しているか又は少なくとも所定の最小抵抗より上で動作しているかを判定し、もしそうであるならば、そのことを表している信号をセンサセレクタユニット224に送信する。代替的に、第1のセンサ218又は第2のセンサ220の何れかが、所定の範囲外で動作しているか又は所定の最小抵抗未満で動作しているならば、電力・モニタリングユニット222は、そのことを表している信号をセンサセレクタユニット224に送信する。
【0036】
第1のセンサ218又は第2のセンサ220を通って流れる電流に対して抵抗がほとんどないか又は全くないときに、短絡が生じ、その短絡は操縦室の窓122内の湿気によってもたらされ得る。湿気は、構成要素の導電性を高め、したがって、電流フローに対する抵抗を低くすることが知られている。電力・モニタリングユニット222が、第1のセンサ218と第2のセンサ220が所定の抵抗範囲内にあるか否かを判定しないならば、第1のセンサ218又は第2のセンサ220内の短絡は、誤った温度測定値をコントローラ208に送信することをもたらし、それは、コントローラ208が不必要な量の電力を加熱要素202に供給することをもたらし得る。しかし、コントローラ208に任意の信号を送信する前に、第1のセンサ218と第2のセンサ220が所定の抵抗範囲内にあることを、電力・モニタリングユニット222が確認するので、窓加熱システム200は、コントローラ208が加熱要素202に過剰な電力を供給することを妨げる。
【0037】
本明細書で説明されるように、センサセレクタユニット224は、どの種類の信号がコントローラ208に送信されるべきかを決定する論理を含み、その論理は、メモリデバイス212に記憶され得る。例示的な一実施態様では、第1のセンサ218がデフォルトセンサである。第1のコンパレータ234が、第1の組の電流センサ226aと226bの電流マッチング出力を示すような「アグリー」信号をセンサセレクタユニット224に送信し、電力・モニタリングユニット222が、第1のセンサ218が所定の抵抗範囲内で動作しているか又は最小抵抗閾値より上で動作していることを示すような信号を送信したときに、センサセレクタユニット224は、第1のセンサ218によって取得された抵抗測定値を表す信号をコントローラ208に送信する。その後、コントローラ208は、センサセレクタユニット224からの信号を所定の設定ポイントと比較して、第1のセンサ218からの出力が設定ポイント未満ならば、加熱要素202に電力を供給する。例示的な一実施形態では、所定の設定ポイントが、例えば、華氏70度におけるセンサ218の公称抵抗値よりも少なくとも10パーセント低い抵抗値であり得る。そのようにして、第1のコンパレータ234が、第1のセンサ218の条件、すなわち、電流センサ226aと226bのマッチングが満たされていると判定したときに、コントローラ208は、第1のセンサ218に基づいて加熱要素202への電流フローを制御する。
【0038】
以下の場合では、すなわち、1)第1のコンパレータ234が、第1の組の電流センサ226aと226bがマッチングしていないことを示すような「ディスアグリー」信号をセンサセレクタユニット224に送信し、2)第2のコンパレータ236が、第2の組の電流センサ230aと230bの電流マッチング出力を示すような「アグリー」信号をセンサセレクタユニット224に送信し、且つ、3)電力・モニタリングユニット222が、第2のセンサ220が所定の抵抗範囲内で動作しているか又は最小抵抗閾値より上で動作していることを示すような信号を送信しているときに、センサセレクタユニット224は、第2のセンサ220によって取得された抵抗測定値を表す信号をコントローラ208に送信する。その後、コントローラ208は、センサセレクタユニット224からの信号を所定の設定ポイントと比較して、第2のセンサ220からの出力が設定ポイント未満ならば、加熱要素202に電力を供給する。そのようにして、第1のコンパレータ234が、第1のセンサ218の条件、すなわち、電流センサ226aと226bのマッチングが満たされていないと判定したときに、且つ、第2のコンパレータ236が、第2のセンサ220の条件、すなわち、電流センサ230aと230bのマッチングが満たされていると判定したときに、コントローラ208は、第2のセンサ220に基づいて加熱要素202への電流フローを制御する。
【0039】
同様に、電力・モニタリングユニット222が、第1のセンサ218が所定の抵抗範囲外で動作しているか又は最小抵抗閾値未満で動作していることを示すような信号を送信するならば、センサセレクタユニット224は、以下に記載の限り、第2のセンサ220によって取得された抵抗測定値を表す信号をコントローラ208に送信する。すなわち、1)第2のコンパレータ236が、第2の組の電流センサ230aと230bの電流マッチング出力を示すような「アグリー」信号をセンサセレクタユニット224に送信し、且つ、2)電力・モニタリングユニット222が、第2のセンサ220が所定の抵抗範囲内で動作しているか又は最小抵抗閾値の上で動作していることを示すような信号を送信しているときである。そのような場合に、たとえ、第1のコンパレータ234が、第1の組の電流センサ226aと226bの電流マッチング出力を示すような「アグリー」信号をセンサセレクタユニット224に送信しているとしても、電力・モニタリングユニット222が、第1のセンサ218が所定の抵抗範囲内にないと判定したときに、コントローラ208は、第2のセンサ220に基づいて加熱要素202への電流を制御するように構成されている。
【0040】
更に、加熱要素202に霜及び氷の積み重ねを妨げ又は低減させる所定の温度範囲内に操縦室の窓122を維持させる公称量の電力(例えば、1000ワットの電力レベル)をコントローラ208が加熱要素202供給する公称モードにコントローラ208を切り替える信号を、センサセレクタユニット224がコントローラ208に送信する、2つの場合が存在する。第1の場合では、第1のセンサ218と第2のセンサ220が両方とも所定の抵抗範囲内で動作しているか又は最小抵抗閾値より上で動作していることを示すような信号を電力・モニタリングユニット222が送信しているが、第1のコンパレータ234と第2のコンパレータ236が両方とも第1の組の電流センサ226aと226b及び第2の組の電流センサ230aと230bの何れもがマッチング出力を提供しないことを示すような「ディスアグリー」信号をセンサセレクタユニット224に送信しているときに、コントローラ208が公称モードに切り替わる。そのようにして、マッチング出力要求条件は、第1のセンサ218又は第2のセンサ220の何れに対しても満たされていない。第2の場合では、第1のセンサ218と第2のセンサ220の何れもが所定の抵抗範囲内で動作していないか又は最小抵抗閾値より上で動作していないことを示すような信号を、電力・モニタリングユニット222が送信しているときに、コントローラ208が公称モードに切り替わる。そのような場合では、第1のコンパレータ234と第2のコンパレータ236から信号が受信されるか否かにかかわらず、センサセレクタユニット224が、コントローラに信号を送信して、公称モードに切り替える。そのようにして、窓加熱システム200は、コントローラ208が第1のセンサ218又は第2のセンサ220の測定された抵抗に基づいて動作していないときでさえも、加熱要素202に公称量の電力を供給して、操縦室の窓122をある温度範囲内に維持する。
【0041】
例示的な一実施形態では、コントローラ208が、航空機の操縦室の窓122に配置された加熱要素202を制御するために、センサセレクタユニット224を介して、第1のコンパレータ234と第2のコンパレータ236に通じている。より具体的には、コントローラ208が、1)第1のコンパレータ234がマッチング出力を提供する場合に、第1のセンサ218に基づいて加熱要素202への電流レベルを制御し、又は、2)第1のコンパレータ234がマッチング出力を提供せず、第2のコンパレータ236がマッチング出力を提供する場合に、第2のセンサ220に基づいて加熱要素202への電流レベルを制御し、又は、3)第1のコンパレータ234と第2のコンパレータ236が両方ともマッチング出力を提供しない場合に、公称電流を加熱要素に供給し、又は、4)電力・モニタリングユニット222が、第1のセンサ218と第2のセンサ220の何れもが所定の抵抗範囲内で動作していないか又は最小抵抗閾値より上で動作していないと判定したときに、公称電流を加熱要素202に供給するように構成されている。
【0042】
図4は、窓加熱システム200を使用して操縦室の窓122の加熱を制御するためのプロセスのフローチャート300である。第1のステップは、第1のセンサ218が所定の抵抗範囲内で動作しているか又は最小抵抗閾値より上で動作しているか否かを判定すること(302)である。本明細書で説明されるように、このステップは、電力・モニタリングユニット222によって実行される。電力・モニタリングユニット222が正の信号を提供するならば、次のステップは、第1のセンサ218内の入力電流が第1のセンサ218内の出力電流にマッチングするか否かを判定すること(304)である。このステップは、第1の組の電流センサ226aと226bによって感知された電流値を比較する第1のコンパレータ234によって実行される。第1のコンパレータ234が、電流センサ226aと226bがマッチングしていない「ディスアグリー」信号を提供するならば、以下で説明されるように、電力・モニタリングユニット222は、第2のセンサ220が所定の抵抗範囲内で動作しているか又は最小抵抗閾値より上で動作しているか否かを判定する(312)。しかし、第1のコンパレータ234が、電流センサ226aと226bがマッチングしている「アグリー」信号を提供するならば、センサセレクタユニット224は、抵抗を表す出力信号を第1のセンサ218からコントローラ208に送信する(306)。
【0043】
次に、コントローラ208は、第1のセンサ218からの出力信号が所定の値より上であるか否かを判定する(308)。そうであるならば、操縦室の窓122の加熱は必要ではなく、コントローラ208は加熱要素202に電力を供給しない。しかし、第1のセンサ218からの出力信号が所定の値より上でないならば、コントローラ208は、第1のセンサ218の出力抵抗信号に基づいて、電流の形態を採る一定量の電力を加熱要素202に供給して(310)、操縦室の窓122の温度を増加させる。
【0044】
判定するステップ302にフローチャート300を戻すと、電力・モニタリングユニット222が、第1のセンサ218が所定の抵抗範囲内で動作していないか又は最小抵抗閾値より上で動作していないと判定した(302)ならば、次のステップは、電力・モニタリングユニット222が、第2のセンサ220が所定の抵抗範囲内で動作しているか又は最小抵抗閾値より上で動作しているか否かを判定すること(312)である。そうでないならば、センサセレクタユニット224は、第1のセンサ218又は第2のセンサ220の何れもが所定の抵抗範囲内で動作していないか又は最小抵抗閾値より上で動作していないことを示す信号をコントローラ208に送信し(314)、そのようにして、コントローラ208は、公称モードに切り替わり、公称量の電力を加熱要素202に供給して、操縦室の窓122の温度を所定の範囲内に維持する。
【0045】
代替的に、電力・モニタリングユニット222が、第2のセンサ220が所定の抵抗範囲内で動作しているか又は最小抵抗閾値より上で動作していると判定した(312)ならば、次のステップは、第2のセンサ220内の入力電流が第2のセンサ220内の出力電流にマッチングしているか否かを判定する(316)ことである。このステップは、第2の組の電流センサ230aと230bによって感知された電流値を比較する第2のコンパレータ236によって実行される。第2のコンパレータ236が、電流センサ230aと230bがマッチングしない「ディスアグリー」信号を提供するならば、センサセレクタユニット224は、第1のセンサ218又は第2のセンサ220の何れもが電流マッチング出力条件を満たさないことを示す信号をコントローラ208に送信し(314)、そのようにして、コントローラ208は、公称モードに切り替わる。
【0046】
しかし、第2のコンパレータ236が、電流センサ230aと230bがマッチングしている「アグリー」信号を提供するならば、センサセレクタユニット224は、抵抗を表す出力信号を第2のセンサ220からコントローラ208に送信する(318)。次に、コントローラ208は、第2のセンサ220からの出力信号が所定の値より上であるか否かを判定する(320)。そうであるならば、操縦室の窓122の加熱は必要ではなく、コントローラ208は加熱要素202に電力を供給しない。しかし、第2のセンサ220からの出力信号が所定の値より上でないならば、コントローラ208は、電流の形態を採る一定量の電力を加熱要素202に供給し(322)、操縦室の窓122の温度を増加させる。
【0047】
図5は、
図3で示された窓加熱システム200を使用して操縦室の窓122の加熱を制御するための方法400を示す。方法400は、第1のセンサ218を用いて操縦室の窓122の抵抗値を測定すること(402)、及び、第2のセンサ220を用いて操縦室の窓122の抵抗値を測定すること(404)を含む。本明細書で説明されるように、操縦室の窓122の抵抗は、温度に応じて変化する。だから、操縦室の窓122の温度は、センサ218及び220によって測定された抵抗値によって特定され得る。
【0048】
方法400は、第1のセンサ218に関連付けられた第1のコンパレータ234を使用して第1のセンサ218の状態を特定して(406)、第1のセンサ218の条件が満たされているか否かを判定する。同様に、第2のセンサ220の状態が、第2のセンサ220に関連付けられた第2のコンパレータ236を使用して特定されて(408)、第2のセンサ220の条件が満たされているか否かを判定する。本明細書で説明されるように、第1のコンパレータ234を使用して第1のセンサ218の状態を特定すること(406)は、第1の組の電流センサ226aと226bの感知された電流値を比較することを含む。第1の組の電流センサ226aと226bの間において、感知された第1のセンサ218を流れる電流の差異が、所定の範囲内であるならば、第1のセンサ218の条件は満たされ、第1のセンサ218の状態は動作可能である。
【0049】
同様に、第2のコンパレータ236を使用して第2のセンサ220の状態を特定すること(408)は、第2の組の電流センサ230aと230bの感知された電流値を比較することを含む。第2の組の電流センサ230aと230bの間において、感知された第2のセンサ220を流れる電流の差異が、所定の範囲内であるならば、第2のセンサ220の条件は満たされ、第2のセンサ220の状態は動作可能である。
【0050】
方法400は、第1のコンパレータ234が第1のセンサ218の条件が満たされていると判定したときに、すなわち、第1のコンパレータ234が、第1の組の電流センサ226aと226bの間において、感知された第1のセンサ218を流れる電流の差異が所定の範囲内にあると判定したときに、第1のセンサ218の抵抗値に基づいて加熱要素202への電流フローを制御すること(410)も含む。
【0051】
方法400は、第1のコンパレータ234が第1のセンサ218の条件が満たされていないと判定したときに(第1のコンパレータ234が、第1の組の電流センサ226aと226bの間において、感知された第1のセンサ218を流れる電流の差異が所定の範囲内にないと判定したときに)、且つ、第2のコンパレータ236が第2のセンサ220の条件が満たされていると判定したときに(第2の組の電流センサ230aと230bの間において、感知された第2のセンサ220を流れる電流の差異が所定の範囲内にあると判定したときに)、第2のセンサ220の抵抗値に基づいて加熱要素202への電流フローを制御すること(412)も含む。
【0052】
更に、第1のコンパレータ234と第2のコンパレータ236が、両方とも、第1のセンサ218と第2のセンサ220の条件が満たされていないと判定したときに、公称量の電流フローが加熱要素202に供給される(414)。すなわち、コントローラ208は、第1のコンパレータ234が、第1の組の電流センサ226aと226bの間において、感知された第1のセンサ218を流れる電流の差異が所定の範囲内にないと判定したときに、且つ、第2のコンパレータ236が、第2の組の電流センサ230aと230bの間において、感知された第2のセンサ220を流れる電流の差異が所定の範囲内にないと判定したときに、公称電流を供給する(414)。
【0053】
本明細書で説明される窓加熱システムは、主要なセンサ内の部分的な短絡状態を検出し、主要なセンサ内の部分的な短絡を検出した後で、2次的なバックアップセンサからの信号に基づくベース動作に自動的に切り替わることができる。そのような自動的な回復は、長い持続時間にわたり加熱要素に対して電力が供給されないことをもたらし得る、時間がかかるシステムの再開を妨げる。更に、本明細書で説明される窓加熱システムは、主要なセンサと2次的なセンサの両方が部分的な短絡状態を経験しているときにそのことを検出し、少なくとも幾つかの既知の加熱システムにおけるようにシステムを無効にするよりもむしろ、公称動作モードに自動的に切り替わり、加熱要素に一定量の電力を供給して、氷の形成を妨げる温度に窓を維持することができる。そのような公称動作モードでは、加熱要素に供給される電力の量が、センサの何れかからの信号に基づくのではなく、そのようにして、何れのセンサも動作していないときでさえ操縦室の窓上の氷の形成を妨げることを容易にする。
【0054】
本発明の様々な実施形態の具体的な特徴が、ある図では示されておりその他の図では示されていないことがあるが、これは利便性によるものに過ぎない。本発明の原理によれば、図面の如何なる特徴も、任意の他の図面の任意の特徴と組み合わせて参照される及び/又は特許請求され得る。
【0055】
更に、本開示は、下記の条項による実施形態を含む。
条項1
加熱要素(202)に電流を供給するための窓加熱システム(200)であって、
第1のセンサ(218)、
第2のセンサ(220)、
少なくとも前記第1のセンサの状態を特定するように構成されたセンサ選択モジュール(210)であって、前記第1のセンサに関連付けられ且つ前記第1のセンサの条件が満たされているか否かを判定するように構成された第1のコンパレータ(234)を備えた、センサ選択モジュール(210)、及び
前記第1のコンパレータが前記第1のセンサの前記条件が満たされていないと判定したときに、前記第2のセンサに基づいて前記加熱要素への電流を制御するように構成された、コントローラ(208)を備える、窓加熱システム(200)。
条項2
前記センサ選択モジュール(210)が、前記第2のセンサ(220)に関連付けられ且つ前記第2のセンサの条件が満たされているか否かを判定するように構成された第2のコンパレータ(236)を備える、条項1に記載の窓加熱システム(200)。
条項3
前記コントローラ(208)は、前記第1のコンパレータ(234)と前記第2のコンパレータ(236)が、前記第1のセンサ(218)と前記第2のセンサ(220)の前記条件が満たされていないと判定したときに、公称電流を前記加熱要素(202)に供給するように構成されている、条項2に記載の窓加熱システム(200)。
条項4
前記センサ選択モジュール(210)が、前記第1のセンサ(218)と電源(216)との間に電気的に接続された第1の組の電流センサ(226aと226b)を備え、前記条件が、前記第1の組の電流センサの間において、感知された前記第1のセンサを流れる電流の差異が所定の範囲内にあることを含み、
前記センサ選択モジュールが、前記第2のセンサ(220)と電源との間に電気的に接続された第2の組の電流センサ(230aと230b)を備え、前記第2のセンサの前記条件が、前記第2の組の電流センサの間において、感知された前記第2のセンサを流れる電流の差異が所定の範囲内にあることを含む、条項2に記載の窓加熱システム(200)。
条項5
前記センサ選択モジュール(210)が、前記第1のセンサ(218)と電源(216)との間に電気的に接続された第1の組の電流センサ(226aと226b)を備え、前記条件が、前記第1の組の電流センサの間において、感知された前記第1のセンサを流れる電流の差異が所定の範囲内にあることを含む、条項1に記載の窓加熱システム(200)。
条項6
前記コントローラ(208)は、前記第1のコンパレータ(234)が、前記第1のセンサ(218)の前記条件が満たされていると判定したときに、前記第1のセンサに基づいて前記加熱要素(202)への電流を制御するように構成されている、条項1に記載の窓加熱システム(200)。
条項7
前記センサ選択モジュール(210)が、前記第1のセンサ(218)が所定の抵抗範囲内で動作しているか否かを判定するように構成された電力・モニタリングユニット(222)を備える、条項1に記載の窓加熱システム(200)。
条項8
前記コントローラ(208)は、前記電力・モニタリングユニット(222)が、前記第1のセンサ(218)が前記所定の抵抗範囲内で動作していないと判定したときに、前記第2のセンサ(220)に基づいて前記加熱要素(202)への電流を制御するように構成されている、条項7に記載の窓加熱システム(200)。
条項9
前記電力・モニタリングユニット(222)が、前記第2のセンサ(220)が所定の抵抗範囲内で動作しているか否かを判定するように構成され、前記コントローラ(208)は、前記第1のセンサ(218)と前記第2のセンサが前記所定の抵抗範囲内で動作していないときに、公称電流を前記加熱要素(202)に供給するように構成されている、条項7に記載の窓加熱システム(200)。
条項10
航空機窓加熱システム(200)であって、
航空機窓(122)の近傍に配置された第1のセンサ(218)であって、前記航空機窓の温度変化に応じて変動する抵抗を有する第1のセンサ(218)、
第1の組の電流センサ(226aと226b)が前記第1のセンサと直列になるように、第1の組の電源接続(228aと228b)と前記第1のセンサとの間にそれぞれ配置された第1の組の電流センサ(226aと226b)、
前記第1の組の電流センサの間の差異が所定量の範囲内である場合にマッチング出力を提供する第1のコンパレータ(234)、
前記航空機窓の近傍に配置された第2のセンサ(220)であって、前記航空機窓の温度変化に応じて変動する抵抗を有する第2のセンサ(220)、
第2の組の電流センサ(230aと230b)が前記第2のセンサと直列になるように、第2の組の電源接続(232aと232b)と前記第2のセンサとの間にそれぞれ配置された第2の組の電流センサ(230aと230b)、
前記第2の組の電流センサの間の差異が所定量の範囲内である場合にマッチング出力を提供する第2のコンパレータ(236)、及び
前記航空機窓に配置された加熱要素(202)を制御するために、前記第1のコンパレータと前記第2のコンパレータに通じているコントローラ(208)を備え、
前記第1のコンパレータがマッチング出力を提供する場合に、前記第1のセンサに基づいて前記加熱要素への電流レベルを制御し、前記第1のコンパレータがマッチング出力を提供せず且つ前記第2のコンパレータがマッチング出力を提供する場合に、前記第2のセンサに基づいて前記加熱要素への電流レベルを制御し、前記第1のコンパレータと前記第2のコンパレータの両方がマッチング出力を提供しない場合に、公称電流を前記加熱要素に供給するように、前記コントローラが構成されている、航空機窓加熱システム(200)。
条項11
前記第1のセンサ(218)が所定の抵抗範囲内で動作しているか否かを判定するように構成された電力・モニタリングユニット(222)を更に備え、前記コントローラ(208)は、前記電力・モニタリングユニットが前記第1のセンサが前記所定の抵抗範囲内で動作していないと判定したときに、前記第2のセンサ(220)に基づいて前記加熱要素(202)への電流を制御するように構成されている、条項10の航空機窓加熱システム(200)。
条項12
前記電力・モニタリングユニット(222)が、前記第2のセンサ(220)が所定の抵抗範囲内で動作しているか否かを判定するように構成され、前記コントローラ(208)は、前記第1のセンサ(218)と前記第2のセンサが前記所定の抵抗範囲内で動作していないときに、公称電流を前記加熱要素(202)に供給するように構成されている、条項11に記載の航空機窓加熱システム(200)。
条項13
窓加熱システム(200)内の窓(122)に熱を供給するための加熱要素(202)への電流を制御する方法(400)であって、
第1のセンサ(218)を用いて前記窓の抵抗値を測定すること(402)、
第2のセンサ(220)を用いて前記窓の抵抗値を測定すること(404)、
前記第1のセンサに関連付けられた第1のコンパレータ(234)を使用して前記第1のセンサの状態を特定して(406)、前記第1のセンサの条件が満たされているか否かを判定すること、
前記第2のセンサに関連付けられた第2のコンパレータ(236)を使用して前記第2のセンサの状態を特定して(408)、前記第2のセンサの条件が満たされているか否かを判定すること、
前記第1のコンパレータが前記第1のセンサの前記条件が満たされていると判定したときに、前記第1のセンサの前記抵抗値に基づいて前記加熱要素への電流フローを制御すること(410)、
前記第1のコンパレータが前記第1のセンサの前記条件が満たされていないと判定したとき、且つ、前記第2のコンパレータが前記第2のセンサの前記条件が満たされていると判定したときに、前記第2のセンサの前記抵抗値に基づいて前記加熱要素への電流フローを制御すること(412)、及び
前記第1のコンパレータと前記第2のコンパレータが、前記第1のセンサと前記第2のセンサの前記条件が満たされていないと判定したときに、公称量の電流フローを前記加熱要素に供給すること(414)を含む、方法(400)。
条項14
前記第1のコンパレータ(234)を使用して前記第1のセンサ(218)の状態を特定すること(406)が、前記第1のセンサの両側に直列で接続された第1の組の電流センサ(226aと226b)の感知された電流値を比較することを含み、前記第2のコンパレータ(236)を使用して前記第2のセンサ(220)の状態を特定すること(408)が、前記第2のセンサの両側に直列で接続された第2の組の電流センサ(230aと230b)の感知された電流値を比較することを含む、条項13に記載の方法(400)。
条項15
前記公称量の電流フローを供給すること(414)は、前記第1のコンパレータ(234)と前記第2のコンパレータ(236)が、前記第1の組の電流センサ(226aと226b)の前記感知された電流値と前記第2の組の電流センサ(230aと230b)の前記感知された電流値に基づいて、前記第1のセンサ(218)と前記第2のセンサ(220)の前記条件が満たされていないと判定したときに、前記公称量の電流フローを前記加熱要素(202)に供給することを含む、条項14に記載の方法(400)。
条項16
前記第1の組の電流センサ(226aと226b)の間において、感知された前記第1のセンサを流れる電流の差異が所定の範囲内にあるときに、前記第1のセンサ(218)の前記条件が満たされており、前記第2の組の電流センサ(230aと230b)の間において、感知された前記第2のセンサを流れる電流の差異が所定の範囲内にあるときに、前記第2のセンサ(220)の前記条件が満たされている、条項14に記載の方法(400)。
条項17
前記第1のセンサ(218)が所定の抵抗範囲内で動作しているか否かを判定すること、及び
前記第2のセンサ(220)が所定の抵抗範囲内で動作しているか否かを判定することを更に含む、条項13に記載の方法(400)。
条項18
前記第1のセンサ(218)の前記抵抗値に基づいて前記加熱要素(202)への電流フローを制御すること(410)が、前記第1のコンパレータ(234)が前記第1のセンサの前記条件が満たされていると判定したとき、且つ、前記第1のセンサが前記所定の抵抗範囲内で動作しているときに、前記第1のセンサの前記抵抗値に基づいて前記加熱要素への電流フローを制御することを含む、条項17に記載の方法(400)。
条項19
前記第2のセンサ(220)の前記抵抗値に基づいて前記加熱要素(202)への電流フローを制御すること(412)が、
a)前記第1のコンパレータ(234)が前記第1のセンサ(218)の前記条件が満たされていないと判定したとき、又は
b)前記第1のセンサが前記所定の抵抗範囲内で動作していないとき、且つ
c)前記第2のコンパレータ(236)が前記第2のセンサの前記条件が満たされていると判定したとき、且つ
d)前記第2のセンサが前記所定の抵抗範囲内で動作しているときに、前記第2のセンサの前記抵抗値に基づいて前記加熱要素への電流フローを制御することを含む、条項17に記載の方法。
条項20
前記第1のセンサ(218)又は前記第2のセンサ(220)の何れもが前記所定の抵抗範囲内で動作していていないときに、公称量の電流フローを前記加熱要素(202)に供給することを更に含む、条項17に記載の方法(400)。
【0056】
本明細書では、ベストモードを含む様々な実施形態を開示する実施例を使用しているため、当業者は、任意のデバイスやシステムの作成及び使用、並びに組込まれた任意の方法の実施を含む、それらの実施形態を実行することができる。特許性の範囲は、特許請求の範囲によって画定され、当業者が想到する他の例も含み得る。このような他の例は、それらが特許請求の範囲の文言と異ならない構成要素を有する場合、あるいは、それらが特許請求の範囲の文言とわずかに異なる均等な構成要素を有する場合は、特許請求の範囲の範囲内にあることを意図する。