(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-02-13
(45)【発行日】2023-02-21
(54)【発明の名称】電荷トラップスプリットゲートデバイス及びその製作方法
(51)【国際特許分類】
H10B 43/30 20230101AFI20230214BHJP
H01L 21/336 20060101ALI20230214BHJP
H01L 29/788 20060101ALI20230214BHJP
H01L 29/792 20060101ALI20230214BHJP
【FI】
H01L27/11568
H01L29/78 371
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2018235247
(22)【出願日】2018-12-17
(62)【分割の表示】P 2015547553の分割
【原出願日】2013-12-12
【審査請求日】2019-01-09
【審判番号】
【審判請求日】2021-08-24
(32)【優先日】2012-12-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】522029730
【氏名又は名称】インフィニオン テクノロジーズ エルエルシー
【氏名又は名称原語表記】Infineon Technologies LLC
【住所又は居所原語表記】198 Champion Court, San Jose, CA 95134, United States of America
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】チェン,チュン
(72)【発明者】
【氏名】ファン,シェンチン
(72)【発明者】
【氏名】キム,ウンスーン
(72)【発明者】
【氏名】ラムスベイ,マーク
(72)【発明者】
【氏名】チャン,クオ,トゥン
(72)【発明者】
【氏名】ハダド,サメール
【合議体】
【審判長】河本 充雄
【審判官】鈴木 聡一郎
【審判官】小田 浩
(56)【参考文献】
【文献】特開2003-309193(JP,A)
【文献】特開2010-67645(JP,A)
【文献】特開2006-19373(JP,A)
【文献】特開2012-69652(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/336
H01L 27/11568
H01L 29/788
H01L 29/792
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
スプリットゲートデバイスであって、
基板上に配置される選択ゲートと、
前記基板上に配置されるメモリゲートと、
2つの酸化物層の間に配置された電荷トラップ層を含み、かつ、前記メモリゲートと前記基板との間に配置される第1の部分と、前記選択ゲートの内部側壁に沿って配置される第2の部分とを有して、前記選択ゲートを前記メモリゲートから隔てる誘電体構造と、
前記選択ゲート上に配置される第1のケイ化物層と、
前記メモリゲート上に配置される第2のケイ化物層と、
前記メモリゲートの内部側壁に沿って、前記選択ゲートの上方に形成され、前記選択ゲートの上面の上に延びる前記メモリゲートの前記内部側壁の一部を
直接覆うスペーサと、
を含み、
前記スペーサは、前記第1のケイ化物層の上面の一部上に直接配置され、かつ、前記誘電体構造における前記選択ゲート側に配置された酸化物層及び前記電荷トラップ層のみの上に配置され、
前記スペーサは、前記誘電体構造における前記選択ゲート側に配置された酸化物層及び前記電荷トラップ層の両方の上面全体を覆う、
スプリットゲートデバイス。
【請求項2】
前記メモリゲートの高さは、前記選択ゲートの高さよりも高い、請求項1に記載のスプリットゲートデバイス。
【請求項3】
前記メモリゲートの上面は、前記選択ゲートの上面よりも高い位置にある、請求項1に記載のスプリットゲートデバイス。
【請求項4】
前記スペーサは、前記メモリゲートから前記第1のケイ化物層を絶縁する、請求項1に記載のスプリットゲートデバイス。
【請求項5】
前記選択ゲート及び前記メモリゲートの外部側壁に隣接して配置される外部スペーサを更に有する、請求項1に記載のスプリットゲートデバイス。
【請求項6】
コア領域と周辺領域に分割された基板を備えるデバイスであって、
前記コア領域は、前記基板上に形成される少なくとも1つのメモリデバイスを含み、
それぞれの前記メモリデバイスは、
前記基板上のメモリゲートに隣接して配置される選択ゲートと、
2つの酸化物層の間に配置された電荷トラップ層を含み、かつ、前記メモリゲートの直下に配置される第1の部分と、前記選択ゲートと前記メモリゲートの間に配置されて前記選択ゲートを前記メモリゲートから隔てる第2の部分を有する誘電体構造と、
前記選択ゲート上に配置される第1のケイ化物層と、
前記メモリゲート上に配置される第2のケイ化物層と、
前記選択ゲートの上方に形成され、前記メモリゲートと前記選択ゲートを互いに絶縁し、前記第1のケイ化物層の上面の一部上に直接配置され、かつ、前記誘電体構造における前記選択ゲート側に配置された酸化物層及び前記電荷トラップ層のみの上に配置される、スペーサと、を含み、
前記スペーサは、前記誘電体構造における前記選択ゲート側に配置された酸化物層及び前記電荷トラップ層の両方の上面全体を覆い、
前記スペーサは、前記メモリゲートの内部側壁に沿って、前記選択ゲートの上方に形成され、前記選択ゲートの上面の上に延びる前記メモリゲートの前記内部側壁の一部を直接覆い、
前記周辺領域は、前記基板上に形成される、少なくとも1つの第1の型のトランジスタと、少なくとも1つの第2の型のトランジスタと、を含み、
前記少なくとも1つの第1の型のトランジスタにおける第1のゲート絶縁体は、前記少なくとも1つの第2の型のトランジスタにおける第2のゲート絶縁体よりも厚い、
デバイス。
【請求項7】
前記少なくとも1つの第1の型のトランジスタは、高電圧トランジスタであり、前記少なくとも1つの第2の型のトランジスタは、低電圧トランジスタである、請求項6記載のデバイス。
【請求項8】
前記高電圧トランジスタは、高電圧ゲートを有し、前記低電圧トランジスタは、低電圧ゲートを有し、前記高電圧ゲートの上面は、前記低電圧ゲートの上面と略同等の高さ位置を有する、請求項7記載のデバイス。
【請求項9】
前記高電圧ゲート及び前記低電圧ゲートの上面は、前記選択ゲートの上面と略同等の高さ位置を有する、請求項8記載のデバイス。
【請求項10】
前記メモリゲートの上面は、前記選択ゲートの上面よりも高い位置にある、請求項6記載のデバイス。
【請求項11】
前記誘電体構造は、L字状をなし、前記第2の部分は実質的に垂直であり、前記第1の部分は実質的に水平であり、前記第1及び第2の部分は一体に形成される、請求項6記載のデバイス。
【請求項12】
複数のメモリセルを含むメモリアレイ、及び、周辺回路を備えるシステムオンチップデバイスであって、
前記メモリセルのそれぞれは、
基板上のメモリゲートに隣接して配置される選択ゲートであって、前記メモリゲートの上面は、前記選択ゲートの上面よりも高い位置にある、選択ゲートと、
2つの酸化物層の間に配置された電荷トラップ層を含み、かつ、前記メモリゲートの直下に配置される第1の部分と、前記選択ゲートと前記メモリゲートの間に配置されて前記選択ゲートを前記メモリゲートから隔てる第2の部分を有する誘電体構造と、
前記選択ゲート上に配置される第1のケイ化物層と、
前記メモリゲート上に配置される第2のケイ化物層と、
前記選択ゲートの上方に形成され、前記メモリゲートと前記選択ゲートを互いに絶縁し、前記第1のケイ化物層の上面の一部上に直接配置され、かつ、前記誘電体構造における前記選択ゲート側に配置された酸化物層及び前記電荷トラップ層のみの上に配置される、スペーサと、
を含み、
前記スペーサは、前記誘電体構造における前記選択ゲート側に配置された酸化物層及び前記電荷トラップ層の両方の上面全体を覆い、
前記スペーサは、前記メモリゲートの内部側壁に沿って、前記選択ゲートの上方に形成され、前記選択ゲートの上面の上に延びる前記メモリゲートの前記内部側壁の一部を直接覆い、
前記周辺回路は、
複数の第1のトランジスタであって、前記第1のトランジスタのそれぞれは、第1のゲートの直下に配置される第1のゲート絶縁体と含む、前記複数の第1のトランジスタと、
複数の第2のトランジスタであって、前記第2のトランジスタのそれぞれは、第2のゲートの直下に配置される第2のゲート絶縁体と含む、前記複数の第2のトランジスタと、を含み、
前記第1のゲート絶縁体は、前記第2のゲート絶縁体よりも厚く、前記第1及び第2のゲートは、略同等の高さ位置を有する、
システムオンチップデバイス。
【請求項13】
前記メモリアレイ及び前記周辺回路は、単一の基板に埋め込まれる、請求項
12記載のシステムオンチップデバイス。
【請求項14】
前記メモリセルの前記選択ゲート、前記第1のトランジスタの前記第1のゲート、及び、前記第2のトランジスタの前記第2のゲートは、前記選択ゲート、前記第1のゲート、及び、前記第2のゲートの上面が略同等の高さ位置を有するように、同じ材料で同時に形成される、請求項
12記載のシステムオンチップデバイス。
【請求項15】
前記第1のトランジスタは、20Vまでの電圧を扱うことが可能な高電圧トランジスタであり、前記第2のトランジスタは、低電圧トランジスタであり、前記高電圧トランジスタは、前記低電圧トランジスタよりも長いゲート長を有する、請求項
12記載のシステムオンチップデバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
背景
発明の分野
本開示は、一般的には不揮発性メモリに関する。
【背景技術】
【0002】
背景技術
不揮発性メモリ(例えば、フラッシュ)を使用して一般に実施されるサポートメモリを有する高度論理構成要素(例えば、マイクロコントローラ)を提供する需要が高まりつつある。一般に、サポートメモリを提供する2つの手法が存在する。一手法は、高度論理構成要素及びメモリ構成要素を別個の半導体チップ上に製作し、通信インタフェースを介して別個のチップをインタフェースして、非モノリシック設計を生成することを含む。別の手法は、高度論理構成要素及びメモリ構成要素を、埋め込みメモリ設計として知られている設計で同じ半導体チップ上に集積することを含む。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
一般に、速度、セキュリティ、及び消費電力考慮事項に関して、埋め込みメモリ設計のほうが非モノリシック設計よりも好ましいが、埋め込みメモリ設計は、同じ半導体チップ上に高度論理構成要素及びメモリ構成要素を製作する集積プロセスが必要である。
【課題を解決するための手段】
【0004】
概要
実施形態は、スプリットゲートデバイス、スプリットゲートデバイスを製作する方法、並びにスプリットゲートデバイス及び周辺デバイスを製作する集積方法を提供する。一実施形態では、スプリットゲートデバイスは、電荷トラップスプリットゲートデバイスであり、電荷トラップ層を含む。別の実施形態では、スプリットゲートデバイスは不揮発性メモリセルであり、単独で実施形態により形成することができるか、又は周辺デバイスと共に埋め込むことができる。
【0005】
図面の簡単な説明
添付図面は、本明細書に組み込まれ、本明細書の一部をなし、本開示を示すと共に、説明と共に、本開示の原理を説明し、当業者が本開示を製作し使用できるようにする役割を更に果たす。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【
図1】スプリットゲート不揮発性メモリセルの一例を示す。
【
図2】
図1に示されるメモリセルの回路図の一例を示す。
【
図3】同じ基板に埋め込まれたメモリ回路及び周辺回路の両方を含む半導体デバイスの一例を示す。
【
図4A】一実施形態によるスプリットゲートデバイスを製作する方法での様々なステップ例を示す断面図の一つである。
【
図4B】一実施形態によるスプリットゲートデバイスを製作する方法での様々なステップ例を示す断面図の一つである。
【
図4C】一実施形態によるスプリットゲートデバイスを製作する方法での様々なステップ例を示す断面図の一つである。
【
図4D】一実施形態によるスプリットゲートデバイスを製作する方法での様々なステップ例を示す断面図の一つである。
【
図4E】一実施形態によるスプリットゲートデバイスを製作する方法での様々なステップ例を示す断面図の一つである。
【
図4F】一実施形態によるスプリットゲートデバイスを製作する方法での様々なステップ例を示す断面図の一つである。
【
図4G】一実施形態によるスプリットゲートデバイスを製作する方法での様々なステップ例を示す断面図の一つである。
【
図4H】一実施形態によるスプリットゲートデバイスを製作する方法での様々なステップ例を示す断面図の一つである。
【
図4I】一実施形態によるスプリットゲートデバイスを製作する方法での様々なステップ例を示す断面図の一つである。
【
図4J】一実施形態によるスプリットゲートデバイスを製作する方法での様々なステップ例を示す断面図の一つである。
【
図5】一実施形態によるスプリットゲートデバイスの一例の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
本開示について添付図面を参照して説明する。一般に、ある要素が初めて現れる図面は通常、対応する参照符号の一番左側の桁によって示される。
【0008】
実施形態の詳細な説明
本明細書は、本発明の特徴を組み込んだ1つ又は複数の実施形態を開示する。開示される実施形態は、本発明を単に例示するものである。本発明の範囲は、開示される実施形態に限定されない。本発明は、本明細書に添付される特許請求の範囲によって規定される。
【0009】
説明され、本明細書において「一実施形態」、「実施形態」、「実施形態例」等と参照される実施形態は、説明される実施形態が、特定の特徴、構造、又特性を含み得るが、あらゆる実施形態が必ずしも、その特定の特徴、構造、又は特性を含む必要があるわけではないことを示す。さらに、そのような語句は必ずしも同じ実施形態を参照するわけではない。さらに、特定の特徴、構造、又は特性が一実施形態に関連して説明される場合、明示的に説明されるか否かに関係なく、そのような特徴、構造、又は特性を他の実施形態に関連して実施することが当業者の知識内であることが理解される。
【0010】
図1は、一実施形態による一例としてのスプリットゲート不揮発性メモリセル100を示す。メモリセル100は、シリコン等の基板102上に形成される。基板102は一般にp型又はp型ウェルであり、一方、第1のドープソース/ドレイン領域104及び第2のドープソース/ドレイン領域106はn型である。しかし、基板102がn型であり、一方、領域104及び106がp型であることも可能である。
【0011】
メモリセル100は2つのゲート、すなわち、選択ゲート108及びメモリゲート110を含む。各ゲートは、ゲート構造体を画定する周知の、例えば、堆積及びエッチング技法によって形成されるドープ多結晶シリコン(ポリ)層であり得る。選択ゲート108は、誘電層112上に配置される。メモリゲート110は、1つ又は複数の誘電層からなる電荷トラップ誘電体114上に配置される。一例では、電荷トラップ誘電体114は、2つの二酸化ケイ素層の間に挟まれた窒化ケイ素層を含み、まとめて一般に「ONO」と呼ばれる3層積層を作成する。他の電荷トラップ誘電体は、シリコン豊富な窒化物膜又は様々な当量のシリコン、酸素、及び窒素を含むが、これらに限定されない任意の膜を含み得る。
【0012】
垂直誘電体116も、選択ゲート108とメモリゲート110との間に配置されて、2つのゲート間を電気的に絶縁する。幾つかの例では、垂直誘電体116及び電荷トラップ誘電体114は同じ誘電体であり、一方、他の例では、一方の誘電体は他方の誘電体の前に形成される(すなわち、異なる誘電特性を有することができる)。したがって、垂直誘電体116は、電荷トラップ誘電体114と同じ膜構造を含む必要はない。
【0013】
領域104及び106は、例えば、イオン注入技法を使用してドーパントを注入することによって作成される。領域104及び106は、それぞれに印加される電圧に応じてスプリットゲートトランジスタのソース又はドレインを形成する。スプリットゲートトランジスタでは、便宜上、相対バイアスに関係なく、領域104は一般にドレインと呼ばれ、一方、領域106は一般にソースと呼ばれる。この説明が一般的なスプリットゲート構造の概説を提供することが意図され、実際用途では、最終的なメモリセル100を形成するために、多くのより詳細なステップ及び層が提供されることを理解されたい。
【0014】
これより、メモリセル100に関連するため、書き込み、読み出し、及び消去動作例について説明する。ビットをメモリセル100に書き込むために、例えば、5ボルトオーダの正電圧が領域106に印加され、一方、領域104及び基板102は接地される。例えば、1.5ボルトオーダの低い正電圧が、選択ゲート108に印加され、一方、例えば、8ボルトオーダのより高い正電圧がメモリゲート110に印加される。電子は、ソースとドレインとの間のチャネル領域内で加速するにつれ、電子の幾つかは上方に注入されて、電荷トラップ誘電体114内部に捕獲されるのに十分なエネルギーを取得する。これはホット電子注入として知られている。電荷トラップ誘電体114の一例では、電子は電荷トラップ誘電体114の窒化物層内に捕獲される。この窒化物層は一般に、電荷トラップ層とも呼ばれる。電荷トラップ誘電体114内に捕獲された電荷は、様々な供給電圧がなくなった後であっても、メモリセル100内に「ハイ」ビットを記憶する。
【0015】
メモリセル100内に蓄えられた電荷を「消去」し、メモリセル100の状態を「ロー」ビットに戻すために、例えば、5ボルトオーダの正電圧が領域106に印加され、一方、領域104は浮遊するか、又は特定のバイアスにされ、選択ゲート108及び基板102は通常、接地される。例えば、-8ボルトオーダの高い負電圧がメモリゲート110に印加される。メモリゲート110と領域106との間のバイアス状況は、バンド間トンネルを通過する正孔を生成する。生成された正孔は、メモリゲート110下の強電場によって十分にエネルギー付与され、電荷トラップ誘電体114内に向けて上方に注入される。注入された正孔は効率的に、メモリセル100を消去して、「ロー」ビット状態にする。
【0016】
メモリセル100の記憶ビットを「読み出す」ために、例えば、0V~3Vの範囲の低電圧が、選択ゲート108、メモリゲート110、及び領域104のそれぞれに印加され、一方、領域106及び基板102は通常、接地される。メモリゲート110に印加される低電圧は、「ハイ」ビットを記憶する場合にトランジスタをオンにするのに必要な閾値電圧及び「ロー」ビットを記憶する場合にトランジスタをオンにするのに必要な閾値電圧から略等距離のところにあるように選ばれて、2つの状態を明確に区別する。例えば、「読み出し」動作中に低電圧を印加して、かなりの電流を領域104と106との間に流す場合、メモリセル100は「ロー」ビットを保持し、「読み出し」動作中に低電圧を印加しても、領域104と106との間にかなりの電流が流れない場合、メモリセル100は「ハイ」ビットを保持する。
【0017】
図2は、半導体デバイスの様々な金属層への接続を含むメモリセル100の一例としての回路
図200を示す。単一のメモリセル100しか示されていないが、X方向及びY方向の両方での楕円から明らかなように、メモリセルのアレイを、X方向及びY方向の両方に延びる様々な線によって接続し得る。このようにして、使用されるビット線(BL)及びソース線(SL)に基づいて、ビットの読み出し、書き込み、及び消去を行うために、1つ又は複数のメモリセル100を選択し得る。
【0018】
ソース線(SL)の一例は、X方向に沿って延び、第1の金属層(M1)に形成される。ソース線(SL)は、X方向に延びる行に沿って各メモリセル100のドープ領域106に電気接続するために使用し得る。
【0019】
ビット線(BL)の一例は、Y方向に沿って延び、第2の金属層(M2)に形成される。ビット線(BL)は、Y方向に延びる列に沿って各メモリセル100のドープ領域104に電気接続するために使用し得る。
【0020】
図2に示される回路接続が単なる例であり、様々な接続を、示されるものとは異なる金属層で行うことも可能なことを理解されたい。さらに、示されていないが、メモリセル100は、Z方向にも同様に配列されて、複数の積層内に形成されてもよい。
【0021】
一般に、通常、メモリセル100等のメモリセルを使用して実施されるサポートメモリ構成要素を有する高度論理構成要素(例えば、マイクロコントローラ)を提供することに対する需要がある。一般に、メモリ構成要素を提供する2つの手法が存在する。一手法は、高度論理構成要素及びメモリ構成要素を別個の半導体チップ上に製作し、通信インタフェースを介して別個のチップをインタフェースして、非モノリシック設計を生成することを含む。別の手法は、高度論理及びメモリ構成要素を、埋め込みメモリ設計として知られている設計で同じ半導体チップ上に集積することを含む。一般に、速度及び消費電力考慮事項に関して、埋め込みメモリ設計のほうが非モノリシック設計よりも好ましいが、埋め込みメモリ設計は、同じ半導体チップ上に高度論理構成要素及びメモリ構成要素を製作する集積プロセスが必要である。
【0022】
図3は、同じ基板に埋め込まれるメモリ及び周辺回路を含む、一例としての半導体デバイス300を示す。周辺回路は、上述したような高度論理構成要素を含み得る。デバイス300は一般にシステムオンチップ(SOC)として知られている。この例では、基板102は、コア領域302と、周辺領域304とを含む。コア領域302は、上述したメモリセルと同様に動作し得る複数のメモリセル100を含む。
図3の断面が単なる例示であり、コア領域302及び周辺領域304を基板102の任意のエリアに配置し得ることを理解されたい。さらに、コア領域302及び周辺領域304は、基板102の同じ一般エリアに存在することもある。
【0023】
周辺領域304は、レジスタ、キャパシタ、インダクタ等の集積回路構成要素並びにトランジスタを含み得る。図示の実施形態では、周辺領域304は、複数の高電圧トランジスタ306及び低電圧トランジスタ308を含む。高電圧トランジスタ306は、例えば、最高で20Vまでの電圧を扱うことが可能であり、一方、低電圧トランジスタ308は、より高速で動作するが、高電圧トランジスタ306と同じ高電圧で動作することはできない。一実施形態では、低電圧トランジスタ308は、高電圧トランジスタ306よりも短いゲート長を有するように設計される。高電圧トランジスタ306は一般に、低電圧トランジスタ308のゲート誘電体よりも厚いゲート誘電体310を有することを特徴とする。
【0024】
スプリットゲートデバイス(例えば、メモリセル100)を周辺デバイス(例えば、トランジスタ306又は308)に集積する既存のプロセスは、スプリットゲートデバイスの選択ゲート(例えば、選択ゲート108)を基板のコア領域(例えば、コア領域302)に形成し、それと同時に、周辺デバイスのゲートを基板の周辺領域(例えば、周辺領域304)に形成することと、コア領域及び周辺領域の両方に酸化物下層、電荷トラップ層、及び遮断誘電層を形成することと、スプリットゲートデバイスのメモリゲート(例えば、メモリゲート110)を形成することと、次に、基板の周辺領域において遮断誘電層及び電荷トラップ層を剥がすこととを含む。
【0025】
周辺デバイスのゲートは、スプリットゲートデバイスの選択ゲートと同時に形成されるため、周辺デバイスのゲートは、酸化物下層、電荷トラップ層、及び遮断誘電層の堆積/成長プロセスステップに露出されるとともに、続く誘電遮断層及び電荷トラップ層の除去ステップに露出される。この露出は通常、周辺デバイスゲート(の長さ)を狭め、結果として生成される周辺デバイス(特に短ゲートデバイス)の性能を大きく低下させるとともに、デバイスにわたる望ましくないプロセスのばらつきが生じる。
【0026】
以下に更に説明する実施形態は、スプリットゲートデバイスを製作する方法と、スプリットゲートデバイス及び周辺デバイスを製作する集積方法とを提供する。一実施形態では、スプリットゲートデバイスは、電荷トラップスプリットゲートデバイスである。実施形態は、既存の集積プロセスの上記問題を有さない。
図4A~
図4Jは、一実施形態による製作方法の様々な例示的ステップを示す断面図である。
【0027】
製作方法の説明は、
図4Aを参照して開始され、
図4Aは、基板402に作成されたデバイス分離トレンチ(例えば、シャロートレンチアイソレーション(STI))構成物408を有する基板402(例えば、シリコン基板)と、基板402上に配置されるパッド酸化物層404と、パッド酸化物層404上に配置される窒化ケイ素層406とを示す。
【0028】
一般に、
図4Aに示される断面は、まず、パッド酸化物層404を基板層402上に配置し、その後、窒化ケイ素層406を配置することによって得られる。パッド酸化物層404、窒化ケイ素層406、及び基板402は次に、パターニングされエッチングされて、トレンチを形成し、トレンチは次に、酸化物(例えば、STI酸化物)で充填されて、トレンチ構成物408を形成する。続けて、
図4Aに示されていないステップにおいて、窒化ケイ素層406及びパッド酸化物層404が除去され(例えば、ウェットエッチング)、ゲート酸化物層(薄い層及び/又は厚い層)を基板402から成長させる。
【0029】
幾つかの場合、パッド酸化物層404の除去ステップは、
図4Aで符号440で示される領域において、トレンチ構成物408(通常、これも酸化物)の劣化も生じさせる。その結果、ゲート酸化物層を続けて、基板402から成長させるとき、ゲート酸化物層は、領域440の近傍で、基板の他の領域よりも薄くなる。ゲート酸化物厚のこのばらつきは、厚いゲート酸化物を基板402から成長させる場合に特に問題であり、高電圧状況下で、続けて形成されるデバイスのゲートが領域440で破損するおそれがある。
【0030】
一実施形態では、この問題に対処するために、トレンチ構成物408は、ゲート酸化物層(薄い層及び/又は厚い層)を基板402から成長させた後、形成される。したがって、この実施形態では、厚いゲート酸化物層(及び任意選択的に薄いゲート酸化物層)を、窒化ケイ素層406が基板402上に配置される前に、基板402の各領域から成長させる。窒化ケイ素層406、ゲート酸化物層(成長させる場合)、及び基板402は次に、パターニングされエッチングされて、トレンチを形成し、次に、トレンチには酸化物(例えば、STI酸化物)で充填され、トレンチ構成物408を形成する。次に、窒化ケイ素層406は除去される。
【0031】
これより
図4Bを参照すると、薄いゲート酸化物層410及び厚い酸化物層412が、基板402の各領域に配置される。上述したように、一実施形態では、薄いゲート酸化物層410及び厚いゲート酸化物層412は、トレンチ構成物408を形成する前に作成される。一実施形態では、薄いゲート酸化物層410及び厚いゲート酸化物層412を作成するために、所望の高電圧用途に適切な厚さを有するゲート酸化物層をまず、基板402から成長させ、次に、ゲート酸化物層がエッチングされて、基板402の所望の場所に薄いゲート酸化物層410及び厚いゲート酸化物層412を形成する。
【0032】
続けて、第1の導電(例えば、ポリ)層414が基板402上に配置(例えば、堆積)され、ハードマスク層416が第1の導電層414上に配置(例えば、堆積)される。一実施形態では、ハードマスク層416は、第1の層418及び第2の層420を含む。第1の層418及び第2の層420は、例えば、酸化物、窒化物、又はシリコンの任意の組み合わせとすることができる。
【0033】
続けて、
図4Cに示されるように、フォトレジストマスク(
図4Cに示されず)が、基板402の第1の領域442及び第2の領域444に選択的に作成される(例えば、標準のリソグラフィステップを使用して)。一実施形態では、第1の領域442は、スプリットゲートデバイスが最終的に形成されるコア領域(例えば、コア領域302)に対応し、第2の領域444は、周辺デバイスが最終的に形成される周辺領域(例えば、周辺領域304)に対応する。簡潔にするために、トレンチ構成物408は、
図4Cの第1の領域442に示されていない。
【0034】
次に、ハードマスク層416(のみ)が、フォトレジストマスクに従ってエッチング(例えば、ドライエッチング)され、第1のハードマスクゲートパターンを基板402の第1の領域442上に形成し、第2のハードマスクゲートパターンを第2の領域444上に形成する。次に、フォトレジストマスクは剥がされ、ウェットクリーニングが実行され、それから、別のフォトレジストマスク422が作成されて、
図4Cに示されるように第2の領域444(又はその一部)を覆う。
【0035】
次に、
図4Dに示されるように、第1の導電層414が、第1の領域442上の第1のハードマスクゲートパターンに従ってエッチング(例えば、ドライエッチング)されて、スプリットゲートデバイスの1つ又は複数の第1のゲート446を形成する。一実施形態では、第1のゲート446は、スプリットゲートデバイスの選択ゲートに対応する。なお、第1の導電層414のエッチングの実行に、第1の領域442上のフォトレジストマスクは必要なく、その理由は、この場合、第1のハードマスクゲートパターンがマスク均等物を提供するためである。しかし、その結果、ハードマスク層416のいくらかは、第1の領域442において腐食する。例えば、
図4Dに示されるように、第1のゲート446上の第1の導電層414のエッチング後、ハードマスク層416の第2の層420を完全になくし得、ハードマスク層416の第1の層418の幾らかのみが残り得る。逆に、
図4Cに示されるように、第2の領域444はフォトレジストマスク422によって保護されるため、ハードマスク層416は、第2の領域444では、第1の導電層414のエッチングによる影響を受けない。次に、フォトレジストマスク422は剥がされ、ウェットクリーニングが実行される。
【0036】
続けて、
図4Eに示されるように、誘電体が基板402全体上に形成される。特に、誘電体は、第1の領域442に形成される第1のゲート446及び第2の領域444における第2のハードマスクゲートパターン上に形成される。一実施形態では、誘電体は、1つ又は複数の誘電層を含む。例えば、誘電体は、2つの二酸化ケイ素層の間に挟まれた窒化ケイ素層を含み、まとめて一般に「ONO」と呼ばれる3層積層を作成し得る。一実施形態では、窒化ケイ素層は、電荷トラップスプリットゲートデバイスでの電荷トラップ層として使用される。シリコンが豊富な窒化物膜又は様々な当量でシリコン、酸素、及び窒素を含むが、これらに限定されない任意の膜を含む他の電荷トラップ誘電体を使用することもできる。
【0037】
一実施形態では、
図4Eに示されるように、誘電体は、酸化物下層424、窒化物層426、及び酸化物上層428を含む。誘電体を形成するために、酸化物下層424を基板402全体にわたって成長させる。一実施形態では、
図4Eに示されるように、酸化物下層424を最小限に成長させてもよく、又はハードマスク材料が上にある基板402の領域では成長させなくてよい。次に、窒化物層426が、酸化物下層424上に形成(例えば、堆積)され、酸化物上層428が、窒化物層426上に形成(例えば、成長又は堆積)される。
【0038】
次に、
図4Fに示されるように、第2の導電(例えば、ポリ)層が、基板402全体にわたる誘電体上に配置(例えば、堆積)される。次に、フォトレジストマスク432が作成されて、第2の領域444を覆い、第2の導電層は、
図4Fに示されるように、領域442においてエッチング(例えば、異方性ドライエッチング)される。一実施形態では、第2の導電層は、誘電体の酸化物上層428が露出されるまで、エッチングされる。したがって、第2の導電層のエッチングにより、各第1のゲート446の第1及び第2の側壁のそれぞれに第2の導電層の第1及び第2の構成物430が生成される。次に、フォトレジストマスク432が剥がされ、ウェットクリーニングが実行される。
【0039】
次に、
図4Gに示されるように、フォトレジストマスク434が、各第1のゲート446の周囲の第1及び第2の構成物430の一方又は他方がフォトレジストマスク434によって覆われるように作成される。次に、第2の導電層は、基板402全体にわたってエッチング(例えば、ドライエッチング)される。第2の導電層のエッチングにより、各第1のゲート446の覆われていない構成物430が除去される。各第1のゲート446の残りの構成物430は、スプリットゲートデバイスの第2のゲート(例えば、メモリゲート)に対応する(以下、第2のゲート430と呼ぶ)。第2の導電層のエッチングにより、第2の領域444から第2の導電層も除去されて、誘電体を再露出させる。
【0040】
次に、
図4Hに示されるように、フォトレジストマスク434は剥がされ、酸化物上層428及び窒化物層426が、基板402全体にわたる上面から除去(例えば、ウェットエッチング)される。特に、酸化物上層428及び窒化物層426は、各第1のゲート446の上面から除去され、第1のゲート446の上面上の任意の残っているハードマスク層(例えば、ハードマスク層の第1の層418の残り)を露出させる。別の実施形態では、ハードマスク層は、このステップで第1のゲート446の上面に残らず、第1のゲート446の第1の導電層414が露出される。第2の領域444にわたり、酸化物上層428及び窒化物層426の除去により、第1の層418及び第2の層420を有するハードマスク層416を露出させる。
【0041】
プロセスのこの時点で、スプリットゲートデバイスが形成され、スプリットゲートデバイスは、第1のゲート446(第1の導電層414によって提供される)及び第2のゲート430(第2の導電層構成物430によって提供される)を有するとともに、酸化物下層424、窒化物層426、及び酸化物上層428によって提供される誘電体を有して、第1及び第2のゲートの内向き側壁を分離する。しかし、周辺デバイスはまだ形成されておらず、周辺デバイスは、第2の領域444にわたって形成されている第2のハードマスクゲートパターン及びまだパターニングされていない第1の導電層414のみを有する。
【0042】
次に、
図4Iに示されるように、フォトレジストマスク436が形成されて、第1の領域442を覆う。一実施形態では、フォトレジストマスク436は、
図4Iに示されるように、第2の領域444にわずかに延びる。次に、第1の導電層414が、第2の領域444上の第2のハードマスクゲートパターンに従ってエッチングされて、周辺デバイスゲート448を形成する。なお、第1の導電層414のエッチングを実行するために、第2の領域444上のフォトレジストマスクは必要なく、その理由は、この場合、第2のハードマスクゲートパターンがマスク均等物を提供するためである。しかし、その結果、ハードマスク層416の幾らかは、第2の領域444において腐食する。例えば、
図4Iに示されるように、周辺デバイスゲート448上の第1の導電層414のエッチング後、ハードマスク層416の第2の層420を完全になくし得、ハードマスク層416の第1の層418の幾らかのみが残り得る。
【0043】
次に、
図4Jに示されるように、フォトレジストマスク436は剥がされ、ウェットクリーニングが実行され、それから、スペーサ層が、基板402上全体に形成(例えば、堆積)される。スペーサ層は、酸化物層及び/又は窒化物層を含み得る。次に、スペーサ層はエッチング(例えば、異方性ドライエッチング)されて、第1及び第2のスペーサ438をスプリットゲートデバイスの各側壁に形成する。第3のスペーサ450も、スペーサ層のエッチングによって第1のゲート446上に形成される。第3のスペーサ450は、第1のゲートの上面の上に延びる第2のゲート430の内部側壁の一部を覆う。
【0044】
最後に、ケイ化物層440が形成される。一実施形態では、ケイ化物層440は、金属を基板402全体上に堆積させ、次に、ウェーハを、ケイ化物を形成するために、金属と任意の露出されたシリコンとの化学反応を促進させる温度に露出させることによって形成される。したがって、ケイ化物層440は、
図4Jに示されるように、第1のゲート446、第2のゲート430、及び基板402の露出領域上に形成される。一実施形態では、ケイ化物層440は、第1のゲート446及び第2のゲート430の抵抗を低減して、読み出し、書き込み、又は消去をより高速にするように構成される。
【0045】
上述したように、
図4A~
図4Jは、一実施形態による、スプリットゲートデバイス及び周辺デバイスを製作する集積方法の単なる例示的なステップを表す。これらの例示的なステップは、説明のために提供され、実施形態の限定ではない。本明細書における教示に基づいて当業者には理解されるように、実施形態による方法は、上述したステップ数よりも少数又は多数のステップを含み得、上述された任意のステップは、当業者に明らかになる様々な他の方法で実行することも可能である。
【0046】
図5は、一実施形態による一例としてのスプリットゲートデバイス500の断面図である。例としてのスプリットゲートデバイス500は、説明のために提供され、実施形態の限定ではない。例としてのスプリットゲートデバイス500は、
図4A~
図4Jにおいて上述したプロセスを使用して実現することができ、それにより、周辺デバイスも、例としてのスプリットゲートデバイス500と一緒に形成される。代替的には、例としてのスプリットゲートデバイス500は、単独のスプリットゲートデバイスを生成するプロセスを使用して実現することができる。
【0047】
図5に示されるように、例としてのスプリットゲートデバイス500は、第1及び第2のドープ領域524及び526を有する基板502上に形成される。スプリットゲートデバイス500は、第1のゲート504(例えば、選択ゲート)と、第2のゲート506(例えば、メモリゲート)と、第2のゲート506と基板502との間に配置される第1の部分及び第1のゲート504の内部側壁に沿って配置される第2の部分を有して、選択ゲート504をメモリゲート506から分離する誘電体(3つの層508、510、及び512で作られる)とを含む。
【0048】
一実施形態では、第1のゲート504及び第2のゲート506は、同じであってもよく、又は同じでなくともよい第1及び第2の複数の材料から作られる。誘電体は、1つ又は複数の誘電層を含み得る。例えば、誘電体はONO型のものであり得、これは、2つの二酸化ケイ素層の間に挟まれる窒化ケイ素層を含む。一実施形態では、窒化ケイ素層は、電荷トラップスプリットゲートデバイスであるスプリットゲートデバイス500を生成する電荷トラップ層として使用される。シリコンが豊富な窒化物膜又は様々な当量でシリコン、酸素、及び窒素を含むが、これらに限定されない任意の膜を含む他の電荷トラップ誘電体を使用してもよい。
【0049】
スプリットゲートデバイス500は、第1のゲート504及び第2のゲート506のそれぞれ上に配置される第1及び第2のケイ化物層516及び514、第1のゲート504及び第2のゲート506のそれぞれの外部側壁に沿って配置される第1及び第2のスペーサ520及び518、並びに第2のゲート506の内部側壁に沿って第1のゲート504上に形成される第3のスペーサ522も含む。第3のスペーサ522は、第1のゲート504の上面の上に延びる第2のゲート506の内部側壁の一部を覆う。実施形態によれば、第3のスペーサ522は、第2のゲート506の高さが第1のゲート504よりも高く、第1のゲート504が平面(第2のゲート506のような傾斜面よりもむしろ)を有することに起因して、形成することができる。第3のスペーサ522は、形成時、ケイ化物層514及び516が互いに接触しないようにする(互いの接触は、第1のゲート504及び第2のゲート506に短絡を形成させることになり得る)。
【0050】
実施形態について、指定された機能の実施及びその関係を示す機能構築ブロックを使用して上述した。これらの機能構築ブロックの境界は、説明の便宜のために、本明細書では任意に定義されている。指定された機能及びその関係が適宜実行される限り、代替の境界を定義することが可能である。
【0051】
したがって、特定の実施形態の上記説明は、当分野の当業者の知識を適用することにより、本開示の一般概念から逸脱せずに、過度の実験なしで、そのような特定の実施形態を様々な用途に向けて容易に変更し、且つ/又は適合することができる本開示の一般的な性質を完全に明らかにするであろう。したがって、そのような適合形態及び変更形態は、本明細書に提示される教示及び指針に基づいて、開示される実施形態の均等物の意味及び範囲内にあることが意図される。本明細書での語句及び用語は、教示及び指針に鑑みて当業者によって解釈されるように、限定ではなく説明を目的とすることを理解されたい。
【0052】
本開示の実施形態の広さ及び範囲は、上述された例示的な実施形態のいずれによっても限定されるべきではなく、以下の特許請求の範囲及びその均等物に従ってのみ規定されるべきである。