(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-02-13
(45)【発行日】2023-02-21
(54)【発明の名称】グロメット
(51)【国際特許分類】
H02G 3/22 20060101AFI20230214BHJP
B60R 16/02 20060101ALI20230214BHJP
H01B 17/58 20060101ALI20230214BHJP
F16L 5/02 20060101ALI20230214BHJP
【FI】
H02G3/22
B60R16/02 622
H01B17/58 C
F16L5/02 A
(21)【出願番号】P 2019039636
(22)【出願日】2019-03-05
【審査請求日】2022-01-06
(73)【特許権者】
【識別番号】000006895
【氏名又は名称】矢崎総業株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】000157083
【氏名又は名称】トヨタ自動車東日本株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002000
【氏名又は名称】弁理士法人栄光事務所
(72)【発明者】
【氏名】池田 晋一
(72)【発明者】
【氏名】木村 光利
(72)【発明者】
【氏名】彦坂 僚三
(72)【発明者】
【氏名】小林 俊和
(72)【発明者】
【氏名】久保田 悠一
(72)【発明者】
【氏名】大門 達矢
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 大樹
【審査官】神田 太郎
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-010638(JP,A)
【文献】特開2009-225509(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02G 3/22
B60R 16/02
H01B 17/58
F16L 5/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ワイヤハーネスが挿通される外装筒部と、パネルに装着されるパネル装着部と、を備えたグロメットであって、
前記パネル装着部は、
前記パネルに形成された取付孔に嵌め込まれて前記パネルに組付けられる凹状のフード部と、
前記フード部の一面側を塞ぐように設けられた面状部と、
前記面状部から引き出される前記ワイヤハーネスの周面に沿って前記フード部と反対側へ延在されて前記ワイヤハーネスに固定される一対の支持片を有するハーネス支持部と、
を備え、
前記面状部は、
前記ハーネス支持部の根元部分に形成され、前記ワイヤハーネスが通される前記支持片同士の隙間に繋がるように前記支持片の配列と直交する方向へ膨出する開口部と、
前記ハーネス支持部及び前記開口部の外周を囲うように周方向にわたって径方向に交互に形成された山部と谷部とからなる蛇腹部と、
を有
し、
前記面状部の径方向に交互に形成された山部と谷部は、前記開口部の外周側のみに存在する
ことを特徴とするグロメット。
【請求項2】
前記開口部は、
前記ハーネス支持部側に形成された大径部と、
前記大径部よりも小さい曲率半径を有し、前記大径部の周縁の一部に連続して形成された小径部と、
を有する
ことを特徴とする請求項1に記載のグロメット。
【請求項3】
前記開口部の縁部に、補強リブが形成され、
前記補強リブが前記支持片に連設されている
ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載のグロメット。
【請求項4】
前記パネル装着部は、正面視において、引き出される前記ワイヤハーネスの曲げ方向に直交する方向に長い外形を有している
ことを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載のグロメット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、グロメットに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、自動車等の車両の車体とドアとの間に配索されるワイヤハーネスは、可撓性を有するグロメットに通されることで保護されるとともに防水性が確保される。
【0003】
グロメットとしては、ワイヤハーネスが挿通される小径筒部と、小径筒部から外側に拡がるとともに小径筒部の軸方向に延びるように形成される拡径筒部と、拡径筒部の内周面から径方向内側に張出して拡径筒部を閉鎖する閉鎖面部と、閉鎖面部から軸方向一方側に延びてワイヤハーネスが挿通される補助筒部とを備え、閉鎖面部が、周方向に延びる山部と谷部とが交互に設けられた蛇腹部を有しているものがある(例えば、特許文献1参照)。このグロメットでは、ワイヤハーネスが通された補助筒部を支持する閉鎖面部に蛇腹部が設けられているため、ワイヤハーネスの引出方向に柔軟に追従させることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、ワイヤハーネスの引出箇所の近傍に構造体等がある場合では、ワイヤハーネスの配索経路が急激に曲がる経路となる。この場合、ワイヤハーネスが挿通された補助筒部も急激に曲げる必要があるが、閉鎖面部に蛇腹部を形成した程度では、補助筒部の急激な曲げに追従させることが困難となる。
【0006】
上記特許文献1に記載のグロメットでは、閉鎖面部に径方向へ沿うスリットが形成されていることから、蛇腹部が容易に変形して急激な曲げに対してある程度追従可能であると思われる。しかし、このグロメットでは、閉鎖面部における蛇腹部の形成箇所にわたってスリットが形成されていることで、ワイヤハーネスの急激な曲げ状態によって閉鎖面部が弛んで補助筒部が垂れ下がってしまい、ワイヤハーネスの支持が不安定となってしまう。
【0007】
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、引出状態に関わらず良好にワイヤハーネスの曲げに追従させることができ、しかも、ワイヤハーネスを安定して支持することが可能なグロメットを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前述した目的を達成するために、本発明に係るグロメットは、下記(1)~(4)を特徴としている。
(1) ワイヤハーネスが挿通される外装筒部と、パネルに装着されるパネル装着部と、を備えたグロメットであって、
前記パネル装着部は、
前記パネルに形成された取付孔に嵌め込まれて前記パネルに組付けられる凹状のフード部と、
前記フード部の一面側を塞ぐように設けられた面状部と、
前記面状部から引き出される前記ワイヤハーネスの周面に沿って前記フード部と反対側へ延在されて前記ワイヤハーネスに固定される一対の支持片を有するハーネス支持部と、
を備え、
前記面状部は、
前記ハーネス支持部の根元部分に形成され、前記ワイヤハーネスが通される前記支持片同士の隙間に繋がるように前記支持片の配列と直交する方向へ膨出する開口部と、
前記ハーネス支持部及び前記開口部の外周を囲うように周方向にわたって径方向に交互に形成された山部と谷部とからなる蛇腹部と、
を有し、
前記面状部の径方向に交互に形成された山部と谷部は、前記開口部の外周側のみに存在する
ことを特徴とするグロメット。
(2) 前記開口部は、
前記ハーネス支持部側に形成された大径部と、
前記大径部よりも小さい曲率半径を有し、前記大径部の周縁の一部に連続して形成された小径部と、
を有する
ことを特徴とする(1)に記載のグロメット。
(3) 前記開口部の縁部に、補強リブが形成され、
前記補強リブが前記支持片に連設されている
ことを特徴とする(1)または(2)に記載のグロメット。
(4) 前記パネル装着部は、正面視において、引き出される前記ワイヤハーネスの曲げ方向に直交する方向に長い外形を有している
ことを特徴とする(1)から(3)のいずれか一つに記載のグロメット。
【0009】
上記(1)の構成のグロメットによれば、面状部の蛇腹部が伸縮することで、ハーネス支持部に支持されたワイヤハーネスの曲げに追従させることができる。したがって、パネル装着部の外形の変形を抑えることができ、パネルの取付孔における良好なシール性を確保することができる。
特に、引き出されるワイヤハーネスが急激に曲げられて配索されるような場合であっても、ハーネス支持部の根元に開口部を有するので、面状部を円滑に弾性変形させて曲げに追従させることができる。しかも、蛇腹部がハーネス支持部及び開口部の外周を囲うように設けられているので、蛇腹部にわたってスリットを形成したものと比べ、面状部に適度な剛性を持たせて弛みなく弾性変形させることができる。これにより、ワイヤハーネスの良好な支持状態を維持させつつハーネス支持部をワイヤハーネスの曲げに追従させることができる。
上記(2)の構成のグロメットによれば、大径部によって蛇腹部の柔軟性を高めて面状部の良好な柔軟性を確保することができ、しかも、小径部によって面状部の過度な弾性変形を抑えてワイヤハーネスの急激な曲げによる面状部の弛みを抑制することができる。
上記(3)の構成のグロメットによれば、支持片に連設する補強リブを開口部の縁部に形成することで、ハーネス支持部の根元部分を補強して剛性を高め、面状部の弛みをさらに抑制することができる。
上記(4)の構成のグロメットによれば、蛇腹部における伸び代を大きくでき、ワイヤハーネスの曲げに対して良好に追従させることができる。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、引出状態に関わらず良好にワイヤハーネスの曲げに追従させることができ、しかも、ワイヤハーネスを安定して支持することが可能なグロメットを提供できる。
【0011】
以上、本発明について簡潔に説明した。更に、以下に説明される発明を実施するための形態(以下、「実施形態」という。)を添付の図面を参照して通読することにより、本発明の詳細は更に明確化されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】
図1は、本実施形態に係るグロメットの斜視図である。
【
図2】
図2は、本実施形態に係るグロメットを示す図であって、
図2(a)は側面図、
図2(b)は正面図である。
【
図3】
図3は、本実施形態に係るグロメットを示す図であって、
図3(a)は
図2(b)におけるA-A断面図、
図3(b)は
図2(b)におけるB-B断面図である。
【
図4】
図4は、グロメットの装着状態を示す図であって、
図4(a)は側面図、
図4(b)は正面図である。
【
図5】
図5は、グロメットの装着状態を示す
図4(b)におけるC-C断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明に係る実施の形態の例を、図面を参照して説明する。
図1は、本実施形態に係るグロメットの斜視図である。
図2は、本実施形態に係るグロメットを示す図であって、
図2(a)は側面図、
図2(b)は正面図である。
図3は、本実施形態に係るグロメットを示す図であって、
図3(a)は
図2(b)におけるA-A断面図、
図3(b)は
図2(b)におけるB-B断面図である。
【0014】
図1から
図3に示すように、本実施形態に係るグロメット10は、複数本の電線を束ねた電線束からなるワイヤハーネスWに装着されるもので、ゴムまたはエラストマー等の弾性材料によって一体成形されている。
【0015】
グロメット10は、パネル装着部11と、外装筒部12とを備えており、パネル装着部11に外装筒部12が一体に形成されている。外装筒部12は、チューブ状に形成されており、パネル装着部11に連設されている。外装筒部12には、ワイヤハーネスWが挿通されており、ワイヤハーネスWは、その外周側が外装筒部12によって覆われて保護される。外装筒部12は、蛇腹形状に形成されて軸方向に伸縮可能とされている。
【0016】
グロメット10は、例えば、自動車等の車両のボディやドアのパネルPに形成された取付孔Paに対してパネル装着部11が嵌め込まれることでパネルPに組付けられる。パネルPの取付孔Paは、長円形状に形成されており、この取付孔Paに嵌め込まれるパネル装着部11も、正面視で長円形状に形成されている。
【0017】
グロメット10のパネル装着部11は、フード部21と、面状部22と、ハーネス支持部23とを備えている。
【0018】
フード部21は、周壁部24と、底壁部25とを有する凹状に形成されており、底壁部25に外装筒部12が連設されている。周壁部24には、外周側へ張り出す環状の基部26が形成されており、この基部26における底壁部25側の根元には、係合溝部27が形成されている。パネル装着部11をパネルPの取付孔Paへ嵌め込むことで、係合溝部27には、パネルPの取付孔Paの縁部が係合される。これにより、グロメット10がパネルPに対してシール性を確保しつつ装着される。
【0019】
面状部22は、フード部21の周壁部24における底壁部25と反対側に設けられている。これにより、凹状に形成されたフード部21は、底壁部25と反対側である一面側が面状部22で覆われて塞がれている。
【0020】
ハーネス支持部23は、面状部22の中心位置に設けられている。ハーネス支持部23は、一対の支持片31を有している。これらの支持片31は、面状部22に連設されており、フード部21に対して外装筒部12と反対側に延在されている。これらの支持片31は、互いに隙間Gをあけて配置されており、それぞれの対向側が凹む断面視円弧状に形成されている。
【0021】
このハーネス支持部23には、支持片31同士の隙間Gに、外装筒部12に通されてパネル装着部11から引き出されるワイヤハーネスWが通される。そして、このハーネス支持部23では、支持片31とともにワイヤハーネスWにテープTが巻回され、これにより、ワイヤハーネスWがハーネス支持部23に固定されて支持される。ハーネス支持部23に支持されたワイヤハーネスWは、パネル装着部11の幅方向へ曲げて配索可能とされている。つまり、グロメット10は、そのパネル装着部11が、正面視において、ワイヤハーネスWの曲げ方向に直交する方向に長い縦長形状の外形を有している。
【0022】
面状部22は、薄肉の膜状に形成されている。この面状部22は、開口部41と、蛇腹部45とを有している。
【0023】
開口部41は、ハーネス支持部23の支持片31同士の隙間Gに繋がるようにハーネス支持部23の両側に形成されている。この開口部41は、面状部22における支持片31の根元部分において、支持片31の配列と直交する方向へ膨出するように形成されている。この開口部41は、大径部42と、小径部43とを有している。小径部43は、大径部42よりも曲率半径が小さくされている。大径部42は、支持片31側に形成されており、小径部43は、各支持片31の中間位置において、大径部42の周縁の一部に連続して形成されている。また、大径部42と小径部43とを有する開口部41には、その縁部にハーネス支持部23の延在方向へ突出する補強リブ44が形成されている。この補強リブ44は、ハーネス支持部23のそれぞれの支持片31に連設されている。
【0024】
蛇腹部45は、山部46と、谷部47とを有している。断面視において、山部46は、面状部22におけるハーネス支持部23の延在方向である表面側に突出され、谷部47は、面状部22におけるハーネス支持部23の延在方向と反対側の裏面側へ凹まされている。これらの山部46及び谷部47は、それぞれ周方向にわたって形成されている。蛇腹部45は、面状部22の中央位置に設けられたハーネス支持部23及び開口部41の外周を囲うように形成されている。
【0025】
次に、本実施形態に係るグロメット10を設置する場合について説明する。
まず、ワイヤハーネスWにグロメット10を装着する。具体的には、ワイヤハーネスWを、グロメット10の外装筒部12に挿通させる。そして、パネル装着部11の面状部22に設けられたハーネス支持部23の支持片31同士の隙間GからワイヤハーネスWを引き出し、この引き出したワイヤハーネスWに対して、支持片31とともにテープTを巻回し、ワイヤハーネスWをハーネス支持部23に固定する。
【0026】
次に、外装筒部12をパネルPの取付孔Paへ挿し込み、グロメット10のパネル装着部11を取付孔Paに嵌め込んで取付孔Paの縁部を係合溝部27に係合させる。これにより、グロメット10をパネルPに組付ける。パネルPにグロメット10を組付けたら、グロメット10のパネル装着部11から引き出したワイヤハーネスWを予め設定された経路に合わせて配索する。
【0027】
図4は、グロメットの装着状態を示す図であって、
図4(a)は側面図、
図4(b)は正面図である。
図5は、グロメットの装着状態を示す
図4(b)におけるC-C断面図である。
【0028】
例えば、車両等のドアの内部にグロメット10のパネル装着部11から引き出したワイヤハーネスWを配索する場合、グロメット10のパネル装着部11に対してワイヤハーネスWの引出箇所の近傍にガラスなどの構造体が配置される場合がある。
【0029】
このような場合、
図4(a)(b)及び
図5に示すように、構造体Sと干渉しないように、グロメット10のパネル装着部11から引き出したワイヤハーネスWを急激に曲げて配索する必要がある。このように、グロメット10のパネル装着部11から引き出したワイヤハーネスWを急激に曲げると、ワイヤハーネスWに固定されたハーネス支持部23は、曲げの外側の支持片31が強く引っ張られるとともに、曲げの内側の支持片31が強く圧縮される。すると、パネル装着部11の面状部22は、支持片31の引っ張り及び圧縮によって弾性変形する。具体的には、曲げの外側では、蛇腹部45の山部46及び谷部47が引き伸ばされて面状部22が手前に引き出される。また、曲げの内側では、蛇腹部45の山部46及び谷部47が互いに押し付けられるように圧縮されて面状部22が押し込められる。
【0030】
このように、本実施形態に係るグロメット10では、面状部22の蛇腹部45が伸縮することで、ハーネス支持部23に支持されたワイヤハーネスWの曲げに追従させることができる。したがって、パネル装着部11の外形の変形を抑えることができ、パネルPの取付孔Paにおける良好なシール性を確保することができる。
【0031】
特に、引き出されるワイヤハーネスWが急激に曲げられて配索されるような場合であっても、ハーネス支持部23の根元に開口部41を有するので、面状部22を円滑に弾性変形させて曲げに追従させることができる。しかも、蛇腹部45がハーネス支持部23及び開口部41の外周を囲うように設けられているので、蛇腹部にわたってスリットを形成したものと比べ、面状部22に適度な剛性を持たせて弛みなく弾性変形させることができる。これにより、ワイヤハーネスWの良好な支持状態を維持させつつハーネス支持部23をワイヤハーネスWの曲げに追従させることができる。
【0032】
また、開口部41は、ハーネス支持部23側に形成された大径部42と、大径部42よりも小さい曲率半径を有して大径部42の周縁の一部に連続して形成された小径部43とを有している。したがって、大径部42によって蛇腹部45の柔軟性を高めて面状部22の良好な柔軟性を確保することができ、しかも、小径部43によって面状部22の過度な弾性変形を抑えてワイヤハーネスWの急激な曲げによる面状部22の弛みを抑制することができる。
【0033】
また、ハーネス支持部23の各支持片31に連設する補強リブ44が開口部41の縁部に形成されているので、ハーネス支持部23の根元部分を補強して剛性を高め、面状部22の弛みをさらに抑制することができる。
【0034】
また、パネル装着部11は、正面視において、引き出されるワイヤハーネスWの曲げ方向に直交する方向に長い縦長形状の外形を有している。したがって、蛇腹部45における伸び代を大きくでき、ワイヤハーネスWの曲げに対して良好に追従させることができる。
【0035】
尚、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、適宜、変形、改良、等が可能である。その他、上述した実施形態における各構成要素の材質、形状、寸法、数、配置箇所、等は本発明を達成できるものであれば任意であり、限定されない。
【0036】
ここで、上述した本発明に係るグロメットの実施形態の特徴をそれぞれ以下[1]~[4]に簡潔に纏めて列記する。
[1] ワイヤハーネス(W)が挿通される外装筒部(12)と、パネル(P)に装着されるパネル装着部(11)と、を備えたグロメット(10)であって、
前記パネル装着部(11)は、
前記パネル(P)に形成された取付孔(Pa)に嵌め込まれて前記パネル(P)に組付けられる凹状のフード部(21)と、
前記フード部(21)の一面側を塞ぐように設けられた面状部(22)と、
前記面状部(22)から引き出される前記ワイヤハーネス(W)の周面に沿って前記フード部(21)と反対側へ延在されて前記ワイヤハーネス(W)に固定される一対の支持片(31)を有するハーネス支持部(23)と、
を備え、
前記面状部(22)は、
前記ハーネス支持部(23)の根元部分に形成され、前記ワイヤハーネス(W)が通される前記支持片(31)同士の隙間(G)に繋がるように前記支持片(31)の配列と直交する方向へ膨出する開口部(41)と、
前記ハーネス支持部(23)及び前記開口部(41)の外周を囲うように周方向にわたって径方向に交互に形成された山部(46)と谷部(47)とからなる蛇腹部(45)と、
を有する
ことを特徴とするグロメット。
[2] 前記開口部(41)は、
前記ハーネス支持部(23)側に形成された大径部(42)と、
前記大径部(42)よりも小さい曲率半径を有し、前記大径部(42)の周縁の一部に連続して形成された小径部(43)と、
を有する
ことを特徴とする[1]に記載のグロメット。
[3] 前記開口部(41)の縁部に、補強リブ(44)が形成され、
前記補強リブ(44)が前記支持片(31)に連設されている
ことを特徴とする[1]または[2]に記載のグロメット。
[4] 前記パネル装着部(11)は、正面視において、引き出される前記ワイヤハーネス(W)の曲げ方向に直交する方向に長い外形を有している
ことを特徴とする[1]から[3]のいずれか一つに記載のグロメット。
【符号の説明】
【0037】
10:グロメット
11:パネル装着部
12:外装筒部
21:フード部
22:面状部
23:ハーネス支持部
31:支持片
41:開口部
42:大径部
43:小径部
44:補強リブ
45:蛇腹部
46:山部
47:谷部
G:隙間
P:パネル
Pa:取付孔
W:ワイヤハーネス