(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-02-13
(45)【発行日】2023-02-21
(54)【発明の名称】粒子の搬送用のシュート管
(51)【国際特許分類】
B65G 11/00 20060101AFI20230214BHJP
B65G 11/20 20060101ALI20230214BHJP
【FI】
B65G11/00 A
B65G11/20 Z
(21)【出願番号】P 2019109185
(22)【出願日】2019-06-12
【審査請求日】2022-05-13
(73)【特許権者】
【識別番号】000222174
【氏名又は名称】東洋エンジニアリング株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100087642
【氏名又は名称】古谷 聡
(74)【代理人】
【識別番号】100098408
【氏名又は名称】義経 和昌
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 啓史
【審査官】福島 和幸
(56)【参考文献】
【文献】特許第5840870(JP,B2)
【文献】実開昭52-75277(JP,U)
【文献】実開平6-8204(JP,U)
【文献】実開昭55-33891(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65G 11/00
B65G 11/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
粒子の搬送用のシュート管であって、
前記シュート管が、
粒子の投入口を有する投入用シュート管と、
前記投入用シュート管よりも鉛直方向に低い位置であり、かつ水平方向に異なる位置に配置され、粒子の分配機能、粒子の分級機能および粒子の運搬機能から選ばれる1または2以上の機能を有する後続設備に接続される排出用シュート管と、
前記投入用シュート管と前記排出用シュート管の間を斜め方向に接続している中間シュート管のうち、少なくとも前記中間シュート管を有しているものであり、
前記投入用シュート管と前記排出用シュート管を有しているときのそれらの幅方向の断面形状が四角形であり、
前記中間シュート管が、第1傾斜面と第2傾斜面の組み合わせから形成される段差のない溝を有しており、
前記溝が、断面形状が三角形の隣接する二辺に相当する形状のものであ
り、
前記中間シュート管の第1傾斜面と第2傾斜面において、前記溝の幅を狭くして、前記粒子が前記溝の中心部により流れ易くするための1または複数の整流板が配置されている、粒子の搬送用のシュート管。
【請求項2】
前記中間シュート管の溝を含む断面形状が、
四角形の一辺側が三角形の隣接する二辺に相当する形状のものである第1形態、
正方形のいずれか一つの角部分が鉛直方向に位置するように配置された形状のものである第2形態、および
三角形のいずれか一つの角部が鉛直方向に位置するように配置された形状のものである第3形態から選ばれるものである、請求項1に記載の粒子の搬送用シュート管。
【請求項3】
前記溝部分の断面形状における角度が45度~130度である、請求項1または2記載の粒子の搬送用のシュート管。
【請求項4】
前記中間シュート管の中心軸と水平方向の間の角度が30度~90度未満の範囲である、請求項1~3のいずれか1項記載の粒子の搬送用のシュート管。
【請求項5】
粒子の分配機能、粒子の分級機能および粒子の運搬機能から選ばれる1または2以上の機能を有する後続設備が、ディバイダー、篩い、コンベアまたはそれらの組み合わせである、請求項1~
4のいずれか1項記載の粒子の搬送用のシュート管。
【請求項6】
前記粒子が吸湿性粒子である、請求項1~
5のいずれか1項記載の粒子の搬送用シュート管。
【請求項7】
前記粒子が実質的に粒径0.5~5mmの範囲の尿素粒子である、請求項1~
6のいずれか1項記載の粒子の搬送用シュート管。
【請求項8】
前記請求項1~
7のいずれか1項記載の粒子搬送用シュート管と、前記粒子搬送用シュート管の排出口に接続された前記後続設備を有しており、粒子の搬送と前記後続設備の機能に応じた処理ができる粒子の搬送装置。
【請求項9】
請求項
8記載の粒子の搬送と前記後続設備の機能に応じた処理ができる粒子の搬送装置を使用する粒子の処理方法であって、
前記後続設備が、粒子を分配するためのディバイダー、粒子を分級するための篩または粒子を運搬するためのコンベアであり、
搬送および分配対象となる粒子を前記粒子の搬送用シュート管に投入する第1段階と、
前記粒子を、前記中間シュート管を経て前記ディバイダー、前記篩または前記コンベアに送り、複数の搬送管に所望割合量ずつを分配するか、粒子を分級するか、または粒子を運搬する第2段階を有しており、
前記第2段階において粒子が中間シュート管を通過するとき、前記粒子の全量が、第1傾斜面と第2傾斜面の組み合わせから形成される溝に沿って移動してディバイダー、篩またはコンベアに導入された後、分配、分級または運搬される、粒子の処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、粒子の搬送用のシュート管、前記粒子の搬送用のシュート管を含む粒子の搬送および分配装置、前記粒子の搬送および分配装置を使用した粒子の搬送および分配方法に関する。
【背景技術】
【0002】
粒子を搬送するための手段として、シュート管が汎用されている。
特許文献1の
図4には、シュート61、搬送コンベア62、バケットコンベアを備えた水添石油樹脂ペレットを搬送するための搬送部6が示されている。
シュート61は、水平面に対して44度~75度の範囲に傾斜されていること、複数の緩衝板64が取り付けられていることが記載されている。
【0003】
特許文献2には、一端から他端に向かって下り傾斜に配設された搬送シュートを備えた樋状搬送装置であって、搬送シュートの搬送面には、複数の段差が搬送方向に所定の間隔で形成されている搬送装置の発明が記載されている。この搬送装置の搬送シュートの搬送面は、断面形状がV字であり、複数の段差と組み合わせることで搬送時の摩擦を小さくすることができるものであり、棒付き冷菓の搬送に特化したものになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特許第5840870号公報
【文献】特開昭60-36207号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、粒子の搬送および分配作業に使用する粒子の搬送用のシュート管、前記粒子の搬送用のシュート管を含む粒子の搬送および分配装置、前記粒子の搬送および分配装置を使用した粒子の搬送および分配方法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、 粒子の搬送用のシュート管であって、
前記シュート管が、
粒子の投入口を有する投入用シュート管と、
前記投入用シュート管よりも鉛直方向に低い位置であり、かつ水平方向に異なる位置に配置され、粒子の分配機能、粒子の分級機能および粒子の運搬機能から選ばれる1または2以上の機能を有する後続設備に接続される排出用シュート管と、
前記投入用シュート管と前記排出用シュート管の間を斜め方向に接続している中間シュート管のうち、少なくとも前記中間シュート管を有しているものであり、
前記投入用シュート管と前記排出用シュート管を有しているときのそれらの幅方向の断面形状が四角形であり、
前記中間シュート管が、第1傾斜面と第2傾斜面の組み合わせから形成される段差のない溝を有しており、
前記溝が、断面形状が三角形の隣接する二辺に相当する形状のものである、粒子の搬送用のシュート管、前記粒子の搬送用のシュート管を含む、粒子の搬送と前記後続設備の機能に応じた処理ができる粒子の搬送装置、前記粒子の搬送装置を使用した粒子の処理方法を提供する。
【発明の効果】
【0007】
本発明の粒子の搬送用のシュート管は、中間シュート管の作用により粒子を狭い流れにまとめて搬送できるため、ディバイダーにおいて所望割合で分配することが容易にでき、また篩やコンベアなどの後続設備に粒子を偏りなく導入することで、後続設備の性能を適切に発揮することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本発明の粒子の搬送用のシュート管を含む、粒子の搬送および分配装置の正面図。
【
図2】
図1のII-II線間の矢視断面図であり、(a)~(c)は、それぞれ断面形状の異なる実施形態を示している。
【
図3】(a)は
図2(a)の断面形状の中間シュート管に整流板を設置したときの平面図、(b)は(a)の正面図。
【
図5】
図3とは整流板の配置形態が異なる中間シュート管の平面図。
【発明を実施するための形態】
【0009】
<粒子の搬送用のシュート管と、それを使用する粒子の搬送装置>
本発明の粒子の搬送用のシュート管(以下、単に「シュート管」という)を図面により説明する。
図1に示すシュート管1は、投入用シュート管10、中間シュート管20、排出用シュート管35を有している実施形態が示されている。
本発明においては中間シュート管20が必須であり、投入用シュート管10と排出用シュート管35は、シュート管1によって接続される設備間の高低差に応じて、中間シュート管20と組み合わせて使用することができるものである。
シュート管1の材質は特に制限されるものではなく、ステンレスなどの金属、合成樹脂などを使用することができるが、ステンレスが好ましい。
シュート管1の大きさや厚さは、搬送される粒子の流量や、要求される強度に応じて適宜調整することができる。
【0010】
本発明のシュート管1において搬送および分配対象となる粒子の種類は特に制限されるものではなく、有機物であっても、無機物であってもよく、例えば、粒径が0.5mm~10mmの範囲の球状の粒子または球状に近似した粒子を対象とすることができる。例えば、尿素粒子の輸送に適用することができる。
【0011】
投入用シュート管10の上部は、搬送および分配対象となる粒子を投入するための投入口11と接続されている。
投入口11は、投入用シュート管10の端部開口部を投入口とすることができるほか、粒子を投入しやすくするため、必要に応じて前記端部開口部を拡張したり、漏斗状の別部材を取り付けたりすることもでき、別部材の投入口11は、投入用シュート管10に固定されているものでもよいし、着脱自在のものでもよい。
投入用シュート管10は、幅方向の断面形状は中間シュート管に接続可能な形状あれば特に限定されないが製作上好ましくは四角形である。
投入用シュート管10は、中心軸が鉛直方向(
図1中のX方向)になるように配置されているが、中心軸が斜め方向(
図1中のX方向に対して斜め方向)になるように配置されていてもよい。
投入用シュート管10の長さは、シュート管1で接続される設備間の高低差に応じて調整される長さであり、中間シュート管20の長さよりも十分に短いことが好ましい。
なお、投入用シュート管が設けられない場合は中間シュート管に投入口11が接続される。
【0012】
排出用シュート管35は、投入用シュート管10よりも鉛直方向に低い位置であり、投入用シュート管10より水平方向(
図1中のY方向であり、X方向に対して垂直方向)に異なる位置に配置されている。
排出用シュート管35は、中心軸が鉛直方向(
図1中のX方向)になるように配置されているが、中心軸が斜め方向(
図1中のX方向に対して斜め方向)になるように配置されていてもよい。
排出用シュート管35は、幅方向の断面形状は中間シュート管20、ディバイダー40に接続可能であればどのような形状でもよいが、製作上好ましくは四角形である。
排出用シュート管35の長さは、シュート管1で接続される設備間の高さに応じて調整される長さであり、中間シュート管20の長さよりも十分に短いことが好ましい。
排出用シュート管35は、粒子の搬送および分配装置では、粒子の分配機能を有するディバイダー40に接続される。
排出用シュート管35が設けられない場合は中間シュート管にディバイダー40が接続される。
図1では、中間シュート管20は排出用シュート管35を介してディバイダー40に接続されているが、直接または排出用シュート管35を介して粒子の分級機能を有する篩に接続することができるほか、直接または排出用シュート管35を介して粒子の運搬機能を有するコンベアなど様々な後続設備に接続することもできる。
またディバイダー40、篩、コンベアなどの設備を複数組み合わせて後続設備として使用することもできる。
【0013】
中間用シュート管20は、投入用シュート管10と排出用シュート管35の間を斜め方向に接続しているものである。
中間シュート管20と水平方向(Y方向)との間の角度(α)は30度~90度未満の範囲にすることができ、40度~60度の範囲が好ましい。
【0014】
中間シュート管20は、第1傾斜面21と第2傾斜面22の組み合わせから形成される段差のない溝23を有している。溝23は、中間シュート管20の鉛直方向側の下部に位置している。
第1傾斜面21と第2傾斜面22はいずれも平面であり、溝23には段差は存在していない。
溝23に段差が存在すると、段差によって構成されるシュート材の角部に粒子が接触することによって、製品である粒子が損傷したり、それに伴いダストが発生したりしやすくなるという問題が生じる。これは、搬送する粒子の硬度が低いほどより顕著な問題となる。
【0015】
溝23は、断面形状が三角形の隣接する二辺に相当する形状で搬送される粒子が溝23に集まるように形成されるものであればよく、溝23を含む中間シュート管20は、次の第1形態~第3形態のいずれかの形態であることが好ましい。
(第1形態)
図2(a)に示すとおり、断面形状が長方形または正方形の一辺側が三角形の隣接する二辺(第1傾斜面21と第2傾斜面22に相当する二辺)に相当する形状(ホームベース型)のものである形態。
図2(a)に示す第1形態は、第1傾斜面21から延ばされた第1側壁面20a、第1側壁面20aと幅方向に対向している、第2傾斜面22から延ばされた第2側壁面20b、天面20cを有している。
(第2形態)
図2(b)に示すとおり、正方形のいずれか一つの角部分(溝23に相当する部分)が鉛直方向(
図1のX方向)に位置するように配置された形状のものである形態。
図2(b)に示す第2形態は、第1傾斜面21と第2傾斜面22のほか、第1傾斜面21側の第1傾斜天面20d、第2傾斜面22側の第2傾斜天面20eを有している。
(第3形態)
図2(c)に示すとおり、正三角形のいずれか一つの角部分(溝23に相当する部分)が鉛直方向(
図1のX方向)に位置するように配置された形状のものである形態。
図2(c)に示す第3形態は、第1傾斜面21と第2傾斜面22のほか、天面20fを有している。
図2(c)は正三角形であるが正三角形である必要はなく、二等辺三角形、それ以外の三角形でもよい。
溝23の断面形状における角度(第1傾斜面21と第2傾斜面22の間の角度)は、粒子が滞留しないように搬送対象の粒子の安息角以上であればよく、45度~130度が好ましい。
【0016】
中間シュート管20の第1傾斜面21と第2傾斜面22の一方または両方においては、溝23の幅を狭くして、粒子が溝23内をより狭い幅で流れるようにするための複数の整流板が配置されていてもよい
図3(a)、(b)では、中間シュート管20の第1傾斜面21と第2傾斜面22の両方において、中間シュート管20の幅方向に対向する位置に第1整流板25と第2整流板30が対となるように配置されている。
第1整流板25と第2整流板30は、例えば2~10対を配置することができる。
【0017】
第1整流板25は、
図4に示すような平面形状が三角形の第1板状部材26と、平面形状が四角形の第2板状部材27を組み合わせからなるものであるが、全体が一つの板状部材からなるものでもよい。
第1板状部材26は、平面形状が二等辺三角形であるものが好ましく、二等辺三角形であるときは、長辺26a、第1短辺26bおよび第2短辺26cを有している。
第2板状部材27は、四辺の長さがそれぞれ異なっている四角形であり、四辺の長さは大きい順から第1長辺27c、第2長辺27a、第1短辺27b、第2短辺27dであり、第1短辺27bと第2短辺27dは対向する位置にあり、第1長辺27cは、第2長辺27aと第1短辺27bの両方に向いた位置にある。
第2長辺27aと第1短辺27bの間の角度は90度を超えており、第2長辺27aと第2短辺27dの間の角度は90度未満である。
【0018】
平面形状が二等辺三角形であるときの第1板状部材26は、長辺26aが第1傾斜面21に接しており、第1短辺26bは、中間シュート管20の第1傾斜面21および天面20cとの間に間隔をおいて配置されている。
第1板状部材26は、中間シュート20の長さ方向に直交する方向(中間シュート管20の幅方向)との間で形成される角度β1が、搬送対象となる粒子の安息角以上の角度になるように配置されることで、搬送される粒子が滞留することが防止されるようになっている。
第2板状部材27の第2長辺27aは、第1板状部材26の第2短辺26cと同じ長さであり、第2短辺26cと接触されている。
第2板状部材27の第1短辺27bは第1傾斜面21に接触されており、第2短辺27dは中間シュート管20の第1傾斜面21および天面20cとの間に間隔をおいて配置されている。
第2板状部材27は、中間シュート管20の長さ方向と同じ方向になるように配置されている。
第1板状部材26と第2板状部材27の接続面同士が接触する面と、第1板状部材26と第2板状部材27が第1傾斜面21と接触する面は、いずれも隙間無く接触できるように接触面が傾斜面になるように加工することが好ましい。
【0019】
第2整流板30は、第1整流板25と中間シュート管20の幅方向に対向する位置に配置されているものであり、第1整流板25とは向きが逆であるほかは同じ形状のものである。
第2整流板30は、
図4に示すような平面形状が三角形の第3板状部材31と、平面形状が四角形の第4板状部材32を組み合わせからなるものであるが、全体が一つの板状部材からなるものでもよい。
第3板状部材31は、平面形状が二等辺三角形であるものが好ましく、二等辺三角形であるときは、長辺31a、第1短辺31bおよび第2短辺31cを有している。
第4板状部材32は、四辺の長さがそれぞれ異なっている四角形であり、四辺の長さは大きい順から第1長辺32c、第2長辺32a、第1短辺32b、第2短辺32dであり、第1短辺32bと第2短辺32dは対向する位置にあり、第1長辺32cは、第2長辺32aと第1短辺32bの両方に向いた位置にある。
第2長辺32aと第1短辺32bの間の角度は90度を超えており、第2長辺32aと第2短辺32dの間の角度は90度未満である。
【0020】
平面形状が二等辺三角形であるときの第3板状部材31は、長辺31a側が第2傾斜面22に接しており、第1短辺31bは、中間シュート管20の第2傾斜面22および天面20cとの間に間隔をおいて配置されている。
第3板状部材31は、中間シュート20の長さ方向に直交する方向(中間シュート管20の幅方向)との間で形成される角度β2が、搬送対象となる粒子の安息角以上の角度になるように配置されることで、搬送される粒子が滞留することが防止されるようになっている。
第4板状部材32の第2長辺32aは、第3板状部材31の第2短辺31cと同じ長さであり、第2短辺31cと接続されている。
第4板状部材32の第2短辺32bは第1傾斜面21に接触されており、第2短辺32dは中間シュート管20の第2傾斜面22および天面20cとの間に間隔をおいて配置されている。
第4板状部材32は、中間シュート管20の長さ方向と同じ方向になるように配置されている。
第3板状部材31と第4板状部材32の接続面同士が接触する面と、第3板状部材31と第2板状部材32が第1傾斜面21と接触する面は、いずれも隙間無く接触できるように接触面が傾斜面になるように加工することが好ましい。
【0021】
第1整流板25と第2整流板30は、金属、合成樹脂からなるものを使用することができるが、中間シュート管20と同じ材質ものが好ましい。
第1整流板25と第2整流板30は、第1傾斜面21と第2傾斜面22に予め形成された取り付け溝に嵌め込むことで取り付けてもよく、この場合は、中間シュート管20は二分割できるようにするか、
図2(a)の形態であるときは天面20cが着脱自在のものにしてもよい。
また中間シュート管20、第1整流板25、第2整流板30がステンレスからなるものであるときは、中間シュート管20に対して第1整流板25と第2整流板30を溶接して固定する方法、上記のようにして第1整流板25(第1板状部材26と第2板状部材27)と第2整流板30(第1板状部材31と第2板状部材32)を取り付け溝に嵌め込んだ後、溶接して固定する方法を適用することができる。
なお、粒子の搬送に影響しないのであれば、第1整流板25の第1板状部材26と第2板状部材27は接触していればよく、溶接などで接続される必要は無く、同様に第2整流板30の第1板状部材31と第2板状部材32も溶接などで接続される必要は無い。
図3に示すとおり、第1傾斜面21と第2傾斜面22により形成される溝23は、中間シュート管20の幅方向に対向配置された第1整流板25と第2整流板30により先細り形状になっているため、搬送される粒子の流れがより狭い範囲に整えられた状態にしてディバイダー40(または篩、コンベアなどの後続設備)に送ることができる。
【0022】
図5は、中間シュート管20の第1傾斜面21と第2傾斜面22の両方において、長さ方向に交互になるように第1整流板25と第2整流板30が配置されているほかは、
図3と同じものである。
【0023】
排出用シュート管35の排出口には、粒子を分配するためのディバイダー40が接続されており、ディバイダー40には、ディバイダー40で分配された粒子を搬送するための第1搬送管51と第2搬送管52が接続されている。
後続設備として篩またはコンベアを使用するときは、ディバイダー40に代えて篩またはコンベアに接続される。
【0024】
<粒子の処理方法>
図1に示す粒子の搬送装置を使用する粒子の処理方法を説明する。
本発明の処理方法は、粒子の搬送と共に、後続設備の機能に応じた処理をするものである。
第1段階は、処理対象となる粒子を粒子の搬送用シュート管1に投入する段階である。
粒子の投入は、例えば昇降可能なバケットにより運ばれた所定量の粒子を、投入用シュート管10に接続された投入口11から投入する。
【0025】
第2段階は、投入口11から投入した粒子を、投入用シュート管10、中間シュート管20、排出用シュート管35を経て、ディバイダー40に送り、さらに第1搬送管51と第2搬送管52に所望割合ずつを分配する段階である。
第2段階において粒子が中間シュート管20を通過するとき、粒子の全量が、第1傾斜面21と第2傾斜面22の組み合わせから形成される溝23に沿って移動してディバイダー40に導入された後、分配される。
ディバイダー40で粒子を分配するとき、中間シュート管20の溝23を通過することで、粒子の全量が狭い流れにまとめられた状態でディバイダー40内に入るため、粒子をディバイダー40の中心付近に導入することができ、第1搬送管51と第2搬送管52のそれぞれに対して所望割合に分配することが容易になる。
第1搬送管51と第2搬送管52のそれぞれへの分配割合は、0%量~100%量となる範囲である。
また本発明の粒子の搬送および分配方法においては、狭い流れにまとめにくいことが考えられる比重の小さな粒子や粒径の小さな粒子を使用した場合であっても、中間シュート管20の溝23の作用によって、狭い流れにまとめられた状態でディバイダー40に導入されるため分配が容易になる。
ディバイダー40に代えて粒子の分級機能を有する篩を使用したときは、粒子がまとまった状態で篩の中央部に供給される。導入された粒子は篩面に均等に分散されることにより篩の全面が利用できることになるため、分級機能がより発揮されやすくなるので好ましい。一方、粒子が片流れして篩に導入されると、粒子が偏って流れる篩面においては過剰な粒子が流れることにより、また粒子の流れが少ない篩面においては粒子の分級に寄与しない面が発生することにより、所望の分級機能が発揮されないという問題が生じる。
またディバイダー40に代えて粒子の運搬機能を有するコンベアを使用したときは、粒子がまとまった状態でコンベア中央部に供給されるため、コンベアの運搬面から粒子がこぼれ落ちるという問題が生じることがないので好ましい。
【0026】
なお、中間シュート管20に代えて特許文献2(特開昭60-36207号公報)の断面がV字状の樋状で、かつ複数の段差のあるシュートを使用した場合には、段差によって構成されるシュート材の角部に粒子が接触することによって、製品である粒子が損傷したり、それに伴いダストが発生したりしやすくなるという問題が生じる。これは、搬送する粒子の硬度が低いほどより顕著な問題となる。
【産業上の利用可能性】
【0027】
本発明の粒子の搬送用のシュート管を含む粒子の搬送装置は、尿素粒子の搬送と、組み合わせる後続設備の機能に応じた処理ができる装置として利用することができる。
【符号の説明】
【0028】
1 粒子の搬送用のシュート管
10 投入用シュート管
11 投入口
20 中間シュート管
35 排出用シュート管
40 ディバイダー
51 第1搬送管
52 第2搬送管