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特許7227084地図情報生成装置、地図情報生成方法及び地図情報生成プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-02-13
(45)【発行日】2023-02-21
(54)【発明の名称】地図情報生成装置、地図情報生成方法及び地図情報生成プログラム
(51)【国際特許分類】
   G01C 21/28 20060101AFI20230214BHJP
   G08G 1/13 20060101ALI20230214BHJP
   G09B 29/10 20060101ALI20230214BHJP
   G09B 29/00 20060101ALI20230214BHJP
【FI】
G01C21/28
G08G1/13
G09B29/10 A
G09B29/00 F
【請求項の数】 15
(21)【出願番号】P 2019112324
(22)【出願日】2019-06-17
(65)【公開番号】P2020204531
(43)【公開日】2020-12-24
【審査請求日】2021-08-05
(73)【特許権者】
【識別番号】501271479
【氏名又は名称】株式会社トヨタマップマスター
(73)【特許権者】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002516
【氏名又は名称】弁理士法人白坂
(72)【発明者】
【氏名】出口 悟
(72)【発明者】
【氏名】中西 健太
(72)【発明者】
【氏名】松下 真人
【審査官】武内 俊之
(56)【参考文献】
【文献】特開2010-096890(JP,A)
【文献】特開2009-093590(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01C 21/28
G08G 1/13
G09B 29/10
G09B 29/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも車両の走行位置に関する走行位置情報と、前記走行位置を測位した際の測位状態に関する測位状態情報と、車両を識別するための識別情報とを含み、同一の目的地に向かうプローブ情報を複数取得する取得部と、
前記取得部が取得した前記プローブ情報に基づいて車両が道路リンクから離脱した離脱地点を特定して、第1離脱地点群を生成する生成部と、
前記生成部が生成した第1離脱地点群に含まれる離脱地点のうち、複数の前記プローブ情報それぞれに含まれる測位状態情報が所定の基準を満たさないプローブ情報に含まれる離脱地点を前記第1離脱地点群から除外して第2離脱地点群を生成する第1除外部と、
前記第2離脱地点群の代表地点を、前記目的地に向かう道路リンク上の経路案内の最終案内地点として、ナビゲーション用の地図情報に設定する設定部と、を備え、
前記第1除外部は、前記所定の基準を、目的地に近接する施設の密集度、目的地としての施設の敷地面積、駐車場の駐車台数、目的地としての施設のジャンル、車両が道路リンクから離脱した時点の交通情報と車両の走行状況との差異、又は、プローブ情報が生成された時の時間帯に応じて設定する
地図情報生成装置。
【請求項2】
前記第1除外部は、前記識別情報に基づいて同一の車両から取得されたプローブ情報の測位状態情報に記録される測位状態が、第1測位状態と、前記第1測位状態よりも悪い第2測位状態とがある場合、前記第2測位状態の時に取得されたプローブ情報に基づく離脱地点を前記第1離脱地点群から除外する
請求項1に記載の地図情報生成装置。
【請求項3】
前記プローブ情報には車両の外部の照度に関する照度情報が含まれ、
前記第1除外部は、前記識別情報に基づいて同一の車両から取得されたプローブ情報に含まれる照度情報として、第1照度が記録された後、前記第1照度よりも暗い第2照度が所定時間以上記録された場合、前記第2照度が記録された時に取得されたプローブ情報に基づく離脱地点を前記第1離脱地点群から除外する
請求項1又は2に記載の地図情報生成装置。
【請求項4】
前記プローブ情報には車両の少なくとも前後方向の傾きに関する傾き情報が含まれ、
前記第1除外部は、前記識別情報に基づいて同一の車両から取得されたプローブ情報に含まれる傾き情報として、所定値以上の傾きが記録された時に取得されたプローブ情報に基づく離脱地点を前記第1離脱地点群から除外する
請求項1~3のいずれか1項に記載の地図情報生成装置。
【請求項5】
目的地として設定される施設と、前記施設に関連する駐車場とを予め対応付けた対応関係を予め記憶する記憶部と、
目的地として前記施設が設定された場合、前記記憶部に記憶される前記対応関係に基づいて、前記施設に関連する前記駐車場を特定する特定部と、
離脱地点が前記特定部によって特定された駐車場に隣接していない場合、離脱地点を前記第1離脱地点群から除外して第2離脱地点群を生成する第2除外部と、
を備える請求項1~4のいずれか1項に記載の地図情報生成装置。
【請求項6】
コンピュータが、
少なくとも車両の走行位置に関する走行位置情報と、前記走行位置を測位した際の測位状態に関する測位状態情報と、車両を識別するための識別情報とを含み、同一の目的地に向かうプローブ情報を複数取得する取得ステップと、
前記取得ステップが取得した前記プローブ情報に基づいて車両が道路リンクから離脱した離脱地点を特定して、第1離脱地点群を生成する生成ステップと、
前記生成ステップが生成した第1離脱地点群に含まれる離脱地点のうち、複数の前記プローブ情報それぞれに含まれる測位状態情報が所定の基準を満たさないプローブ情報に含まれる離脱地点を前記第1離脱地点群から除外して第2離脱地点群を生成する第1除外ステップと、
前記第2離脱地点群の代表地点を、前記目的地に向かう道路リンク上の最終案内地点として、ナビゲーション用の地図情報に設定する設定ステップと、を実行し、
前記第1除外ステップは、前記所定の基準を、目的地に近接する施設の密集度、目的地としての施設の敷地面積、駐車場の駐車台数、目的地としての施設のジャンル、車両が道路リンクから離脱した時点の交通情報と車両の走行状況との差異、又は、プローブ情報が生成された時の時間帯に応じて設定する
地図情報生成方法。
【請求項7】
前記第1除外ステップは、前記識別情報に基づいて同一の車両から取得されたプローブ情報の測位状態情報に記録される測位状態が、第1測位状態と、前記第1測位状態よりも悪い第2測位状態とがある場合、前記第2測位状態の時に取得されたプローブ情報に基づく離脱地点を前記第1離脱地点群から除外する
請求項6に記載の地図情報生成方法。
【請求項8】
前記プローブ情報には車両の外部の照度に関する照度情報が含まれ、
前記第1除外ステップは、前記識別情報に基づいて同一の車両から取得されたプローブ情報に含まれる照度情報として、第1照度が記録された後、前記第1照度よりも暗い第2照度が所定時間以上記録された場合、前記第2照度が記録された時に取得されたプローブ情報に基づく離脱地点を前記第1離脱地点群から除外する
請求項6又は7に記載の地図情報生成方法。
【請求項9】
前記プローブ情報には車両の少なくとも前後方向の傾きに関する傾き情報が含まれ、
前記第1除外ステップは、前記識別情報に基づいて同一の車両から取得されたプローブ情報に含まれる傾き情報として、所定値以上の傾きが記録された時に取得されたプローブ情報に基づく離脱地点を前記第1離脱地点群から除外する
請求項6~8のいずれか1項に記載の地図情報生成方法。
【請求項10】
コンピュータが、
目的地として設定される施設と、前記施設に関連する駐車場とを予め対応付けた対応関係を予め記憶部に記憶する記憶ステップと、
目的地として前記施設が設定された場合、前記記憶部に記憶される前記対応関係に基づいて、前記施設に関連する前記駐車場を特定する特定ステップと、
離脱地点が前記特定ステップによって特定された駐車場に隣接していない場合、離脱地点を前記第1離脱地点群から除外する第2除外ステップと、
を実行する請求項6~9のいずれか1項に記載の地図情報生成方法。
【請求項11】
コンピュータに、
少なくとも車両の走行位置に関する走行位置情報と、前記走行位置を測位した際の測位状態に関する測位状態情報と、車両を識別するための識別情報とを含み、同一の目的地に向かうプローブ情報を複数取得する取得機能と、
前記取得機能が取得した前記プローブ情報に基づいて車両が道路リンクから離脱した離脱地点を特定して、第1離脱地点群を生成する生成機能と、
前記生成機能が生成した第1離脱地点群に含まれる離脱地点のうち、複数の前記プローブ情報それぞれに含まれる測位状態情報が所定の基準を満たさないプローブ情報に含まれる離脱地点を前記第1離脱地点群から除外して第2離脱地点群を生成する第1除外機能と、
前記第2離脱地点群の代表地点を、前記目的地に向かう道路リンク上の最終案内地点として、ナビゲーション用の地図情報に設定する設定機能と、を実現させ、
前記第1除外機能は、前記所定の基準を、目的地に近接する施設の密集度、目的地としての施設の敷地面積、駐車場の駐車台数、目的地としての施設のジャンル、車両が道路リンクから離脱した時点の交通情報と車両の走行状況との差異、又は、プローブ情報が生成された時の時間帯に応じて設定する
地図情報生成プログラム。
【請求項12】
前記第1除外機能は、前記識別情報に基づいて同一の車両から取得されたプローブ情報の測位状態情報に記録される測位状態が、第1測位状態と、前記第1測位状態よりも悪い第2測位状態とがある場合、前記第2測位状態の時に取得されたプローブ情報に基づく離脱地点を前記第1離脱地点群から除外する
請求項11に記載の地図情報生成プログラム。
【請求項13】
前記プローブ情報には車両の外部の照度に関する照度情報が含まれ、
前記第1除外機能は、前記識別情報に基づいて同一の車両から取得されたプローブ情報に含まれる照度情報として、第1照度が記録された後、前記第1照度よりも暗い第2照度が所定時間以上記録された場合、前記第2照度が記録された時に取得されたプローブ情報に基づく離脱地点を前記第1離脱地点群から除外する
請求項11又は12に記載の地図情報生成プログラム。
【請求項14】
前記プローブ情報には車両の少なくとも前後方向の傾きに関する傾き情報が含まれ、
前記第1除外機能は、前記識別情報に基づいて同一の車両から取得されたプローブ情報に含まれる傾き情報として、所定値以上の傾きが記録された時に取得されたプローブ情報に基づく離脱地点を前記第1離脱地点群から除外する
請求項11~13のいずれか1項に記載の地図情報生成プログラム。
【請求項15】
コンピュータに、
目的地として設定される施設と、前記施設に関連する駐車場とを予め対応付けた対応関係を予め記憶部に記憶する記憶機能と、
目的地として前記施設が設定された場合、前記記憶部に記憶される前記対応関係に基づいて、前記施設に関連する前記駐車場を特定する特定機能と、
離脱地点が前記特定機能によって特定された駐車場に隣接していない場合、離脱地点を前記第1離脱地点群から除外する第2除外機能と、
を実現させる請求項11~14のいずれか1項に記載の地図情報生成プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、地図情報生成装置、地図情報生成方法及び地図情報生成プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
車両に搭載されるナビゲーション装置には、ドライバの利便性を高めるために、適切に目的地に案内することが求められている。例えば、ナビゲーション装置には、相対的に広い駐車場に目的地が設定される場合、駐車場の入口が無い地点に案内されるのを防ぎ、駐車場の入口に適切に案内することが要望される。このため、ナビゲーション装置には、駐車場の入口を把握することが求められる場合がある。
特許文献1に記載された技術は、車両が走行した経路の勾配を求め、その勾配の絶対値が設定値よりも大きくなった場合、車両が立体駐車場又は地下駐車場に進入したと判定することで、入口を推定する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2011-17664号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載された技術は、立体駐車場又は地下駐車場に進入したことを判定する構成である。しかし、駐車場には平面駐車場があり、特許文献1に記載された技術は、車両が平面駐車場に進入したことを判定することはできない。
また、駐車場が立体駐車場又は地下駐車場であっても、車両が道路から駐車場の敷地に入り、その道路に沿って走行した後、立体駐車場又は地下駐車場へ入る坂に到達する場合がある。このような場合、特許文献1に記載された技術は、道路から駐車場の敷地へ入る箇所を正しく判定することができない場合がある。
【0005】
本発明は、駐車場の入口を推定することができる地図情報生成装置、地図情報生成方法及び地図情報生成プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
一態様の地図情報生成装置は、少なくとも車両の走行位置に関する走行位置情報と、走行位置を測位した際の測位状態に関する測位状態情報と、車両を識別するための識別情報とを含み、同一の目的地に向かうプローブ情報を複数取得する取得部と、取得部が取得したプローブ情報に基づいて車両が道路を示すリンク(以下、道路リンク)から離脱した離脱地点を特定して、第1離脱地点群を生成する生成部と、生成部が生成した第1離脱地点群に含まれる離脱地点のうち、複数のプローブ情報それぞれに含まれる測位状態情報が所定の基準を満たさないプローブ情報に含まれる離脱地点を第1離脱地点群から除外して第2離脱地点群を生成する第1除外部と、第2離脱地点群の代表地点を、目的地に向かう道路リンク上の最終案内地点として、ナビゲーション用の地図情報に設定する設定部と、を備える。
【0007】
一態様の地図情報生成装置では、第1除外部は、識別情報に基づいて同一の車両から取得されたプローブ情報の測位状態情報に記録される測位状態が、第1測位状態と、第1測位状態よりも悪い第2測位状態とがある場合、第2測位状態の時に取得されたプローブ情報に基づく離脱地点を第1離脱地点群から除外することとしてもよい。
【0008】
一態様の地図情報生成装置は、プローブ情報には車両の外部の照度に関する照度情報が含まれ、第1除外部は、識別情報に基づいて同一の車両から取得されたプローブ情報に含まれる照度情報として、第1照度が記録された後、第1照度よりも暗い第2照度が所定時間以上記録された場合、第2照度が記録された時に取得されたプローブ情報に基づく離脱地点を第1離脱地点群から除外することとしてもよい。
【0009】
一態様の地図情報生成装置は、プローブ情報には車両の少なくとも前後方向の傾きに関する傾き情報が含まれ、第1除外部は、識別情報に基づいて同一の車両から取得されたプローブ情報に含まれる傾き情報として、所定値以上の傾きが記録された時に取得されたプローブ情報に基づく離脱地点を第1離脱地点群から除外することとしてもよい。
【0010】
一態様の地図情報生成装置は、目的地として設定される施設と、施設に関連する駐車場とを予め対応付けた対応関係を予め記憶する記憶部と、目的地として施設が設定された場合、記憶部に記憶される対応関係に基づいて、施設に関連する駐車場を特定する特定部と、離脱地点が特定部によって特定された駐車場に隣接していない場合、離脱地点を第1離脱地点群から除外して第2離脱地点群を生成する第2除外部と、を備えることとしてもよい。
【0011】
一態様の地図情報生成方法では、コンピュータが、少なくとも車両の走行位置に関する走行位置情報と、走行位置を測位した際の測位状態に関する測位状態情報と、車両を識別するための識別情報とを含み、同一の目的地に向かうプローブ情報を複数取得する取得ステップと、取得ステップが取得したプローブ情報に基づいて車両が道路リンクから離脱した離脱地点を特定して、第1離脱地点群を生成する生成ステップと、生成ステップが生成した第1離脱地点群に含まれる離脱地点のうち、複数のプローブ情報それぞれに含まれる測位状態情報が所定の基準を満たさないプローブ情報に含まれる離脱地点を第1離脱地点群から除外して第2離脱地点群を生成する第1除外ステップと、第2離脱地点群の代表地点を、目的地に向かう道路リンク上の最終案内地点として、ナビゲーション用の地図情報に設定する設定ステップと、を実行する。
【0012】
一態様の地図情報生成プログラムは、コンピュータに、少なくとも車両の走行位置に関する走行位置情報と、走行位置を測位した際の測位状態に関する測位状態情報と、車両を識別するための識別情報とを含み、同一の目的地に向かうプローブ情報を複数取得する取得機能と、取得機能が取得したプローブ情報に基づいて車両が道路リンクから離脱した離脱地点を特定して、第1離脱地点群を生成する生成機能と、生成機能が生成した第1離脱地点群に含まれる離脱地点のうち、複数のプローブ情報それぞれに含まれる測位状態情報が所定の基準を満たさないプローブ情報に含まれる離脱地点を第1離脱地点群から除外して第2離脱地点群を生成する第1除外機能と、第2離脱地点群の代表地点を、目的地に向かう道路リンク上の最終案内地点として、ナビゲーション用の地図情報に設定する設定機能と、を実現させる。
【発明の効果】
【0013】
一態様の地図情報生成装置は、複数のプローブ情報に基づいて車両が道路リンクから離脱した離脱地点を特定して第1離脱地点群を生成し、測位状態情報が所定の基準を満たさない場合に取得された離脱地点を第1離脱地点群から除外して第2離脱地点群を生成することにより、第2離脱地点群の代表地点を道路リンク上の最終案内地点としてナビゲーション用の地図情報に設定するので、駐車場の入口を推定することができることができる。
また、一態様の地図情報生成方法及び地図情報生成プログラムは、上述した一態様の地図情報生成装置と同様の効果を奏することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】一実施形態に係る地図情報生成システムについて説明するための図である。
図2】一実施形態に係る地図情報生成装置について説明するためのブロック図である。
図3】離脱地点、第1離脱地点群及び第2離脱地点群を説明するための図である。
図4】一実施形態に係る地図情報生成方法について説明するフローチャートである。
図5】第2離脱地点群を生成する処理について説明するフローチャートである。
図6】変形例に係る地図情報生成装置について説明するためのブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の一実施形態について説明する。
図1は、一実施形態に係る地図情報生成システムについて説明するための図である。
【0016】
地図情報生成システム1は、車両10、サーバ20及び地図情報生成装置30を備える。
車両10は、自車のプローブ情報を取得してサーバ20に送信する。図1には1台の車両10のみ記載するが、車両10は複数台であってよい。
サーバ20は、例えば、複数のプローブ情報を記憶する。具体的には、サーバ20は、1又は複数の車両10から送信されたプローブ情報を記憶する。
【0017】
地図情報生成装置30は、例えば、いわゆるビックデータの処理に適した、相対的に多数の情報を処理することができる装置である。
地図情報生成装置30は、例えば、駐車場の入口を推定する。なお、地図情報生成装置30は、駐車場の入口を推定する技術(詳細は後述する)を利用することにより、駐車場の出口を推定することも可能である。また、地図情報生成装置30は、駐車場に限らず、車両10が進入する種々の施設の入口又は出口を推定することも可能である。種々の施設の一例は、遊園地、テーマパーク及び城跡等の、相対的に広い敷地内に駐車場がある施設であってよい。
【0018】
車両10に搭載されるナビゲーション装置(図示せず)は、目的地が設定された場合に、その目的地までの経路を案内する。ナビゲーション装置は、例えば、地図情報に駐車場の入口が設定されていない場合、駐車場には隣接するが、駐車場の入口から離れた地点に案内する恐れがある。
このような課題を解決するために、地図情報生成装置30は、地図情報を生成する場合に、車両10が道路(道路リンク)から離脱する地点(離脱地点)を取得することにより、その離脱地点を駐車場の入口と推定する。
【0019】
ここで、地図情報生成装置30は、車両10(サーバ20)から取得した複数のプローブ情報に基づいて離脱地点を取得することができるが、例えば、プローブ情報に記録される種々の情報のばらつきにより、離脱地点もばらつく恐れがある。
例えば、このばらつきは、車両が道路から駐車場に入った場合でも、駐車場内の通路が道路に平行して設置され、その後、カーブが設置されて、その通路が道路から離れる方向に設置されるときに発生する。この場合、車両が駐車場に入った時に離脱地点が生成され、車両がカーブを通過した時に離脱地点が生成されるため、離脱地点がばらつくことになる。
このため、地図情報生成装置30は、離脱地点が所定の基準を満たさないものについてはその離脱地点を除外し、正確と推定される他の離脱地点に基づいて、ナビゲーション装置の道路リンク上の最終案内地点として地図情報に設定する(例えば、駐車場等の種々の施設の入口と推定する)構成である。
【0020】
次に、地図情報生成装置30について詳細に説明する。
図2は、一実施形態に係る地図情報生成装置について説明するためのブロック図である。
図3は、離脱地点、第1離脱地点群及び第2離脱地点群を説明するための図である。
【0021】
図2に示すように、地図情報生成装置30は、通信部31、記憶部32、取得部33、生成部34、第1除外部35、設定部36、特定部37及び第2除外部38を備える。取得部33、生成部34、第1除外部35、設定部36、特定部37及び第2除外部38は、例えば、地図情報生成装置30の制御部の機能として実現されてもよい。
【0022】
通信部31は、例えば、通信ネットワークを介して、サーバ20又は車両10と通信する。通信部31は、地図情報生成装置30(取得部33)の制御に基づいて、一例として、サーバ20から複数のプローブ情報を取得する。なお、通信部31は、車両10から送信されたプローブ情報を受信することとしてもよい。
【0023】
記憶部32は、種々の情報及びプログラム等を記憶する装置である。
記憶部32は、一例として、目的地として設定される施設と、施設に関連する駐車場とを予め対応付けた対応関係を予め記憶する。目的地として設定される施設は、例えば、ナビゲーション装置(図示せず)において案内経路の目的地として設定される施設である。駐車場は、その施設の利用者が利用可能な駐車場である。
【0024】
取得部33は、同一の目的地に向かうプローブ情報を複数取得する。プローブ情報は、少なくとも走行位置情報、測位状態情報及び識別情報を含む。走行位置情報は、車両10の走行位置に関する情報である。測位状態情報は、走行位置を測位した際の測位状態に関する情報である。識別情報は、車両10を識別するための情報(車両ID)である。
プローブ情報には、車両10の外部の照度に関する照度情報が含まれることとしてもよい。プローブ情報には、車両10の少なくとも前後方向の傾きに関する傾き情報が含まれることとしてもよい。
取得部33は、例えば、駐車場の入口を推定したい地域内に目的地が設定されているプローブ情報を取得する。
【0025】
ここで、車両10は、プローブ情報を生成する場合、ナビゲーション装置で設定される目的地をプローブ情報に記録する。車両10は、例えば、ナビゲーション装置が利用される場合、走行位置情報に基づいて、道路リンクから離脱した地点(座標)をプローブ情報に記録する。
【0026】
具体的な一例として、車両10は、以下のようにプローブ情報を取得する。
車両10は、例えば、GNSS(Global Navigation Satellite System:全球測位衛星システム)を利用することにより、車両10の走行位置情報を記録することができる。車両10は、連続的又は間欠的に位置情報を取得することにより、車両10が走行した経路の位置情報(走行位置情報)をプローブ情報に記録することができる。
【0027】
車両10は、例えば、走行位置情報を取得する時に利用した衛星の数を取得することができる。測位に利用する衛星数が相対的に多ければ走行位置情報の位置精度が相対的に高くなると考えられ、測位状態が相対的に良いと言える。一方、測位に利用する衛星数が相対的に少なければ位置情報の位置精度が相対的に悪くなると考えられ、測位状態が相対的に悪いと言える。車両10は、例えば、測位に利用した衛星数に基づいて、測位状態情報を取得する。
なお、車両10は、例えば、衛星から信号を受信する場合の信号強度に基づいて、測位状態情報を取得することとしてもよい。
【0028】
車両10は、自車と他車とを識別するための車両ID(識別情報)をプローブ情報に記録する。
また、車両10には、ヘッドライトを自動で点灯させるオートライト機能が搭載される場合がある。オートライト機能は、例えば、照度センサ等を利用して車両10の外部の照度を取得し、その照度が閾値以下であればヘッドライトを点灯させるようになっている。車両10は、その照度に関する情報(照度情報)をプローブ情報に記録する。
また、車両10には、例えば、ジャイロセンサ又は傾きセンサ等の車両10の傾きを計測するセンサが搭載される場合がある。車両10は、そのセンサによって車両10の前後方向の傾きが計測された場合、その傾きに関する情報(傾き情報)をプローブ情報に記録する。
【0029】
生成部34は、取得部33が取得したプローブ情報に基づいて車両10が道路リンクから離脱した離脱地点を特定して、第1離脱地点群を生成する。生成部34は、例えば、取得部33によって取得された複数のプローブ情報に基づいて、図3に例示するように、同一(又は、同一とみなすことができる)目的地D1~D6をグループ化してグループG1を生成する。より具体的な一例としては、生成部34は、ナビゲーション装置の目的地として施設が設定されている場合には、その施設毎にグループ化する。また、より具体的な一例としては、生成部34は、ナビゲーション装置の目的地として座標が設定されている場合には、所定の範囲内の座標をグループ化する。また、生成部34は、グループ化した目的地D1~D6が記録されるプローブ情報に基づいて、道路リンクLから車両10が離脱した地点(離脱地点P1~P6)を特定し、特定した離脱地点P1~P6をグループ化して第1離脱地点群G2を生成する(図3参照)。
【0030】
第1除外部35は、第1離脱地点群から特定の離脱地点を除外して第2離脱地点群を生成する。特定の離脱地点は、例えば、生成部34が生成した第1離脱地点群に含まれる離脱地点のうち、複数のプローブ情報それぞれに含まれる測位状態情報が所定の基準を満たさないプローブ情報に含まれる離脱地点のことである。
例えば、第1除外部35は、識別情報に基づいて同一の車両10から取得されたプローブ情報の測位状態情報に記録される測位状態が、第1測位状態と、第1測位状態よりも悪い第2測位状態とがある場合、第2測位状態の時に取得されたプローブ情報に基づく離脱地点を第1離脱地点群から除外することとしてもよい。
【0031】
所定の基準は、予め設定される閾値である。所定の基準は、例えば、目的地に近接する施設の密集度、目的地としての施設の敷地面積、駐車場の駐車台数、目的地としての施設のジャンル、車両10が道路リンクから離脱した時点の交通情報と車両10の走行状況との差異、又は、プローブ情報が生成された時の時間帯に応じて、地図情報生成装置30のオペレータによって設定されてもよく、又は、第1除外部35が目的地の属性に応じて自動的に設定されてもよい。
【0032】
具体的な一例として、第1除外部35は、測位に利用する衛星の数が閾値以下の場合、衛星数が閾値以下となった後に取得された離脱地点を第1離脱地点群から除外する。また、具体的な一例として、第1除外部35は、測位に利用する衛星から受信する信号の強度が閾値以下の場合、信号の強度が閾値以下となった後に取得された離脱地点を第1離脱地点群から除外する。また、第1除外部35は、上記の一例に限らず、プローブ情報に記録される、種々の測位状態情報が所定の基準を満たさなくなった後に取得された離脱地点を第1離脱地点群から除外することとしてもよい。第1除外部35は、第1離脱地点群G2から1又は複数の離脱地点(図3に例示す場合では離脱地点P4~P6)を除外した後、残りの1又は複数の離脱地点(図3に例示す場合では離脱地点P1~P3)をグループ化して第2離脱地点群G3を生成する(図3参照)。
【0033】
第1除外部35は、識別情報に基づいて同一の車両10から取得されたプローブ情報に含まれる照度情報として、第1照度が記録された後、第1照度よりも暗い第2照度が所定時間以上記録された場合、第2照度が記録された時に取得されたプローブ情報に基づく離脱地点(特定の離脱地点)を第1離脱地点群から除外することとしてもよい。
車両10が地下駐車場又は立体駐車場に入った場合、車両10が地下駐車場又は立体駐車場に入る前に比べて、車両10の外部の照度は低くなる(暗くなる)と考えられる。地下駐車場又は立体駐車場に入った後の時点(照度が低くなった時点)では、車両10は既に道路リンクから離脱していると考えられる。この時点で取得される離脱地点は、正確なものではないと考えられる。このため、第1除外部35は、第1照度から第2照度に変わり、且つ、第2照度が所定時間以上記録される場合には、車両10が地下駐車場又は立体駐車場に入ったと推定して、第2照度の時に記録された離脱地点を第1離脱地点群から除外する。
【0034】
第1除外部35は、識別情報に基づいて同一の車両10から取得されたプローブ情報に含まれる傾き情報として、所定値以上の傾きが記録された時に取得されたプローブ情報に基づく離脱地点(特定の離脱地点)を第1離脱地点群から除外することとしてもよい。
車両10が地下駐車場又は立体駐車場に入った場合、車両10は地下又は上階へ移動するための坂道を走行すると考えられる。この場合、車両10は、坂道を走行するために、前後方向に傾斜する。地下駐車場又は立体駐車場に入った時点(車両10が前後方向に傾斜する時点)では、車両10が既に道路リンクから離脱していると考えられる。この時点で取得される離脱地点は、正確なものではないと考えられる。このため、第1除外部35は、車両10が坂道を走行していると推定される所定値以上の傾きが記録される場合には、その傾きが記録された時又は記録された後の離脱地点を第1離脱地点群から除外する。
【0035】
また、第1除外部35は、識別情報に基づいて同一の車両10から取得されたプローブ情報に含まれる高度情報が所定値以上変化した場合、その後に取得されたプローブ情報に基づく離脱地点を第1離脱地点群から除外することとしてもよい。
【0036】
また、例えば、1つのプローブ情報に2つの離脱地点が記録される可能性がある。これは、例えば、車両が道路から施設の駐車場に入ることにより1回目の離脱地点が生成された後、車両が再度道路を走行していると車両の制御部等によって判断され、その後、再度、車両から道路から離脱したと判断されて2回目の離脱地点が生成される場合である。より具体的な一例としては、車両が道路から施設の駐車場に入ることにより1回目の離脱地点が生成された後、車両が道路に平行する駐車場内の通路を走行することにより、車両の制御部等によってその車両が道路を走行していると判断され、その後、車両が駐車場内のカーブを通過することにより、道路から離れる方向に走行して2回目の離脱地点が生成される場合である。このように、第1除外部35は、1つのプローブ情報に2つの離脱地点が記録されている場合には、2回目に記録された離脱地点を除外することとしてもよい。
【0037】
特定部37は、目的地として施設が設定された場合、記憶部32に記憶される対応関係に基づいて、施設に関連する駐車場を特定する。一例として、百貨店、ホテル及びテーマパーク等の施設は、その施設の近隣に駐車場を設置している場合がある。上述したように、記憶部32には、施設と、その施設に関連する駐車場との対応関係が予め記憶されている。特定部37は、目的地としての施設がプローブ情報に記録されている場合、記憶部32に記憶される対応関係に基づいて、その施設の駐車場を特定する。特定部37は、例えば、目的地として座標が設定されている場合でも、座標から最寄りの施設を目的地とみなして設定することにより、座標に基づいて施設の駐車場を特定することができる。
【0038】
第2除外部38は、離脱地点が特定部37によって特定された駐車場に隣接していない場合、離脱地点(特定の離脱地点)を第1離脱地点群から除外して第2離脱地点群を生成する。ドライバは、ナビゲーション装置に目的地を設定する場合、例えば、本来の目的地ではなく、近隣の有名な施設を目印として目的地に設定することがある。すなわち、プローブ情報に目的地として施設が記録される場合でも、その施設に関連する駐車場に車両10が入らないようなときである。このような場合の離脱地点は、生成部34で生成される第1離脱地点群から除外する必要がある。このため、第2除外部38は、施設に関連する駐車場と、離脱地点とが隣接していない場合、その離脱地点を第1離脱地点から除外する。駐車場と離脱地点とが隣接しているか否かは、例えば、駐車場と離脱地点とが所定距離以上離れている場合、駐車場と離脱した方向とが道路の反対側になる場合、又は、駐車場と離脱地点とが道路地図における異なるブロックにある場合等に基づいて、第2除外部38によって適宜判定することができる。
【0039】
設定部36は、第2離脱地点群の代表地点を、目的地に向かう道路リンク上の最終案内地点として、ナビゲーション用の地図情報に設定する。設定部36は、第2離脱地点群の代表地点を、プローブ情報に記録される目的地に対応する最終案内地点として地図情報に設定する。すなわち、設定部36は、例えば、第2離脱地点群の代表地点を駐車場等の種々の施設の入口と推定する。設定部36は、例えば、最終案内地点を設定した地図情報を記憶部32に記憶する。代表地点は、例えば、第2離脱地点群を構成する複数の離脱地点のうちの任意の1つであってもよく、又は、第2離脱地点群を構成する複数の離脱地点の重心となる位置若しくは複数の離脱地点の中央位置であってもよい。また、代表地点は、例えば、第2離脱地点群の中央位置又は任意の位置であってもよい。
【0040】
地図情報生成装置30は、例えば、上記のように記憶部32に記憶された地図情報を、通信部31を介して車両10に送信し、その地図情報を車両10のナビゲーション装置で利用させるようにしてもよい。
また、地図情報生成装置30は、例えば、地図情報を外部メモリ又は光ディスク等の記録媒体に記録してもよい。この場合、車両10は、記録媒体に記録される地図情報を読み込んで、地図情報をナビゲーション装置で利用することとしてもよい。
【0041】
次に、地図情報生成方法について説明する。
図4は、一実施形態に係る地図情報生成方法について説明するフローチャートである。
【0042】
ステップST11において、取得部33は、同一の目的地に向かうプローブ情報を複数取得する。取得部33は、例えば、駐車場の入口を推定したい地域内に目的地が設定されているプローブ情報を取得する。
【0043】
ステップST12において、生成部34は、ステップST11で取得したプローブ情報に基づいて車両10が道路リンクから離脱した離脱地点を特定して、第1離脱地点群を生成する。生成部34は、例えば、プローブ情報に記録される車両10の目的地毎にその目的地をグループ化し、その目的地に対応する離脱地点で第1離脱地点群を生成する。
【0044】
ステップST13において、第1除外部35は、ステップST12で生成した第1離脱地点群に含まれる離脱地点のうち、測位状態情報が所定の基準を満たさない場合に取得された離脱地点を第1離脱地点群から除外し、その除外したものを除く残りの離脱地点で第2離脱地点群を生成する。
第2除外部38は、離脱地点が特定部37によって特定された駐車場に隣接していない場合、離脱地点を第1離脱地点群から除外し、その除外したものを除く残りの離脱地点で第2離脱地点群を生成する。
ステップST13の処理の詳細については、後述する。
【0045】
ステップST14において、設定部36は、第2離脱地点群の代表地点を、目的地に向かう道路リンク上の最終案内地点として、ナビゲーション用の地図情報に設定する。
【0046】
次に、ステップST13の処理について詳細に説明する。
図5は、第2離脱地点群を生成する処理について説明するフローチャートである。
【0047】
ステップST131の処理は、図4に示すステップST12の処理の後に行われる。
ステップST131において、第1除外部35は、離脱地点が取得された時の測位状態が第2測位状態かを判断する。測位状態は、例えば、GNSSを利用して車両10の位置情報を取得する際の測位に関する状態(条件)を示す。第2測位状態は、第1測位状態よりも悪い状態である。測位状態が第2測位状態の場合(Yes)、処理は、ステップST137に進む。測位状態が第2測位状態ではない場合(No)、処理は、ステップST132に進む。
【0048】
ステップST132において、第1除外部35は、離脱地点が取得された時の車両10の外部の照度が第2照度であるかを判断する。第2照度は、第1照度よりも低い(暗い)照度である。照度が第2照度の場合(Yes)、処理は、ステップST137に進む。照度が第2照度ではない場合(No)、処理は、ステップST133に進む。
【0049】
ステップST133において、第1除外部35は、離脱地点を取得した時が、車両10の前後方向の傾きが所定値以上の傾きを記録した時又は記録した後かを判断する。所定値は、地下駐車場へ入るために地下へ降りる坂道の勾配、及び、立体駐車場へ入るために上階へ上がる坂道の勾配等を考慮して、適宜設定される。車両10の前後方向の傾きとして所定値以上の傾きを記録した場合(Yes)、処理は、ステップST137に進む。車両10の前後方向の傾きとして所定値以上の傾きを記録していない場合(No)、処理は、ステップST134へ進む。
【0050】
ステップST134において、特定部37は、目的地として施設が設定された場合、記憶部32に記憶される対応関係に基づいて、施設に関連する駐車場を特定する。
【0051】
ステップST135において、第2除外部38は、離脱地点と、ステップST134で特定された駐車場とが隣接しているか判断する。離脱地点と駐車場とが隣接していない場合(No)、処理は、ステップST137に進む。離脱地点と駐車場とが隣接する場合(Yes)、処理は、ステップST136に進む。
【0052】
ステップST136において、第1除外部35又は第2除外部38は、第1離脱地点群から離脱地点を除外することなく、第2離脱地点群を生成する。
【0053】
ステップST137において、第1除外部35又は第2除外部38は、第1離脱地点群から特定の離脱地点を除外して、第2離脱地点群を生成する。
ステップST136又はステップST137の後、処理は、図4に示すステップST14に進む。
【0054】
次に、本実施形態の効果について説明する。
地図情報生成装置30は、同一の目的地に向かうプローブ情報を複数取得する取得部33と、プローブ情報に基づいて車両10が道路リンクから離脱した離脱地点を特定して、第1離脱地点群を生成する生成部34と、第1離脱地点群に含まれる離脱地点のうち、特定の離脱地点を第1離脱地点群から除外して第2離脱地点群を生成する第1除外部35と、第2離脱地点群の代表地点を、目的地に向かう道路リンク上の最終案内地点として、ナビゲーション用の地図情報に設定する設定部36と、を備える。
これにより、地図情報生成装置30は、離脱地点(第2離脱地点群の代表地点)を駐車場の入口として推定して、その離脱地点を地図情報に設定することができる。また、地図情報生成装置30は、精度が相対的に低い離脱地点を除外するので、駐車場の入口の位置精度を高めることができる。
車両10に搭載されるナビゲーション装置は、その地図情報を利用することにより、車両10の位置から目的地としての駐車場の入口までの経路を案内することができるので、ユーザの利便性を高めることができる。
【0055】
地図情報生成装置30では、第1除外部35は、第1測位状態と、第1測位状態よりも悪い第2測位状態とがある場合、第2測位状態の時に取得された離脱地点を第1離脱地点群から除外することとしてもよい。
第1除外部35は、一例として、GNSSを利用する際の、信号を受信する衛星数又は受信する信号の強度等に基づいて、測位状態を判断することとしてもよい。測位状態が相対的に悪い場合(第2測位状態の場合)に取得された離脱地点の位置情報の精度は、相対的に悪いと考えられる。このため、第1除外部35は、第2測位状態の時に取得された離脱地点を除外することにより、第2離脱地点群の精度を高めることができる。
【0056】
地図情報生成装置30では、第1除外部35は、第1照度が記録された後、第1照度よりも暗い第2照度が所定時間以上記録された場合、第2照度が記録された時に取得された離脱地点を第1離脱地点群から除外することとしてもよい。
例えば、車両10が地下駐車場又は立体駐車場に入った場合、車両10が地下駐車場又は立体駐車場に入る前に比べて、車両10の外部の照度は低くなる(暗くなる)と考えられる。この場合、車両10の外部の照度が第2照度の時に取得された離脱地点は、車両10が既に道路リンクから離脱している(地下駐車場又は立体駐車場に入っている)地点で取得されたものと考えられる。このため、第1除外部35は、第2照度の時に取得された離脱地点を除外することにより、第2離脱地点群の精度を高めることができる。
【0057】
地図情報生成装置30では、第1除外部35は、所定値以上の傾きが記録された時に取得された離脱地点を第1離脱地点群から除外することとしてもよい。
車両10が地下駐車場又は立体駐車場に入った場合、車両10は地下又は上階へ移動するための坂道を走行すると考えられる。この場合、所定値以上の傾きが記録された時又は記録された後に取得された離脱地点は、車両10が既に道路リンクから離脱している(地下駐車場又は立体駐車場に入っている)地点で取得されたものと考えられる。このため、第1除外部35は、所定値以上の傾きが記録された時又は記録された後に取得された離脱地点を除外することにより、第2離脱地点群の精度を高めることができる。
【0058】
地図情報生成装置30は、目的地として設定される施設と、その施設に関連する駐車場との対応関係を記憶する記憶部32と、プローブ情報に記録される目的地として施設が設定されている場合、記憶部32に記憶される対応関係に基づいて、施設に関連する駐車場を特定する特定部37と、離脱地点が特定部37によって特定された駐車場に隣接していない場合、離脱地点を第1離脱地点群から除外して第2離脱地点群を生成する第2除外部38と、を備える。
ドライバは、ナビゲーション装置に目的地を設定する場合、例えば、本来の目的地ではなく、近隣の有名な施設を目印として目的地に設定することがある。このため、地図情報生成装置30は、施設に関連する駐車場と、離脱地点とが隣接していない場合、その離脱地点を第1離脱地点から除外する。
すなわち、地図情報生成装置30は、目的地としての施設に関連する駐車場ではない離脱地点をノイズとして除去することができる。よって、車両10に搭載されるナビゲーション装置は、目的地として適切な位置までの経路を案内することができ、ユーザの利便性を高めることができる。
【0059】
地図情報生成装置30は、上記のように第1離脱地点群から特定の離脱地点を除外して第2離脱地点群を生成することにより、例えば、目的地として設定されている施設の入口から相対的に離れた離脱地点を第1離脱地点群から除外することができる。
また、地図情報生成装置30は、目的地の施設に隣接する別施設の駐車場、目的地の施設と提携していない有料駐車場、及び、目的地の施設とは無関係の空き地若しくは近隣住民の貸し出し駐車場等の離脱地点を第1離脱地点群から除外することができる。
【0060】
地図情報生成方法では、コンピュータが、同一の目的地に向かうプローブ情報を複数取得する取得ステップと、プローブ情報に基づいて車両10が道路リンクから離脱した離脱地点を特定して、第1離脱地点群を生成する生成ステップと、第1離脱地点群に含まれる離脱地点のうち、特定の離脱地点を第1離脱地点群から除外して第2離脱地点群を生成する第1除外ステップと、第2離脱地点群の代表地点を、目的地に向かう道路リンク上の最終案内地点として、ナビゲーション用の地図情報に設定する設定ステップと、を実行する。
これにより、地図情報生成方法は、離脱地点を駐車場の入口として推定して、その離脱地点を地図情報に設定することができる。また、地図情報生成方法は、精度が相対的に低い離脱地点を除外するので、駐車場の入口の位置精度を高めることができる。
車両10に搭載されるナビゲーション装置は、その地図情報を利用することにより、車両10の位置から目的地としての駐車場の入口までの経路を案内することができるので、ユーザの利便性を高めることができる。
【0061】
地図情報生成プログラムは、コンピュータに、同一の目的地に向かうプローブ情報を複数取得する取得機能と、プローブ情報に基づいて車両10が道路リンクから離脱した離脱地点を特定して、第1離脱地点群を生成する生成機能と、第1離脱地点群に含まれる離脱地点のうち、特定の離脱地点を第1離脱地点群から除外して第2離脱地点群を生成する第1除外機能と、第2離脱地点群の代表地点を、目的地に向かう道路リンク上の最終案内地点として、ナビゲーション用の地図情報に設定する設定機能と、を実現させる。
これにより、地図情報生成プログラムは、離脱地点を駐車場の入口として推定して、その離脱地点を地図情報に設定することができる。また、地図情報生成プログラムは、精度が相対的に低い離脱地点を除外するので、駐車場の入口の位置精度を高めることができる。
車両10に搭載されるナビゲーション装置は、その地図情報を利用することにより、車両10の位置から目的地としての駐車場の入口までの経路を案内することができるので、ユーザの利便性を高めることができる。
【0062】
上述した地図情報生成装置30の各部は、コンピュータの演算処理装置等の機能として実現されてもよい。すなわち、地図情報生成装置30の取得部33、生成部34、第1除外部35、設定部36、特定部37及び第2除外部38は、コンピュータの演算処理装置等による、取得機能、生成機能、第1除外機能、設定機能、特定機能及び第2除外機能としてそれぞれ実現されてもよい。
地図情報生成プログラムは、上述した各機能をコンピュータに実現させることができる。地図情報生成プログラムは、外部メモリ又は光ディスク等の、コンピュータで読み取り可能な非一時的な記録媒体に記録されていてもよい。
また、上述したように、地図情報生成装置30の各部は、コンピュータの演算処理装置等で実現されもよい。その演算処理装置等は、例えば、集積回路等によって構成される。このため、地図情報生成装置30の各部は、演算処理装置等を構成する回路として実現されてもよい。すなわち、地図情報生成装置30の取得部33、生成部34、第1除外部35、設定部36、特定部37及び第2除外部38は、図6に示すように、コンピュータの演算処理装置等を構成する、取得回路33a、生成回路34a、第1除外回路35a、設定回路36a、特定回路37a及び第2除外回路38aとして実現されてもよい。
また、地図情報生成装置30の通信部31及び記憶部32は、例えば、集積回路等によって構成されることにより、図6に示すように、通信回路31a及び記憶回路32aとして実現されてもよい。また、地図情報生成装置30の通信部31及び記憶部32は、例えば、複数のデバイスによって構成されることにより、通信装置及び記憶装置として構成されてもよい。
【符号の説明】
【0063】
1 地図情報生成システム
10 車両
20 サーバ
30 地図情報生成装置
31 通信部
32 記憶部
33 取得部
34 生成部
35 第1除外部
36 設定部
37 特定部
38 第2除外部
L 道路リンク
G2 第1離脱地点群
G3 第2離脱地点群
P1~P4 離脱地点
図1
図2
図3
図4
図5
図6