(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-02-13
(45)【発行日】2023-02-21
(54)【発明の名称】ステアリングコラム装置
(51)【国際特許分類】
B62D 1/184 20060101AFI20230214BHJP
B62D 1/189 20060101ALI20230214BHJP
F16B 2/18 20060101ALI20230214BHJP
【FI】
B62D1/184
B62D1/189
F16B2/18 A
(21)【出願番号】P 2019137419
(22)【出願日】2019-07-26
【審査請求日】2022-05-18
(73)【特許権者】
【識別番号】000237307
【氏名又は名称】富士機工株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100086232
【氏名又は名称】小林 博通
(74)【代理人】
【識別番号】100092613
【氏名又は名称】富岡 潔
(72)【発明者】
【氏名】澤村 浩司
【審査官】神田 泰貴
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-144999(JP,A)
【文献】特開2016-145615(JP,A)
【文献】特開2001-322552(JP,A)
【文献】特開2006-51876(JP,A)
【文献】韓国登録特許第10-1624833(KR,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B62D 1/18
F16B 2/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車体に取り付けられるブラケットと、
上記ブラケットに支持されるコラムジャケットと、
上記コラムジャケットを上記ブラケットに固定するロック機構と、を有し、
上記ロック機構は、上記ブラケットを貫通するクランプ軸と、該クランプ軸に固定された操作レバーと、上記クランプ軸が貫通するとともに、当該クランプ軸の軸回りに形成されたカム山が互いに対向するように組み付けられる一対のカム部材と、上記一対のカム部材のうちの一方のカム部材のカム山の傾斜面上に上記一対のカム部材の外周側から突出するストッパと、を有し、
上記一対のカム部材は、上記ブラケットに固定されたブラケット側カム部材と、上記操作レバーに固定され、当該操作レバーと一体となって回転するレバー側カム部材と、から構成され、
上記ロック機構は、上記ブラケットに上記コラムジャケットを固定する場合、上記レバー側カム部材のカム山を上記ブラケット側カム部材のカム山に乗り上げさせることで、上記ブラケットの一部を撓み変形させて上記コラムジャケットを上記ブラケットに固定し、
上記ロック機構は、上記ブラケットに対する上記コラムジャケットの固定を解除する場合、上記レバー側カム部材のカム山が上記ブラケット側カム部材のカム山から下る際に、上記一対のカム部材のうちカム山の傾斜面上に上記ストッパが設定されていないカム部材のカム山に上記ストッパを接触させることを特徴とするステアリングコラム装置。
【請求項2】
上記ロック機構は、上記一対のカム部材のうちの一方のカム部材の外周に固定される筒状の筒状部材を有し、当該筒状部材に上記ストッパが設けられていることを特徴とする請求項1に記載のステアリングコラム装置。
【請求項3】
上記ロック機構は、上記ブラケットに上記コラムジャケットが固定された状態のとき、上記一対のカム部材のうちカム山の傾斜面上に上記ストッパが設定されていないカム部材のカム山に上記ストッパが接触することを特徴とする請求項1または2に記載のステアリングコラム装置。
【請求項4】
上記ロック機構は、上記ブラケットへの上記コラムジャケットの固定が解除された状態のとき、上記一対のカム部材のうちカム山の傾斜面上に上記ストッパが設定されていないカム部材のカム山に上記ストッパが接触しないことを特徴とする請求項1~3のいずれかに記載のステアリングコラム装置。
【請求項5】
上記ストッパは、弾性変形可能な弾性材料からなっていることを特徴とする請求項1~4のいずれかに記載のステアリングコラム装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ステアリングコラム装置に関する。
【背景技術】
【0002】
車体に取り付けられるブラケットにステアリングコラムの固定または固定の解除を行うクランプ機構(ロック機構)が従来から知られている。
【0003】
クランプ機構は、クランプ軸と、固定カム部材及び可動カム部材と、可動カム部材と一体的に回転するレバーと、有している。クランプ機構は、可動カム部材のカム山(カム突起)が固定カム部材のカム山(カム突起)に乗り上げるとクランプ軸に軸力が生じてブラケットにステアリングコラムを固定する。また、クランプ機構は、可動カム部材のカム山が固定カム部材のカム山(カム突起)から下るとクランプ軸に生じていた軸力が消失してブラケットに対するステアリングコラムを固定が解除される。
【0004】
例えば、特許文献1のクランプ機構は、可動カム部材のカム山の傾斜面に弾性を有する緩衝部材を設け、クランプ機構の締め付けを解除した際に生じる金属打音を低減している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1においては、クランプ機構の締め付けを解除した際に、撓み変形していたブラケットの復元力(弾性力)等の影響によりレバーがはじかれて可動カム部材が勢い良く回転する虞がある。
【0007】
そのため、特許文献1においては、クランプ機構の締め付けを解除した際に、可動カム部材が勢い良く回転すると、緩衝部材に可動カム部材のカム山が勢い良く衝突して打音が発生する虞がある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明のステアリングコラム装置は、車体に取り付けられるブラケットと、上記ブラケットに支持されるコラムジャケットと、上記コラムジャケットを上記ブラケットに固定するロック機構と、を有し、上記ロック機構は、上記ブラケットを貫通するクランプ軸と、該クランプ軸に固定された操作レバーと、上記クランプ軸が貫通するとともに、当該クランプ軸の軸回りに形成されたカム山が互いに対向するように組み付けられる一対のカム部材と、上記一対のカム部材のうちの一方のカム部材のカム山の傾斜面上に上記一対のカム部材の外周側から突出するストッパと、を有し、上記一対のカム部材は、上記ブラケットに固定されたブラケット側カム部材と、上記操作レバーに固定され、当該操作レバーと一体となって回転するレバー側カム部材と、から構成され、上記ロック機構は、上記ブラケットに上記コラムジャケットを固定する場合、上記レバー側カム部材のカム山を上記ブラケット側カム部材のカム山に乗り上げさせることで、上記ブラケットの一部を撓み変形させて上記コラムジャケットを上記ブラケットに固定し、上記ロック機構は、上記ブラケットに対する上記コラムジャケットの固定を解除する場合、上記レバー側カム部材のカム山が上記ブラケット側カム部材のカム山から下る際に、上記一対のカム部材のうちカム山の傾斜面上に上記ストッパが設定されていないカム部材のカム山に上記ストッパを接触させることを特徴としている。
【0009】
これによって、ステアリングコラム装置は、ブラケットに対するコラムジャケットの固定を解除する際に、ストッパが設定されていないカム部材のカム山にストッパが接触(干渉)してレバー側カム部材の回転速度が低下し緩和される。
【0010】
上記ロック機構は、上記一対のカム部材のうちの一方のカム部材の外周に固定される筒状の筒状部材を有し、当該筒状部材に上記ストッパが設けられるようにしてもよい。
【0011】
上記ロック機構は、上記ブラケットに上記コラムジャケットが固定された状態のとき、上記一対のカム部材のうちカム山の傾斜面上に上記ストッパが設定されていないカム部材のカム山に上記ストッパが接触するようにしてもよい。
【0012】
上記ロック機構は、上記ブラケットへの上記コラムジャケットの固定が解除された状態のとき、上記一対のカム部材のうちカム山の傾斜面上に上記ストッパが設定されていないカム部材のカム山に上記ストッパが接触しないようにしてもよい。
【0013】
上記ストッパは、弾性変形可能な弾性材料からなるようにしてもよい。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、ブラケットに対するコラムジャケットの固定を解除する際に、レバー側カム部材のカム山とブラケット側カム部材のカム山とが勢いよく衝突してしまうことを抑制することができ、打音(衝突音)の発生を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】本発明に係るステアリングコラム装置の側面図。
【
図2】本発明に係るステアリングコラム装置の構成要素の一部を抜き出して示した斜視図。
【
図4】第1実施例におけるステアリングコラム装置の可動カム、固定カム及び筒状部材の三者を組み付けた状態の斜視図。
【
図5】第1実施例におけるステアリングコラム装置の固定カムに筒状部材を組み付けた状態の斜視図。
【
図7】筒状部材が組み付けられた固定カムの平面図。
【
図8】ロック解除状態のときのストッパと可動カム及び固定カムのカム山との位置を模式的に示した説明図。
【
図9】ロック状態のときのストッパと可動カム及び固定カムのカム山との位置を模式的に示した説明図
【
図10】第2実施例におけるステアリングコラム装置の可動カム、固定カム及び筒状部材の三者を組み付けた状態の斜視図
【
図11】第2実施例におけるステアリングコラム装置の固定カムに筒状部材を組み付けた状態の斜視図
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の一実施例を図面に基づいて詳細に説明する。
【0017】
図1は、本発明に係るステアリングコラム装置1の側面図(左側面図)である。
図2は、本発明に係るステアリングコラム装置1の構成要素の一部を抜き出して示した斜視図であって、後述するブラケット2に後述するロック機構4を組み付けた状態を示す斜視図である。
【0018】
なお、以下の説明において「前方側」、「後方側」、「前端」、「後端」、「前後方向」、「上下方向」等の用語は、あくまでステアリングコラム装置1の車載状態での向きを基準としており、例えば「前方側」とは車両前方側を意味している。
【0019】
ステアリングコラム装置1は、例えば自動車等の車両に搭載され、ステアリングホイール(図示せず)の車両上下方向の位置調整であるチルト位置調整や、上記ステアリングホイールの車両前後方向(換言すれば後述するコラムジャケット3の軸方向)の位置調整であるテレスコ位置調整(テレスコピック位置調整)を可能なものである。
【0020】
ステアリングコラム装置1は、図示せぬ車体に支持される金属製のブラケット2と、ブラケット2に支持されるコラムジャケット3と、コラムジャケット3をブラケット2に固定するロック機構4と、から大略構成されている。
【0021】
ブラケット2は、
図1及び
図2に示すように、車両幅方向で互いに対向する左右一対の側壁部5と、一対の側壁部5を連結する前後一対の頂壁部6と、を有している。ブラケット2は、正面視にて下面が開放された略U字形状を呈している。頂壁部6は、例えば、溶接により側壁部5に固定される。ブラケット2は、それぞれの頂壁部6に形成された取付孔7(車両後方側の頂壁部6の取付孔については図示せず)に挿入される図示外のボルトにより、いわゆる前下がりの傾斜姿勢にて車体に固定される。
【0022】
ブラケット2の双方の側壁部5の前端部には、チルトヒンジピン8を挿入可能な軸孔9が形成されている。ブラケット2の双方の側壁部5の後端部には、車両上下方向に沿って延びるクランプ片部10がそれぞれ形成されている。
【0023】
各クランプ片部10には、チルト孔としてのチルト用長孔11がそれぞれ貫通形成されている。チルト用長孔11は、ステアリングコラム装置1の側面視で、上記チルト位置調整の際のチルト回転中心となる軸孔9の中心を曲率中心とする円弧状の長孔である。チルト用長孔11には、後述するロックボルト32が貫通する。
【0024】
また、一方のクランプ片部10には、C字形状のスリット12に囲まれた舌片部13が形成されている。舌片部13は、車両幅方向(後述するロックボルト32の軸方向)の変形が相対的に容易となっている。
【0025】
コラムジャケット3は、
図1に示すように、ステアリングシャフト20を回転可能に支持するものであって、チルトジャケット21と、筒状のアッパジャケット22と、筒状のミッドジャケット23とを有している。
【0026】
チルトジャケット21は、車両幅方向で互いに対向する左右一対のチルト側壁部24と、チルト側壁部同士の間に位置するチルト下壁部25と、を有し、正面視に上面が開放された略U字形状を呈している。
【0027】
一対のチルト側壁部24には、車両前方側の端部に、チルトヒンジピン8を挿入可能な貫通孔26が形成されている。
【0028】
また、一対のチルト側壁部24には、車両後方側の端部に車両上方に向けて延長された締結片部27がそれぞれ形成されている。締結片部27には、後述するロックボルト32が貫通する図示せぬ角孔が形成されている。
【0029】
チルトジャケット21は、左右一対のチルト側壁部24にそれぞれ形成された貫通孔26がブラケット2の一対の側壁部5に形成された軸孔9と重なり合い、かつブラケット2の一対の側壁部5の間に左右一対のチルト側壁部24が挟み込まれるように、ブラケット2に組み付けられる。
【0030】
チルトヒンジピン8は、チルトジャケット21のチルト側壁部24に形成された貫通孔26とブラケット2の軸孔9とを合致させた上で両者を貫通するように挿入され、チルトジャケット21とブラケット2とを回転可能に連結する。
【0031】
チルトジャケット21は、ブラケット2に対してその前端部側がチルトヒンジピン8を揺動中心(チルト軸)として上下方向(
図1の矢印a方向)に揺動操作可能(チルト位置調整可能)に支持される。
【0032】
なお、チルトジャケット21は、双方のチルト側壁部24の外側に配置された図示せぬ引っ張りコイルばねタイプのアシストスプリングにより、ブラケット2に弾性支持するようにしてもよい。この場合、チルトジャケット21は、このアシストスプリングのばね力により、常時車両上方側、すなわちチルトヒンジピン8を支点として
図1の反時計周り方向に付勢されている。上記アシストスプリングは、ロック機構4のロック解除時に、ばね力によりコラムジャケット3の落下防止と車両上方側へのチルト位置調整の操作力軽減を図るものである。
【0033】
ミッドジャケット23は、車両幅方向で互いに対向する左右一対のミッドジャケット側壁部28を有している。ミッドジャケット側壁部28には、テレスコ位置調整の際にガイドとなるテレスコ用長孔29が形成されている。テレスコ用長孔29は、ミッドジャケット23の軸方向(
図1の左右方向)に沿った長孔であり、後述するロックボルト32が貫通する。
【0034】
ミッドジャケット23は、ブラケット2とチルトジャケット21との内側に摺動可能に配置される。また、ミッドジャケット23は、ブラケット2のクランプ片部10とチルトジャケット21の締結片部27とにより両側から挟み込みロック機構4で締め上げることで、ブラケット2及びチルトジャケット21に固定することが可能となっている。
【0035】
ミッドジャケット23は、チルトジャケット21に対し前後方向(
図1の矢印b方向)に進退移動可能(テレスコ位置調整可能)に支持される。
【0036】
アッパジャケット22は、車両前方側(
図1における左側)の端部がミッドジャケット23の車両後方側(
図1における右側)の端部に挿入されている。アッパジャケット22は、シャーピン30によりミッドジャケット23に固定されている。シャーピン30は、例えば樹脂材料からなり、ミッドジャケット23とアッパジャケット22の両者に跨り、かつミッドジャケット23及びアッパジャケット22の両者に圧入されている。
【0037】
アッパジャケット22及びミッドジャケット23には、伸縮可能なステアリングシャフト20が貫通している。ステアリングシャフト20は、アッパジャケット22及びミッドジャケット23に回転可能に支持されている。
【0038】
ロック機構4は、ブラケット2の一部を撓み変形させることで、コラムジャケット3の車両上下方向の揺動動作(チルト位置調整)と、チルトジャケット21に対するミッドジャケット23及びアッパジャケット22の車両前後方向の進退動作(テレスコ位置調整)のロックとロック解除を行うものである。
【0039】
換言すると、ロック機構4は、ブラケット2の側壁部5の一部(例えば舌片部13)を撓み変形させることで、コラムジャケット3をブラケット2に固定(ロック)する。また、ロック機構4は、ブラケット2の側壁部5の一部(例えば舌片部13)の撓み変形を解除することで、コラムジャケット3のブラケット2への固定を解除(ロック解除)することができる。
【0040】
さらに言えば、ロック機構4は、ブラケット2の一部(例えば舌片部13)の内側への撓み変形量を調整することで、チルトジャケット21の左右一対のチルト側壁部24の内側への撓み変形量を調整し、ミッドジャケット23の固定または固定の解除を行うものである。
【0041】
上記チルト位置調整及び上記テレスコ位置調整は、ロック機構4によりブラケット2の側壁部5の一部(例えば舌片部13)が内側に撓ませられてチルトジャケット21及びミッドジャケット23がブラケット2に固定されるとその機能がロックされた状態となる。
【0042】
つまり、ステアリングコラム装置1は、ブラケット2の側壁部5の一部(例えば舌片部13)がロック機構4により内側に撓ませられた状態のとき、上記チルト位置調整及び上記テレスコ位置調整がロックされた状態となる。
【0043】
ロック機構4は、
図3に示すように、クランプ軸としての金属製のロックボルト32と、金属製のベアリング33と、金属製のナット34と、金属製のストロークガイド35と、樹脂製の操作レバー36と、レバー側カム部材としての可動カム37と、ブラケット側カム部材としての固定カム38と、ストッパ57を有して固定カム38に取り付けられる円筒形状の筒状部材39と、を有している。
【0044】
以下、
図3~
図7等を用いてロック機構4について詳述する。
図3は、ロック機構4の分解斜視図である。
図4は、可動カム37、固定カム38及び筒状部材39の三者を組み付けた状態の斜視図である。
図5は、固定カム38に筒状部材39を組み付けた状態の斜視図である。
図6は、固定カム38のカム部45の平面図である。
図7は、筒状部材39が組み付けられた固定カム38の平面図である。
図8は、ロック解除状態のときのストッパ57と可動カム37のカム山43と固定カム38のカム山47との位置を模式的に示した説明図である。
図9は、ロック状態のときのストッパ57と可動カム37のカム山43と固定カム38のカム山47との位置を模式的に示した説明図である。なお、
図8及び
図9においてハッチングを施した部分は、可動カム37のカム山43を示している。
【0045】
ロックボルト32は、
図3に示すように、ストロークガイド35のほか、ミッドジャケット23に形成されたテレスコ用長孔29、固定カム38、可動カム37をそれぞれ貫通している。ロックボルト32は、操作レバー36側からベアリング33を介してナット34を締結することで、その抜け止めが施される。ベアリング33は、例えばスラストニードルベアリングである。
【0046】
ストロークガイド35は、
図2及び
図3に示すように、操作レバー36が配置されていない側のクランプ片部10のチルト用長孔11と、チルトジャケット21の操作レバー36が配置されていない側の締結片部27に形成された図示せぬ角孔を貫通し、ミッドジャケット23の操作レバー36が配置されていない側のテレスコ用長孔29に回転を規制された状態で嵌め込まれ、前後方向に摺動自在に保持される。
【0047】
操作レバー36は、
図1~
図3に示すように、車両後方側に延びるよう形成された把手部36aを有している。把手部36aは運転者によって操作される。また、操作レバー36には、可動カム37が取り付けられるレバー角孔36bが形成されている。
【0048】
可動カム37及び固定カム38は、金属材料からなる部材であり、上記クランプ軸の軸回りに形成されたカム山が互いに対向するように組み付けられる一対のカム部材に相当する。
【0049】
換言すると、可動カム37及び固定カム38は、ロックボルト32の中心軸線を囲むように形成されたカム山が互いに対向するように組み付けられる一対のカム部材である。
【0050】
金属製の可動カム37は、
図3及び
図4に示すように、レバー角孔36bに挿入される一端側の角柱部41と、固定カム38に組み付けられる他端側のカム部42と、を有している。可動カム37の角柱部41は、多角形断面(例えば断面8角形)となるように形成されている。
【0051】
可動カム37のカム部42は、円柱状を呈し、端面に複数(例えば3つ)のカム山43が形成されている。可動カム37のカム部42には、固定カム38と同数のカム山43が形成されている。可動カム37のカム山43は、可動カム37のカム部42の周方向に沿って形成されている。つまり、可動カム37のカム山43は、可動カム37を貫通するロックボルト32の中心軸線を囲むように形成されている。
【0052】
換言すると、可動カム37のカム山43は、可動カム37を貫通するロックボルト32の中心軸線回りに形成されている。
【0053】
可動カム37は、カム部42の端面に形成されたカム山43が固定カム38のカム部45の端面に形成されたカム山47と噛み合うように、固定カム38に組み付けられる。
【0054】
なお、可動カム37のカム部42の端面は、固定カム38のカム部45の端面と相似形状に形成されている。
【0055】
金属製の固定カム38は、
図3~
図5に示すように、可動カム37に組み付けられる一端側のカム部45と、他端側の角柱部46と、を有している。
【0056】
固定カム38のカム部45は、
図5~
図7に示すように、円柱形状を呈し、端面に複数(例えば3つ)のカム山47が形成されている。固定カム38のカム部45には、可動カム37と同数のカム山47が形成されている。固定カム38のカム山47は、固定カム38のカム部45の周方向に沿って形成されている。つまり、固定カム38のカム山47は、固定カム38を貫通するロックボルト32の中心軸線を囲むように形成されている。
【0057】
換言すると、固定カム38のカム山47は、固定カム38を貫通するロックボルト32の中心軸線回りに形成されている。
【0058】
固定カム38は、カム部45の端面に形成されたカム山47が可動カム37のカム部42の端面に形成されたカム山43と噛み合うように、可動カム37に組み付けられる。
【0059】
固定カム38のカム部45の端面には、
図5~
図7に示すように、カム山43によって、カム山頂部平面51と、カム山谷部平面52と、傾斜面53と、が形成されている。
【0060】
固定カム38のカム山頂部平面51は、可動カム37のカム山43が乗り上げることが可能な平面であり、固定カム38のカム山47の頂部(頂上付近)に形成される。固定カム38のカム山頂部平面51は、例えば固定カム38のカム部45の中心軸線と直行するよう形成されている。
【0061】
固定カム38のカム山谷部平面52は、固定カム38のカム部45のカム山47同士の間に形成される。固定カム38のカム山谷部平面52は、例えば固定カム38のカム部45の中心軸線と直行するよう形成されている。
【0062】
固定カム38の傾斜面53は、カム山頂部平面51とカム山谷部平面52との間に形成される。固定カム38の傾斜面53は、例えば固定カム38のカム部45の中心軸線と直行する平面に対して傾くように形成されている。
【0063】
固定カム38の角柱部46は、矩形断面となるように形成されている。固定カム38の角柱部46は、操作レバー36が配置される側のクランプ片部10のチルト用長孔11と、チルトジャケット21の操作レバー36が配置される側の締結片部27に形成された図示せぬ角孔を貫通し、ミッドジャケット23の操作レバー36が配置される側に形成されたテレスコ用長孔29に回転を規制された状態で嵌め込まれ、前後方向に摺動自在に保持される。
【0064】
筒状部材39は、例えばゴム等の弾性変形可能な弾性材料からなり、
図3~
図5及び
図7に示すように、固定カム38のカム部45が挿入される円筒形状の本体部56と、本体部56の一端に形成された複数のストッパ57と、を有している。筒状部材39は、例えば加硫接着することにより、本体部56が固定カム38のカム部45の外周面に固定されている。
【0065】
ストッパ57は、筒状部材39の本体部56の一端面に、本体部56の周方向に沿って所定長さ形成されている。ストッパ57の本体部56の周方向に沿った長さは、例えば、固定カム38のカム山47の傾斜面53の周方向に沿った長さと以下となるように設定される。
【0066】
ストッパ57は、筒状部材39を固定カム38に取り付けた際に、固定カム38のカム部45の周方向で、固定カム38のカム部45の傾斜面53の位置に配置される。
【0067】
つまり、ストッパ57は、本体部56の周方向に沿った全長に亙って、固定カム38のカム部45の傾斜面53と重なり合うように、固定カム38に取り付けられる。
【0068】
換言すると、筒状部材39が取り付けられる固定カム38は、カム山47の傾斜面53にストッパ57が設定されている。さらに言えば、一対のカム部材のうち筒状部材39が取り付けられたカム部材にストッパ57が設定される。
【0069】
ストッパ57は、
図5及び
図7に示すように、固定カム38のカム部45の傾斜面53上に固定カム38の外周側から突出するように形成されている。
【0070】
換言すると、ストッパ57は、固定カム38のカム部45の傾斜面53上に、固定カム38の径方向で固定カム38の外側から固定カム38の内側に向かって突出するよう形成されている。さらに言えばストッパ57は、可動カム37のカム山43が通過する固定カム38の傾斜面53上の通過領域内に突出するよう形成されている。
【0071】
ストッパ57は、本体部56の一端の内周側に突出した断面矩形の径方向突出部58と、本体部56の一端面から軸方向にのみ突出した断面矩形の軸方向突出部59と、を有している。ストッパ57は、固定カム38のカム部45のカム山47と同じ数だけ形成されている。なお、
図4、
図5、
図7~
図9においては、説明の便宜上、ストッパ57に破線からなる補助線を書き入れて径方向突出部58と軸方向突出部59を示している。
【0072】
径方向突出部58は、本体部56の周方向に沿った全長に亙って、固定カム38のカム部45の傾斜面53と重なり合うように形成される。また、径方向突出部58は、可動カム37のカム山43が通過する固定カム38の傾斜面53上の通過領域内に突出するよう形成されている。
【0073】
径方向突出部58は、
図5に示すように、本体部56の軸方向に沿って所定長さを有するように形成されている。
【0074】
ロック機構4は、可動カム37のカム山43が固定カム38のカム山47のカム山頂部平面51に乗り上げた状態のとき、ステアリングコラム装置1のチルト位置調整機能及びテレスコ位置調整機能を共にロック状態にする。
【0075】
ロック機構4は、可動カム37と固定カム38のカム山同士が互いに乗り上げていると、ロックボルト32がその軸方向で操作レバー36側に引っ張られてストロークガイド35と固定カム38の間隔が狭められる。
【0076】
コラムジャケット3は、ストロークガイド35と固定カム38の間隔が狭められてブラケット2の一対の側壁部5の間隔が狭くなると、ブラケット2に固定される。
【0077】
つまりロック機構4は、ブラケット2にコラムジャケット3を固定する場合、操作レバー36を回転させて可動カム37のカム山43を固定カム38のカム山47のカム山頂部平面51に乗り上げさせることで固定カム38が可動カム37に対してロックボルト32(クランプ軸)の軸方向に変位し、ブラケット2の一部を撓み変形させてコラムジャケット3をブラケット2に固定する。
【0078】
このようなロック状態においては、チルト位置調整(車両上下方向での位置調整)及びテレスコ位置調整(車両前後方向での位置調整)ができない状態となる。
【0079】
図8に示すように、ロック機構4は、可動カム37のカム山43が固定カム38のカム山47のカム山頂部平面51に乗り上げたロック状態のとき、可動カム37のカム山43にストッパ57が接触し押し付けられている。つまり、ストッパ57は、ロック機構4がロック状態のときに、可動カム37のカム山43に接触し押し付けられている。
【0080】
また、ロック機構4は、可動カム37のカム山43が相手側の固定カム38のカム山47同士の間の谷部であるカム山谷部平面52に落ち込んだ状態のとき、ステアリングコラム装置1のチルト位置調整機能及びテレスコ位置調整機能が共にロックが解除された状態(ロック解除状態)となっている。
【0081】
ロック機構4は、可動カム37のカム山が相手側の固定カム38のカム山47同士の間の谷部であるカム山谷部平面52に落ち込んでいると、ロックボルト32の引っ張り軸力が緩められる。ロック機構4は、ロックボルト32の引っ張り軸力が緩められてブラケット2の一対の側壁部5等に作用する締め付け力が解除されると、ステアリングコラム装置1のチルト位置調整機能及びテレスコ位置調整機能を共にロック解除状態にする。
【0082】
このようなロック解除状態においては、チルト用長孔11の形成されている範囲内で、チルト位置調整(車両上下方向での位置調整)が可能となる。また、このようなロック解除状態においては、テレスコ用長孔29の形成されている範囲内で、テレスコ位置調整(車両前後方向での位置調整)が可能となる。
【0083】
図9に示すように、ロック機構4は、可動カム37が固定カム38のカム山47同士の間の谷部であるカム山谷部平面52に落ち込んだロック解除状態のとき、可動カム37のカム山43にストッパ57が接触せず、押し付けられないようになっている。つまり、ストッパ57は、ロック機構4がロック解除状態のとき、可動カム37のカム山43に接触せず、押し付けられない。
【0084】
ブラケット2に対するコラムジャケット3の固定を解除すると、クランプ軸の引っ張り軸力が緩められる。そのため、可動カム37は、撓み変形していたブラケット2の復元力(弾性力)等の影響により操作レバーがはじかれ、ブラケット2に対するコラムジャケット3の固定を解除する際に勢い良く回転する虞がある。
【0085】
可動カム37は、ブラケット2に対するコラムジャケット3の固定を解除する際に勢い良く回転すると、可動カム37のカム山43が固定カム38のカム山47に勢い良く衝突し、打音が発生する虞がある。特に、可動カム37のカム山43が固定カム38のカム山47に乗り上げた際のこれらカム山43、47によるリフト量が高くなるような場合には、ブラケット2へのコラムジャケット3の固定を解除する際に、可動カム37が勢い良く回転することになる。
【0086】
上述した第1実施例のロック機構4は、ブラケット2に対するコラムジャケット3の固定を解除する場合、操作レバー36を回転させて可動カム37のカム山43が固定カム38のカム山47から下る際に、可動カム37のカム山43にストッパ57を接触させる。
【0087】
換言すると、ロック機構4は、ブラケット2に対するコラムジャケット3の固定を解除する場合、操作レバー36を回転させて可動カム37のカム山43が固定カム38のカム山47から下る際に、一対のカム部材のうちストッパ57が設定されていないカム部材(筒状部材39が取り付けられていないカム部材)のカム山にストッパ57を接触させる。
【0088】
そのため上述した第1実施例のステアリングコラム装置1においては、ブラケット2へのコラムジャケット3の固定を解除する際に、固定カム38に設定された(取り付けられた)ストッパ57が可動カム37のカム山43に接触(干渉)して可動カム37の回転速度が低下し緩和される。
【0089】
従って、ステアリングコラム装置1は、ブラケット2へのコラムジャケット3の固定を解除する際に、可動カム37のカム山43と固定カム38のカム山47とが勢いよく衝突してしまうことを抑制することができ、打音(衝突音)の発生を抑制することができる。
【0090】
ロック機構4は、固定カム38の外周に固定される円筒形状の筒状部材39を有し、筒状部材39にストッパ57が設けられている。つまり、ロック機構4は、一対のカム部材のうちの一方のカム部材の外周に固定される円筒形状の筒状部材39を有し、この筒状部材39にストッパ57が設けられている。
【0091】
従って、ストッパ57を有する筒状部材39は、固定カム38のカム部45の全周に亙って装着され、固定カム38に強固に取り付けることができる。そのため、ステアリングコラム装置1は、ストッパ57を所期の位置であるカム部材のカム山の斜面に精度良く突出させることができる。
【0092】
また、ロック機構4は、ブラケット2にコラムジャケット3が固定された状態(ロック機構4がロック状態)のとき、可動カム37のカム山43とストッパ57とが接触している。
【0093】
換言すると、ロック機構4は、ブラケット2にコラムジャケット3が固定された状態(ロック機構4がロック状態)のとき、一対のカム部材のうちストッパ57が設定されていないカム部材(筒状部材39が取り付けられていないカム部材)のカム山とストッパとが接触している。
【0094】
これによって、ストッパ57は、ブラケット2に対するコラムジャケット3の固定を解除する際に、可動カム37の動き始めから可動カム37のカム山43に接触することになる。つまり、ロック機構4は、ブラケット2に対するコラムジャケット3の固定を解除する際に、可動カム37が勢いよく回転してしまうことをより効果的に抑制できる。
【0095】
そのため、ロック機構4は、ブラケット2に対するコラムジャケット3の固定を解除する際に、可動カム37のカム山43と固定カム38のカム山47とが勢いよく衝突してしまうことをより一層抑制することができ、打音(衝突音)をより一層抑制することができる。
【0096】
また、ロック機構4は、ブラケット2へのコラムジャケット3の固定が解除された状態(ロック機構4がロック解除状態)のとき、可動カム37のカム山43にストッパ57が接触しないようになっている。
【0097】
換言すると、ロック機構4は、ブラケット2へのコラムジャケット3の固定が解除された状態(ロック機構4がロック解除状態)のとき、一対のカム部材のうちストッパ57が設定されていないカム部材(筒状部材39が取り付けられていないカム部材)のカム山とストッパとが接触しないようになっている。
【0098】
これによって、可動カム37は、ブラケット2にコラムジャケット3を固定する際に、動き出しの速度がストッパ57によって抑制されることはない。つまり、運転者は、ロック機構4を操作し、ブラケット2にコラムジャケット3を固定する際に、操作レバー36を違和感なくスムースに操作することができる。
【0099】
以下、本発明の他の実施例について説明する。なお、上述した第1実施例と同一の構成要素については、同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
【0100】
図10及び
図11を用いて本発明の第2実施例を説明する。
図10は、第2実施例におけるステアリングコラム装置の可動カム37、固定カム38及び筒状部材39の三者を組み付けた状態の斜視図である。
図11は、第2実施例におけるステアリングコラム装置の固定カム38に筒状部材39を組み付けた状態の斜視図である。
【0101】
第2実施例のステアリングコラム装置は、上述した第1実施例のステアリングコラム装置1と略同一構成となっているが、筒状部材39が固定カム38ではなく可動カム37に固定されている。第2実施例における筒状部材39は、例えば加硫接着することにより、本体部56が可動カム37のカム部42の外周面に固定されている。
【0102】
第2実施例において、筒状部材39のストッパ57は、筒状部材39を可動カム37に取り付けた際に、可動カム37のカム部42の周方向で、可動カム37のカム部42の傾斜面65の位置に配置される。
【0103】
つまり、第2実施例において、ストッパ57は、本体部56の周方向に沿った全長に亙って、可動カム37のカム部42の傾斜面65と重なり合うように、可動カム37に取り付けられる。
【0104】
換言すると、筒状部材39が取り付けられる可動カム37は、カム山43の傾斜面65にストッパ57が設定されている。さらに言えば、一対のカム部材のうち筒状部材39が取り付けられたカム部材にストッパ57が設定される。
【0105】
第2実施例のステアリングコラム装置においては、ロック機構4がロック状態のとき、可動カム37のカム山43に乗り上げた固定カム38のカム山47には、ストッパ57が接触し、押し付けられている。つまり、ストッパ57は、ロック機構4がロック状態のとき、固定カム38のカム山47に接触し、押し付けられている。
【0106】
第2実施例のステアリングコラム装置においては、ロック機構4がロック解除状態のとき、固定カム38のカム山47にストッパ57が接触せず、押し付けられないようになっている。
【0107】
換言すると、第2実施例のロック機構4は、ブラケット2へのコラムジャケット3の固定が解除された状態(ロック機構4がロック解除状態)のとき、一対のカム部材のうちストッパ57が設定されていないカム部材(筒状部材39が取り付けられていないカム部材)のカム山にストッパ57が接触せず、押し付けられないようになっている。つまり、つまり、ストッパ57は、ロック機構4がロック解除状態のとき、可動カム37のカム山43に接触せず、押し付けられない。
【0108】
第2実施例のステアリングコラム装置においては、ブラケット2へのコラムジャケット3の固定を解除する際に、可動カム37に設定された(取り付けられた)ストッパ57が固定カム38のカム山47に接触(干渉)して可動カム37の回転速度が低下し緩和される。
【0109】
第2実施例のロック機構4は、ブラケット2に対するコラムジャケット3の固定を解除する場合、操作レバー36を回転させて可動カム37のカム山43が固定カム38のカム山47から下る際に、固定カム38のカム山47にストッパ57が接触する。
【0110】
換言すると、第2実施例のロック機構4は、ブラケット2に対するコラムジャケット3の固定を解除する場合、操作レバー36を回転させて可動カム37のカム山43が固定カム38のカム山47から下る際に、一対のカム部材のうちストッパ57が設定されていないカム部材(筒状部材39が取り付けられていないカム部材)のカム山にストッパ57を接触させる。
【0111】
このような第2実施例のステアリングコラム装置においても、上述した第1実施例と略同様の作用効果を奏することができる。
【0112】
以上、本発明の具体的な実施例を説明してきたが、本発明は、上述した実施例に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
【0113】
例えば、筒状部材39に設けられるストッパ57の数は、上述した実施例では筒状部材39が取り付けられるカム部材のカム山の数と同数であったが、筒状部材39が取り付けられるカム部材のカム山の数よりも少なくしてもよい。つまり、筒状部材39が取り付けられるカム部材のカム山には、カム山の傾斜面にストッパ57が設定されないものがあってもよい。
【0114】
また、ロック機構4は、ロックボルト32の周方向で、可動カム37のカム山43と固定カム38のカム山47との間に例えばゴム等の弾性材料からなる緩衝部材を配置するようにしてもよい。これによって、ロック機構4のロック解除時に、可動カム37の回転速度を抑制することによる打音の抑制に加えて、可動カム37のカム山43と固定カム38のカム山47とが直接衝突することにより生じる金属打音を抑制可能となり、打音の発生をより一層抑制できる。緩衝部材は、例えば筒状部材39と一体に形成してもよい。
【符号の説明】
【0115】
1…ステアリングコラム装置
2…ブラケット
3…コラムジャケット
4…ロック機構
32…ロックボルト
33…ベアリング
34…ナット
35…ストロークガイド
36…操作レバー
37…可動カム(レバー側カム部材)
38…固定カム(ブラケット側カム部材)
39…筒状部材
43…カム山
47…カム山
53…傾斜面
57…ストッパ