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特許7227128対象物の3D合成画像を生成し、3D合成画像に基づき対象物の特性を決定するための方法システム
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-02-13
(45)【発行日】2023-02-21
(54)【発明の名称】対象物の3D合成画像を生成し、3D合成画像に基づき対象物の特性を決定するための方法システム
(51)【国際特許分類】
   G06T 1/00 20060101AFI20230214BHJP
   G06T 7/00 20170101ALI20230214BHJP
   G06T 7/521 20170101ALI20230214BHJP
   G06T 7/60 20170101ALI20230214BHJP
【FI】
G06T1/00 305
G06T7/00 610A
G06T7/521
G06T7/60 150Z
【請求項の数】 16
(21)【出願番号】P 2019525779
(86)(22)【出願日】2018-02-08
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2020-03-19
(86)【国際出願番号】 SG2018050054
(87)【国際公開番号】W WO2018147804
(87)【国際公開日】2018-08-16
【審査請求日】2020-08-03
【審判番号】
【審判請求日】2022-06-16
(31)【優先権主張番号】62/456,258
(32)【優先日】2017-02-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/610,236
(32)【優先日】2017-12-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】511157572
【氏名又は名称】セミコンダクター テクノロジーズ アンド インストゥルメンツ ピーティーイー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100091683
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼川 俊雄
(72)【発明者】
【氏名】アマヌッラー,アジハラリ
【合議体】
【審判長】千葉 輝久
【審判官】木方 庸輔
【審判官】樫本 剛
(56)【参考文献】
【文献】中国特許出願公開第103292697(CN,A)
【文献】特開2004-020286(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01B 11/00 -11/30
G06T 1/00
G06T 7/00 - 7/90
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
パッケージ化された半導体素子の3D検査のための方法であって、各前記素子は、上面、底面、およびz軸方向に前記素子の前記上面と前記底面の間で垂直に伸長する複数の側壁を有する本体を備え、前記方法は、
(a)前記素子の上面が第1の素子配置表面の上に束縛されずに静止しており、かつ前記素子が、重力以外の外部からの圧縮力を受けない間、または(b)前記素子の上面が、吸引力を用いて第1の吸引先端により支えられ、かつ前記第1の吸引先端とは別個の第1の基準構造物に対して前記素子の前記上面を強制的に圧縮することが回避される間、1セットの3D素子画像化または走査ステーションにより前記素子の底面の3Dプロファイル画像を取り込んで、対応する底面3Dプロファイル画像データセットを生成するステップと、
(c)前記素子の底面が前記第1の素子配置表面または第2の素子配置表面の上に束縛されずに静止しており、かつ前記素子が、前記重力以外の前記外部からの圧縮力を受けない間、または(d)前記素子の底面が、前記吸引力を用いて前記第1の吸引先端または第2の吸引先端により支えられ、かつ前記第1の基準構造物、および前記第2の吸引先端とは別個の第2の基準構造物の各々に対して前記素子の前記底面を強制的に圧縮することが回避される間、前記1セットの3D素子画像化または走査ステーションにより前記素子の上面の3Dプロファイル画像を取り込んで、対応する上面3Dプロファイル画像データセットを生成するステップと、
素子側壁走査ステーションにより前記素子の複数の側壁画像を取り込んで、対応する側壁画像の2D側壁画像データセットを含む側壁画像データセットを生成するステップと、
前記底面3Dプロファイル画像データセット、前記上面3Dプロファイル画像データセット、および前記側壁画像データセットに基づき、またはそれらを使用して、少なくとも1つの処理ユニットおよび1セットのプログラム命令を記憶するメモリにより前記素子の3Dデジタル再構築または推定に対応する3D合成画像データセットを生成するステップと
を備え、
前記3D合成画像データセットを生成する前記ステップは、底面プロファイル(bottom surface profile、BSP)データセットおよび上面プロファイル(top surface profile、TSP)データセットを生成するステップと、生成したBSPデータセット、TSPデータセットおよび側壁画像データセットを互いに対してデジタル方式で整列させる、または登録するステップと、前記デジタル方式で整列させた、または登録した底面プロファイルデータセット、上面プロファイルデータセット、および側壁画像データセットを一緒につなぎ合わせるステップとをさらに備え
前記底面プロファイル(BSP)データセットおよび上面プロファイル(TSP)データセットを生成する前記ステップは、湾曲した底面画像データセットおよび湾曲した上面画像データセットの各々を生成するステップを備える方法。
【請求項2】
前記底面3Dプロファイル画像データセットは、前記素子の前記底面の領域全体にわたって遂行される底面3D走査線画像化手順を用いて生成され、前記上面3Dプロファイル画像データセットは、前記素子の前記上面の領域全体にわたり遂行される上面3D走査線画像化手順を用いて生成される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記第1の素子配置表面は、前記素子の前記上面および前記底面の少なくとも一方の表面領域に対して平坦である、および/または前記第2の素子配置表面は、前記素子の前記上面および前記底面の少なくとも一方の前記表面領域に対して平坦である、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
(a)前記素子の上面は、前記第1の素子配置表面の上に束縛されずに静止しており、前記素子は、前記素子の底面の前記3Dプロファイル画像の前記取込み中、前記重力以外の前記外部からの圧縮力を受けず、(c)前記素子の底面は、前記第1の素子配置表面または前記第2の素子配置表面の上に束縛されずに静止しており、前記素子は、前記素子の上面の前記3Dプロファイル画像の前記取込み中、前記重力以外の前記外部からの圧縮力を受けない、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記底面の3Dプロファイル画像を取り込む前記ステップの間、(a)前記素子の上面は、前記第1の素子配置表面の上に束縛されずに静止しており、前記素子は、前記素子の底面の前記3Dプロファイル画像の前記取込み中、前期重力以外の前記外部からの圧縮力を受けず、前記上面の3Dプロファイル画像を取り込む前記ステップの間、(d)前記素子の底面は、前記吸引力を用いて前記第1の吸引先端または前記第2の吸引先端により支えられ、前記第1の基準構造物および前記第2の基準構造物の各々に対する前記素子の前記底面の強制的圧縮が回避される、または
前記底面の3Dプロファイル画像を取り込む前記ステップの間、(b)前記素子の上面は、前記吸引力を用いて前記第1の吸引先端により支えられ、前記第1の基準構造物に対する前記素子の前記上面の強制的圧縮が回避され、前記上面の3Dプロファイル画像を取り込む前記ステップの間、(c)前記素子の底面は、前記第1の素子配置表面および前記第2の素子配置表面の一方の上に束縛されずに静止している、
請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記素子が、前記パッケージ化された半導体素子を貯蔵または移送するために使用する、半導体業界に関連する標準設計を有するキャリア、プラットフォーム、または媒体の中に置かれている間、前記素子の上面の前記3Dプロファイル画像および前記素子の底面の前記3Dプロファイル画像の一方が取り込まれる、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記キャリア、プラットフォーム、または媒体は、所定のサイズのパッケージ化された半導体素子を運ぶように構成された業界標準トレイ、業界標準ボート、または業界標準テープ構造物のうち1つを備える、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記湾曲した底面画像データセットを生成する前記ステップは、
前記素子の物理的底面に対応する底面基準平面を規定する(x、y)値のアレイを数値的に決定するステップと、
前記底面基準平面内部の前記(x、y)値の前記アレイ内部の前記(x、y)値ごとに、前記底面3Dプロファイル画像データセットと前記底面基準平面の間のz軸偏差を数値的に決定するステップと
を備える、請求項に記載の方法。
【請求項9】
前記z軸に対する物理的素子底面非一様性に対応する底面プロファイル値の(x、y)アレイを備える底面プロファイル(BSP)データセットとして、(x、y)値ごとに前記底面3Dプロファイル画像データセットと前記底面基準平面の間のz軸偏差を記憶するステップをさらに備える、請求項に記載の方法。
【請求項10】
前記湾曲した上面画像データセットを生成する前記ステップは、
前記素子の物理的上面に対応する上面基準平面を規定する(x、y)値のアレイを数値的に決定するステップと、
前記上面基準平面内部の前記(x、y)値の前記アレイ内部の前記(x、y)値ごとに、前記上面3Dプロファイル画像データセットと前記上面基準平面の間のz軸偏差を数値的に決定するステップと
を備える、請求項に記載の方法。
【請求項11】
前記z軸に対する物理的素子上面非一様性に対応する上面プロファイル値の(x、y)アレイを備える上面プロファイル(TSP)データセットとして、(x、y)値ごとに前記上面3Dプロファイル画像データセットと前記上面基準平面の間のz軸偏差を記憶するステップをさらに備える、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
真の対象物本体の厚さ(True Object Main Body Thickness、TOMBT)データセットを生成するステップをさらに含み、前記TOMBTデータセットでは、任意の所与のTOMBT(x、y)値は、特有の(x、y)点で前記3D合成画像データセット内部の前記TSPと前記BSPの間のz軸距離を表す、請求項1に記載の方法。
【請求項13】
前記素子の底面の前記3Dプロファイル画像、および前記素子の上面の前記3Dプロファイル画像を分析することによって、対象物全体の厚さ(Total Object Thickness、TOT)値を決定するステップ;ならびに前記素子の底面の前記3Dプロファイル画像内の最も低い物理的素子構造物と前記素子の上面の前記3Dプロファイル画像内の最も高い物理的素子構造物の間の最大z軸距離を決定するステップをさらに備える、請求項1に記載の方法。
【請求項14】
パッケージ化された半導体素子の3D検査のためのシステムであって、各前記素子は、上面、底面、およびz軸方向に前記素子の前記上面と前記底面の間で垂直に伸長する複数の側壁を有する本体を備え、前記システムは、
1セットの3D素子画像化または走査ステーションであって、
(i)(a)前記素子の上面が第1の素子配置表面の上に束縛されずに静止しており、かつ前記素子が、重力以外の外部からの圧縮力を受けない間、または(b)前記素子の上面が、吸引力を用いて第1の吸引先端により支えられ、かつ前記第1の吸引先端とは別個の第1の基準構造物に対する前記素子の前記上面の強制的圧縮が回避される間、前記素子の底面の3Dプロファイル画像を取り込んで、対応する底面3Dプロファイル画像データセットを生成するステップ、および
(ii)(c)前記素子の底面が前記第1の素子配置表面または第2の素子配置表面の上に束縛されずに静止しており、かつ前記素子が、前記重力以外の前記外部からの圧縮力を受けない間、または(d)前記素子の底面が、前記吸引力を用いて前記第1の吸引先端または第2の吸引先端により支えられ、かつ前記第1の基準構造物、および前記第1の吸引先端とは別個の第2の基準構造物の各々に対する前記素子の前記底面の強制的圧縮が回避される間、前記素子の上面の3Dプロファイル画像を取り込んで、対応する上面3Dプロファイル画像データセットを生成するステップ
を用いて、前記素子の底面および前記素子の上面の各々を画像化または走査して、それぞれ3D素子底面データセットおよび3D素子上面データセットを生成するように構成された1セットの3D素子画像化または走査ステーションと、
複数の素子側壁を画像化または走査して、対応する側壁画像データセットを生成するように構成された素子側壁走査ステーションと、
少なくとも1つの処理ユニットと、
前記底面3Dプロファイル画像データセット、前記上面3Dプロファイル画像データセット、および前記側壁画像データセットに基づき、またはそれらを使用して、前記素子の3Dデジタル再構築または推定に対応する3D合成画像データセットを生成するように構成された1セットのプログラム命令を記憶するメモリとを備え、
前記3D合成画像データセットを生成することは、底面プロファイル(BSP)データセットおよび上面プロファイル(TSP)データセットを生成することと、生成したBSPデータセット、TSPデータセットおよび側壁画像データセットを互いに対してデジタル方式で整列させる、または登録することと、前記デジタル方式で整列させた、または登録した底面プロファイルデータセット、上面プロファイルデータセット、および側壁画像データセットを一緒につなぎ合わせることとを含むシステム。
【請求項15】
前記1セットの3D素子画像化または走査ステーションは、少なくとも1つの3D走査線プロファイル画像化装置を備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項16】
前記素子側壁走査ステーションは、複数の素子側壁を同時に画像化または走査するように構成された装置を備える、請求項1に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示の様態は、対象物の自動化またはコンピュータ化された3次元(3D)光学検査に関する。より詳細には、本開示の様態は、対象物の湾曲した上面の画像および湾曲した底面の画像の生成、導出、または計算、および記憶;複数の対象物側壁画像の取込みおよび記憶;湾曲した上面の表面画像、湾曲した底面の画像、および側壁画像をデジタル方式で登録して、または整列させて、統一、一体化、または連結/接続することによる、対象物の3D合成画像の生成、合成、または導出、および記憶;ならびに生成した3D合成画像を使用した、1つまたは複数の対象物の検査、特徴づけ、または評価の工程を伴う、対象物の自動化された、自動式の、またはコンピュータに基づく光学検査を対象とする。
【背景技術】
【0002】
電子機器製造業者は、集積回路素子を用いて製造されたより大きな素子の、たとえば、市場の好みおよび要求により時間をかけて、それ自体次第により薄く、より密になっている携帯電話などの携帯型機器の、制限された場所の中にできるだけ多くの集積回路素子をはめ込もうと、または詰め込もうとする。現在、携帯型機器製造業者は、処理能力がさらにいっそう高いが、より小型で、より薄く、より密な機器を作り出すことに基づき競争している。その結果として大抵は、複数の集積回路素子、チップ、またはダイは、単一の半導体部品パッケージの中に埋め込まれ、または積層され、それにより、パッケージ化された複合素子として規定することができるものを形成する。パッケージ化された複合素子の1つまたは複数の部分は、そるようになる、歪むようになる、またはパッケージ化された複合素子の製造過程の間にあまりにも重くなる可能性がある公算がより高い。このことは、パッケージ化された複合素子を薄い携帯型機器の一部分の中に、またはその上に搭載する前に、パッケージ化された複合素子が寸法および信頼性の要件を満たすかどうかを正確に確認する製造業者の能力に影響を及ぼす。さらに、検査された、パッケージ化された複合素子のそりまたは歪みの広がりおよびプロファイルは、素子を埋め込む、または積層する際の誤差などの、製造工程での問題を示す場合がある。パッケージが非常に厚い場合、そのようなそりまたは歪みの広がりは、パッケージの中で積層された複数の素子が正しく積層されなかった場合がある、または製造工程の間の不十分な付着もしくは搭載を示す場合があることを示す場合がある。
【0003】
過去には、パッケージ化された複合素子の光学検査に関連して、製造業者は、パッケージ化された複合素子の厚さまたは高さのパラメータまたは尺度としてパッケージ全体の厚さ(Total Package Thickness、TPT)に依存し、パッケージ全体の厚さの測定値は、パッケージのための、下にあるボール・グリッド・アレイまたはパッドの高さを含む。パッケージ化された複合素子の高さを特徴づけるための唯一の尺度としてTPTに依存するとき、パッケージ化された複合素子が製造工程の不整合および/または誤差の結果として寸法的に変わる可能性がある、想定される手法が、受け入れ可能な、または良質の素子を誤って不合格にするだけではなく、欠陥のある、もしくは信頼できない可能性の高い素子を受容する、または合格させる結果となる可能性があるので、パッケージが、携帯型機器の中にぴったりはまる、および/または携帯型機器内で信頼できるように動作する可能性が高いかどうかを正確に判断するのに、このパラメータだけでは不十分になってきた。
【0004】
光学検査については、検査工程中にパッケージを所定の位置にどのように取り付けるか、または支えるかと共に、パッケージのそりは、より大きなパッケージ高さ読取り値をもたらす場合があり、これにより、パッケージモールド化合物の少し弾性的性質が、パッケージ全体の電気的または機械的完全性に影響を及ぼすことなく、パッケージおよびパッケージが含有する素子の圧縮および平坦化をいくらか見込んでいるとき、たとえパッケージが携帯型機器の中または上に実際に搭載可能である場合があっても、パッケージを不合格にする場合がある。
【0005】
パッケージ化された複合素子などのパッケージ化された素子の従来の工学検査は、検査中に、平坦な基準面に対してパッケージ化された素子をノズルにより吸引または真空で支える必要がある。これは、基準面に対してパッケージを圧縮する結果となる。基準面の平面に対して圧縮する結果とし得られるパッケージの歪みは、検査中に、パッケージのそりを増大させる(それにより、実際のTPTを人為的に増大させる)、またはパッケージのそりを低減し(それにより、実際のTPTを人為的に低減する)、誤ったTPT測定値または読取り値をもたらす。基準面に対して支えられる、または基準配置平面に対して真空または吸引力により検査領域で押さえられるとき、パッケージの上面および/または底面上で3D走査を遂行する場合、パッケージの上面および/または底面を取り込んだ3Dプロファイルは、パッケージの正しい、または必要とされる表面トポロジを提供しないことに留意しなければならない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上述の問題、制限、および不整合なしに、パッケージ化された複合素子が、薄い携帯型機器の中に搭載され、かつ信頼できるように使用される寸法要件を満たすかどうかを製造業者が判断する方法を見いだす必要がある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の一様態によれば、3D対象物検査工程は:(a)対象物上面が対象物配置表面の上に束縛されずに静止している間、または(b)吸引先端とは別個の基準面に対して対象物上面を強制的に圧縮することなく、対象物底面3Dプロファイルを取り込むステップと;(c)対象物の底面が対象物配置表面の上に束縛されずに静止している間、または(d)基準面に対して対象物の底面を強制的に圧縮することなく、対象物上面3Dプロファイルを取り込むステップと;複数の対象物側壁画像を取り込むステップと;底面3Dプロファイル画像データセット、上面3Dプロファイル画像データセット、および側壁画像データセットに基づき、またはそれらを使用して、対象物の3Dデジタル再構築または推定を備える3D合成画像を生成するステップと;3D合成画像から1セットの対象物全体もしくは対象物全体のアレイ、および/または対象物本体の等高線値,および/または厚さ値を決定するステップとを含む。
【0008】
本開示の特定の様態によれば、工程は、対象物の3D検査を対象とし、そこでは、各対象物は、上面と、底面と、z軸方向に対象物の上面と底面の間で垂直に伸長する複数の側壁とを有する本体を含み、工程は:(a)対象物上面が第1の対象物配置表面の上に束縛されずに静止しており、かつ対象物が重力以外の外部からの圧縮力を受けない間、または(b)対象物上面が、吸引力を用いて第1の吸引先端により支えられ、かつ第1の吸引先端とは別個の第1の基準表面に対して対象物の上面を強制的に圧縮することが回避される間、対象物底面の3Dプロファイル画像を取り込んで、対応する底面3Dプロファイル画像データセットを生成するステップと;(c)対象物底面が第1および第2の対象物配置表面の上に束縛されずに静止しており、かつ対象物が重力以外の外部からの圧縮力を受けない間、または(d)対象物底面が、吸引力を用いて第1および第2の吸引先端により支えられ、かつ第1の基準構造物、および第2の吸引先端とは別個の第2の基準構造物の各々に対して対象物の底面を強制的に圧縮することが回避される間、対象物上面の3Dプロファイル画像を取り込んで、対応する上面3Dプロファイル画像データセットを生成するステップと;対象物の複数の側壁画像を取り込んで、対応する側壁画像データセットを生成するステップと;底面3Dプロファイル画像データセット、上面3Dプロファイル画像データセット、および側壁画像データセットに基づき、またはそれらを使用して、対象物の3Dデジタル再構築または推定に対応する3D合成画像データセットを生成するステップとを含む。
【0009】
底面3Dプロファイル画像データセットは、対象物の底面の領域全体にわたって遂行される底面3D走査線画像化手順を用いて生成され、上面3Dプロファイル画像データセットは、対象物の上面の領域全体にわたり遂行される上面3D走査線画像化手順を用いて生成される。
【0010】
第1の対象物配置表面は、対象物の上面および底面の少なくとも一方の表面領域に対して平坦とすることがでる、および/または第2の対象物配置表面は、対象物の上面および底面の少なくとも一方の表面領域に対して平坦とすることができる。
【0011】
対象物上面は、第1の対象物配置表面の上に束縛されずに静止していることができ、対象物は、対象物底面の3Dプロファイル画像を取り込む間、重力以外の外部からの圧縮力を受けず、(c)対象物底面は、第1または第2の対象物配置表面の上に束縛されずに静止していることができ、対象物は、対象物上面の3Dプロファイル画像を取り込む間、重力以外の外部からの圧縮力を受けない。
【0012】
代わりに、底面の3Dプロファイル画像を取り込む間、(a)対象物上面は、第1の対象物配置表面の上に束縛されずに静止していることができ、対象物は、対象物底面の3Dプロファイル画像を取り込む間、重力以外の外部からの圧縮力を受けず、3D上面プロファイルを取り込む間、(d)対象物底面は、吸引力を用いて第1または第2の吸引先端により支えられることができ、第1の基準構造物および第2の基準構造物の各々に対して対象物の底面を強制的に圧縮することが回避される;または底面の3Dプロファイル画像を取り込む間、(b)対象物上面は、吸引力を用いて第1の吸引先端により支えられることができ、第1の基準構造物に対して対象物の上面を強制的に圧縮することが回避され、3D上面プロファイルを取り込む間、(c)対象物底面は、第1の配置構造および第2の配置構造の一方の上に束縛されずに静止していることができる。
【0013】
対象物は、パッケージ化された半導体素子を含む、またはそれとすることができ、対象物上面および底面の3Dプロファイル画像の一方は、対象物が、キャリア、プラットフォーム、または半導体産業に関連する標準化設計を有し、かつパッケージ化された半導体素子を貯蔵または移送するために使用される媒体の中に置かれている間に取り込むことができる。標準的なキャリア、プラットフォーム、または媒体は、所定のサイズのパッケージ化された複合素子を運ぶように構成された、業界標準トレイ、業界標準ボート、または業界標準テープ構造物の1つを含むことができる、またはそれらの1つとすることができる。
【0014】
3D合成画像を生成するステップは、湾曲した底面の画像データセットおよび湾曲した上面の画像データセットの各々を生成するステップを含むことができる。湾曲した底面の画像データセットを生成するステップは、対象物の物理的底面に対応する基準底面平面を規定する(x、y)値のアレイを数値的に決定するステップと;基準底面平面内部の(x、y)値のアレイ内部の(x、y)値ごとに、底面3Dプロファイル画像データセットと基準底面平面の間のz軸偏差を数値的に決定するステップとを含むことができる。
【0015】
工程は、(x、y)値ごとに底面3Dプロファイル画像データセットと底面基準平面の間のz軸偏差を、z軸に対する物理的対象物上面の非一様性に対応する底面プロファイル値の(x、y)アレイを備える底面プロファイル(bottom surface profile、BSP)データセットとして記憶するステップをさらに含むことができる。
【0016】
湾曲した上面の画像データセットを生成するステップは:対象物の物理的上面に対応する基準上面平面を規定する(x、y)値のアレイを数値的に決定するステップと;基準底面平面内部の(x、y)値のアレイ内部の(x、y)値ごとに、上面3Dプロファイル画像データセットと基準底面平面の間のz軸偏差を数値的に決定するステップとを含むことができる。
【0017】
工程は、(x、y)値ごとに上面3Dプロファイル画像データセットと上面基準平面の間のz軸偏差を、z軸に対する物理的対象物上面の非一様性に対応する上面プロファイル値の(x、y)アレイを備える上面プロファイル(top surface profile、TSP)データセットとして記憶するステップをさらに含むことができる。
【0018】
3D合成画像データセットを生成するステップは、BSPデータセット、TSPデータセット、および側壁画像データセットを互いに対してデジタル方式で整列させる、または登録するステップと、デジタル方式で整列させた、または登録したBSPデータセット、TSPデータセット、および側壁データセットを一緒につなぎ合わせるステップとをさらに含むことができる。
【0019】
工程は、真の対象物本体の厚さ(True Object Main Body Thickness、TOMBT)データセットを生成するステップをさらに含み、TOMBTデータセットでは、任意の所与のTOMBT(x、y)値は、特有の(x、y)点での、3D合成画像内部のTSPとBSPの間のz軸距離を表す。
【0020】
工程は、対象物底面の3Dプロファイル画像、および対象物上面の3Dプロファイル画像を分析するステップと;対象物底面の3Dプロファイル画像内の最も低い物理的対象物構造物と対象物上面の3Dプロファイル画像内の最も高い物理的対象物構造物の間の最大z軸距離を決定するステップを用いて、対象物全体の厚さ(Total Object Thickness、TOT)値を決定するステップとをさらに含むことができる。
【0021】
本開示の特定の一様態によれば、システムは、対象物の3D検査を対象とし、各対象物は、上面と、底面と、z軸方向に対象物の上面と底面の間で垂直に伸長する複数の側壁とを有する本体を含み、装置は:(a)対象物上面が第1の対象物配置表面の上に束縛されずに静止しており、かつ対象物が重力以外の外部からの圧縮力を受けない間、または(b)対象物上面が、吸引力を用いて第1の吸引先端により支えられ、かつ第1の吸引先端とは別個の第1の基準構造物に対して対象物の上面を強制的に圧縮することが回避される間、(i)対象物底面の3Dプロファイル画像を取り込んで、対応する底面3Dプロファイル画像データセットを生成するステップ;ならびに(c)対象物底面が第1および第2の対象物配置表面の上に束縛されずに静止しており、かつ対象物が、重力以外の外部からの圧縮力を受けない間、または(d)対象物底面が、吸引力を用いて第1または第2の吸引先端により支えられ、かつ第2の吸引先端とは別個の第1の基準構造物および第2の基準構造物の各々に対して対象物の底面を強制的に圧縮することが回避される間、(ii)対象物上面の3Dプロファイル画像を取り込んで、対応する上面3Dプロファイル画像データセットを生成するステップを用いて、対象物底面および対象物上面の各々を画像化または走査して、それぞれ3D対象物底面データセットおよび3D対象物上面データセットを生成するように構成された1セットの3D対象物画像化または走査ステーションと;複数の対象物側壁を画像化または走査するように構成された対象物側壁走査ステーションと;少なくとも1つの処理ユニットと;底面3Dプロファイル画像データセット、上面3Dプロファイル画像データセット、および側壁画像データセットに基づき、またはそれらを使用して、対象物の3Dデジタル再構築または推定に対応する3D合成画像データセットを生成するように構成されたプログラム命令を記憶するメモリとを含む。
【0022】
1セットの3D対象物画像化または走査ステーションは、少なくとも1つの3D走査線プロファイル画像化装置を含むことができ、対象物側壁走査ステーションは、複数の対象物側壁を同時に画像化または走査するように構成された装置を含むことができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1】本開示のさまざまな実施形態に従って推定、決定、計算または測定することができるパッケージ全体の厚さ(TPT)およびモールド全体の厚さ(Total Mold Thickness、TMT)のパラメータを含む、モールドパッケージ(たとえば、パッケージ化された複合素子)内に存在する半導体素子に対応する特定の代表的タイプの、パッケージ化された対象物のパラメータを例示する。
図2A】当業者により、容易に理解される手法で、そのようなパッケージ底面の3Dプロファイル画像または画像データセット(たとえば、3D走査線データセット)を生成するための、パッケージ化された素子の代表的底面の走査線または細線画像化の様態を例示する代表的画像を示す。
図2B】当業者により、容易に理解される手法で、そのようなパッケージ底面の3Dプロファイル画像または画像データセット(たとえば、3D走査線データセット)を生成するための、パッケージ化された素子の代表的底面の走査線または細線画像化の様態を例示する代表的画像を示す。
図2C】当業者により、容易に理解される手法で、そのようなパッケージ底面の3Dプロファイル画像または画像データセット(たとえば、3D走査線データセット)を生成するための、パッケージ化された素子の代表的底面の走査線または細線画像化の様態を例示する代表的画像を示す。
図3】パッケージ化された半導体素子の3D光学検査の様態に関連して生成した、または取り込んだ代表的底面図3Dプロファイル画像の一部分、および本開示の一実施形態に従って代表的底面図3Dプロファイル画像の一部分から決定することができる代表的タイプの情報またはパラメータ値を示す。
図4】本開示の一実施形態による、パッケージ化された半導体素子の代表的上面の走査線または細線画像化の様態を例示し、かつ3Dプロファイル画像、または3Dプロファイル画像に対応する画像データセットを生成する、1セットの代表的上面図画像を示す。
図5】本開示の一実施形態による、パッケージ化された半導体素子の3D光学検査の様態に関連して生成された、または取り込まれた代表的上面図画像の一部分、および代表的上面図画像の一部分から決定することができる代表的タイプの情報またはパラメータ値を示す。
図6】本開示の一実施形態による、パッケージ化された半導体素子の3D光学検査の様態に関連して取り込んだ複数の代表的2D側壁画像を示す。
図7A】本開示の一実施形態による、真のモールド厚さ(TMT)の決定を可能にするために、パッケージ化された半導体素子の3D底部基板プロファイル(BSP)および3D最上部基板プロファイル(TSP)、ならびにそれらと、パッケージ化された半導体素子の複数の2D側壁画像から形成した側面基板プロファイル(Side Substrate Profile、SSP)の組合せを生成することを概略的に例示する。
図7B】本開示の一実施形態による、パッケージ化された半導体素子の3D BSP、3D TSP、および複数の2D側壁画像を組み合わせて、パッケージ化された半導体素子の3D合成画像を形成する別の様態を概略的に例示する。
図8A】本開示の一実施形態による、代表的な11.5mm×13mmパッケージに関する3D合成画像生成の様態を示す。
図8B図8Aの代表的な11.5mm×13mmパッケージの3D合成画像に対応する3つの実際の11.5mm×13mm素子に関する代表的走査画像、および測定または評価の結果を示す。
図8C】7つの実際の11.5mm×13mmパッケージに関する、本開示の一実施形態に従って生成した3D合成画像に基づく特定の評価または測定の結果を示す。
図9A】代表的な14mm×18mmパッケージに関する、本開示の一実施形態に従って生成した3D合成画像に対応する代表的タイプの測定または評価の結果を示す。
図9B】7つの実際の14mm×18mmパッケージに関する、本開示の一実施形態に従って生成した3D合成画像に基づく特定の評価または測定の結果を示す。
図10】(a)本開示の一実施形態に従って生成した3D合成画像に基づく3D光学検査測定値と、(b)基準パッケージまたは「ゴールデンユニット(Golden Unit)」パッケージに関して光学顕微鏡を使用して作成した測定値との間の測定値比較を示す。
図11】対象物の3D合成画像を生成して、本開示の一実施形態による3D合成画像に基づき、TPTおよび/もしくはTMTの特性、パラメータ、または値などの対象物特性を決定するためのシステム、装置、または機械の一実施形態の概略構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
本開示では、所与の要素もしくは考察の記述、または特定の図での特定の要素番号の使用、または対応する記述的な題材で特定の参照番号への参照は、別の図、または別の図に関連する記述的な題材で識別される同じ、等価な、または類似の要素または要素番号を包含することができる。語句「および/または」で「/」を使用する範囲外で、本明細書の図またはテキストで「/」が存在することは、特に指定のない限り、従来規定されるような(たとえば、2つの言及された、選ばれたもの、可能性、または選択肢の両方またはいずれか)「および/または」を意味すると理解される。本明細書での特定の数値または数値範囲の列挙は、たとえば+/-20%、+/-15%、+/-10%、+/-5%、+/-2%、または+/-0%の範囲内の近似数値または数値範囲の列挙を含む、またはそれらであると理解される。用語「本質的に」または「本質的にすべて」は、90%以上の、たとえば95%、98%、99%、または100%の同等のパーセンテージまたは水準を示すことができる。
【0025】
本明細書で使用するとき、用語「セット」は、公知の数学的規定による(たとえば、Peter J. Eccles、「An Introduction to Mathematical Reasoning:Numbers、Sets、 and Functions、Chapter 11:Properties of Finite Sets(数学的推論:数、集合、および関数、第11章:有限集合の特性)」(たとえば、140ページに示されるようなもの)、Cambridge University Press、1998年に記述される数学的規定に対応する手法で)少なくとも1つの濃度(すなわち、本明細書で規定されるようなセットは、単位元、単一体、単一要素のセット、または複数要素のセットに対応することができる)を数学的に示す、要素の空ではない有限の構成に対応する、またはそれとして規定される。一般に、セットの要素は、対象となっているセットのタイプに依存するシステム、装置、素子、構造、対象物、工程、物理的パラメータ、または値を含むことができる、またはそれとすることができる。
【0026】
本開示による実施形態は、半導体または他の部品などの対象物の、自動化された、自動式、コンピュータに基づく、またはコンピュータ化された3D光学検査のための方法およびシステムに関する、またはそれらを対象とする。少なくともいくつかの状況では、本開示の一実施形態による3D光学検査を受けている、受ける、または必要とする対象物は、パッケージもしくはパッケージ構造(たとえば、外部または外側のパッケージ構造)を含む、またはそれと関連づけられている。たとえば、半導体部品は、その中に1つまたは複数の半導体ダイまたは集積回路チップもしくは素子を含有するモールドパッケージ、たとえば、パッケージ、またはパッケージ化された複合半導体素子(本明細書で以後、パッケージ、またはパッケージ化された素子と呼ぶ場合がある)を含むことができる、またはそれとすることができる。
【0027】
さまざまな実施形態では、対象となっている所与の対象物は、第1の表面、上部表面、または上面と;第2の表面、下部表面、または底面と;上部表面/上面および下部表面/底面を互いに分離する1セットの外周もしくは側面の表面、または側壁とを有する。代表的な1セットの直交(x、y、z)軸、およびそれに関連して対象物の選択可能な/選択された、好ましい、または所定の基準空間配向については、対象物の上面および底面は、x軸およびy軸により規定される(x、y)平面の部分全体にわたり横方向または水平に伸長するように規定することができ、z軸(すなわち、(x、y)平面に対して垂直)の部分に沿って(x、y)平面全体にわたり正および/または負の高さ変動を示すことができる。1セットの対象物側壁は、対象物の上面と底面の間でz軸方向に突出する、またはz軸の部分に沿って伸長するように規定することができ、任意の所与の側壁は、(x、z)または(y、z)の平面に対して側壁高さプロファイルを有するように規定することができる。さらに、任意の所与の側壁は、側壁のx軸またはy軸の広がり(たとえば、長さ)に沿ったz軸高さ変動を示すことができる。
【0028】
(必ずしもすべてではないが)いくつかの実施形態では、本開示の一実施形態に従ってパッケージ全体の厚さ(TPT)および/または真のモールド厚さ(TMT)のパラメータまたは値を決定する目的で検査すべき、または検査を受けるべき対象物は、パッケージの上面、底面、および側壁により規定されるパッケージ本体を越えて伸長するはんだバンプなどの構造物を運ぶモールド半導体パッケージまたはパッケージ化された複合素子を含む、またはそれである。たとえば、はんだバンプを含むパッケージについては、各パッケージは、上面;はんだバンプが突出する底面;および4つの側壁を有するように規定することができる。図1に示すように、そのような状況では、TPTは、当業者により、容易に理解される手法で、所与のパッケージ化された複合素子の最も低い、または最底部のはんだボール点から、パッケージ化された複合素子の上面上の最も高い、または最上部の点までの最大z軸距離または高さを示す、確立する、または測定する。本開示の一実施形態に従って検査すべき、または検査を受けるべき対象物は、代わりに、当業者により、容易に理解されるような手法で、周辺のリード線もしくはリードを運ぶモールド半導体パッケージまたはパッケージ化された複合素子を含むことができる、またはそれとすることができる。
【0029】
本開示の実施形態によれば、TPTおよび/またはTMTを決定する目的で、パッケージ化された素子の光学検査に関連して、またはその間に、1つまたは複数の光学画像化手順または動作は、(a)パッケージ化された素子に任意の外部からの、または外在的な機械的、吸引/真空の、重力以外の力を適用することなく行うことができ、その結果、パッケージ化された素子が、その自然な、固有の、製造されたときの、束縛されずに静止している、外在的ではなく歪んだ、または歪まない形状または3Dプロファイルを保持する間に、パックされた素子の一部分が画像化される;および/または(b)パッケージ化された素子をその自然な、固有の、製造されたときの、束縛されずに静止している、外在的ではなく歪んだ、または歪まない形状または3Dプロファイルに対して著しく歪ませる可能性がある、または著しく歪ませる外部からの、または外在的な機械的、吸引/真空の、重力以外の力を適用することなく行うことができ、その結果、パッケージ化された素子が、(たとえば、パッケージの表面領域の限定された、または所定の最大部分全体にわたり吸引/真空の力を適用するピックアップの先端またはヘッドを用いて)所定の位置または配向で保持されている、または支えられている間でさえ、パッケージ化された素子の自然な、固有の、製造されたときの、束縛されずに静止している、外在的ではなく歪んだ、または歪まない形状または3Dプロファイルを保持する、または本質的に保持する間に、パッケージ化された素子の一部分は、画像化される。
【0030】
したがって、本開示のさまざまな実施形態によれば、TPTおよび/またはTMTの値(たとえば、光学走査線または細線照明に基づく3Dプロファイル生成)を決定するステップに関連して遂行される1つまたは複数の光学画像化手順または動作は、パッケージ化された素子が、支持または配置の表面または平面の上に束縛されずに、または自然に静止している間に行うことができる。追加でまたは代わりに、TPTおよび/またはTMTの値(たとえば、光学走査線または細線照明に基づく3Dプロファイル生成)を決定するステップに関連して遂行される特定の光学画像化手順または動作は、パッケージ化された素子の自然な、固有の、製造されたときの、束縛されずに静止している、外在的ではなく歪んだ、または歪まない形状または3Dプロファイルに対するパッケージ化された複合素子の変形の可能性を低減する、もしくは最小にする、または変形を本質的にもしくは効果的に回避する手法で、パッケージ化された素子を運ぶまたは支える間に行うことができ、その結果、高度な精度でTPTおよび/またはTMTの値の決定を行うことができる。
【0031】
本開示による実施形態は、パッケージ化された素子の上面および底面の光学画像化の間などの、光学画像化または光学検査の間に、平坦な基準面に対する、パッケージ化された素子の表面領域の全体または大部分の圧縮(たとえば、機械的または吸引/真空の力に基づく圧縮)を完全に回避する。さらに、パッケージ化された素子の1つまたは複数の表面を画像化する間、本開示による実施形態は、(a)非重力だけではなく外部からのまたは外在的な機械的圧縮力を、パッケージ化された素子に適用すること、および/または(b)パッケージ化された素子の最も広い表面の領域などの、パッケージ化された素子の特定の表面の領域の5%~50%よりも広い(たとえば、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、または45%よりも広い)領域にわたり外部からの、または外在的な吸引/真空の力を適用することを完全に回避することができる。むしろ、本開示のさまざまな実施形態によれば、パッケージが、パッケージの上面または底面の表面領域の5%~50%よりも広い(たとえば、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、または45%よりも広い)領域にわたり、非重力の圧縮力をパッケージに適用することだけではなく、吸引/真空の力をパッケージに適用することも回避するような方法で、パッケージを運ぶ、もしくは支える間に、パッケージがその自然な、束縛されずに静止している状態である、またはその状態のままである間に、および/またはパッケージの1つもしくは複数の3Dプロファイルもしくは画像を取り込む、または生成する間に、パッケージまたはパッケージ化された素子の1つまたは複数の3Dプロファイルまたは画像を取り込む、または生成する。
【0032】
図1に示し、以下でさらに詳述するように、さまざまな実施形態では、TMTのパラメータ、値、または測定値は、リード線などの、垂直方向に沿って1つまたは複数のパッケージモールド化合物から離れて突出するはんだボールまたは他の構造物の厚さを除く、またはこれらの正味の、パッケージの上面の3Dトポグラフィプロファイルまたは等高線とパッケージの底面の3Dトポグラフィ表面プロファイルまたは等高線との間で、パッケージ自体の本体を形成する1つまたは複数のモールド化合物の少なくとも最大(TMTmax)、最小(TMTmin)のz軸高さまたは厚さを示す、確立する、または測定する1セットの値を含む。TPTのパラメータまたは測定値は、モールドパッケージの最大z軸高さまたは厚さに、モールドパッケージにより運ばれるはんだボール(または垂直方向に沿って1つまたは複数のパッケージモールド化合物から離れて突出する、他のタイプの構造物)を加えて示す、確立する、または測定する値を含む、またはその値である。
【0033】
パッケージ化された半導体部品または素子(たとえば、パッケージ化された複合素子)などの対象物が、平坦な基準面に対して故意に圧縮されたときに生成される、取り込まれる、または得られる3D表面プロファイルの代わりに、実際の3Dパッケージ特性の精度向上または最も正確な決定、および下流で使用するための対応するパッケージ安定性を促進するために実際に必要なことは、平坦な基準面に対するパッケージの圧縮を完全に回避する、または平坦な基準面に対するパッケージの表面領域のかなりの部分の圧縮を回避する間に得られる3D表面プロファイルを生成することであり、その結果、3D画像化動作中、パッケージは、その自然な、固有の、製造されたときの、束縛されずに静止している、外在的ではなく歪んだ、または歪まない形状または3Dプロファイルのままである、またはパッケージは、その自然な、固有の、製造されたときの、束縛されずに静止している、外在的ではなく歪んだ、または歪まない形状または3Dプロファイルと本質的に同一な、効果的に同一な、または同一に非常に近い状態のままでいることを、本出願で名前を挙げた本発明者は理解した。より詳細には、本開示の実施形態に従って3Dパッケージプロファイルを生成する間、パッケージは、(たとえば、パッケージが平坦な基準面に対して押しつけられたときに発生する可能性がある、圧縮に誘導されたパッケージの変形または歪みの結果として)パッケージの真の表面トポロジを著しく変える、または変化させる場合があるパッケージの外部からの力を受けず、この場合、パッケージの真の表面トポロジは、パッケージが束縛されずに静止している状態により規定される。
【0034】
たとえば、光学的な、または最も正しいTPT読取り値または測定値は、パッケージが重力以外の、外部から加えられた応力または力を受けておらず、かつパッケージ化された素子が圧縮されないままである(すなわち、パッケージに自然に、または本来加えられる重力による圧縮以外の、外部からの圧縮力が、パッケージにまったく加えられない)ときにパッケージを画像化する結果として得られるパッケージ全体の高さとして規定することができる。ほぼ最適な、本質的に、効果的に、またはほぼ等価または正確な、高度に受け入れ可能な、または次善のTPT読取り値または測定値は、パッケージの上面もしくは底面の領域の全体もしくは実質的に全体、またはパッケージの上面もしくは底面の領域の大部分(たとえば、25%よりも広い、または50%よりも広い、または80%よりも広い部分)が、詳細には3Dパッケージ画像化または走査動作の間、平坦な基準面に対してパッケージを故意に押し込む、または圧縮することを回避することにより、平坦な基準面に対して故意に押し込まれる、または圧縮される従来の取り組み方法と比較して、パッケージに適用される外在的な非重力が注意深く制御され、大きく低減される、および/または最小化されるときにパッケージを画像化する結果として得られるパッケージ全体の高さである。
【0035】
パッケージの自然な、圧縮されない状態(たとえば、束縛されずに静止している状態)、またはたとえば、パッケージ全体の変形が、(従来行われているが、本開示によるさまざまな実施形態によらないように)平坦な基準面に対してパッケージが強制的に圧縮された場合に発生する、パッケージ変形の量の20%以下(たとえば、15%、10%、5%、2.5%、または1%以下)であるような、パッケージの自然な、圧縮されない状態と本質的に同一な、または等価な状態での、パッケージ表面のそりもしくは歪みの範囲、またはパッケージ全体の厚さプロファイルは、(a)携帯型機器などの製品に下流で搭載するためのパッケージ化された素子の適合性;(b)パッケージ内の考えられる誤差または欠陥;(c)素子またはパッケージ全体の設計での誤差;および/または(d)関与する、またはパッケージ化された素子の製造につながった上流製造工程での誤差もしくは問題を決定することに関する情報を提供する、または促進する、もしくは可能にすることができる。
【0036】
本開示による実施形態は、検査中のパッケージの上面および底面の一方の3Dプロファイル画像またはデータセットを得る、生成する、または取り込むことを対象とする第1の3D画像化または走査手順もしくは工程の遂行、ならびに検査中のパッケージの上面および底面の他方の3Dプロファイル画像またはデータセットを得る、生成する、または取り込むことを対象とする第2の3D画像化または走査手順もしくは工程の遂行を含む。本開示による実施形態はまた、検査中のパッケージの少なくとも2つの側壁の2D(および/または場合によっては3Dプロファイル)画像またはデータセットを得る、生成する、または取り込むことを対象とする、1セットの側壁画像化または走査手順または工程の遂行を含む。
【0037】
パッケージの上面および底面のプロファイルの画像化または走査については、第1の3D画像化または走査の工程は、パッケージの上面の画像化または走査を対象とすることができ、第2の3D画像化または走査の工程は、パッケージの底面の画像化または走査を対象とすることができる。代わりに、第1の3D画像化または走査の工程は、パッケージの底面の画像化または走査を対象とすることができ、第2の3D画像化または走査の工程は、パッケージの上面の画像化または走査を対象とすることができる。第1の3D走査工程が対象とする特定のパッケージ表面(たとえば、上面または底面)および第2の3D走査工程が対象とする特定の反対側のパッケージ表面(たとえば底面または上面)は、対象となるパッケージのタイプもしくは特性、どちらのパッケージ表面が上面であり、どちらのパッケージ表面が底面であるかの選択もしくは規定、パッケージ取り扱いおよび/もしくは検査設備の能力もしくは構成、ならびに/または特有の実施形態または実装形態の詳細に依存する可能性があることを、当業者は容易に理解されよう。簡単にする、明確にする、および理解を助けるために、すぐ後に続く記述では、第1の3D走査工程は、パッケージの上面を対象とするように規定され、第2の3D走査工程は、パッケージの底面を対象とするように規定される。
【0038】
上記を考慮すると、実施形態詳細に応じて、パッケージの上面が露出し、かつパッケージが対象物支持または配置表面または平面の上に、またはそれに対して束縛されずに静止している間、または(任意の所与のタイプのパッケージに関して、当業者による日常の測定により容易に決定することができるように)パッケージの底面が、パッケージに1つまたは複数の重力を信頼できるように克服するだけの十分な量の吸引/真空の力だけをパッケージに加える吸引/真空ピックアップ先端、ヘッド、またはノズル(たとえば、従来のピック・アンド・プレース式吸引/真空ノズル)により係合する、または支えられ、かつこの吸引/真空の力が全体にわたり適用される、または加えられるパッケージ全体の表面領域が、パッケージ構造物の幾何形状、吸引/真空ノズルの幾何形状、および/または吸引/真空ノズルによりパッケージをどのように運ぶ、高める、もしくは持ち上げるか応じて、パッケージの上面または底面が及ぶ領域の、典型的には5%~50%以下(たとえば、わずか10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、または45%だけ)である間、第1の、または上面図3D走査工程を行うことができる。さらに、パッケージの底面が露出し、かつパッケージの上面が、対象物支持表面または平面の上に、またはそれに対して束縛されずに静止している間、または(任意の所与のタイプのパッケージに関して、当業者による日常の測定により容易に決定することができるように)パッケージの上面が、パッケージ上の1つまたは複数の重力を信頼できるように克服するだけの十分な量の吸引/真空の力だけをパッケージに加える吸引/真空ピックアップ先端、ヘッド、またはノズル(たとえば、従来のピック・アンド・プレース式吸引/真空ノズル)により係合する、または支えられ、かつこの吸引/真空の力が全体にわたり適用される、または加えられるパッケージ全体の表面領域が、パッケージの幾何形状、吸引/真空ノズルの幾何形状、および/または吸引/真空ノズルによりパッケージをどのように運ぶ、高める、もしくは持ち上げるかに応じて、パッケージの上面または底面が及ぶ領域の、典型的には5%~50%以下(たとえば、わずか10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、または45%だけ)である間、第2の、または底面図3D走査工程を行うことができる。
【0039】
複数の実施形態では、第1の、または上面図3D走査工程および第2の、または底面図3D走査工程の一方は、支持表面または平面に対して束縛されずに静止している間、パッケージに対し遂行され;第1の、または上面図3D走査工程および第2の、または底面図3D走査工程の他方は、パッケージの一部分が、吸引/真空ノズルにより(たとえば、上記に示す手法で、または本明細書の他の箇所で示す手法で)運ばれる間、パッケージに対して遂行される。たとえば、パッケージの底面が支持表面または平面に対して束縛されずに静止している間、パッケージに対して第1の、または上面図3D走査工程を遂行することができ、上面パッケージの一部分が、上記で示すように吸引/真空ノズルにより運ばれる間、パッケージに対して第2の、または底面図3D走査工程を行うことができる。
【0040】
いくつかの実施形態では、上面図3D走査工程および底面図3D走査工程の各々は、パッケージが支持表面または平面に対して束縛されずに静止している間に遂行される。実施形態詳細に応じて、パッケージが支持表面または平面に対して束縛されずに静止している間、上面図3D走査工程および底面図3D走査工程の各々が遂行されるとき、パッケージが第1の配置表面または平面の上に自然に、または束縛されずに静止している間、上面図3D走査工程を行うことができ、パッケージがこの同じまたは異なる配置表面または平面(たとえば、別個の第2の配置平面)の上に自然に、または束縛されずに静止している間、底面図3D走査工程を行うことができる。
【0041】
具体的実施形態では、パッケージの上面が露出し、かつパッケージのより低い、または最も低い部分が支持表面または平面に対して束縛されずに静止している間、上記によりパッケージの上面の3Dプロファイルを生成する、または取り込むことにより、上面図3D走査工程を行うことができ、この場合、支持表面は、トレイ、ボート、もしくは他のタイプのプラットフォーム、基板、またはパッケージ化された素子が中に貯蔵される、および/または上で移送される媒体(たとえば、テープ、またはテープおよびリールマシンを用いるなどで、パッケージ化された半導体素子をロードすることができるポケットを有するテープ構造物)などのキャリアの一部分、断片、または区画により提供される。たとえば、キャリアの上に、またはキャリアの中にパッケージをロードする前に(たとえば、直前に)、またはロードする間、パッケージの底面の3Dプロファイルを生成する、または取り込むことにより、底面図3D走査工程を遂行することができる。
【0042】
代わりに、(たとえば、上記で示すようなキャリアの底部、基部、または下側部分により形成される)支持表面または平面が、任意選択で、底面図3D走査工程中にパッケージの底面の3Dプロファイルを生成する、または取り込むために使用する光学波長に対して透明または半透明であるという条件で、パッケージの上面が露出し、かつパッケージのより低い、または最も低い部分が支持表面または平面の上に、またはそれに対して束縛されずに静止している間、底面図3D走査工程を遂行することができる。さまざまな実施形態では、所与のパッケージを対象とする上面図3D走査工程および底面図3D走査工程は、時間的に別個に、または順に行われる。しかしながら、支持表面または平面が、任意選択で、3Dプロファイルを生成する、または取り込むために使用する光学波長に対して透明または半透明である実施形態では、上面図3D走査工程および底面図3D走査工程を同時に行うことができる。画像化または走査が、当業者により、容易に理解される手法で、空気または真空以外の基板または媒体を通して行われるとき、画像化データセットに数学的補正係数を適用して、屈折率の影響を考慮することができ、その結果、画像化データセットから決定される測定値(たとえば、TMT値および/またはTPT値)は、適切に、または正確にスケールを調整される、または補正される。
【0043】
さらにまた代わりに、たとえば、パッケージの少なくとも3つのより低い周辺端部または境界に沿ってパッケージの1セットの周辺点またはセグメントが、ピンなどの突起により支持されるとき、1つまたは複数の自然の重力以外の1つまたは複数の圧縮力をパッケージに適用するのを回避する、または本質的に回避する手法で、パッケージが、パッケージの縁または周辺の特定の点または部分に、またはそれに沿って保持される、支えられる、または支持される実施形態では、上面図3D走査工程および底面図3D走査工程を順に、または同時に遂行することができる。
【0044】
上記を考慮すると、本開示による複数の実施形態の変形形態が存在する。それにもかかわらず、各実施形態の重量な様態は、特に、平坦な基準面に対してパッケージを押し込む、圧迫する、押すパッケージの上面もしくは底面の領域のかなりの部分に、外部からの非重力的圧縮力を適用するのを回避することによって、パッケージが束縛されずに静止している間、通常はパッケージに作用する自然の1つまたは複数の重力以外の、またはそれを除く力のために、3D画像化または走査をする間、パッケージの歪みまたはそりを低減、最小化、または除去することである。別の重要な様態は、以下で詳細に記述するように、パッケージ側壁画像(たとえば、少なくとも2つのパッケージ側壁画像)を生成する、または取り込むことであり;さらに別の重要な様態は、同じく以下で詳細に記述するように、パッケージの上面図3Dプロファイル、パッケージの底面図3Dプロファイル、およびパッケージ側壁画像が1つにされる、合体させられる、組み立てられる、または連結される、もしくは一緒につなぎ合わせられる、総合された、計算された、組み合わせられた、または合成された、3D画像を生成することである。追加の重要な様態は、合成3D画像に基づき3Dパッケージの特性またはパラメータの決定を推定することである。
【0045】
簡単にする、明確にする、および理解を助けるために、すぐ後に続く記述では、パッケージが対象物またはパッケージの配置平面に対して束縛されずに静止している間、上面図3D走査工程および底面図3D走査工程の各々を遂行する代表的一実施形態(たとえば、第1の代表的実施形態)が考えられる。したがって、この代表的実施形態では、上面図3D走査工程は、静止上面図3D走査工程と規定することができ、底面図3D走査工程は、静止底面図3D走査工程と規定することができる。
【0046】
静止上面図3D走査工程の間、対象となっている対象物(たとえば、上述のようなパッケージ)の最も低い部分は、(対象物の最も低い部分が、配置平面の上に束縛されずに静止しているとき、対象物に作用している、自然に発生する重力以外の)外部から適用される吸引または圧縮力を対象物に適用することなく、対象物支持、着座、または配置平面の上に束縛されずに、または自然に静止している。その結果として、対象物は、対象物-外部基準面に対して強制的圧縮を受ける結果として物理的に変形することはない。静止上面図3D走査工程は、当業者により、容易に理解される手法で、たとえば、従来の第1の走査線または細線照明手順、および(たとえば、従来の3Dプロファイル・カメラ・セットアップを使用して)対象物から反射した走査線照明の従来のような取込みによって、対象物全体の上面図3Dプロファイルを生成するステップを伴う、または含むことができる。そのような上面図3D走査工程により、角度をなす上面図または透視上面図から、対象物全体の3Dプロファイルを表す上面図3D走査線データセットを生成する結果となる。
【0047】
静止底面図3D走査工程の間、対象物の最上部の部分は、(対象物の最上部の部分が配置平面の上に静止しているとき、対象物に作用する、自然に発生する重力以外の)外部からの吸引または圧縮力を対象物に適用することなく、同じ、または別の対象物の支持、着座、または配置平面の上に束縛されずに、または自然に静止している。その結果として、対象物は、部品-外部基準面に対して強制的圧縮を受ける結果として物理的に変形することはない。静止底面図3D走査工程は、当業者により、容易に理解される手法で、たとえば、従来の第2の走査線または細線照明手順、および(たとえば、従来の3Dプロファイル・カメラ・セットアップを使用して)対象物から反射した走査線照明の従来のような取込みによって、対象物全体の底面図3Dプロファイルを生成するステップを伴う、または含むことができる。そのような底面図3D走査工程により、角度をなす底面図または透視底面図から、対象物全体の3Dプロファイルを表す底面図3D走査線データセットを生成する結果となる。
【0048】
さまざまな実施形態では、上面図3D走査工程の間、対象物の上面および対象物の底面の各々から離れて共通の方向に、z軸に沿って対象物の上面から外側に突出する対象物の構造物または一部分が存在する場合、対象物のそのような構造物または一部分は、上面図3D走査線データセットで少なくとも部分的に画像化される、もしくは取り込まれることができる、または画像化される、もしくは取り込まれる;および/または対象物の上面から離れて対象物の底面に向かってz軸に沿って伸長する1つまたは複数の対象物側壁の一部分は、上面図3D走査線データセットで少なくとも部分的に画像化される、もしくは取り込まれることができる、または画像化される、もしくは取り込まれることを、当業者はさらに認識されよう。同じように、底面図3D走査工程の間、対象物の底面および対象物の上面の各々から離れて共通の方向にz軸に沿って対象物の底面から外側に突出する対象物の構造物または一部分が存在する場合、対象物のそのような構造物または一部分は、底面図3D走査線データセットで少なくとも部分的に画像化される、または取り込まれることができる;および/または上面から離れて対象物の底面に向かって下方に伸長する1つまたは複数の対象物側壁の一部分は、底面図3D走査線データセットで少なくとも部分的に画像化される、またはり込まれることができる。
【0049】
上記で示すように、対象となっている対象物が、パッケージ化された半導体素子(たとえば、1つもしくは複数の半導体ダイ、または集積回路チップを含有するモールドパッケージ)である場合、配置平面は、トレイ(たとえばJEDECトレイ)の一部分またはポケット、ボート、もしくは他のタイプのプラットフォーム、基板、またはパッケージ化された半導体素子が中に貯蔵される、および/または上で移送される媒体(たとえば、従来の、または半導体業界の標準/標準化プラットフォーム、基板、または媒体)とすることができる(たとえば、テープおよびリールマシンを用いるなどで、パッケージ化された半導体素子をロードすることができるポケットを有するテープ)。そのような状況では、上面図3D走査工程中に配置平面に対して静止しているパッケージ化された半導体素子の最も低い部分は、モールドパッケージの底面または下側から外側に、またはそれを越えて配置平面に向けて、および/または配置平面まで伸長する、はんだバンプまたは電気接点パッドである可能性がある。さらに底面図3D走査工程中に配置平面に対して静止しているパッケージ化された半導体素子の最も高い部分は、モールドパッケージの上面または上部表面の一部分である可能性がある。
【0050】
本開示による実施形態は、追加でまたは代わりに、(a)対象とする対象物の3D統合、結合、または合成画像を生成するステップ、または対象物に関する3D合成画像データセットを同等に生成するステップと;(b)生成した3D合成画像または3D合成画像データセットに基づき、特定の目的または環境(たとえば、製造環境)に関して、対象物の特徴または特性を決定し、対象物を検査し、ならびに/または対象物の安定性および/もしくは信頼性を推定または評価するステップとを含む。
【0051】
いくつかの実施形態では、対象物の3D合成画像または画像データセットを生成するための工程は、(i)湾曲した上面画像または画像データセット生成手順;(ii)湾曲した底面画像または画像データセット生成手順;(iii)側壁画像取込または画像データセット生成手順;および(iv)3D合成画像組立て手順を含む。
【0052】
複数の実施形態では、湾曲した上面画像または画像データセット生成手順は:(たとえば、対象物の底部または底面の一部分が、基準平面または配置平面の上に自然に、または束縛されずに静止しており、圧縮力または吸引力を対象物にさらに適用することなく、重力により基準平面または配置平面の上に保持される間)走査線または細線照明を使用することによって、対象物の物理的上面の3D走査線または細線プロファイルなどの3Dプロファイル(たとえば、従来の3D走査線プロファイル)を提供または生成して、それにより、上面3Dプロファイルまたは3D走査線プロファイルデータセットを提供する、または作り出すステップを含む上面3D画像化手順を遂行するステップと;上面3Dプロファイルまたは3D走査線プロファイルに対応する、またはそれを通る(x、y)点のアレイにより規定される基準、最良適合、または正規化上面平面、平面形状、または平坦な形状(たとえば、長方形などの規則的な幾何学的形状または多角形に対応する、またはこれらを規定することができる実施形態では、たとえば、線形回帰平面、平面形状、または平坦な形状)を導出する、決定する、または計算するステップと;上面最良適合平面を規定する(x、y)点のアレイ全体にわたり各点で、この上面最良適合平面に対する、またはそれから離れる、上面3Dプロファイル3D走査線プロファイルのz軸偏差を数値的に、またはデジタル方式でマッピングして、決定して、または計算して、(x、y、z)値のアレイ(たとえば、(x、y、z)値の第1のアレイ)として表現される、規定される、記憶される湾曲した上面画像または画像データセットを作り出す、または数値的にもたらすステップとを含む。湾曲した上面画像または画像データセットの任意の所与の(x、y、z)値は、z座標値が、上面最良適合平面の特定の画素空間(x、y)点で、上面最良適合平面から離れた上面3Dプロファイルまたは3D走査線プロファイルの相対的または正規化z軸偏差に対応する、それを確立する、または規定する1セットの画素空間(x、y、z)座標を規定する。
【0053】
前述の湾曲した上面画像または画像データセットは、対象物に関する上面プロファイル(TSP)データセットに対応する、TSPデータセットを生成するために使用することができる、またはTSPデータセットを形成する。より詳細には、湾曲した上面画像または画像データセット(x、y)値のアレイを使用して、TSP(x,y)値のアレイを生成する、確立する、または提供することができ、この場合、そのようなTSP(x,y)値は、対象物の上面と基準、正規化、または最良適合上面平面の間のz軸偏差を表す。したがって、TSP(x,y)値は、基準、正規化、または最良適合対象物上面平面に対する、対象物の上面トポロジまたは等高線の変化に対応する、またはそれと数値的に相関関係がある。したがって、TSP(x,y)値のアレイは、(x、y)点上で、たとえば対象物の応力またはそりから生じる、たとえば、対象物上面高さの非一様性、すなわち、1つまたは複数の歪みに対応する,対象物の上面全体にわたる相対的基底トポロジの、z軸の、または高さに関する変動を推定する、または示す。
【0054】
実施形態詳細に応じて、パッケージ化された複合素子の上面の、製造されたときの物理的側面または外側の境界、端、または縁に対応する側面または外側の境界、端、または縁を有するように、上面最良適合平面、平面形状、または平坦な形状を数値的に生成または規定することができるが、これらの境界、端、または縁は、パッケージ化された複合素子の上面の中点または重心に向けて内側に、選択可能な/選択された、プログラム可能な、または所定の数の画素だけ画素空間内でシフトされる、ずらされる、または配置される。上面最良適合平面の側面または外側の境界または縁の、そのような内側の画素空間シフトまたはまたはずれは、(a)製造されたときのパッケージ化された複合素子の上面の、実際の側面または外側の境界または縁から離れて、特定の数ミクロンなどの、選択可能な/選択された、プログラム可能な、または所定の物理的空間距離にマッピングする、変換する、またはそれらを表す;および(b)製造されたときのパッケージ化された複合素子の上面の側面または外側の境界または縁の1つまたは複数内の物理的不規則性が、上面最良適合平面の側面または外側の境界または縁部の不規則性につながるのを除外するのに役立つ可能性があることを、当業者は理解されよう。
【0055】
さまざまな実施形態では、対象物の上面が、z軸に沿って対象物の上面から外側に突出し、かつそれ自体対象物の上面を形成する、またはそれに属すると考えるべきではない構造物を運ぶ場合、湾曲した上面画像または画像セット生成手順は、当業者により、容易に理解される手法で、そのような構造物が、湾曲した上面画像または画像データセットから数値的に除外される、または取り除かれる上面推定手順を含むことができる。
【0056】
前述に類似する手法で、複数の実施形態では、湾曲した底面画像または画像データセット生成手順は:(たとえば、対象物の最上部または上面の一部分が、基準平面または配置平面の上に自然に、または束縛されずに静止しており、圧縮力または吸引力を対象物にさらに適用することなく、重力により基準平面または配置平面の上に保持される間)走査線または細線照明を使用することによって、対象物の物理的底面の3D走査線または細線プロファイルなどの3Dプロファイル(たとえば、従来の3D走査線プロファイル)を提供または生成して、それにより、底面3Dプロファイルまたは3D走査線プロファイルデータセットを提供する、または作り出すステップを含む底面3D画像化手順を遂行するステップと;底面3Dプロファイルまたは3D走査線プロファイルに対応する、またはそれを通る(x、y)点のアレイにより規定される基準、最良適合、または正規化底面平面、平面形状、または平坦な形状(たとえば、長方形などの規則的な幾何学的形状または多角形に対応する、またはこれらを規定する実施形態では、線形回帰平面、平面形状、または平坦な形状)を導出する、決定する、または計算するステップと;底面最良適合平面を規定する(x、y)点のアレイ全体にわたり各点で、この底面最良適合平面に対する、またはこれから離れる、底面3Dプロファイルまたは3D走査線プロファイルのz軸偏差を数値的に、またはデジタル方式でマッピングして、決定して、または計算して、(x、y、z)値のアレイ(たとえば、(x、y、z)値の第2のアレイ)として表現される、規定される、記憶される湾曲した底面画像または画像データセットを作り出す、または数値的にもたらすステップとを含む。湾曲した底面画像または画像データセットの任意の所与の(x、y、z)値は、z座標値が、底面最良適合平面の特定の画素空間(x、y)点で、底面最良適合平面から離れた底面3Dプロファイルまたは3D走査線プロファイルの相対的または正規化z軸偏差に対応する、それを確立する、または規定する1セットの画素空間(x、y、z)座標を規定する。
【0057】
前述の湾曲した底面画像または画像データセットは、対象物に関する底面プロファイル(BSP)データセットに対応する、BSPデータセットを生成するために使用することができる、またはBSPデータセットを形成する。より詳細には、湾曲した底面画像または画像データセット(x、y)値のアレイを使用して、BSP(x,y)値のアレイを生成する、確立する、または提供することができ、この場合、そのようなBSP(x,y)値は、対象物の底面と基準、正規化、または最良適合底面平面の間のz軸偏差を表す。したがって、BSP(x,y)値は、基準、正規化、または最良適合対象物底面平面に対する、対象物の底面トポロジまたは等高線の変化に対応する、またはそれと数値的に相関関係がある。したがって、BSP(x,y)値のアレイは、(x、y)点上で、たとえば対象物の応力またはそりから生じる、たとえば、対象物底面高さの非一様性、すなわち、1つまたは複数の歪みに対応する,対象物の底面全体にわたる相対的基底トポロジの、z軸の、または高さに関する変動を推定する、または示す。
【0058】
実施形態詳細に応じて、パッケージ化された複合素子の底面の、製造されたときの物理的側面または外側の境界、端、または縁に対応する側面または外側の境界、端、または縁を有するように、底面最良適合平面、平面形状、または平坦な形状を数値的に生成または規定することができるが、これらの境界、端、または縁は、パッケージ化された複合素子の底面の中点または重心に向けて内側に、選択可能な/選択された、プログラム可能な、または所定の数の画素だけ画素空間内でシフトされる、ずらされる、または配置される。底面最良適合平面の側面または外側の境界または縁の、そのような内側の画素空間シフトまたはまたはオフセットは、(a)製造されたときのパッケージ化された複合素子の底面の、実際の側面または外側の境界または縁から離れて、特定の数ミクロンなどの、選択可能な/選択された、プログラム可能な、または所定の物理的空間距離にマッピングする、変換する、またはそれらを表す;および(b)製造されたときのパッケージ化された複合素子の底面の側面または外側の境界または縁の1つまたは複数内の物理的不規則性が、底面面良適合平面の側面または外側の境界または縁の不規則性につながるのを除外するのに役立つ可能性があることを、当業者は理解されよう。
【0059】
さまざまな実施形態では、対象物の底面が、z軸に沿って対象物の底面から外側に突出し、かつそれ自体対象物の上面を形成する、またはそれに属すると考えてもよい、または考えるべきではない構造物を運ぶ場合、湾曲した底面の画像または画像セット生成手順は、当業者により、容易に理解される手法で、そのような構造物が、湾曲した底面画像または画像データセットから数値的に除外される、または取り除かれる底面推定手順を含むことができる。
【0060】
対象物周辺または側壁画像取込手順は、少なくとも2つの対象物側壁ごとに、たとえば、少なくとも2つの対向する対象物側壁ごとに、2D画像または画像データセットを提供する、取り込む、または生成するステップ、すなわち、少なくとも2つの対向する対象物側壁などの複数の対象物側壁に関する2D画像または画像データセットを生成するステップを含む。いくつかの実施形態では、4つの側壁を有する対象物に関しては、側壁画像取込手順は、対象物の4つの側壁の2D画像または画像データセットを取り込むステップを含む。複数の対象物側壁(たとえば、4つの対象物側壁)の取込みは、当業者により、容易に理解される手法で、従来の多面対象物画像化/画像取込/検査装置またはシステムを用いて、同時に遂行することができる。
【0061】
3D合成画像組立手順は、複数の取り込んだ2D側壁画像または画像データセットの少なくとも2つまたは各々内の、対応する隅、縁、境界、またはz軸先端部分または先端点を用いて、(a)湾曲した上面画像または画像データセット、またはTSP(x,y)、および(b)湾曲した底面画像またはデータセット、またはBSP(x、y)の各々で、少なくとも隅の部分または点、および/または場合によっては1つまたは複数の外縁もしくは境界の部分または断片をデジタル方式で基準として、整列させて、および合体して、連結するステップと;合体して連結した(i)湾曲した上面画像もしくは画像データセット、またはTSP(x,y)データセット、(ii)湾曲した底面画像もしくは画像データセット、またはBSP(x,y)データセット、および(iii)側壁画像または画像データセットを、3D合成画像または画像データセット(たとえば、単一の3D合成画像または画像データセット)として記憶するステップとを含む。
【0062】
当業者により、容易に理解されるように、3D合成画像または画像データセットでは、画素空間内での各画素のサイズまたは寸法は、実空間での既知の物理的領域のサイズまたは寸法に対応し、それを基準とする、それにマッピングする、または変換することができる。さらに、光学システムの倍率および画像センサの解像度を考慮して、画素空間寸法を物理的空間または実空間の寸法にどのようにしてマッピングまたは変換することができるかを、当業者は完全に理解されよう。さまざまな実施形態では、湾曲した上面画像または画像データセット、湾曲した底面画像または画像データセット、および各側壁画像または画像データセット内の各画素のサイズまたは寸法は、3D合成画像または画像データセットの画素空間から物理的空間寸法へのマッピングまたは変換のしやすさを促進するために、湾曲した上面画像または画像データセット、湾曲した底面画像または画像データセット、および側壁画像または画像データセットを一緒に1つにして、または連結して、3D合成画像または画像データセットを形成する前に、またはそれに関連して、互いに等価になるように、または互いに対して適切にスケールを調整されるように確立することができることを、当業者は追加で理解されよう。
【0063】
さらに、湾曲した上面画像または画像データセットの画素空間の広がり、領域、または縦横比、および湾曲した底面画像または画像データセットの画素空間の広がり、領域、または縦横比は、3D合成画像を形成する前に、またはそれに関連して、2D側壁画像の画素空間の位置または場所に対してスケールを調整することができ、その結果、湾曲した上面画像または画像データセットおよび湾曲した底面画像または画像データセットの隅の部分または点は、2D側壁画像または画像データセットの相手側の隅または縁の部分または点に対して整列させて、または登録して、それとリンクさせる、1つにする、結び合わせる、合併する、または連結することができる。その結果、それぞれ上面図および底面図から得られた対象物の物理的空間寸法に対応する、湾曲した上面画像または画像データセットおよび湾曲した底面画像または画像データセットの各々の、第1の画素空間で確立された(x、y)縦横比は、複数の2D側壁画像または画像データセットの、第1の画素空間とは別個の、または識別可能な第2の画素空間で確立された(x、y)位置または座標に対して、必要に応じてスケールを調整することができる。さらに、上面画素空間に従って確立された、湾曲した上面画像または画像データセットを取り込んだときの(x、y)縦横比、および/または上面画素空間と同一の、またはそれと異なる可能性がある底面画素空間に従って確立された、湾曲した底面画像または画像データセットを取り込んだときの(x、y)縦横比は、当業者により、容易に理解される手法で、側壁画像画素空間に従って確立された2D側壁画像の(x、y)の場所または位置と整列させる、結び合わせる、または一致するようにスケールを調整することができる。
【0064】
上記を考慮すると、本開示による実施形態は、対象物の(x、y)の広がりまたは表面領域の少なくとも一部分にわたり、対象物本体のz軸読取り値、測定値、または厚さ値の(x、y)アレイを追加で生成または決定することができ、その場合、そのような(x、y)対象物本体の厚さ値は、特有の(x、y)点で、z軸方向に突出する対象物の本体により運ばれる構造物(たとえば、はんだボール)を除く対象物の本体の厚さに対応する、それを推定する、または示す。より詳細には、3D合成画像データセットに基づき、またはそれを使用して、本開示によるさまざまな実施形態は、真の対象物本体の厚さ(TOMBT)値の(x、y)アレイを、すなわち、TMT(x,y)値などのTOMBT(x,y)値のアレイを決定または生成し、その場合、任意の所与のTOMBT(x,y)値またはTMT(x,y)値は、その特有の(x、y)点での、3D合成画像内部のTSPとBSPの間の(画素空間内での、または物理的/実空間に関してマッピングまたは計算されたときの)z軸距離または分離を表す数値である。3D合成画像が生成されると、当業者により、容易に理解される手法で、減算操作を用いて、TOMBT(x,y)またはTMT(x,y)の値を決定することができる。
【0065】
本開示による、検査工程のさまざまな実施形態は、3D合成画像または画像データセット、TMT(x,y)値のアレイ、および/または対象物画像化または走査手順を用いて生成または決定された他の情報に基づき、またはそれを使用して、1セットの対象物の特徴、特性、またはパラメータを推定、決定、または測定するステップをさらに含む。そのような対象物の特徴または特性は、対象物上面と対象物底面の間の最大対象物本体厚さ(TMTmax)および/もしくは最小対象物本体厚さ(TMTmin);ならびに/または1つもしくは複数の側壁間の、または特定の対象物側壁に沿った、対象物の1つもしくは複数のz軸等高線、1つもしくは複数の膨らみ、および/もしくはシンニング(thinning)の1つもしくは複数の尺度、またはそれらを表す数値的に導出された(たとえば、曲線のあてはめ)数学的関数;ならびに/または他の対象物特性を含むことができる。
【0066】
上面図3D走査工程および底面図3D走査工程に関して上記で示すように、対象物の上面の3D走査線プロファイルの生成および対象物の底面の3D走査線プロファイルの生成に対応する走査線画像取込手順の間、少なくともいくつかの代表的実施形態(たとえば、前述の第1の代表的実施形態)では、対象物は、それぞれ対象物の上面を露出して、または対象物の底面を露出して、配置平面の上に自然に、束縛されずに静止している。たとえば、対象物は、パッケージ化された半導体素子である場合、部品の最上部および/または底部の対象物表面の3D走査線プロファイルの生成に関連して、標準的なトレイ(たとえばJEDECトレイ)、ボート、またはテープの中に、またはその上に静止していることができる。その結果として、部品の上面および底面の3D走査線プロファイルの生成中、部品は、吸引ノズルにより支えられる、および/または部品-外部基準平面に対する強制的圧縮を受ける結果として、物理的に歪む、または変形することがない。したがって、本開示の一実施形態に従って生成された3D合成画像または画像データセットは、潜在的に変形可能な対象物が画像取込動作中に外部から適用される望ましくない力または応力を受けるこれまでの3D対象物検査技法と比較して、正確な、またははるかにより正確な、部品の3D表現を提供する。
【0067】
他の実施形態では、パッケージのそれぞれ底面または上面の領域の一部分(たとえば、上記で示すように10%~50%以下)が、吸引・真空ノズルなどのピックアップ機器により支えられる、または運ばれる間、上面図3D画像化または走査工程および底面図3D画像化または走査工程の一方または各々を行うことができる。そのような実施形態では、上述の各画像および画像データセットの生成、ならびに3D合成画像データセットを生成して、分析または評価するために遂行される動作は、上述の動作と同一な、本質的に同一な、または上述の動作に類似する手法である。
【0068】
前述に加えて、本開示の実施形態によれば、対象物-外部データに対して対象物のどの部分も参照する必要なしに、3D合成画像または画像データセットから正確な対象物測定値を導出する、または得ることができるので、3D合成画像または画像データセットを生成するステップに関連して、対象物-外部の、または対象物-外在的な基準データはまったく必要ない、またはまったく利用されない。所望であれば、または必要であれば、3D合成画像または画像データセットから、対象物に基づく対象物固有の/対象物内部の、または対象物基準面のデータを、数値的に導出または生成することができる。
【0069】
前述にさらに付け加えると、(たとえば、高速または高スループットの製造環境での)一連の複数の対象物の、または複数の対象物のシーケンスの、3D検査に関しては、いくつかの実施形態では、3D合成画像に基づき、(a)たとえば、複数の対象物が動いている間に、その場で、および/または(b)対象物を移送または移動することができる別個の、分離した、または独立した処理ステーションで、上面図3D走査工程;底面図3D走査工程、湾曲した上面画像または画像データセット生成手順;湾曲した底面画像または画像データセット生成手順;側壁画像取込または画像データセット生成手順;3D合成画像組立手順;および対象物特徴づけまたは評価工程(たとえば、対象物の合格/不合格指定)のうち1つまたは複数を行うことができる。
【0070】
本開示による実施形態の特定の様態をさらに理解する助けとなるように、図1図11について本明細書で以後、記述する。
【0071】
図1は、1つまたは複数のタイプの高分子成形材料または化合物により作成されたパッケージによりコートされた、または取り囲まれた、かつパッケージの内部に含有された、またはカプセル化された集積回路素子またはチップなどのモールドパッケージに存在する半頭体素子(たとえば、パッケージ化された複合素子)に対応する特定の代表的なパッケージ化された対象物のパラメータを示し、本開示のさまざまな実施形態に従って推定、決定、計算、または測定することができるパッケージ全体の厚さ(TPT)およびモールド全体の厚さ(TMT)のパラメータを含む。図1には、代表的な直角(s、y、z)軸もまた示し、そこでは、当業者により,容易に理解される手法で、z軸距離は、パッケージの高さまたは厚さに対応すると規定され、x軸およびy軸は、パッケージの長さまおよび幅に、または最上部パッケージ表面および底部パッケージ表面の横断面領域の少なくとも一部分を含有する1セットの平面に対応する。
【0072】
一般に、TMTパラメータは、はんだボール、またはモールド化合物の上面および底面から垂直方向に突出する他のタイプの構造物を除き、1つまたは複数の半導体素子の周囲に配置された、または1つまたは複数の半導体素子が存在する、1つまたは複数の高分子モールド化合物の実際の垂直軸またはz軸の厚さを推定する、示す、または測定する。より詳細には、図1に示すように、さまざまな実施形態では、所与のパッケージに関して、最大TMT(TMTmax)は、はんだボール、および垂直軸またはz軸方向にパッケージの上面および底面から離れて伸長する他のタイプのパッケージ化以外の材料突起を除き、パッケージの(x、y)の広がり、スパン、または領域全体にわたる最大モールド化合物厚さとして、たとえば、((x、y)平面に対応する、平行である、または(x、y)平面内に存在する)パッケージの長さおよび幅全体にわたるパッケージ化材料または1つもしくは複数のモールド化合物の最大厚さとして規定することができる。同様に、最小TMT(TMTmin)は、はんだボール、および垂直軸またはz軸方向にパッケージの上面および底面から離れて伸長する他のタイプのパッケージ化以外の材料突起を除き、パッケージの(x、y)の広がり、スパン、または領域全体にわたる最小モールド化合物厚さとして、たとえば、パッケージ化材料、または1つもしくは複数のモールド化合物の最小厚さとして規定することができる。
【0073】
さらに、真のモールド厚さ(x、y)プロファイル、またはパッケージの(x、y)領域に対応する、もしくは(x、y)領域全体にわたるTMT(x,y)値のアレイは、本開示の実施形態に従って規定、推定、計算、または測定することができ、真のモールド厚さ(x、y)プロファイル、またはTMT(x,y)値のアレイは、パッケージの(x、y)の広がり、スパン、表面領域の少なくとも一部分にわたる(x、y)座標または点の複数または多く(たとえば、いくつか、何10も、何100も、または何1000も)で、1つまたは複数のパッケージモールド化合物の厚さ値または相対厚さ値、および/またはそのような(x、y)座標または点で最大TMT(TMTmax)と最小TMT(TMTmin)の間の1つまたは複数のパッケージモールド化合物厚さの垂直軸またはz軸の変動を示すことを、当業者は容易に理解されよう。
【0074】
パッケージに関するTPTは、パッケージの(x、y)の広がり、スパン、または表面領域全体にわたり、はんだボール、またはパッケージにより運ばれることができる、もしくはパッケージから離れて突出する(たとえば、パッケージの底面の下方に伸長する)他のタイプのパッケージ化以外の材料構造物の上の最も低い点と、パッケージの反対側の表面上で1つまたは複数のパッケージモールド化合物により形成された最も高い点との間の、垂直軸またはz軸の最大の距離またはスパンと規定することができる。したがって、パッケージTPTは、パッケージの長さおよび幅の全体にわたり、はんだボール(または1つもしくは複数のパッケージモールド化合物の底面から離れて垂直方向に突出する他のタイプの構造物)の底部と1つまたは複数のパッケージモールド化合物の上面との間の最も広い、または最も大きい距離と規定することができる。そのようなはんだボールは、パッケージ着座または配置平面に接触することができる、またはそれに対して静止していることができるが、1つまたは複数のパッケージモールド化合物、およびそれにより運ばれるはんだボール(または場合によって、他のタイプの垂直突起)の製造されたときの3Dプロファイルに応じてそうする必要は必ずしもない。
【0075】
上記で示すように、本開示の少なくともいくつかの実施形態による、パッケージ化された半導体素子などの対象物の3Dプロファイル検査に関連して、走査線または細線画像化を使用することができる。図2A図2Cは、当業者により容易に理解される手法で、そのようなパッケージ底面の3Dプロファイル画像または画像データセット(たとえば、3D走査線データセット)を生成するための、パッケージ化された素子の代表的底面の走査線または細線画像化の様態を例示する代表的画像を提供する。走査線または細線画像化は、図2A図2Cから当業者が明確に理解するように、さまざまな実施形態で、従来の手法で行うことができる。代表的な実施形態または実装形態では、同じく当業者により、容易に理解されるように、所与の照明走査線の太さは、他の(たとえば、より広い、またはより狭い)照明線幅を採用することができるが、10マイクロメートル~20マイクロメートルの間(たとえば、15マイクロメートル)とすることができる。さらに、従来の3Dプロファイルカメラ(たとえば、領域走査カメラを含む、領域走査カメラに基づく、または領域走査カメラである)は、対象物の3D合成画像を生成して、本開示による3D合成画像に基づき、TPTおよび/またはTMTの特性、パラメータ、または値などの対象物の特性を決定するためのシステムまたは装置の一部分として、3D走査線プロファイル画像、およびそれに対応する3D走査線プロファイルデータセットを生成するための走査線または細線照明および画像化装置で使用することができる、またはそれを形成することができる。
【0076】
図3は、本開示の一実施形態による、パッケージ化された半導体素子の3D光学検査の様態に関連して生成した、または取り込んだ代表的底面図3Dプロファイル画像の一部分、および代表的底面図3Dプロファイル画像の一部分から決定することができる代表的タイプの情報またはパラメータ値を示す。図3に示すように、底面図3D走査線プロファイル画像から、少なくともいくつかのはんだボールに関して、ボール高さ(ball height、BH)値を決定することができ、この場合、任意の所与のボール高さは、はんだボールの近傍の、またははんだボールに最も近い、パッケージの底面を規定する1つまたは複数のモールド化合物の外面と、はんだボールを運ぶパッケージの底面のはんだボールの部分から最も遠く離れた、はんだボール上の周辺点または先端との間の垂直軸またはz軸の距離により規定される。
【0077】
追加で、ボールの共平面性(coplanarity、CO)値を決定することができ、そこでは、任意の所与のはんだボールに関して、対応する共平面性値は、はんだボールの先端と、パッケージに関する最も大きな、または最も高いボール高さ(BH)を有するはんだボールの先端に接触する、またはそれを通過するように計算される、または規定される、パッケージに関する大域平面との間の垂直軸またはz軸距離により規定される。
【0078】
さらに、パッケージの底面に対応するBSP(x,y)点のアレイは、上記で示すように決定される。
【0079】
図4は、当業者により、容易に理解される手法で、本開示の一実施形態による、パッケージ化された半導体素子の代表的上面の走査線または細線画像化の様態を例示し、かつ3Dプロファイル画像、または3Dプロファイル画像に対応する画像データセットを生成する、1セットの代表的上面図画像を示す。そのような走査線または細線画像化は、当業者が明確に理解するように、さまざまな実施形態で、従来の手法で行うことができる。
【0080】
図5は、本開示の一実施形態による、パッケージ化された半導体素子の3D光学検査の様態に関連して生成した、または取り込んだ代表的上面図3Dプロファイル画像、および代表的上面図3Dプロファイル画像から決定することができる代表的タイプの情報またはパラメータ値を示す。
【0081】
取り込んだ上面図3Dプロファイル画像に基づき、上記で示すように、パッケージの上面に対応するTSP(x,y)点のアレイを決定する。追加で、パッケージのより低い、または最も低い部分が静止するパッケージ着座または配置平面の上を、または上方を向く面と、パッケージ着座または配置平面のこの上方を向く表面からz軸に沿って最も遠く離れた、またはこの上方を向く表面に対して最も高い、パッケージの上面上の点との間の最大距離、または最も大きな距離として、取り込んだ3Dプロファイル画像に基づき、TPT値を決定することができる。
【0082】
図6は、本開示の一実施形態による、パッケージ化された半導体素子の光学検査の様態に関連して取り込んだ複数の代表的2D側壁画像を示す。そのような2D側壁画像は、パッケージ化された半導体素子の側面基板プロファイル(SSP)に対応する、それを提供する、または規定することができる。さまざまな実施形態では、従来のまたは市販の4-側面または5-側面検査装置などの複数の側面対象物、部品、またはパッケージの検査用に構成された装置またはシステムにより、たとえば、参照により全体が本明細書に組み入れられる米国特許第9,816,938号明細書に記述されるタイプの装置、または似ている、もしくは類似のタイプの装置により、2D側壁画像を取り込むことができる。
【0083】
図7Aは、本開示の実施形態による、底面3D画像化または走査工程、上面3D画像化または走査工程、および2D側壁画像化または走査工程(たとえば、4側面検査工程)を用いて、特定の情報、画像、またはデータセットを生成することを概略的に示す。3D BSP(たとえば、BSP(x,y)値のアレイにより規定される)、3D TSP(たとえば、TSP(x,y)値のアレイにより規定される)、およびパッケージに対応するSSPを組み合わせて、3D合成画像を形成することができ、3D合成画像から、上記で示すようにTMT(x,y)値のアレイを決定または計算することができる。
【0084】
図7Bは、本開示の一実施形態による、3D BSP、3D TSP、およびパッケージ化された半導体素子のSSPとしての複数の2D側壁画像を組み合わせて、1つまたは複数のパッケージ化された半導体素子の3D合成画像を形成する別の様態を概略的に例示する。1つまたは複数のパッケージ化された半導体素子の3D合成画像は、当業者により、容易に理解される手法で、3D BSP(x、y値)、3D TSP(x、y値)、およびSSPに基づく、1つまたは複数のパッケージ化された物理的半導体素子の実際の3D形状のデジタル推定または再構築である。
【0085】
図8Aは、本開示の一実施形態による、代表的な11.5mm×13mmパッケージに関する3D合成画像生成の様態を示し;図8Bは、図8Aの代表的な11.5mm×13mmパッケージの3D合成画像に対応する、3つの実際の11.5mm×13mm素子に関する特定の代表的画像、および測定または評価の結果を示す。図8Cは、7つの実際の11.5mm×13mmパッケージに関する、本開示の一実施形態に従って生成した3D合成画像に基づく特定の数値評価または測定の結果を示す。
【0086】
図9Aは、3つの実際の14mm×18mmパッケージに関する、本開示の一実施形態に従って生成した3D合成画像に対応する代表的画像、および測定または評価の結果を示す。図9Bは、7つの実際の14mm×18mmパッケージに関する、本開示の一実施形態に従って生成した3D合成画像に基づく代表的な評価または測定の結果を示す。
【0087】
図10は、(a)本開示の一実施形態に従って生成した3D合成画像に基づく3D光学検査測定値と、(b)基準パッケージまたは「ゴールデンユニット」パッケージに関して光学顕微鏡を使用して作成した測定値との間の測定値比較を示す。
【0088】
本開示に従って対象物の3D合成画像を生成して、3D合成画像に基づくTPTおよび/またはTMTの特性、パラメータ、または値などの対象物特性を決定するためのシステム、装置、または機械については、さまざまな実施形態では、特定の3D対象物処理または光学検査ステーション、装置、機械、もしくはシステムは、3D対象物の上面および底面の検査手順または動作の1つまたは複数の様態(たとえば、上面図3D走査処理;底面図3D走査処理、湾曲した上面画像または画像データセット生成手順;および/または湾曲した底面画像または画像データセット生成手順)を遂行するように構成することができる。特定の2D(および/または3D)対象物処理または光学検査ステーション、装置、またはシステムはまた、対象物側壁検査手順または動作の1つまたは複数の様態(たとえば、対象物側壁走査工程の一部分、および対象物側壁画像または画像データセットの生成)を遂行するように構成することができる。そのような3Dおよび2Dの対象物処理または検査ステーション、装置、機械、またはシステムは、当業者により、容易に理解される手法で、1セットのプログラム可能な、特にプログラムされた、または特に構成もしくは構築された処理資源、ユニット、または機器(たとえば、1つまたは複数のマイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、特に構成されたFPGA(Field Programmable Gate Array)、もしくはプログラム可能論理デバイス(Programmable Logic Device、PLD)、および/または状態機械)の制御下で動作することができる。本開示の実施形態に従ってシステム装置または機械により得られた、提供された、生成された、または取り込まれた画像または画像データセットは、そのようなタイプの処理資源の1つまたは複数により動作させることができる。したがって、そのようなタイプの処理資源を利用して、3Dおよび2Dの画像データセットに対して動作して、本開示の実施形態による3D合成画像を作り出すことができる。本開示の実施形態に従って提供された、作り出された、得られた、生成された、または取り込まれた画像または画像データセットは、従来のものとすることができる、1セットのコンピュータもしくは電子メモリ、および/または他のタイプのデータ記憶装置(たとえば、トランジスタに基づくデータ記憶装置、またはトランジスタ以外に基づくデータ記憶装置)などの、1つまたは複数のタイプのコンピュータ可読記憶媒体に存在する、または記憶されることができる。プログラム命令セット(たとえば、ソフトウェア、ファームウェア、マイクロコード)、ならびに/またはシステムもしくは装置の1つまたは複数の部分の動作を指示する、および/もしくは本開示の実施形態による3D合成画像を生成、分析、または評価する、処理資源の動作を管理および制御するハードウェア・データ・セットもまた、1つまたは複数のタイプのコンピュータ可読記憶媒体に存在する、または記憶されることができる。
【0089】
実施形態詳細に応じて、本開示によるシステムまたは装置は、当業者により、容易に理解される手法で、グループ化された構成で、ギャング構成で、または並列構成で配置された個々の対象物または複数の対象物を取り扱う、移送する、および/または画像化するように構成することができる。
【0090】
代表的な一実施形態または一実装形態では、3Dおよび2D対象物画像化、走査、または画像取込能力を提供し、かつ上記で示すように、中に処理ステーションを含む、本発明の一実施形態による、対象物検査用に構成されたシステム、装置、または機械は、シンガポールのSemiconductor Technologies & Instruments Pte Ltd.(STI)から入手可能な、HexaまたはHexaに基づく検査システムもしくは機械である。
【0091】
図11は、対象物の3D合成画像を生成して、本開示の一実施形態による3D合成画像に基づき、TPTおよび/またはTMTの特性、パラメータ、または値などの対象物特性を決定するためのシステム、装置、または機械10の概略構成図の例示である。一実施形態では、システム10は、1セットの処理ユニット110と;1セットのユーザインタフェースおよび/または入出力機器(たとえば、1つまたは複数のコンピュータまたは組込システムキーボードもしくはキーパッド、および表示装置)と;無線および/または有線に基づくデータ通信のために構成された1セットの通信ユニットおよび/またはネットワークインタフェース120と;(たとえば、3D走査線プロファイル生成装置、または1セットの機器を含む)底面3D検査、画像化、または走査ステーションもしくは装置130と;(たとえば、3D走査線プロファイル生成装置、または1セットの機器を含む)上面3D検査、画像化、または走査ステーションもしくは装置140と;側壁検査、画像化、または走査装置150と;メモリ200とを含む。オペレーティングシステム210、画像化データセットメモリ、記憶領域、および/またはデータベース220、ならびにさまざまなソフトウェアモジュールまたはプログラム命令セットが、メモリ200の内部に存在する。代表的な実施形態では、そのようなプログラム命令セットは、底面3D検査ステーション130により遂行される動作を管理または制御するように構成された少なくとも1つのプログラム命令セット230と;上面3D検査ステーション140により遂行される動作を管理または制御するように構成された少なくとも1つのプログラム命令セット240と;側壁検査ステーション150により遂行される動作を管理または制御するように構成された少なくとも1つのプログラム命令セット250と;3D合成画像を生成するように構成された少なくとも1つのプログラム命令セット260と;本明細書で記述したようなTPTおよび/またはTMTの値を生成するように構成された少なくとも1つのプログラム命令セット270と;場合によっては、生成した3D合成画像、ならびに/またはそれに対応するTPT値および/もしくはTMT値に基づき、対象物の特徴または特性を分析、評価、または特徴づけするように構成された少なくとも1つのプログラム命令セット280とを含む。
【0092】
上記の記述では、本開示の特定の実施形態による、限定しない代表的な例示的システム、サブシステム、装置、機器、および工程について記述してきた。以下の特許請求の範囲だけにより限定される、本開示による実施形態の範囲を逸脱することなく、上記で記述した実施形態の特有の形態、配列、および/または構成にさまざまな修正を行うことができることを、当業者は容易に理解されよう。
図1
図2A
図2B
図2C
図3
図4
図5
図6
図7A
図7B
図8A
図8B
図8C
図9A
図9B
図10
図11