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特許7227135半導体構造エッチング用ヨウ素含有化合物
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-02-13
(45)【発行日】2023-02-21
(54)【発明の名称】半導体構造エッチング用ヨウ素含有化合物
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/3065 20060101AFI20230214BHJP
   H10B 12/00 20230101ALI20230214BHJP
   H10B 41/27 20230101ALI20230214BHJP
   H10B 43/27 20230101ALI20230214BHJP
   H01L 21/336 20060101ALI20230214BHJP
   H01L 29/788 20060101ALI20230214BHJP
   H01L 29/792 20060101ALI20230214BHJP
   H01L 29/78 20060101ALI20230214BHJP
【FI】
H01L21/302 105A
H01L27/108
H01L27/11556
H01L27/11582
H01L29/78 371
H01L29/78 301F
H01L21/302 301Z
【請求項の数】 14
(21)【出願番号】P 2019536103
(86)(22)【出願日】2017-12-29
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2020-05-21
(86)【国際出願番号】 US2017069085
(87)【国際公開番号】W WO2018126206
(87)【国際公開日】2018-07-05
【審査請求日】2020-12-28
(31)【優先権主張番号】15/396,220
(32)【優先日】2016-12-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】591036572
【氏名又は名称】レール・リキード-ソシエテ・アノニム・プール・レテュード・エ・レクスプロワタシオン・デ・プロセデ・ジョルジュ・クロード
(74)【代理人】
【識別番号】100090398
【弁理士】
【氏名又は名称】大渕 美千栄
(74)【代理人】
【識別番号】100090387
【弁理士】
【氏名又は名称】布施 行夫
(72)【発明者】
【氏名】ヴィジャイ・シュル
(72)【発明者】
【氏名】ラーフル・グプタ
(72)【発明者】
【氏名】フイ・サン
(72)【発明者】
【氏名】ヴェンカテスワラ・アール・パレム
(72)【発明者】
【氏名】ネイサン・スタッフォード
(72)【発明者】
【氏名】ファブリジオ・マルケジアーニ
(72)【発明者】
【氏名】ヴィンセント・エム・オマージー
(72)【発明者】
【氏名】ジェームズ・ロイヤー
【審査官】船越 亮
(56)【参考文献】
【文献】特開2008-252139(JP,A)
【文献】特開2013-055336(JP,A)
【文献】特表2015-533029(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2011/0059617(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2009/0176375(US,A1)
【文献】国際公開第02/021586(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/302
H01L 21/3065
H01L 21/336
H01L 21/461
H01L 21/8229
H01L 21/8239-21/8246
H01L 27/10-27/11597
H01L 27/11556
H01L 27/11582
H01L 29/76
H01L 29/772
H01L 29/78
H01L 29/788-29/792
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
パターン化された構造を形成する方法であって、
FI、CI、CFI、CHFI、CI、CHFI、CI、CIおよびCIからなる群から選択されるヨウ素含有エッチング化合物の蒸気を、基材上にケイ素含有膜を含有する反応チャンバー中に導入することと;
前記反応チャンバー中に不活性ガスを導入することと;
プラズマを活性化して、前記基材から前記ケイ素含有膜をエッチングすることが可能である活性化ヨウ素含有エッチング化合物を生成し、前記パターン化された構造を形成することと
を含む方法。
【請求項2】
揮発性副産物を前記反応チャンバーから除去することをさらに含み、前記活性化ヨウ素含有エッチング化合物が前記ケイ素含有膜と反応して、前記揮発性副産物が形成される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記反応チャンバー中に酸化剤を導入することをさらに含み、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記酸化剤が、O、O、CO、CO、NO、NO、NOおよびそれらの組合せからなる群から選択される、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記反応チャンバー中にエッチングガスを導入することをさらに含み、請求項2に記載の方法。
【請求項6】
前記エッチングガスが、cC、cC、C、CF、CHF、CFH、CH、COS、F-C≡N、CS、SO、トランス-1,1,1,4,4,4-ヘキサフルオロ-2-ブテン(trans-C)、シス-1,1,1,4,4,4-ヘキサフルオロ-2-ブテン(cis-C)、ヘキサフルオロ
イソブテン(C)、トランス-1,1,2,2,3,4-ヘキサフルオロシクロブタン(trans-C)、1,1,2,2,3-ペンタフルオロシクロブタン(C)、1,1,2,2-テトラフルオロシクロブタン(C)およびシス-1,1,2,2,3,4-ヘキサフルオロシクロブタン(cis-C)からなる群から選択される、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記不活性ガスが、He、Ar、Xe、Kr、Ne、Nまたはそれらの組合せからなる群から選択される、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記ケイ素含有膜が、酸化ケイ素、窒化ケイ素、ポリケイ素、結晶質ケイ素の層、低誘電率SiCOH、SiOCN、SiON、Si(式中、a>0;b、c、dおよびe≧0である)またはそれらの組合せを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記ケイ素含有膜が、非晶質炭素層またはフォトレジスト層から選択的にエッチングされる、請求項1~のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
前記酸化ケイ素層が、窒化ケイ素、ポリケイ素または非晶質炭素層から選択的にエッチングされる、請求項8に記載の方法。
【請求項11】
前記ケイ素含有膜中に約10:1~約200:1のアスペクト比を有するアパーチャーを作成する、請求項1~のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
基材中にビアまたはトレンチを形成しながら、パターン化されたマスク層に対するダメージを最小化する方法であって、
FI、CIまたはCFIからなる群から選択されるヨウ素含有エッチング化合物の蒸気を、その上に配置されたケイ素含有膜および前記ケイ素含有膜上に配置されたパターン化されたマスク層を有する基材を含有する反応チャンバー中に導入することと;
前記反応チャンバー中に不活性ガスを導入することと;
活性化ヨウ素含有エッチング化合物を形成するためのプラズマを活性化させることによって、前記基材から前記ケイ素含有膜をエッチングして、前記ビアまたはトレンチを形成することと
を含む方法。
【請求項13】
前記活性化ヨウ素含有エッチング化合物が、前記パターン化されたマスク層を強化するヨウ素イオンを生成する、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
基材中にビアまたはトレンチを形成しながら、パターン化されたマスク層を強化する方法であって、
FI、CIまたはCFIからなる群から選択されるヨウ素含有エッチング化合物の蒸気を、その上に配置されたケイ素含有膜および前記ケイ素含有膜上に配置されたパターン化されたマスク層を有する基材を含有する反応チャンバー中に導入することと;
前記反応チャンバー中に不活性ガスを導入することと;
活性化ヨウ素含有エッチング化合物を形成するためにプラズマを活性化させることによって、前記基材から前記ケイ素含有膜をエッチングして、前記ビアまたはトレンチを形成しながら、前記ヨウ素含有エッチング化合物から前記パターン化されたマスクへとIイオンを注入することと
を含む方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願への相互参照
本出願は、全ての目的に関して、参照によって全体として本明細書に組み込まれる、2016年12月30日出願の米国特許出願第15/396,220号の利益を主張する。
【0002】
ケイ素含有膜のエッチング方法が開示される。この方法は、基材上にケイ素含有膜を含有する反応チャンバー中にヨウ素含有エッチング化合物の蒸気を導入するステップを含む。ヨウ素含有エッチング化合物は、式C(式中、a=1~3であり、x=0~6であり、y=1~7であり、z=1~2であり、a=1である場合、x+y+z=4であり、a=2である場合、x+y+z=4または6であり、a=3である場合、x+y+z=6または8である)を有する。好ましくは、ヨウ素含有エッチング化合物は、CF、CI、CFI、CI、CFI、C、CI、CHFI、CI、CHFI、CI、CI、CI、CHFI、CI、CI、CIおよびCI、またはそれらの組合せである。不活性ガスが反応チャンバー中に導入される。プラズマが活性化され、基材からケイ素含有膜をエッチングすることが可能である活性化ヨウ素含有エッチング化合物が生成する。
【背景技術】
【0003】
半導体産業でのメモリ応用において、プラズマエッチングによって、酸化ケイ素または窒化ケイ素層などのケイ素含有膜を半導体基材から除去する。DRAMおよび2D NANDは、模範的なメモリ応用である。3DNANDに関して、複数のSiO/SiNまたはSiO/ポリケイ素(p-Si)層のスタックのエッチングは重要である。例えば、Samsung Electronics Co.,Ltd.への米国特許出願公開第2011/0180941号明細書を参照のこと。マスクとエッチングされる層との間の高い選択性を有するエッチング剤が不可欠である。さらに、エッチングされた構造は、歪曲を有さないストレートな垂直プロフィールおよび低いラインエッ粗さ(LER)を有するべきである。
【0004】
従来のエッチングガスとしては、オクタフルオロシクロブタン(cC)、ヘキサフルオロ-1,3-ブタジエン(C)、CF、CH、CHFおよび/またはCHFが含まれる。C:Fの比率が増加すると(すなわち、C>C>CF)、選択性およびポリマー堆積速度が増加することは周知である。例えば、Hungらへの米国特許第6,387,287号明細書を参照のこと。加えて、Ar、KrまたはXeなどの不活性ガスなどの他のガスをプラズマに添加し、そこでそれらのガスはイオン化され、そしてウエハ表面へと加速し、表面に衝撃を与え、そしてエッチングプロセスを補助する。それらが不活性ガスであるため、それらはエッチングプロセスの化学反応に直接関与しない。
【0005】
しかしながら、従来のエッチングの化学的性質は、少なくとも、プラズマエッチングプロセスの間の側壁上の不十分なエッチング抵抗ポリマー堆積のため、新規用途(例えば、3DNAND)で必要とされる20:1より高いアスペクト比を有するホールまたはトレンチなどのフィーチャーを提供することが不可能であり得る。側壁-C-ポリマー(式中、xは0.01~1の範囲であり、かつyは0.01~4の範囲である)は、エッチングに影響され得る。結果として、エッチングされたパターンは垂直ではあり得ず、かつエッチング構造は歪曲、寸法の変化、パターン崩壊および/または増加した粗さを示し得る。
【0006】
歪曲は、しばしば非晶質炭素(a-C)材料であり得るマスク層の側壁エッチングに起因し得る。a-C材料は、マスクの開口の増加を引き起こし得、そして歪曲様または角度のある/湾曲したエッチング構造をもたらす、プラズマ中の酸素ラジカルによってエッチングされ得る。
【0007】
エッチングガスとしてヨウ素含有化合物が使用されている。例えば、Chung(米国特許第9,460,935号明細書)は、中でも、1,1,2,2-テトラフルオロ-1-ヨード-エタンを使用して発生したプラズマ下で第1および第2のエッチング層をエッチングすることを開示する。また、Kareckiら、Plasma etching of dielectric films with novel iodofluorocarbon chemistries:iodotrifluoroethylene and 1-iodoheptafluoropropane,J.Vac.Sci.Technol.A 16,755(1998);Ulvacへの特開2006/108484号公報;UlvacへのTWI343601号明細書も参照のこと。
【0008】
歪曲を最小化すること、および本用途(例えば、コンタクトエッチングまたは3D NAND)のために必要な高アスペクト比(すなわち、最高200:1)を達成することは重要である。さらに、エッチングは、フォトレジストマスクへの選択性に限定されない。a-C、SiN、p-Si、SiCまたは他の形態のSi材料(式中、a>0;b、c、dおよびe≧0)などの他の材料の間で高い選択性を得ることは等しく重要である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
したがって、広範囲のプロセス条件に対して選択性および高いアスペクト比を維持する、プラズマエッチング用途における使用のために適切なエッチングガス組成物が必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0010】
ケイ素含有膜をプラズマエッチングするための方法が開示される。この方法は、基材の上にケイ素含有膜を含有する反応チャンバー中に、式C(式中、a=1~3であり、x=0~6であり、y=1~7であり、z=1~2であり、a=1である場合、x+y+z=4であり、a=2である場合、x+y+z=4または6であり、a=3である場合、x+y+z=6または8である)を有するヨウ素含有エッチング化合物の蒸気を導入するステップと;反応チャンバー中に不活性ガスを導入するステップと;プラズマを活性化して、基材からケイ素含有膜をエッチングすることが可能である活性化ヨウ素含有エッチング化合物を生成するステップとを含む。開示された方法は、次の態様の1つまたはそれ以上を含み得る。
【0011】
・ヨウ素含有エッチング化合物は、式CH(式中、xは0~2であり、yは1~3であり、zは1~2であり、かつx+y+z=4である)を有する;
・ヨウ素含有エッチング化合物は、CFIである;
・ヨウ素含有エッチング化合物は、CFである;
・ヨウ素含有エッチング化合物は、式CH(式中、xは1~2であり、yは1~2であり、zは1~2であり、かつx+y+z=4である)を有する;
・ヨウ素含有エッチング化合物は、CHFIである;
・ヨウ素含有エッチング化合物は、CHFIである;
・ヨウ素含有エッチング化合物は、CHFIである;
・ヨウ素含有エッチング化合物は、式C(式中、xは0~2であり、yは1~3であり、zは1~2であり、かつx+y+z=4である)を有する;
・ヨウ素含有エッチング化合物は、CIであり、かつ次の構造:
【0012】
【化1】
【0013】
を有する;
・ヨウ素含有エッチング化合物は、式C(式中、xは1~2であり、yは1~2であり、zは1~2であり、かつx+y+z=4である)を有する;
・ヨウ素含有エッチング化合物は、CHFIであり、かつ次の構造:
【0014】
【化2】
【0015】
を有する;
・ヨウ素含有エッチング化合物は、CHFIであり、かつ次の構造:
【0016】
【化3】
【0017】
を有する;
・ヨウ素含有エッチング化合物は、CFIであり、かつ次の構造:
【0018】
【化4】
【0019】
を有する;
・ヨウ素含有エッチング化合物は、CFIであり、かつ次の構造:
【0020】
【化5】
【0021】
を有する;
・ヨウ素含有エッチング化合物は、式C(式中、xは0~4であり、yは1~5であり、zは1~2であり、かつx+y+z=6である)を有する;
・ヨウ素含有エッチング化合物は、CIであり、かつ次の構造:
【0022】
【化6】
【0023】
を有する;
・ヨウ素含有エッチング化合物は、式C(式中、xは1~4であり、yは1~4であり、zは1~2であり、かつx+y+z=6である)を有する;
・ヨウ素含有エッチング化合物は、CHFIであり、かつ次の構造:
【0024】
【化7】
【0025】
を有する;
・ヨウ素含有エッチング化合物は、CHFIであり、かつ次の構造:
【0026】
【化8】
【0027】
を有する;
・ヨウ素含有エッチング化合物は、CIであり、かつ次の構造:
【0028】
【化9】
【0029】
を有する;
・ヨウ素含有エッチング化合物は、CIであり、かつ次の構造:
【0030】
【化10】
【0031】
を有する;
・ヨウ素含有エッチング化合物は、CIであり、かつ次の構造:
【0032】
【化11】
【0033】
を有する;
・ヨウ素含有エッチング化合物は、CIであり、かつ次の構造:
【0034】
【化12】
【0035】
を有する;
・ヨウ素含有エッチング化合物は、CIであり、かつ次の構造:
【0036】
【化13】
【0037】
を有する;
・ヨウ素含有エッチング化合物は、CFIであり、かつ次の構造:
【0038】
【化14】
【0039】
を有する;
・ヨウ素含有エッチング化合物は、CFIであり、かつ次の構造:
【0040】
【化15】
【0041】
を有する;
・ヨウ素含有エッチング化合物は、Cであり、かつ次の構造:
【0042】
【化16】
【0043】
を有する;
・ヨウ素含有エッチング化合物は、Cであり、かつ次の構造:
【0044】
【化17】
【0045】
を有する;
・ヨウ素含有エッチング化合物は、式C(式中、xは0~4であり、yは1~5であり、zは1~2であり、かつx+y+z=6である)を有する;
・ヨウ素含有エッチング化合物は、CIであり、かつ次の構造:
【0046】
【化18】
【0047】
を有する;
・ヨウ素含有エッチング化合物は、式C(式中、xは1~4であり、yは1~4であり、zは1~2であり、かつx+y+z=6である)を有する;
・ヨウ素含有エッチング化合物は、CHFIであり、かつ次の構造:
【0048】
【化19】
【0049】
を有する;
・ヨウ素含有エッチング化合物は、CHFIであり、かつ次の構造:
【0050】
【化20】
【0051】
を有する;
・ヨウ素含有エッチング化合物は、CHFIであり、かつ次の構造:
【0052】
【化21】
【0053】
を有する;
・ヨウ素含有エッチング化合物は、CIであり、かつ次の構造:
【0054】
【化22】
【0055】
を有する;
・ヨウ素含有エッチング化合物は、CIであり、かつ次の構造:
【0056】
【化23】
【0057】
を有する;
・ヨウ素含有エッチング化合物は、CIであり、かつ次の構造:
【0058】
【化24】
【0059】
を有する;
・ヨウ素含有エッチング化合物は、CIであり、かつ次の構造:
【0060】
【化25】
【0061】
を有する;
・ヨウ素含有エッチング化合物は、式C(式中、xは0~6であり、yは1~7であり、zは1~2であり、かつx+y+z=8である)を有する;
・ヨウ素含有エッチング化合物は、CIであり、かつ次の構造:
【0062】
【化26】
【0063】
を有する;
・ヨウ素含有エッチング化合物は、CIであり、かつ次の構造:
【0064】
【化27】
【0065】
を有する;
・ヨウ素含有エッチング化合物は、式C(式中、xは1~6であり、yは1~6であり、zは1~2であり、かつx+y+z=8である)を有する;
・ヨウ素含有エッチング化合物は、CHFIであり、かつ次の構造:
【0066】
【化28】
【0067】
を有する;
・ヨウ素含有エッチング化合物は、CHFIであり、かつ次の構造:
【0068】
【化29】
【0069】
を有する;
・ヨウ素含有エッチング化合物は、CIであり、かつ次の構造:
【0070】
【化30】
【0071】
を有する;
・ヨウ素含有エッチング化合物は、CIであり、かつ次の構造:
【0072】
【化31】
【0073】
を有する;
・ヨウ素含有エッチング化合物は、CIであり、かつ次の構造:
【0074】
【化32】
【0075】
を有する;
・ヨウ素含有エッチング化合物は、CIであり、かつ次の構造:
【0076】
【化33】
【0077】
を有する;
・ヨウ素含有エッチング化合物は、CIであり、かつ次の構造:
【0078】
【化34】
【0079】
を有する;
・ヨウ素含有エッチング化合物は、CIであり、かつ次の構造:
【0080】
【化35】
【0081】
を有する;
・ヨウ素含有エッチング化合物は、CIであり、かつ次の構造:
【0082】
【化36】
【0083】
を有する;
・ヨウ素含有エッチング化合物は、CIであり、かつ次の構造:
【0084】
【化37】
【0085】
を有する;
・ヨウ素含有エッチング化合物は、CIであり、かつ次の構造:
【0086】
【化38】
【0087】
を有する;
・ヨウ素含有エッチング化合物は、CIであり、かつ次の構造:
【0088】
【化39】
【0089】
を有する;
・ヨウ素含有エッチング化合物は、CIであり、かつ次の構造:
【0090】
【化40】
【0091】
を有する;
・ヨウ素含有エッチング化合物は、CIであり、かつ次の構造:
【0092】
【化41】
【0093】
を有する;
・ヨウ素含有エッチング化合物は、CIであり、かつ次の構造:
【0094】
【化42】
【0095】
を有する;
・ヨウ素含有エッチング化合物は、CIであり、かつ次の構造:
【0096】
【化43】
【0097】
を有する;
・ヨウ素含有エッチング化合物は、CIであり、かつ次の構造:
【0098】
【化44】
【0099】
を有する;
・ヨウ素含有エッチング化合物は、CIであり、かつ次の構造:
【0100】
【化45】
【0101】
を有する;
・ヨウ素含有エッチング化合物は、CIであり、かつ次の構造:
【0102】
【化46】
【0103】
を有する;
・ヨウ素含有エッチング化合物は、CIであり、かつ次の構造:
【0104】
【化47】
【0105】
を有する;
・ヨウ素含有エッチング化合物は、CIであり、かつ次の構造:
【0106】
【化48】
【0107】
を有する;
・ヨウ素含有エッチング化合物は、CIであり、かつ次の構造:
【0108】
【化49】
【0109】
を有する;
・活性化ヨウ素含有エッチング化合物は、ケイ素含有膜と反応し、揮発性副産物を形成する;
・揮発性副産物は、反応チャンバーから除去される;
・不活性ガスは、He、Ar、Xe、KrおよびNeからなる群から選択される;
・不活性ガスは、Arである;
・反応チャンバーへの導入の前に、ヨウ素含有エッチング化合物の蒸気および不活性ガスを混合して、混合物を生成する;
・不活性ガスとは別々にヨウ素含有エッチング化合物の蒸気を反応チャンバー中に導入する;
・不活性ガスを連続的に反応チャンバー中に導入し、そしてヨウ素含有エッチング化合物の蒸気を断続的に反応チャンバー中に導入する;
・不活性ガスは、反応チャンバー中に導入されるヨウ素含有エッチング化合物の蒸気および不活性ガスの全体積の約0.01%v/v~約99.9%v/vを構成する;
・不活性ガスは、反応チャンバー中に導入されるヨウ素含有エッチング化合物の蒸気および不活性ガスの全体積の約90%v/v~約99%v/vを構成する;
・酸化剤を反応チャンバー中に導入する;
・酸化剤を反応チャンバー中に導入しない;
・酸化剤は、O、CO、CO、NO、NOおよびNOからなる群から選択される;
・酸化剤は、Oである;
・反応チャンバーへの導入の前に、ヨウ素含有エッチング化合物の蒸気および酸化剤を混合する;
・酸化剤とは別々にヨウ素含有エッチング化合物の蒸気を反応チャンバー中に導入する;
・酸化剤を連続的に反応チャンバー中に導入し、そしてヨウ素含有エッチング化合物の蒸気を断続的に反応チャンバー中に導入する;
・酸化剤は、反応チャンバー中に導入されるヨウ素含有エッチング化合物の蒸気および酸化剤の全体積の約0.01%v/v~約99.9%v/vを構成する;
・酸化剤は、反応チャンバー中に導入されるヨウ素含有エッチング化合物の蒸気および酸化剤の全体積の約0.01%v/v~約10%v/vを構成する;
・ケイ素含有膜は、酸化ケイ素、窒化ケイ素、ポリケイ素、結晶質ケイ素、SiON、SiOCH、Si(式中、a>0;b、c、dおよびe≧0である)またはそれらの組合せの層を含む;
・ケイ素含有膜は、酸素原子、窒素原子、炭素原子、水素原子またはそれらの組合せを含む;
・ケイ素含有膜は、炭化ケイ素を含む;
・ケイ素含有膜は、a-C層から選択的にエッチングされる;
・ケイ素含有膜は、フォトレジスト層から選択的にエッチングされる;
・ケイ素含有膜は、窒化ケイ素層から選択的にエッチングされる;
・ケイ素含有膜は、ポリケイ素層から選択的にエッチングされる;
・ケイ素含有膜は、結晶質ケイ素層から選択的にエッチングされる;
・ケイ素含有膜は、金属コンタクト層から選択的にエッチングされる;
・ケイ素含有膜は、窒化チタン層から選択的にエッチングされる;
・ケイ素含有膜は、タンタル層から選択的にエッチングされる;
・ケイ素含有膜は、酸化ケイ素層である;
・a-C層から酸化ケイ素層を選択的にエッチングする;
・フォトレジスト層から酸化ケイ素層を選択的にエッチングする;
・p-Si層から酸化ケイ素層を選択的にエッチングする;
・結晶質ケイ素層から酸化ケイ素層を選択的にエッチングする;
・金属コンタクト層から酸化ケイ素層を選択的にエッチングする;
・SiN層から酸化ケイ素層を選択的にエッチングする;
・ケイ素含有膜は、窒化ケイ素層である;
・a-C層から窒化ケイ素層を選択的にエッチングする;
・パターン化フォトレジスト層から窒化ケイ素層を選択的にエッチングする;
・p-Si層から窒化ケイ素層を選択的にエッチングする;
・結晶質ケイ素層から窒化ケイ素層を選択的にエッチングする;
・金属コンタクト層から窒化ケイ素層を選択的にエッチングする;
・酸化ケイ素層から窒化ケイ素層を選択的にエッチングする;
・ケイ素含有膜は、SiON層である;
・フォトレジスト層からSiON層を選択的にエッチングする;
・ケイ素含有膜は、SiCOH層である;
・窒化チタン層からSiCOH層を選択的にエッチングする;
・a-C層からSiCOH層を選択的にエッチングする;
・フォトレジスト層からSiCOH層を選択的にエッチングする;
・ケイ素含有膜は、交互の酸化ケイ素および窒化ケイ素層である;
・類似のエッチング速度で酸化ケイ素および窒化ケイ素層の両方をエッチングする;
・ケイ素層から酸化ケイ素および窒化ケイ素層の両方を選択的にエッチングする;
・p-Si層から酸化ケイ素および窒化ケイ素層の両方を選択的にエッチングする;
・結晶質ケイ素層から酸化ケイ素および窒化ケイ素層の両方を選択的にエッチングする;
・a-C層から酸化ケイ素および窒化ケイ素層の両方を選択的にエッチングする;
・ケイ素含有膜は、交互の酸化ケイ素およびp-Si層である;
・類似のエッチング速度で酸化ケイ素およびp-Si層の両方をエッチングする;
・a-C層から酸化ケイ素およびp-Si層の両方を選択的にエッチングする;
・窒化ケイ素層から酸化ケイ素およびp-Si層の両方を選択的にエッチングする;
・ケイ素含有膜中に約10:1~約200:1のアスペクト比を有するアパーチャーを作成する;
・ゲートトレンチを作成する;
・階段状コンタクトを作成する;
・チャネルホールを作成する;
・約60:1~約100:1のアスペクト比を有するチャネルホールを作成する;
・約5nm~約100nmの範囲の直径を有するチャネルホールを作成する;
・約10nm~約50nmの範囲の直径を有するチャネルホールを作成する;
・反応チャンバー中にエッチングガスを導入することによって、選択性を改善する;
・エッチングガスは、cC、cC、C、CF、CHF、CFH、CH、COS、F-C≡N、CS、SO、トランス-1,1,1,4,4,4-ヘキサフルオロ-2-ブテン(trans-C)、シス-1,1,1,4,4,4-ヘキサフルオロ-2-ブテン(cis-C)、ヘキサフルオロイソブテン(C)、トランス-1,1,2,2,3,4-ヘキサフルオロシクロブタン(trans-C)、1,1,2,2,3-ペンタフルオロシクロブタン(C)、1,1,2,2-テトラフルオロシクロブタン(C)またはシス-1,1,2,2,3,4-ヘキサフルオロシクロブタン(cis-C)からなる群から選択される;
・エッチングガスは、cCである;
・エッチングガスは、cCである;
・エッチングガスは、Cである;
・反応チャンバーへの導入の前に、ヨウ素含有エッチング化合物の蒸気およびエッチングガスを混合する;
・エッチングガスとは別々にヨウ素含有エッチング化合物の蒸気を反応チャンバー中に導入する;
・反応チャンバー中に約0.01%v/v~約99.99%v/vのエッチングガスを導入する;
・RF電力を適用することによってプラズマを活性化する;
・約25W~約10,000Wの範囲のRF電力によってプラズマを活性化する;
・反応チャンバーは、約1mTorr~約10Torrの範囲の圧力を有する;
・約0.1sccm~約1slmの範囲のフロー速度で、反応チャンバー中にヨウ素含有エッチング化合物の蒸気を導入する;
・約-196℃~約500℃の範囲の温度に基材を維持する;
・約-120℃~約300℃の範囲の温度に基材を維持する;
・約-100℃~約50℃の範囲の温度に基材を維持する;
・約-10℃~約40℃の範囲の温度に基材を維持する;そして
・四重極質量分析装置、光学発光分光器、FTIRまたは他のラジカル/イオン測定ツールによって、活性化されたヨウ素含有エッチング化合物を測定する。
【0110】
また、式C(式中、a=1~3であり、x=0~6であり、y=1~7であり、z=1~2であり、a=1である場合、x+y+z=4であり、a=2である場合、x+y+z=4または6であり、かつa=3である場合、x+y+z=6または8である)を有するヨウ素含有エッチング化合物も開示される。開示された、ヨウ素含有エッチング化合物は、以下の態様の1つまたはそれ以上を含む。
【0111】
・ヨウ素含有エッチング化合物は、式CH(式中、xは0~2であり、yは1~3であり、zは1~2であり、かつx+y+z=4である)を有する;
・ヨウ素含有エッチング化合物は、CFIである;
・ヨウ素含有エッチング化合物は、CFである;
・ヨウ素含有エッチング化合物は、式CH(式中、xは1~2であり、yは1~2であり、zは1~2であり、かつx+y+z=4である)を有する;
・ヨウ素含有エッチング化合物は、CHFIである;
・ヨウ素含有エッチング化合物は、CHFIである;
・ヨウ素含有エッチング化合物は、CHFIである;
・ヨウ素含有エッチング化合物は、式C(式中、xは0~2であり、yは1~3であり、zは1~2であり、かつx+y+z=4である)を有する;
・ヨウ素含有エッチング化合物は、CIであり、かつ次の構造:
【0112】
【化50】
【0113】
を有する;
・ヨウ素含有エッチング化合物は、式C(式中、xは1~2であり、yは1~2であり、zは1~2であり、かつx+y+z=4である)を有する;
・ヨウ素含有エッチング化合物は、CHFIであり、かつ次の構造:
【0114】
【化51】
【0115】
を有する;
・ヨウ素含有エッチング化合物は、CHFIであり、かつ次の構造:
【0116】
【化52】
【0117】
を有する;
・ヨウ素含有エッチング化合物は、CFIであり、かつ次の構造:
【0118】
【化53】
【0119】
を有する;
・ヨウ素含有エッチング化合物は、CFIであり、かつ次の構造:
【0120】
【化54】
【0121】
を有する;
・ヨウ素含有エッチング化合物は、式C(式中、xは0~4であり、yは1~5であり、zは1~2であり、かつx+y+z=6である)を有する;
・ヨウ素含有エッチング化合物は、CIであり、かつ次の構造:
【0122】
【化55】
【0123】
を有する;
・ヨウ素含有エッチング化合物は、式C(式中、xは1~4であり、yは1~4であり、zは1~2であり、かつx+y+z=6である)を有する;
・ヨウ素含有エッチング化合物は、CHFIであり、かつ次の構造:
【0124】
【化56】
【0125】
を有する;
・ヨウ素含有エッチング化合物は、CHFIであり、かつ次の構造:
【0126】
【化57】
【0127】
を有する;
・ヨウ素含有エッチング化合物は、CIであり、かつ次の構造:
【0128】
【化58】
【0129】
を有する;
・ヨウ素含有エッチング化合物は、CIであり、かつ次の構造:
【0130】
【化59】
【0131】
を有する;
・ヨウ素含有エッチング化合物は、CIであり、かつ次の構造:
【0132】
【化60】
【0133】
を有する;
・ヨウ素含有エッチング化合物は、CIであり、かつ次の構造:
【0134】
【化61】
【0135】
を有する;
・ヨウ素含有エッチング化合物は、CIであり、かつ次の構造:
【0136】
【化62】
【0137】
を有する;
・ヨウ素含有エッチング化合物は、CFIであり、かつ次の構造:
【0138】
【化63】
【0139】
を有する;
・ヨウ素含有エッチング化合物は、CFIであり、かつ次の構造:
【0140】
【化64】
【0141】
を有する;
・ヨウ素含有エッチング化合物は、Cであり、かつ次の構造:
【0142】
【化65】
【0143】
を有する;
・ヨウ素含有エッチング化合物は、Cであり、かつ次の構造:
【0144】
【化66】
【0145】
を有する;
・ヨウ素含有エッチング化合物は、式C(式中、xは0~4であり、yは1~5であり、zは1~2であり、かつx+y+z=6である)を有する;
・ヨウ素含有エッチング化合物は、CIであり、かつ次の構造:
【0146】
【化67】
【0147】
を有する;
・ヨウ素含有エッチング化合物は、式C(式中、xは1~4であり、yは1~4であり、zは1~2であり、かつx+y+z=6である)を有する;
・ヨウ素含有エッチング化合物は、CHFIであり、かつ次の構造:
【0148】
【化68】
【0149】
を有する;
・ヨウ素含有エッチング化合物は、CHFIであり、かつ次の構造:
【0150】
【化69】
【0151】
を有する;
・ヨウ素含有エッチング化合物は、CHFIであり、かつ次の構造:
【0152】
【化70】
【0153】
を有する;
・ヨウ素含有エッチング化合物は、CIであり、かつ次の構造:
【0154】
【化71】
【0155】
を有する;
・ヨウ素含有エッチング化合物は、CIであり、かつ次の構造:
【0156】
【化72】
【0157】
を有する;
・ヨウ素含有エッチング化合物は、CIであり、かつ次の構造:
【0158】
【化73】
【0159】
を有する;
・ヨウ素含有エッチング化合物は、CIであり、かつ次の構造:
【0160】
【化74】
【0161】
を有する;
・ヨウ素含有エッチング化合物は、式C(式中、xは0~6であり、yは1~7であり、zは1~2であり、かつx+y+z=8である)を有する;
・ヨウ素含有エッチング化合物は、CIであり、かつ次の構造:
【0162】
【化75】
【0163】
を有する;
・ヨウ素含有エッチング化合物は、CIであり、かつ次の構造:
【0164】
【化76】
【0165】
を有する;
・ヨウ素含有エッチング化合物は、式C(式中、xは1~6であり、yは1~6であり、zは1~2であり、かつx+y+z=8である)を有する;
・ヨウ素含有エッチング化合物は、CHFIであり、かつ次の構造:
【0166】
【化77】
【0167】
を有する;
・ヨウ素含有エッチング化合物は、CHFIであり、かつ次の構造:
【0168】
【化78】
【0169】
を有する;
・ヨウ素含有エッチング化合物は、CIであり、かつ次の構造:
【0170】
【化79】
【0171】
を有する;
・ヨウ素含有エッチング化合物は、CIであり、かつ次の構造:
【0172】
【化80】
【0173】
を有する;
・ヨウ素含有エッチング化合物は、CIであり、かつ次の構造:
【0174】
【化81】
【0175】
を有する;
・ヨウ素含有エッチング化合物は、CIであり、かつ次の構造:
【0176】
【化82】
【0177】
を有する;
・ヨウ素含有エッチング化合物は、CIであり、かつ次の構造:
【0178】
【化83】
【0179】
を有する;
・ヨウ素含有エッチング化合物は、CIであり、かつ次の構造:
【0180】
【化84】
【0181】
を有する;
・ヨウ素含有エッチング化合物は、CIであり、かつ次の構造:
【0182】
【化85】
【0183】
を有する;
・ヨウ素含有エッチング化合物は、CIであり、かつ次の構造:
【0184】
【化86】
【0185】
を有する;
・ヨウ素含有エッチング化合物は、CIであり、かつ次の構造:
【0186】
【化87】
【0187】
を有する;
・ヨウ素含有エッチング化合物は、CIであり、かつ次の構造:
【0188】
【化88】
【0189】
を有する;
・ヨウ素含有エッチング化合物は、CIであり、かつ次の構造:
【0190】
【化89】
【0191】
を有する;
・ヨウ素含有エッチング化合物は、CIであり、かつ次の構造:
【0192】
【化90】
【0193】
を有する;
・ヨウ素含有エッチング化合物は、CIであり、かつ次の構造:
【0194】
【化91】
【0195】
を有する;
・ヨウ素含有エッチング化合物は、CIであり、かつ次の構造:
【0196】
【化92】
【0197】
を有する;
・ヨウ素含有エッチング化合物は、CIであり、かつ次の構造:
【0198】
【化93】
【0199】
を有する;
・ヨウ素含有エッチング化合物は、CIであり、かつ次の構造:
【0200】
【化94】
【0201】
を有する;
・ヨウ素含有エッチング化合物は、CIであり、かつ次の構造:
【0202】
【化95】
【0203】
を有する;
・ヨウ素含有エッチング化合物は、CIであり、かつ次の構造:
【0204】
【化96】
【0205】
を有する;
・ヨウ素含有エッチング化合物は、CIであり、かつ次の構造:
【0206】
【化97】
【0207】
を有する;
・ヨウ素含有エッチング化合物は、CIであり、かつ次の構造:
【0208】
【化98】
【0209】
を有する;
・約95体積%~約99.999体積%の範囲の純度を有する;
・約10pptv(parts per trillion by volume)~約5体積%の微量ガス不純物を含む;
・微量ガス不純物は、水を含む;
・微量ガス不純物は、COを含む;
・微量ガス不純物は、Nを含む;ならびに
・ヨウ素含有エッチング化合物は、20ppmw未満の含水量を有する。
【0210】
表示法および命名法
以下の詳細な説明および請求の範囲では、一般に、当該技術において周知である多数の略語、記号および用語が利用される。定義は典型的にそれぞれの頭字語によって提供されるが、便宜上、表1に、それらのそれぞれの定義と一緒に、使用された略語、記号および用語の一覧を示す。
【0211】
【表1-1】
【0212】
【表1-2】
【0213】
本明細書で使用される場合、「エッチ」または「エッチング」という用語は、エッチングガスおよび基材の間のイオン衝撃、リモートプラズマまたは化学蒸気反応によって材料を除去するためにプラズマを使用することを意味する。エッチングプロセスは、異方性であっても、または等方性であってもよい。例えば、プラズマ乾式エッチングプロセスは異方性エッチングを生じ;化学エッチングまたは湿式エッチングプロセスは等方性エッチングを生じる。エッチングプロセスは、基材中に、ビア、トレンチ、チャンネルホール、ゲートトレンチ、階段状コンタクト、コンデンサーホール、コンタクトホールなどのアパーチャーを作成するために使用されてもよい。
【0214】
「パターンエッチング」または「パターン化されたエッチング」という用語は、ケイ素含有膜のスタック上のパターン化されたマスク層などの非平面構造をエッチングすることを意味する。
【0215】
「マスク」という用語は、エッチングに抵抗する層を示す。マスク層は、エッチングされる層の上に位置し得る。
【0216】
「エッチング停止」という用語は、下の層を保護する、エッチングされる層の下の層を意味する。
【0217】
「デバイスチャネル」という用語は、実際のデバイスの一部である層を意味し、そしてそれに対するいずれのダメージもデバイス性能に影響するであろう。
【0218】
「アスペクト比」という用語は、トレンチの幅(またはビアの直径)に対するトレンチ(またはビア)の高さの比率を意味する。
【0219】
「選択性」という用語は、別の材料のエッチング速度に対する1つの材料のエッチング速度の比率を意味する。「選択性エッチング」または「選択的エッチング」という用語は、別の材料よりも1つの材料をエッチングすることを意味するか、あるいは換言すれば、2つの材料間のエッチング選択性が1:1より高いか、またはそれ未満であることを意味する。
【0220】
「独立して」という用語は、R基の記載に関して使用される場合、対象のR基が、同一または異なる下付き文字または上付き文字を有する他のR基に対して独立して選択されるのみならず、同一R基のいずれかの追加の種に対しても独立して選択されることも意味するものとして理解されるべきである。例えば、Mが原子であり、xが2または3である式MR (NR(4-x)において、2個または3個のR基は、互いに、またはRもしくはRと同一であってもよいが、同一である必要はない。さらに、他に特記されない限り、R基の値は、異なる式で使用される場合、互いに独立していることは理解されるべきである。
【0221】
本明細書中、「膜」および「層」という用語は、互換的に使用され得ることに留意されたい。膜は層に相当し得るか、または層に関連し得ること、および層が膜と呼ばれてもよいことが理解される。さらに、当業者は、「膜」または「層」という用語が、本明細書で使用される場合、表面上に適用されたか、または延展されたいくつかの材料の厚さを意味し、かつ表面が、ウエハ全体と同程度の大きいものからトレンチまたはライン程度の小さいものまでの範囲であり得ることを認識するであろう。
【0222】
本明細書中、「エッチング化合物」および「エッチングガス」という用語は互換的に使用されてもよいことに留意されたい。エッチング化合物がエッチングガスに相当するか、または関連し得ること、およびエッチングガスがエッチング化合物を意味し得ることは理解される。
【0223】
本明細書で使用される場合、「2D」という略語は、平面基材上の2次元ゲート構造を意味し;「3D」という略語は、ゲート構造が垂直方向に積み重なる、3次元または垂直ゲート構造を意味する。
【0224】
本明細書中、元素周期表からの元素の標準的な略語が使用される。元素がこれらの略語によって示され得ることは理解されるべきである(例えば、Siはケイ素を意味し、Nは窒素を意味し、Oは酸素を意味し、Cは炭素を意味し、Hは水素を意味し、Fはフッ素を意味する、など)。
【0225】
Chemical Abstract Serviceによって割り当てられたユニークなCAS登録番号(すなわち、「CAS」)は、開示された分子をよりよく識別するのを助けるために提供される。
【0226】
窒化ケイ素および酸化ケイ素などのケイ素含有膜が、それらの適切な化学量論を示さずに明細書および請求の範囲全体に列挙されることに留意されたい。ケイ素含有膜には、結晶質Si、ポリケイ素(p-Siもしくは多結晶質Si)または非晶質ケイ素などの純粋なケイ素(Si)層;窒化ケイ素(Si)層;酸化ケイ素(Si)層;またはその混合物が含まれてよく、ここで、k、l、mおよびnは、全てを含めて0.1~6の範囲である。好ましくは、窒化ケイ素は、kおよびIがそれぞれ0.5~1.5の範囲であるSiである。より好ましくは、窒化ケイ素はSiである。好ましくは、酸化ケイ素は、nが0.5~1.5の範囲であり、かつmが1.5~3.5の範囲であるSiである。より好ましくは、酸化ケイ素はSiOである。本明細書中、以下の明細書中のSiNおよびSiOは、それぞれSiおよびSi含有層を表すのに使用される。ケイ素含有膜は、SiOCHを有する、Applied Materials,Inc.によるBlack Diamond IIまたはIII材料などの、有機ベースまたは酸化ケイ素ベースの低誘電率誘電体材料などの酸化ケイ素ベースの誘電体材料であることも可能である。ケイ素含有膜は、a、b、cが0.1~6の範囲であるSiを含み得る。ケイ素含有膜は、B、C、P、Asおよび/またはGeなどのドーパントも含み得る。
【0227】
発明を実施するための形態
本発明の特性および目的のさらなる理解のために、以下の詳細な説明は、添付の図面と関連して参照されるべきである。図面中、同様の要素は、同一または類似の参照番号が与えられる。
【図面の簡単な説明】
【0228】
図1a】3D NANDスタック中の模範的な層の断面図である。
図1b】3D NANDスタックのエッチングの間に側壁上に堆積したポリマーを示す3D NANDスタック中の模範的な層の断面図である。
図1c】3D NANDスタックの交互SiO/SiN層エッチングの間に生じた粒子を示す3D NANDスタック中の模範的な層の断面図である。
図1d】3D NANDスタック中の側壁上に暴露されたSiNの選択的エッチングを示す3D NANDスタック中の模範的な層の断面図である。
図2】DRAMスタックの模範的な層の断面図である。
図3a】トランジスタ構造を作成するための典型的なトランジスタデバイス領域の周囲のSiO絶縁層上のフォトレジストパターンを示す模範的な層の断面図である。
図3b】SiO絶縁層のエッチング後の図3aの模範的な層の断面図である。
図4】CFIの種濃度(Torr)に対する電子衝突イオン化エネルギー(eV)を示すグラフである。
図5】CIの種濃度(Torr)に対する電子衝突イオン化エネルギー(eV)を示すグラフである。
図6】CIの種濃度(Torr)に対する電子衝突イオン化エネルギー(eV)を示すグラフである。
図7】CHFIの種濃度(Torr)に対する電子衝突イオン化エネルギー(eV)を示すグラフである。
図8】CIの種濃度(Torr)に対する電子衝突イオン化エネルギー(eV)を示すグラフである。
図9】CIの種濃度(Torr)に対する電子衝突イオン化エネルギー(eV)を示すグラフである。
図10】Cの種濃度(Torr)に対する電子衝突イオン化エネルギー(eV)を示すグラフである。
図11】Cの種濃度(Torr)に対する電子衝突イオン化エネルギー(eV)を示すグラフである。
図12】模範的な堆積およびエッチング試験で適用される模範的な反応器システムの断面図である。
図13】CFIおよびOによるSiO、SiN、p-Siおよびa-Cのエッチング速度を示すグラフである。
図14】CIおよびOによるSiO、SiN、p-Siおよびa-Cのエッチング速度を示すグラフである。
図15】CIおよびOによるSiO、SiN、p-Siおよびa-Cのエッチング速度を示すグラフである。
図16】CHFIおよびOによるSiO、SiN、p-Siおよびa-Cのエッチング速度を示すグラフである。
図17】CIおよびOによるSiO、SiN、p-Siおよびa-Cのエッチング速度を示すグラフである。
図18】CIおよびOによるSiO、SiN、p-Siおよびa-Cのエッチング速度を示すグラフである。
図19】CIおよびOによるSiO、SiN、p-Siおよびa-Cのエッチング速度を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0229】
ケイ素含有膜中のチャネルホール、ゲートトレンチ、階段状コンタクト、コンデンサーホール、コンタクトホールなどの半導体構造のプラズマエッチングのための方法が開示される。開示された方法は、i)基材の上にケイ素含有膜を含有する反応チャンバー中に、式C(式中、a=1~3であり、x=0~6であり、y=1~7であり、z=1~2であり、a=1である場合、x+y+z=4であり、a=2である場合、x+y+z=4または6であり、a=3である場合、x+y+z=6または8である)を有するヨウ素含有エッチング化合物の蒸気を導入するステップと;ii)反応チャンバー中に不活性ガスを導入するステップと;iii)プラズマを活性化して、基材からケイ素含有膜をエッチングすることが可能である活性化ヨウ素含有エッチング化合物を生成するステップとを含む。
【0230】
以下の例において示されるように、開示されたヨウ素含有エッチング化合物のヨウ化物イオンは、低エネルギー(eV)(すなわち、<20eV)において化合物から解離する。結果として、出願人らは、開示されたエッチング化合物は、それらがより低いプラズマエネルギーにおいて実行可能であるため、下の基材へのダメージが少ない乾式プラズマエッチングプロセスにおいて使用され得ると考える。例えば、より低いプラズマエネルギーによって、エッチングサイトを包囲する多孔性低誘電率材料へのダメージが少ないため、開示されたヨウ素含有エッチング化合物は、ダメージが特に懸念される低誘電率エッチングプロセスに特に適切であり得る。開示されたヨウ素含有エッチング化合物は、臨界寸法の損失も防ぎ、そして低誘電率表面粗さを減少させ得る。加えて、2個のヨウ素原子を有する分子は、これらの利点を強化し得るが、ヨウ素原子の大きさのために揮発性が失われる。
【0231】
ヨウ素(10.5eV)は、フッ素(17.4eV)ならびに不活性ガス:Ar(15.8eV)、Xe(12.1eV)およびKr(14eV)より低いイオン化閾値を有する。したがって、ヨウ素は、フッ素よりも容易にプラズマによってイオン化され得る。ヨウ素は、プラズマ中で不活性ガスと同様に作用し、そしてウエハに対して加速し得る。フッ素のイオン化閾値は中性化学種としてそれを維持するために有用である。結果として、フッ素は、典型的に化学反応によるエッチングプロセスに関与する。ヨウ素はフッ素より低い化学反応性を示し、そしてプラズマエッチングプロセスの間にイオン化され、そして表面に衝撃を与える。またC-Iの結合エネルギーはC-Fの結合エネルギーより低く、それによって、C-F結合と比較して、C-I結合は、プラズマ中でより容易に破壊される。
【0232】
以下の例において示されるように、ヨウ化物イオンは、低いeV(すなわち、<20eV)において、開示されたエッチング化合物から解離する。結果として生じるヨウ化物イオンは、狭い幅または直径を有するフィーチャーに入るには非常に大きくなり得る。しかしながら、マスクフィーチャー中へのヨウ化物イオン注入は可能性が高い。この注入は、マスクフィーチャーの強化を補助し得、そしてそれがエッチングプロセスの間にその形を維持するのを補助し得る。
【0233】
開示されたヨウ素含有エッチング化合物は、式C(式中、a=1~3であり、x=0~6であり、y=1~7であり、z=1~2であり、a=1である場合、x+y+z=4であり、a=2である場合、x+y+z=4または6であり、a=3である場合、x+y+z=6または8である)を有する。模範的なヨウ素含有エッチング化合物を表2に列挙する。これらの分子は商業的に入手可能であるか、または当該技術で既知の方法によって合成され得る。それらの構造式、CAS番号および沸点も表2に含まれる。
【0234】
【表2-1】
【0235】
【表2-2】
【0236】
【表2-3】
【0237】
【表2-4】
【0238】
【表2-5】
【0239】
【表2-6】
【0240】
【表2-7】
【0241】
【表2-8】
【0242】
a=1である場合、開示されたヨウ素含有エッチング化合物は、式CH(x=0~2であり、y=1~2であり、z=1~2であり、x+y+z=4である)を有する。模範的な化合物としては、CFI、CF、CHFI、CHFIおよびCHFI、好ましくは、CFが含まれる。出願人らは、開示されたヨウ素含有エッチング化合物が、少なくとも1個のHを含む場合、マスク層に対する高い選択性を維持しながら、SiNのエッチング速度が強化され得ると考える。a=1である場合、1個のHを有するヨウ素含有エッチング化合物は、式CH(式中、x=1~2であり、=1~2であり、かつz=1~2である)を有する。模範的な化合物としては、CHFI、CHFIおよびCHFIが含まれる。
【0243】
出願人らは、2~3個の炭素原子を有する分子が、エッチングプロセスの間、C分子より良好な側壁保護を提供し得ると考える。
【0244】
側壁保護のために、それらがより厚いパッシベーション層を作成するであろうと出願人らが考えるため、C分子が好ましい。Cヨウ素含有エッチング化合物は、式C(式中、x=0~6であり、y=1~7であり、z=1~2であり、かつx+y+z=6または8である)を有する。模範的なCヨウ素含有エッチング化合物としては、CI、CHFI、CI、CI、CHFI、CI、CIおよびCI、好ましくは、CI、CHFI、CI、CHFI、CI、CIまたはCI、なおより好ましくは、CHFI、CI、CI、CIまたはCIが含まれる。
【0245】
しかしながら、C分子は反応器に送達することがより容易であり得るか、または、いくつかの用途に関して、より薄いパッシベーション層が望ましくなり得る。Cヨウ素含有エッチング化合物は、式C(式中、x=0~4であり、y=1~5であり、z=1~2であり、かつx+y+z=4または6である)を有する。模範的なCヨウ素含有エッチング化合物としては、CI、CHFI、CFI、CI、CHFI、CI、CI、CFIおよびC、好ましくは、CI、CFI、CI、CFIまたはC、より好ましくは、CFI、CIまたはCFI、なおより好ましくは、CHFI、CHFIまたは1,1-ジフルオロ-1-ヨード-エタンが含まれる。
【0246】
出願人らは、開示されたヨウ素含有エッチング化合物が少なくとも1個のHを含む場合(すなわち、CHFI、CHFI、CI、CI、CFI、CHFI、CI、CHFI、CI、CIおよびCI、好ましくは、CFI、CI、CFI、CHFI、CI、CHFI、CI、CIおよびCI)、マスク層に対する高い選択性を維持しながら、SiNのエッチング速度が強化され得るとさらに考える。
【0247】
再び、C分子は側壁保護のために好ましい。1個のHを含有するCヨウ素含有エッチング化合物は、式C(式中、x=1~6であり、y=1~6であり、z=1~2であり、かつx+y+z=6または8である)を有する。模範的な分子としては、CHFI、CI、CHFI、CI、CIおよびCIが含まれる。
【0248】
しかしながら、再び、C分子は反応器に送達することがより容易であり得る。1個のHを含有するCヨウ素含有エッチング化合物は、式C(式中、x=1~4であり、y=1~4であり、z=1~2であり、かつx+y+z=4または6である)を有する。模範的な分子としては、CHFI、CFI、CHFI、CI、CIおよびCFI、好ましくは、CFI、CIまたはCFI、より好ましくは、CHFI、CHFIまたは1,1-ジフルオロ-1-ヨード-エタンが含まれる。
【0249】
開示されたヨウ素含有エッチング化合物は、マスク層、エッチング停止層およびデバイスチャネル材料に対して高い選択性を提供し得、かつDRAMおよび3D NAND用途などの10:1~200:1の範囲のアスペクト比を有するものなどの高アスペクト比構造におけるプロフィール歪みを提供し得ない。代わりに、開示されたヨウ素含有エッチング化合物は、コンタクトエッチング用途において1:1~50:1の範囲のアスペクト比を有するものなどのマスク層または窒化ケイ素に対して高い選択性を提供し得る。
【0250】
開示されたヨウ素含有エッチング化合物は、エッチングの広範なプロセス条件に関する無数の選択性を提供し得る。本明細書中、選択性とは、2つの異なる層のエッチング速度比を示す。例えば、SiO層対a-C層に関する選択性は、a-C層のエッチング速度で割られたSiOのエッチング速度である。開示されたヨウ素含有エッチング化合物は、ケイ素含有膜とマスク材料との間の改善された選択性を提供し得、チャネル領域へのダメージが低下し、かつパターン高アスペクト比構造における歪曲が減少する。また、開示されたヨウ素含有エッチング化合物は、p-Si、SiOおよび/またはSiNの交互の層を通してエッチングし得、垂直エッチングプロフィールをもたらす(すなわち、交互の層の間に2:1~1:2の範囲の選択性を示す)。
【0251】
開示されたヨウ素含有エッチング化合物は、95%v/vより高い純度で、好ましくは、99.99%v/vより高い純度で、より好ましくは、99.999%v/vより高い純度で提供される。開示されたヨウ素含有エッチング化合物は、5体積%未満の微量ガス不純物を含有し、微量ガス不純物中には、体積で150ppm未満のNおよび/またはHOおよび/またはCOなどの不純物ガスが含まれる。好ましくは、プラズマエッチングガス中の含水量は、重量で20ppmw未満である。精製された生成物は、蒸留、および/または4Aモレキュラーシーブなどの適切な吸着剤を通してガスまたは液体を通過させることによって製造され得る。
【0252】
開示されたヨウ素含有エッチング化合物は、10%v/v未満、好ましくは、1%v/v未満、より好ましくは、0.1%v/v未満、さらにより好ましくは、0.01%v/v未満のいずれかのその異性体を含有し、これは、異性体を除去するためのガスまたは液体の蒸留によって精製され得、かつより良好なプロセス繰返し性を提供し得る。
【0253】
代わりに、開示されたヨウ素含有エッチング化合物は、特に異性体混合物が改善されたプロセスパラメーターを提供する場合、または標的異性体の単離が非常に困難であるか、もしくは高価である場合、5%v/v~50%v/vのその異性体を含有し得る。例えば、開示されたヨウ素含有エッチング化合物は、約50%v/v~約75%v/vの(1E)-1,2-ジフルオロ-1-ヨード-エテンおよび約25%v/v~約50%v/vの(1Z)-1,2-ジフルオロ-1-ヨード-エテンを含み得る。異性体の混合物は、反応チャンバーへの2つ以上のガスラインの必要性も低減させ得る。
【0254】
開示されたヨウ素含有エッチング化合物のいくつかは、室温および気圧においてガス状である。非ガス状(すなわち、液体または固体)化合物に関して、それらのガス形態は、直接蒸発などの従来的な蒸発ステップによって化合物を蒸発させることによって、または不活性ガス(N、Ar、He)によるバブリングによって生成され得る。非ガス状化合物は、それを反応器中に導入する前にそれを蒸発させる蒸発器に液体形態で提供され得る。
【0255】
開示されたヨウ素含有エッチング化合物は、ケイ素含有膜中のチャネルホール、ゲートトレンチ、階段状コンタクト、コンデンサーホール、コンタクトホールなどの半導体構造のプラズマエッチングに適切である。開示されたヨウ素含有エッチング化合物が、高アスペクト比構造の良好なプロフィールとともにマスク上にダメージを誘発しないか、またはわずかのみ誘発するため、開示されたヨウ素含有エッチング化合物は、現在入手可能なマスク材料と適合性があるのみならず、次世代のマスク材料とも適合性がある。換言すれば、開示されたヨウ素含有エッチング化合物は、最小限の歪曲、パターン崩壊または粗さを有するか、または有さない垂直エッチングパターンを作成し得る。これらの特性を達成するために、開示されたヨウ素含有エッチング化合物は、エッチングプロセスの間に酸素およびフッ素ラジカルの直接的な影響を減少させることの補助とするため、エッチングの間にエッチング抵抗ポリマー層を堆積してもよい。開示されたヨウ素含有エッチング化合物は、エッチングの間のp-Siまたは結晶質Siチャネル構造に対するダメージを減少させ得る。好ましくは、開示されたヨウ素含有エッチング化合物は、反応器/チャンバー中への送達のため、エッチングプロセスの間、適切に揮発性および安定性である。
【0256】
材料適合性試験は、いずれかの開示されたヨウ素含有エッチング化合物がチャンバー材料と反応して、そして短期または長期使用によってチャンバーの性能を低下させるかどうかを決定するために重要である。チャンバー、バルブなどの一部に関連する重要な材料としては、ステンレス鋼、アルミニウム、ニッケル、PCTFE、PVDF、PTFE、ならびに他の金属およびポリマーが含まれる。時には、これらの材料は、それらの低下を強化し得る、高温、例えば、20℃より高い温度、および高圧、例えば、1atmより高い圧力に暴露される。測定方法には、目視検査、重量測定、走査型電子顕微鏡法(SEM)におけるナノメートルスケールでの変化の測定、引張強度、硬度などが含まれ得る。
【0257】
開示されたヨウ素含有エッチング化合物は、基材上にケイ素含有膜をプラズマエッチングするために使用され得る。開示されたプラズマエッチング法は、NANDまたは3DNANDゲートなどの半導体デバイス、あるいはフィン型電界効果トランジスタ(fin-shaped field-effect transistor)(FinFET)、バルク相補型金属酸化物半導体(complementary metal-oxide-semiconductor)(バルクCMOS)、完全空乏シリコン-オン-インシュレーター(fully depleted silicon-on-insulator)(FD-SOI)構造などのフラッシュまたはDRAMメモリまたはトランジスタの製造において有用であり得る。開示されたヨウ素含有エッチング化合物は、異なるフロントエンド(front end of the line)(FEOL)およびバックエンド(back end of the line)(BEOL)エッチング用途などの他の領域の用途において有用であり得る。さらに、開示されたヨウ素含有エッチング化合物は、基材上のロジックにメモリを相互連結させるため、3D Si貫通電極(through silicon via)(TSV)エッチング用途においてSiをエッチングするために使用され得る。
【0258】
プラズマエッチング法は、その中に配置された基材を有する反応チャンバーを提供することを含む。反応チャンバーは、限定されないが、反応性イオンエッチング(RIE)、単一または複数周波数RF源による容量結合プラズマ(CCP)、誘導結合プラズマ(ICP)、またはマイクロ波プラズマ反応器、あるいは選択的にケイ素含有膜の一部を除去することが可能であるか、または活性種を生成することが可能である他の種類のエッチングシステムなどのその中でエッチング法が実行されるデバイス中のいずれかのエンクロージャまたはチャンバーであり得る。当業者は、異なるプラズマ反応チャンバー設計によって異なる電子温度制御が提供されることを認識するであろう。適切な商業的に入手可能なプラズマ反応チャンバーとしては、限定されないが、eMAX(商標)の商標で販売されるApplied Materials磁気強化反応性イオンエッチャー、または2300(登録商標)Flex(商標)の商標名で販売されるLam Research Dual CCP反応性イオンエッチャー誘電体エッチング製品系統が含まれる。それらの中のRF電力は、プラズマ特性を制御し、それによって、エッチング性能(選択性およびダメージ)をさらに改善するために断続的であってもよい。
【0259】
代わりに、プラズマ処理された反応物は、反応チャンバーの外部で生成され得る。MKS InstrumentsのASTRONi(登録商標)反応性ガス発生機は、反応チャンバー中への通過の前に反応物を処理するために使用され得る。2.45GHz、7kWプラズマ電力および約0.5Torr~約10Torrの範囲の圧力で作動させると、反応物Oは2つのO・ラジカルに分解し得る。好ましくは、リモートプラズマは、約1kW~約10kW、より好ましくは、約2.5kW~約7.5kWの範囲の電力で生成され得る。
【0260】
反応チャンバーは、1つまたは1つより多くの基材を含有し得る。例えば、反応チャンバーは、25.4mm~450mmの直径を有する1~200のケイ素ウエハを含有し得る。基材は、半導体、光起電、フラットパネルまたはLCD-TFTデバイス製造において使用されるいずれかの適切な基材であってよい。適切な基材の例としては、ケイ素、シリカ、ガラスまたはGaAsウエハなどのウエハが含まれる。ウエハは、ケイ素含有膜または層を含む、以前の製造ステップからのその上の複数の膜または層を有するであろう。層はパターン化されていても、またはされていなくてもよい。適切な層の例としては、限定されないが、ケイ素(非晶質ケイ素、p-Si、結晶質ケイ素、これらのいずれもB、C、P、Asおよび/またはGeによってさらにp-ドープまたはn-ドープされていてよい)、シリカ、窒化ケイ素、酸化ケイ素、オキシ窒化ケイ素、Si(式中、a>0;b、c、d、e≧0)、マスク層材料、例えば、非晶質炭素、反射防止コーティング、フォトレジスト材料、タングステン、窒化チタン、窒化タンタルまたはそれらの組合せ、エッチング停止層、例えば、窒化ケイ素、ポリケイ素、結晶質ケイ素、炭化ケイ素、SiCNまたはそれらの組合せ、デバイスチャネル材料、例えば、結晶質ケイ素、エピタキシャルケイ素、ドープされたケイ素、Si(式中、a>0;b、c、d、e≧0)、あるいはそれらの組合せが含まれる。酸化ケイ素層は、有機ベースか、または酸化ケイ素ベースの低誘電率誘電体材料(例えば、多孔性SiCOH膜)などの誘電体材料を形成し得る。模範的な低誘電率誘電体材料は、商標名Black Diamond IIまたはIIIでApplied Materialsによって販売される。さらに、タングステンまたは貴金属(例えば、白金、パラジウム、ロジウムまたは金)を含む層が使用されてもよい。さらに、ケイ素含有膜の例は、Si(式中、a>0;b、c、d、e≧0)であり得る。明細書および請求の範囲全体で、ウエハおよびそのいずれかの関連層は基材と記載される。
【0261】
以下は、開示されたヨウ素含有エッチング化合物がエッチングするために適用され得る基材の模範的な実施形態である。
【0262】
一実施形態において、図1aに示されるように、基材100は、複数の層のスタックを含み得る。図1aは、3D NANDゲートを作成するための3D NANDスタック中の模範的な層の断面図である。図1aにおいて、7つの交互SiO/SiN(すなわち、104a/104b)層104のスタックがケイ素ウエハ102上に位置する(すなわち、ONONまたはTCAT技術)。当業者は、いくつかの技術によってSiN層104bがp-Si層によって置き換えられること(例えば、SiO/p-Siまたはp-BICS技術)を認識するであろう。非晶質炭素(a-C)マスク層106は、7つのSiO/SiN層104の上部に位置する。a-Cマスク層106は、SiO/SiN層エッチングの間にエッチング抵抗を改善するために、CおよびH、ならびにホウ素、窒素などの他の元素を含み得る。反射防止コーティング層108は、a-Cマスク層106の上部に位置する。パターン化されたフォトレジスト層110は、反射防止コーティング層108の上部に位置する。本明細書中、フォトレジスト層110中のパターンをa-C層106に移すために、反射防止コーティング層108とa-Cマスク層106との間に(示されない)SiON層が存在してもよい。当業者は、図1a中の基材100中の層のスタックが、模範的な目的のためのみ提供され、かつ開示されたヨウ素含有エッチング化合物が他の種類の層のスタックをエッチングするために使用されてもよいことを認識するであろう。さらに、当業者は、基材100のスタック中の交互SiO/SiNまたはSiO/p-Si層104の数が変動し得ること(すなわち、記載された7つより多いか、または7つより少ないSiO/SiN(104a/104b)層を含み得ること)を認識するであろう。
【0263】
図1bは、エッチングの間に側壁上に堆積したポリマーを示す、図1aの3D NANDスタック中の模範的な層の断面図である。開示されたヨウ素含有エッチング化合物は、ケイ素含有膜104の異方性エッチング、および図1bに示されるようにエッチングされる構造の側壁上でのI含有ポリマーパッシベーション層212の堆積のために適切であるプラズマプロセスの間にフラグメントを生じ得る。図1bおよび図1aの間の差異は、図1bにおいては、開示されたヨウ素含有エッチング化合物を使用するプラズマエッチングによって基材100中にビア214が形成され、それによって、ビア214の側壁上にポリマーパッシベーション層212も堆積されるということである。また、ポリマーパッシベーション層212は、ビア214の底部において、より平滑な側壁、より少ない歪曲およびより少ない変形を提供する。しかしながら、ポリマーパッシベーション層212は、当該技術において既知の乾式または湿式エッチング化学薬品によって容易に除去またはクリーニングされ得る。
【0264】
図1cは、3D NANDスタック中の交互SiO/SiN層エッチングの間に発生した粒子316を示す、図1aの3D NANDスタック中の模範的な層の断面図である。図1cに示すように、交互SiO/SiN(すなわち、104a/104b)層104の側壁上に生じた粒子316は、開示されたヨウ素含有エッチング化合物を使用することによって最小化され得る。図1cおよび図1bの間の差異は、図1cにおいては、交互SiO/SiN曝露側面が、プラズマエッチングの間に発生した粒子316を有するということである。出願人らは、開示されたヨウ素含有エッチング化合物が図1cに示される粒子316を発生させるとは考えない。
【0265】
図1dは、異方性エッチングプロセス後に3D NANDスタック中の側壁上で暴露されたSiN層104bの選択的等方性エッチングを示す、図1aの3D NANDスタック中の模範的な層の断面図である。スタック100中のSiN曝露側面は、SiO層104a中のSi-O結合よりもSiN層104b中のSi-N結合を選択的に破壊し、ビア214中のSiO/SiN層104中のスタック上に選択的側壁SiNエッチング418を形成するように、開示されたヨウ素含有エッチング化合物を使用することによって、図1dに示されるように選択的にエッチングされ得る。図1dおよび図1bの間の差異は、図1dにおいて、交互SiO/SiN側壁上に暴露されたSiNが、開示されたヨウ素含有エッチング化合物によって選択的にエッチングされて、選択的側壁SiNエッチング418が形成されるということである。典型的に、選択的側壁SiNエッチング418は、リン酸との混合物を使用する湿式エッチングによって実行される。湿式エッチングは基材を異なる湿式エッチング装置に移動させることを必要とするため、湿式エッチングプロセスを乾式プラズマエッチングプロセスで置き換えることによって、半導体デバイス製作プロセスの経済的側面を非常に改善することが知られている。開示された方法に関して、図1dの選択的側壁SiNエッチングを含む全てのエッチングは、一体型エッチング装置において実行され得、このことは、半導体製作のコストを減少し得る。
【0266】
別の実施形態において、図2に示されるように、基材100は、その上に複数の層のスタックを含み得る。図2は、DRAMメモリを作成するためのDRAMスタック中の模範的な層の断面図である。図2において、4層のスタックがケイ素ウエハ102上に位置する。a-Cマスク層106は、大SiO層104aの上部に位置する。反射防止コーティング層108は、a-Cマスク106の上部に位置する。パターンフォトレジスト層110は、反射防止コーティング108の上部に位置する。フォトレジスト層110中のパターンをa-C層106に移すために、反射防止コーティング層108とa-Cマスク層106との間に(示されない)SiON層が存在してもよい。当業者は、図2中の層のスタックが、模範的な目的のためのみ提供され、かつ開示されたヨウ素含有エッチング化合物が他の層のスタック、例えば、a-Cマスク層106がTiN層によって置き換えられたスタックをエッチングするために使用されてもよいことを認識するであろう。さらに、当業者は、スタック中の層の数が変動し得ること(すなわち、記載された層より多いか、または少ない層を含み得ること)を認識するであろう。
【0267】
図3aは、トランジスタ構造を作成するための典型的なトランジスタデバイス領域を包囲するSiO絶縁層の上のフォトレジストパターンを示す、模範的な層の断面図である。基材600は、図3aに示されるように、ケイ素ウエハ602上に担持されたトランジスタゲート電極領域を包囲する4層のスタックを含み得る。図3aに示されるトランジスタ領域には、ソースおよびドレインの役割を果たす2つのドープされたケイ素領域606が含まれる。トランジスタゲート誘電体614は、ゲート電極616の下に存在する。トランジスタ全体、すなわち、トランジスタゲート誘電体614およびゲート電極616は、後にコンタクトエッチングの間にエッチング停止層として作用し得る、SiN薄層608によって包囲される。それぞれのトランジスタデバイス領域616/606は、電気的干渉を最小化するため、ケイ素ウエハ602中でSiO単離領域604によって分離される。当業者は、層602がシリコンオンインシュレーター(Silicon on Insulator)(SOI)ウエハの酸化ケイ素層の上部に位置し得ることを認識するであろう。別のSiO層610はトランジスタ上に堆積されて、そしてトランジスタデバイス領域606へのいずれの金属接触も絶縁するために使用される。フォトレジストマスク612は、SiO層610をパターン化するために使用される。エッチングは、プラズマ環境において開示されたヨウ素含有エッチング化合物を使用して実行される。図3bに示されるように、フォトレジストマスク612はSiO層610をエッチングするためのテンプレートとして機能し、そしてエッチングはSiN層608において停止する。
【0268】
図3bは、SiO絶縁層のエッチング後の図3aの模範的な層の断面図である。図3bおよび図3aの間の差異は、図3bにおいて、開示されたヨウ素含有エッチング化合物によるエッチングによって、SiO層610中にビア718が形成されるということである。SiO層610は、マスク層としてのフォトレジスト層612を用いてエッチングされ得る。マスク層は、TiN、a-Cなどのいずれかの適切なフォトレジストマスク材料であり得る。エッチングは、下のSiN層608で停止され得る。
【0269】
開示されたヨウ素含有エッチング化合物は、異なるプラズマ条件および異なる混合物を用いてSiN層608をエッチングするために使用されてもよい。当業者は、図3aおよび図3bの層のスタックおよび幾何構造が、模範的な目的のためのみ提供され、かつ開示されたヨウ素含有エッチング化合物が他の種類の層のスタックをエッチングするために使用されてもよいことを認識するであろう。さらに、当業者は、スタック中の層の数が変動し得ること(すなわち、記載された4層より多いか、または少ない層を含み得ること)を認識するであろう。
【0270】
開示されたヨウ素含有エッチング化合物の蒸気は、基材およびケイ素含有膜を含有する反応チャンバー中に導入される。蒸気は、約0.1sccm~約1slmの範囲のフロー速度においてチャンバーに導入され得る。例えば、200mmのウエハ径に関して、蒸気は約5sccm~約50sccmの範囲のフロー速度においてチャンバーに導入され得る。代わりに、450mmのウエハ径に関して、蒸気は約25sccm~約250sccmの範囲のフロー速度においてチャンバーに導入され得る。当業者は、フロー速度がツールによって変動し得ることを認識するであろう。
【0271】
開示されたヨウ素含有エッチング化合物は、そのままの形態で、またはN、Ar、He、Xeなどの不活性ガスまたは溶媒とのブレンドのいずれかで供給され得る。開示されたヨウ素含有エッチング化合物は、ブレンド中、様々な濃度で存在し得る。液体ヨウ素含有エッチング化合物に関して、ヨウ素含有エッチング化合物の蒸気形態は、そのままの、またはブレンドされたヨウ素含有エッチング化合物溶液を、直接蒸留などの従来の蒸発ステップによって蒸発させることによって、またはバブリングによって生成され得る。そのままの、またはブレンドされたヨウ素含有エッチング化合物は、それを反応器中に導入する前にそれを蒸発させる蒸発器へと液体状態で供給され得る。
【0272】
代わりに、そのままの、またはブレンドされたヨウ素含有エッチング化合物は、開示されたヨウ素含有エッチング化合物を含有する容器中にキャリアガスを通過させることによって、または開示されたヨウ素含有エッチング化合物中にキャリアガスをバブリングすることによって蒸発され得る。キャリアガスとしては、限定されないが、Ar、He、Nおよびそれらの混合物が含まれる。キャリアガスによるバブリングによって、そのままの、またはブレンドされたヨウ素含有エッチング化合物溶液中に存在するいずれかの溶解酸素が除去され得る。次いで、キャリアガスおよび開示されたヨウ素含有エッチング化合物は蒸気として反応器中に導入される。
【0273】
必要であれば、ヨウ素含有エッチング化合物が液体相となり、かつエッチングツールへの送達のために十分な蒸気圧を有することを可能にする温度まで、開示されたヨウ素含有エッチング化合物を含有する容器を加熱してもよい。容器は、例えば、約0℃~約150℃、好ましくは、約25℃~約100℃、より好ましくは、約25℃~約50℃の範囲の温度に維持されてもよい。より好ましくは、容器は、エッチングツールへのラインの加熱を避けるために室温(約25℃)に維持される。当業者は、容器の温度が、蒸発させるヨウ素含有化合物の量を制御するために周知の様式で調整され得ることを認識する。
【0274】
さらに、ヨウ素含有エッチング化合物は、95体積%~99.999体積%の範囲の純度で送達され、かつCO、CO、N、HO、HF、HS、SO、ハロゲン化物および他の炭化水素またはヒドロハロカーボンの除去のための周知の標準的精製技術によって精製され得る。
【0275】
不活性ガスもプラズマを受けるために反応チャンバー中に導入される。不活性ガスは、He、Ar、Xe、Kr、Ne、Nまたはそれらの組合せであり得る。エッチングガスおよび不活性ガスは、不活性ガスが、得られた混合物の約0.01%v/v~約99.9%v/vを構成するように、チャンバーへの導入の前に混合されてもよい。代わりに、不活性ガスは連続的にチャンバーに導入され得るが、エッチングガスは断続的にチャンバーに導入される。
【0276】
開示されたエッチングガスの蒸気および不活性ガスをプラズマによって活性化し、活性化エッチングガスを生成する。プラズマによってエッチングガスはラジカル型(すなわち、活性化エッチングガス)へと分解する。プラズマは、RFまたはDC電力を適用することによって発生させてもよい。プラズマは、約25W~約10,000Wの範囲のRF電力によって発生させてもよい。プラズマは、遠位で、または反応器自体の中で発生させてもよい。プラズマは、両電極において適用されたRFによって、デュアルCCPまたはICPモードで発生させてもよい。プラズマのRF周波数は、200KHz~1GHzの範囲であり得る。異なる周波数における異なるRF源を組み合わせて、そして同一電極において適用されてもよい。分子断片化および基材における反応を制御するため、さらにプラズマRFパルスを使用してもよい。当業者は、そのようなプラズマ処理のために適切な方法および装置を認識するであろう。
【0277】
四重極質量分析装置(QMS)、光学発光分光器、FTIRまたは他のラジカル/イオン測定ツールによって、生成した種の種類および数を決定するために、チャンバー排出物からの活性化エッチングガスを測定してもよい。必要であれば、エッチングガスおよび/または不活性ガスのフロー速度は、発生したラジカル種の数を増加または減少させるように調整されてもよい。
【0278】
開示されたエッチングガスは、反応チャンバー中への導入の前、または反応チャンバー中のいずれかで、他のガスと混合されてもよい。好ましくは、ガスは、混入ガスの均一な濃度を提供するために、チャンバーへの導入の前に混合されてよい。
【0279】
別の選択肢において、ヨウ素含有化合物の蒸気は、2種以上のガスが反応するかまたは独立して送達するのがより容易である場合など、他のガスから独立してチャンバー中に導入されてよい。
【0280】
別の選択肢において、エッチングガスおよび不活性ガスは、エッチングプロセスの間に使用される2種のみのガスである。
【0281】
模範的な他のガスとしては、限定されないが、O、O、CO、CO、NO、NO、NOおよびそれらの組合せなどの酸化剤が含まれる。開示されたエッチングガスおよび酸化剤は、反応チャンバー中に導入される前に一緒に混合されてもよい。
【0282】
代わりに、酸化剤は連続的にチャンバーに導入され得、かつエッチングガスは断続的にチャンバーに導入される。酸化剤は、チャンバー中に導入される混合物の約0.01%v/v~約99.99%v/vを構成してもよい(99.99%v/vは、連続導入の選択肢に関して、ほぼ純粋な酸化剤の導入を表す)。
【0283】
開示されたヨウ素含有エッチング化合物が使用され得る他の模範的なガスとしては、cC、C、C、CF、CHF、CFH、CH、COS、CS、CFI、CI、CI、SO、トランス-1,1,1,4,4,4-ヘキサフルオロ-2-ブテン(trans-C)、シス-1,1,1,4,4,4-ヘキサフルオロ-2-ブテン(cis-C)、ヘキサフルオロイソブテン(C)、トランス-1,1,2,2,3,4-ヘキサフルオロシクロブタン(trans-C)、1,1,2,2,3-ペンタフルオロシクロブタン(C)、1,1,2,2-テトラフルオロシクロブタン(C)またはシス-1,1,2,2,3,4-ヘキサフルオロシクロブタン(cis-C)が含まれる。例えば、約1%v/v~約25%v/vの開示されたヨウ素含有エッチング化合物が使用され得、残りはCまたはcCである。以下の実施例に示されるように、開示されたヨウ素含有エッチング化合物と従来のエッチングガスとの組合せによって、基材と、開示されたヨウ素含有エッチング化合物と関連してエッチングされる層との間のより高い選択性を維持しながら、増加したエッチング速度をもたらし得る。
【0284】
開示されたヨウ素含有エッチング化合物の蒸気およびエッチングガスは、反応チャンバーへの導入の前に混合されてもよい。追加のエッチングガスは、チャンバー中に導入される混合物の約0.01%v/v~約99.99%v/vを構成してもよい。
【0285】
1つの非制限的な模範的なプラズマエッチングプロセスにおいて、1,1,3,3-テトラフルオロ-3-ヨード-1-プロペン(CAS番号674-03-3)の蒸気は、制御ガスフローデバイスを使用して、200mmデュアルCCPプラズマエッチングツールへと導入される。制御ガスフローデバイスは、所望の分子の蒸気を送達するための不活性ガスフローによるマスフロー制御器またはバブラーデザインであり得る。高沸点分子の場合、Brooks Automation(No.GF120XSD)、MKS Instrumentsなどからの特別な低圧損失マスフロー制御器が使用され得る。反応チャンバーの圧力は、約30mTorrに設定される。蒸気圧が十分である場合、ガス供給源の加熱は必要とされなくてもよい。2つのCCP電極間の距離は1.35cmに保持され、かつ上部電極RF電力は750Wに固定される。底部電極RF電力は、分子の性能を分析するために変更される。図1aに示されるものと同様に、反応チャンバーは、その上にケイ素含有膜を有する基材を含有する。反射防止コーティング層108は、フッ化炭化水素(例えば、CFおよびCH)ならびに酸素含有ガス(例えば、O)によってパターン化/エッチングされる。非晶質炭素マスク層は、酸素含有ガスによってパターン化/エッチングされる。SiOおよびSiN層104は、開示されたヨウ素含有エッチング化合物(例えば、1,1,3,3-テトラフルオロ-3-ヨード-1-プロペン)およびアルゴンのプラズマによってパターン化される。アルゴンは、独立して、250sccmフロー速度においてチャンバー中に導入される。1,1,3,3-テトラフルオロ-3-ヨード-1-プロペンは、独立して、15sccmにおいてチャンバー中に導入される。Oは、独立して、チャンバー中に導入され、かつ最適エッチング条件を決定するために0sccm~20sccmで様々である。30:1以上のアスペクト比を有するアパーチャーが作成され、それは垂直NAND中のチャンネルホールとして使用され得る。類似の例は、図2および3aに示されるような他のスタック層に関して使用されてもよい。
【0286】
別の非限定的な模範的なプラズマエッチングプロセスにおいて、1,2-ジフルオロ-1-ヨード-エテンは、制御ガスフローデバイスを使用して、200mmデュアルCCPプラズマエッチングツールへと導入される。制御ガスフローデバイスは、マスフロー制御器であり得る。高沸点分子の場合、Brooks Automation(No.GF120XSD)、MKS Instrumentsなどからの特別な低圧損失マスフロー制御器が使用され得る。反応チャンバーの圧力は、約30mTorrに設定される。蒸気圧力が十分である場合、ガス供給源の加熱は必要とされなくてもよい。2つのCCP電極間の距離は1.35cmに保持され、かつ上部電極RF電力は750Wに固定される。底部電極RF電力は、1,2-ジフルオロ-1-ヨード-エテンの性能を分析するために変更される。反応チャンバーは、図2に示される層と同様に、その上にSiO厚層104aを有する基材100を含有する。このプロセスの前に、反射防止コーティング層108は、フッ化炭化水素(例えば、CF)および酸素含有ガス(例えば、O)によって除去され、そしてa-Cマスク層106は酸素含有ガスによって除去される。アルゴンは、独立して、250sccmフロー速度においてチャンバー中に導入される。1,2-ジフルオロ-1-ヨード-エテンは、独立して、15sccmにおいてチャンバー中に導入される。Oは、独立して、最適エッチング条件を決定するために0sccm~20sccmにおいてチャンバー中に導入される。10:1以上のアスペクト比を有するアパーチャーが作成され、それはDRAM中のコンタクトホールとして使用され得る。類似の例は、図1aおよび3aに示されるような他のスタック層に関して使用されてもよい。
【0287】
ケイ素含有膜および活性化ヨウ素含有エッチングガスは反応して、反応チャンバーから除去される揮発性副産物を形成する。a-Cマスク、反射防止コーティングおよびフォトレジスト層は、活性化エッチングガスに対してそれほど反応性ではない。したがって、活性化エッチングガスはケイ素含有膜と選択的に反応し、揮発性副産物を形成する。
【0288】
反応チャンバー中の温度および圧力は、ケイ素含有膜が活性化エッチングガスと反応するために適切な条件に保持される。例えば、チャンバー中の圧力は、エッチングパラメーターによる必要に応じて、約0.1mTorr~約1000Torr、好ましくは、約1mTorr~約10Torr、より好ましくは、約10mTorr~約1Torr、より好ましくは、約10mTorr~約100mTorrに保持され得る。同様に、チャンバー中の基材温度は、約-196℃~約500℃、好ましくは、約-120℃~約300℃、より好ましくは、約-100℃~約50℃、そしてより好ましくは、約-10℃~約40℃の範囲であり得る。チャンバー壁部温度は、プロセス必要条件次第で、約-196℃~約300℃の範囲であり得る。
【0289】
ケイ素含有膜と活性化エッチングガスとの間の反応は、基材からのケイ素含有膜の異方性除去をもたらす。窒素、酸素および/または炭素原子もケイ素含有膜に存在し得る。除去は、(プラズマによって促進された)プラズマイオンからのケイ素含有膜の物理的スパッタリングおよび/またはSiを、xが1~4の範囲であるSiFなどの揮発性種に変換するためのプラズマ種の化学反応による。
【0290】
開示されたヨウ素含有エッチング化合物のプラズマ活性化蒸気は、好ましくは、マスクに対して高い選択性を示し、かつSiOおよびSiNの交互層を通してエッチングが生じ、歪曲または粗さのない垂直エッチングプロフィールが得られる。これは3D NAND適用に関して重要である。さらに、プラズマ活性化蒸気は、側壁上にポリマーを堆積させ、フィーチャプロフィール変形を最小化する。DRAMおよび2D NANDなどの他の用途に関して、例えば、異なるプロセス条件下でのプラズマ活性化エッチングガスは、SiNから選択的にSiOをエッチングし得る。プラズマ活性化エッチングガスは、a-C、フォトレジスト、p-Siまたは炭化ケイ素などのマスク層から;あるいはCuなどの金属コンタクト層から;あるいはSiGeまたはポリケイ素領域からなるチャネル領域から、選択的にSiOおよび/またはSiNをエッチングし得る。
【0291】
開示されたエッチングプロセスは、エッチングガスはケイ素含有膜中にチャネルホール、ゲートトレンチ、階段状コンタクト、コンデンサーホール、コンタクトホールなどを作成するため、開示されたヨウ素含有エッチング化合物を使用する。結果として生じるアパーチャーは、約10:1~約200:1の範囲のアスペクト比および約5nm~約50nmの範囲の直径を有し得る。例えば、当業者は、チャネルホールエッチングによって、60:1より高いアスペクト比を有するケイ素含有膜中のアパーチャーが作成されることを認識するであろう。
【0292】
プラズマエッチング条件下で半導体構造を作成するために、開示されたヨウ素含有エッチング化合物を使用する方法も開示される。開示された方法は、Si含有膜をプラズマエッチングするためのヨウ素含有エッチング化合物の使用をもたらす。また、開示された方法は、基材中にアパーチャー、ホールまたはトレンチを形成しながら、パターン化されたフォトレジストマスク層またはパターン化されたハードマスク層へのダメージの抑制、パターン化されたフォトレジストマスク層またはパターン化されたハードマスク層の保護、あるいはパターン化されたフォトレジストマスク層またはパターン化されたハードマスク層へのダメージの最小化、あるいはパターン化されたフォトレジストマスク層またはパターン化されたハードマスク層の強化をもたらす。開示された方法は、3D NANDおよびDARM用途などの半導体の製造において有用である。
【0293】
パターン化された構造を形成するための開示された方法は、CF、CI、CFI、CI、CFI、C、CI、CHFI、CI、CHFI、CI、CI、CI、CHFI、CI、CI、CIおよびCIからなる群から選択されるヨウ素含有エッチング化合物の蒸気を、基材上にケイ素含有膜を含有する反応チャンバー中に導入することと;反応チャンバー中に不活性ガスを導入することと;プラズマを活性化して、基材からケイ素含有膜をエッチングすることが可能である活性化ヨウ素含有エッチング化合物を生成し、パターン化された構造を形成することとを含む。
【0294】
基材中にビアまたはトレンチを形成しながら、パターン化されたマスク層に対するダメージを最小化するための開示された方法は、CFI、CIまたはCFIからなる群から選択されるヨウ素含有エッチング化合物の蒸気を、その上に配置されたケイ素含有膜およびケイ素含有層上に配置されたパターン化されたマスク層を有する基材を含有する反応チャンバー中に導入することと;反応チャンバー中に不活性ガスを導入することと;活性化ヨウ素含有エッチング化合物を形成するためのプラズマを活性化させることによって、基材からケイ素含有膜をエッチングして、ビアまたはトレンチを形成することとを含む。
【0295】
基材中にビアまたはトレンチを形成しながら、パターン化されたマスク層を強化するための開示された方法は、CFI、CIまたはCFIからなる群から選択されるヨウ素含有エッチング化合物の蒸気を、その上に配置されたケイ素含有膜およびケイ素含有層上に配置されたパターン化されたマスク層を有する基材を含有する反応チャンバー中に導入することと;反応チャンバー中に不活性ガスを導入することと;活性化ヨウ素含有エッチング化合物を形成するためにプラズマを活性化させることによって、基材からケイ素含有膜をエッチングして、ビアまたはトレンチを形成しながら、ヨウ素含有エッチング化合物からパターン化されたマスクへとIイオンを注入することとを含む。
【0296】
エッチングされる必要のある典型的な材料は、SiOであり得る。SiOのエッチングプロセスは、ボロホスホシリケートガラス(BPSG)、テトラエチルオルトシリケート(TEOS)または低堆積速度TEOS(LDTEOS)にトレンチをエッチングすることに関連し得る。エッチング停止層は、窒化ケイ素または窒化ケイ素酸素(SiON)またはポリケイ素であり得る。使用されたマスク材料は、a-C、p-Siまたはフォトレジスト材料であり得る。本明細書中、開示されたヨウ素含有エッチング化合物は、SiO、SiN、p-Siおよび/またはa-C基材膜をエッチングするために使用される。
【実施例
【0297】
次の非限定的な実施例は、本発明の実施形態をさらに例示するために提供される。しかしながら、実施例は包括的であるように意図されず、かつ本明細書に記載される本発明の範囲を制限するように意図されない。
【0298】
実施例1
いくつかの開示されたヨウ素含有エッチングガスの電子衝突イオン化を調査するために、質量分析装置が使用されてよい。この試験に関して、エッチングガスを質量分析装置チャンバーを通して流れさせ、かつ四重極質量分析装置(Hiden Analytical Inc.)検出器を使用して、電子エネルギーの関数としてのエッチングガスからのフラグメントを調査する。以下の図面中、x軸は0~100eVの電子エネルギーを表し、そしてy軸はフラグメントの種のTorrでの分圧を表す。
【0299】
図4は、CFI(CAS番号2314-97-8)の種濃度(Torr)に対する電子衝突イオン化エネルギー(eV)を示すグラフである。10~20eVで生じた支配的フラグメントまたはイオン化生成物は、CF、IおよびCFIである。
【0300】
図5は、CI(CAS番号359-37-5)の種濃度(Torr)に対する電子衝突イオン化エネルギー(eV)を示すグラフである。10~20eVで生じた支配的フラグメントは、CFI、CFおよびIである。
【0301】
図6は、CI(CAS番号354-64-3)の種濃度(Torr)に対する電子衝突イオン化エネルギー(eV)を示すグラフである。10~20eVで生じた支配的フラグメントまたはイオン化生成物は、C、CI、CFおよびIである。
【0302】
図7は、CHFI(CAS番号354-41-6)の種濃度(Torr)に対する電子衝突イオン化エネルギー(eV)を示すグラフである。10~20eVで生じた支配的フラグメントは、CHF、CHF、CHFおよびIである。
【0303】
図8は、CI(CAS番号431-65-2)の種濃度(Torr)に対する電子衝突イオン化エネルギー(eV)を示すグラフである。10~20eVで生じた支配的フラグメントは、C、CFおよびIである。
【0304】
図9は、CI(CAS番号754-34-7)の種濃度(Torr)に対する電子衝突イオン化エネルギー(eV)を示すグラフである。10~20eVで生じた支配的フラグメントは、CF、CおよびIである。
【0305】
比較例
開示されたヨウ素含有エッチング化合物のいくつかの非ヨウ素含有類似体をQMSに注入し、そして10~100eVでデータを回収した。
【0306】
図10は、C(CAS番号76-16-4)の種濃度(Torr)に対する電子衝突イオン化エネルギー(eV)を示すグラフである。10~20eVで生じた支配的フラグメントは、CF、CおよびIである。
【0307】
図11は、C(CAS番号76-19-7)の種濃度(Torr)に対する電子衝突イオン化エネルギー(eV)を示すグラフである。
【0308】
図10~11の支配的CF種は、図5~9の類似のCおよびC化合物の支配的種を生じるために必要とされるイオン化エネルギーと比較して、より高いイオン化エネルギーにおいて活性化する。出願人らは、より低いエネルギーにおいて開示されたヨウ素含有エッチング化合物を解離する能力は、エッチングの種の増加した解離をもたらし、ならびにエッチングプロセスのために必要とされるプラズマエネルギーはより低いと考える。
【0309】
実施例2
本実施例において、エッチング実験は、Lam 4520XLe 200mm Dual CCPエッチャーを使用して、SiO、SiN、p-Siおよびa-Cを含む4種の異なる基材材料を有する、4つの1×1cmクーポン上で実行された。堆積および/またはエッチング速度は、エッチング時間の関数としてのエッチングの厚さの変化を測定することによって、偏光解析装置および/または走査電子顕微鏡(SEM)を使用して測定される。クーポンを直径200mmのキャリアウエハ上に配置し、そして2spi製造業者から入手した二重側面炭素テープを使用することによって、接触するように保持される。代わりに、熱ペーストを使用して、クーポンをキャリアウエハ上に積み重ねることが可能である。
【0310】
1×1cmのSiクーポン上で、30mTorrおよび750W(27MHz)の電源において、基材上にバイアス電力を用いずに堆積試験を実行した。プロセス供給混合物は、250sccmのArおよび15sccmのエッチングガスを含有する。次いで、基材上に形成された重合膜の種類を調査するために、堆積試験試料をX線光電子分光分析(XPS)分析用に送達する。
【0311】
30mTorr、750W(27MHz)の電源および1500W(2MHz)のバイアス電力においてエッチング試験も実行した。供給混合物は、250sccmのAr、15sccmのエッチングガスを含有し、Oは0~15sccmの範囲で変動する。
【0312】
図12は、堆積およびエッチング試験において適用される模範的な反応器システムの模範的な側面図である。示されるように、反応器800は、反応器チャンバー802を含む。反応器チャンバー802の内部において、底部電極804の上部に付着されたウエハ806が反応器チャンバー802の底部部分に配置されてよく、かつケイ素上部電極シャワーヘッド808が反応器チャンバー802の上部部分に配置されてよい。底部電極804は、それに対して適用されたバイアス電力を有する静電チャックであり得る。例えば、2MHz RFバイアス電力が底部電極804に適用され得る。ウエハ806は、エッチングされる必要のある複数層を有し得る。ケイ素上部電極シャワーヘッド808は、シャワーヘッド中に複数のホール810を有し、それを通してガスが通過する。ガスは、ガス入口812を通して反応器チャンバー802に導入され得、次いで、均一なガス分布のためにシャワーヘッド808中のホール810を通して通過する。電源は、ケイ素上部電極シャワーヘッド808に適用され得る。例えば、27MHz RF電源がケイ素上部電極シャワーヘッド808に適用され得る。ケイ素上部電極シャワーヘッド808および底部電極804の間がプラズマ領域である。シャワーヘッド808中のホール810を通して通過するガスは、プラズマ領域においてイオン化され得、次いで、ウエハ806上でエッチングを実行する。ガスは、出口814から反応器チャンバー802の外にガスをポンプ送出することによって除去され得る。
【0313】
図13は、CFIおよびOによるSiO、SiN、p-Siおよびa-Cのエッチング速度を示すグラフである。図13中、y軸はエッチング速度を表し;x軸は、sccmにおけるOフロー速度であり;Oフロー速度は0~20sccmで変動するが、CFIフロー速度は15sccmで固定される。
【0314】
図14は、CIおよびOによるSiO、SiN、p-Siおよびa-Cのエッチング速度を示すグラフである。図14中、正のy軸はエッチング速度を表すが、負のy軸は堆積速度を表し;x軸は、sccmにおけるOフロー速度であり;Oフロー速度は0~10sccmで変動するが、CIフロー速度は15sccmで固定される。
【0315】
図15は、CIおよびOによるSiO、SiN、p-Siおよびa-Cのエッチング速度を示すグラフである。図15中、y軸はエッチング速度を表し;x軸は、sccmにおけるOフロー速度であり;Oフロー速度は0~20sccmで変動するが、CIフロー速度は15sccmで固定される。
【0316】
図16は、CHFIおよびOによるSiO、SiN、p-Siおよびa-Cのエッチング速度を示すグラフである。図16中、正のy軸はエッチング速度を表すが、負のy軸は堆積速度を表し;x軸は、sccmにおけるOフロー速度であり;Oフロー速度は0~15sccmで変動するが、CHFIフロー速度は15sccmで固定される。
【0317】
図17は、CIおよびOによるSiO、SiN、p-Siおよびa-Cのエッチング速度を示すグラフである。図17中、正のy軸はエッチング速度を表すが、負のy軸は堆積速度を表し;x軸は、sccmにおけるOフロー速度であり;Oフロー速度は0~15sccmで変動するが、CIフロー速度は15sccmで固定される。
【0318】
図18は、CIおよびOによるSiO、SiN、p-Siおよびa-Cのエッチング速度を示すグラフである。図18中、y軸はエッチング速度を表し;x軸は、sccmにおけるOフロー速度であり;Oフロー速度は0~20sccmで変動するが、CIフロー速度は15sccmで固定される。
【0319】
ヨウ素の添加によって、C-Iのより弱い結合による断片化の増加が生じる。表面に衝撃を与えるIイオンのより低いイオン化閾値は、非晶質炭素(a-)またはポリケイ素(ポリ-Si)に対する酸化物のエッチングに関する選択性の増加をもたらす。図14、16および17は、Hまたは不飽和を有するガスの重合からであり、かつa-、ポリSiおよびSiNに対する酸化物のエッチングに関する堆積および無限の選択性を示す。図13、15および18の飽和分子は、堆積を示さず、したがって、無限の選択性を有さないが、非ヨウ素含有エッチングガスより高い選択性を示す。
【0320】
実施例3
cCの性能に相当するSiOのエッチング速度を強化するために、250sccmのArおよび15sccmのCIのエッチングガス混合物にCFを添加する。
【0321】
図19は、CIおよびCFによるSiO、SiN、p-Siおよびa-Cのエッチング速度を示すグラフである。図19中、y軸はエッチング速度を表し;x軸は、sccmにおけるCFフローである。CIフロー速度は15sccmで固定され、かつCFフロー速度は10~15sccmで変動する。
【0322】
図19は、プロセスガス混合物にCFを添加することによって、SiOのエッチング速度が、p-Siおよびa-Cに対する良好な選択性を維持しながら、最高約500nm/分まで増加したことを示す。CF2x+2(x=1~5)、C2x(x=3~5)、CF2x-2(x=4~5)などの添加剤は、酸化物エッチング速度を強化するために混合物に添加されてもよい。
【0323】
図14と比較して、酸素の代わりにCFを使用することによって、スループットのために重要なSiOエッチング速度も増加させながら、a-に対する選択性を改善する。
【0324】
要約すると、ヨウ素含有エッチング化合物によるSiO、SiN、p-Siおよびa-C膜の乾式エッチングの評価は、ヨウ素含有HFCが、従来技術のフッ化炭化水素よりも最も高い(無限までの)窒化ケイ素およびp-Siに対する酸化ケイ素の選択性をもたらすことを示す。高い選択性の理由は、基材上の保護ポリマー膜の形成をもたらすエッチングガスのプラズマ解離の間の少ないF/Cヨウ素含有フラグメントの形成によるものであり得る。さらに、ヨウ素はイオン化され、そしてAr、KrおよびXeなどの不活性ガスに類似の重質Iイオンによって表面に衝撃を与える。本明細書に提示されたエッチングガスの結果は、それらが単にコンタクトエッチングプロセスのために用意されるのみならず、低誘電率エッチングプロセスを含む、ケイ素または金属含有基材上での他のエッチングプロセスに有益であり得ることを示す。
【0325】
本発明の実施形態が示されて、説明されているが、本発明の精神および教示から逸脱することなく、当業者によって修正され得る。本明細書に記載の実施形態は、単に模範的なものであり、限定するものではない。組成物および方法の多くの変形および修正は可能であり、かつそれらは本発明の範囲内である。したがって、保護の範囲は、本明細書に記載された実施形態に限定されないが、請求の範囲の対象の全ての同等物を含む請求の範囲によってのみ限定される。
図1a
図1b
図1c
図1d
図2
図3a
図3b
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19