(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-02-13
(45)【発行日】2023-02-21
(54)【発明の名称】豆粉砕器具
(51)【国際特許分類】
A47J 42/40 20060101AFI20230214BHJP
A47J 42/06 20060101ALI20230214BHJP
【FI】
A47J42/40
A47J42/06
(21)【出願番号】P 2019561220
(86)(22)【出願日】2018-05-15
(86)【国際出願番号】 GB2018051317
(87)【国際公開番号】W WO2018211264
(87)【国際公開日】2018-11-22
【審査請求日】2021-04-20
(32)【優先日】2017-05-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(32)【優先日】2017-05-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(32)【優先日】2017-05-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(32)【優先日】2017-05-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(32)【優先日】2017-05-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(73)【特許権者】
【識別番号】519391789
【氏名又は名称】ニコルソン デザイン コンサルタンツ リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100113376
【氏名又は名称】南条 雅裕
(74)【代理人】
【識別番号】100179394
【氏名又は名称】瀬田 あや子
(74)【代理人】
【識別番号】100185384
【氏名又は名称】伊波 興一朗
(74)【代理人】
【識別番号】100137811
【氏名又は名称】原 秀貢人
(72)【発明者】
【氏名】ニコルソン マーティン
【審査官】吉澤 伸幸
(56)【参考文献】
【文献】独国特許発明第891727(DE,C1)
【文献】欧州特許出願公開第01977669(EP,A1)
【文献】米国特許出願公開第2005/0184177(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2005/0211806(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2010/0198413(US,A1)
【文献】国際公開第2016/166216(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47J 42/40
A47J 42/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
豆粉砕器具(1)であって、
本体(2);前記本体(2)内にマウントされた粉砕バー(3、4)、前記バーは、駆動されないバー(4)および回転駆動されるバー(3)を備え、前記の回転駆動されるバー(3)は、回転軸(A)を有していてその周りで回転する;前記の回転駆動されるバー(3)に作動可能に連結された駆動モーター(23);前記本体内に規定される粉砕物フローパス(P);および、出口スパウト、前記出口スパウト(64)は、排出口および前記粉砕物フローパスと連通した注入口を有し、ここで、前記出口スパウト(64)は縦軸を規定して、前記出口スパウトの前記縦軸は、前記の駆動されるバーの前記回転軸に対して傾斜している;
を備え、
ここで、前記回転軸および前記出口スパウトの前記縦軸の両方とも、垂直面に対して傾斜していて;前記回転駆動されるバー(3)は内側の粉砕バーであり;前記駆動されないバー(4)は相補的な外側の粉砕バーであり;前記内側のバー(3)はシャフト(5)によって保持され;前記回転軸の周りを回転するように、ベアリング(6)が前記シャフトをジャーナルし;
前記器具は、前記外側のバー(4)を支持する外側バー支持体(8)をさらに備え、前記外側バー支持体(8)は、その中に前記外側のバー(4)が位置付けられる凹所(7)を規定する;ここで、前記ベアリング(6)は、前記内側のバー(3)が前記外側のバー(4)に対して同心円状に位置付けられるように、前記凹所(7)に対して同心円状に配置され、
前記器具(1)は、前記バー(3、4)の下に位置付けられる粉砕物の案内エレメント(31)、ここで、前記の粉砕物の案内エレメント(31)は、前記粉砕物を前記粉砕物フローパス(P)中へ掃き出す1つまたは複数のフィンガー(32)を備える;および、前記内側のバー(3)に対する前記外側のバー(4)の軸上の位置を調整する外側バー調整機構、ここで、前記調整機構は、前記内側のバーから離れるように、前記外側のバーを付勢するように構成された、付勢エレメントを備える;をさらに備えることを特徴とする、
豆粉砕器具。
【請求項2】
請求項1に記載の豆粉砕器具であって、
前記回転軸(A)および前記出口スパウトの前記縦軸は、逆Vを形成する、
豆粉砕器具。
【請求項3】
請求項1または2に記載の豆粉砕器具であって、
前記の駆動されないバー(4)は、静止したバーである、
豆粉砕器具。
【請求項4】
請求項1から3のいずれかに記載の豆粉砕器具であって、
前記回転軸(A)および前記スパウトの前記縦軸の間に規定される角度は、10度~45度である、
豆粉砕器具。
【請求項5】
請求項1から4のいずれかに記載の豆粉砕器具であって、
前記回転軸(A)は、前記出口スパウトの前記縦軸と交差して、交点は前記本体(2)内に位置付けられる、
豆粉砕器具。
【請求項6】
請求項1から5のいずれかに記載の豆粉砕器具であって、
前記器具は、前記バー(3、4)の下に空洞を規定して、前記の粉砕物の案内エレメント(31)は、前記空洞内に位置付けられる、
豆粉砕器具。
【請求項7】
請求項1から
6のいずれかに記載の豆粉砕器具であって、
前記器具は、ベースエレメント(81)をさらに備え、前記器具の前記本体(2)は、前記ベースエレメント(81)の一方の末端に連結されて、前記ベースエレメントの反対末端は、粉砕物コレクターの開き口を規定して、前記の粉砕物コレクターの開き口は、前記出口スパウトの排出口の垂直方向下方に位置付けられる、
豆粉砕器具。
【請求項8】
請求項1から7のいずれかに記載の豆粉砕器具であって、
前記器具は本体を備え、前記外側バー支持体(8)は、前記外側バー支持体が前記本体に対して固定されるように、前記本体によって規定または保持される、
豆粉砕器具。
【請求項9】
請求項8に記載の豆粉砕器具であって、
前記器具は、前記凹所(7)内に位置付けられるベアリング支持プレート(9)をさらに備え、前記ベアリング(6)は、前記ベアリング支持プレート(9)によって保持される、
豆粉砕器具。
【請求項10】
請求項8または9に記載の豆粉砕器具であって、
前記ベアリング(6)は、組み合わせジャーナルおよびスラストベアリングである、
豆粉砕器具。
【請求項11】
請求項1から10のいずれかに記載の豆粉砕器具であって、
前記器具は、ベースエレメント(81)および前記ベースエレメント(81)上に位置付けられる粉砕物コレクタープラットフォーム(82)をさらに備え、ここで、前記粉砕物コレクタープラットフォーム(82)は、前記出口スパウト(64)の前記排出口の下に位置付けられて、粉砕物コレクター受け部を規定し、木材から形成される、
豆粉砕器具。
【請求項12】
請求項1から11のいずれかに記載の豆粉砕器具であって、
前記器具は、
本体によって規定されるリザーバー(60)、ここで前記リザーバー(60)は、前記粉砕バー(3、4)と連通している;および、前記リザーバー本体にヒンジによって連結されたカバー(98)をさらに備え、前記カバー(98)は、前記リザーバー(60)が前記カバーによって覆われて前記リザーバー(60)に対するアクセスが妨げられる閉じた構成と前記リザーバー(60)に対するアクセスが可能である開いた構成とを有し;前記駆動モーター(23)は電気モーターであり、前記モーターの操作が可能となる操作ポジションと前記モーターの操作が妨げられる停止ポジションとを有する停止スイッチ(97)を備え;ここで前記カバー(98)は、スイッチ係合エレメント(103)を備え;ここで、前記スイッチ係合エレメント(103)は、前記カバーが閉じた構成にある場合は、前記停止スイッチを前記操作ポジションに配置する、
豆粉砕器具。
【請求項13】
請求項12に記載の豆粉砕器具であって、
前記カバー(98)は、透明である、
豆粉砕器具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、豆粉砕器具、例えば、コーヒー豆グラインダーに関する。
【背景技術】
【0002】
コーヒーのような最適な飲料は、正確な量の新鮮で挽かれたばかりのローストコーヒー豆から最適に生産される。このためには、垂直に出来るだけ近くて、粉砕物(grounds)が集まってトラップされ得るいかなる領域もない、粉砕(grind)フローパスを提供することが望ましい。また、回転駆動される内側バー(burr)を下から駆動して、駆動モーターを出来るだけバーの近くにマウントすることが、機械的に望ましい。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明の目的は、改善された豆グラインダーを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明の第1の態様によれば、本体;本体内にマウントされた粉砕バー(バーは、駆動されないバーおよび回転駆動されるバーを備え、回転駆動されるバーは、回転軸を有していてその周りで回転する);回転駆動されるバーに作動可能に連結された駆動モーター;本体内に規定される粉砕物フローパス;および、出口スパウト(出口スパウトは、排出口および粉砕物フローパスと連通した注入口を有し、ここで、出口スパウトは縦軸を規定して、出口スパウトの縦軸は、駆動されるバーの回転軸に対して傾斜している)を備える豆粉砕器具が提供される。
【0005】
出口スパウトは、好適に、本体から下へ向かって伸長する。
【0006】
本発明の一実施態様では、回転軸および出口スパウトの縦軸は、逆Vを形成する。
【0007】
駆動されないバーは、好適に、本体に対して固定される。換言すれば、駆動されないバーは、静止したバーであってよい。
【0008】
好適には、回転軸は本体の縦軸と同軸であり、それにより、スパウトは本体に対して傾斜している。
【0009】
回転軸およびスパウトの縦軸の間に規定される角度は、5度~80度、好適には10度~70度、10度~60度、10度~50度、15度~45度、または15度~30度であってよい。
【0010】
回転軸は、出口スパウトの縦軸と交差してよく、交点は、好適に、本体内に位置付けられる。
【0011】
回転軸および出口スパウトの縦軸の両方とも、垂直面に対して傾斜していてよい。
【0012】
回転軸および出口スパウトの縦軸の間の角度は、実質的に垂直二等分線を有してよい。
【0013】
本発明の一実施態様では、器具は、バーの下(すなわち重力に関して下)に位置付けられる粉砕物の案内エレメント(directing element)をさらに備え、ここで、粉砕物の案内エレメントは、粉砕物をフローパスの中へ掃き出す1つまたは複数のフィンガーを備える。器具はバーの下に空洞を規定してよく、粉砕物の案内エレメントは空洞内に位置付けられてよい。粉砕物の案内エレメントは、回転するように好適に駆動される。粉砕物の案内エレメントの回転軸は、回転駆動されるバーの回転軸と共軸であってよい。粉砕物の案内エレメントは、駆動モーターによって、回転するように駆動され得る。粉砕物の案内エレメントは、複数のフィンガーを備えてよい。1つまたは複数のフィンガーは、回転軸によって規定される半径から後方へ好適に曲がっていてよく、および/または、1つまたは複数のフィンガーは、曲がっていてよい。
【0014】
器具は、好適に、バーの上に規定された豆注入口、および、豆注入口からバーまで規定された注入口フローパスを備える。
【0015】
出口スパウトの注入口は、粉砕物の案内エレメントが中に位置付けられている空洞と並べられてよい。
【0016】
本発明の一実施態様では、器具はベースエレメントを備え、器具の本体は、ベースエレメントの一方の末端に連結されて、ベースエレメントの反対末端は、粉砕物コレクターの開き口を規定する。粉砕物コレクターの開き口は、好適に、開き口から取り外しできる粉砕物コレクターを受け入れる。粉砕物コレクターの開き口は、好適に、出口スパウトの排出口の垂直方向下方に位置付けられる。
【0017】
また、回転駆動される内側粉砕バーを、その回転軸に沿った位置に精密に維持することも望ましく、そして外側粉砕バーが回転軸と並べられたままでいることが望ましい。
【0018】
本発明の第2の態様によれば、内側粉砕バー;相補の外側粉砕バー;内側バーを保持するシャフト;回転軸の周りの回転のためにシャフトをジャーナル(journal)するベアリング;外側バーを支持する外側バー支持体(ここで、支持体は凹所を規定して、その中に外側バーが位置付けられて;ベアリングは、内側バーが外側バーに対して同心円状に位置付けられるように、凹所と同心円状に配置される)を備える、豆粉砕器具が提供される。
【0019】
本発明の第2の態様の一実施態様では、器具は本体を備え、外側バー支持体は、外側バー支持体が本体に対して固定されるように、本体によって規定または保持される。
【0020】
シャフトは、駆動モーターに作動可能に連結されてよい。「作動可能に連結される」とは、駆動モーターが、直接的または間接的にシャフトを駆動して回転させることを意味する。例えば、ギヤ配列は、駆動モーターとシャフトとの間に位置付けられてよい。
【0021】
器具は、凹所に対して横方向に位置付けられるベアリング支持プレートをさらに備えてよく、ベアリングは、ベアリング支持プレートの中央に連結される。
【0022】
ベアリングは、組み合わせジャーナルおよびスラストベアリングであってよい。
【0023】
シャフトは、それに固定されたハブをさらに備えてよく、ハブは、内側バーの下に重力によって位置付けられて、ハブは、そこから外に向かって突出している1つまたは複数のフィンガーを備え、フィンガーは、豆の粉砕物をバーから放射状に掃き出す。本発明の第1の態様と同様に、フィンガーは、回転軸から半径に対して後方に曲がっていてよい。
【0024】
器具は、内側バーに対する外側バーの軸上の位置を調整する外側バー調整機構をさらに備えてよい。したがって、外側バーの位置は、内側バーに向けてまたは内側バーから離れるように、軸方向に調整されてよい。調整機構は、外側バー支持体によって保持される第1のネジ状エレメントおよび本体によって保持される第2のネジ状エレメントを備えてよい。第2のネジ状エレメントは、外側バーに対して直接的または間接的に影響を及ぼしてよく、第1のネジ状エレメントに対する第2のネジ状エレメントの回転は、外側バーを内側粉砕バーに対して軸方向に移動させる。
【0025】
調整機構は、内側バーに向けてまたは内側バーから離れるように、外側バーを付勢するように構成された、付勢エレメントを備えてよい。本発明の一実施態様では、付勢エレメントは、粉砕される豆が不存在である場合に、重力の作用の下で、バーが互いに接触しないように、外側バーを内側バーから離すように付勢する。例えば、付勢エレメントは、外側粉砕バーを、第2のネジ状エレメントまたは外側粉砕バーと第2のネジ状エレメントとの間に位置付けられる中間部材と接触させるように付勢し得る。
【0026】
本発明の第2の態様の特徴は、本発明の第1の態様の特徴と組み合わされてよい。したがって、本発明の第2の態様において定義される内側および外側バーの配置は、本発明の第1の態様との関連において上記に定義された器具の実施態様を形成してよい。換言すれば、本発明の第2の態様は、本発明の第1の態様の実施態様を定義してよい。
【0027】
粉砕物の粒子サイズを正確に調整することがさらに望ましい。
【0028】
本発明の第3の態様によれば、回転駆動されて軸方向に拘束された内側粉砕バー;相補の、回転拘束されて軸方向に移動可能な外側粉砕バー;凹所(その中に外側バーが位置付けられる)を規定する外側バー支持体;外側バーを内側バーに向けてまたは内側バーから離れるように軸方向に動かすための調整機構(調整機構は、粉砕プロセス中に生じる、外側バーに対して内側バーから離れるように及ぼされるスラストに対抗する)を備える、豆粉砕器具が提供される。
【0029】
本発明の一実施態様では、調整機構は、内側バーから離れるように外側バーを付勢する付勢エレメントをさらに備える。付勢エレメントは、外側バーを好適に付勢して調整機構と接触させる。
【0030】
さらなる実施態様では、調整機構は、外側バー支持体によって保持されるネジ状エレメント、および、外側バーを内側バーに向けてまたは内側バーから離れるように付勢すべく、外側バーに対して直接的または間接的に影響を及ぼすように配置された相補ネジ状エレメントを備える。
【0031】
相補ネジ状エレメントは、角度調整可能なセッティングリングを保持してよく、相補ネジ状エレメントおよび角度調整可能なセッティングリングは、相補ネジ状エレメントに対して、角度調整可能なセッティングリングの位置を維持するための、インデントおよびディテント配置を有する。相補ネジ状エレメントと角度調整可能なセッティングリングとの間のインデントおよびディテント配置は、例えばキャリブレーションプロセス中に、相補ネジ状エレメントに対してセッティングリングが調整されるのを可能にして、例えば器具に関する粉砕設定をユーザーが選択しているときに、角度調整可能なセッティングリングが相補ネジ状エレメントとともに回転されるのをさらに可能にする。
【0032】
相補ネジ状エレメントは、バー間の間隔に関するインディシアを備えてよい。これは、豆に関する所望の粉砕、すなわち粉砕物の平均粒子サイズを設定するために用いられ得る。
【0033】
本発明の第3の態様の特徴は、本発明の第1および/または第2の態様の特徴と組み合わされてよい。したがって、本発明の第3の態様において定義される内側および外側バーの配置は、本発明の第1の態様および/または本発明の第2の態様との関連において上記に定義された器具の実施態様を形成してよい。換言すれば、本発明の第3の態様は、本発明の第1の態様および/または本発明の第2の態様の特定の実施態様を定義してよい。
【0034】
コーヒー豆のような粉砕豆は、特に、特定の天候条件中、生じた細かい粉砕粒子上に比較的高レベルの静的電荷を産生し得ることが知られている。粉砕が細かければ細かいほど、より多くの静的電荷が生じることが一般に見いだされている。細かい粉砕物は非常に重量が軽いので、付与される静的電荷から著しく影響を受ける。これは、粉砕物(grinds)を粉砕器具の表面にくっつけさせて、または器具から離れるように付勢し得る。
【0035】
この問題に対処するために、本発明の第4の態様が提供される。本発明の第4の態様では、ベースエレメント;ベースエレメントから上方に伸長している本体(本体は、その中に位置付けられる粉砕バーを備え、粉砕バーから、粉砕物排出口を有する出口スパウトまでの、粉砕物フローパスを規定する);および、ベース上に位置付けられる粉砕物コレクタープラットフォーム(ここで、粉砕物コレクタープラットフォームは、出口スパウトの排出口の下方に位置付けられて、粉砕物コレクター受け部を規定し、木材から形成される)を備える豆粉砕器具が提供される。
【0036】
本発明の第4の態様の実施態様では、粉砕物コレクタープラットフォームは、直立している本体から間隔があいている。
【0037】
木製の粉砕物コレクタープラットフォームは、ベースエレメントに固定された下側部分および着脱可能な上側部分を備える2つの部分の構成要素であってよい。
【0038】
出口スパウトは、高分子材料または金属材料から形成されてよい。
【0039】
本体は、高分子材料または金属材料から形成されてよい。
【0040】
器具は、粉砕物コレクター受け部によって受け入れられる形状の粉砕物コレクターを備えてよい。粉砕物コレクターは、高分子または金属材料から形成されてよい。
【0041】
器具は、ベースエレメントの下側に提供される脚をさらに備えてよい。脚もまた、好適には木材から形成される。脚は、摩擦表面を規定するソールを備えてよい。
【0042】
粉砕物コレクタープラットフォームおよび任意選択で脚に関する木材の使用は、粉砕物が静電的に帯電することに関連する問題を大いに減少または除去する。
【0043】
本発明の第4の特徴は、本発明の第1、第2および/または第3の態様の特徴と組み合わされてよい。したがって、本発明の第4の態様との関連において上記に説明された配置は、本発明の第1、第2および/または第3の態様との関連において上記に定義された器具の1つまたは複数の実施態様を形成してよい。換言すれば、本発明の第4の態様は、本発明の第1、第2および/または第3の態様の実施態様を定義してよい。
【0044】
特定の状況における豆粉砕器具の操作を防止することが望ましくあり得る。
【0045】
本発明の第5の態様によれば、粉砕バーのセットと連通しているリザーバーを備える豆粉砕器具が提供されて、ここで、粉砕バーの少なくとも1つは、電気モーターによって、回転するように駆動され;リザーバーは、リザーバー本体によって規定され;粉砕器具は、リザーバー本体にヒンジによって連結されたカバーであって、リザーバーがカバーによって覆われてリザーバーに対するアクセスが妨げられる閉じた構成とリザーバーに対するアクセスが可能である開いた構成とを有するカバーをさらに備え;電気モーターは、モーターの操作が可能となる操作ポジションとモーターの操作が妨げられる停止ポジションとを有する停止スイッチを備え;カバーは、スイッチ係合エレメントを備え;およびここで、スイッチ係合エレメントは、カバーが閉じた構成にある場合は、停止スイッチを操作ポジションに配置する。
【0046】
本発明の第5の実施態様では、停止スイッチは、その停止ポジションに付勢されている。
【0047】
停止スイッチは、その停止ポジションである場合は、電気モーターに対する電力供給を好適に妨げる。
【0048】
本発明のさらなる実施態様では、スイッチ係合エレメントは、突出ロッドを備え、停止スイッチは、突出ロッドをその中に受け入れるようなサイズおよび構成である開き口を規定する。
【0049】
リザーバーは、開口部を備えてよく、カバーは、閉じた構成にある場合は、リザーバー開口部の全体を覆う。
【0050】
リザーバー内の豆の量を見ることが可能であるように、カバーは透明であってよい。
【0051】
本発明のさらなる実施態様では、カバーおよび/またはリザーバー本体は、カバーを閉じた構成に保持し、解除可能に保持するラッチを備える。
【0052】
さらなる実施態様では、粉砕バー間の間隔は、挽かれたコーヒー豆の生産物を変化させるために可変であり;グラインダーは、粉砕バーを制御する手動コントローラーを備え;カバーは、閉じた構成にある場合は、手動コントローラーをさらに覆う。
【0053】
当業者は、本発明の態様との関連において説明および定義される特徴およびそれらの実施態様は、特定の組み合わせが本明細書中に明示的に述べられているかどうかにかかわらず、任意の組み合わせで組み合わせられ得ることを理解している。したがって、全てのそのような組み合わせは、当業者にとって利用可能にされていると考えられる。
【0054】
本発明の一実施態様は、付随する図面に関して、単に例としてここに説明される。
【図面の簡単な説明】
【0055】
【
図2】A-Aに沿って得られた
図1に示される豆粉砕器具の側断面図である。
【
図3】
図1に示される豆粉砕器具の拡大された側断面詳細図である。
【
図4】A-Aに沿って得られた
図1において示される豆粉砕器具の背断面図である。
【
図6】
図1に示される豆粉砕器具の水平断面図である。
【
図7】
図1に示される豆粉砕器具の斜視部分断面図である。
【
図8】
図1に示される豆粉砕器具の底部の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0056】
誤解を避けるために、当業者は、本明細書において、用語「上」、「下」、「前方」、「後方」、「上側」、「下側」、「幅」などは、図面に示される通常の使用に関して取り付けた場合の例においてみられる構成要素の方位を指すことを理解している。
【0057】
図面に示されるように、豆粉砕器具1は本体2を備え、その中に内側粉砕バー3および相補の外側粉砕バー4が収納されている。バーは、Italmill Grinding Technology S.r.lなどから一般に入手可能である。内側バー3は、内側バー3の回転軸Aを規定する、ベアリング6においてジャーナルされるシャフト5上に保持される。外側バー4は、支持エレメント8によって規定される凹所7内に位置付けられる。ベアリング6は、シャフト5上の内側バー3が、凹所7内に外側バー4と同心円状に配置されるように、凹所7内の中央に位置付けられる。
【0058】
凹所7内のベアリング6の同心度を確実にするために、凹所7内で摩擦フィットを形成するように配置されるベアリング支持プレート9によって、ベアリング6は保持される。ベアリング6の外輪10は、ベアリング支持プレート9の下側において規定されるシート11内においてプッシュフィットを形成し、外輪10は、凹所7のベース表面12およびシート11の間に正確かつ確実に位置付けられる。粉砕バー3、4の正確な相対的位置は、豆の一貫していて再現性のある粉砕を達成するために重要である。本発明の器具は、粉砕バー3、4の同心度およびそれらの間の軸間隔の制御を通してこれを達成する。これは、構成要素の数が最小限化されるので費用効果的な配置をもたらす。これはまた、組み立て時間および費用の減少ももたらす。
【0059】
スクリュー14は、ベース表面12を通って中間部材15(それ自体は、スクリュー16を介して粉砕器具1の下側本体部分17に固定される)をネジによって係合することによって、ベース表面12に対してベアリング支持プレート9を位置付ける。外側バー支持エレメント8は、器具1の上側本体部分18内に位置付けられる。上側本体部分18がスクリュー14を介して中間部材15に固定されて、中間部材15はまた、スクリュー16を介して下側本体部分17にも固定されるので、上側本体部分18は、中間部材15およびスクリュー14、16を介して下側本体部分17に固定される。上側および下側本体部分18、17の配置を確実にするために、中間部材15は、下側および上側本体部分17、18の対応する部分を係合するフランジ付きリム19を備える。
【0060】
駆動機構21は、シャフト5を介して内側バー3のために提供されて、シャフト5は、2段階の遊星歯車式変速機22の出力シャフトを形成し、2段階の遊星歯車式変速機22は続いて、ギヤボックス22の下に位置付けられたモーター23によって駆動される。これらの構成要素はよく知られており、本明細書において詳細に説明しない。モーターは収納部24を有し、そこから下に伸長している2つの突出部(lug)25を有する。突出部25は、ブッシュ26を介して下側本体部分17の下側末端28に配置されたソケット27に係合する。突出部25は、粉砕中、バー3、4の間に生産されるトルクに対抗する。粉砕プロセス中に生じるスラストの力は、以下に説明されるように対抗される。
【0061】
粉砕物の案内エレメント31は、内側バー3およびベアリング支持プレート9との間に提供される。粉砕物の案内エレメント31は、3つの後方に(すなわち回転方向に対して後方に)掃き出す、外に向かって突出しているフィンガー32を備える。フィンガー32は、粉砕物を内側バー3から離すように放射状に促す。フィンガーはハブ33から突出していて、ハブ33はベアリング支持プレート9のボス34を収容するように凹んでいる。ハブ33は、シャフト5に沿って伸長してベアリング6の内輪36に接している中央スリーブ35を備える。粉砕作用によって生じる下方スラストは、スリーブ35、内輪36および外輪10を介して凹所7のベース表面12によって対抗されて、それらは一緒になって上向きの方向に等しい力を与える。スクリュー37は、内側バー3をシャフト5に接続させて維持し、また、内輪36の下にシャフト5によって保持されるサークリップ38に対して、ベアリング6の内輪36およびスリーブ35を押し付ける。
【0062】
外側バー4は、内側バー3に対して軸方向に調整可能であるが(以下に説明)、回転に対して固定されている。回転に対して外側バー4を固定するために、外側バー4は、スクリュー42を介してそれに固定される上側アタッチメント41を備える。アタッチメント41は、そこから放射状に伸長している一組のタブ43(支持エレメント8のサイドにおいて規定されるスロット44に受け入れられる)を有する。スロット44は、スプリング46を収容する隠されたボア45を備える。タブ43およびスロット44は、外側バー4が支持エレメント8に対して回転するのを防ぐように協同し、タブ43およびスプリング46は、内側バー3から離れるように上方に外側バー4を付勢する。
【0063】
粉砕調整漏斗リング47は、外側バー4の上側アタッチメント41に係合する。粉砕調整漏斗リング47は、上側本体部分18のネジ状ボア49内にネジによって受け入れられるネジ状カラー48を備える。時計回りの方向に漏斗リング47を回転させることは、外側バー4を内側バー3に向かって下方に付勢し、反時計回りの方向で漏斗リングを回転させることは、スプリング46が、外側バー4を内側バー3から離れるように上方に付勢することを可能にする。このようにして、粉砕プロセスによって生じる粉砕物85の微粉度を変更することができる。漏斗リング47は、セッティングリング51を保持している。2つのリング47、51は、漏斗リング47上にセッティングリング51を保持する協同リップ52、53を有する。セッティングリング51は、その内側に一連のインデント54を規定する。漏斗リング47は、インデント54に相補なボア55を規定して、その中にスプリング56およびディテントボール57が位置付けられる。配置は、セッティングリング51が、キャリブレーション中(バーが接触しているとき)、漏斗リング47に対して調整されること、および、生産される粉砕物の微粉度の調整(すなわち、バー3、4の間の軸間隔の調整)中、漏斗リング47に対するその相対的方位を維持することの両方を可能にする。上側本体部分18の上部に向けての周辺の表面上において、インディシア58が提供される。使用において、漏斗リング47は、外側粉砕バー4が内側粉砕バー3に接触するまで完全に時計回りに回転される。セッティングリング51はそれから、インディシア58のゼロと、セッティングリング51の外側上のマーク59を並べることによってゼロにされる。漏斗リング47はそれから、バー3、4の所望の粉砕の間隔に対応するインディシア58に従って、所望の量、反時計回りに回転される。ネジ状カラー48およびネジ状ボア49のネジは精密であり(fine)、それによって、漏斗リング47および上側本体部分18の間の摩擦が、漏斗リング47を所望の方位に維持する。これは続いて、粉砕プロセス中に生じる外側バー4に対する上方スラストに漏斗リング47が抵抗するのを可能にする。
【0064】
漏斗リング47は、豆61をバー3、4へ送るための先細チャンネル60を規定する。先細チャンネル60は、粉砕前の豆61のためのリザーバーを規定する。
【0065】
バー3、4からの粉砕物85は、粉砕物の案内エレメント31の掃き戻しフィンガー32のパス内に落ちる。フィンガー32は、ベアリング支持プレート9の最も低いポイントに凹所7を部分的に規定する壁63内の一組の開口部62へ粉砕物85を促す。支持プレート9は、水平面に対して15度の斜面を規定して、回転軸Aは、支持プレート9が回転軸Aに対して垂直であるように、垂直面と15度の角度を規定する。
【0066】
スパウト64は、粉砕物85を受け入れるために提供される。スパウト64は、スパウト64の縦軸が回転軸Aから25度傾斜しているように、回転軸Aと反対の方向に10度、垂直面から傾斜している縦軸を有する。
【0067】
スパウト64は、粉砕器具からの粉砕物フローパスPを規定する。回転軸AおよびパスPは、考案されたV形状を形成することに注意する。回転軸AおよびパスPの交点(すなわちVの点)は、本体2の上側部分内に位置付けられる。スパウト64の縦軸は、回転軸Aよりも垂直面にわずかに近いが、Vの二等分線は効果的に垂直である。
【0068】
スパウト64は一般に、横断面が円形である。スパウト64は、その上側末端65において支持エレメント8の外輪郭に接している形状をしていて、スパウト64の上部ピン67は、外輪郭内に形成された凹所68に係合する。突出部69は、中間部材15におけるカットアウト70としてのベース表面12の下側に係合する。ベアリング支持プレート9を押さえるスクリュー71は、ベース表面12を通過して、積極的にスパウト64を位置付けるために、前記突出部と係合する。それはまた、下側本体部分17内の開き口72も通過する。
【0069】
下側本体部分17は、その下に適合されたベース81を有し、それは前方へ突出してスパウト64の下に横たわる。ベース81および本体2は、逆7形状を規定する。
【0070】
ベース81は、粉砕物回収カップ83のための2つの部分のスタンド82を有する。スパウト64の遠位端84の下のスタンド82上のカップ83を用いて、粉砕物85を回収することが可能である。
【0071】
粉砕物85による静的電荷の蓄積の問題を避けるために、スタンド82は木製であり、ベース81は、同じく木製の脚86を備える。粉砕物85を器具1に付着または飛び去らせる静電気作用は、スタンド82および脚86を木材で形成することによって、減少または完全に除去されることが見いだされている。
【0072】
本明細書に記載される本発明の実施態様を利用する実験は、10gの粉砕物85を、10gの豆61から得ることができることを証明した。
【0073】
2つの部分のスタンド82は、中空のベース81の大部分の上に横たわるカバー87を備え、表面に露出されたままになっている(left proud)ヘッド89を有するスクリュー88によって所定の位置に維持されて、それにより、スクリューヘッド89は、円形ソーサー90(そのベース内に規定された隠された中央ボアを有する)に係合する。
【0074】
中空のベース81の後方は、その内側において、電力ケーブル93のために外側に開口している開き口92、および、下側本体部分17の中を上へ通る際のケーブルのためのクランプ94を有する、ケーブルコントロールモールディング91を規定する。この配置は、使用のためのベース81からの引き込みおよび保管のために、ケーブル93がベース81の中に挿入されるのを可能にする。
【0075】
ケーブル93は、下側本体部分17内に位置付けられる印刷された回路基板95へ伸長する。印刷された回路基板95は、モーター23への電気エネルギーの供給を可能にするためのスイッチ96を備える。印刷された回路基板95は、インターロックマイクロスイッチ97をさらに備える。上側本体部分18は、閉じた構成において蓋98が漏斗リング47を覆うことが可能であるように、ヒンジ102を介して上側本体部分18に対して枢動可能にマウントされた蓋98を備える。蓋98は、マグネット99を保持し、上側本体は、閉じた構成でマグネット99と並べられるスチールインサート100を保持する。閉じた構成において、マグネット99とスチールインサート100との間の磁気引力は、閉じた構成で蓋98に掛け金をかける。
【0076】
蓋98は、突出エレメント103をさらに備える。閉じた構成においては、突出エレメント103は、プランジャー101に係合し、続いて、プランジャー101はマイクロスイッチ97に接続され、閉じた構成においては、操作スイッチを作動する場合にマイクロスイッチがグラインダーの操作を許容する。蓋98が開いている(すなわち、その閉じた構成からヒンジが開かれる)場合、突出エレメント103は、プランジャー101から係合が外れて、続いて、マイクロスイッチ97を開放する。マイクロスイッチ97を開放することは、モーター23への電力供給を妨げ、粉砕器具1は実施不可能になる。この配置は、粉砕器具1が、蓋98が開いた構成において操作されるのを防ぐ。
【0077】
蓋98は、先細チャンネル60内の豆61の量がユーザーに見えるように、透明の高分子材料から形成される。